本発明の画像形成装置は、トナーの充填履歴情報及び使用状態情報が記憶された不揮発性記憶装置を有するトナーカートリッジが装着された画像形成装置であり、このトナー充填履歴情報及び使用状態情報とを用いてトナーカートリッジが純正品であるか否かを判定する。そして本発明の画像形成装置は、トナーカートリッジが純正品でない場合、トナーカートリッジの初期化動作の時間とクリーニング処理の時間を、トナーカートリッジが純正品である場合と比べて長くする。
(第一の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第一の実施形態について説明する。図1は、第一の実施形態の画像形成装置100のエンジン全体構成の概略を示す概略図である。
画像形成装置100には、着脱可能なトナーカートリッジ200が装着されている。画像形成装置100は、光学系110、給紙コロ120、記録紙30を収納する給紙カセット130、転写ローラ140、定着ローラ150等により構成されている。光学系110は、ポリゴンモータ、ポリゴンミラー、Fθレンズ、レーザダイオード、ミラー等で構成されている。
トナーカートリッジ200は、帯電ローラ210、現像及びトナー収納部220、クリーニング及び廃トナー回収部230、感光体240を備え、これらが一体化(AIO:All In One)されたものである。図2に本実施形態のトナーカートリッジ200の斜視図を示す。本実施形態のトナーカートリッジ200には、メモリタグ22が実装されている(図2参照)。メモリタグ22には、不揮発性記憶装置であるEEPROMなどが搭載されており、トナーカートリッジ200の制御に必要となる情報が記憶されている。メモリタグ22に搭載された不揮発性記憶装置についての詳細は後述する。尚、本実施形態のトナーカートリッジ200には、メモリタグ22の変わりに、不揮発性記憶装置が実装されたプリント基板又は非接触型ICチップが実装されていても良い。
画像形成装置100では、給紙コロ120により給紙カセット130に収納された記録紙30が感光体240に向かって搬送される。感光体240は、図示しない駆動手段により時計回り方向に回転駆動されるものであり、この回転駆動の際に帯電ローラ210により帯電される。そして帯電された感光体240上に、光学系110から照射されるレーザ光により静電潜像が形成される。感光体240に形成された静電潜像は、現像及びトナー収納部220を通る際にトナーにより可視像化される。この可視像は、転写ローラ140により記録紙30上に転写されて定着ローラ150まで搬送され、定着ローラ150により記録紙30上へ定着される。そして、この可視像が定着された記録紙30が画像形成装置100の外部へ排出される。
次に、図3を参照して、画像形成装置100の機能構成を説明する。図3は、第一の実施形態の画像形成装置100の機能構成を示すブロック図の例である。
画像形成装置100は、装置全体の制御を行う制御ユニット160、画像形成の動作を行うためのエンジンユニット170、現像及びトナー収納部220と感光体240とを含むトナーカートリッジ200を備える。
まず制御ユニット160について説明する。
制御ユニット160は、制御部161、操作表示部162、EEPROM163、外部インターフェイス(以下、I/F)164、ホストI/F165、エンジンI/F166とから構成されている。
制御部161は、画像形成装置100全体の動作制御を行う。操作表示部162は、例えば画像形成装置100における表示手段及び操作手段を実現する操作パネルなどである。EEPROM163は、ホストI/F165を介して接続される画像形成装置100のホスト装置との接続条件などが記憶されている。
ホストI/F164は、画像形成装置100と接続されたホスト装置との通信を行い、ホスト装置との間で各種情報の送受信を行う。通信I/F165は、ネットワークを介して画像形成装置100と接続された外部装置(図示せず)との通信を行い、外部装置との間で各種情報の送受信を行う。エンジンI/F166は、エンジンユニット170との間で各種情報の送受信を行う。
次に、エンジンユニット170について説明する。
エンジンユニット170は、エンジン制御部171、エンジン各部172、EEPROM173、コントローラI/F174、デバッグ用I/F175とから構成されている。
エンジン制御部171は、エンジンユニット170の動作制御を行うものであり、エンジン各部172の動作を制御する。また本実施形態のエンジン制御部171は、トナーカートリッジ200に記憶された情報を用いてトナーカートリッジ200が交換前のものか、交換後のものかを判定する判定手段も兼ねる。エンジン各部172は、画像形成を行うための各要素であり、例えば図1に示す給紙カセット130、転写ローラ140、定着ローラ150等が含まれる。
