JP2004071348A - 燃料循環式燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料循環式燃料電池システムにおいて、システム全体の燃費向上を図る。
【解決手段】水素ガスおよび空気を供給されて発電を行う燃料電池1と、燃料電池1に水素ガスを供給する水素ガス供給流路10と、燃料電池1から排出される水素オフガスを水素ガス供給流路10に合流させる水素オフガス循環流路20と、を備えた燃料循環式燃料電池システムにおいて、水素オフガス循環流路20に、水分量の多い流体から水分量の少ない流体に水分を移動させる水透過膜式除湿器21を設け、この水透過膜式除湿器21により水素オフガス循環流路20を流れる流体の水分を水透過膜式除湿器21に供給される除湿用流体としての空気に移動させて、水素オフガスから水分を除去する。
【選択図】 図1
【解決手段】水素ガスおよび空気を供給されて発電を行う燃料電池1と、燃料電池1に水素ガスを供給する水素ガス供給流路10と、燃料電池1から排出される水素オフガスを水素ガス供給流路10に合流させる水素オフガス循環流路20と、を備えた燃料循環式燃料電池システムにおいて、水素オフガス循環流路20に、水分量の多い流体から水分量の少ない流体に水分を移動させる水透過膜式除湿器21を設け、この水透過膜式除湿器21により水素オフガス循環流路20を流れる流体の水分を水透過膜式除湿器21に供給される除湿用流体としての空気に移動させて、水素オフガスから水分を除去する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料循環式燃料電池システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池自動車等に搭載される燃料電池には、固体高分子電解質膜の両側にアノードとカソードとを備え、アノードに燃料ガス(例えば水素ガス)を供給し、カソードに酸化剤ガス(例えば酸素あるいは空気)を供給して、これらガスの酸化還元反応にかかる化学エネルギを直接電気エネルギとして抽出するようにしたものがある。
【0003】
この燃料電池では、アノードで水素ガスがイオン化して固体高分子電解質中を移動し、電子は、外部負荷を通ってカソードに移動し、酸素と反応して水を生成する一連の電気化学反応による電気エネルギを取り出すことができるようになっている。このように、燃料電池での発電には水の生成を伴うので、電池から排出される酸化剤ガス(すなわち、酸化剤オフガス)には水分が含まれている。また、燃料電池から排出される燃料ガス(すなわち、燃料オフガス)にも生成水が固体高分子電解質膜を透過してくることにより水分が含まれている。
また、この種の燃料電池では、一般に、発電に供された後に燃料電池から排出される燃料ガス、すなわち燃料オフガスには未反応の燃料ガスが含まれているので、燃費向上のため、燃料オフガスをリサイクルさせ新鮮な燃料ガスと混合して再度燃料電池に供給している。
【0004】
ところで、この燃料電池にあっては、固体高分子電解質膜が乾燥してしまうと、イオン伝導率が低下し、発電出力が低下するため、良好な発電性能を保つために固体高分子電解質膜に水分を供給する必要がある。
このため、この種の燃料電池では、一般に、燃料電池に供給する前に予め燃料ガスあるいは酸化剤ガス若しくはこれら両方のガスを加湿器で加湿し、加湿されたこれらガスを固体高分子電解質膜に供給することにより、固体高分子電解質膜に水分を供給している(特開平8−273687号等)。
【0005】
一方、固体高分子電解質膜への水分供給が過多になると、燃料電池内部のガス通路内で水蒸気が凝縮して該ガス通路を閉塞(フラッディング)し、ガス供給を阻害して発電が不安定になり、発電出力(セル電圧)が低下する場合がある。特に、アノード側においては、燃料オフガスを循環利用しているため、水分が徐々に増えていく傾向にあり、水分過多になり易い。
そのため、従来は、セル電圧が低下した場合には、燃料オフガスの循環流路に設けられたパージ弁を開放して燃料オフガスを外部にパージし、燃料電池内部のガス流速を一時的に速めることにより燃料電池内の余分な水分を系外に放出し、発電を安定させてセル電圧を回復させていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のようにパージ弁を開放して水分を放出するようにした場合には、水分の放出と同時に燃料ガスも系外に放出されることとなるため、燃料消費率(燃費という場合もある)が悪くなるという問題がある。
そこで、この発明は、燃料オフガスを除湿してから循環使用することにより、アノードの水分過多を防止し、燃料電池の発電性能の低下を抑制して、システム全体の燃費向上を図ることができる燃料循環式燃料電池システムを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、燃料(例えば、後述する実施の形態における水素ガス)および酸化剤(例えば、後述する実施の形態における空気)を供給されて発電を行う燃料電池(例えば、後述する実施の形態における燃料電池1)と、前記燃料電池に前記燃料を供給する燃料供給流路(例えば、後述する実施の形態における水素ガス供給流路10)と、前記燃料電池から排出される燃料オフガス(例えば、後述する実施の形態における水素オフガス)を前記燃料供給流路に合流させる循環流路(例えば、後述する実施の形態における水素オフガス循環流路20)と、を備えた燃料循環式燃料電池システムにおいて、前記循環流路に配置され水分量の多い流体から水分量の少ない流体に水分を移動させる水透過膜式除湿器(例えば、後述する実施の形態における除湿器21)により、前記循環流路を流れる流体の水分を前記水透過膜式除湿器に供給される除湿用流体(例えば、後述する実施の形態における空気)に移動させることを特徴とする。
