JP2022042901A - 画像形成装置 - Google Patents

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豊 垣ヶ原
Yutaka Kakigahara
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Abstract

【課題】回収トレイの大型化を抑制できる画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置1は、供給装置11と、回収装置12と、制御装置13とを備える。供給装置11は、定着液を噴霧装置9に供給する。回収装置12は、噴霧装置9から噴霧された定着液であって、シートSに付着しなかった定着液を回収する。回収装置12は、回収トレイ121と、回収ポンプ123とを有する。回収トレイ121は、シートSに付着しなかった定着液を収容可能である。回収ポンプ123は、回収トレイ121に収容された定着液を供給装置11に向けて送る。制御装置13は、印刷ジョブの実行を完了した場合、回収ポンプ123を駆動させて、回収トレイ121内の定着液を供給装置11に送る。【選択図】図2

Description

本開示は、画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置は、感光ドラムと、現像装置と、転写装置と、噴霧装置と、回収トレイとを備える。噴霧装置は、トナーをシートに定着させるための定着液を、トナーが転写されたシートに向けて噴霧する。回収トレイは、シートに付着しなかった定着液を収容する(下記特許文献1参照)。
特開2017-68103号公報
特許文献1に記載されるような画像形成装置では、シートに付着しなかった定着液を収容できるように、回収トレイの容量を確保する必要がある。そのため、回収トレイの大型化を抑制することが困難である。
本開示の目的は、回収トレイの大型化を抑制できる画像形成装置を提供することにある。
(1)本開示の画像形成装置は、噴霧装置と、供給装置と、回収装置と、制御装置とを備える。噴霧装置は、定着液を、トナーが転写されたシートに噴霧する。定着液は、トナーをシートに定着させる。供給装置は、定着液を噴霧装置に供給する。回収装置は、噴霧装置から噴霧された定着液であって、シートに付着しなかった定着液を回収する。
回収装置は、回収トレイと、回収ポンプとを有する。回収トレイは、シートに付着しなかった定着液を収容する。回収ポンプは、回収トレイに収容された定着液を供給装置に向けて送る。
制御装置は、回収処理を実行する。回収処理において、制御装置は、印刷ジョブの実行を完了した場合、回収ポンプを駆動させて、回収トレイ内の定着液を供給装置に送る。
このような構成によれば、全ての印刷ジョブを完了した場合に、回収トレイ内の定着液を供給タンクに送ることができる。
そのため、回収トレイの大型化を抑制しつつ、シートに付着しなかった定着液を回収できる。
(2)制御装置は、前回の回収処理の後に印刷したページの累積である第1累積ページ数をカウントしてもよい。
(3)制御装置は、第1累積ページ数が多いほど、回収処理における回収ポンプの駆動時間を長くしてもよい。
このような構成によれば、第1累積ページ数が少なく、回収トレイ内の定着液が少ない場合には、回収処理の時間を短くして、印刷待ちの時間を短くできる。
また、第1累積ページ数が多く、回収トレイ内の定着液が多い場合には、回収処理の時間を長くして、回収トレイ内の定着液を確実に供給タンクに送ることができる。
(4)供給装置は、供給タンクとセンサとを有してもよい。供給タンクは、噴霧装置へ供給する定着液を収容する。センサは、供給タンク内の定着液の量が所定量未満であるか否かを検知する。制御装置は、第1設定値と第2設定値とを記憶していてもよい。第1設定値は、所定量の定着液によって連続して印刷可能なページ数である。第2設定値は、回収トレイの容量に基づいて設定される。制御装置は、第1累積ページ数が第1設定値未満であり、かつ、回収処理中に新たな印刷ジョブを受信した場合であって、第1累積ページ数が第2設定値以上である場合、回収処理の後、新たな印刷ジョブを実行する。制御装置は、第1累積ページ数が第1設定値未満であり、かつ、回収処理中に新たな印刷ジョブを受信した場合であって、第1累積ページ数が第2設定値未満である場合、新たな印刷ジョブの実行後、回収処理を実行する。
第1累積ページ数が第2設定値以上である場合、回収トレイが溢れる可能性が高い。
この点、回収処理を新たな印刷ジョブに優先することにより、回収トレイが溢れることを抑制できる。
一方、第1累積ページ数が第2設定値未満である場合、回収トレイが溢れる可能性が低い。
そのため、新たな印刷ジョブを回収処理に優先することにより、印刷待ちの時間を短くできる。
(5)制御装置は、第1累積ページ数が第1設定値未満であり、かつ、回収処理中に新たな印刷ジョブを受信した場合であって、第1累積ページ数が第2設定値未満である場合、新たな印刷ジョブの後の回収処理において、新たな印刷ジョブにおいて印刷したページ数が加算された第1累積ページ数に基づいて、第1累積ページ数が多いほど、回収処理における回収ポンプの駆動時間を長くしてもよい。
このような構成によれば、新たな印刷ジョブを回収処理に優先した場合に、新たな印刷ジョブにおいて印刷したページ数の分、回収処理の時間を長くできる。
そのため、新たな印刷ジョブを回収処理に優先した場合にも、回収トレイ内の定着液を確実に供給タンクに送ることができる。
(6)制御装置は、印刷ジョブを実行中に第1累積ページ数が第1設定値以上になった場合、印刷ジョブの実行を中断して、回収処理を実行してもよい。
このような構成によれば、供給タンク内の定着液がエンプティになった状態で印刷ジョブを継続し、ノズルに空気が入ってしまうことを抑制できる。
(7)制御装置は、回収処理を完了した場合、第1累積ページ数をリセットしてもよい。
(8)供給装置は、定着液カートリッジと、補給管と、補給ポンプとを、さらに有してもよい。定着液カートリッジは、供給タンクに補給される定着液を収容可能である。補給管は、定着液カートリッジおよび供給タンクと接続される。補給管は、定着液カートリッジから供給タンクへ向かう定着液の通過を許容する。補給ポンプは、補給管内の定着液を供給タンクに向けて送る。
