JP2022039333A - 筐体 - Google Patents

Abstract

【課題】アッパーケースに設けられた落下防止壁によってヒューズの脱落を抑制することが可能な筐体を提供する。【解決手段】筐体１０は、ヒューズ２２が装着されるヒューズ装着部２１を備えた回路構成体２０が収容される筐体１０であって、ロアケース３０と、ヒューズ装着部２１に対してヒューズ２２の着脱が行われる開口４１を有するアッパーケース４０と、開口４１を上方から塞ぐメンテナンスカバー６０と、を備え、アッパーケース４０は、ヒューズ装着部２１の周囲を少なくとも部分的に包囲するように下方にのびて設けられた落下防止壁４９を備え、落下防止壁４９は、ロアケース３０とアッパーケース４０が組み付けられた状態で、開口４１を通してヒューズ２２がヒューズ装着部２１に着脱される際、ヒューズ２２の脱落を抑制する。【選択図】図６

Description

本開示は、筐体に関する。

自動車に搭載されている電気接続箱の内部には、ヒューズが装着されており、メンテナンスやヒューズ溶断の際には、ヒューズの交換が行われる。ヒューズ交換時、ヒューズが小さいためにヒューズプラーで把持しにくい場合や、作業空間が狭い場合には、誤ってヒューズを脱落してしまう場合がある。車体の奥に脱落したヒューズを放置すると、異音発生等の原因となるため、ヒューズを拾い上げる必要があるが、作業者の負担が大きい。

上記の課題を解決するために、従来、特開２００９－１７７０４号公報（下記特許文献１）に記載の車載用電気接続箱が知られている。この車載用電気接続箱には、垂直方向のケース表面にヒューズ収容部が設けられるとともに、ヒューズ収容部の前方にメンテナンス用開口部が設けられた自動車のトリムカバーが配置されている。ケース表面には、ヒューズ収容部の下方位置でかつトリムカバー側へと突出するヒューズ受板が設けられ、ヒューズ収容部へのヒューズ挿脱時に脱落するヒューズをヒューズ受板で受け止められるようになっている。

特開２００９－１７７０４号公報

上記の構成では、ケース表面とトリムカバーとの間にヒューズ着脱に必要な作業スペースが確保されており、脱落したヒューズを受け止めるヒューズ受板についてもケース表面とトリムカバーとの間に設ければよい。しかしながら、車載用電気接続箱のケース内に収容されるヒューズの脱落を防ぐには、車載用電気接続箱のケースの大きさ、ケース内に収容される収容物の大きさ、配置等によっては、ヒューズ受板をケース内に設けることができない場合が考えられる。

本開示の筐体は、ヒューズが装着されるヒューズ装着部を備えた回路構成体が収容される筐体であって、ロアケースと、前記ヒューズ装着部に対して前記ヒューズの着脱が行われる開口を有するアッパーケースと、前記開口を上方から塞ぐメンテナンスカバーと、を備え、前記アッパーケースは、前記ヒューズ装着部の周囲を少なくとも部分的に包囲するように下方にのびて設けられた落下防止壁を備え、前記落下防止壁は、前記ロアケースと前記アッパーケースが組み付けられた状態で、前記開口を通して前記ヒューズが前記ヒューズ装着部に着脱される際、前記ヒューズの脱落を抑制する、筐体である。

本開示によれば、アッパーケースに設けられた落下防止壁によってヒューズの脱落を抑制することが可能な筐体を提供することができる。

図１は、実施形態にかかる電気接続箱の平面図である。 図２は、電気接続箱の斜視図である。 図３は、図１のＡ－Ａ断面図である。 図４は、図１のＢ－Ｂ断面図である。 図５は、図１のＣ－Ｃ断面図である。 図６は、図１のＣ－Ｃ断面における斜視図である。 図７は、図５のＤ－Ｄ断面図である。 図８は、メンテナンスカバーを取り外した電気接続箱の要部拡大斜視図である。 図９は、回路構成体の斜視図である。 図１０は、アッパーケースの上方斜視図である。 図１１は、アッパーケースの落下防止壁全体を示す下方斜視拡大図である。

［本開示の実施形態の説明］
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。

（１）本開示の筐体は、ヒューズが装着されるヒューズ装着部を備えた回路構成体が収容される筐体であって、ロアケースと、前記ヒューズ装着部に対して前記ヒューズの着脱が行われる開口を有するアッパーケースと、前記開口を上方から塞ぐメンテナンスカバーと、を備え、前記アッパーケースは、前記ヒューズ装着部の周囲を少なくとも部分的に包囲するように下方にのびて設けられた落下防止壁を備え、前記落下防止壁は、前記ロアケースと前記アッパーケースが組み付けられた状態で、前記開口を通して前記ヒューズが前記ヒューズ装着部に着脱される際、前記ヒューズの脱落を抑制する。

