JP2022047440A - 耐火シート及びバッテリー - Google Patents
耐火シート及びバッテリー Download PDFInfo
- Publication number
- JP2022047440A JP2022047440A JP2020153367A JP2020153367A JP2022047440A JP 2022047440 A JP2022047440 A JP 2022047440A JP 2020153367 A JP2020153367 A JP 2020153367A JP 2020153367 A JP2020153367 A JP 2020153367A JP 2022047440 A JP2022047440 A JP 2022047440A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sheet
- refractory
- resin
- battery
- metal powder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Battery Mounting, Suspending (AREA)
Abstract
【課題】バッテリーなどの発火を効果的に抑制できる耐火シートを提供する。【解決手段】樹脂と、金属粉及び放熱剤からなる群から選択される少なくとも1種を含有し、前記金属粉及び放熱剤の含有量合計が、前記樹脂100質量部に対して、30質量部以上である耐火シート。【選択図】なし
Description
本発明は、耐火シート及びバッテリーに関する。
リチウム電池に代表される各種バッテリーは、内部短絡等が原因によりバッテリーが熱暴走し、発火や発煙等の不具合を生じることがある。このような不具合による被害を最小限に抑えるために、異常高温になったバッテリーの熱を周囲のバッテリー及びバッテリーを収容した筐体に伝え難くする方法が検討されており、例えば、バッテリーセルの周辺に耐火シートや断熱層等の保護材を用いる方法が挙げられる。
例えば、特許文献1には、外側の少なくとも一部が耐火性コーティングで覆われている電池セルが開示されており、耐火性コーティングがアブレーティブコーティング、膨張性コーティング又は吸熱性コーティングであること、ポリウレタン系コーティングが使用可能であることが開示されている。
ところで、近年、携帯電話のバッテリーなどでは、電池容量が高く、急激な温度上昇により発火しやすくなっており、従来使用されてきた耐火性コーティングよりも、より発火を抑制しやすい材料が求められている。
そこで、本発明は、バッテリーなどの発火を効果的に抑制できる耐火シートを提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、金属粉、及び放熱剤の少なくともいずれかを含有し、かつこれらの合計含有量が所定量以上である耐火シートが、バッテリーの発火を効果的に抑制できることを見出し、以下の本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の[1]~[12]を提供する。
[1]樹脂と、金属粉及び放熱剤からなる群から選択される少なくとも1種とを含有し、前記金属粉及び放熱剤の含有量合計が、前記樹脂100質量部に対して、30質量部以上である耐火シート。
[2]前記金属粉が銅粉である上記[1]に記載の耐火シート。
[3]前記金属粉のアスペクト比が、1.2以上である上記[1]又は[2]に記載の耐火シート。
[4]前記放熱剤が酸化アルミニウム、黒鉛及び窒化ホウ素からなる群から選択される少なくとも1種である上記[1]~[3]のいずれか1項に記載の耐火シート。
[5]前記放熱剤が膨張化黒鉛である上記[1]~[4]のいずれか1項に記載の耐火シート。
[6]前記放熱剤のアスペクト比が、2以上である上記[1]~[5]のいずれか1項に記載の耐火シート。
[7]前記金属粉及び前記放熱剤の両方を含有する上記[1]~[6]のいずれか1項に記載の耐火シート。
[8]放熱剤の含有量に対する金属粉の含有量の質量比が、1/9~9/1である上記[7]に記載の耐火シート。
[9]前記金属粉及び放熱剤以外の耐火性添加剤をさらに含む上記[1]~[8]のいずれか1項に記載の耐火シート。
[10]前記耐火性添加剤が、低融点ガラス及び低級リン酸金属塩からなる群から選択される少なくとも1種である上記[9]に記載の耐火シート。
[11]バッテリーに使用される上記[1]~[10]のいずれかに記載の耐火シート。
[12]上記[1]~[11]のいずれか1項に記載の耐火シートと、バッテリーセルとを備え、前記耐火シートが、バッテリーセルの表面上に設けられるバッテリー。
[1]樹脂と、金属粉及び放熱剤からなる群から選択される少なくとも1種とを含有し、前記金属粉及び放熱剤の含有量合計が、前記樹脂100質量部に対して、30質量部以上である耐火シート。
[2]前記金属粉が銅粉である上記[1]に記載の耐火シート。
[3]前記金属粉のアスペクト比が、1.2以上である上記[1]又は[2]に記載の耐火シート。
[4]前記放熱剤が酸化アルミニウム、黒鉛及び窒化ホウ素からなる群から選択される少なくとも1種である上記[1]~[3]のいずれか1項に記載の耐火シート。
[5]前記放熱剤が膨張化黒鉛である上記[1]~[4]のいずれか1項に記載の耐火シート。
[6]前記放熱剤のアスペクト比が、2以上である上記[1]~[5]のいずれか1項に記載の耐火シート。
[7]前記金属粉及び前記放熱剤の両方を含有する上記[1]~[6]のいずれか1項に記載の耐火シート。
[8]放熱剤の含有量に対する金属粉の含有量の質量比が、1/9~9/1である上記[7]に記載の耐火シート。
[9]前記金属粉及び放熱剤以外の耐火性添加剤をさらに含む上記[1]~[8]のいずれか1項に記載の耐火シート。
[10]前記耐火性添加剤が、低融点ガラス及び低級リン酸金属塩からなる群から選択される少なくとも1種である上記[9]に記載の耐火シート。
[11]バッテリーに使用される上記[1]~[10]のいずれかに記載の耐火シート。
[12]上記[1]~[11]のいずれか1項に記載の耐火シートと、バッテリーセルとを備え、前記耐火シートが、バッテリーセルの表面上に設けられるバッテリー。
本発明によれば、バッテリーなどの発火を効果的に抑制する耐火シートを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<耐火シート>
本発明の耐火シートは、樹脂と、金属粉及び放熱剤から選択される少なくとも1種を含有する。以下、耐火シートに含有される各成分について詳細に説明する。
<耐火シート>
本発明の耐火シートは、樹脂と、金属粉及び放熱剤から選択される少なくとも1種を含有する。以下、耐火シートに含有される各成分について詳細に説明する。
[樹脂]
耐火シートは、樹脂を含有する。樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及びエラストマー樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ(1-)ブテン樹脂、及びポリペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ノボラック樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリイソブチレン等の合成樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド等の合成樹脂が挙げられる。
耐火シートは、樹脂を含有する。樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及びエラストマー樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ(1-)ブテン樹脂、及びポリペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ノボラック樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリイソブチレン等の合成樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド等の合成樹脂が挙げられる。
エラストマー樹脂としては、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、エチレン-プロピレンゴム、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン-ブタジエンブロック共重合体、水素添加スチレン-ブタジエンブロック共重合体、水素添加スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、水素添加スチレン-イソプレンブロック共重合体、水素添加スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
耐火シートに含有される樹脂は、上記した中でも、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂を使用すると、押出成形やスラリーなどの塗布により、耐火シートを容易に成形できる。また、熱可塑性樹脂の中でも、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが好ましい。これらの中でも、金属粉、放熱剤を大量に含有させても成形性を良好にできる観点から、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂がより好ましく、これらの中でも、ポリビニルアセタール樹脂がさらに好ましい。
なお、耐火シートにおける樹脂は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、耐火シートにおける樹脂は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
(ポリビニルアセタール樹脂)
ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂であれば特に限定されないが、ポリビニルブチラール樹脂が好適である。ポリビニルブチラールを用いることで、耐火シートにおける、金属粉、放熱剤の量を多くして樹脂の量を比較的少なくしても、成形性を高くすることが可能になる。そのため、耐火シートを薄くしても十分な耐火性能を付与できる。
ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂であれば特に限定されないが、ポリビニルブチラール樹脂が好適である。ポリビニルブチラールを用いることで、耐火シートにおける、金属粉、放熱剤の量を多くして樹脂の量を比較的少なくしても、成形性を高くすることが可能になる。そのため、耐火シートを薄くしても十分な耐火性能を付与できる。
上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量は、好ましくは20~40モル%である。水酸基量を20モル%以上とすることで、ポリビニルアセタール樹脂の極性が高くなり、金属粉、放熱剤、耐火性添加剤などに対する接着力が強くなり、耐火シートの機械的強度が向上しやすくなる。また、水酸基量を40モル%以下とすることで、耐火シートが硬くなりすぎて引張強度などの機械的強度が低下することを防止する。上記水酸基量は、より好ましくは22モル%以上である。また、上記水酸基量は、より好ましくは37モル%以下、さらに好ましくは35モル%以下、よりさらに好ましくは33モル%以下である。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は、好ましくは40~80モル%である。アセタール化度を上記範囲内とすることで、上記する水酸基量を所望の範囲内として、耐火シートの機械的強度が向上しやすくなる。アセタール化度は、より好ましくは55モル%以上であり、さらに好ましくは65モル%以上、よりさらに好ましくは67モル%以上であり、また、より好ましくは76モル%以下である。
また、上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量は、好ましくは0.1~30モル%である。アセチル基量がこの範囲内であると、耐湿性に優れ、また、上記する水酸基量を所望の範囲内として、耐火シートの機械的強度が向上しやすくなる。これら観点から、アセチル基量は、0.2モル%以上がより好ましく、0.5モル%以上がさらに好ましく、また、15モル%以下がより好ましく、7モル%以下がさらに好ましい。
なお、アセタール化度、水酸基量、及びアセチル基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定し、また算出することができる。
また、上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量は、好ましくは0.1~30モル%である。アセチル基量がこの範囲内であると、耐湿性に優れ、また、上記する水酸基量を所望の範囲内として、耐火シートの機械的強度が向上しやすくなる。これら観点から、アセチル基量は、0.2モル%以上がより好ましく、0.5モル%以上がさらに好ましく、また、15モル%以下がより好ましく、7モル%以下がさらに好ましい。
なお、アセタール化度、水酸基量、及びアセチル基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定し、また算出することができる。
ポリビニルアセタール樹脂の重合度は、好ましくは200~3000である。重合度をこれら範囲内にすることで、耐火シートの強度を良好にしつつ金属粉、放熱剤、耐火性添加剤などを適切に耐火シート中に分散させることがきる。重合度は、より好ましくは250以上、さらに好ましくは300以上である。
ポリビニルアセタール樹脂の重合度を低くすると粘度も下がり、耐火シート中に金属粉、放熱剤、耐火性添加剤などを分散しやすくなり、耐火シートの成形性が向上する。そのような観点から、ポリビニルアセタール樹脂の重合度は、より好ましくは1500以下、さらに好ましくは1000以下、よりさらに好ましくは900以下である。
なお、ポリビニルアセタール樹脂の重合度は、JIS K6728に記載の方法に基づいて測定した粘度平均重合度をいう。
