JP2022038473A - シリコン膜の形成方法 - Google Patents

シリコン膜の形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022038473A
JP2022038473A JP2020143001A JP2020143001A JP2022038473A JP 2022038473 A JP2022038473 A JP 2022038473A JP 2020143001 A JP2020143001 A JP 2020143001A JP 2020143001 A JP2020143001 A JP 2020143001A JP 2022038473 A JP2022038473 A JP 2022038473A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
coating
silicon
silicon film
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020143001A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7489869B2 (ja
Inventor
有紀 田中
Arinori Tanaka
浩幸 橋本
Hiroyuki Hashimoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to JP2020143001A priority Critical patent/JP7489869B2/ja
Publication of JP2022038473A publication Critical patent/JP2022038473A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7489869B2 publication Critical patent/JP7489869B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】下地膜を有する基板に密着性よくシリコン膜を形成する。【解決手段】シリコン膜の形成方法は、下地膜を有する基板にポリシラザン溶液を塗布して第1塗布膜を形成する第1塗布工程と、第1塗布膜を加熱する第1加熱工程と、加熱された第1塗布膜にシランポリマー溶液を塗布して第2塗布膜を形成する第2塗布工程と、第1塗布膜及び第2塗布膜を加熱する第2加熱工程とを含む。【選択図】図1

Description

本開示は、シリコン膜の形成方法に関するものである。
半導体集積回路装置のコンタクトホールやラインの埋め込み、素子や構造を形成するための薄膜には、シリコン、例えば、アモルファスシリコンが使用されている。シリコンの形成方法として、例えば、特許文献1には、複数の溶媒を含む混合溶媒にシランポリマーを溶解させたシランポリマー溶液を基板に塗布し、加熱することによってシリコン膜を形成する方法が記載されている。
特開2020-9826号公報
本開示は、下地膜を有する基板に密着性よくシリコン膜を形成することができる技術を提供する。
本開示の一態様によるシリコン膜の形成方法は、下地膜を有する基板にポリシラザン溶液を塗布して第1塗布膜を形成する第1塗布工程と、前記第1塗布膜を加熱する第1加熱工程と、加熱された前記第1塗布膜にシランポリマー溶液を塗布して第2塗布膜を形成する第2塗布工程と、前記第1塗布膜及び前記第2塗布膜を加熱する第2加熱工程とを含む。
本開示によれば、下地膜を有する基板に密着性よくシリコン膜を形成することができるという効果を奏する。
図1は、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法の流れの一例を示すフローチャートである。 図2は、ポリシラザンの分子構造の一例を示す図である。 図3Aは、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法により形成されるシリコン膜の一例について説明するための図である。 図3Bは、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法により形成されるシリコン膜の一例について説明するための図である。 図3Cは、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法により形成されるシリコン膜の一例について説明するための図である。 図3Dは、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法により形成されるシリコン膜の一例について説明するための図である。 図3Eは、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法により形成されるシリコン膜の一例について説明するための図である。 図4は、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法により形成されるシリコン膜の密着性の改善について説明するための図である。 図5は、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法を用いてシリコン膜を形成した後の基板の表面をXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)分析した分析結果を示す図である。 図6は、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法を用いてシリコン膜を形成した後の基板の表面をSIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)分析した分析結果を示す図である。 図7は、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法を用いてシリコン膜を形成した後の基板の表面をTEM(Transmission Electron Microscope)-EDX(Energy Dispersive X-ray Spectroscope)分析した分析結果を示す図である。 図8は、酸素濃度を変えて評価基板に対し一実施形態に係る第2加熱工程を行った後の基板の表面をSIMS分析した分析結果を示す図である。
