JP3047117B2 - 消火装置 - Google Patents

消火装置

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JP3047117B2
JP3047117B2 JP2312951A JP31295190A JP3047117B2 JP 3047117 B2 JP3047117 B2 JP 3047117B2 JP 2312951 A JP2312951 A JP 2312951A JP 31295190 A JP31295190 A JP 31295190A JP 3047117 B2 JP3047117 B2 JP 3047117B2
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  • Fire-Extinguishing By Fire Departments, And Fire-Extinguishing Equipment And Control Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔技 術 分 野〕 この発明は消火装置に関するものである。
〔従 来 技 術〕
消火装置として、スプリンクラ消火設備、水噴霧消火
設備、泡消火設備等が知られており、その設置場所や消
火対象物に応じて使い分けられている。
これらの消火装置は、スプリンクラヘッド、噴霧ヘッ
ド、泡ヘッド等から、水や泡水溶液等の消火剤を略円錐
体状に放出して、空間的並びに平面的に消火を行ってい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、これら消火装置では、各ヘッドから放出され
る消火剤は、速度が遅く、水の粒子が細かかったり、あ
るいは泡の径が大きく密度が小さいため、到達距離(射
程距離)が比較的短く、ある範囲に消火剤を均一に散布
しようとすると複数のヘッドを均一に分散配置する必要
がある。
このため、本発明者らが種々実験を行ったところ、水
あるいは泡水溶液等の消火液を偏平で扇状の放出パター
ンを有する扇状放出ヘッドから放出したところ、消火液
の放出速度が速く、消火液の粒径も比較的大きく、到達
距離が長くできることが判明した。しかも、消火液の放
出速度が速く、その流線方向はスプリンクラヘッド、噴
霧ヘッドや泡ヘッド等とは異なり限定されているため、
周囲の空気を巻き込みながら消火地点まで到達させるこ
とができ、この結果、消火液による冷却作用や被覆効
果、更には巻き込み空気による吹き消し作用の相乗効果
により、火災を早期にかつ確実に消火できることが判明
した。
しかし、この扇状放出ヘッドは、消火液の放出パター
ンが偏平で扇状であるため、放出幅が狭く、単体では幅
のある範囲に均一に散布することができない。
このため、複数の扇状放出ヘッドH1〜H4を用い、これ
らのヘッドの流線方向L1〜L4を平行にして消火液を放出
させて四角形(長方形)の範囲をカバーさせる実験を行
ったところ、第7図に示すように、複数のヘッドから放
出された消火液は先細りの放出パターンとなり、予定し
た四角形の放出パターンは得られないことが判明した。
これは、扇状放出ヘッドから放出された水や泡水溶液等
の消火液の速度エネルギーが大きく、各ヘッドから放出
された消火液間で強い吸引作用が働き、中央部方向に集
まったものと思われる。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、上記の点に鑑み、消火効果の高い扇状放
出ヘッドを複数用いて略四角形の消火範囲に均一に消火
液を散布する消火装置を目的とするもので、複数の扇状
放出ヘッドをそれぞれ間隔をあけて配置し、かつ、前記
複数の扇状放出ヘッドの各流線方向をそれぞれの放出方
向にして、隣接する中央部寄りの扇状放出ヘッドから放
出された消火液による吸引作用を弱めるように、外側に
向けて配置したことを特徴とするものである。
〔作用〕
複数の扇状放出ヘッドを、その流線方向がその放出方
向に対して、隣接する中央部寄りの扇状放出ヘッドから
放出された消火液による吸引作用を弱めるように、外側
に向けて設けるようにしたので、隣接する扇状放出ヘッ
ド同士の水や泡水溶液等の消火液の放出による吸引効果
を弱めて消火液が中央に集まるのを防止し、かつその弱
い吸引効果を利用して各扇状放出ヘッドから放出された
消火液の流れを偏向させて略平行にできる。
〔実 施 例〕
以下、この発明の1実施例を図面により説明する。
