JP7259321B2 - 圧電駆動装置、圧電素子ユニットの製造方法、およびロボット - Google Patents

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Description

本発明は、圧電駆動装置、圧電素子ユニットの製造方法、およびロボットに関するものである。
超音波アクチュエーターは、例えばレンズ駆動ユニットに用いられ、正確なレンズ駆動が可能な駆動装置である。このような超音波アクチュエーターでは、圧電素子を有する圧電振動体を移動体に接触させ、圧電振動体を振動させることによって移動体を駆動する。
このような圧電振動体は、例えばシリコン基板のような半導体基板と、その半導体基板上に形成された圧電素子と、を有している。また、超音波アクチュエーターの高出力化を図るため、複数の圧電振動体を積層することがある。このような積層には、半導体製造技術の1つであるシリコン貫通電極(TSV)の技術が用いられる。シリコン貫通電極は、シリコンチップの表面と裏面を貫通する電極を作ることにより、シリコンチップの3次元高密度実装を実現する技術である。この技術を用いることにより、積層された圧電振動体同士を接合しつつ、電気的な接続を図ることができる。
特許文献1には、CIS(CMOS Image Sensor)ウエハーとLogicウエハーとが積層されているとともに、これらの積層体をSi基板上に載置し、Si基板の表側、すなわち積層体側から裏側にかけてTSV技術によって貫通する外部電極を設けてなる固体撮像素子が開示されている。このような構造によれば、TSV技術を用いて、積層体の電極を外部へ引き出すことができる。
特開2018-81945号公報
圧電振動体には低コストの要求があるが、前述のような半導体基板と圧電素子を有する圧電振動体の場合には、TSV技術を用いると工数が多くなり、低コスト化が難しいという課題がある。
本発明の適用例に係る圧電駆動装置は、
圧電素子を備える圧電素子ユニットと、
前記圧電素子の振動により楕円運動する接触部と、
前記接触部により駆動される被駆動体と、
を有し、
前記圧電素子ユニットは、
互いに表裏の関係を有する第1主面および第2主面、ならびに前記第1主面と前記第2主面とをつなぐ端面を有する半導体基板と、
前記第1主面上に設けられている前記圧電素子と、
前記圧電素子の前記半導体基板とは反対の面上に設けられている第1絶縁膜と、
前記第2主面上に設けられている第2絶縁膜と、
前記第1絶縁膜の前記圧電素子とは反対の面上に設けられ、前記圧電素子と電気的に接続されている第1配線層と、
前記端面上に設けられ、前記第1絶縁膜から連続している第3絶縁膜と、
前記第3絶縁膜の前記半導体基板とは反対の面上に設けられ、前記第1配線層から連続している第2配線層と、
前記端面の法線方向において前記第3絶縁膜と重なるように設けられ、前記第2絶縁膜から連続している第4絶縁膜と、
を備える
第1実施形態に係る圧電駆動装置を示す平面図である。 図1に示す振動体の電極の配置を示す平面図である。 図1に示す振動体の電極の配置を示す平面図である。 図1に示す振動体の配線層の配置を示す平面図である。 図1に示す振動体の配線層の配置を示す平面図である。 図2ないし図5のA-A線断面図である。 図2ないし図5のB-B線断面図である。 図2ないし図5のC-C線断面図である。 図2ないし図5のD-D線断面図である。 図2ないし図5のE-E線断面図である。 図10に示す圧電素子ユニットを配線板と電気的に接続した状態を示す断面図である。 図10に示す圧電素子ユニットを複数積層した上で配線板と電気的に接続した状態を示す断面図である。 図10に示す圧電素子ユニットの斜視図である。 図10に示す2つの圧電素子ユニットをY軸方向マイナス側から見た図である。 図3に示す振動部に印加する交番電圧の例を示す図である。 図1に示す振動部の駆動状態を示す平面図である。 図1に示す振動部の駆動状態を示す平面図である。 図1中のF-F線断面図である。 図1の制御装置を示すブロック図である。 第2実施形態に係る圧電素子ユニットの製造方法を示す工程図である。 第2実施形態に係る圧電素子ユニットの製造方法を説明するための図である。 第2実施形態に係る圧電素子ユニットの製造方法を説明するための図である。 第2実施形態に係る圧電素子ユニットの製造方法を説明するための図である。 第2実施形態に係る圧電素子ユニットの製造方法を説明するための図である。 第2実施形態に係る圧電素子ユニットの製造方法を説明するための図である。 第2実施形態に係る圧電素子ユニットの製造方法を説明するための図である。 第2実施形態に係る圧電素子ユニットの製造方法を説明するための図である。 第3実施形態に係るロボットを示す斜視図である。 第4実施形態に係るプリンターの全体構成を示す概略図である。
以下、本発明の圧電素子ユニット、圧電駆動装置、圧電素子ユニットの製造方法、およびロボットの好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る圧電駆動装置を示す平面図である。図2および図3は、それぞれ図1に示す振動体の電極の配置を示す平面図である。図4および図5は、それぞれ図1に示す振動体の配線層の配置を示す平面図である。図6は、図2ないし図5のA-A線断面図である。図7は、図2ないし図5のB-B線断面図である。図8は、図2ないし図5のC-C線断面図である。図9は、図2ないし図5のD-D線断面図である。図10は、図2ないし図5のE-E線断面図である。
なお、以下では、説明の便宜上、互いに直交する3軸をX軸、Y軸およびZ軸とし、X軸と平行な方向をX軸方向、Y軸と平行な方向をY軸方向、Z軸と平行な方向をZ軸方向とも言う。また、各軸の矢印側を「プラス側」とも言い、矢印と反対側を「マイナス側」とも言う。
また、以下の説明で「面上に設けられる」とは、その面上に直接位置している状態、または、何らかの介在物を介して間接的に面上に位置している状態のいずれかを指す。
図1に示す圧電駆動装置1は、円板状をなし中心軸Oまわりに回転可能な被駆動体としてのローター2と、ローター2の外周面21に当接する振動アクチュエーター3と、を有する。このような圧電駆動装置1では、振動アクチュエーター3を振動させると、ローター2がX軸と平行な中心軸Oまわりに回転する。なお、圧電駆動装置1の構成としては、図1の構成に限定されない。例えばローター2の周方向に沿って複数の振動アクチュエーター3を配置し、複数の振動アクチュエーター3の駆動によってローター2を回転させてもよい。また、振動アクチュエーター3は、ローター2の外周面21ではなく、ローター2の主面22に当接していてもよい。また、被駆動体は、ローター2のような回転体に限定されず、例えば、直線移動するスライダーであってもよい。
また、本実施形態では、ローター2にエンコーダー9が設けられており、エンコーダー9によって、ローター2の挙動、特に回転量および角速度を検出することができる。エンコーダー9としては、特に限定されず、例えばローター2の回転時にその回転量を検出するインクリメンタル型のエンコーダーであってもよいし、ローター2の回転の有無に関わらず、ローター2の原点からの絶対位置を検出するアブソリュート型のエンコーダーであってもよい。
本実施形態に係るエンコーダー9は、ローター2のX軸プラス側の面に固定されたスケール91と、スケール91のX軸プラス側に設けられた光学素子92と、を有する。また、スケール91は、円板状をなし、そのX軸プラス側の面に図示しないパターンが設けられている。一方、光学素子92は、スケール91のパターンに向けて光を照射する発光素子921と、スケール91のパターンを撮像する撮像素子922と、を有する。このような構成のエンコーダー9では、撮像素子922により取得されるパターンの画像をテンプレートマッチングすることにより、ローター2の回転量、駆動速度、絶対位置等を検出することができる。ただし、エンコーダー9の構成としては、上記の構成に限定されない。例えば、撮像素子922に代えて、スケール91からの反射光または透過光を受光する受光素子を備えた構成であってもよい。
また、振動アクチュエーター3は、振動体4と、振動体4をローター2に向けて付勢する付勢部材5と、振動体4の駆動を制御する制御装置7と、を有する。
このうち、振動体4は、図2ないし図5に示すように、振動部41と、振動部41を支持する支持部42と、振動部41と支持部42とを接続する接続部43と、振動部41に接続され、振動部41の振動をローター2に伝達する先端部44と、を有する。