(9)制御装置は、回収処理の後、供給タンク内の定着液の量が所定量未満であることをセンサが検知した場合、補給処理を実行してもよい。補給処理において、制御装置は、補給ポンプを駆動させて、定着液カートリッジに収容された定着液を供給タンクに送る。
ここで、補給処理の後で回収処理を実行すると、補給処理によって供給タンクが満杯になった後に、回収処理によって回収トレイから供給タンクに定着液が送られ、供給タンクが溢れる可能性がある。
この点、このような構成によれば、回収処理の後で補給処理を実行するので、回収処理によって供給タンクが溢れることを防止できる。
(10)制御装置は、画像形成装置のウォームアップ処理中において、供給タンク内の定着液の量が所定量未満であることをセンサが検知した場合、補給処理を実行してもよい。
(11)制御装置は、第2累積ページ数が第3設定値以上であり、かつ、供給タンク内の定着液の量が所定量未満であることをセンサが検知しない場合、エラー表示処理を実行してもよい。第2累積ページ数は、前回の補給処理の後に印刷したページの累積である。エラー表示処理において、制御装置は、表示装置にエラーを表示させる。
このような構成によれば、供給タンク内の定着液の量が減少していると想定されるにもかかわらず、センサが、供給タンク内の定着液の量の減少を検知しない場合に、センサの不具合を表示装置に表示させることができる。
(12)制御装置は、印刷ジョブの実行を完了した後、第2累積ページ数が第3設定値以上であり、かつ、供給タンク内の定着液の量が所定量未満であることをセンサが検知しない場合、エラー表示処理を実行してもよい。
(13)制御装置は、画像形成装置のウォームアップ処理中において、第2累積ページ数が第3設定値以上であり、かつ、供給タンク内の定着液の量が所定量未満であることをセンサが検知しない場合、エラー表示処理を実行してもよい。
(14)制御装置は、画像形成装置内に詰まったシートが取り除かれた後の復帰処理において、第2累積ページ数が第3設定値以上であり、かつ、供給タンク内の定着液の量が所定量未満であることをセンサが検知しない場合、エラー表示処理を実行してもよい。
本開示の画像形成装置によれば、回収トレイの大型化を抑制できる。
図1は、画像形成装置の概略構成図である。 図2は、供給装置および回収装置の配管図である。 図3は、制御装置による制御を説明するためのフローチャートである。 図4は、図3に続くフローチャートである。 図5は、図4に示す回収処理中に割込ジョブを受信した場合のフローチャートである。 図6は、図3に示す印刷ジョブを実行中に第1累積ページ数が第1設定値以上になった場合のフローチャートである。 図7は、画像形成装置内に詰まったシートが取り除かれた後の復帰処理のフローチャートである。 図8は、画像形成装置のウォーミングアップ処理のフローチャートである。 図9は、図4、図6、図7、図8に示す補給処理のフローチャートである。
1.画像形成装置1の概略
図1を参照して、画像形成装置1の概略について説明する。
画像形成装置1は、本体筐体2と、シート収容部3と、感光ドラム4と、帯電装置5と、露光装置6と、現像装置7と、転写装置8と、噴霧装置9とを備える。
1.1 本体筐体2
本体筐体2は、シート収容部3と、感光ドラム4と、帯電装置5と、露光装置6と、現像装置7と、転写装置8と、噴霧装置9とを収容する。
1.2 シート収容部3
シート収容部3は、シートSを収容可能である。シートSは、例えば、印刷用紙である。シートSは、転写装置8に向かって搬送される。シート収容部3は、本体筐体2に装着可能なシートカセットであってもよい。
1.3 感光ドラム4
感光ドラム4は、第1方向に延びる。感光ドラム4は、ドラム軸について回転可能である。ドラム軸は、第1方向に延びる。
1.4 帯電装置5
帯電装置5は、感光ドラム4の表面を帯電させる。本実施形態では、帯電装置5は、帯電ローラである。帯電装置5は、スコロトロン型帯電器であってもよい。
1.5 露光装置6
露光装置6は、帯電装置5によって帯電された感光ドラム4の表面を露光可能である。露光装置6は、具体的には、レーザースキャンユニットである。露光装置6は、LEDアレイであってもよい。
1.6 現像装置7
現像装置7は、感光ドラム4上にトナーを供給する。現像装置7は、本体筐体2に着脱可能であってもよい。現像装置7は、現像筐体71と、現像ローラ72とを有する。
1.6.1 現像筐体71
現像筐体71は、トナーを収容可能である。言い換えると、現像装置7は、トナーを収容可能である。トナーは、トナー粒子と、必要により、外添剤とを含有する。トナー粒子は、結着樹脂と、必要により、着色剤、顔料分散剤、離型剤、磁性体および帯電制御剤を含有する。結着樹脂は、トナー粒子のベースである。結着樹脂は、トナー粒子に含まれる成分を結着する。着色剤は、トナー粒子に所望の色を付与する。着色剤は、結着樹脂中に分散する。顔料分散剤は、着色剤の分散性を向上させる。帯電制御剤は、トナー粒子に帯電性を付与する。帯電性は、正帯電性および負帯電性のいずれであってもよい。外添剤は、トナー粒子の帯電性、流動性、保存安定性を調整する。
1.6.2 現像ローラ72
現像ローラ72は、現像筐体71内のトナーを感光ドラム4の表面に供給可能である。現像ローラ72は、感光ドラム4と接触する。現像ローラ72は、感光ドラム4と接触しなくてもよい。現像ローラ72は、第1方向に延びる。現像ローラ72は、現像軸について回転可能である。現像軸は、第1方向に延びる。
1.7 転写装置8
転写装置8は、感光ドラム4上のトナーをシートSに転写する。本実施形態では、転写装置8は、転写ローラ81を有する。転写ローラ81は、感光ドラム4と接触する。転写ローラ81は、感光ドラム4と接触しなくてもよい。転写ローラ81は、第1方向に延びる。転写ローラ81は、転写軸について回転可能である。転写軸は、第1方向に延びる。転写装置8は、転写ベルトを備えてもよい。
1.8 噴霧装置9
噴霧装置9は、定着液を、トナーが転写されたシートSに噴霧する。定着液は、トナーをシートSに定着させる。定着液は、トナーの結着樹脂を軟化させることができる。定着液は、例えば、脂肪族モノカルボン酸エステル、脂肪族ジカルボン酸エステル、炭酸エステルなどである。
噴霧装置9は、静電噴霧方式である。噴霧装置9は、定着液を、静電噴霧によりシートSに向けて噴霧する。噴霧装置9は、筐体91と、複数のノズル92と、ノズル電極93と、対向電極94とを備える。
筐体91は、定着液を収容可能である。
