JP2022037902A - 新規オニウム塩、および光酸発生剤とそれを用いた光硬化性樹脂組成物 - Google Patents

新規オニウム塩、および光酸発生剤とそれを用いた光硬化性樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2022037902A
JP2022037902A JP2021128724A JP2021128724A JP2022037902A JP 2022037902 A JP2022037902 A JP 2022037902A JP 2021128724 A JP2021128724 A JP 2021128724A JP 2021128724 A JP2021128724 A JP 2021128724A JP 2022037902 A JP2022037902 A JP 2022037902A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
group
weight
organic compound
polymerizable organic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021128724A
Other languages
English (en)
Inventor
慶彦 赤澤
Yoshihiko Akazawa
智仁 木津
Tomohito Kizu
竜輔 高橋
Ryosuke Takahashi
拓人 中尾
Takuto NAKAO
秀基 木村
Hideki Kimura
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
San Apro KK
Original Assignee
San Apro KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by San Apro KK filed Critical San Apro KK
Publication of JP2022037902A publication Critical patent/JP2022037902A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyethers (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】硬化性に優れ、光照射又は加熱処理を施すことにより、耐熱性に優れた硬化物を形成するのに好適な酸発生剤およびこれを含む硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明は、カチオンは、ヨードニウム、スルホニウム、アンモニウムの群から選ばれ、アニオンは一般式(1)で表わされるフルオロリン酸アニオン(B)であって、アニオンのフェイシャル体とメリディオナル体の2種の異性体の内、メリディオナル体の割合が、50.0~85.0重量%であるオニウム塩(A)である。[ (R1)3( F)3P]-(1)【選択図】 なし

Description

本発明は、新規オニウム塩、および硬化性、耐熱性に優れた硬化物を形成するために好適な光酸発生剤とそれを用いた光硬化性樹脂組成物に関する。
従来、熱あるいは光、電子線などの活性エネルギー線照射によってエポキシ化合物などのカチオン重合性化合物を硬化させるカチオン重合開始剤として、ヨードニウムやスルホニウム塩等のオニウム塩が知られている。
カチオン重合性化合物の硬化性能や酸触媒による架橋反応性能はアニオンの種類で異なり、一般的にはBF <PF <SbF の順に良くなる。しかし、重合や架橋性能の良いSbF を含有するカチオン重合開始剤(酸発生剤)は、Sbの毒性の問題から使用用途が限定されるため、毒性金属を含まず、SbF のような高いカチオン重合開始能を有するカチオン重合開始剤が求められている。また、これらのアニオン種を用いた塩は、カチオン重合開始剤広く知られている(特許文献1)。
一方、携帯電話、スマートフォン等の携帯型電子機器の需要が拡大している。このような電子機器には小型で薄型の撮像ユニットが搭載されており、前記撮像ユニットは、一般に、固体撮像素子(CCD型イメージセンサやCMOS型イメージセンサ等)とレンズ等の光学素子より構成されている。レンズ等の光学素子の材料や、絶縁材料、および電子部品の接着用材料として用いるためには、酸素による硬化阻害が起こらない点、及び硬化時の収縮が小さい点から、ラジカル硬化性組成物に比べカチオン硬化性組成物が好ましく使用される。
毒性金属を含まず、SbF 塩のような高いカチオン重合性能や架橋反応性能を有するカチオン重合開始剤(酸発生剤)として、特殊リン系のものも開示されているが、これも硬化性、耐熱性に関して十分とは言えない(特許文献2)。この特殊リン系の製造方法を記載したものもあるが、これをもっても有用な光酸発生剤をみいだすことはできなかった(特許文献3)。
特開平2001-354669号公報 WO2005/116038号公報 特表2004-533473号公報
従って、本発明の目的は、硬化性に優れ、光照射又は加熱処理を施すことにより、耐熱性に優れた(すなわち、リフロー方式による半田付け等の高温条件下においても形状を保持することができる)硬化物を形成するのに好適な新規オニウム塩、光酸発生剤とそれを用いた光硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は特定のアニオン構造をもち、さらにそのアニオン構造の立体異性体をある範囲に制御することで、上記用途に最適である新規オニウム塩、光酸発生剤として利用できることを見出し、さらに上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明を完成させたものである。
本発明のオニウム塩(A)は光酸発生剤として機能し、さらにこの光酸発生剤は、光あるいは電子線などの活性エネルギー線照射によって発生する酸の作用により、カチオン重合性有機化合物(D)を反応させ、耐熱性に優れた(すなわち、リフロー方式による半田付け等の高温条件下においても形状を保持することができる)硬化物を得ることができ、電子材料部品の絶縁体用硬化物や実装用接着剤および光造形用樹脂などの用途に特化した光硬化性樹脂組成物となる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明は、カチオンは、ヨードニウム、スルホニウム、アンモニウムの群から選ばれ、アニオンは一般式(1)で表わされるフルオロリン酸アニオン(B)であって、アニオンのフェイシャル体とメリディオナル体の2種の異性体の内、メリディオナル体の割合が、50.0~85.0重量%であるオニウム塩(A)である。
[ (R1)( F)P] (1)

[式(1)中、Rは、ハロゲン原子が置換した炭素数1~18のアルキル基、または炭素数1~18(以下の置換基の炭素数は含まない)のアリール基である。アリール基中の水素原子の一部が、炭素数1~18のアルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン原子が置換した炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、炭素数2~18のアルキニル基で置換されていてもよい]
一般式(1)中、Pはリン原子を、Fはフッ素原子を表す。
一般式(1)で表わされるフルオロリン酸アニオン(B){以下、アニオン(B)と略す}は、Pが中心元素となり、F、およびRが3つづつ、計6つ配位して結合した構造をとっている。その場合、同じ種類の配位子が相互にcis型であるフェイシャル体と、同じ配位子が同一平面上にあるメリディオナル体の2種類の異性体が存在している。
オニウム塩(A)が光酸発生剤として機能する場合、このアニオン(B)にプロトン付加したものが酸として機能するため、2種類の異性体の量比をコントロールすることは極めて、重要なファクターとなる。フェイシャル体とメリディオナル体の2種の異性体の内、メリディオナル体の割合を、50.0~85.0重量%にすることでカチオン重合性のしやすさが飛躍的に向上し、結果として、オニウム塩(A)を用いたカチオン重合性有機化合物(D)を硬化させたときに硬化性、および耐熱性を兼ね備えた硬化物となることを見出した。
なお、フェイシャル体とメリディオナル体の2種の異性体の内、メリディオナル体の割合のさらに好ましい範囲は、55.0~80.0重量%であり、もっとも好ましくは55.0~70.0重量%である。
は、ハロゲン原子が置換した炭素数1~18のアルキル基、または炭素数6~18(以下の置換基の炭素数は含まない)のアリール基である。アリール基中の水素原子の一部が、炭素数1~18のアルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン原子が置換した炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、炭素数2~18のアルキニル基で置換されていてもよいものである。これらの置換基の例示は、後述するRの例示と同じである。また、これらの中で、パーフルオロアルキル基、フッ素原子で置換されたフェニル基が好ましく、具体的にはペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ-n-プロピル基、ノナフルオロ-n-ブチル、ヘプタフルオロ-i-プロピル基、トリフルオロメチル基などがより好ましい。
2種類の異性体であるフェイシャル体とメリディオナル体の量比をコントロールのやり方について以下の2つの方法を例示する。1つめは、前駆体であるホスホラン((R)( F)P)とフッ素化剤を反応させる際の溶媒の極性や溶媒と基質の量つまり濃度、および反応温度を最適化することで制御でき、目的にあった異性体を合成する。なお、フッ素化剤とは、フッ化水素、フッ化金属(フッ化ナトリウム、フッ化カリウム)などが例示できる。2つめとして、フッ素化剤としてフッ化水素を用い、アニオン成分の酸(一般式(1)にプロトンが付いたもの)を一旦、合成しておき、酸性条件下で、熱を加えることでフェイシャル体から、メリディオナル体へ異性化させておいてから、金属塩やオニウム塩にすることでも可能である。後者の場合は、酸性の度合い、温度履歴により、異性体の制御化可能となる。
