JP2022038368A - 植物栽培用繊維集合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】土壌が汚染されない植物栽培用繊維集合体を提供する。【解決手段】植物栽培用繊維集合体1は、複数の繊維11が引き揃えた状態で集合して形成されている。複数の繊維11は、レーヨン12とポリ乳酸繊維13とを含んでいる。複数の繊維11は、物理的手段により束ねられている。複数の繊維11は、レーヨン12を30質量%以上50質量%以下で含むことが好ましい。また複数の繊維11は、ポリ乳酸繊維を50質量%以上70質量%以下で含むことが好ましい。【選択図】図1

Description

本開示は、植物栽培用繊維集合体に関する。より詳細には、本開示は、複数本の繊維が集合した植物栽培用繊維集合体に関する。
特許文献1には、育苗用固化培土が記載されている。この育苗用固化培土は、土壌固化剤と育苗用培土とを混練して調製されている。土壌固化剤は、主成分フライアッシュに石膏、シリカヒューム、アルミナ・けい酸塩を主体とする天然鉱物、アルカリ金属炭酸塩および陰イオン界面活性剤を均一配合して成り、Si成分がSiO換算量で45~55重量%、Al成分がAl換算量で20~30重量%、Ca成分がCaO換算量で5~15重量%、およびMg成分がMgO換算量で5~15重量%含有された団粒化剤100重量部に対しセメント30~100重量部を均一混合したものである。
そして、育苗用固化培土はトレイ部材に保持されて育苗用トレイが形成されている。トレイ部材はプラスチックの成形品であり、複数のセル部を有している。各セル部は上面が開口するカップ状に形成されており、各セル部の内側に育苗用固化培土を充填することで、育苗用固化培土がトレイ部材に保持されている。
育苗用トレイは育苗に使用される。すなわち、各セル部に充填された育苗用固化培土に播種や挿し木により発根させ、所定の大きさの苗に育てる。所定の大きさに育った苗は育苗用固化培土中に根が張ることになる。そして、この後、大きく育った苗をポットや畑に植え替えるようにする。
特開2000-324944号公報
しかし、育苗用固化培土は保形性向上等の目的でポリプロピレンなどの合成繊維を混入することがある。この場合、大きく育った苗を植え替えたときに、苗の根と共に合成繊維がポットや畑の土壌中に埋められることになり、合成繊維が分解されずに地中に残留する。また、育苗用トレイから苗を植え替えた後、トレイ部材は破棄又は放置されることが多かった。これは、トレイ部材を再利用して育苗用トレイを形成しようとした場合、使用後のトレイを工場まで返送し、洗浄、消毒後固化培地の原料を充填し、加熱処理しなければならないためである。この固化培地に使用されるトレイ部材は耐熱性を持たせたものであり、一般的に流通する素材とは異なるものである。
本開示は、土壌中に残留しない植物栽培用繊維集合体を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る植物栽培用繊維集合体は、複数の繊維が引き揃った状態で集合して形成されている。前記複数の繊維は、レーヨンとポリ乳酸繊維とを含んでいる。前記複数の繊維は、物理的手段により束ねられている。
本開示によれば、植物栽培用繊維集合体は、レーヨン及びポリ乳酸繊維が生分解性を有するため、栽培した植物を畑やポット中の土壌に植え替えた後、土壌中の微生物で分解されて残留しない、という利点がある。
図1は、本開示に係る植物栽培用繊維集合体の一実施形態を示す斜視図である。 図2は、植物栽培装置の一例を示す斜視図である。 図3は、本開示に係る植物栽培用繊維集合体を使用して植物を育てた状態を示す斜視図である。 図4は、植物栽培装置の他例を示す断面図である。
<植物栽培用繊維集合体の説明>
本実施形態に係る植物栽培用繊維集合体1は、複数の繊維11が引き揃った状態で集合している。各繊維11は単繊維(モノフィラメント)であって、断面形状は、円形、楕円形、四角形、三角形などの任意の形状に形成されている。各繊維11の繊維径は、特に限定されないが、例えば、1μm以上50μm以下、好ましく、3μm以上30μm以下とすることができる。なお、繊維径は、繊維11の長さ方向(軸方向)と直交する断面上にある線分のうち、最も長い線分の寸法をいう。繊維11の断面形状が円形の場合は、その円形の直径が繊維径となる。繊維11の断面形状が楕円形の場合は、その楕円形の長径が繊維径となる。繊維11の断面形状が四角形の場合は、その四角形の対角線の寸法が繊維径となる。また繊維11は単繊維だけでなく、複数の細い単繊維を束ねたマルチフィラメントであってもよい。