第1図、第2図は、4つほ扇状放出ヘッドH1〜H4を用
いた場合の実施例である。なお、本実施例では扇状放出
ヘッドとして第5図のものを用い、各ヘッドH1〜H4間の
間隔は約30cm、ヘッドH1の消火液を散布したい放出方向
L11に対する消火液の放出時の流線方向L1の角度(すな
わちヘッドH1の取付角度)Θ1は約10度、ヘッドH2の放
出方向L21に対する流線方向L2の角度Θ2は約5度とな
っており、ヘッドH3、H4はヘッドH2、H1と対称に設けら
れている。このように、この実施例では、外側のヘッド
H1の放出方向に対する流線方向の角度Θ1は、中央部よ
りのヘッドH2の放出方向に対する流線方向の角度Θ2よ
り大きな角度となるように、すなわち中央部寄りのヘッ
ドより外側寄りのヘッドのほうが外側向きとなるように
取り付け配置されている。
このような複数の扇状放出ヘッドH1〜H4の配置状態で
消火液を放出したところ、同じヘッドH1〜H4を各流線方
向が平行となるように配置した第7図の場合とは異な
り、第1図に点線で図示するように、略平行な散布パタ
ーンW1〜W4が得られ、略四角形(長方形)の範囲に均一
に消火液を散布できた。
これは、複数の扇状放出ヘッドH1〜H4を本実験例では
等間隔に配置し、消火液の放出時の流線方向を中央部か
ら外側に順次に配置するヘッドにつれて順次に外側に向
けたため、各ヘッドH1〜H4から放出された消火液による
相互間の吸引効果が弱まり、しかも弱まった吸引効果が
作用して外側のヘッドから放出された消火液が中央部寄
りのヘッドから放出された消火液によって偏向されたこ
とによるものと思われる。
なお、各扇状放出ヘッドH1〜H4の放出方向に対する流
線方向の角度Θ1、Θ2は、ヘッド間の間隔によって、
又、消火液の放出圧(供給圧)によって変化する。
すなわち、例えば、ヘッド間隔を等間隔で広げると角
度Θ1、Θ2、…は小さくする必要があり、消火液の放
出圧を高くすると角度Θ1、Θ2、…は大きくする必要
がある。従って、角度Θ1、Θ2、…は、扇状放出ヘッ
ドの数、隣接するヘッド間の間隔、消火液の種類や供給
圧に応じて最適な角度に適宜選択される。
第3図、第4図は、このように配置された消火装置を
自動車工場に塗装ブースに用いた場合の1実施例で、10
は塗装ブース、11は自動車のボディ、12はベルトコンベ
ア等の搬送機、13はボディ11の前面、上面、後面を塗装
する第1の塗装機、14はその塗装ノズル、15はボディ11
の側面を塗装する第2の塗装機、16はその塗装ノズルで
ある。この第1の塗装機13は塗装の際に前後に移動し、
そのノズル14は左右上下に動き、第2の塗装機15のノズ
ル16は上下に動いてボディ11を塗装するようになってい
る。
なお、この実施例では塗装ブース10内の第1と第2の
塗装機13と15のある場所が消火区画で、塗装時に生じる
静電気等によって火災が発生しやすいノズル14および16
とその周辺部の移動範囲を主消火領域、又、この主消火
領域の周囲を火災の拡大等を防止する防護消火領域とし
ている。
21、22は塗装ノズル14の主消火領域に向けて塗装ブー
ス10の側壁にそれぞれ複数ずつ配置された扇状放出ヘッ
ドで、第1図のヘッドH1〜H4と同じ位置関係で設けられ
ている。23、24は塗装ノズル16の主消火領域に向けて塗
装ブース10の側壁にそれぞれ配置された扇状放出ヘッド
である。これらの扇状放出ヘッド21〜24は、水あるいは
泡水溶液等の消火液を偏平で扇形状の放出パターン25を
有するもので、そのヘッドの一例を第5図、第6図に示
す。これらのヘッドにおいて、26が消火液を偏平は扇形
状に放出する放出口である。
31〜34は、塗装ノズル14及び16を中心とする主消火領
域を囲む四辺形(長方形)の空間の防護消火領域の四隅
に配置された噴霧ヘッドである。この噴霧ヘッド31〜34
は略円錐体状の放出パターン35を有している。なお、噴
霧ヘッド31〜34としては、放出口内にスパイラルを有す
るものや、放出口の前方にデフレクタを設けたもの等が
ある。
次にこの装置の動作を説明する。
塗装ブース10で火災、例えば主消火領域の1つである
第1塗装機13の塗装ノズル14付近で火災が発生した時、
その火災を検出した火災感知器(図示せず)からの信号
あるいは手動操作信号により地区弁41が開放されると、
図示しない消火液源から、水あるいは例えば水成膜泡水
溶液等の消火液が配管42を介して扇状放出ヘッド21〜24
と噴霧ヘッド31〜34に加圧供給される。
これにより、塗装ノズル14を中心とする略四角形の主
