JP2008091199A - 質量分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】MS/MS分析を行うIT−TOF質量分析装置において、双曲面電場の乱れを軽減しつつ高いプリカーサ分離能を達成する。
【解決手段】一方のエンドキャップ電極3に穿設されたイオン導入孔5には導電性メッシュ8を設け、他方のエンドキャップ電極4に穿設されたイオン排出孔6の外側近傍には電場補正用電極7bを配設し、該電極7bには必要に応じてイオンと同極性の直流電圧を印加する。導電性メッシュ8と電場補正用電極7bとにより孔5、6付近の双曲面電場の乱れは補正されるが、プリカーサ選別の際にはこの電場の補正を行いながらイオン導入孔5を通して不要イオンをイオントラップ1の外部へ排出することができる。また、TOF質量分析のためにイオン排出孔6を通してプロダクトイオンを排出する際にイオンは導電性メッシュを通らないのでメッシュの汚染も生じない。
【選択図】図1

Description

本発明は、三次元四重極型イオントラップと飛行時間型質量分析計とを組み合わせた質量分析装置に関する。
質量分析において、イオンを一時的に捕捉したりイオンを質量電荷比(m/z)に応じて分離したりするものとして三次元四重極型イオントラップが知られている。図2は一般的な三次元四重極型イオントラップの概略構成図である。即ち、イオントラップ1は、1個の円環状のリング電極2と、このリング電極2を挟んで対向して配置された内側面が回転2葉双曲面形状を有する一対のエンドキャップ電極3、4とから構成され、一方のエンドキャップ電極3の中央には外部からイオントラップ1内にイオンを導入するためのイオン導入孔5が穿設され、他方のエンドキャップ電極4の中央にはイオントラップ1内から外部にイオンを吐き出すためのイオン排出孔6が穿設されている。
通常、リング電極2に高周波電圧を印加することで電極2、3、4で囲まれる空間に閉じ込め電場を形成し、これによりイオンを捕捉することができるようになっている。また、高周波電圧を調整することで特定質量を有するイオンを大きく励振させてイオン排出孔6から吐き出すようにすることもできる。
イオンを高い効率で捕捉するには理論的にエンドキャップ電極3、4の内側に双曲面電場を形成する必要があり、そのためにはエンドキャップ電極3、4の内面を高い精度で双曲面とするのが理想的である。しかしながら、エンドキャップ電極3、4にはイオン導入孔5、イオン排出孔6がそれぞれ穿設されているため、その近傍ではイオントラップ1内に形成される双曲面電場に乱れが生じる。それによって、イオンの捕捉効率の低下を招くほか、質量分解能やプリカーサ分解能といった質量分析器としての性能の低下が生じることが問題の一つとなっている。そこで、イオン導入孔5、イオン排出孔6の存在による双曲面電場の乱れの影響を軽減するために、従来、特許文献1に記載の技術が知られている。
この文献に記載の技術の1つは、図3に示すように、両方のエンドキャップ電極3、4の近傍でイオン導入孔5、イオン排出孔6の外側にそれぞれ電場補正用電極7a、7bを配置し、該電極7a、7bにイオンと同極性の直流電圧(正イオンである場合には正極性の直流電圧:以下、正イオンを取り扱う場合を例に挙げて説明する)を印加する。この直流電圧により形成される直流電場の影響により、イオントラップ1内でイオン導入孔5及びイオン排出孔6近傍の電場の乱れを補正して理想的な双曲面電場に近付けることができる。この構成は特にイオントラップ(IT)と飛行時間型質量分析計(TOF−MS)とを組み合わせたイオントラップ飛行時間型質量分析装置(IT−TOF質量分析装置)に好適である。即ち、イオン導入孔5を通してイオンをイオントラップ1内に導入した直後に電場補正用電極7に電圧を印加して高い効率でイオンを捕捉・蓄積し、所定のタイミングで以て電場補正用電極7a、7bへの印加電圧を解除し、イオン排出孔6を通してイオントラップ1からイオンを一斉に吐き出してTOF質量分析計に導入するのである。
