JP4066685B2 - 水圧転写用活性剤塗布装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビ受像機等の家庭用電気機器等の外装筐体に水溶性多層フィルムをオーバーレイする水圧転写において、水溶性多層フィルム上に活性剤を塗布する水圧転写用活性剤塗布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、水溶性多層フィルムを水面に浮かべ流しつつ膨潤させ、その水溶性多層フィルムに活性剤を塗布した後、被転写物の被転写面を水溶性多層フィルムに上方から押し付けることにより、水溶性多層フィルムを被転写物にオーバーレイする水圧転写において、水溶性多層フィルム上に活性剤を塗布する水圧転写用活性剤塗布装置は、図4の従来の水圧転写用活性剤塗布装置の一部側断面図に示すように、水溶性多層フィルム1の上方30cm以上離れた1個の円形の噴霧ノズル2から、円錐状に噴出された微粒子状の活性剤3を水溶性多層フィルム1上に噴霧するものであるが、円錐状に噴出された活性剤3の動きを遮断しないように、円錐状の大型カバー4を用い、円錐状に噴出された微粒子状の活性剤3を噴霧ノズル2から水溶性多層フィルム1付近までの全周を覆っていた。その結果、大型カバー4の外部からの気流による活性剤3の飛散は防止できるが、大型カバー4内に存在する空気による抵抗のため活性剤3が大型カバー4内を飛散し、水溶性多層フィルム1上に均一に活性剤3を塗布できず、また、大型カバー4内を飛散する活性剤3が大型カバー4の内面に付着し、下方にある水溶性多層フィルム1上に垂れ落ちること等から、水溶性多層フィルム1上における活性剤3の反応にむらが生じるという問題があった。
【0003】
また、上記と別の従来の水圧転写用活性剤塗布装置は、上記従来の水圧転写用活性剤塗布装置における大型カバー4内の空気を大型カバー4の開放端から大型カバー4の上方へ吸引することにより、大型カバー4内を飛散する活性剤3を吸引していたが、大型カバー4の開放端が大きく開いていることから、吸引圧力を高める必要があり、水溶性多層フィルム1上に噴霧すべき活性剤3までも大型カバー4の上方へ吸引することになり、やはり、水溶性多層フィルム1上に均一に活性剤3を噴霧することができないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、家庭用電気機器等の外装筐体に水溶性多層フィルムをオーバーレイする水圧転写において、外装筐体の高品位な意匠外観を確保するためには、水溶性多層フィルム全面に均一な分布で活性剤を塗布し、水溶性多層フィルム全面にわたり、均一な反応特性を持たせることが必要である。
【0005】
しかるに、前記のように、従来の水圧転写用活性剤塗布装置によると、円錐状の大型カバー内において、噴霧ノズルから円錐状に噴出された活性剤が飛散し易く、水溶性多層フィルム面上に狙い通りに活性剤を均一に飛着分布させることが難しいという問題があった。
【0006】
本発明は上記の課題を解決するもので、活性剤の飛散が少なく、水溶性多層フィルムへの活性剤の飛着分布が均一になる水圧転写用活性剤塗布装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため本発明は、水面に浮かべた水溶性多層フィルムに対して移動しながら微粒子状活性剤を噴霧する活性剤噴霧ノズルと、前記水溶性多層フィルムに前記活性剤の噴霧方向と平行に圧縮空気を吹き付ける気流制御ノズルと前記水溶性多層フィルムに近づくに従って前記活性剤噴霧ノズルの軸から45度〜60度の角度で前記活性剤噴霧ノズルの移動方向後方に広がった気流制御板と、を備え、前記活性剤噴霧ノズルの移動方向前方から順に、前記気流制御ノズルと前記活性剤噴霧ノズルと前記気流制御板とが配置された水圧転写用活性剤塗布装置であり、活性剤の飛散が少なく、水溶性多層フィルムへの活性剤の飛着分布が均一になるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、移動しながら微粒子状活性剤を水面に浮かべた水溶性多層フィルム上に噴霧する活性剤噴霧ノズルと、その活性剤噴霧ノズルの移動に伴って発生する空気の流れが活性剤噴霧ノズルから噴霧される微粒子状活性剤に突き当たらないように、活性剤噴霧ノズルの移動方向の上流側に活性剤噴霧ノズルとともに移動し、水溶性多層フィルム上に圧縮空気を吹き付ける圧縮空気噴出口とを設け、前記活性剤噴霧ノズルと圧縮空気噴出口の水溶性多層フィルムに対向する部分を除いてカバーで覆った水圧転写用活性剤塗布装置であり、圧縮空気噴出口から噴出される圧縮空気により、活性剤噴霧ノズルの移動方向の上流側から活性剤噴霧ノズルの噴出口へ流れてくる空気流が遮断されるという作用を有する。
【0009】
本発明の請求項2に記載の発明は、活性剤噴霧ノズルの移動方向と反対側の下流側の活性剤噴霧ノズル側面に隙間が発生しないように一辺が固定され、対向する他辺が下方の水溶性多層フィルムに向けて45度〜60度の角度で外方に広がった気流制御板を設けた請求項1に記載の水圧転写用活性剤塗布装置であり、活性剤噴霧ノズル側面に一辺が固定され、対向する他辺が下方の水溶性多層フィルムに向けて外方に広がった気流制御板を設けることにより、活性剤噴霧ノズルの移動方向と反対側の下流側に活性剤噴霧ノズルの移動に伴い下向きの気流を発生させるという作用を有する。
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0011】
