JP2013233680A - 金型及び発泡成形体の製造方法 - Google Patents

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Yasusuke Yonezawa
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Abstract

【課題】通気性部材収容部内に通気性部材を容易に配置することが可能な金型と、この金型を用いた発泡成形体の製造方法とを提供する。
【解決手段】金型1のキャビティの内面に、該キャビティの外方へ凹陥した通気性部材収容部7が設けられている。通気性部材収容部7の内面に、キャビティ内のガスを該キャビティ外に排出するための排気孔5が設けられている。発泡成形体を製造するに当り、型締め前に、通気性部材収容部7内に通気性部材18が配置され、その後、型締めされ、キャビティ内で発泡合成樹脂原料が発泡される。金型1のパーティングラインPにおいて接触する成形型2,4の合わせ面2a,4a同士のうちの少なくとも一方に、キャビティ内に臨む凹段部8が設けられており、該凹段部8内が通気性部材収容部7となっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、シートパッド等の発泡成形体を製造するための製造方法に係り、特にキャビティの内面に、該キャビティ内のガスを該キャビティの外部に排出するための排気孔が設けられた金型を用い、発泡成形工程において、キャビティ内に、排気孔を覆うように通気性部材を配置して発泡合成樹脂原料を発泡させる発泡成形体の製造方法に関する。
車両用シートを構成するシートパッドや、車両のドアの内装品等に、ポリウレタンフォーム等の発泡合成樹脂よりなる発泡成形体が用いられている。かかる発泡成形体の製造工程では、金型のキャビティ内に発泡合成樹脂原料を所定量供給し、該発泡合成樹脂原料を発泡させる。この原料が発泡してなる発泡合成樹脂は、膨張しながらキャビティ内に充満し、該キャビティに対応した形状に成形される。かかる過程において、キャビティ内に存在する空気や、発泡反応により発生した二酸化炭素等のガスがキャビティ外に十分に排出されない場合、成形体に欠肉やボイド等の不具合が発生することがある。
そこで、金型に排気孔を設けてキャビティ内のガスを排出することが行われている。しかし、単に排気孔を設けただけでは、キャビティ内に充満した発泡合成樹脂原料が排気孔からキャビティ外に流出する場合があり、原料ロスが生じると共に、排気孔の清掃作業が必要になるという問題があった。
特許文献1には、排気孔を通気性部材で覆った状態にて、金型内で発泡合成樹脂原料を発泡させることが記載されている。第11図(a)〜(c)は、特許文献1の発泡成形体の製造方法を示す金型の排気孔付近の断面図である。なお、第11図(a)〜(c)は、特許文献1の図3(a)〜(c)と実質的に同一内容となっている。
特許文献1では、発泡成形工程に先立ち、金型100のキャビティ内に、該金型100の排気孔101を覆うように、通気性材料(特許文献1では連続気泡ポリウレタン等が例示されている。)よりなる通気性部材102を配置する。特許文献1では、金型100のキャビティ内面から突設されたピン103を通気性部材102に突き刺すことにより、通気性部材102をキャビティ内面に固定している。通気性部材102は、排気孔101だけでなく、該排気孔101の周囲のキャビティ内面まで覆いうる大きさの板状のものとなっている。この通気性部材102の排気孔101と反対側の板面は、非通気性材料(特許文献1ではポリエチレンフィルム等が例示されている。)よりなる非通気性部材104により被覆されている。
排気孔101を通気性部材102で覆った状態にて金型100内で発泡合成樹脂原料を発泡させると、第11図(a)〜(c)の通り、この原料が発泡してなる発泡合成樹脂Uが金型100のキャビティ内を充填していく。その際、第11図(b)の矢印Gの通り、キャビティ内のガスは、通気性部材102の側端面(通気性部材102のうち、非通気性部材104によって覆われておらず、且つキャビティ内面に対向していない面)から通気性部材102内に浸透し、この通気性部材102内を透過して排気孔101に達し、該排気孔101からキャビティ外に流出する。その後、発泡合成樹脂Uが通気性部材102の周囲に充満してくることにより、通気性部材102が該発泡合成樹脂U中に埋没する。
このとき、非通気性部材104を介して通気性部材102が発泡合成樹脂Uに押され、通気性部材102が排気孔101の周囲のキャビティ内面に密着するようになる。また、発泡合成樹脂Uが通気性部材102の側端面から通気性部材102内に含浸し、これが排気孔101に達する前に通気性部材102内で硬化することにより、自己シール効果が生じ、発泡合成樹脂Uが排気孔101内に侵入することが防止される。
この発泡合成樹脂Uがキャビティ全体に充満することにより、発泡成形体が成形される。発泡合成樹脂Uが硬化した後、型開きし、発泡成形体を脱型する。
特許文献2の図9には、金型のキャビティ内面に、該キャビティの外方へ凹陥した凹穴状の通気性部材収容部を設けると共に、この通気性部材収容部内とキャビティ外とを連通するように該金型に排気孔を設け、発泡成形時には、この通気性部材収容部内に通気性部材を配置するようにした構成が記載されている。
特開2009−51127号公報 特開2001−47450号公報
特許文献1においては、発泡成形体に通気性部材が埋設されるため、発泡成形体の外面のうち、この通気性部材が埋設された部分とそれ以外の部分とで、感触が異なるものとなるおそれがある。この通気性部材は、発泡成形体の一部を構成しているため、発泡成形体から除去することはできない。
特許文献2では、発泡成形時には、通気性部材は、金型のキャビティ内面に設けられた凹穴状の通気性部材収容部内に収容されている。従って、この状態で該キャビティ内において発泡合成樹脂原料を発泡させて発泡成形体を成形すると、通気性部材は、実質的に、全体が該発泡成形体の外面から該発泡成形体の外部に突出した状態で該発泡成形体と一体化される。即ち、特許文献2では、通気性部材は、発泡成形体の一部を構成しない。そのため、発泡成形体の脱型後、この通気性部材を該発泡成形体から除去することができる。なお、通気性部材は、初めから発泡成形体を構成していないので、脱型後に発泡成形体から通気性部材を除去しても、発泡成形体は設計通りの外形となる。これにより、発泡成形体の外面の感触を全体的に一様なものとすることができる。
しかしながら、特許文献2では、通気性部材収容部は、キャビティの内方にのみ開放した凹穴状となっており、通気性部材収容部内に通気性部材を配置する場合には、キャビティ内側からこの凹穴状の通気性部材収容部内に通気性部材を入り込ませる必要がある。そのため、例えば特許文献2の図9のように、この通気性部材収容部がキャビティの奥まった位置に設けられている場合や、通気性部材収容部が比較的小径のものである場合などには、型開きした状態であっても、通気性部材を通気性部材収容部内に容易に配置することができないおそれがある。
