JP2022038421A - 液圧転写装置における活性剤塗布装置 並びにこれを具えた液圧転写装置 - Google Patents
液圧転写装置における活性剤塗布装置 並びにこれを具えた液圧転写装置 Download PDFInfo
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Abstract
Description
この転写フィルムには、上述したように、水溶性フィルム上に転写加飾層が転写インクによって事前に形成(印刷)されており、転写加飾層のインクは乾燥状態にある。このため転写に際しては、転写フィルム上の転写加飾層に活性剤や溶剤類を塗布して、転写加飾層を印刷直後と同様の湿潤状態、つまり付着性を発現させた状態に戻す必要があり、これは活性化と称される。
その一例としては、極薄アルミ蒸着層にエンボス加工を施して成るホログラムパターンを含む転写加飾層が挙げられる。このような金属調の転写加飾層を含む転写フィルムに対しては、いわゆる溶剤系の活性剤を塗布した場合、一般的なインクによる転写加飾層とは違い、活性剤の効果が出現しにくくなることは否めない。
また、高級感のある意匠が求められ、その所望される柄の緻密さや複雑さから、フィルム各部で厚い部分と薄い部分とが複合した構成では、各部分によって活性化タイミングや活性剤成分の違いによる柄と物性への影響が生じて、所望する化粧の転写を更に難しくしている。ここで上記厚い部分とは、転写インクの種類や各色が多層に重なる部分が想定される。また上記薄い部分とは、HC層や下地層が透けて見えるように厚みを薄くした部位が想定される。
水溶性フィルムに転写加飾層を積層させて成る転写フィルムを、転写槽内の液面上に浮遊進行させ、転写フィルムの幅方向にわたって往復動するスプレーノズルから活性剤を転写フィルム上に塗布した後、この転写フィルム上方から被転写体を押し付け、これによって生じる液圧によって、前記転写加飾層を被転写体の表面に転写する装置における活性剤の塗布装置であって、
この塗布装置は、前記スプレーノズルが、管理フードによって覆われるとともに、一または複数の先行スプレーノズルと、一または複数の後続スプレーノズルとにより構成され、
先行スプレーノズルと後続スプレーノズルとは、塗布仕様が設定自在であることを特徴として成るものである。
前記塗布仕様は、塗布タイミング、塗布量、適化塗布スポット、活性剤仕様のうちの一または複数の塗布仕様であることを特徴として成るものである。
前記先行スプレーノズルと後続スプレーノズルとは、相互の間隔が設定自在に構成され、
前記塗布タイミングは、このスプレーノズルの相互の間隔で設定することを特徴として成るものである。
前記スプレーノズルは、静電スプレーノズルであることを特徴として成るものである。
前記管理フードは、各々のスプレーノズル毎に別々に構成されていることを特徴として成るものである。
前記管理フードは、上流側及び下流側たる前後に向かって張り出す下広がり状に形成されるものであり、このうち前後に隣接する対向管理フードについては、前後方向への張り出し量が隣接しない管理フードよりも小さく形成されることを特徴として成るものである。
前記スプレーノズルは、転写液面に垂直または転写液下流側に向けて微傾斜状態に取り付けられる構成であることを特徴として成るものである。
前記各管理フードの左右両サイド部には、管理フード内において余剰の活性剤を回収する排気ダクトが接続されるものであり、
また後続スプレーノズルによる活性剤の塗布量が、先行スプレーノズルによる活性剤の塗布量よりも多い場合、後続スプレーノズル側の排気ダクトによる排気を、先行スプレーノズル側の排気ダクトより強く設定する構成であることを特徴として成るものである。
前記前後に向かって張り出す管理フードは、下端縁が、転写槽の幅方向中央部で高く、両端部が低くなるように設定される
またこの下端縁には、管理フードの内側に向かって折り返し状に形成される樋部が設けられるものであり、当該樋部を流れる余剰の活性剤を転写槽の両サイド部に落とす構成であることを特徴として成るものである。
前記活性剤が塗布される転写フィルムの両外側位置には、底部にエア吸引用のチューブが接続されるとともに、天面が上方開口部として開放された有底筒状の水上回収部が設けられ、
この水上回収部は、側面から視て上方開口部が、転写液面より高い位置になるように設置され、且つ平面から視て上方開口部が、転写液面上に広がる転写フィルムの両サイド位置に沿うように形成され、前記チューブを通して管理フード内の余剰の活性剤を外部に排出するように構成されることを特徴として成るものである。
転写液を貯留する転写槽と、
この転写槽に転写フィルムを供給する転写フィルム供給装置と、
転写槽の液面上で活性化状態となった転写フィルムに対して上方から被転写体を押し付ける被転写体搬送装置とを具え、
水溶性フィルムに転写加飾層を積層させて成る転写フィルムを、転写槽内の液面上に浮遊進行させ、活性剤をスプレーノズルから転写フィルム上に塗布した後、被転写体を転写フィルム上方から押し付け、これによって生じる液圧によって、前記転写加飾層を被転写体の表面に転写する装置であって、
この装置は、請求項1から10のいずれか1項記載の活性剤塗布装置を具えたことを特徴として成るものである。
前記後続スプレーノズルの下流側には、転写液中から液面に向かう液流を形成する水流ブローを設けたことを特徴として成るものである。
