JP2022052108A - イオントラップへのイオン導入方法、イオントラップ質量分析装置、及び、イオントラップ質量分析用プログラム - Google Patents
イオントラップへのイオン導入方法、イオントラップ質量分析装置、及び、イオントラップ質量分析用プログラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2022052108A JP2022052108A JP2020158298A JP2020158298A JP2022052108A JP 2022052108 A JP2022052108 A JP 2022052108A JP 2020158298 A JP2020158298 A JP 2020158298A JP 2020158298 A JP2020158298 A JP 2020158298A JP 2022052108 A JP2022052108 A JP 2022052108A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ions
- ion
- internal space
- ion trap
- voltage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 238000005040 ion trap Methods 0.000 title claims abstract description 241
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims description 51
- 150000002500 ions Chemical class 0.000 claims abstract description 571
- 230000005684 electric field Effects 0.000 claims abstract description 40
- 230000009471 action Effects 0.000 claims abstract description 17
- 230000008859 change Effects 0.000 claims description 13
- 238000004590 computer program Methods 0.000 claims description 7
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 claims description 5
- 238000000534 ion trap mass spectrometry Methods 0.000 claims description 4
- 238000007599 discharging Methods 0.000 claims description 3
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 claims 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 abstract description 11
- 239000002243 precursor Substances 0.000 description 30
- 238000004458 analytical method Methods 0.000 description 28
- 238000007792 addition Methods 0.000 description 17
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 11
- 238000000926 separation method Methods 0.000 description 11
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 10
- 239000007789 gas Substances 0.000 description 10
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 9
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 8
- 238000004949 mass spectrometry Methods 0.000 description 8
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 8
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 8
- 230000008569 process Effects 0.000 description 8
- 238000010494 dissociation reaction Methods 0.000 description 7
- 230000005593 dissociations Effects 0.000 description 7
- 230000035945 sensitivity Effects 0.000 description 7
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 6
- 239000000112 cooling gas Substances 0.000 description 5
- 239000011261 inert gas Substances 0.000 description 4
- 239000011159 matrix material Substances 0.000 description 4