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の実施形態により開示技術が限定されるものではない。
ところで、下地膜を有する基板にシランポリマー溶液を塗布して塗布膜を形成する場合、下地膜に対するシランポリマー溶液の濡れ性が低いため、形成される塗布膜と下地膜との密着性が確保されない場合がある。塗布膜と下地膜との密着性が確保されない状態で、塗布膜を加熱すると、塗布膜から形成されるシリコン膜と下地膜との密着性が確保されないおそれがある。このため、下地膜を有する基板に密着性よくシリコン膜を形成することが期待されている。
[一実施形態に係るシリコン膜の形成方法の流れの一例]
図1は、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、基板を提供する(ステップS100)。例えば、下地膜を有する基板を提供する。次に、下地膜を有する基板にポリシラザン溶液を塗布して第1塗布膜を形成する第1塗布工程を実行する(ステップS101)。次に、第1塗布膜を加熱する第1加熱工程を実行する(ステップS102)。次に、加熱された第1塗布膜にシランポリマー溶液を塗布して第2塗布膜を形成する第2塗布工程を実行する(ステップS103)。次に、第1塗布膜及び第2塗布膜を加熱する第2加熱工程を実行する(ステップS104)。これが、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法の流れの一例である。以下、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法の各工程の詳細を説明する。
<第1塗布工程>
第1塗布工程において、下地膜を有する基板にポリシラザン溶液を塗布して第1塗布膜を形成する。
(下地膜を有する基板)
下地膜を有する基板は、特に限定されず、半導体集積回路装置を製造するにあたって、さらにシリコン膜を形成すべき任意の基板を用いてよい。かかる基板としては、例えば、シリコン基板;ガラス基板;ITOなどの透明電極;金、銀、銅、パラジウム、ニッケル、チタン、アルミニウム、タングステン等の金属基板;プラスチック基板;及びこれらの複合材料からなる基板が挙げられる。
一実施形態において、下地膜は、シリコン酸化膜である。下地膜は、表面パターンを有していてもよく、表面パターンを有していなくてもよい。
(ポリシラザン)
ポリシラザンは、図2に示すように、シリコン(Si)-窒素(N)結合を持つシラン系化合物である。図2は、ポリシラザンの分子構造の一例を示す図である。ポリシラザンは、大気の酸素濃度よりも低い酸素濃度の雰囲気の下で加熱されることによりシリコン膜に変換され得る。
(ポリシラザン溶液)
ポリシラザン溶液は、ポリシラザンを溶媒に溶解させて調整することができる。溶媒としては、ポリシラザンを溶解させ得る限り特に限定されない。ポリシラザン溶液は、基板の下地膜に対する濡れ性がシランポリマー溶液よりも高い。下地膜を有する基板にポリシラザン溶液を塗布することにより、密着性よく第1塗布膜(ポリシラザン膜)を形成することが可能となる。
(ポリシラザン溶液の塗布)
ポリシラザン溶液を基板に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ディップコート法、スプレー法、インクジェット法等が挙げられる。中でも、基板にシリコン膜を成膜性よく形成し得る観点から、スピンコート法によりポリシラザン溶液を塗布することが好ましい。
スピンコート法による塗布の条件は特に限定されず、ポリシラザンの分子サイズや溶液濃度、所望するシリコン膜の厚さを考慮して、適宜決定してよい。例えば、メインスピンの回転数は100~5,000rpm、回転時間は1~20秒間の範囲としてよい。
ポリシラザン溶液の塗布量は、ポリシラザンの分子サイズや溶液濃度、基板の寸法及び構造、所望するシリコン膜の厚さ等を考慮して、適宜決定してよい。また、後述のようにポリシラザン溶液の塗布を2回以上行う場合、各塗布量は同じでも異なってもよい。
基板へのポリシラザン溶液の塗布は、1回のみ行ってもよく、2回以上行ってもよい。シリコン膜の形成に先立ち、第1塗布膜(ポリシラザン膜)を形成する一実施形態に係るシリコン膜の形成方法によれば、ポリシラザン溶液の塗布回数によらず、基板の下地膜とシリコン膜との密着性を確保することができる。
<第1加熱工程>
第1加熱工程において、第1塗布膜を加熱する。これにより、第1塗布膜(ポリシラザン膜)を適度に固化することができる。
第1加熱工程における第1塗布膜の加熱の条件は、特に限定されない。特に、溶媒の低沸点成分を除去して第1塗布膜を適度に固化する観点から、第1加熱工程は、第2加熱工程における第1塗布膜及び第2塗布膜の加熱を実行するための温度よりも低い温度で実行されることが好ましい。例えば、第2加熱工程が300~500℃の温度範囲にて実行される場合、第1加熱工程は、100~200℃の温度範囲にて実行されることが好ましい。
また、第1加熱工程において、第1塗布膜を加熱することにより、第1塗布膜と基板の下地膜との界面にシリコン窒化膜を形成する。すなわち、第1塗布膜(ポリシラザン膜)が加熱されると、ポリシラザンから窒素(N)が脱離する。そして、脱離後の窒素(N)は、基板の下地膜(シリコン酸化膜)へ引き寄せられ、下地膜の表面のシリコンと結合する。これにより、第1塗布膜と下地膜との界面にシリコン窒化膜が形成される。第1塗布膜と下地膜との界面にシリコン窒化膜が形成されることにより、シリコン窒化膜を介して第1塗布膜と下地膜との密着を補強することが可能となる。
<第2塗布工程>