本発明は、通気性部材収容部内に通気性部材を容易に配置することが可能な金型と、この金型を用いた発泡成形体の製造方法とを提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の金型は、発泡合成樹脂よりなる発泡成形体を製造するための金型であって、該金型は、少なくとも2個の成形型を備えており、該成形型同士が型締めされることにより、該成形型同士によって囲まれたキャビティが形成され、該キャビティの内面に、各成形型の合わせ面同士が接触してなるパーティングラインが形成されるものであり、該キャビティの内面に、該キャビティの外方へ凹陥した通気性部材収容部が設けられており、該通気性部材収容部の内面に、該キャビティ内のガスを該キャビティ外に排出するための排気孔が設けられており、発泡成形体を製造するに当り、型締め前に、該通気性部材収容部内に通気性部材が配置され、その後、型締めされ、該キャビティ内で発泡合成樹脂原料が発泡される金型において、該パーティングラインにおいて接触する該成形型の合わせ面同士のうちの少なくとも一方に、該キャビティ内に臨む凹段部が設けられており、該凹段部内が前記通気性部材収容部となっていることを特徴とするものである。
請求項2の金型は、請求項1において、前記通気性部材が前記通気性部材収容部内に配置され、前記金型が型締めされた状態において、該通気性部材の外面のうち、前記排気孔からの離隔距離が所定距離よりも大きい領域の少なくとも一部は、該通気性部材の外部から前記発泡合成樹脂が含浸することを許容する通気面となっており、該通気面以外の該通気性部材の外面のうち、少なくとも該排気孔からの離隔距離が該所定距離以下の領域は、該通気性部材の外部から該発泡合成樹脂が含浸しない非通気面となっており、該所定距離は、発泡成形時に該通気性部材に含浸した該発泡合成樹脂が該通気性部材の内部で硬化する前に到達しうる最大含浸距離であることを特徴とするものである。
請求項3の金型は、請求項2において、前記通気性部材は、弾性変形可能な材料により構成されており、該通気性部材が前記通気性部材収容部内に配置され、前記金型が型締めされた状態において、前記非通気面は、該通気性部材の外面のうち該非通気面となるべき領域が該通気性部材収容部の内面に弾性的に接触することにより形成され、前記通気面は、該通気性部材の外面のうち該通気面となるべき領域が該通気性部材収容部の内面に非接触とされることにより形成されることを特徴とするものである。
請求項4の金型は、請求項3において、前記金型が型締めされた状態において、前記通気性部材収容部の内面のうち、該通気性部材収容部を形成した前記成形型同士の接離方向に対向する第1の内面領域及び第2の内面領域の少なくとも一方に、前記排気孔が設けられており、該通気性部材収容部の内面と前記キャビティの内面との境界部から該排気孔までの距離は、前記所定距離よりも大きなものとなっており、該金型が型締めされた状態において、該第1の内面領域と第2の内面領域との間隔は、該成形型同士の接離方向における、該通気性部材収容部内に収容される前の前記通気性部材の厚さよりも小さなものとなっており、該通気性部材が該通気性部材収容部内に配置され、前記金型が型締めされた状態において、該通気性部材の外面のうち、少なくとも該第1の内面領域及び第2の内面領域と対向する領域がそれぞれ該通気性部材収容部の内面に弾性的に接触し、前記非通気面となることを特徴とするものである。
本発明(請求項5)の発泡成形体の製造方法は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の金型を用いて発泡合成樹脂よりなる発泡成形体を製造する発泡成形体の製造方法であって、該発泡成形体を製造するに当り、該金型を型開きした状態で前記凹段部内に前記通気性部材を配置し、その後、型締めする通気性部材配置工程と、該通気性部材配置工程の後、該キャビティ内で発泡合成樹脂原料を発泡させる発泡成形工程と、該発泡成形工程の後、該発泡成形体及び通気性部材を脱型し、該発泡成形体の外面から該通気性部材を除去する通気性部材除去工程とを行うことを特徴とするものである。
請求項6の発泡成形体の製造方法は、請求項5において、前記発泡成形体は、発泡合成樹脂よりなる成形体本体と、該成形体本体の外面の少なくとも一部に沿って配置され、該成形体本体と一体化された補強材とを有するものであり、該補強材は、該発泡成形体を製造するに当り、前記金型の型締め前に、少なくとも1個の前記成形型の前記キャビティ内面の少なくとも一部に沿って配置され、その後、型締めされて該キャビティ内で発泡合成樹脂原料が発泡されることにより、該成形体本体と一体化されるものであり、前記通気性部材を該補強材に取り付けておき、前記通気性部材配置工程において、前記凹段部内への該通気性部材の配置と、該成形型のキャビティ内面への該補強材の配置とを行うことを特徴とするものである。
請求項7の発泡成形体の製造方法は、請求項5又は6において、前記発泡成形体はシートパッドであることを特徴とするものである。
本発明(請求項1)の金型にあっては、パーティングラインにおいて接触する成形型の合わせ面同士のうちの少なくとも一方に、キャビティ内に臨む凹段部が設けられており、この凹段部内が通気性部材収容部となっている。そのため、これらの成形型同士を型開きした状態にあっては、通気性部材収容部(凹段部)は、キャビティ内側だけでなく、該合わせ面側にも開放したものとなる。これにより、特許文献2のようにキャビティの内方にのみ開放した通気性部材収容部内に通気性部材を配置するのに比べて、型開きした状態で該通気性部材収容部内(凹段部内)に容易に通気性部材を配置することができる。
このようにして通気性部材を凹段部内に配置した後、成形型同士を型締めすることにより、凹段部の該合わせ面側が他方の成形型によって塞がれる。これにより、通気性部材は、キャビティの内面からキャビティの外方へ凹陥した凹穴状の通気性部材収容部内に収容されたのと同様の状態となる。
その後、キャビティ内において発泡合成樹脂原料を発泡させて発泡成形体を成形することにより、通気性部材は、実質的に、全体が発泡成形体の外面から該発泡成形体の外部に突出した状態で該発泡成形体と一体化されるので、発泡成形体の脱型後、該発泡成形体から通気性部材を除去することができる。この通気性部材は、初めから発泡成形体を構成していないので、脱型後に発泡成形体から通気性部材を除去しても、発泡成形体は設計通りの外形となる。このように発泡成形体から通気性部材を除去することにより、発泡成形体の外面の感触を全体的に一様なものとすることができる。
仮に、発泡成形時に、通気性部材収容部内に収容された通気性部材の外面のうち、排気孔から十分に離隔していない領域において、発泡合成樹脂が通気性部材の外部から該通気性部材に含浸した場合には、この発泡合成樹脂が通気性部材の内部で硬化する前に排気孔に到達するおそれがある。
そのため、請求項2の通り、通気性部材が通気性部材収容部内に配置され、金型が型締めされた状態において、該通気性部材の外面のうち、排気孔からの離隔距離が所定距離よりも大きい領域の少なくとも一部は、通気性部材の外部から発泡合成樹脂が含浸することを許容する通気面とされ、この通気面以外の通気性部材の外面のうち、少なくとも排気孔からの離隔距離が所定距離以下の領域は、通気性部材の外部から発泡合成樹脂が含浸しない非通気面とされる。本発明において、この所定距離とは、発泡成形時に通気性部材に含浸した発泡合成樹脂が該通気性部材の内部で硬化する前に到達しうる最大含浸距離をいう。
このように構成することにより、より確実に、通気性部材内において自己シールを発現させて排気孔への発泡合成樹脂の侵入を防止することができる。
この場合、請求項3の通り、通気性部材を弾性変形可能な材料により構成し、この通気性部材の外面のうち、非通気面とすべき領域を通気性部材収容部の内面に弾性的に接触させることにより、この領域を非通気面としている。これにより、特許文献1のように非通気性部材を設けなくても、通気性部材の外面に非通気面を形成することができるので、発泡成形体を構成する部材コストの低減、並びに、発泡成形体を製造するのに要する作業工数の削減を図ることが可能となる。