EEPROM173では、画像形成装置100においてトナーカートリッジ200が交換された場合に、エンジン制御部171によりこのトナーカートリッジの装着日時情報が書き込まれる。またEEPROM173では、画像形成装置100において画像形成処理が行われた場合に、エンジン制御部171によりトナーカートリッジ200の使用状態情報が書き込まれる。その他にも、EEPROM173には、カートリッジの製造番号などが記憶される。図4に、EEPROM173に記憶された情報の一例を示す。
コントローラI/F174は、エンジンユニット170と制御ユニットとを接続し、制御ユニット160との間で各種情報の送受信を行う。デバッグ用I/F175は、画像形成装置100と適切な方法で接続された外部のデバッグ装置とエンジンユニット170とを接続し、このデバッグ装置と各種情報の送受信を行う。尚ここで、デバッグ装置とは例えば一般のパーソナルコンピュータなどであっても良い。
次にトナーカートリッジ200について説明する。
トナーカートリッジ200は、カートリッジ機構部250、EEPROM260、トナーエンドセンサ270とを備える。カートリッジ機構部250は、消耗品である現像及びトナー収納部220や感光体240などを含む。
EEPROM260は、不揮発性記憶装置であり、このトナーカートリッジ200の製造会社名、製造番号や、トナーカートリッジ200の使用状態を示す使用状態情報が記憶されている。ここで使用状態情報とは、例えば感光体240の回転時間(回転数)情報、現像及びトナー収納部220に収納されたトナーの残量情報、トナーカートリッジ200により印刷出力された総ページ数情報等である。このEEPROM260は、エンジンユニット170によるアクセスが可能であり、エンジン制御部171の制御により情報へのアクセス、書換、消去などが行われる。図5にEEPROM260に記憶された情報の一例を示す。
トナーエンドセンサ270は、トナーカートリッジ200内のトナー残量を検出するセンサであり、エンジンユニット170によるアクセスが可能である。トナーエンドセンサ176において検出されたトナー残量に係る情報は、EEPROM175に記憶される。
以下に図3を参照して、さらに本実施形態の画像形成装置100の動作の概略を説明する。
画像形成装置100では、例えば操作表示部162により画像形成装置100より画像データの出力指示が成されると、制御部161はこの指示を、エンジンI/F166を介してエンジンユニット170へ伝達する。エンジンユニット170では、コントローラI/F172を介してこの指示をエンジン制御部171へ伝達する。
エンジン制御部171は、この指示を受けるとエンジン各部172及びカートリッジ機構部250へ画像形成処理の実行指示を出す。エンジン各部172及びカートリッジ機構部250は、この指示を受けて動作を開始する。
このときエンジン制御部171は、画像形成処理における感光体240の回転数、総印刷枚数を検出する。また、トナーエンドセンサ270はトナー残量情報を検出する。そしてエンジン制御部171は、EEPROM260に記憶されているトナーカートリッジ200の使用状態情報を、ここで検出された最新の情報に書換えて更新する。さらにエンジン制御部171は、エンジンユニット170の備えるEEPROM173においてもこのトナーカートリッジ200の使用状態情報を更新する。
また、本実施形態の画像形成装置100では、画像形成装置100の起動時または待機状態からの復帰時において、トナーカートリッジ200の初期化動作を行う。画像形成装置100では、この初期化動作において、トナーカートリッジ200内のトナーが収納される現像及びトナー収納部220におけるトナーの攪拌動作、感光体240等のクリーニング動作など所定時間を行う。
画像形成装置100では、起動時または復帰時にこのような初期化動作を所定時間行うことにより、トナーカートリッジ200内のトナーを安定した状態としつつ、転写後に感光体240上に残された転写残トナーによる感光体240の汚れを除去する。よって画像形成装置100では、トナーカートリッジ200の使用状態に関わらず一定の画像品質を保持することができる。
ここで、本実施形態の画像形成装置100では、この初期化動作に特徴を有するため、以下に本実施形態の画像形成装置100の初期化動作について説明する。
本実施形態の画像形成装置200は、画像形成装置100の起動時または復帰時に、装置本体に装着されたトナーカートリッジ200が純正のトナーカートリッジであるか、または純正品ではないリフィルカートリッジであるかを判定する。