ポリビニルアセタール樹脂の重合度を低くすると粘度も下がり、耐火シート中に金属粉、放熱剤、耐火性添加剤などを分散しやすくなり、耐火シートの成形性が向上する。そのような観点から、ポリビニルアセタール樹脂の重合度は、より好ましくは1500以下、さらに好ましくは1000以下、よりさらに好ましくは900以下である。
なお、ポリビニルアセタール樹脂の重合度は、JIS K6728に記載の方法に基づいて測定した粘度平均重合度をいう。
ポリビニルアセタール樹脂の10質量%エタノール/トルエン粘度は、好ましくは5mPa・s以上、より好ましくは10mPa・s以上であり、さらに好ましくは15mPa・s以上である。また、10質量%エタノール/トルエン粘度は、好ましくは500mPa・s以下、より好ましくは300mPa・s以下であり、更に好ましくは200mPa・s以下である。ポリビニルアセタール樹脂の10質量%エタノール/トルエン粘度を上記のとおりにすることにより、耐火シート中に金属粉、放熱剤、耐火性添加剤などを分散しやすくなり、耐火シートの成形性が向上する。
なお、10質量%エタノール/トルエン粘度は、次のように測定した値である。エタノール/トルエン(重量比1:1)混合溶剤150mlを三角フラスコにとり、これに秤量した試料を加え、樹脂濃度を10wt%とし、20℃の恒温室にて振とう溶解する。その溶液を20℃に保持しBM型粘度計を用いて粘度を測定して、10質量%エタノール/トルエン粘度を求めることができる。
なお、10質量%エタノール/トルエン粘度は、次のように測定した値である。エタノール/トルエン(重量比1:1)混合溶剤150mlを三角フラスコにとり、これに秤量した試料を加え、樹脂濃度を10wt%とし、20℃の恒温室にて振とう溶解する。その溶液を20℃に保持しBM型粘度計を用いて粘度を測定して、10質量%エタノール/トルエン粘度を求めることができる。
上記アルデヒドは特に限定されないが、一般には、炭素数が1~10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1~10のアルデヒドは特に限定されず、例えば、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n-バレルアルデヒド、2-エチルブチルアルデヒド、n-ヘキシルアルデヒド、n-オクチルアルデヒド、n-ノニルアルデヒド、n-デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n-ブチルアルデヒド、n-ヘキシルアルデヒド、n-バレルアルデヒドが好ましく、n-ブチルアルデヒドがより好ましい。これらのアルデヒドは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(アクリル樹脂)
アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーを含むモノマー成分を重合したものである。なお、本明細書において「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」とは、「アクリル酸アルキルエステル、又はメタクリル酸アルキルエステル」を意味する。他の類似の用語も同様である。
本発明における(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーは、(メタ)アクリル酸と脂肪族アルコールとのエステルであって、前記脂肪族アルコールのアルキル基の炭素数は、例えば1~18、好ましくは1~14、より好ましくは1~10、さらに好ましくは1~8である。
アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーを含むモノマー成分を重合したものである。なお、本明細書において「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」とは、「アクリル酸アルキルエステル、又はメタクリル酸アルキルエステル」を意味する。他の類似の用語も同様である。
本発明における(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーは、(メタ)アクリル酸と脂肪族アルコールとのエステルであって、前記脂肪族アルコールのアルキル基の炭素数は、例えば1~18、好ましくは1~14、より好ましくは1~10、さらに好ましくは1~8である。
具体的な(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、及びテトラデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーは、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーは、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、アクリル樹脂を得るためのモノマー成分としては、上記した(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーの他に、極性基含有モノマーを含んでもよい。
極性基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、及びイタコン酸等のビニル基を含有するカルボン酸、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、及びポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等の水酸基を有するビニルモノマー、(メタ)アクリロニトリル、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルラウリロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、及びジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート等の窒素含有ビニルモノマーが挙げられる。
極性基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、及びイタコン酸等のビニル基を含有するカルボン酸、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、及びポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等の水酸基を有するビニルモノマー、(メタ)アクリロニトリル、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルラウリロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、及びジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート等の窒素含有ビニルモノマーが挙げられる。
アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、5~80℃であることが好ましい。ガラス転移温度(Tg)をこれら範囲内とすることで、成形性、柔軟性などを良好にしつつ、耐火シートに一定の機械的強度を付与することができる。これら観点から、アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、15~70℃であることが好ましく、25~60℃であることがさらに好ましい。なお、アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、使用するモノマー成分の種類、量を適宜選択することで調整できる。
なお、アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は例えば示差熱走査熱量分析計(DSC)により測定できる。
なお、アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は例えば示差熱走査熱量分析計(DSC)により測定できる。
アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーの重合体が好ましい。具体的には、アルキル基の炭素数が1~14である(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーの重合体が好ましく、アルキル基の炭素数が1~10である(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーの重合体がより好ましく、アルキル基の炭素数が1~8である(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーの重合体がさらに好ましい。アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーの単独重合体であってもよいし、2種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーの共重合体であってもよい。具体的な好適なアクリル樹脂としては、イソブチルメタクリレートの単独重合体、イソブチルメタクリレートとメチルメタクリレートの共重合体などが挙げられる。アクリル樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アクリル樹脂の重量平均分子量は、金属粉、放熱剤、耐火性添加剤などを適切に耐火シート中に分散させることができ、耐火シートの成形性、機械強度を向上させる観点から、10,000~300,000が好ましい。また、これら観点から、アクリル樹脂の重量平均分子量は、30,000~250,000がより好ましく、60,000~200,000が更に好ましい。なお、アクリル樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。GPC法によって重量平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF-804(昭和電工社製)等が挙げられる。
(エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂)
エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂としては、非架橋型のエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂であってもよいし、また、高温架橋型のエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂であってもよい。また、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体けん化物、エチレン-酢酸ビニルの加水分解物などのようなエチレン-酢酸ビニル変性体樹脂も用いることができる。
エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂は、JIS K 6730「エチレン・酢酸ビニル樹脂試験方法」に準拠して測定される酢酸ビニル含量が好ましく10~50質量%、より好ましくは15~45質量%である。酢酸ビニル含量をこれら下限値以上とすることで、基材への接着性が高くなる。また、酢酸ビニル含量をこれら上限値以下とすることで、耐火シートの機械強度が良好となる。
エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂としては、非架橋型のエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂であってもよいし、また、高温架橋型のエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂であってもよい。また、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体けん化物、エチレン-酢酸ビニルの加水分解物などのようなエチレン-酢酸ビニル変性体樹脂も用いることができる。
エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂は、JIS K 6730「エチレン・酢酸ビニル樹脂試験方法」に準拠して測定される酢酸ビニル含量が好ましく10~50質量%、より好ましくは15~45質量%である。酢酸ビニル含量をこれら下限値以上とすることで、基材への接着性が高くなる。また、酢酸ビニル含量をこれら上限値以下とすることで、耐火シートの機械強度が良好となる。
エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂のメルトフローレートは、1.0g/10min以上であることが好ましい。エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂のメルトフローレートを1.0g/10min以上とすると、金属粉、放熱剤、耐火性添加剤などの分散性が良好となり、これらを多量に配合しても、押出成形などにおけるシート成形性が良好に維持できる。これら観点から、メルトフローレートは、2.4g/10min以上がより好ましく、10g/10min以上がさらに好ましい。また、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂のメルトフローレートは、40g/10min以下が好ましく、35g/10min以下がより好ましい。なお、メルトフローレートは、JIS K 7210-2:1999に従って190℃、2.16kg荷重の条件によって測定されたものである。
耐火シートにおける樹脂の含有量は、例えば1~80質量%である。樹脂の含有量を1質量%以上とすることで、金属粉、放熱剤、耐火性添加剤などを樹脂により保持して、シート状に適切に成形できるようになる。また、80質量%以下とすることで、金属粉、放熱剤、耐火性添加剤を一定量以上含有させることができるので、耐火シートに耐火性が付与され、バッテリーなどの発火を抑制できるようになる。シート成形性を良好にして、耐火シートの機械強度なども向上させる観点から、樹脂の含有量は、5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましい。また、金属粉、放熱剤、耐火性添加剤の含有量を増やして、耐火性を向上させる観点から、70質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましい。