これに対し、イオントラップ1自体で質量電荷比に応じたイオンの質量分離を行って、質量の相違するイオン種を順次イオン排出孔6を通して吐き出して検出器で検出するようなイオントラップ質量分析装置(IT質量分析装置)においては、図3のような構成は適当でない。何故なら、IT質量分析装置ではイオン排出孔6を通して分析対象である質量のイオンを吐き出しつつ、一方、イオントラップ1内に残る他のイオンは効率良く捕捉しておく必要があるが、図3の構成において後者の目的を達成するには、出口側の電場補正用電極7bに高い正極性の直流電圧を印加する必要があるものの、そうすると吐き出したいイオンも同極性の電場によって押し戻されるため、イオントラップ1内から適切にイオンの引き出しが行えないためである。
そこで、上記文献では、IT質量分析装置に好適な構成として図4に示す構成が提案されている。即ち、イオン排出孔6の外側に配設されていた電極7bを取り除く代わりに、イオン排出孔6にエンドキャップ電極4の内面に連続するように金属等から成る導電性メッシュ8を張設する。導電性メッシュ8の電位はエンドキャップ電極4と同電位となるため、その内側に形成される電場は理想的な双曲面電場に近くなり、且つイオンはメッシュ8の隙間を通してイオントラップ1内から出ることが可能となる。なお、図4において、イオン排出孔6の外側に配設されたイオン引き出し電極30にはイオンと逆極性の直流電圧が印加され、これによってイオントラップ1内からのイオンの吐き出しを補助し、吐き出されたイオンは検出器31により検出される。
一般にイオントラップ1での質量分解能はあまり高くないため、高い質量分解能で高精度・高感度の分析を行いたい場合には、IT質量分析装置ではなくIT−TOF質量分析装置が利用されることが多い。近年、分析対象である物質の分子量はますます大きくなり構造は複雑になりつつある。そのため、特定質量を持つプリカーサイオンを開裂させて生成したプロダクトイオンを質量分析するMS/MS分析の手法が従来にも増して重要になっている。IT−TOF質量分析装置においては、イオントラップ1に捕捉したイオンの中で特定質量を持つイオンをプリカーサイオンとして選別した後にイオントラップ1内に衝突誘起解離(CID=Collision-induced dissociation)ガスを導入することによりプリカーサイオンの開裂を促進させ、そうして生成されたプロダクトイオンをイオントラップ1から排出してTOF質量分析計で質量分析することが可能である。
こうした分析では、イオントラップ1内での各種イオンの捕捉→プリカーサイオンの選別→プリカーサイオンの開裂・プロダクトイオンの捕捉→イオントラップ1からのプロダクトイオンの排出→TOF質量分析計での質量分析、という手順で操作が進められる。ところが、図3のような構成を採用したIT−TOF質量分析装置ではプリカーサイオンの選別について考慮が為されておらず、MS/MS(又はMS)分析には適さない。即ち、プリカーサイオン選別のためには不要なイオンをイオントラップ1の外部へ吐き出しつつプリカーサイオンだけはイオントラップ1内に効率良く捕捉する必要があるが、後者の目的で電場補正用電極7a、7bに正極性の直流高電圧を印加するとその電場によって不要なイオンがイオントラップ1内から吐き出されにくくなってしまう。その結果、プリカーサイオンの選択性が悪くなる。
一方、図4の構成もIT−TOF質量分析装置でMS/MS分析を行うには適さない。何故なら、TOF質量分析を行うべくイオンを一斉にイオントラップ1内から排出する際にはエンドキャップ電極3、4に高い電圧を印加することで大きな初期運動エネルギーを付与するが、そうすると導電性メッシュ8に高速のイオンが衝突し易くなり、導電性メッシュ8が汚染されてイオンの通過効率が劣化するからである。また、導電性メッシュ8によるレンズ効果により、イオンビームが広がってしまいTOF質量分析装置に適切にイオンが導入されにくくなる。
国際公開WO03/041107A2パンフレット