そして画像形成装置100は、トナーカートリッジ200がリフィルカートリッジであった場合には、トナーカートリッジ200の初期化動作を、通常時と比べて長い時間実行する。尚ここで通常時とは、画像形成装置100に純正のトナーカートリッジが装着された場合を示す。
図6は、第一の実施形態の画像形成装置の起動時の動作を説明するフローチャートの例である。
画像形成装置100において、操作表示部162により電源がONとされるか、あるいは待機状態から復帰されると、制御部161は、エンジンユニット170へこの起動指示を伝達する。エンジンユニット170において、エンジン制御部171はこの指示をうけ、トナーカートリッジ200のEEPROM260からトナーカートリッジ200が画像形成装置100に装着された日時情報を取得し、EEPROM173に記憶された日時情報と一致するか否かを判定する(S61)。
ここでエンジン制御部171は、EEPROM173に記憶された日時情報と、EEPROM260に記憶された日時情報とが一致していない場合、画像形成装置100の起動前または復帰前と異なるトナーカートリッジが装着されているものと判断する。そしてエンジン制御部171は、EEPROM260にアクセスし、トナーカートリッジ200に関するトナーエンド履歴情報が記憶されているか否を判定する(S62)。
S62において、EEPROM260にトナーエンド履歴情報が記憶されている場合、エンジン制御部171は、過去にトナーエンドになったことのあるトナーカートリッジが装着された判断し、これをリフィルカートリッジと判断する。そしてエンジン制御部171は、リフィルカートリッジ用の初期化動作時間を選択し(S63)、トナーカートリッジ200の初期化動作を開始する(S64)。
エンジン制御部171は、S61において、トナーカートリッジ200の装着された日時情報が、EEPROM173に記憶された日時情報と同一であり、かつEEPROM260にトナーカートリッジ200がリフィルカートリッジであることを示す情報が記憶されていない場合(S65)、トナーカートリッジ200を純正品と判断し、通常の初期化動作時間、トナーカートリッジ200の初期化動作を実行する(S66)。
尚、S65では、例えばエンジン制御部171が、EEPROM260に記憶された、トナーカートリッジ200の製造会社情報により、トナーカートリッジ200の製造会社と画像形成装置100本体の製造会社とが異なると判断した場合に、トナーカートリッジ200をリリフィルカートリッジと判断しても良い。またはEEPROM260に、トナーカートリッジ200がリフィルカートリッジであることを示す情報が予め記憶されていても良く、エンジン制御部171はこの情報に基づきトナーカートリッジ200がリフィルカートリッジであることを判断しても良い。
またエンジン制御部171は、S61において、トナーカートリッジ200の装着された日時情報がEEPROM173に記憶された日時情報と同一である場合でも、S65においてEEPROM260をリフィルカートリッジと判断した場合、トナーカートリッジ200の初期化動作時間をリフィルカートリッジ用初期化動作時間とする。尚、本実施形態の画像形成装置100では、例えば通常時の初期化動作時間を3.76秒としたときリフィルカートリッジが装着された場合の初期化動作時間を7.76秒とした。
エンジン制御部171は、トナーカートリッジ200が交換されたものと判断した場合(S67)、EEPROM173に記憶された日時情報を、交換されたトナーカートリッジ200のEEPROM260に記憶された日時情報と同一の情報に書き換える(S68)。このように、画像形成装置100本体のEEPROM173に、トナーカートリッジ200の装着日時を示す日時情報を記憶しておけば、画像形成装置100は、例えばこの日時情報と、トナーカートリッジ200の使用状態情報とに基づき、トナーカートリッジ200の交換時期を算出することができる。
さらに、本実施形態の画像形成装置100では、トナーカートリッジ200の初期化動作中に、トナーエンドセンサによりトナーカートリッジ200におけるトナーの残量を検出する(S69)。エンジン制御部171は、S69においてトナー残量が検出されなかった場合、トナーカートリッジ200内にトナーがないものと判断し、EEPROM260にトナーエンド履歴情報を記憶させる(S70)。そしてエンジン制御部171は、トナーエンドとして印刷処理の実行が不可能であることを制御ユニット160へ伝達する。制御ユニット160ではこれを受けて、制御部161が、操作表示部162にトナーエンドにより印刷処理の実行が不可能であることを示すメッセージなどを表示させる。
