JP2022042592A - 単結晶製造装置及び単結晶の製造方法 - Google Patents

単結晶製造装置及び単結晶の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Fリング法によるギャップ計測精度を高める。【解決手段】単結晶製造装置10は、融液13から単結晶15を引き上げる単結晶引き上げ部と、カメラ18の撮影画像を処理する演算部23と、演算部23の処理結果に基づいて結晶引き上げ条件を制御する制御部26とを備える。演算部24は、カメラ18の撮影画像に写る遮熱部材の開口の実像と融液面に映り込む遮熱部材17の開口の鏡像の大きさから遮熱部材の下端と融液面との間の第1ギャップ計測値を算出する第1演算部24と、カメラ18の撮影画像に写る単結晶と融液との境界に発生するフュージョンリングから求める結晶中心位置の高さ方向の変化量から遮熱部材17の下端と融液面との間の第2ギャップ計測値を相対的な算出する第2演算部25を有する。第2演算部25は、予め用意したギャップ補正量テーブルを用いて第2ギャップ計測値を補正する。【選択図】図1

Description

本発明は、単結晶製造装置及び単結晶の製造方法に関し、特に、チョクラルスキー法(CZ法)による単結晶の引き上げ工程中に融液面の位置を計測する方法に関する。
半導体デバイスの基板材料となるシリコン単結晶の多くはCZ法により製造されている。CZ法は、石英ルツボ内に収容されたシリコン融液に種結晶を浸漬し、種結晶及び石英ルツボを回転させながら種結晶を徐々に引き上げることにより、種結晶の下方に大きな直径の単結晶を成長させるものである。CZ法によれば、高品質のシリコン単結晶インゴットを高い歩留まりで製造することが可能である。
CZ法により育成されるシリコン単結晶に含まれる欠陥の種類や分布は、結晶引き上げ速度Vと結晶引き上げ方向の結晶内温度勾配Gとの比V/Gに依存することが知られている。V/Gが大きい場合には空孔が過剰となり、その凝集体であるボイドが発生する。ボイドは一般的にCOP(Crystal Originated Particle)と称される結晶欠陥である。一方、V/Gが小さい場合には格子間シリコン原子が過剰となり、その凝集体である転位クラスターが発生する。COPや転位クラスターなどのGrown-in欠陥を含まないシリコン単結晶を育成するためには、V/Gの厳密な制御が必要である。
V/Gを制御してCOPや転位クラスターを含まないシリコン単結晶を引き上げたとしても、その結晶品質は必ずしも均質ではなく、熱処理された場合の挙動が異なる複数の領域を含んでいる。例えば、COPが発生する領域と転位クラスターが発生する領域の間には、V/Gが大きい方から順に、OSF領域、Pv領域、Pi領域という3つの領域が存在する。
OSF領域とは、as-grown状態(単結晶成長後に何の熱処理も行っていない状態)で板状酸素析出物(OSF核)を含んでおり、高温(一般的には1000℃から1200℃)で熱酸化した場合にOSF(Oxidation induced Stacking Fault)が発生する領域である。Pv領域とは、as-grown状態で酸素析出核を含んでおり、低温及び高温(例えば、800℃と1000℃)の2段階の熱処理を施した場合に酸素析出物が発生し易い領域である。Pi領域とは、as-grown状態で殆ど酸素析出核を含んでおらず、熱処理を施されても酸素析出物が発生し難い領域である。
こうしたPv領域とPi領域とを作り分けた高品位なシリコン単結晶(PvPi結晶)の育成にはV/Gのさらに精密な制御が必要であり、例えば、V/Gの変動許容幅を±0.5%以内にする必要があることが判明している。
単結晶の引き上げ軸方向のV/Gは、単結晶の引き上げ速度Vに大きく依存する。したがって、引き上げ軸方向のV/Gの制御は、結晶引き上げ速度Vを調整することにより行われる。一方、単結晶の径方向のV/Gは、単結晶の径方向の温度勾配Gに大きく依存する。そのため、単結晶の中心部における温度勾配Gと外周部における温度勾配Gの差が所定の範囲内に収まるようにチャンバー内に適切な高温領域(ホットゾーン)を構築する必要がある。単結晶の径方向の温度勾配Gは、シリコン融液の上方に設けられた遮熱部材によって制御され、これにより固液界面付近に適切なホットゾーンを構築することができる。
上記のように、V/Gの制御は主に結晶引き上げ速度Vを調節することにより行われる。また、結晶内温度勾配Gは、シリコン融液の上方に設置された遮熱部材の下端から融液面までの距離(ギャップ)の影響を大きく受けることが知られている。V/Gを高精度に制御するためには、遮熱部材との融液面との間隔を一定に保つことが求められる。
一方、CZ法では、単結晶の引き上げが進むにつれてシリコン融液が消費されて液面位置が低下するため、融液面と遮熱部材との距離を一定に保つためには、液面位置の低下に合わせて石英ルツボを上昇させる制御が必要である。そのためには、液面位置を正確に測定する必要がある。
上記のようにギャップを精密に制御するためには、遮熱部材から見たシリコン融液の液面位置の精密な測定が不可欠である。シリコン融液の液面位置の測定方法に関し、例えば特許文献1には、遮熱部材の実像と鏡像との間隔に基づいてシリコン融液の液面位置を設定し、シリコン単結晶が例えば直胴部に移行する段階で、シリコン融液とシリコン単結晶との境界に発生するフュージョンリングの像から得られるシリコン単結晶の中心位置に基づいて、シリコン融液の液面位置を算出する方法が記載されている。
特開2012-126585号公報
上記のように、液面位置の測定方法としては、「鏡像法」と「フュージョンリング法」という2つの方法が知られている。鏡像法は、炉内をカメラで撮影したときの撮影画像に写る遮熱部材の実像と融液面に映り込んだ遮熱部材の鏡像の大きさから液面位置を幾何学的に算出する方法である。また、フュージョンリング法(以下、「Fリング法」という)は、炉内をカメラで撮影したときの撮影画像に写る単結晶と融液との境界に発生する略リング状の高輝度領域(フュージョンリング)の中心座標の変化量から液面位置の変化量を算出する方法である。
しかしながら、Fリング法はギャップ計測精度が低く、単結晶の育成が進むにつれてギャップ計測誤差が大きくなるという問題がある。このようなギャップ計測誤差はシリコン単結晶の品質保証の問題につながるため、改善が求められている。
したがって、本発明の目的は、Fリング法によるギャップ計測精度を高めることが可能な単結晶製造装置及び単結晶の製造方法を提供することにある。
本願発明者は、Fリング法のギャップ計測精度が悪くなる原因について鋭意研究を重ねた結果、熱膨張によって遮熱部材の高さ位置が変化していることが原因であることに気が付いた。特に複数の炉内部品を組み上げて構成された炉内構造物の上端部に設置される場合、炉内構造物の熱膨張の影響を受けてその上下方向の位置が変化しやすい。ここで、鏡像法によるギャップ計測では、遮熱部材の実像及び鏡像を直接捉えてそれらの高さ位置を求めるため、遮熱部材の上下方向の移動が反映されたギャップの計測が可能である。しかし、Fリング法はあくまで融液面の相対的な高さ位置を求めるものであり、ギャップは鏡像法等の別の方法によって求めたある時点でのギャップ計測値を基準とし、このギャップの基準値に液面位置の相対的な変化量を加えることにより求められるため、熱膨張による遮熱部材の上下方向の移動によってギャップの基準値が変化している場合には、正しいギャップ計測値が得ることができない。すなわち、Fリング法のギャップ計測精度は、鏡像法よりも悪くなる。