本発明はこうした点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、イオントラップ内でプリカーサイオンの選択を行った上で該プリカーサイオンを開裂させ、それにより生成されたプロダクトイオンをイオントラップから吐き出してTOF質量分析計で質量分析する際に、イオントラップ内部での電場の乱れを軽減して高いプリカーサ分解能及び質量分解能を達成することができる質量分析装置を提供することにある。
上記課題を解決するために成された本発明は、リング電極と該電極を挟むように設けられる一組のエンドキャップ電極とから成る三次元四重極型のイオントラップと、該イオントラップから排出されたイオンを質量に応じて分離して検出する飛行時間型質量分析計と、を具備し、前記イオントラップの内部に各種イオンを捕捉した後に特定質量のイオンをプリカーサイオンとして選択的に残し、該プリカーサイオンをイオントラップ内部で開裂させて生成したプロダクトイオンを排出して前記飛行時間型質量分析計により分析する質量分析装置において、
前記イオントラップ内にイオンを導入するために前記エンドキャップ電極の一方に穿設されたイオン導入孔に導電性メッシュを設ける一方、前記イオントラップ内から前記飛行時間型質量分析計に向けてイオンを排出するために前記エンドキャップ電極の他方に穿設したイオン排出孔の外側には、該イオン排出孔近傍での電場の乱れを補正するために直流電圧が印加される電場補正用電極を配設したことを特徴としている。
本発明に係る質量分析装置では、上述の従来の構成とは異なり、主としてイオントラップ内にイオンを導入するためのイオン導入孔に金属等から成る導電性メッシュを設け、イオン排出孔の外側に近接して電場補正用電極を配置する。MS/MS分析を行う際には、例えばイオン導入孔からイオントラップ内に目的物質に由来する各種イオンを導入しこのイオンを捕捉した後に、例えばエンドキャップ電極に所定の高周波電圧を印加することで目的イオンをイオントラップ内に捕捉する一方、不要なイオンをイオン導入孔から吐き出す。
このとき、電場補正用電極にイオンと同極性の高い電圧を印加することでイオン排出孔側の双曲面電場の乱れを補正でき、導電性メッシュによりイオン導入孔側の双曲面電場の乱れを補正できる。また、電場補正用電極に印加された電圧による電場の影響でイオン排出孔を通しての不要イオンの排出は行いにくいが、イオン導入孔を通して円滑に不要イオンを排出することができる。それにより、目的イオンつまりはプリカーサイオンは効率的にイオントラップ内に残しながら、不要イオンは確実に排出することができ、高いプリカーサイオン分解能を達成することができる。
上述のようにしてプリカーサイオンをイオントラップ内に残した後に例えばCIDガスを導入してプリカーサイオンを開裂させ、生成したプロダクトイオンを捕捉する。その後に、例えばエンドキャップ電極に高電圧を印加し、電場補正用電極へは出口側のエンドキャップ電極と同電位の電圧を印加することにより、イオン排出孔を通してプロダクトイオンを一斉に排出して飛行時間型質量分析計で分析する。イオン排出孔には導電性メッシュは設けられていないので、加速されたイオンが導電性メッシュに衝突して汚染するおそれはなく、イオンビームも広がらずに効率良く飛行時間型質量分析計に導入することができる。したがって、プロダクトイオンを高い質量分解能で以て高精度・高感度で分析することができる。
また、導電性メッシュを用いて双曲面電場の補正を行う場合には、電場補正用電極を用いる場合に比べてエンドキャップ電極に穿設する孔のサイズを大きくすることができる。したがって、本発明に係る質量分析装置では、イオン導入孔のサイズを大きくすることで、イオントラップへのイオンの導入を行い易くしてイオン導入量を増加させることができる。これにより、質量分析の感度向上に寄与する。
以下、本発明の一実施例によるイオントラップ飛行時間型質量分析装置(IT−TOF質量分析装置)について、図面を参照して説明する。図1は本実施例のIT−TOF質量分析装置の概略構成図である。既に説明した構成と同一の構成要素には同一符号を付して説明を略す。
