JP2022044011A - 新規なジアミン化合物、その製造方法およびこれを含む組成物 - Google Patents

新規なジアミン化合物、その製造方法およびこれを含む組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性に優れ、透明性および線熱膨張係数が向上したポリイミドフィルムを製造するための単量体として非常に有用である、新規なジアミン化合物、その製造方法およびこれを含む組成物を提供する。【解決手段】下記化学式で表される、ジアミン化合物による。TIFF2022044011000086.tif26170【選択図】なし

Description

本発明は、新規なジアミン化合物、その製造方法およびこれを含む組成物に関し、より詳細には、ポリイミドフィルムの製造に有用に使用される単量体であるジアミン化合物、その製造方法およびこれを含む組成物に関する。
高度の耐熱性を有し、且つ軽量で柔軟な素材としてポリイミドが着目されている。かかるポリイミドの分野において、優れた熱的寸法安定性を有する樹脂として芳香族ポリイミドが注目されている。化学構造がリジッドで直線的な芳香族ポリイミドからなる成形体であるポリイミドフィルムは、フレキシブル基板のベースフィルムや半導体の層間絶縁膜などの高い熱的寸法安定性(低線熱膨張係数)が求められる分野において広く使用されている。しかし、低線熱膨張係数を有する芳香族ポリイミドは、分子内の共役および分子内・分子間の電荷移動相互作用によって強く着色するため、光学用途に適用することは困難である。また、ポリイミドは、分子間力が非常に強いため、加工性が足りないという欠点がある。
一方、フレキシブルデバイスは、搬送基板上にポリイミド前駆体組成物を塗布した後、硬化してフィルムを製膜し、薄膜トランジスタ(TFT)および有機膜蒸着など後続の工程によりデバイスを完成した後、搬送基板から完成されたデバイスを脱着させる方法により製造される。このように高温工程を伴うフレキシブルデバイスには、高温での耐熱性が求められる。特に、低温ポリシリコン(Low Temperature Poly Silicon;LTPS)を用いた薄膜トランジスタ工程を使用する場合、工程温度が500℃に近づくことがあるため、搬送基板上に製膜されるポリイミドフィルムは、高温工程中にも加水分解による熱分解が起こらず、高耐熱性を満たす必要がある。また、貯蔵安定性だけでなく、加工後の透明性も確保する必要がある。
したがって、フレキシブルデバイスの製造のためには、高耐熱性を満たすとともに加水分解が防止されて優れた耐薬品性および貯蔵安定性を示すことができ、光学的・機械的特性を向上させることができる新規なポリイミドが求められる。
ポリイミドの物性は、これを製造するための単量体から由来し、そのため、より向上した物性を有するポリイミドを製造するためには、新規な単量体の開発が必要である。
米国公開特許公報第2019-0153225号(2019.05.23)
本発明は、耐熱性に優れ、透明性、黄色度およびヤング率などの物性が驚くほどに向上したポリイミドフィルムを提供するための単量体として非常に有用な新規なジアミン化合物およびその製造方法を提供する。
また、本発明は、本発明の新規なジアミン化合物を含む組成物を提供する。
本発明は、向上した物性を有するポリイミドフィルムを製造するためのポリイミド前駆体の単量体として有用なジアミン化合物を提供するものであり、本発明の新規なジアミン化合物を下記化学式1で表される。
[化学式1]
Figure 2022044011000001
(前記化学式1中、
Aは、OまたはSであり、
RおよびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
Lは、単結合、C1-C10アルキレン、C6-C12アリレン、
Figure 2022044011000002
または
Figure 2022044011000003
であり、
~Aは、互いに独立して、OまたはSであり、
およびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
sおよびtは、互いに独立して、1~5の整数であり、
aは、0~3の整数であり、
bは、0~2の整数であり、
mは、0~3の整数であり、
pは、0~3の整数である。)
好ましくは、本発明の一実施形態による化学式1中、
Aは、Oであり、
mは、0~1の整数であり、
RおよびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキルまたはハロC1-C10アルキルであり、
Lは、単結合、C1-C10アルキレン、C6-C12アリレン、
Figure 2022044011000004
または
Figure 2022044011000005
であり、
~Aは、Oであり、
およびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキルまたはハロC1-C10アルキルであり、
sおよびtは、互いに独立して、1~3の整数であり、
aは、0~1の整数であり、
bは、0~1の整数であり、
pは、0~1の整数であってもよい。
より好ましくは、本発明の一実施形態による化学式1中、
AおよびA~Aは、Oであり、
Lは、単結合、C1-C10アルキレンまたはC6-C12アリレンであり、
mおよびpは、0であってもよい。
より好ましくは、本発明の一実施形態による化学式1は、下記化学式2で表されることができる。
[化学式2]
Figure 2022044011000006
(前記化学式2中、
Aは、OまたはSであり、
11およびR12は、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
nおよびmは、互いに独立して、0~2の整数である。)
より向上した物性を有するポリイミドを製造するための面で、好ましくは、本発明の一実施形態による化学式2中、
Aは、Oであり、
11およびR12は、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキルまたはハロC1-C10アルキルであり、
nおよびmは、互いに独立して、0~1の整数であってもよく、より好ましくはR11およびR12は、互いに独立して、ハロゲン、C1-C5アルキルまたはハロC1-C5アルキルであり、
nおよびmは、互いに独立して、0~1の整数であってもよい。
本発明の一実施形態による新規なジアミン化合物は、下記化合物から選択されることができるが、これに限定されるものではない。

Figure 2022044011000007
Figure 2022044011000008
Figure 2022044011000009
Figure 2022044011000010
Figure 2022044011000011
Figure 2022044011000012
また、本発明は、ジアミン化合物の製造方法を提供する。
本発明のジアミン化合物の製造方法は、
下記化学式11で表される化合物を還元反応させて下記化学式1で表されるジアミン化合物を製造するステップを含む。
[化学式1]
Figure 2022044011000013
[化学式11]
Figure 2022044011000014
(前記化学式1および化学式11中、
Aは、OまたはSであり、
RおよびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
pは、0~3の整数であり、
mは、0~3の整数であり、
Lは、単結合、C1-C10アルキレン、C6-C12アリレン、
Figure 2022044011000015
または
Figure 2022044011000016
であり、
~Aは、互いに独立して、OまたはSであり、
およびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
sおよびtは、互いに独立して、1~5の整数であり、
aは、0~3の整数であり、
bは、0~2の整数である。)
本発明の一実施形態による還元反応は、水素とPd/C、ラネーニッケル(raney-nickel)、Rh/C、Pt/CおよびRu/Cから選択される一つまたは二つ以上により行われることができる。
本発明の一実施形態による前記化学式11は、下記化学式12の化合物と下記化学式13の化合物を反応させて下記化学式14の化合物を製造するステップと、
前記化学式14の化合物を脱水反応させて前記化学式11の化合物を製造するステップとを含んで製造されることができる。
[化学式12]
Figure 2022044011000017
[化学式13]
Figure 2022044011000018
[化学式14]
Figure 2022044011000019
(前記化学式12~14中、
Aは、OまたはSであり、
RおよびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
pは、0~3の整数であり、
mは、0~3の整数であり、
Lは、単結合、C1-C10アルキレン、C6-C12アリレン、
Figure 2022044011000020
または
Figure 2022044011000021
であり、
~Aは、互いに独立して、OまたはSであり、
およびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
sおよびtは、互いに独立して、1~5の整数であり、
aは、0~3の整数であり、
bは、0~2の整数である。
Xは、ハロゲンである。)
また、本発明は、本発明の一実施形態によるジアミン化合物を含む組成物を提供する。
本発明の組成物は、ジアミン化合物が組成物の全重量に対して1~30重量%含まれることができる。
本発明の新規なジアミン化合物は、特定の骨格および置換基を有することで、これを用いて製造されたポリイミドフィルムは、驚くほどに向上した熱膨張係数、透明度および耐熱性を有し、優れた黄色度、破断強度およびヤング率を有する。
さらに、本発明の新規なジアミン化合物を単量体として用いて製造されたポリイミドフィルムは、高い熱処理にも基板のストレスが上昇しなくて熱膨張係数および残留応力に優れ、反り、剥離および破断などの問題が発生しない。
したがって、本発明の新規なジアミン化合物を含む組成物を用いて製造されたポリイミドフィルムは、光学的異方性の減少によって優れた光学的特性を有し、均一な透過度および優れた透明性の具現が可能である。