本発明はこのような技術的知見に基づくものであり、本発明による単結晶製造装置は、ルツボ内の融液から単結晶を引き上げる単結晶引き上げ部と、前記単結晶を取り囲むように前記融液の上方に設置された遮熱部材と、前記融液と前記単結晶との境界部を斜め上方から撮影するカメラと、前記カメラの撮影画像を処理する演算部と、前記演算部の処理結果に基づいて結晶引き上げ条件を制御する制御部とを備え、前記演算部は、前記カメラの撮影画像に写る前記遮熱部材の開口の実像と融液面に映り込む前記遮熱部材の開口の鏡像の大きさから前記遮熱部材の下端と前記融液面との間の第1ギャップ計測値を算出する第1演算部と、前記カメラの撮影画像に写る前記単結晶と前記融液との境界に発生するフュージョンリングから求める結晶中心位置の高さ方向の変化量から前記遮熱部材の下端と前記融液面との間の第2ギャップ計測値を相対的に算出する第2演算部を有し、前記第2演算部は、予め用意したギャップ補正量テーブルを用いて前記第2ギャップ計測値を補正することを特徴とする。
本発明によれば、Fリング法において熱膨張の影響による遮熱部材の高さ位置の変化を考慮することができ、これにより精密なギャップ制御を実現することができる。
本発明において、前記制御部は、前記第1ギャップ計測値に基づいて結晶引き上げ条件を制御しながら結晶引き上げ工程を開始し、前記単結晶の直胴部育成工程の開始後に前記第1ギャップ計測値に基づくギャップ制御から前記第2ギャップ計測値に基づくギャップ制御に切り換えることが好ましい。本発明によれば、鏡像法によるギャップ制御からFリング法によるギャップ制御に切り替えた場合でも、ギャップ計測精度の低下を防止することができる。
前記制御部は、前記単結晶の直胴部育成工程の途中で前記第1ギャップ計測値に異常が発生した場合又は前記第1ギャップ計測値の計測ができない場合に、前記第1ギャップ計測値に基づくギャップ制御から前記第2ギャップ計測値に基づくギャップ制御に切り換えることが好ましい。また、前記単結晶の直胴部育成工程の途中で前記第1ギャップ計測値に異常が発生しない場合には、前記第1ギャップ計測値に基づくギャップ制御を継続することが好ましい。このように、本発明によれば、Fリング法を鏡像法のバックアップ手段として用いることができ、鏡像法によるギャップ制御からFリング法によるギャップ制御に切り替えた場合でも、ギャップ計測精度の低下を防止することができる。
前記制御部は、前記第1ギャップ計測値又は補正後の前記第2ギャップ計測値が目標値に近づくように前記ルツボの上昇速度を制御することが好ましい。このように、鏡像法によるギャップ計測値についてはそのまま採用し、Fリング法によるギャップ計測値についてはギャップ補正量を加算した上でギャップ制御に採用するので、鏡像法によるギャップ制御からFリング法によるギャップ制御に切り替えた場合でもギャップ計測精度の低下を防止することができる。
前記演算部は、過去の引き上げバッチで計測した前記第1ギャップ計測値と前記第2ギャップ計測値との差から前記ギャップ補正量テーブルを作成することが好ましく、特に前回の引き上げバッチで計測した前記第1ギャップ計測値と前記第2ギャップ計測値との差から前記ギャップ補正量テーブルを作成することが好ましい。このように、本発明によれば、同じ撮影画像から求めた遮熱部材の位置変化の影響を受けない鏡像法によるギャップ計測値と遮熱部材の位置変化の影響を受けるFリング法によるギャップ計測値との差から、ギャップ補正量を作成することができる。
前記演算部は、過去の複数の引き上げバッチで計測した前記第1ギャップ計測値と前記第2ギャップ計測値との差の平均値から前記ギャップ補正量テーブルを作成することが好ましい。これにより、引き上げバッチごとの計測ばらつきを平均化して信頼性の高いギャップ補正量を求めることができる。
また、本発明による単結晶の製造方法は、ルツボ内の融液から引き上げられる単結晶を取り囲むように前記融液の上方に設置された遮熱部材の下端と融液面との間のギャップを制御しながら前記単結晶を引き上げるチョクラルスキー法による単結晶の製造方法であって、カメラの撮影画像に写る前記遮熱部材の開口の実像と融液面に映り込む前記遮熱部材の開口の鏡像の大きさから算出した第1ギャップ計測値に基づいて前記ギャップを制御しながら結晶引き上げ工程を開始し、前記結晶引き上げ工程の開始後に、前記カメラの撮影画像に写る前記単結晶と前記融液との境界に発生するフュージョンリングから求める結晶中心位置の高さ方向の変化量から算出した第2ギャップ計測値に基づくギャップ制御に切り換え、前記第2ギャップ計測値に基づくギャップ制御では、予め用意したギャップ補正量テーブルを用いて前記第2ギャップ計測値を補正し、補正後の第2ギャップ計測値が目標値に近づくように結晶引き上げ条件を制御することを特徴とする。
本発明によれば、Fリング法において熱膨張の影響による遮熱部材の高さ位置の変化を考慮することができ、これにより精密なギャップ制御を実現することができる。
本発明による単結晶の製造方法は、前記結晶引き上げ工程の途中で前記第1ギャップ計測値に異常が発生した場合又は前記第1ギャップ計測値の計測ができない場合に、前記第1ギャップ計測値に基づくギャップ制御から前記第2ギャップ計測値に基づくギャップ制御に切り換えることが好ましい。また、前記単結晶の直胴部育成工程の途中で前記第1ギャップ計測値に異常が発生しない場合には、前記第1ギャップ計測値に基づくギャップ制御を継続することが好ましい。このように、本発明によれば、Fリング法を鏡像法のバックアップ手段として用いることができ、鏡像法によるギャップ制御からFリング法によるギャップ制御に切り替えた場合でも、ギャップ計測精度の低下を防止することができる。
前記結晶引き上げ工程では、前記第1ギャップ計測値又は補正後の前記第2ギャップ計測値が目標値に近づくように前記ルツボの上昇速度を制御することが好ましい。このように、鏡像法によるギャップ計測値についてはそのまま採用し、Fリング法によるギャップ計測値についてはギャップ補正量を加算した上でギャップ制御に採用するので、鏡像法によるギャップ制御からFリング法によるギャップ制御に切り替えた場合でもギャップ計測精度の低下を防止することができる。
本発明による単結晶の製造方法は、過去の引き上げバッチで計測した前記第1ギャップ計測値と前記第2ギャップ計測値との差から前記ギャップ補正量テーブルを作成することが好ましく、特に前回の引き上げバッチで計測した前記第1ギャップ計測値と前記第2ギャップ計測値との差から前記ギャップ補正量テーブルを作成することが好ましい。このように、本発明によれば、同じ撮影画像から求めた遮熱部材の位置変化の影響を受けない鏡像法によるギャップ計測値と遮熱部材の位置変化の影響を受けるFリング法によるギャップ計測値との差から、ギャップ補正量を作成することができる。