三次元四重極型のイオントラップ1は、リング電極2と、一対のエンドキャップ電極3、4とから構成され、エンドキャップ電極3の略中央に穿設されたイオン導入孔5には、エンドキャップ電極3の内面に沿うように導電性メッシュ8が張設されている。イオン導入孔5の外側には分析対象物質をイオン化するイオン源10が配設され、イオン源10で生成された各種イオンがイオン導入孔5を通してイオントラップ1内に導入される。他方のエンドキャップ電極4の略中央に穿設されたイオン排出孔6の外側には近接して電場補正用電極7bが配設され、イオン排出孔6から排出されたイオンはTOF質量分析計11に導入されるようになっている。このTOF質量分析計11はイオンが飛行する飛行空間12と飛行空間12を飛行する間に質量に応じて時間差がついたイオンを検出する検出器13とを含む。なお、ここではTOF質量分析計11はリフレクトロン型の構成であるが、これに限るものでないことは明らかである。
イオントラップ1内にはバッファガス導入部14により、クーリング用のHeガス又はCID用のArガスがバッファガスとして導入可能となっている。エンドキャップ電極3、4には励振電圧印加部21から、リング電極2には高周波電圧印加部22から、電場補正用電極7bには補正直流電圧印加部23から、それぞれ所定の電圧が印加されるようになっており、励振電圧印加部21、高周波電圧印加部22、補正直流電圧印加部23、バッファガス導入部14はいずれも制御部20により統括的に制御される。
上記構成のIT−TOF質量分析装置でMS/MS分析を実行する際の動作を説明する。まず、イオン源10において分析対象物質の分子をイオン化し、発生したイオン(ここでは正イオンを考える)をイオン導入孔5を通してイオンをイオントラップ1内に導入する。イオン導入孔5には導電性メッシュ8が設けられているが、導入を妨げる電場は形成されていないので、導電性メッシュ8の隙間から円滑にイオンはイオントラップ1内に入射する。なお、イオン導入に先立って、イオントラップ1内のガス圧が10−1[Pa]程度になるようにバッファガス導入部14からHeガスを導入しておく。
イオン導入時には、制御部20の制御の下に、高周波電圧印加部22からリング電極2に所定の高周波電圧を印加することで、イオントラップ1内に四重極電場を形成する。また、補正直流電圧印加部23から電場補正用電極7bに所定の正極性の直流電圧を印加する。電場補正用電極7bで形成される電場によって、イオン排出孔6付近の双曲面電場の乱れを補正することができる。イオントラップ1内に導入された各種イオンは充満しているHeガスと衝突して運動エネルギーを失う。これにより、イオンはクーリングされ、イオントラップ1内の捕捉領域の中央付近にイオンを集めて、上記四重極電場により効率良く捕捉することができる。このときイオントラップ1内では、様々な質量を有するイオンがそれぞれに特有の周波数、つまり永年周波数で以て振動している状態である。
次に、所望の質量を有する目的イオンのみをイオントラップ1内に残すべくプリカーサ選別を行う。即ち、制御部20の制御の下に、励振電圧印加部21は所定の周波数成分を含む高周波電圧(イオントラップ1内に残したいイオンに共鳴する周波数以外の、複数の周波数成分から成る電圧)をエンドキャップ電極3、4に印加するように電圧を切り替える。すると、その電場によって目的イオン以外の不要なイオンは捕捉されなくなり、イオン導入孔5を経てイオントラップ1の外部に排出される。不要なイオンはイオン排出孔6からも出ようとするが、イオン排出孔6の近傍にはイオンと同極性でイオントラップ1内にイオンを押し戻すような電場が形成されているため、イオン排出孔6は不要イオンの排出にはあまり寄与せず、主としてイオン導入孔5からイオンは排出されることになる。一方、導電性メッシュ8と電場補正用電極7bとにより、イオントラップ1内でイオン導入孔5及びイオン排出孔6付近の双曲面電場はそれぞれ理想状態に近づくように補正されているため、目的イオンつまりプリカーサイオンは殆ど損失せずに効率的にイオントラップ1内に残される。