また、本発明のジアミン化合物を含む組成物を用いて製造されたポリイミドフィルムは、無色透明であるとともに、耐熱性、機械的強度および柔軟性などに優れ、素子用基板、フレキシブルディスプレイ機器用基板、光学フィルム、IC(integrated circuit)パッケージ、粘着フィルム(adhesive film)、多層FPC(flexible printed circuit)、テープ、タッチパネル、光ディスク用保護フィルムなどの様々な分野において非常に有用に使用されることができる。
本発明は、他に定義されない限り、すべての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本発明において、説明に使用される用語は、単に特定の具体例を効果的に記述するためのものであって、本発明を制限することを意図しない。
本明細書で使用される単数形態は、文脈で特別な脂示がない限り、複数形態も含むことを意図することができる。
また、本明細書で特別な言及なしに使用された単位は、重量を基準とし、一例として、%または比の単位は、重量%または重量比を意味し、重量%は、他に定義されない限り、全組成物のいずれか一つの成分が組成物内で占める重量%を意味する。
また、本明細書で使用される数値範囲は、下限値と上限値とその範囲内でのすべての値、定義される範囲の形態と幅で論理的に誘導される増分、二重限定されたすべての値および互いに異なる形態に限定された数値範囲の上限および下限のすべての可能な組み合わせを含む。本発明の明細書において特別な定義がない限り、実験誤差または値の四捨五入によって発生する可能性がある数値範囲以外の値も定義された数値範囲に含まれる。
本明細書の用語、「含む」は、「備える」、「含有する」、「有する」または「特徴とする」などの表現と等価の意味を有する開放型記載であり、さらに挙げられていない要素、材料または工程を排除しない。
本明細書の用語、「ポリイミド前駆体溶液」は、ポリイミドを製造するための組成物を意味し、具体的には、ポリイミド前駆体は、ポリアミド酸と等価の意味を有するものであってもよい。また、前記ポリイミド前駆体溶液は、ポリアミドイミドを製造するための組成物としても使用されることができる。
本明細書の用語、「ポリイミドフィルム」は、ポリアミド前駆体溶液から誘導されたポリイミドの成形体であり、ポリイミドと等価の意味を有し得る。
本明細書の用語、「ハロゲン」は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)またはヨウ素(I)原子を意味する。
本明細書の用語、「アルキル」は、一つの水素除去によって脂肪族炭化水素から誘導された有機ラジカルであり、直鎖または分岐鎖の形態をすべて含む。
本明細書の用語、「アルコキシ」は、*-O-アルキルで表され、前記アルキルは、上述の定義と同一である。
本明細書の用語、「ハロアルキル」は、前記アルキルにおいて一つの水素がハロゲンで置換されたものを意味する。
本明細書の用語、「アリール」は、一つの水素除去によって芳香族炭化水素から誘導された有機ラジカルであり、各環に、適切には4~7個、好ましくは5または6個の環原子を含む単一または縮合環系を含み、多数個のアリールが単結合で連結されている形態まで含む。一例として、フェニル、ナフチル、ビフェニル、テルフェニルなどを含むが、これに限定されない。
本発明は、新規なジアミン化合物を提供するものであり、本発明のジアミン化合物は、下記化学式1で表される。
[化学式1]
Figure 2022044011000022
(前記化学式1中、
RおよびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
mは、0~3の整数であり、
Lは、単結合、C1-C10アルキレン、C6-C12アリレン、
Figure 2022044011000023
または
Figure 2022044011000024
であり、
~Aは、互いに独立して、OまたはSであり、
およびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
sおよびtは、互いに独立して、1~5の整数であり、
aは、0~3の整数であり、bは、0~2の整数であり、
pは、0~3の整数である。)
本発明のジアミン化合物は、特定の連結基(
Figure 2022044011000025
または
Figure 2022044011000026
)を有するか、特定の官能基(
Figure 2022044011000027
)を有することで、これを単量体として用いて製造されたポリイミドフィルムは、向上した物性を有する。
具体的には、本発明のジアミン化合物は、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾビスオキサゾールまたはベンゾビスチアゾールを連結基として導入するか、アミノ基を置換基として有するベンゾオキサゾールまたはベンゾチアゾールを導入することで、これを単量体として用いて、熱膨張係数、透明度、黄色度および耐熱性に優れたポリイミドフィルムを製造することができる。
より向上した物性を有するポリイミドを製造するための面で、本発明の一実施形態による化学式1中、RおよびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキルまたはハロC1-C10アルキルであり、mは、0~1の整数であり、Lは、単結合、C1-C10アルキレン、C6-C12アリレン、
Figure 2022044011000028
または
Figure 2022044011000029
であり、
~A、Oであり、RおよびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキルまたはハロC1-C10アルキルであり、
sおよびtは、互いに独立して、1~3の整数であり、
aは、0~1の整数であり、bは、0~1の整数であり、
pは、0~1の整数であってもよい。
好ましくは、本発明の一実施形態による化学式1中、
AおよびA~Aは、Oであり、
Lは、単結合、C1-C10アルキレンまたはC6-C12アリレンであり、
mおよびpは、0であってもよい。
より好ましくは、Rは、C1-C5アルキルまたはハロC1-C5アルキルであり、mは、0~1の整数であり、Lは、単結合、C1-C5アルキレン、C6-C10アリレン、
Figure 2022044011000030
または
Figure 2022044011000031
であり、A~Aは、Oであり、RおよびRは、互いに独立して、C1-C5アルキルまたはハロC1-C5アルキルであり、sおよびtは、互いに独立して、1~2の整数であり、aは、0~1の整数であり、bは、0~1の整数であり、Rは、C1-C5アルキルまたはハロC1-C5アルキルであり、pは、0~1の整数であってもよい。
より好ましくは、mは、0であり、Lは、単結合、C1-C3アルキレン、C6-C8アリレン、
Figure 2022044011000032
または
Figure 2022044011000033
であり、A~Aは、Oであり、sおよびtは、互いに独立して、1~2の整数であり、aおよびbは、0であり、pは、0であってもよい。
好ましくは、本発明の一実施形態による化学式1は、下記化学式2で表されることができる。
[化学式2]
Figure 2022044011000034
(前記化学式2中、
Aは、OまたはSであり、
11およびR12は、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
nおよびmは、互いに独立して、0~2の整数である。)
本発明の一実施形態による化学式2のジアミン化合物は、特定の位置にCFが存在することで、より優れた透過度および透明性を有することができる。
また、本発明の一実施形態による化学式2のジアミン化合物は、熱処理にも、反り、剥離および破断の問題を有しないだけでなく、均一な透過度および透明性を有することができる。
かかる面で、好ましくは、化学式2中、Aは、Oであり、R11およびR12は、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキルまたはハロC1-C10アルキルであり、nおよびmは、互いに独立して、0~1の整数であってもよい。
より好ましくは、本発明の一実施形態による化学式2中、Aは、Oであり、R11およびR12は、互いに独立して、ハロゲン、C1-C5アルキルまたはハロC1-C5アルキルであり、nおよびmは、互いに独立して、0~1の整数であってもよい。
具体的には、本発明の一実施形態による新規なジアミン化合物は、下記化合物から選択されてもよいが、これに限定されるものではない。
Figure 2022044011000035
Figure 2022044011000036
Figure 2022044011000037
Figure 2022044011000038
Figure 2022044011000039
Figure 2022044011000040
また、本発明は、ジアミン化合物の製造方法を提供するものであり、本発明のジアミン化合物の製造方法は、
下記化学式11で表される化合物を還元反応させて下記化学式1で表されるジアミン化合物を製造するステップを含む。
[化学式1]
Figure 2022044011000041
[化学式11]
Figure 2022044011000042
(前記化学式1および化学式11中、
Aは、OまたはSであり、
は、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
pは、0~3の整数であり、
Rは、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
mは、0~3の整数であり、
Lは、単結合、C1-C10アルキレン、C6-C12アリレン、
Figure 2022044011000043
または
Figure 2022044011000044
であり、A~Aは、互いに独立して、OまたはSであり、
およびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
sおよびtは、互いに独立して、1~5の整数であり、
aは、0~3の整数であり、bは、0~2の整数である。)
本発明の一実施形態による還元反応は、水素とPd/C、ラネーニッケル(raney-nickel)、Rh/C、Pt/CおよびRu/Cから選択される一つまたは二つ以上により行われ得る。