複数の繊維11が引き揃った状態で集合しているとは、各繊維11がほぼ真っ直ぐ伸ばされた状態で、各繊維11の長さ方向が同じ方向になるように集められていることをいう。ここで、ほぼ真っ直ぐとは、少しも曲がりのない状態(真っ直ぐ)と、各繊維11が多少曲がっている状態とを含む意味である。
本実施形態に係る植物栽培用繊維集合体1は、図1に示すように、円柱状に形成されている。円柱状の植物栽培用繊維集合体1はその長さ方向(軸方向)と、各繊維11の長さ方向とが、ほぼ同じ方向である。ここで、ほぼ同じ方向とは、植物栽培用繊維集合体1の長さ方向と各繊維11の長さ方向とが一致する場合と、植物栽培用繊維集合体1の長さ方向と各繊維11の長さ方向とが多少傾いている状態とを含む意味である。
植物栽培用繊維集合体1の一方の端面(例えば、上端面14)は、複数の繊維11の一方の端面(例えば、上端面)が集まって形成されている。植物栽培用繊維集合体1の他方の端面(例えば、下端面15)は、複数の繊維11の他方の端面(例えば、下端面)が集まって形成されている。複数の繊維11は、各繊維11の周面が部分的に接触する状態で集合している。
植物栽培用繊維集合体1の大きさは、特に限定されないが、例えば、上端面14及び下端面15の直径が20mm以上50mm以下、高さが40mm以上100mm以下とする円柱状に形成することができる。植物栽培用繊維集合体1の形状は、円柱状の他に、三角柱状や四角柱状などの角柱に形成することができる。また植物栽培用繊維集合体1は立方体、直方体、三角錐や四角錐などの錐体、球状、半球状などであってもよい。
複数の繊維11は、複数種の繊維から構成されている。具体的には、複数の繊維11は、レーヨン12と、ポリ乳酸繊維13とを含んでいる。レーヨン12は木材パルプや綿などに含まれるセルロースを原料とする再生繊維であって、生分解性を有する。ポリ乳酸繊維13は、ポリ乳酸(PLA)を原料とする繊維であり、生分解性を有する。ポリ乳酸は、植物由来(例えば、とうもろこし)のバイオマスプラスチックである。
本開示において、生分解性を有するとは、微生物で分解される性質を言う。レーヨン12及びポリ乳酸繊維13は、土壌等に含まれている微生物により、最終的には、水と二酸化炭素に分解される。したがって、土壌等には、レーヨン12及びポリ乳酸繊維13は残存しない。なお、繊維11としては、レーヨン12及びポリ乳酸繊維13の二種類であってもよいし、レーヨン12及びポリ乳酸繊維13以外の生分解性繊維を含んでいてもよい。
複数の繊維11は、物理的手段により束ねられている。すなわち、複数の繊維11は、レーヨン12同士、ポリ乳酸繊維13同士、あるいはレーヨン12とポリ乳酸繊維13とが、バラバラにならない程度に結合されている。したがって、複数の繊維11は小さな力では分離せず、束ねられた状態を保つため、植物栽培用繊維集合体1の形状を維持することができる。なお、植物栽培用繊維集合体1は、複数の繊維11の長さ方向と直交する方向で分ける場合に、手で容易に分離する(裂ける)程度に繊維11同士が結合している。
複数の繊維11を束ねる物理的手段としては、溶着部による溶着を例示することができる。溶着部は、ポリ乳酸繊維13に対する物理的処理で形成される。物理的処理としては溶着が例示される。すなわち、溶着部は、ポリ乳酸繊維13の一部分(表面に近い表層部分)が溶融した後、冷えて固化することで形成される。ポリ乳酸繊維13の溶着は、例えば、高周波溶着あるいは熱溶着などが挙げられる。
高周波溶着は、複数のレーヨン12と複数のポリ乳酸繊維13とを含む繊維11を引き揃った状態で混在させて集合させ、この集合体を高周波誘導加熱によるポリ乳酸繊維13の熱溶融温度付近(170℃付近)にまで加熱する。
熱溶着は、複数のレーヨン12と複数のポリ乳酸繊維13とを含む繊維11を引き揃った状態で混在させて集合させ、この集合体を熱風の吹付けやヒーターによりポリ乳酸繊維13の熱溶融温度付近(170℃付近)にまで加熱する。
上記のような加熱により、ポリ乳酸繊維13の表層部分が少し熱溶融し、この熱溶融により生じた熱溶融状態のポリ乳酸が複数の繊維11の間の隙間に進入する。この後、熱溶融状態のポリ乳酸が冷えて固化することにより溶着部を形成し、複数の繊維11の周面同士が溶着部で接着される。このようにして複数の繊維11がポリ乳酸繊維13の熱溶着により束ねられる。