このように構成することにより、燃料を放出することなく燃料オフガス中の水分だけを除去することができる。
【0008】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、前記除湿用流体は圧送された空気であることを特徴とする。
このように構成することにより、除湿用流体を簡単に用意することが可能になる。
請求項3に記載した発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、燃料循環式燃料電池システムは自動車に搭載されており、前記除湿用流体が前記水透過膜式除湿器に供給されたのち車外に放出されることを特徴とする。
水透過膜式除湿器は水分の透過のみを許可しガスの透過を阻止するので、燃料オフガスが膜を透過して除湿用流体に混入することはない。したがって、除湿用流体を水透過膜式除湿器に供給したのち車外に放出しても、燃料オフガスが車外に放出されることはない。また、燃料オフガスから除去された水分を除湿用流体とともに車外に放出することができる。
【0009】
請求項4に記載した発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明において、前記除湿用流体は前記燃料電池に供給される前記酸化剤が分岐したものであることを特徴とする。
このように構成することにより、酸化剤とは別に除湿用流体を用意する必要がなくなる。
請求項5に記載した発明は、請求項4に記載の発明において、前記除湿用流体は、前記水透過膜式除湿器に供給されたのち前記燃料電池に供給される前記酸化剤に合流されることを特徴とする。
このように構成することにより、燃料オフガスから除去した水分を酸化剤とともに燃料電池のカソードに供給することができる。
【0010】
請求項6に記載した発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明において、前記燃料電池に供給される前記酸化剤は、前記燃料電池から排出される酸化剤オフガス(例えば、後述する実施の形態における空気オフガス)の水分を該酸化剤に移動可能な膜加湿器(例えば、後述する実施の形態におけるカソード加湿器3)によって加湿されたのち前記燃料電池に供給され、前記除湿用流体は、前記水透過膜式除湿器に供給されたのち前記膜加湿器に供給される前記酸化剤オフガスに合流されることを特徴とする。
このように構成することにより、燃料オフガスから除去した水分を酸化剤オフガスとともに膜加湿器に供給することができる。
【0011】
請求項7に記載した発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の発明において、前記循環流路にはパージ用バルブ(例えば、後述する実施の形態におけるパージ弁23)が設けられていることを特徴とする。
このように構成することにより、必要に応じてパージ用バルブを開放して燃料オフガスを放出することができる。
請求項8に記載した発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の発明において、前記除湿用流体の流量が流量制御手段(例えば、後述する実施の形態における流量制御弁34)により制御可能であることを特徴とする。
このように構成することで、除湿用流体の流量を制御することにより、燃料オフガスから除去される水分量を制御することが可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る燃料循環式燃料電池システムの実施の形態を図1から図3の図面を参照して説明する。なお、以下に説明する各実施の形態は、燃料電池自動車に搭載される燃料循環式燃料電池システムの態様である。
【0013】
〔第1の実施の形態〕
初めに、この発明に係る燃料循環式燃料電池システム(以下、燃料電池システムと略す)の第1の実施の形態を図1の図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施の形態における燃料電池システムの概略構成図である。
燃料電池1は、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜をアノードとカソードとで両側から挟み込んで形成されたセルを複数積層して構成されたスタックからなり、アノードに燃料として水素ガスを供給し、カソードに酸化剤として酸素を含む空気を供給すると、アノードで触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を通過してカソードまで移動して、カソードで酸素と電気化学反応を起こして発電し、水が生成される。カソード側で生じた生成水の一部は固体高分子電解質膜を介してアノード側に逆拡散するため、アノード側にも生成水が存在する。
【0014】
空気はコンプレッサ2により所定圧力に加圧され、空気流路31を通って燃料電池1のカソードに供給される。空気流路31にはカソード加湿器(膜加湿器)3が設けられており、空気はカソード加湿器3の加湿側に供給される。燃料電池1に供給された空気は発電に供された後、燃料電池1からカソード側の生成水と共に空気オフガスとして空気オフガス流路32に排出され、カソード加湿器3の加湿媒体側に供給された後、圧力制御弁4を介して排出される。カソード加湿器3において、空気オフガスの水分が燃料電池1に供給される空気に受け渡されて、該空気が加湿される。したがって、燃料電池1のカソードにはカソード加湿器3で加湿された空気が供給される。