還元反応は、常温(5~35℃)で1~10時間、好ましくは、10~35℃で2~8時間行われることができる。
本発明の一実施形態による前記化学式11は、下記化学式12の化合物と、下記化学式13の化合物を反応させて下記化学式14の化合物を製造するステップと、
前記化学式14の化合物を脱水反応させて前記化学式11の化合物を製造するステップとを含んで製造されることができる。
[化学式12]
Figure 2022044011000045
[化学式13]
Figure 2022044011000046
[化学式14]
Figure 2022044011000047
(前記化学式12~14中、
Aは、OまたはSであり、
RおよびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
pは、0~3の整数であり、
mは、0~3の整数であり、
Lは、単結合、C1-C10アルキレン、C6-C12アリレン、
Figure 2022044011000048
または
Figure 2022044011000049
であり、A~Aは、互いに独立して、OまたはSであり、
およびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
sおよびtは、互いに独立して、1~5の整数であり、
aは、0~3の整数であり、bは、0~2の整数であり、
Xは、ハロゲンである。)
本発明の一実施形態による脱水反応は、脱水剤を使用して行われ、具体的な脱水剤で行われる。脱水剤は、脱水反応に使用されるものであればいずれも可能であるが、具体的な一例として、酢酸、酢酸無水物およびメチルベンゼンスルホン酸から選択されるいずれか一つまたは二つ以上であってもよい。
脱水反応は、常温(5~35℃)で1~10時間、好ましくは、10~35℃で2~8時間行われることができる。
本発明は、新規なジアミン化合物を単量体として用いて製造されたポリイミド前駆体を提供する。
具体的には、本発明の一実施形態によるポリイミド前駆体は、特定の構造を有する前記化学式1で表される新規なジアミン化合物から由来する構造単位および酸二無水物化合物から由来する構造単位を含む。
本発明のポリイミド前駆体は、ベンゾチアゾリル基またはベンゾオキサゾリル基を含むか、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾビスオキソゾールまたはベンゾビスチアゾールを連結基として導入することで、直線性およびリジッド性を有し、且つこれを用いて製造されたポリイミドフィルムは、優れた熱膨張係数を有する高耐熱性、耐薬品性および透明性などの驚くほどに向上した光学的物性と機械的物性を有する。
本発明の一実施形態によるポリイミド前駆体は、前記化学式1で表されるジアミン化合物から由来する構造単位以外に、ジアミン化合物から由来する構造単位をさらに含むことができる。一例として、追加としてさらに含まれるジアミン化合物は、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-オキシジアニリン、3,3’-オキシジアニリン、3,4’-オキシジアニリン、4,4’-ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’-ジアミノジフェニルシラン、4,4’-ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’-ジアミノジフェニルN-メチルアミン、4,4’-ジアミノジフェニルN-フェニルアミン、1,4-ジアミノベンゼン(p-フェニレンジアミン)、ビス{4-(4-アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4-(3-アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパンなどが挙げられ、これらを単独でまたは複数個併用することができるが、これに限定されるものではない。
好ましくは、本発明の一実施形態によるポリイミド前駆体は、下記化学式1-1で表されるジアミン化合物から由来する構造単位をさらに含むことができる。
[化学式1-1]
Figure 2022044011000050
(前記化学式1-1中、
21およびR22は、互いに独立して、ハロゲン、(C1-C10)アルキル、ハロ(C1-C10)アルキル、(C1-C10)アルコキシまたは(C6-C12)アリールであり、
23は、水素、(C1-C10)アルキル、ハロ(C1-C10)アルキル、(C1-C10)アルコキシまたは(C6-C12)アリールであり、
p1およびm1は、0~3の整数である。)
本発明の一実施形態によるポリイミド前駆体は、前記化学式1-1で表されるジアミン化合物から由来する構造単位をさらに含むことで、優れた光学的および機械的物性を有するポリイミドフィルムを製造することができ、且つ制御された物性を有するポリイミドフィルムを具現することができる。
好ましくは、本発明の一実施形態による化学式1-1中、R21およびR22は、互いに独立して、ハロゲン、(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、R23は、水素または(C1-C10)アルキルであってもよく、p1およびm1は、0~1の整数であってもよく、より好ましくは、R21およびR22は、互いに独立して、ハロゲン、(C1-C5)アルキルまたはハロ(C1-C5)アルキルであり、R23は、水素または(C1-C5)アルキルであってもよく、p1およびm1は、0~1の整数であってもよく、より好ましくは、p1およびm1は、0であってもよい。
本発明の一実施形態によるポリイミド前駆体は、下記化学式1-2で表されるジアミン化合物から由来する構造単位をさらに含むことができる。
[化学式1-2]
Figure 2022044011000051
(前記化学式1-2中、
24およびR25は、互いに独立して、ハロゲン、(C1-C10)アルキル、ハロ(C1-C10)アルキル、(C1-C10)アルコキシまたは(C6-C12)アリールであり、
aおよびbは、互いに独立して、0~3の整数である。)
好ましくは、化学式1-2中、R24およびR25は、互いに独立して、ハロゲン、(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、aおよびbは、互いに独立して、0~1の整数であってもよく、より好ましくは、aおよびbは、0である。
本発明の一実施形態による酸二無水物は、酸二無水物官能基を有する化合物であればいずれも可能であるが、具体的には、テトラカルボン酸二無水物であってもよい。テトラカルボン酸二無水物は、(C8-C36)芳香族テトラカルボン酸二無水物、(C6-C36)脂肪族テトラカルボン酸二無水物、および(C6-C36)脂環族テトラカルボン酸二無水物から選択される化合物であってもよい。高温領域でも優れた黄色度を有するための面で、好ましくは、(C8-C36)芳香族テトラカルボン酸二無水物であってもよい。本発明の一実施形態によるテトラカルボン酸二無水物での炭素数は、カルボキシル基に含まれる炭素の数も含む。好ましくは、本発明の一実施形態によるテトラカルボン酸二無水物は、具体的には、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-シクロヘキセン-1,2ジカルボン酸無水物、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、メチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,1-エチリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、2,2-プロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,2-エチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,3-トリメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,4-テトラメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,5-ペンタメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸二無水物、p-フェニレンビス(トリメリテート酸無水物)、チオ-4,4’-ジフタル酸二無水物、スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ベンゼン二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,3-ビス[2-(3,4-ジカルボキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン二無水物、1,4-ビス[2-(3,4-ジカルボキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン二無水物、ビス[3-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]メタン二無水物、ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]メタン二無水物、2,2-ビス[3-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジメチルシラン二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8-フェナントレンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。具体的には、(C6-C50)脂肪族テトラカルボン酸二無水物は、一例として、エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸二無水物などであってもよく、(C6-C36)脂環族テトラカルボン酸二無水物は、一例として、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン1,2,4,5-テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、カルボニル-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、メチレン-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、1,2-エチレン-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、1,1-エチリデン-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、2,2-プロピリデン-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、オキシ4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、チオ-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、スルホニル-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、4-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジカルボン酸無水物、エチレングリコール-ビス-(3,4-ジカルボン酸無水物フェニル)エーテルなどが挙げられる。