[金属粉]
本発明では、耐火シートに金属粉を含有させることで、バッテリーなどの発火を効果的に抑制できる。その原理は定かではないが、以下のように推定される。すなわち、バッテリーは、発火する前に急激に膨張するため、その周囲に配置される耐火シートは裂けなどによる破損が生じ、十分な耐火性能を発揮できずに、バッテリーを発火させることがある。それに対して、本発明の耐火シートは、金属粉を含有する場合、高温に加熱されると、金属粉が焼結剤としての機能を発揮し、シートの裂けなどによる破損を防止しシート形状を維持し、高温下でも十分な耐火性能を発揮する。また、金属粉自体が不燃物であり、かつ熱伝導率が高く放熱性能を有することも相まって、バッテリーなどの発火を効果的に抑制できる。
本発明では、耐火シートに金属粉を含有させることで、バッテリーなどの発火を効果的に抑制できる。その原理は定かではないが、以下のように推定される。すなわち、バッテリーは、発火する前に急激に膨張するため、その周囲に配置される耐火シートは裂けなどによる破損が生じ、十分な耐火性能を発揮できずに、バッテリーを発火させることがある。それに対して、本発明の耐火シートは、金属粉を含有する場合、高温に加熱されると、金属粉が焼結剤としての機能を発揮し、シートの裂けなどによる破損を防止しシート形状を維持し、高温下でも十分な耐火性能を発揮する。また、金属粉自体が不燃物であり、かつ熱伝導率が高く放熱性能を有することも相まって、バッテリーなどの発火を効果的に抑制できる。
金属粉は、高温加熱時に焼結剤としての機能を発揮できる限り特に限定されないが、例えば、アルミニウム粉、ステンレス粉、タングステン粉、亜鉛粉、ジュラルミン粉、マグネシウム粉、モリブデン粉、ベリリウム粉、カルシウム粉、金粉、銀粉、銅粉からなる選ばれる1種以上である。これらの中では、銅粉が好ましい。銅粉は、バッテリーの異常発熱時の加熱により耐火シートを焼結させやすく、それにより、バッテリーの発火を特に効果的に抑制できる。
金属粉は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。したがって、例えば、金属粉として銅粉を使用する場合、銅粉単独で使用してもよいし、銅粉と他の金属粉を併用してもよい。
金属粉は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。したがって、例えば、金属粉として銅粉を使用する場合、銅粉単独で使用してもよいし、銅粉と他の金属粉を併用してもよい。
金属粉の形状は、球状であってもよいし、鱗片状、薄片状などの板状、針状、繊維状、樹枝状、不定形状などの非球状であってもよいが、非球状が好ましく、中でも板状フィラーであることがより好ましい。したがって、金属粉としては板状の銅粉であることが特に好ましい。金属粉が、非球状、特に板状であると、高温加熱時に焼結しやすくなり、バッテリーなどの異常発熱時による発火を効果的に防止しやすくなる。
金属粉のアスペクト比は、1以上であればよく、発火を効果的に防止する観点から、例えば1.2以上であることが好ましい。また、金属粉は、上記の通り板状などの非球状であることが好ましく、アスペクト比が2以上であることが好ましく、より好ましくは2.5以上であり、さらに好ましくは3以上である。なお、アスペクト比は、その上限に関して特に限定されないが、例えば30以下であってもよいし、10以下であってもよい。
なお、アスペクト比とは、金属粉の最大長さの最小長さに対する比(最大長さ/最小長さ)であり、例えば、形状が板状である場合は、金属粉の最大長さの厚みに対する比(最大長さ/厚み)である。アスペクト比は走査型電子顕微鏡で、十分な数(例えば250個)の金属粉を観察して平均値として求めるとよい。後述する放熱剤などのアスペクト比も同様である。
金属粉のアスペクト比は、1以上であればよく、発火を効果的に防止する観点から、例えば1.2以上であることが好ましい。また、金属粉は、上記の通り板状などの非球状であることが好ましく、アスペクト比が2以上であることが好ましく、より好ましくは2.5以上であり、さらに好ましくは3以上である。なお、アスペクト比は、その上限に関して特に限定されないが、例えば30以下であってもよいし、10以下であってもよい。
なお、アスペクト比とは、金属粉の最大長さの最小長さに対する比(最大長さ/最小長さ)であり、例えば、形状が板状である場合は、金属粉の最大長さの厚みに対する比(最大長さ/厚み)である。アスペクト比は走査型電子顕微鏡で、十分な数(例えば250個)の金属粉を観察して平均値として求めるとよい。後述する放熱剤などのアスペクト比も同様である。
金属粉の平均粒子径は、好ましくは0.5~150μm、より好ましくは1~100μm、更に好ましくは5~50μmである。金属粉の平均粒子径が上記範囲内であると、成形性などを大きく損なうことなく、バッテリーなどの発火を効果的に抑制できる。特に、金属粉の平均粒子径が5μm以上であると、高温加熱時に金属粉が焼結しやすくなり、バッテリーの発火を効果的に抑制することができる。一方で、50μm以下とすることで、金属粉を大量に含有させても、成形性が低下することを防止できる。なお、本明細書において平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置により測定したメディアン径(D50)の値である。
また、金属粉の平均粒子径が大きい場合にはアスペクト比が小さくても高い発火抑止効果が得られる。具体的には、金属粉の平均粒子径が例えば10μm以上、好ましくは20μm以上である場合には、アスペクト比は1以上2未満であってもよい。
一方で、金属粉の平均粒子径が小さい場合にはアスペクト比が大きくなることで、上記の通り焼結しやすくなり、高い発火抑止効果が得られやすくなる。具体的には、金属粉の平均粒子径が例えば20μm未満、好ましくは10μm未満である場合には、アスペクト比は上記の通り2以上が好ましく、より好ましくは2.5以上であり、さらに好ましくは3以上である。
また、金属粉の平均粒子径が大きい場合にはアスペクト比が小さくても高い発火抑止効果が得られる。具体的には、金属粉の平均粒子径が例えば10μm以上、好ましくは20μm以上である場合には、アスペクト比は1以上2未満であってもよい。
一方で、金属粉の平均粒子径が小さい場合にはアスペクト比が大きくなることで、上記の通り焼結しやすくなり、高い発火抑止効果が得られやすくなる。具体的には、金属粉の平均粒子径が例えば20μm未満、好ましくは10μm未満である場合には、アスペクト比は上記の通り2以上が好ましく、より好ましくは2.5以上であり、さらに好ましくは3以上である。
金属粉の含有量は、樹脂100質量部に対して、好ましくは20質量部以上800質量部以下である。20質量部以上であることで金属粉が焼結剤の機能を発揮しやすくなり、バッテリーなどの発火を抑制しやすくなる。また、800質量部以下とすることで、樹脂により金属粉を適切に保持でき、耐火シートの成形性、機械強度なども良好となる。金属粉の含有量は、金属粉による焼結剤の機能を十分に発揮させ、バッテリーなどの発火をより抑制させる観点から、50質量部以上がより好ましく、80質量部以上がさらに好ましく、90質量部以上がよりさらに好ましい。また、耐火シートの成形性、機械強度を良好にする観点から、金属粉の含有量は、700質量部以下がより好ましく、600質量部以下がさらに好ましく、550質量部以下がよりさらに好ましい。
なお、金属粉として銅粉を使用する場合、銅粉の含有量の好適な範囲も上記の金属粉と同様であり、樹脂100質量部に対して、好ましくは20~800質量部、より好ましくは50~700質量部、さらに好ましくは80~600質量部、よりさらに好ましくは90~550質量部である。
[放熱剤]
本発明では、耐火シートは、放熱剤を含有することで、異常高温になった部材の熱を外部に放出させることができ、耐火性が良好となる。特に、バッテリーは、急激な温度上昇が局所的に生じ、局所的に発熱した部分から発火が生じやすいが、放熱剤により耐火シートの面方向に沿って放熱させることで、局所的な発熱を抑制し、それにより、バッテリーの発火を効果的に抑制することができる。
本発明では、耐火シートは、放熱剤を含有することで、異常高温になった部材の熱を外部に放出させることができ、耐火性が良好となる。特に、バッテリーは、急激な温度上昇が局所的に生じ、局所的に発熱した部分から発火が生じやすいが、放熱剤により耐火シートの面方向に沿って放熱させることで、局所的な発熱を抑制し、それにより、バッテリーの発火を効果的に抑制することができる。
放熱剤としては、金属粉以外の熱伝導性フィラーを使用できる。具体的な放熱剤としては、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、黒鉛、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。中でも、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、及び黒鉛が好ましく、窒化ホウ素、及び黒鉛がより好ましく、黒鉛がさらに好ましく、黒鉛の中でも膨張化黒鉛が特に好ましい。放熱剤として、膨張化黒鉛、窒化ホウ素を使用することで、耐火シートは、加熱後でも一定の強度を有してシート形状を維持し、十分な耐火性能を発揮できる。
なお、膨張化黒鉛とは、熱膨張性黒鉛を加熱膨張し、プレスしシート化させ、そのシートを粉砕したものをいう。また、黒鉛としては、天然黒鉛でもよく、鱗片状黒鉛も好ましい。なお、本明細書において「鱗片状黒鉛」とは、天然黒鉛で鱗片状の形状を有するものという。
なお、膨張化黒鉛とは、熱膨張性黒鉛を加熱膨張し、プレスしシート化させ、そのシートを粉砕したものをいう。また、黒鉛としては、天然黒鉛でもよく、鱗片状黒鉛も好ましい。なお、本明細書において「鱗片状黒鉛」とは、天然黒鉛で鱗片状の形状を有するものという。
放熱剤は、球状フィラーであってもよいし、鱗片状、薄片状などの板状、針状、繊維状、樹枝状、不定形状などの非球状フィラーであってもよいが、非球状フィラーが好ましく、中でも板状フィラーであることがより好ましい。非球状フィラー、中でも板状フィラーを使用することで、耐火シートの放熱性を向上させ、それにより、バッテリーの発火を効果的に抑制することができる。
したがって、放熱剤としては、鱗片状の窒化ホウ素、鱗片状の膨張化黒鉛、鱗片状黒鉛などの板状の窒化ホウ素、板状の黒鉛が好ましく、特に、鱗片状の膨張化黒鉛が好ましい。
放熱剤としては、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。したがって、例えば、放熱剤として膨張化黒鉛を使用する場合、膨張化黒鉛単独で使用してもよいし、膨張化黒鉛と他の放熱剤を併用してもよい。
したがって、放熱剤としては、鱗片状の窒化ホウ素、鱗片状の膨張化黒鉛、鱗片状黒鉛などの板状の窒化ホウ素、板状の黒鉛が好ましく、特に、鱗片状の膨張化黒鉛が好ましい。
放熱剤としては、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。したがって、例えば、放熱剤として膨張化黒鉛を使用する場合、膨張化黒鉛単独で使用してもよいし、膨張化黒鉛と他の放熱剤を併用してもよい。
放熱剤は、上記の通り板状などの非球状フィラーであるとよく、アスペクト比が例えば2以上であることが好ましく、より好ましくは2.5以上、さらに好ましくは3以上である。なお、アスペクト比は、その上限に関して特に限定されないが、例えば30以下であってもよいし、10以下であってもよい。
放熱剤は、板状フィラーなどの非球状フィラーであり、耐火シートにおいて配向していることが好ましい。具体的には、放熱剤は、その長軸(最大長さの方向)が耐火シートの面方向に配向するように、耐火シート中に含まれることが好ましい。同様に、金属粉は、板状などの非球状であり、耐火シートにおいて配向していてもよい。具体的には、金属粉は、その長軸(最大長さの方向)が耐火シートの面方向に配向するように、耐火シート中に含まれるとよい。
また、耐火シートが放熱剤に加えて、非球状の金属粉を含有する場合には、金属粉及び放熱剤の両方が面方向に配向することが好ましい。金属粉、放熱剤、又はこれらの両方が面方向に配向することで、耐火シートの面方向の熱伝導率は、厚さ方向の熱伝導率よりも高くなるとよい。
また、耐火シートが放熱剤に加えて、非球状の金属粉を含有する場合には、金属粉及び放熱剤の両方が面方向に配向することが好ましい。金属粉、放熱剤、又はこれらの両方が面方向に配向することで、耐火シートの面方向の熱伝導率は、厚さ方向の熱伝導率よりも高くなるとよい。
なお、放熱剤や金属粉を耐火シートの面方向に配向させる方法は、特に限定されないが、例えば、樹脂と、金属粉、放熱剤、又はこれらの両方とを含む耐火樹脂組成物を、押出機からシート状に押出すことによって、配向させることができる。あるいは、耐火樹脂組成物を熱プレスすることや、耐火樹脂組成物を面方向に沿って塗工することなどによっても面方向に沿って配向することができる。
放熱剤の平均粒子径は、好ましくは0.5~150μm、より好ましくは1~100μm、更に好ましくは5~50μmである。放熱剤の平均粒子径が5μm以上であると、放熱剤により耐火シートの放熱性を向上させて、バッテリーの発火を効果的に抑制することができる。一方で、50μm以下であることで、放熱剤を大量に含有させても、耐火シートの成形性が低下することを防止できる。
なお、放熱剤の熱伝導率は特に限定されないが、好ましくは10W/m・K以上であり、より好ましくは15W/m・K以上、さらに好ましくは20W/m・K以上であり、よりさらに好ましくは50W/m・K以上であり、特に好ましくは90W/m・K以上である。熱伝導率がこのような範囲であると、バッテリーの発火を抑制しやすい耐火シートを得やすくなる。
放熱剤の含有量は、樹脂100質量部に対して、例えば20質量部以上800質量部以下である。20質量部以上であることで放熱剤によりバッテリーなどにおける発熱を適切に放熱でき、バッテリーなどの発火を抑制しやすくなる。また、800質量部以下とすることで、樹脂により放熱剤を適切に保持でき、耐火シートの成形性、機械強度なども良好となる。放熱剤に焼結剤の機能を十分に発揮させ、バッテリーなどの発火をより抑制しやすくする観点から、50質量部以上がより好ましく、80質量部以上がさらに好ましく、90質量部以上がよりさらに好ましい。また、耐火シートの成形性、機械強度を良好にする観点から、放熱剤の含有量は、700質量部以下が好ましく、600質量部以下がより好ましく、550質量部以下がさらに好ましい。