振動部41は、X軸方向を厚さ方向とし、Y軸およびZ軸を含むY-Z平面に広がる板状をなし、Y軸方向に伸縮しながらZ軸方向に屈曲することによりS字状に屈曲振動する。また、振動部41は、X軸方向からの平面視で、伸縮方向であるY軸方向を長軸とする略長方形をなしている。ただし、振動部41の形状としては、その機能を発揮することができる限り、特に限定されない。
また、図3に示すように、振動部41は、振動部41を振動させるための駆動用の圧電素子6A~6Fと、振動部41の振動を検出するための検出用の圧電素子6Gと、を有する。
圧電素子6C、6Dは、それぞれ、振動部41のZ軸方向の中央部において、振動部41の長手方向、すなわちY軸方向に沿って配置されている。また、圧電素子6Cは、圧電素子6DよりもY軸方向プラス側に位置しており、一方、圧電素子6Dは、圧電素子6CよりもY軸方向マイナス側に位置している。そして、圧電素子6Cと圧電素子6Dとの間には、圧電素子6Gが配置されている。また、圧電素子6Cおよび圧電素子6Dは、互いに電気的に接続されている。
なお、2つの圧電素子6C、6Dに代えて、1つの圧電素子を設けるようにしてもよい。
また、圧電素子6C、6Dに対して振動部41のZ軸方向プラス側には圧電素子6A、6Bが振動部41の長手方向に並んで配置され、Z軸方向マイナス側には圧電素子6E、6Fが振動部41の長手方向に並んで配置されている。また、これら圧電素子6A~6Fは、それぞれ、通電によって振動部41の長手方向に伸縮する。また、圧電素子6A、6Fが互いに電気的に接続されており、圧電素子6B、6Eが互いに電気的に接続されている。後述するように、圧電素子6C、6Dと、圧電素子6A、6Fと、圧電素子6B、6Eとに、互いに位相が異なりかつ互いに同じ周波数の交番電圧を印加し、これらの伸縮タイミングをずらすことにより、振動部41をその面内においてS字状に屈曲振動させることができる。
圧電素子6Gは、圧電素子6Cと圧電素子6Dとの間に位置している。すなわち、圧電素子6Gは、圧電素子6C、6Dに対してその伸縮方向、すなわちY軸方向に並んで配置されている。この圧電素子6Gは、圧電素子6A~6Fの駆動に伴う振動部41の振動に応じた外力を受け、受けた外力に応じた信号を出力する。そのため、圧電素子6Gから出力される信号に基づいて、振動部41の振動状態を検知することができる。なお、「圧電素子6Gが圧電素子6C、6Dに対してその伸縮方向に並んで配置されている」とは、圧電素子6Cを伸縮方向に延長した領域と、圧電素子6Dを伸縮方向に延長した領域と、が重複する領域内に、圧電素子6Gの少なくとも一部が位置することを意味し、好ましくは、圧電素子6Gの全体が位置することを意味する。
また、圧電素子6Gは、振動部41の屈曲振動の節となる部分に配置されている。屈曲振動の節とは、Z軸方向への振幅が実質的にゼロとなる部分、すなわち実質的に屈曲振動が生じない部分である。このように、圧電素子6Gを圧電素子6C、6Dに対してその伸縮方向に並ぶように配置し、かつ、振動部41の屈曲振動の節を含む部分に配置することにより、圧電素子6Gに振動部41のY軸方向への伸縮振動が伝わり易くなるとともに、振動部41のZ軸方向への屈曲振動が伝わり難くなる。すなわち、伸縮振動の感度を高めつつ、屈曲振動の感度を低下させることができる。そのため、圧電素子6Gによって、振動部41のY軸方向への伸縮振動をより精度よく検出することができる。
ただし、圧電素子6Gの配置としては、振動部41のY軸方向への伸縮振動を検出することができれば、特に限定されず、例えば、振動部41の屈曲振動の腹となる部分に配置されていてもよい。また、圧電素子6Gを複数に分割するようにしてもよい。
また、支持部42は、振動部41を支持している。支持部42は、X軸方向からの平面視で、振動部41の基端側、すなわちY軸方向マイナス側を囲むU字形状となっている。ただし、支持部42の形状や配置としては、その機能を発揮することができる限り、特に限定されない。
また、接続部43は、振動部41の屈曲振動の節となる部分、具体的には振動部41のY軸方向の中央部と支持部42とを接続している。ただし、接続部43の構成は、その機能を発揮することができる限り、特に限定されない。
以上のような振動部41、支持部42および接続部43は、図6ないし図10に示すように、2つの圧電素子ユニット60を互いに向かい合わせて貼り合わせた構成となっている。すなわち、図6ないし図10に示す断面図では、圧電素子ユニット60同士の構成が、これらの中間を通過する線に対して鏡像の関係を満たしている。
また、各圧電素子ユニット60は、それぞれ複数の層が積層されてなる積層体で構成されており、これらの各層は、後述する圧電体や電極、配線層や絶縁膜である。
図2ないし図5は、それぞれ圧電素子ユニット60を構成する積層体の各層の平面図である。図2および図5に示す各層は、図示しない絶縁膜を介して電気的に絶縁されている。
まず、図2に示す第1電極601は、半導体基板61のX軸プラス側の面である第1主面上に設けられ、圧電素子6A~6Gに共通な電極である。
また、図3に示す6つの第2電極603は、圧電素子6A~6Fの個別電極であり、図3に示す1つの第3電極604は、圧電素子6Gの個別電極である。これらの第2電極603および第3電極604は、それぞれ後述する圧電体602を介して第1電極601と対向配置されている。
さらに、図4に示す1つの第1配線層605は、第1電極601を外部に引き出すための配線である。第1配線層605は、図示しないコンタクトを介して第1電極601と電気的に接続されている。そして、第1配線層605は、接続部43を経て、支持部42のY軸方向マイナス側の端部まで引き回されている。
また、図5に示す6つの第1配線層606は、第2電極603または第3電極604を外部に引き出すための配線である。第1配線層606は、図示しないコンタクトを介して第2電極603または第3電極604と電気的に接続されている。そして、第1配線層606は、接続部43を経て、支持部42のY軸方向マイナス側の端部まで引き回されている。
図6ないし図8は、上述した図2ないし図5に示す振動部41の断面図であって、切断面の位置が互いに異なっている。一方、図9および図10は、上述した図2ないし図5に示す支持部42の断面図である。なお、以下の説明では、図6ないし図10に示す2つの圧電素子ユニット60のうち、各図のX軸マイナス側に位置する圧電素子ユニット60を代表にして説明する。
図6ないし図8に示す圧電素子ユニット60は、半導体基板61と、半導体基板61の第1主面613上に配置された駆動用の圧電素子60A、60B、60C、60D、60E、60Fおよび検出用の圧電素子60Gと、各圧電素子60A~60Gを覆う第1絶縁膜63と、半導体基板61のX軸マイナス側の面である第2主面615上を覆う第2絶縁膜64と、半導体基板61の端面611上を覆う第3絶縁膜65と、を有する。
このうち、半導体基板61としては、特に限定されないが、例えばシリコン基板、炭化ケイ素基板、化合物半導体基板等を用いることができる。
圧電素子60A~60Fは、それぞれ、図6ないし図8に示すように、半導体基板61の第1主面613上に配置された第1電極601と、第1電極601のX軸プラス側の面上に配置された圧電体602と、圧電体602X軸プラス側の面上に配置された第2電極603と、を有する。すなわち、第1電極601は、圧電体602のX軸マイナス側の面6021に設けられ、第2電極603は、圧電体602のX軸プラス側の面6022に設けられている。第2電極603は、駆動信号に基づき、駆動用の圧電素子60A~60Fの各圧電体602を振動させる駆動用電極である。
また、圧電素子60Gは、図7に示すように、半導体基板61の第1主面613上に配置された第1電極601と、第1電極601のX軸プラス側の面上に配置された圧電体602と、圧電体602のX軸プラス側の面上に配置された第3電極604と、を有する。すなわち、第1電極601は、圧電体602のX軸マイナス側の面6021に設けられ、第3電極604は、圧電体602のX軸プラス側の面6022に設けられている。第3電極604は、検出用の圧電素子60Gの圧電体602の振動に応じた検出信号を、後述する制御装置7へ出力する検出用電極である。
2つの圧電素子ユニット60は、圧電素子60A~60Gが配置されている側の面を対向させた状態で接着剤691を介して接合されている。なお、圧電素子ユニット60は、2つを貼り合わせることなく単独で、つまり1つで用いられてもよい。また、貼り合わせる数も、2つに限定されず、3つ以上であってもよい。なお、複数の圧電素子ユニット60を貼り合わせることにより、圧電駆動装置1の出力を高めることができる。
また、第1電極601は、圧電素子6A~6Gに共通な電極であるが、圧電素子ごとに分割され、配線等で互いに接続されていてもよく、さらには、互いに接続されていなくてもよい。