本発明による単結晶の製造方法は、過去の複数の引き上げバッチで計測した前記第1ギャップ計測値と前記第2ギャップ計測値との差の平均値から前記ギャップ補正量テーブルを作成することが好ましい。これにより、引き上げバッチごとの計測ばらつきを平均化して信頼性の高いギャップ補正量を求めることができる。
さらにまた、本発明による単結晶の製造方法は、融液から引き上げられる単結晶を取り囲むように前記融液の上方に設置された遮熱部材の下端と融液面との間のギャップを計測しながら前記単結晶を引き上げるチョクラルスキー法による単結晶の製造方法であって、炉内をカメラで撮影したときの撮影画像に写る前記遮熱部材の実像と前記融液面に映り込んだ前記遮熱部材の鏡像から液面位置を幾何学的に算出する鏡像法により第1ギャップ計測値を算出し、前記第1ギャップ計測値に基づいてギャップを制御しながら結晶引き上げ工程を開始し、前記炉内を前記カメラで撮影したときの撮影画像に写る前記単結晶と前記融液との境界に発生するフュージョンリングの中心座標の変化量から液面位置の変化量を算出するFリング法により第2ギャップ計測値を算出し、前記鏡像法による前記第1ギャップ計測値に異常が発生した場合又は前記第1ギャップ計測値の計測ができない場合に、前記第1ギャップ計測値に基づくギャップ制御から前記Fリング法による前記第2ギャップ計測値に基づくギャップ制御に切り換え、前記第2ギャップ計測値に基づくギャップ制御では、予め用意したギャップ補正量テーブルを用いて前記第2ギャップ計測値を補正し、補正後の第2ギャップ計測値が目標値に近づくように結晶引き上げ条件を制御することを特徴とする。
本発明によれば、Fリング法において熱膨張の影響による遮熱部材の高さ位置の変化を考慮することができ、これにより精密なギャップ制御を実現することができる。
本発明によれば、Fリング法によるギャップ計測精度を高めることが可能な単結晶製造装置及び単結晶の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態による単結晶製造装置の構成を示す略断面図である。 図2は、本発明の実施の形態によるシリコン単結晶の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図3は、本実施形態によるシリコン単結晶の製造方法により製造されるシリコン単結晶インゴットの形状を示す側面図である。 図4は、結晶引き上げ工程中のギャップ制御方法を説明するためのフローチャートである。 図5は、カメラの撮影画像であって、遮熱部材の実像と鏡像との関係を説明するための図である。 図6(a)及び(b)は、撮影画像の二次元座標を実空間の座標に投影変換する方法を説明するための模式図である。 図7は、鏡像法によるギャップの計測方法であって、遮熱部材の実像及び鏡像それぞれの開口の半径からギャップ値を算出する方法を説明するための模式図である。 図8は、カメラの撮影画像であって、固液界面に発生するフュージョンリングを説明するための図である。 図9は、フュージョンリングのエッジ検出方法の説明図である。 図10(a)及び(b)は、ギャップ計測値の補正方法の説明図である。 図11は、鏡像法によるギャップ計測結果とFリング法によるギャップ計測結果とを比較して示すグラフであり、横軸は結晶長さ(相対値)、縦軸はギャップ計測値(相対値)である。 図12は、実施例によるギャップ計測結果を示すグラフである。 図13は、比較例によるギャップ計測結果を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
図1は、本発明の実施の形態による単結晶製造装置の構成を示す略断面図である。
図1に示すように、単結晶製造装置10は、シリコン単結晶を育成するための装置であって、略円筒形のチャンバー19を備え、チャンバー19の内部にはシリコン融液13を貯留する石英ルツボ11が設置されている。チャンバー19は、例えば内部に一定の隙間を形成した二重壁構造であればよく、この隙間に冷却水を流すことによって、石英ルツボ11を加熱した際にチャンバー19が高温化することを防止する。
こうしたチャンバー19の内部には、シリコン単結晶の引き上げ開始前から終了後までアルゴンなどの不活性ガスが導入される。チャンバー19の頂部には、引上駆動装置22が備えられる。引上駆動装置22は、シリコン単結晶インゴット15の成長核となる種結晶14及びそこから成長するシリコン単結晶インゴット15を回転させつつ上方に引き上げる。こうした引上駆動装置22には、シリコン単結晶インゴット15の引き上げ量に基づいてシリコン単結晶インゴット15の結晶長情報を送出するセンサ(不図示)が形成されていれば良い。引上駆動装置22は、制御部26に接続されており、結晶長情報は制御部26に送られる。本実施形態において、石英ルツボ11等のチャンバー19内の構成要素及び引上駆動装置22は、単結晶引き上げ部を構成している。
チャンバー19の内部には、石英ルツボ11を取り囲むように配置された略円筒形のヒータ12が備えられる。ヒータ12は、石英ルツボ11を加熱する。このヒータ12の内側に、ルツボ支持体(黒鉛ルツボ)16及び石英ルツボ11が収容される。石英ルツボ11は、全体が石英で一体に形成され、上方が開放面を成す略円筒形の容器である。
石英ルツボ11には、固形のシリコンを溶融したシリコン融液13が貯留される。ルツボ支持体16は、例えば全体が黒鉛で形成され、石英ルツボ11を包むように密着して支持する。ルツボ支持体16は、シリコンの溶融時に軟化した石英ルツボ11の形状を維持し、石英ルツボ11を支える役割を果たす。
ルツボ支持体16の下側にはルツボリフト装置21が備えられる。ルツボリフト装置21は、ルツボ支持体16及び石英ルツボ11を下側から支えるとともに、シリコン単結晶インゴット15の引き上げに伴って変化するシリコン融液13の融液面13aの液面位置が適切な位置となるように石英ルツボ11を上下動させる。これにより、シリコン融液13の融液面13aの位置が制御される。ルツボリフト装置21は、同時に、引き上げ時にルツボ支持体16及び石英ルツボ11を所定の回転数で回転可能に支持している。
石英ルツボ11の上面には、シリコン融液13の上面、すなわち融液面13aを覆うように遮熱部材(遮蔽筒)17が形成されている。遮熱部材17は、例えばすり鉢状に形成された断熱板からなり、その下端には略円形の開口17aが形成されている。また遮熱部材17の上端の外側縁部はチャンバー19の内面側に固定されている。