- 238000001360 collision-induced dissociation Methods 0.000 description 3
- 238000011161 development Methods 0.000 description 3
- 238000001819 mass spectrum Methods 0.000 description 3
- XKRFYHLGVUSROY-UHFFFAOYSA-N Argon Chemical compound [Ar] XKRFYHLGVUSROY-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 238000003795 desorption Methods 0.000 description 2
- 238000000605 extraction Methods 0.000 description 2
- 239000001307 helium Substances 0.000 description 2
- 229910052734 helium Inorganic materials 0.000 description 2
- SWQJXJOGLNCZEY-UHFFFAOYSA-N helium atom Chemical compound [He] SWQJXJOGLNCZEY-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 238000002955 isolation Methods 0.000 description 2
- 238000002540 product ion scan Methods 0.000 description 2
- 238000011160 research Methods 0.000 description 2
- 230000004044 response Effects 0.000 description 2
- 238000001228 spectrum Methods 0.000 description 2
- IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N Atomic nitrogen Chemical compound N#N IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 101001043196 Myceliophthora thermophila (strain ATCC 42464 / BCRC 31852 / DSM 1799) Laccase-like multicopper oxidase 1 Proteins 0.000 description 1
- 229910052786 argon Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000001174 ascending effect Effects 0.000 description 1
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 1
- 150000001875 compounds Chemical class 0.000 description 1
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 1
- 238000003745 diagnosis Methods 0.000 description 1
- 229910001873 dinitrogen Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000007876 drug discovery Methods 0.000 description 1
- 238000000132 electrospray ionisation Methods 0.000 description 1
- 230000005284 excitation Effects 0.000 description 1
- 238000009434 installation Methods 0.000 description 1
- 238000000752 ionisation method Methods 0.000 description 1
- 230000001678 irradiating effect Effects 0.000 description 1
- 150000002632 lipids Chemical class 0.000 description 1
- 238000002156 mixing Methods 0.000 description 1
- 102000004196 processed proteins & peptides Human genes 0.000 description 1
- 108090000765 processed proteins & peptides Proteins 0.000 description 1
- 238000012552 review Methods 0.000 description 1
- 238000010187 selection method Methods 0.000 description 1
- 238000004904 shortening Methods 0.000 description 1
- 238000004088 simulation Methods 0.000 description 1
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
Abstract
