JP2022035421A - 水素精製システムとその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示は、電気化学デバイスの電解質膜-電極接合体に蓄積したアンモニアを除去し、電気化学デバイスの水素純化効率が低下することを抑制できる水素精製システムを提供する。【解決手段】本開示における水素精製システムは、電解質膜-電極接合体へのアンモニアの蓄積量に関連する所定条件を満たした場合に、水素精製モードでの運転を終了して、水分除去手段を使って、電気化学デバイスに残留するガスの水分を除去するので、電解質膜-電極接合体内の水に溶けているアンモニアを気化させて、アンモニアを電気化学デバイスから排出することができる。【選択図】図1

Description

本開示は、水素精製システムとその運転方法に関する。
特許文献1は、水素純度の低い水素含有ガスから水素純度の高い水素を精製する水素精製システムを開示する。
この水素精製システムは、アノードとカソードとの間に電解質膜を有する電気化学デバイスと、都市ガスなどの炭化水素系の燃料から改質反応により生成した水素含有ガスをアノードに供給する改質器と、アノードとカソードとの間に電流を流す電源と、を備える。
アノードに水素含有ガスが供給され、アノードとカソードとの間に電流が流れることにより、アノードは、水素含有ガスに含まれる水素を水素イオンと電子とに解離させ、カソードは、水素イオンと電子とを結合させて水素に戻すので、電気化学デバイスにおいて、水素含有ガスに含まれる水素を精製することができる。
特開2015-117139号公報
本開示は、アンモニアが電解質膜-電極接合体に蓄積して電気化学デバイスの水素純化効率が低下することを抑制できる水素精製システムとその運転方法を提供する。
本開示における水素精製システムは、電解質膜、電解質膜の一方の主面に配置されるアノードおよび電解質膜の他方の主面に配置されるカソードにより電解質膜-電極接合体が構成された電気化学デバイスと、アンモニアと水分を含む水素含有ガスを、第1接続流路を介して、アノードに供給するガス供給手段と、アノードの電位をカソードの電位よりも高くしてアノードとカソードとの間に電流を流す電源と、電気化学デバイスに残留するガスの水分を除去する水分除去手段と、制御器と、を備える。
水素精製システムは、電気化学デバイスによって水素含有ガスの水素を精製する場合は水素精製モードで運転し、水分除去手段によって電解質膜-電極接合体に蓄積されたアンモニアを排出する場合は排出モードで運転する。
電気化学デバイスは、アノードに水素含有ガスが供給されアノードとカソードとの間に所定方向の電流が流れることにより、アノードに供給された水素含有ガスよりも水素の純度が高い精製水素が、カソードから排出されるように構成される。
電気化学デバイスは、電解質膜-電極接合体の他に、アノードに供給する水素含有ガスを流すためのアノード流路がアノードと接する面に形成されたアノード側セパレータと、カソードから排出される精製水素を流すためのカソード流路がカソードと接する面に形成されたカソード側セパレータと、を備える。
アノード側セパレータは、第1接続流路と接続され第1接続流路とアノード流路におけ
る水素含有ガスの流れ方向の上流端とを連通させるアノード側入口と、オフガス排出流路と接続されオフガス排出流路とアノード流路における水素含有ガスの流れ方向の下流端とを連通させるアノード側出口と、を有する。
カソード側セパレータは、第2接続流路と接続され第2接続流路とカソード流路における精製水素の流れ方向の下流端とを連通させる第1カソード側出口と、第1接続流路から分岐した第3接続流路と接続され第3接続流路とカソード流路における精製水素の流れ方向の上流端とを連通させる第2カソード側出口と、を有する。
電気化学デバイスに残留するガスの水分を除去する水分除去手段は、第3接続流路と、一端がオフガス排出流路の途中に接続され他端が第2接続流路に接続されオフガス排出流路と第2接続流路とを連通させる第4接続流路と、水素含有ガス経路切替弁と、アノードオフガス経路切替弁と、精製水素ガス経路切替弁と、ポンプと、水分除去器と、によって構成される。
水素含有ガス経路切替弁は、第1接続流路における第3接続流路が接続される接続点に設けられる。水素含有ガス経路切替弁は、アノード側入口がガス供給手段の出口と第2カソード側出口のうちでガス供給手段の出口のみと連通する第1状態と、アノード側入口がガス供給手段の出口と第2カソード側出口のうちで第2カソード側出口のみと連通する第2状態と、に切替可能に構成される。
アノードオフガス経路切替弁は、オフガス排出流路における第4接続流路が接続される接続点に設けられる。アノードオフガス経路切替弁は、アノード側出口がオフガス排出流路における出口と第4接続流路のうちでオフガス排出流路における出口のみと連通する第1状態と、アノード側出口がオフガス排出流路における出口と第4接続流路のうちで第4接続流路のみと連通する第2状態と、に切替可能に構成される。
精製水素ガス経路切替弁は、第2接続流路における第4接続流路が接続される接続点に設けられる。精製水素ガス経路切替弁は、第1カソード側出口が第2接続流路における出口と第4接続流路のうちで第2接続流路における出口のみと連通する第1状態と、第1カソード側出口が第2接続流路における出口と第4接続流路のうちで第4接続流路のみと連通する第2状態と、に切替可能に構成される。
水素含有ガス経路切替弁によりアノード側入口と第2カソード側出口とが連通し、アノードオフガス経路切替弁と精製水素ガス経路切替弁とによりアノード側出口と第1カソード側出口とが連通することによって、環状の流路が構成される。ポンプは、環状の流路内でガスを循環させるように構成される。
水分除去器は、第1接続流路以外の環状の流路を構成する流路に配置される。水分除去器は、ガスから分離された水分を流路から排出するように構成される。
制御器は、水素精製モードで運転するときは、水素含有ガス経路切替弁とアノードオフガス経路切替弁と精製水素ガス経路切替弁とを、それぞれ第1状態にして、ガス供給手段および電源を動作させ、ポンプを動作させない。
制御器は、排出モードで運転するときは、水素含有ガス経路切替弁とアノードオフガス経路切替弁と精製水素ガス経路切替弁とを、それぞれ第2状態にして、ガス供給手段および電源を動作させず、ポンプおよび水分除去器を動作させる。
本開示における水素精製システムは、排出モードで運転するときに、水分除去手段を使って、電気化学デバイスに残留するガスの水分を除去するので、水に溶けているアンモニアを気化させて、アンモニアを電気化学デバイスから排出することができる。そのため、電解質膜-電極接合体内に蓄積したアンモニアを除去して、電気化学デバイスの水素純化効率が低下することを抑制することができる。
実施の形態1における水素精製システムのシステム構成図 実施の形態1における水素精製システムの水素精製モードで運転しているときの状態を示す説明図 実施の形態1における水素精製システムの排出モードで運転しているときの状態を示す説明図 実施の形態1における水素精製システムの動作を示すフローチャート 実施の形態2における水素精製システムのシステム構成図 実施の形態2における水素精製システムの水素精製モードで運転しているときの状態を示す説明図 実施の形態2における水素精製システムの排出モードで運転しているときの状態を示す説明図 実施の形態2における水素精製システムの環状の流路を水素タンクの精製水素でパージしているときの状態を示す説明図 実施の形態2における水素精製システムの環状の流路を水素タンクの精製水素でパージするのを止めた状態を示す説明図 実施の形態2における水素精製システムの動作を示すフローチャート 実施の形態2における水素精製システムの第4接続流路を除く環状の流路を水素タンクの精製水素でパージしているときの状態を示す説明図
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、都市ガスなどの炭化水素系の燃料を、改質器によって水素純度の低い水素含有ガスに改質させ、この水素含有ガスから水素純度の高い高圧の水素を精製する技術があった。
この水素純度が高い高圧の水素を精製する技術は、アノードとカソードとの間に電解質膜を有する電気化学デバイスを用いて水素を精製するものであって、電解質膜を挟んで配置されるアノードとカソードとの間に電流を流すことにより、アノード側に供給される水素含有ガスに含まれる水素をカソード側に移動させて、カソード側において、精製昇圧した水素を得るものであった。
しかしながら、窒素ガスを含む燃料を使用すると、改質器において窒素と水素とが反応し、副生成物としてアンモニアが生成され、アンモニアを含む水素含有ガスがアノードに供給される。
そうした状況において、発明者らは、アンモニアを含む水素含有ガスをアノードに供給しながら、長時間に渡って、水素を精製すると、電気化学デバイスの抵抗が上昇し、水素純化効率が低下する現象に着目した。
ここで、水素純化効率とは、電気化学デバイスに投入する電気エネルギーに対する、精製する水素のエネルギーの割合である。
そして、発明者らは、アノードに供給されたアンモニアが、アノードに含まれる水に溶
けて、電解質膜-電極接合体内に蓄積することで、電気化学デバイスの抵抗が上昇して、水素精製に必要な電気エネルギーが増え、水素純化効率が低下することを発見した。
これに対し、水素精製運転終了後に、電気化学デバイス内を乾燥させて、電解質膜-電極接合体内の水分を除去することによって、水に溶けているアンモニアが気化して除去され、電気化学デバイスの抵抗の上昇を抑制できるという着想を得た。これらの現象から、本課題の水素純化効率の低下を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで、本開示は、電解質膜-電極接合体内の水に溶けて蓄積したアンモニアを、水素精製運転終了後に、電気化学デバイス内を乾燥させてアンモニアガスとして、排出することで、電解質膜-電極接合体内に蓄積することを抑制し、電気化学デバイスの水素純化効率が低下することを抑制できる水素精製システムとその運転方法とを提供する。
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
なお、添付図面及び以下の説明は、当事者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより、特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
以下、図1から図4を用いて、実施の形態1を説明する。
[1-1.構成]
図1に示すように、水素精製システム100は、電気化学デバイス1と、ガス供給手段30と、電源40と、電圧計41と、水分除去手段17と、温度調節器60と、制御器80と、を備える。
電気化学デバイス1は、電解質膜6と、電解質膜6の一方の主面に配置されるアノード5と、電解質膜6の他方の主面に配置されるカソード7とにより構成された電解質膜-電極接合体8を、アノード側セパレータ20と、カソード側セパレータ21とによって挟持した構成となっている。
本実施の形態の電解質膜-電極接合体8は、電解質膜6として、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系の高分子電解質膜を用い、アノード5およびカソード7として、白金を担持したカーボン粒子を、カーボン製クロス上に塗布形成したものを用いている。
また、本実施の形態の電気化学デバイス1のアノード側セパレータ20およびカソード側セパレータ21は、ガス透過性のない導電性部材である圧縮カーボンによって構成されている。
電気化学デバイス1は、アノード5に水素含有ガスが供給されアノード5とカソード7との間に所定方向の電流が流れることにより、アノード5に供給された水素含有ガスよりも水素の純度が高い精製水素が、カソード7から排出されるように構成される。
アノード側セパレータ20は、アノード5に供給する水素含有ガスを流すためのアノード流路4が、アノード5と接する面に溝状に形成されている。アノード側セパレータ20は、第1接続流路12と接続されるアノード側入口2と、オフガス排出流路16と接続さ
れるアノード側出口3と、を有する。
アノード側入口2は、第1接続流路12とアノード流路4における水素含有ガスの流れ方向の上流端とを連通させる。アノード側出口3は、オフガス排出流路16とアノード流路4における水素含有ガスの流れ方向の下流端とを連通させる。
