JP2006310345A - 積層膜の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基体上に、シリコン膜及びシリコン酸化膜からなる積層膜を形成する簡易な方法を提供すること。
【解決手段】上記課題は、基体上に、シラン化合物及び溶媒を含有する膜形成用組成物からシリコン膜及びシリコン酸化膜からなる積層膜を形成することを特徴とする、積層膜の形成方法によって達成される。
【選択図】なし。

Description

本発明は、基体上に、シリコン膜及びシリコン酸化膜からなる積層膜を形成する方法に関する。更に詳しくは、薄膜トランジスタのゲート及びゲート絶縁膜として好適な上記積層膜を、簡易に形成する方法に関する。
薄膜トランジスタにおいては、ゲート(半導体活性層)とゲート電極との間を電気的に絶縁するため、両者の間に絶縁膜(ゲート絶縁膜)が設置されており、従ってゲートとゲート絶縁膜とからなる積層構造を有する。
このうち、ゲート材料としては、シリコンが多く用いられ、また、ゲート絶縁膜材料としては、シリコン酸化物膜が多く用いられている。
このようなシリコン膜を形成するには、従来、CVD(Chemical Vapor Deposition)法に代表される高真空プロセスが用いられている。シリコン膜を形成するのにCVD原料法によると、大がかりな装置が必要であること、原料の使用効率が悪いこと、原料が基体上であるため取扱いが困難であること、大量の廃棄物が発生すること等の難点がある。
また、上記の如きシリコン酸化膜を形成するには、従来、(1)シリコン膜を酸化性雰囲気下で加熱する方法、(2)ゾル−ゲル法、(3)CVD法、(4)スパッタ法等の方法が用いられていた。しかし、上記(1)の方法を採用すると、工程上の負荷が大きいため、使用できる基板の種類が限られる難点があり、(2)の方法によると、良質な酸化シリコン膜を得るためには高温を必要とし、また、(3)及び(4)の方法によると、大がかりな装置が必要となる等、上記シリコン膜形成をCVD法で行う場合と同様の問題が生じる。
一方、シリコン膜を簡易に形成する方法としては、例えば特定のかご状アルキルシラン化合物又はその溶液を基板上に撒布又は塗布した後、窒素下で加熱する方法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。しかしこの方法によると、形成されるシリコン膜に炭素が残留することとなり、薄膜トランジスタのゲート材料としては適さない。
一方、シリコン酸化膜を形成する方法としては、基板上にポリシラザン化合物を塗布した後、無機アンモニウム塩を含有する高温水を接触させる方法が提案されている(例えば特許文献2参照。)。しかしこの方法によると、形成された膜中に水分が取り込まれてしまい、また、窒素が残留し、高い絶縁性能を得られないといった難点がある。
シリコン膜及びシリコン酸化膜からなる積層膜を簡易に形成する方法が求められている。
特開平4−119996号公報 特開2003−347294号公報
本発明は上記事情を鑑み、なされたものであり、その目的は、基体上に、シリコン膜及びシリコン酸化膜からなる積層膜を形成する簡易な方法を提供することにある。
本発明によれば、本発明の上記課題は、基体上に、シラン化合物及び溶媒を含有する膜形成用組成物からシリコン膜及びシリコン酸化膜からなる積層膜を形成することを特徴とする、積層膜の形成方法によって達成される。
本発明により、基体上に、シリコン膜及びシリコン酸化膜からなる積層膜を形成する簡易な方法が提供される。
本発明は、基体上に、シラン化合物及び溶媒を含有する膜形成用組成物からシリコン膜及びシリコン酸化膜からなる積層膜を形成することを特徴とする。
本発明に用いられるシラン化合物としては、例えば、下記式(1)乃至(4)から選択される少なくとも一種の化合物を光重合して得られたシラン重合体を含むものであることができる。
Si 2h+2 (1)
は、水素原子又はハロゲン原子であり、hは2〜10の整数である。
Si 2i (2)
は、水素原子又はハロゲン原子であり、iは3〜10の整数である。
Si 2j−2 (3)
は、水素原子又はハロゲン原子であり、jは6〜10の整数である。
Si (4)
は、水素原子又はハロゲン原子であり、kは6〜10の偶数である。
上記式(1)で表される化合物の具体例としては、例えばジシラン、トリシラン、テトラシラン、ペンタシラン、ヘキサシラン、ヘプタシラン、オクタシラン、ノナシラン、デカシラン及びこれらの化合物の構造異性体並びにこれらの化合物の有する水素原子の一部又は全部をハロゲン原子に置換した化合物等を挙げることができる。