請求項4のように構成した場合、通気性部材が該通気性部材収容部内に配置され、金型が型締めされた状態においては、少なくとも、通気性部材収容部の内面のうち、該通気性部材収容部を形成した成形型同士の接離方向に対向する第1の内面領域及び第2の内面領域に対し通気性部材の外面が弾性的に接触して非通気面となる。そのため、通気性部材収容部を形成した一方の成形型側及び他方の成形型側から通気性部材に発泡合成樹脂が含浸することはなく、排気孔から十分に離隔した、該通気性部材のキャビティ側の端面のみから発泡合成樹脂の通気性部材への含浸が許容される。これにより、前記成形型同士の接離方向における通気性部材の厚さを小さくしても、該通気性部材内で十分に自己シールを発現させることができる。
また、通気性部材収容部を形成した成形型同士の接離方向における通気性部材の厚さを小さくすることにより、通気性部材と発泡成形体との接触面積を小さくすることができるので、脱型後に発泡成形体から通気性部材を切除する作業を容易化することができる。
本発明(請求項5)の発泡成形体の製造方法は、かかる本発明の金型を用いて発泡成形体を製造するので、通気性部材を比較的容易に金型内に配置することができ、効率よく発泡成形体を製造することができる。
請求項6のように、この発泡成形体が、発泡合成樹脂よりなる成形体本体と、該成形体本体の外面に沿って配置され、該成形体本体と一体化された補強材とを有したものである場合、通気性部材をこの補強材に取り付けてもよい。この場合、金型の凹段部内への通気性部材の配置と、成形型のキャビティ内面への補強材の配置とを同一行程において行うことができる。これにより、補強材付き発泡成形体をより効率よく製造することができる。
請求項7の通り、本発明は、シートパッドの製造方法に適用するのに好適である。
第1の実施の形態に係る金型の断面図である。 図1の金型の通気性部材収容部付近(図1のII付近)における上型と中型との分解断面図である。 中型の通気性部材収容部付近(図2のIII付近)の平面図である。 通気性部材が通気性部材収容部内に配置された状態を示す、図3と同様部分の平面図である。 図1の金型の通気性部材収容部付近における上型と下型との分解断面図である。 図1の金型の発泡成形工程途中時を示す通気性部材収容部付近の断面図である。 図1の金型の発泡成形工程終了時を示す通気性部材収容部付近の断面図である。 図1の金型により製造された発泡成形体としてのシートパッドの斜視図及び断面図である。 第2の実施の形態に係る金型の通気性部材収容部内に通気性部材が配置された状態を示す平面図である。 第3の実施の形態に係る金型の通気性部材収容部内に通気性部材が配置された状態を示す平面図である。 従来例に係る金型の排気孔付近の拡大断面図である。
以下に、図面を参照して実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、シートパッドを製造するための金型、及び、この金型を用いたシートパッドの製造方法への本発明の適用例を示しているが、本発明は、シートパッド以外の発泡成形体を製造するための金型、及び、この金型を用いた発泡成形体の製造方法にも適用可能である。
[第1の実施の形態]
第1図は、第1の実施の形態に係る金型の断面図である。第2図は、この金型の通気性部材収容部付近(第1図のII付近)における上型と中型との分解断面図である。第3図は、中型の通気性部材収容部付近(図2のIII付近)の平面図である。第4図は、通気性部材が通気性部材収容部内に配置された状態を示す、第3図と同様部分の平面図である。第5図は、この金型の通気性部材収容部付近における上型と下型との分解断面図である。第6図は、この金型の発泡成形工程途中時を示す通気性部材収容部付近の断面図である。第7図は、この金型の発泡成形工程終了時を示す通気性部材収容部付近の断面図である。第8図(a)は、この金型により製造された発泡成形体としてのシートパッドの通気性部材除去前の斜視図であり、第8図(b)は第8図(a)のB−B線に沿う断面図であり、第8図(c)は、通気性部材除去後の第8図(b)と同様部分の断面図である。
この実施の形態では、金型1は、車両用シートを構成するシートパッド10を製造するためのものである。このシートパッド10は、ポリウレタンフォーム等の発泡合成樹脂よりなる。即ち、このシートパッド10は、請求項1の発泡成形体に相当する。なお、この実施の形態では、該シートパッド10は、車両用シートの背もたれ部を構成するバックパッドであるが、本発明は、車両用シートの腰掛部を構成するクッションパッドにも適用可能である。第1図は、この金型1によって成形されるシートパッド(バックパッド)10の使用時の前後方向及び上下方向に沿う断面を示している。以下、シートパッド10の上下方向、左右方向及び前後方向とは、このシートパッド10の使用時の上下方向、左右方向及び前後方向をいう。
<シートパッド10の詳細な説明>
この実施の形態では、シートパッド10は、第8図(a)〜(c)の通り、ポリウレタンフォーム等の発泡合成樹脂よりなるシートパッド本体11と、該シートパッド本体11の裏面(着座者側の面)に沿って配設され、該シートパッド本体11と一体化された補強材20とを備えている。シートパッド本体11は、請求項6の成形体本体に相当する。補強材20は、不織布等の通気性材料よりなることが好ましい。
シートパッド本体11は、乗員の背中と対面する主板部12と、該主板部12の上部、左右両側部及び下部からそれぞれ該主板部12の後面の中央側へ回り込むように張り出した上側張出部13、左側張出部14、右側張出部15及び下側張出部16とを有している。この実施の形態では、上側張出部13と左側張出部14及び右側張出部15とは、主板部12の後面の上側及び左右両側を一続きに取り囲むように一体的に形成されている。下側張出部16と左側張出部14及び右側張出部15とは、実質的に、主板部12の後面を取り囲む方向には不連続となっている。主板部12の後面と各張出部13〜16との間には、該主板部12の後面の中央側に向かって開放した凹所17が形成されている。この主板部12の後面から各張出部13〜16の凹所17側の面(以下、各張出部13〜16の裏面ということがある。)にかけて補強材20が配設されている。なお、シートパッド本体11の形状や補強材20の配置はこれに限定されない。
この実施の形態では、第8図(a),(b)の通り、シートパッド10の発泡成形工程において、上側張出部13及び下側張出部16の張出方向の先端側の端面(以下、単に先端面という。)の左右方向の中間付近にそれぞれ通気性部材18が配設される。これらの通気性部材18は、それぞれ、実質的に、全体が上側張出部13の先端面及び下側張出部16の先端面からシートパッド本体11の外部に突出し、各々の該突出方向の後端側の端面(以下、単に後端面という。)が上側張出部13の先端面及び下側張出部16の先端面に接するように配置される。各通気性部材18は、発泡成形工程において、各々の後端面から各々の内部に、シートパッド本体11を構成する発泡合成樹脂Uが含浸して硬化することにより、該シートパッド本体11と一体化される。なお、通気性部材18の個数及び配置はこれに限定されない。
各通気性部材18の、JISL1096 A法により規定される通気性は20〜200cm/cm/sec特に80〜150cm/cm/secであることが好ましい。