なお、複数の繊維11を束ねる物理的手段としては、例えば、生分解性の不織布やフィルムなどを使用することができ、この場合、集合させた複数の繊維11の外周を不織布やフィルムなど巻くようにする。
レーヨン12とポリ乳酸繊維13とは生分解される早さが異なる。すなわち、レーヨン12はポリ乳酸繊維13よりも生分解されるのが早い。本実施形態に係る植物栽培用繊維集合体1では、土壌に埋めてから、レーヨン12は例えば数か月以降で生分解され、ポリ乳酸繊維13は例えば1~2年以降で生分解される。このようにレーヨン12とポリ乳酸繊維13との生分解される時期が異なるため、苗などの植物の育成状態に応じて、植物栽培用繊維集合体1に存在する空隙を変化させやすい。例えば、植物栽培用繊維集合体1に播種した直後では、レーヨン12とポリ乳酸繊維13との生分解がほとんど進んでおらず、複数の繊維11の間で種をしっかりと保持することができる。この後、種から発根するが、このとき、繊維11の加水分解により強度劣化が徐々に進んでいる。特に、ポリ乳酸繊維13の加水分解による強度劣化よりもレーヨン12の加水分解による強度劣化の方が進んでいる。よって、植物栽培用繊維集合体1中に繊維11の強度劣化により強度のばらつきが生じ、根が伸長しやすくなる。
図3に示すように、苗などの植物100は植物栽培用繊維集合体1の上端面14から上方に突出して生長する。また植物100から伸びる根101は植物栽培用繊維集合体1の内部を通って植物栽培用繊維集合体1の下端面15から下方に突出して生長する。また根101は植物栽培用繊維集合体1の内部を通って植物栽培用繊維集合体1の周面16から突出して生長する。
複数の繊維11は、レーヨン12を30質量%以上50質量%以下で含み、ポリ乳酸繊維13を50質量%以上70質量%以下で含むことが好ましい。このようにレーヨン12とポリ乳酸繊維13との混合比率を調整することにより、植物栽培用繊維集合体1中のレーヨン12が分解及び崩壊しやすくなって、栽培する植物100の根101が伸びやすい植物栽培用繊維集合体1が得られる。
本実施形態に係る植物栽培用繊維集合体1の空隙率は90%以上98%以下であることが好ましい。植物栽培用繊維集合体1は複数の繊維11と空隙とを含んでいる。空隙は複数の繊維11以外の空間である。したがって、植物栽培用繊維集合体1は、複数の繊維11が占める体積が全体の2%以上10%以下であり、複数の繊維11以外の空間が占める体積が全体の90%以上98%以下である。このように植物栽培用繊維集合体1は、繊維11が存在しない空隙が多く存在しているため、水、空気、肥料などが空隙に保持しやすくなり、植物の栽培に最適な育成条件が作りやすい。
本実施形態に係る植物栽培用繊維集合体1は、弾性変形可能である。すなわち、植物栽培用繊維集合体1は、指で挟んで押しつぶすように変形させることが可能であり、この指で挟む力を解除することによりほぼ元の形状に戻るように変形する。
本実施形態に係る植物栽培用繊維集合体1は、複数の繊維11が引き揃った状態で集合して束ねられているので、毛細管現象により、複数の繊維11の間の空間に水が吸い上げやすい。したがって、植物栽培用繊維集合体1は、三つ葉やスプラウトのような植物の水耕栽培にも好適に使用される。例えば、発泡ウレタン等のスポンジでは、多数の気泡を含んでおり、この気泡に水を保持することは可能であるが、この気泡は他の気泡とは通じていないクローズドセルであるために、水を下から上へと連続して吸い上げることはできない。一方、植物栽培用繊維集合体1では、複数の繊維11間の空隙が下から上まで連続しているため、水を下から上へと連続して吸い上げることができる。また発泡ウレタン等のスポンジは、生分解性を有さない。スポンジ中に伸長した根とスポンジとの分離は不可能と言わざるを得ずコンポスト処理は不可能で焼却処分や埋設処分が一般的である。植物栽培用繊維集合体1では、生分解性を有するため、根が絡んだ場合でも、食物残渣と同時に処分(例えば、コンポスト化)することができる。
なお、本実施形態に係る植物栽培用繊維集合体1は、種から苗を育てる際に好適に使用されるが、これに限らず、苗木や苗芽を挿し木で育てることもできる。また植物栽培用繊維集合体1は、苗時期だけでなく、植物を最終段階にまで育てる場合にも使用することができる。