複数のノズル92は、筐体91から下方に延びる。複数のノズル92のそれぞれは、筐体91の内部空間と通じる。複数のノズル92のそれぞれは、筐体91内の定着液を噴霧する。複数のノズル92は、ノズル電極93と対向電極94との間に位置する。
ノズル電極93は、筐体91内に位置する。ノズル電極93には、電圧が印加される。ノズル電極93は、筐体91内の定着液を帯電させる。言い換えると、ノズル電極93は、複数のノズル92に供給される定着液を帯電させる。
対向電極94は、複数のノズル92に対して、間隔を空けて向かい合う。対向電極94は、複数のノズル92に対して、ノズル電極93の反対側に位置する。対向電極94には、ノズル電極93に印加される電圧と逆極性の電圧が印加される。本実施形態では、ノズル電極93には、プラス電圧が印加され、対向電極94には、マイナス電圧が印加される。これにより、ノズル92と対向電極94との間に電位差(電界)を発生させ、対向電極94は、複数のノズル92のそれぞれから噴霧された定着液を、静電気力により引き寄せる。
トナーが転写されたシートSは、複数のノズル92と対向電極94との間を通る。このとき、シートSには、複数のノズル92のそれぞれから、定着液が、噴霧される。定着液が噴霧されたシートSは、本体筐体2の上面に排出される。
2.画像形成装置1の詳細
次に、図2を参照して、画像形成装置1の詳細について説明する。
画像形成装置1は、供給装置11と、回収装置12と、制御装置13とを備える。
2.1 供給装置11
供給装置11は、定着液を噴霧装置9の筐体91に供給可能である。供給装置11は、供給タンク111と、センサ112と、供給管113と、供給ポンプ114と、供給バルブ115と、定着液カートリッジ116と、補給管117と、補給ポンプ118と、補給バルブ119とを有する。
2.1.1 供給タンク111
供給タンク111は、噴霧装置9の筐体91へ供給する定着液を収容可能である。
2.1.2 センサ112
センサ112は、供給タンク111内の定着液の量が所定量未満であるか否かを検知する。本実施形態において、所定量とは、供給タンク111が収容可能な定着液の最大量よりも少ない量であって、シート収容部3が収容可能なシートSの最大枚数を印刷しても供給タンク111がエンプティにならない量である。センサ112は、供給タンク111内の定着液の量が所定量以上であることを検知した場合、信号を発信する。センサ112が信号を発信している場合、センサ112は、オン状態である。一方、センサ112は、供給タンク111内の定着液の量が所定量未満であることを検知した場合、信号を発信しない。センサ112が信号を発信していない場合、センサ112は、オフ状態である。
詳しくは、センサ112は、供給タンク111内の定着液の液面の位置を検知することにより、供給タンク111内の定着液の量が所定量未満であるか否かを検知する。センサ112は、例えば、フォトセンサである。センサ112は、フロート式レベルセンサなどのレベルセンサであってもよい。
2.1.3 供給管113
供給管113の一端部は、供給タンク111と接続される。供給管113の他端部は、筐体91と接続される。供給管113は、供給タンク111から筐体91へ向かう定着液の通過を許容する。これにより、供給タンク111内の定着液は、供給管113を通過して、筐体91に入る。
2.1.4 供給ポンプ114
供給ポンプ114は、供給管113内の定着液を、筐体91に向けて送る。供給ポンプ114は、供給管113の一端部と、供給管113の他端部との間に位置する。供給ポンプ114は、供給タンク111と筐体91との間に位置する。供給ポンプ114は、例えば、ギアポンプである。
2.1.5 供給バルブ115
供給バルブ115は、供給管113の一端部と、供給管113の他端部との間に位置する。供給バルブ115は、供給タンク111と筐体91との間に位置する。供給バルブ115は、供給ポンプ114と筐体91との間に位置する。
供給バルブ115が開いた状態で、供給ポンプ114が駆動すると、供給管113内の定着液は、供給バルブ115を通過する。一方、供給バルブ115が閉じた状態で、供給管113内の定着液は、供給バルブ115を通過できない。これにより、供給バルブ115は、定着液が供給管113内を通過することを抑制する。供給バルブ115は、例えば、電磁バルブである。
2.1.6 定着液カートリッジ116
定着液カートリッジ116は、供給タンク111に補給される定着液を収容可能である。定着液カートリッジ116は、本体筐体2に装着可能である。本体筐体2に装着された定着液カートリッジ116は、本体筐体2から取り外し可能である。
2.1.7 補給管117
定着液カートリッジ116が本体筐体2に装着された状態で、補給管117の一端部は、定着液カートリッジ116と接続される。補給管117の他端部は、供給タンク111と接続される。補給管117は、定着液カートリッジ116から供給タンク111へ向かう定着液の通過を許容する。これにより、定着液カートリッジ116内の定着液は、補給管117を通過して、供給タンク111に入る。
2.1.8 補給ポンプ118
補給ポンプ118は、補給管117内の定着液を、供給タンク111に向けて送る。補給ポンプ118は、補給管117の一端部と、補給管117の他端部との間に位置する。定着液カートリッジ116が本体筐体2に装着された状態で、補給ポンプ118は、定着液カートリッジ116と供給タンク111との間に位置する。補給ポンプ118は、例えば、ギアポンプである。
2.1.9 補給バルブ119
補給バルブ119は、補給管117の一端部と、補給管117の他端部との間に位置する。定着液カートリッジ116が本体筐体2に装着された状態で、補給バルブ119は、定着液カートリッジ116と供給タンク111との間に位置する。定着液カートリッジ116が本体筐体2に装着された状態で、補給バルブ119は、定着液カートリッジ116と補給ポンプ118との間に位置する。
補給バルブ119が開いた状態で、補給ポンプ118が駆動すると、補給管117内の定着液は、補給バルブ119を通過する。一方、補給バルブ119が閉じた状態で、補給管117内の定着液は、補給バルブ119を通過できない。これにより、補給バルブ119は、定着液カートリッジ116内の定着液が補給管117内を通過することを抑制する。補給バルブ119は、例えば、電磁バルブである。
2.2 回収装置12