エンジン制御部171は、S69においてトナー残量が検出された場合、さらにEEPROM260にトナーエンド履歴情報が記憶されているか否か判断する(S71)。そしてエンジン制御部171は、S71において、EEPROM260にトナーエンド履歴情報が記憶されてなかった場合、トナーカートリッジ200の初期化動作を終了し、制御部161へ印刷処理の実行が可能となった旨を伝達する(S72)。
またエンジン制御部171は、S71においてEEPROM260にトナーエンド履歴情報が記憶されていたと判断した場合、EEPROM260にトナーカートリッジ200がリフィルカートリッジであることを示す情報を記憶させる(S73)。次にエンジン制御部171は、制御ユニット160へトナーカートリッジ200がリフィルカートリッジである旨を伝達し、操作表示部162へこの旨を示すメッセージを表示させる(S74)。このとき操作表示部162には、リフィルカートリッジを使用する場合の注意事項などが同時に表示されても良い。そしてエンジン制御部171は、トナーカートリッジ200の初期化動作を終了し、制御部161へ印刷処理の実行が可能となった旨を伝達する(S72)。
ここで、本実施形態の画像形成装置100におけるトナーカートリッジ200の初期化動作では、現像及びトナー収納部220に収納されたトナーの攪拌処理を行う。リフィルカートリッジに収納されたトナーの場合、純正品のトナーと粘性などが異なることがある。この場合には、通常の初期化動作時間中に実行される攪拌処理ではトナーを十分安定した状態にすることができない。このためトナーエンドを正確に検出できない、という問題点がある。
これに対し本実施形態の画像形成装置100では、起動時または復帰時に装着されたトナーカートリッジがリフィルカートリッジであるか否かを判定し、リフィルカートリッジが装着されていることが判定された場合には、トナーカートリッジの初期化動作時間を所定時間より長くする。そして画像形成装置100は、リフィルカートリッジに収納されたトナーを十分安定した状態にした上でトナーエンドの検出を行っている。このため本実施形態の画像形成装置100では、トナーカートリッジがリフィルカートリッジであった場合でもトナーエンドを正確に検出することができ、例えば印刷処理中にトナーエンドとなり印刷処理が中断する、といった不具合を防止することができる。
また本実施形態では、トナーカートリッジ200の初期化動作時間中に、初期化動作の一つとして実行されるクリーニング処理の時間を延長させることにより、初期化動作時間のトータル時間を延長させても良い。このように画像形成装置100の起動または復帰に伴う初期化動作時にクリーニング処理を十分に行えば、トナーカートリッジ200内の転写残トナーが十分に除去されるため、画像品質の低下を防止できる。また、起動または復帰直後にクリーニング処理を実行するので、装置本体における転写残トナーの汚れに起因する動作不良を防止できる。
さらに本実施形態では、トナーカートリッジ200が交換されたか否を判断する基準として、トナーカートリッジ200が画像形成装置100に装着された時を示す日時情報を用いたが、基準となる情報はこれに限定されるものではない。画像形成装置100は、例えばトナーカートリッジ200が交換されたか否かの判断基準として、感光体240の回転時間(回転数)情報を用いても良い。またこの判断基準として、総印刷ページ数を示す情報を用いても良い。いずれの情報を用いる場合においても、画像形成装置100の起動時に検出された数が0であった場合に、トナーカートリッジ200が交換されたものと判断することができる。さらに本実施形態の画像形成装置100では、どの情報を判断基準とするかを設定可能であっても良い。
また本実施形態の画像形成装置100では、トナーカートリッジ200がリフィルカートリッジであった場合の初期化動作時間をユーザの任意に設定可能としても良い。例えば図6のS63において、エンジン制御部171によりリフィルカートリッジ用の初期化動作時間が選択されたとき、操作表示部162において初期化動作時間の設定を促す画面を表示させ、ユーザの任意に動作時間を設定させても良い。
本実施形態の画像形成装置100では、以上のようにしてトナーカートリッジ200の初期化動作が行われる。ここで参考として、図7に第一の実施形態のトナーカートリッジ200の初期化動作のタイミングチャートの例を示す。
本実施形態の画像形成装置100では、以上のようにしてトナーカートリッジ200がリフィルカートリッジであることを検出した場合、さらにリフィルカートリッジを使用することに起因する不具合の発生を防止するため、クリーニング処理を通常時よりも長時間行う。
