JP6036709B2 - シリコン単結晶の直径検出用カメラのカメラ位置の調整方法及びカメラ位置調整治具 - Google Patents

シリコン単結晶の直径検出用カメラのカメラ位置の調整方法及びカメラ位置調整治具 Download PDF

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本発明は、チョクラルスキー(Czochralski;CZ)法により、ルツボ内に収容したシリコン融液から単結晶を引き上げる際の直径検出及び制御に利用される、カメラを用いた直径検出装置のカメラ位置及び角度を調整するためのカメラ位置調整冶具、並びにカメラ位置の調整方法に関するものである。
従来、シリコン単結晶は主にチョクラルスキー法によって製造されている。シリコン単結晶製造に用いられる単結晶製造装置は、例えば図4に示すようなものを用いることができる。図4に示す単結晶製造装置11は、主に、チャンバー12と、内側の石英ルツボ及び外側の黒鉛ルツボの二重構造からなるルツボ13、ルツボ13を保持するルツボ保持軸14、ルツボ13の外周に設けられるヒーター15、ヒーター15の外周に設けられるヒーター断熱材16、ルツボ保持軸14と同軸上に設けられる、種結晶17を保持するためのシードチャック18及びシードチャック18を引き上げるためのワイヤー19から構成される。ルツボ保持軸14はルツボ13を回転及び昇降させるための機構(不図示)、ワイヤー19はシードチャック18を巻き上げ、巻き下げ、及び回転させるための機構(不図示)をそれぞれ有する。
次に、上記のシリコン単結晶製造装置を用いたシリコン単結晶の製造方法について説明する。まずルツボ13に高純度シリコン多結晶を収容し、ヒーター15でシリコンの融点である約1420℃まで加熱して溶融し、シリコン融液20とする。次に、ワイヤー19を巻き下げてシードチャック18に保持される種結晶17の先端とシリコン融液20の液面を接触させる。その後、ルツボ保持軸14及びワイヤー19をそれぞれ所定の回転方向及び回転速度にて回転させながらワイヤー19を所定の速度で巻き上げ、種結晶17を引き上げることで、種結晶17の下に円筒状のシリコン単結晶21を成長させる。この時、シリコン単結晶21の成長に伴ってシリコン融液20は減少し融液面が下降するが、それに合わせてルツボ保持軸14によりルツボ13を上昇させることで融液面の高さ位置を一定に保つことができる。
上記のシリコン単結晶の製造方法において、所望の直径のシリコン単結晶を安定して製造することは、生産ロスを防止して製品歩留まりを高めるために重要である。そのため、単結晶引き上げ中は通常、チャンバー上部に配置された直径検出装置31のカメラ32で、覗き窓22を通して単結晶の育成部を撮像し、撮像した画像をカメラ画像33に表示する。そして、カメラ画像33から直径を検出し、検出した直径値に対してシリコン単結晶21の引き上げ速度、ルツボ13の上昇速度、ヒーター15にかけるパワーを変化させることにより、所望の結晶直径値となるように制御(以下、直径制御ともいう)を行っている。
以下に、直径制御において行われている、カメラを用いたシリコン単結晶の直径の検出方法について説明する。シリコン単結晶直径の検出は通常、1台のTVカメラを用いて行われる。このカメラは炉内の結晶と融液の界面に見られる高輝度の環状部分(以下、メニスカスリングと呼ぶ)を撮影している。撮影した映像から画像処理装置でメニスカスリングの最大径や位置を測定し、カメラの取り付けられている角度、シリコン単結晶とカメラの距離等の情報を基に、シリコン単結晶の直径値を算出している(特許文献1参照)。
しかしこの方法は、カメラ32が適切な位置及び角度で固定されているという前提の下直径値が算出されているものであって、製造バッチ終了後のチャンバー12の再セット作業によってカメラ32の位置及び角度にわずかなずれが生じた場合や、結晶引き上げ中の融液面位置が予想と違った場合など、カメラ32とシリコン単結晶21の相対位置が変化した場合は、直径検出値と実際のシリコン単結晶の直径に誤差が発生する。
