JP2022051468A - ケース - Google Patents

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Abstract

【課題】複数枚の紙葉類を収納するケースにおいて、紙葉類を出し入れする開口をより大きく開くことができるケースを提供する。【解決手段】正面部と背面部3とが対向しそれらの側縁及び底縁が接合され上方に開口した袋状をなす本体1と、背面部または正面部の上縁に連接している蓋5と、蓋が連接している背面部または正面部に形成され、蓋の側縁から下方に延びている切り込み36と、を具備するケース。【選択図】図3

Description

本発明は、紙葉類を収納することのできる蓋付きのケース(または、ホルダ)に関する。
複数枚のルーズリーフ、書類その他の紙葉類を収納することのできるケースが公知である。下記先行技術文献に開示されているように、この種のケースは、ちょうど封筒のような構造を有する。より具体的には、正面部と背面部とが対向しそれらの側縁及び底縁が接合されて上方に開口した袋状をなす本体と、その背面部(または、正面部)の上縁に連接する開閉可能な蓋(または、フラップ)とを具備している。
本体における蓋が連接していない正面部(または、背面部)の上縁付近には、これを貫通するスリットが穿たれている。他方、蓋の先端部即ち下端部には、上方に折り返された差込片(または、舌片)を設けてある。蓋を下方に折り畳むようにして本体の開口を閉じ、その差込片を所定方向即ち下方から上方に向けてスリットに差し入れることにより、蓋を本体に掛け止めることができる。この状態では、蓋が容易にばたつき開閉せず、本体内に収納した紙葉類を脱落しないよう確実に保持することが可能である。
閉じた蓋を開く際には、差込片をスリットから上記の所定方向とは反対方向、即ち上方から下方に向けて抜出し、蓋の本体に対する係留を解除する。
特開平08-067086号公報
"キャンパス(登録商標)ルーズリーフケース",コクヨ総合カタログ2020年版ステーショナリー編,コクヨ株式会社,令和1年12月,p.725
本発明は、複数枚の紙葉類を収納するケースにおいて、紙葉類を出し入れする開口をより大きく開くことができるようにすることを所期の目的とする。
本発明では、正面部と背面部とが対向しそれらの側縁及び底縁が接合され上方に開口した袋状をなす本体と、前記背面部または前記正面部の上縁に連接している蓋と、前記蓋が連接している前記背面部または前記正面部に形成され、前記蓋の側縁から下方に延びている切り込みとを具備するケースを構成した。
前記本体の正面部及び背面部並びに前記蓋は、例えば、一枚の樹脂フィルムにより一体に成形する。
その上で、前記本体の側縁と底縁とが交わる隅角部に、内側方に凹む切欠を形成することにより、本ケースを落下させその底を床面に打ちつけてしまったときに本体に亀裂が入る等の損傷が生じる可能性を軽減することができる。
利便性をより高めるために、前記本体の正面部と背面部との間に中仕切を介在させ、本体内の収納空間を複数の区画に仕切ることも好ましい。その場合に、前記本体の正面部及び背面部、前記蓋並びに前記中仕切を一枚の樹脂フィルムにより一体に成形することも考えられる。
本発明によれば、複数枚の紙葉類を収納するケースにおいて、紙葉類を出し入れする開口をより大きく開くことができるようになる。
本発明の一実施形態の紙葉類収納用のケースの斜視図。 同実施形態のケースの蓋を開いた状態を正面側から見た斜視図。 同実施形態のケースの蓋を開いた状態を背面側から見た斜視図。 同実施形態のケースの展開図。 同実施形態のケースの蓋を開いた状態の側面図。 同実施形態のケースの蓋を閉じた状態の要部を拡大した側断面図。 本発明の変形例の一を示す展開図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1ないし図6に示す本実施形態のケース(または、ホルダ)は、その本体1内に複数枚のルーズリーフその他の紙葉類Sを収納することのできるものである。本ケースは、正面部2と背面部3とが対向しそれらの側縁及び底縁が接合されて上方に開口した袋状をなす本体1と、その背面部3の上縁に連接する開閉可能な蓋(または、フラップ)5と、本体1内に配され正面部2と背面部3との間に介在する中仕切4とを具備する。中仕切4は、本体1内の収納空間を複数の区画に仕切る。