各通気性部材18を構成する材料としては、スラブウレタン、ウレタンチップ、プレスフェルト、ポリエチレン発泡体等が好適であるが、これに限定されない。この実施の形態では、各通気性部材18は、弾性変形可能な材料により構成されている。
この実施の形態では、各通気性部材18は、それぞれ略長方形の平面視形状を有した板状(後述の厚さTが比較的小さい略直方体形状)となっており、各々の板面の延在方向をシートパッド本体11の上下方向とし、且つ各々の板面の長手方向をシートパッド本体11の左右方向とし、各々の上向きの端面又は下向きの端面が上側張出部13の先端面又は下側張出部16の先端面にそれぞれ接するように配置される。なお、通気性部材18の形状及び配置時の姿勢はこれに限定されない。
シートパッド本体11の前後方向における各通気性部材18の厚さT(第2図。以下、単に各通気性部材の厚さTという。)は3〜20mm特に8〜12mmであることが好ましく、シートパッド本体11の左右方向における各通気性部材18の横幅W(第3図。以下、単に各通気性部材の横幅Wという。)は10〜100mm特に20〜60mmであることが好ましく、シートパッド本体11の上下方向における各通気性部材18の縦幅H(第3図。以下、単に各通気性部材の縦幅Hという。)は10〜100mm特に30〜70mmであることが好ましい。なお、この通気性部材18の各部の寸法T,W,Hは、この通気性部材18が金型1の通気性部材収容部7に収容される前の寸法を示している。
この実施の形態では、金型1は、後述の通り、上側張出部13に連なる通気性部材18(以下、シートパッド上部側通気性部材18ということがある。)を通してキャビティ内から排出すべきガス量が、下側張出部16に連なる通気性部材18(以下、シートパッド下部側通気性部材18ということがある。)を通してキャビティ内から排出すべきガス量よりも多くなるように構成されており、これに対応するように、該シートパッド上部側通気性部材18の体積がシートパッド下部側通気性部材18の体積よりも大きなものとなっている。なお、各通気性部材18の体積の関係はこれに限定されない。
この実施の形態では、補強材20の外周縁のうち、上側張出部13及び下側張出部16の裏面の前記先端側の縁部に対応する領域から、それぞれ、該補強材20と一体的に、舌片状の通気性部材取付片21が突設されている。各通気性部材18は、これらの通気性部材取付片21にそれぞれ取り付けられている。各通気性部材18は、各通気性部材取付片21の外面のうち、補強材20のシートパッド本体21との接触面と連続した面に沿って配置されている。通気性部材18の通気性部材取付片21への固定には、ステープラや接着剤、粘着剤など種々の固定手段を用いることができる。
この実施の形態では、ステープラ22(第3,4図)によって通気性部材18が通気性部材取付片21に固定されている。このステープラ22は、通気性部材18と通気性部材取付片21とを前記厚さT方向に貫通し、通気性部材18の通気性部材取付片21と反対側、及び、通気性部材取付片21の通気性部材18と反対側の双方から、これらを挟み付けている。この実施の形態では、通気性部材18の左右両端側にそれぞれステープラ22が設けられているが、ステープラ22の配置はこれに限定されない。
この実施の形態では、ステープラ22として、磁性金属よりなるものを用いている。即ち、通気性部材取付片21の通気性部材18と反対側には、この磁性金属製のステープラ22が露呈している。この実施の形態では、後述の通り、金型1の通気性部材収容部7を構成した凹段部8の底面にマグネット9が設けられており、通気性部材18を通気性部材収容部7内(=凹段部8内)に配置した際に、ステープラ22をこのマグネット9に磁気的に吸着させることにより、通気性部材18を該通気性部材収容部7に留め付けるように構成されている。即ち、この実施の形態では、ステープラ22は、通気性部材18の通気性部材取付片21への固定手段と、通気性部材18の通気性部材収容部7への留め付け手段とを兼ねるものとなっている。
なお、通気性部材18の通気性部材取付片21への固定手段と、通気性部材18の通気性部材収容部7への留め付け手段とは、別々に設けられてもよい。通気性部材18の通気性部材取付片21への固定手段は、ステープラ以外のものであってもよい。また、通気性部材18の通気性部材収容部7への留め付け手段も、磁力によるものに限定されない。例えば、ピン等により通気性部材18を通気性部材収容部7に留め付けるようにしてもよい。
本発明においては、通気性部材18は、補強材20に取り付けられていなくてもよい。
<金型1の詳細な説明>
この実施の形態では、金型1は、第1図の通り、上型2と、下型3と、該上型2にセットされた中型4と、該上型2、下型3及び中型4によって囲まれたキャビティ内のガスを該キャビティの外部に排出するための排気孔5等を備えている。この実施の形態では、これらの上型2、下型3及び中型4が請求項1における成形型に相当する。なお、金型1を構成する成形型の個数や配置はこれに限定されない。上型2と下型3とは、それらの周縁部において型合せされている。中型4は、上型2のキャビティ天井面(即ち上型2の下面)の周縁部よりも中央側において該上型2と型合せされている。第1図の符号Pは、上型2と中型4とのパーティングラインを示し、符号Pは、上型2と下型3とのパーティングラインを示している。
この実施の形態では、第2,5〜7図の通り、上型2と中型4との合わせ面2a,4a同士の間、及び、上型2と下型3との合わせ面2b,3a同士の間に、それぞれ、これらのパーティングラインP,Pをシール(密封)するためのシール部材6が設けられている。シール部材6は、これらのパーティングラインP,Pの全周にわたってそれぞれ設けられている。なお、金型1は、発泡成形時に、これらのパーティングラインP,Pからもキャビティ内のガスが排出されるように構成されてもよい。
この金型1内において、シートパッド本体11は、その前面(着座者側の面)を下向きにした姿勢で成形される。即ち、下型3のキャビティ内面によりシートパッド本体11の前面側が成形され、上型2及び中型4のキャビティ内面によりシートパッド本体11の後面側が成形される。なお、第1図において、図の左方は、この金型1によって成形されるシートパッド本体11の使用時の上部側に対応し、図の右方はシートパッド11の使用時の下部側に対応する。
詳しくは、下型3のキャビティ底面によりシートパッド本体11の主板部12の前面が成形され、下型3のキャビティ側面によりシートパッド本体11の上下左右の側面が成形される。また、中型4の下面により該主板部12の後面が成形され、中型4の周囲の上型2のキャビティ天井面によりシートパッド本体11の各張出部13〜16の後面が成形される。
中型4の側周面からは、四方へ向かって、それぞれ、凹所17を形成するための凸部4tが突設されている。この実施の形態では、主板部12の後面と上側張出部13、左側張出部14及び右側張出部15との間の凹所17を形成するための三方の凸部4tが一続きに設けられており、主板部12の後面と下側張出部16との間の凹所17を形成するための残り一方の凸部4tは、他の凸部4tと不連続に設けられている。
各凸部4tは、中型4の下面と面一状に設けられている。各凸部4tは、型締め時には、下型3のキャビティ側面及び上型2のキャビティ天井面から離隔した状態となる。下型3のキャビティ底面と中型4の下面との間から、各凸部4tと下型3のキャビティ側面及び上型2のキャビティ天井面との間のキャビティ空間を充填するように発泡合成樹脂が膨張することにより、主板部12の上下左右から該主板部12の後面の中央側へ回り込むような形状の各張出部13〜16が形成される。この実施の形態では、各張出部13〜16の先端面と後面とが交わる凸角部にそれぞれ臨むように、上型2と中型4とのパーティングラインPが配置されている。なお、パーティングラインPの配置はこれに限定されない。