こうした遮熱部材17は、引き上げたシリコン単結晶インゴット15が石英ルツボ11内のシリコン融液13から輻射熱を受けて熱履歴が変化し、品質が劣化することを防止する。また、こうした遮熱部材17は、チャンバー19の内部に導入された引き上げ雰囲気ガスをシリコン単結晶インゴット15側からシリコン融液13側に誘導することによって、シリコン融液13の融液面13a付近の残留酸素量や、シリコン融液13から蒸発したシリコン蒸気やSiOなどを制御し、シリコン単結晶インゴット15が目的の品質になるようにする。このような引き上げ雰囲気ガスの制御は、炉内圧及び遮熱部材17の下端とシリコン融液13の融液面13aとのギャップを通過する際の流速に依存すると考えられる。シリコン単結晶インゴット15が目的の品質になるように、遮熱部材17の下端からシリコン融液13の融液面13aまでの距離(ギャップ値)ΔGは正確に設定される必要がある。なお、引き上げ雰囲気ガスとしては、アルゴンなどの不活性ガスに、ドーパントガスとして水素、窒素、やそれ以外の所定のガスを含有することができる。
チャンバー19の外側にはカメラ18が設置されている。カメラ18は例えばCCDカメラであり、チャンバー19に形成された覗き窓を介してチャンバー19内を撮影する。カメラ18の設置角度θは、シリコン単結晶インゴット15の引き上げ軸Zに対して所定の角度をなしており、カメラ18は鉛直方向に対して傾斜した光軸Lを有する。言い換えるとカメラ18の設置角度θとは、鉛直方向に対する光軸Lの傾斜角である。カメラ18は、遮熱部材17の開口17a及び融液面13aを含む石英ルツボ11の上面領域を斜め上方から撮影する。カメラ18は、演算部23に接続されており、カメラ18の撮影画像は、演算部23において結晶直径及び液面位置の検出に用いられる。
演算部23は、カメラ18の撮影画像を処理する第1演算部24及び第2演算部25を含む。第1演算部24は、カメラ18によって撮影された遮熱部材17の実像と、シリコン融液13の融液面13aに映し出された遮熱部材17の鏡像とを含む画像に基づいて、シリコン融液13の液面位置を算出する。また、第2演算部25は、カメラ18によって撮影されたシリコン融液13とシリコン単結晶インゴット15との境界部を含む画像に基づいて、シリコン融液13の液面位置及びシリコン単結晶インゴット15の直径を算出する。演算部23は、制御部26に接続されており、演算部23の処理結果は制御部26に送られる。
制御部26は、引上駆動装置22のセンサから得られたシリコン単結晶インゴット15の結晶長データと、第2演算部25によって算出された結晶直径データに基づいて、石英ルツボ11の移動量(上昇速度)を制御する。さらに石英ルツボ11の移動量を制御するため、制御部26は、第1演算部24又は第2演算部25によって算出されたシリコン融液13の液面位置に基づいて、石英ルツボ11の位置補正制御を行う。
図2は、本発明の実施の形態によるシリコン単結晶の製造方法を説明するためのフローチャートである。また、図3は、本実施形態によるシリコン単結晶の製造方法により製造されるシリコン単結晶インゴットの形状を示す側面図である。
図2に示すように、シリコン単結晶の製造では、まず石英ルツボ11に原料の多結晶シリコンを投入し、ヒータ12によって石英ルツボ11内の多結晶シリコンを加熱して溶融し、シリコン融液13を生成する(ステップS11)。
次に、種結晶14を降下させてシリコン融液13に着液させる(ステップS12)。その後、シリコン融液13との接触状態を維持しながら種結晶14を徐々に引き上げて単結晶を成長させる結晶引き上げ工程(ステップS13~S16)を実施する。
結晶引き上げ工程では、無転位化のために結晶直径が細く絞られたネック部15aを形成するネッキング工程S13と、結晶直径が徐々に大きくなったショルダー部15bを形成するショルダー部育成工程S14と、結晶直径が規定の直径(例えば約300mm)に維持された直胴部15cを形成する直胴部育成工程S15と、結晶直径が徐々に小さくなったテール部15dを形成するテール部育成工程S16が順に実施され、最終的には単結晶が融液面から切り離される。以上により、ネック部15a、ショルダー部15b、直胴部15c及びテール部15dを有する図3に示したシリコン単結晶インゴット15が完成する。
結晶引き上げ工程中は、カメラ18の撮影画像からシリコン融液13の融液面13aと遮熱部材17とのギャップ値ΔGを算出し、これによりシリコン融液13の液面位置を算出する。そして、このギャップ値ΔGに基づいて、ルツボの上昇量を制御する。これにより、シリコン単結晶の引き上げ開始から引き上げ終了までの間、シリコン融液13の減少によらずヒータ12や遮熱部材17などの炉内構造物に対する融液面13aの位置を一定に保ちあるいは変化させて、これによりシリコン融液13に対する熱の輻射分布を制御することができる。
また、結晶引き上げ工程中は、カメラ18の撮影画像から単結晶の直径を算出し、結晶直径が結晶長に対応した所定の直径となるように、結晶引き上げ条件を制御する。ショルダー部育成工程S14では結晶直径が徐々に大きくなるように制御し、直胴部育成工程S15では結晶直径が一定になるように制御し、テール部育成工程S16では結晶直径が徐々に小さくなるように制御する。結晶引き上げ条件の制御対象は、石英ルツボ11の高さ位置、結晶引き上げ速度、ヒータ出力などである。カメラ18の撮影画像を用いた結晶引き上げ条件の制御は、結晶引き上げ工程中に行われる。具体的には、図2におけるネッキング工程S13の開始からテール部育成工程S16の終了までの間に行われる。
図4は、結晶引き上げ工程中のギャップ制御方法を説明するためのフローチャートである。
図4に示すように、結晶引き上げ工程開始時には、鏡像法によるギャップ計測を開始し、このギャップ計測値(第1ギャップ計測値)に基づくギャップ制御を行う(ステップS21、S22)。詳細は後述するが、鏡像法は、カメラ18の撮影画像に写る遮熱部材の実像及び鏡像それぞれの大きさと相対的な位置関係から遮熱部材の下端と融液面との間のギャップを幾何学的に算出する方法である。
続いて、直胴部育成工程の開始とともにFリング法によるギャップ計測を開始し、鏡像法によるギャップ計測とFリング法によるギャップ計測を同時に並行して実施する(ステップS23,S24)。詳細は後述するが、Fリング法は、直胴部育成工程中にカメラの撮影画像に写るフュージョンリングの中心座標を幾何学的に算出し、中心座標の上下方向の変化から液面位置の変化量を算出し、さらにこの液面位置の変化量からギャップを算出する方法である。
直胴部育成工程において鏡像法によるギャップ計測を問題なく継続できる場合(ステップS25N)、結晶引き上げ工程終了まで鏡像法によるギャップ制御を継続する(ステップS26,S27)。このとき、鏡像法によるギャップ制御を行いながら、鏡像法によるギャップ計測値(第1ギャップ計測値)とFリング法によるギャップ計測値(第2ギャップ計測値)を同時に並行して取得することにより、鏡像法によるギャップ計測値を基準としたFリング法のギャップ計測誤差を求めることができ、このギャップ計測誤差を次バッチ以降のギャップ補正量テーブル(ギャップ補正量プロファイル)として用いることができる。
鏡像法とFリング法のギャップ計測誤差からギャップ補正量テーブルを作成する場合、過去の複数の引き上げバッチで計測した鏡像法によるギャップ計測値とFリング法によるギャップ計測値との差の平均値からギャップ補正量テーブルを作成することが好ましく、3バッチ以上の実績値の平均値を用いることが特に好ましい。これにより、バッチ間の測定ばらつきを考慮したより正確なギャップ補正が可能となる。なお「引き上げバッチ」とは、同一の石英ルツボを用いて単結晶を製造する一連の工程のことである。例えば、同一の石英ルツボを用いて1本の単結晶を製造する場合、引き上げバッチとは1本の単結晶の製造に要した一連の工程を意味する。また同一の石英ルツボを用いて例えば3本の単結晶を製造するマルチプリング法の場合、引き上げバッチとは3本の単結晶の製造に要した一連の工程を意味する。