例えば画像形成装置100において、例えば純正品のトナーと比べて粘性の高いトナーが収納されたリフィルカートリッジが装着された場合には、通常のクリーニング処理では感光体240等に付着した転写残トナーなどを十分に除去することができない。このために画像品質を低下させたり、装置本体の汚れなどによる装置の動作の不具合を発生させる可能性がある。
そこで本実施形態の画像形成装置100では、リフィルカートリッジが装着されていた場合には、通常のクリーニング処理よりも長時間クリーニング処理を行う。これにより、感光体240等に付着した転写残トナーなどを十分に除去し、画像品質の低下や、装置本体の汚れによる動作不具合などを防止することができる。
以下に本実施形態の画像形成装置100におけるクリーニング処理について説明する。
一般的に画像形成装置では、画像形成処理の前処理として、例えば定着ローラに定着温度やポリゴンモータのモータ温度の安定制御及び転写残トナーのクリーニング処理が行われる。そして画像形成装置では、この前処理が終了した後に作像工程に入る。作像工程では、感光体上において、帯電、露光、転写の処理が行われ、感光体上の静電潜像が記録紙に転写される。そして画像形成装置では、この作像工程が終了すると、後処理とし感光体上において分離、除電、クリーニングの処理が行われる。
本実施形態の画像形成装置100では、トナーカートリッジ200がリフィルカートリッジであった場合に、作像工程の前処理において転写残トナーのクリーニング処理を行っても良い。以下に図面を参照してこのクリーニング処理について説明する。図8は、第一の実施形態のクリーニング処理を説明する第一のフローチャートの例である。
画像形成装置100では、装置本体の起動時においてトナーカートリッジ200がリフィルカートリッジであるか否かを検出する(S81)。この検出方法については上で説明した通りである。ここでリフィルカートリッジが装着されているか否かを示す情報は、EEPROM260に記憶されても良いし、EEPROM173に記憶されても良い。また、EEPROM260及びEEPROM173の両方に記憶されても良い。
画像形成装置100において、制御ユニット160が印刷要求を受け付けると、制御ユニット160はこの印刷要求をエンジンユニット170へ伝達する(S82)。ここでトナーカートリッジ200がリフィルカートリッジではなく、純正品であった場合には(S83)、エンジン制御部171は通常の前処理、作像工程及び後処理を実行し(S84)、印刷処理を終了する。
S83において、トナーカートリッジ200がリフィルカートリッジであった場合、エンジン制御部171は、前処理において行われるクリーニング処理の処理時間を延長させる(S85)。そしてエンジン制御部171は、リフィルカートリッジを使用したことによる転写の不具合を改善する調整を行い(S86)、印刷処理を終了する。
このように、画像形成装置100では、リフィルカートリッジが装着されていた場合、作像工程に入る前に十分なクリーニング処理を行うことにより、画質の低下及び装置本体の汚れ程度の悪化を防止することができる。
また、画像形成装置100では、このクリーニング処理の延長させる動作をリフィルカートリッジ対策モード時の動作とし、このリフィルカートリッジ対策モードが設定されている場合にのみ、前処理におけるクリーニング処理時間を延長させても良い。この設定は、ユーザにより操作表示部162から成されても良いし、通信I/F部165を介して画像形成装置100と接続されたコンピュータなどにより成されても良い。この設定が成されると、設定情報が制御ユニット160からエンジンユニット170へ伝達され、エンジン制御部171により設定情報がEEPROM173に記憶されても良い。
図9に、クリーニング処理の延長動作が設定よりなされる場合について説明する。図9、第一の実施形態のクリーニング処理を説明する第二のフローチャートの例である。
画像形成装置100では、リフィルカートリッジが装着されたことが検出された場合に、リフィルカートリッジ対策モードとなることが予め操作表示部162により設定されている(S91)。画像形成装置100において、このリフィルカートリッジ対策モードが設定された後、画像形成装置100の電源が一旦OFFとされるか、又は待機状態とされる。
そして再度画像形成装置100が起動または復帰した場合に、エンジン制御部171は、トナーカートリッジ200がリフィルカートリッジか否かを検出する(S92)。ここでS92からS95の処理は、図8で説明したS81からS84と同様の処理であるから説明を省略する。