Description
イオントラップの内部空間にイオンを捕捉している状態で、所定の質量電荷比を有する目的イオン又は質量電荷比が所定の質量電荷比範囲に入る目的イオン群を前記内部空間に残し、それ以外のイオンを該内部空間から排出させるイオン選別ステップと、
該イオン選別ステップの実施後に、前記内部空間にイオンを捕捉するための疑似ポテンシャルを一時的に低下させ、捕捉していたイオンを維持しつつ外部から新たなイオンを前記内部空間に導入することで、又は、捕捉されているイオンの運動に応じた所定のタイミングで以て外部から新たなイオンを前記内部空間に導入することで、捕捉されるイオンの量を増加させるイオン追加導入ステップと、
を実行するものである。
複数の電極で囲まれる内部空間に形成される電場の作用によって、該内部空間にイオンを捕捉するイオントラップと、
前記複数の電極のそれぞれに所定の電圧を印加する電圧発生部と、
前記電圧発生部により前記複数の電極の少なくとも一つにRF電圧を印加することにより前記内部空間にイオンを捕捉している状態で、所定の質量電荷比を有する目的イオン又は質量電荷比が所定の質量電荷比範囲に入る目的イオン群を前記内部空間に残し、それ以外のイオンを該内部空間から排出させるように前記複数の電極の少なくとも一つに印加する電圧を変更し、そのあとに、前記内部空間にイオンを捕捉するための疑似ポテンシャルを一時的に低下させ、捕捉していたイオンを維持しつつ外部から新たなイオンを前記イオントラップ内に導入するように、前記複数の電極の少なくとも一つに印加する電圧を変更する制御部と、
を備えるものである。
パルス状にイオンを供給するイオン供給部と、
複数の電極で囲まれる内部空間に形成される電場の作用によって、該内部空間にイオンを捕捉するイオントラップと、
前記複数の電極のそれぞれに所定の電圧を印加する電圧発生部と、
前記電圧発生部により前記複数の電極の少なくとも一つにRF電圧を印加することにより前記内部空間にイオンを捕捉している状態で、所定の質量電荷比を有する目的イオン又は質量電荷比が所定の質量電荷比範囲に入る目的イオン群を前記内部空間に残し、それ以外のイオンを該内部空間から排出させるように前記複数の電極の少なくとも一つに印加する電圧を変更し、そのあとに、捕捉されているイオンの運動に応じた所定のタイミングで以て外部から新たなイオンを前記内部空間に導入するように前記イオン供給部におけるパルス状のイオン供給のタイミングを制御する制御部と、
を備えるものである。
前記電圧発生部により前記複数の電極の少なくとも一つにRF電圧を印加することにより前記内部空間にイオンを捕捉している状態で、所定の質量電荷比を有する目的イオン又は質量電荷比が所定の質量電荷比範囲に入る目的イオン群を前記内部空間に残し、それ以外のイオンを該内部空間から排出させるように前記複数の電極の少なくとも一つに印加する電圧を変更するように前記電圧発生部を制御するイオン選別ステップと、
前記イオン選別ステップの実施後に、前記内部空間にイオンを捕捉するための疑似ポテンシャルを一時的に低下させ、捕捉していたイオンを維持しつつ外部から新たなイオンを前記イオントラップ内に導入するように、前記複数の電極の少なくとも一つに印加する電圧を変更するイオン追加導入ステップと、
を実行させるものである。
前記電圧発生部により前記複数の電極の少なくとも一つにRF電圧を印加することにより前記内部空間にイオンを捕捉している状態で、所定の質量電荷比を有する目的イオン又は質量電荷比が所定の質量電荷比範囲に入る目的イオン群を前記内部空間に残し、それ以外のイオンを該内部空間から排出させるように前記複数の電極の少なくとも一つに印加する電圧を変更するように前記電圧発生部を制御するイオン選別ステップと、
前記イオン選別ステップの実施後に、前記イオントラップ内に捕捉されているイオンの運動に応じた所定のタイミングで以て、新たなイオンを前記内部空間に導入するように前記イオン供給部からパルス状のイオンを供給するイオン追加導入ステップと、
を実行させるものである。
図1は、本実施形態のMALDI-DITMSの要部のブロック構成図である。このMALDI-DITMSは、イオン源としてMALDIイオン源を用い、質量分離器としてデジタルイオントラップを用いた質量分析装置である。
まず、本実施形態のMALDI-DITMSにおいてイオントラップ18へのイオン追加導入を実施しない場合のMS2分析動作について説明する。図2は、このときの一連の処理(操作)の手順を示すフローチャートである。
サンプルプレート14上には、解析対象である試料に適宜のマトリックスを混合することで調製されたサンプル15が形成され、該サンプルプレート14が試料ステージ13上に載置される。そのあと、チャンバー10の内部は真空ポンプ11により真空排気される。チャンバー10内が所定の真空状態になると、制御部6の制御の下で、レーザー照射部12は短時間レーザー光を出射する。このレーザー光は窓100を通過し、サンプルプレート14上のサンプル15に略垂直に照射される。このレーザー光の照射を受けて、サンプル15中の試料成分は気化してイオン化される。
生成されたイオンは、引出電極16により形成される電場によってサンプルプレート14の近傍から上方に引き出され、概ねZ軸方向に進行して四重極型デフレクター17に到達する。四重極型デフレクター17により形成される偏向電場によって、イオンはその軌道を略90°曲げ、概ねX軸方向に進行する。そして、イオンはイオン入射孔183を通ってイオントラップ18の内部空間に入り、主電圧発生部3からリング電極181に印加される矩形波RF電圧によって形成される電場によって一旦捕捉される。