オニウム塩(A)のカチオンは、ヨードニウム、スルホニウム、アンモニウムの群から選ばれる。
ヨードニウムとしての具体例を以下に例示する
ジフェニルヨードニウム、ジ-p-トリルヨードニウム、ジ(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウム、ジ(4-ドデシルフェニル)ヨードニウム、ジ(4-メトキシフェニル)ヨードニウム、(4-オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウム、ジ(4-デシルオキシフェニル)ヨードニウム、4-(2-ヒドロキシテトラデシルオキシ)フェニルフェニルヨードニウム、4-イソプロピルフェニル(p-トリル)ヨードニウム、フェニル(2,4,6-トリメトキシフェニル)ヨードニウムおよび4-イソブチルフェニル(p-トリル)ヨードニウムなどのヨードニウムイオンなどが挙げられる。
スルホニウムとしての具体例を以下に例示する
トリフェニルスルホニウム、トリ-p-トリルスルホニウム、トリ-o-トリルスルホニウム、トリス(4-メトキシフェニル)スルホニウム、1-ナフチルジフェニルスルホニウム、2-ナフチルジフェニルスルホニウム、トリス(4-フルオロフェニル)スルホニウム、トリ-1-ナフチルスルホニウム、トリ-2-ナフチルスルホニウム、トリス(4-ヒドロキシフェニル)スルホニウム、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、4-(p-トリルチオ)フェニルジ-p-トリルスルホニウム、4-(4-メトキシフェニルチオ)フェニルビス(4-メトキシフェニル)スルホニウム、4-(フェニルチオ)フェニルビス(4-フルオロフェニル)スルホニウム、4-(フェニルチオ)フェニルビス(4-メトキシフェニル)スルホニウム、4-(フェニルチオ)フェニルジ-p-トリルスルホニウム、[4-(4-ビフェニリルチオ)フェニル]-4-ビフェニリルフェニルスルホニウム、[4-(2-チオキサントニルチオ)フェニル]ジフェニルスルホニウム、ビス[4-(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド、ビス〔4-{ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホニオ}フェニル〕スルフィド、ビス{4-[ビス(4-フルオロフェニル)スルホニオ]フェニル}スルフィド、ビス{4-[ビス(4-メチルフェニル)スルホニオ]フェニル}スルフィド、ビス{4-[ビス(4-メトキシフェニル)スルホニオ]フェニル}スルフィド、4-(4-ベンゾイル-2-クロロフェニルチオ)フェニルビス(4-フルオロフェニル)スルホニウム、4-(4-ベンゾイル-2-クロロフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、4-(4-ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4-フルオロフェニル)スルホニウム、4-(4-ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、7-イソプロピル-9-オキソ-10-チア-9,10-ジヒドロアントラセン-2-イルジ-p-トリルスルホニウム、7-イソプロピル-9-オキソ-10-チア-9,10-ジヒドロアントラセン-2-イルジフェニルスルホニウム、2-[(ジ-p-トリル)スルホニオ]チオキサントン、2-[(ジフェニル)スルホニオ]チオキサントン、4-(9-オキソ-9H-チオキサンテン-2-イル)チオフェニル-9-オキソ-9H-チオキサンテン-2-イル フェニルスルホニウム、4-[4-(4-tert-ブチルベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジ-p-トリルスルホニウム、4-[4-(4-tert-ブチルベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジフェニルスルホニウム、4-[4-(ベンゾイルフェニルチオ)]フェニルジ-p-トリルスルホニウム、4-[4-(ベンゾイルフェニルチオ)]フェニルジフェニルスルホニウム、5-(4-メトキシフェニル)チアントレニウム、5-フェニルチアントレニウム、5-トリルチアントレニウム、5-(4-エトキシフェニル) チアントレニウム、5-(2,4,6-トリメチルフェニル) チアントレニウムなどのトリアリールスルホニウム;ジフェニルフェナシルスルホニウム、ジフェニル4-ニトロフェナシルスルホニウム、ジフェニルベンジルスルホニウム、ジフェニルメチルスルホニウムなどのジアリールスルホニウム;フェニルメチルベンジルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニルメチルベンジルスルホニウム、4-メトキシフェニルメチルベンジルスルホニウム、4-アセトキシフェニルメチルベンジルスルホニウム、4-アセトキシフェニルジメチルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニル(1-ナフチルメチル)メチルスルホニウム、2-ナフチルメチルベンジルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニル(4-ニトロベンジル)メチルスルホニウム、2-ナフチルメチル(1-エトキシカルボニル)エチルスルホニウム、フェニルメチルフェナシルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニルメチルフェナシルスルホニウム、4-メトキシフェニルメチルフェナシルスルホニウム、4-アセトキシフェニルメチルフェナシルスルホニウム、2-ナフチルメチルフェナシルスルホニウム、2-ナフチルオクタデシルフェナシルスルホニウム、9-アントラセニルメチルフェナシルスルホニウムなどのモノアリールスルホニウム;ジメチルフェナシルスルホニウム、フェナシルテトラヒドロチオフェニウム、ジメチルベンジルスルホニウム、ベンジルテトラヒドロチオフェニウム、オクタデシルメチルフェナシルスルホニウムなどのトリアルキルスルホニウムなどが挙げられる。
アンモニウムとしての具体例を以下に例示する
テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムなどのテトラアルキルアンモニウム;N,N-ジメチルピロリジニウム、N-エチル-N-メチルピロリジニウム、N,N-ジエチルピロリジニウムなどのピロリジニウム;N,N'-ジメチルイミダゾリニウム、N,N'-ジエチルイミダゾリニウム、N-エチル-N'-メチルイミダゾリニウム、1,3,4-トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4-テトラメチルイミダゾリニウムなどのイミダゾリニウム;N,N'-ジメチルテトラヒドロピリミジニウムなどのテトラヒドロピリミジニウム;N,N'-ジメチルモルホリニウムなどのモルホリニウム;N,N'-ジエチルピペリジニウムなどのピペリジニウム;N-メチルピリジニウム、N-ベンジルピリジニウム、N-フェナシルピリジウムなどのピリジニウム;N,N'-ジメチルイミダゾリウム、などのイミダゾリウム;N-メチルキノリウム、N-ベンジルキノリウム、N-フェナシルキノリウムなどのキノリウム;N-メチルイソキノリウムなどのイソキノリウム;ベンジルベンゾチアゾニウム、フェナシルベンゾチアゾニウムなどのチアゾニウム;ベンジルアクリジウム、フェナシルアクリジウムなどのアクリジウムが挙げられる。
本発明の式(1)で表されるオニウム塩(A)は、複分解法によって製造できる。複分解法は例えば、新実験化学講座14-I巻(1978年、丸善)p-448;Advance in Polymer Science、62、1-48(1984);新実験化学講座14-III巻(1978年、丸善)pp1838-1846;有機硫黄化学(合成反応編、1982年、化学同人)、第8章、pp237-280;日本化学雑誌、87、(5)、74(1966);特開昭64-45357号、特開昭61-212554号、特開昭61-100557号、特開平5-4996号、特開平7-82244号、特開平7-82245号、特開昭58-210904号、特開平6-184170号などに記載されているが、まずオニウムカチオンのF、Cl、Br、Iなどのハロゲンイオン塩;OH塩;ClO 塩;FSO 、ClSO 、CHSO 、CSO 、CFSO などのスルホン酸イオン類との塩;HSO 、SO 2-などの硫酸イオン類との塩;HCO 、CO 2-、などの炭酸イオン類との塩;HPO 、HPO 2-、PO 3-などのリン酸イオン類との塩などを製造し、これを式(1)で表されるオニウム塩を構成するアニオンのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩または4級アンモニウム塩と溶媒および水溶液中に加えて複分解させる。溶媒としては、水や有機溶剤を使用できる。有機溶剤としては、炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等)、環状エーテル(テトラヒドロフラン及びジオキサン等)、塩素系溶剤(クロロホルム及びジクロロメタン等)、アルコール(メタノール、エタノール及びイソプロピルアルコール等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)、ニトリル(アセトニトリル等)及び極性有機溶剤(ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド及びN-メチルピロリドン等)が含まれる。これらの溶剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
これにより生成した目的のオニウム塩(A)は、結晶または油状で分離してくる。油状物の場合、析出した油状物を有機溶剤溶液から分離し、さらに油状物に含有する有機溶剤を留去することにより得られる。結晶の場合、析出した固体を有機溶剤溶液から分離し、さらに、固体に含有する有機溶剤を留去することにより得られる。このようにして得られた目的のオニウムの塩を必要により再結晶または水や溶媒による洗浄等の方法で精製することができる。