回収装置12は、噴霧装置9から噴霧された定着液であって、シートSに付着しなかった定着液を回収可能である。回収装置12は、回収トレイ121と、回収管122と、回収ポンプ123と、回収バルブ124とを有する。
2.2.1 回収トレイ121
回収トレイ121は、シートSに付着しなかった定着液を収容可能である。回収トレイ121は、複数のノズル92に対して、間隔を空けて向かい合う。回収トレイ121は、複数のノズル92に対して、ノズル電極93の反対側に位置する。対向電極94は、回収トレイ121内に位置する。これにより、複数のノズル92から噴霧した定着液を、対向電極94で、回収トレイ121内に引き寄せることができる。その結果、シートSに付着しなかった定着液を、確実に、回収トレイ121内に収容できる。
2.2.2 回収管122
回収管122の一端部は、回収トレイ121と接続される。回収管122の他端部は、供給タンク111と接続される。回収管122の他端部は、定着液カートリッジ116と接続されてもよい。回収管122は、回収トレイ121から供給タンク111へ向かう定着液の通過を許容する。これにより、回収トレイ121内の定着液は、回収管122を通過して、供給タンク111に入る。回収管122の一部は、鉛直方向に延びる。回収管122は、フィルタ125を有する。
フィルタ125は、回収管122の一端部と、回収管122の他端部との間に位置する。フィルタ125は、回収トレイ121と供給タンク111との間に位置する。フィルタ125は、回収管122の鉛直方向に延びる部分に位置する。フィルタ125は、鉛直方向と交差する方向に延びる。回収トレイ121に収容された定着液には、トナーや紙粉などの異物が混入している可能性がある。フィルタ125は、定着液の通過を許容し、定着液に混入している異物の通過を許容しない。フィルタ125は、定着液に混入している異物を、定着液から除去する。
2.2.3 回収ポンプ123
回収ポンプ123は、回収管122内の定着液を、供給タンク111に向けて送る。これにより、回収ポンプ123は、回収トレイ121に収容された定着液を、供給装置11に向けて送る。回収ポンプ123は、回収管122の一端部と、回収管122の他端部との間に位置する。回収ポンプ123は、回収トレイ121と供給タンク111との間に位置する。回収ポンプ123は、フィルタ125と供給タンク111との間に位置する。具体的には、回収ポンプ123は、ギアポンプである。
2.2.4 回収バルブ124
回収バルブ124は、回収管122の一端部と、回収管122の他端部との間に位置する。回収バルブ124は、回収トレイ121と供給タンク111との間に位置する。回収バルブ124は、回収ポンプ123と供給タンク111との間に位置する。
回収バルブ124が開いた状態で、回収ポンプ123が駆動すると、回収管122内の定着液は、回収バルブ124を通過する。一方、回収バルブ124が閉じた状態では、回収管122内の定着液は、回収バルブ124を通過できない。これにより、回収バルブ124は、定着液が回収管122内を通過することを抑制する。回収バルブ124は、例えば、電磁バルブである。
2.4 制御装置13
制御装置13は、供給ポンプ114、回収ポンプ123および補給ポンプ118の動作を制御する。制御装置13は、供給バルブ115、回収バルブ124および補給バルブ119の開閉を制御する。制御装置13は、センサ112が発信した信号を受信可能である。制御装置13は、供給ポンプ114、供給バルブ115、回収ポンプ123、回収バルブ124、補給ポンプ118、補給バルブ119およびセンサ112と電気的に接続される。
制御装置13は、第1設定値P1と、第2設定値P2と、第3設定値P3とを記憶する。詳しくは、制御装置13は、プロセッサと、不揮発メモリとを有する。不揮発メモリは、第1設定値P1と第2設定値P2と、第3設定値P3とを記憶する。
第1設定値P1は、供給タンク111がエンプティになるまでに連続して印刷可能なページ数である。第1設定値P1は、供給タンク111の容量に基づいて設定される。第1設定値P1は、例えば、満杯であった供給タンク111がエンプティになると想定されるページ数である。なお、供給タンク111が満杯である状態とは、センサ112がオフ状態からオン状態となる水位の定着液を供給タンク111が保持している状態のことを指す。言い換えると、供給タンク111が満杯である状態とは、供給タンク111内に所定量の定着液が収容されている状態を指す。つまり、第1設定値P1は、供給タンク111内の所定量の定着液によって連続して印刷可能なページ数である。第1設定値P1は、実験やシミュレーションなどにより予め定められた1ページあたりの印刷に使用する標準的な定着液の量と、供給タンク111の容量に基づいて予め定められた満杯状態の供給タンク111内の定着液の量とを基に設定される。本実施形態では、第1設定値P1は、シート収容部3が収容可能なシートSの最大枚数と同じ値になるように、設定されている。
第2設定値P2は、回収トレイ121の容量に基づいて設定される。第2設定値P2は、例えば、回収トレイ121内の定着液の量が、空の状態から回収トレイ121の容量の80%に達するまでに印刷可能であると想定されるページ数である。なお、1ページあたりの印刷において回収トレイ121に回収される定着液の量は、実験やシミュレーションなどにより予め定められた値であり、この値と回収トレイ121の容量とに基づいて第2設定値P2が設定される。本実施形態では、第2設定値P2は、第1設定値P1よりも小さい。
第3設定値P3は、オン状態であるセンサ112がオフ状態になると想定されるページ数である。第3設定値P3は、供給タンク111の容量を基に実験やシミュレーションによって予め定められた値であり、供給タンク111が満杯の状態からセンサ112がオン状態に変化するまでに消費される供給タンク111内の定着液の量をページ数に換算することで設定される。本実施形態では、第3設定値P3は、第1設定値P1よりも小さく、かつ、第2設定値P2よりも小さい。
3.制御装置13による制御
次に、図3から図9を参照して、制御装置13による制御について説明する。
図3に示すように、制御装置13は、印刷ジョブを取得すると(S1)、印刷ジョブに従ってシートSに画像を印刷する。印刷ジョブには、印刷指令コマンドとともに、シートSに印刷する印刷データ、および、ページ数などが含まれる。シートSに画像を印刷するときに、制御装置13は、噴霧装置9から定着液を噴霧させる(S2)。