また本実施形態に係る植物栽培用繊維集合体1は、無菌状態での製造も可能であるため、メリクロン苗の育苗用の培地としても好適に使用でき、また通常の植物栽培においても、無雑草で行うことができる。
<植物栽培装置の説明>
図2に示す植物栽培装置2は、本実施形態に係る植物栽培用繊維集合体1とトレイ部材21とを備えている。
トレイ部材21は樹脂成形体であって、例えば、ポリプロプレンやポリスチレンなどの生分解されない合成樹脂の成形体である。トレイ部材21は、例えば、合成樹脂シートをプレス加工して形成することができる。トレイ部材21は、複数のセル部22を有している。複数のセル部22は、平面視において、縦方向と横方向に碁盤目状に並んでいる。隣接するセル部22は上端開口23の縁部同士を上面部24によって互いに連結されている。各セル部22は底部25と側壁26とを備える有底筒状に形成されており、上端開口23の縁部から底部25に向かって側壁26が形成されている。上端開口23の形状は、特に限定されず、平面視において、四角形、円形、三角形などの任意の形状である。
各セル部22の内側の空間には、上記の植物栽培用繊維集合体1が収容される。各セル部22への植物栽培用繊維集合体1の収容は、上端開口23から行われる。セル部22へ収容された植物栽培用繊維集合体1の上端面14は、上端開口23と同じ高さか、あるいは上端開口23よりも少し低い位置に配置される。セル部22へ収容された植物栽培用繊維集合体1の周面16と、セル部22の側壁26の内面との間には、隙間が形成されていることが好ましく、これにより、植物の根が植物栽培用繊維集合体1の周面16から外に生長しやすく、またセル部22への植物栽培用繊維集合体1の出し入れが行いやすい。またセル部22へ収容された植物栽培用繊維集合体1の下端面15と、セル部22の底部25の内面との間には、隙間が形成されていることが好ましく、これにより、植物100の根101が植物栽培用繊維集合体1の下端面15から外に生長しやすい。
植物栽培装置2は、一部又は全部のセル部22に植物栽培用繊維集合体1を収容することにより形成されている。そして、上端開口23から露出している植物栽培用繊維集合体1の上端面に播種したり、植物栽培用繊維集合体1の上端面14から内部に播種したり挿し木したりすることにより、植物の栽培(例えば、育苗)を行うことができる。そして、植物の栽培が終わると、生長した植物(例えば、苗)を植物栽培用繊維集合体1と一緒にセル部22から上端開口23を通じて取り出し、土壌に植え替える。すなわち、植物栽培装置2で栽培された植物100は、図3に示すように、植物栽培用繊維集合体1の上端面から上方に突出し、植物100から伸びる根101は植物栽培用繊維集合体1の内部を通って植物栽培用繊維集合体1の下端面15及び周面16から外側に突出しているが、この状態で植物100は植物栽培用繊維集合体1と根101とを土壌に埋めて植え替えされる。そして、植物栽培用繊維集合体1はレーヨン12とポリ乳酸繊維13とを含んでいるので、所定の期間が経過すると生分解されて消失する。
植物栽培装置2は、育苗後に苗の植え替えをすると、トレイ部材21のセル部22が空になる。そこで、空になったセル部22に新しい植物栽培用繊維集合体1を収容することにより、再度、植物栽培用トレイ2として使用することができる。すなわち、トレイ部材21は、一回の栽培作業の使用では破損が生じにくく、植物栽培用繊維集合体1の出し入れも容易に行えるため、再利用しやすい。つまり、植物栽培装置2は、トレイ部材21を再利用できることを特徴とする。
図4は水耕栽培用の植物栽培装置3を示している。本実施形態に係る植物栽培用繊維集合体1と保持板31とを備えている。
保持板31は板状の樹脂成形体などであって、例えば、発泡スチロールなどの生分解されない合成樹脂で形成されている。また保持板31は水に浮く構造や素材で形成するのが好ましい。保持板31は、例えば、合成樹脂シートをプレス加工して形成することができる。保持板31の厚みは植物栽培用繊維集合体1の高さよりも小さい方が好ましい。
保持板31は、複数の孔部32を有している。複数の孔部32は、例えば、平面視において、縦方向と横方向に碁盤目状に並んでいる。各孔部32は保持板31を厚み方向で貫通している。すなわち、各孔部32は、保持板31の上面及び下面の両面に開口している。各孔部32の開口は、平面視において、各種の形状に形成することができ、例えば、円形、楕円形、四角形及び三角形などが例示される。各孔部32の開口の形状は、植物栽培用繊維集合体1の断面形状(長さ方向と直交する断面形状)と同じであってもよく、異なっていてもよい。