まず請求項1または11記載の発明によれば、転写フィルムを転写液面上に供給してから活性化を行うものであり(いわゆる水上活性)、しかも活性化は少なくとも先行スプレーノズルと後続スプレーノズルとによる二回行うものである。このため例えば転写フィルムの水溶性フィルムの上に、部分的に厚く形成された層があっても(厚みが異なる層があっても)、また転写層が全体的に多層状態に積層された場合であっても、先行スプレーノズルと後続スプレーノズルとの活性化において、その塗布仕様を変更することで、転写フィルムの各部または各層に応じた適切なタイミングで活性化を図ることができ、被転写体の表面に柄割れやシワの発生を生じさせず、被転写体への密着や付き回りの物性もよく、転写フィルムに応じた適切な転写を行うことができる。
因みに、近年、液圧転写による化粧効果の認識が深まるにつれ、転写インク等により形成される転写加飾層も漸次バリエーションを増やしており、結果的に液圧転写にあたって技術的難易度の高い転写加飾層での加工要求も高まっている。具体的には、水溶性のベースフィルム上に転写インクを形成して成る一般的なソフトコートフィルム(SC層)の上に、更にハードコート(HC層)の上層、より詳細にはポリウレタンやアルミニウム等の金属製の輝度感を積層した転写フィルムが開発されてきており、これはHCフィルムと称される。ここで従来は、活性化は一回という思想が一般的であったため(言わば固定観念)、HCフィルムにあっても当初はHC層とSC層とを一回の活性化で転写可能な状態にする試みが成されていた。しかしながら、HC層とSC層とでは適切な活性化タイミングが異なるため、一回の活性化では量産時(大量生産時)の不良率が高くなり、一度の活性化という思想自体に限界があった。この点、本発明では、このようなHC層とSC層とに、各層に応じた適切なタイミングで別々に活性化を図るという極めて斬新な技術思想を採用したため、量産時の不良率を極めて低減させることができた。
また、高級感のある意匠を施した転写フィルムでは、フィルム各部で薄い部分と厚い部分とが複合していることがあり、このような転写フィルムでも塗布仕様を変えて活性化することで、所望する化粧を施した被転写体を得ることができた。ここで上記薄い部分とは、使用する転写インクや下地層の一部が透けるようにしたものが想定される。また上記厚い部分とは、多色刷りした部分が想定される。
また転写槽の両サイド部には、活性化後の転写フィルムの両サイドを保持するガイド機構が設けられるのが一般的であり、例えば樋部の両サイド部を、このガイド機構よりも外方に設定しておけば、樋部から落下する余剰の活性剤を転写フィルム上に落としてしまうことを、より確実に且つ合理的に防止することができる。
ここで上流側で(最初に)行う活性化(活性化動作)を先行活性または先行スプレーと称し、その後に下流側で行う活性化を後続活性または後続スプレーと称する。また、本実施例では、先行活性と後続活性とをともに一回ずつ行うものとする。つまり転写フィルムFは、計二回、活性化するものであるが、先行活性と後続活性とは、各々、複数回行うことも可能である。
また、このため活性剤塗布装置4も二基設けられるものであり、これを区別するには、先行側に「4A」の符号を付し、後続側に「4B」の符号を付して区別する。
更に、以下の説明にあたっては、本発明に好適に用いられる転写フィルムFについてまず説明し、その後、液圧転写装置1の全体構成について説明しながら、転写フィルムFを活性化させる活性剤塗布装置4について併せて説明する。
以下、SC層とHC層とについて更に説明する。
SC層は、ベースの水溶性フィルムたるPVAの上にグラビアインク等によって木目意匠などが施されて成り、言わば従来の一般的な転写フィルムである。
一方、HC層は、ポリウレタン等のエンボスの上に、アルミニウム等の金属が積層されて成り、転写層に金属調、メッキ調、ホログラム調などの光輝性機能を有する層であり、このHC層がHCフィルム特有の層となる。
特に本実施例では、先行活性で、水溶性フィルムの反対側、つまり転写液面上で上側となるHC層の活性化を図り、後続活性で水溶性フィルム側、つまり下側となるSC層の活性化を図るものである。
もちろん、水上活性を複数回行う本願発明の思想は、必ずしも上述したようなHCフィルムに限定されるものではなく、水溶性フィルムの上に、転写インクによる転写パターンのみが形成された一般的なフィルム、つまりSC層のみを有した転写フィルムFにも適用可能である。
液圧転写装置1は、一例として図1・図2に示すように、転写液Lを貯留する転写槽2と、この転写槽2に転写フィルムFを供給する転写フィルム供給装置3と、転写槽2に供給された転写フィルムFを液面上で活性化し転写可能な状態とする活性剤塗布装置4と、転写槽2に浮遊支持された転写フィルムFの上方から適宜の姿勢で被転写体Wを投入(没入)させ、且つ出液させる(引き上げる)被転写体搬送装置5とを具えて成るものである。ここで被転写体搬送装置5については、後述する側面視三角形状の搬送軌道を描くコンベヤの他、図示しないロボットアームにより被転写体Wを転写液中に没入させるタイプも適用することができる。また転写槽2には、後続活性化後の転写フィルムFの両サイドを保持し、転写エリアZ3に移送するガイド機構6が設けられる。