一方、図9および図10には、支持部42の断面を図示しているが、この支持部42には、圧電素子60A~60Gが図示されていない。その代わりに、圧電素子60A~60Gと同じ構造を有するスペーサー構造68が設けられている。スペーサー構造68は、圧電素子60A~60Gと同じ構造を有するものの、電極に相当する部位には配線が接続されないか、接続されている場合には通電されないようになっている。
すなわち、図9および図10に示す圧電素子ユニット60は、半導体基板61と、半導体基板61の第1主面613上に配置されたスペーサー構造68と、スペーサー構造68を覆う第1絶縁膜63と、半導体基板61の第2主面615上を覆う第2絶縁膜64と、半導体基板61の端面611上を覆う第3絶縁膜65と、を有する。
図6ないし図10に示す第1絶縁膜63は、圧電素子60A~60Gまたはスペーサー構造68を覆うように設けられている。これにより、圧電素子60A~60Gまたはスペーサー構造68と第1配線層605、606との絶縁が図られている。
また、図6ないし図10に示す第2絶縁膜64は、半導体基板61の第2主面615上を覆うように設けられている。これにより、半導体基板61の第2主面615の絶縁が図られている。
さらに、図6ないし図10に示す第3絶縁膜65は、半導体基板61の端面611上を覆うように設けられている。これにより、半導体基板61の端面611の絶縁が図られている。なお、第3絶縁膜65は、第1絶縁膜63から連続する絶縁膜であることから、圧電素子60A~60Gやスペーサー構造68の端面上も覆っている。その結果、第1絶縁膜63および第3絶縁膜65は、一体の膜として、半導体基板61のX軸プラス側に位置する構造物全体を覆うことになる。その結果、半導体基板61、ならびに、圧電素子60A~60Gおよびスペーサー構造68は、第1絶縁膜63、第2絶縁膜64および第3絶縁膜65で周囲を取り囲まれた状態となる。これにより、絶縁性および耐候性を高めることができ、信頼性の高い振動体4が得られる。
ここで、第1配線層605、606は、図9および図10に示すように、第1絶縁膜63のX軸プラス側の面633上に引き回されている。そして、第1配線層605、606は、図10に示すように、支持部42のうち、Y軸方向マイナス側の端部まで引き回されている。
そして、図10に示す圧電素子ユニット60は、さらに、スペーサー構造68の端面上を経て、半導体基板61の端面611上に設けられている第2配線層607を有している。この第2配線層607は、第1配線層605、606から連続する配線層である。したがって、圧電素子60A~60Gの電極は、第1配線層605、606および第2配線層607を経て、半導体基板61の端面611上まで引き出されている。
このような第2配線層607を設けることにより、圧電素子ユニット60では、半導体基板61のX軸プラス側の面である第1主面613上やX軸マイナス側の面である第2主面615上ではなく、端面611上において外部との電気的接続が図ることが可能になる。つまり、第2配線層607は、シリコン貫通電極(TSV)を用いることなく外部接続が可能な引き出し配線として機能する。このため、シリコン貫通電極を採用した場合に必要とされる工数をかけることなく、比較的簡単に圧電素子ユニット60と外部との電気的接続を図ることができる。
以上のように、本実施形態に係る圧電駆動装置1は、互いに表裏の関係を有する第1主面613および第2主面615、ならびに第1主面613と第2主面615とをつなぐ端面611を有する半導体基板61と、第1主面613上に設けられている圧電素子60A~60Gと、圧電素子60A~60Gの半導体基板61とは反対の面67上に設けられている第1絶縁膜63と、第2主面615上に設けられている第2絶縁膜64と、第1絶縁膜63の圧電素子60A~60Gとは反対の面633上に設けられ、圧電素子60A~60Gと電気的に接続されている第1配線層605、606と、半導体基板61の端面611上に設けられ、第1絶縁膜63から連続している第3絶縁膜65と、第3絶縁膜65の半導体基板61とは反対の面651上に設けられ、第1配線層605、606から連続している第2配線層607と、を備える圧電素子ユニット60を有している。
このような圧電駆動装置1は、シリコン貫通電極の技術を用いることなく外部接続が可能な引き出し配線を備えたものとなる。そして、かかる圧電駆動装置1は、工数の削減が容易であることから、生産効率の向上を容易に図り得るものとなる。
図11は、図10に示す圧電素子ユニット60を配線板8と電気的に接続した状態を示す断面図である。
図11に示す配線板8は、圧電素子ユニット60と図1に示す制御装置7とを電気的に接続する配線板である。配線板8は、フレキシブル基板81と、フレキシブル基板81の一方の面に設けられた配線82と、を備えている。そして、圧電素子ユニット60が備える複数の第2配線層607に対応するように、複数の配線82が引き回されている。
このように、図11に示す圧電駆動装置1は、配線板8を有し、第2配線層607と配線板8とが電気的に接続されている。これにより、半導体基板61の端面611上において配線板8との接続が可能になるため、複数の圧電素子ユニット60を積層して1つの圧電駆動装置1を組み立てた場合でも、複数の圧電素子ユニット60と配線板8とを一括して接続することが可能になる。このため、シリコン貫通電極を採用した構造のように、圧電素子ユニット60を1つずつ積み上げながら接続する必要がなく、電気的接続の作業効率を各段に高めることができる。
また、圧電素子ユニット60と配線板8との間は、図11に示すように、接合部83を介して機械的および電気的に接続されている。
接合部83としては、例えば、半田、ろう材、金属ペーストのような導電金属、異方性導電ペースト、異方性導電シートのような異方性導電材料、導電性接着剤、ワイヤーボンディング材等が挙げられる。このうち、第2配線層607と配線板8とを電気的に接続する接合部83は、導電金属または異方性導電材料であるのが好ましい。これらを用いることにより、比較的低温で効率よく、接触抵抗の小さい電気的接続が可能になる。このため、圧電駆動装置1の生産効率を高めることができる。
図12は、図10に示す圧電素子ユニット60を複数積層した上で配線板8と電気的に接続した状態を示す断面図である。
図12に示す圧電駆動装置1は、複数の圧電素子ユニット60が積層された構造、いわゆるスタック構造を有している。そして、複数の圧電素子ユニット60が積層された状態で、各半導体基板61の端面611上に位置する第2配線層607と、配線板8との間が、接合部83を介して電気的に接続されている。
また、図12の例では、まず、2つの圧電素子ユニット60が接着剤691を介して積層され、これにより1つのスタックユニットを形成している。そして、さらに、接着剤692を介してスタックユニット同士を接着することにより、圧電素子ユニット60を2の倍数で積層したスタック構造体を有する圧電駆動装置1が得られる。
図12に示す圧電駆動装置1は、複数の圧電素子ユニット60を備えているため、高い出力を発生させることができる。また、複数の圧電素子ユニット60を一括でかつ簡単な構造で配線板8に接続しているため、高出力化と簡素化とを両立したものとなる。
また、図11では、半導体基板61の端面611がスペーサー構造68の端面よりも外側に張り出している。図13は、図10に示す圧電素子ユニット60の斜視図である。この図13に示す圧電素子ユニット60では、半導体基板61の端面611とスペーサー構造68の端面とで段差が生じており、それに伴って第3絶縁膜65や第2配線層607にも段差680が生じている。
このような段差680は、接合部83を構成する材料、例えば導電金属や異方性導電材料を係合しやすくするためのスペースを生むことになる。つまり、図13に示す段差680が生じた結果、図11に示すように、スペーサー構造68の端面上において、Y軸方向マイナス側に開口する凹部681が形成される。この凹部681に接合部83が入り込むことによって、接合強度を高めやすくなり、より信頼性の高い接続が可能になる。
特に異方性導電材料として、導電ボールを含む材料が用いられた場合、凹部681は導電ボールが収まる空間として有用である。つまり、導電ボールを凹部681に安定的に収めることができ、導電ボールを介した電気的接続の安定化を図ることができる。
なお、このような凹部681は、必要に応じて設けられればよく、省略されてもよい。
また、図10に示す2つの圧電素子ユニット60のうち、下方の圧電素子ユニット60を「第1圧電素子ユニット60a」とし、上方の圧電素子ユニット60を「第2圧電素子ユニット60b」とする。