上記式(2)で表される化合物の具体例としては、例えばシクロトリシラン、シクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、シクロヘキサシラン、シクロへプタシラン、シリルシクロペンタシラン、シクロオクタシラン、シクロノナシラン、シクロデカシラン等及びこれらの化合物の有する水素原子の一部又は全部をハロゲン原子に置換した化合物等を挙げることができる。
上記式(3)で表される化合物の具体例としては、例えば1,1’−ビシクロブタシラン、1,1’−ビシクロペンタシラン、1,1’−ビシクロヘキサシラン、1,1’−ビシクロヘプタシラン、1,1’−シクロブタシリルシクロペンタシラン、1,1’−シクロブタシリルシクロヘキサシラン、1,1’−シクロブタシリルシクロヘプタシラン、1,1’−シクロペンタシリルシクロヘキサシラン、1,1’−シクロペンタシリルシクロヘプタシラン、1,1’−シクロヘキサシリルシクロヘプタシラン、スピロ[2.2]ペンタシラン、スピロ[3.3]ヘプタタシラン、スピロ[4.4]ノナシラン、スピロ[4.5]デカシラン、スピロ[4.6]ウンデカシラン、スピロ[5.5]ウンデカシラン、スピロ[5.6]ウンデカシラン、スピロ[6.6]トリデカシラン及びこれらの化合物の有する水素原子の一部又は全部をハロゲン原子に置換した化合物等を挙げることができる。
上記式(4)で表される具体例としては、例えば下記式(5)乃至(7)で表される化合物及びこれらの化合物の有する水素原子の一部又は全部をハロゲン原子に置換した化合物を挙げることができる。
Figure 2006310345
これらのうち、X、X、X又はX水素原子であることが好ましい。
シラン化合物としては、上記式(2)で表される化合物が好ましく、シクロペンタシラン、シクロヘキサシラン又はシリルシクロペンタシランを用いることがより好ましい。
これらのシラン化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
上記式(1)乃至(4)から選択される少なくとも一種の化合物は、無溶媒状態で又は溶媒に溶解された溶液状態で光重合に供することができる。
上記化合物の光重合を溶液状態で実施する場合に使用できる溶媒としては、例えば炭化水素溶媒、エーテル溶媒、極性溶媒等を挙げることができる。
上記炭化水素溶媒の具体例としては、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、ジシクロペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、インデン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワラン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ジシクロヘキシル、テトラヒドロジシクロペンタジエン等;
上記エーテル溶媒の具体例としては、例えばジプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサン等;
上記極性溶媒の具体例としては、例えばプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等を、それぞれ挙げることができる。
これらのうち、炭化水素溶媒又はエーテル溶媒を使用することが好ましく、炭化水素溶媒の使用がより好ましく、ジシクロペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ジシクロヘキシル、テトラヒドロジシクロペンタジエンを使用することが更に好ましい。
これら溶媒は、単独でも、あるいは2種以上の混合物としても使用できる。
上記式(1)乃至(4)から選択される少なくとも一種の化合物を光重合する際に、溶液状態で実施する場合、溶液中の化合物濃度として、1%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましく、10%以上であることが更に好ましい。
上記式(1)乃至(4)から選択される少なくとも一種の化合物を光重合する際に照射する光としては、波長200〜500nmの光を含むものが好ましく、波長300〜450nmの光を含むものがより好ましい。
光の照射量としては、0.1〜500J/cmであることが好ましく、1〜200J/cmであることがより好ましい。
