JP2022043258A - アームレスト - Google Patents
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Abstract
Description
袋状に形成した表皮材の内部にインサートフレームを配置した状態で成形型内に設置し、当該表皮材の内部に注入した発泡原料を発泡させて発泡体を形成することによりアームレストを製造する製造方法であって、
前記インサートフレームは、中空状をなすと共に、一方端側において一側方へ突出する段差部の段差高壁部に第1のフレーム孔部が開口すると共に当該第1のフレーム孔部の形成位置よりも他方端側に偏った段差低壁部に他側方へ向けて貫通する筒状の第2のフレーム孔部が開口しており、
前記袋状に形成した表皮材は、前記第1のフレーム孔部の対応位置で第1の表皮孔部が開口すると共に前記第2のフレーム孔部における前記他側方側の対応位置で第2の表皮孔部が開口しており、
前記インサートフレームを前記表皮材の内部に配置して、型開き状態とした成形型の下型に設けた支持突部を前記第1のフレーム孔部および前記第1の表皮孔部に挿通するよう配置し、
前記インサートフレームの一方端側の前記段差高壁部に対応する部位を上型により上方から押圧して前記支持突部および前記段差高壁部により、当該インサートフレームを他方端側が浮いた成形姿勢に保持すると共に、前記第2のフレーム孔部および前記第2の表皮孔部に上型の型面から突出する突出部を挿通して、
前記成形型を型閉め状態にしたもとで前記袋状の表皮材の内部に発泡材料を注入して発泡体を形成するようにしたことを要旨とする。
このように、インサートフレームの一方端側に位置する第1のフレーム孔部および第1の表皮孔部に下型の支持突部を挿通して、上型でインサートフレームの第1のフレーム孔部が形成された段差高壁部に対応する部位を押圧すると共に、当該インサートフレームの他方端側に偏って位置する第2のフレーム孔部および第2の表皮孔部に上型の型面から突出する突出部を挿通することで、インサートフレームの他方端側が表皮材の内面から浮いた成形姿勢に保持することができると共に、表皮材に対して第1のフレーム孔部を中心とした回転に対する位置決めを安定して保持することができる。
前記筒状の第2のフレーム孔部における前記他側方側の開口に、前記上型の型面から突出する前記突出部となる原料注入用注入具を挿通して、当該原料注入用注入具から前記筒状の第2のフレーム孔部を介して発泡原料を前記袋状の表皮材の内底部へ注入するようにしたことを要旨とする。
このように、原料注入用注入具をインサートフレームの姿勢保持手段として兼用することで、当該インサートフレームの姿勢保持構成を簡略化することができる。また、中空状に形成したインサートフレームを貫通するよう設けた第2のフレーム孔部に原料注入用注入具を挿通することにより、第2のフレーム孔部を介して原料注入用注入具から発泡原料を袋状の表皮材の内底部へ注入することができ、発泡過程でインサートフレームと表皮材の間の空間に隙間なく発泡原料を行き渡らせることができる。
成形型の一部を構成する上型は、型閉め状態において前記インサートフレームの前記段差高壁部に対応する部位を含んで前記第2のフレーム孔部に対応する部位が分割されていると共に前記第2のフレーム孔部に対応する位置に前記第2のフレーム孔部に貫通する型側貫通孔が設けられ、型閉めの際に、前記第2のフレーム孔部に対応する分割型を先に閉じた後に、前記原料注入用注入具を型側貫通孔に挿入し、その後に前記分割型とは別の上型を閉じるようにしたことを要旨とする。
このように、第2のフレーム孔部に対応する分割型を先に閉じて突出部となる原料注入用注入具を型挿通孔に挿通することで、突出部を第2のフレーム孔部へ位置決めして挿入することが容易にできる。
インサートフレーム12は、図2、図3に示すように、インサートフレーム12の一側面を形成する第1フレーム体18と、インサートフレーム12の他側面を形成する第2フレーム体42とを横幅方向から組み付けた形態で構成され、アームレストARに加わる荷重を受け止める必要な剛性を確保する構造体である。この実施形態では、インサートフレーム12において、シートバックSBから離間する側面(一側面)を第1フレーム体18が形成し、シートバックSB側の側面(他側面)を第2フレーム体42が形成している。なお、インサートフレーム12は、アームレストAR(袋状の表皮材14)の長手方向の全長より僅かに短尺に形成されると共に、シートバックSBに固定される支持端(一方端)から先端(他方端)に向かうにつれて短手方向の幅が漸減する先細り形状に形成されている。