このとき、図10では、第1圧電素子ユニット60aの第1配線層605、606と、第2圧電素子ユニット60bの第1配線層605、606と、が互いに向かい合うように、第1圧電素子ユニット60aと第2圧電素子ユニット60bとが積層されている。
図14は、図10に示す2つの圧電素子ユニット60をY軸方向マイナス側から見た図である。
図14では、第1圧電素子ユニット60aの第1配線層605、606と、第2圧電素子ユニット60bの第1配線層605、606とが、一対一で対応するように引き回されている。そして、これらが向かい合うように積層されると、第1配線層605同士および第1配線層606同士が互いに接触する。このため、第1圧電素子ユニット60aおよび第2圧電素子ユニット60bは、単に積層することによって、第1配線層605同士および第1配線層606同士を接触させ、互いの電気的接続を図ることができる。
加えて、第1配線層605、606から連続する第2配線層607は、図14に示すようにX軸方向、つまり圧電素子ユニット60の厚さ方向に大きく広がりを持つことになる。したがって、第2配線層607は、X軸方向に十分な面積を持つ端子として機能する。
このような端子は、圧電素子ユニット60の大きさを大きくすることなく、接合部83が占める面積、すなわち接合部83の体積を大きくすることを可能にする。これにより、第1圧電素子ユニット60aにおいて、半導体基板61の端面611上に第2配線層607が引き出され、一方、第2圧電素子ユニット60bにおいても、半導体基板61の端面611上に第2配線層607が引き出されることによって、2つの第2配線層607を合わせた面積を端子として用いることができる。その結果、2つの第2配線層607にまたがるように設けられた接合部83を介して、第1圧電素子ユニット60aと第2圧電素子ユニット60bとを電気的に接続することができる。
また、この接合部83を介して、第1圧電素子ユニット60aおよび第2圧電素子ユニット60bを配線板8と接続することができる。このとき、接合部83が占める面積を大きくすることができるので、機械的強度の大きな接続が可能になるとともに、接触抵抗の小さい接続が可能になる。その結果、圧電駆動装置1の信頼性をさらに高めることができる。
なお、上述したような電気的接続により、第1圧電素子ユニット60aと第2圧電素子ユニット60bとの間で、圧電素子60A同士が接続されることになる。これにより、2つの圧電素子60Aから「圧電素子6A」が構成されることになる。
他の圧電素子60B~60Gについても同様であり、2つの圧電素子60Bから「圧電素子6B」が構成され、2つの圧電素子60Cから「圧電素子6C」が構成され、2つの圧電素子60Dから「圧電素子6D」が構成され、2つの圧電素子60Eから「圧電素子6E」が構成され、2つの圧電素子60Fから「圧電素子6F」が構成され、2つの圧電素子60Gから「圧電素子6G」が構成されている。
さらに、図10ないし図13に示す圧電素子ユニット60は、半導体基板61の端面611上に設けられ、第2絶縁膜64から連続している第4絶縁膜66を備えている。そして、前述したように第1絶縁膜63から連続している第3絶縁膜65、および、この第4絶縁膜66は、半導体基板61の端面611の法線方向、つまり図10ないし図13のY軸方向に重なっている。これにより、第3絶縁膜65と第4絶縁膜66との接続界面は、連続性の高いものとなり、隙間等の発生が抑えられる。このため、圧電素子ユニット60の絶縁性をより良好に確保するとともに、第1絶縁膜63、第2絶縁膜64、第3絶縁膜65および第4絶縁膜66によって周囲を包囲されることに伴う、圧電素子60A~60Gの信頼性を特に高めることができる。
また、圧電体602の構成材料としては、特に限定されず、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、タングステン酸ナトリウム、酸化亜鉛、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)、タンタル酸ストロンチウムビスマス(SBT)、メタニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の圧電セラミックスを用いることができる。また、圧電体602としては、上述した圧電セラミックスの他にも、ポリフッ化ビニリデン、水晶等を用いてもよい。
また、圧電体602の形成方法としては、特に限定されず、バルク材料から形成してもよいし、ゾル-ゲル法やスパッタリング法を用いて形成してもよい。本実施形態では、圧電体602をゾル-ゲル法を用いて形成している。これにより、例えば、バルク材料から形成する場合と比べて薄い圧電体602が得られ、振動アクチュエーター3の薄型化を図ることができる。
先端部44は、振動部41の先端に設けられ、振動部41からY軸方向プラス側へ突出している。そして、先端部44は、ローター2の外周面21と接触している。そのため、振動部41の振動は、先端部44を介してローター2に伝達される。先端部44の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ジルコニア、アルミナ、チタニア等の各種セラミックスが挙げられる。これにより、耐久性に優れた先端部44となる。
図15は、図3に示す振動部に印加する交番電圧の例を示す図である。図16および図17は、それぞれ、図1に示す振動部の駆動状態を示す平面図である。図18は、図1中のF-F線断面図である。図19は、図1の制御装置を示すブロック図である。
このような振動体4において、図15に示す交番電圧V1を圧電素子6A、6Fに印加し、交番電圧V2を圧電素子6C、6Dに印加し、交番電圧V3を圧電素子6B、6Eに印加すると、図16に示すように、振動部41がY軸方向に伸縮振動しつつZ軸方向に屈曲振動する。このとき、圧電素子6C、6Dに印加される交番電圧V2は、振動部41に伸縮振動を発生させる。一方、圧電素子6A、6Fに印加される交番電圧V1および圧電素子6B、6Eに印加される交番電圧V3は、振動部41に屈曲振動を発生させる。そして、これらの振動が合成されると、先端部44の先端が矢印A1で示すように反時計回りに楕円軌道を描く楕円運動をする。したがって、交番電圧V1、V2、V3が振動アクチュエーター3における駆動信号Sdである。このような先端部44の楕円運動によってローター2が送り出され、ローター2が矢印B1で示すように時計回りに回転する。また、このような振動部41の振動に対応して、圧電素子6Gから検出信号Ssが出力される。
このように圧電駆動装置1は、圧電素子6A~6Fの振動により楕円運動する先端部44(接触部)と、先端部44により駆動される被駆動体であるローター2と、前述した圧電素子ユニット60と、を有している。前述したように、先端部44は、例えばセラミックスのような硬度の高い材料で構成されるが、このような先端部44を備えることで、ローター2を精度よく駆動することができる。
なお、矢印A1で示す先端部44の楕円運動では、点A1’から点A1”までは、先端部44がローター2の外周面21と当接してローター2を矢印B1の方向に送り出し、点A1”から点A1’までは、先端部44がローター2の外周面21から離間している。そのため、点A1”から点A1’までは、ローター2の矢印B1とは反対側への回転が抑制される。
また、交番電圧V1、V3を互いに切り換えると、すなわち交番電圧V1を圧電素子6B、6Eに印加し、交番電圧V2を圧電素子6C、6Dに印加し、交番電圧V3を圧電素子6A、6Fに印加すると、図17に示すように、振動部41がY軸方向に伸縮振動しつつZ軸方向に屈曲振動する。このときも、圧電素子6C、6Dに印加される交番電圧V2は、振動部41に伸縮振動を発生させる。一方、圧電素子6B、6Eに印加される交番電圧V1および圧電素子6A、6Fに印加される交番電圧V3は、振動部41に屈曲振動を発生させる。そして、これらの振動が合成されると、先端部44が矢印A2で示すように時計回りに楕円運動する。このような先端部44の楕円運動によってローター2が送り出され、ローター2が矢印B2で示すように反時計回りに回転する。また、このような振動部41の振動に対応して、圧電素子6Gから検出信号Ssが出力される。
なお、矢印A2で示す先端部44の楕円運動では、点A2’から点A2”までは、先端部44がローター2の外周面21と当接してローター2を矢印B2の方向に送り出し、点A2”から点A2’までは、先端部44がローター2の外周面21から離間している。そのため、点A2”から点A2’までは、ローター2の矢印B2とは反対側への回転が抑制される。