なお、放熱剤として膨張化黒鉛を使用する場合、膨張化黒鉛の含有量の好適な範囲は上記の放熱剤と同様であり、具体的には、樹脂100質量部に対して、好ましくは20~800質量部、より好ましくは50~700質量部、さらに好ましくは80~600質量部、よりさらに好ましくは90~550質量部である。
(放熱剤と金属粉の含有量合計)
本発明の耐火シートにおいて、金属粉と放熱剤の含有量合計は、樹脂100質量部に対して、30質量部以上である。30質量部未満となると、高温加熱時に焼結が十分に生じなかったり、放熱が不十分となったりして、バッテリーなどの発火を効果的に抑制することができない。高温加熱時の焼結性、及び放熱性を向上させ、発火をより効果的に抑制する観点から、金属粉と放熱剤の含有量合計は、45質量部以上が好ましく、90質量部以上がより好ましく、180質量部以上がさらに好ましい。
また、金属粉と放熱剤の含有量合計は、例えば1500質量部以下である。1500質量部以下とすると、耐火シートに樹脂を一定量以上含有させやすくなるので、耐火シートのシート成形性や機械強度なども向上させやすくなる。これら観点から、金属粉と放熱剤の含有量合計は、1200質量部以下が好ましく、1000質量部以下がより好ましく、800質量部以下がさらに好ましい。
なお、放熱剤と金属粉の含有量合計とは、耐火シートが放熱剤のみを含有する場合には、放熱剤の含有量を意味し、金属粉を含有する場合には金属粉の含有量を意味し、放熱剤と金属粉の両方を含有する場合には、これらの含有量合計を意味する。
本発明の耐火シートにおいて、金属粉と放熱剤の含有量合計は、樹脂100質量部に対して、30質量部以上である。30質量部未満となると、高温加熱時に焼結が十分に生じなかったり、放熱が不十分となったりして、バッテリーなどの発火を効果的に抑制することができない。高温加熱時の焼結性、及び放熱性を向上させ、発火をより効果的に抑制する観点から、金属粉と放熱剤の含有量合計は、45質量部以上が好ましく、90質量部以上がより好ましく、180質量部以上がさらに好ましい。
また、金属粉と放熱剤の含有量合計は、例えば1500質量部以下である。1500質量部以下とすると、耐火シートに樹脂を一定量以上含有させやすくなるので、耐火シートのシート成形性や機械強度なども向上させやすくなる。これら観点から、金属粉と放熱剤の含有量合計は、1200質量部以下が好ましく、1000質量部以下がより好ましく、800質量部以下がさらに好ましい。
なお、放熱剤と金属粉の含有量合計とは、耐火シートが放熱剤のみを含有する場合には、放熱剤の含有量を意味し、金属粉を含有する場合には金属粉の含有量を意味し、放熱剤と金属粉の両方を含有する場合には、これらの含有量合計を意味する。
また、本発明の耐火シートは、放熱剤と金属粉の両方を含有することが好ましい。両方を含有すると、高温加熱時に、金属粉が焼結してシートが裂けることを防止しつつ放熱剤により面方向に沿って放熱させることで、バッテリーなどの発火をより効果的に抑制できる。
耐火シートが、放熱剤と、金属粉の両方を含有する場合、放熱剤の含有量に対する金属粉の含有量の質量比(金属粉/放熱剤)は、例えば1/9~9/1であり、2/8~8/2が好ましく、3/7~7/3がより好ましく、4/6~6/4がさらに好ましい。以上の質量比で放熱剤と金属粉を併用することで、バッテリーなどの発火を効果的に抑制できる。
耐火シートが、放熱剤と、金属粉の両方を含有する場合、放熱剤の含有量に対する金属粉の含有量の質量比(金属粉/放熱剤)は、例えば1/9~9/1であり、2/8~8/2が好ましく、3/7~7/3がより好ましく、4/6~6/4がさらに好ましい。以上の質量比で放熱剤と金属粉を併用することで、バッテリーなどの発火を効果的に抑制できる。
[耐火性添加剤]
本発明の耐火性シートは、上記した放熱剤及び金属粉以外の耐火性添加剤を含有してもよい。耐火性添加剤としては、固体難燃剤であることが好ましい。固体難燃剤は、室温及び常圧で固体である難燃剤である。固体難燃剤としては、低融点ガラス、低級リン酸塩、ポリリン酸塩、熱膨張性化合物、金属化合物などが挙げられる。
本発明の耐火性シートは、上記した放熱剤及び金属粉以外の耐火性添加剤を含有してもよい。耐火性添加剤としては、固体難燃剤であることが好ましい。固体難燃剤は、室温及び常圧で固体である難燃剤である。固体難燃剤としては、低融点ガラス、低級リン酸塩、ポリリン酸塩、熱膨張性化合物、金属化合物などが挙げられる。
(低融点ガラス)
低融点ガラスは、加熱されると軟化して溶融状態となり、無機バインダーとして作用し、耐火シートの機械的強度を向上させる効果を有する。低融点ガラスは、具体的には1000℃以下の温度で軟化又は溶融するガラスを意味し、低融点ガラスの軟化温度は200~900℃が好ましく、より好ましくは300~800℃、さらに好ましくは300~600℃である。なお、軟化温度は、例えばDTAの変曲点から測定した値である。
低融点ガラスは、加熱されると軟化して溶融状態となり、無機バインダーとして作用し、耐火シートの機械的強度を向上させる効果を有する。低融点ガラスは、具体的には1000℃以下の温度で軟化又は溶融するガラスを意味し、低融点ガラスの軟化温度は200~900℃が好ましく、より好ましくは300~800℃、さらに好ましくは300~600℃である。なお、軟化温度は、例えばDTAの変曲点から測定した値である。
上記低融点ガラスとしては、ケイ素、アルミニウム、ホウ素、リン、亜鉛、鉄、銅、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステン、モリブデン、タリウム、アンチモン、錫、カドミウム、砒素、鉛、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン、カルコゲンよりなる群から選ばれた少なくとも1種以上の元素と酸素からなるガラスが挙げられ、単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。低融点ガラスは、ガラスフリットなどの粒子状などであるとよい。粒子状は中が空洞である中空ガラス粒子でもよい。
上記低融点ガラスとしては、日本琺瑯釉薬社製、商品名「4020」(リン酸アルミニウム塩系低融点ガラス、軟化温度:380℃)、日本琺瑯釉薬社製、商品名「4706」(ホウケイ酸塩系低融点ガラス、軟化温度:610℃)、旭テクノグラス社製、商品名「FF209」(ホウ酸リチウム塩系低融点ガラス、軟化温度:450℃)等が市販されている。
上記低融点ガラスとしては、日本琺瑯釉薬社製、商品名「4020」(リン酸アルミニウム塩系低融点ガラス、軟化温度:380℃)、日本琺瑯釉薬社製、商品名「4706」(ホウケイ酸塩系低融点ガラス、軟化温度:610℃)、旭テクノグラス社製、商品名「FF209」(ホウ酸リチウム塩系低融点ガラス、軟化温度:450℃)等が市販されている。
(低級リン酸塩)
低級リン酸塩は、無機リン酸類の塩のうち、縮合していない、つまり高分子化していない無機リン酸類の塩を指し、無機リン酸類の1分子中におけるリン原子が1つとなるものである。無機リン酸類としては、リン酸(オルトリン酸)に限らず、メタリン酸、亜リン酸、次亜リン酸等であってもよい。リン酸塩は、第一リン酸塩、第二リン酸塩、第三リン酸塩のいずれであってもよい。低級リン酸塩としては、アンモニウム塩、アミン塩などでもよいが、金属塩であることが好ましい。
低級リン酸塩は、無機リン酸類の塩のうち、縮合していない、つまり高分子化していない無機リン酸類の塩を指し、無機リン酸類の1分子中におけるリン原子が1つとなるものである。無機リン酸類としては、リン酸(オルトリン酸)に限らず、メタリン酸、亜リン酸、次亜リン酸等であってもよい。リン酸塩は、第一リン酸塩、第二リン酸塩、第三リン酸塩のいずれであってもよい。低級リン酸塩としては、アンモニウム塩、アミン塩などでもよいが、金属塩であることが好ましい。
金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩などの周期表3B族金属の塩、チタン塩、マンガン塩、鉄塩、ニッケル塩、銅塩、亜鉛塩、バナジウム塩、クロム塩、モリブデン塩、タングステン塩などの遷移金属塩などの金属塩が挙げられる。これらの中では、好ましくはアルミニウム塩である。
低級リン酸の金属塩の具体例として、第1リン酸アルミニウム、第1リン酸ナトリウム、第1リン酸カリウム、第1リン酸カルシウム、第1リン酸亜鉛、第2リン酸アルミニウム、第2リン酸ナトリウム、第2リン酸カリウム、第2リン酸カルシウム、第2リン酸亜鉛、第3リン酸アルミニウム、第3リン酸ナトリウム、第3リン酸カリウム、第3リン酸カルシウム、第3リン酸亜鉛、亜リン酸アルミニウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸亜鉛、次亜リン酸アルミニウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸亜鉛、メタリン酸アルミニウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸カルシウム、メタリン酸亜鉛等が挙げられる。これらの中では、亜リン酸アルミニウムが好ましい。また、低級リン酸塩のうち、亜リン酸アルミニウムなどの特定の化合物は、加熱により膨張するので、それにより、高い耐火性能を発揮することができる。なお、加熱により膨張する低級リン酸塩も、本明細書では熱膨張性化合物ではなく、「低級リン酸塩」とする。
(ポリリン酸化合物)
ポリリン酸化合物としては、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸アミド、ポリリン酸アルミニウムなどの金属塩が挙げられ、これらのなかではポリリン酸アルミニウムが好ましい。
ポリリン酸化合物としては、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸アミド、ポリリン酸アルミニウムなどの金属塩が挙げられ、これらのなかではポリリン酸アルミニウムが好ましい。
(熱膨張性化合物)
熱膨張性化合物は、加熱されることで一定倍以上に膨張する化合物である。熱膨張性化合物の膨張度は、好ましくは5ml/g以上である。5ml/g以上とすることで、熱膨張性化合物により加熱時に耐火シートを膨張させることで断熱して、発火を抑制したり、発火が生じた場合に消火したりすることができる。耐火性、消火性能を向上させる観点から、熱膨張性化合物の膨張度は、20ml/g以上がより好ましく、100ml/g以上がさらに好ましく、150ml/g以上がよりさらに好ましい。また、熱膨張性化合物の膨張度は、好ましくは400ml/g以下、より好ましくは300ml/g以下、さらに好ましくは250ml/g以下である。熱膨張性化合物の膨張度をこれら上限値以下とすることで、残渣後の機械的強度を高めやすなる。
熱膨張性化合物は、加熱されることで一定倍以上に膨張する化合物である。熱膨張性化合物の膨張度は、好ましくは5ml/g以上である。5ml/g以上とすることで、熱膨張性化合物により加熱時に耐火シートを膨張させることで断熱して、発火を抑制したり、発火が生じた場合に消火したりすることができる。耐火性、消火性能を向上させる観点から、熱膨張性化合物の膨張度は、20ml/g以上がより好ましく、100ml/g以上がさらに好ましく、150ml/g以上がよりさらに好ましい。また、熱膨張性化合物の膨張度は、好ましくは400ml/g以下、より好ましくは300ml/g以下、さらに好ましくは250ml/g以下である。熱膨張性化合物の膨張度をこれら上限値以下とすることで、残渣後の機械的強度を高めやすなる。
本発明で使用する熱膨張性化合物は、膨張開始温度が好ましくは95℃以上である。膨張開始温度が95℃以上であると、火災時以外に誤って耐火シートが膨張することを防止できる。これら観点から、熱膨張性化合物の膨張開始温度は、より好ましくは105℃以上、さらに好ましくは115℃以上である。また、熱膨張性化合物の膨張開始温度は、例えば、600℃未満であるとよいが、好ましくは450℃以下である。450℃以下とすることで、火災時などにおいて速やかに膨張して、耐火性、消火性能を高めることができる。また、熱暴走した際に速やかに膨張して耐火性を高める観点から、上記膨張開始温度は200℃以下がより好ましく、さらに好ましくは140℃以下である。
なお、熱膨張性化合物の膨張開始温度は、熱膨張性化合物を25℃から5℃/分の昇温速度で昇温させたときに、昇温開始前の体積の1.1倍以上に膨張したときの温度のことである。熱膨張性黒鉛の体積を計測する温度の間隔は特に制限されず、例えば、5℃上昇するごとに体積を計測すればよい。また、膨張度は、熱膨張性化合物を1000℃で10秒間保持した後の、単位質量(g)あたりの体積(ml)のことである。
本発明で使用する熱膨張性化合物は、熱膨張性層状無機物、及び熱膨張性マイクロカプセルから選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの中では熱膨張性層状無機物がより好ましい。
熱膨張性層状無機物は、加熱時に膨張する従来公知の物質であり、例えば、バーミキュライト、熱膨張性黒鉛などが挙げられ、中でも熱膨張性黒鉛が好ましい。熱膨張性層状無機物としては、粒子状やりん片状のものを用いてもよい。熱膨張性層状無機物、特に熱膨張性黒鉛は、上記のとおり膨張度を高く(例えば、100ml/g以上、さらには150ml/g以上など)することが可能であり、加熱膨張時に大容量の空隙を形成できる。また、膨張開始温度を低く(例えば、200℃以下、さらには140℃以下など)することができる。そのため、耐火シートの耐火性、消火性能を優れたものにすることができる。
熱膨張性黒鉛は、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、無機酸と、強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物の一種である。無機酸としては濃硫酸、硝酸、セレン酸等が挙げられる。強酸化剤としては濃硝酸、過硫酸塩、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等が挙げられる。上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等でさらに中和処理してもよい。