消火領域には扇状放出ヘッド21、22より、塗装ノズル16
を中心とする主消火領域には扇状放出ヘッド23、24より
消火液が扇形状パターン25で放出される。又、これら主
消火領域を囲む防護消火領域に対しては噴霧ヘッド31〜
34より消火液が略円錐体状の噴霧状パターン35で放出さ
れる。
このように、主消火領域に対しては扇状放出ヘッド21
〜24より、消火液が放射速度エネルギーが大の扇形状放
出パターン25で放出される。このため、消火液は主消火
領域の各部までの十分な射程距離が確保される。又、放
出される消火液は、速度エネルギーを失うことなく、周
囲の空気を巻き込んで火災地点に到達するので、消火液
による冷却作用や被覆作用、更には巻き込んだ空気によ
る吹き消し作用等の相乗作用により、消火が早期かつ確
実に行われる。
一方、主消火領域を囲む防護消火領域に対しては、噴
霧ヘッド31〜34より主消火領域を囲むように消火液が噴
霧放出される。これにより、主消火領域で発生した火災
に対しては、火災が周囲に拡大するのを防止するととも
に、周囲の空気が消火領域に影響を与えるのを防止す
る。しかも、噴霧ヘッド31〜34より放出される消火液は
噴霧状であるので、扇状放出ヘッド21〜24より放出され
る扇形状放出パターン25を乱すことはない。又、火災が
主消火領域の周囲で発生した場合にも確実に消火するこ
とができる。
なお、この実施例では自動車工場の塗装ブースについ
て説明したが、製造ライン、研究室等、他の場所でもよ
い。
又、扇状放出ヘッドと噴霧ヘッドを消火区画の両側壁
に設けるようにしているが、設置場所や消火対象物にあ
わせ、片側にのみ設けるようにしてもよく、天井面に設
けるようにしてもよい。
又、主消火領域が複数であり、その間に間隙がある場
合には、その箇所に扇状放出ヘッドあるいは噴霧ヘッド
を設けて消火液を放出するようにしてもよい。
〔効果〕
この発明によれば、複数の扇状放出ヘッドを、その流
線方向がその放出方向に対して、隣接する中央部寄りの
扇状放出ヘッドから放出された消火液による吸引作用を
弱めるように、外側に向けて設けるようにしたので、隣
接する扇状放出ヘッド同士の水や泡水溶液等の消火液の
放出による吸引効果を弱めて消火液が中央に集まるのを
防止し、かつその弱い吸引効果を利用して各扇状放出ヘ
ッドから放出された消火液の流れを偏向させて略平行に
できるので、略四角形の消火範囲に消火液を均一に散布
できる消火装置が得られる。
又、消火液の到達距離の長い扇状放出ヘッドを用いて
いるので、消火領域の側方から消火液を消火領域に略四
角形に散布することができ、ヘッドを天井面に設置する
のに問題がある場所でも消火液を消火領域に立体的に散
布することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明による消火装置の1実施例の平面図、
第2図はその側面図、第3図と第4図はこの発明の消火
装置を消火区画に配置した場合の1例を説明する図、第
5図と第6図は扇状放出ヘッドの1例の正面図(a)と
断面図(b)、第7図は参考実験例の平面図である。 H1〜H4……扇状放出ヘッド、 L1、L2……流線方向、 L11、L21……放出方向、 21〜22……H1〜H4の扇状放出ヘッドで構成されたヘッド
群。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 充 東京都千代田区九段南4丁目7番3号 能美防災株式会社内 (72)発明者 内山 順 東京都千代田区九段南4丁目7番3号 能美防災株式会社内 審査官 宮崎 敏長 (56)参考文献 特開 昭57−57149(JP,A) 特開 昭61−134500(JP,A) 特開 昭50−11195(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A62C 2/08 A62C 3/07 A62C 35/00 - 37/50

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の扇状放出ヘッドをそれぞれ間隔をあ
    けて配置し、かつ、前記複数の扇状放出ヘッドの各流線
    方向をそれぞれの放出方向に対して、隣接する中央部寄
    りの扇状放出ヘッドから放出された消火液による吸引作
    用を弱めるように、外側に向けて配置したことを特徴と
    する消火装置。
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