なお本実施例では上述したように先行活性及び後続活性を一回ずつ、計二回の活性化を行うことから、転写フィルムFに活性剤Kを塗布する活性剤塗布装置4も、実質的に二基設けられ、これは上記のように先行の活性剤塗布装置4A、後続の活性剤塗布装置4Bとして区別する。
このような区間を経て、二つの活性剤塗布装置4A・4Bの塗布タイミングを設定するものであり、その詳細については後述する。
また、本明細書では、「活性剤」と「活性剤成分」という用語を用いるが、主に「活性剤成分」とは転写フィルムFや転写液面上に塗布された活性剤Kが、その後、転写液面上で浮遊・滞留し、転写フィルムFの伸展を低下させるものの名称とする。以下、各構成部について説明する。
転写槽2は、液圧転写を行う際に転写フィルムFを浮遊支持するものであり、転写液Lをほぼ一定の液レベル(水位)で貯留できる処理槽21を主な構成部材とする。このため処理槽21は天面が開口され、前後左右が壁面で囲まれた有底状を成し、特に処理槽21の左右両サイドを構成する両側壁に符号22を付すものである。
ここで本明細書における「前後」について付言すると、「前」は転写槽2の上流側(先行側)を指し、「後」は下流側(後続側)を指す。また「左右」とは、転写槽2を流れる転写フィルムFの流れ方向(液流方向)に見た左右とする。
なお、転写槽2は、活性化エリアZ2以降、特に転写エリアZ3が深くなるように形成されており、これは転写エリアZ3で被転写体Wを液面下に没入させるためである。
また、上記転写槽2には、後続の活性剤塗布装置4Bの後に、転写フィルムFの広がりを促進させる水流ブロー24が設けられるが、これについては後述する。因みに、この水流ブロー24は、後続の活性剤塗布装置4Bの位置に合わせて、適宜前後動できるように構成することが好ましい。
なお転写フィルムFは、着液によって下側の水溶性フィルムだけが膨潤しようとするため、上側のインク層(SC層)やHC層との伸び差によって、フィルムの左右両サイド部分が全体的に上方に浮き上がるようなカール現象を生じることがある。そのため、転写フィルムFを転写槽2に繰り出す際には、転写フィルムFの両サイドに公知のカール防止措置を講じることも可能である。
活性剤塗布装置4は、転写フィルムFを転写可能な状態に活性化する装置であり、本発明では転写フィルムFを転写液面上に誘導(供給)した状態、換言すれば転写フィルムFが液面上に浮遊した状態で活性剤Kを塗布する、いわゆる水上活性の形式を採るものである。
また、本実施例では、上述したように転写フィルムFに活性剤Kを二回塗布するものであり、先行の活性剤塗布装置4Aと、後続の活性剤塗布装置4Bとを具える。
なお活性剤Kが塗布される転写フィルムFは、両サイドが保持されないフリーな状態で塗布されるものであり、これは活性剤Kの塗布による伸展を阻害しないためである。逆に言えば、転写フィルムFは、活性化、とりわけ後続活性によって急激に伸展するものである。
なお、従来は活性剤Kを一回で塗布しており、この場合、活性化のタイミングが着液地点Z1に近いと、転写液面上の転写フィルムFが収縮した状態から戻ろうとする際に一度で活性化することになるため、上層のインクが急激に軟化し、強いシワを発生させてしまう不具合を生じる。逆に、活性化のタイミングが転写エリアZ3に近いと、フィルムの柄割れする時間が長くなり、目視できる柄割れが強く発生し、外観的に悪影響を与えることになる。また物性は、活性化が早過ぎると硬く被転写体Wへの付き回りが低下し、活性化が遅過ぎると密着性が悪くなってしまう。
これに対し、本実施例では活性剤Kの塗布を二回に分けて行うため、先行の活性剤塗布装置4Aでは、もとの柄の大きさから復帰に移行する前の段階から、フィルム上側のインクを緩やかに軟化させるものである(先行活性)。ここで活性剤Kを一度に且つ大量に塗布するのではなく、まず先行の活性剤塗布装置4Aで少ない活性剤Kの塗布を行い、続いて後続の活性剤塗布装置4Bで、先行の活性剤塗布装置4Aの塗布量を差し引いた量の塗布を行うことで、緩やかに意匠を復元させつつ所望の適正な活性化を完了させることができ、転写エリアZ3に至るまでにシワや柄割れの発生を抑制して変形をなくし、様々な意匠においても密着や付き回りのよい転写フィルムFの伸展を行うことができる。
なお、転写フィルムFによっても異なるが、先行活性と後続活性とは、活性剤Kの全体の塗布量を1:9~5:5に分けて先行活性を少なくすると意匠が安定して、適正な液圧転写が行い易く、更には2:8~4:6にすることがより好ましい。
また、活性剤Kとしては、転写フィルムF(転写パターン)の乾燥状態のインクを印刷直後と同等の湿潤状態に戻して転写可能な状態にすることができればよいものであり、例えば樹脂分に、顔料、溶剤、可塑剤等を適宜の割合で配合して成るものが適用されるが、単にインクに可塑性を付与することができる溶剤類を用いることもできる。
なお、先行の活性剤塗布装置4Aと、後続の活性剤塗布装置4Bとは、どちらか一方または双方が、転写槽2の側壁22に沿って液流方向に移動できるように構成されており、両者が相対的に接近離反できるように構成されている。これにより、先行スプレーノズル40Aと後続スプレーノズル40Bとの相互間隔が設定自在に構成されている。因みに、後続活性(または先行活性)が複数のスプレーノズル(スプレーガン)40を具えている場合には、後続活性(または先行活性)を構成する各スプレーノズル40が、液流方向に接近離反自在に構成されることがより望ましい。