再結晶による精製は、目的のオニウム塩(A)を少量の有機溶剤で溶解し、その有機溶剤からの分離は、目的のオニウム塩を含む有機溶剤溶液に対して直接(又は濃縮した後)、貧溶剤を加えて目的のオニウム塩を析出させることにより行うことができる。ここで用いる貧溶剤としては、鎖状エーテル(ジエチルエーテル及びジプロピルエーテル等)、エステル(酢酸エチル及び酢酸ブチル等)、脂肪族炭化水素(へキサン及びシクロヘキサン等)及び芳香族炭化水素(トルエン及びキシレン等)が含まれる。また、温度による溶解度差を利用して、精製を行うこともできる。 精製は、再結晶(冷却による溶解度の差を利用する方法、貧溶剤を加えて析出させる方法及びこれらの併用)によって精製することができる。また、目的物が油状物である場合(結晶化しない場合)、油状物を水又は貧溶媒で洗浄する方法により精製できる。
本発明のオニウム塩(A)を光酸発生剤として用いると、カチオン重合開始剤として機能する。カチオン重合性有機化合物(D)などと配合することにより、光硬化性樹脂組成物となる。この組成物は、エネルギー線を照射することにより硬化させて、硬化体を得ることができる。
エネルギー線としては、本発明の光酸発生剤の分解を誘発するエネルギーを有する限りいかなるものでもよいが、低圧、中圧、高圧若しくは超高圧の水銀灯、メタルハライドランプ、LEDランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、蛍光灯、半導体固体レーザ、アルゴンレーザ、He-Cdレーザ、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ又はFレーザ等から得られる紫外~可視光領域(波長:約100~約800nm)のエネルギー線が好ましい。なお、エネルギー線には、電子線又はX線等の高エネルギーを有する放射線を用いることもできる。
カチオン重合性有機化合物(D)としては、エポキシ化合物、オキセタン化合物があげられる。さらに、エポキシ化合物としては、脂環族エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物などのエポキシ化合物を挙げることができる。
脂環族エポキシ化合物としては、少なくとも1個の脂環族環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル、或いはシクロヘキセン環含有化合物またはシクロペンテン環含有化合物を過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化して得られるシクロヘキセンオキサイド構造含有化合物またはシクロペンテンオキサイド構造含有化合物などを挙げることができる。より具体的には、脂環族エポキシ化合物として、例えば、下記の一般式(D-1);
Figure 2022037902000001
(式中、R12は、水素添加ビスフェノールA残基、水素添加ビスフェノールF残基、水素添加ビスフェノールS残基、水素添加ビスフェノールZ残基、水素添加ビスフェノールAD残基、シクロヘキサンジメタノール残基またはトリシクロデカンジメタノール残基を示す。)で表される脂環式ジグリシジルエーテル化合物[以下「脂環式ジグリシジルエーテル化合物(D-1)」という]としては、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールADジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールZジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリシクロデカンジメタノールジグリシジルエーテル)を挙げることができる。
また、シクロヘキセンオキサイド構造含有化合物またはシクロペンテンオキサイド構造含有化合物としては、例えば、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-1-メチルシクロヘキシル-3,4-エポキシ-1-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、6-メチル-3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-6-メチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-3-メチルシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ-3-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-5-メチルシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ-5-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル-5,5-スピロ-3,4-エポキシ)シクロヘキサン-メタジオキサン、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス( 3 , 4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルカルボキシレート、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ-2-エチルヘキシルなどを挙げることができる。
また、株式会社ダイセルから販売されている、ε-カプロラクトン変性3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチルカプロラクトン変性3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、β-メチル-δ-バレロラクトン変性3 ,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサン)、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシー4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物も挙げることができる。
さらに、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)プロパン、1,1-ビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)エタン、アルファピネンオキサイド、カンファレンアルデヒド、リモネンモノオキサイド、リモネンジオキサイド、4-ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、4-ビニルシクロヘキセンジオキサイドなども挙げることができる。
脂肪族エポキシ化合物は特に限定されず、脂肪族エポキシ化合物としては、例えば、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのビニル重合により合成したホモポリマー、グリシジルアクリレートおよび/またはグリシジルメタクリレートとその他のビニルモノマーとのビニル重合により合成したコポリマーなどを挙げることができる。
代表的な化合物としては、例えば、ブチルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、高級アルコールのグリシジルエーテル、アルキレンジオールのジグリシジルエーテル(例えば、エチレングリコールのジ(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、1,4-ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテルなど)、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールのジグリシジルエーテルなどの多価アルコールのグリシジルエーテルを挙げることができる。
さらに、プロピレン、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステルなどが挙げられる。
さらに、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル、フェノール、クレゾール、ブチルフェノールまたはこれらにアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、グリシジル化ポリブタジエンなどを挙げることができる。
また、エポキシアルカンとしては、1,2-エポキシデカン、1,2-エポキシドデカン、1,2-エポキシテトラデカン、1,2-エポキシセタン、1,2-エポキシオクタデカン、1,2-エポキシイコサンを挙げることができる。上記の市販品の例としてはGrilonit F713(EMS-CHEMI社製)を挙げることができる。
芳香族エポキシ化合物としては特に制限されず、例えば、多価フェノールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、ポリグリシジルエステルなどを挙げることができ、具体的には、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールAD、ビスフェノールZ、臭素化ビスフェノールA、臭素化ビスフェノールF、臭素化ビスフェノールSまたはこれらに更にエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加した化合物のグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、テトラフェノールエタンのテトラグリシジルエーテル、トリフェノールメタンのトリグリシジルエーテル、フェノール類またはナフトール類とアルデヒド類との縮合物(例えばフェノール樹脂やノボラック樹脂)のグリシジル化物、フェノール類とイソプロペニルアセトフェノンとの縮合物のグリシジル化物、フェノール類とジシクロペンタジエンの反応物ノグリシジル化物、テレフタル酸のジグリシジルエステル、イソフタル酸のジグリシジルエステル、o-フタル酸のジグリシジルエステルなどを挙げることができる。