詳しくは、制御装置13は、ノズル電極93に電圧を印加し、対向電極94に電圧を印加した状態で、供給ポンプ114を駆動させる。その後、制御装置13は、供給ポンプ114の動作が安定した後に、供給バルブ115を開ける。すると、定着液が、筐体91に供給される。筐体91内の定着液は、複数のノズル92のそれぞれから噴霧される。
制御装置13は、印刷したページの累積をカウントする。印刷したページの累積を、第1累積ページ数C1と定義する。
そして、第1累積ページ数C1が第1設定値P1未満であり(S3:YES)、かつ、印刷ジョブの実行を完了した場合(S4:YES)、制御装置13は、噴霧装置9からの定着液の噴霧を停止させる(S5)。
詳しくは、制御装置13は、供給バルブ115を閉じた後、供給ポンプ114を停止する。その後、制御装置13は、ノズル電極93に対する電圧の印加を停止するとともに、対向電極94に対する電圧の印加を停止する。すると、噴霧装置9からの定着液の噴霧が停止する。
次に、図4に示すように、制御装置13は、回収処理を開始する(S6)。つまり、制御装置13は、印刷ジョブの実行を完了した場合(S4:YES)、回収処理を実行する(S6)。
3.1 回収処理
回収処理において、制御装置13は、回収ポンプ123を駆動させて、回収トレイ121内の定着液を、供給装置11の供給タンク111に送る。なお、回収処理において、制御装置13は、回収トレイ121内の定着液を、供給装置11の定着液カートリッジ116に送ってもよい。
詳しくは、制御装置13は、回収ポンプ123を駆動させる。その後、回収ポンプ123の動作が安定した後に、回収バルブ124を開ける。すると、回収トレイ121内の定着液が、供給タンク111に送られる。
ここで、第1累積ページ数C1が多いほど、回収トレイ121内の定着液の量は、多い。また、第1累積ページ数C1が少ないほど、供給タンク111内の定着液の量は、少ない。そのため、制御装置13は、第1累積ページ数C1が多いほど、回収処理における回収ポンプ123の駆動時間を長くする。言い換えると、制御装置13は、第1累積ページ数C1が多いほど、回収処理の時間を長くする。
次に、制御装置13は、回収処理中に新たな印刷ジョブを受信しなかった場合(S7:NO)、回収処理を終了する(S8)。新たな印刷ジョブを、割込ジョブと定義する。
詳しくは、制御装置13は、回収バルブ124を閉じた後、回収ポンプ123を停止する。すると、回収トレイ121から供給タンク111への定着液が、止まる。これにより、回収処理が、終了する。
次に、制御装置13は、回収処理を完了した場合(S8)、第1累積ページ数C1をリセットする(S9)。すなわち、次回の第1累積ページ数C1は、今回の第1累積ページ数C1がリセットされた後に印刷したページの累積になる。言い換えると、第1累積ページ数C1は、前回の回収処理の後に印刷したページの累積である。
なお、図5に示すように、制御装置13は、回収処理中に割込ジョブを受信した場合(S7:YES、図4参照)であって、第1累積ページ数C1が第2設定値P2未満である場合(S21:YES)、割込ジョブの実行後、回収処理を実行する(S26)。
詳しくは、制御装置13は、割込ジョブに従ってシートSに画像を印刷するために、回収処理を中断して、噴霧装置9から定着液を噴霧させる(S22)。
次に、制御装置13は、割込ジョブを完了した後(S23:YES)、噴霧装置9からの定着液の噴霧を停止させる(S24)。
次に、制御装置13は、回収処理を実行する(S26)。
ここで、制御装置13は、第1累積ページ数C1に、割込ジョブにおいて印刷したページ数Nを加算する(S25)。
そして、制御装置13は、割込ジョブの後の回収処理(S26)において、割込ジョブにおいて印刷したページ数Nが加算された第1累積ページ数C1に基づいて、第1累積ページ数C1が多いほど、回収処理における回収ポンプ123の駆動時間を長くする。
次に、制御装置13は、回収処理を完了した後(S27)、第1累積ページ数C1をリセットする(S9、図4参照)。
一方、制御装置13は、回収処理中に割込ジョブを受信した場合(S7:YES、図4参照)であって、第1累積ページ数C1が第2設定値P2以上である場合(S21:NO)、回収処理の後(S28)、割込ジョブを実行する(S2、図3参照)。
詳しくは、制御装置13は、割込ジョブを実行することなく、回収処理を継続し、回収処理を終了する(S28)。
次に、制御装置13は、第1累積ページ数C1をリセットして(S29)、割込ジョブを実行する(S2、図3参照)。
また、図6に示すように、制御装置13は、印刷ジョブを実行中に第1累積ページ数C1が第1設定値P1以上になった場合(S3:NO、図4参照)、印刷ジョブを中断して(S31)、回収処理を実行する(S33)。
詳しくは、制御装置13は、印刷ジョブを実行中に第1累積ページ数C1が第1設定値P1以上になった場合(S3:NO、図3参照)、噴霧装置9からの定着液の噴霧を停止させる(S31)。
次に、制御装置13は、センサ112がオフ状態である場合(S32:NO)、回収処理を開始する(S33)。制御装置13は、第1累積ページ数C1が多いほど、回収処理における回収ポンプ123の駆動時間を長くする。
次に、制御装置13は、回収処理を完了した後(S34)、第1累積ページ数C1をリセットする(S35)。
図7は、画像形成装置1内にシートSが詰まるなどのエラーが発生した後、ユーザーによって詰まったシートSが取り除かれるなどによってエラーが解消された際の画像形成装置1の復帰処理を示すフローチャートである。
図7に示すように、制御装置13は、復帰処理において、ノズルクリーニング(S42)の後に、回収処理を実行する(S43)。
詳しくは、制御装置13は、センサ112がオフ状態である場合(S41:NO)、ノズルクリーニング(S42)を実行する。ノズルクリーニング(S42)では、制御装置13は、ノズル92から定着液を噴霧させることにより、ノズル92をクリーニングする。
なお、制御装置13は、センサ112がオン状態であり(S41:YES)、かつ、第2累積ページ数C2が第3設定値P3未満である場合(S48:NO)にも、ノズルクリーニング(S42)を実行する。第2累積ページ数C2は、前回の補給処理の後に印刷したページの累積である。補給処理については、後で説明する。