アノード側入口2とアノード側出口3は、それぞれ、アノード側セパレータ20における外側の面から内側の面にわたって貫通するように設けられる。
カソード側セパレータ21は、カソード7から排出される精製水素を流すためのカソード流路9が、カソード7と接する面に溝状に形成されている。カソード側セパレータ21は、第2接続流路13と接続される第1カソード側出口10と、第1接続流路12から分岐した第3接続流路14と接続される第2カソード側出口11と、を有する。
第1カソード側出口10は、第2接続流路13とカソード流路9における精製水素の流れ方向の下流端とを連通させる。第2カソード側出口11は、第3接続流路14とカソード流路9における精製水素の流れ方向の上流端とを連通させる。
第1カソード側出口10と第2カソード側出口11は、それぞれ、カソード側セパレータ21における外側の面から内側の面にわたって貫通するように設けられる。
ガス供給手段30は、アンモニアと水分を含む水素含有ガスを、第1接続流路12を介して、アノード5(アノード側入口2)に供給するものである。本実施の形態では、ガス供給手段30として、都市ガスなどの炭化水素系の燃料から水蒸気改質反応を利用して水素含有ガスを生成する燃料改質器を用いる。
都市ガスなどの炭化水素系の燃料には窒素が含まれており、さらに、水蒸気改質反応で生成された水素含有ガスに含まれる一酸化炭素を、CO選択酸化除去触媒を用いて二酸化炭素に変換するために空気を混合させると、水素含有ガスにおける窒素の含有比率が増加する。そして、水素含有ガスに含まれる水素と窒素が反応してアンモニアが生成される。
また、水蒸気改質反応では、炭化水素系の燃料と水蒸気を反応させるが、改質触媒上で炭素が析出したり、水素と二酸化炭素が反応して一酸化炭素と水が生成されたりするのを抑制するために、通常、燃料の供給量から算出された理論上の水の供給量に対し、1.5倍程度の水を燃料改質器に供給するので、燃料改質器から排出される水素含有ガスには水蒸気が含まれる。
電源40は、アノード5の電位をカソード7の電位よりも高くして、アノード5とカソード7との間に、アノード5から電解質膜6を通ってカソード7へと向かう方向の電流を流すものである。
本実施の形態では、電源40として、必要とされる流量の精製水素がカソード7から排出されるように、制御器80によって指示された電流量の電流を流す定電流型の直流電源を用いる。
電源40のプラス側出力端子は、アノード側セパレータ20を介してアノード5と電気的に接続され、電源40のマイナス側出力端子は、カソード側セパレータ21を介してカソード7と電気的に接続されている。
電圧計41は、電気化学デバイス1のアノード5とカソード7との間の電圧を計測する
ものである。電圧計41の一方の端子は、アノード側セパレータ20を介してアノード5と電気的に接続され、電圧計41の他方の端子は、カソード側セパレータ21を介してカソード7と電気的に接続されている。
温度調節器60は、電気化学デバイス1に設けられており、電気化学デバイス1の温度を調整する。温度調節器60としては、電気化学デバイス1と熱伝達可能に設けられ、制御器80によって制御されて、電気化学デバイス1を、加熱または冷却するペルチェ素子を用いることができる。
また、温度調節器60として、熱媒体と熱交換可能に構成され、熱媒体の流量と温度の少なくとも一方を制御器80によって制御可能な熱交換器を用いることができる。
水分除去手段17は、第3接続流路14と、一端がオフガス排出流路16の途中に接続され他端が第2接続流路13に接続されオフガス排出流路16と第2接続流路13とを連通させる第4接続流路15と、水素含有ガス経路切替弁43と、アノードオフガス経路切替弁44と、精製水素ガス経路切替弁45と、ポンプ70と、水分除去器50と、によって構成され、電気化学デバイス1に残留するガスの水分を除去する。
水素含有ガス経路切替弁43は、第1接続流路12における第3接続流路14が接続される接続点に設けられる。本実施の形態では、水素含有ガス経路切替弁43として、制御器80によって三方向の出入口のうち少なくとも二方向の出入口の開閉を制御可能な三方向電磁弁を用いる。
水素含有ガス経路切替弁43は、アノード側入口2が、ガス供給手段30における水素含有ガスの出口と第2カソード側出口11のうちで、ガス供給手段30における水素含有ガスの出口のみと連通する第1状態と、アノード側入口2が、ガス供給手段30における水素含有ガスの出口と第2カソード側出口11のうちで、第2カソード側出口11のみと連通する第2状態と、に切替可能に構成される。
アノードオフガス経路切替弁44は、オフガス排出流路16における第4接続流路15が接続される接続点に設けられる。本実施の形態では、アノードオフガス経路切替弁44として、制御器80によって三方向の出入口のうち少なくとも二方向の出入口の開閉を制御可能な三方向電磁弁を用いる。
アノードオフガス経路切替弁44は、アノード側出口3が、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口と第4接続流路15のうちで、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口のみと連通する第1状態と、アノード側出口3が、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口と第4接続流路15のうちで第4接続流路15のみと連通する第2状態と、に切替可能に構成される。
精製水素ガス経路切替弁45は、第2接続流路13における第4接続流路15が接続される接続点に設けられる。本実施の形態では、精製水素ガス経路切替弁45として、制御器80によって三方向の出入口のうち少なくとも二方向の出入口の開閉を制御可能な三方向電磁弁を用いる。
また、精製水素ガス経路切替弁45は、第1カソード側出口10が、第2接続流路13における精製水素の出口と第4接続流路15のうちで、第2接続流路13における精製水素の出口のみと連通する第1状態と、第1カソード側出口10が、第2接続流路13における精製水素の出口と第4接続流路15のうちで、第4接続流路15のみと連通する第2状態と、に切替可能に構成される。
水素含有ガス経路切替弁43が第2状態になることによって、アノード側入口2と第2カソード側出口11とが連通し、アノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45の両方が第2状態になることによって、アノード側出口3と第1カソード側出口10とが連通すると、第1接続流路12と第3接続流路14とが連通し、オフガス排出流路16と第2接続流路13とが第4接続流路15を介して連通するので、環状の流路が構成される。
ポンプ70は、第4接続流路15に配置され、この環状の流路内でガスを循環させるように構成される。動作していない状態のポンプ70が、ガスの流れの抵抗になる場合は、ポンプ70は、第3接続流路14または第4接続流路15に配置することが好ましい。
ポンプ70は、第1接続流路12とアノード流路4とオフガス排出流路16を、それぞれ、電気化学デバイス1によって水素含有ガスの水素を精製する時と、同じ方向にガスが流れ、カソード流路9と第2接続流路13を、それぞれ、電気化学デバイス1によって水素含有ガスの水素を精製する時と、反対方向にガスが流れるように、環状の流路内でガスを循環させる。
本実施の形態とは反対方向に、ポンプ70が、環状の流路内でガスを循環させても構わない。
水分除去器50は、ガスから分離された水分を環状の流路から排出するように構成されるものであり、第1接続流路12以外の環状の流路を構成する流路に配置することができる。本実施の形態では、水分除去器50として、高分子膜式エアードライヤーを用いたので、第4接続流路15におけるポンプ70の吐出側に配置している。
高分子膜式エアードライヤーは、水蒸気を取り除くために、水素や酸素や窒素を非常に透過しにくく、水蒸気は透過し易い高分子材料を用いたものであり、この高分子材料で作られた中空糸膜フィルターの内側に圧縮空気が通ると、水蒸気が膜の外に排出され、出口側には乾燥した空気が得られるようになっている。
制御器80は、ガス供給手段30と、電源40と、水素含有ガス経路切替弁43と、アノードオフガス経路切替弁44と、精製水素ガス経路切替弁45と、温度調節器60と、ポンプ70と、水分除去器50と、を制御することができる。制御器80は、電圧計41によって計測されたアノード5とカソード7との間の電圧を検出することができる。制御器80は、時間を管理するためのタイマー機能を有している。
なお、水分除去器50として高分子膜式エアードライヤーを用いた場合の制御器80による水分除去器50の制御は、例えば、膜の内側と外側の圧力差の調節や、膜の温度と湿り気の調節や、水蒸気の出口の開閉である。
水素精製システム100は、通常は、電気化学デバイス1によって水素含有ガスの水素を精製する水素精製モードで運転する。水素精製モードでの運転時間が長くなると、電解質膜-電極接合体8へのアンモニアの蓄積量が増えることによって、水素純化効率が低下する。
そこで、電圧計41により測定されたアノード5とカソード7との間の電圧が所定電圧を超えた場合に、水素精製モードでの運転を終了して、電解質膜-電極接合体8に蓄積されたアンモニアを排出するための排出モードでの運転を開始する。
水素精製システム100は、電気化学デバイス1によって水素含有ガスの水素を精製する場合は水素精製モードで運転し、水分除去手段17によって電解質膜-電極接合体8に蓄積されたアンモニアを排出する場合は排出モードで運転する。
制御器80は、水素精製システム100を水素精製モードで運転するときは、水素含有ガス経路切替弁43とアノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45とを、それぞれ第1状態にして、温度調節器60、ガス供給手段30および電源40を動作させ、ポンプ70を動作させない。
制御器80は、水素精製システム100を排出モードで運転するときは、水素含有ガス経路切替弁43とアノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45とを、それぞれ第2状態にして、温度調節器60、ガス供給手段30および電源40を動作させず、ポンプ70および水分除去器50を動作させる。
[1-2.動作]
以上のように構成された本実施の形態の水素精製システム100において、図2から図4に基づいて、その動作、作用を以下に説明する。
図2は、本実施の形態における水素精製システム100の水素精製モードで運転しているときの状態を示し、図3は、本実施の形態における水素精製システム100の排出モードで運転しているときの状態を示す。図4は、本実施の形態における水素精製システム100の動作を示すフローチャートである。
水素精製システム100は、水素精製モードでの運転を、ある程度行った結果、電解質膜-電極接合体8に蓄積されたアンモニアによって、水素純化効率が低下する。
そこで、水素精製モードでの運転を行っている時に、電解質膜-電極接合体8へのアンモニアの蓄積量に関連する所定条件を満たした場合に、電解質膜-電極接合体8に蓄積されたアンモニアを排出するために、水素精製モードでの運転を終了して、排出モードでの運転を開始する。
そのため、水素精製システム100の動作の説明は、先に水素精製モードでの運転を説明してから、排出モードでの運転を説明する。
まず、水素精製システム100に対して、水素の精製を開始する(水素精製モードでの運転を開始する)指示が入ると、制御器80は、電気化学デバイス1の温度が70℃になるように温度調節器60を制御する(S001)。本実施の形態では、電気化学デバイス1の温度が70℃前後の場合に、他の温度の場合よりも、電気化学デバイス1の水素純化効率が高くなるように構成されている。
次に、制御器80は、水素含有ガス経路切替弁43とアノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45が、それぞれ第1状態になるようにする(S002)。
水素含有ガス経路切替弁43の第1状態は、アノード側入口2が、ガス供給手段30における水素含有ガスの出口と第2カソード側出口11のうちで、ガス供給手段30における水素含有ガスの出口のみと連通する状態であり、水素含有ガス経路切替弁43における第3接続流路14側の入口が閉状態、水素含有ガス経路切替弁43におけるガス供給手段30側の入口が開状態である。