この実施の形態では、金型1のキャビティ内面のうち、シートパッド本体11の上側張出部13の先端面及び下側張出部16の先端面の左右方向の中間付近に対応する領域に、それぞれ、該キャビティの外方へ凹陥した通気性部材収容部7が設けられている。なお、通気性部材収容部7の個数や配置はこれに限定されない。排気孔5は、これらの通気性部材収容部7内とキャビティ外とをそれぞれ連通するように設けられている。
詳しくは、この実施の形態では、第2,3図の通り、上型2と中型4とのパーティングラインPのうち、上側張出部13の先端面と後面とが交わる凸角部の左右方向の中間付近に臨む領域、及び、下側張出部16の先端面と後面とが交わる凸角部の左右方向の中間付近に臨む領域において、それぞれ、該中型4の合わせ面4aに、キャビティ内に臨む凹段部8が設けられている。上型2と中型4とを型締めした状態においては、第5図の通り、上型2の合わせ面2aが各凹段部8の上方を塞ぐ。本発明においては、これらの凹段部8内がそれぞれ通気性部材収容部7となっている。この実施の形態では、第2〜4図の通り、各凹段部8は、各々の内部に配置される通気性部材18と略相似の略直方体形の内部形状を有したものとなっているが、各凹段部8の内部形状はこれに限定されない。なお、凹段部8は、上型2の合わせ面2aに設けられてもよく、上型2及び中型4の双方の合わせ面2a,4aに設けられてもよい。
この実施の形態では、各凹段部8の底面は、中型4の凸部4tの上面と面一状に連なっているが、これらの間に段差が存在していてもよい。
この実施の形態では、第2,5〜7図の通り、上型2の合わせ面2aのうち、型締め時に各凹段部8の上方を塞ぐ領域に、それぞれ、各凹段部8の底面と対向するように排気孔5が設けられている。これらの排気孔5は、上型2を上下方向に貫通するように設けられている。
上型2の合わせ面2aとキャビティ天井面との境界部2cから各排気孔5までの距離D(第2図)は、発泡成形時に通気性部材18に含浸した発泡合成樹脂Uが該通気性部材18の内部で硬化する前に到達しうる最大含浸距離よりも大きなものとなっている。具体的には、通気性部材18の通気性が前述の好適範囲内である場合には、この距離Dは10mm以上特に25mm以上であることが好ましい。なお、この距離Dが大きすぎると、通気性部材18内をガスが透過する際の抵抗が大きくなるため、この距離Dは100mm以下特に50mm以下であることが好ましい。なお、排気孔5は、各凹段部8の内面に設けられてもよい。この場合、中型4の合わせ面4aとキャビティ内面との境界部4bから各排気孔5までの距離の好適範囲は、上記距離Dと同様である。1個の通気性部材収容部7に複数個の排気孔5を設ける場合、一部の排気孔5を上型2の合わせ面2aに設け、他の排気孔5を凹段部8の内面に設けてもよい。
以下、便宜上、シートパッド上部側通気性部材18が収容される通気性部材収容部7をシートパッド上部側通気性部材収容部7といい、シートパッド下部側通気性部材18が収容される通気性部材収容部7をシートパッド下部側通気性部材収容部7ということがある。また、シートパッド上部側通気性部材収容部7内とキャビティ外とを連通した排気孔5をシートパッド上部側排気孔5といい、シートパッド下部側通気性部材収容部7内とキャビティ外とを連通した排気孔5をシートパッド下部側排気孔5ということがある。なお、この上下は、シートパッド10の使用時の上下と対応する。
この実施の形態では、前述の通り、シートパッド本体11の上側張出部13と左側張出部14及び右側張出部15とは、主板部12の後面の上側及び左右両側を一続きに取り囲むように一体的に形成される。即ち、金型1のキャビティ内においては、該上側張出部13を形成するためのキャビティ空間と、左側張出部14及び右側張出部15を形成するためのキャビティ空間とは、中型4の三方を取り囲むように一続きとなっている。これに対し、下側張出片16を形成するためのキャビティ空間は、実質的に、中型4を取り囲む方向には、他の張出部13〜15を形成するためのキャビティ空間と連通していない。そのため、発泡成形時には、左側張出部14及び右側張出部15を形成するためのキャビティ空間内のガスは、実質的に、シートパッド上部側排気孔5からキャビティ外に排出されることとなる。これにより、シートパッド上部側排気孔5から排出すべきガス量がシートパッド下部側排気孔5から排出すべきガス量よりも多くなる。
この実施の形態では、この排出すべきガス量の違いに対応するために、上型2の合わせ面2aのうち、シートパッド上部側通気性部材収容部7を構成する凹段部8の上方を塞ぐ領域に、第3図の通り、シートパッド本体11の左右方向に間隔をあけて2個のシートパッド上部側排気孔5が設けられている。これに対し、詳しい図示は省略するが、上型2の合わせ面2aのうち、シートパッド下部側通気性部材収容部7を構成する凹段部8の上方を塞ぐ領域には、シートパッド本体11の左右方向の中間付近に1個のシートパッド下部側排気孔5が設けられている。また、シートパッド上部側通気性部材収容部7を構成する凹段部8の容積は、より体積の大きい通気性部材18を収容することができるように、シートパッド下部側通気性部材収容部7を構成する凹段部8の容積よりも大きなものとなっている。なお、シートパッド上部側排気孔5及びシートパッド下部側排気孔5の個数及び配置はこれに限定されない。シートパッド上部側排気孔5とシートパッド下部側排気孔5とを同数個ずつ設け、シートパッド上部側排気孔5の開口面積をシートパッド下部側排気孔5の開口面積よりも大きくしてもよい。
なお、第3図の通り、この実施の形態では、各排気孔5は、略円形の開口形状を有したものとなっているが、各排気孔5の開口形状は、これに限定されるものではなく、例えば十字状や星形、楕円形、多角形などであってもよい。
各凹段部8に各通気性部材18が配置され、上型2と中型4とが型締めされた状態において、各通気性部材18の外面のうち、各々に対峙した各排気孔5からの離隔距離(直線距離)が所定距離よりも大きい領域の少なくとも一部は、発泡合成樹脂Uが各通気性部材18の外部から各通気性部材18に含浸することを許容する通気面となっている。また、この通気面以外の各通気性部材18の外面のうち、少なくとも各々に対峙した各排気孔5からの離隔距離が該所定距離以下の領域は、発泡合成樹脂Uが各通気性部材18の外部から各通気性部材18に含浸しない非通気面となっている。本発明において、該所定距離とは、発泡成形時に通気性部材18に含浸した発泡合成樹脂Uが該通気性部材18の内部で硬化する前に到達しうる最大含浸距離(以下、単に発泡合成樹脂Uの最大含浸距離ということがある。)をいう。
この実施の形態では、第2〜4図の通り、各凹段部8に各通気性部材18が配置され、上型2と中型4とが型締めされた状態において、各通気性部材18の上型2側の板面にそれぞれ排気孔5が対峙する。この状態において、各通気性部材18の上型2側の板面の周縁部と、この板面に対峙した各排気孔5の周縁部との間の最短距離D(第4図)は、発泡合成樹脂Uの最大含浸距離よりも大きなものとなっている。従って、各通気性部材18の左右の側端面及び先端面と、各通気性部材18に対峙した各排気孔5との離隔距離も、それぞれ、発泡合成樹脂Uの最大含浸距離よりも大きなものとなっている。なお、この実施の形態では、各通気性部材18の上型2側の板面の周縁部と、この板面に対峙した各排気孔5の周縁部との間の距離は、各通気性部材18の後端側において最短となっている(即ちD=D)が、これ以外の側で最短となっていてもよい。