優れた耐薬品性および黄色度などを具現するための面で、より好ましくは、本発明の一実施形態による酸二無水物は、本発明のジアミン化合物との好ましい組み合わせとして、下記化学式1-3で表される酸二無水物であってもよい。
[化学式1-3]
Figure 2022044011000052
(前記化学式1-3中、
26は(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、
p2は、0~2の整数である。)
好ましくは、本発明の一実施形態による化学式1-3中、R26は、(C1-C5)アルキルまたはハロ(C1-C5)アルキルであり、p2は、0~1の整数であってもよく、より好ましくは、R26は、(C1-C5)アルキルまたはハロ(C1-C5)アルキルであり、p2は、0であってもよい。
好ましくは、本発明の一実施形態によるポリイミド前駆体は、下記化学式1-4で表される酸二無水物から由来する単位構造をさらに含むことができる。
[化学式1-4]
Figure 2022044011000053
(前記化学式1-4中、
は、ハロ(C1-C10)アルキルで置換または非置換の(C1-C10)アルキレンであり、
27およびR28は、互いに独立して、(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、
qおよびrは、互いに独立して、0~2の整数である。)
好ましくは、本発明の一実施形態による化学式1-4中、Dは、ハロ(C1-C5)アルキルで置換または非置換の(C1-C5)アルキレンであり、R27およびR28は、互いに独立して、(C1-C5)アルキルであり、qおよびrは、互いに独立して、0~1の整数であってもよく、より好ましくは、Dは、ハロ(C1-C3)アルキルで置換または非置換の(C1-C3)アルキレンであり、R27およびR28は、互いに独立して、ハロ(C1-C3)アルキルであり、qおよびrは、互いに独立して、0~1の整数であってもよく、より好ましくは、Dは、ハロ(C1-C3)アルキルで置換または非置換の(C1-C3)アルキレンであり、R27およびR28は、互いに独立して、(C1-C3)アルキルであり、qおよびrは、0であってもよい。
本発明の一実施形態によるポリイミド前駆体は、下記化学式1-5で表される繰り返し単位を含むことができる。
[化学式1-5]
Figure 2022044011000054
(前記化学式1-5中、
Aは、OまたはSであり、
およびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
26は(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、
およびRは、互いに独立して、水素または(C1-C10)アルキルであり、
mおよびnは、互いに独立して、0~3の整数であり、
pは、0~2の整数である。)
好ましくは、本発明の一実施形態による化学式1-5中、Aは、Oであり、RおよびRは、互いに独立して、ハロゲン、(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、R26は(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、RおよびRは、互いに独立して、水素または(C1-C10)アルキルであり、mおよびnは、互いに独立して、0~1の整数であり、pは、0~1の整数であってもよく、より好ましくは、Aは、Oであり、RおよびRは、互いに独立して、ハロゲン、(C1-C5)アルキルまたはハロ(C1-C5)アルキルであり、R26は(C1-C5)アルキルまたはハロ(C1-C5)アルキルであり、RおよびRは、互いに独立して、水素または(C1-C5)アルキルであり、mおよびnは、互いに独立して、0~1の整数であり、pは、0~1の整数であってもよく、より好ましくは、Aは、Oであり、m、nおよびpは、0であってもよい。
本発明の一実施形態によるポリイミド前駆体は、前記化学式1-5で表される繰り返し単位を10~100モル%含むことができ、より好ましくは30~100モル%、好適には40~95モル%、より好適には50~80モル%を含むことができる。
好ましくは、本発明の一実施形態によるポリイミド前駆体は、下記化学式1-6で表される繰り返し単位をさらに含むことができる。
[化学式1-6]
Figure 2022044011000055
(前記化学式1-6中、
21およびR22は、互いに独立して、ハロゲン、(C1-C10)アルキル、ハロ(C1-C10)アルキル、(C1-C10)アルコキシまたは(C6-C12)アリールであり、
23は、水素、(C1-C10)アルキル、ハロ(C1-C10)アルキル、(C1-C10)アルコキシまたは(C6-C12)アリールであり、
26は、(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、
およびRは、互いに独立して、水素またはC1-C10アルキルであり、
p1およびm1は、互いに独立して、0~3の整数であり、
pは、0~2の整数である。)
好ましくは、本発明の一実施形態による化学式1-6中、R21およびR22は、互いに独立して、ハロゲン、(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、R23は、水素、(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、R26は、(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、RおよびRは、互いに独立して、水素またはC1-C10アルキルであり、p1およびm1は、互いに独立して、0~3の整数であり、pは、0~2の整数であってもよく、より好ましくは、R21およびR22は、互いに独立して、ハロゲン、(C1-C5)アルキルまたはハロ(C1-C5)アルキルであり、R23は、水素、(C1-C5)アルキルまたはハロ(C1-C5)アルキルであり、R26は(C1-C5)アルキルまたはハロ(C1-C5)アルキルであり、RおよびRは、互いに独立して、水素またはC1-C5アルキルであり、p1およびm1は、互いに独立して、0~1の整数であり、pは、0~1の整数であってもよく、さらに好ましくは、R26は、(C1-C5)アルキルであり、RおよびRは、互いに独立して、水素またはC1-C5アルキルであり、p1、m1およびpは、0であってもよい。
本発明の一実施形態による化学式1-6で表される繰り返し単位は、ポリイミド前駆体の総モル%に対して10~90モル%含むことができ、より好ましくは30~80モル%、好適には40~70モル%、より好適には50~60モル%を含むことができる。
好ましくは、本発明の一実施形態によるポリイミド前駆体は、下記化学式1-7および1-8で表される繰り返し単位をさらに含むことができる。
[化学式1-7]
Figure 2022044011000056
[化学式1-8]
Figure 2022044011000057
(前記化学式1-7および1-8中、
Aは、OまたはSであり、
は、ハロ(C1-C10)アルキルで置換または非置換の(C1-C10)アルキレンであり、
R、R、R21およびR22は、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
23は、水素、(C1-C10)アルキル、ハロ(C1-C10)アルキル、(C1-C10)アルコキシまたは(C6-C12)アリールであり、
27~R28は、互いに独立して、(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、
およびRは、互いに独立して、水素またはC1-C10アルキルであり、
mおよびnは、互いに独立して、0~3の整数であり、
qおよびrは、互いに独立して、0~2の整数であり、
p1およびm1は、互いに独立して、0~3の整数である。)
好ましくは、化学式1-7および1-8中、Aは、Oであり、Dは、ハロ(C1-C5)アルキルで置換または非置換の(C1-C10)アルキレンであり、R、R、R21およびR22は、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキルまたはハロC1-C10アルキルであり、R23は、水素または(C1-C10)アルキルであり、R27~R28は、互いに独立して、(C1-C5)アルキルまたはハロ(C1-C5)アルキルであり、RおよびRは、互いに独立して、水素または(C1-C5)アルキルであり、m、n、q、r、sおよびtは、互いに独立して、0~1の整数であってもよい。
本発明の一実施形態による化学式1-7で表される繰り返し単位は、ポリイミド前駆体の総モル%に対して10~90モル%含むことができ、より好ましくは30~80モル%、好適には40~70モル%、より好適には50~60モル%を含むことができる。
本発明の一実施形態による化学式1-8で表される繰り返し単位は、ポリイミド前駆体の総モル%に対して10~50モル%含むことができ、より好ましくは30~50モル%、好適には40~50モル%を含むことができる。