アノードオフガス経路切替弁44の第1状態は、アノード側出口3が、オフガス排出流
路16におけるアノードオフガスの出口と第4接続流路15のうちで、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口のみと連通する状態であり、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口側の出口が開状態、第4接続流路15側の出口が閉状態である。
精製水素ガス経路切替弁45の第1状態は、第1カソード側出口10が、第2接続流路13における精製水素の出口と第4接続流路15のうちで、第2接続流路13における精製水素の出口のみと連通する状態であり、第2接続流路13の入口と出口が連通状態、第4接続流路15側の入口が閉状態である。
次に、制御器80は、ガス供給手段30を起動して、ガス供給手段30からアノード5への水素含有ガスの供給を開始する(S003)。
このとき、ガス供給手段30から供給される水素含有ガスの流量は、所定流量(5L/min)に設定されており、ガス供給手段30からアノード5に供給される水素含有ガスは、アンモニアと水蒸気とを含んでいる。
S002を実施したことにより、第1接続流路12における水素含有ガスの入口と出口とが連通しているので、ガス供給手段30から第1接続流路12に排出された水素含有ガスは、電気化学デバイス1のアノード側入口2に流入した後に、アノード流路4に流入する。
この時点では、未だ、アノード5とカソード7との間に電流が流れていないので、アノード流路4に流入した水素含有ガスは、アノード側出口3を通って、オフガス排出流路16に排出される。S002を実施したことにより、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの入口と出口とが連通しているので、オフガス排出流路16に流入した水素含有ガスは、オフガス排出流路16の出口から排出される。
オフガス排出流路16の出口から排出される水素含有ガスは、ガス供給手段30の改質触媒を水蒸気改質反応に適した温度に加熱する燃焼器(図示せず)に供給したり、ガス供給手段30に供給される炭化水素系の燃料に混合させたりして有効に活用することができる。
ガス供給手段30からアノード5への水素含有ガスの供給が安定してから、電源40のスイッチを入れて、アノード5とカソード7との間に、アノード5から電解質膜6を通ってカソード7へと流れる電流を所定量(40A)流す(S004)。この40Aの電流値は、電気化学デバイス1のカソード7から、所定流量の精製された水素を得るのに必要な電流量である。
これにより、アノード5では、(化1)に示す、水素含有ガスに含まれる水素が水素イオン(H)と電子(e)とに解離する酸化反応が起こり、水素イオン(H)は、電解質膜6を透過して、アノード5からカソード7に移動し、電子(e)は、電源40を介して、アノード5からカソード7に移動し、カソード7では、(化2)に示す、水素イオン(H)と電子(e)とが結びついて水素になる還元反応が起こる。
Figure 2022035421000002
Figure 2022035421000003
(化1)と(化2)に示す電気化学反応により、アノード5に供給された水素含有ガスから、この水素含有ガスよりも水素純度の高い水素が精製され、その精製水素は、図2に示すように、カソード7から、カソード流路9に排出され、カソード流路9に排出された精製水素は、第1カソード側出口10を通って第2接続流路13に排出される。
アノード流路4に流入した水素含有ガスのうちで、電気化学デバイス1の電気化学反応によってアノード5からカソード7に移動しなかった残りのガス(水素純度が低下した水素含有ガス)は、アノード側出口3を通って、オフガス排出流路16の出口から排出される。
アノード側出口3(オフガス排出流路16の出口)から排出される水素純度が低下した水素含有ガスは、ガス供給手段30の改質触媒を水蒸気改質反応に適した温度に加熱する燃焼器(図示せず)に供給したり、ガス供給手段30に供給される炭化水素系の燃料に混合させたりして有効に活用することができる。
S002を実施したことにより、第2接続流路13における精製水素の入口と出口とが連通しているので、第1カソード側出口10から第2接続流路13に排出された精製水素は、第2接続流路13における精製水素の出口から排出される。
第2接続流路13における精製水素の出口から排出される精製水素は、必要に応じて適切な処理をした後に、貯蔵されたり、水素利用機器で利用されたりする。
次に、制御器80は、水素精製システム100に対して、水素の精製を終了する指示が入ったかを確認する(S005)。
そして、S005において、水素の精製を終了する指示が入っていれば、S005をYes側に分岐して、温度調節器60による温度調節と、ガス供給手段30による水素含有ガスの供給とを停止し、電源40のスイッチを切ってアノード5から電解質膜6を通ってカソード7へと流れる電流を停止して(S017)、水素精製システム100の運転(水素精製モードでの運転)を終了する。
S005において、水素の精製を終了する指示が入っていなければ、S005をNo側に分岐して、電圧計41により、アノード5とカソード7との間の電圧を測定し(S006)、S006で測定した電圧が所定電圧より高いかを確認する。
本実施の形態では、S004を実施した時に電圧計41によって測定した電圧を初期値とし、初期値の3倍の電圧を所定電圧としている(S007)。この所定電圧は、電解質膜-電極接合体8にアンモニアが蓄積されていない状態で水素精製モードでの運転を行っている時に電圧計41によって測定される電圧よりも高い電圧である。
ところで、電解質膜-電極接合体8は、電解質膜-電極接合体8が乾燥し過ぎると、性能が低下するので、電解質膜-電極接合体8の湿潤状態(含水量)を、電気化学デバイス1の電気化学反応に適した状態にする必要があるが、アノード5に供給される水素含有ガスに含まれる水蒸気が、電解質膜-電極接合体8の湿潤状態(含水量)を、電気化学デバイス1の電気化学反応に適した状態にするのに役立っている。
また、アノード5に供給された水素含有ガスに含まれるアンモニアは、アノード5に含まれる水に溶けて、電解質膜-電極接合体8に蓄積されていく。
電解質膜-電極接合体8に蓄積されるアンモニアの量が増えると、アノード5とカソード7との間の電気抵抗が高くなる。
アノード5とカソード7との間の電気抵抗が高くなっても、電源40は、所定量(40A)の電流を、アノード5とカソード7との間に流し続けるので、アノード5とカソード7との間の電圧は、アノード5への水素含有ガスの累積供給量が増加するにつれて高くなる。
S007において、電圧計41により測定したアノード5とカソード7との間の電圧が初期値の3倍(所定電圧)を超えるまでは、S007をNo側に分岐して、現在の状態を所定時間(1分間)継続してから(S008)、S005に戻る。
やがて、S007において、電圧計41により測定したアノード5とカソード7との間の電圧が、初期値の3倍(所定電圧)を超えると、S007をYes側に分岐して、温度調節器60による温度調節と、ガス供給手段30による水素含有ガスの供給と、電源40の電流とを停止して、水素精製モードでの運転を終了する(S009)。
次に、制御器80は、排出モードでの運転を開始するために、水素含有ガス経路切替弁43とアノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45が、それぞれ第2状態になるようにする(S010)。
水素含有ガス経路切替弁43の第2状態は、アノード側入口2が、ガス供給手段30における水素含有ガスの出口と第2カソード側出口11のうちで、第2カソード側出口11のみと連通する状態であり、水素含有ガス経路切替弁43における第3接続流路14側の入口が開状態、水素含有ガス経路切替弁43におけるガス供給手段30側の入口が閉状態である。
アノードオフガス経路切替弁44の第2状態は、アノード側出口3が、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口と第4接続流路15のうちで、第4接続流路15のみと連通する状態であり、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口側の出口が閉状態、第4接続流路15側の出口が開状態である。
精製水素ガス経路切替弁45の第2状態は、第1カソード側出口10が、第2接続流路13における精製水素の出口と第4接続流路15のうちで、第4接続流路15のみと連通する状態であり、第2接続流路13における精製水素の出口側の出入口が閉状態、第1カソード側出口10側の出入口が開状態、第4接続流路15側の入口が閉状態である。
次に、制御器80は、図3に示すように、ポンプ70を起動して、水素含有ガス経路切替弁43によりアノード側入口2と第2カソード側出口11とが連通し、アノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45とによりアノード側出口3と第1カソード側出口10とが連通することによって構成される環状の流路内でガスを循環させ、水分除去器50により、電気化学デバイス1に残留するガスの水分を除去する。
ここで、電気化学デバイス1に残留するガスは、水素含有ガス経路切替弁43とアノード側入口2との間の第1接続流路12とアノード流路4とに残留する水素含有ガスと、アノードオフガス経路切替弁44とアノード側出口3との間のオフガス排出流路16に残留するアノードオフガスと、第1カソード側出口10と精製水素ガス経路切替弁45との間
の第2接続流路13とカソード流路9とに残留する精製水素である。
ポンプ70が動作することによって、電気化学デバイス1に残留するガスは、ポンプ70から水分除去器50に送られ、水分除去器50によって水分が除去される。
そして、水分除去器50によって水分が除去されて乾燥したガスは、精製水素ガス経路切替弁45、第1カソード側出口10を通って、カソード流路9に送られて、カソード流路9を通過するときにカソード7から水分を奪って、第2カソード側出口11、第3接続流路14、水素含有ガス経路切替弁43、アノード側入口2を通って、アノード流路4に送られて、アノード流路4を通過するときにアノード5から水分を奪って、アノード側出口3、アノードオフガス経路切替弁44を通って、ポンプ70に吸い込まれる。
このとき、水分除去器50は、環状の流路内で循環するガスに含まれる水蒸気を、環状の流路の外部に排出する。
次に、現在の状態(排出モードの動作)を所定時間(1分間)継続する(S012)。
次に、制御器80は、排出モードを開始(S010を実施)してからの経過時間を測定し(S013)、S013で測定した経過時間が所定時間(60分)を超えたかを確認する(S014)。
そして、S013で測定した経過時間が所定時間(60分)を超えていなければ、所定時間(60分)を超えるまで、S014をNo側に分岐して、S012に戻る。
やがて、S014において、S013で測定した経過時間が所定時間(60分)を超えると、S014をYes側に分岐して、ポンプ70を停止して、排出モードでの運転(水分除去器50によるガスからの水分除去)を終了する(S015)。
次に、制御器80は、水素精製システム100に対して、水素の精製を再開する指示が入ったかを確認する(S016)。
そして、S016において、水素の精製を再開する指示が入っていれば、S016をYes側に分岐して、S001に戻る。
また、S016において、水素の精製を再開する指示が入っていなければ、S016をNo側に分岐して、水素精製システム100の運転を終了する。
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、水素精製システム100は、電解質膜6、電解質膜6の一方の主面に配置されるアノード5および電解質膜6の他方の主面に配置されるカソード7により電解質膜-電極接合体8が構成された電気化学デバイス1と、アンモニアと水分を含む水素含有ガスを、第1接続流路12を介して、アノード5に供給するガス供給手段30と、アノード5の電位をカソード7の電位よりも高くしてアノード5とカソード7との間に所定方向の電流を流す電源40と、電気化学デバイス1に残留するガスの水分を除去する水分除去手段17と、制御器80と、を備える。