一方、直胴部育成工程中に鏡像法によるギャップ計測が困難になった場合(ステップS25Y)、鏡像法からFリング法によるギャップ制御に切り替える(ステップS28)。ここで、鏡像法によるギャップ計測が困難な場合とは、不測のアクシデントによりギャップ計測ができなくなる場合のほか、結晶引き上げ工程の途中で鏡像法によるギャップ計測が必ずできなくなる場合がある。不測のアクシデントによる場合とは、例えば、融液が跳ねて遮熱部材17の下端部に付着し、カメラ18の撮影画像に写る遮熱部材17の開口エッジの輝度分布が異常となり、ギャップ計測誤差が大きくなる場合である。
また、鏡像法によるギャップ計測が必ずできなくなる場合とは、例えば、シリコン単結晶インゴット15と遮熱部材17との間の隙間が非常に狭く、この隙間から遮熱部材17の鏡像を捉えることができない場合である。このように、鏡像法によるギャップ制御からFリング法によるギャップ制御に切り替えることで、結晶引き上げ工程の序盤から終盤までギャップ制御を継続することができる。
次に、鏡像法によるギャップの計測方法について説明する。
図5は、カメラ18の撮影画像であって、遮熱部材17の実像と鏡像との関係を説明するための図である。
図5に示すように、シリコン融液13は遮熱部材17の開口17aを通して覗き見ることができ、撮影画像には遮熱部材17の実像17rが写り込んでいる。また遮熱部材17の開口17aの内側にはシリコン融液13があり、シリコン融液13の融液面13aは鏡面となるため、融液面13aには遮熱部材17の鏡像17mが映り込んでいる。遮熱部材17はチャンバー19内の炉内構造物に固定されているので、遮熱部材17の実像17rの位置が大きく変化することはないが、上述のように炉内構造物の熱膨張の影響を受けてわずかに変化する。
一方、融液面13aに映る遮熱部材17の鏡像17mは、遮熱部材17と融液面13aとの距離の変動にしたがって明確に変化する。このため、遮熱部材17の実像17rと融液面13aに映った鏡像17mとの間隔Dは、結晶成長に伴うシリコン融液13の消費や石英ルツボ11の昇降による融液面13aの上下動に連動する。融液面13aの位置はこの実像17rと鏡像17mとの間隔Dの中点にあるため、融液面13aを遮熱部材17の下端に一致させると遮熱部材17の実像17rと鏡像17mとの間隔はゼロになり、融液面13aを徐々に下げていくと遮熱部材17の下端から融液面13aまでの距離(ギャップ値)ΔGも徐々に広がる。このときのギャップ値ΔGは、遮熱部材17の実像17rと鏡像17mとの間隔Dの1/2の値(すなわち、D=ΔG×2)として算出することができ、カメラ18で撮影した画像の画素サイズおよび画素数を用いて計算することができる。
このような遮熱部材17の実像17rと鏡像17mとの関係から液面位置を測定するいわゆる鏡像法では、カメラ18で撮影した画像から遮熱部材17の実像17rと鏡像17mそれぞれのエッジパターンを検出した上で、それぞれ開口の寸法を算出し、それらの2つの寸法からギャップ値ΔG(遮熱部材17の下端と融液面13aとの間隔:図1参照)を算出する。詳細には、遮熱部材17の実像17rの開口の半径rに基づいてカメラ18から実像17rまでの垂直方向の距離(第1の距離)を算出し、遮熱部材17の鏡像17mの開口の半径rに基づいてカメラ18から鏡像17mまでの垂直方向の距離(第2の距離)を算出し、これらの距離の差からギャップ値ΔGを算出する。これは、カメラ18から見た遮熱部材17の鏡像17mの開口の垂直方向の位置は、遮熱部材17の実像17rの開口よりも2ΔG遠くにあるものと見ることができ、遮熱部材17の実像17rの開口に対する遮熱部材17の鏡像17mの開口の縮小比はギャップ値ΔGに比例し、ΔGが大きくなるほど鏡像17mの開口の寸法は小さくなると考えることができるからである。
しかしチャンバー19の外側に設置したカメラ18は融液面13aを斜め上方から撮影するので、遮熱部材17の円形の開口17aの見かけ上の形状は真円とならず、撮影画像は歪んでいる。遮熱部材17の実像17rおよび鏡像17mそれぞれの開口の寸法を正確に算出するためには、画像のひずみ補正が必要である。そこで本実施形態では、カメラ18で撮影した遮熱部材17の実像17rおよび鏡像17mそれぞれの開口を基準平面上に投影変換し、真上から見たときの開口17aの寸法を求める。
なお、遮熱部材17の実像17rおよび鏡像17mそれぞれの開口の寸法(代表寸法)としては、開口のエッジパターン(サンプル値)を最小二乗法により円近似して得られた円の半径を用いることができる。このようにして求めた遮熱部材17の実像17r及び鏡像17mの寸法を基準にして実像17rと鏡像17mとの間隔D=2ΔGを特定する。
任意の開口形状を有する遮熱部材17の像の垂直方向の位置は、遮熱部材17の設計上の開口形状を所定の縮尺率で縮小した基準パターンとマッチングさせることにより算出することができる。すなわち、カメラ18の設置位置からの距離に応じて縮小率を変化させた遮熱部材17の開口形状の基準パターンを用意し、遮熱部材17の像のエッジパターンを基準パターンとマッチングさせたときに残差が最小(マッチング率が最大)となる基準パターンの縮小率に基づいて、カメラ18の設置位置から遮熱部材17の像までの距離を実際の距離として算出する。このようにして、カメラ18の設置位置を基準とした遮熱部材17の実像および鏡像それぞれの垂直方向の位置を求めることができる。
図6(a)及び(b)は、撮影画像の二次元座標を実空間の座標に投影変換する方法を説明するための模式図である。
図6(a)に示すように、カメラ18はチャンバー19内を斜め上方から撮影しているため、撮影画像中の遮熱部材17の開口17aの形状は歪んでおり、遠近感を持った画像となっている。すなわち、カメラ18までの距離が近い下側の画像は上側よりも広がっている。したがって、遮熱部材17の実像および鏡像それぞれの開口の寸法を正確に算出するためには、画像のひずみ補正が必要となる。そこで、カメラ18の撮像画像の座標を、遮熱部材17の下端と同じ高さ位置に設定した基準平面上の座標に投影変換してひずみを補正する。
図6(b)は、画像補正を行う際の座標系を示している。この座標系では、基準平面をxy平面としている。またXY座標の原点Cは、カメラ18の撮像デバイス18aの中心座標Cからカメラ18のレンズ18bの中心座標F(0,y,z)を通るように引いた直線(一点鎖線)と基準平面との交点である。この直線はカメラ18の光軸である。
また、シリコン単結晶15の引き上げ方向がz軸の正方向であり、撮像デバイス18aの中心座標C(0,y,z)とレンズ18bの中心座標F(0,y,z)はyz平面内にある。図6(a)に示した画像中の座標(u,v)は撮像デバイス18aの画素で表され,以下の式(1)に示す撮像デバイス18a上の任意の一点P(x,y,z)に対応している。