本発明の一実施形態によるポリイミド前駆体は、前記化学式1-5で表される繰り返し単位を必ず含み、これに、前記化学式1-6で表される繰り返し単位をさらに含むことができ、好ましくは、前記化学式1-5で表される繰り返し単位を必ず含み、前記化学式1-7で表される繰り返し単位を含むことができ、好ましくは、前記化学式1-5で表される繰り返し単位を必ず含み、前記化学式1-6で表される繰り返し単位および前記化学式1-7で表される繰り返し単位をさらに含むことができ、さらに好ましくは、前記化学式1-5で表される繰り返し単位を必ず含み、前記化学式1-6で表される繰り返し単位、前記化学式1-7で表される繰り返し単位および前記化学式1-8で表される繰り返し単位をさらに含むことができる。
また、本発明は、本発明の一実施形態によるジアミン化合物を含む組成物を提供する。本発明は、一実施形態による組成物は、ポリイミド前駆体および溶媒を含むポリイミド前駆体組成物であってもよい。
本発明のジアミン化合物を含む組成物は、ジアミン化合物を組成物の全重量に対して1~30重量%含むことができる。
本発明のポリイミド前駆体組成物は、本発明のポリイミド前駆体を含むことで、著しく向上した光学的および機械的物性を有するポリイミドフィルムを具現することができる。
本発明のポリイミド前駆体組成物は、高い透明性と耐熱性を有し、高い熱処理にも基板のストレスが上昇せず、熱的寸法安定性に優れたポリイミドフィルムを提供することができる。特に、透明性に優れ、低い線熱膨張係数を有するポリイミドフィルムを提供することができる。
本発明の一実施形態によるポリイミド前駆体組成物は、γ-ブチロラクトン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類(セロソルブ);酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのアセテート類;メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、カルビトールなどのアルコール類;N,N-ジメチルプロピオンアミド(DMPA)、N,N-ジエチルプロピオンアミド(DEPA)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジエチルホルムアミド(DEF)、N-メチルピロリドン(NMP)、N-エチルピロリドン(NEP)、N,N-ジメチルメトキシアセトアミドなどのアミド類;などから選択される一つまたは二つ以上の混合物であってもよい。
一例として、前記有機溶媒は、上述のアミド類から選択される一つまたは二つ以上の混合物であってもよい。
一例として、前記有機溶媒は、沸点が300℃以下であってもよい。具体的には、一例として、前記有機溶媒は、N,N-ジエチルホルムアミド(DEF)、N,N-ジエチルアセトアミド(DEAc)、N-エチルピロリドン(NEP)、N,N-ジメチルプロピオンアミド(DMPA)、N,N-ジエチルプロピオンアミド(DEPA)またはこれらの組み合わせであってもよい。
本発明の一実施形態によるポリイミド前駆体組成物は、組成物の全重量に対して、前記化学式1-5で表される繰り返し単位を含むポリイミド前駆体を、固形分として10~13重量%含むことができる。
具体的には、本発明の一実施形態によるポリイミド前駆体組成物は、粘度が2,000~10,000cpsを満たすことができる。前記粘度は、具体的には8,000cps以下、より具体的には7,000cps以下を満たしてもよい。かかる粘度範囲を満たす場合、ポリイミドフィルムの加工時に脱泡の効率性に優れ、工程上の利点を提供することができる。これにより、より均一な表面を具現することができ、好ましい。この際、前記粘度は、ブルックフィールド(Brookfield RVDV-III)粘度計スピンドル(Spindle)No.52を使用して、常温(25℃)で試料を載置し、トルク(Torque)値が80%になった時点で、2分間安定化作業を経て測定した値を意味する。
本発明の一実施形態によるポリイミド前駆体溶液は、溶媒の存在下で、本発明の一実施形態によるジアミン化合物と酸二無水物の重合で製造されることができ、本発明の一実施形態によるジアミン化合物と酸二無水物のモル比は、2:1~1:2、または1.5:1~1:1.5、または1.1:1~1:1.1であってもよい。
本発明の一実施形態によるジアミン化合物と酸二無水物の重合は、70℃以下、または10~70℃、または20~30℃の温度で行われることができる。
また、本発明は、本発明のポリイミド前駆体または本発明のポリイミド前駆体溶液をイミド化して製造されたポリイミドフィルムを製造することができる。
一例として、前記イミド化は、化学イミド化または熱イミド化方法により行われることができる。
本発明によるイミド化は、熱イミド化方法によるものであってもよい。かかる方法により、高温で熱によってイミド化する場合、フィルムの全体に均一な機械的な物性を付与することができ、好ましい。具体的には、本発明によるポリイミドフィルムは、上述のポリイミド前駆体溶液を基板に塗布およびコーティングした後、熱処理するステップを含む製造方法により製造され得る。
本発明の一実施形態による熱処理は、500℃以下で行われ得る。
具体的には、熱処理は、100℃以下で行われる第1熱処理ステップと、100℃超300℃以下で行われる第2熱処理ステップと、300℃超500℃以下で行われる第3熱処理ステップとを含み得るが、これに限定されるものではない。
本発明の一実施形態による前記基板は、ガラス基板、金属基板またはプラスチック基板などが特に制限なく使用可能である。中でも、ポリイミド前駆体溶液に対するイミド化および硬化工程中に熱および化学的安定性に優れ、別の離型剤の処理なしにも、硬化後に形成されたポリイミドフィルムに対して損傷なしに容易に分離することができるガラス基板が好ましい。
具体的には、本発明の一実施形態による塗布およびコーティングのための方法は、特に限定されるものではないが、一例として、スピンコーティング法、浸漬法、スプレー法、ダイコーティング法、バーコーティング法、ロールコーティング法、メニスカスコーティング法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ビードコーティング法、エアナイフコーティング法、リバースロールコーティング法、ブレードコーティング法、キャスティングコーティング法およびグラビアコーティング法などから選択されるいずれか一つ以上の方法を使用することができる。
本発明の一実施形態による熱処理するステップの後、乾燥するステップおよび基板上で分離するステップなどをさらに含んでもよい。
本発明の一実施形態による前記化学式1-5で表される繰り返し単位を含むポリイミド前駆体の分子量は、特に限定するものではないが、一例として、重量平均分子量を20,000~150,000g/molの範囲にする場合、より優れた物性を得ることができる。
また、本発明の一実施形態によるポリイミド前駆体溶液は、レベリング剤、難燃剤、接着力向上剤、無機粒子、酸化防止剤、紫外線防止剤および可塑剤などの添加剤をさらに含んでもよい。
本発明は、本発明のポリイミド前駆体組成物を用いて製造されたポリイミドフィルムを提供するものであり、本発明のポリイミドフィルムは、下記化学式1-9で表される繰り返し単位を含む。
[化学式1-9]
Figure 2022044011000058
(前記化学式1-9中、
Aは、OまたはSであり、
およびRは、互いに独立して、ハロゲン、(C1-C10)アルキル、ハロ(C1-C10)アルキル、(C1-C10)アルコキシまたは(C6-C12)アリールであり、
26は、(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、
p1およびm1は、互いに独立して、0~2の整数であり、
p2は、0~2の整数である。)
好ましくは、本発明の一実施形態による化学式1-9中、Aは、Oであり、RおよびRは、互いに独立して、ハロゲン、(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、R26は、(C1-C10)アルキルであり、p1およびm1は、互いに独立して、0~1の整数であり、p2は、0~1の整数であってもよく、より好ましくは、Aは、Oであり、RおよびRは、互いに独立して、ハロゲン、(C1-C5)アルキルまたはハロ(C1-C5)アルキルであり、R26は、(C1-C5)アルキルであり、p1およびm1は、互いに独立して、0~1の整数であり、p2は、0~1の整数であってもよく、さらに好ましくは、Aは、Oであり、RおよびRは、互いに独立して、ハロゲン、(C1-C5)アルキルまたはハロ(C1-C5)アルキルであり、R26は、(C1-C5)アルキルであり、p1、m1およびp2は、0であってもよい。
好ましくは、本発明の一実施形態によるポリイミドフィルムは、下記化学式1-10で表される繰り返し単位をさらに含むことができる。
[化学式1-10]
Figure 2022044011000059
(前記化学式1-10中、
Aは、OまたはSであり、
は、ハロ(C1-C10)アルキルで置換または非置換の(C1-C10)アルキレンであり、
およびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
27~R28は、互いに独立して、(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、
p1およびm1は、互いに独立して、0~3の整数であり、
qおよびrは、互いに独立して、0~2の整数である。)
好ましくは、化学式1-10中、Aは、Oであり、Dは、ハロ(C1-C5)アルキルで置換または非置換の(C1-C10)アルキレンであり、RおよびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキルまたはハロC1-C10アルキルであり、p1、m1、qおよびrは、互いに独立して、0~1の整数であってもよい。
好ましくは、本発明の一実施形態によるポリイミドフィルムは、下記化学式1-11で表される繰り返し単位をさらに含むことができる。
[化学式1-11]
Figure 2022044011000060
(前記化学式1-11中、
21およびR22は、互いに独立して、ハロゲン、(C1-C10)アルキル、ハロ(C1-C10)アルキル、(C1-C10)アルコキシまたは(C6-C12)アリールであり、