イオントラップ18へのイオン導入時にはリング電極181に捕捉電圧が印加されておらず、入口側エンドキャップ電極182は電圧ゼロに維持され、出口側エンドキャップ電極184にはイオンと同極性の適宜の直流電圧が印加される。これにより、イオントラップ18内に入射したイオンはイオン出射孔185付近まで進むと、出口側エンドキャップ電極184に印加されている直流電圧によって形成される電場により跳ね返されて入口側エンドキャップ電極182の方向に戻る。
適宜の時間の間、クーリングを行ってイオントラップ18の内部空間にイオンを安定的に捕捉した後に、各種のイオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンをプリカーサーイオンとして選択的に残すために、それ以外のイオンをイオントラップ18から排出する。このようなプリカーサーイオンを選別する手法は、例えば特許文献2~4、非特許文献3等に記載の、従来から知られている様々な手法を利用して行うことができる。
まず、第1段階として、プリカーサーイオンの質量電荷比を含む或る程度広い所定の質量電荷比範囲に入るイオンを残し、その範囲外の質量電荷比を持つイオンを排除するような粗分離操作を実行する。この粗分離操作には例えばDAWI(Digital Asymmetric Waveform Isolation)などを利用することができる。DAWIについては非特許文献3等に詳しく記載されているが、ここで簡単に説明する。
以上のようにして、目的イオンの質量電荷比を中心とするごく狭い質量電荷比範囲のイオンを効率的にイオントラップ18の内部空間に残すことができる。
上記プリカーサー選別の後、イオントラップ18内に残したプリカーサーイオンを解離させるべく、ガス供給部2より所定の不活性ガスをコリジョンガスとしてイオントラップ18内へ供給する。その直後に、補助電圧発生部4は、プリカーサーイオンの質量電荷比で決まる永年振動数と等しい周波数の励起電圧をエンドキャップ電極182、184に印加する。それによって、プリカーサーイオンは振動し、エネルギーを持ってコリジョンガスに衝突することで解離し、各種のプロダクトイオンが生成される。
イオン解離操作の後、生成されたプロダクトイオンの軌道を小さくして安定化するために、ガス供給部2からイオントラップ18内に不活性ガスをクーリングガスとして導入し、プロダクトイオンをクーリングする。
そのあと、リング電極181に印加する矩形波RF電圧の周波数及びエンドキャップ電極182、184に印加する高周波信号の周波数を適宜走査する。これにより、イオンは質量電荷比の小さい順(又は逆に大きい順)に共鳴励起されて大きく振動し、イオン出射孔185を通して外部に排出される。イオン検出器19はイオントラップ18から排出されたイオンを順次検出し、そのイオン量に応じた検出信号を生成して出力する。データ処理部5は、この検出信号を受けて、質量電荷比とイオン強度との関係を示すMS2スペクトルを作成する。
まず、特許文献1等に開示されている従来装置においてイオン追加導入を実施する場合のMS2分析動作を、図3に示すフローチャートに沿って説明する。図3において図2に示すステップと実質的に同じ処理又は操作を行うものには同じステップ番号を付している。
上記実施形態のMALDI-DITMSでは、イオントラップ18内にイオンを追加導入する際に、矩形波RF電圧の周波数を高くし、イオントラップ18の内部空間における疑似ポテンシャル井戸を浅くしている。それにより、イオン入射孔183に到達したイオンが電場によって跳ね返されることなく、イオントラップ18内に入射する。既に述べたように、これと同様に、イオントラップ18内に外部からイオンが入射し易くする他の手法として、特許文献5に記載の手法がある。上記実施形態のMALDI-DITMSでも、イオンを追加導入する際に特許文献5に記載の手法を利用することができる。
分析対象の目的イオンが正イオンである場合、イオントラップ181へのイオンの導入に好適なタイミングは図8中にT1で示すように矩形波RF電圧のローレベル期間であり、特に好ましいのはローレベル期間の後半の1/2(図8中のT1’期間)、つまり対称矩形波RF電圧では1周期中の(3/2)π~2πの位相期間である。但し、レーザー光の照射により発生したイオンが四重極型デフレクター17を経てイオン入射孔183近傍に到達するまでには或る程度の時間(移動時間)が掛かる。そこで、この移動時間を予めシミュレーション計算又は実験的に求め、制御プログラム記憶部60に記憶させておく。
上述した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
イオントラップの内部空間にイオンを捕捉している状態で、所定の質量電荷比を有する目的イオン又は質量電荷比が所定の質量電荷比範囲に入る目的イオン群を前記内部空間に残し、それ以外のイオンを該内部空間から排出させるイオン選別ステップと、
該イオン選別ステップの実施後に、前記内部空間にイオンを捕捉するための疑似ポテンシャルを一時的に低下させ、捕捉していたイオンを維持しつつ外部から新たなイオンを前記内部空間に導入することで、又は、捕捉されているイオンの運動に応じた所定のタイミングで以て外部から新たなイオンを前記内部空間に導入することで、捕捉されるイオンの量を増加させるイオン追加導入ステップと、
を実行するものである。
複数の電極で囲まれる内部空間に形成される電場の作用によって、該内部空間にイオンを捕捉するイオントラップと、
前記複数の電極のそれぞれに所定の電圧を印加する電圧発生部と、
前記電圧発生部により前記複数の電極の少なくとも一つにRF電圧を印加することにより前記内部空間にイオンを捕捉している状態で、所定の質量電荷比を有する目的イオン又は質量電荷比が所定の質量電荷比範囲に入る目的イオン群を前記内部空間に残し、それ以外のイオンを該内部空間から排出させるように前記複数の電極の少なくとも一つに印加する電圧を変更し、そのあとに、前記内部空間にイオンを捕捉するための疑似ポテンシャルを一時的に低下させ、捕捉していたイオンを維持しつつ外部から新たなイオンを前記イオントラップ内に導入するように、前記複数の電極の少なくとも一つに印加する電圧を変更する制御部と、