なお、スプレーノズル40は、液面に垂直の真下向き、または図3に想像線で示すように、垂直に対し下流向きにわずかに傾斜した微傾斜状態に取り付けられる。ここでスプレーノズル40を下流側に微傾斜させるのは、転写液Lの液流を考慮したためであり、これにより液流に乗って流れる転写フィルムFに対し、満遍なく、より均一に活性剤Kを塗布することができる。換言すれば、スプレーノズル40を微傾斜状態に設ける際の傾斜角度は、下流側に刻々と移動して行く転写フィルムFに対し、活性剤Kの塗布均一化を図るための角度と言える。特に後続のスプレーノズル40Bを、先行のスプレーノズル40Aよりも、下流側に傾斜させると、若干であっても転写フィルムFを伸ばす補助となり、好ましい。
上流側フード431は、上流側に向かって下り傾斜を有するように張り出し状態に形成され、下流側フード432は、下流側に向かって下り傾斜を有するように張り出し状態に形成される。また側面板フード433は、ほぼ転写槽2の側壁22に沿うフラット面状に形成される。
ここで上流側フード431と下流側フード432とが、各々前後(上流側と下流側)に張り出して傾斜状に設けられるのは、スプレーノズル40から噴霧される活性剤Kが下方に向かって放射状に広がるように噴出されるためである。
なお本実施例では、上流側フード431及び下流側フード432の傾斜は、前後ともに途中で折れ曲がったような二段階傾斜状態に形成されている。
そして、先行の下流側フード432Aと、後続の上流側フード431Bとは、先行の活性剤塗布装置4Aと後続の活性剤塗布装置4Bとを接近させた際に、前後に隣接する対向フード(対向管理フード)となる。一方、先行の上流側フード431Aと、後続の下流側フード432Bとは、前後両端に位置するフードであるため、先行の活性剤塗布装置4Aと後続の活性剤塗布装置4Bとを接近させても、他のフードと隣接することはない(非対向管理フード)。そのため本実施例では、前後に隣接する対向管理フード、つまり先行の下流側フード432Aと、後続の上流側フード431Bとについては、前後方向への張り出し量が、隣接しない管理フード42、つまり先行の上流側フード431A及び後続の下流側フード432Bよりも小さく形成され、張り出し寸法が抑えられている。これは先行の活性剤塗布装置4Aと、後続の活性剤塗布装置4Bとを最接近させた場合の干渉を防止するためであり、詳細は後述する。
なお、活性剤Kを塗布するにあたっては、必ずしも静電タイプである必要はなく、他のスプレー形式も採り得る。具体的には、一般的なエアスプレー方式、エアレススプレー方式、HVLPスプレー方式、LVLPスプレー方式を適宜選択してもよい。他にも転写フィルムFの上方での低圧霧化方式や、管理フード42内で微細な霧滴を発生させて、この霧滴状の活性剤Kを自重沈降的に塗布する方式が採り得る。
なお排気口45は、一例として図3に示すように、側面から視て、往復運動するスプレーノズル40(噴出口)の延長線上に開口形成される。
また上流側フード431、下流側フード432、側面板フード433は、液面上の転写フィルムFから幾らか間隙をあけて設置されるため、この間隙からも極力、活性剤Kが各活性化エリアZ2A・Z2B外に漏出しないようにすることが好ましい。この点、本実施例では、上記排気ダクト451によるエア吸引によって、下部フード43内に吸い込み流を生じさせ、上記間隙からの活性剤Kの漏出を極力、防止することができる(図3参照)。
また上述したように、後続の活性剤塗布装置4Bにおいて、活性剤Kの塗布量を多く設定するのが一般的であるが、この場合には、後続の排気ダクト451Bによる吸引量を多く設定し、先行の排気ダクト451Aよりも強めに排気することが好ましい(図5参照)。
これは、先行の活性剤塗布装置4Aと、後続の活性剤塗布装置4Bとを接近させても、フードが干渉しないようにしたためであり、換言すれば、このような構成によって、先行の活性剤塗布装置4Aと、後続の活性剤塗布装置4Bとを、より接近させられるようにしたものである。因みに、本実施例では一例として図1に示すように、スプレーノズル40同士の間隔(距離)が500mmになるまで、先行の活性剤塗布装置4Aと、後続の活性剤塗布装置4Bとを接近させることができる。
このように本実施例では、先行の活性剤塗布装置4Aと、後続の活性剤塗布装置4Bとの最接近寸法を500mm程度までに大幅に短寸化することができ、このため種々の活性化タイミングに応え得るバラエティに富んだ液圧転写が可能となり、所望通りの転写が、繰り返し且つ綺麗に行えるものである。
更にこの下端縁431a・432aには、内側すなわち塗布空間たる各活性化エリアZ2A・Z2B内に向けて折り返し状の樋部431b・432bが形成される。
かかる構成により各活性化エリアZ2A・Z2B内で液化し、上流側フード431及び下流側フード432の内面に付着した余剰の活性剤Kは、まず上流側フード431及び下流側フード432の前後の張り出し傾斜に従って、下端縁431a・432a(樋部431b・432b)に向かって伝い落ちて樋部431b・432bに至る。その後、この余剰の活性剤Kは、樋部431b・432bの両サイドに向かう上記下り勾配に従い、樋部431b・432bを通って、両サイド部に向かうように流下する。そして両サイド部に至った活性剤Kは、最終的には、転写槽2の両サイド部であって、転写フィルムFよりも外側(転写槽2内)に落下する。とりわけ後続の下流側フード432Bにおいては、一例として上記図4に示すように、後述するガイド機構6の内側(往路)より外側に落下するように構成されている。このため各活性化エリアZ2A・Z2B内で上流側フード431及び下流側フード432の内面に付着・液化した余剰の活性剤Kは、転写フィルムF上に垂れ落ちることが防止され、これによる転写不良の防止が図られるものである。