第2塗布工程において、加熱された第1塗布膜にシランポリマー溶液を塗布して第2塗布膜を形成する。
(シランポリマー溶液)
シランポリマー溶液は、分子中に6~8員の単環式飽和炭素環を含み沸点が160℃未満である第1の溶媒と分子中に飽和炭素環又は部分飽和炭素環を含み沸点が160℃以上である第2の溶媒を含む混合溶媒にシランポリマーを溶解させた溶液である。
(混合溶媒)
-第1の溶媒-
第1の溶媒は、分子中に6~8員の単環式飽和炭素環を含み沸点が160℃未満である。第1の溶媒を用いることにより、広範な分子サイズのシランポリマーを用いてシランポリマー溶液を調製することが可能となる。なお、本明細書において、「沸点」は、大気圧下での沸点を意味する。
シランポリマーの溶解性、特に分子サイズの大きなシランポリマーを溶解させ得る観点から、第1の溶媒は、分子中に6~8員の単環式飽和炭素環を1個含むことが好ましく、分子中に7員又は8員の単環式飽和炭素環を1個含むことがより好ましい。
6~8員の単環式飽和炭素環は、シランポリマーの溶解性を阻害しない限りにおいて、置換基を有していてもよい。置換基は特に限定されず、例えば、炭素原子数1~4のアルキル基(好ましくは炭素原子数1~3、より好ましくは炭素原子数1又は2)が挙げられる。置換基の数は限定されず、複数の置換基を有する場合、それらは互いに同一でも異なってもよい。
第1の溶媒としては、例えば、シクロヘキサン(81℃)、シクロヘプタン(112℃)、シクロオクタン(151℃)、メチルシクロヘキサン(101℃)、エチルシクロヘキサン(132℃)、ジメチルシクロヘキサン(120~130℃)、n-プロピルシクロヘキサン(157℃)、イソプロピルシクロヘキサン(155℃)、トリメチルシクロヘキサン(136~145℃)、メチルエチルシクロヘキサン(148℃)が挙げられる(括弧内は沸点)。
中でも、広範な分子サイズのシランポリマーを溶解させ得る観点から、第1の溶媒は、好ましくは炭素原子数6~8のシクロアルカン、より好ましくは炭素原子数7又は8のシクロアルカン、特に好ましくは炭素原子数8のシクロアルカンである。したがって特に好適な一実施形態において、第1の溶媒はシクロオクタンである。
第1の溶媒の沸点の下限は、後述する第2の溶媒との組み合わせにおいてシリコン膜の成膜性に優れることから、好ましくは100℃以上、より好ましくは110℃以上、120℃以上、又は130℃以上である。
-第2の溶媒-
第2の溶媒は、分子中に飽和炭素環又は部分飽和炭素環を含み沸点が160℃以上である。第1の溶媒と組み合わせて第2の溶媒を用いることにより、広範な分子サイズのシランポリマーからシリコン膜を成膜性よく形成することが可能となる。本明細書において、「部分飽和炭素環」とは、不飽和炭素環の二重結合のうち少なくとも1個の二重結合を除く任意の個数の二重結合を水素化により単結合に変換した炭素環をいう。
広範な分子サイズのシランポリマー、とりわけ、成膜が困難とされていた分子サイズの大きなシランポリマーからシリコン膜を成膜性よく形成し得る観点から、第2の溶媒は、分子中に8~12員の飽和炭素環又は部分飽和炭素環を1個含むことが好ましい。飽和炭素環又は部分飽和炭素環は、第1の溶媒との組み合わせにおいて、広範な分子サイズのシランポリマーから特に成膜性よくシリコン膜を形成し得る観点から、多環式の飽和炭素環又は部分飽和炭素環であることが好ましく、二環式の飽和炭素環又は部分飽和炭素環であることがより好ましい。第2の溶媒が分子中に多環式の部分飽和炭素環を含む場合、多環を構成する少なくとも1つの環は飽和炭素環構造を有する(すなわち、不飽和度が0である)ことが好ましい。例えば、第2の溶媒が分子中に二環式の部分飽和炭素環を含む場合、二環の一方の環が飽和炭素環構造を有し他方の環が不飽和炭素環構造を有することが好ましい。
中でも、第1の溶媒との組み合わせにおいて、広範な分子サイズのシランポリマーから特に成膜性よくシリコン膜を形成し得る観点から、第2の溶媒は、分子中に多環式飽和炭素環を含むことが好ましく、二環式飽和炭素環を含むことが特に好ましい。
第2の溶媒において、飽和炭素環又は部分飽和炭素環は、シリコン膜の成膜性を阻害しない限りにおいて、置換基を有していてもよい。置換基は特に限定されず、例えば、炭素原子数1~4のアルキル基(好ましくは炭素原子数1~3、より好ましくは炭素原子数1又は2)が挙げられる。置換基の数は限定されず、複数の置換基を有する場合、それらは互いに同一でも異なってもよい。
第2の溶媒としては、例えば、デカヒドロナフタレン(デカリン)(193℃)、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン(テトラリン)(207℃)、メチルデカヒドロナフタレン(210℃)、ジメチルデカヒドロナフタレン(224℃)、エチルデカヒドロナフタレン(226℃)、イソプロピルデカヒドロナフタレン(241℃)が挙げられる(括弧内は沸点)。
中でも、第1の溶媒との組み合わせにおいて、広範な分子サイズのシランポリマーから特に成膜性よくシリコン膜を形成し得る観点から、第2の溶媒は、好ましくは炭素原子数8~12のビシクロアルカン、より好ましくは炭素原子数10~12のビシクロアルカン、特に好ましくは炭素原子数10のビシクロアルカンである。したがって特に好適な一実施形態において、第2の溶媒はデカヒドロナフタレンである。
第1の溶媒との組み合わせにおいて広範な分子サイズのシランポリマーから成膜性よくシリコン膜を形成し得る観点から、第2の溶媒の沸点は、第1の溶媒の沸点より20℃以上高いことが好ましく、30℃以上高いことがより好ましく、40℃以上高いことがさらに好ましい。第2の溶媒の沸点の上限は、第1の溶媒との組み合わせにおいて混合溶媒を調製し得る限り特に限定されないが、通常、250℃以下、240℃以下などとし得る。
広範な分子サイズのシランポリマーから特に成膜性よくシリコン膜を形成し得る観点から、混合溶媒において、第1の溶媒の体積を1としたとき、第2の溶媒の体積は、好ましくは2以下、より好ましくは1以下、さらに好ましくは0.7以下、又は0.5以下である。特に、第1の溶媒の体積を1としたとき、第2の溶媒の体積が0.5以下である混合溶媒を用いると、重量平均分子量(Mw)が100,000を超えるような分子サイズが非常に大きいシランポリマーを用いる場合であっても、成膜性よくシリコン膜を形成することが可能となる。