光重合の際の温度としては、好ましくは0〜150℃であり、より好ましくは10〜50℃である。
光重合の際の雰囲気としては、アルゴン、窒素、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気が望ましく、酸素濃度としては1000ppm以下、好ましくは100ppm以下であり、より好ましくは10ppm以下である。
光重合によって得られたシラン重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって得られたポリスチレン換算の数平均分子量として、好ましくは300〜5000であり、より好ましくは500〜3000である。また、同様に得られたポリスチレン換算の重量平均分子量として、好ましくは500〜8000であり、より好ましくは800〜5000である。
シラン重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量の測定は、例えば特開2005−22964号公報に記載された方法に従って実施することができる。
本発明に使用する膜形成用組成物は、上記の如きシラン化合物、好ましくは上記のシラン重合体及び溶媒を含有する。本発明に使用する膜形成用組成物に使用することのできる溶媒としては、上記した上記式(1)乃至(4)から選択される少なくとも一種の化合物の光重合を溶液状態で実施する場合に使用できる溶媒として例示した溶媒を使用することができる。
膜形成用組成物中に含有されるシラン化合物の濃度は、好ましくは0.1〜50質量%であり、より好ましくは1〜30質量%である。
上記式(1)乃至(4)から選択される少なくとも一種の化合物の光重合を溶液状態で実施した場合、光重合後の混合物をそのまま膜形成用組成物としてもよく、光重合後の混合物に溶媒を追加して膜形成用組成物としてもよく、光重合後の混合物を濃縮して膜形成用組成物としてもよく、あるいは光重合用の溶媒をいったん除去した後、新たに溶媒を加えて膜形成用組成物を調製し直してもよい。
本発明の積層膜の形成方法は、例えば下記の2つの方法のうちのいずれかによることができる。
≪方法1≫
少なくとも下記の工程を含む積層膜の形成方法。
(1)基体上に、上記の膜形成用組成物を塗布して、シラン化合物の塗膜を形成する工程。
(2)上記シラン化合物の塗膜を、非酸化性雰囲気下で加熱及び/又は光照射する工程。
(3)上記加熱及び/又は光照射後の塗膜上に、シラン化合物の塗膜を形成する工程。
(4)上記シラン化合物の塗膜を、酸化性雰囲気下で加熱及び/又は光照射する工程。
≪方法2≫
少なくとも下記の工程を含む積層膜の形成方法。
(1)基体上に、上記の膜形成用組成物を塗布して、シラン化合物の塗膜を形成する工程。
(2)上記シラン化合物の塗膜を、非酸化性雰囲気下で加熱及び/又は光照射する工程。
(3)上記加熱及び/又は光照射後の塗膜を、更に酸化性雰囲気下で加熱及び/又は光照射する工程。
以下、まず方法1について説明し、その後方法2について説明する。
≪方法1≫
(1)基体上に、上記の膜形成用組成物を塗布して、シラン化合物の塗膜を形成する工程。
方法1の第一工程においては、基体上に、上記の膜形成用組成物を塗布して、シラン化合物の塗膜を形成する。
方法1において使用することができる基体としては、ここで、使用できる基体は、特に限定されるものではないが、石英、ガラス、プラスチック、グラファイト、シリコン、金属、金属酸化物等からなる基体を挙げることができる。上記ガラスとしては、例えば、ホウ珪酸ガラス、ソーダガラス、鉛ガラス、ランタン系ガラス等;
上記プラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル系重合体、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ノルボルネン系開環重合体及びその水素添加物等;
上記金属としては、例えば金、銀、銅、ニッケル、チタン、アルミニウム、タングステン、鉄、ステンレス等;
上記金属酸化物としては、ITO(Indium−Tin−Oxide)、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素(ただし、石英を除く。)、セラミックス等をそれぞれ挙げることができる。また、上記した金属、金属酸化物等を表面に有するガラス、プラスチック等を使用しても良い。