例として、カメラ32の位置のズレによりカメラ32とシリコン単結晶21との距離が所定の位置より遠くなった場合の直径検出値の違いを図5に示す。図5(a)に示すように、シリコン単結晶21の直径を検出するために、カメラ32で領域Aを撮像する。図5(b)はカメラ位置が適切な位置の場合のカメラ画像33、図5(c)はカメラ位置が適切な位置よりシリコン単結晶21から離れた位置である場合のカメラ画像33を示している。図5(c)においては、カメラ32とシリコン単結晶21との距離が適正位置より遠くなることによって、撮像されるシリコン単結晶21は小さく映り、その結果、直径の検出値はシリコン単結晶21の実際の直径より小さい値に検出されてしまう。
上記のような、1台のTVカメラを用いた直径検出方法における問題を解消するために、シリコン単結晶と融液面の接点であるシリコン単結晶の成長点における直径の両端にそれぞれ正対して設置した2台のカメラを用いて、シリコン単結晶の成長点の両端を炉外から撮影して直径を検出する方法が提案されている(特許文献2参照)。
しかし、絞り部形成時及びコーン部形成時、直胴部形成時の各製造工程において、単結晶直径を確実に精度良く検出するためには、各工程における最適な測定視野のカメラを必要とすることから、一部の工程、特に絞り部形成時及びコーン部形成時は、1台のカメラを用いた直径検出方法が用いられている。そのため、1台のカメラを用いた直径検出方法における検出誤差の問題は依然として残っている。
このように、特に絞り部形成時において絞り直径検出用カメラの検出誤差が発生することにより、目標としている絞り直径よりも太い、または細い絞り部が形成されてしまうことが起こり得る。絞り部形成は、直径を細くして引き上げることで結晶を無転位化する工程であることから、絞り部の直径が太い状態で引き上げた場合、無転位化が不十分でコーン形成時に有転位化してしまう場合がある。また、絞り部の直径が細い状態で引き上げた場合、シリコン単結晶の育成途中に絞り部が切れてしまう絞り切れが発生する。
さらに、コーン部形成時における直径検出誤差によりコーン部を目的とする形状に制御することができず、有転位化を発生させてしまう場合がある。このように、絞り部形成時の絞り切れやコーン部形成時の有転位化が発生すると、種付けから製造をやり直すこととなるため、シリコン単結晶製造における損失時間が増加する。上記の問題を解消し効率的にシリコン単結晶製造を行うためには、直径検出値に誤差が無い状態で、直径制御を行うことが重要となる。
ここで、カメラを用いた直径検出方法においてカメラの位置ズレによる検出誤差を解消するための方法としては、カメラの位置及び角度のズレを引上げ開始前に調整し、カメラが適切な位置及び角度となっている状態で結晶引き上げを開始することが挙げられる。
しかし、上記の調整を実施するにあたって、カメラでの直径検出に利用しているメニスカスリングは、結晶引き上げ中においてのみ見られる。従って、引き上げ開始前においてはカメラの位置及び角度の調整における適正な判断基準が無く、引き上げ開始前にカメラの位置及び角度を調整することは困難であった。
そのため、カメラ位置及び角度の調整は従来、引き上げ中のシリコン単結晶及び現在の直径検出値を確認しながら行われていたが、炉内の状況によって直径が変化するシリコン単結晶は、適正な判断基準としては不適であり、このことから安定した直径検出精度を確保することは難しかった。
特開平05−319979号公報 特開2010−100452号公報
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、カメラを用いた直径検出装置において安定した直径検出精度をシリコン単結晶引き上げ開始前の段階で確保できるカメラ位置の調整方法及びカメラ位置調整治具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、チョクラルスキー法によって、ルツボ内に収容したシリコン融液からシリコン単結晶を引き上げるシリコン単結晶製造装置のチャンバーの外部に設置され、該チャンバーの上部に設けられた覗き窓を通して、前記シリコン融液の融液面の位置における結晶育成部を撮像し、シリコン単結晶の直径を検出するカメラを用いた直径検出装置において、前記カメラの取り付け位置及び取り付け角度を調整するカメラ位置の調整方法であって、前記シリコン単結晶の引き上げ開始前に、既知の直径を持つ円を表示したディスプレイを、前記円の表示面が前記融液面と同じ高さ位置になるように配設し、前記カメラにより前記円の直径の値を検出し、該検出した直径の値と前記既知の直径の値が一致するように、前記カメラの取り付け位置及び取り付け角度を調整することで、前記カメラを適切な取り付け位置及び取り付け角度に調整することを特徴とするカメラ位置の調整方法を提供する。