水素精製システム100は、電気化学デバイス1によって水素含有ガスの水素を精製する場合は水素精製モードで運転し、水分除去手段17によって電解質膜-電極接合体8に蓄積されたアンモニアを排出する場合は排出モードで運転する。
電気化学デバイス1は、アノード5に水素含有ガスが供給されてアノード5とカソード7との間に所定方向の電流が流れることにより、アノード5に供給された水素含有ガスよりも水素の純度が高い精製水素が、カソード7から排出されるように構成される。
電気化学デバイス1は、電解質膜-電極接合体8の他に、アノード5に供給する水素含有ガスを流すためのアノード流路4がアノード5と接する面に形成されたアノード側セパレータ20と、カソード7から排出される精製水素を流すためのカソード流路9がカソード7と接する面に形成されたカソード側セパレータ21と、を備える。
アノード側セパレータ20は、第1接続流路12と接続され第1接続流路12とアノード流路4における水素含有ガスの流れ方向の上流端とを連通させるアノード側入口2と、オフガス排出流路16と接続されオフガス排出流路16とアノード流路4における水素含有ガスの流れ方向の下流端とを連通させるアノード側出口3と、を有する。
また、カソード側セパレータ21は、第2接続流路13と接続され第2接続流路13とカソード流路9における精製水素の流れ方向の下流端とを連通させる第1カソード側出口10と、第1接続流路12から分岐した第3接続流路14と接続され第3接続流路14とカソード流路9における精製水素の流れ方向の上流端とを連通させる第2カソード側出口11と、を有する。
電気化学デバイス1に残留するガスの水分を除去する水分除去手段17は、第3接続流路14と、一端がオフガス排出流路16の途中に接続され他端が第2接続流路13に接続されオフガス排出流路16と第2接続流路13とを連通させる第4接続流路15と、水素含有ガス経路切替弁43と、アノードオフガス経路切替弁44と、精製水素ガス経路切替弁45と、ポンプ70と、水分除去器50と、によって構成される。
水素含有ガス経路切替弁43は、第1接続流路12における第3接続流路14が接続される接続点に設けられる。
水素含有ガス経路切替弁43は、アノード側入口2が、ガス供給手段30における水素含有ガスの出口と第2カソード側出口11のうちで、ガス供給手段30における水素含有ガスの出口のみと連通する第1状態と、アノード側入口2が、ガス供給手段における水素含有ガスの出口と第2カソード側出口11のうちで、第2カソード側出口11のみと連通する第2状態と、に切替可能に構成される。
アノードオフガス経路切替弁44は、オフガス排出流路16における第4接続流路15が接続される接続点に設けられる。
アノードオフガス経路切替弁44は、アノード側出口3が、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口と第4接続流路15のうちで、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口のみと連通する第1状態と、アノード側出口3が、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口と第4接続流路15のうちで、第4接続流路15のみと連通する第2状態と、に切替可能に構成される。
精製水素ガス経路切替弁45は、第2接続流路13における第4接続流路15が接続される接続点に設けられる。
精製水素ガス経路切替弁45は、第1カソード側出口10が、第2接続流路13における精製水素の出口と第4接続流路15のうちで、第2接続流路13における精製水素の出口のみと連通する第1状態と、第1カソード側出口10が、第2接続流路13における精
製水素の出口と第4接続流路15のうちで第4接続流路15のみと連通する第2状態と、に切替可能に構成される。
水素含有ガス経路切替弁43が第2状態になってアノード側入口2と第2カソード側出口11とが連通し、アノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45の両方が第2状態になってアノード側出口3と第1カソード側出口10とが連通することによって、環状の流路が構成される。ポンプ70は、この環状の流路内でガスを循環させるように構成される。
水分除去器50は、第1接続流路12以外の環状の流路を構成する流路に配置される。水分除去器50は、環状の流路を循環するガスから分離された水分を流路から排出するように構成される。
制御器80は、水素精製システム100を水素精製モードで運転するときは、水素含有ガス経路切替弁43とアノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45とを、それぞれ第1状態にして、ガス供給手段30および電源40を動作させ、ポンプ70を動作させないように構成される。
制御器80は、水素精製システム100を排出モードで運転するときは、水素含有ガス経路切替弁43とアノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45とを、それぞれ第2状態にして、ガス供給手段30および電源40を動作させず、ポンプ70および水分除去器50を動作させるように構成される。
これにより、水素精製システム100を排出モードで運転するときに、水分除去手段17を使って、電気化学デバイス1に残留するガスの水分を除去するので、電解質膜-電極接合体8内の水に溶けているアンモニアを気化させて、アンモニアを電気化学デバイス1から排出することができる。そのため、電解質膜-電極接合体8内に蓄積したアンモニアを除去して、電気化学デバイス1の水素純化効率が低下することを抑制できる。
また、本実施の形態のように、水素精製システム100が、電気化学デバイス1のアノード5とカソード7との間の電圧を計測する電圧計41を、さらに備え、電源40は、水素精製モードでの運転中は、カソード7から所定流量の精製水素を得るのに必要な所定量(40A)の電流を流して、制御器80が、水素精製モードでの運転中に、電圧計41で計測された電圧が所定電圧(初期値の3倍)以上になると、水素精製モードでの運転を終了して、排出モードでの運転を開始するように構成しても構わない。
そのように構成した場合は、電解質膜-電極接合体8に所定量以上のアンモニアが蓄積したことを自動で確認して、水素精製モードから排出モードへ移行することができる。そのため、電気化学デバイス1の水素純化効率の低下を自動で抑制できる。
(実施の形態2)
以下、図5から図10を用いて、実施の形態2を説明する。
[2-1.構成]
図5に示すように、水素精製システム200は、電気化学デバイス1と、ガス供給手段30と、電源40と、水分除去手段18と、温度調節器60と、水素タンク90と、制御器81と、を備える。
電気化学デバイス1は、電解質膜6と、電解質膜6の一方の主面に配置されるアノード5と、電解質膜6の他方の主面に配置されるカソード7とにより構成された電解質膜-電
極接合体8を、アノード側セパレータ20と、カソード側セパレータ21とによって挟持した構成となっている。
本実施の形態の電解質膜-電極接合体8は、電解質膜6として、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系の高分子電解質膜を用い、アノード5およびカソード7として、白金を担持したカーボン粒子を、カーボン製クロス上に塗布形成したものを用いている。
また、本実施の形態の電気化学デバイス1のアノード側セパレータ20およびカソード側セパレータ21は、ガス透過性のない導電性部材である圧縮カーボンによって構成されている。
電気化学デバイス1は、アノード5に水素含有ガスが供給されアノード5とカソード7との間に所定方向の電流が流れることにより、アノード5に供給された水素含有ガスよりも水素の純度が高い精製水素が、カソード7から排出されるように構成される。
アノード側セパレータ20は、アノード5に供給する水素含有ガスを流すためのアノード流路4が、アノード5と接する面に溝状に形成されている。アノード側セパレータ20は、第1接続流路12と接続されるアノード側入口2と、オフガス排出流路16と接続されるアノード側出口3と、を有する。
アノード側入口2は、第1接続流路12とアノード流路4における水素含有ガスの流れ方向の上流端とを連通させる。アノード側出口3は、オフガス排出流路16とアノード流路4における水素含有ガスの流れ方向の下流端とを連通させる。
アノード側入口2とアノード側出口3は、それぞれ、アノード側セパレータ20における外側の面から内側の面にわたって貫通するように設けられる。
カソード側セパレータ21は、カソード7から排出される精製水素を流すためのカソード流路9が、カソード7と接する面に溝状に形成されている。カソード側セパレータ21は、第2接続流路13と接続される第1カソード側出口10と、第1接続流路12から分岐した第3接続流路14と接続される第2カソード側出口11と、を有する。
第1カソード側出口10は、第2接続流路13とカソード流路9における精製水素の流れ方向の下流端とを連通させる。第2カソード側出口11は、第3接続流路14とカソード流路9における精製水素の流れ方向の上流端とを連通させる。
第1カソード側出口10と第2カソード側出口11は、それぞれ、カソード側セパレータ21における外側の面から内側の面にわたって貫通するように設けられる。
ガス供給手段30は、アンモニアと水分を含む水素含有ガスを、第1接続流路12を介して、アノード5(アノード側入口2)に供給するものである。本実施の形態では、ガス供給手段30として、都市ガスなどの炭化水素系の燃料から水蒸気改質反応を利用して水素含有ガスを生成する燃料改質器を用いる。
都市ガスなどの炭化水素系の燃料には窒素が含まれており、さらに、水蒸気改質反応で生成された水素含有ガスに含まれる一酸化炭素を、CO選択酸化除去触媒を用いて二酸化炭素に変換するために空気を混合させると、水素含有ガスにおける窒素の含有比率が増加する。そして、水素含有ガスに含まれる水素と窒素が反応してアンモニアが生成される。
また、水蒸気改質反応では、炭化水素系の燃料と水蒸気を反応させるが、改質触媒上で炭素が析出したり、水素と二酸化炭素が反応して一酸化炭素と水が生成されたりするのを抑制するために、通常、燃料の供給量から算出された理論上の水の供給量に対し、1.5倍程度の水を燃料改質器に供給するので、燃料改質器から排出される水素含有ガスには水蒸気が含まれる。
電源40は、アノード5の電位をカソード7の電位よりも高くして、アノード5とカソード7との間に、アノード5から電解質膜6を通ってカソード7へと向かう方向の電流を流すものである。
本実施の形態では、電源40として、必要とされる流量の精製水素がカソード7から排出されるように、制御器81によって指示された電流量の電流を流す定電流型の直流電源を用いる。
電源40のプラス側出力端子は、アノード側セパレータ20を介してアノード5と電気的に接続され、電源40のマイナス側出力端子は、カソード側セパレータ21を介してカソード7と電気的に接続されている。
温度調節器60は、電気化学デバイス1に設けられており、電気化学デバイス1の温度を調整する。温度調節器60としては、電気化学デバイス1と熱伝達可能に設けられ、制御器81によって制御されて、電気化学デバイス1を、加熱または冷却するペルチェ素子を用いることができる。
また、温度調節器60として、熱媒体と熱交換可能に構成され、熱媒体の流量と温度の少なくとも一方を制御器81によって制御可能な熱交換器を用いることができる。
水分除去手段18は、第3接続流路14と、一端がオフガス排出流路16の途中に接続され他端が第2接続流路13に接続されオフガス排出流路16と第2接続流路13とを連通させる第4接続流路15と、水素含有ガス経路切替弁43と、アノードオフガス経路切替弁44と、精製水素ガス経路切替弁45と、ポンプ70と、水分除去器51と、によって構成され、電気化学デバイス1に残留するガスの水分を除去する。
水素含有ガス経路切替弁43は、第1接続流路12における第3接続流路14が接続される接続点に設けられる。本実施の形態では、水素含有ガス経路切替弁43として、制御器81によって三方向の出入口のうち少なくとも二方向の出入口の開閉を制御可能な三方向電磁弁を用いる。
水素含有ガス経路切替弁43は、アノード側入口2が、ガス供給手段30における水素含有ガスの出口と第2カソード側出口11のうちで、ガス供給手段30における水素含有ガスの出口のみと連通する第1状態と、アノード側入口2が、ガス供給手段30における水素含有ガスの出口と第2カソード側出口11のうちで、第2カソード側出口11のみと連通する第2状態と、に切替可能に構成される。