次に、制御装置13は、回収処理を開始する(S43)。制御装置13は、第1累積ページ数C1が多いほど、回収処理における回収ポンプ123の駆動時間を長くする。
次に、制御装置13は、回収処理を完了した後(S44)、第1累積ページ数C1をリセットする(S45)。
3.2 補給処理
図4、図6、図7に示すように、制御装置13は、回収処理の後、センサ112がオフ状態である場合(S10:NO、S36:NO、S46:NO)、補給処理(S11、S37、S47)を実行する。言い換えると、制御装置13は、回収処理の後、供給タンク111内の定着液の量が所定量未満であることをセンサ112が検知した場合、補給処理を実行する。
なお、制御装置13は、センサ112がオン状態であり(S10:YES、S36:YES、S46:YES)、かつ、第2累積ページ数C2が第3設定値P3未満である場合(S12:NO、S48:NO、S54:NO)、補給処理(S11、S37、S47)を実行しない。
また、図8に示すように、制御装置13は、画像形成装置1のウォーミングアップ処理中において(S51)、センサ112がオフ状態である場合(S52:NO)、補給処理(S53)を実行する。言い換えると、制御装置13は、画像形成装置1のウォーミングアップ処理中において、供給タンク111内の定着液の量が所定量未満であることをセンサ112が検知した場合、補給処理を実行する。ウォーミングアップ処理とは、画像形成装置1の電源が投入された後、画像形成装置1が印刷を実行可能な状態となるまでに必要な処理である。
なお、制御装置13は、センサ112がオン状態である場合(S52:YES)、補給処理(S53)を実行しない。
補給処理において、制御装置13は、補給ポンプ118を駆動させて、定着液カートリッジ116に収容された定着液を供給タンク111に送る。
詳しくは、制御装置13は、補給ポンプ118を駆動させる。その後、補給ポンプ118の動作が安定した後に、補給バルブ119を開ける。すると、定着液カートリッジ116内の定着液が、供給タンク111に送られる。
これにより、図9に示すように、定着液カートリッジ116から供給タンク111への定着液の補給が開始する(S61)。
次に、制御装置13は、所定時間が経過する前にセンサ112がオン状態になった場合(S62:YES)、定着液カートリッジ116から供給タンク111への定着液の補給を終了する(S63)。なお、制御装置13は、第1累積ページ数C1に応じて、所定時間を変更してもよい。具体的には、制御装置13は、第1累積ページ数が多いほど、所定時間を長くしてもよい。
詳しくは、補給バルブ119を閉じた後、補給ポンプ118を停止する。すると、定着液カートリッジ116から供給タンク111への定着液が、止まる。これにより、補給処理が、終了する。
一方、制御装置13は、所定時間が経過してもセンサ112がオン状態にならない場合(S62:NO、S64:YES)、定着液カートリッジ116がエンプティであることを表示する(S65)。
3.3 エラー表示処理
制御装置13は、センサ112の故障が疑われる場合に、エラー表示処理を実行する。本実施形態では、センサ112がオフ状態になると想定されるにもかかわらず、センサ112がオン状態である場合に、エラー表示処理を実行する。
具体的には、図4、図7、図8に示すように、センサ112がオン状態であり(S10:YES、S41:YES、S52:YES)、かつ、第2累積ページ数C2が第3設定値P3以上である場合(S12:YES、S48:YES、S54:YES)、エラー表示処理(S13、S49、S55)を実行する。言い換えると、制御装置13は、第2累積ページ数C2が第3設定値P3以上であり、かつ、供給タンク111内の定着液の量が所定量未満であることをセンサ112が検知しない場合、エラー表示処理を実行する。
より詳しくは、図4に示すように、制御装置13は、印刷ジョブの実行を完了した後(S4:YES、図3参照)、センサ112がオン状態であり(S10:YES)、かつ、第2累積ページ数C2が第3設定値P3以上である場合(S12:YES)、エラー表示処理(S13)を実行する。言い換えると、制御装置13は、印刷ジョブの実行を完了した後、第2累積ページ数C2が第3設定値P3以上であり、かつ、供給タンク111内の定着液の量が所定量未満であることをセンサ112が検知しない場合、エラー表示処理を実行する。
また、図7に示すように、制御装置13は、復帰処理において、センサ112がオン状態であり(S41:YES)、かつ、第2累積ページ数C2が第3設定値P3以上である場合(S48:YES)、エラー表示処理(S49)を実行する。言い換えると、制御装置13は、画像形成装置1内に詰まったシートSが取り除かれた後の復帰処理において、第2累積ページ数C2が第3設定値P3以上であり、かつ、供給タンク111内の定着液の量が所定量未満であることをセンサ112が検知しない場合、エラー表示処理を実行する。
また、図8に示すように、制御装置13は、画像形成装置1のウォーミングアップ処理中において、センサ112がオン状態であり(S52:YES)、かつ、第2累積ページ数C2が第3設定値P3以上である場合(S54:YES)、エラー表示処理(S55)を実行する。言い換えると、制御装置13は、画像形成装置1のウォームアップ処理中において、第2累積ページ数C2が第3設定値P3以上であり、かつ、供給タンク111内の定着液の量が所定量未満であることをセンサ112が検知しない場合、エラー表示処理を実行する。
また、図6に示すように、制御装置13は、印刷ジョブを実行中に第1累積ページ数C1が第1設定値P1以上になり(S3:NO、図3参照)、かつ、センサ112がオン状態である場合、(S32:YES)、エラー表示処理(S38)を実行する。
エラー表示処理において、制御装置13は、例えば、本体筐体2の外表面に設けられる表示装置21(図1参照)に、センサ112が故障している可能性がある旨のエラーを表示させる。
なお、表示装置は、限定されない。例えば、表示装置は、LEDであり、センサ112が故障している可能性がある旨のエラーを、LEDの明滅パターンによって表示してもよい。また、表示装置は、ローカルエリアネットワークなどを介して画像形成装置1と接続されるパーソナルコンピュータのディスプレイであり、センサ112が故障している可能性がある旨のエラーメッセージを表示してもよい。
4.作用効果
(1)画像形成装置1によれば、図3および図4に示すように、印刷ジョブの実行を完了した場合(S4:YES)に、回収トレイ121内の定着液を供給タンク111に送ることができる(S6)。