23は、水素、ハロゲン、(C1-C10)アルキル、ハロ(C1-C10)アルキル、(C1-C10)アルコキシまたは(C6-C12)アリールであり、
26は、(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、
p1およびm1は、0~3の整数であり、
p2は、0~2の整数である。)
好ましくは、本発明の一実施形態によるR21およびR22は、互いに独立して、ハロゲン、(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、R23は、水素、(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、R26は、(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、p1およびm1は、0~1の整数であり、p2は、0~1の整数であってもよく、より好ましくは、R21およびR22は、互いに独立して、ハロゲン、(C1-C5)アルキルまたはハロ(C1-C5)アルキルであり、R23は、水素、(C1-C5)アルキルまたはハロ(C1-C5)アルキルであり、R26は、(C1-C5)アルキルまたはハロ(C1-C5)アルキルであり、p1およびm1は、0~1の整数であり、p2は、0~1の整数であってもよく、好ましくは、R21およびR22は、互いに独立して、ハロゲン、(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、R23は、水素、(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、R26は、(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、p1、m1およびp2は、0であってもよい。
好ましくは、本発明の一実施形態によるポリイミドフィルムは、下記化学式1-12で表される繰り返し単位をさらに含むことができる。
[化学式1-12]
Figure 2022044011000061
(前記化学式1-12中、
は、ハロ(C1-C10)アルキルで置換または非置換の(C1-C10)アルキレンであり、
21~R22は、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
23は、水素、(C1-C10)アルキル、ハロ(C1-C10)アルキル、(C1-C10)アルコキシまたは(C6-C12)アリールであり、
27~R28は、互いに独立して、(C1-C10)アルキルまたはハロ(C1-C10)アルキルであり、
qおよびrは、互いに独立して、0~2の整数であり、
p1およびm1は、互いに独立して、0~3の整数である。)
好ましくは、化学式1-12中、Dは、ハロ(C1-C5)アルキルで置換または非置換の(C1-C10)アルキレンであり、R21~R22は、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキルまたはハロC1-C10アルキルであり、R23は、水素または(C1-C10)アルキルであり、R27~R28は、互いに独立して、(C1-C5)アルキルまたはハロ(C1-C5)アルキルであり、q、r、p1およびm1は、互いに独立して、0~1の整数であってもよい。
本発明の一実施形態によるポリイミドフィルムは、前記化学式1-9で表される繰り返し単位を必ず含み、これに、前記化学式1-10で表される繰り返し単位をさらに含むことができ、好ましくは、前記化学式1-9で表される繰り返し単位を必ず含み、前記化学式1-11で表される繰り返し単位および前記化学式1-12で表される繰り返し単位をさらに含むことができ、好ましくは、前記化学式1-9で表される繰り返し単位を必ず含み、前記化学式1-10で表される繰り返し単位および前記化学式1-11で表される繰り返し単位をさらに含むことができ、さらに好ましくは、前記化学式1-9で表される繰り返し単位を必ず含み、前記化学式1-10で表される繰り返し単位、前記化学式1-11で表される繰り返し単位および前記化学式1-12で表される繰り返し単位をさらに含むことができる。
本発明の一実施形態によるポリイミドフィルムは、熱膨張係数および黄色度が低く、反りや屈曲が生じず、透明性に優れるとともにヤング率に優れる。
本発明の一実施形態によるポリイミドフィルムは、熱膨張係数(CTE)が100~450℃で20ppm/℃以下、好ましくは15ppm/℃以下、さらに好ましくは10ppm/℃以下であってもよく、好ましい範囲は、0超~20ppm/℃、より好ましくは0超~15ppm/℃、さらに好ましくは0超~12ppm/℃であってもよい。
本発明の一実施形態によるポリイミドフィルムは、ASTM E313によるYIが、25未満、好ましくは20以下、より好ましくは16以下であってもよく、好ましい範囲として、1~25未満 、より好ましくは3~20、さらに好ましくは3~16であってもよい。
本発明の一実施形態によるポリイミドフィルムは、ASTM D882によるヤング率が、6.0以上、好ましくは6.5超であってもよく、好ましい範囲は、6.0超~8.5、より好ましくは6.5超~8.0未満であってもよい。
好ましくは、本発明の一実施形態によるポリイミドフィルムは、熱膨張係数が100~450℃で20ppm/℃以下であり、ASTM E313によるYIが25未満であり、ASTM D882によるヤング率が6.0超であってもよく、より好ましくは、熱膨張係数が100~450℃で15ppm/℃以下であり、ASTM E313によるYIが20以下であり、ASTM D882によるヤング率が6.8超であってもよく、より好ましくは、熱膨張係数が100~450℃で12ppm/℃以下であり、ASTM E313によるYIが16以下であり、ASTM D882によるヤング率が6.0超であってもよい。
好ましくは、本発明の一実施形態によるポリイミドフィルムは、熱膨張係数が100~450℃で0超~20ppm/℃であり、ASTM E313によるYIが1~25であり、ASTM D882によるヤング率が6.0超~8.5であってもよく、より好ましくは、熱膨張係数が100~450℃で0超~15ppm/℃以下であり、ASTM E313によるYIが3~20であり、ASTM D882によるヤング率が6.5超~8.5であってもよく、より好ましくは熱膨張係数が100~450℃で0超~12ppm/℃であってもよく、ASTM E313によるYIが3~16であってもよく、ASTM D882によるヤング率が6.5超~8.0未満であってもよい。
本発明の電光性透過度は、80%以上であってもよく、好ましくは85%以上であってもよい。
本発明の一実施形態によるポリイミドフィルムは、本発明の特定の骨格および特定の位置に特定の官能基のCFが導入されたジアミン化合物から製造されることで、前記のような優れた光学的物性および機械的物性を有する。
具体的には、本発明は、本発明の一実施形態による化学式1で表されるジアミン化合物から由来した繰り返し単位を含むことによって、光学性、耐熱性、機械的強度および柔軟性がいずれも優れたポリイミドフィルムを提供することができる。したがって、本発明のポリイミドフィルムは、素子用基板、ディスプレイ機器用カバー基板、光学フィルム、IC(integrated circuit)パッケージ、粘着フィルム、多層FRC(flexible printed circuit)、テープ、タッチパネル、光ディスク用保護フィルムなどの様々な分野に使用されることができる。
本発明の一実施形態によるポリイミドフィルム、すなわち、ポリイミドの重量平均分子量は、10,000~200,000g/mol、または20,000~100,000g/mol、または30,000~100,000g/molであってもよい。また、本発明によるポリイミドの分子量分布(Mw/Mn)は、1.1~2.5の範囲を満たし得る。上述のポリイミドの重量平均分子量と分子量分布を満たす場合、光学性、耐熱性、機械的強度および柔軟性などのポリイミドフィルムの特性に有利である。
本発明の一実施形態によるポリイミドフィルムの厚さは、5~15μmであってもよい。
本発明の一実施形態によるポリイミドフィルムは、温度変化による耐熱特性に優れることができる。具体的には、前記ポリイミドフィルムは、上述の厚さ範囲で100℃~450℃の温度範囲で5℃/minの昇温速度で1次昇温工程を行った後、400℃~100℃の温度範囲で4℃/minの冷却速度で冷却する時の熱膨張変化の様相をTMA(TA社製のTMA450)で測定したところ、20ppm/℃以下を満たし得る。具体的には、前記熱膨張係数(CTE)は、15ppm/℃以下を満たし得、より具体的には、-20~10ppm/℃の範囲を満たし得る。
本発明の一実施形態によるポリイミドフィルムは、前記化学式1で表されるジアミン化合物から由来するリジッドな構造によって、優れた光学性、耐熱性、機械的強度および柔軟性を同時に満たすことができる。特に、高熱工程時に発生し得る熱収縮挙動に対して優れた耐熱性を示すだけでなく、優れた無色透明な光学性を示すことができ、素子用基板、ディスプレイ機器用基板、光学フィルム(optical film)、IC(integrated circuit)パッケージ、粘着フィルム(adhesive film)、多層FRC(flexible printed circuit)、テープ、タッチパネル、光ディスク用保護フィルムなどの様々な分野に使用されることができる。
本発明の一実施形態によるポリイミドフィルムは、二つ以上の層で積層された形態の積層体として使用されることもできる。
また、本発明は、上述のポリイミドフィルムまたはこれらが積層された形態の積層体をフレキシブル基板として含む光電素子およびフレキシブルディスプレイを提供する。
一例として、前記光電素子は、光学部品、スィッチおよび光変調器などが挙げられ、同時に微細パターン形成特性が求められる高耐熱性基板の素材として適する。
一例として、前記フレキシブルディスプレイとしては、液晶表示装置(liquid crystal display device、LCD)、有機発光ダイオード(organic light emitting diode、OLED)などが挙げられ、特に、高温工程を要するLTPS(low temperature polysilicon)工程を用いるOLEDデバイスに適することができるが、これに限定されるものではない。