なお、ローター2を少なくとも一方向に回転させることができれば、圧電素子6A~6Fに印加する交番電圧のパターンは、図示したパターンに限定されない。圧電素子6A~6Fに印加する電圧は、交番電圧でなく、例えば、間欠的に印加する直流電圧でもよい。
また、振動部41は、前述したように、圧電体602と、この圧電体602に設けられている第1電極601および第2電極603と、を有する圧電素子6A~6F(駆動用圧電素子)を備えている。この振動部41における伸縮振動および屈曲振動は、それぞれ、圧電体602と第1電極601との界面、すなわち第1電極601の表面に平行な平面における振動であって、この振動により、先端部44を楕円運動させ、ローター2を駆動する。
このような平面における振動は、振動部41における振動効率が高くなり、消費電力の小さい圧電駆動装置1を実現することができる。
なお、本明細書における「平行」とは、前述した伸縮振動および屈曲振動の振動面と第1電極601の表面とのなす角度が0°の状態に加え、この角度が±5°の範囲内にある状態を指す概念である。
また、先端部44は、必要に応じて設けられればよく、その他の部材で代替されてもよい。
付勢部材5は、先端部44をローター2の外周面21に向けて付勢する部材である。付勢部材5は、図18に示すように、振動体4のX軸プラス側に位置する第1基板51と、振動体4のX軸マイナス側に位置する第2基板52と、を有する。そして、第1基板51と第2基板52とで振動体4を挟み込んでいる。なお、第1基板51および第2基板52としては、特に限定されないが、例えば、シリコン基板を用いることができる。
ここで、本実施形態では、1つの振動体4を第1基板51および第2基板52で挟み込んでいるが、これに限定されず、例えば、複数の振動体4が積層してなる積層体を第1基板51および第2基板52で挟み込んだ構成であってもよい。これにより、1つの振動アクチュエーター3に含まれる振動体4の数が増えるため、その分、大きいトルクでローター2を回転させることができる。
また、図18に示すように、第1基板51と第2基板52との間には、振動体4と等しい厚さの間座53が設けられている。また、当該部分には、X軸方向に貫通する貫通孔59が形成されており、この貫通孔59を利用して、付勢部材5が筐体等にねじ止めされる。図1に示すばね部513をY軸方向に撓ませた状態で付勢部材5を前記筐体等に固定することにより、ばね部513の復元力を利用して先端部44をローター2の外周面21に向けて付勢することができる。
なお、付勢部材5の構成は、先端部44をローター2の外周面21に向けて付勢することができれば、特に限定されない。例えば、第1基板51および第2基板52のいずれか一方を省略してもよい。また、例えば、付勢部材5として、コイルスプリング、板ばね等を用いてもよい。
制御装置7は、圧電素子6A~6Fに印加する交番電圧V1、V2、V3を適宜調整することにより、振動体4によるローター2の駆動を制御する。
図19に示すように、制御装置7は、駆動パルス信号Pdを生成する駆動パルス信号生成部71と、駆動パルス信号Pdから圧電素子6A、6B、6C、6D、6E、6Fに印加する駆動信号Sdを生成する駆動信号生成部72と、圧電素子6Gから出力される検出信号Ssを2値化して検出パルス信号Psを生成する検出パルス信号生成部73と、駆動パルス信号Pdと検出パルス信号Psとの位相差を取得する位相差取得部74と、位相差に基づいて駆動パルス信号生成部71の駆動を制御する駆動制御部75と、を有している。
駆動パルス信号生成部71は、駆動信号Sdを生成するための駆動パルス信号Pd(デジタル信号)を生成する回路である。図19に示すように、駆動パルス信号生成部71で生成される駆動パルス信号Pdは、High/Lowに2値化された矩形波である。駆動パルス信号生成部71は、駆動パルス信号PdのDuty(デューティー)を変化させることができる。駆動パルス信号PdのDutyを変更することで、駆動信号Sdの振幅を変更することができる。例えば、Dutyを50%とすれば、駆動信号Sdの振幅が最大となり、Dutyを0%に近づけるにつれて、駆動信号Sdの振幅が減少する。
なお、駆動パルス信号生成部71の構成は、上述した駆動パルス信号Pdを生成することができ、かつ、駆動パルス信号PdのDutyを変更することができれば、特に限定されない。本実施形態に係る駆動パルス信号生成部71は、図19に示すように、GNDの電位となっている電極71Aと、+VDDの電位となっている電極71Bと、スイッチング素子71Cと、を有しており、電極71Aとスイッチング素子71Cとが接続されている状態と、電極71Bとスイッチング素子71Cとが接続されている状態と、を交互に切り替えることで駆動パルス信号Pdを生成する構成となっている。また、本実施形態では、駆動パルス信号生成部71が、異なる3つの駆動信号、例えば交番電圧V1、V2、V3やその位相を異ならせた信号を生成するために、第1駆動パルス信号生成部711、第2駆動パルス信号生成部712および第3駆動パルス信号生成部713を有している。
駆動信号生成部72は、駆動パルス信号生成部71で生成された駆動パルス信号Pdからアナログ信号である駆動信号Sdを生成する回路である。図19に示すように、駆動信号生成部72で生成される駆動信号Sdは、略正弦波状の信号である。
なお、駆動信号生成部72の構成は、上述した駆動信号Sdを生成することができれば、特に限定されない。本実施形態に係る駆動信号生成部72は、図19に示すように、主に、バッファー72Aとコイル72Bとを備えた構成となっている。また、本実施形態では、駆動信号生成部72が、異なる3つの駆動信号、例えば交番電圧V1、V2、V3やその位相を異ならせた信号を生成するために、第1駆動パルス信号生成部711と接続された第1駆動信号生成部721と、第2駆動パルス信号生成部712と接続された第2駆動信号生成部722と、第3駆動パルス信号生成部713と接続された第3駆動信号生成部723と、を有している。
駆動信号生成部72によって生成された3つの駆動信号、ここでは交番電圧V1、V2、V3を圧電素子6A、6B、6C、6D、6E、6Fに印加することで、前述したように、振動体4が振動し、それに伴ってローター2が回転する。
検出パルス信号生成部73は、振動体4の振動に伴って圧電素子6Gから出力されるアナログ信号である検出信号Ssを2値化して、デジタル信号である検出パルス信号Psを生成する回路である。図19に示すように、圧電素子6Gから出力される検出信号Ssは、振動体4の振幅に対応した略正弦波状の信号であり、検出パルス信号Psは、検出信号SsをHigh/Lowに2値化した矩形波状の信号である。なお、検出パルス信号生成部73の構成は、上述した検出パルス信号Psを生成することができれば、特に限定されない。
位相差取得部74は、駆動パルス信号Pdと検出パルス信号Psとの位相差を取得する回路である。このように、位相差を取得することで、振動体4の振動状態をモニターすることができる。
駆動制御部75は、位相差取得部74が取得した位相差に基づいて駆動パルス信号生成部71の駆動を制御する回路である。駆動制御部75は、例えば、位相差が所定値を追尾するように、各駆動パルス信号Pdの周波数を随時変化させる。振動体4の振幅と位相差には相関関係があるため、位相差を振動体4の振幅が最大値となる値に合わせ込むことで、ローター2をより高速で回転させることができる。
以上のようにして、振動体4によるローター2の駆動を制御することができる。
なお、制御装置7は、例えばCPUのようなプロセッサー、メモリー、インターフェース等を有するコンピューターで構成される。そして、メモリーに格納されている所定のプログラムをプロセッサーによって実行することにより、各部の動作が制御される。なお、プログラムは、インターフェースを介して外部からダウンロードされたものであってもよい。また、制御装置7の構成の全部または一部が、圧電駆動装置1の外部に設けられ、LAN(ローカルエリアネットワーク)等の通信網を介して接続された構成であってもよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る圧電素子ユニットの製造方法について説明する。
図20は、第2実施形態に係る圧電素子ユニットの製造方法を示す工程図である。また、図21ないし図27は、それぞれ第2実施形態に係る圧電素子ユニットの製造方法を説明するための図である。
以下、第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、図21ないし図27において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