エンジン制御部171は、S94において、トナーカートリッジがリフィルカートリッジであることを検出した場合、リフィルカートリッジ対策モードが設定されているか否かを判断する(S96)。エンジン制御部171は、S96においてリフィルカートリッジ対策モード設定がなされていないと判断した場合、通常の前処理、作像工程及び後処理を実行し(S97)、印刷処理を終了する。
エンジン制御部171は、S96において、リフィルカートリッジ対策モード設定がなされていると判断した場合、前処理におけるクリーニング処理の動作時間を延長させる(S98)。ここでS98、S99の処理は、図8で説明したS85、S86の処理と同様であるから説明を省略する。
尚本実施形態では、図8、図9において実行されるクリーニング処理の動作時間は、表示設定部162により設定可能であっても良い。図10には参考として、第一の実施形態の前処理を説明するタイミングチャートの例を示す。
このように、設定によりクリーニング処理時間を延長させる構成とすれば、例えば画像形成装置100と互換性のあるリフィルカートリッジが装着された場合などには、通常のクリーニング処理時間の初期化動作をさせることができる。
(第二の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第二の実施形態について説明する。
本発明の第二の実施形態では、第一の実施形態と比較して、トナーカートリッジ200がリフィルカートリッジであった場合に、画像形成装置100において画像形成された後にクリーニング処理を行う点が相違する。よって本実施形態の説明では、この相違点についてのみを説明し、その他第一の実施形態と同様の機能構成を有し同様の動作を行うものについては、第一の実施形態における説明で使用した符号と同様の符号を付与し、説明を省略する。
本実施形態の画像形成装置100では、リフィルカートリッジが装着されていた場合に、作像工程の後処理として実行される通常のクリーニング処理の代わりに、画像形成装置100本体の備える転写ローラ140等のクリーニング処理を含む転写クリーニング処理を実行する。以下に本実施形態における通常のクリーニング処理と、転写クリーニング処理について説明する。
本実施形態における通常のクリーニング処理とは、トナーカートリッジ200内において実行される処理である。トナーカートリッジ200では、1ページ分の画像形成処理が終了する度に、画像の転写時に感光体240上に残された転写残クリーニング処理を行う。
これに対し本実施形態の転写クリーニング処理とは、画像形成装置100本体の有する転写ローラ140を含め、画像形成処理において形成された画像の定着に至るまでに動作する全ての部品のクリーニング処理を示す。ここで言う全ての部品とは、画像形成装置100本体側が有する部品も含み、例えば転写ローラ140、定着ローラ150等を含む。この転写クリーニング処理は、一般的には画像形成装置100が起動または復帰してから所定ページ数の印刷出力処理(画像形成処理)が終了した後、または画像形成装置100が起動または復帰してから所定時間経過した後に定期的に実行されるものである。
尚、画像形成装置100において転写クリーニング処理が実行される条件となる所定ページ数や所定時間は、予め設定された初期設定値として画像形成装置100内の記憶手段に記憶されていても良い。またこの所定ページ数や所定時間は、ユーザにより操作表示部162において設定されても良いし、通信I/F165を介して外部のコンピュータにより設定されても良い。
以下に図11を参照して本実施形態の画像形成装置100の動作について説明する。図11は、第二の実施形態のクリーニング処理を説明する第一のフローチャートの例である。
図11のS111、S112の処理は、図8のS81、S82の処理と同様なので説明を省略する。
エンジン制御部171は、作像が終了すると、S111においてトナーカートリッジ200が純正品であることが検出されていた場合には(S114)、通常の後処理を実行し(S116)、印刷処理を終了する。
エンジン制御部171は、S113において作像が終了した後、S111においてトナーカートリッジ200がリフィルカートリッジであることが検出されていた場合には(S114)、後処理における通常のクリーニング処理の代わりに転写クリーニング処理を実行する(S116)。そしてエンジン制御部171は、リフィルカートリッジを使用したことによる転写の不具合を改善する調整を行い(S117)、印刷処理を終了する。
このように、本実施形態では、作像工程の後処理において、画像形成装置100本体に有する転写ローラ140を含む転写に係る全ての部材のクリーニング処理を行うため、転写残トナーの汚れによる画像品質の低下や、転写不良などの画像形成装置100の動作不良の発生を防止することができる。