基体の形状に関しては、特に限定されない。例えばその平面形状が円形、多角型等である板状の他、球形、楕球形、立方体、直方体等であることができる。基体の大きさは、使用する塗布機に設置できる大きさであればよく、例えば平面形状が正方形である板状の基体の場合、正方形を形成する一辺の長さとして10μm〜10m程度であってもよい。また、立方体の基体の場合、一辺の長さとして10μm〜10m程度であってもよい。
膜形成用組成物を、基体に塗布するには、例えばスピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ディップコート法、スプレー法、液滴吐出法等の適宜の方法を用いることができる。
塗布の際の雰囲気としては、不活性雰囲気下又は還元性雰囲気下であることが好ましい。不活性雰囲気は、不活性ガスにより得ることができる。不活性ガスとしては、例えば窒素、ヘリウム、アルゴン等を挙げることができる。還元性雰囲気は、前記不活性ガスに還元性ガスを混入した混合気体により得ることができる。還元性ガスの濃度としては、不活性ガスと還元性ガスの合計に対して、好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは5重量%以下である。
膜形成用組成物を基体に塗布した後、溶媒を除供することにより、基体上にシラン化合物の塗膜が形成される。この
溶媒除去工程の際の条件としては、温度として好ましくは0〜600℃、より好ましくは100〜400℃であり、時間として好ましくは1〜300分であり、より好ましくは30〜180分である。
溶媒除去後の塗膜の膜厚としては、好ましくは1〜1000nmであり、より好ましくは5〜500nmである。
(2)上記シラン化合物の塗膜を、非酸化性雰囲気下で加熱及び/又は光照射する工程。
工程(1)で形成された塗膜は、次いで非酸化性雰囲気下で加熱及び/又は光照射され、シリコン膜に変換される。非酸化性雰囲気としては、不活性雰囲気下又は還元性雰囲気下とすることができ、これらの雰囲気は、上記工程(1)におけるのと同様にして得ることができる。
塗膜のシリコン膜への変換を加熱による場合、加熱温度としては、好ましくは50〜800℃、より好ましくは200〜600℃であり、時間として好ましくは1〜300分であり、より好ましくは30〜180分である。
塗膜のシリコン膜への変換を光照射による場合、光としては、波長200〜800nmの光を含むものが好ましく、波長220〜500nmの光を含むものがより好ましい。
光の照射量としては、100〜100000mJ/cmであることが好ましく、500〜20000mJ/cmであることがより好ましい。
なお、上記の加熱処理と光照射を同時に又は順次に行ってもよい。
工程(2)実施後の塗膜の膜厚としては、好ましくは1〜700nmであり、より好ましくは2〜400nmである。
(3)上記加熱及び/又は光照射後の塗膜上に、シラン化合物の塗膜を形成する工程。
次いで、工程(2)で形成されたシリコン膜上に、更に膜形成用組成物を塗布して、シラン化合物の塗膜を形成する。
この工程(3)は、上記の工程(1)と同様にして行うことができる。
工程(3)において形成されるシラン化合物の塗膜の膜厚は、溶媒除去後の値として、好ましくは0.5〜250nmであり、より好ましくは1〜150nmである。
(4)上記シラン化合物の塗膜を、酸化性雰囲気下で加熱及び/又は光照射するする工程。
工程(4)において、工程(3)で形成された塗膜は、酸化性雰囲気下で加熱され、シリコン酸化膜に変換される。
ここで、酸化性雰囲気とは、酸化性ガスが、1%以上、好ましくは5〜50%存在する雰囲気をいう。酸化性ガスとは、例えば酸素、オゾン、二窒化酸素等を挙げることができる。酸化性ガスとともに不活性ガスを併用してもよい。ここで不活性ガスとしては、例えば窒素、ヘリウム、アルゴン等を挙げることができる。
加熱及び/又は光照射の条件としては、工程(2)におけるのと同様の条件を採用することができる。
工程(4)工程実施後の塗膜の膜厚としては、好ましくは1〜500nmであり、より好ましくは2〜300nmである。ただしこの値には、工程(1)及び(2)によって形成されるシリコン膜の厚さは含まないものと理解されるべきである。
≪方法2≫
方法2は、少なくとも下記の工程を含む積層膜の形成方法である。
(1)基体上に、上記の膜形成用組成物を塗布して、シラン化合物の塗膜を形成する工程。
(2)上記シラン化合物の塗膜を、非酸化性雰囲気下で加熱及び/又は光照射する工程。
(3)上記加熱及び/又は光照射後の塗膜を、更に酸化性雰囲気下で加熱及び/又は光照射する工程。
以下、方法2の各工程につき、説明する。
(1)基体上に、上記の膜形成用組成物を塗布して、シラン化合物の塗膜を形成する工程。