以下、本発明の具体的な実施例および比較例により本発明を説明する。下記実施例は、本発明の技術思想を説明するためのものであり、本発明が前記実施例に限定されないことは当業者にとって自明である。
[評価方法]
1.線熱膨張係数(CTE)およびガラス転移温度(Tg)
TMA(TA instrument社製、Discovery 450)を用いてTMA-methodにしたがって線熱膨張係数を測定した。試験片のサイズは5mm×20mmに、荷重は0.02Nに、昇温速度は5℃/minにした。CTE値は、100℃~450℃の温度範囲の昇温区間で測定した。
Tg値は、100℃~450℃昇温区間でTMAグラフ変曲点で測定した。
2.黄色度(YI)
ASTM E313規格に準じて、厚さ10μmのポリイミドフィルムを基準として測色計(Colorimeter)(HunterLab社製、ColorQuest XE)を用いて測定した。
3.全光線透過度
ASTM D1746規格に準じて、厚さ10μmのポリイミドフィルムに対して分光光度計(Spectrophotometer)(SHIMADZU社製、MPC-3100)を用いて、380~780nm波長領域の全体で測定された全光線光透過度を測定した。単位は%である。
4.ヤング率(Young’s modulus)
ASTM D882に準じて、厚さ10μm、長さ40mmおよび幅5mmのポリイミドフィルムを25℃で10mm/minで引っ張る条件で、Instron社製のUTM 3365を用いて測定した。モジュラス単位はGPaである。
5.厚さ
0.5T glassにPAAをコーティングした後、硬化した基板をKLA社製のフィルム厚さ測定装置(Alpha step D500)を使用して測定した。単位はμmである。
6.粘度
ブルックフィールド(Brookfield RVDV-III)粘度計スピンドル(Spindle)No.52を使用して、常温(25℃)で試料を載置し、トルク(Torque)値が80%になった時点で2分間放置した後、安定化させて測定した値を意味する。単位はcpsである。
7.重量平均分子量
0.05M LiBrを含有するDMAc溶離液にフィルムを溶解して測定した。GPCは、Waters GPC system、Waters 1515 isocratic HPLC Pump、Waters 2414 Refractive Index detectorを用いており、カラム(Column)としてはOlexis、Polyporeおよびmixed Dカラムを連結し、標準物質としてポリメチルメタクリレート(PMMA STD)を使用しており、35℃、1mL/minの流速(flow rate)で分析した。
[製造例1]ジアミン化合物1の製造
Figure 2022044011000062
ステップ1.化合物Aの製造
窒素環境で、4-ニトロ-2-トリフルオロメチル安息香酸(60g)をDCM 1L投入後、0℃に冷却した。Oxalic chloride(47g)をゆっくり投入した後、1時間反応した後、DMF2gを投入した。常温で6時間撹拌させてから減圧蒸留で溶媒を除去し、4-ニトロ-2-トリフルオロメチルベンゾイルクロライド64gを得た。別の反応器に2-アミノ-4-ニトロフェノール39gとTEA 7gをジオキサン390mLに溶解した後、0℃に冷却した。前に製造したベンゾイルクロライド64gをジオキサン250mLに溶解してゆっくり投入した。温度を常温に昇温した後、12時間撹拌させてから減圧蒸留で溶媒を除去した。得られた固体を1N HClで洗浄後、ろ過して黄色の固体である化合物A(2-トリフルオロメチル-N-(2-ヒドロキシル-5-ニトロフェニル)-4-ニトロベンズアミド)72g(収率76%)を得た。
ステップ2:化合物Bの製造
ステップ1で製造された化合物A(ベンズアミド)72gに4-メチルベンゼンスルホン酸72gとキシレン750mLを投入して6時間還流させた。減圧蒸留で溶媒を除去した後、EtOH/HO 1:1で析出させて化合物B(5、4’-ジニトロ-2’-トリフルオロメチル-2-フェニルベンゾオキサゾール)51g(収率74%)を得た。
ステップ3:ジアミン化合物1の製造
ステップ2で得た化合物BをEtOH 500mLに溶解した後、10%PdC 5gを投入した。Hをバブリング(bubbling)しながら6時間撹拌させた後、ろ過して触媒を除去し、減圧蒸留で溶媒を除去した。EtOHに再結晶して薄茶色のジアミン化合物1(5,4’-ジアミノ-2’-トリフルオロメチル-2-フェニルベンゾオキサゾール)33g(収率78%)を得た。
H NMR (DMSO-d, 500MHz, ppm): 7.82 (d, 1H, J=8.5Hz), 7.33 (d, 1H, J=8.5Hz), 7.06 (d, 1H, J=2 Hz), 6.882 (d, 1H, J=8.5Hz), 6.82 (d, 1H, J=2Hz), 6.63 (dd, 1H, J=8.5, 2Hz), 6.24 (s, NH2), 5.04 (Br, NH2).
[製造例2]ジアミン化合物2の製造
Figure 2022044011000063
Polymer 49(2008)2644-2649に記載のように製造した。
[実施例1]ポリイミド前駆体溶液の製造
PMDA/ジアミン化合物1(モル比1/0.999)
窒素気流が流れる撹拌機内にN,N-ジメチルプロピオンアミド(DMPA)184gを満たした後、反応器の温度を25℃に維持した状態でジアミン化合物(化合物1)20.13gを溶解させた。前記化学式1のジアミン溶液にPMDA(ピロメリット酸二無水物)15.00gを同じ温度で添加して一定時間溶解して撹拌させた。前記反応から製造されたポリイミド前駆体溶液の固形分濃度を10.5重量%になるようにDMPAを添加してポリイミド前駆体溶液を製造した。前記ポリイミド前駆体溶液の粘度は4100cpsであった。また、前記溶液の分子量測定の結果、Mw 91000g/molであった。
[実施例2]
6FDA/PMDA/化合物1/TFMB(モル比:0.3/0.7/0.5/0.5)
窒素気流が流れる撹拌機内にN,N-ジメチルプロピオンアミド(DMPA)203gを満たした後、反応器の温度を25℃に維持した状態でTFMB(2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ビフェニルジアミン)10.48g、化合物1 9.59gを溶解させた。前記TFMB/化合物1溶液に6FDA(4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物)8.72gおよびPMDA(ピロメリット酸二無水物)10gを同じ温度で添加して一定時間溶解して撹拌させた。前記反応から製造されたポリイミド前駆体溶液の固形分濃度を10.4重量%になるようにDMPAを添加してポリイミド前駆体溶液を製造した。前記ポリイミド前駆体溶液の粘度は4500cpsであった。また、前記溶液の分子量測定の結果、Mw 95000g/molであった。
[実施例3]
6FDA/PMDA/化合物2/化合物1(モル比:0.3/0.7/0.5/0.5)
窒素気流が流れる撹拌機内にN,N-ジメチルプロピオンアミド(DMPA)218.5gを満たした後、反応器の温度を25℃に維持した状態で化合物2 10.3g、化合物1 10.33gを溶解させた。前記化学式2/化合物1溶液に6FDA(4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物)10.96gおよびPMDA(ピロメリット酸二無水物)10gを同じ温度で添加して一定時間溶解して撹拌させた。前記反応から製造されたポリイミド前駆体溶液の固形分濃度を10.2重量%になるようにDMPAを添加してポリイミド前駆体溶液を製造した。前記ポリイミド前駆体溶液の粘度は4300cpsであった。また、前記溶液の分子量測定の結果、Mw 89000g/molであった。
[比較例1]
PMDA/2,5-ジアミノベンゾオキサゾール(モル比:1/0.999)
窒素気流が流れる撹拌機内にN,N-ジメチルプロピオンアミド(DMPA)161gを満たした後、反応器の温度を25℃に維持した状態で2,5-ジアミノベンゾオキサゾール 15.66gを溶解させた。前記2,5-ジアミノベンゾオキサゾール溶液にPMDA(ピロメリット酸二無水物)15gを同じ温度で添加して一定時間溶解して撹拌させた。前記反応から製造されたポリイミド前駆体溶液の固形分濃度を9.3重量%になるようにDMPAを添加してポリイミド前駆体溶液を製造した。前記ポリイミド前駆体溶液の粘度は4800cpsであった。また、前記溶液の分子量測定の結果、Mw 93000g/molであった。
[比較例2]
PMDA/1H-ベンズイミダゾール-2,5-ジアミン(モル比:1/0.999)
窒素気流が流れる撹拌機内にN,N-ジメチルプロピオンアミド(DMPA)159gを満たした後、反応器の温度を25℃に維持した状態で1H-ベンズイミダゾール-2,5-015.40gを溶解させた。前記1H-ベンズイミダゾール-2,5-ジアミン溶液にPMDA(ピロメリット酸二無水物)15gを同じ温度で添加して一定時間溶解して撹拌させた。前記反応から製造されたポリイミド前駆体溶液の固形分濃度を9.1重量%になるようにDMPAを添加してポリイミド前駆体溶液を製造した。前記ポリイミド前駆体溶液の粘度は5100cpsであった。また、前記溶液の分子量測定の結果、Mw 105000g/molであった。
[比較例3]
PMDA/化合物2(モル比:1/0.999)
窒素気流が流れる撹拌機内にN,N-ジメチルプロピオンアミド(DMPA)184.2gを満たした後、反応器の温度を25℃に維持した状態でジアミン化合物(化合物2)20.07gを溶解させた。前記溶液にPMDA(ピロメリット酸二無水物)15gを同じ温度で添加して一定時間溶解して撹拌させた。前記反応から製造されたポリイミド前駆体溶液の固形分濃度を10.4重量%になるようにDMPAを添加してポリイミド前駆体溶液を製造した。前記ポリイミド前駆体溶液の粘度は4300cpsであった。また、前記溶液の分子量測定の結果、Mw 95000g/molであった。
[比較例4]
6FDA/PMDA/化合物2/TFMB(モル比:0.3/0.7/0.5/0.5)