このような構成によると、アッパーケースの開口を通してヒューズの着脱を容易に行うことができるとともに、アッパーケースに設けられた落下防止壁によってヒューズの脱落を抑制することができる。

（２）前記落下防止壁は、前記回路構成体の外縁に沿って設けられる外側壁部と、前記回路構成体の外縁の内側に入り込んで設けられる内側壁部と、を有していることが好ましい。

このような構成によると、回路構成体の端部に設けられたヒューズ装着部に、開口を通してヒューズを着脱することができ、筐体が配置されるスペースによっては、ヒューズ着脱の作業性を向上させられる場合がある。また、内側壁部が設けられていることで、脱落したヒューズがヒューズ装着部から離れた回路構成体の端部まで移動することが抑制されるため、ヒューズを紛失しにくい。

（３）前記落下防止壁と前記回路構成体との間隔は、前記ヒューズが挿通できない長さに設定されていることが好ましい。

このような構成によると、開口を通してヒューズを着脱する際、ヒューズの脱落をさらに効果的に抑制できる。

［本開示の実施形態の詳細］
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。

＜実施形態＞
本開示の実施形態について、図１から図１１を参照しつつ説明する。本実施形態の筐体１０を備えた電気接続箱１は、例えば、電気自動車またはハイブリッド自動車などの車両（図示せず）に搭載されて、電源（図示せず）から供給される電流を車載用機器（図示せず）に分配するようになっている。以下の説明においては、矢線Ｚの示す方向を上方、矢線Ｘの示す方向を前方、矢線Ｙの示す方向を左方として説明する。なお、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。

［筐体］
電気接続箱１は、図６に示すように、筐体１０と、ヒューズ装着部２１を有し、筐体１０に収容される回路構成体２０と、を備えている。筐体１０は、ロアケース３０と、ロアケース３０を塞ぐアッパーケース４０と、アッパーケース４０に設けられた開口４１を塞ぐメンテナンスカバー６０と、を備えている。図８に示すように、ロアケース３０とアッパーケース４０とが組み付けられ、回路構成体２０を収容している状態で、メンテナンスカバー６０（図２参照）を外すことによって、開口４１を通してヒューズ２２を交換できるようになっている。図示しないが、筐体１０には、回路構成体２０に接続されたワイヤーハーネスを外部に引き出すための電線引出部が設けられている。

回路構成体２０は、図９に示すように、板状をなし、複数の電子部品を含む回路を有している。回路構成体２０の前側には、ヒューズ装着部２１が設けられ、左右に並列してヒューズ２２が装着されるようになっている。ヒューズ装着部２１の後方の領域は、詳細に図示しないが、リレー等の大きな電子部品が複数配置され、ヒューズ装着部２１に比べて高くなっている段差部２３とされている。段差部２３の前側かつ左側の部分は、段差部２３より低く、ヒューズ装着部２１より高くなっている凹部２３Ａとされている。図示しないが、回路構成体２０の回路は、ワイヤーハーネスに接続され、外部の機器に接続されるようになっている。

［ロアケース］
ロアケース３０は、絶縁性の合成樹脂からなり、図２に示すように、平面視方形状の箱状をなしている。ロアケース３０は、図５および図６に示すように、上方に開口して設けられている。図２に示すように、ロアケース３０の周壁３１の上端部には、外側に突出するロック部３２が２つ設けられている。図５に示すように、ロアケース３０の内部には、係止爪３４と支持台部３５が複数個設けられている（全てを図示せず）。係止爪３４と支持台部３５により、回路構成体２０がロアケース３０の内部に保持されるようになっている。

［アッパーケース］
アッパーケース４０は、絶縁性の合成樹脂からなり、図１および図１０に示すように、平面視方形状をなす蓋状に形成されている。図１０に示すように、アッパーケース４０の側縁部の外側には、２つのロック受け部４３が突出して設けられている。ロアケース３０に対してアッパーケース４０を下方に押し付けることにより、図２に示すように、ロック受け部４３とロック部３２とが係止し、ロアケース３０とアッパーケース４０とが組み付けられて保持されるようになっている。図５に示すように、アッパーケース４０の側縁部には、下方に開口し、ロアケース３０の周壁３１の上端部を受け入れる嵌入溝４４が設けられている。嵌入溝４４とロアケース３０の周壁３１の上端部との間に防水用のガスケット４４Ａを挟み込んだ状態で、ロアケース３０とアッパーケース４０とは組み付けられる。