【0015】
一方、図示しない水素タンクから供給される水素ガスは、水素ガス供給流路(燃料供給流路)10を通って燃料電池1のアノードに供給される。そして、消費されなかった未反応の水素ガスは、アノード側の生成水と共に水素オフガスとしてアノードから水素オフガス循環流路(循環流路)20に排出される。水素オフガス循環流路20は、水素オフガスをエゼクタ11を介して水素ガス供給流路10に合流させる流路であり、水素オフガス循環流路20には除湿器21と水素ポンプ22が設けられている。
【0016】
除湿器21は、ガスの透過を阻止し水蒸気の透過だけを許可する非多孔質な透過膜(イオン水和型透過膜あるいは溶解拡散型透過膜など)を介して該透過膜の両面に接する流体間で水分量の多い流体から水分量の少ない流体に水分を移動させる水透過膜式除湿器で構成されている。前記透過膜の素材としては、ペルフルオロスルホン酸ポリマーを例示することができる。
前記水素オフガスは除湿器21の除湿側を流通した後、水素ポンプ22で加圧されてエゼクタ11に導入され、前記水素タンクから供給される新鮮な水素ガスと合流して、再び燃料電池1のアノードに供給される。
【0017】
除湿器21の除湿媒体側には、コンプレッサ2とカソード加湿器3の間の空気流路31から分岐された除湿媒体流路33を介して、加湿される前の加圧された空気の一部が除湿用流体として供給される。除湿媒体流路33には、除湿器21の除湿媒体側に供給される空気の流量を制御するための流量制御弁(流量制御手段)34が設けられている。
除湿器21において、除湿側に供給された水素オフガスの水分が、除湿媒体側に供給された空気に移動するので、水分を除去された水素オフガスをエゼクタ11に導入することができる。水素オフガスから除去された水分は除湿用流体である空気とともに除湿器21から車外に放出される。なお、除湿器21は水透過膜式除湿器であるので水素ガスが透過膜を除湿媒体側に透過することはない。したがって、除湿器21から水素ガスが車外に放出されることもない。
【0018】
また、除湿器21の除湿媒体側に供給される空気の流量を流量制御弁34により所定に制御することによって、水素オフガスから除去する水分量を適切に制御することができ、エゼクタ11に導入される水素オフガスの水分量を適正に制御することができ、ひいては、燃料電池1のアノードに供給される水素ガスの湿度を適正に制御することができる。
このようにして水素オフガスの水分を除去することにより、燃料電池1のアノードで水分が過多となるのを防止することができ、燃料電池1の発電性能の低下を防止することができ、各セル電圧の低下を防止することができる。
なお、水素オフガス中の水分の割合が低下すると、エゼクタ11による水素オフガスを循環させる効率が向上し、その結果、燃料電池1で発生した水分を除湿器21で捕集する効率が向上する。
【0019】
以上のように、第1の実施の形態の燃料循環式燃料電池システムによれば、水素ガスを放出することなく水素オフガス中の水分だけを車外に排出することができるので、発電性能の低下を防止することができるとともに、水素タンクから供給された水素ガスの総てを燃料電池1の発電に利用することができ、燃料電池システム全体としての燃費が向上する。
また、燃料電池1のカソードに供給される加湿前の空気を除湿用流体として用いているので、除湿専用の流体を別個に用意する必要がなく、システム構成が簡単になる。
【0020】
〔第2の実施の形態〕
次に、この発明に係る燃料循環式燃料電池システムの第2の実施の形態を図2の図面を参照して説明する。前述した第1の実施の形態では除湿器21の除湿媒体側から排出される空気を車外にパージしているが、第2の実施の形態では、除湿器21の除湿媒体側から排出される空気を、加湿空気流路35を介してカソード加湿器3と燃料電池1の間の空気流路31に合流させている。
その他の構成については第1の実施の形態のものと同じであるので、同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0021】
このように構成することにより、水素オフガスから除去された水分を含む空気を、カソード加湿器3で加湿された空気と合流させて、燃料電池1のカソードに供給することができる。
その結果、この第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態における燃料循環式燃料電池システムの作用・効果に加えて、燃料電池1のアノードの水分をカソードの加湿に利用することができるので、カソードの加湿性能が向上する。また、カソード加湿器3の負荷を減少させることができるので、カソード加湿器3を小型化することも可能になる。
【0022】
〔第3の実施の形態〕
次に、この発明に係る燃料循環式燃料電池システムの第3の実施の形態を図3の図面を参照して説明する。前述した第1の実施の形態では除湿器21の除湿媒体側から排出される空気を車外にパージしているが、第3の実施の形態では、除湿器21の除湿媒体側から排出される空気を、加湿空気流路36を介して燃料電池1とカソード加湿器3の間の空気オフガス流路32に合流させている。
その他の構成については第1の実施の形態のものと同じであるので、同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0023】