混合溶媒中に第2の溶媒が少量でも入っていれば、混合溶媒を用いる利点を享受し得る。例えば、混合溶媒において、第1の溶媒の体積を1としたとき、第2の溶媒の体積は0.001以上であってよく、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.01以上、0.02以上、又は0.03以上である。本明細書において、第1の溶媒と第2の溶媒の体積比は、室温下における第1の溶媒の体積と第2の溶媒の体積を基準として算出した値である。
(シランポリマー)
シランポリマーは、加熱によってシリコン膜を形成できる限り特に限定されず、例えば、光重合性のシラン化合物に光照射して得られた従来公知の方法により製造したシランポリマー(好ましくはポリジヒドロシラン)を用いてよい。本開示の一態様によるシリコン膜の形成方法によれば、従来、成膜が困難であった分子サイズが極めて大きいシランポリマーをはじめとする広範な分子サイズのシランポリマーからシリコン膜を形成し得る。そのため、シランポリマーの製造に際して、光照射の条件等の選択許容範囲が広がるという利点も享受し得る。
一実施形態において、本開示の一態様によるシリコン膜の形成方法は、第2塗布工程の前に、光重合性のシラン化合物に光照射してシランポリマーを調製する工程を含んでもよい。
光重合性のシラン化合物としては、例えば、鎖状シラン化合物、環状シラン化合物、かご状シラン化合物が挙げられる。中でも、光重合性に優れるため、環状シラン化合物が好ましい。環状シラン化合物としては、例えば、シクロトリシラン、シクロテトラシラン、シクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、シクロヘプタシラン、ネオペンタシラン、トリシラン等の1個の環状シラン構造を有する環状シラン化合物;1,1’-ビシクロブタシラン、1,1’-ビシクロペンタシラン、1,1’-ビシクロヘキサシラン、1,1’-ビシクロヘプタシラン、スピロ[2,2]ペンタシラン、スピロ[3,3]ヘプタシラン、スピロ[4,4]ノナシラン等の2個の環状シラン構造を有する環状シラン化合物;これら環状シラン化合物において、水素原子の一部又は全部がシリル基やハロゲン原子に置換したシラン化合物等が挙げられる。
特に、高純度にて合成し易い観点から、シクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、シクロヘプタシランが好ましく、シクロヘキサシランがより好ましい。したがって一実施形態において、本開示の一態様によるシリコン膜の形成方法は、シクロヘキサシランに光照射してシランポリマーを調製する工程を含んでもよい。
光照射は、従来公知の任意の条件にて実施することができる。例えば、照射波長は300~420nm、照射時間は0.1秒間~600分間の範囲とし得る。
一実施形態に係るシリコン膜の形成方法によれば、広範な分子サイズのシランポリマーを用いて、密着性よくシリコン膜を形成し得る。したがって、第2塗布工程で用いるシランポリマーの重量平均分子量(Mw)は特に限定されず、例えば、1,000~500,000の範囲であってよい。ここで、本明細書において、シランポリマーについていう「重量平均分子量」は、ゲルパーミエ-ションクロマトグラフィ(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
特定の混合溶媒を用いる一実施形態に係るシリコン膜の形成方法によれば、従来、成膜が困難であった分子サイズの大きなシランポリマーからシリコン膜を形成することができる。例えば、重量平均分子量(Mw)が、5,000以上、10,000以上、20,000以上、30,000以上、50,000以上、70,000以上、80,000以上、90,000以上、又は100,000以上のシランポリマーからシリコン膜を形成することができる。分子サイズの大きなシランポリマーは、低濃度でもシリコン膜を形成し得る傾向にあり、特定の混合溶媒を用いる一実施形態に係るシリコン膜の形成方法は、均一な厚さの薄層のシリコン膜の形成に著しく寄与するものである。
シランポリマーの重量平均分子量(Mw)の上限は、シリコン膜をよりいっそう成膜性よく形成し得る観点から、好ましくは450,000以下、400,000以下、350,000以下、又は300,000以下である。
(シランポリマー溶液の調整)
シランポリマー溶液は、上記混合溶媒にシランポリマーを溶解させて調製することができる。特定の混合溶媒を用いる一実施形態に係るシリコン膜の形成方法では、広範な分子サイズのシランポリマーを用いてシランポリマー溶液を調製することができる。
シランポリマー溶液のシランポリマーの濃度(以下、単に「溶液濃度」ともいう。)は、シランポリマーの分子サイズにもよるが、例えば、30体積%以下の範囲において調整することができる。薄いシリコン膜を形成する観点から、該溶液濃度は、好ましくは20体積%以下、より好ましくは10体積%以下、さらに好ましくは5体積%以下である。従来、溶液濃度が低くなると、基板の全面にシリコン膜を形成することが困難になる傾向にあった。これに対し、特定の混合溶媒を用いることにより、溶液濃度が低い場合にも、基板の全面にシリコン膜を形成することが可能である。分子サイズの大きなシランポリマー(低濃度でもシリコン膜を形成し得る)を利用し得るという利点も相俟って、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法によれば、極めて薄いシリコン膜を基板の全面に形成することができる。一実施形態に係るシリコン膜の形成方法においては、成膜性の悪化なしに、溶液濃度を、4体積%以下、3体積%以下、又は2体積%以下にまで低くすることができる。溶液濃度の下限は特に限定されないが、シリコン膜の成膜性の観点から、通常、0.1体積%以上、0.3体積%以上、0.5体積%以上などとし得る。本明細書において、シランポリマー溶液のシランポリマーの濃度は、室温下における混合溶媒の体積とシランポリマーの体積を基準として算出した値である。