この実施の形態では、各通気性部材18の厚さTは、発泡合成樹脂Uの最大含浸距離よりも小さなものとなっている。
この実施の形態では、第2,5〜7図の通り、各凹段部8に各通気性部材18が配置され、上型2と中型4とが型締めされた状態において、少なくとも各通気性部材18の上型2側及び中型4側の両板面がそれぞれ全体的に該上型2の合わせ面2aと各凹段部8の底面とに弾性的に接触するように構成されている。
具体的には、この実施の形態では、各通気性部材18は、弾性変形可能な材料により構成されている。また、少なくとも中型4の合わせ面4aからの各凹段部8の深さT(第2図。以下、単に各凹段部8の深さTという。)は、各通気性部材18の厚さTと通気性部材取付片21の厚さT(第2図)との合計よりも小さなものとされている。これにより、各凹段部8に各通気性部材18を配置して上型2と中型4とを型締めしたときには、各通気性部材18は、上型2の合わせ面2aと各凹段部8の底面とによって挟み付けられて厚さTが小さくなるように弾性変形し、各通気性部材18の上型2側及び中型4側の両板面がそれぞれ全体的に該上型2の合わせ面2aと各凹段部8の底面とに弾性的に接触するようになる。その結果、各通気性部材18の上型2側及び中型4側の両板面は、それぞれ、通気性部材18の外部から発泡合成樹脂Uが含浸しない非通気面となる。即ち、この実施の形態では、上型2の合わせ面2aのうち各凹段部8を塞ぐ領域と、各凹段部8の底面とが、請求項4における第1の内面領域及び第2の内面領域に相当する。
この実施の形態では、凹段部8の深さTが、上型2と中型4とを型締めした状態における前記第1の内面領域と第2の内面領域との間隔となる。なお、上型2及び中型4の合わせ面2a,4aの双方に凹段部8を設け、型締め時にこれらの凹段部8同士を合体させて1個の通気性部材収容部7を形成するように構成した場合には、これらの凹段部8の深さTの合計が、前記第1の内面領域と第2の内面領域との間隔となる。
各凹段部8の深さTは、各通気性部材18の厚さTの10〜100%特に20〜70%であることが好ましい。
この実施の形態では、さらに、シートパッド本体11の左右方向における各凹段部8の横幅W(第3図。以下、単に各凹段部8の横幅Wという。)、及び、中型4の合わせ面4aとキャビティ内面との境界部4bから該キャビティと反対方向への各凹段部8の奥行きH(第3図。以下、単に各凹段部8の奥行きHという。)も、それぞれ、各通気性部材18の横幅W及び縦幅Hよりも小さなものとなっている。これにより、各凹段部8に各通気性部材18を配置したときには、各通気性部材18は、横幅W及び縦幅Hが小さくなるように弾性変形し、各通気性部材18の左右の側端面がそれぞれ全体的に各凹段部8の左右の段差面に弾性的に接触するようになると共に、各通気性部材18の先端面が全体的に各凹段部8の奥側の段差面に弾性的に接触するようになる。その結果、各通気性部材18の左右の側端面及び先端面も、それぞれ、通気性部材18の外部から発泡合成樹脂Uが含浸しない非通気面となる。
この場合、各凹段部8の横幅Wは、各通気性部材18の横幅Wの100〜150%特に110〜130%であることが好ましい。また、各凹段部8の奥行きHは、各通気性部材18の縦幅Hの100〜150%特に110〜130%であることが好ましい。
なお、この実施の形態では、各通気性部材18の左右の側端面及び先端面は、いずれも、各通気性部材18に対峙した各排気孔5からの離隔距離が発泡合成樹脂Uの最大含浸距離よりも大きなものとなっているので、各通気性部材18の左右の側端面及び先端面は、必ずしも非通気面となっていなくてもよい。即ち、各通気性部材18の左右の側端面及び先端面は、それぞれ、各凹段部8の左右の段差面及び奥側の段差面に弾性的に接触していなくてもよい。
仮に各通気性部材18の上型2側及び中型4側の両板面以外に、各排気孔5からの離隔距離が発泡合成樹脂Uの最大含浸距離よりも小さい面が存在する場合には、この面を、対向する凹段部8の段差面に弾性的に接触させて非通気面とする。なお、各通気性部材18の先端面と、各通気性部材18に対峙した各排気孔5との間の距離が発泡合成樹脂Uの最大含浸距離よりも小さい場合には、各通気性部材18の上型2側及び中型4側の両板面がそれぞれ該上型2の合わせ面2a及び各凹段部8の底面に弾性的に接触し、且つ各通気性部材18の左右の側端面が各凹段部8の左右の段差面に弾性的に接触していれば、各通気性部材18の先端面は、各凹段部8の奥側の段差面に弾性的に接触してなくてもよい。
なお、このように通気性部材18の外面を通気性部材収容部7の内面(各凹段部8の底面及び段差面、並びに、各凹段部8の上方を塞いだ上型2の合わせ面2a)に弾性的に接触させることにより非通気面を形成する代わりに、特許文献1と同様に通気性部材18の外面に非通気性材料よりなる非通気性部材を設けてもよい。
この実施の形態では、各凹段部8に各通気性部材18が配置され、上型2と中型4とが型締めされた状態において、各通気性部材18の後端面は、通気性部材収容部7の内面に接触せず、キャビティ内に臨んでいる。即ち、各通気性部材18の後端面は、各通気性部材18の外部から発泡合成樹脂Uが含浸することを許容する通気面となっている。
この実施の形態では、前述の通り、各凹段部8の底面に、各通気性部材18を補強材20の通気性部材取付片21に固定したステープラ22を介して各通気性部材18を留め付けるためのマグネット9が配設されている。この実施の形態では、第3,4図の通り、各凹段部8の底面に、シートパッド本体11の左右方向に間隔をあけて2個のマグネット9が設けられているが、各凹段部8の底面に設けられるマグネット9の個数及び配置はこれに限定されない。なお、前述の通り、通気性部材18の留め付け手段はこれに限定されない。
<金型1を用いたシートパッド10の製造方法の説明>
次に、この金型1を用いてシートパッド10を製造する方法について説明する。
(通気性部材及び補強材配置工程)
まず、上型2と下型3、並びに、上型2と中型4を型開きする。そして、第2〜4図の通り、中型4の下面及び各凸部4tの外面に沿って補強材20を配置し、ピンやマグネット等の固定具(図示略)により該補強材20を中型4に固定すると共に、この補強材20に取り付けられた各通気性部材18を各凹段部8内に配置し、ステープラ22をマグネット9に吸着させるようにして各通気性部材18を各凹段部8内に留め付ける。その後、中型4を上型2にセットする。この際、上型2と中型4との合わせ面2a,4a同士が接触し、第5図の通り、各凹段部8が上方から上型2の合わせ面2aによって塞がれる。これにより、各通気性部材18が各通気性部材収容部7内に収容される。
なお、各通気性部材18が補強材20に取り付けられていない場合には、型開き状態において、補強材20を中型4に被着させる工程と、各通気性部材18を各凹段部8内に配置する工程とを別々に行えばよい。
(発泡成形工程)
次に、下型3内に発泡合成樹脂原料を注入し、下型3と上型2とを型締めして該発泡合成樹脂原料を発泡させる。
この原料が発泡してなる発泡合成樹脂Uは、第1,6,7図の通り、下型3のキャビティ底面と中型4の下面との間、中型4の各凸部4tと下型3のキャビティ側面との間、及び、各凸部4tと上型2のキャビティ天井面との間のキャビティ空間を順に充填していく。その際、第6図の矢印Gの通り、キャビティ内のガスは、該キャビティ内に臨んでいる各通気性部材18の後端面から各通気性部材18内に浸透し、各通気性部材18内を透過して各排気孔5に達し、各排気孔5からキャビティ外に流出する。