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態における水圧転写用活性剤塗布装置の一部側断面図、図2は同水圧転写用活性剤塗布装置の下流側構成側面図、図3は同水圧転写用活性剤塗布装置の上流側構成側面図であり、5は水面に浮かべた水溶性多層フィルム6上に移動しながら微粒子状活性剤を噴霧する噴霧口7を備えた直方体形活性剤噴霧ノズル、8は前記直方体形活性剤噴霧ノズル5の移動方向と反対側の下流側の直方体形活性剤噴霧ノズル5の下端に隙間が発生しないように、一辺がボルト9で固定され、対向する他辺が下方の水溶性多層フィルム6に向けて45度〜60度の角度で外方に広がり、水溶性多層フィルム6から10mmの位置にあり、噴霧口7よりも幅広で、板厚1mmの金属薄板製の気流制御板、10は前記直方体形活性剤噴霧ノズル5の移動方向の上流側にボルト11で固定され、前記水溶性多層フィルム6上に圧縮空気を吹き付ける圧縮空気噴出スリット12を備えた気流制御ノズル、13は前記直方体形活性剤噴霧ノズル5の噴霧口7と気流制御ノズル10の圧縮空気噴出スリット12の水溶性多層フィルム6に対向する部分を除いて直方体形活性剤噴霧ノズル5および気流制御ノズル10を覆い、端面が水溶性多層フィルム6から30mmの距離にある天前後左右の5面からなる薄板カバーである。
【0012】
上記構成の水圧転写用活性剤塗布装置により水面に浮かんだ水溶性多層フィルム6上に微粒子状活性剤を均一に塗布するには、直方体形活性剤噴霧ノズル5の噴霧口7から活性剤を0.5〜1.5kg/cm2 の圧力で噴出しつつ、直方体形活性剤噴霧ノズル5を水溶性多層フィルム6の一端から他端に向けて移動させるのであるが、この場合、同時に、気流制御ノズル10の圧縮空気噴出スリット12から0.3kg/cm2 の圧縮空気を水溶性多層フィルム6上に吹き付けることにより、直方体形活性剤噴霧ノズル5の移動に伴って発生する空気流は、直方体形活性剤噴霧ノズル5の移動方向の上流側から薄板カバー13と水溶性多層フィルム6の間の30mmの隙間を通って直方体形活性剤噴霧ノズル5の噴霧口7へ流れてくるのが遮断され、薄板カバー13の天の方向へ向かうことになる。
【0013】
また、気流制御ノズル10の圧縮空気噴出スリット12から噴出した圧縮空気により、直方体形活性剤噴霧ノズル5の噴霧口7から噴霧された活性剤が直方体形活性剤噴霧ノズル5の移動方向の上流側へ広がることも防止される。
【0014】
結局、気流制御ノズル10の圧縮空気噴出スリット12から噴出した圧縮空気により、直方体形活性剤噴霧ノズル5の噴霧口7から噴霧された活性剤の上流側および下流側への飛散が防止でき、水溶性多層フィルム6上に狙い通り均一に活性剤を塗布できるものである。
【0015】
また、上記気流制御ノズル10の圧縮空気噴出スリット12から噴出させる圧縮空気により、直方体形活性剤噴霧ノズル5の移動方向の上流側から流れてくる空気流を遮断するにもかかわらず、直方体形活性剤噴霧ノズル5の噴霧口7から下流側へ流れる微量の活性剤に対しては、気流制御板8により、流れる方向が水平方向から下方向、すなわち、水面に浮かんだ水溶性多層フィルム6の方向に向きを変え、水溶性多層フィルム6に飛着させることができた。
【0016】
なお、上記気流制御ノズル10の圧縮空気噴出スリット12から噴出させる圧縮空気の噴出圧力0.3kg/cm2 は水面に浮かんだ水溶性多層フィルム6が変形しない程度の低圧力である。
【0017】
【発明の効果】
以上のように、本発明の水圧転写用活性剤塗装置によれば、活性剤噴霧ノズルの移動に伴って発生する空気の流れを、活性剤噴霧ノズルの移動方向前方に設けた気流制御ノズルからの圧縮空気により遮断し、また、活性剤噴霧ノズルから流れる微量の活性剤の流れを、活性剤噴霧ノズルの移動方向後方に設けた気流制御板により制御することで、活性剤噴霧ノズルから噴出される活性剤の水溶性多層フィルム以外への飛散を少なくし、水溶性多層フィルム上への飛着分布を均一にできるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における水圧転写用活性剤塗布装置の一部側断面図
【図2】同水圧転写用活性剤塗布装置の下流側構成側面図
【図3】同水圧転写用活性剤塗布装置の上流側構成側面図
【図4】従来の水圧転写用活性剤塗布装置の一部側断面図
【符号の説明】
1,6 水溶性多層フィルム
2 噴霧ノズル
3 活性剤
4 大型カバー
5 直方体形活性剤噴霧ノズル
7 噴霧口
8 気流制御板
9,11 ボルト
10 気流制御ノズル
12 圧縮空気噴出スリット
13 薄板カバー

Claims (2)

  1. 面に浮かべた水溶性多層フィルムに対して移動しながら微粒子状活性剤を噴霧する活性剤噴霧ノズルと、
    前記水溶性多層フィルムに対して前記活性剤の噴霧方向と平行に圧縮空気を吹き付ける気流制御ノズルと
    前記水溶性多層フィルムに近づくに従って前記活性剤噴霧ノズルの軸から45度〜60度の角度で前記活性剤噴霧ノズルの移動方向後方に広がった気流制御板と、を備え、
    前記活性剤噴霧ノズルの移動方向前方から順に、前記気流制御ノズルと前記活性剤噴霧ノズルと前記気流制御板とが配置された水圧転写用活性剤塗布装置。
  2. 前記活性剤噴霧ノズルと前記気流制御ノズルと前記気流制御板とを覆うカバーを更に備えた請求項1に記載の水圧転写用活性剤塗布装置。
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