熱膨張性黒鉛の粒度は、20~200メッシュが好ましい。熱膨張性黒鉛の粒度が前記範囲内であると、膨脹して大容量の空隙を作りやすくなるため耐火性が向上する。また、樹脂への分散性も向上する。
熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比は、2以上が好ましく、5以上がより好ましく、10以上が更に好ましい。熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比の上限は特に限定されないが、熱膨張性黒鉛の割れ防止の観点から、1,000以下であることが好ましい。熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比が2以上であることにより、膨張して大容量の空隙を作りやすくなるため難燃性が向上する。
熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比は、10個の熱膨張性黒鉛について、それぞれ最大寸法(長径)及び最小寸法(短径)測定し、最大寸法(長径)を最小寸法(短径)で除した値の平均値を平均アスペクト比とする。熱膨張性黒鉛の長径及び短径は、例えば、電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて測定することができる。
熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比は、2以上が好ましく、5以上がより好ましく、10以上が更に好ましい。熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比の上限は特に限定されないが、熱膨張性黒鉛の割れ防止の観点から、1,000以下であることが好ましい。熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比が2以上であることにより、膨張して大容量の空隙を作りやすくなるため難燃性が向上する。
熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比は、10個の熱膨張性黒鉛について、それぞれ最大寸法(長径)及び最小寸法(短径)測定し、最大寸法(長径)を最小寸法(短径)で除した値の平均値を平均アスペクト比とする。熱膨張性黒鉛の長径及び短径は、例えば、電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて測定することができる。
(熱膨張性マイクロカプセル)
熱膨張性マイクロカプセルは、外殻樹脂の内部に低沸点溶剤等の揮発性物質が内包されたものであり、加熱により外殻樹脂が軟化し、内包された揮発性物質が揮発ないし膨張するため、その圧力で外殻が膨張して粒子径が大きくなるものである。
熱膨張性マイクロカプセルの外殻は、熱可塑性樹脂から形成されることが好ましい。熱可塑性樹脂は、エチレン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、ブタジエン、クロロプレン等のビニル重合体およびこれらの共重合体、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。中でも、内包された揮発性物質が透過しにくい点からアクリロニトリルの共重合体が好ましい。熱膨張性マイクロカプセルの内部に内包される揮発性物質としては、プロパン、プロピレン、ブテン、ノルマルブタン、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、ノルマルペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭素数3~7の炭化水素、塩化メチル、メチレンクロリド等のメタンのハロゲン化物、CCl3F、CCl2F2等のクロロフロオロカーボン、テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン等のテトラアルキルシラン、石油エーテル等から選択される1種又は2種以上の低沸点液体が使用される。
熱膨張性マイクロカプセルの好適例としては、アクリロニトリルと塩化ビニリデンの共重合体を外殻樹脂とし、イソブタン等の炭素数3~7の炭化水素を内包したマイクロカプセルが挙げられる。
熱膨張性マイクロカプセルを使用する場合には、上記した、亜リン酸アルミニウムなどの低級リン酸塩と併用することも好ましい。熱膨張性マイクロカプセルは、これらと併用することで高温下でも膨張した状態に維持され、耐火性を発揮できる。
熱膨張性マイクロカプセルは、外殻樹脂の内部に低沸点溶剤等の揮発性物質が内包されたものであり、加熱により外殻樹脂が軟化し、内包された揮発性物質が揮発ないし膨張するため、その圧力で外殻が膨張して粒子径が大きくなるものである。
熱膨張性マイクロカプセルの外殻は、熱可塑性樹脂から形成されることが好ましい。熱可塑性樹脂は、エチレン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、ブタジエン、クロロプレン等のビニル重合体およびこれらの共重合体、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。中でも、内包された揮発性物質が透過しにくい点からアクリロニトリルの共重合体が好ましい。熱膨張性マイクロカプセルの内部に内包される揮発性物質としては、プロパン、プロピレン、ブテン、ノルマルブタン、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、ノルマルペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭素数3~7の炭化水素、塩化メチル、メチレンクロリド等のメタンのハロゲン化物、CCl3F、CCl2F2等のクロロフロオロカーボン、テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン等のテトラアルキルシラン、石油エーテル等から選択される1種又は2種以上の低沸点液体が使用される。
熱膨張性マイクロカプセルの好適例としては、アクリロニトリルと塩化ビニリデンの共重合体を外殻樹脂とし、イソブタン等の炭素数3~7の炭化水素を内包したマイクロカプセルが挙げられる。
熱膨張性マイクロカプセルを使用する場合には、上記した、亜リン酸アルミニウムなどの低級リン酸塩と併用することも好ましい。熱膨張性マイクロカプセルは、これらと併用することで高温下でも膨張した状態に維持され、耐火性を発揮できる。
(金属化合物)
金属化合物としては、上記した放熱剤、低級リン酸塩以外の金属化合物が挙げられる。具体的には、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、カルシウム-マグネシウム系水酸化物、ハイドロタルサイト、ベーマイト、タルク、ドーソナイトなどの金属水酸化物、硫酸カルシウムの水和物、硫酸マグネシウムの水和物、ホウ酸亜鉛[2ZnO・3B2O5・3.5H2O]などの水和金属化合物が挙げられる。これ水和金属化合物は、火炎の接触により分解して水蒸気を発生し、吸熱する効果を有し、耐火性に優れる。
また、金属化合物としては、水和金属化合物以外にも、炭酸カルシウムなどの炭酸金属塩などであってもよい。金属化合物は、それ自体が不燃であることから、水和金属化合物以外であっても、一定の耐火性能を発揮できる。
金属化合物としては、上記した放熱剤、低級リン酸塩以外の金属化合物が挙げられる。具体的には、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、カルシウム-マグネシウム系水酸化物、ハイドロタルサイト、ベーマイト、タルク、ドーソナイトなどの金属水酸化物、硫酸カルシウムの水和物、硫酸マグネシウムの水和物、ホウ酸亜鉛[2ZnO・3B2O5・3.5H2O]などの水和金属化合物が挙げられる。これ水和金属化合物は、火炎の接触により分解して水蒸気を発生し、吸熱する効果を有し、耐火性に優れる。
また、金属化合物としては、水和金属化合物以外にも、炭酸カルシウムなどの炭酸金属塩などであってもよい。金属化合物は、それ自体が不燃であることから、水和金属化合物以外であっても、一定の耐火性能を発揮できる。
耐火性添加剤は、上記のとおり固体難燃剤であることが好ましいが、その平均粒子径は0.1~90μmであることが好ましい。平均粒子径が上記範囲内であることで、樹脂中に吸熱剤が分散しやすくなり、耐火性添加剤を多量に配合させやすくなる。また、耐火シートに耐火性を付与しやすくなる。これら観点から、耐火性添加剤の平均粒子径は、0.5~60μmがより好ましく、0.8~40μmがさらに好ましく、1~30μmがよりさらに好ましい。
耐火性添加剤は、上記したものの中から1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。また、耐火性添加剤としては、上記の中では、耐火性の観点から、低融点ガラス及び低級リン酸金属塩から選択される少なくとも1種が好ましく、中でも、低融点ガラス及び亜リン酸アルミニウムから選択される少なくとも1種がより好ましい。
耐火性添加剤の含有量は、樹脂100質量部に対して、例えば1~500質量部、好ましくは10~400質量部、より好ましくは50~300質量部、さらに好ましくは70~200質量部である。
耐火性添加剤の含有量は、樹脂100質量部に対して、例えば1~500質量部、好ましくは10~400質量部、より好ましくは50~300質量部、さらに好ましくは70~200質量部である。
また、耐火シートは、放熱剤を含有する場合に、耐火性添加剤として、低融点ガラス、低級リン酸金属塩、ポリリン酸金属塩から選択される少なくとも1種を含有することが好ましく、中でも、低融点ガラス、低級リン酸金属塩が特に好ましい。
低融点ガラスは、高温加熱時に溶融して結着するので、耐火シートが低融点ガラスを含有することで、高温加熱時にシートが裂けたりして破断することを防止できる。そのため、高温に加熱されても、耐火シートのシート形状を維持しつつ放熱剤で適切に放熱できるので、発火を効果的に抑制できる。
また、低級リン酸金属塩(特に、亜リン酸アルミニウム)を使用することで、熱分解による結晶成長により耐火シートのシート形状が維持され、高温加熱時にシートが裂けたりして破断することを防止できる。そのため、高温に加熱されても、耐火シートのシート形状を維持しつつ放熱剤で適切に放熱できるので、発火を効果的に抑制できる。
同様に、ポリリン酸金属塩(特に、ポリリン酸アルミニウム)を使用する場合にも、ポリリン酸金属塩により、高温加熱時にシートが裂けたりして破断することを防止でき、効果的に発火を抑制できる。
低融点ガラスは、高温加熱時に溶融して結着するので、耐火シートが低融点ガラスを含有することで、高温加熱時にシートが裂けたりして破断することを防止できる。そのため、高温に加熱されても、耐火シートのシート形状を維持しつつ放熱剤で適切に放熱できるので、発火を効果的に抑制できる。
また、低級リン酸金属塩(特に、亜リン酸アルミニウム)を使用することで、熱分解による結晶成長により耐火シートのシート形状が維持され、高温加熱時にシートが裂けたりして破断することを防止できる。そのため、高温に加熱されても、耐火シートのシート形状を維持しつつ放熱剤で適切に放熱できるので、発火を効果的に抑制できる。
同様に、ポリリン酸金属塩(特に、ポリリン酸アルミニウム)を使用する場合にも、ポリリン酸金属塩により、高温加熱時にシートが裂けたりして破断することを防止でき、効果的に発火を抑制できる。
放熱剤と、低融点ガラス、低級リン酸金属塩及びポリリン酸金属塩から選択される少なくとも1種(「特定の耐火性添加剤」ともいう)を併用する場合、放熱剤の含有量に対する特定の耐火性添加剤の含有量の質量比(特定の耐火性添加剤/放熱剤)は、例えば1/9~9/1であり、2/8~8/2が好ましく、3/7~7/3がより好ましく、4/6~6/4がさらに好ましい。以上の質量比で放熱剤と特定の耐火性添加剤を併用することで、バッテリーなどの発火を効果的に抑制できる。特定の耐火性添加剤と併用する際の好ましい放熱剤は、上記の通りであり、特に膨張化黒鉛が好ましい。また、特定の耐火性添加剤は、低融点ガラス及び亜リン酸アルミニウムから選択される少なくとも1種が好ましい。
[可塑剤]
本発明の耐火シートは、更に可塑剤を含有してもよい。特に樹脂がポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアセタール樹脂などの熱可塑性樹脂である場合、成形性などを向上させる観点から可塑剤を含有してもよい。
可塑剤は、一般にポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアセタール樹脂と併用される可塑剤であれば特に限定されない。具体的には、例えば、ジ-2-エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジヘプチルフタレート(DHP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)等のフタル酸エステル可塑剤、ジ-2-エチルヘキシルアジペート(DOA)、ジイソブチルアジペート(DIBA)、ジブチルアジペート(DBA)等の脂肪酸エステル可塑剤、エポキシ化大豆油等のエポキシ化エステル可塑剤、アジピン酸エステル、アジピン酸ポリエステル等のアジピン酸エステル可塑剤、トリ-2-エチルヘキシルトリメリテート(TOTM)、トリイソノニルトリメリテート(TINTM)等のトリメリット酸エステル可塑剤、鉱油等のプロセスオイル等が挙げられる。可塑剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の耐火シートが可塑剤を含有する場合、可塑剤の含有量は、樹脂100質量部に対して1~60質量部が好ましく、5~50質量部がより好ましく、10~40質量部がさらに好ましい。可塑剤の含有量が前記範囲内であると、成形性が向上する傾向にあり、また耐火樹脂層が柔らかくなり過ぎることを抑制できる。