Figure 2022042592000002
ここで、αとαは撮像デバイス18aの横方向と縦方向の画素サイズであり、yとzは撮像デバイス18aの中心座標Cのy座標とz座標である。また図6(b)に示すように、θは、カメラ18の光軸がz軸となす角度であって、カメラ18の設置角度である。
撮像デバイス18aの中心座標C(0,y,z)は、カメラ18のレンズ18bの中心座標F(0,y,z)およびレンズの焦点距離fを用いて、以下の式(2)で表される。
Figure 2022042592000003
レンズ18bをピンホールと考えるとき、撮像デバイス18a上の任意の一点P(X,y,z)はF(0,y,z)を通して基準平面上に投影され、投影後の座標P'(X,Y,0)は以下の式(3)で表すことができる。
Figure 2022042592000004
式(1)、式(2)および式(3)を用いることにより、基準平面上に投影された遮熱部材17の円形の開口17aの実像及び鏡像の座標を求めることができる。そして基準平面上に投影された遮熱部材17の円形の開口17aのエッジ位置の座標から、円形の開口の中心座標を求めることができる。
次に、遮熱部材17の開口17aの半径の算出方法について説明する。基準平面上に投影された遮熱部材17の円形の開口17aの実像及び鏡像の座標から開口17aの中心座標(x、y)および半径rを算出する方法としては最小二乗法を用いればよい。遮熱部材17の開口17aは円形であり、開口17aの像は以下の式(4)に示す円の方程式を満たす。
Figure 2022042592000005
ここで式(10)中の(x,y)およびrの算出には最小二乗法を用いる。最小二乗法での演算を簡易に行うために以下の式(5)に示す変形を行う。
Figure 2022042592000006
この式(5)中の変数a,b,cを最小二乗法で求めることとなる。それは式(5)と測定された点との差の二乗和が最小なる条件を得ることとなり、これを以下の式(6)に示す偏微分方程式を解くことにより得られる。
Figure 2022042592000007
そして、この式(6)の解は以下の式(7)に示す連立方程式により算出可能である。
Figure 2022042592000008
このように最小二乗法を用いることにより、基準平面上に投影された遮熱部材17の実像17rおよび鏡像17mそれぞれの開口の半径r、rを算出することができる。
図7は、鏡像法によるギャップの計測方法であって、遮熱部材17の実像17r及び鏡像17mそれぞれの開口の半径r,rからギャップ値ΔGを算出する方法を説明するための模式図である。
図7に示すように、遮熱部材17が水平に設置されている場合、遮熱部材17の鏡像の本来の中心座標P(Xmc,Ymc,Zgap)は、融液面13aを挟んで遮熱部材17の実像17rの中心座標P(Xhc,Yhc,0)と反対側に存在し、その2点を結ぶ直線Lは遮熱部材17の実像の中心座標P(Xhc,Yhc,0)を通り鉛直軸であるZ軸と平行な直線となる。
一方、基準平面上での遮熱部材17の鏡像17mの中心座標P'(Xmc,Ymc,0)は、遮熱部材17の鏡像の本来の中心座標P(Xmc,Ymc,Zgap)が基準平面上に投影された座標となるため、遮熱部材17の鏡像の本来の中心座標P(Xhc,Yhc,Zgap)は、基準平面上での遮熱部材17の鏡像の中心座標P'(Xmc,Ymc,0)とレンズの中心座標F(X,Y,Z)を通る直線上にある。
したがって、撮像デバイスのレンズの中心座標F(X,Y,Z)から遮熱部材17の実像17rの開口の中心座標P(Xhc,Yhc,0)までの距離をLとし、撮像デバイスのレンズの中心座標F(X,Y,Z)から遮熱部材17の鏡像17mの開口の中心座標P(Xmc,Ymc,Zgap)までの距離をLとするとき、距離L,Lは次の式(8)で表すことができる。
Figure 2022042592000009
この式(8)を変形することにより、ギャップ値ΔGは以下の式(9)ように表すことができる。
Figure 2022042592000010
このように、ギャップ値ΔGを算出するためには、距離L,Lを求めればよいことが分かる。
融液面13aに映った遮熱部材17の鏡像は実際の遮熱部材17よりも2ΔGだけ遠くにあると考えることができ、そのため遮熱部材17の鏡像17mの開口は、実像17rの開口よりも小さく見える。さらに、結晶引き上げ中の炉内温度環境下では、熱膨張により遮熱部材17の開口の寸法は常温下での寸法よりも大きくなることが分かっている。そこで、熱膨張を考慮した開口の半径(理論値)をractual、遮熱部材17の実像の開口の半径測定値をr、遮熱部材17の鏡像の開口の半径測定値をrとすると、距離L,Lは次の式(10)により算出可能である。なお、Lcは撮像デバイスのレンズの中心座標F(X,Y,Z)から基準平面上の座標原点Cまでの距離である。
Figure 2022042592000011
上記の式(9)、(10)から、ギャップ値ΔGは以下の式(11)のように算出可能である。
Figure 2022042592000012
このように、ギャップ値ΔGは、遮熱部材17の実像の半径r及び鏡像の半径rから求めることができる。
次に、Fリング法によるギャップの計測方法について説明する。
図8は、カメラ18の撮影画像であって、固液界面に発生するフュージョンリングを説明するための図である。また図9は、フュージョンリングのエッジ検出方法の説明図である。
図8に示すように、撮影画像には遮熱部材17の一部が写り込んでいる。また遮熱部材17の開口17aの内側にはシリコン単結晶15が存在している。シリコン融液13は遮熱部材17の開口17aを通して覗き見ることができるが、開口17aにはシリコン単結晶15が存在しているため、遮熱部材17とシリコン単結晶15との間のわずかな隙間からシリコン融液13を覗き見ることができるだけである。シリコン融液13の融液面13aには遮熱部材17の鏡像17mが映り込んでいるが、見ることができる部分はごく一部であり、結晶引上条件によっては鏡像17mを特定できない場合もある。遮熱部材17の鏡像17mは、遮熱部材17から融液面13aまでの距離に応じて変化する。
シリコン単結晶15とシリコン融液13との境界部にはフュージョンリングFRが発生している。フュージョンリングFRは、ヒータ12等からの輻射光が固液界面のメニスカスで反射することにより発生するリング状の高輝度領域である。フュージョンリングFRの位置や大きさは結晶直径や液面位置の変化によって変化する。液面位置が一定である場合、結晶直径が大きくなるほどフュージョンリングFRも大きくなる。また結晶直径が一定である場合、液面位置が低下するほど結晶直径は小さくなる。このように、フュージョンリングFRから固液界面における単結晶の輪郭を捉えることができるので、単結晶の直径を算出することができる。