第2実施形態に係る圧電素子ユニットの製造方法は、2つの圧電素子ユニット60で構成された圧電駆動装置1を製造する方法である。この製造方法は、図20に示すように、半導体ウエハー610と、圧電素子600と、第1ウエハー絶縁膜630と、ウエハー配線層6050と、を有する積層体6000を用意する準備工程S1と、接着剤6001を介して積層体6000に支持基板6002を接着する支持基板接着工程S2と、半導体ウエハー610を研削する研削工程S3と、エッチング処理を施すエッチング工程S4と、エッチング処理面に第2ウエハー絶縁膜640を形成する絶縁膜形成工程S5と、接着剤6001を除去し、圧電素子ユニット60を得る接着剤除去工程S6と、2つの圧電素子ユニット60を積層する積層工程S7と、を有する。以下、各工程について順次説明する。
[1]準備工程S1
まず、半導体ウエハー610と、圧電素子600と、第1ウエハー絶縁膜630と、ウエハー配線層6050と、を有する積層体6000を用意する。
半導体ウエハー610は、互いに表裏の関係を有する第1ウエハー主面6101および第2ウエハー主面6102、ならびに、第1ウエハー主面6101に形成されている溝6103を有する。
図21では、第1ウエハー主面6101が半導体ウエハー610のX軸プラス側の面であり、第2ウエハー主面6102が半導体ウエハー610のX軸マイナス側の面である。
溝6103は、第1ウエハー主面6101に開口する溝である。第1ウエハー主面6101に直交する面で切断されたときの溝6103の断面形状は、特に限定されないが、図21では矩形をなしている。このような溝6103は、例えばエッチング法、ダイシング法等により形成される。
圧電素子600は、下部電極6010、圧電体6020および上部電極6030を備え、前述した圧電素子60A~60Gと同じ構成を有している。圧電素子600は、例えば次のようにして形成される。
まず、半導体ウエハー610の第1ウエハー主面6101に下部電極6010を成膜する。下部電極6010は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法のような各種成膜法、めっき法等により形成される。
次に、下部電極6010のX軸プラス側の面に圧電体6020を成膜する。圧電体6020は、バルク体を載置する方法で形成されてもよいが、好ましくはゾル-ゲル法、スパッタリング法のような各種成膜法を用いて形成される。このうち、圧電体6020をゾル-ゲル法で形成するのが好ましい。これにより、薄い圧電体6020を容易に形成することができるため、振動体4の薄型化を図ることができる。
次に、圧電体6020のX軸プラス側の面に上部電極6030を成膜する。上部電極6030は、下部電極6010と同様の方法で形成される。
なお、下部電極6010、圧電体6020および上部電極6030を形成する際、必要に応じて、パターニングを施すようにしてもよい。パターニングは、例えばエッチング法、イオンミリング法等により行うことができる。
以上のようにして圧電素子600が形成される。
第1ウエハー絶縁膜630は、例えばCVD(chemical vapor deposition)法、真空蒸着法、スパッタリング法のような各種成膜法、塗布法等により形成される。
ウエハー配線層6050は、例えば下部電極6010と同様の方法で形成される。ウエハー配線層6050は、第1ウエハー絶縁膜630を覆うように形成される。
第1ウエハー絶縁膜630およびウエハー配線層6050は、それぞれ、圧電素子600のX軸プラス側の面や端面、半導体ウエハー610のX軸プラス側の面や端面、溝6103の内面を覆うように形成される。
以上のようにして積層体6000が得られる。
[2]支持基板接着工程S2
次に、ウエハー配線層6050側に接着剤6001を供給し、図22に示すように、この接着剤6001を介して積層体6000と支持基板6002とを接着する。
接着剤6001は、光硬化性または紫外線硬化性の液状接着剤である。この接着剤6001を塗布すると、圧電素子600の上面や端面、溝6103の内部等を覆うとともに、積層体6000と支持基板6002との間にある隙間に接着剤6001が充填される。その結果、積層体6000と支持基板6002とが一体化され、剛性を高めることができる。
支持基板6002としては、光透過性または紫外線透過性を有する基板が用いられ、例えばガラス基板が用いられる。
[3]研削工程S3
次に、半導体ウエハー610の第2ウエハー主面6102を研削する。研削により、半導体ウエハー610を薄くすることができる。この際、積層体6000は支持基板6002によって支持されているため、半導体ウエハー610に欠けや割れ等が発生するのを抑えつつ、研削することができる。
この研削は、図23に示すように、半導体ウエハー610に形成されている溝6103に到達するまで行う。溝6103が露出するまで研削すると、溝6103が貫通し、貫通孔となる。それとともに、溝6103の内面上に成膜されていた第1ウエハー絶縁膜630およびウエハー配線層6050、ならびに、溝6103の内部に充填されていた接着剤6001も、第2ウエハー主面6102と同一平面内に露出する。
[4]エッチング工程S4
次に、積層体6000中の半導体ウエハー610の第2ウエハー主面6102側からアッシング処理を施す。これにより、研削工程で露出された接着剤6001の一部を除去し、図24に示すように、接着剤6001のX軸マイナス側の面をX軸プラス側に向かって後退させる。その結果、図24に示すように、接着剤6001で覆われていたウエハー配線層6050が露出する。
アッシング処理には、例えばOアッシング、プラズマ処理等があげられる。
なお、アッシング処理は、他の処理で代替されてもよい。他の処理は、接着剤6001の一部を除去可能な処理であれば、特に限定されない。
続いて、第2ウエハー主面6102側からエッチング処理を施す。これにより、第2ウエハー主面6102に付着している金属材料を除去することができる。この金属材料としては、例えばウエハー配線層6050の一部が脱落したり、研削工程において引き剥がされたりした後、第2ウエハー主面6102に付着したものが挙げられる。このような金属材料が付着していると、この金属材料が半導体ウエハー610のリークパスになり、半導体ウエハー610の絶縁性が低下する。そうすると、最終的に得られる圧電素子ユニット60の信頼性が低下する。
これに対し、エッチング処理が施されることにより、リークパスの原因となる金属材料を除去することができる。このため、半導体ウエハー610の絶縁性の低下を防止することができる。
また、このエッチング処理により、前述のアッシング処理で露出させたウエハー配線層6050もエッチングされる。ただし、エッチング処理は、少なくとも第2ウエハー主面6102に意図せず付着した金属材料を除去し得る程度の処理であればよいため、このウエハー配線層6050のエッチングは一部に留まることもある。図25では、ウエハー配線層6050のX軸マイナス側の端部がわずかにX軸プラス側に向かって後退している様子を図示している。このような程度にエッチングを留めることで、接着剤6001で覆われているウエハー配線層6050までも過度にエッチングされてしまうのを防止することができる。
このエッチング処理には、例えばウェットエッチング法、ドライエッチング法が用いられる。
[5]絶縁膜形成工程S5
次に、積層体6000中の半導体ウエハー610のエッチング処理面に対し、第2ウエハー絶縁膜640を形成する。これにより、図26に示すように、半導体ウエハー610の第2ウエハー主面6102が第2ウエハー絶縁膜640で覆う。また、それとともに、第1ウエハー絶縁膜630のX軸マイナス側の端部、ウエハー配線層6050のX軸マイナス側の端部、および接着剤6001のX軸マイナス側の端部も、それぞれ第2ウエハー絶縁膜640で覆う。その結果、前述した第1ウエハー絶縁膜630と第2ウエハー絶縁膜640とで、積層体6000の周囲が覆われることとなる。
[6]接着剤除去工程S6
次に、支持基板6002側からレーザー等の光を照射する。これにより、支持基板6002を透過した光が接着剤6001に照射され、接着剤6001を除去または剥離することができる。したがって、前述した接着剤6001には、レーザー等の照射に伴って接着を解除可能なものが好ましく用いられる。
また、接着剤6001の除去に伴って、接着剤6001のX軸マイナス側の端部を覆っていた第2ウエハー絶縁膜640についても除去される。その結果、図27に示すような、半導体基板61、圧電素子60A~60G、第1絶縁膜63、第2絶縁膜64、第1配線層605、606、第3絶縁膜65、第2配線層607、および第4絶縁膜66を備えた圧電素子ユニット60が得られる。