本発明の耐火シートは、更に可塑剤を含有してもよい。特に樹脂がポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアセタール樹脂などの熱可塑性樹脂である場合、成形性などを向上させる観点から可塑剤を含有してもよい。
可塑剤は、一般にポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアセタール樹脂と併用される可塑剤であれば特に限定されない。具体的には、例えば、ジ-2-エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジヘプチルフタレート(DHP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)等のフタル酸エステル可塑剤、ジ-2-エチルヘキシルアジペート(DOA)、ジイソブチルアジペート(DIBA)、ジブチルアジペート(DBA)等の脂肪酸エステル可塑剤、エポキシ化大豆油等のエポキシ化エステル可塑剤、アジピン酸エステル、アジピン酸ポリエステル等のアジピン酸エステル可塑剤、トリ-2-エチルヘキシルトリメリテート(TOTM)、トリイソノニルトリメリテート(TINTM)等のトリメリット酸エステル可塑剤、鉱油等のプロセスオイル等が挙げられる。可塑剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の耐火シートが可塑剤を含有する場合、可塑剤の含有量は、樹脂100質量部に対して1~60質量部が好ましく、5~50質量部がより好ましく、10~40質量部がさらに好ましい。可塑剤の含有量が前記範囲内であると、成形性が向上する傾向にあり、また耐火樹脂層が柔らかくなり過ぎることを抑制できる。
<その他成分>
本発明の耐火シートは、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて上記以外の添加成分を含有させることができる。この添加成分の種類は特に限定されず、上記した金属粉、放熱剤、耐火性添加剤以外の無機充填剤が挙げられる。そのような無機充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、木炭粉末、スラグ繊維、フライアッシュ、及び脱水汚泥等が挙げられる。
また、添加成分としては、滑剤、収縮防止剤、結晶核剤、着色剤(顔料、染料等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、難燃助剤、帯電防止剤、界面活性剤、加硫剤、分散剤、及び表面処理剤なども挙げられる。
本発明の耐火シートは、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて上記以外の添加成分を含有させることができる。この添加成分の種類は特に限定されず、上記した金属粉、放熱剤、耐火性添加剤以外の無機充填剤が挙げられる。そのような無機充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、木炭粉末、スラグ繊維、フライアッシュ、及び脱水汚泥等が挙げられる。
また、添加成分としては、滑剤、収縮防止剤、結晶核剤、着色剤(顔料、染料等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、難燃助剤、帯電防止剤、界面活性剤、加硫剤、分散剤、及び表面処理剤なども挙げられる。
耐火シートの厚さは、例えば、2~5000μm、好ましくは10~2000μm、より好ましくは20~1000μm、さらに好ましくは35~600μmである。なお、本明細書における耐火シートの「厚さ」とは、耐火シートの幅方向3点の平均厚さを指す。
耐火シートの厚さを下限値以上とすることで、耐火シートに適切な耐火性を付与でき、効果的にバッテリーなどの発火を抑制できる。また、上限値以下とすることで、耐火シートの厚さが必要以上に厚くなることを防止し、携帯電話、スマートフォンなどの携帯機器に使用される小型のバッテリーにも適用しやすくなる。また、本発明の耐火シートは、薄くても上記のとおり、金属粉及び放熱剤の合計含有量を多くすることで、適切な耐火性を付与できる。
耐火シートの厚さを下限値以上とすることで、耐火シートに適切な耐火性を付与でき、効果的にバッテリーなどの発火を抑制できる。また、上限値以下とすることで、耐火シートの厚さが必要以上に厚くなることを防止し、携帯電話、スマートフォンなどの携帯機器に使用される小型のバッテリーにも適用しやすくなる。また、本発明の耐火シートは、薄くても上記のとおり、金属粉及び放熱剤の合計含有量を多くすることで、適切な耐火性を付与できる。
(耐火シートの製造方法)
本発明の耐火シートは、耐火樹脂組成物を調製し、耐火樹脂組成物をシート状に成形することにより製造できる。耐火樹脂組成物は、樹脂、金属粉及び放熱剤の少なくともいずれか、及び必要に応じて配合される耐火性添加剤、可塑剤、その他の添加成分等の任意成分をバンバリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拌機等の公知の混合装置を用いて混合することにより得られる。
耐火樹脂組成物を耐火シートに成形する方法としては、具体的には、押出成形、プレス成形、及び射出成形が挙げられ、中でも押出成形が好ましく、単軸押出機、二軸押出機、射出成型機等を用いて成形することができる。
また、樹脂として熱硬化性樹脂を使用する場合には、耐火樹脂組成物をシート状などに成形した後に樹脂成分を硬化させるとよい。
本発明の耐火シートは、耐火樹脂組成物を調製し、耐火樹脂組成物をシート状に成形することにより製造できる。耐火樹脂組成物は、樹脂、金属粉及び放熱剤の少なくともいずれか、及び必要に応じて配合される耐火性添加剤、可塑剤、その他の添加成分等の任意成分をバンバリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拌機等の公知の混合装置を用いて混合することにより得られる。
耐火樹脂組成物を耐火シートに成形する方法としては、具体的には、押出成形、プレス成形、及び射出成形が挙げられ、中でも押出成形が好ましく、単軸押出機、二軸押出機、射出成型機等を用いて成形することができる。
また、樹脂として熱硬化性樹脂を使用する場合には、耐火樹脂組成物をシート状などに成形した後に樹脂成分を硬化させるとよい。
耐火シートは、耐火樹脂組成物の希釈液を離型シート上などに塗布し乾燥することで成形する方法によっても好適に製造できる。この製造方法に使用される樹脂は、上記した樹脂から適宜選択すればよいが、好ましくはポリビニルアセタール樹脂、及びアクリル樹脂から選択される少なくとも1種である。耐火樹脂組成物を希釈する際に使用する溶剤としては、特に限定されないが、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸n-ブチルなどのエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン系溶媒、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶媒などが挙げられる。
耐火樹脂組成物の希釈液は、通常、樹脂が溶剤により溶解され、金属粉及び放熱剤の少なくともいずれか、及び必要に応じて配合される耐火性添加剤、その他の添加成分等の任意成分が溶剤中に分散されスラリーとなる。スラリーとする場合、例えば、まず、溶媒に、金属粉及び放熱剤の少なくともいずれか、さらには、任意で配合される耐火性添加剤、その他の添加成分などの粉末ないし粒子をビーズミルなどの分散混合機により攪拌して分散液を作製する。この際、溶媒には、予め分散剤を配合していてもよい。
その後、分散液に、予め溶剤に溶解した樹脂溶液、及び必要に応じて使用される可塑剤などのその他の成分を添加し、上記分散混合機によりさらに攪拌することで、耐火樹脂組成物の希釈液を作製するとよい。
耐火樹脂組成物の希釈液における固形分濃度は、例えば30~70質量%、好ましくは35~65質量%、より好ましく40~60質量%である。固形分濃度が下限値以上であると、効率的に耐火シートを成形することができる。また、上記上限値以下とすることで、樹脂を溶媒に溶解させ、かつ吸熱剤を溶媒に分散させやすくなる。
耐火樹脂組成物の希釈液は、通常、樹脂が溶剤により溶解され、金属粉及び放熱剤の少なくともいずれか、及び必要に応じて配合される耐火性添加剤、その他の添加成分等の任意成分が溶剤中に分散されスラリーとなる。スラリーとする場合、例えば、まず、溶媒に、金属粉及び放熱剤の少なくともいずれか、さらには、任意で配合される耐火性添加剤、その他の添加成分などの粉末ないし粒子をビーズミルなどの分散混合機により攪拌して分散液を作製する。この際、溶媒には、予め分散剤を配合していてもよい。
その後、分散液に、予め溶剤に溶解した樹脂溶液、及び必要に応じて使用される可塑剤などのその他の成分を添加し、上記分散混合機によりさらに攪拌することで、耐火樹脂組成物の希釈液を作製するとよい。
耐火樹脂組成物の希釈液における固形分濃度は、例えば30~70質量%、好ましくは35~65質量%、より好ましく40~60質量%である。固形分濃度が下限値以上であると、効率的に耐火シートを成形することができる。また、上記上限値以下とすることで、樹脂を溶媒に溶解させ、かつ吸熱剤を溶媒に分散させやすくなる。
[耐火積層体]
本発明の耐火シートは、耐火シート単体で用いられてもよいし、耐火シート以外の層が積層されて耐火積層体を構成してもよい。耐火積層体は、例えば、耐火シート以外の層として、粘着材を備えてもよい。その場合、耐火積層体は、例えば、上記耐火シートと、耐火シートの少なくとも一方の面に設けられる粘着材とを備えるものであるとよい。粘着材が備える耐火積層体は、粘着材を介してバッテリーに貼り合わせることができる。粘着材は、耐火シートの一方の面上に設けられてもよいし、耐火シートの両面に設けられてもよい。粘着材が耐火シートの両面に設けられることで、例えば、2つのバッテリーセルの間に耐火シートが配置される場合、耐火シートは両方のバッテリーセルに貼り合わせることができる。
本発明の耐火シートは、耐火シート単体で用いられてもよいし、耐火シート以外の層が積層されて耐火積層体を構成してもよい。耐火積層体は、例えば、耐火シート以外の層として、粘着材を備えてもよい。その場合、耐火積層体は、例えば、上記耐火シートと、耐火シートの少なくとも一方の面に設けられる粘着材とを備えるものであるとよい。粘着材が備える耐火積層体は、粘着材を介してバッテリーに貼り合わせることができる。粘着材は、耐火シートの一方の面上に設けられてもよいし、耐火シートの両面に設けられてもよい。粘着材が耐火シートの両面に設けられることで、例えば、2つのバッテリーセルの間に耐火シートが配置される場合、耐火シートは両方のバッテリーセルに貼り合わせることができる。
粘着材は、耐火シートを他の部材に感圧接着することができる部材であり、粘着剤層からなるものでもよいし、基材の両表面に粘着剤層が設けられた両面粘着テープでもよいが、粘着剤層からなることが好ましい。なお、両面粘着テープは、一方の粘着剤層が耐火シートに貼り合わせられることで、積層されて粘着材を構成することになる。
粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に制限はなく、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられるが、これらに限定されない。粘着材の厚みは、特に限定されないが、例えば、3~500μm、好ましくは10~200μmである。
また、両面粘着テープに使用する基材は、樹脂フィルム、不織布など、両面粘着テープに使用される公知の基材を使用するとよい。
粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に制限はなく、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられるが、これらに限定されない。粘着材の厚みは、特に限定されないが、例えば、3~500μm、好ましくは10~200μmである。
また、両面粘着テープに使用する基材は、樹脂フィルム、不織布など、両面粘着テープに使用される公知の基材を使用するとよい。
本発明の耐火積層体は、基材と、基材の少なくとも一方の面に設けられる耐火シートとを有する積層体であってもよい。基材を使用する場合、耐火シートは、基材の片面のみに設けられてもよいし、両面に設けられてもよい。また、耐火シートは、基材に直接積層されてもよいし、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、基材の表面上に形成されたプライマー層、接着層などを介して基材に積層されてもよいが、直接積層されることが好ましい。
ここで、基材は、可燃層であっても準不燃層又は不燃層であってもよい。基材の厚みは特に限定されないが、例えば5μm~1mmである。基材としては、樹脂、金属、金属以外の無機材料、又はこれらの複合体などにより形成される。また、基材の形態としては、フィルム、箔などでもよいし、クロス、メッシュなどでもよい。したがって、例えば、樹脂フィルム、グラファイトシート、金属箔、金属クロス、金属メッシュ、有機繊維クロス、金属以外の無機材料のクロス(無機繊維クロス)などが挙げられる。
上記した基材と耐火シートとを有する耐火積層体は、耐火樹脂組成物を押出成形などすることで、基材の一方の面又は両面上に耐火シートを形成することで製造することができる。また、耐火積層体は、溶剤により希釈した耐火樹脂組成物の希釈液を、基材の一方の面又は両面に塗布し、乾燥することで、基材の一方の面又は両面上に耐火シートを形成することで製造してもよい。希釈する際に使用する溶剤の種類、希釈液における固形分濃度などは上記したとおりである。
さらに、耐火積層体は、予め成形した耐火シートを、基材の一方の面又は両面に圧着などすることで積層させて製造してもよい。
なお、基材の両面に、耐火シートを形成する場合には、両面に同時に耐火シートを形成してもよいし、片面ずつ順次、耐火シートを形成してもよい。
さらに、耐火積層体は、予め成形した耐火シートを、基材の一方の面又は両面に圧着などすることで積層させて製造してもよい。
なお、基材の両面に、耐火シートを形成する場合には、両面に同時に耐火シートを形成してもよいし、片面ずつ順次、耐火シートを形成してもよい。