このように、シリコン単結晶の引上げを開始する前に、ディスプレイ上に表示された円を基準として、直径検出装置のカメラ位置を適切な場所に調整できるため、カメラの直径検出値の誤差がほぼ存在しない状態から引上げを開始することができる。そのため、育成中のシリコン単結晶の直径を終始高精度に検出することができ、所望の直径を持つシリコン単結晶を得ることができる。また、直径検出値の誤差がほとんどないため、絞り部形成時及びコーン部形成時に精度よく狙いの直径とすることができ、絞り切れ及び有転位化の発生を防止できる。
このとき、前記カメラ位置の調整方法は前記ディスプレイに表示する前記円の発光色及び直径を設定し、該設定された円を、外部デバイスを使用して前記ディスプレイ上に表示させることができる。
このようにすれば、ディスプレイに表示する円の直径と発光色を単結晶の引上げ条件やカメラに合わせた所定の条件に容易に設定できる。
また、上記目的を達成するために、本発明によれば、チョクラルスキー法によって、ルツボ内に収容したシリコン融液からシリコン単結晶を引き上げるシリコン単結晶製造装置のチャンバーの外部に設置され、該チャンバーの上部に設けられた覗き窓を通して、前記シリコン融液の融液面の位置における結晶育成部を撮像し、前記シリコン単結晶の直径を検出するカメラを用いた直径検出装置において、前記カメラの取り付け位置及び取り付け角度を調整するためのカメラ位置調整冶具であって、上面に既知の直径を持つ円を表示するディスプレイを有するものであり、該ディスプレイは、前記円の表示面が前記融液面と同じ高さ位置になるよう配設され、前記シリコン単結晶の引き上げ開始前に、前記カメラにより前記円の直径の値が検出され、該検出した直径の値と前記既知の直径の値が一致するように、前記カメラの取り付け位置及び取り付け角度を調整することで前記カメラを適切な取り付け位置及び取り付け角度に調整できるものであることを特徴とするカメラ位置調整冶具が提供される。
このようなものであれば、シリコン単結晶の引上げを開始する前に、ディスプレイ上の円を基準として直径検出装置のカメラ位置を適切な場所に調整できるため、カメラの直径検出値の誤差がほぼ存在しない状態から引上げを開始することができる。そのため、育成中のシリコン単結晶の直径を終始高精度に検出することができ、所望の直径を持つシリコン単結晶を得ることができる。また、直径検出値の誤差がほとんどないため、絞り部形成時及びコーン部形成時に精度よく狙いの直径とすることができ、絞り切れ及び有転位化の発生を防止できる。
このとき、前記カメラ位置調整治具は前記ディスプレイに表示する前記円の発光色及び直径を設定し、該設定された円を前記ディスプレイ上に表示させることが可能なデバイスを有するものであることが好ましい。
このようなものであれば、ディスプレイに表示する円の直径と発光色を単結晶の引上げ条件やカメラに合わせた所定の条件に容易に設定できるものとなる。
本発明のカメラ位置の調整方法及びカメラ位置調整冶具であれば、シリコン単結晶の引上げを開始する前であっても、カメラ位置の調整基準となる円に合わせてカメラ位置を適切な場所に調整できる。そのため、カメラの直径検出値の誤差がほぼ存在しない状態から引上げを開始することができ、引上げ開始時から育成中のシリコン単結晶の直径を高精度に検出することができる。その結果、絞り部、コーン部、直胴部の全ての部位で所望の直径を持つシリコン単結晶を得ることができる。また、絞り部形成時及びコーン部形成時に直径検出値の誤差がほとんどなく、精度よく狙いの直径とすることができるため、絞り切れ及び有転位化の発生を防止できる。
本発明のカメラ位置調整冶具の一例を示した概略図である。 本発明のカメラ位置調整冶具を設置したシリコン単結晶製造装置の一例を示した概略図である。 本発明のカメラ位置の調整方法を説明する図である。 一般的なシリコン単結晶製造装置及び直径検出装置の一例を示す概略図である。 従来のシリコン単結晶の直径の検出方法を説明する図である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記したように、カメラによる直径検出においては、カメラの位置が適切な位置でなければ直径検出値に誤差が生じる。しかし従来、カメラの位置は、メニスカスリング等といったシリコン単結晶の引上げ中の直径を基準として調整しているため、シリコン単結晶の引上げが開始してからしか位置の調整をすることができなかった。従って、引上げ開始時にカメラが不適切な位置にある場合、カメラ位置の調整が完了するまで、正確な直径制御が困難になるという問題があった。更に、シリコン単結晶の直径は炉内の状況によって変化するため、引上げ中の単結晶の直径を基準としていては、安定した直径検出精度を得ることができないという問題があった。