そのため、回収トレイ121の大型化を抑制しつつ、シートSに付着しなかった定着液を回収できる。
また、印刷ジョブの実行が完了したか否かに関わらず、回収トレイ121内の定着液が所定量に達したときに回収処理を実行することも検討される。
しかし、本実施形態では、プラスの電圧が印加されるノズル電極93によって、筐体91内の定着液は、プラスに帯電する。この場合、筐体91と接続される供給タンク111内の定着液もプラスに帯電してしまう。一方、マイナスの電圧が印加される対向電極94によって、回収トレイ121内の定着液は、マイナスに帯電する。
そのため、噴霧装置9から定着液が噴霧されている状態で回収処理を実行すると、回収トレイ121内のマイナスに帯電した定着液が、プラスに帯電した定着液が収容されている供給タンク111に回収されてしまう。
その結果、供給タンク111内において、マイナスに帯電した定着液と、プラスに帯電した定着液との電気的干渉(ショートのような現象)が起こり、噴霧状態が不安定になる可能性がある。
そのため、印刷ジョブを実行中に回収処理を行う場合、印刷ジョブの実行を中断して、回収処理を実行する必要がある。
印刷ジョブの実行を中断して回収処理を実行すると、印刷速度が低下する。
この点、画像形成装置1によれば、印刷ジョブの実行を完了した後に(S4:YES)回収処理(S6)を実行するので、印刷ジョブの実行中における回収処理を抑制でき、印刷速度の低下を抑制できる。
(2)画像形成装置1によれば、制御装置13は、第1累積ページ数C1が多いほど、回収処理(S6)における回収ポンプ123の駆動時間を長くする。
そのため、第1累積ページ数C1が少なく、回収トレイ121内の定着液が少ない場合には、回収処理(S6)の時間を短くして、印刷待ちの時間を短くできる。
また、第1累積ページ数C1が多く、回収トレイ121内の定着液が多い場合には、回収処理(S6)の時間を長くして、回収トレイ121内の定着液を確実に供給タンク111に送ることができる。
(3)画像形成装置1によれば、図5に示すように、制御装置13は、第1累積ページ数C1が第1設定値P1未満であり(S3:YES、図3参照)、かつ、回収処理中に割込ジョブを受信した場合(S7:YES、図4参照)であって、第1累積ページ数C1が第2設定値P2以上である場合(S21:NO)、回収処理の後(S28)、割込ジョブを実行する(S2、図3参照)。
第1累積ページ数C1が第2設定値P2以上である場合、回収トレイ121が溢れる可能性が高い。
この点、回収処理を割込ジョブに優先することにより、回収トレイ121が溢れることを抑制できる。
一方、制御装置13は、第1累積ページ数C1が第1設定値P1未満であり(S3:YES、図3参照)、かつ、回収処理中に割込ジョブを受信した場合(S7:YES、図4参照)であって、第1累積ページ数C1が第2設定値P2未満である場合(S21:YES)、割込ジョブの後(S23:YES)、回収処理を実行する(S26)。
第1累積ページ数C1が第2設定値P2未満である場合、回収トレイ121が溢れる可能性が低い。
そのため、割込ジョブを回収処理に優先することにより、印刷待ちの時間を短くできる。
(4)画像形成装置1によれば、制御装置13は、割込ジョブの後の回収処理(S26)において、割込ジョブにおいて印刷したページ数が加算された第1累積ページ数C1に基づいて、第1累積ページ数C1が多いほど、回収処理(S26)における回収ポンプ123の駆動時間を長くする。
そのため、割込ジョブを回収処理に優先した場合に、割込ジョブにおいて印刷したページ数の分、回収処理の時間を長くできる。
そのため、割込ジョブを回収処理に優先した場合にも、回収トレイ121内の定着液を確実に供給タンク111に送ることができる。
(5)画像形成装置1によれば、図6に示すように、制御装置13は、印刷ジョブを実行中に第1累積ページ数C1が第1設定値P1以上になった場合(S3:NO、図3参照)、印刷ジョブを中断して(S31)、回収処理を実行する(S33)。
これにより、供給タンク111内の定着液がエンプティになった状態で印刷ジョブを継続し、ノズル92に空気が入ってしまうことを抑制できる。
(6)画像形成装置1によれば、図4、図6、図7に示すように、制御装置13は、回収処理の後(S8、S34、S44)、供給タンク111内の定着液の量が所定量未満であることをセンサ112が検知した場合(S10:NO、S36:NO、S46:NO)、補給処理を実行する(S11、S37、S47)。
ここで、補給処理の後で回収処理を実行すると、補給処理によって供給タンク111が満杯になった後に、回収処理によって回収トレイ121から供給タンク111に定着液が送られ、供給タンク111が溢れる可能性がある。
この点、このような構成によれば、回収処理の後で補給処理を実行するので、回収処理によって供給タンク111が溢れることを防止できる。
(7)画像形成装置1によれば、図4、図7、図8に示すように、制御装置13は、第2累積ページ数C2が第3設定値P3以上であり(S12:YES、S48:YES、S54:YES)、かつ、供給タンク111内の定着液の量が所定量未満であることをセンサ112が検知しない場合(S10:YES、S41:YES、S52:YES)、エラー表示処理を実行する(S13、S49、S55)。
そのため、供給タンク111内の定着液の量が減少していると想定されるにもかかわらず、センサ112が、供給タンク111内の定着液の量の減少を検知しない場合に、センサ112の不具合を表示装置21(図1参照)に表示させることができる。
1 画像形成装置
9 噴霧装置
11 供給装置
12 回収装置
14 制御装置
21 表示装置
111 供給タンク
112 センサ
121 回収トレイ
123 回収ポンプ
131 定着液カートリッジ
132 補給管
133 補給ポンプ
C1 第1累積ページ数
C2 第2累積ページ数
P1 第1設定値
P2 第2設定値
P3 第3設定値
S シート
S6 回収処理
S11 補給処理
S13 エラー表示処理
S26 回収処理
S37 補給処理
S38 エラー表示処理
S47 補給処理
S49 エラー表示処理
S53 補給処理
S55 エラー表示処理

Claims (14)

  1. トナーをシートに定着させるための定着液を、前記トナーが転写された前記シートに噴霧する噴霧装置と、