図１０に示すように、アッパーケース４０の上壁の前側には、開口４１が上下方向に貫通して形成されている。開口４１は、左右に長い長方形状になっている。図８に示すように、開口４１は、ロアケース３０に保持された回路構成体２０のヒューズ装着部２１に対向する配置となっている。図１０に示すように、開口４１の左右の口縁部には、２つのロック部４５が設けられている。図１１に示すように、開口４１を構成する内壁は、落下防止壁４９とされている。落下防止壁４９は、下方にのびて設けられている。落下防止壁４９は、前壁４６と、前壁４６に対向する後壁４７と、前壁４６と後壁４７とを接続する２つの側壁４８と、を有する。図７に示すように、落下防止壁４９は、ヒューズ装着部２１の周囲を包囲するように配されている。落下防止壁４９の前壁４６および一対の側壁４８は、ロアケース３０の内部に保持された回路構成体２０の前側の外縁に沿うように設けられており、外側壁部５０とされている。図３に示すように、外側壁部５０は、ヒューズ装着部２１の高さ位置よりも下方にのびて設けられている。図７に示すように、落下防止壁４９の後壁４７は、回路構成体２０の外縁の内側に入り込んで形成されており、内側壁部５１とされている。すなわち、図４および図５に示すように、内側壁部５１は、回路構成体２０の段差部２３の上方に配されている。図１１に示すように、内側壁部５１は、切り欠き部５２を有し、下方への突出寸法が部分的に異なっている。これにより、図４に示すように、内側壁部５１は、回路構成体２０の段差部２３（および凹部２３Ａ）を避けるようにして配されるようになっている。

図６および図８に示すように、落下防止壁４９は、アッパーケース４０の上壁の前側に設けられているため、回路構成体２０の前端部に設けられたヒューズ装着部２１にヒューズ２２を着脱することが容易になっている。図示しないが、例えば、電気接続箱１が車両内に配置された際、筐体１０の前側かつ上方にのみ作業スペースが確保されている場合でも、ヒューズ２２を着脱しやすく、ヒューズ２２の脱落が起きにくい。また、図４に示すように、ヒューズ装着部２１の後方には、段差部２３および内側壁部５１が設けられているため、回路構成体２０がヒューズ装着部２１から離れた回路構成体２０の後半部分に移動することも抑制される。

図３に示すように、ヒューズ装着部２１の設けられた高さ位置における回路構成体２０の側縁と落下防止壁４９の側壁４８との間隔Ｓ１およびＳ２は、ヒューズ２２の最小寸法に比べて短く設定され、ヒューズ２２が挿通できないようになっている。また、図５に示すように、ヒューズ装着部２１の設けられた高さ位置における回路構成体２０の前縁と落下防止壁４９の前壁４６との間隔Ｓ３も、ヒューズ２２の最小寸法に比べて短く設定され、ヒューズ２２が挿通できないようになっている。したがって、開口４１を通してヒューズ２２の交換を行う際、誤ってヒューズ２２を落としても、ヒューズ２２がヒューズ装着部２１と回路構成体２０の隙間から筐体１０の下方へと脱落することが抑制される。また、図４に示すように、回路構成体２０の段差部２３と落下防止壁４９の後壁４７との間隔（すべては図示しないが、例えば間隔Ｓ４およびＳ５）も同様に、ヒューズ２２の最小寸法に比べて短く設定され、ヒューズ２２が挿通できないようになっている。これにより、段差部２３側における回路構成体２０と落下防止壁４９との隙間からヒューズ２２が筐体１０の後方へ入り込むことも抑制される。

［メンテナンスカバー］
メンテナンスカバー６０は、絶縁性の合成樹脂からなり、図１および図２に示すように、左右に長い蓋状に形成されている。図２に示すように、メンテナンスカバー６０の左右の側縁部には、２つのロック受け部６１が外側に突出して設けられている。アッパーケース４０に対してメンテナンスカバー６０を下方に押し付けることにより、図２および図３に示すように、ロック受け部６１とロック部４５とが係止し、アッパーケース４０とメンテナンスカバー６０とが組み付けられるようになっている。図５に示すように、メンテナンスカバー６０の側縁部には、下方に開口し、アッパーケース４０の開口４１の上端部を受け入れる嵌入溝６２が設けられている。嵌入溝６２とアッパーケース４０の開口４１の上端部との間に防水用のガスケット６２Ａを挟み込んだ状態で、アッパーケース４０とメンテナンスカバー６０とは組み付けられる。