各孔部32の開口の大きさは、特に限定されず、植物栽培用繊維集合体1が差し込める大きさであればよい。すなわち、各孔部32の開口径は植物栽培用繊維集合体1の直径よりも大きくてもよく、小さくてもよく、さらには同じであってもよい。孔部32の開口径が植物栽培用繊維集合体1の直径よりも大きい場合は、孔部32の開口縁部と植物栽培用繊維集合体1の周面16との間に隙間が生じた状態で、孔部32に植物栽培用繊維集合体1が差し込まれる。孔部32の開口径が植物栽培用繊維集合体1の直径よりも小さい場合は、孔部32の開口縁部で植物栽培用繊維集合体1が長さ方向と直交する方向で圧縮された状態で、孔部32に差し込まれる。
植物栽培装置3は、複数の孔部32の一部又は全部に植物栽培用繊維集合体1を差し込むことによって、保持板31に一個又は複数の植物栽培用繊維集合体1を備えて形成される。植物栽培装置3は、植物栽培用の水33の上に配置して使用される。この場合、保持板31は水面に浮かせてもよいし、浮いていない状態であってもよい。一方、保持板31の孔部32に差し込まれた植物栽培用繊維集合体1は水33と接触する。これにより、植物栽培用繊維集合体1に水33が含浸して保水される。植物栽培用繊維集合体1に保水された水は、植物栽培用繊維集合体1中に植えられた種や、植物栽培用繊維集合体1中に伸びた根101に供給される。このようにして植物栽培装置3により水耕栽培を行うことができる。
上記水耕栽培では、育苗をおこなってもよいし、植物100を出荷段階にまで育てても良い。植物100を出荷段階にまで育てた場合は、植物栽培用繊維集合体1の上端面14付近で植物100を切断して出荷する。残った植物栽培用繊維集合体1及び根101はそのまま廃棄しても良いし、コンポスト化して使用することができる。
なお、上記トレイ本体21及び上記保持板31としては、ハニカム構造や蛇腹構造のものであってもよく、植物栽培用繊維集合体1が所定の範囲で保持できればよい。
<まとめ>
以上説明した本実施形態に係る植物栽培用繊維集合体1は、以下のような特徴を有する。
第1の態様に係る植物栽培用繊維集合体(1)は、複数の繊維(11)が引き揃った状態で集合して形成されている。複数の繊維(11)は、レーヨン(12)とポリ乳酸繊維(13)とを含んでいる。複数の繊維(11)は、物理的手段により束ねられている。
第1の態様によれば、植物栽培用繊維集合体(1)は、レーヨン(12)及びポリ乳酸繊維(13)が生分解性を有するため、植物栽培用繊維集合体(1)で栽培した植物を畑やポット中の土壌に植え替えたときに、土壌中の微生物で分解されて残留せず、土壌が汚染されない、という利点がある。また植物栽培用繊維集合体(1)は、水耕栽培で使用した後に、根が絡んだ状態でコンポスト化して有効利用することができ、また根が絡んだ状態で廃棄しても分解して残留せず、ゴミの発生をなくすことができる、という利点がある。
第2の態様に係る植物栽培用繊維集合体(1)は、第1の態様において、複数の繊維(11)は、レーヨン(12)を30質量%以上50質量%以下で含み、ポリ乳酸繊維(13)を50質量%以上70質量%以下で含んでいる。
第2の態様によれば、レーヨン(12)の分解及び崩壊による空隙が植物栽培用繊維集合体(1)中に形成しやすくなって、発根しやすくなる、という利点がある。
第3の態様に係る植物栽培用繊維集合体(1)は、第1又は2の態様において、空隙率が90%以上98%以下である。
第3の態様によれば、植物栽培用繊維集合体(1)中の空隙に根が進入しやすくなり、発根しやすくて植物を育成しやすい、という利点がある。
1 植物栽培用繊維集合体
11 繊維
12 レーヨン
13 ポリ乳酸繊維

Claims (3)

  1. 複数の繊維が引き揃った状態で集合して形成され、
    前記複数の繊維は、レーヨンとポリ乳酸繊維とを含み、物理的手段で束ねられている、
    植物栽培用繊維集合体。
  2. 前記複数の繊維は、前記レーヨンを30質量%以上50質量%以下で含み、前記ポリ乳酸繊維を50質量%以上70質量%以下で含む、
    請求項1に記載の植物栽培用繊維集合体。
  3. 空隙率が90%以上98%以下である、
    請求項1又は2に記載の植物栽培用繊維集合体。
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