この水上回収部46は、一例として図5に示すように、天面が開放された有底筒状を成し、その底部にエア吸引用のチューブ46a(またはホース)が接続され、各活性化エリアZ2A・Z2B内のエアを吸引することで、余剰/不要な活性剤Kを転写槽外へと排気するように構成される。
また水上回収部46は、例えば上記図1・図2(a)に示すように、転写槽2を横切るように往復移動するスプレーノズル40の両外側に設けられ、平面から視て、転写液面上に広がる転写フィルムFの両サイド縁より、わずかに広い位置に沿うように設置される。このため水上回収部46の上方開口部46bは、例えば上記図1・図2(a)に示すように、平面視、転写フィルムFの広がりに沿った台形状に形成されることが好ましい。
なお水上回収部46のエア吸引によっても、例えば図3に示すように、各活性化エリアZ2A・Z2B内に吸い込み流を形成するため、下部フード43と液面上の転写フィルムFとの間に形成された間隙から、活性剤Kが各活性化エリアZ2A・Z2B外に漏出することを、より一層、防止することができる。
なお先行の活性剤塗布装置4Aに水上回収部46Aを設ける場合には、例えば上記図1・図2(a)に示すように、当該エリアでは転写フィルムFの広がりが、まだ完全ではないため、平面視状態で、後続の水上回収部46Bよりも、幾らか転写フィルムFの両サイドに近づけるよう、やや中央寄りに配置し、後続の水上回収部46Bよりも、より大きな台形状に形成することが望ましい。
水流ブロー24そのものは、一例として図2(a)に示すように、平面から視て下流側に突出するアーチ状パイプで形成され、これを下流液面に向かってやや上向きとなるように傾斜設置して成る。
そして、パイプの下流側に開口された孔から、下流側に指向するように水流(支援流)が供給される構成となっている。
なお、転写槽2の液流は、下流に行くほど遅くなる傾向にある。また後続の活性剤塗布装置4Bの後は、転写液Lの深さが増すように形成されており、これも液流が遅くなる要因の一つである。このため下流に行くほど、また転写液Lの深さが増す地点で、転写フィルムFの広がりも鈍る傾向にある。しかしながら、本実施例では、上記のような水流ブロー24を設けるため、遅くなる転写液Lの流速が補え、転写フィルムFの下流側への伸展を促進することができる。
被転写体搬送装置5は、被転写体Wを適宜の姿勢で転写液L中に没入させ、また転写液L中から引き上げるものであり、一例として図2(b)に示すように、通常は転写用治具52(以下、単に治具52とする)を介して被転写体Wの取り付けを図るものである。すなわち、液圧転写を行うにあたっては、予め被転写体Wを治具52に取り付けておき、この治具52を治具ホルダに着脱してコンベヤ51へのセッティングを行うものである。以下、コンベヤ51について更に説明する。
コンベヤ51は、例えば平行に配置された一対のリンクチェーン53にリンクバーを横架するとともに、このリンクバーに所定の間隔で治具ホルダを配設して成り、被転写体Wを治具52とともに連続的に転写液L中に没入・出液させるものである。なお、没入側における被転写体W(治具52)のコンベヤ51への取り付けや、転写後の出液側における被転写体W(治具52)のコンベヤ51からの取り外しは、ロボットにより自動で行うことも可能であるし、作業者による手作業で行うことも可能である。また、コンベヤ51による被転写体Wの搬送速度(特に没入エリアにおける速度)は、転写フィルムFの液面上の移送速度とほぼ同調するように設定されるのが一般的である。
また被転写体搬送装置5は、必ずしも上述したコンベヤ51に限定されるものではなく、例えばロボットを適用することも可能である(多関節形ロボットであり、いわゆるマニピュレータ)。
ガイド機構6は、一例として図1・図2(a)に示すように、活性化エリアZ2の後段、特に本実施例では後続の活性化エリアZ2Bの後段において転写槽2の両側壁22の内側に設けられ、活性化後の転写フィルムFの両サイドを保持しながら、転写フィルムFを転写エリアZ3まで案内するものである。もちろん、活性剤Kが塗布された転写フィルムFは、唯一規制のない幅方向に歪無く左右均等に伸展(延展)し、上記ガイド機構6(後述のベルト式のコンベヤ61)に到達して伸展が終了するため、該機構は、このフィルムの伸びを両サイドから規制する作用も担うものである。すなわち、ガイド機構6は、転写フィルムFの伸びをほぼ一定に維持した状態で、転写フィルムFを転写エリアZ3まで移送するものでもあり、これにより転写エリアZ3では転写フィルムFの伸びが常に同じ程度に維持され、連続して精緻な転写が行えるものである。
また、本実施例では、ガイド機構6は、ベルト63により構成したが、チェーンや比較的太いロープ・ワイヤ等を適用することも可能である。
更に、ガイド機構6は、活性化や転写のタイミングによって適宜位置調整できるように、転写槽2に対し前後動自在に設けられることが好ましく、これは活性剤塗布装置4や水流ブロー24と同様である。