このように構成することにより、水素オフガスから除去された水分を含む空気を、燃料電池1のカソードから排出される水分を含む空気オフガスと合流させて、カソード加湿器3の加湿媒体側に供給することができる。そして、カソード加湿器3において、除湿器21の除湿媒体側から排出された空気中の水分と空気オフガス中の水分が、コンプレッサ2から圧送された新鮮な空気に移動してこれを加湿する。その結果、この第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態における燃料循環式燃料電池システムの作用・効果に加えて、燃料電池1のアノードの水分をカソードの加湿に利用することができるので、カソードの加湿性能が向上する。
なお、カソード加湿器3の加湿媒体側に供給された空気は、加湿に供されず余った水分とともに圧力制御弁4を介して車外に排出される。
【0024】
なお、燃料電池1の発電性能はアノードの水分過多以外の要因で低下することも考えられる。例えば、水素オフガスの循環利用は水素以外の不純物(例えば、窒素)の濃度上昇を生じさせることがあり、この不純物濃度の上昇が燃料電池1の発電性能を低下させることが考えられる。
そこで、図1、図2、図3において破線で示すように、除湿器21と水素ポンプ22を接続する水素オフガス循環流路20にパージ弁(パージ用バルブ)23を設けておき、燃料電池1の発電性能が低下したときに、流量制御弁34によって除湿器21に供給される空気流量を増大させても発電性能が回復しない場合に、パージ弁23を開放することにより発電性能を回復することができるようにすることも可能である。このようにパージ弁23を設けた場合であっても、従来よりは水素の放出を極めて少なくすることができる。
【0025】
〔他の実施の形態〕
尚、この発明は前述した実施の形態に限られるものではない。
例えば、燃料電池の燃料は純粋な水素ガスに限られるものではなく、例えば、炭化水素を含む液体燃料(ガソリンやメタノールなど)を改質して生成された水素を多く含む燃料ガスであってもよい。
また、エゼクタ11や水素ポンプ22を設けなくても、本発明は成立する。
【0026】
【発明の効果】
以上説明するように、請求項1に記載した発明によれば、燃料を放出することなく燃料オフガス中の水分だけを除去することができるので、発電性能の低下を防止することができるとともに、燃料電池に供給される燃料の総てを発電のために利用することができ、燃料電池システム全体としての燃費が向上するという優れた効果が奏される。
【0027】
請求項2に記載した発明によれば、除湿用流体を簡単に用意することが可能になり、システムの構成が簡単になるという効果がある。
請求項3に記載した発明によれば、燃料を車外に放出することなく燃料オフガス中の水分だけを車外に放出することができるという効果がある。
請求項4に記載した発明によれば、酸化剤とは別に除湿用流体を用意する必要がなくなり、システムの構成が簡単になるという効果がある。
【0028】
請求項5に記載した発明によれば、燃料オフガスから除去した水分を酸化剤とともに燃料電池のカソードに供給することができるので、燃料電池のアノードの水分をカソードの加湿に利用することができ、カソードの加湿性能を向上させることができるという効果がある。
請求項6に記載した発明によれば、燃料オフガスから除去した水分を酸化剤オフガスとともに膜加湿器に供給することができるので、燃料電池のアノードの水分をカソードの加湿に利用することができ、カソードの加湿性能を向上させることができるという効果がある。
【0029】
請求項7に記載した発明によれば、必要に応じてパージ用バルブを開放して燃料オフガスを放出することができるので、アノードの水分過多以外の要因によって燃料電池の発電性能が低下したときに、燃料オフガスを放出して発電性能の回復を図ることができるという効果がある。
請求項8に記載した発明によれば、除湿用流体の流量を制御することにより、燃料オフガスから除去される水分量を制御することができるので、燃料供給流路に合流せしめられる燃料オフガスの水分量を制御することができ、ひいては、燃料電池に供給される燃料の水分量を制御することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る燃料循環式燃料電池システムの第1の実施の形態における概略構成図である。
【図2】この発明に係る燃料循環式燃料電池システムの第2の実施の形態における概略構成図である。
【図3】この発明に係る燃料循環式燃料電池システムの第3の実施の形態における概略構成図である。
【符号の説明】
1 燃料電池
3 カソード加湿器(膜加湿器)
10 水素ガス供給流路(燃料供給流路)
20 水素オフガス循環流路(循環流路)
21 除湿器
23 パージ弁(パージ用バルブ)
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料循環式燃料電池システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池自動車等に搭載される燃料電池には、固体高分子電解質膜の両側にアノードとカソードとを備え、アノードに燃料ガス(例えば水素ガス)を供給し、カソードに酸化剤ガス(例えば酸素あるいは空気)を供給して、これらガスの酸化還元反応にかかる化学エネルギを直接電気エネルギとして抽出するようにしたものがある。
【0003】