    前記定着液を前記噴霧装置に供給する供給装置と、
    前記噴霧装置から噴霧された前記定着液であって、前記シートに付着しなかった前記定着液を回収する回収装置と、
    制御装置と、を備え、
    前記回収装置は、前記シートに付着しなかった前記定着液を収容する回収トレイと、前記回収トレイに収容された前記定着液を前記供給装置に向けて送る回収ポンプと、を有し、
    前記制御装置は、
    印刷ジョブの実行を完了した場合、前記回収ポンプを駆動させて、前記回収トレイ内の前記定着液を前記供給装置に送る回収処理を実行することを特徴とする、画像形成装置。
  2. 前記制御装置は、前回の前記回収処理の後に印刷したページの累積である第1累積ページ数をカウントすることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御装置は、前記第1累積ページ数が多いほど、前記回収処理における前記回収ポンプの駆動時間を長くすることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記供給装置は、
    前記噴霧装置へ供給する前記定着液を収容する供給タンクと、
    前記供給タンク内の前記定着液の量が所定量未満であるか否かを検知するセンサと、を有し、
    前記制御装置は、
    前記所定量の前記定着液によって連続して印刷可能なページ数である第1設定値と、
    前記回収トレイの容量に基づいて設定される第2設定値と、を記憶しており、
    前記制御装置は、前記第1累積ページ数が前記第1設定値未満であり、かつ、前記回収処理中に新たな印刷ジョブを受信した場合であって、
    前記第1累積ページ数が前記第2設定値以上である場合、前記回収処理の後、前記新たな印刷ジョブを実行し、
    前記第1累積ページ数が前記第2設定値未満である場合、前記新たな印刷ジョブの実行後、前記回収処理を実行することを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御装置は、
    前記第1累積ページ数が前記第1設定値未満であり、かつ、前記回収処理中に新たな印刷ジョブを受信した場合であって、前記第1累積ページ数が前記第2設定値未満である場合、前記新たな印刷ジョブの後の前記回収処理において、前記新たな印刷ジョブにおいて印刷した前記ページ数が加算された前記第1累積ページ数に基づいて、前記第1累積ページ数が多いほど、前記回収処理における前記回収ポンプの駆動時間を長くすることを特徴とする、請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御装置は、
    印刷ジョブを実行中に前記第1累積ページ数が前記第1設定値以上になった場合、前記印刷ジョブの実行を中断して、前記回収処理を実行することを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御装置は、前記回収処理を完了した場合、前記第1累積ページ数をリセットすることを特徴とする、請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記供給装置は、
    前記噴霧装置へ供給する前記定着液を収容する供給タンクと、
    前記供給タンクに補給される前記定着液を収容可能な定着液カートリッジと、
    前記定着液カートリッジおよび前記供給タンクと接続され、前記定着液カートリッジから前記供給タンクへ向かう前記定着液の通過を許容する補給管と、
    前記補給管内の前記定着液を前記供給タンクに向けて送る補給ポンプと、
    前記供給タンク内の前記定着液の量が所定量未満であるか否かを検知するセンサと、
    を、有することを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  9. 前記制御装置は、
    前記回収処理の後、前記供給タンク内の前記定着液の量が前記所定量未満であることを前記センサが検知した場合、前記補給ポンプを駆動させて、前記定着液カートリッジに収容された前記定着液を前記供給タンクに送る補給処理を実行することを特徴とする、請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記制御装置は、
    前記画像形成装置のウォームアップ処理中において、前記供給タンク内の前記定着液の量が前記所定量未満であることを前記センサが検知した場合、前記補給ポンプを駆動させて、前記定着液カートリッジに収容された前記定着液を前記供給タンクに送る補給処理を実行することを特徴とする、請求項8に記載の画像形成装置。
  11. 前記制御装置は、
    前回の前記補給処理の後に印刷したページの累積である第2累積ページ数が第3設定値以上であり、かつ、前記供給タンク内の前記定着液の量が前記所定量未満であることを前記センサが検知しない場合、表示装置にエラーを表示させるエラー表示処理を実行することを特徴とする、請求項9または請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記制御装置は、
    印刷ジョブの実行を完了した後、前記第2累積ページ数が第3設定値以上であり、かつ、前記供給タンク内の前記定着液の量が前記所定量未満であることを前記センサが検知しない場合、前記エラー表示処理を実行することを特徴とする、請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記制御装置は、
    前記画像形成装置のウォームアップ処理中において、前記第2累積ページ数が第3設定値以上であり、かつ、前記供給タンク内の前記定着液の量が前記所定量未満であることを前記センサが検知しない場合、前記エラー表示処理を実行することを特徴とする、請求項11に記載の画像形成装置。
  14. 前記制御装置は、
    前記画像形成装置内に詰まった前記シートが取り除かれた後の復帰処理において、前記第2累積ページ数が第3設定値以上であり、かつ、前記供給タンク内の前記定着液の量が前記所定量未満であることを前記センサが検知しない場合、前記エラー表示処理を実行することを特徴とする、請求項11に記載の画像形成装置。
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