そこで、本発明者はこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、シリコン単結晶の引上げ開始前に、カメラ位置の調整の基準となる円を、結晶育成部となる位置に表示して、円に合わせてカメラ位置を調整すれば、引上げ開始時から終了時まで高い直径検出精度を維持できることに想到し、本発明を完成させた。
以下、本発明のカメラ位置調整治具及びこれを使用したカメラ位置の調整方法について図1−3を参照して説明する。
まず、本発明のカメラ位置の調整方法で使用する本発明のカメラ位置調整治具について説明する。
図1に示すように、カメラ位置調整治具1は、主にディスプレイ2、ディスプレイ2を支持する設置部3から構成されている。ディスプレイ2は、その上面に任意の発光色で、既知の直径を持つ円5を表示できるものである。
このとき、カメラ位置調整治具1は、PC等のデバイス4を有する構成のものとすることができる。このデバイス4は、入力された円5の発光色及び直径の設定値をディスプレイ2に出力することにより、該設定値を反映した円5をディスプレイ2上に表示させることが可能なものである。
このようなものであれば、ディスプレイに表示する円の直径と発光色を単結晶の引上げ条件やカメラに合わせた所定の条件に容易に設定できるものとなる。
また、デバイス4に入力する設定値を、例えば実際に育成するシリコン単結晶の直径、メニスカスリングの色に設定して、ディスプレイ2に出力して円5を表示させることで、簡単にシリコン単結晶引き上げ中のカメラによる直径検出状況を再現することができる。従って、実際の引上げ時の状況に即した、より精度のよい直径検出を簡単に実施できるものとなる。
ここで、カメラ位置調整治具1が、図4に示したシリコン単結晶製造装置11において使用される場合を以下に説明する。
図2に示すように、カメラ位置調整治具1は、設置部3を昇降可能なルツボ保持軸14上に設置することができる。このように、引上げ開始前のルツボを保持していない状態のルツボ保持軸14上にカメラ位置調節治具1が設置され、ルツボ保持軸14を昇降することにより高さが調整されることで、ディスプレイ2の円5の表示面が融液面と同じ高さ位置になるよう配設される。
そして、直径検出装置31のカメラ32により円5の直径の値が検出され、検出した直径の値と予め設定してある既知の直径の値が一致するように、カメラ32の取り付け位置及び取り付け角度を調整する。
このようなものであれば、シリコン単結晶の引上げを開始する前に、ディスプレイ上の円を基準として直径検出装置のカメラ位置を適切な場所に調整できるため、カメラの直径検出値の誤差がほぼ存在しない状態から引上げを開始することができる。そのため、育成中のシリコン単結晶の直径を終始高精度に検出することができ、所望の直径を持つシリコン単結晶を得ることができる。特に、直径検出値の誤差がほとんどないため、直胴部が形成される前に行われる絞り部形成時及びコーン部形成時に精度よく狙いの直径とすることができ、絞り切れ及び有転位化の発生を防止できる。
次に、上記のカメラ位置調整治具1を使用した場合の本発明のカメラ位置の調整方法について説明する。
まず、図2に示すように、カメラ位置調整治具1を引上げ開始前のルツボ保持軸上に設置及び固定する。この際、ディスプレイ2の円5の表示面を結晶引き上げ中の融液面に見立ててカメラ位置の調整を実施するため、表示面が結晶引き上げ時の融液面と同様の位置となるよう、ルツボ保持軸14の昇降操作にて調節する。
次に、円5の発光色及び直径を設定し、該設定された円5をディスプレイ2上に表示させる。円5の発光色はカメラ32が検出可能な色に設定する。カメラ32が検出可能な色は、直径の検出に利用しているカメラ32の種類やレンズ、絞り設定等の機器的構成に依存するため、それらの条件に合わせて適宜発光色を設定する。次に、円5の直径を設定する。ここで、例えば円5の直径を引き上げ中に検出が想定されるシリコン単結晶の直径値に設定することができる。