この燃料電池では、アノードで水素ガスがイオン化して固体高分子電解質中を移動し、電子は、外部負荷を通ってカソードに移動し、酸素と反応して水を生成する一連の電気化学反応による電気エネルギを取り出すことができるようになっている。このように、燃料電池での発電には水の生成を伴うので、電池から排出される酸化剤ガス(すなわち、酸化剤オフガス)には水分が含まれている。また、燃料電池から排出される燃料ガス(すなわち、燃料オフガス)にも生成水が固体高分子電解質膜を透過してくることにより水分が含まれている。
また、この種の燃料電池では、一般に、発電に供された後に燃料電池から排出される燃料ガス、すなわち燃料オフガスには未反応の燃料ガスが含まれているので、燃費向上のため、燃料オフガスをリサイクルさせ新鮮な燃料ガスと混合して再度燃料電池に供給している。
【0004】
ところで、この燃料電池にあっては、固体高分子電解質膜が乾燥してしまうと、イオン伝導率が低下し、発電出力が低下するため、良好な発電性能を保つために固体高分子電解質膜に水分を供給する必要がある。
このため、この種の燃料電池では、一般に、燃料電池に供給する前に予め燃料ガスあるいは酸化剤ガス若しくはこれら両方のガスを加湿器で加湿し、加湿されたこれらガスを固体高分子電解質膜に供給することにより、固体高分子電解質膜に水分を供給している(特開平8−273687号等)。
【0005】
一方、固体高分子電解質膜への水分供給が過多になると、燃料電池内部のガス通路内で水蒸気が凝縮して該ガス通路を閉塞(フラッディング)し、ガス供給を阻害して発電が不安定になり、発電出力(セル電圧)が低下する場合がある。特に、アノード側においては、燃料オフガスを循環利用しているため、水分が徐々に増えていく傾向にあり、水分過多になり易い。
そのため、従来は、セル電圧が低下した場合には、燃料オフガスの循環流路に設けられたパージ弁を開放して燃料オフガスを外部にパージし、燃料電池内部のガス流速を一時的に速めることにより燃料電池内の余分な水分を系外に放出し、発電を安定させてセル電圧を回復させていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のようにパージ弁を開放して水分を放出するようにした場合には、水分の放出と同時に燃料ガスも系外に放出されることとなるため、燃料消費率(燃費という場合もある)が悪くなるという問題がある。
そこで、この発明は、燃料オフガスを除湿してから循環使用することにより、アノードの水分過多を防止し、燃料電池の発電性能の低下を抑制して、システム全体の燃費向上を図ることができる燃料循環式燃料電池システムを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、燃料(例えば、後述する実施の形態における水素ガス)および酸化剤(例えば、後述する実施の形態における空気)を供給されて発電を行う燃料電池(例えば、後述する実施の形態における燃料電池1)と、前記燃料電池に前記燃料を供給する燃料供給流路(例えば、後述する実施の形態における水素ガス供給流路10)と、前記燃料電池から排出される燃料オフガス(例えば、後述する実施の形態における水素オフガス)を前記燃料供給流路に合流させる循環流路(例えば、後述する実施の形態における水素オフガス循環流路20)と、を備えた燃料循環式燃料電池システムにおいて、前記循環流路に配置され水分量の多い流体から水分量の少ない流体に水分を移動させる水透過膜式除湿器(例えば、後述する実施の形態における除湿器21)により、前記循環流路を流れる流体の水分を前記水透過膜式除湿器に供給される除湿用流体(例えば、後述する実施の形態における空気)に移動させることを特徴とする。
このように構成することにより、燃料を放出することなく燃料オフガス中の水分だけを除去することができる。
【0008】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、前記除湿用流体は圧送された空気であることを特徴とする。
このように構成することにより、除湿用流体を簡単に用意することが可能になる。
請求項3に記載した発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、燃料循環式燃料電池システムは自動車に搭載されており、前記除湿用流体が前記水透過膜式除湿器に供給されたのち車外に放出されることを特徴とする。
水透過膜式除湿器は水分の透過のみを許可しガスの透過を阻止するので、燃料オフガスが膜を透過して除湿用流体に混入することはない。したがって、除湿用流体を水透過膜式除湿器に供給したのち車外に放出しても、燃料オフガスが車外に放出されることはない。また、燃料オフガスから除去された水分を除湿用流体とともに車外に放出することができる。
【0009】
請求項4に記載した発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明において、前記除湿用流体は前記燃料電池に供給される前記酸化剤が分岐したものであることを特徴とする。
このように構成することにより、酸化剤とは別に除湿用流体を用意する必要がなくなる。
請求項5に記載した発明は、請求項4に記載の発明において、前記除湿用流体は、前記水透過膜式除湿器に供給されたのち前記燃料電池に供給される前記酸化剤に合流されることを特徴とする。
このように構成することにより、燃料オフガスから除去した水分を酸化剤とともに燃料電池のカソードに供給することができる。
【0010】