さらに、ビフェノールのジグリシジルエーテル、テトラメチルビフェノールのジグリシジルエーテル、株式会社プリンテックより発売されているEPOX-MK R710,R1710、下記の化学式で表されるVG3101Lやその他の芳香族エポキシ化合物などを挙げることができる。
Figure 2022037902000002
本発明では、カチオン重合性有機化合物(D)として、上記したエポキシ化合物の1種または2種以上を用いることができ、カチオン重合性有機化合物(D)の全重量に基づいて、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物を30重量%以上の割合で含むことが好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物中に、カチオン重合性有機化合物(D)の一部として上記の一般式(D-1)で表される脂環式ジグリシジルエーテル化合物を含有させると、一般に、経時寸法安定性、耐水性、耐湿性、耐熱性などが優れたものとなる。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物に、カチオン重合性有機化合物(D)の一部として、下記の式(D-2a)で表されるグリシジルエーテル化フェノール基を3個以上有する芳香族化合物[以下「芳香族化合物(D-2)」という]を含有させると、熱変形温度が高くて耐熱性に優れる硬化性樹脂組成物を得ることができる。
耐熱性を向上させるためにカチオン重合性有機化合物(D)の一部として芳香族化合物(D-2)を含有させる場合は、芳香族化合物(D-2)の含有量は、カチオン重合性有機化合物(D)の全重量に基づいて、5~80重量%であることが好ましく、10~50重量%であることがより好ましく、20~40重量%であることが更に好ましい。
Figure 2022037902000003
芳香族化合物(D-2)としては、光硬化性樹脂組成物の粘度を適する粘度に維持し得るものであればいずれでも使用でき、例えば、ノボラック樹脂やレゾール樹脂などのフェノール樹脂のポリグリシジルエーテル、テトラフェノールエタンのテトラグリシジルエーテル、トリフェノールメタンのトリグリシジルエーテル、上記したVG3101L、すなわち、2-[4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]-2-[4-[1,1-ビス[4-([2,3-エポキシプロポキシ]フェニル]エチル]フェニル]プロパンなどを挙げることができる。
上記したVG3101L、すなわち、2-[4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]-2-[4-[1,1-ビス[4-([2,3-エポキシプロポキシ]フェニル]エチル]フェニル]プロパンをカチオン重合性有機化合物の一部として光硬化性樹脂組成物に含有させると、熱変形温度が高くなって耐熱性が向上する。耐熱性を向上させるためにカチオン重合性有機化合物(D)の一部としてVG3101Lを含有させる場合は、VG3101Lの含有量は、カチオン重合性有機化合物(D)の全重量に基づいて、1.5~80重量%が好ましく、5~50重量%がより好ましく、20~40重量%がより好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、光硬化性樹脂組成物の光硬化性能や、低粘度化による作業性の向上などの点から、光硬化性樹脂組成物に含まれるカチオン重合性有機化合物(D)の全重量に基づいて、オキセタン化合物(D-3)を1~35重量%の割合で含有することが好ましく、5~20重量%の割合で含有することがより好ましい。
オキセタン化合物[以下「オキセタン化合物(D-3)」ということがある]としては、1分子中にオキセタン基を1個有するモノオキセタン化合物および1分子中にオキセンタン基を2個以上有するポリオキセタン化合物のうちの1種または2種以上を用いることができる。
特に、カチオン重合性有機化合物(D)の一部としてオキセタン化合物(D-3)を用い、その際にオキセタン化合物(D-3)として、1分子中にオキセタン基を1個有するモノオキセタン化合物(D-3a)と1分子中にオキセンタン基を2個以上有するポリオキセタン化合物(D-3b)を、モノオキセタン化合物(A-3a):ポリオキセタン化合物(D-3b)=95:5~5:95の重量比、更には10:90~90:10の重量比、特に20:80~20:80の重量比で用いると、高湿度状態での光硬化性樹脂組成物の水分および湿気の吸収率が少なくなり、当初の高い硬化感度を長期にわたって維持することができ、しかも靭性が向上する。
その際に、モノオキセタン化合物(D-3a)としては、1分子中にオキセタン基を1個有する化合物であればいずれも使用できるが、特に1分子中にオキセタン基を1個有し且つアルコール性水酸基を1個有するモノオキセタンモノアルコール化合物が好ましく用いられる。
そのような、モノオキセタンモノアルコール化合物のうちでも、入手の容易性、高反応性、粘度が低いなどの点から、下記の一般式(D-3a1)および下記の一般式(D-3a2)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 2022037902000004
(式中、R13およびR14は炭素数1~5のアルキル基、R15はエーテル結合を有していてもよい炭素数2~10のアルキレン基を示す。)
上記の一般式(D-3a1)において、R13の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルを挙げることができる。
モノオキセタンアルコール(D-3a1)の具体例としては、3-ヒドロキシメチル-3-メチルオキセタン、3-ヒドロキシメチル-3-エチルオキセタン、3-ヒドロキシメチル-3-プロピルオキセタン、3-ヒドロキシメチル-3-ノルマルブチルオキセタン、3-ヒドロキシメチル-3-プロピルオキセタンなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。そのうちでも、入手の容易性、反応性などの点から、3-ヒドロキシメチル-3-メチルオキセタン、3-ヒドロキシメチル-3-エチルオキセタンがより好ましく用いられる。
上記の一般式(D-3a2)において、R14の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルを挙げることができる。
また、上記の一般式(D-3a2)において、R15は炭素数2~10のアルキレン基であれば、鎖状のアルキレン基または分岐したアルキレン基のいずれであってもよく、或いはアルキレン基(アルキレン鎖)の途中にエーテル結合(エーテル系酸素原子)を有する炭素数2~10の鎖状または分岐状のアルキレン基であってもよい。R15の具体例としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、3-オキシペンチレン基などを挙げることができる。そのうちでも、R15はトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基またはヘプタメチレン基であることが、合成の容易性、化合物が常温で液体である取り扱い易いなどの点から好ましい。
また、ポリオキセタン化合物(D-3b)としては、オキセタン基を2個有する化合物、オキセタン基を3個以上有する化合物、オキセタン基を4個以上有する化合物のいずれもが使用できるが、オキセタン基を2個有するジオキセタン化合物が好ましく用いられ、そのうちでも下記の一般式(D-3b0)で表されるジオキセタン化合物が、入手性、反応性、低吸湿性、硬化物の力学的特性などの点から好ましく用いられる。
Figure 2022037902000005
(式中、2個のR16は互いに同じかまたは異なる炭素数1~5のアルキル基、R17は芳香環を有しているかまたは有していない2価の有機基、nは0または1を示す。)
上記の一般式(D-3b0)において、R16の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルを挙げることができる。また、R17の例としては、炭素数1~12の直鎖状または分岐状のアルキレン基(例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ネオペンチレン基、n-ペンタメチレン基、n-ヘキサメチレン基など)、式:-CH-Ph-CH-または-CH-Ph-Ph-CH-で表される2価の基、水素添加ビスフェノールA残基、水素添加ビスフェノールF残基、水素添加ビスフェノールS残基、水素添加ビスフェノールZ残基、シクロヘキサンジメタノール残基、トリシクロデカンジメタノール残基、テレフタル酸残基、イソフタル酸残基、o-フタル酸残基などを挙げることができる。
ジオキセタン化合物(D-3b0)の具体例としては、下記の式(D-3b1)または式(D-3b2)で表されるジオキセタン化合物を挙げることができる。
Figure 2022037902000006
(式中、2個のR18は互いに同じかまたは異なる炭素数1~5のアルキル基、R19は芳香環を有しているかまたは有していない2価の有機基を示す。)
上記の式(D-3b1)で表されるジオキセタン化合物の具体例としては、ビス(3-メチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3-プロピル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3-ブチル-3-オキセタニルメチル)エーテルなどを挙げることができる。
また、上記の式(D-3b2)で表されるジオキセタン化合物の具体例としては、上記の式(D-3b2)において2個のR18が共にメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはペンチル基で、R19がエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ネオペンチレン基、n-ペンタメチレン基、n-ヘキサメチレン基など)、式:-CH-Ph-CH-または-CH-Ph-Ph-CH-で表される2価の基、水素添加ビスフェノールA残基、水素添加ビスフェノールF残基、水素添加ビスフェノールS残基、水素添加ビスフェノールZ残基、シクロヘキサンジメタノール残基、トリシクロデカンジメタノール残基であるジオキセタン化合物を挙げることができる。