実際のシリコン単結晶の引き上げにおいて、カメラ32で撮影し直径検出処理に利用しているのはメニスカスリングであるため、想定されるメニスカスリングの発光色及び直径を設定した円5をカメラ32に検出させることで、シリコン単結晶引上げ開始前に疑似的にシリコン単結晶引き上げ中のカメラによる直径検出状況を再現することができる。
ここで、発光色及び直径を設定された円を、PC等の外部デバイスを使用してディスプレイ上に表示させることができる。
このようにすれば、ディスプレイ2に表示する円5の直径と発光色を単結晶の引上げ条件やカメラに合わせた所定の条件に容易に設定できるものとなる。
次に、円5をカメラ32に検出させて得られた直径の検出値及びカメラ画像に対するカメラ32の位置及び角度の調整方法について説明する。例として、絞り部形成からコーン形成時の直径検出に使用するカメラの位置及び角度の調整方法について、図3に示す。なお、以下に示す説明は、発明の趣旨を理解するために一例を挙げて説明するもので、本発明を限定するものではない。
カメラ位置及び角度の調整は、図3(a)に示すように、カメラ32に円5を撮像させ検出された直径の検出値及びカメラ画像33を確認しながら行う。図3(a)に示したAで表される領域はカメラ32の撮像範囲である。円5の既知の直径の値は、この場合、シリコン単結晶引き上げにおける絞り形成からコーン形成時の任意の直径値に設定でき、例えば15.0mmとすることができる。カメラ32の位置のずれが発生していない場合における直径検出値は、ディスプレイ2上に表示した円5の既知の直径値と同値の15.0mmであることから、カメラ位置のずれによって発生した直径検出値の誤差は、実際の直径検出値と円の既知の直径15.0mmとの差分値で表すことができる。
差分値が正値であった場合、すなわち図3(b)に示すように、例えばカメラ画像33に映る直径の検出値が16.0mmとなり、15.0mmより大きい値である場合はカメラ32が適正位置より近いと判断できる。この場合、図3(b)に示すように、カメラ32の位置及び角度を調節しながら、円5から遠ざけるように移動させればよい。
差分値が負値であった場合、すなわち図3(c)に示すように、例えばカメラ画像33に映る直径の検出値が13.5mmとなり、直径検出値が15.0mmよりも小さい値である場合はカメラ32が適正位置より遠いと判断することができる。この場合、図3(c)に示すように、カメラ32の位置及び角度を調節しながら、円5に近づけるように移動させればよい。このように、直径の検出値を確認しながら、直径の検出値が円の直径の値である15.0mmと一致するように、カメラ32の位置及び角度を調整することが可能である。
以上のような本発明のカメラ位置の調整方法であれば、シリコン単結晶の引上げを開始する前に、直径検出装置のカメラ位置を適切な場所に調整できるため、カメラの直径検出値の誤差がほぼ存在しない状態から引上げを開始することができる。そのため、育成中のシリコン単結晶の直径を高精度に検出することができ、所望の直径を持つシリコン単結晶を得ることができる。また、直径検出値の誤差がほとんどないため、絞り部形成時及びコーン部形成時に精度よく狙いの直径とすることができ、絞り切れ及び有転位化の発生を防止できる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
図1に示す本発明のカメラ位置調整冶具を、図2に示すようにシリコン単結晶製造装置の炉内に設置し、シリコン単結晶製造装置における絞り形成時の直径制御に使用される1台のカメラの位置及び角度が適正となるよう調整を引き上げ開始前に実施した。その後、カメラ位置調整冶具を取り外し、ルツボ保持具にルツボを固定した。次に、ルツボ内にシリコン多結晶を収容し、そのシリコン多結晶をヒーターで溶融してシリコン融液として、シリコン単結晶を製造した。このとき、絞り形成からコーン形成の工程における直径制御は本発明のカメラ位置調整方法により、カメラ位置を調整した1台のカメラで行った。
上記の工程を10回繰り返し、絞り切れやコーン工程中の有転位化の発生回数をカウントしたところ、絞り切れやコーン工程中の有転位化は発生しなかった。