本発明の基材を有する耐火積層体は、耐火積層体の少なくとも一方の面にさらに粘着材が設けられてもよい。粘着材は、耐火シートが基材の一方の面のみに設けられる場合、基材の他方の面に設けられてもよいし、耐火シート上に設けられてもよいが、耐火シート上に設けられることが好ましい。耐火シート上に粘着材が設けられると、耐火積層体は、粘着材を介してバッテリーに貼り合わせた場合、バッテリー側から、耐火シート、基材の順で配置されることになる。このような配置により、消火性能が高めやすくなる。
また、耐火シートが基材の両面に設けられる場合、粘着材は、一方の耐火シート上に設けられてもよいし、両方の耐火シート上に設けられてもよいが、両方の耐火シート上に設けられることが好ましい。粘着材が両方の耐火シート上に設けられることで、例えば、2つのバッテリーセルの間に耐火積層体が配置される場合、耐火積層体は両方のバッテリーセルに貼り合わせることができる。なお、粘着材の具体的な構成は、上記したとおりである。
また、耐火シートが基材の両面に設けられる場合、粘着材は、一方の耐火シート上に設けられてもよいし、両方の耐火シート上に設けられてもよいが、両方の耐火シート上に設けられることが好ましい。粘着材が両方の耐火シート上に設けられることで、例えば、2つのバッテリーセルの間に耐火積層体が配置される場合、耐火積層体は両方のバッテリーセルに貼り合わせることができる。なお、粘着材の具体的な構成は、上記したとおりである。
[バッテリー]
本発明の耐火シートは、好ましくは、バッテリーの周囲に配置されて使用されるバッテリー用耐火シートである。バッテリーは、通常、少なくとも1つのバッテリーセルを有し、そのバッテリーセルの表面に耐火シート又は耐火積層体が取り付けられるとよい。耐火シート又は耐火積層体は、通常、バッテリーセルの表面に配置される。バッテリーは、バッテリーセルを1つ有してもよいし、2つ以上有してもよい。
本発明の耐火シートは、好ましくは、バッテリーの周囲に配置されて使用されるバッテリー用耐火シートである。バッテリーは、通常、少なくとも1つのバッテリーセルを有し、そのバッテリーセルの表面に耐火シート又は耐火積層体が取り付けられるとよい。耐火シート又は耐火積層体は、通常、バッテリーセルの表面に配置される。バッテリーは、バッテリーセルを1つ有してもよいし、2つ以上有してもよい。
バッテリーセルは、正極材、負極材、セパレータ、正極端子、及び負極端子等が外装部材に収容されたバッテリーの構成単位を指す。また、バッテリーセルは、セルの形状により、円筒型、角型、ラミネート型に分類される。
バッテリーセルが円筒型の場合、正極材、負極材、セパレータ、正極端子、負極端子、絶縁材、安全弁、ガスケット、及び正極キャップ等が外装缶に収容されているバッテリーの構成単位を指す。一方、バッテリーセルが角型の場合、正極材、負極材、セパレータ、正極端子、負極端子、絶縁材、及び安全弁等が外装缶に収容されているバッテリーの構成単位を指す。バッテリーセルがラミネート型の場合、正極材、負極材、セパレータ、正極端子、及び負極端子等が外装フィルムに収容されているバッテリーの構成単位を指す。ラミネート型のバッテリーでは、2枚の外装フィルムの間、或いは、1枚の外装フィルムが例えば2つ折りで折り畳まれ、その折り畳まれた外装フィルムの間に、正極材、負極材、セパレータ、正極端子、及び負極端子等が配置され、外装フィルムの外縁部がヒートシールによって圧着されている。
また、バッテリーセルは、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、ニッケル・水素電池、リチウム・硫黄電池、ニッケル・カドミウム電池、ニッケル・鉄電池、ニッケル・亜鉛電池、ナトリウム・硫黄電池、鉛蓄電池、空気電池等の二次電池であり、これらの中でもリチウムイオン電池が好ましい。
バッテリーは、例えば、携帯電話及びスマートフォン等の小型電子機器、ノートパソコン、自動車等に使用されるが、これらに限定されない。
バッテリーセルが円筒型の場合、正極材、負極材、セパレータ、正極端子、負極端子、絶縁材、安全弁、ガスケット、及び正極キャップ等が外装缶に収容されているバッテリーの構成単位を指す。一方、バッテリーセルが角型の場合、正極材、負極材、セパレータ、正極端子、負極端子、絶縁材、及び安全弁等が外装缶に収容されているバッテリーの構成単位を指す。バッテリーセルがラミネート型の場合、正極材、負極材、セパレータ、正極端子、及び負極端子等が外装フィルムに収容されているバッテリーの構成単位を指す。ラミネート型のバッテリーでは、2枚の外装フィルムの間、或いは、1枚の外装フィルムが例えば2つ折りで折り畳まれ、その折り畳まれた外装フィルムの間に、正極材、負極材、セパレータ、正極端子、及び負極端子等が配置され、外装フィルムの外縁部がヒートシールによって圧着されている。
また、バッテリーセルは、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、ニッケル・水素電池、リチウム・硫黄電池、ニッケル・カドミウム電池、ニッケル・鉄電池、ニッケル・亜鉛電池、ナトリウム・硫黄電池、鉛蓄電池、空気電池等の二次電池であり、これらの中でもリチウムイオン電池が好ましい。
バッテリーは、例えば、携帯電話及びスマートフォン等の小型電子機器、ノートパソコン、自動車等に使用されるが、これらに限定されない。
耐火シート又は耐火積層体は、バッテリーセルのいずれの表面上に設けられるとよいが、いずれの場合も、耐火シートがバッテリーセルの大部分(例えば、表面積の30%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上)の表面を覆うことが好ましい。耐火シートがバッテリーセル表面の大部分を覆うことでバッテリーセルの発火に対して、迅速に消火しやすくなる。
また、バッテリーセルは、安全弁を有することが多いが、安全弁を有するバッテリーセルにおいては、耐火シート又は耐火積層体のいずれを使用する場合も、耐火シートによって安全弁を覆うように設けられることが好ましい。このとき、耐火シートは、安全弁の機能を担保するために、安全弁を密封させないように覆うとよい。さらに、ラミネート型のバッテリーセルの場合には、ヒートシールによって圧着されるヒートシール部を耐火シートによって覆うように設けられることが好ましい。
バッテリーセルは、安全弁又はヒートシール部から発火することが多いため、これらを耐火シートで覆うことでバッテリーセルの発火をより有効に消火しやすくなる。
さらに、耐火シートが、バッテリーセルの大部分の表面を覆い、かつバッテリーセルが安全弁又はヒートシール部を有する場合、耐火シートは安全弁又はヒートシール部も覆うように配置されることがより好ましい。例えば、耐火シートや耐火積層体は、バッテリーセルに巻くように配置されるとよい。
また、バッテリーセルは、安全弁を有することが多いが、安全弁を有するバッテリーセルにおいては、耐火シート又は耐火積層体のいずれを使用する場合も、耐火シートによって安全弁を覆うように設けられることが好ましい。このとき、耐火シートは、安全弁の機能を担保するために、安全弁を密封させないように覆うとよい。さらに、ラミネート型のバッテリーセルの場合には、ヒートシールによって圧着されるヒートシール部を耐火シートによって覆うように設けられることが好ましい。
バッテリーセルは、安全弁又はヒートシール部から発火することが多いため、これらを耐火シートで覆うことでバッテリーセルの発火をより有効に消火しやすくなる。
さらに、耐火シートが、バッテリーセルの大部分の表面を覆い、かつバッテリーセルが安全弁又はヒートシール部を有する場合、耐火シートは安全弁又はヒートシール部も覆うように配置されることがより好ましい。例えば、耐火シートや耐火積層体は、バッテリーセルに巻くように配置されるとよい。
例えば、図1に示すようにバッテリーセル11が角型の場合、耐火シート12は、バッテリーセル11の外周面を巻き付けられるように配置され、例えば、その主面11A,11Bと、端面11C,11Dの上に配置されることが好ましい。なお、主面11A,11Bとは、角型のバッテリーセル11において、最も面積が大きくなる両面であり、端面11C,11Dは、主面11A,11Bを接続する端面である。角型セルでは、一般的に、端面11C,11Dのいずれかに安全弁(図示しない)が設けられるため、図1の構成においても、耐火シート11がバッテリーセル11の安全弁を覆う。
また、例えば、図2に示すようにバッテリーセル11が角型の場合、耐火シート12は、主面11A,11Bの両方のみに設けられてもよい。さらに、図示しないが、主面11A,11Bのうち、一方のみに設けられてもよい。
また、例えば、図2に示すようにバッテリーセル11が角型の場合、耐火シート12は、主面11A,11Bの両方のみに設けられてもよい。さらに、図示しないが、主面11A,11Bのうち、一方のみに設けられてもよい。
バッテリーセル11がラミネート型の場合、図3に示すように、耐火シート12は、例えば、バッテリーセル11の両面11X,11Yそれぞれを覆うように設けられるとよい。このとき、耐火シート12は、ヒートシール部11Zも覆うように配置されるとよい。
なお、ラミネート型においても、耐火シート12は、一方の面11Xのみを覆うように設けられてもよい。さらに、ラミネート型においても、耐火シート12は、バッテリーセル11の外周面を巻くように配置されてもよい。
さらに、図4に示すように、バッテリーセル11が円筒型の場合、耐火シート12は、バッテリーセル11の外周面に巻き付けられるように配置されればよい。
また、図5に示すように、複数のバッテリーセル11が設けられている場合は、耐火シート12をバッテリーセル11、11の間に配置することができる。このような構成によれば、1つのバッテリーセル11が熱暴走により発火しても、耐火シート12によって有効に消火されることになるので、隣接するバッテリーセル11が連続的に発火したりすることを防止できる。
図5に示すバッテリーは、模式的にバッテリーセル11を2つのみ示すが、3つ以上のバッテリーセルが設けられてもよい。その場合、バッテリーセル11、11の間それぞれには、耐火シート12が配置されるとよい。
なお、ラミネート型においても、耐火シート12は、一方の面11Xのみを覆うように設けられてもよい。さらに、ラミネート型においても、耐火シート12は、バッテリーセル11の外周面を巻くように配置されてもよい。
さらに、図4に示すように、バッテリーセル11が円筒型の場合、耐火シート12は、バッテリーセル11の外周面に巻き付けられるように配置されればよい。
また、図5に示すように、複数のバッテリーセル11が設けられている場合は、耐火シート12をバッテリーセル11、11の間に配置することができる。このような構成によれば、1つのバッテリーセル11が熱暴走により発火しても、耐火シート12によって有効に消火されることになるので、隣接するバッテリーセル11が連続的に発火したりすることを防止できる。
図5に示すバッテリーは、模式的にバッテリーセル11を2つのみ示すが、3つ以上のバッテリーセルが設けられてもよい。その場合、バッテリーセル11、11の間それぞれには、耐火シート12が配置されるとよい。
なお、図1~5の構成において、耐火シートの代わりに耐火積層体を使用してもよい。例えば、図1~5の構成では、耐火シートと耐火シートの一方の面に設けた粘着材を備える耐火積層体を使用するとよく、その場合、耐火積層体は粘着材を介してバッテリーセル11に接着されるとよい。同様に、図5の構成においては、耐火シートと耐火シートの両面に設けた粘着材とを備える耐火積層体を使用するとよく、その場合、耐火積層体は、各粘着材により、耐火積層体の両面をバッテリーに貼り合わせるとよい。
また、耐火積層体は、耐火シートと基材とを備える耐火積層体であってもよく、その場合も、図1~5の構成において、耐火シートの代わりに耐火積層体を配置すればよい。また、耐火積層体は、適宜粘着材を介してバッテリーセルに貼り合わされるとよい。さらに、耐火シートと基材を備える耐火積層体は、バッテリー側から、耐火シート、基材の順で配置されることが好ましく、このような配置により、消火性能を高めやすくなる。
ただし、図1~5に示した構成は、耐火シート又は耐火積層体の配置位置の一例を示したに過ぎず、これら以外の位置に配置されてもよい。
また、耐火積層体は、耐火シートと基材とを備える耐火積層体であってもよく、その場合も、図1~5の構成において、耐火シートの代わりに耐火積層体を配置すればよい。また、耐火積層体は、適宜粘着材を介してバッテリーセルに貼り合わされるとよい。さらに、耐火シートと基材を備える耐火積層体は、バッテリー側から、耐火シート、基材の順で配置されることが好ましく、このような配置により、消火性能を高めやすくなる。
ただし、図1~5に示した構成は、耐火シート又は耐火積層体の配置位置の一例を示したに過ぎず、これら以外の位置に配置されてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
各物性の測定方法及び評価方法は以下のとおりである。
<バッテリー試験>
スマートフォンに使用されるラミネート型のリチウムイオン電池からなるバッテリーセルの表面に、実施例及び比較例で作製した耐火シートを配置し、直径5mmの釘を用い、突刺速度10mm/sの条件でバッテリーへの釘刺しテストを行った。釘を突き刺しても火が出なかった場合を「AA」と評価した。釘を突き刺して火が確認されてから消火されるまでの時間が30秒以内であった場合を「A」と評価した。釘を突き刺して火が確認されてから消火されるまでの時間が30秒を超え60秒未満であった場合を「B」と評価した。釘を突き刺して火が確認されてから消火されるまでの時間が60秒以上であった場合を「C」と評価した。消火時間が短いほど、消火性能が優れていることを表す。
スマートフォンに使用されるラミネート型のリチウムイオン電池からなるバッテリーセルの表面に、実施例及び比較例で作製した耐火シートを配置し、直径5mmの釘を用い、突刺速度10mm/sの条件でバッテリーへの釘刺しテストを行った。釘を突き刺しても火が出なかった場合を「AA」と評価した。釘を突き刺して火が確認されてから消火されるまでの時間が30秒以内であった場合を「A」と評価した。釘を突き刺して火が確認されてから消火されるまでの時間が30秒を超え60秒未満であった場合を「B」と評価した。釘を突き刺して火が確認されてから消火されるまでの時間が60秒以上であった場合を「C」と評価した。消火時間が短いほど、消火性能が優れていることを表す。
<シート成形性>