を備えるものである。
パルス状にイオンを供給するイオン供給部と、
複数の電極で囲まれる内部空間に形成される電場の作用によって、該内部空間にイオンを捕捉するイオントラップと、
前記複数の電極のそれぞれに所定の電圧を印加する電圧発生部と、
前記電圧発生部により前記複数の電極の少なくとも一つにRF電圧を印加することにより前記内部空間にイオンを捕捉している状態で、所定の質量電荷比を有する目的イオン又は質量電荷比が所定の質量電荷比範囲に入る目的イオン群を前記内部空間に残し、それ以外のイオンを該内部空間から排出させるように前記複数の電極の少なくとも一つに印加する電圧を変更し、そのあとに、捕捉されているイオンの運動に応じた所定のタイミングで以て外部から新たなイオンを前記内部空間に導入するように前記イオン供給部におけるパルス状のイオン供給のタイミングを制御する制御部と、
を備えるものである。
前記電圧発生部により前記複数の電極の少なくとも一つにRF電圧を印加することにより前記内部空間にイオンを捕捉している状態で、所定の質量電荷比を有する目的イオン又は質量電荷比が所定の質量電荷比範囲に入る目的イオン群を前記内部空間に残し、それ以外のイオンを該内部空間から排出させるように前記複数の電極の少なくとも一つに印加する電圧を変更するように前記電圧発生部を制御するイオン選別ステップと、
前記イオン選別ステップの実施後に、前記内部空間にイオンを捕捉するための疑似ポテンシャルを一時的に低下させ、捕捉していたイオンを維持しつつ外部から新たなイオンを前記イオントラップ内に導入するように、前記複数の電極の少なくとも一つに印加する電圧を変更するイオン追加導入ステップと、
を実行させるものである。
前記電圧発生部により前記複数の電極の少なくとも一つにRF電圧を印加することにより前記内部空間にイオンを捕捉している状態で、所定の質量電荷比を有する目的イオン又は質量電荷比が所定の質量電荷比範囲に入る目的イオン群を前記内部空間に残し、それ以外のイオンを該内部空間から排出させるように前記複数の電極の少なくとも一つに印加する電圧を変更するように前記電圧発生部を制御するイオン選別ステップと、
前記イオン選別ステップの実施後に、前記イオントラップ内に捕捉されているイオンの運動に応じた所定のタイミングで以て、新たなイオンを前記内部空間に導入するように前記イオン供給部からパルス状のイオンを供給するイオン追加導入ステップと、
を実行させるものである。
10…チャンバー
100…窓
11…真空ポンプ
12…レーザー照射部
13…試料ステージ
14…サンプルプレート
15…サンプル
16…引出電極
17…四重極型デフレクター
18…イオントラップ
181…リング電極
182…入口側エンドキャップ電極
183…イオン入射孔
184…出口側エンドキャップ電極
185…イオン出射孔
19…イオン検出器
2…ガス供給部
3…主電圧発生部
4…補助電圧発生部
5…データ処理部
6…制御部
60…制御プログラム記憶部
7…入力部
8…表示部
Claims (11)
- 複数の電極で囲まれる内部空間に形成される電場の作用によって、該内部空間にイオンを捕捉するイオントラップに、外部からイオンを導入する方法であって、
イオントラップの内部空間にイオンを捕捉している状態で、所定の質量電荷比を有する目的イオン又は質量電荷比が所定の質量電荷比範囲に入る目的イオン群を前記内部空間に残し、それ以外のイオンを該内部空間から排出させるイオン選別ステップと、
該イオン選別ステップの実施後に、前記内部空間にイオンを捕捉するための疑似ポテンシャルを一時的に低下させ、捕捉していたイオンを維持しつつ外部から新たなイオンを前記内部空間に導入することで、又は、捕捉されているイオンの運動に応じた所定のタイミングで以て外部から新たなイオンを前記内部空間に導入することで、捕捉されるイオンの量を増加させるイオン追加導入ステップと、
を実行する、イオントラップへのイオン導入方法。 - 前記イオン追加導入ステップでは、疑似ポテンシャルを一時的に低下させ、捕捉していたイオンを維持しつつ外部から新たなイオンを前記内部空間に導入したあと、前記目的イオン又は目的イオン群のみが捕捉され得る条件に前記イオントラップ内の電場を戻す、請求項1に記載のイオントラップへのイオン導入方法。
- 複数の電極で囲まれる内部空間に形成される電場の作用によって、該内部空間にイオンを捕捉するイオントラップと、
前記複数の電極のそれぞれに所定の電圧を印加する電圧発生部と、
前記電圧発生部により前記複数の電極の少なくとも一つにRF電圧を印加することにより前記内部空間にイオンを捕捉している状態で、所定の質量電荷比を有する目的イオン又は質量電荷比が所定の質量電荷比範囲に入る目的イオン群を前記内部空間に残し、それ以外のイオンを該内部空間から排出させるように前記複数の電極の少なくとも一つに印加する電圧を変更し、そのあとに、前記内部空間にイオンを捕捉するための疑似ポテンシャルを一時的に低下させ、捕捉していたイオンを維持しつつ外部から新たなイオンを前記イオントラップ内に導入するように、前記複数の電極の少なくとも一つに印加する電圧を変更する制御部と、
を備える、イオントラップ質量分析装置。 - 前記制御部は、疑似ポテンシャルを一時的に低下させ、捕捉していたイオンを維持しつつ外部から新たなイオンを前記内部空間に導入したあと、前記目的イオン又は前記目的イオン群のみが捕捉され得るRF電圧が前記複数の電極の少なくとも一つに印加されるように前記電圧発生部を制御する、請求項3に記載のイオントラップ質量分析装置。
- 前記電圧発生部は、前記イオントラップの内部空間にイオンを捕捉するために該イオントラップを構成する複数の電極の少なくとも一つに矩形波RF電圧を印加するものである、請求項3又は4に記載のイオントラップ質量分析装置。