アノードオフガス経路切替弁44は、オフガス排出流路16における第4接続流路15が接続される接続点に設けられる。本実施の形態では、アノードオフガス経路切替弁44として、制御器81によって三方向の出入口のうち少なくとも二方向の出入口の開閉を制御可能な三方向電磁弁を用いる。
アノードオフガス経路切替弁44は、アノード側出口3が、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口と第4接続流路15のうちで、オフガス排出流路16におけ
るアノードオフガスの出口のみと連通する第1状態と、アノード側出口3が、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口と第4接続流路15のうちで第4接続流路15のみと連通する第2状態と、アノード側出口3が、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口と第4接続流路15の両方と連通する第3状態と、に切替可能に構成される。
アノードオフガス経路切替弁44の第3状態は、言い換えると、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口が、アノード側出口3と第4接続流路15の両方と連通する状態である。
精製水素ガス経路切替弁45は、第2接続流路13における第4接続流路15が接続される接続点に設けられる。本実施の形態では、精製水素ガス経路切替弁45として、制御器81によって三方向の出入口のうち少なくとも二方向の出入口の開閉を制御可能な三方向電磁弁を用いる。
また、精製水素ガス経路切替弁45は、第1カソード側出口10が、第2接続流路13における精製水素の出口(水素タンク90)と第4接続流路15のうちで、第2接続流路13における精製水素の出口(水素タンク90)のみと連通する第1状態と、第1カソード側出口10が、第2接続流路13における精製水素の出口(水素タンク90)と第4接続流路15のうちで、第4接続流路15のみと連通する第2状態と、第1カソード側出口10が、第2接続流路13における精製水素の出口(水素タンク90)と第4接続流路15の両方と連通する第3状態と、に切替可能に構成される。
精製水素ガス経路切替弁45の第3状態は、言い換えると、水素タンク90が、第1カソード側出口10と第4接続流路15の両方と連通する状態である。
水素含有ガス経路切替弁43が第2状態になることによって、アノード側入口2と第2カソード側出口11とが連通し、アノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45の両方が第2状態になることによって、アノード側出口3と第1カソード側出口10とが連通すると、第1接続流路12と第3接続流路14とが連通し、オフガス排出流路16と第2接続流路13とが第4接続流路15を介して連通するので、環状の流路が構成される。
ポンプ70は、第4接続流路15に配置され、この環状の流路内でガスを循環させるように構成される。
ポンプ70は、第1接続流路12とアノード流路4とオフガス排出流路16を、それぞれ、電気化学デバイス1によって水素含有ガスの水素を精製する時と、同じ方向にガスが流れ、カソード流路9と第2接続流路13を、それぞれ、電気化学デバイス1によって水素含有ガスの水素を精製する時と、反対方向にガスが流れるように、環状の流路内でガスを循環させる。
水分除去器51は、第1カソード側出口10と精製水素ガス経路切替弁45との間の第2接続流路13に配置される。
水分除去器51は、水素精製モードでの運転中は、カソード7(第1カソード側出口10)から排出された精製水素に含まれる水分を第2接続流路13から排出し、排出モードでの運転中は、ポンプ70によって環状の流路内で循環するガスに含まれる水分を第2接続流路13から排出するように構成される。本実施の形態では、水分除去器51として、高分子膜式エアードライヤーを用いた。
高分子膜式エアードライヤーは、水蒸気を取り除くために、水素や酸素や窒素を非常に透過しにくく、水蒸気は透過し易い高分子材料を用いたものであり、この高分子材料で作られた中空糸膜フィルターの内側に圧縮空気が通ると、水蒸気が膜の外に排出され、出口側には乾燥した空気が得られるようになっている。
水素タンク90は、第2接続流路13における精製水素ガス経路切替弁45(第4接続流路15が接続される接続点)よりも精製水素の流れ方向の下流側に配置される。水素タンク90は、水素精製モードでの運転中は、カソード7(第1カソード側出口10)から第2接続流路13に排出された精製水素を貯留する。
また、水素タンク90は、排出モードにおいて、水分除去手段18によって環状の流路内で循環するガスに含まれる水分を第2接続流路13から排出した後に、環状の流路内に残留するガスをパージするための精製水素を供給する。
制御器81は、ガス供給手段30と、電源40と、水素含有ガス経路切替弁43と、アノードオフガス経路切替弁44と、精製水素ガス経路切替弁45と、温度調節器60と、ポンプ70と、水分除去器51と、水素タンク90を制御することができる。制御器81は、時間を管理するためのタイマー機能を有している。
なお、水分除去器51として高分子膜式エアードライヤーを用いた場合の制御器81による水分除去器51の制御は、例えば、膜の内側と外側の圧力差の調節や、膜の温度と湿り気の調節や、水蒸気の出口の開閉である。
また、制御器81による水素タンク90の制御は、例えば、水素タンク90の出入口の弁の開閉である。また、制御器81は、水素タンク90内に貯留した精製水素の量を、水素タンク90に設けた圧力センサ等からの情報を基に検知できる。
水素精製システム200は、通常は、電気化学デバイス1によって水素含有ガスの水素を精製する水素精製モードで運転する。水素精製モードでの運転時間が長くなると、電解質膜-電極接合体8へのアンモニアの蓄積量が増えることによって、水素純化効率が低下する。
そこで、水素精製モードでの運転中に、直近の水素精製モードでの運転開始から所定時間が経過すると、水素精製モードでの運転を終了して、電解質膜-電極接合体8に蓄積されたアンモニアを排出するための排出モードでの運転を開始する。
水素精製システム200は、電気化学デバイス1によって水素含有ガスの水素を精製する場合は水素精製モードで運転し、水分除去手段18によって電解質膜-電極接合体8に蓄積されたアンモニアを排出する場合は排出モードで運転する。
制御器81は、水素精製システム200を水素精製モードで運転するときは、水素含有ガス経路切替弁43とアノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45とを、それぞれ第1状態にして、水分除去器51、温度調節器60、ガス供給手段30および電源40を動作させ、ポンプ70を動作させない。
制御器81は、水素精製システム200を排出モードで運転するときは、水素含有ガス経路切替弁43とアノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45とを、それぞれ第2状態にして、温度調節器60、ガス供給手段30および電源40を動作させず、ポンプ70および水分除去器51を動作させる。
制御器81は、環状の流路内に残留するガスを水素タンク90に貯留された精製水素でパージするときは、温度調節器60、ガス供給手段30、電源40、ポンプ70および水分除去器51を動作させず、水素含有ガス経路切替弁43の第2状態を維持しながら、アノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45とを、それぞれ第3状態にして、水素タンク90に貯留された精製水素を精製水素ガス経路切替弁45方向に逆流させる。
制御器81は、環状の流路内に残留するガスを水素タンク90に貯留された精製水素でパージするのを止めるときは、温度調節器60、ガス供給手段30、電源40、ポンプ70および水分除去器51を動作させず、水素含有ガス経路切替弁43の第2状態を維持しながら、アノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45とを、それぞれ第2状態に戻す。
[2-2.動作]
以上のように構成された本実施の形態の水素精製システム200において、図6から図10に基づいて、その動作、作用を以下に説明する。
図6は、本実施の形態における水素精製システム200の水素精製モードで運転しているときの状態を示し、図7は、本実施の形態における水素精製システム200の排出モードで運転しているときの状態を示し、図8は、本実施の形態における水素精製システム200の環状の流路を水素タンク90の精製水素でパージしているときの状態を示し、図9は、本実施の形態における水素精製システム200の環状の流路を水素タンク90の精製水素でパージするのを止めた状態を示す。
図10は、本実施の形態における水素精製システム200の動作を示すフローチャートである。
水素精製システム200は、水素精製モードでの運転を、ある程度行った結果、電解質膜-電極接合体8に蓄積されたアンモニアによって、水素純化効率が低下する。
そこで、水素精製モードでの運転を行っている時に、電解質膜-電極接合体8へのアンモニアの蓄積量に関連する所定条件を満たした場合に、電解質膜-電極接合体8に蓄積されたアンモニアを排出するために、水素精製モードでの運転を終了して、排出モードでの運転を開始する。
そのため、水素精製システム200の動作の説明は、先に水素精製モードでの運転を説明してから、排出モードでの運転を説明する。
まず、水素精製システム200に対して、水素の精製を開始する(水素精製モードでの運転を開始する)指示が入ると、制御器81は、電気化学デバイス1の温度が70℃になるように温度調節器60を制御する(S101)。本実施の形態では、電気化学デバイス1の温度が70℃前後の場合に、他の温度の場合よりも、電気化学デバイス1の水素純化効率が高くなるように構成されている。
次に、制御器81は、水素含有ガス経路切替弁43とアノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45が、それぞれ第1状態になるようにする(S102)。
水素含有ガス経路切替弁43の第1状態は、アノード側入口2が、ガス供給手段30における水素含有ガスの出口と第2カソード側出口11のうちで、ガス供給手段30におけ
る水素含有ガスの出口のみと連通する状態であり、水素含有ガス経路切替弁43における第3接続流路14側の入口が閉状態、水素含有ガス経路切替弁43におけるガス供給手段30側の入口が開状態である。
アノードオフガス経路切替弁44の第1状態は、アノード側出口3が、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口と第4接続流路15のうちで、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口のみと連通する状態であり、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口側の出口が開状態、第4接続流路15側の出口が閉状態である。
精製水素ガス経路切替弁45の第1状態は、第1カソード側出口10が、第2接続流路13における精製水素の出口(水素タンク90)と第4接続流路15のうちで、第2接続流路13における精製水素の出口(水素タンク90)のみと連通する状態であり、第2接続流路13の入口と出口が連通状態、第4接続流路15側の入口が閉状態である。
次に、制御器81は、ガス供給手段30を起動して、ガス供給手段30からアノード5への水素含有ガスの供給を開始する(S103)。
このとき、ガス供給手段30から供給される水素含有ガスの流量は、所定流量(5L/min)に設定されており、ガス供給手段30からアノード5に供給される水素含有ガスは、アンモニアと水蒸気とを含んでいる。
S102を実施したことにより、第1接続流路12における水素含有ガスの入口と出口とが連通しているので、ガス供給手段30から第1接続流路12に排出された水素含有ガスは、電気化学デバイス1のアノード側入口2に流入した後に、アノード流路4に流入する。