(1)転写フィルムの供給(転写槽への繰り出し)
本発明では、活性剤Kの塗布形態が水上活性であるため、転写フィルムFは、活性剤Kが塗布されない乾燥状態で、転写フィルム供給装置3から転写槽2に供給される(繰り出される)。なお、この繰り出しの際、転写フィルムFの両サイドに、上述した周知のカール防止措置を施すことが可能である。
転写槽2に繰り出された転写フィルムFは、着液地点Z1で着液後、最も下の層に形成された水溶性フィルムのみが吸水によって厚み方向に膨潤・拡大して行くものであり、転写フィルムF全体としては、水平方向に伸展することはほとんどない。これは水溶性フィルムの上側に、乾燥状態のインク層やHC層が積層形成されているためである。すなわち着液後の転写フィルムFは、特にフィルム下側の水溶性フィルムが、先行の活性化エリアZ2Aに至るまで厚み方向に膨潤・拡大するものであり、結果的に幅方向への膨潤・拡大が規制された状態となる。なお、このように活性化前の転写フィルムF(水溶性フィルム)を厚み方向に膨潤させておくのは、その後の活性化段階で転写フィルムFを幅方向に歪無く左右均等に伸展させるためである。また、この際の転写フィルムFの柄の状態は、もとの柄の大きさよりも幾らか収縮した状態となっている。
その後、転写フィルムFは、転写槽2の液流によって、先行の活性化エリアZ2Aに至り、ここで先行活性が施される。この先行活性では、通常、後続活性よりも少量の活性剤Kが塗布される。塗布量は、先行活性と後続活性との比で、1:9~5:5の範囲、より好ましくは2:8~4:6となるように調整するとよい。
この先行活性の際、転写フィルムFは、左右両サイドが何も保持・規制されないフリーの状態で活性剤Kが塗布される。これにより転写フィルムFは、幅方向に歪無く左右均等に伸展する。もちろん、このような伸展は、活性剤Kそのものの作用だけでなく、転写フィルムFが先行の活性化エリアZ2Aに至るまでの間に(事前に)、フィルム下側の水溶性フィルムを、活性化による伸展に追従し得る程度にまで厚み方向に膨潤・拡大させておいたことも起因する。なお、この先行活性による転写フィルムFの伸展は、後続活性に比べれば、小さい伸び率となる。また、この先行活性と後続活性で伸び率の調整が行え、フィルム各部における厚さの相違や、SC層やHC層といった層の違いでも適切な活性化を行うことができ、後述する転写エリアZ3で被転写体Wに安定した液圧転写を施すことができる。
因みに、転写フィルムFがHCフィルムの場合には、この先行活性で、例えば上側のHC層においてポリウレタンを軟化・溶解させ、アルミニウムに多数のマイクロクラックを発生させるものである。
また先行の活性化エリアZ2Aでは、転写フィルムFを横切るように両サイドを越えて活性剤Kが塗布されており、このため当該活性化エリアZ2Aでは、余剰の活性剤Kを効率的に回収する構成が採られており、これが排気ダクト451と水上回収部46である。
排気ダクト451は、下部フード43を構成する側面板フード433の排気口45に接続されたダクトであり、エア吸引によって、先行の活性化エリアZ2A内の余剰/不要な活性剤Kを吸引排気するものである。
また水上回収部46は、活性化を受けて伸展する転写フィルムFの両サイド(両端縁)に沿って、このものより幾らか外側に設けられ、エア吸引によって、上方開口部46bから余剰の活性剤Kを吸い込むものである。この水上回収部46は、上方開口部46bの一辺、つまり転写フィルムFのサイド端縁に沿う一辺が、平面視状態で傾斜したような台形に形成されるとともに、側面視では上方開口部46bが転写液面よりわずかに高い位置に設置され、上記エア吸引によって管理フード42内から余剰/不要な活性剤Kを回収するように構成されている。このため、これら排気ダクト451や水上回収部46によって、先行の活性化エリアZ2A内の余剰/不要な活性剤Kを、転写液Lに混ぜてしまうことなく、効率的に回収することができる。
次いで、転写フィルムFは、転写槽2の液流によって、後続の活性化エリアZ2Bに至り、ここで後続活性が施される。この後続活性では、通常、先行活性よりも多量の活性剤Kが塗布される。
そして、ここでも転写フィルムFは、左右両サイドが何も保持・規制されないフリーの状態で活性剤Kが塗布され、この後続活性により転写フィルムFは、幅方向に歪無く左右均等に、より大きく伸展する。
なお、転写フィルムFがHCフィルムの場合には、この後続活性で、SC層の転写インクを軟化・溶解するものである。
もちろん、この後続活性においても先行活性と同様に、排気ダクト451と水上回収部46によって、後続の活性化エリアZ2B内の余剰/不要な活性剤Kが効率的に排気される。ただし、後続活性では、先行活性よりも活性剤Kの塗布量が多いことから、排気も強めに設定されることが好ましい。
因みに、後続の活性化エリアZ2Bでは、転写フィルムFが先行の活性化エリアZ2Aよりも急激に拡大・伸展するため、転写フィルムFのサイド端縁に沿って設けられる水上回収部46は、一例として図1・図2(a)に示すように、平面視状態で台形状を成す上方開口部46bが、先行の上方開口部46bより小さく形成される。