- 前記制御部は、前記疑似ポテンシャルを一時的に低下させる際に、前記矩形波RF電圧の振幅を一定として周波数を一時的に上昇させるように前記電圧発生部を制御する、請求項5に記載のイオントラップ質量分析装置。
- 前記制御部は、所定の質量電荷比を有するイオン又は質量電荷比が所定の質量電荷比範囲に入るイオンを前記内部空間に残す際に、前記矩形波RF電圧の周波数を一定としてデューティー比を変化させるように前記電圧発生部を制御する、請求項5又は6に記載のイオントラップ質量分析装置。
- パルス状にイオンを供給するイオン供給部と、
複数の電極で囲まれる内部空間に形成される電場の作用によって、該内部空間にイオンを捕捉するイオントラップと、
前記複数の電極のそれぞれに所定の電圧を印加する電圧発生部と、
前記電圧発生部により前記複数の電極の少なくとも一つにRF電圧を印加することにより前記内部空間にイオンを捕捉している状態で、所定の質量電荷比を有する目的イオン又は質量電荷比が所定の質量電荷比範囲に入る目的イオン群を前記内部空間に残し、それ以外のイオンを該内部空間から排出させるように前記複数の電極の少なくとも一つに印加する電圧を変更し、そのあとに、捕捉されているイオンの運動に応じた所定のタイミングで以て外部から新たなイオンを前記内部空間に導入するように前記イオン供給部におけるパルス状のイオン供給のタイミングを制御する制御部と、
を備える、イオントラップ質量分析装置。 - 前記電圧発生部は、前記イオントラップの内部空間にイオンを捕捉するために該イオントラップを構成する複数の電極の少なくとも一つに矩形波RF電圧を印加するものであり、前記制御部は、前記イオントラップ内に捕捉された状態にあるイオンがその捕捉領域の外周部に拡がった状態から中央に向かうタイミングで該イオントラップにイオンが入射するように、前記イオン供給部におけるパルス状のイオン供給のタイミングを制御する、請求項8に記載のイオントラップ質量分析装置。
- 複数の電極で囲まれる内部空間に形成される電場の作用によって、該内部空間にイオンを捕捉するイオントラップと、前記複数の電極のそれぞれに所定の電圧を印加する電圧発生部と、を具備するイオントラップ質量分析装置を駆動するためのコンピュータープログラムであって、コンピューターに、
前記電圧発生部により前記複数の電極の少なくとも一つにRF電圧を印加することにより前記内部空間にイオンを捕捉している状態で、所定の質量電荷比を有する目的イオン又は質量電荷比が所定の質量電荷比範囲に入る目的イオン群を前記内部空間に残し、それ以外のイオンを該内部空間から排出させるように前記複数の電極の少なくとも一つに印加する電圧を変更するように前記電圧発生部を制御するイオン選別ステップと、
前記イオン選別ステップの実施後に、前記内部空間にイオンを捕捉するための疑似ポテンシャルを一時的に低下させ、捕捉していたイオンを維持しつつ外部から新たなイオンを前記イオントラップ内に導入するように、前記複数の電極の少なくとも一つに印加する電圧を変更するイオン追加導入ステップと、
を実行させる、イオントラップ質量分析用プログラム。 - パルス状にイオンを供給するイオン供給部と、複数の電極で囲まれる内部空間に形成される電場の作用によって、該内部空間にイオンを捕捉するイオントラップと、前記複数の電極のそれぞれに所定の電圧を印加する電圧発生部と、を具備するイオントラップ質量分析装置を駆動するためのコンピュータープログラムであって、コンピューターに、
前記電圧発生部により前記複数の電極の少なくとも一つにRF電圧を印加することにより前記内部空間にイオンを捕捉している状態で、所定の質量電荷比を有する目的イオン又は質量電荷比が所定の質量電荷比範囲に入る目的イオン群を前記内部空間に残し、それ以外のイオンを該内部空間から排出させるように前記複数の電極の少なくとも一つに印加する電圧を変更するように前記電圧発生部を制御するイオン選別ステップと、
前記イオン選別ステップの実施後に、前記イオントラップ内に捕捉されているイオンの運動に応じた所定のタイミングで以て、新たなイオンを前記内部空間に導入するように前記イオン供給部からパルス状のイオンを供給するイオン追加導入ステップと、
を実行させる、イオントラップ質量分析用プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020158298A JP7452348B2 (ja) | 2020-09-23 | 2020-09-23 | イオントラップへのイオン導入方法、イオントラップ質量分析装置、及び、イオントラップ質量分析用プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020158298A JP7452348B2 (ja) | 2020-09-23 | 2020-09-23 | イオントラップへのイオン導入方法、イオントラップ質量分析装置、及び、イオントラップ質量分析用プログラム |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022052108A true JP2022052108A (ja) | 2022-04-04 |
JP2022052108A5 JP2022052108A5 (ja) | 2023-01-26 |
JP7452348B2 JP7452348B2 (ja) | 2024-03-19 |
Family
ID=80948802