特定の混合溶媒を用いる一実施形態に係るシリコン膜の形成方法によれば、温和な環境下(好ましくは室温、大気圧下)において、混合溶媒にシランポリマーを混合し、撹拌することで、容易に所定濃度のシランポリマー溶液を調製できる。
シランポリマー溶液は、シリコン膜の成膜性を阻害しない限りにおいて、他の成分を含んでもよい。斯かる他の成分としては、例えば、ドーパント、表面張力調節剤等が挙げられる。ドーパントしては、n型、p型のシリコン膜を形成するにあたって従来使用される公知のドーパントを使用してよい。表面張力調節剤としては、フッ素系、シリコン系等の従来公知の表面張力調節剤を使用してよい。
(シランポリマー溶液の塗布)
シランポリマー溶液を基板に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ディップコート法、スプレー法、インクジェット法等が挙げられる。中でも、基板にシリコン膜を成膜性よく形成し得る観点から、スピンコート法によりシランポリマー溶液を塗布することが好ましい。
スピンコート法による塗布の条件は特に限定されず、シランポリマーの分子サイズや溶液濃度、所望するシリコン膜の厚さを考慮して、適宜決定してよい。例えば、メインスピンの回転数は100~5,000rpm、回転時間は1~20秒間の範囲としてよい。
シランポリマー溶液の塗布量は、シランポリマーの分子サイズや溶液濃度、基板の寸法及び構造、所望するシリコン膜の厚さ等を考慮して、適宜決定してよい。また、後述のようにシランポリマー溶液の塗布を2回以上行う場合、各塗布量は同じでも異なってもよい。
第1塗布膜へのシランポリマー溶液の塗布は、1回のみ行ってもよく、2回以上行ってもよい。上述のとおり、特定の混合溶媒を用いる一実施形態に係るシリコン膜の形成方法によれば、低濃度のシランポリマー溶液を用いて薄いシリコン膜を基板の全面に形成することができる。したがって、低濃度のシランポリマー溶液を基板に2回以上塗布して所望の厚さのシリコン膜を形成することも可能である。分子サイズの大きなシランポリマーを利用し得るという利点も相俟って、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法によれば、極めて薄いシリコン膜を基板の全面に精度良く形成することができる。
<第2加熱工程>
第2加熱工程において、第1塗布膜及び第2塗布膜を加熱する。これにより、第1塗布膜(ポリシラザン膜)及び第2塗布膜(シランポリマー膜)をシリコン膜に変換することができる。上述のとおり、第1加熱工程において第1塗布膜と基板の下地膜との界面にシリコン窒化膜が形成されているので、第2加熱工程において第1塗布膜及び第2塗布膜から変換されるシリコン膜と基板の下地膜との界面にシリコン窒化膜を残存させることができる。シリコン膜と基板の下地膜との界面に残存するシリコン窒化膜によって、シリコン膜と下地膜との密着を補強することが可能となる。
第2加熱工程における第1塗布膜及び第2塗布膜の加熱の条件は特に限定されず、ポリシラザン及びシランポリマーからシリコン膜を形成するにあたって従来使用される条件を採用してよい。例えば、アモルファス状のシリコン膜(アモルファスシリコン膜)を形成する場合、第2加熱工程は、300~500℃の温度範囲にて実行されることが好ましい。
一実施形態に係るシリコン膜の形成方法は、第1塗布膜(ポリシラザン膜)の酸化を抑制するため、酸素濃度が低い雰囲気の下で、一連の工程を実行することが好ましい。一実施形態において、第1塗布工程、第1加熱工程、第2塗布工程及び第2加熱工程は、大気の酸素濃度よりも低い酸素濃度の雰囲気の下で実行される。また、第2加熱工程は、第1塗布工程、第1加熱工程及び第2塗布工程を実行する際の酸素濃度よりも低い酸素濃度の雰囲気の下で実行されることが好ましい。例えば、第1塗布工程、第1加熱工程及び第2塗布工程は、50ppm以下の酸素濃度の雰囲気の下で実行され、第2加熱工程は、1ppm以下の酸素濃度の雰囲気の下で実行されてもよい。また、第1塗布膜の酸化をより効率的に抑制する観点から、第1塗布工程、第1加熱工程、第2塗布工程及び第2加熱工程は、下地膜を有する基板が大気暴露されない状態で、実行されることが好ましい。これにより、第1塗布膜の酸化を抑制して形成されるシリコン膜の膜質を向上させることが可能となる。さらに、第1塗布膜にシランポリマー溶液を塗布して第2塗布膜を形成する一実施形態に係るシリコン膜の形成方法によれば、第2塗布膜によって第1塗布膜を封止することができ、第1塗布膜の酸化をより効率的に抑制することができる。
[一実施形態において形成されるシリコン膜の一例]
図3A~図3Eは、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法により形成されるシリコン膜の一例について説明するための図である。
図3A~図3Eに示す基板Wは、図示しない半導体基板(シリコン基板)上に形成されたシリコン酸化膜(下地膜の一例)201を有する。シリコン酸化膜201は、表面パターンを有する。まず、ステップS100でシリコン酸化膜201を有する基板Wを提供する(図3A参照)。次に、ステップS101の第1塗布工程において、基板Wにポリシラザン溶液を塗布して図3Bに示すポリシラザン膜(第1塗布膜の一例)202を形成する。第1塗布工程において濡れ性の高いポリシラザン溶液を用いて塗布を行うことにより、シリコン酸化膜201の表面パターンをポリシラザン膜202で良好に埋め込むことができる。次に、ステップS102の第1加熱工程において、ポリシラザン膜202を加熱する。ポリシラザン膜202を加熱することにより、ポリシラザン膜202を適度に固化するとともに、ポリシラザン膜202と基板Wのシリコン酸化膜201との界面にシリコン窒化膜202a(図3C参照)を形成することができる。