方法2の工程(1)において使用できる基体は、方法1におけるのと同様である。
方法2の工程(1)は、方法1の工程(1)と、略同様にして実施することができる。
ただし、方法2の工程(1)において形成されるシラン化合物の塗膜の膜厚としては、溶媒除去後の値として好ましくは1〜1000nmであり、より好ましくは5〜500nmである。
(2)上記シラン化合物の塗膜を、非酸化性雰囲気下で加熱及び/又は光照射する工程。
工程(2)により、シラン化合物の塗膜はシリコン膜に変換される。
方法2の工程(2)は、方法1の工程(2)と、略同様にして実施することができる。
ただし、加熱温度としては、好ましくは50〜800℃、より好ましくは200〜600℃であり、時間として好ましくは1〜300分であり、より好ましくは30〜180分である。
塗膜のシリコン膜への変換を光照射による場合、光としては、波長200〜800nmの光を含むものが好ましく、波長220〜500nmの光を含むものがより好ましい。
また、使用できる光としては、方法1の工程(2)又は(4)と同様であるが、光の照射量としては、 100〜100000mJ/cmであることが好ましく、500〜20000mJ/cmであることがより好ましい。
工程(2)実施後の塗膜の膜厚としては、好ましくは1〜700nmであり、より好ましくは2〜400nmである。
(3)上記加熱及び/又は光照射後の塗膜を、更に酸化性雰囲気下で加熱及び/又は光照射する工程。
工程(3)において、上記で形成されたシリコン膜を特定の条件において酸化性雰囲気下で加熱及び/又は光照射することにより、膜の下部をシリコンにとどめたままで、膜の上部のみがシリコン酸化膜に変換される。
ここでいう酸化性雰囲気とは、酸化性ガスが、1モル%以上、好ましくは5〜100モル%存在する雰囲気をいう。酸化性ガスとしては、方法1の工程(4)におけるのと同様のものを使用することができる。又、酸化性ガスとともに、方法1の工程(4)におけると同様の不活性ガスを併用してもよい。
工程(3)を加熱による場合、加熱温度としては、好ましくは0〜400℃、より好ましくは20〜300℃であり、時間として好ましくは1〜120分であり、より好ましくは3〜60分である。
また、工程(3)を光照射による場合、使用できる光としては、300nm以下の波長の光が望ましく、特に好ましくは、200nm以下の波長光が望ましい。光の照射量としては、100〜100000mJ/cmであることが好ましく、500〜20000mJ/cmであることがより好ましい。
上記酸化性ガスの分圧並びに加熱条件及び/又は光照射条件は、上記工程(2)で形成されたシリコン膜の膜厚、及び所望のシリコン酸化膜の膜厚等により、適宜に調整されるべきである。例えば、工程(2)で形成されたシリコン膜の膜厚が100nmであり、大気中で、波長172nmの光照射を採用する場合、露光量として8000mJ/cmとすることにより、シリコン膜のうちの上部の40nm程度のみをシリコン酸化膜に変換することができる。
合成例1
<シラン重合体の原料モノマーの合成>
温度計、冷却コンデンサー、滴下ロートおよび撹拌装置を取付けた内容量が3Lの4つ口フラスコ内をアルゴンガスで置換した後、乾燥したテトラヒドロフラン1Lとリチウム金属18.3gを仕込み、アルゴンガスでバブリングした。この懸濁液を0℃で撹拌しながらジフェニルジクロロシラン333gを滴下ロートより添加し、滴下終了後、室温下でリチウム金属が完全に消失するまでさらに12時間撹拌を続けた。反応混合物を5Lの氷水に注ぎ、反応生成物を沈殿させた。この沈殿物を濾別し、水でよく洗滌した後シクロヘキサンで洗滌し、真空乾燥を行い、さらに酢酸エチルにて再結晶化を行い、白色固体150gを得た。
得られた白色個体150gと乾燥したシクロヘキサン500mLを1Lのフラスコに仕込み、塩化アルミニウム20gを加え、反応温度を30℃に保ちつつ撹拌しながら、乾燥した塩化水素ガスを10時間バブリングした。ここで別途に、水素化リチウムアルミニウム50gとジエチルエーテル150mLを1Lのフラスコに仕込み、窒素雰囲気下、0℃で撹拌しながら上記反応混合物を加え、同温にて1時間撹拌、さらに室温で12時間撹拌を続けた。反応溶液を吸引濾過し、さらに濾液より副生物を除去した後、70℃、10mmHgで減圧蒸留を行ったところ、無色の液体が10g得られた。このものはIR、H−NMR、29Si−NMR、GC−MSの各スペクトルより、シクロペンタシランであることが判った。
合成例2
<シラン重合体の合成>