この時点では、未だ、アノード5とカソード7との間に電流が流れていないので、アノード流路4に流入した水素含有ガスは、アノード側出口3を通って、オフガス排出流路16に排出される。S102を実施したことにより、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの入口と出口とが連通しているので、オフガス排出流路16に流入した水素含有ガスは、オフガス排出流路16の出口から排出される。
オフガス排出流路16の出口から排出される水素含有ガスは、ガス供給手段30の改質触媒を水蒸気改質反応に適した温度に加熱する燃焼器(図示せず)に供給したり、ガス供給手段30に供給される炭化水素系の燃料に混合させたりして有効に活用することができる。
ガス供給手段30からアノード5への水素含有ガスの供給が安定してから、電源40のスイッチを入れて、アノード5とカソード7との間に、アノード5から電解質膜6を通ってカソード7へと流れる電流を所定量(40A)流す(S104)。この40Aの電流値は、電気化学デバイス1のカソード7から、所定流量の精製された水素を得るのに必要な電流量である。
これにより、アノード5では、(化1)に示す、水素含有ガスに含まれる水素が水素イオン(H)と電子(e)とに解離する酸化反応が起こり、水素イオン(H)は、電解質膜6を透過して、アノード5からカソード7に移動し、電子(e)は、電源40を介して、アノード5からカソード7に移動し、カソード7では、(化2)に示す、水素イオン(H)と電子(e)とが結びついて水素になる還元反応が起こる。
(化1)と(化2)に示す電気化学反応により、アノード5に供給された水素含有ガスから、この水素含有ガスよりも水素純度の高い水素が精製され、その精製水素は、図6に示すように、カソード7から、カソード流路9に排出され、カソード流路9に排出された精製水素は、第1カソード側出口10を通って第2接続流路13に排出される。
第1カソード側出口10から第2接続流路13に流入した精製水素は、水分除去器51を通過するときに、精製水素に含まれる水分が水分除去器51から第2接続流路13の外部に排出される。
アノード流路4に流入した水素含有ガスのうちで、電気化学デバイス1の電気化学反応によってアノード5からカソード7に移動しなかった残りのガス(水素純度が低下した水素含有ガス)は、アノード側出口3を通って、オフガス排出流路16の出口から排出される。
アノード側出口3(オフガス排出流路16の出口)から排出される水素純度が低下した水素含有ガスは、ガス供給手段30の改質触媒を水蒸気改質反応に適した温度に加熱する燃焼器(図示せず)に供給したり、ガス供給手段30に供給される炭化水素系の燃料に混合させたりして有効に活用することができる。
S102を実施したことにより、第2接続流路13における精製水素の入口と出口とが連通(第1カソード側出口10と水素タンク90とが第2接続流路13を介して連通)しているので、第1カソード側出口10から第2接続流路13に排出された精製水素は、水分除去器51によって精製水素に含まれる水分が除去された後に、水素タンク90に貯留される。
次に、制御器81は、水素精製システム200に対して、水素の精製を終了する指示が入ったかを確認する(S105)。
そして、S105において、水素の精製を終了する指示が入っていれば、S105をYes側に分岐して、温度調節器60による温度調節と、ガス供給手段30による水素含有ガスの供給とを停止し、電源40のスイッチを切ってアノード5から電解質膜6を通ってカソード7へと流れる電流を停止して(S120)、水素精製システム200の運転(水素精製モードでの運転)を終了する。
S105において、水素の精製を終了する指示が入っていなければ、S105をNo側に分岐して、制御器81は、S104においてアノード5とカソード7との間に40Aの電流を流してからの経過時間を測定する(S106)。
次に、制御器81は、S106で測定した経過時間が所定時間(60分)を超えたかを確認する(S107)。本実施の形態では、アノード5とカソード7との間に40Aの電流を流してから、アノード5とカソード7との間の電圧が所定電圧(初期値の3倍)になるまでの経過時間が60分であることが試験で確認できたことから、所定時間を60分に設定している。
ところで、電解質膜-電極接合体8は、電解質膜-電極接合体8が乾燥し過ぎると、性能が低下するので、電解質膜-電極接合体8の湿潤状態(含水量)を、電気化学デバイス1の電気化学反応に適した状態にする必要があるが、アノード5に供給される水素含有ガスに含まれる水蒸気が、電解質膜-電極接合体8の湿潤状態(含水量)を、電気化学デバイス1の電気化学反応に適した状態にするのに役立っている。
また、アノード5に供給された水素含有ガスに含まれるアンモニアは、アノード5に含まれる水に溶けて、電解質膜-電極接合体8に蓄積されていく。
S107において、S106で測定した経過時間が、所定時間(60分)を超えるまでは、S107をNo側に分岐して、現在の状態を所定時間(1分間)継続してから(S108)、S105に戻る。
やがて、S107において、S106で測定した経過時間が、所定時間(60分)を超えると、S107をYes側に分岐して、温度調節器60による温度調節と、ガス供給手段30による水素含有ガスの供給と、電源40の電流とを停止して、水素精製モードでの運転を終了する(S109)。
次に、制御器81は、排出モードでの運転を開始するために、水素含有ガス経路切替弁43とアノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45が、それぞれ第2状態になるようにする(S110)。
水素含有ガス経路切替弁43の第2状態は、アノード側入口2が、ガス供給手段30における水素含有ガスの出口と第2カソード側出口11のうちで、第2カソード側出口11のみと連通する状態であり、水素含有ガス経路切替弁43における第3接続流路14側の入口が開状態、水素含有ガス経路切替弁43におけるガス供給手段30側の入口が閉状態である。
アノードオフガス経路切替弁44の第2状態は、アノード側出口3が、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口と第4接続流路15のうちで、第4接続流路15のみと連通する状態であり、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口側の出口が閉状態、第4接続流路15側の出口が開状態である。
精製水素ガス経路切替弁45の第2状態は、第1カソード側出口10が、第2接続流路13における精製水素の出口と第4接続流路15のうちで、第4接続流路15のみと連通する状態であり、第2接続流路13における精製水素の出口側の出入口が閉状態、第1カソード側出口10側の出入口が開状態、第4接続流路15側の入口が閉状態である。
次に、制御器81は、図7に示すように、ポンプ70を起動して、水素含有ガス経路切替弁43によりアノード側入口2と第2カソード側出口11とが連通し、アノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45とによりアノード側出口3と第1カソード側出口10とが連通することによって構成される環状の流路内でガスを循環させ、水分除去器51により、電気化学デバイス1に残留するガスの水分を除去する。
ここで、電気化学デバイス1に残留するガスは、水素含有ガス経路切替弁43とアノード側入口2との間の第1接続流路12とアノード流路4とに残留する水素含有ガスと、アノードオフガス経路切替弁44とアノード側出口3との間のオフガス排出流路16に残留するアノードオフガスと、第1カソード側出口10と精製水素ガス経路切替弁45との間の第2接続流路13とカソード流路9とに残留する精製水素である。
ポンプ70が動作することによって、電気化学デバイス1に残留するガスは、ポンプ70から精製水素ガス経路切替弁45を介して水分除去器51に送られ、水分除去器51によって水分が除去される。
そして、水分除去器51によって水分が除去されて乾燥したガスは、第1カソード側出口10を通って、カソード流路9に送られて、カソード流路9を通過するときにカソード
7から水分を奪って、第2カソード側出口11、第3接続流路14、水素含有ガス経路切替弁43、アノード側入口2を通って、アノード流路4に送られて、アノード流路4を通過するときにアノード5から水分を奪って、アノード側出口3、アノードオフガス経路切替弁44を通って、ポンプ70に吸い込まれる。
このとき、水分除去器51は、環状の流路内で循環するガスに含まれる水蒸気を、環状の流路の外部に排出する。
次に、現在の状態(排出モードの動作)を所定時間(1分間)継続する(S112)。
次に、制御器81は、排出モードを開始(S110を実施)してからの経過時間を測定し(S113)、S113で測定した経過時間が所定時間(60分)を超えたかを確認する(S114)。
そして、S113で測定した経過時間が所定時間(60分)を超えていなければ、所定時間(60分)を超えるまで、S114をNo側に分岐して、S112に戻る。
やがて、S114において、S113で測定した経過時間が所定時間(60分)を超えると、S114をYes側に分岐して、ポンプ70を停止して、排出モードでの運転(水分除去器51によるガスからの水分除去)を終了する(S115)。
次に、制御器81は、図8に示すように、アノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45とを、それぞれ第3状態(三方が開状態)にして、環状の流路内に残留するガスを水素タンク90に貯留された精製水素でパージする(S116)。
このとき、水素タンク90から逆流する精製水素は、精製水素ガス経路切替弁45で二分され、一方は、ポンプ70が配置された第4接続流路15を通ってアノードオフガス経路切替弁44に到達し、他方は、第2接続流路13、第1カソード側出口10、カソード流路9、第2カソード側出口11、第3接続流路14、水素含有ガス経路切替弁43、第1接続流路12、アノード側入口2、アノード流路4、アノード側出口3、オフガス排出流路16を、順に通って、アノードオフガス経路切替弁44に到達する。
そして、二分された精製水素は、アノードオフガス経路切替弁44において合流して、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口から排出される。
次に、制御器81は、パージを開始(S116を実施)してからの経過時間を測定し(S117)、S117で測定した経過時間が所定時間(2分)を超えたかを確認する(S118)。
本実施の形態では、環状の流路内のガスを水素タンク90に貯留された精製水素でパージする(環状の流路内のガスを精製水素に置換する)のに必要な時間が2分であることが試験で確認できたことから、所定時間を2分に設定している。
そして、S117で測定した経過時間が所定時間(2分)を超えていなければ、所定時間(2分)を超えるまで、S118をNo側に分岐して、S117に戻る。
やがて、S118において、S117で測定した経過時間が所定時間(2分)を超えると、S118をYes側に分岐して、制御器81は、図9に示すようにアノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45とを、それぞれ第2状態にして、環状の流路内に残留するガスを水素タンク90に貯留された精製水素でパージするのを止める(S
119)。
次に、制御器81は、水素精製システム200に対して、水素の精製を再開する指示が入ったかを確認する(S120)。
そして、S120において、水素の精製を再開する指示が入っていれば、S120をYes側に分岐して、S101に戻る。
また、S120において、水素の精製を再開する指示が入っていなければ、S120をNo側に分岐して、水素精製システム200の運転を終了する。
[2-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、水素精製システム200は、電解質膜6、電解質膜6の一方の主面に配置されるアノード5および電解質膜6の他方の主面に配置されるカソード7により電解質膜-電極接合体8が構成された電気化学デバイス1と、アンモニアと水分を含む水素含有ガスを、第1接続流路12を介して、アノード5に供給するガス供給手段30と、アノード5の電位をカソード7の電位よりも高くしてアノード5とカソード7との間に所定方向の電流を流す電源40と、電気化学デバイス1に残留するガスの水分を除去する水分除去手段18と、制御器81と、を備える。