第1フレーム体18は、図2、図3に示すように、インサートフレーム12の一側面を形成する第1側壁部20と、当該第1側壁部20の外周縁に沿って延在すると共に第2フレーム体42側に延出するよう設けられた第1外周壁部22とを備えて、第2フレーム体42側に開口する箱状に形成されている。なお、この第1フレーム体18は、ポリプロピレン等の合成樹脂を射出成形等により形成した一体成形部材であってもよく、また複数の部材から形成したものでもよい。そして、第1フレーム体18には、第1外周壁部22が延在する周方向に離間する複数箇所に、第2フレーム体42を位置決めする受け部24が設けられている。この受け部24は、第1外周壁部22の内側に離間する位置で対向する板状に形成されており、第1外周壁部22が延在する周方向に開口すると共に第2フレーム体42側に開口する溝部24aを当該第1外周壁部22との間に形成するよう構成されており、当該受け部24の溝部24aに第2フレーム体42(後述する第2外周壁部46)を差し込むことで、第1フレーム体18と第2フレーム体42とが組み付けられるようになっている。
前記第2フレーム体42は、図2(a)、図3に示すように、インサートフレーム12の他側面を形成する第2側壁部44と、当該第2側壁部44の外周縁に沿って延在すると共に第1フレーム体18側に延出するよう設けられた第2外周壁部46とを備えて、第1フレーム体18側に開口する箱状に形成されている。なお、第2フレーム体42は、金属板をプレス成形等して形成された金属部材であって、第1フレーム体18に嵌合するよう形成されている。この第2フレーム体42は、前記第1フレーム体18の第1外周壁部22により形成される開口よりも一回り小さく形成されており、当該第2フレーム体42における第2外周壁部46の延出端部を、当該第1フレーム体18に設けた受け部24の溝部24aに差し込むことにより、第1フレーム体18に嵌合するよう第2フレーム体42が組み付けられる。そして、第2フレーム体42の外側(シートバックSB側)に位置するよう取付板45が設けられており、当該取付板45を介してアームレストARがアームレスト取付部に取り付けられるようになっている。なお、この取付板45は、シートバックSB側に突出する複数の係合爪45aが形成されており、当該係合爪45aをアームレスト取付部の係合孔(図示せず)に挿入することで、アームレストARをシートバックSBに位置決めされるようになっている。
表皮材14は、ポリウレタンやポリ塩化ビニル等の合成樹脂材により形成した合成皮革やファブリック、皮革等を材質とする表皮基材を縫製することで、前記インサートフレーム12を収容可能な中空の袋状に形成されている(図2(a)参照)。この表皮材14には、当該表皮材14の内部の所定位置にインサートフレーム12を配置した際に、当該インサートフレーム12の第1のフレーム孔部29に対応する位置に第1の表皮孔部50が形成されると共に、インサートフレーム12の第2フレーム体42側の第2のフレーム孔部38に対応する位置に第2の表皮孔部52が形成されている。また、インサートフレーム12に設けた取付板45の形成位置に合わせて、取付板45を表皮材14の外部に挿通する開口部(以下挿通用開口部54という)が表皮材14に形成されている。ここで、実施形態の表皮材14は一定の伸縮性を有する素材により形成されており、当該表皮材14に形成した取付板45の挿通用開口部54を拡開してインサートフレーム12を挿入することより、表皮材14の外部に取付板45が位置すると共に第1のフレーム孔部29に第1の表皮孔部50が対応し、第2のフレーム孔部38に第2の表皮孔部52が対応した状態で、表皮材14の内部にインサートフレーム12が配置されるようになっている。なお、第1の表皮孔部50や第2の表皮孔部52、挿通用開口部54を形成した表皮基材を、インサートフレーム12を包むように縫製することにより、表皮材14の内部にインサートフレーム12を配置するようにしてもよい。
前述したアームレストARは、型閉め状態および型開き状態に変位可能な成形型により形成されるキャビティ内に、インサートフレーム12を内部に配設した表皮材14を設置した状態で、インサートフレーム12と表皮材14との間の空間Rにウレタン樹脂等の発泡原料を注入して発泡させることにより形成される。このアームレストARの成形型は、図4に示すように、図示省略したフレームに設置されてアームレストARの一側面側を成形する下型56と、当該下型56に対して回動可能に支持されてアームレストARの他側面側を成形する複数に分割された上型60,64とを備えており、上型60,64に個別に接続されたシリンダ等の駆動手段(図示せず)を駆動することで、下型56に対して上型60,64が開いた型開き状態と、下型56に対して上型60,64が閉じた型閉じ状態とに変位し得るよう構成されている。そして、下型56に対して上型60,64を閉じた型閉め状態において、アームレストARの外形形状と同じ空間形状のキャビティが内部に画成されるようになっている。