特に、上述した第1ウエハー絶縁膜630によって、図27に示す第1絶縁膜63および第3絶縁膜65を形成することができ、第2ウエハー絶縁膜640によって、図27に示す第2絶縁膜64および第4絶縁膜66を形成することができる。
以上のようにして圧電素子ユニット60が得られる。
[7]積層工程S7
その後、必要に応じて、2つの圧電素子ユニット60を積層する。積層には、例えば接着剤691が用いられる。これにより、第1配線層605同士および第1配線層606同士が接触し、2つの圧電素子ユニット60が機械的および電気的に接続される。その結果、図2ないし図10に示すような圧電駆動装置を製造することができる。
以上のように、本実施形態に係る圧電素子ユニットの製造方法は、互いに表裏の関係を有する第1ウエハー主面6101および第2ウエハー主面6102、ならびに、第1ウエハー主面6101に形成されている溝6103を有する半導体ウエハー610と、第1ウエハー主面6101上に設けられている圧電素子600と、圧電素子600の半導体ウエハー610とは反対の面上および溝6103の内面上に設けられている第1ウエハー絶縁膜630と、第1ウエハー絶縁膜630の圧電素子600とは反対の面上および溝6103の内面上に設けられ、圧電素子600と電気的に接続されているウエハー配線層6050と、を有する積層体6000を用意する工程と、ウエハー配線層6050の第1ウエハー主面6101とは反対の面上および溝6103の内面上に接着剤6001を供給し、接着剤6001を介して積層体6000に支持基板6002を接着する工程と、第2ウエハー主面6102を研削し、溝6103を貫通させ、ウエハー配線層6050および接着剤6001を露出させる工程と、第2ウエハー主面6102側から、ウエハー配線層6050をエッチングする工程と、エッチングの処理面に対し、第2ウエハー絶縁膜640を形成する工程と、接着剤6001および接着剤6001に設けられている第2ウエハー絶縁膜640を除去する工程と、を有する。
このような製造方法によれば、ウエハー配線層6050を半導体ウエハー610の端面に形成してなる圧電素子ユニット60を製造することができる。このウエハー配線層6050は、シリコン貫通電極の技術を用いることなく外部接続が可能な引き出し配線であるため、少ない工数で圧電素子ユニット60を製造することができる。
また、圧電素子ユニット60を複数積層する場合にも、端面に設けられたウエハー配線層6050を介して各圧電素子ユニット60との電気的接続が図られるため、積層構造への親和性も高い製造方法である。
<第3実施形態>
図28は、第3実施形態に係るロボットを示す斜視図である。
図28に示すロボット1000は、精密機器やこれを構成する部品の給材、除材、搬送および組立等の作業を行うことができる。ロボット1000は、6軸ロボットであり、床や天井に固定されるベース1010と、ベース1010に回動自在に連結されたアーム1020と、アーム1020に回動自在に連結されたアーム1030と、アーム1030に回動自在に連結されたアーム1040と、アーム1040に回動自在に連結されたアーム1050と、アーム1050に回動自在に連結されたアーム1060と、アーム1060に回動自在に連結されたアーム1070と、これらアーム1020、1030、1040、1050、1060、1070の駆動を制御する制御装置1080と、を有する。
また、アーム1070にはハンド接続部が設けられており、ハンド接続部にはロボット1000に実行させる作業に応じたエンドエフェクター1090が装着される。また、各関節部のうちの全部または一部には圧電駆動装置1が搭載されており、この圧電駆動装置1の駆動によって各アーム1020、1030、1040、1050、1060、1070が回動する。なお、圧電駆動装置1は、エンドエフェクター1090に搭載され、エンドエフェクター1090の駆動に用いられてもよい。
制御装置1080は、コンピューターで構成され、例えば、CPUのようなプロセッサー、メモリー、インターフェース等を有する。そして、プロセッサーが、メモリーに格納されている所定のプログラムを実行することで、ロボット1000の各部の駆動を制御する。なお、前記プログラムは、インターフェースを介して外部のサーバーからダウンロードされたものであってよい。また、制御装置1080の構成の全部または一部は、ロボット1000の外部に設けられ、LAN(ローカルエリアネットワーク)等の通信網を介して接続された構成となっていてもよい。
このようなロボット1000は、前述したように、圧電駆動装置1を備えている。
すなわち、ロボット1000は、互いに表裏の関係を有する第1主面613および第2主面615ならびに第1主面613と第2主面615とをつなぐ端面611を有する半導体基板61と、第1主面613上に設けられている圧電素子60A~60Gと、圧電素子60A~60Gの半導体基板61とは反対の面上に設けられている第1絶縁膜63と、第2主面615上に設けられている第2絶縁膜64と、第1絶縁膜63の圧電素子60A~60Gとは反対の面上に設けられ、圧電素子60A~60Gと電気的に接続されている第1配線層605、606と、半導体基板61の端面611上に設けられ、第1絶縁膜63から連続している第3絶縁膜65と、第3絶縁膜65の半導体基板61とは反対の面上に設けられ、第1配線層605、606から連続している第2配線層607と、を備える圧電素子ユニット60を有する圧電駆動装置1を備えている。
このような圧電駆動装置1によれば、シリコン貫通電極の技術を用いることなく外部接続が可能な引き出し配線を備えたものとなるため、工数の削減が容易であり、生産効率の向上を容易に図ることができる。このため、低コストのロボット1000の実現に寄与する。
また、製造される圧電素子ユニット60は、その積層が容易な構造を有していることから、複数の圧電素子ユニット60を備え、出力が大きい圧電駆動装置1を容易に実現することができる。このため、出力の大きいロボット1000の実現に寄与する。
<第4実施形態>
図29は、第4実施形態に係るプリンターの全体構成を示す概略図である。
図29に示すプリンター3000は、装置本体3010と、装置本体3010の内部に設けられている印刷機構3020、給紙機構3030および制御装置3040と、を備えている。また、装置本体3010には、記録用紙Pを設置するトレイ3011と、記録用紙Pを排出する排紙口3012と、液晶ディスプレイ等の操作パネル3013とが設けられている。
印刷機構3020は、ヘッドユニット3021と、キャリッジモーター3022と、キャリッジモーター3022の駆動力によりヘッドユニット3021を往復動させる往復動機構3023と、を備えている。また、ヘッドユニット3021は、インクジェット式記録ヘッドであるヘッド3021aと、ヘッド3021aにインクを供給するインクカートリッジ3021bと、ヘッド3021aおよびインクカートリッジ3021bを搭載したキャリッジ3021cと、を有する。
往復動機構3023は、キャリッジ3021cを往復移動可能に支持しているキャリッジガイド軸3023aと、キャリッジモーター3022の駆動力によりキャリッジ3021cをキャリッジガイド軸3023a上で移動させるタイミングベルト3023bと、を有する。また、給紙機構3030は、互いに圧接している従動ローラー3031および駆動ローラー3032と、駆動ローラー3032を駆動する圧電駆動装置1と、を有する。
このようなプリンター3000では、給紙機構3030が記録用紙Pを一枚ずつヘッドユニット3021の下部近傍へ間欠送りする。このとき、ヘッドユニット3021が記録用紙Pの送り方向とほぼ直交する方向に往復移動して、記録用紙Pへの印刷が行なわれる。
制御装置3040は、コンピューターで構成され、例えば、CPUのようなプロセッサー、メモリー、インターフェース等を有する。そして、プロセッサーが、メモリーに格納されている所定のプログラムを実行することで、プリンター3000の各部の駆動を制御する。このような制御は、例えば、インターフェースを介して外部から入力された印刷データに基づいて実行される。なお、前記プログラムは、インターフェースを介して外部のサーバーからダウンロードされたものであってもよい。また、制御装置3040の構成の全部または一部は、プリンター3000の外部に設けられ、LAN(ローカルエリアネットワーク)等の通信網を介して接続された構成となっていてもよい。
このようなプリンター3000は、前述したように、圧電駆動装置1を備えている。