請求項6に記載した発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明において、前記燃料電池に供給される前記酸化剤は、前記燃料電池から排出される酸化剤オフガス(例えば、後述する実施の形態における空気オフガス)の水分を該酸化剤に移動可能な膜加湿器(例えば、後述する実施の形態におけるカソード加湿器3)によって加湿されたのち前記燃料電池に供給され、前記除湿用流体は、前記水透過膜式除湿器に供給されたのち前記膜加湿器に供給される前記酸化剤オフガスに合流されることを特徴とする。
このように構成することにより、燃料オフガスから除去した水分を酸化剤オフガスとともに膜加湿器に供給することができる。
【0011】
請求項7に記載した発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の発明において、前記循環流路にはパージ用バルブ(例えば、後述する実施の形態におけるパージ弁23)が設けられていることを特徴とする。
このように構成することにより、必要に応じてパージ用バルブを開放して燃料オフガスを放出することができる。
請求項8に記載した発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の発明において、前記除湿用流体の流量が流量制御手段(例えば、後述する実施の形態における流量制御弁34)により制御可能であることを特徴とする。
このように構成することで、除湿用流体の流量を制御することにより、燃料オフガスから除去される水分量を制御することが可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る燃料循環式燃料電池システムの実施の形態を図1から図3の図面を参照して説明する。なお、以下に説明する各実施の形態は、燃料電池自動車に搭載される燃料循環式燃料電池システムの態様である。
【0013】
〔第1の実施の形態〕
初めに、この発明に係る燃料循環式燃料電池システム(以下、燃料電池システムと略す)の第1の実施の形態を図1の図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施の形態における燃料電池システムの概略構成図である。
燃料電池1は、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜をアノードとカソードとで両側から挟み込んで形成されたセルを複数積層して構成されたスタックからなり、アノードに燃料として水素ガスを供給し、カソードに酸化剤として酸素を含む空気を供給すると、アノードで触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を通過してカソードまで移動して、カソードで酸素と電気化学反応を起こして発電し、水が生成される。カソード側で生じた生成水の一部は固体高分子電解質膜を介してアノード側に逆拡散するため、アノード側にも生成水が存在する。
【0014】
空気はコンプレッサ2により所定圧力に加圧され、空気流路31を通って燃料電池1のカソードに供給される。空気流路31にはカソード加湿器(膜加湿器)3が設けられており、空気はカソード加湿器3の加湿側に供給される。燃料電池1に供給された空気は発電に供された後、燃料電池1からカソード側の生成水と共に空気オフガスとして空気オフガス流路32に排出され、カソード加湿器3の加湿媒体側に供給された後、圧力制御弁4を介して排出される。カソード加湿器3において、空気オフガスの水分が燃料電池1に供給される空気に受け渡されて、該空気が加湿される。したがって、燃料電池1のカソードにはカソード加湿器3で加湿された空気が供給される。
【0015】
一方、図示しない水素タンクから供給される水素ガスは、水素ガス供給流路(燃料供給流路)10を通って燃料電池1のアノードに供給される。そして、消費されなかった未反応の水素ガスは、アノード側の生成水と共に水素オフガスとしてアノードから水素オフガス循環流路(循環流路)20に排出される。水素オフガス循環流路20は、水素オフガスをエゼクタ11を介して水素ガス供給流路10に合流させる流路であり、水素オフガス循環流路20には除湿器21と水素ポンプ22が設けられている。
【0016】
除湿器21は、ガスの透過を阻止し水蒸気の透過だけを許可する非多孔質な透過膜(イオン水和型透過膜あるいは溶解拡散型透過膜など)を介して該透過膜の両面に接する流体間で水分量の多い流体から水分量の少ない流体に水分を移動させる水透過膜式除湿器で構成されている。前記透過膜の素材としては、ペルフルオロスルホン酸ポリマーを例示することができる。
前記水素オフガスは除湿器21の除湿側を流通した後、水素ポンプ22で加圧されてエゼクタ11に導入され、前記水素タンクから供給される新鮮な水素ガスと合流して、再び燃料電池1のアノードに供給される。
【0017】
除湿器21の除湿媒体側には、コンプレッサ2とカソード加湿器3の間の空気流路31から分岐された除湿媒体流路33を介して、加湿される前の加圧された空気の一部が除湿用流体として供給される。除湿媒体流路33には、除湿器21の除湿媒体側に供給される空気の流量を制御するための流量制御弁(流量制御手段)34が設けられている。
除湿器21において、除湿側に供給された水素オフガスの水分が、除湿媒体側に供給された空気に移動するので、水分を除去された水素オフガスをエゼクタ11に導入することができる。水素オフガスから除去された水分は除湿用流体である空気とともに除湿器21から車外に放出される。なお、除湿器21は水透過膜式除湿器であるので水素ガスが透過膜を除湿媒体側に透過することはない。したがって、除湿器21から水素ガスが車外に放出されることもない。
【0018】