次に、ステップS103の第2塗布工程において、加熱されたポリシラザン膜202にシランポリマー溶液を塗布してシランポリマー膜(第2塗布膜の一例)203を形成する(図3D)。これにより、ポリシラザン膜202が酸素に晒されないようにシランポリマー膜203によってポリシラザン膜202を封止することができる。次に、ステップS104の第2加熱工程において、ポリシラザン膜202及びシランポリマー膜203を加熱する。ポリシラザン膜202及びシランポリマー膜203を加熱することにより、ポリシラザン膜202及びシランポリマー膜203をシリコン膜204に変換することができる(図3E参照)。ここで、ステップS102の第1加熱工程においてポリシラザン膜202と基板Wのシリコン酸化膜201との界面にシリコン窒化膜202a(図3C参照)が形成されている。このため、シリコン膜204を形成する際に、シリコン膜204とシリコン酸化膜201との界面にシリコン窒化膜202aを残存させることができる。結果として、シリコン窒化膜202aを介してシリコン膜204とシリコン酸化膜201とを強固に密着させることができる。
このように、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法は、第1塗布膜と基板の下地膜との界面にシリコン窒化膜が形成された状態で、第1塗布膜及び第2塗布膜を加熱してシリコン膜を形成する。このため、一実施形態によれば、下地膜を有する基板に密着性よくシリコン膜を形成することができる。
[密着性の改善]
図4は、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法により形成されるシリコン膜の密着性の改善について説明するための図である。図4は、表面パターンの無いシリコン酸化膜(下地膜)を有する基板にシリコン膜を形成した場合の実験結果を示している。図4の(a)は、比較例に係るシリコン膜の形成方法を用いてシリコン膜を形成した結果であり、図4の(b)は、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法を用いてシリコン膜を形成した結果である。比較例に係るシリコン膜の形成方法では、下地膜としてシリコン酸化膜を有する基板にシランポリマー溶液を塗布して塗布膜を形成した後に加熱を行った。
図4の(a)に示すように、比較例に係るシリコン膜の形成方法を用いた場合、基板の一部の領域のみにシリコン膜が形成されている(図4の(a)中の白色部分)。これに対して、図4の(b)に示すように、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法を用いた場合、基板のほぼ全面にシリコン膜が形成されている(図4の(b)中の白色部分)。
比較例に係るシリコン膜の形成方法によりシリコン膜を形成した場合、シリコン酸化膜(下地膜)に対する濡れ性の低いシランポリマー溶液を基板に直接塗布するため、形成される塗布膜とシリコン酸化膜との密着性が低下する。このため、塗布膜から形成されるシリコン膜とシリコン酸化膜との密着性が低下する。これに対して、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法においては、シリコン酸化膜(下地膜)に対する濡れ性の高いポリシラザン溶液を基板に塗布して第1塗布膜を形成した後に第1塗布膜にシランポリマー溶液を塗布して第2塗布膜を形成する。このため、形成される第1塗布膜及び第2塗布膜とシリコン酸化膜との密着性が確保される。これにより、第1塗布膜及び第2塗布膜から形成されるシリコン膜とシリコン酸化膜との密着性の低下を抑制することができる。
図5は、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法を用いてシリコン膜を形成した後の基板の表面をXPS分析した分析結果を示す図である。図6は、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法を用いてシリコン膜を形成した後の基板の表面をSIMS分析した分析結果を示す図である。図7は、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法を用いてシリコン膜を形成した後の基板の表面をTEM-EDX分析した分析結果を示す図である。図5~図7において、縦軸は、原子濃度を示す。また、図5及び図6において、横軸は、基板上の膜の表面からの深さを示す。また、図7において、横軸は、基板の底面からの距離を示す。XPS分析、SIMS分析及びTEM-EDX分析では、基板上の膜の元素組成を確認することができる。
図5~図7の分析結果は、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法を用いて形成されたシリコン膜とシリコン酸化膜(下地膜)との界面に窒素(N)及びシリコン(Si)を含む膜(つまり、シリコン窒化膜)が残存していることを示している。すなわち、図5~図7の分析結果は、一実施形態に係るシリコン膜の形成方法を用いてシリコン膜を形成することにより、シリコン窒化膜を介してシリコン膜とシリコン酸化膜(下地膜)とを強固に密着させることができることを示している。
[第2加熱工程における酸素濃度の範囲]
ここで、第2加熱工程における酸素濃度の範囲を評価するための実験を行った。実験では、第2塗布膜であるシランポリマー膜が形成された評価基板が用いられた。実験では、酸素濃度を変えて評価基板に対し第2加熱工程を行い、形成されるシリコン膜中の酸素の原子濃度を調べた。図8は、酸素濃度を変えて評価基板に対し一実施形態に係る第2加熱工程を行った後の基板の表面をSIMS分析した分析結果を示す図である。図8において、縦軸は、形成されるシリコン膜中の酸素の原子濃度を示し、横軸は、評価基板上の膜の表面からの深さを示す。図8中、破線は、評価基板に対し50ppmの酸素濃度の雰囲気の下で第2加熱工程を行った結果を示す(比較例1)。実線は、評価基板に対し1ppm以下の酸素濃度の雰囲気の下で第2加熱工程を行った結果を示す(実施例1)。なお、形成されるシリコン膜中の酸素の原子濃度が低いほど、シリコン膜の膜質が良いと言える。