すなわち、プリンター3000は、互いに表裏の関係を有する第1主面613および第2主面615ならびに第1主面613と第2主面615とをつなぐ端面611を有する半導体基板61と、第1主面613上に設けられている圧電素子60A~60Gと、圧電素子60A~60Gの半導体基板61とは反対の面上に設けられている第1絶縁膜63と、第2主面615上に設けられている第2絶縁膜64と、第1絶縁膜63の圧電素子60A~60Gとは反対の面上に設けられ、圧電素子60A~60Gと電気的に接続されている第1配線層605、606と、半導体基板61の端面611上に設けられ、第1絶縁膜63から連続している第3絶縁膜65と、第3絶縁膜65の半導体基板61とは反対の面上に設けられ、第1配線層605、606から連続している第2配線層607と、を備える圧電素子ユニット60を有する圧電駆動装置1を備えている。
このような圧電駆動装置1によれば、シリコン貫通電極の技術を用いることなく外部接続が可能な引き出し配線を備えたものとなるため、工数の削減が容易であり、生産効率の向上を容易に図ることができる。このため、低コストのプリンター3000の実現に寄与する。
また、製造される圧電素子ユニット60は、その積層が容易な構造を有していることから、複数の圧電素子ユニット60を備え、出力が大きい圧電駆動装置1を容易に実現することができる。このため、例えば高速化が容易なプリンター3000の実現に寄与する。
なお、本実施形態では、圧電駆動装置1が給紙用の駆動ローラー3032を駆動しているが、この他にも、例えば、キャリッジ3021cを駆動してもよい。
以上、本発明の圧電素子ユニット、圧電駆動装置、圧電素子ユニットの製造方法、およびロボットを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1…圧電駆動装置、2…ローター、3…振動アクチュエーター、4…振動体、5…付勢部材、6A…圧電素子、6B…圧電素子、6C…圧電素子、6D…圧電素子、6E…圧電素子、6F…圧電素子、6G…圧電素子、7…制御装置、8…配線板、9…エンコーダー、21…外周面、22…主面、41…振動部、42…支持部、43…接続部、44…先端部、51…第1基板、52…第2基板、53…間座、59…貫通孔、60…圧電素子ユニット、60A…圧電素子、60B…圧電素子、60C…圧電素子、60D…圧電素子、60E…圧電素子、60F…圧電素子、60G…圧電素子、60a…第1圧電素子ユニット、60b…第2圧電素子ユニット、61…半導体基板、63…第1絶縁膜、64…第2絶縁膜、65…第3絶縁膜、66…第4絶縁膜、67…面、68…スペーサー構造、71…駆動パルス信号生成部、71A…電極、71B…電極、71C…スイッチング素子、72…駆動信号生成部、72A…バッファー、72B…コイル、73…検出パルス信号生成部、74…位相差取得部、75…駆動制御部、81…フレキシブル基板、82…配線、83…接合部、91…スケール、92…光学素子、513…ばね部、600…圧電素子、601…第1電極、602…圧電体、603…第2電極、604…第3電極、605…第1配線層、606…第1配線層、607…第2配線層、610…半導体ウエハー、611…端面、613…第1主面、615…第2主面、630…第1ウエハー絶縁膜、633…面、640…第2ウエハー絶縁膜、651…面、680…段差、681…凹部、691…接着剤、692…接着剤、711…第1駆動パルス信号生成部、712…第2駆動パルス信号生成部、713…第3駆動パルス信号生成部、721…第1駆動信号生成部、722…第2駆動信号生成部、723…第3駆動信号生成部、921…発光素子、922…撮像素子、1000…ロボット、1010…ベース、1020…アーム、1030…アーム、1040…アーム、1050…アーム、1060…アーム、1070…アーム、1080…制御装置、1090…エンドエフェクター、3000…プリンター、3010…装置本体、3011…トレイ、3012…排紙口、3013…操作パネル、3020…印刷機構、3021…ヘッドユニット、3021a…ヘッド、3021b…インクカートリッジ、3021c…キャリッジ、3022…キャリッジモーター、3023…往復動機構、3023a…キャリッジガイド軸、3023b…タイミングベルト、3030…給紙機構、3031…従動ローラー、3032…駆動ローラー、3040…制御装置、6000…積層体、6001…接着剤、6002…支持基板、6010…下部電極、6020…圧電体、6021…下面、6022…上面、6030…上部電極、6050…ウエハー配線層、6101…第1ウエハー主面、6102…第2ウエハー主面、6103…溝、A1…矢印、A2…矢印、B1…矢印、B2…矢印、O…中心軸、P…記録用紙、Pd…駆動パルス信号、Ps…検出パルス信号、S1…準備工程、S2…支持基板接着工程、S3…研削工程、S4…エッチング工程、S5…絶縁膜形成工程、S6…接着剤除去工程、S7…積層工程、Sd…駆動信号、Ss…検出信号、V1…交番電圧、V2…交番電圧、V3…交番電圧

Claims (9)

  1. 圧電素子を備える圧電素子ユニットと、
    前記圧電素子の振動により楕円運動する接触部と、
    前記接触部により駆動される被駆動体と、
    を有し、
    前記圧電素子ユニットは、
    互いに表裏の関係を有する第1主面および第2主面、ならびに前記第1主面と前記第2主面とをつなぐ端面を有する半導体基板と、
    前記第1主面上に設けられている前記圧電素子と、
    前記圧電素子の前記半導体基板とは反対の面上に設けられている第1絶縁膜と、
    前記第2主面上に設けられている第2絶縁膜と、
    前記第1絶縁膜の前記圧電素子とは反対の面上に設けられ、前記圧電素子と電気的に接続されている第1配線層と、
    前記端面上に設けられ、前記第1絶縁膜から連続している第3絶縁膜と、
    前記第3絶縁膜の前記半導体基板とは反対の面上に設けられ、前記第1配線層から連続している第2配線層と、
    前記端面の法線方向において前記第3絶縁膜と重なるように設けられ、前記第2絶縁膜から連続している第4絶縁膜と、
    を備えることを特徴とする圧電駆動装置
  2. 前記圧電素子は、圧電体と前記圧電体に設けられている電極とを備え、
    前記圧電素子は、前記電極の表面と平行な平面において振動することにより、前記接触部を楕円運動させ、前記被駆動体を駆動する請求項に記載の圧電駆動装置。
  3. 複数の前記圧電素子ユニットを有し、
    前記圧電素子ユニット同士が積層されている請求項1または2に記載の圧電駆動装置。
  4. 複数の前記圧電素子ユニットを、第1圧電素子ユニットおよび第2圧電素子ユニットとしたとき、
    前記第1圧電素子ユニットの前記第1配線層と、前記第2圧電素子ユニットの前記第1配線層と、が互いに向かい合うように、前記第1圧電素子ユニットと前記第2圧電素子ユニットとが積層されている請求項に記載の圧電駆動装置。
  5. 配線板を有し、
    前記第2配線層と前記配線板とが電気的に接続されている請求項ないしのいずれか1項に記載の圧電駆動装置。
  6. 前記第2配線層と前記配線板とを電気的に接続する導電金属または異方性導電材料を有する請求項に記載の圧電駆動装置。
  7. 互いに表裏の関係を有する第1ウエハー主面および第2ウエハー主面ならびに前記第1ウエハー主面に形成されている溝を有する半導体ウエハーと、前記第1ウエハー主面上に設けられている圧電素子と、前記圧電素子の前記半導体ウエハーとは反対の面上および前記溝の内面上に設けられている第1ウエハー絶縁膜と、前記第1ウエハー絶縁膜の前記圧電素子とは反対の面上および前記溝の内面上に設けられ、前記圧電素子と電気的に接続されているウエハー配線層と、を有する積層体を用意する工程と、
    前記ウエハー配線層の前記第1ウエハー主面とは反対の面上および前記溝の内面上に接着剤を供給し、前記接着剤を介して前記積層体に支持基板を接着する工程と、
    前記第2ウエハー主面を研削し、前記溝を貫通させ、前記ウエハー配線層および前記接着剤を露出させる工程と、
    前記第2ウエハー主面側から、前記ウエハー配線層をエッチングする工程と、
    前記エッチングの処理面に対し、第2ウエハー絶縁膜を形成する工程と、
    前記接着剤および前記接着剤に設けられている前記第2ウエハー絶縁膜を除去する工程と、
    を有することを特徴とする圧電素子ユニットの製造方法。
  8. 前記圧電素子は、圧電体と前記圧電体に設けられている電極とを備え、
    前記圧電体をゾル-ゲル法により形成する請求項に記載の圧電素子ユニットの製造方法。
  9. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の圧電駆動装置を備えることを特徴とするロボット。
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