各実施例、比較例で得られた耐火シートを直径76.2mmの巻取りロールで巻取りができ、ロール体ができた場合を「A」、巻取りロールで巻取りができず、ロール体ができなかった場合を「B」として評価した。結果を表1に示す。
各実施例、比較例で得られた耐火シートを直径76.2mmの巻取りロールで巻取りができ、ロール体ができた場合を「A」、巻取りロールで巻取りができず、ロール体ができなかった場合を「B」として評価した。結果を表1に示す。
<形状保持性>
カッターを用いて、長さ100mm、幅100mmに耐火シートをカットし、ステンレス製のホルダー(101mm角、高さ80mm)の底面に設置し、電気炉に耐火シートを供給し、600℃で3分間加熱した。耐火シートの両端部を手で持って持ち上げて、その際の残渣の崩れやすさを目視して測定した、耐火シートが崩れることなく持ち上げられた場合を「A」と評価し、試験片が崩壊して持ち上げられない場合を「B」と評価した。
カッターを用いて、長さ100mm、幅100mmに耐火シートをカットし、ステンレス製のホルダー(101mm角、高さ80mm)の底面に設置し、電気炉に耐火シートを供給し、600℃で3分間加熱した。耐火シートの両端部を手で持って持ち上げて、その際の残渣の崩れやすさを目視して測定した、耐火シートが崩れることなく持ち上げられた場合を「A」と評価し、試験片が崩壊して持ち上げられない場合を「B」と評価した。
表1における各成分は、以下の通りであった。
<樹脂>
PVB1:ポリビニルブチラール樹脂、重合度800、アセタール化度69mol%、アセチル基量1mol%、水酸基量30mol%、10質量%エタノール/トルエン粘度142mPa・s
PVB2:ポリビニルブチラール樹脂、重合度320、アセタール化度75mol%、アセチル基量3mol%、水酸基量22mol%、10質量%エタノール/トルエン粘度21mPa・s
PVB3:ポリビニルブチラール樹脂、重合度1,100、アセタール化度64mol%、アセチル基量1mol%、水酸基量35mol%、10質量%エタノール/トルエン粘度280mPa・s
EVA:製品名「エバフレックスEV450」、三井デュポンポリケミカル株式会社製、メルトフローレート:15g/10min、酢酸ビニル含量19質量%
アクリル樹脂:イソブチルメタクリレートの単独重合体、重量平均分子量10万、ガラス転移温度(Tg)50℃
<樹脂>
PVB1:ポリビニルブチラール樹脂、重合度800、アセタール化度69mol%、アセチル基量1mol%、水酸基量30mol%、10質量%エタノール/トルエン粘度142mPa・s
PVB2:ポリビニルブチラール樹脂、重合度320、アセタール化度75mol%、アセチル基量3mol%、水酸基量22mol%、10質量%エタノール/トルエン粘度21mPa・s
PVB3:ポリビニルブチラール樹脂、重合度1,100、アセタール化度64mol%、アセチル基量1mol%、水酸基量35mol%、10質量%エタノール/トルエン粘度280mPa・s
EVA:製品名「エバフレックスEV450」、三井デュポンポリケミカル株式会社製、メルトフローレート:15g/10min、酢酸ビニル含量19質量%
アクリル樹脂:イソブチルメタクリレートの単独重合体、重量平均分子量10万、ガラス転移温度(Tg)50℃
<放熱剤>
膨張化黒鉛(1):富士黒鉛工業株式会社製「FS-5」、熱伝導率=500W/m・K、アスペクト比=3、平均粒子径=5μm
膨張化黒鉛(2):富士黒鉛工業株式会社製「BSP-7A」、熱伝導率=500W/m・K、アスペクト比=4、平均粒子径=7μm
膨張化黒鉛(3):富士黒鉛工業株式会社製「BSP-20A」、熱伝導率=500W/m・K、アスペクト比=5、平均粒子径=20μm
鱗片状黒鉛:富士黒鉛工業株式会社製「UF-2」、熱伝導率=450W/m・K、アスペクト比=2、平均粒子径=5μm
窒化ホウ素:昭和電工株式会社製「UHP-2」、熱伝導率=100W/m・K、アスペクト比=30、平均粒子径=11μm
膨張化黒鉛(1):富士黒鉛工業株式会社製「FS-5」、熱伝導率=500W/m・K、アスペクト比=3、平均粒子径=5μm
膨張化黒鉛(2):富士黒鉛工業株式会社製「BSP-7A」、熱伝導率=500W/m・K、アスペクト比=4、平均粒子径=7μm
膨張化黒鉛(3):富士黒鉛工業株式会社製「BSP-20A」、熱伝導率=500W/m・K、アスペクト比=5、平均粒子径=20μm
鱗片状黒鉛:富士黒鉛工業株式会社製「UF-2」、熱伝導率=450W/m・K、アスペクト比=2、平均粒子径=5μm
窒化ホウ素:昭和電工株式会社製「UHP-2」、熱伝導率=100W/m・K、アスペクト比=30、平均粒子径=11μm
<金属粉>
銅粉(1):福田金属箔粉工業株式会社製「3L3」熱伝導率=400W/m・K、アスペクト比=2、平均粒子径=6μm
銅粉(2):福田金属箔粉工業株式会社製「MS-800」熱伝導率=400W/m・K、アスペクト比=1.5、平均粒子径=40μm
銅粉(3):福田金属箔粉工業株式会社製「FCC-TB」熱伝導率=400W/m・K、アスペクト比=3、平均粒子径=7μm
銅粉(1):福田金属箔粉工業株式会社製「3L3」熱伝導率=400W/m・K、アスペクト比=2、平均粒子径=6μm
銅粉(2):福田金属箔粉工業株式会社製「MS-800」熱伝導率=400W/m・K、アスペクト比=1.5、平均粒子径=40μm
銅粉(3):福田金属箔粉工業株式会社製「FCC-TB」熱伝導率=400W/m・K、アスペクト比=3、平均粒子径=7μm
<耐火性添加剤>
亜リン酸アルミニウム:APA100、太平化学産業社製、平均粒子径42μm
低融点ガラス:製品名「4020」、日本琺瑯釉薬社製、軟化温度380℃
炭酸カルシウム:製品名「ホワイトンBF-300」、備北粉化株式会社社製、平均粒子径8μm
亜リン酸アルミニウム:APA100、太平化学産業社製、平均粒子径42μm
低融点ガラス:製品名「4020」、日本琺瑯釉薬社製、軟化温度380℃
炭酸カルシウム:製品名「ホワイトンBF-300」、備北粉化株式会社社製、平均粒子径8μm
<実施例1~12、14~19、比較例1~5>
表1に示す配合にしたがって樹脂以外の成分をエタノールとトルエン(質量比1:1)の混合溶剤に加え、溶剤中に各成分を分散させて分散液を得た。また、表1に示す配合にしたがって、エタノールとトルエン(質量比1:1)の混合溶剤に溶解した樹脂を上記分散液に加えて、固形分濃度10質量%の耐火樹脂組成物の希釈物を得た。得られた耐火樹脂組成物の希釈液を離型シート(リンテック社製PETフィルム)の片面に塗布して、120℃、10分間で乾燥させて、離型シート上に形成された耐火シートを得た。各実施例、比較例の耐火シートにおいて、放熱剤及び金属粉はシートの面方向に沿って配向していた。耐火シートを離型シートから剥離し、単体の耐火シートを得た。耐火シートの厚さは、500μmであった。
表1に示す配合にしたがって樹脂以外の成分をエタノールとトルエン(質量比1:1)の混合溶剤に加え、溶剤中に各成分を分散させて分散液を得た。また、表1に示す配合にしたがって、エタノールとトルエン(質量比1:1)の混合溶剤に溶解した樹脂を上記分散液に加えて、固形分濃度10質量%の耐火樹脂組成物の希釈物を得た。得られた耐火樹脂組成物の希釈液を離型シート(リンテック社製PETフィルム)の片面に塗布して、120℃、10分間で乾燥させて、離型シート上に形成された耐火シートを得た。各実施例、比較例の耐火シートにおいて、放熱剤及び金属粉はシートの面方向に沿って配向していた。耐火シートを離型シートから剥離し、単体の耐火シートを得た。耐火シートの厚さは、500μmであった。
<実施例13>
表1に示した各成分を一軸押出機に供給して混練して得た耐火樹脂組成物を、120℃で押出成形し、厚さ500μmの耐火シートを得た。実施例13の耐火シートにおいて、放熱剤及び金属粉はシートの面方向に沿って配向していた。
表1に示した各成分を一軸押出機に供給して混練して得た耐火樹脂組成物を、120℃で押出成形し、厚さ500μmの耐火シートを得た。実施例13の耐火シートにおいて、放熱剤及び金属粉はシートの面方向に沿って配向していた。
以上の実施例に示すように、耐火シートは、放熱剤、金属粉、又はこれらの両方を含有し、合計含有量が所定量以上となることで、バッテリー試験の結果が良好となり、バッテリーなどの発火を効果的に抑制することができた。また、金属粉を含有させることで焼結強度が高くなり、耐火シートは、高温発熱時の裂けなどが防止され、それにより、バッテリーなどの発火をより効果的に抑制できる。
一方で、比較例では、耐火シートは、放熱剤又は金属粉を含有するが、これらの含有量が低いため、バッテリー試験の結果が良好とならず、バッテリーなどの発火を効果的に抑制できなかった。
一方で、比較例では、耐火シートは、放熱剤又は金属粉を含有するが、これらの含有量が低いため、バッテリー試験の結果が良好とならず、バッテリーなどの発火を効果的に抑制できなかった。
10 バッテリー
11 バッテリーセル
12 耐火シート
11 バッテリーセル
12 耐火シート
Claims (12)
- 樹脂と、金属粉及び放熱剤からなる群から選択される少なくとも1種とを含有し、前記金属粉及び放熱剤の含有量合計が、前記樹脂100質量部に対して、30質量部以上である耐火シート。
- 前記金属粉が銅粉である請求項1に記載の耐火シート。
- 前記金属粉のアスペクト比が、1.2以上である請求項1又は2に記載の耐火シート。
- 前記放熱剤が酸化アルミニウム、黒鉛及び窒化ホウ素からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1~3のいずれか1項に記載の耐火シート。
- 前記放熱剤が膨張化黒鉛である請求項1~4のいずれか1項に記載の耐火シート。
- 前記放熱剤のアスペクト比が、2以上である請求項1~5のいずれか1項に記載の耐火シート。
- 前記金属粉及び前記放熱剤の両方を含有する請求項1~6のいずれか1項に記載の耐火シート。
- 放熱剤の含有量に対する金属粉の含有量の質量比が、1/9~9/1である請求項7に記載の耐火シート。
- 前記金属粉及び放熱剤以外の耐火性添加剤をさらに含む請求項1~8のいずれか1項に記載の耐火シート。
- 前記耐火性添加剤が、低融点ガラス及び低級リン酸金属塩からなる群から選択される少なくとも1種である請求項9に記載の耐火シート。
- バッテリーに使用される請求項1~10のいずれかに記載の耐火シート。
- 請求項1~11のいずれか1項に記載の耐火シートと、バッテリーセルとを備え、前記耐火シートが、バッテリーセルの表面上に設けられるバッテリー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020153367A JP2022047440A (ja) | 2020-09-11 | 2020-09-11 | 耐火シート及びバッテリー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020153367A JP2022047440A (ja) | 2020-09-11 | 2020-09-11 | 耐火シート及びバッテリー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022047440A true JP2022047440A (ja) | 2022-03-24 |
Family
ID=80780341
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020153367A Pending JP2022047440A (ja) | 2020-09-11 | 2020-09-11 | 耐火シート及びバッテリー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022047440A (ja) |
-
2020
- 2020-09-11 JP JP2020153367A patent/JP2022047440A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6700490B2 (ja) | 耐火積層体及びバッテリー | |
JP6764023B2 (ja) | 耐火樹脂組成物、耐火シート、耐火積層体、及びバッテリー | |
WO2021100813A1 (ja) | バッテリーパック用熱膨張性耐火材、バッテリーパック用耐火シート、及び車載用バッテリーパック | |
WO2020241843A1 (ja) | バッテリー用熱膨張性耐火材 | |
JP2020041121A (ja) | 耐火樹脂組成物、耐火シート、耐火積層体、及びバッテリー | |
JP2020136100A (ja) | 耐火シート及びバッテリー | |
JP7168494B2 (ja) | 耐火積層体及びバッテリー | |
JP2020205240A (ja) | 耐火シート、及びバッテリー | |
JP7150643B2 (ja) | 耐火積層体及びバッテリー | |
JP7529168B2 (ja) | 二次電池モジュール | |
JP2020132843A (ja) | 耐火樹脂組成物、耐火シート、及びバッテリー | |
WO2021246451A1 (ja) | 耐火シート及びバッテリー | |
JP2022047440A (ja) | 耐火シート及びバッテリー | |
JP2021002426A (ja) | 電池用外装フィルム、及び電池 | |
JP2021118162A (ja) | 耐火樹脂組成物、耐火材、耐火積層体、バッテリー、背面カバー材及び電子機器 | |
JP2021158025A (ja) | 放熱シート、バッテリーセル、背面カバー材及び電子機器 | |
JP2021163712A (ja) | バッテリーセル構造及び電子機器 | |
JP2020161249A (ja) | バッテリーセル及びバッテリー | |
JP2020147734A (ja) | 耐火樹脂組成物、耐火シート、及びバッテリー | |
JP2021080382A (ja) | 筐体用熱膨張性耐火材、筐体用耐火シート、及び携帯電子機器用筐体 | |
JP2021002425A (ja) | 電池用外装フィルム、及び電池 | |
JP2019143146A (ja) | 耐火樹脂組成物、耐火シート、及びバッテリー | |
JP2022035833A (ja) | 電子機器 | |
WO2023149212A1 (ja) | 二次電池 | |
JP2022125931A (ja) | スラリー分散液及び耐火材 |