(比較例)
本発明のカメラ位置の調整方法を実施しないこと以外、実施例と同じ条件でシリコン単結晶製造を10回繰り返し行った。
その結果、絞り切れ発生回数は3回、コーン工程中の有転位化が3回発生した。
以上のように、本発明を用いて直径検出誤差を無くすことにより、絞り部形成からコーン形成工程における直径を高精度で制御できるようになったため、絞り部形成時の直径やコーン部形状に起因した絞り切れやコーン部形成時の有転位化が発生する回数を低減することができた。
このように、本発明を用いてカメラ位置の調整を行うことにより、今まで結晶引き上げ中にしか実施できなかったカメラ位置の調整作業を結晶引き上げ開始前の段階で実施することができ、且つ、カメラ位置調整治具を用いることにより統一された調整基準を用いてカメラの位置ズレの判断及び調整を実施することができた。その結果、安定した直径検出精度を確保することができ、特に1台のカメラを使用した直径検出装置の直径検出精度が確保されたことで、精度良く直径を制御することが可能となったため、1台のカメラが用いられている工程、特に絞り形成からコーン形成の工程におけるトラブルが低減し、時間の損失が少なくなった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…カメラ位置調整冶具、 2…ディスプレイ、
3…設置部、 4…デバイス、 5…円、
11…シリコン単結晶製造装置、 12…チャンバー、 13…ルツボ、
14…ルツボ保持軸、 15…ヒーター、 16…ヒーター断熱材、
17…種結晶、 18…シードチャック、 19…ワイヤー
20…シリコン融液、 21…シリコン単結晶、 22…覗き窓
31…直径検出装置、 32…カメラ 33…カメラ画像。

Claims (4)

  1. チョクラルスキー法によって、ルツボ内に収容したシリコン融液からシリコン単結晶を引き上げるシリコン単結晶製造装置のチャンバーの外部に設置され、該チャンバーの上部に設けられた覗き窓を通して、前記シリコン融液の融液面の位置における結晶育成部を撮像し、シリコン単結晶の直径を検出するカメラを用いた直径検出装置において、前記カメラの取り付け位置及び取り付け角度を調整するカメラ位置の調整方法であって、
    前記シリコン単結晶の引き上げ開始前に、既知の直径を持つ円を表示したディスプレイを、前記円の表示面が前記融液面と同じ高さ位置になるように配設し、前記カメラにより前記円の直径の値を検出し、該検出した直径の値と前記既知の直径の値が一致するように、前記カメラの取り付け位置及び取り付け角度を調整することで、前記カメラを適切な取り付け位置及び取り付け角度に調節することを特徴とするカメラ位置の調整方法。
  2. 前記カメラ位置の調整方法は前記ディスプレイに表示する前記円の発光色及び直径を設定し、該設定された円を、外部デバイスを使用して前記ディスプレイ上に表示させることを特徴とする請求項1に記載のカメラ位置の調整方法。
  3. チョクラルスキー法によって、ルツボ内に収容したシリコン融液からシリコン単結晶を引き上げるシリコン単結晶製造装置のチャンバーの外部に設置され、該チャンバーの上部に設けられた覗き窓を通して、前記シリコン融液の融液面の位置における結晶育成部を撮像し、前記シリコン単結晶の直径を検出するカメラを用いた直径検出装置において、前記カメラの取り付け位置及び取り付け角度を調整するためのカメラ位置調整冶具であって、
    上面に既知の直径を持つ円を表示するディスプレイを有するものであり、
    該ディスプレイは、前記円の表示面が前記融液面と同じ高さ位置になるよう配設され、前記シリコン単結晶の引き上げ開始前に、前記カメラにより前記円の直径の値が検出され、該検出した直径の値と前記既知の直径の値が一致するように、前記カメラの取り付け位置及び取り付け角度を調整することで前記カメラを適切な取り付け位置及び取り付け角度に調節できるものであることを特徴とするカメラ位置調整冶具。
  4. 前記カメラ位置調整治具は前記ディスプレイに表示する前記円の発光色及び直径を設定し、該設定された円を前記ディスプレイ上に表示させることが可能なデバイスを有するものであることを特徴とする請求項3に記載のカメラ位置調整冶具。
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