本発明に係るアームレストARの製造方法は、前述した実施形態に例示したものに限らず種々の変更が可能である。以下に、変更例の一例を示す。
(1) 第1の上型60がインサートフレーム12の段差高壁部28を有する部位を下型56とで挟むことによりインサートフレーム12を成形姿勢に保持するよう構成したが、
第1の上型60の型面から突出する突出部としての原料注入用注入具70(漏斗70の管状部74)をインサートフレーム12の第2のフレーム孔部38に挿通することで、第2のフレーム孔部38を漏斗70の管状部74に係合させてインサートフレーム12を成形姿勢に保持するよう構成してもよい。
(2) 複数に分割された上型60,64の構成としては、前述したものに限られず、例えば、アームレストARの他側面において第2のフレーム孔部38を形成する部位および段差高壁部28に対応する部位を覆う第1の上型を、当該第2のフレーム孔部38を形成する部位からアームレストARの他側面における支持端側まで覆うよう構成し、当該アームレストARの他側面における先端側を第2の上型64で覆うようにしてもよい。
(3) 成形型の上型は2分割である必要はなく、3分割以上の複数に分割するようにしてもよい。成形型の下型に関しても同様に、複数分割するよう構成してもよい。
26 段差部,29 第1のフレーム孔部,34 貫通筒状補強部(筒状部)
38 第2のフレーム孔部,50 第1の表皮孔部,52 第2の表皮孔部
56 下型(成形型),58 支持突部,60 第1の上型(成形型、上型)
64 第2の上型(成形型、別の上型),74 管状部(突出部),70 原料注入用注入具
Claims (3)
- 袋状に形成した表皮材の内部にインサートフレームを配置した状態で成形型内に設置し、当該表皮材の内部に注入した発泡原料を発泡させて発泡体を形成することによりアームレストを製造する製造方法であって、
前記インサートフレームは、中空状をなすと共に、一方端側において一側方へ突出する段差部の段差高壁部に第1のフレーム孔部が開口すると共に当該第1のフレーム孔部の形成位置よりも他方端側に偏った段差低壁部に他側方へ向けて貫通する筒状の第2のフレーム孔部が開口しており、
前記袋状に形成した表皮材は、前記第1のフレーム孔部の対応位置で第1の表皮孔部が開口すると共に前記第2のフレーム孔部における前記他側方側の対応位置で第2の表皮孔部が開口しており、
前記インサートフレームを前記表皮材の内部に配置して、型開き状態とした成形型の下型に設けた支持突部を前記第1のフレーム孔部および前記第1の表皮孔部に挿通するよう配置し、
前記インサートフレームの一方端側の前記段差高壁部に対応する部位を上型により上方から押圧して前記支持突部および前記段差高壁部により、当該インサートフレームを他方端側が浮いた成形姿勢に保持すると共に、前記第2のフレーム孔部および前記第2の表皮孔部に上型の型面から突出する突出部を挿通して、
前記成形型を型閉め状態にしたもとで前記袋状の表皮材の内部に発泡材料を注入して発泡体を形成するようにした
ことを特徴とするアームレストの製造方法。 - 前記筒状の第2のフレーム孔部における前記他側方側の開口に、前記上型の型面から突出する前記突出部となる原料注入用注入具を挿通して、当該原料注入用注入具から前記筒状の第2のフレーム孔部を介して発泡原料を前記袋状の表皮材の内底部へ注入するようにした請求項1記載のアームレストの製造方法。
- 成形型の一部を構成する上型は、型閉め状態において前記インサートフレームの前記段差高壁部に対応する部位を含んで前記第2のフレーム孔部に対応する部位が分割されていると共に前記第2のフレーム孔部に対応する位置に前記第2のフレーム孔部に貫通する型側貫通孔が設けられ、型閉めの際に、前記第2のフレーム孔部に対応する分割型を先に閉じた後に、前記原料注入用注入具を型側貫通孔に挿入し、その後に前記分割型とは別の上型を閉じるようにした請求項1または2記載のアームレストの製造方法。
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