それから、バッファガス導入部14からCIDガスとしてのArガスをイオントラップ1内に導入し、励振電圧印加部21から所定周波数成分の励振電圧をエンドキャップ電極3、4に印加する。エンドキャップ電極3、4に印加された励振電圧によってイオントラップ1内に形成される交流電場の作用で、その周波数を共振周波数として持つ目的イオンが共鳴振動する。振動する目的イオンはArガス原子に衝突して開裂し、目的イオン由来の各種のプロダクトイオンが生成される。生成されたプロダクトイオンはHeガス原子との衝突によりクーリングされ、イオントラップ1内の捕捉領域の中央付近に集まる。このときにも、導電性メッシュ7と電場補正用電極7bとによる双曲面電場の補正により、プロダクトイオンは殆ど損失せずに効率的にイオントラップ1内に残される。
所定時間の開裂操作の後、入口側のエンドキャップ電極3に正極性の高い直流電圧(例えば+10kV)、出口側のエンドキャップ電極4には負極性の高い直流電圧(例えば−10kV)を印加するように電圧を切り替える。また、電場補正用電極7bには出口側のエンドキャップ電極4と同電位になるように電圧を印加する。すると、イオントラップ1内に保持されている各種のプロダクトイオンに大きな初期運動エネルギーが付与され、イオンはイオン排出孔6から排出されてTOF質量分析計11に導入される。そして、TOF質量分析計11によりプロダクトイオンを含む各種イオンを質量毎に分離して検出し、図示しないデータ処理部においてマススペクトルを作成する。
以上のように、本実施例のIT−TOF質量分析装置では、イオントラップ1内の双曲面電場の乱れを補正して理想状態に近づけるために、イオン導入孔5に導電性メッシュ8を設け、イオン排出孔6の外側近傍には電場補正用電極7bを配設したので、電場補正を行いながらプリカーサイオン選別(イオン導入孔5に通しての不要イオンの排除)を高い分解能で行うことができる。また、イオントラップ1内から一斉にイオンを排出してTOF質量分析計11に導入する際に、イオンは導電性メッシュを通らないので、導電性メッシュの汚染やそれに伴うイオン通過効率の低下も起こらない。
なお、上記実施例は本発明の一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜に変更、修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは当然である。
本発明の一実施例によるイオントラップ飛行時間型質量分析装置の概略構成図。 一般的な三次元四重極型イオントラップの概略構成図。 イオン導入孔及びイオン排出孔による双曲面電場の乱れを補正する従来技術の説明図。 イオン導入孔及びイオン排出孔による双曲面電場の乱れを補正する従来技術の説明図。
符号の説明
1…イオントラップ
2…リング電極
3、4…エンドキャップ電極
5…イオン導入孔
6…イオン排出孔
7b…電場補正用電極
8…導電性メッシュ
10…イオン源
11…TOF質量分析計
12…飛行空間
13…検出器
14…バッファガス導入部
20…制御部
21…励振電圧印加部
22…高周波電圧印加部
23…補正直流電圧印加部

Claims (1)

  1. リング電極と該電極を挟むように設けられる一組のエンドキャップ電極とから成る三次元四重極型のイオントラップと、該イオントラップから排出されたイオンを質量に応じて分離して検出する飛行時間型質量分析計と、を具備し、前記イオントラップの内部に各種イオンを捕捉した後に特定質量のイオンをプリカーサイオンとして選択的に残し、該プリカーサイオンをイオントラップ内部で開裂させて生成したプロダクトイオンを排出して前記飛行時間型質量分析計により分析する質量分析装置において、
    前記イオントラップ内にイオンを導入するために前記エンドキャップ電極の一方に穿設されたイオン導入孔に導電性メッシュを設ける一方、前記イオントラップ内から前記飛行時間型質量分析計に向けてイオンを排出するために前記エンドキャップ電極の他方に穿設したイオン排出孔の外側には、該イオン排出孔近傍での電場の乱れを補正するために直流電圧が印加される電場補正用電極を配設したことを特徴とする質量分析装置。
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