本ケースは、例えばポリプロピレン等の硬質の合成樹脂を素材とする一枚のシートを用いて作製する。これにより、プラスチック袋(ビニル袋、ポリ袋)よりも剛性が高く丈夫となり、中に収納した紙葉類Sが折れ曲がらずにきれいなまま運搬することが可能になる。図4は、一枚の硬質樹脂シートから切り出した本ケースの材料の展開図である。詳述すると、正面部2の下縁21と背面部3のそれとが連接し、背面部3の上縁31と蓋5とが連接し、蓋5の先端縁51と差込片6とが連接している。並びに、背面部3の一方の側縁即ち右側縁33と、中仕切4の一方の側縁即ち左側縁とが連接している。
本ケースを組み立てるにあたっては、まず、中仕切4を右側縁33に沿って内側方に折り畳み、中仕切4を背面部3の内面即ち前向面と対向させる。そして、これら中仕切4及び背面部3を下縁21に沿って上方に折り畳み、これらを正面部2の内面即ち後向面と対向させる。しかる後、正面部2の左右の側縁22、23に連接している接合片24、25をそれぞれ側縁22、23に沿って内側方に折り畳み、各接合片24、25を背面部3の側縁32、33近傍の外面即ち後向面に溶着または接着等して固着する。結果、正面部2の側縁22、23と背面部3の側縁32、33とが接合され、かつ正面部2の底縁21と背面部3の底縁とが接合された、上方に開口した袋状をなす本体1が完成する。
正面部2、背面部3及び中仕切4の折り目の稜線21、22、23、32、33に近接する箇所には、これと平行または略平行に延伸する罫26、34、41を形成している。また、背面部3と蓋5との間の折り目の稜線31に近接する箇所にも、これと平行または略平行に延伸する罫34、52を形成している。罫26、34、41、52は、細い溝または筋であり、本体1内に紙葉類Sを収容するとき等に正面部2や背面部3、中仕切4または蓋5がこれに沿って折れ曲がることを促進する働きをする。罫26、34、41、52は、例えば、細い帯状の罫線刃(帯刃)を有するダイを、本ケースの材料となるシートに押し付ける加工を通じて成形することができる。
本体1の側縁22、23と底縁21とが交わる隅角部には、側縁22、23から内側方に凹む切欠27、35を形成してある。この切欠27、35は、本ケースを落下させその底を床面に打ちつけてしまったときに、本体1に亀裂が入る等の損傷が生じる可能性を軽減する役割を果たす。
本体1の正面部2の上縁28は、背面部3の上縁31よりも下方に凹むように湾曲した形状をなしている。中仕切4の上縁、左右(幅)方向に沿った中央には、タブ42を設けている。このタブ42は、正面部2の上縁28よりも上方に位置して表出しており、本ケースの使用者が手指を掛けることが可能となっている。
本体1の正面部2の上縁28近傍には、これを貫通するスリット29を穿ってある。スリット29は、正面部2の左右方向に沿った中央にあって、その上下(高さ)方向の寸法が狭小であり、その左右方向の寸法がより大きく拡張している。そして、スリット29の下縁、左右方向に沿った中央部に、上方に突出した誘導凸部20を設けている。誘導凸部20は、その左右方向に沿った幅寸が、スリット29の下縁から離間するにつれて狭小となってゆく先細りの形状をなしている。
このスリット29には、蓋5の先端部即ち下端部に設けた差込片6が差し入れられる。差込片6は、蓋5の左右方向に沿った中央、正面部2のスリット29に対応する位置にある。差込片6は、蓋5の下縁から上方に折り返している。なお、本ケースの材料である樹脂シートの弾性によりこの差込片6が下方に戻らないよう、蓋5の下縁51近傍及び差込片6の下縁近傍を、溶着または接着等により相互に固着している。
差込片6の先端縁即ち上端縁には、左右方向に延びる直線状の縁辺61を成形している。縁辺61の左右方向に沿った寸法は、誘導凸部20の左右方向に沿った幅よりも大きく拡張していることが望ましい。