水素精製システム200は、電気化学デバイス1によって水素含有ガスの水素を精製する場合は水素精製モードで運転し、水分除去手段18によって電解質膜-電極接合体8に蓄積されたアンモニアを排出する場合は排出モードで運転する。
電気化学デバイス1は、アノード5に水素含有ガスが供給されてアノード5とカソード7との間に所定方向の電流が流れることにより、アノード5に供給された水素含有ガスよりも水素の純度が高い精製水素が、カソード7から排出されるように構成される。
電気化学デバイス1は、電解質膜-電極接合体8の他に、アノード5に供給する水素含有ガスを流すためのアノード流路4がアノード5と接する面に形成されたアノード側セパレータ20と、カソード7から排出される精製水素を流すためのカソード流路9がカソード7と接する面に形成されたカソード側セパレータ21と、を備える。
アノード側セパレータ20は、第1接続流路12と接続され第1接続流路12とアノード流路4における水素含有ガスの流れ方向の上流端とを連通させるアノード側入口2と、オフガス排出流路16と接続されオフガス排出流路16とアノード流路4における水素含有ガスの流れ方向の下流端とを連通させるアノード側出口3と、を有する。
また、カソード側セパレータ21は、第2接続流路13と接続され第2接続流路13とカソード流路9における精製水素の流れ方向の下流端とを連通させる第1カソード側出口10と、第1接続流路12から分岐した第3接続流路14と接続され第3接続流路14とカソード流路9における精製水素の流れ方向の上流端とを連通させる第2カソード側出口11と、を有する。
電気化学デバイス1に残留するガスの水分を除去する水分除去手段18は、第3接続流路14と、一端がオフガス排出流路16の途中に接続され他端が第2接続流路13に接続されオフガス排出流路16と第2接続流路13とを連通させる第4接続流路15と、水素含有ガス経路切替弁43と、アノードオフガス経路切替弁44と、精製水素ガス経路切替弁45と、ポンプ70と、水分除去器51と、によって構成される。
水素含有ガス経路切替弁43は、第1接続流路12における第3接続流路14が接続される接続点に設けられる。
水素含有ガス経路切替弁43は、アノード側入口2が、ガス供給手段30における水素含有ガスの出口と第2カソード側出口11のうちで、ガス供給手段30における水素含有ガスの出口のみと連通する第1状態と、アノード側入口2が、ガス供給手段における水素含有ガスの出口と第2カソード側出口11のうちで、第2カソード側出口11のみと連通する第2状態と、に切替可能に構成される。
アノードオフガス経路切替弁44は、オフガス排出流路16における第4接続流路15が接続される接続点に設けられる。
アノードオフガス経路切替弁44は、アノード側出口3が、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口と第4接続流路15のうちで、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口のみと連通する第1状態と、アノード側出口3が、オフガス排出流路16におけるアノードオフガスの出口と第4接続流路15のうちで、第4接続流路15のみと連通する第2状態と、に切替可能に構成される。
精製水素ガス経路切替弁45は、第2接続流路13における第4接続流路15が接続される接続点に設けられる。
精製水素ガス経路切替弁45は、第1カソード側出口10が、第2接続流路13における精製水素の出口(水素タンク90)と第4接続流路15のうちで、第2接続流路13における精製水素の出口(水素タンク90)のみと連通する第1状態と、第1カソード側出口10が、第2接続流路13における精製水素の出口(水素タンク90)と第4接続流路15のうちで、第4接続流路15のみと連通する第2状態と、に切替可能に構成される。
水素含有ガス経路切替弁43が第2状態になってアノード側入口2と第2カソード側出口11とが連通し、アノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45の両方が第2状態になってアノード側出口3と第1カソード側出口10とが連通することによって、環状の流路が構成される。ポンプ70は、この環状の流路内でガスを循環させるように構成される。
水分除去器51は、第1カソード側出口10と精製水素ガス経路切替弁45との間の第2接続流路13に配置される。水分除去器51は、水素精製モードでの運転中は、カソード7(第1カソード側出口10)から排出された精製水素に含まれる水分を第2接続流路13から排出し、排出モードでの運転中は、ポンプ70によって環状の流路内で循環するガスに含まれる水分を第2接続流路13から排出するように構成される。
制御器81は、水素精製システム200を水素精製モードで運転するときは、水素含有ガス経路切替弁43とアノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45とを、それぞれ第1状態にして、ガス供給手段30および電源40を動作させ、ポンプ70を動作させないように構成される。
制御器81は、水素精製システム200を排出モードで運転するときは、水素含有ガス経路切替弁43とアノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45とを、それぞれ第2状態にして、ガス供給手段30および電源40を動作させず、ポンプ70および水分除去器51を動作させるように構成される。
これにより、水素精製システム200を排出モードで運転するときに、水分除去手段1
8を使って、電気化学デバイス1に残留するガスの水分を除去するので、電解質膜-電極接合体8内の水に溶けているアンモニアを気化させて、アンモニアを電気化学デバイス1から排出することができる。そのため、電解質膜-電極接合体8内に蓄積したアンモニアを除去して、電気化学デバイス1の水素純化効率が低下することを抑制できる。
また、本実施の形態のように、水素精製システム200の制御器81が、水素精製モードでの運転中に、直近の水素精製モードでの運転開始から所定時間(60分)が経過すると、水素精製モードでの運転を終了して、排出モードでの運転を開始するように構成しても構わない。
そのように構成した場合は、アノード5とカソード7との間の電圧を計測する電圧計が必要なく、電解質膜-電極接合体8に所定量以上のアンモニアが蓄積したことを自動で確認して、水素精製モードから排出モードへ移行することができる。そのため、電気化学デバイス1の水素純化効率の低下を自動で抑制できる。
また、本実施の形態のように、水素精製システム200が、第2接続流路13における精製水素ガス経路切替弁45よりも精製水素の流れ方向の下流側に、カソード7からカソード流路9と第1カソード側出口10を経て第2接続流路13に排出された精製水素を貯留する水素タンク90をさらに備える場合は、アノードオフガス経路切替弁44を、オフガス排出流路16における出口がアノード側出口3と第4接続流路15の両方と連通する第3状態に切替可能に構成し、精製水素ガス経路切替弁45を、水素タンク90が第1カソード側出口10と第4接続流路15の両方と連通する第3状態に切替可能に構成し、制御器81が、排出モードの運転を終了するときに、ポンプ70と水分除去器51を停止して、アノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45とを、それぞれ第3状態にしても構わない。
そのように構成した場合は、電気化学デバイス1を含む環状の流路に残留するガスを、水素タンク90内の精製水素でパージするので、排出モードでの運転で、気化して電解質膜-電極接合体8から離れたアンモニアが再び電解質膜-電極接合体8に蓄積されるのを抑制して、水素精製モードでの運転を再開するときに水素精製モードでの運転開始時から純度の高い精製水素を水素タンク90に供給することができる。
本実施の形態のように、ポンプ70によって環状の流路内で循環するガスに含まれる水分を環状の流路から排出するための水分除去器51を、第1カソード側出口10と精製水素ガス経路切替弁45との間の第2接続流路13に配置しても構わない。
そのように構成した場合は、水分除去器51は、水素精製モードでの運転中は、カソード7(第1カソード側出口10)から排出された精製水素に含まれる水分を第2接続流路13から排出し、排出モードでの運転中は、ポンプ70によって環状の流路内で循環するガスに含まれる水分を第2接続流路13から排出することができる。1つの水分除去器51を2つの用途に兼用できるため、水素精製システム200のコンパクト化と低コスト化が可能となる。
(その他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1および2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1および2で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
例えば、実施の形態1における図4のS007の電圧の判定基準を変更しても良い。ま
た、実施の形態2における図10のS107の経過時間の判定基準を変更しても良い。
また、実施の形態2における図10のS116では、図8に示すように、アノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45とを、それぞれ第3状態(三方が開状態)にして、環状の流路内に残留するガスを水素タンク90に貯留された精製水素でパージすると説明したが、これに限らない。
例えば、ポンプ70が停止している時のポンプ70の流路抵抗が小さ過ぎて、ポンプ70が配置された第4接続流路15を通ってアノードオフガス経路切替弁44に到達する精製水素の流量の割合が多くなり、第3接続流路14を通るルートのパージに時間が掛かるために、無駄に排出する精製水素の量が多くなる場合は、パージする時間を、アノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45とを、それぞれ第3状態(三方が開状態)にする時間と、図11に示すように、アノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45とを、それぞれ第1状態にする時間と、に分けて、両方のルートをパージしても構わない。
また、ポンプ70が停止している時のポンプ70の流路抵抗が大き過ぎて、ポンプ70が配置された第4接続流路15を通ってアノードオフガス経路切替弁44に到達する精製水素が、ほとんど無い場合や、水素精製モードでは第4接続流路15の出入口を閉じているために、第4接続流路15をパージする必要性が少ない場合は、アノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45とを、それぞれ第3状態(三方が開状態)にせずに、図11に示すように、アノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45とを、それぞれ第1状態にして、第3接続流路14を通るルートのみをパージしても構わない。
また、ポンプ70が逆方向にガスを搬送可能で、ポンプ70が停止している時のポンプ70の流路抵抗が大き過ぎる場合は、アノードオフガス経路切替弁44と精製水素ガス経路切替弁45とを、それぞれ第3状態(三方が開状態)にして、パージする時間を、ポンプ70を逆方向に駆動させて第4接続流路15を通るルートをパージする時間と、ポンプ70を停止させて第3接続流路14を通るルートをパージする時間と、に分けても構わない。
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、電気化学式水素精製システムに適用可能である。具体的には、アンモニアと水分を含む水素含有ガスが電解質膜-電極接合体のアノードに供給される電気化学デバイスを用いて水素を純化する水素精製システムなどに適用可能である。
1 電気化学デバイス
2 アノード側入口
3 アノード側出口
4 アノード流路
5 アノード
6 電解質膜
7 カソード
8 電解質膜-電極接合体
9 カソード流路
10 第1カソード側出口
11 第2カソード側出口
12 第1接続流路
13 第2接続流路
14 第3接続流路
15 第4接続流路
16 オフガス排出流路
17,18 水分除去手段
20 アノード側セパレータ
21 カソード側セパレータ
30 ガス供給手段
40 電源
41 電圧計
43 水素含有ガス経路切替弁
44 アノードオフガス経路切替弁