図8に示すように、50ppmの酸素濃度の場合、1ppm以下の酸素濃度の場合と比較して、約18nmの深さまでのシリコン膜中の酸素の原子濃度が増加している。図8の結果から、第2加熱工程を1ppm以下の酸素濃度の雰囲気の下で実行することで、第2塗布膜(シランポリマー膜)から得られるシリコン膜の酸化を抑制できることが分かった。したがって、形成されるシリコン膜の膜質を向上させる観点から、第2加熱工程は、1ppm以下の酸素濃度の雰囲気の下で実行されることが好ましい。
[実施形態の効果]
上記実施形態に係るシリコン膜の形成方法は、第1塗布工程と、第1加熱工程と、第2塗布工程と、第2加熱工程とを含む。第1塗布工程において、下地膜を有する基板にポリシラザン溶液を塗布して第1塗布膜を形成する。第1加熱工程において、第1塗布膜を加熱する。第2塗布工程において、加熱された第1塗布膜にシランポリマー溶液を塗布して第2塗布膜を形成する。第2加熱工程において、第1塗布膜及び第2塗布膜を加熱する。このため、実施形態によれば、下地膜を有する基板に密着性よくシリコン膜を形成することができる。
また、第1加熱工程は、第2加熱工程における第1塗布膜及び第2塗布膜の加熱を実行するための温度よりも低い温度で実行されてもよい。このため、実施形態によれば、第1塗布膜から溶媒の低沸点成分を除去して第1塗布膜を適度に固化することができ、第1塗布膜と第1塗布膜に塗布される第2塗布膜との密着性を向上させることができる。
また、第1塗布工程、第1加熱工程、第2塗布工程及び第2加熱工程は、大気の酸素濃度よりも低い酸素濃度の雰囲気の下で実行されてもよい。また、第2加熱工程は、第1塗布工程、第1加熱工程及び第2塗布工程を実行する際の酸素濃度よりも低い酸素濃度の雰囲気の下で実行されてもよい。また、第1塗布工程、第1加熱工程及び第2塗布工程は、50ppm以下の酸素濃度の雰囲気の下で実行され、第2加熱工程は、1ppm以下の酸素濃度の雰囲気の下で実行されてもよい。また、第1塗布工程、第1加熱工程、第2塗布工程及び第2加熱工程は、下地膜を有する基板が大気暴露されない状態で、実行されてもよい。このため、実施形態によれば、第1塗布膜の酸化を抑制して、形成されるシリコン膜の膜質を向上させることができる。
また、第1加熱工程において、第1塗布膜を加熱することにより、第1塗布膜と基板の下地膜との界面にシリコン窒化膜を形成してもよい。このため、実施形態によれば、シリコン窒化膜を介して第1塗布膜と下地膜との密着を補強することで、第1塗布膜から変換されるシリコン膜と下地膜との密着性を向上させることができる。
また、下地膜は、シリコン酸化膜であってもよい。このため、実施形態によれば、下地膜としてシリコン酸化膜を有する基板に密着性よくシリコン膜を形成することができる。
また、シランポリマー溶液は、分子中に6~8員の単環式飽和炭素環を含み沸点が160℃未満である第1の溶媒と分子中に飽和炭素環又は部分飽和炭素環を含み沸点が160℃以上である第2の溶媒を含む混合溶媒にシランポリマーを溶解させた溶液であってもよい。このため、実施形態によれば、広範な分子サイズのシランポリマーから密着性よくシリコン膜を形成することができる。
今回開示された各実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲およびその主旨を逸脱することなく、様々な形体で省略、置換、変更されてもよい。
W 基板
201 シリコン酸化膜
202 ポリシラザン膜
202a シリコン窒化膜
203 シランポリマー膜
204 シリコン膜

Claims (9)

  1. 下地膜を有する基板にポリシラザン溶液を塗布して第1塗布膜を形成する第1塗布工程と、
    前記第1塗布膜を加熱する第1加熱工程と、
    加熱された前記第1塗布膜にシランポリマー溶液を塗布して第2塗布膜を形成する第2塗布工程と、
    前記第1塗布膜及び前記第2塗布膜を加熱する第2加熱工程と
    を含む、シリコン膜の形成方法。
  2. 前記第1加熱工程は、
    前記第2加熱工程における前記第1塗布膜及び前記第2塗布膜の加熱を実行するための温度よりも低い温度で実行される、請求項1に記載のシリコン膜の形成方法。
  3. 前記第1塗布工程、前記第1加熱工程、前記第2塗布工程及び前記第2加熱工程は、大気の酸素濃度よりも低い酸素濃度の雰囲気の下で実行される、請求項1又は2に記載のシリコン膜の形成方法。
  4. 前記第2加熱工程は、前記第1塗布工程、前記第1加熱工程及び前記第2塗布工程を実行する際の前記酸素濃度よりも低い酸素濃度の雰囲気の下で実行される、請求項3に記載のシリコン膜の形成方法。
  5. 前記第1塗布工程、前記第1加熱工程及び前記第2塗布工程は、50ppm以下の酸素濃度の雰囲気の下で実行され、
    前記第2加熱工程は、1ppm以下の酸素濃度の雰囲気の下で実行される、請求項4に記載のシリコン膜の形成方法。
  6. 前記第1塗布工程、前記第1加熱工程、前記第2塗布工程及び前記第2加熱工程は、下地膜を有する前記基板が大気暴露されない状態で、実行される、請求項1~5のいずれか一つに記載のシリコン膜の形成方法。
  7. 前記第1加熱工程において、前記第1塗布膜を加熱することにより、前記第1塗布膜と前記基板の下地膜との界面にシリコン窒化膜を形成する、請求項1~6のいずれか一つに記載のシリコン膜の形成方法。
  8. 前記下地膜は、シリコン酸化膜である、請求項1~7のいずれか一つに記載のシリコン膜の形成方法。
  9. 前記シランポリマー溶液は、分子中に6~8員の単環式飽和炭素環を含み沸点が160℃未満である第1の溶媒と分子中に飽和炭素環又は部分飽和炭素環を含み沸点が160℃以上である第2の溶媒を含む混合溶媒にシランポリマーを溶解させた溶液である、請求項1~8のいずれか一つに記載のシリコン膜の形成方法。