図1及び図6に示すように、蓋5を正面部2に重ねるように下方に折り畳んで本体1の開口を閉じ、その差込片6を下方から上方に向けてスリット29に差し入れれば、蓋5を本体1の正面部2に係留でき、蓋5が容易にばたつき開閉せず、本体1内に収納した紙葉類Sを脱落しないよう確実に保持することが可能となる。
この状態では、蓋5が正面部2の外面即ち前向面側に面し、かつ差込片6が正面部2の内面即ち後向面側に入り込んでいる。また、スリット29の下縁から突出している誘導凸部20は、差込片6の基端部即ち下端部に当接する。換言すれば、誘導凸部20は、差込片6の下端部と、本体1内に収納した紙葉類Sまたは中仕切4との間に介入する。これにより、スリット29に対して差込片6を抜き差しする際、差込片6の先端が紙葉類Sまたは中仕切4と摩擦しにくくなり、その抜き差し操作がより円滑なものとなる。
蓋5の係留を解除して本体1の開口を開くためには、差込片6を上方から下方に変位させてスリット29より抜き出せばよいことは言うまでもない。
蓋5が連接している本体1の背面部3には、蓋5の側縁に連なり、その側縁から下方に延びる切り込み36を形成してある。図4に示しているように、左右の切り込み36はそれぞれ、背面部3の左側縁32及び右側縁33よりも内側方に偏倚した位置に所在している。これは、正面部2の接合片24、25を背面部3に固着したときに、切り込み36が接合片24、25と干渉しないようにする、換言すれば背面部3の両側に正面部24、25の溶着代または接着代を確保する意図である。切り込み36の存在により、図3及び図5に示すように、蓋5とともに背面部3の上端部を、上縁31よりも下方に位置するヒンジ37を介して湾曲または屈曲させ、本体1の開口を大きく開くことが可能となっている。
本実施形態では、物品(ケース)の一方の部位(本体1)に他方の部位(蓋5)を係留するための構造であって、前記一方の部位1に穿たれたスリット29と、前記他方の部位5に設けられ、所定方向(下方から上方)に沿って前記スリット29に差し入れられることにより、前記一方の部位1における当該他方の部位5が面する側とは反対側に位置付けられる差込片6と、前記スリット29の縁から前記所定方向に沿って突出した誘導凸部20とを具備する係止構造を構成した。本実施形態によれば、差込片6をスリット29に差し入れる操作をより容易ならしめることができる。
前記誘導凸部20が、前記スリット29の縁における前記所定方向と交差(特に、直交または略直交)する方向(左右方向)に沿った中央部に形成されていて、差込片6との間の摺動抵抗が小さく、誘導凸部20の存在が操作性を阻害しない。
前記差込片6における前記所定方向に向かう先端縁には、当該所定方向と交差する方向(左右方向)に直線的に延びる縁辺61が成形されている。この縁辺61により、差込片6の先端が、誘導凸部20や本体1内に収納した紙葉類Sまたは中仕切4に対して線接触するようになり、差込片6の先端の局所に力が集中して作用することが緩和される。ひいては、差込片6が損傷を受けにくく、その寿命、耐久性をより高めることに繋がる。
仮に、差込片6の先端縁に直線状の縁辺61を形成せず、これを膨出する円弧状または楕円弧状に形成していると、その円弧状または楕円弧状の先端縁の一点で点接触することになり、この点に力が集中することとなって、差込片6のスリット29に対する抜き差し操作が妨げられることとなり得る。さらに、本ケースのように全体を樹脂シートにより構成している場合、樹脂シートの持つ柔軟性により、差込片6や蓋5が撓んで差込片6をスリット29に差し入れる方向の動きを定めることが難しくなる。最悪の場合、差込片6の先端部がスリット29から抜出する方向即ち下方に逸れてしまうことも起こる。
本実施形態によれば、そのような問題を緩和ないし解消することができる。即ち、差込片6の直線状の縁辺61が、作用する力を分散することから、差込片6の抜き差しの動きが止まりにくく、その方向も定まりやすくなるのである。
前記誘導凸部20は、前記所定方向と交差する方向に沿った幅寸が前記スリット29の縁から離間するにつれて(スリット29の下縁から上方に向かうにつれて)狭小となってゆく先細りの形状をなしている。これにより、誘導凸部20の先端側(上端側、自由端側)が弾性変形しやすくなり、スリット29対する差込片6の抜き差しの妨げとならない。