また上流側フード431及び下流側フード432は、その下端縁431a・432aが、幅方向中央部が高く、両サイドに向かうほど、低くなるように勾配が付与されており、更には、この下端縁431a・432aの内側、すなわち塗布空間たる各活性化エリアZ2A・Z2B内に向けて折り返し状の樋部431b・432bが形成されている。
これにより各活性化エリアZ2A・Z2B内で上流側フード431及び下流側フード432の内面に付着・液化した余剰の活性剤Kは、まず上流側フード431及び下流側フード432の前後の張り出し傾斜に従って、下端縁431a・432a(樋部431b・432b)に向かって伝い落ちて樋部431b・432bに至る。その後、樋部431b・432bの両サイドに向かう下り勾配に従い、余剰の活性剤Kは、樋部431b・432bを通って、転写槽2の両サイド部に向かうように流れる。そして両サイド部に至った活性剤Kは、最終的には、転写フィルムFの両サイドよりも外側(転写槽2内)、とりわけ後続の下流側フード432Bでは、一例として図4に示すように、後述するガイド機構6の内側(往路)より外側に落下するように構成されている。このような構造により、各活性化エリアZ2A・Z2B内で上流側フード431及び下流側フード432の内面に付着・液化した余分な活性剤Kは、転写フィルムF上に垂れ落ちることが防止され、転写不良の低減が図られる。
その後、後続活性を受けた転写フィルムFは、ガイド機構6に両サイドが保持・規制されながら転写エリアZ3まで移送される。すなわち、転写フィルムFは、ガイド機構6によって両サイドが位置規制された状態で、且つ一定の伸展度合いに維持された状態で、転写エリアZ3まで移送される。
ガイド機構6に保持・規制された転写フィルムFが転写エリアZ3に至ると、例えばコンベヤ51等の被転写体搬送装置5に保持された被転写体Wが、順次適宜の姿勢や没入角で転写液Lに投入され、転写が行われる。もちろん、この姿勢や没入角は、被転写体Wの形状や凹凸などによって適宜変更可能である。
また本実施例では、例えば図2・図3・図5に示すように、後続の活性剤塗布装置4Bの後に水流ブロー24を設けており、転写液中から液面に向かって支援流が形成されている。この水流ブロー24による支援流は、後続の活性剤塗布装置4Bの後の転写フィルムFの広がりを更に安定的に促進させるものであるから、後続の活性化エリアZ2B後でも転写フィルムFの伸展が安定し、上記液圧転写が、より一層、安定して行えるものである。
そして転写終了後は、液面上に出液した被転写体Wが、被転写体搬送装置5から取り外され、適宜、温水シャワー、リンス水シャワー等を受け、転写品たる被転写体Wの表面に残留した水溶性フィルムが除去される。
その後、被転写体Wは、適宜、乾燥、トップコート等が施され完成品となる。
ここで活性剤Kの塗布仕様とは、例えば活性剤Kの塗布タイミング、塗布量、適化塗布スポット、活性剤仕様などが挙げられる。ここで塗布タイミングとは、例えば先行スプレーノズル40Aによる活性剤塗布後、何センチまたは何秒間の転写フィルム移送後に、後続スプレーノズル40Bによる活性剤Kを塗布するのかということを指す。また塗布量とは、例えば先行スプレーノズル40Aによる活性剤塗布量と、後続スプレーノズル40Bによる活性剤塗布量そのものや、その比を指す。また適化塗布スポットとは、例えば転写フィルムFは、各部によって一色刷り(単層)~八色刷りという相違(厚みの相違)があることがあり、厚い多色刷りの部位に活性剤Kを多く塗布すること等を指す。また、活性剤仕様とは、例えば先行スプレーノズル40AではAタイプの活性剤Kを塗布する一方、後続スプレーノズル40BではBタイプの異なった活性剤Kを塗布すること等を指す。
因みに、先行の活性剤塗布装置4Aと、後続の活性剤塗布装置4Bとを最も接近させた際の離反距離(スプレーノズル40同士の距離)は、一例として図1に示すように500mmであり、このような最接近寸法の短寸化は、通常の活性剤塗布装置4′を二基前後に設けただけでは到底、実現することができない寸法であった(図6参照)。
本発明は以上述べた実施例を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。
例えば図2(b)に示すように、後続の活性剤塗布装置4Bの下流側上方に天面カバー26を設けることが好ましい。この天面カバー26を設けることで、例えば被転写体搬送装置5の治具52などから異物やゴミが落下してきても、この天面カバー26によって転写液面上の転写フィルムFに落下させないようにすることができ、より一層、精緻な液圧転写が行い得るものである。
2 転写槽
3 転写フィルム供給装置
4 活性剤塗布装置
4A 先行の活性剤塗布装置
4B 後続の活性剤塗布装置
5 被転写体搬送装置
6 ガイド機構
21 処理槽
22 側壁
23 オーバーフロー部
24 水流ブロー
26 天面カバー
31 フィルムロール
40 スプレーノズル(スプレーガン)
40A 先行のスプレーノズル
40B 後続のスプレーノズル
41 トラバース機構
42 管理フード
43 下部フード
44 上部フード
45 排気口
451 排気ダクト
46 水上回収部
46a チューブ(ホース)
46b 上方開口部
51 コンベヤ
52 治具(転写用治具)
53 リンクチェーン
61 コンベヤ
62 プーリ
62A 駆動プーリ
62B 従動プーリ
63 ベルト
64 回転軸
411 ロッドレスシリンダ
431 上流側フード
431A 先行の上流側フード