その後、発泡合成樹脂Uが各通気性部材18の後端面まで膨張してくると、この発泡合成樹脂Uが各通気性部材18の後端面から各通気性部材18内に含浸し、これが各排気孔5に達する前に各通気性部材18内で硬化することにより、自己シール効果が生じ、発泡合成樹脂Uが各排気孔5内に侵入することが防止される。
この発泡合成樹脂Uがキャビティ全体に充満することにより、シートパッド本体11が成形されると共に、該シートパッド本体11の後面に補強材20が一体化される。また、該シートパッド本体11の上側張出部13の先端面及び下側張出部16の先端面にそれぞれ各通気性部材18が一体化される。各通気性部材18は、実質的に、全体が該上側張出部13の先端面及び下側張出部16の先端面からシートパッド本体11の外部に突出し、後端面が上側張出部13の先端面及び下側張出部16の先端面に接したものとなる。
発泡合成樹脂Uが硬化した後、型開きしてシートパッド10を脱型する。その後、第8図(b)から第8図(c)のように、各通気性部材18をシートパッド本体11から除去し(通気性部材除去工程)、必要に応じてシートパッド10の表面の仕上げ処理を行うことにより、シートパッド10が完成する。なお、各通気性部材18をシートパッド本体11から除去する方法としては、カッター等で各通気性部材18を切り取ることなどが挙げられるが、これに限定されない。
<本発明の作用効果の説明>
本発明の金型1にあっては、中型4の合わせ面4aに、キャビティ内に臨む凹段部8が設けられており、この凹段部8内が通気性部材収容部7となっている。そのため、上型2と中型4とを型開きした状態にあっては、通気性部材収容部7(凹段部8)は、キャビティ内側だけでなく、合わせ面4a側にも開放したものとなる。これにより、特許文献2のようにキャビティの内方にのみ開放した通気性部材収容部内に通気性部材18を配置するのに比べて、型開きした状態で該通気性部材収容部7内(凹段部8内)に容易に通気性部材18を配置することができる。
このようにして通気性部材18を凹段部8内に配置した後、中型4と上型2とを型締めすることにより、凹段部8が上型2の合わせ面2aにより上方から塞がれる。これにより、通気性部材18は、凹穴状の通気性部材収容部内に収容されたのと同様の状態となる。
その後、さらに上型2と下型3とを型締めし、キャビティ内において発泡合成樹脂原料を発泡させてシートパッド本体11を成形することにより、通気性部材18は、実質的に、全体がシートパッド本体11の外面から該シートパッド本体11の外部に突出した状態で該シートパッド本体11と一体化されるので、シートパッド本体11の脱型後、該シートパッド本体11から通気性部材18を除去することができる。この通気性部材18は、初めからシートパッド本体11を構成していないので、脱型後にシートパッド本体11から通気性部材18を除去しても、シートパッド本体11は設計通りの外形となる。このようにシートパッド本体11から通気性部材18を除去することにより、シートパッド本体11の外面の感触を全体的に一様なものとすることができる。
この金型1にあっては、各通気性部材18が各凹段部8内に配置され、上型2と中型4とが型締めされた状態においては、各通気性部材18の外面のうち、少なくとも各々に対峙した各排気孔5からの離隔距離が発泡合成樹脂Uの最大含浸距離よりも小さい領域は、各通気性部材18の外部から発泡合成樹脂Uが含浸しない非通気面となっている。これにより、より確実に、各通気性部材18内において自己シールを発現させて各排気孔5への発泡合成樹脂Uの侵入を防止することができる。
この実施の形態では、各通気性部材18を弾性変形可能な材料により構成し、各通気性部材18の外面のうち、非通気面とすべき領域を各通気性部材収容部7の内面に弾性的に接触させることにより、この領域を非通気面としている。これにより、特許文献1のように非通気性部材を設けなくても、各通気性部材18の外面に非通気面を形成することができるので、シートパッド10を構成する部材コストの低減、並びに、シートパッド10を製造するのに要する作業工数の削減を図ることが可能となる。
この実施の形態では、各通気性部材18が各通気性部材収容部7内に配置され、上型2と中型4とが型締めされた状態においては、少なくとも、各通気性部材収容部7の内面のうち、上型2と中型4との接離方向に対向する該上型2の合わせ面2aと凹段部8の底面とに対し各通気性部材18の外面が弾性的に接触して非通気面となる。そのため、上型2の合わせ面2a側及び凹段部8の底面側から各通気性部材18に発泡合成樹脂Uが含浸することはなく、各排気孔5から十分に離隔した各通気性部材18の後端面からのみ発泡合成樹脂Uの各通気性部材18への含浸が許容される。これにより、上型2及び中型4の接離方向における各通気性部材18の厚さを小さくしても、各通気性部材18内で十分に自己シールを発現させることができる。
また、上型2及び中型4の接離方向における各通気性部材18の厚さを小さくすることにより、各通気性部材18とシートパッド本体11との接触面積を小さくすることができるので、脱型後にシートパッド本体11から各通気性部材18を切除する作業を容易化することができる。
この実施の形態では、シートパッド10は、発泡合成樹脂Uよりなるシートパッド本体11と、該シートパッド本体11の裏面に沿って配置され、該シートパッド本体11と一体化された補強材20とを有したものとなっており、通気性部材18は、通気性部材取付片22を介してこの補強材20に取り付けられているので、凹段部8内への通気性部材18の配置と、中型4のキャビティ内面への補強材20の配置とを同一行程において行うことができる。これにより、補強材20付きシートパッド10をより効率よく製造することができる。
[第2の実施の形態]
第9図は、第2の実施の形態に係る金型の通気性部材収容部内に通気性部材が配置された状態を示す平面図である。なお、第9図は第3図と同様部分を示している。
上記の第1の実施の形態では、排気孔5は、中型4の凹段部8を塞ぐ上型2の合わせ面2aに設けられているが、排気孔5の配置はこれに限定されない。
第9図の金型1Aにおいては、凹段部8の奥側の段差面に排気孔5が設けられている。
この金型1Aにあっては、各凹段部8に各通気性部材18が配置され、上型2と中型4とが型締めされた状態において、少なくとも各通気性部材18の上型2(第9図では図示略)側及び中型4側の両板面、並びに、各通気性部材18の左右の側端面がそれぞれ全体的に該上型2の合わせ面2a、各凹段部8の底面及び左右の段差面に弾性的に接触し、非通気面となるように構成される。なお、各通気性部材18の先端面も、全体的に凹段部8の奥側の段差面に弾性的に接触して非通気面となるように構成してもよい。これにより、この金型1Aにあっても、より確実に、各通気性部材18内において自己シールを発現させて各排気孔5への発泡合成樹脂Uの侵入を防止することができる。
この金型1Aのその他の構成は、第1の実施の形態における金型1と同様であり、第9図において第1〜8図と同一符号は同一部分を示している。
[第3の実施の形態]
第10図は、第3の実施の形態に係る金型の通気性部材収容部内に通気性部材が配置された状態を示す平面図である。なお、第10図も第3図と同様部分を示している。
第10図の金型1Bにおいては、中型4の凹段部8の左右方向の一方(第10図では左方)の段差面に排気孔5が設けられている。