また、同じ樹脂製の差込片6と誘導凸部20との間の摺動摩擦は、差込片6と紙葉類Sとの摺動摩擦よりも小さくなる。誘導凸部20が差込片6を差し入れる方向に沿って先細りになっていることとも相まって、差込片6をスリット29に差し入れる操作の動きが定まり、差込片6がスリット29を通じて正面部の内面側、つまりは本体1の内部に進入しやすくなる。
並びに、本実施形態では、正面部2と背面部3とが対向しそれらの側縁及び底縁が接合され上方に開口した袋状をなす本体1と、前記背面部3または前記正面部2の上縁に連接している蓋5と、前記蓋5が連接している前記背面部3または前記正面部2に形成され、前記蓋5の側縁から下方に延びている切り込み36とを具備するケースを構成した。本実施形態によれば、複数枚の紙葉類Sを収納するケースにおいて、紙葉類Sを出し入れする開口をより大きく開くことができるようになり、使い勝手が一層向上する。
前記本体1の側縁と底縁とが交わる隅角部には、内側方に凹む切欠27、35を形成しており、本ケースを落下させその底を床面に打ちつけてしまったときに本体1に亀裂が入る等の損傷が生じる可能性を軽減できる。
また、前記本体1の正面部2と背面部3との間に介在する中仕切4を具備し、この中仕切4により本体1内の収納空間を複数の室に区画している。中仕切4の存在するが故に、本体1内の中仕切4の後背の室に対して紙葉類Sを出し入れすることが困難となる可能性があるところ、本実施形態では、予め背面部3に切り込み36を形成していることから、蓋5及び背面部3の(切り込み36の下端及びヒンジ37よりも)上方の部位を後方に大きく展開させることができ、中仕切4の後背の室に対しても簡便に紙葉類Sを出し入れすることができるのである。
その上で、前記本体1の正面部2及び背面部3、前記蓋5並びに前記中仕切4を一枚の樹脂フィルムにより一体に成形することで、中仕切4を包含する本ケースを低コストで作製することが可能となっている。
総じて、本実施形態によれば、従来品よりも改良された紙葉類S収納用のケースを提供することができる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では、蓋5が本体1の背面部3に連接しており、スリット29を正面部2に、切り込み36を背面部3に形成していたが、蓋を本体の正面部に連接させ、スリットを背面部に、切り込みを正面部に形成してもよいことは当然である。
上記実施形態では、切り込み36が細線状をなしていたが、より幅の太い溝状をなしていて構わない。あるいは、図7に例示するように、楔形の如き切り込み36を形成することも考えられる。
また、本発明の係止構造を適用する対象物は、紙葉類Sを収納するためのケースには限定されない。
その他、各部の具体的な構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…本体
2…正面部
27、35…切欠
29…スリット
20…誘導凸部
3…背面部
36…切り込み
5…蓋
6…差込片
61…直線状の縁辺
S…紙葉類

Claims (5)

  1. 正面部と背面部とが対向しそれらの側縁及び底縁が接合され上方に開口した袋状をなす本体と、
    前記背面部または前記正面部の上縁に連接している蓋と、
    前記蓋が連接している前記背面部または前記正面部に形成され、前記蓋の側縁から下方に延びている切り込みと
    を具備するケース。
  2. 前記本体の正面部及び背面部並びに前記蓋を一枚の樹脂フィルムにより一体に成形している請求項1記載のケース。
  3. 前記本体の側縁と底縁とが交わる隅角部に、内側方に凹む切欠が形成された請求項2記載のケース。
  4. 前記本体の正面部と背面部との間に介在する中仕切を具備する請求項1、2または3記載のケース。
  5. 前記本体の正面部及び背面部、前記蓋並びに前記中仕切を一枚の樹脂フィルムにより一体に成形している請求項4記載のケース。
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