そのうちでも、ジオキセタン化合物(D-3b0)としては、上記の式(D-3b1)において、2個のR18が共にメチル基またはエチル基であるビス(3-メチル-3-オキセタニルメチル)エーテルおよび/またはビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテルが、入手の容易性、低吸湿性、硬化物の力学的特性などの点から好ましく用いられ、特にビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテルがより好ましく用いられる。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物にアルキレンジオールのジグリシジルエーテル(D-4)を含有させると、靭性が向上する。アルキレンジオールのジグリシジルエーテルとしては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ペンタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、へプタンジオールジグリシジルエーテル、オクタンジオールジグリシジルエーテル、ノナンジオールジグリシジルエーテル、デカンジオールジグリシジルエーテルなどの炭素数2~10のアルキレンジオールのジグリシジルエーテルが好ましく、これらの1種または2種以上を用いることができる。そのうちでも、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルが硬化性能の点からより好ましく用いられる。
靭性を向上させるために、本発明の光硬化性樹脂組成物にアルキレンジオールのジグリシジルエーテルを含有させる場合は、アルキレンジオールのジグリシジルエーテルの含有量は、光硬化性樹脂組成物に含まれるカチオン重合性有機化合物(D)の全重量に基づいて、0.1~20重量%であることが好ましく、0.5~10重量%であることがより好ましく、1~5重量%であることが更に好ましい。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物には、ラジカル重合性有機化合物(E)とラジカル重合開始剤(F)を含有することが好ましい。
ラジカル重合性有機化合物(E)の代表例としては、(メタ)アクリレート基を有する化合物、不飽和ポリエステル化合物、アリルウレタン系化合物、ポリチオール化合物などを挙げることができ、ラジカル重合性有機化合物の1種または2種以上を用いることができる。そのうちでも、1分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が好ましく用いられ、具体例としては、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応生成物、アルコール類の(メタ)アクリル酸エステル、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応生成物としては、芳香族エポキシ化合物、脂環族エポキシ化合物および/または脂肪族エポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸との反応により得られる(メタ)アクリレート系反応生成物を挙げることができ、具体例としては、ビスフェノールAやビスフェノールSなどのビスフェノール化合物またはベンゼン環がアルコキシ基などによって置換されているビスフェノールAやビスフェノールSなどのビスフェノール化合物或いは前記したビスフェノール化合物または置換ビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド付加物とエピクロルヒドリンなどのエポキシ化剤との反応によって得られるグリシジルエーテルを(メタ)アクリル酸と反応させて得られる(メタ)アクリレート、エポキシノボラック樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる(メタ)アクリレート系反応生成物などを挙げることができる。
また、アルコール類の(メタ)アクリル酸エステルとしては、分子中に少なくとも1個の水酸基をもつ芳香族アルコール、脂肪族アルコール、脂環族アルコールおよび/またはそれらのアルキレンオキサイド付加体と、(メタ)アクリル酸との反応により得られる(メタ)アクリレートを挙げることができる。
より具体的には、例えば、ビスフェノールAやビスフェノールSなどのビスフェノール化合物またはベンゼン環がアルコキシ基などによって置換されているビスフェノールAやビスフェノールSなどのビスフェノール化合物のジ(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート[例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートなど]、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの3個以上の水酸基を有する多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート、前記したジオール、トリオール、テトラオール、ヘキサオールなどの多価アルコールのアルキレンオキシド付加物の(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
また、ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとイソシアネート化合物を反応させて得られる(メタ)アクリレートを挙げることができる。前記水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、脂肪族2価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化反応によって得られる水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、具体例としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。また、前記イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどのような1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物が好ましい。
さらに、ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、水酸基含有ポリエステルと(メタ)アクリル酸との反応により得られるポリエステル(メタ)アクリレートを挙げることができる。 また、上記したポリエーテル(メタ)アクリレートとしては、水酸基含有ポリエーテルとアクリル酸との反応により得られるポリエーテルアクリレートを挙げることができる。
光硬化性樹脂組成物に、ラジカル重合性有機化合物(E)の一部として、ラジカル重合性有機化合物(E)の重量に基づいて、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを1~40重量%、特に5~20重量%の量で含有させると、光硬化性樹脂組成物から得られる硬化物の靭性が向上する。但し、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの含有量が多すぎると、得られる硬化物の熱変形温度が低くなり、耐熱性が低下する。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、ラジカル重合開始剤(F)として、光などの活性エネルギー線を照射したときにラジカル重合性有機化合物(E)のラジカル重合を開始させ得る重合開始剤のいずれもが使用でき、例えば、ベンジルまたはそのジアルキルアセタール系化合物、フェニルケトン系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾインまたはそのアルキルエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物などを挙げることができる。
具体的には、ベンジルまたはそのジアルキルアセタール系化合物としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンジル-β-メトキシエチルアセタールなどを挙げることができる。
フェニルケトン系化合物としては、例えば、1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトンなどを挙げることができる。
また、アセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシメチル-1-フェニルプロパン-1-オン、4′-イソプロピル-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオフェノン、p-ジメチルアミノアセトフェノン、p-tert-ブチルジクロロアセトフェノン、p-tert-ブチルトリクロロアセトフェノン、p-アジドベンザルアセトフェノンなどを挙げることができる。
そして、ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインノルマルブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどを挙げることができる。
また、ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラースケトン、4,4′-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4′-ジクロロベンゾフェノンなどを挙げることができる。