また、除湿器21の除湿媒体側に供給される空気の流量を流量制御弁34により所定に制御することによって、水素オフガスから除去する水分量を適切に制御することができ、エゼクタ11に導入される水素オフガスの水分量を適正に制御することができ、ひいては、燃料電池1のアノードに供給される水素ガスの湿度を適正に制御することができる。
このようにして水素オフガスの水分を除去することにより、燃料電池1のアノードで水分が過多となるのを防止することができ、燃料電池1の発電性能の低下を防止することができ、各セル電圧の低下を防止することができる。
なお、水素オフガス中の水分の割合が低下すると、エゼクタ11による水素オフガスを循環させる効率が向上し、その結果、燃料電池1で発生した水分を除湿器21で捕集する効率が向上する。
【0019】
以上のように、第1の実施の形態の燃料循環式燃料電池システムによれば、水素ガスを放出することなく水素オフガス中の水分だけを車外に排出することができるので、発電性能の低下を防止することができるとともに、水素タンクから供給された水素ガスの総てを燃料電池1の発電に利用することができ、燃料電池システム全体としての燃費が向上する。
また、燃料電池1のカソードに供給される加湿前の空気を除湿用流体として用いているので、除湿専用の流体を別個に用意する必要がなく、システム構成が簡単になる。
【0020】
〔第2の実施の形態〕
次に、この発明に係る燃料循環式燃料電池システムの第2の実施の形態を図2の図面を参照して説明する。前述した第1の実施の形態では除湿器21の除湿媒体側から排出される空気を車外にパージしているが、第2の実施の形態では、除湿器21の除湿媒体側から排出される空気を、加湿空気流路35を介してカソード加湿器3と燃料電池1の間の空気流路31に合流させている。
その他の構成については第1の実施の形態のものと同じであるので、同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0021】
このように構成することにより、水素オフガスから除去された水分を含む空気を、カソード加湿器3で加湿された空気と合流させて、燃料電池1のカソードに供給することができる。
その結果、この第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態における燃料循環式燃料電池システムの作用・効果に加えて、燃料電池1のアノードの水分をカソードの加湿に利用することができるので、カソードの加湿性能が向上する。また、カソード加湿器3の負荷を減少させることができるので、カソード加湿器3を小型化することも可能になる。
【0022】
〔第3の実施の形態〕
次に、この発明に係る燃料循環式燃料電池システムの第3の実施の形態を図3の図面を参照して説明する。前述した第1の実施の形態では除湿器21の除湿媒体側から排出される空気を車外にパージしているが、第3の実施の形態では、除湿器21の除湿媒体側から排出される空気を、加湿空気流路36を介して燃料電池1とカソード加湿器3の間の空気オフガス流路32に合流させている。
その他の構成については第1の実施の形態のものと同じであるので、同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0023】
このように構成することにより、水素オフガスから除去された水分を含む空気を、燃料電池1のカソードから排出される水分を含む空気オフガスと合流させて、カソード加湿器3の加湿媒体側に供給することができる。そして、カソード加湿器3において、除湿器21の除湿媒体側から排出された空気中の水分と空気オフガス中の水分が、コンプレッサ2から圧送された新鮮な空気に移動してこれを加湿する。その結果、この第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態における燃料循環式燃料電池システムの作用・効果に加えて、燃料電池1のアノードの水分をカソードの加湿に利用することができるので、カソードの加湿性能が向上する。
なお、カソード加湿器3の加湿媒体側に供給された空気は、加湿に供されず余った水分とともに圧力制御弁4を介して車外に排出される。
【0024】
なお、燃料電池1の発電性能はアノードの水分過多以外の要因で低下することも考えられる。例えば、水素オフガスの循環利用は水素以外の不純物(例えば、窒素)の濃度上昇を生じさせることがあり、この不純物濃度の上昇が燃料電池1の発電性能を低下させることが考えられる。
そこで、図1、図2、図3において破線で示すように、除湿器21と水素ポンプ22を接続する水素オフガス循環流路20にパージ弁(パージ用バルブ)23を設けておき、燃料電池1の発電性能が低下したときに、流量制御弁34によって除湿器21に供給される空気流量を増大させても発電性能が回復しない場合に、パージ弁23を開放することにより発電性能を回復することができるようにすることも可能である。このようにパージ弁23を設けた場合であっても、従来よりは水素の放出を極めて少なくすることができる。
【0025】
〔他の実施の形態〕
尚、この発明は前述した実施の形態に限られるものではない。
例えば、燃料電池の燃料は純粋な水素ガスに限られるものではなく、例えば、炭化水素を含む液体燃料(ガソリンやメタノールなど)を改質して生成された水素を多く含む燃料ガスであってもよい。
また、エゼクタ11や水素ポンプ22を設けなくても、本発明は成立する。
【0026】
【発明の効果】