フュージョンリングFRから結晶中心位置及び結晶直径を測定する場合、カメラ18で撮影した画像からフュージョンリングFRのエッジパターンを検出し、フュージョンリングFRのエッジパターンから単結晶の中心座標及び直径を算出する。フュージョンリングFRの中心座標及び直径は、そのエッジパターン(サンプル値)を最小二乗法により近似して得られる近似円から求めることができる。このようにして求めたフュージョンリングFRの直径をさらに補正することにより、常温下での単結晶の直径を算出することができる。
フュージョンリングFRの直径が一定である場合、撮影画像中のフュージョンリングFRの中心座標の上下方向の変化は融液面の上下方向(高さ方向)の変化を意味する。したがって、フュージョンリングFRの中心座標の位置の変化量から融液面の相対的な位置を求めることが可能である。
液面位置及び結晶直径を測定する場合はフュージョンリングFRの安定した検出が必須となる。画像データ中から所定の像の位置を検出する手法としては、その像の輝度値をもとに閾値を設定して二値化処理する手法が一般的である。しかしフュージョンリングFRのエッジ検出を二値化処理により行った場合、炉内温度の変化に伴う輝度変化により検出位置がずれる可能性がある。
この影響を排除するため、一般的な二値化手法ではなく、撮影画像中の輝度のピーク値(フュージョンリングFRのピーク輝度)を求め、このピーク輝度に1よりも小さい値を乗ずることにより決定した閾値(スライスレベル)からフュージョンリングFRのエッジを検出することが好ましい。すなわち、フュージョンリングFRのエッジパターン(輪郭線)の検出においては、画像でのフュージョンリングFRの輝度に応じて閾値(スライスレベル)を変更することにより、輝度変化の影響による測定誤差を小さくして、フュージョンリングFRの正確な寸法を安定して検出し、特定することが可能となる。具体的には、図9に示すようにフュージョンリングFRと交差する水平走査線SLを設定し、この水平走査線SL上の輝度分布と閾値(図9中のTHに相当)との外側交点(撮影画像の外周寄りの一点)をフュージョンリングFRのエッジとして検出する。
チャンバー19の外側に設置したカメラ18は融液面13aを斜め上方から撮影するので、フュージョンリングFRの見かけ上の形状は真円とならず歪んでいる。フュージョンリングFRの直径を正確に算出するためには、画像の歪み補正が必要である。そこで本実施形態では、カメラ18で撮影したフュージョンリングFRのエッジパターンを基準平面上に投影変換し、真上から見たときのフュージョンリングFRの直径を求める。
図10(a)及び(b)は、ギャップ計測値の補正方法の説明図である。図示のように、Fリング法は液面位置の相対的な変化量ΔGsを求める方法であるため、遮熱部材17の下端と融液面13aとのギャップΔGfをFリング法で求めるためには、Fリング法により求めた液面位置の相対的な変化量ΔGsにギャップ基準値ΔG0を加算する必要がある。
しかし、ギャップ基準値ΔG0はある時点における遮熱部材17の下端と融液面13aまでの距離であり、熱膨張によって遮熱部材17の下端の位置が上昇したとしてもその上昇量が加味されていない。そこで本実施形態においては、Fリング法によるギャップ計測値ΔGfにギャップ補正量ΔGcを加算する。Fリング法によるギャップ計測値ΔGf、ギャップ補正量テーブルから読み出したギャップ補正量ΔGc、Fリング法により求めた液面位置の相対的な変化量ΔGs、計測基準時における遮熱部材17の下端から融液面13aまでの距離(ギャップ基準値)をΔG0とするとき、補正後(オフセット処理後)のギャップ計測値ΔGfNは以下の式(12)のようになる。
Figure 2022042592000013
このように、Fリング法によるギャップ計測値ΔGfにギャップ補正量ΔGcを加えることにより、熱膨張による遮熱部材17の位置の変化を加味したギャップ値の算出が可能となる。
以上説明したように、本実施形態による単結晶の製造方法は、Fリング法により計測した液面位置の変化量からギャップ計測値を算出し、予め用意したギャップ補正量テーブルを用いて当該ギャップ計測値を補正し、補正後のギャップ計測値が目標値に近づくように結晶引き上げ条件を制御するので、熱膨張による遮熱部材の高さ位置の変化を考慮したギャップの計測が可能となり、単結晶の品質保証の信頼性を高めることができる。また、本実施形態による単結晶の製造方法は、カメラの撮影画像から鏡像法によるギャップ計測値とFリング法によるギャップ計測値の両方を同時に算出し、鏡像法によるギャップ計測値とFリング法によるギャップ計測値との差から結晶長さに対応するギャップ補正量テーブルを求めるので、Fリング法において熱膨張による遮熱部材の高さ位置の変化を考慮したギャップ計測が可能となる。
また本実施形態による単結晶の製造方法は、結晶引き上げ工程の開始時に鏡像法によるギャップ計測結果に基づくギャップ制御を開始し、続いて単結晶の直胴部育成工程中にFリング法によるギャップ計測を開始し、前記Fリング法によるギャップ計測開始後に前記鏡像法によるギャップ計測が困難になったとき、前記鏡像法によるギャップ計測結果に基づくギャップ制御から前記Fリング法によるギャップ計測結果に基づくギャップ制御に切り替えるので、結晶引き上げ工程開始から終了まで確実に且つ高い精度でギャップ制御を実施することができ、ギャップ計測精度の低下を防止することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態においてはシリコン単結晶の製造方法を説明したが、本発明はシリコン単結晶の製造方法に限定されるものではなく、CZ法により製造される種々の単結晶の製造方法を対象とすることができる。
直胴部育成工程中に鏡像法によるギャップ制御と並行してFリング法によるギャップ計測を行った。その結果、図11に示すように、Fリング法によるギャップ計測値は鏡像法のギャップ計測値よりも大きくなる傾向が見られた。ギャップ目標値プロファイルと比較したところ、Fリング法は鏡像法よりもギャップを正しく制御できているように見えたが、Fリング法は液面位置を制御しているだけであるため、実際にはギャップを正しく制御できていないことが明らかとなった。
<実施例>
鏡像法によるギャップ制御を行っている途中で意図的にFリング法による液面位置制御に切り換えた。ギャップ制御の切り換え位置は直胴部の始端から900mmの位置とした。ギャップ制御方法を鏡像法からFリング法に切り替えた後も鏡像法によるギャップ計測は継続した。
Fリング法によるギャップ制御では、補正量テーブルを用いてギャップ計測値を補正し、補正後のキャップ計測値に基づいてギャップ制御を行った。補正量テーブルは、上記のように鏡像法によるギャップ制御と並行してFリング法によるギャップ計測を行った際に得られた鏡像法によるギャップ計測値とFリング法によるギャップ計測値との差であり、特に直近の3バッチ分の実績値の平均値を用いた。
図12は、実施例によるギャップ計測結果を示すグラフである。結晶長さ900mm以前は鏡像法によるギャップ制御、結晶長さ900mm以降はFリング法によるギャップ制御であるが、図12に示すギャップ計測値はすべて鏡像法による計測値である。図12から明らかなように、ギャップ計測値は結晶長さ900mm前後で急激に変化せず、Fリング法でもギャップを正しく計測することができた。