そして、チオキサントン系化合物としては、例えば、チオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントンなどを挙げることができる。
本発明では、1種または2種以上のラジカル重合開始剤(F)を所望の性能に応じて配合して使用することができる。
そのうちでも、本発明ではラジカル重合開始剤(F)として、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが、硬化物の強度、耐熱性がすぐれており、反応性も良好である点から好ましく用いられる。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、光硬化性能、得られる硬化物の寸法安定性、力学的特性などの点から、カチオン重合性有機化合物(D)およびラジカル重合性有機化合物(E)を、カチオン重合性有機化合物(D):ラジカル重合性有機化合物(E)=30:70~90:10、更には50:50~90:10、特に60:40~90:10の重量比で含有することが好ましい。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物は、カチオン重合開始剤として用いるオニウム塩(A)を、カチオン重合性有機化合物(D)の重量に基づいて0.1~10重量%、特に1~5重量%の割合で含有し、ラジカル重合開始剤(F)をラジカル重合性有機化合物(E)の重量に基づいて0.1~10重量%、特に1~5重量%の割合で含有することが好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物の具体的な用途としては、塗料、コーティング剤、各種被覆材料(ハードコート、耐汚染被覆材、防曇被覆材、耐触被覆材、光ファイバー等)、粘着テープの背面処理剤、粘着ラベル用剥離シート(剥離紙、剥離プラスチックフィルム、剥離金属箔等)の剥離コーティング材、印刷板、歯科用材料(歯科用配合物、歯科用コンポジット)インキ、インクジェットインキ、各種接着剤(各種電子部品用仮固定剤、HDD用接着剤、ピックアップレンズ用接着剤、FPD用機能性フィルム(偏向板、反射防止膜等)用接着剤、回路形成用および半導体封止用絶縁フィルム、異方導電性接着剤(ACA)、フィルム(ACF)、ペースト(ACP)等)、ホログラフ用樹脂、FPD材料(カラーフィルター、ブラックマトリックス、隔壁材料、ホトスペーサー、リブ、液晶用配向膜、FPD用シール剤等)、光学部材、成形材料(建築材料用、光学部品、レンズ)、注型材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目止め材、シーリング材、フリップチップ、COF等のチップ封止材、CSPあるいはBGA等のパッケージ用封止材、光半導体(LED)封止材、光導波路材料、ナノインプリント材料、光造形用、及びマイクロ光造形用材料等が挙げられる。
以下、実施例および比較例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、各例中の部は重量部を示す。
以下、実施例および比較例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、各例中の部は重量部を示す。
アニオン(B1)~(B5)の製造例
アニオン(B1)の製造例
40%のフッ化水素酸水溶液3.14g(0.0628mol)を25.0gのトリエチレングリコールジメチルエーテルで希釈し、あらかじめ20℃以下に冷却したのち、トリス(ペンタフルオロエチル)ジフルオロホスホラン26.55g(0.0623mol)を攪拌しながらゆっくり投入した。温度は10℃以下になるように、冷却しながらゆっくり投入し反応させた。そこにさらに、その後、40%のフッ化水素酸水溶液0.83g(0.0166mol)を追加し、60℃まで昇温し、15分間加熱したのち、室温に冷却した。水酸化カリウム3.50g(0.0623mol)をあらかじめイオン交換水30gに溶解させた後、投入し、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスホネートのカリウム塩(K+[(C2F5)3(F)3P]-)の溶液を得た。F-NMRの結果、2種の異性体の内、メリディオナル体の割合は84.5重量%であった。
アニオン(B2)の製造例
40%のフッ化水素酸水溶液3.14g(0.0628mol)を25.0gのトリエチレングリコールジメチルエーテルで希釈し、あらかじめ20℃以下に冷却したのち、トリス(ペンタフルオロエチル)ジフルオロホスホラン26.55g(0.0623mol)を攪拌しながらゆっくり投入した。温度は10℃以下になるように、冷却しながらゆっくり投入し反応させた。そこにさらに、その後、40%のフッ化水素酸水溶液0.93g(0.0186mol)を追加し、65℃まで昇温し、15分間加熱したのち、室温に冷却した。水酸化カリウム3.50g(0.0623mol)をあらかじめイオン交換水30gに溶解させた後、投入し、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスホネートのカリウム塩(K+[(C2F5)3(F)3P]-)の溶液を得た。F-NMRの結果、2種の異性体の内、メリディオナル体の割合は79.2重量%であった。
アニオン(B3)の製造例
40%のフッ化水素酸水溶液3.14g(0.0628mol)を25.0gのトリエチレングリコールジメチルエーテルで希釈し、あらかじめ20℃以下に冷却したのち、トリス(ペンタフルオロエチル)ジフルオロホスホラン26.55g(0.0623mol)を攪拌しながらゆっくり投入した。温度は10℃以下になるように、冷却しながらゆっくり投入し反応させた。そこにさらに、その後、40%のフッ化水素酸水溶液2.11g(0.0422mol)を追加し、70℃まで昇温し、15分間加熱したのち、室温に冷却した。水酸化カリウム3.50g(0.0623mol)をあらかじめイオン交換水30gに溶解させた後、投入し、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスホネートのカリウム塩(K+[(C2F5)3(F)3P]-)の溶液を得た。F-NMRの結果、2種の異性体の内、メリディオナル体の割合は55.6重量%であった。
アニオン(B4)の製造例
40%のフッ化水素酸水溶液3.14g(0.0628mol)を25.0gのトリエチレングリコールジメチルエーテルで希釈し、あらかじめ20℃以下に冷却したのち、トリス(ペンタフルオロエチル)ジフルオロホスホラン26.55g(0.0623mol)を攪拌しながらゆっくり投入した。温度は10℃以下になるように、冷却しながらゆっくり投入し反応させた。そこにさらに、その後、40%のフッ化水素酸水溶液3.14g(0.0628mol)を追加し、80℃まで昇温し、15分間加熱したのち、室温に冷却した。水酸化カリウム3.50g(0.0623mol)をあらかじめイオン交換水30gに溶解させた後、投入し、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスホネートのカリウム塩(K+[(C2F5)3(F)3P]-)の溶液を得た。F-NMRの結果、2種の異性体の内、メリディオナル体の割合は50.8重量%であった。
アニオン(B5)の製造例
40%のフッ化水素酸水溶液3.14g(0.0628mol)を25.0gのトリエチレングリコールジメチルエーテルで希釈し、あらかじめ20℃以下に冷却したのち、トリス(ヘプタフルオロプロピル)ジフルオロホスホラン35.90g(0.0623mol)を攪拌しながらゆっくり投入した。温度は10℃以下になるように、冷却しながらゆっくり投入し反応させた。そこにさらに、その後、40%のフッ化水素酸水溶液2.14g(0.0428mol)を追加し、70℃まで昇温し、15分間加熱したのち、室温に冷却した。水酸化カリウム3.50g(0.0623mol)をあらかじめイオン交換水30gに溶解させた後、投入し、トリス(ヘプタフルオロプロピル)トリフルオロホスホネートのカリウム塩(K+[(C3F7)3(F)3P]-)の溶液を得た。F-NMRの結果、2種の異性体の内、メリディオナル体の割合は55.9重量%であった。
アニオン(B’1)の製造例
冷却しながら、フッ化水素(HF)1.26g(0.0628mol)をジエチルエーテル20.0g中にゆっくり加えたのち、トリス(ペンタフルオロエチル)ジフルオロホスホラン33.6gを攪拌しながらゆっくり投入した。温度は5℃以下になるように、冷却しながらゆっくり投入し反応させた。その後、水酸化カリウム3.50g(0.0623mol)をあらかじめイオン交換水30gに溶解させた後、投入し、トリス(ヘプタフルオロプロピル)トリフルオロホスホネートのカリウム塩(K+[(C2F5)3(F)3P]-)の溶液を得た。F-NMRの結果、2種の異性体の内、メリディオナル体の割合は88.3重量%であった。
アニオン(B’2)の製造例
40%のフッ化水素酸水溶液3.14g(0.0628mol)を25.0gのトリエチレングリコールジメチルエーテルで希釈し、あらかじめ20℃以下に冷却したのち、トリス(ペンタフルオロエチル)ジフルオロホスホラン26.55g(0.0623mol)を攪拌しながらゆっくり投入した。温度は10℃以下になるように、冷却しながらゆっくり投入し反応させた。そこにさらに、その後、40%のフッ化水素酸水溶液5.22g(0.104mol)を追加し、90℃まで昇温し、15分間加熱したのち、室温に冷却した。水酸化カリウム3.50g(0.0623mol)をあらかじめイオン交換水30gに溶解させた後、投入し、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスホネートのカリウム塩(K+[(C2F5)3(F)3P]-)の溶液を得た。F-NMRの結果、2種の異性体の内、メリディオナル体の割合は48.2重量%であった。
オニウム塩(A-1)の実施例
4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム・トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスホネート(アニオンのメリディオナル体:84.5重量%)の製造