45 精製水素ガス経路切替弁
50,51 水分除去器
60 温度調節器
70 ポンプ
80,81 制御器
90 水素タンク
100,200 水素精製システム

Claims (7)

  1. 電解質膜、前記電解質膜の一方の主面に配置されるアノードおよび前記電解質膜の他方の主面に配置されるカソードにより電解質膜-電極接合体が構成され、前記アノードに水素含有ガスが供給され前記アノードと前記カソードとの間に所定方向の電流が流れることにより、前記アノードに供給された水素含有ガスよりも水素の純度が高い精製水素が、前記カソードから排出されるように構成された電気化学デバイスと、
    アンモニアと水分を含む水素含有ガスを、第1接続流路を介して、前記アノードに供給するガス供給手段と、
    前記アノードの電位を前記カソードの電位よりも高くして前記アノードと前記カソードとの間に前記電流を流す電源と、
    前記電気化学デバイスに残留するガスの水分を除去する水分除去手段と、
    制御器と、を備え、前記電気化学デバイスによって水素含有ガスの水素を精製する場合は水素精製モードで運転し、前記水分除去手段によって前記電解質膜-電極接合体に蓄積されたアンモニアを排出する場合は排出モードで運転する水素精製システムであって、
    前記電気化学デバイスは、前記アノードに供給する水素含有ガスを流すためのアノード流路が前記アノードと接する面に形成されたアノード側セパレータと、前記カソードから排出される精製水素を流すためのカソード流路が前記カソードと接する面に形成されたカソード側セパレータと、を備え、
    前記アノード側セパレータは、前記第1接続流路と接続され前記第1接続流路と前記アノード流路における水素含有ガスの流れ方向の上流端とを連通させるアノード側入口と、オフガス排出流路と接続され前記オフガス排出流路と前記アノード流路における水素含有ガスの流れ方向の下流端とを連通させるアノード側出口と、を有し、
    前記カソード側セパレータは、第2接続流路と接続され前記第2接続流路と前記カソード流路における精製水素の流れ方向の下流端とを連通させる第1カソード側出口と、前記第1接続流路から分岐した第3接続流路と接続され前記第3接続流路と前記カソード流路における精製水素の流れ方向の上流端とを連通させる第2カソード側出口と、を有し、
    前記水分除去手段は、前記第3接続流路と、一端が前記オフガス排出流路の途中に接続され他端が前記第2接続流路に接続され前記オフガス排出流路と前記第2接続流路とを連通させる第4接続流路と、水素含有ガス経路切替弁と、アノードオフガス経路切替弁と、精製水素ガス経路切替弁と、ポンプと、水分除去器と、によって構成され、
    前記水素含有ガス経路切替弁は、前記第1接続流路における前記第3接続流路が接続される接続点に設けられ、前記アノード側入口が前記ガス供給手段の出口と前記第2カソード側出口のうちで前記ガス供給手段の出口のみと連通する第1状態と、前記アノード側入口が前記ガス供給手段の出口と前記第2カソード側出口のうちで前記第2カソード側出口のみと連通する第2状態と、に切替可能に構成され、
    前記アノードオフガス経路切替弁は、前記オフガス排出流路における前記第4接続流路が接続される接続点に設けられ、前記アノード側出口が前記オフガス排出流路における出口と前記第4接続流路のうちで前記オフガス排出流路における出口のみと連通する第1状態と、前記アノード側出口が前記オフガス排出流路における出口と前記第4接続流路のうちで前記第4接続流路のみと連通する第2状態と、に切替可能に構成され、
    前記精製水素ガス経路切替弁は、前記第2接続流路における前記第4接続流路が接続される接続点に設けられ、前記第1カソード側出口が前記第2接続流路における出口と前記第4接続流路のうちで前記第2接続流路における出口のみと連通する第1状態と、前記第1カソード側出口が前記第2接続流路における出口と前記第4接続流路のうちで前記第4接続流路のみと連通する第2状態と、に切替可能に構成され、
    前記ポンプは、前記水素含有ガス経路切替弁により前記アノード側入口と前記第2カソード側出口とが連通し、前記アノードオフガス経路切替弁と前記精製水素ガス経路切替弁とにより前記アノード側出口と前記第1カソード側出口とが連通することによって構成される環状の流路内でガスを循環させるように構成され、
    前記水分除去器は、前記第1接続流路以外の前記環状の流路を構成する流路に配置されて、ガスから分離された水分を流路から排出するように構成され、
    前記制御器は、
    前記水素精製モードで運転するときは、前記水素含有ガス経路切替弁と前記アノードオフガス経路切替弁と前記精製水素ガス経路切替弁とを、それぞれ前記第1状態にして、前記ガス供給手段および前記電源を動作させ、前記ポンプを動作させず、
    前記排出モードで運転するときは、前記水素含有ガス経路切替弁と前記アノードオフガス経路切替弁と前記精製水素ガス経路切替弁とを、それぞれ前記第2状態にして、前記ガス供給手段および前記電源を動作させず、前記ポンプおよび前記水分除去器を動作させる水素精製システム。
  2. 前記第2接続流路における前記精製水素ガス経路切替弁よりも精製水素の流れ方向の下流側に、前記カソードから前記第2接続流路に排出された前記精製水素を貯留する水素タンクをさらに備え、
    前記アノードオフガス経路切替弁は、前記オフガス排出流路における出口が前記アノード側出口と前記第4接続流路の両方と連通する第3状態に切替可能に構成され、
    前記精製水素ガス経路切替弁は、前記水素タンクが前記第1カソード側出口と前記第4接続流路の両方と連通する第3状態に切替可能に構成され、
    前記制御器は、前記排出モードの運転を終了するときに、前記ポンプおよび前記水分除去器を停止して、前記アノードオフガス経路切替弁と前記精製水素ガス経路切替弁とを、それぞれ前記第3状態にする請求項1に記載の水素精製システム。
  3. 前記第2接続流路における前記精製水素ガス経路切替弁よりも精製水素の流れ方向の下流側に、前記カソードから前記第2接続流路に排出された前記精製水素を貯留する水素タンクをさらに備え、
    前記ポンプは、前記第4接続流路に配置され、
    前記制御器は、前記排出モードの運転を終了するときに、前記ポンプおよび前記水分除去器を停止して、前記アノードオフガス経路切替弁と前記精製水素ガス経路切替弁とを、それぞれ前記第1状態にする請求項1に記載の水素精製システム。
  4. 前記水分除去器は、前記第1カソード側出口と前記精製水素ガス経路切替弁との間の前記第2接続流路に配置される請求項1から3のいずれか1項に記載の水素精製システム。
  5. 前記電気化学デバイスの前記アノードと前記カソードとの間の電圧を計測する電圧計をさらに備え、
    前記電源は、前記水素精製モードでの運転中は、前記カソードから設定量の精製水素を得るのに必要な電流を流し、
    前記制御器は、前記水素精製モードでの運転中に、前記電圧計で計測された電圧が所定値以上になると、前記水素精製モードでの運転を終了して、前記排出モードでの運転を開始する請求項1から3のいずれか1項に記載の水素精製システム。
  6. 前記制御器は、前記水素精製モードでの運転中に、直近の前記水素精製モードでの運転開始から所定時間が経過すると、前記水素精製モードでの運転を終了して、前記排出モードでの運転を開始する請求項1から3のいずれか1項に記載の水素精製システム。
  7. 電解質膜、前記電解質膜の一方の主面に配置されるアノードおよび前記電解質膜の他方の主面に配置されるカソードにより電解質膜-電極接合体が構成され、前記アノードに水素含有ガスが供給され前記アノードと前記カソードとの間に所定方向の電流が流れることにより、前記アノードに供給された水素含有ガスよりも水素の純度が高い精製水素が、前記カソードから排出されるように構成された電気化学デバイスと、
    アンモニアと水分を含む水素含有ガスを、第1接続流路を介して、前記アノードに供給するガス供給手段と、
    前記アノードの電位を前記カソードの電位よりも高くして前記アノードと前記カソードとの間に前記電流を流す電源と、
    前記電気化学デバイスに残留するガスの水分を除去する水分除去手段と、
    を備え、
    前記電気化学デバイスは、前記アノードに供給する水素含有ガスを流すためのアノード流路が前記アノードと接する面に形成されたアノード側セパレータと、前記カソードから排出される精製水素を流すためのカソード流路が前記カソードと接する面に形成されたカソード側セパレータと、を備え、
    前記アノード側セパレータは、前記第1接続流路と接続され前記第1接続流路と前記アノード流路における水素含有ガスの流れ方向の上流端とを連通させるアノード側入口と、オフガス排出流路と接続され前記オフガス排出流路と前記アノード流路における水素含有ガスの流れ方向の下流端とを連通させるアノード側出口と、を有し、
    前記カソード側セパレータは、第2接続流路と接続され前記第2接続流路と前記カソード流路における精製水素の流れ方向の下流端とを連通させる第1カソード側出口と、前記第1接続流路から分岐した第3接続流路と接続され前記第3接続流路と前記カソード流路における精製水素の流れ方向の上流端とを連通させる第2カソード側出口と、を有し、
    前記水分除去手段は、前記第3接続流路と、一端が前記オフガス排出流路の途中に接続され他端が前記第2接続流路に接続され前記オフガス排出流路と前記第2接続流路とを連通させる第4接続流路と、水素含有ガス経路切替弁と、アノードオフガス経路切替弁と、精製水素ガス経路切替弁と、ポンプと、水分除去器と、によって構成され、
    前記水素含有ガス経路切替弁は、前記第1接続流路における前記第3接続流路が接続される接続点に設けられ、前記アノード側入口が前記ガス供給手段の出口と前記第2カソード側出口のうちで前記ガス供給手段の出口のみと連通する第1状態と、前記アノード側入口が前記ガス供給手段の出口と前記第2カソード側出口のうちで前記第2カソード側出口のみと連通する第2状態と、に切替可能に構成され、
    前記アノードオフガス経路切替弁は、前記オフガス排出流路における前記第4接続流路が接続される接続点に設けられ、前記アノード側出口が前記オフガス排出流路における出口と前記第4接続流路のうちで前記オフガス排出流路における出口のみと連通する第1状態と、前記アノード側出口が前記オフガス排出流路における出口と前記第4接続流路のうちで前記第4接続流路のみと連通する第2状態と、に切替可能に構成され、
    前記精製水素ガス経路切替弁は、前記第2接続流路における前記第4接続流路が接続される接続点に設けられ、前記第1カソード側出口が前記第2接続流路における出口と前記第4接続流路のうちで前記第2接続流路における出口のみと連通する第1状態と、前記第1カソード側出口が前記第2接続流路における出口と前記第4接続流路のうちで前記第4接続流路のみと連通する第2状態と、に切替可能に構成され、
    前記ポンプは、前記水素含有ガス経路切替弁により前記アノード側入口と前記第2カソード側出口とが連通し、前記アノードオフガス経路切替弁と前記精製水素ガス経路切替弁とにより前記アノード側出口と前記第1カソード側出口とが連通することによって構成される環状の流路内でガスを循環させるように構成され、
    前記水分除去器は、前記第1接続流路以外の前記環状の流路を構成する流路に配置されて、ガスから分離された水分を流路から排出するように構成され、
    前記電気化学デバイスによって水素含有ガスの水素を精製する場合は水素精製モードで運転し、前記水分除去手段によって前記電解質膜-電極接合体に蓄積されたアンモニアを排出する場合は排出モードで運転する水素精製システムの運転方法であって、
    前記水素精製モードで運転するときは、前記水素含有ガス経路切替弁と前記アノードオフガス経路切替弁と前記精製水素ガス経路切替弁とを、それぞれ前記第1状態にして、前記ガス供給手段および前記電源を動作させ、前記ポンプを動作させず、
    前記排出モードで運転するときは、前記水素含有ガス経路切替弁と前記アノードオフガ
    ス経路切替弁と前記精製水素ガス経路切替弁とを、それぞれ前記第2状態にして、前記ガス供給手段および前記電源を動作させず、前記ポンプおよび前記水分除去器を動作させる水素精製システムの運転方法。
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