<比較例>
補正量テーブルを用いてギャップ計測値を補正しなかった点以外は実施例と同様に鏡像法からFリング法へのギャップ制御の切り換えを行った。
図13は、比較例によるギャップ計測結果を示すグラフである。図13から明らかなように、熱膨張の影響による遮熱部材の下端の位置の上昇によって、結晶長さ900mm以降にギャップ計測値は増加する傾向が見られた。
10 単結晶製造装置
11 石英ルツボ
12 ヒータ
13 シリコン融液
13a 融液面
14 種結晶
15 シリコン単結晶(インゴット)
15a ネック部
15b ショルダー部
15c 直胴部
15d テール部
16 ルツボ支持体(黒鉛ルツボ)
16 ルツボ支持体
17 遮熱部材(遮蔽筒)
17a 開口
17m 遮熱部材の鏡像
17r 遮熱部材の実像
18 カメラ
18a 撮像デバイス
18b レンズ
19 チャンバー
21 ルツボリフト装置
22 引上駆動装置
23 演算部
24 第1演算部
25 第2演算部
26 制御部

Claims (12)

  1. ルツボ内の融液から単結晶を引き上げる単結晶引き上げ部と、
    前記単結晶を取り囲むように前記融液の上方に設置された遮熱部材と、
    前記融液と前記単結晶との境界部を斜め上方から撮影するカメラと、
    前記カメラの撮影画像を処理する演算部と、
    前記演算部の処理結果に基づいて結晶引き上げ条件を制御する制御部とを備え、
    前記演算部は、
    前記カメラの撮影画像に写る前記遮熱部材の開口の実像と融液面に映り込む前記遮熱部材の開口の鏡像の大きさから前記遮熱部材の下端と前記融液面との間の第1ギャップ計測値を算出する第1演算部と、
    前記カメラの撮影画像に写る前記単結晶と前記融液との境界に発生するフュージョンリングから求める結晶中心位置の高さ方向の変化量から前記遮熱部材の下端と前記融液面との間の第2ギャップ計測値を相対的に算出する第2演算部を有し、
    前記第2演算部は、予め用意したギャップ補正量テーブルを用いて前記第2ギャップ計測値を補正することを特徴とする単結晶製造装置。
  2. 前記制御部は、前記第1ギャップ計測値に基づいて結晶引き上げ条件を制御しながら結晶引き上げ工程を開始し、前記単結晶の直胴部育成工程の開始後に前記第1ギャップ計測値に基づくギャップ制御から前記第2ギャップ計測値に基づくギャップ制御に切り換える、請求項1に記載の単結晶製造装置。
  3. 前記制御部は、前記直胴部育成工程の途中で前記第1ギャップ計測値に異常が発生した場合又は前記第1ギャップ計測値の計測ができない場合に前記第1ギャップ計測値に基づくギャップ制御から前記第2ギャップ計測値に基づくギャップ制御に切り換える、請求項2に記載の単結晶製造装置。
  4. 前記制御部は、前記第1ギャップ計測値又は補正後の前記第2ギャップ計測値が目標値に近づくように前記ルツボの上昇速度を制御する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の単結晶製造装置。
  5. 前記演算部は、過去の引き上げバッチで計測した前記第1ギャップ計測値と前記第2ギャップ計測値との差から前記ギャップ補正量テーブルを作成する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の単結晶製造装置。
  6. 前記演算部は、過去の複数の引き上げバッチで計測した前記第1ギャップ計測値と前記第2ギャップ計測値との差の平均値から前記ギャップ補正量テーブルを作成する、請求項5に記載の単結晶製造装置。
  7. ルツボ内の融液から引き上げられる単結晶を取り囲むように前記融液の上方に設置された遮熱部材の下端と融液面との間のギャップを制御しながら前記単結晶を引き上げるチョクラルスキー法による単結晶の製造方法であって、
    カメラの撮影画像に写る前記遮熱部材の開口の実像と融液面に映り込む前記遮熱部材の開口の鏡像の大きさから算出した第1ギャップ計測値に基づいて前記ギャップを制御しながら結晶引き上げ工程を開始し、
    前記結晶引き上げ工程の開始後に、前記カメラの撮影画像に写る前記単結晶と前記融液との境界に発生するフュージョンリングから求める結晶中心位置の高さ方向の変化量から算出した第2ギャップ計測値に基づくギャップ制御に切り換え、
    前記第2ギャップ計測値に基づくギャップ制御では、予め用意したギャップ補正量テーブルを用いて前記第2ギャップ計測値を補正し、補正後の第2ギャップ計測値が目標値に近づくように結晶引き上げ条件を制御することを特徴とする単結晶の製造方法。
  8. 前記結晶引き上げ工程の途中で前記第1ギャップ計測値に異常が発生した場合又は前記第1ギャップ計測値の計測ができない場合に、前記第1ギャップ計測値に基づくギャップ制御から前記第2ギャップ計測値に基づくギャップ制御に切り換える、請求項7に記載の単結晶の製造方法。
  9. 前記結晶引き上げ工程では、前記第1ギャップ計測値又は補正後の前記第2ギャップ計測値が目標値に近づくように前記ルツボの上昇速度を制御する、請求項7又は8に記載の単結晶の製造方法。
  10. 過去の引き上げバッチで計測した前記第1ギャップ計測値と前記第2ギャップ計測値との差から前記ギャップ補正量テーブルを作成する、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の単結晶の製造方法。
  11. 過去の複数の引き上げバッチで計測した前記第1ギャップ計測値と前記第2ギャップ計測値との差の平均値から前記ギャップ補正量テーブルを作成する、請求項10に記載の単結晶の製造方法。
  12. 融液から引き上げられる単結晶を取り囲むように前記融液の上方に設置された遮熱部材の下端と融液面との間のギャップを計測しながら前記単結晶を引き上げるチョクラルスキー法による単結晶の製造方法であって、
    炉内をカメラで撮影したときの撮影画像に写る前記遮熱部材の実像と前記融液面に映り込んだ前記遮熱部材の鏡像から液面位置を幾何学的に算出する鏡像法により第1ギャップ計測値を算出し、
    前記第1ギャップ計測値に基づいてギャップを制御しながら結晶引き上げ工程を開始し、
    前記炉内を前記カメラで撮影したときの撮影画像に写る前記単結晶と前記融液との境界に発生するフュージョンリングの中心座標の変化量から液面位置の変化量を算出するFリング法により第2ギャップ計測値を算出し、
    前記鏡像法による前記第1ギャップ計測値に異常が発生した場合又は前記第1ギャップ計測値の計測ができない場合に、前記第1ギャップ計測値に基づくギャップ制御から前記Fリング法による前記第2ギャップ計測値に基づくギャップ制御に切り換え、
    前記第2ギャップ計測値に基づくギャップ制御では、予め用意したギャップ補正量テーブルを用いて前記第2ギャップ計測値を補正し、補正後の第2ギャップ計測値が目標値に近づくように結晶引き上げ条件を制御することを特徴とする単結晶の製造方法。
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