また、本実施形態では、第一の実施形態と同様(図9参照)に、リフィルカートリッジ対策モードの設定が可能であっても良い。そして本実施形態ではさらに、後処理において通常のクリーニング処理から転写クリーニング処理へと移行するための移行条件が設定されていても良い。
この条件とは、起動時または前回の転写クリーニング処理の実行時から換算した、画像形成装置100において画像形成されたページ数でも良いし、起動時または前回の転写クリーニング処理の実行時から経過した時間でも良い。この設定は、例えば操作表示部162によりユーザの任意に設定されても良いし、通信I/F164を介して画像形成装置100の外部に接続されたコンピュータ等により設定されても良い。
以下に、図12を参照して上で説明した条件が設定されていた場合の画像形成装置100の動作について説明する。図12は、第二の実施形態におけるクリーニング処理を説明する第二のフローチャートの例である。
図12のS121からS123の処理は、図9のS91からS93の処理と同様なので説明を省略する。
エンジン制御部171は、作像が終了すると(S124)、S122においてトナーカートリッジ200が純正品であることが検出されていた場合には(S125)、通常の後処理を実行し(S126)、印刷処理を終了する。
エンジン制御部171は、S122においてトナーカートリッジ200がリフィルカートリッジであることが検出されていた場合(S125)、画像形成装置100においてリフィルカートリッジ対策モードが設定されており且つ転写クリーニング処理への移行条件を満たしているか否かを判断する(S127)。エンジン制御部171は、S127において、リフィルカートリッジ対策モードが設定されていない及び/または転写クリーニング処理への移行条件を満たしていないと判断した場合、通常の後処理を実行して(S128)、印刷処理を終了する。
エンジン制御部171は、S127において、フィルカートリッジ対策モードが設定されており、且つ転写クリーニング処理への移行条件を満たすと判断した場合、後処理のクリーニング処理を通常のクリーニング処理から転写クリーニング処理へ移行させる。そしてエンジン制御部171は、後処理において転写クリーニング処理を実行する(S129)。エンジン制御部171は、リフィルカートリッジを使用したことによる転写の不具合を改善する調整を行い(S130)、印刷処理を終了する。
このように、転写クリーニング処理への移行条件を設定することにより、リフィルカートリッジに収納されたトナーの特性などに合わせて、適度な度合いで転写クリーニング処理を実行させることができる。
さらに本実施形態は、第一の実施形態と同様に、転写クリーニング処理の処理時間を延長可能としても良い。この転写クリーニング処理の処理時間は、例えば転写クリーニング処理への移行条件を設定する際に、ユーザにより操作表示部162又は外部のコンピュータにより設定されても良い。
さらに本実施形態では、エンジン制御部171は、後処理において転写クリーニング処理が実行された場合、この転写クリーニング処理における転写電流値を大きくしても良い。
本実施形態の転写クリーニング処理は、クリーニング及び廃トナー回収部230の有する図示しないクリーニングブラシにより行われる。この転写クリーニング処理は、クリーニングブラシの摺擦による機械的な除去力と、クリーニングブラシに流される電流による電気的な除去力とにより行われる。
ここで本実施形態では、転写クリーニング処理においてクリーニングブラシに流さされる電流値を大きくし、クリーニングブラシへの転写残トナーの吸着を良くすることにより、クリーニング効果を高めるものである。
以下に図13を参照して、本実施形態の転写クリーニング処理における電流値の調整を説明する。図13は、第二の実施形態におけるクリーニング処理を説明する第三のフローチャートの例である。
図13のS131からS134までの処理は、図8のS81からS84までの処理と同様なので説明を省略する。
エンジン制御部171は、S133においてリフィルカートリッジが装着されていることを検出した場合、後処理におけるクリーニング処理の代わりに実行される転写クリーニング処理における電流値を大きくする処理を行う(S135)。そしてエンジン制御部171は、S135において調整された電流値で転写クリーニング処理を実行する。その後エンジン制御部171は、リフィルカートリッジを使用したことによる転写の不具合を改善する調整を行い(S136)、印刷処理を終了する。