［実施形態の作用効果］
実施形態によれば、以下の作用、効果を奏する。
実施形態にかかる筐体１０は、ヒューズ２２が装着されるヒューズ装着部２１を備えた回路構成体２０が収容される筐体１０であって、ロアケース３０と、ヒューズ装着部２１に対してヒューズ２２の着脱が行われる開口４１を有するアッパーケース４０と、開口４１を上方から塞ぐメンテナンスカバー６０と、を備え、アッパーケース４０は、ヒューズ装着部２１の周囲を少なくとも部分的に包囲するように下方にのびて設けられた落下防止壁４９を備え、落下防止壁４９は、ロアケース３０とアッパーケース４０が組み付けられた状態で、開口４１を通してヒューズ２２がヒューズ装着部２１に着脱される際、ヒューズ２２の脱落を抑制する。

上記の構成によれば、アッパーケース４０の開口４１を通してヒューズ２２の着脱を容易に行うことができるとともに、アッパーケース４０に設けられた落下防止壁４９によってヒューズ２２の脱落を抑制することができる。

実施形態では、落下防止壁４９は、回路構成体２０の前側の外縁に沿って設けられる外側壁部５０と、回路構成体２０の外縁の内側に入り込んで設けられる内側壁部５１と、を有している。

上記の構成によれば、回路構成体２０の前端部に設けられたヒューズ装着部２１に、開口４１を通してヒューズ２２を着脱することができ、例えば、筐体１０の前側かつ上方にのみ作業スペースが確保されている場合に、ヒューズ２２着脱の作業性を向上させられる。また、内側壁部５１が設けられていることで、脱落したヒューズ２２がヒューズ装着部２１から離れた回路構成体２０の後側の端部まで移動することが抑制されるため、ヒューズ２２を紛失しにくい。

実施形態では、落下防止壁４９と回路構成体２０との間隔Ｓ１，Ｓ２，およびＳ３は、ヒューズ２２が挿通できない長さに設定されている。

上記の構成によれば、開口４１を通してヒューズ２２を着脱する際、ヒューズ２２の脱落をさらに効果的に抑制できる。

＜他の実施形態＞
（１）上記実施形態では、落下防止壁４９の後壁４７（内側壁部５１）は切り欠き部５２を有し、回路構成体２０の段差部２３と干渉しないように配される構成としたが、これに限られることはなく、落下防止壁には切り欠き部が設けられず、段差部を有していない回路構成体に対して適用される構成としてもよい。
（２）上記実施形態では、防水用のガスケット４５Ａおよび６２Ａが設けられる構成としたが、これに限られることはなく、防水用のガスケットが設けられない構成としてもよい。
（３）上記実施形態では、落下防止壁４９は、回路構成体２０の外縁に沿って設けられる外側壁部５０と、回路構成体２０の外縁の内側に入り込んで設けられる内側壁部５１と、を有している構成としたが、これに限られることはなく、落下防止壁は、ヒューズ装着部の配置に応じて、外側壁部と内側壁部のいずれか一方のみを有している構成にすることもできる。

１： 電気接続箱
１０： 筐体
２０： 回路構成体
２１： ヒューズ装着部
２２： ヒューズ
２３： 段差部
２３Ａ： 凹部
３０： ロアケース
３１： 周壁
３２： ロック部
３４： 係止爪
３５： 支持台部
４０： アッパーケース
４１： 開口
４３： ロック受け部
４４： 嵌入溝
４４Ａ： ガスケット
４５： ロック部
４６： 前壁
４７： 後壁
４８： 側壁
４９： 落下防止壁
５０： 外側壁部
５１： 内側壁部
５２： 切り欠き部
６０： メンテナンスカバー
６１： ロック受け部
６２： 嵌入溝
６２Ａ： ガスケット
Ｓ１，Ｓ２： 回路構成体の側縁と落下防止壁の側壁との間隔
Ｓ３： 回路構成体の前縁と落下防止壁の前壁との間隔
Ｓ４，Ｓ５： 回路構成体の段差部と落下防止壁の後壁との間隔

Claims (3)

1. ヒューズが装着されるヒューズ装着部を備えた回路構成体が収容される筐体であって、
   ロアケースと、
   前記ヒューズ装着部に対して前記ヒューズの着脱が行われる開口を有するアッパーケースと、
   前記開口を上方から塞ぐメンテナンスカバーと、を備え、
   前記アッパーケースは、前記ヒューズ装着部の周囲を少なくとも部分的に包囲するように下方にのびて設けられた落下防止壁を備え、
   前記落下防止壁は、前記ロアケースと前記アッパーケースが組み付けられた状態で、前記開口を通して前記ヒューズが前記ヒューズ装着部に着脱される際、前記ヒューズの脱落を抑制する、筐体。
2. 前記落下防止壁は、前記回路構成体の外縁に沿って設けられる外側壁部と、前記回路構成体の外縁の内側に入り込んで設けられる内側壁部と、を有している、請求項１に記載の筐体。
3. 前記落下防止壁と前記回路構成体との間隔は、前記ヒューズが挿通できない長さに設定されている、請求項１または請求項２に記載の筐体。

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