窒素気流中で、石英製サンプル管に上記合成例1で合成したシクロペンタシラン1mLを仕込み、攪拌しながら200W水銀キセノンランプ「EXECURE 3000」(HOYA Candeo Optronics(株)製)から発せられる405nmの光(100mW/cm)を、石英管から1mmの距離から10分間照射し(照射エネルギーとして、約60J/cmに相当する。)、光重合体を得た。
合成法3
<膜形成用組成物の調製>
上記合成例2で得た重合体をトルエンに溶解し、20質量%の溶液を調製し、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで溶液を濾過した。
実施例1
窒素気流中、4インチ平方のホウケイ酸ガラス基板に対して、上記合成例3で調製した膜形成用組成物を回転数2000rpm、回転時間15秒の条件でスピンコートし、次いで、200℃で1分保持し、溶媒を除去することにより、ガラス基板上にシラン重合体の塗膜を形成した。次いで、この基板を窒素雰囲気下、400℃にて30分間加熱したところ、ガラス上に褐色の膜が形成された。
この褐色の膜上に、上記合成例3で調製した膜形成用組成物を回転数2000rpm、回転時間15秒の条件でスピンコートし、200℃で1分保持して溶媒を除去し、次に、この塗膜を窒素雰囲気下で250℃1時間の加熱処理を行い、更に大気中450℃にて30分加熱した。
この基板についてXPS分析を行ったところ、ホウケイ酸ガラス上に、厚さ100nmのシリコン膜、及びその上の厚さ200nmのシリコン酸化膜からなる積層膜が形成されたことがわかった。
実施例2
窒素気流中、4インチ平方のホウケイ酸ガラス基板に対して、上記合成例3で調製した膜形成用組成物を回転数2000rpm、回転時間15秒の条件でスピンコートし、次いで、200℃で1分保持し、溶媒を除去することにより、ガラス基板上にシラン重合体の塗膜を形成した。次いで、この基板を窒素雰囲気下、400℃にて30分間加熱したところ、ガラス上に褐色の膜が形成された。
次にこの基板を、大気中にて200℃に加熱しながら、エキシマランプ(Hoya Cadeo Optronics(株)製)から発せられる波長172nmの光を、塗膜上の照射エネルギーが8000mJ/cmとなるように照射した。
この基板についてXPS分析を行ったところ、ホウケイ酸ガラス上に、厚さ80nmのシリコン膜、及びその上の厚さ40nmのシリコン酸化膜からなる積層膜が形成されたことがわかった。

Claims (4)

  1. 基体上に、シラン化合物及び溶媒を含有する膜形成用組成物からシリコン膜及びシリコン酸化膜からなる積層膜を形成することを特徴とする、積層膜の形成方法。
  2. シラン化合物が、下記式(1)乃至(4)から選択される少なくとも一種の化合物を光重合して得られたシラン重合体を含むものであることを特徴とする、請求項1に記載の積層膜の形成方法。
    Si 2h+2 (1)
    は、水素原子又はハロゲン原子であり、hは2〜10の整数である。
    Si 2i (2)
    は、水素原子又はハロゲン原子であり、iは3〜10の整数である。
    Si 2j−2 (3)
    は、水素原子又はハロゲン原子であり、jは6〜10の整数である。
    Si (4)
    は、水素原子又はハロゲン原子であり、kは6〜10の偶数である。
  3. 少なくとも下記の工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の積層膜の形成方法。
    (1)基体上に、シラン化合物及び溶媒を含有する膜形成用組成物を塗布して、シラン化合物の塗膜を形成する工程。
    (2)上記シラン化合物の塗膜を、非酸化性雰囲気下で加熱及び/又は光照射する工程。
    (3)上記加熱及び/又は光照射後の塗膜上に、シラン化合物の塗膜を形成する工程。
    (4)上記シラン化合物の塗膜を、酸化性雰囲気下で加熱及び/又は光照射する工程。
  4. 少なくとも下記の工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の積層膜の形成方法。
    (1)基体上に、シラン化合物及び溶媒を含有する膜形成用組成物を塗布して、シラン化合物の塗膜を形成する工程。
    (2)上記シラン化合物の塗膜を、非酸化性雰囲気下で加熱及び/又は光照射する工程。
    (3)上記加熱及び/又は光照射後の塗膜を、更に酸化性雰囲気下で加熱及び/又は光照射する工程。
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