ジフェニルスルホキシド12.12g、ジフェニルスルフィド9.3g、メタンスルホン酸43.0gを均一に混合した後、無水酢酸7.9gを滴下した。50℃で5時間反応後、室温まで冷却した。この反応溶液にアニオン(B1)を20%水溶液に調整、または溶媒置換したもの124.5gを滴下し、2時間攪拌した。析出した油状分を酢酸エチル120gに抽出し、水槽を分離後、さらに有機層を3回洗浄した。この有機層から溶剤を除去し、トルエン50gを加え溶解させた後、ヘキサン270gを加え混合させた後、2層に分離させるため、1時間放置した。上層を取り除き、残った下層にヘキサン150gを加え、よく攪拌すると、結晶が析出した。この結晶をろ過し、減圧乾燥することで、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスウホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスホネート(アニオンのメリディオナル体:84.5重量%)(A-1)を得た。化学式は下記、(a1)の通り。
Figure 2022037902000007
オニウム塩(A-2)~(A-5)の実施例、および比較例(A’-1)~(A’-2)
(A-1)の製造例のアニオン(B1)のかわりにそれぞれアニオン(B2)~(B5)、およびアニオン(B’1)~(B’2)を用いて、オニウム塩(A-2)~(A-5)、および(A’-1)~(A’-2)を得た。なお、アニオン(B5)20%水溶液の部数のみ、167gとした。合成した化合物名はそれぞれ以下のとおりである。
(A-2):4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム・トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスホネート(アニオンのメリディオナル体:79.2重量%)
(A-3):4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム・トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスホネート(アニオンのメリディオナル体:55.6重量%)
(A-4):4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム・トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスホネート(アニオンのメリディオナル体:50.8重量%)
(A-5):4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム・トリス(ヘプタフルオロプロピル)トリフルオロホスホネート(アニオンのメリディオナル体:55.9重量%)
(A’-1):4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム・トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスホネート(アニオンのメリディオナル体:88.3重量%)
(A’-2):4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム・トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスホネート(アニオンのメリディオナル体:48.2重量%)
化学式は、(A-2)~(A-4)、および(A’-1)~(A’-2)は、(a1)であり、(A-5)は(a2)となる。
Figure 2022037902000008
オニウム塩(A-6)の実施例
(4-イソプロピルフェニル)トリルヨードニウム・トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスホネート(アニオンのメリディオナル体:55.6重量%)の製造
4-メチルヨードベンゼン20gを加え、さらに酢酸50g、硫酸10gを加えて溶解させ、氷水浴にて冷却しながら15℃以下で過硫酸カリウム10gを少しずつ加えた。20℃で4時間反応させ、そこへクメン24.4gを、20℃を超えないように滴下した。その後室温で20時間反応させた。反応液を、等モルのアニオン(B3)を含む水溶液500部へ投入し、さらに3時間攪拌した。そこへジクロロメタン500部を加えた。静置後水層を分液により除去し、有機層を水100部にて5回洗浄を行った。ジクロロメタンを濃縮し、シクロヘキサンで再結晶を行い、(4-イソプロピルフェニル)トリルヨードニウム・トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスホネート(アニオンのメリディオナル体:55.6重量%)(A-6)を得た。化学式は以下、式(a3)の通り。
Figure 2022037902000009
オニウム塩(A-7)の実施例
[4-(4-ビフェニルチオ)フェニル]-4-ビフェニルフェニルスルホニウム・トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスホネート(アニオンのメリディオナル体:55.6重量%)の製造
4-[(フェニル)スルフィニル]ビフェニル11g、4-(フェニルチオ)ビフェニル12g、無水酢酸22g及びメタンスルホン酸16部を均一混合し、65℃で3時間反応させた。反応溶液を室温まで冷却し、イオン交換水100mL中に投入し、ジクロロメタン100gで抽出し、水層のpHが中性になるまで水で洗浄した。ジクロロメタン層をロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、褐色固体を得た。これを酢酸エチル/ヘキサンで洗浄を行い、有機溶媒を濃縮することで中間体を得た。
この中間体、6.2gをジクロロメタン60mLに溶かし、アニオン(B3)を含む水溶液70gを室温下で混合し、そのまま3時間撹拌し、ジクロロメタン層を分液操作にて水で5回洗浄した後、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、[4-(4-ビフェニルチオ)フェニル]-4-ビフェニルフェニルスルホニウム・トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスホネート(アニオンのメリディオナル体:55.6重量%)(A-7)を得た。化学式は以下、式(a4)の通り。
Figure 2022037902000010
オニウム塩(A-8)の実施例
[4-(4-アセチルフェニルチオ)]フェニルジフェニルスルホニウム・トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスホネート(アニオンのメリディオナル体:55.6重量%)の製造
(4-フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート32部を含むジクロロメタン溶液89部を、塩化アルミニウム36部、アセチルクロライド12部、ジクロロメタン200部を混合した懸濁液中に攪拌、冷却下、系内が10℃以下の条件で滴下した。滴下後、室温で2時間攪拌したのち、冷水を300部投入した。上層を除き、ジクロロメタン層をpHが中性になるまでイオン交換水で洗浄した。次いで、アニオン(B3)を含む水溶液70gを室温下で混合し、そのまま3時間撹拌し、ジクロロメタン層を分液操作にて水で5回洗浄した後、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、[4-(4-アセチルフェニルチオ)]フェニルジフェニルスルホニウム・トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスホネート(アニオンのメリディオナル体:55.6重量%)を得た。化学式は以下、式(a5)の通り。
Figure 2022037902000011
オニウム塩(A-9)の実施例
フルオレン骨格スルホニウム・トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスホネート(アニオンのメリディオナル体:55.6重量%)の製造
2-[(フェニル)スルフィニル]-9,9-ジメチルフルオレン1.0部と2-(フェニルチオ)-9,9-ジメチルフルオレン1.1部、無水酢酸2.0部及びメタンスルホン酸1.6部を仕込み、65℃で3時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却し、イオン交換水5.0部中に投入し、ジクロロメタン5.0部で抽出し、水層のpHが中性になるまでイオン交換水で洗浄した。次いで、攪拌下、ジクロロメタン層にアニオン(B3)を含む水溶液70gを室温下で混合し、そのまま3時間撹拌し、ジクロロメタン層を分液操作にて水で5回洗浄した後、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、[4-(4-アセチルフェニルチオ)]フェニルジフェニルスルホニウム・トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスホネート(アニオンのメリディオナル体:55.6重量%)を得た。化学式は以下、式(a6)の通り。
Figure 2022037902000012
<光硬化性樹脂組成物の調整>
(実施例1~12、および比較例1、2)
表1に示した配合量で均一混合して、光硬化性樹脂組成物を得た。
続いて、上記光硬化性樹脂組成物を、ガラス基板に塗布した後、ガラス基板に紫外線照射装置を用いて、フィルターによって波長を限定した紫外光を照射した(500mJ/cm)。なお、フィルターは365フィルター(アイグラフィックス株式会社製、365nm未満の光をカットするフィルター)を使用した。照射後、100℃で2時間加熱して後硬化させ、物性測定用の試験片(JIS K-7113に準拠したダンベル形状の試験片とJIS K-7171に準拠したバー形状の試験片、JIS K-7110に準拠したアイゾット衝撃試験用の試験片)を作製した。
後硬化後の試験片を用いて力学的特性、熱変形温度を以下の方法で測定した。
その結果を表1に示す。
硬化物の力学的特性[引張り特性(引張破断強度、引張弾性率)、曲げ特性(曲げ強度)、衝撃強度]、熱変形温度の測定は、次のようにして行なった。