このように、本実施形態ではリフィルカートリッジが装着された場合に、後処理のクリーニング処理が転写クリーニング処理に移行されたとき、転写クリーニング処理における電流値を大きくすることで、転写クリーニング処理におけるクリーニング効果を向上させることができる。尚ここでの電流値は、操作表示部162または外部のコンピュータにより設定されても良いし、予め設定された初期設定値として画像形成装置100の記憶装置に記憶されていても良い。
ここで参考として、図14に転写クリーニング処理への移行条件が設定された場合の画像形成装置100の動作のタイミングチャートの例を示す。図14に第二の実施形態のクリーニング処理を説明するタイミングチャートを示す。
(第三の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第三の実施形態について説明する。
本発明の第三の実施形態では、第一の実施形態と比較して、トナーカートリッジ200がリフィルカートリッジであった場合に、画像形成装置100における作像工程において、帯電電圧値を大きくする点が相違する。よって本実施形態の説明では、この相違点についてのみを説明し、その他第一の実施形態と同様の機能構成を有し同様の動作を行うものについては、第一の実施形態における説明で使用した符号と同様の符号を付与し、説明を省略する。
画像形成装置100では、作像工程において帯電ローラ210により、電荷を持たない感光体240に所定の帯電電圧を印加してプラスまたはマイナスの電荷を持たせる帯電工程がある。感光体240では、光学系110による露光工程において、この帯電工程により帯電された電荷から露光量に応じた電荷が消去されて静電潜像が形成される。そして感光体240では、露光によって電荷が失われなかった部分へ、感光体240とは逆極性の電荷を持ったトナーが乗せられて、トナーによる画像の鏡像が形成される。
ここで、本実施形態の画像形成装置100では、この感光体240において露光により電荷が失われる部分、即ち記録紙上の地肌となる部分には、トナーの持つ電荷と同じ極性の電荷を帯電させている。このようにすれば、作像工程のうちの現像工程で、感光体240における地肌となる部分の電荷と、感光体240に吸着されるトナーの電荷が同一となるので、地肌となる部分へトナーが吸着しない。よって、地肌汚れを起こすことを防止できる。
尚本実施形態では、トナーの持つ電荷の極性をマイナスとした。よって、感光体240おいて、地肌となる部分に帯電される電荷の極性もマイナスである。さらにこのとき、この地肌となる部分に帯電される電荷量は、露光工程において全ての電荷が消去されない程度であることが望ましい。
さらに本実施形態の画像形成装置100では、リフィルカートリッジが装着された場合の帯電工程において、感光体240上の地肌となる部分へのマイナスの帯電電圧を通常時よりも大きくする。
以下に、図15を参照して本実施形態の画像形成装置100の動作について説明する。図15は、第三の実施形態の動作を説明するフローチャートの例である。
図15のS151からS154までの処理は、図8のS81からS84までの処理と同様なので説明を省略する。
エンジン制御部171は、S153においてリフィルカートリッジが装着されていることを検出した場合、作像工程における帯電電圧値を大きくする処理を行う(S155)。尚本実施形態では、このときマイナスの帯電電圧値を大きくするようにした。そしてリフィルカートリッジを使用したことによる用紙地肌汚れを改善し(S156)、印刷処理を終了する。
このように、本実施形態ではリフィルカートリッジが装着された場合に、作像工程の帯電において、トナーの持つ電荷と同じ極性の帯電電圧値を大きくすることにより、用紙地肌汚れを防止し、異常画像が印刷されると言った不具合を防止することができる。
尚本実施形態の画像形成装置100も、第一の実施形態と同様に、リフィルカートリッジ対策モードの設定が可能であっても良い。また本実施形態の画像形成装置100にリフィルカートリッジが装着されていた場合、リフィルカートリッジ対策モードが設定されていたときのみ、帯電電圧値を大きくする処理を行っても良い。
さらに本実施形態の画像形成装置100では、S155において設定される帯電電圧値は、予め設定された初期設定値として画像形成装置100の備える記憶手段に記憶されていても良い。またこの帯電電圧値は、操作表示部162または外部のコンピュータなどにより設定可能であっても良い。
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態にあげた形状、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。