以上説明するように、請求項1に記載した発明によれば、燃料を放出することなく燃料オフガス中の水分だけを除去することができるので、発電性能の低下を防止することができるとともに、燃料電池に供給される燃料の総てを発電のために利用することができ、燃料電池システム全体としての燃費が向上するという優れた効果が奏される。
【0027】
請求項2に記載した発明によれば、除湿用流体を簡単に用意することが可能になり、システムの構成が簡単になるという効果がある。
請求項3に記載した発明によれば、燃料を車外に放出することなく燃料オフガス中の水分だけを車外に放出することができるという効果がある。
請求項4に記載した発明によれば、酸化剤とは別に除湿用流体を用意する必要がなくなり、システムの構成が簡単になるという効果がある。
【0028】
請求項5に記載した発明によれば、燃料オフガスから除去した水分を酸化剤とともに燃料電池のカソードに供給することができるので、燃料電池のアノードの水分をカソードの加湿に利用することができ、カソードの加湿性能を向上させることができるという効果がある。
請求項6に記載した発明によれば、燃料オフガスから除去した水分を酸化剤オフガスとともに膜加湿器に供給することができるので、燃料電池のアノードの水分をカソードの加湿に利用することができ、カソードの加湿性能を向上させることができるという効果がある。
【0029】
請求項7に記載した発明によれば、必要に応じてパージ用バルブを開放して燃料オフガスを放出することができるので、アノードの水分過多以外の要因によって燃料電池の発電性能が低下したときに、燃料オフガスを放出して発電性能の回復を図ることができるという効果がある。
請求項8に記載した発明によれば、除湿用流体の流量を制御することにより、燃料オフガスから除去される水分量を制御することができるので、燃料供給流路に合流せしめられる燃料オフガスの水分量を制御することができ、ひいては、燃料電池に供給される燃料の水分量を制御することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る燃料循環式燃料電池システムの第1の実施の形態における概略構成図である。
【図2】この発明に係る燃料循環式燃料電池システムの第2の実施の形態における概略構成図である。
【図3】この発明に係る燃料循環式燃料電池システムの第3の実施の形態における概略構成図である。
【符号の説明】
1 燃料電池
3 カソード加湿器(膜加湿器)
10 水素ガス供給流路(燃料供給流路)
20 水素オフガス循環流路(循環流路)
21 除湿器
23 パージ弁(パージ用バルブ)
Claims (8)
- 燃料および酸化剤を供給されて発電を行う燃料電池と、
前記燃料電池に前記燃料を供給する燃料供給流路と、
前記燃料電池から排出される燃料オフガスを前記燃料供給流路に合流させる循環流路と、を備えた燃料循環式燃料電池システムにおいて、
前記循環流路に配置され水分量の多い流体から水分量の少ない流体に水分を移動させる水透過膜式除湿器により、前記循環流路を流れる流体の水分を前記水透過膜式除湿器に供給される除湿用流体に移動させることを特徴とする燃料循環式燃料電池システム。 - 前記除湿用流体は圧送された空気であることを特徴とする請求項1に記載の燃料循環式燃料電池システム。
- 自動車に搭載されており、前記除湿用流体が前記水透過膜式除湿器に供給されたのち車外に放出されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料循環式燃料電池システム。
- 前記除湿用流体は前記燃料電池に供給される前記酸化剤が分岐したものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の燃料循環式燃料電池システム。
- 前記除湿用流体は、前記水透過膜式除湿器に供給されたのち前記燃料電池に供給される前記酸化剤に合流されることを特徴とする請求項4に記載の燃料循環式燃料電池システム。
- 前記燃料電池に供給される前記酸化剤は、前記燃料電池から排出される酸化剤オフガスの水分を該酸化剤に移動可能な膜加湿器によって加湿されたのち前記燃料電池に供給され、
前記除湿用流体は、前記水透過膜式除湿器に供給されたのち前記膜加湿器に供給される前記酸化剤オフガスに合流されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の燃料循環式燃料電池システム。 - 前記循環流路にはパージ用バルブが設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の燃料循環式燃料電池システム。
- 前記除湿用流体の流量が流量制御手段により制御可能であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の燃料循環式燃料電池システム。
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JP2008507102A (ja) * | 2004-07-20 | 2008-03-06 | コンセプション エ デヴェロップマン ミシュラン ソシエテ アノニム | 燃料電池の高分子膜の加湿制御 |
CN111412555A (zh) * | 2020-03-17 | 2020-07-14 | 华南理工大学 | 一种膜式热渗透发电和液体除湿集成系统 |
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2002
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