(1)硬化物の引張り特性(引張破断強度、引張弾性率):
以下の実施例または比較例で作製した硬化物(JIS K-7113に準拠したダンベル形状の試験片)を用いて、株式会社島津製作所のオートグラフ「AGS-10kNX」を使用して、JIS K-7113にしたがって、試験片の引張破断強度(引張強度)、および引張弾性率を測定した。
(2)硬化物の曲げ特性(曲げ強度):
以下の実施例または比較例で作製した硬化物(JIS K-7171に準拠したバー形状の試験片)を用いて、JIS K-7171にしたがって、試験片の曲げ強度を測定した。
(3)硬化物の衝撃強度:
株式会社安田精機製作所の衝撃試験機「No.258-D」を使用して、JIS K-7110に準じて、ノッチ付きでアイゾット衝撃強度を測定した。
(4)硬化物の熱変形温度:
以下の実施例または比較例で作製した硬化物(JIS K-7171に準拠したバー形状の試験片)を用い、株式会社安田精機製作所のヒートデストーションテスター「No.148-HDPC3」を使用して、試験片に1.81MPaの荷重を加えてJIS K-7207(A法)に準拠して試験片の熱変形温度を測定し、さらに試験片に0.45MPaの荷重を加えてJIS K-7207(B法)に準拠して試験片の熱変形温度を測定した。
Figure 2022037902000013
D-1a:3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(株式会社ダイセル製「Cel-2021P」)
D-2b:[2-[4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]-2-[4-[1,1-ビス[4-([2,3-エポキシプロポキシ]フェニル]エチル]フェニル]プロパン](株式会社プリンテック製「VG3101L」)
D-1b:水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(新日本理化株式会社製「HBE-100」)
D-3a1-1:3-エチル-3-ヒドロキシメチルキセタン(東亞合成株式会社製「OXT101」)
D-3b1-1:ビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル(東亞合成株式会社製「OXT221」)
D-4:1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製「EX-212」)
E-1:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(新中村化学工業株式会社製「A-9550W」)
E-2:ラウリルアクリレート(新中村化学工業株式会社製「NKエステル-LA」)
F-1:1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「イルガキュア-184」)
表1の結果より、本発明によって得られる、オニウム塩(A)を含有する光硬化性樹脂組成物は、靭性に優れていて丈夫で破損しにくく、さらに高い熱変形温度を有していて耐熱性に優れる硬化物を製造することができ、更に寸法精度、その他の力学的特性、耐熱性にも優れるので、光硬化性樹脂組成物として極めて有用である。
本発明のオニウム塩(A)は光酸発生剤として機能し、さらにこの光酸発生剤は、光あるいは電子線などの活性エネルギー線照射によって発生する酸の作用により、カチオン重合性有機化合物(D)を反応させ、耐熱性に優れた(すなわち、リフロー方式による半田付け等の高温条件下においても形状を保持することができる)硬化物を得ることができ、電子材料部品の絶縁体用硬化物や実装用接着剤および光造形用樹脂などの用途に特化したカチオン重合性組成物となる。

Claims (6)

  1. カチオンは、ヨードニウム、スルホニウム、アンモニウムの群から選ばれ、アニオンは一般式(1)で表わされるフルオロリン酸アニオン(B)であって、アニオンのフェイシャル体とメリディオナル体の2種の異性体の内、メリディオナル体の割合が、50.0~85.0重量%であるオニウム塩(A)。
    [ (R1)( F)P] (1)

    [式(1)中、Rは、ハロゲン原子が置換した炭素数1~18のアルキル基、または炭素数1~18(以下の置換基の炭素数は含まない)のアリール基である。アリール基中の水素原子の一部が、炭素数1~18のアルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン原子が置換した炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基、炭素数2~18のアルキニル基で置換されていてもよい。]
  2. 上記の一般式(1)における、R1がパーフルオロアルキル基又はフッ素原子で置換されたフェニルである請求項1に記載のオニウム塩(A)。
  3. 請求項1又は2に記載のオニウム塩(A)を含有する光酸発生剤。
  4. 請求項3に記載の光酸発生剤とカチオン重合性有機化合物(D)を含有してなり、オニウム塩(A)がカチオン重合性有機化合物(D)の重量に基づいて0.1~10重量%の割合で含有する光硬化性樹脂組成物。
  5. カチオン重合性有機化合物(D)としてオキセタン化合物(D-3)を含有し、オキセタン化合物(D3)をカチオン重合性有機化合物(D)の重量に基づいて、1~35重量%の割合で含有する請求項4に記載の光硬化性樹脂組成物。
  6. ラジカル重合性有機化合物(E)とラジカル重合開始剤(F)をさらに含有し、カチオン重合性有機化合物(D):ラジカル重合性有機化合物(E)の含有割合が30:70~90:10(重量比)であり、ラジカル重合開始剤(F)をラジカル重合性有機化合物(E)の重量に基づいて0.1~10重量%の割合で含有する請求項4又は5に記載の光硬化性樹脂組成物。
JP2021128724A 2020-08-25 2021-08-05 新規オニウム塩、および光酸発生剤とそれを用いた光硬化性樹脂組成物 Pending JP2022037902A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020141379 2020-08-25
JP2020141379 2020-08-25

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022037902A true JP2022037902A (ja) 2022-03-09

Family

ID=80494890

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021128724A Pending JP2022037902A (ja) 2020-08-25 2021-08-05 新規オニウム塩、および光酸発生剤とそれを用いた光硬化性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022037902A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6949821B2 (ja) 硬化性組成物およびこれを硬化させた硬化物
KR101545931B1 (ko) 방향족 술포늄염 화합물
SE446862B (sv) Triarylsulfoniumkomplexsalter, fotopolymeriserbara kompositioner innehallande nemnda salter samt sett att herda nemnda fotopolymeriserbara kompositioner
KR20120127459A (ko) 장쇄 알킬렌기 함유하는 경화성 에폭시 수지 조성물
TWI743055B (zh) 多官能環氧化合物及含有其之硬化性組合物
JP2022051490A (ja) 光硬化性組成物ならびにその硬化体
JP6893921B2 (ja) エポキシ化合物、これを含む硬化性組成物および硬化性組成物を硬化させた硬化物
JP5828715B2 (ja) スルホニウム塩、光酸発生剤、硬化性組成物およびレジスト組成物
TWI715664B (zh) 含長鏈伸烷基之環氧樹脂組合物
JP2010215616A (ja) スルホニウム塩,光酸発生剤,光硬化性組成物,及びその硬化体
JP5699080B2 (ja) 光酸発生剤,光硬化性組成物,及びその硬化体
CN102471255A (zh) 芳香族锍盐化合物
CN111788181B (zh) 锍盐、光酸产生剂、固化性组合物和抗蚀剂组合物
CN109324477A (zh) 固化性组合物、固化膜、显示面板或oled照明、以及固化物的制造方法
TW201922697A (zh) 光酸產生劑、硬化性組成物、硬化體、光阻組成物以及抗蝕劑圖案的製作方法
JP2013014545A (ja) スルホニウム塩、光酸発生剤、硬化性組成物およびレジスト組成物
JP5699835B2 (ja) 硬化性組成物並びにこれを用いたコーティング用組成物、及びこれらの硬化物
JP2022037902A (ja) 新規オニウム塩、および光酸発生剤とそれを用いた光硬化性樹脂組成物
JP7572267B2 (ja) 硬化性組成物ならびにその硬化体
US20060247401A1 (en) Process for production of monosulfonium salts, cationic polymerization initiators, curable compositions, and products of curing
JP2019183048A (ja) 光熱併用硬化型樹脂組成物、接着剤及びその硬化物
JP5642930B2 (ja) 液状硬化性組成物及びその硬化物
JP6954898B2 (ja) エポキシ化合物、これを含む硬化性組成物および硬化性組成物を硬化させた硬化物
JP2022108851A (ja) 光酸発生剤とそれを用いた光硬化性樹脂組成物
WO2024042952A1 (ja) 酸発生剤、前記酸発生剤を含む硬化性組成物、及びその硬化物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240402