431B 後続の上流側フード
431a 下端縁
431b 樋部
432 下流側フード
432A 先行の下流側フード
432B 後続の下流側フード
432a 下端縁
432b 樋部
433 側面板フード
F 転写フィルム
K 活性剤
L 転写液
W 被転写体
Z1 着液地点
Z2 活性化エリア
Z3 転写エリア
Z2A 先行の活性化エリア
Z2B 後続の活性化エリア
Claims (12)
- 水溶性フィルムに転写加飾層を積層させて成る転写フィルムを、転写槽内の液面上に浮遊進行させ、転写フィルムの幅方向にわたって往復動するスプレーノズルから活性剤を転写フィルム上に塗布した後、この転写フィルム上方から被転写体を押し付け、これによって生じる液圧によって、前記転写加飾層を被転写体の表面に転写する装置における活性剤の塗布装置であって、
この塗布装置は、前記スプレーノズルが、管理フードによって覆われるとともに、一または複数の先行スプレーノズルと、一または複数の後続スプレーノズルとにより構成され、
先行スプレーノズルと後続スプレーノズルとは、塗布仕様が設定自在であることを特徴とする液圧転写装置における活性剤塗布装置。
- 前記塗布仕様は、塗布タイミング、塗布量、適化塗布スポット、活性剤仕様のうちの一または複数の塗布仕様であることを特徴とする請求項1記載の液圧転写装置における活性剤塗布装置。
- 前記先行スプレーノズルと後続スプレーノズルとは、相互の間隔が設定自在に構成され、
前記塗布タイミングは、このスプレーノズルの相互の間隔で設定することを特徴とする請求項2記載の液圧転写装置における活性剤塗布装置。
- 前記スプレーノズルは、静電スプレーノズルであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の液圧転写装置における活性剤塗布装置。
- 前記管理フードは、各々のスプレーノズル毎に別々に構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の液圧転写装置における活性剤塗布装置。
- 前記管理フードは、上流側及び下流側たる前後に向かって張り出す下広がり状に形成されるものであり、このうち前後に隣接する対向管理フードについては、前後方向への張り出し量が隣接しない管理フードよりも小さく形成されることを特徴とする請求項5記載の液圧転写装置における活性剤塗布装置。
- 前記スプレーノズルは、転写液面に垂直または転写液下流側に向けて微傾斜状態に取り付けられる構成であることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項記載の液圧転写装置における活性剤塗布装置。
- 前記各管理フードの左右両サイド部には、管理フード内において余剰の活性剤を回収する排気ダクトが接続されるものであり、
また後続スプレーノズルによる活性剤の塗布量が、先行スプレーノズルによる活性剤の塗布量よりも多い場合、後続スプレーノズル側の排気ダクトによる排気を、先行スプレーノズル側の排気ダクトより強く設定する構成であることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項記載の液圧転写装置における活性剤塗布装置。
- 前記前後に向かって張り出す管理フードは、下端縁が、転写槽の幅方向中央部で高く、両端部が低くなるように設定され、
またこの下端縁には、管理フードの内側に向かって折り返し状に形成される樋部が設けられるものであり、当該樋部を流れる余剰の活性剤を転写槽の両サイド部に落とす構成であることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項記載の液圧転写装置における活性剤塗布装置。
- 前記活性剤が塗布される転写フィルムの両外側位置には、底部にエア吸引用のチューブが接続されるとともに、天面が上方開口部として開放された有底筒状の水上回収部が設けられ、
この水上回収部は、側面から視て上方開口部が、転写液面より高い位置になるように設置され、且つ平面から視て上方開口部が、転写液面上に広がる転写フィルムの両サイド位置に沿うように形成され、前記チューブを通して管理フード内の余剰の活性剤を外部に排出するように構成されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載の液圧転写装置における活性剤塗布装置。
- 転写液を貯留する転写槽と、
この転写槽に転写フィルムを供給する転写フィルム供給装置と、
転写槽の液面上で活性化状態となった転写フィルムに対して上方から被転写体を押し付ける被転写体搬送装置とを具え、
水溶性フィルムに転写加飾層を積層させて成る転写フィルムを、転写槽内の液面上に浮遊進行させ、活性剤をスプレーノズルから転写フィルム上に塗布した後、被転写体を転写フィルム上方から押し付け、これによって生じる液圧によって、前記転写加飾層を被転写体の表面に転写する装置であって、
この装置は、請求項1から10のいずれか1項記載の活性剤塗布装置を具えたことを特徴とする液圧転写装置。
- 前記後続スプレーノズルの下流側には、転写液中から液面に向かう液流を形成する水流ブローを設けたことを特徴とする請求項11記載の液圧転写装置。
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