この金型1Bにあっては、各凹段部8に各通気性部材18が配置され、上型2と中型4とが型締めされた状態において、少なくとも各通気性部材18の上型2(第10図では図示略)側及び中型4側の両板面、並びに、各通気性部材18の左右方向の前記一方(凹段部8の排気孔5が設けられた段差面に対面する方)の側端面がそれぞれ全体的に該上型2の合わせ面2a、並びに、各凹段部8の底面及び左右方向の該一方の段差面に弾性的に接触し、非通気面となるように構成される。なお、各通気性部材18の先端面及び左右方向の他方(凹段部8の排気孔5が設けられた段差面と反対側の段差面に対面する方)の側端面も、それぞれ、全体的に凹段部8の奥側及び左右方向の該他方の段差面に弾性的に接触して非通気面となるように構成してもよい。これにより、この金型1Bにあっても、より確実に、各通気性部材18内において自己シールを発現させて各排気孔5への発泡合成樹脂Uの侵入を防止することができる。
この金型1Bのその他の構成も、第1の実施の形態における金型1と同様であり、第10図において第1〜8図と同一符号は同一部分を示している。
[排気孔5のその他の配置例]
図示は省略するが、排気孔5は、上記以外にも、例えば凹段部8の底面に設けられてもよい。この場合、通気性部材18の外面のうち非通気面とすべき領域は、第1の実施の形態のように上型2の合わせ面2aに排気孔5を設けた場合と同様である。
凹段部8の底面と左右及び奥側の各段差面、並びに、上型2の合わせ面2aのうちの2面以上にそれぞれ排気孔5が設けられてもよく、1個の排気孔5がこれらのうちの2面以上に跨って設けられてもよい。
上記の各実施の形態はいずれも本発明の一例であり、本発明は図示以外の構成をもとりうる。
例えば、上記の各実施の形態では、通気性部材収容部7(=凹段部8)は、上型2と中型4とのパーティングラインPにおいて接触する該上型2及び中型4の合わせ面2a,4a同士のうちの少なくとも一方に設けられているが、他の成形型同士の合わせ面(例えば上記の実施の形態では、上型2と下型3とのパーティングラインPにおいて接触する該上型2及び下型3の合わせ面2b,3a同士のうちの少なくとも一方)に設けられてもよい。
上記の各実施の形態は、シートパッドの製造方法への本発明の適用例を示しているが、本発明は、シートパッド以外の発泡成形体の製造方法にも適用可能である。
1,1A,1B 金型
2 上型
3 下型
4 中型
5 排気孔
6 シール部材
7 通気性部材収容部
8 凹段部
9 マグネット
10 シートパッド
11 シートパッド本体
12 主板部
13〜16 張出部
17 凹所
18 通気性部材
20 補強材
21 通気性部材取付片
22 ステープラ

Claims (7)

  1. 発泡合成樹脂よりなる発泡成形体を製造するための金型であって、
    該金型は、少なくとも2個の成形型を備えており、該成形型同士が型締めされることにより、該成形型同士によって囲まれたキャビティが形成され、該キャビティの内面に、各成形型の合わせ面同士が接触してなるパーティングラインが形成されるものであり、
    該キャビティの内面に、該キャビティの外方へ凹陥した通気性部材収容部が設けられており、
    該通気性部材収容部の内面に、該キャビティ内のガスを該キャビティ外に排出するための排気孔が設けられており、
    発泡成形体を製造するに当り、型締め前に、該通気性部材収容部内に通気性部材が配置され、その後、型締めされ、該キャビティ内で発泡合成樹脂原料が発泡される金型において、
    該パーティングラインにおいて接触する該成形型の合わせ面同士のうちの少なくとも一方に、該キャビティ内に臨む凹段部が設けられており、
    該凹段部内が前記通気性部材収容部となっていることを特徴とする金型。
  2. 請求項1において、
    前記通気性部材が前記通気性部材収容部内に配置され、前記金型が型締めされた状態において、該通気性部材の外面のうち、前記排気孔からの離隔距離が所定距離よりも大きい領域の少なくとも一部は、該通気性部材の外部から前記発泡合成樹脂が含浸することを許容する通気面となっており、
    該通気面以外の該通気性部材の外面のうち、少なくとも該排気孔からの離隔距離が該所定距離以下の領域は、該通気性部材の外部から該発泡合成樹脂が含浸しない非通気面となっており、
    該所定距離は、発泡成形時に該通気性部材に含浸した該発泡合成樹脂が該通気性部材の内部で硬化する前に到達しうる最大含浸距離であることを特徴とする金型。
  3. 請求項2において、前記通気性部材は、弾性変形可能な材料により構成されており、
    該通気性部材が前記通気性部材収容部内に配置され、前記金型が型締めされた状態において、前記非通気面は、該通気性部材の外面のうち該非通気面となるべき領域が該通気性部材収容部の内面に弾性的に接触することにより形成され、
    前記通気面は、該通気性部材の外面のうち該通気面となるべき領域が該通気性部材収容部の内面に非接触とされることにより形成されることを特徴とする金型。
  4. 請求項3において、
    前記金型が型締めされた状態において、前記通気性部材収容部の内面のうち、該通気性部材収容部を形成した前記成形型同士の接離方向に対向する第1の内面領域及び第2の内面領域の少なくとも一方に、前記排気孔が設けられており、
    該通気性部材収容部の内面と前記キャビティの内面との境界部から該排気孔までの距離は、前記所定距離よりも大きなものとなっており、
    該金型が型締めされた状態において、該第1の内面領域と第2の内面領域との間隔は、該成形型同士の接離方向における、該通気性部材収容部内に収容される前の前記通気性部材の厚さよりも小さなものとなっており、
    該通気性部材が該通気性部材収容部内に配置され、前記金型が型締めされた状態において、該通気性部材の外面のうち、少なくとも該第1の内面領域及び第2の内面領域と対向する領域がそれぞれ該通気性部材収容部の内面に弾性的に接触し、前記非通気面となることを特徴とする金型。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の金型を用いて発泡合成樹脂よりなる発泡成形体を製造する発泡成形体の製造方法であって、
    該発泡成形体を製造するに当り、
    該金型を型開きした状態で前記凹段部内に前記通気性部材を配置し、その後、型締めする通気性部材配置工程と、
    該通気性部材配置工程の後、該キャビティ内で発泡合成樹脂原料を発泡させる発泡成形工程と、
    該発泡成形工程の後、該発泡成形体及び通気性部材を脱型し、該発泡成形体の外面から該通気性部材を除去する通気性部材除去工程と
    を行うことを特徴とする発泡成形体の製造方法。
  6. 請求項5において、前記発泡成形体は、発泡合成樹脂よりなる成形体本体と、該成形体本体の外面の少なくとも一部に沿って配置され、該成形体本体と一体化された補強材とを有するものであり、
    該補強材は、該発泡成形体を製造するに当り、前記金型の型締め前に、少なくとも1個の前記成形型の前記キャビティ内面の少なくとも一部に沿って配置され、その後、型締めされて該キャビティ内で発泡合成樹脂原料が発泡されることにより、該成形体本体と一体化されるものであり、
    前記通気性部材を該補強材に取り付けておき、
    前記通気性部材配置工程において、前記凹段部内への該通気性部材の配置と、該成形型のキャビティ内面への該補強材の配置とを行うことを特徴とする発泡成形体の製造方法。
  7. 請求項5又は6において、前記発泡成形体はシートパッドであることを特徴とする発泡成形体の製造方法。
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