JP2020143001A 2020-08-26 2020-08-26 シリコン膜の形成方法 Active JP7489869B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020143001A JP7489869B2 (ja) 2020-08-26 2020-08-26 シリコン膜の形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020143001A JP7489869B2 (ja) 2020-08-26 2020-08-26 シリコン膜の形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022038473A true JP2022038473A (ja) 2022-03-10
JP7489869B2 JP7489869B2 (ja) 2024-05-24

Family

ID=80498977

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020143001A Active JP7489869B2 (ja) 2020-08-26 2020-08-26 シリコン膜の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7489869B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4042327B2 (ja) 1999-03-30 2008-02-06 セイコーエプソン株式会社 薄膜トランジスタの製造方法
JP2003318193A (ja) 2002-04-22 2003-11-07 Seiko Epson Corp デバイス、その製造方法及び電子装置
JP2010103335A (ja) 2008-10-24 2010-05-06 Seiko Epson Corp 光電変換装置の製造方法、電子機器の製造方法、光電変換装置および電子機器
JP7138273B2 (ja) 2018-07-04 2022-09-16 東京エレクトロン株式会社 被処理基板にシリコン膜を形成する方法
JP2020082013A (ja) 2018-11-29 2020-06-04 メルク、パテント、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツングMerck Patent GmbH アモルファスシリコン犠牲膜の製造方法およびアモルファスシリコン形成組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP7489869B2 (ja) 2024-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4075308B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
KR100420441B1 (ko) 실리콘막 형성 방법 및 잉크 젯용 잉크 조성물
JP4042327B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
EP1085560B1 (en) Method for forming a silicon film
WO2020008888A1 (ja) 被処理基板にシリコン膜を形成する方法
TW201043636A (en) Higher-order silane composition, method for manufacturing substrate with film, electro-optical equipment and electronic device
TW201518209A (zh) 含有氫矽烷與氫矽烷寡聚物之調合物及其製造方法與用途
JP2022038473A (ja) シリコン膜の形成方法
US20090263590A1 (en) Method of manufacturing polysilane-modified silicon fine wire and method of forming silicon film
WO2016010038A1 (ja) 濃縮法を用いた環状シランの製造方法
TW201724171A (zh) 製造二氧化矽層的方法、二氧化矽層以及電子裝置
TWI634954B (zh) 製造結構化塗層之方法,藉由該方法所製造之結構化塗層,及其用途
JP2004359532A (ja) タンタル酸化物膜形成用組成物、タンタル酸化物膜およびその製造方法
JP2022038339A (ja) シリコン膜の形成方法
JP7390195B2 (ja) シリコン成膜方法
JP7156620B2 (ja) 微細パターンを有する基板にシリコン膜を形成する方法
JP7390194B2 (ja) エアギャップ形成方法
JP5445795B2 (ja) 結晶性コバルトシリサイド膜の形成方法
JP2006310345A (ja) 積層膜の形成方法
JP6778869B2 (ja) シリコン酸化膜の製造方法
WO2024043213A1 (ja) 薄膜形成用組成物、及び半導体素子の製造方法
JP2009062253A (ja) シリコン膜の形成方法
JP2005142540A (ja) シリコン・コバルト膜形成用組成物、シリコン・コバルト膜およびその形成方法
WO2016009897A1 (ja) 加熱重合によるポリシランの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230523

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240416

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240514

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7489869

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150