窒素気流が流れる撹拌機内にN,N-ジメチルプロピオンアミド(DMPA)203gを満たした後、反応器の温度を25℃に維持した状態でTFMB(2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ビフェニルジアミン)10.48g、化合物2 9.57gを溶解させた。前記TFMB/化合物2溶液に6FDA(4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物)8.72gおよびPMDA(ピロメリット酸二無水物)10gを同じ温度で添加して一定時間溶解して撹拌させた。前記反応から製造されたポリイミド前駆体溶液の固形分濃度を10.6重量%になるようにDMPAを添加してポリイミド前駆体溶液を製造した。前記ポリイミド前駆体溶液の粘度は4600cpsであった。また、前記溶液の分子量測定の結果、Mw 93000g/molであった。
[実施例4]ポリイミドフィルムの製造
前記実施例1~3および比較例1~4で製造されたポリイミド前駆体溶液を10μmの厚さでガラス基板にスピンコーティングした。ポリイミド前駆体溶液が塗布されたガラス基板をオーブンに入れて4℃/minの速度で加熱し、80℃で30分、220℃で30分、450℃で1時間を維持して硬化工程を行った。硬化工程の完了後、ガラス基板を水に浸してガラス基板の上に形成されたフィルムを引き離してオーブンで100℃で乾燥し、ポリイミドのフィルムを製造した。
前記方法により製造されたポリイミドフィルムの物性は、前記評価方法により測定し、下記表1に図示した。
Figure 2022044011000064
前記表1に図示したように、本発明のジアミン化合物から由来したポリイミド前駆体溶液で製造されたポリイミドフィルムである実施例1~3の場合、熱膨張係数、全光線透過度、黄色度およびヤング率において、比較例1~4に比べて均一に向上した物性を有することが分かる。
特に、本発明のジアミン化合物から由来する構造単位および本発明の化学式4のジアミン化合物から由来する構造単位をさらに含むポリイミド前駆体溶液を用いて製造された実施例3のポリイミドフィルムは、熱膨張係数値が負の値を示すジアミン化合物と熱膨張係数値が正の値を示すジアミン化合物を組み合わせで含んで製造されるポリイミド前駆体溶液で製造されることで、熱膨張係数値が0に非常に近い値を有し、低温ポリシリコンTFT(LTPS TFT)の高温工程が可能であるという利点がある。
したがって、本発明のポリイミド前駆体溶液は、高い耐熱性と優れた熱膨張係数、黄色度およびヤング率などの光学的物性および機械的物性を同時に満たすポリイミドフィルムを製造することができる。
以上、本発明は、特定の事項と限定された実施例によって説明されているがこれは、本発明のより全般的な理解を容易にするために提供されたものであって、本発明は前記の実施例に限定されるものではなく、本発明が属する分野において通常の知識を有する者であれば、かかる記載から様々な修正および変形が可能である。
したがって、本発明の思想は、上述の実施例に限定して定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等または等価的な変形があるすべてのものなどは本発明の思想の範疇に属するといえる。

Claims (12)

  1. 下記化学式1で表される、ジアミン化合物。
    [化学式1]
    Figure 2022044011000065
    前記化学式1中、
    Aは、OまたはSであり、
    RおよびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
    Lは、単結合、C1-C10アルキレン、C6-C12アリレン、
    Figure 2022044011000066
    または
    Figure 2022044011000067
    であり、
    ~A、互いに独立して、OまたはSであり、
    およびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
    sおよびtは、互いに独立して、1~5の整数であり、
    aは、0~3の整数であり、
    bは、0~2の整数であり、
    mは、0~3の整数であり、
    pは、0~3の整数である。
  2. 前記化学式1中、
    Aは、Oであり、
    mは、0~1の整数であり、
    RおよびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキルまたはハロC1-C10アルキルであり、
    Lは、単結合、C1-C10アルキレン、C6-C12アリレン、
    Figure 2022044011000068
    または
    Figure 2022044011000069
    であり、
    ~Aは、Oであり、
    およびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキルまたはハロC1-C10アルキルであり、
    sおよびtは、互いに独立して、1~3の整数であり、
    aは、0~1の整数であり、
    bは、0~1の整数であり、
    pは、0~1の整数である、請求項1に記載のジアミン化合物。
  3. 前記化学式1中、
    AおよびA~Aは、Oであり、
    Lは、単結合、C1-C10アルキレンまたはC6-C12アリレンであり、
    mおよびpは、0である、請求項1に記載のジアミン化合物。
  4. 前記化学式1は、下記化学式2で表される、請求項1に記載のジアミン化合物。
    [化学式2]
    Figure 2022044011000070
    前記化学式2中、
    Aは、OまたはSであり、
    11およびR12は、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
    nおよびmは、互いに独立して、0~2の整数である。
  5. 前記化学式2中、
    Aは、Oであり、
    11およびR12は、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキルまたはハロC1-C10アルキルであり、
    nおよびmは、互いに独立して、0~1の整数である、請求項4に記載のジアミン化合物。
  6. 前記化学式2中、
    Aは、Oであり、
    11およびR12は、互いに独立して、ハロゲン、C1-C5アルキルまたはハロC1-C5アルキルであり、
    nおよびmは、互いに独立して、0~1の整数である、請求項5に記載のジアミン化合物。
  7. 前記ジアミン化合物は、下記化合物から選択される、請求項1に記載のジアミン化合物。
    Figure 2022044011000071
    Figure 2022044011000072
    Figure 2022044011000073
    Figure 2022044011000074
    Figure 2022044011000075
    Figure 2022044011000076
  8. 下記化学式11で表される化合物を還元反応させて下記化学式1で表されるジアミン化合物を製造するステップを含む、ジアミン化合物の製造方法。
    [化学式1]
    Figure 2022044011000077
    [化学式11]
    Figure 2022044011000078
    前記化学式1および化学式11中、
    Aは、OまたはSであり、
    は、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
    pは、0~3の整数であり、
    Rは、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
    mは、0~3の整数であり、
    Lは、単結合、C1-C10アルキレン、C6-C12アリレン、
    Figure 2022044011000079
    または
    Figure 2022044011000080
    であり、
    ~Aは、互いに独立して、OまたはSであり、
    およびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
    sおよびtは、互いに独立して、1~5の整数であり、
    aは、0~3の整数であり、
    bは、0~2の整数である。
  9. 前記還元反応は、水素とPd/C、ラネーニッケル(raney-nickel)、Rh/C、Pt/CおよびRu/Cから選択される一つまたは二つ以上により行われる、請求項8に記載のジアミン化合物の製造方法。
  10. 下記化学式12の化合物と下記化学式13の化合物を反応させて下記化学式14の化合物を製造するステップと、
    酸の存在下で、前記化学式14の化合物を分子内反応させて前記化学式11の化合物を製造するステップとを含んで製造される請求項8に記載のジアミン化合物の製造方法。
    [化学式12]
    Figure 2022044011000081
    [化学式13]
    Figure 2022044011000082
    [化学式14]
    Figure 2022044011000083
    前記化学式12~14中、
    Aは、OまたはSであり、
    RおよびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
    pは、0~3の整数であり、
    mは、0~3の整数であり、
    Lは、単結合、C1-C10アルキレン、C6-C12アリレン、
    Figure 2022044011000084
    または
    Figure 2022044011000085
    であり、
    ~Aは、互いに独立して、OまたはSであり、
    およびRは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C10アルキル、ハロC1-C10アルキル、C1-C10アルコキシまたはC6-C12アリールであり、
    sおよびtは、互いに独立して、1~5の整数であり、
    aは、0~3の整数であり、
    bは、0~2の整数であり、
    Xは、ハロゲンである。
  11. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のジアミン化合物を含む組成物。
  12. 前記ジアミン化合物を組成物の全重量に対して1~30重量%含む、請求項11に記載の組成物。
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