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020158298A Active JP7452348B2 (ja) | 2020-09-23 | 2020-09-23 | イオントラップへのイオン導入方法、イオントラップ質量分析装置、及び、イオントラップ質量分析用プログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7452348B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023234374A1 (ja) * | 2022-05-31 | 2023-12-07 | 株式会社島津製作所 | 核酸の分析方法及びそれに用いるマトリックス |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4894916B2 (ja) | 2007-04-09 | 2012-03-14 | 株式会社島津製作所 | イオントラップ質量分析装置 |
US8022363B2 (en) | 2007-04-12 | 2011-09-20 | Shimadzu Corporation | Ion trap mass spectrometer |
CN104641452B (zh) | 2012-09-10 | 2017-06-20 | 株式会社岛津制作所 | 离子阱中的离子选择方法及离子阱装置 |
-
2020
- 2020-09-23 JP JP2020158298A patent/JP7452348B2/ja active Active
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023234374A1 (ja) * | 2022-05-31 | 2023-12-07 | 株式会社島津製作所 | 核酸の分析方法及びそれに用いるマトリックス |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7452348B2 (ja) | 2024-03-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4894918B2 (ja) | イオントラップ質量分析装置 | |
JP4894916B2 (ja) | イオントラップ質量分析装置 | |
JP5107263B2 (ja) | 質量分析計におけるイオンの断片化 | |
US6683301B2 (en) | Charged particle trapping in near-surface potential wells | |
US7378653B2 (en) | Increasing ion kinetic energy along axis of linear ion processing devices | |
JP5455653B2 (ja) | イオンを解離するための化学構造に敏感ではない方法および装置 | |
JP5533612B2 (ja) | イオントラップ飛行時間型質量分析装置 | |
JP6409987B2 (ja) | イオントラップ質量分析装置及び該装置を用いた質量分析方法 | |
JP2003123685A (ja) | 質量分析装置およびこれを用いる計測システム | |
US20070176098A1 (en) | Rotating excitation field in linear ion processing apparatus | |
JP6627979B2 (ja) | 質量分析装置 | |
JP6321546B2 (ja) | イオントラップ質量分析のためのイオン励起方法 | |
JP2006093160A (ja) | 質量分析装置およびこれを用いる計測システム | |
JP2022052108A (ja) | イオントラップへのイオン導入方法、イオントラップ質量分析装置、及び、イオントラップ質量分析用プログラム | |
JP2015170445A (ja) | 質量分析装置及び質量分析方法 | |
WO2019220501A1 (ja) | 飛行時間型質量分析装置 | |
WO2023203620A1 (ja) | 質量分析装置 | |
JP6881679B2 (ja) | 飛行時間型質量分析装置 | |
WO2019211918A1 (ja) | 直交加速飛行時間型質量分析装置 | |
JP2021072244A (ja) | イオン選択方法及びイオントラップ質量分析装置 | |
JP2011034981A (ja) | 質量分析装置およびこれを用いる計測システム | |
JP2008091199A (ja) | 質量分析装置 | |
Spencer | Ion Motion and an Optimization of Tandem Mass Spectrometry |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230118 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20230118 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230830 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20231003 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20231127 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20231215 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20240206 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20240219 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 7452348 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |