JP2020172405A - 水素生成システムとその運転方法 - Google Patents

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柾峻 西崎
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美穂 玄番
安本 栄一
Eiichi Yasumoto
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【課題】並列に接続された複数台の電気化学デバイスを用いて水素純度が高い水素含有ガスを生成する水素生成システムにおいて、水素生成動作開始直後の水素純度の低下を抑制する。【解決手段】3台の電気化学デバイス1a,1b,1cが水素生成動作をしている状態において、水素生成動作を終了させる電気化学デバイス1aに対して、水素含有ガス経路開閉弁56aとカソードガス排出経路開閉弁58aとは開状態を維持させたままで、アノードガス排出経路開閉弁57aを閉状態とし、電源40から電気化学デバイス1に水素生成動作時とは逆方向に電流を第1時間(10分間)流すことで、カソード13からアノード12へ移動する精製水素ガスを利用して、アノード12に滞留する水素含有ガスを、共用水素含有ガス経路51に排出してから、電流を停止するとともに、水素含有ガス経路開閉弁56aとカソードガス排出経路開閉弁58aとを閉塞する。【選択図】図1

Description

本発明は、電気化学デバイスを用いて、水素含有ガスから純度の高い水素を生成する水素生成システムに関するものである。
水素生成システムは、水素含有ガスから電気化学反応を利用して、純度の高い水素を生成するシステムである。この水素生成システムは、例えば、水素イオン透過性の電解質膜をアノードとカソードとの間に有する電解質膜−電極接合体を、一対のセパレータによって挟持した電気化学デバイスを備えている(例えば、特許文献1参照)。
アノードに加湿された水素含有ガスを供給して、アノードから電解質膜を介してカソードの方向に電流を流すことで、アノードでは、(化1)に示す水素が水素イオンと電子に解離する酸化反応が起こり、カソードでは、(化2)に示す水素イオンと電子から水素が生成される還元反応が起こる。
Figure 2020172405
Figure 2020172405
以上の反応により、水素生成システムの電気化学デバイスは、アノードに供給された水素含有ガスから、カソードにおいて水素を生成することができる。
このような電気化学デバイスに供給される水素含有ガスは、例えば、燃料改質器によって、都市ガスやプロパンガスなどの炭化水素系の原料を水蒸気改質や部分酸化改質、またはオートサーマル改質して生成される。ここで生成された水素含有ガスには、水素の他に窒素や二酸化炭素、メタン、水分などの不純物が含まれており、水素純度が低くなっている。
特表2016−530188号公報
しかしながら、前記従来の構成では、電気化学デバイスが、水素生成動作を行なっていない間に、アノードとカソードとにそれぞれ滞留する水素含有ガスを構成する各成分ガスが、電解質膜両側の各成分ガスの分圧の差によって、電解質膜を透過する。このとき、アノードに滞留する水素含有ガスに含まれる成分のうち、カソードよりも分圧の高い二酸化炭素やメタンが電解質膜を透過し、カソードへ移動する。
この現象は、並列に接続された複数台の電気化学デバイスを備えた水素生成システムにおいても同様に発生する。このため、並列に接続された複数台の電気化学デバイスを備え
た水素生成システムにおいて、カソードへ移動した二酸化炭素やメタンが次回の水素生成動作開始直後に水素とともに排出される。これにより、次回の水素生成動作開始直後はカソードから水素純度が低い水素含有ガスが排出されるという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、並列に接続された複数台の電気化学デバイスを用いて水素純度が高い精製水素ガスを生成する水素生成システムにおける、水素生成動作終了後の待機状態の電気化学デバイスにおいて、カソードに滞留する精製水素ガスの水素純度が低下していくのを抑制して、次回の電気化学デバイスの水素生成動作開始直後から高純度の精製水素ガスをカソードから排出することができる水素生成システムとその運転方法を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明は、アノードとカソードとの間に電解質膜を有し、アノードに水素含有ガスを供給するとともに、アノードから電解質膜を介してカソードに電流を流すことで、カソードにおいて精製水素ガスを生成する複数の電気化学デバイスと、水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に供給するガス供給手段と、複数の電気化学デバイスのそれぞれに個別に設けられ、アノードとカソードとの間に電流を流す複数の電源と、共用水素含有ガス経路の水素含有ガスを、複数の電気化学デバイスのアノードに分配する複数の水素含有ガス経路と、複数の電気化学デバイスのそれぞれのアノードに個別に設けられ、アノードから未利用の水素含有ガスを排出する複数のアノードガス排出経路と、複数の電気化学デバイスのそれぞれのカソードに個別に設けられ、カソードにおいて生成した精製水素ガスを共用カソードガス排出経路に排出する複数のカソードガス排出経路と、複数の水素含有ガス経路のそれぞれに個別に、水素含有ガス経路を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数の水素含有ガス経路開閉弁と、複数のアノードガス排出経路のそれぞれに個別に、アノードガス排出経路を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数のアノードガス排出経路開閉弁と、複数のカソードガス排出経路のそれぞれに個別に、カソードガス排出経路を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数のカソードガス排出経路開閉弁と、制御器と、を水素生成システムに備えている。
そして、制御器が、少なくとも1台の電気化学デバイスの水素生成動作を終了させる場合は、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスに対応する電源に対してアノードから電解質膜を介してカソードに流す電流を止めさせるとともに、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスに対応するアノードガス排出経路開閉弁を閉塞させ、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスのカソードから電解質膜を介してアノードに透過する精製水素ガスによって、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスのアノードに滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に排出してから、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスに対応する水素含有ガス経路開閉弁およびカソードガス排出経路開閉弁を閉塞させることを特徴とするものである。
この水素生成システムは、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスにおいて、アノードガス排出経路開閉弁を閉塞させて、カソードの精製水素ガスを、電解質膜を介してアノードに移動させて、アノードに滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に排出してから、水素含有ガス経路開閉弁およびカソードガス排出経路開閉弁を閉塞するので、次回の水素生成動作開始まで、アノードに滞留するガスを、カソードと同じ精製水素ガスにすることができる。
その結果、アノードとカソードとにそれぞれ滞留する水素含有ガスを構成する各成分ガスが、電解質膜両側の各成分ガスの分圧の差によって、電解質膜を透過する現象は起こら
ないので、水素生成動作終了後の待機状態の電気化学デバイスにおいて、カソードに滞留する精製水素ガスの水素純度が低下していくのを抑制して、次回の電気化学デバイスの水素生成動作開始直後から高純度の精製水素ガスをカソードから排出することができる。
また、同課題を解決するために、別の本発明は、アノードとカソードとの間に電解質膜を有し、アノードに水素含有ガスを供給するとともに、アノードから電解質膜を介してカソードに電流を流すことで、カソードにおいて精製水素ガスを生成する複数の電気化学デバイスと、水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に供給するガス供給手段と、複数の電気化学デバイスのそれぞれに個別に設けられ、アノードとカソードとの間に電流を流す複数の電源と、共用水素含有ガス経路の水素含有ガスを、複数の電気化学デバイスのアノードに分配する複数の水素含有ガス経路と、複数の電気化学デバイスのそれぞれのアノードに個別に設けられ、アノードから未利用の水素含有ガスを排出する複数のアノードガス排出経路と、複数の電気化学デバイスのそれぞれのカソードに個別に設けられ、カソードにおいて生成した精製水素ガスを共用カソードガス排出経路に排出する複数のカソードガス排出経路と、複数の水素含有ガス経路のそれぞれに個別に、水素含有ガス経路を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数の水素含有ガス経路開閉弁と、複数のアノードガス排出経路のそれぞれに個別に、アノードガス排出経路を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数のアノードガス排出経路開閉弁と、複数のカソードガス排出経路のそれぞれに個別に、カソードガス排出経路を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数のカソードガス排出経路開閉弁と、複数の電気化学デバイスのそれぞれに個別に設けられ、対応するアノードガス排出経路におけるアノードガス排出経路開閉弁とアノードとの間の経路と、対応するカソードガス排出経路におけるカソードガス排出経路開閉弁とカソードとの間の経路を連通させる複数の還流経路と、複数の還流経路のそれぞれに個別に、還流経路を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに閉塞している複数の還流経路開閉弁と、制御器と、を水素生成システムに備えている。
そして、制御器が、少なくとも1台の電気化学デバイスの水素生成動作を終了させる場合は、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスに対応する電源に対してアノードから電解質膜を介してカソードに流す電流を止めさせるとともに、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスに対応するアノードガス排出経路開閉弁を閉塞させた後に、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスに対応する還流経路開閉弁を開放させ、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスの還流経路とアノードガス排出経路を通ってアノードに逆流する精製水素ガスによって、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスのアノードに滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に排出してから、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスに対応する還流経路開閉弁、水素含有ガス経路開閉弁およびカソードガス排出経路開閉弁を閉塞させることを特徴とするものである。
この水素生成システムは、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスにおいて、アノードガス排出経路開閉弁を閉塞させた後に、還流経路開閉弁を開放させることによって、カソードの精製水素ガスを、還流経路とアノードガス排出経路経由でアノードに逆流させて、アノードに滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に排出してから、還流経路開閉弁、水素含有ガス経路開閉弁およびカソードガス排出経路開閉弁を閉塞するので、次回の水素生成動作開始まで、アノードに滞留するガスを、カソードと同じ精製水素ガスにすることができる。
その結果、アノードとカソードとにそれぞれ滞留する水素含有ガスを構成する各成分ガスが、電解質膜両側の各成分ガスの分圧の差によって、電解質膜を透過する現象は起こらないので、水素生成動作終了後の待機状態の電気化学デバイスにおいて、カソードに滞留
する精製水素ガスの水素純度が低下していくのを抑制して、次回の電気化学デバイスの水素生成動作開始直後から高純度の精製水素ガスをカソードから排出することができる。
本発明は、電気化学デバイスの水素生成動作を終了させるときに、カソードの精製水素ガスを使って、アノードに滞留する水素含有ガスを、共用水素含有ガス経路に排出してから、水素含有ガス経路開閉弁およびカソードガス排出経路開閉弁を閉塞するので、水素生成動作終了後の待機状態の電気化学デバイスにおいて、カソードに滞留する精製水素ガスの水素純度が低下していくのを抑制して、次回の電気化学デバイスの水素生成動作開始直後から高純度の精製水素ガスをカソードから排出することができる。
また、共用水素含有ガス経路に排出された水素含有ガスと、カソードからアノードに流した精製水素ガスとは、次回の水素生成または水素生成動作中の他の電気化学デバイスの水素生成に用いることができるので、アノードから排出した水素含有ガスと、アノードから水素含有ガスを排出するために用いた精製水素ガスとを無駄なく再利用できる。そのため、信頼性が高く高効率な水素生成システムを提供することができる。
本発明の実施の形態1における水素生成システムの概略構成図 本発明の実施の形態1における水素生成システムの動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態2における水素生成システムの概略構成図 本発明の実施の形態2における水素生成システムの動作を示すフローチャート
第1の発明は、アノードとカソードとの間に電解質膜を有し、アノードに水素含有ガスを供給するとともに、アノードから電解質膜を介してカソードに電流を流すことで、カソードにおいて精製水素ガスを生成する複数の電気化学デバイスと、水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に供給するガス供給手段と、複数の電気化学デバイスのそれぞれに個別に設けられ、アノードとカソードとの間に電流を流す複数の電源と、共用水素含有ガス経路の水素含有ガスを、複数の電気化学デバイスのアノードに分配する複数の水素含有ガス経路と、複数の電気化学デバイスのそれぞれのアノードに個別に設けられ、アノードから未利用の水素含有ガスを排出する複数のアノードガス排出経路と、複数の電気化学デバイスのそれぞれのカソードに個別に設けられ、カソードにおいて生成した精製水素ガスを共用カソードガス排出経路に排出する複数のカソードガス排出経路と、複数の水素含有ガス経路のそれぞれに個別に、水素含有ガス経路を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数の水素含有ガス経路開閉弁と、複数のアノードガス排出経路のそれぞれに個別に、アノードガス排出経路を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数のアノードガス排出経路開閉弁と、複数のカソードガス排出経路のそれぞれに個別に、カソードガス排出経路を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数のカソードガス排出経路開閉弁と、制御器と、を備え、制御器が、少なくとも1台の電気化学デバイスの水素生成動作を終了させる場合は、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスに対応する電源に対してアノードから電解質膜を介してカソードに流す電流を止めさせるとともに、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスに対応するアノードガス排出経路開閉弁を閉塞させ、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスのカソードから電解質膜を介してアノードに透過する精製水素ガスによって、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスのアノードに滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に排出してから、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスに対応する
水素含有ガス経路開閉弁およびカソードガス排出経路開閉弁を閉塞させることを特徴とする水素生成システムである。
この水素生成システムは、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスにおいて、アノードガス排出経路開閉弁を閉塞させて、カソードの精製水素ガスを、電解質膜を介してアノードに移動させて、アノードに滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に排出してから、水素含有ガス経路開閉弁およびカソードガス排出経路開閉弁を閉塞するので、電気化学デバイスの内部と、アノードガス排出経路開閉弁、水素含有ガス経路開閉弁およびカソードガス排出経路開閉弁の各開閉弁と電気化学デバイスとの間の経路内は、精製水素ガスで満たされた状態で、密封される。
その結果、次回の水素生成動作開始まで、アノードに滞留するガスを、カソードと同じ精製水素ガスにでき、アノードとカソードとにそれぞれ滞留する水素含有ガスを構成する各成分ガスが、電解質膜両側の各成分ガスの分圧の差によって、電解質膜を透過する現象は起こらない。
したがって、水素生成動作終了後の待機状態の電気化学デバイスにおいて、カソードに滞留する精製水素ガスの水素純度が低下していくのを抑制して、次回の電気化学デバイスの水素生成動作開始直後から高純度の精製水素ガスをカソードから排出することができることになる。
また、共用水素含有ガス経路に排出された水素含有ガスとアノードに移動させた精製水素ガスとは、次回の水素生成または水素生成動作中の他の電気化学デバイスの水素生成に用いることができるので、アノードから排出した水素含有ガスと、アノードから水素含有ガスを排出するために用いた精製水素ガスとを無駄なく再利用できる。
なお、カソードの精製水素ガスを、電解質膜を介してアノードに移動させる方法としては、水素生成動作を行わせる電流を停止すると、カソードの精製水素ガスが、アノードとカソードの圧力差によって、電解質膜を透過してアノードに移動する現象を利用できる。
また、水素生成動作を行わせる電流を停止して、水素生成動作時とは逆方向の電流を流せば、電解質膜のガス透過の特性に頼らずに、確実に、精製水素ガスをカソードからアノードへ移動させることができ、逆方向の電流を流さない場合よりも、精製水素ガスのカソードからアノードへ移動する流量を多くでき、逆方向の電流の大きさを調節することによって、精製水素ガスのカソードからアノードへ移動する流量を調節できる。
また、カソードガス排出経路開閉弁は、アノードに滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に排出してから、閉塞するので、カソードガス排出経路におけるカソードガス排出経路開閉弁よりも下流側の精製水素ガスと、水素生成動作を行っている他の電気化学デバイスのカソードにおいて生成された精製水素ガスの両方の精製水素ガスを、カソードの精製水素ガスをアノードに移動させるのに利用できる。
第2の発明は、特に、第1の発明の水素生成システムにおいて、制御器が、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスにおいて、精製水素ガスによって、アノードに滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に排出するときに、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスに対応する電源に対してカソードから電解質膜を介してアノードに電流を流させ、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスに対応する水素含有ガス経路開閉弁およびカソードガス排出経路開閉弁を閉塞させるときに、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスに対応する電源に対して電流を流すのを止めさせることを特徴とするものである。
これによって、新規なデバイスや経路を追加することなく、水素生成動作時とは逆方向の電流を流すことにより、確実に、精製水素ガスをカソードからアノードへ移動させることができる。
また、逆方向の電流の大きさを調節することによって、精製水素ガスのカソードからアノードへ移動する流量を調節できる。また、新規なデバイスや経路を追加する必要が無いので、水素生成システムの大型化、高コスト化を防ぐことが可能となる。
第3の発明は、アノードとカソードとの間に電解質膜を有し、アノードに水素含有ガスを供給するとともに、アノードから電解質膜を介してカソードに電流を流すことで、カソードにおいて精製水素ガスを生成する複数の電気化学デバイスと、水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に供給するガス供給手段と、複数の電気化学デバイスのそれぞれに個別に設けられ、アノードとカソードとの間に電流を流す複数の電源と、共用水素含有ガス経路の水素含有ガスを、複数の電気化学デバイスのアノードに分配する複数の水素含有ガス経路と、複数の電気化学デバイスのそれぞれのアノードに個別に設けられ、アノードから未利用の水素含有ガスを排出する複数のアノードガス排出経路と、複数の電気化学デバイスのそれぞれのカソードに個別に設けられ、カソードにおいて生成した精製水素ガスを共用カソードガス排出経路に排出する複数のカソードガス排出経路と、複数の水素含有ガス経路のそれぞれに個別に、水素含有ガス経路を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数の水素含有ガス経路開閉弁と、複数のアノードガス排出経路のそれぞれに個別に、アノードガス排出経路を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数のアノードガス排出経路開閉弁と、複数のカソードガス排出経路のそれぞれに個別に、カソードガス排出経路を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数のカソードガス排出経路開閉弁と、複数の電気化学デバイスのそれぞれに個別に設けられ、対応するアノードガス排出経路におけるアノードガス排出経路開閉弁とアノードとの間の経路と、対応するカソードガス排出経路におけるカソードガス排出経路開閉弁とカソードとの間の経路を連通させる複数の還流経路と、複数の還流経路のそれぞれに個別に、還流経路を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに閉塞している複数の還流経路開閉弁と、制御器とを備え、制御器が、少なくとも1台の電気化学デバイスの水素生成動作を終了させる場合は、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスに対応する電源に対してアノードから電解質膜を介してカソードに電流を流すのを止めさせるとともに、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスに対応するアノードガス排出経路開閉弁を閉塞させた後に、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスに対応する還流経路開閉弁を開放させ、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスの還流経路とアノードガス排出経路を通ってアノードに逆流する精製水素ガスによって、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスのアノードに滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に排出してから、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスに対応する還流経路開閉弁、水素含有ガス経路開閉弁およびカソードガス排出経路開閉弁を閉塞させることを特徴とする水素生成システムである。
この水素生成システムは、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスにおいて、アノードガス排出経路開閉弁を閉塞させた後に、還流経路開閉弁を開放させることによって、カソードの精製水素ガスを、還流経路を利用して、アノードガス排出経路からアノードに流入させることができる。
そして、アノードガス排出経路からアノードに流入するカソードの精製水素ガスによって、アノードに滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に排出してから、還流経路開閉弁、水素含有ガス経路開閉弁およびカソードガス排出経路開閉弁を閉塞するので、
電気化学デバイスの内部と、アノードガス排出経路開閉弁、還流経路開閉弁、水素含有ガス経路開閉弁およびカソードガス排出経路開閉弁の各開閉弁と電気化学デバイスとの間の経路内は、精製水素ガスで満たされた状態で、密封される。
その結果、次回の水素生成動作開始まで、アノードに滞留するガスを、カソードと同じ精製水素ガスにでき、アノードとカソードとにそれぞれ滞留する水素含有ガスを構成する各成分ガスが、電解質膜両側の各成分ガスの分圧の差によって、電解質膜を透過する現象は起こらない。
したがって、水素生成動作終了後の待機状態の電気化学デバイスにおいて、カソードに滞留する精製水素ガスの水素純度が低下していくのを抑制して、次回の電気化学デバイスの水素生成動作開始直後から高純度の精製水素ガスをカソードから排出することができることになる。
また、共用水素含有ガス経路に排出された水素含有ガスと、還流経路を利用してアノードガス排出経路からアノードに流入させた精製水素ガスとは、次回の水素生成または水素生成動作中の他の電気化学デバイスの水素生成に用いることができるので、アノードから排出した水素含有ガスと、アノードから水素含有ガスを排出するために用いた精製水素ガスとを無駄なく再利用できる。
また、還流経路を用いて、精製水素ガスで、アノードに滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に排出すので、電解質膜のガス透過の特性に頼らずに、確実に、精製水素ガスをカソードからアノードへ移動させることができ、還流経路開閉弁を開状態にするための消費電力が、精製水素ガスをカソードからアノードへ移動させるために逆方向の電流を流す場合の消費電力よりも小さい場合は、逆方向の電流を流す場合よりも、省エネになる。
また、カソードガス排出経路開閉弁は、アノードに滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に排出してから、閉塞するので、カソードガス排出経路におけるカソードガス排出経路開閉弁よりも下流側の精製水素ガスと、水素生成動作を行っている他の電気化学デバイスのカソードにおいて生成された精製水素ガスの両方の精製水素ガスを、カソードの精製水素ガスをアノードに移動させるのに利用できる。
第4の発明は、特に、第1から第3のいずれかの発明の水素生成システムにおいて、制御器が、少なくとも1台の電気化学デバイスが、水素生成動作の終了動作を開始してから終了動作を完了するまでの間は、他の少なくとも1台の電気化学デバイスに水素生成動作を行わせることを特徴とするものである。
これによって、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスから共用水素含有ガス経路に排出された、アノードの水素含有ガス及びカソードの精製水素ガスを、水素生成動作をしている他の電気化学デバイスのアノードに供給して、水素生成に有効利用できる。
第5の発明は、アノードとカソードとの間に電解質膜を有し、アノードに水素含有ガスを供給するとともに、アノードから電解質膜を介してカソードに電流を流すことで、カソードにおいて精製水素ガスを生成する複数の電気化学デバイスと、水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に供給するガス供給手段と、複数の電気化学デバイスのそれぞれに個別に設けられ、アノードとカソードとの間に電流を流す複数の電源と、共用水素含有ガス経路の水素含有ガスを、複数の電気化学デバイスのアノードに分配する複数の水素含有ガス経路と、複数の電気化学デバイスのそれぞれのアノードに個別に設けられ、アノードから未利用の水素含有ガスを排出する複数のアノードガス排出経路と、複数の電気化学デバイス
のそれぞれのカソードに個別に設けられ、カソードにおいて生成した精製水素ガスを共用カソードガス排出経路に排出する複数のカソードガス排出経路と、複数の水素含有ガス経路のそれぞれに個別に、水素含有ガス経路を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数の水素含有ガス経路開閉弁と、複数のアノードガス排出経路のそれぞれに個別に、アノードガス排出経路を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数のアノードガス排出経路開閉弁と、複数のカソードガス排出経路のそれぞれに個別に、カソードガス排出経路を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数のカソードガス排出経路開閉弁と、を備えた水素生成システムにおいて、少なくとも1台の電気化学デバイスの水素生成動作を終了させる場合の運転方法であって、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスのアノードから電解質膜を介してカソードに流れる電流を止めるとともに、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスに対応するアノードガス排出経路開閉弁を閉塞し、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスのカソードから電解質膜を介してアノードに透過する精製水素ガスによって、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスのアノードに滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に排出してから、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスに対応する水素含有ガス経路開閉弁およびカソードガス排出経路開閉弁を閉塞することを特徴とする水素生成システムの運転方法である。
この水素生成システムの運転方法は、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスにおいて、アノードガス排出経路開閉弁を閉塞させて、カソードの精製水素ガスを、電解質膜を介して、アノードに移動させて、アノードに滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に排出してから、水素含有ガス経路開閉弁およびカソードガス排出経路開閉弁を閉塞するので、電気化学デバイスの内部と、アノードガス排出経路開閉弁、水素含有ガス経路開閉弁およびカソードガス排出経路開閉弁の各開閉弁と電気化学デバイスとの間の経路内は、精製水素ガスで満たされた状態で、密封される。
その結果、次回の水素生成動作開始まで、アノードに滞留するガスを、カソードと同じ精製水素ガスにでき、アノードとカソードとにそれぞれ滞留する水素含有ガスを構成する各成分ガスが、電解質膜両側の各成分ガスの分圧の差によって、電解質膜を透過する現象は起こらない。
したがって、水素生成動作終了後の待機状態の電気化学デバイスにおいて、カソードに滞留する精製水素ガスの水素純度が低下していくのを抑制して、次回の電気化学デバイスの水素生成動作開始直後から高純度の精製水素ガスをカソードから排出することができることになる。
また、共用水素含有ガス経路に排出された水素含有ガスとアノードに移動させた精製水素ガスとは、次回の水素生成または水素生成動作中の他の電気化学デバイスの水素生成に用いることができるので、アノードから排出した水素含有ガスと、アノードから水素含有ガスを排出するために用いた精製水素ガスとを無駄なく再利用できる。
なお、カソードの精製水素ガスを、電解質膜を介してアノードに移動させる方法としては、水素生成動作を行わせる電流を停止すると、カソードの精製水素ガスが、アノードとカソードの圧力差によって、電解質膜を透過してアノードに移動する現象を利用できる。
また、水素生成動作を行わせる電流を停止して、水素生成動作時とは逆方向の電流を流せば、電解質膜のガス透過の特性に頼らずに、確実に、精製水素ガスをカソードからアノードへ移動させることができ、逆方向の電流を流さない場合よりも、精製水素ガスのカソードからアノードへ移動する流量を多くでき、逆方向の電流の大きさを調節することによ
って、精製水素ガスのカソードからアノードへ移動する流量を調節できる。
また、カソードガス排出経路開閉弁は、アノードに滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に排出してから、閉塞するので、カソードガス排出経路におけるカソードガス排出経路開閉弁よりも下流側の精製水素ガスと、水素生成動作を行っている他の電気化学デバイスのカソードにおいて生成された精製水素ガスの両方の精製水素ガスを、カソードの精製水素ガスをアノードに移動させるのに利用できる。
第6の発明は、アノードとカソードとの間に電解質膜を有し、アノードに水素含有ガスを供給するとともに、アノードから電解質膜を介してカソードに電流を流すことで、カソードにおいて精製水素ガスを生成する複数の電気化学デバイスと、水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に供給するガス供給手段と、複数の電気化学デバイスのそれぞれに個別に設けられ、アノードとカソードとの間に電流を流す複数の電源と、共用水素含有ガス経路の水素含有ガスを、複数の電気化学デバイスのアノードに分配する複数の水素含有ガス経路と、複数の電気化学デバイスのそれぞれのアノードに個別に設けられ、アノードから未利用の水素含有ガスを排出する複数のアノードガス排出経路と、複数の電気化学デバイスのそれぞれのカソードに個別に設けられ、カソードにおいて生成した精製水素ガスを共用カソードガス排出経路に排出する複数のカソードガス排出経路と、複数の水素含有ガス経路のそれぞれに個別に、水素含有ガス経路を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数の水素含有ガス経路開閉弁と、複数のアノードガス排出経路のそれぞれに個別に、アノードガス排出経路を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数のアノードガス排出経路開閉弁と、複数のカソードガス排出経路のそれぞれに個別に、カソードガス排出経路を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数のカソードガス排出経路開閉弁と、複数の電気化学デバイスのそれぞれに個別に設けられ、対応するアノードガス排出経路におけるアノードガス排出経路開閉弁とアノードとの間の経路と、対応するカソードガス排出経路におけるカソードガス排出経路開閉弁とカソードとの間の経路を連通させる複数の還流経路と、複数の還流経路のそれぞれに個別に、還流経路を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに閉塞している複数の還流経路開閉弁と、を備えた水素生成システムにおいて、少なくとも1台の電気化学デバイスの水素生成動作を終了させる場合の運転方法であって、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスのアノードから電解質膜を介してカソードに流れる電流を止めるとともに、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスに対応するアノードガス排出経路開閉弁を閉塞した後に、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスに対応する還流経路開閉弁を開放し、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスの還流経路とアノードガス排出経路を通ってアノードに逆流する精製水素ガスによって、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスのアノードに滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に排出してから、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスに対応する還流経路開閉弁、水素含有ガス経路開閉弁およびカソードガス排出経路開閉弁を閉塞することを特徴とする水素生成システムの運転方法である。
この水素生成システムの運転方法は、水素生成動作を終了させる電気化学デバイスにおいて、アノードガス排出経路開閉弁を閉塞させた後に、還流経路開閉弁を開放させることによって、カソードの精製水素ガスを、還流経路を利用して、アノードガス排出経路からアノードに流入させることができる。
そして、アノードガス排出経路からアノードに流入するカソードの精製水素ガスによって、アノードに滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に排出してから、還流経路開閉弁、水素含有ガス経路開閉弁およびカソードガス排出経路開閉弁を閉塞するので、
電気化学デバイスの内部と、アノードガス排出経路開閉弁、還流経路開閉弁、水素含有ガ
ス経路開閉弁およびカソードガス排出経路開閉弁の各開閉弁と電気化学デバイスとの間の経路内は、精製水素ガスで満たされた状態で、密封される。
その結果、次回の水素生成動作開始まで、アノードに滞留するガスを、カソードと同じ精製水素ガスにでき、アノードとカソードとにそれぞれ滞留する水素含有ガスを構成する各成分ガスが、電解質膜両側の各成分ガスの分圧の差によって、電解質膜を透過する現象は起こらない。
したがって、水素生成動作終了後の待機状態の電気化学デバイスにおいて、カソードに滞留する精製水素ガスの水素純度が低下していくのを抑制して、次回の電気化学デバイスの水素生成動作開始直後から高純度の精製水素ガスをカソードから排出することができることになる。
また、共用水素含有ガス経路に排出された水素含有ガスと、還流経路を利用してアノードガス排出経路からアノードに流入させた精製水素ガスとは、次回の水素生成または水素生成動作中の他の電気化学デバイスの水素生成に用いることができるので、アノードから排出した水素含有ガスと、アノードから水素含有ガスを排出するために用いた精製水素ガスとを無駄なく再利用できる。
また、還流経路を用いて、精製水素ガスで、アノードに滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に排出するので、電解質膜のガス透過の特性に頼らずに、確実に、精製水素ガスをカソードからアノードへ移動させることができ、還流経路開閉弁を開状態にするための消費電力が、精製水素ガスをカソードからアノードへ移動させるために逆方向の電流を流す場合の消費電力よりも小さい場合は、逆方向の電流を流す場合よりも、省エネになる。
また、カソードガス排出経路開閉弁は、アノードに滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に排出してから、閉塞するので、カソードガス排出経路におけるカソードガス排出経路開閉弁よりも下流側の精製水素ガスと、水素生成動作を行っている他の電気化学デバイスのカソードにおいて生成された精製水素ガスの両方の精製水素ガスを、カソードの精製水素ガスをアノードに移動させるのに利用できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって、本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における水素生成システムの概略構成図である。図2は本実施の形態1における水素生成システムの動作を示すフローチャートである。
以下、本実施の形態の水素生成システムについて、その構成を、図1を参照しながら具体的に説明する。
図1に示すように、本実施の形態における水素生成システム100は、3台の電気化学デバイス1a,1b,1cと、3つの温度調節器30a,30b,30cと、3台の電源40a,40b,40cと、ガス供給手段50と、共用水素含有ガス経路51と、3つの水素含有ガス経路52a,52b,52cと、3つのアノードガス排出経路53a,53b,53cと、3つのカソードガス排出経路54a,54b,54cと、共用カソードガス排出経路55と、3つの水素含有ガス経路開閉弁56a,56b,56cと、3つのアノードガス排出経路開閉弁57a,57b,57cと、3つのカソードガス排出経路開閉弁58a,58b,58cと、制御器70と、を備える。
ここで、これらの構成要素の符号の添え字について、3台の電気化学デバイス1a,1b,1cを例に挙げて説明する。符号の1aを用いた場合は、1つ目の電気化学デバイスを指し、同様に、符号の1cを用いた場合は、3つ目の電気化学デバイスを指している。いずれの電気化学デバイスでもよい場合を説明するときには、符号の1を用いて、単に電気化学デバイス1と記述する。
電気化学デバイス1は、電解質膜11の一方の主面にアノード12を設けるとともに、他方の主面にカソード13を設けた(アノード12とカソード13との間に電解質膜11を有する)電解質膜−電極接合体21を、アノードセパレータ14およびカソードセパレータ15によって挟持した構成となっており、アノード12に水素含有ガスを供給するとともに、アノード12から電解質膜11を介してカソード13に電流を流すことで、カソード13において精製水素ガスを生成する。
ここで、電解質膜11には、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系の高分子電解質膜を用いる。アノード12とカソード13は、白金を担持したカーボン触媒をカーボン製フェルト上に塗布形成したものを用いる。アノードセパレータ14およびカソードセパレータ15は、ガス透過性のない導電性部材である圧縮カーボンによって構成されている。
アノードセパレータ14には、アノード12と当接する面に水素含有ガスが流れる溝状のアノード流路16と、一端がアノード12と当接する面とは反対側の面に開口し他端がアノード流路16の上流端と連通してアノード流路16に水素含有ガスを供給するためのアノード側入口18と、一端がアノード12と当接する面とは反対側の面に開口し他端がアノード流路16の下流端と連通してアノード流路16から残余の水素含有ガス(アノードオフガス)を排出するためのアノード側出口19とが設けられている。
一方、カソードセパレータ15には、カソード13と当接する面にカソード13で生成した精製水素ガスが流れる溝状のカソード流路17と、一端がカソード13と当接する面とは反対側の面に開口し他端がカソード流路17の下流端と連通してカソード流路17から水素を排出するためのカソード側出口20とが設けられている。
ガス供給手段50は、制御器70によって制御され、都市ガスから改質反応を利用して生成した水素含有ガスを、共用水素含有ガス経路51と水素含有ガス経路52を介して、アノード側入口18に供給する燃料改質器である。ガス供給手段50が生成する水素含有ガスは、加湿された(水蒸気を含んだ)水素と二酸化炭素からなる。
ガス供給手段50における水素含有ガスの排出口には、共用水素含有ガス経路51の上流端が接続されており、ガス供給手段50は水素含有ガスを共用水素含有ガス経路51に供給する。
電気化学デバイス1aは、電解質膜−電極接合体21aがアノードセパレータ14aとカソードセパレータ15aとの間に配置された構成である。電気化学デバイス1bは、電解質膜−電極接合体21bがアノードセパレータ14bとカソードセパレータ15bとの間に配置された構成である。電気化学デバイス1cは、電解質膜−電極接合体21cがアノードセパレータ14cとカソードセパレータ15cとの間に配置された構成である。
水素含有ガス経路52aは、一端が共用水素含有ガス経路51の下流端に接続され、他端が電気化学デバイス1aのアノード側入口18aに接続され、経路の途中に水素含有ガス経路52aを開閉する水素含有ガス経路開閉弁56aを備えている。水素含有ガス経路
開閉弁56aは、制御器70によって制御され、電気化学デバイス1aが水素生成動作をしているときは水素含有ガス経路52aを開放している。
水素含有ガス経路52bは、一端が共用水素含有ガス経路51の下流端に接続され、他端が電気化学デバイス1bのアノード側入口18bに接続され、経路の途中に水素含有ガス経路52bを開閉する水素含有ガス経路開閉弁56bを備えている。水素含有ガス経路開閉弁56bは、制御器70によって制御され、電気化学デバイス1bが水素生成動作をしているときは水素含有ガス経路52bを開放している。
水素含有ガス経路52cは、一端が共用水素含有ガス経路51の下流端に接続され、他端が電気化学デバイス1cのアノード側入口18cに接続され、経路の途中に水素含有ガス経路52cを開閉する水素含有ガス経路開閉弁56cを備えている。水素含有ガス経路開閉弁56cは、制御器70によって制御され、電気化学デバイス1cが水素生成動作をしているときは水素含有ガス経路52cを開放している。
アノードガス排出経路53aは、未利用の水素含有ガスをアノード側出口19aから排出するための経路であり、上流端がアノード側出口19aに接続され、経路の途中にアノードガス排出経路53aを開閉するアノードガス排出経路開閉弁57aを備えている。アノードガス排出経路開閉弁57aは、制御器70によって制御され、電気化学デバイス1aが水素生成動作をしているときはアノードガス排出経路53aを開放している。
アノードガス排出経路53bは、未利用の水素含有ガスをアノード側出口19bから排出するための経路であり、上流端がアノード側出口19bに接続され、経路の途中にアノードガス排出経路53bを開閉するアノードガス排出経路開閉弁57bを備えている。アノードガス排出経路開閉弁57bは、制御器70によって制御され、電気化学デバイス1bが水素生成動作をしているときはアノードガス排出経路53bを開放している。
アノードガス排出経路53cは、未利用の水素含有ガスをアノード側出口19cから排出するための経路であり、上流端がアノード側出口19cに接続され、経路の途中にアノードガス排出経路53cを開閉するアノードガス排出経路開閉弁57cを備えている。アノードガス排出経路開閉弁57cは、制御器70によって制御され、電気化学デバイス1cが水素生成動作をしているときはアノードガス排出経路53cを開放している。
カソードガス排出経路54aは、カソード13aにおいて生成した精製水素ガスを共用カソードガス排出経路55に排出するための経路であり、一端がカソード側出口20aに接続され、他端が共用カソードガス排出経路55に接続され、経路の途中にカソードガス排出経路54aを開閉するカソードガス排出経路開閉弁58aを備えている。カソードガス排出経路開閉弁58aは、制御器70によって制御され、電気化学デバイス1aが水素生成動作をしているときはカソードガス排出経路54aを開放している。
カソードガス排出経路54bは、カソード13bにおいて生成した精製水素ガスを共用カソードガス排出経路55に排出するための経路であり、一端がカソード側出口20bに接続され、他端が共用カソードガス排出経路55に接続され、経路の途中にカソードガス排出経路54bを開閉するカソードガス排出経路開閉弁58bを備えている。カソードガス排出経路開閉弁58bは、制御器70によって制御され、電気化学デバイス1bが水素生成動作をしているときはカソードガス排出経路54bを開放している。
カソードガス排出経路54cは、カソード13cにおいて生成した精製水素ガスを共用カソードガス排出経路55に排出するための経路であり、一端がカソード側出口20cに接続され、他端が共用カソードガス排出経路55に接続され、経路の途中にカソードガス
排出経路54cを開閉するカソードガス排出経路開閉弁58cを備えている。カソードガス排出経路開閉弁58cは、制御器70によって制御され、電気化学デバイス1cが水素生成動作をしているときはカソードガス排出経路54cを開放している。
共用カソードガス排出経路55は、水素利用機器(図示せず)へ精製水素ガスを供給するための経路であり、水素利用機器が接続される。
電源40aは、アノード12aとカソード13aとの間に直流電流を流す直流電源であり、一対の端子の一方の端子がアノード12aに接続されているとともに、他方の端子がカソード13aに接続されている。
また、電源40aは、制御器70によって制御され、電気化学デバイス1aが水素生成動作をしているときには、アノード12aから電解質膜11aを介してカソード13aに直流電流を流しており、電気化学デバイス1aの水素生成動作の終了後にカソード13aの精製水素ガスでアノード12aに滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路51に排出するときには、カソード13aから電解質膜11aを介してアノード12aに直流電流を流している。
電源40bは、アノード12bとカソード13bとの間に直流電流を流す直流電源であり、一対の端子の一方の端子がアノード12bに接続されているとともに、他方の端子がカソード13bに接続されている。
また、電源40bは、制御器70によって制御され、電気化学デバイス1bが水素生成動作をしているときには、アノード12bから電解質膜11bを介してカソード13bに直流電流を流しており、電気化学デバイス1bの水素生成動作の終了後にカソード13bの精製水素ガスでアノード12bに滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路51に排出するときには、カソード13bから電解質膜11bを介してアノード12bに直流電流を流している。
電源40cは、アノード12cとカソード13cとの間に直流電流を流す直流電源であり、一対の端子の一方の端子がアノード12cに接続されているとともに、他方の端子がカソード13cに接続されている。
また、電源40cは、制御器70によって制御され、電気化学デバイス1cが水素生成動作をしているときには、アノード12cから電解質膜11cを介してカソード13cに直流電流を流しており、電気化学デバイス1cの水素生成動作の終了後にカソード13cの精製水素ガスでアノード12cに滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路51に排出するときには、カソード13cから電解質膜11cを介してアノード12cに直流電流を流している。
温度調節器30aは、制御器70によって制御され、電気化学デバイス1aが動作をしているときに電気化学デバイス1aの温度を動作に適した温度にするものであり、温度調節器30aには、電源40aからの電流によって発熱する電気化学デバイス1aと熱交換する冷却水の流量を変えて、設定された一定の温度に保つ熱交換器を用いる。
温度調節器30bは、制御器70によって制御され、電気化学デバイス1bが動作をしているときに電気化学デバイス1bの温度を動作に適した温度にするものであり、温度調節器30bには、電源40bからの電流によって発熱する電気化学デバイス1bと熱交換する冷却水の流量を変えて、設定された一定の温度に保つ熱交換器を用いる。
温度調節器30cは、制御器70によって制御され、電気化学デバイス1cが動作をしているときに電気化学デバイス1cの温度を動作に適した温度にするものであり、温度調節器30cには、電源40cからの電流によって発熱する電気化学デバイス1cと熱交換する冷却水の流量を変えて、設定された一定の温度に保つ熱交換器を用いる。
制御器70は、温度調節器30と、電源40と、ガス供給手段50と、水素含有ガス経路開閉弁56と、アノードガス排出経路開閉弁57と、カソードガス排出経路開閉弁58とを制御可能に構成されている。
以上のように構成された本実施の形態の水素生成システム100について、以下、全ての電気化学デバイス1に水素生成動作を行わせてから、電気化学デバイス1aだけ水素生成動作を終了させて、電気化学デバイス1b,1cは水素生成動作を継続する場合の動作を、図1と図2とを用いて、具体的に説明する。
以下の動作は、制御器70が、水素生成システム100の温度調節器30と、電源40と、ガス供給手段50と、水素含有ガス経路開閉弁56と、アノードガス排出経路開閉弁57と、カソードガス排出経路開閉弁58とを制御することによって行われる。
水素生成システム100が水素生成動作を開始する前(図2のフローチャートのスタートの時点)は、全ての電気化学デバイス1に対応する、水素含有ガス経路開閉弁56とアノードガス排出経路開閉弁57とカソードガス排出経路開閉弁58は全て閉状態であり、電源40は電流を流しておらず、ガス供給手段50はガスを供給していない。
そして、全ての電気化学デバイス1に水素生成動作の開始命令が入ると、まず、制御器70は、全ての電気化学デバイス1に対応する、水素含有ガス経路開閉弁56とアノードガス排出経路開閉弁57とカソードガス排出経路開閉弁58を、それぞれ開放(閉状態から開状態に)する(S001)。
次に、制御器70は、ガス供給手段50に、加湿された水素含有ガス(二酸化炭素の含有比率が30%で水素の含有比率が70%のガス)を、共用水素含有ガス経路51と水素含有ガス経路52を介して、アノード12に供給させる供給動作を開始させ、全ての電気化学デバイス1の温度が70℃となるように、温度調節器30の熱交換器の冷却水の流量を制御する(S002)。
次に、全ての電気化学デバイス1に対応する電源40に対して、アノード12から電解質膜11を介してカソード13へと流れる方向の電流の供給動作を開始させて、全ての電気化学デバイス1の水素生成動作を開始させる(S003)。
これにより、全ての電気化学デバイス1では、アノード12に存在する水素含有ガスの水素が水素イオンと電子に解離し、電解質膜11を透過してカソード13に移動した水素イオンと、電源40を経由してカソード13に移動した電子とが、結びついて、カソード13で、水素が生成される。
なお、電解質膜11が、わずかにガスを透過する高分子で構成されるために、わずかではあるが、アノード12に存在する水素含有ガスに含まれる二酸化炭素が、電解質膜11を透過して、カソード13へ移動する。
このため、カソード13で生成された水素に微量の二酸化炭素が含まれた水素純度が99.97%の精製水素ガス(水素含有ガス)が、カソードガス排出経路54と、共用カソードガス排出経路55とを介して、水素利用機器へ供給される。
次に、外部から制御器70の信号入力部に、電気化学デバイス1aに対して水素生成動作の終了命令が入ったか否かを判定する(S004)。このとき、終了命令が入っていないと判定すれば、終了命令が入るまでS004の判定を繰り返し、S004で終了命令が入ったと判定すればS005へ移行する。
S004で終了命令が入ったと判定すれば、制御器70は、電気化学デバイス1aに対して、以下の水素生成動作を終了させるための動作を行わせる。
まず、制御器70は、電源40aに電気化学デバイス1aへの電流を停止させ、カソードガス排出経路開閉弁58aと水素含有ガス経路開閉弁56aとは開状態を維持させたままで、アノードガス排出経路開閉弁57aを閉塞する(S005)。
このとき、電気化学デバイス1aが終了動作を始めた後も水素生成動作を継続する電気化学デバイス1b,1cに対応する水素含有ガス経路開閉弁56b,56cとアノードガス排出経路開閉弁57b,57cとカソードガス排出経路開閉弁58b,58cの開状態は、維持される。
次に、制御器70は、カソード13aから電解質膜11aを介してアノード12aへと流れる方向(水素生成動作時とは逆方向)に、電源40aから電気化学デバイス1aに対して電流を流す(S006)。
水素生成動作時とは逆方向の電流が電気化学デバイス1aに流れると、カソード13aに存在する精製水素ガス(水素含有ガス)の水素が水素イオンと電子に解離し、電解質膜11を透過してアノード12aに移動した水素イオンと、電源40aを経由してアノード12aに移動した電子とが、結びついて、アノード12aで、水素が生成される。
なお、アノード12aから電解質膜11aを介してカソード13aへと流れる方向の電流が停止した直後は、カソード13aの精製水素ガスの圧力が、アノード12aの水素含有ガスの圧力よりも高いため、この電解質膜11aの両側のガスの圧力差によっても、カソード13aの精製水素ガスに含まれる水素の一部が、電解質膜11aを透過してアノード12aに移動する。
その結果、アノード12aの水素含有ガスの水素純度が上昇するとともに、アノード12aの水素含有ガスの圧力が高くなる。このとき、アノードガス排出経路開閉弁57aによってアノードガス排出経路53aが閉塞されているので、アノード側入口18aから水素含有ガス経路52aにアノード12aの水素含有ガスが排出される。
アノード側入口18aから水素含有ガス経路52aに排出された水素含有ガスは、水素含有ガス経路52aから共用水素含有ガス経路51と水素含有ガス経路52b,52cを介して、他の水素生成動作を行っている電気化学デバイス1b,1cに対応するアノード12b,アノード12cに供給される。
次に、電源40aにより、カソード13aから電解質膜11aを介してアノード12aへと流れる方向の電流を電気化学デバイス1aに流し始めた時刻から第1時間経過したか否かを判定する(S007)。S007の判定で第1時間経過していない場合は、第1時間経過するまでS007の判定を繰り返し実行する。S007で第1時間経過したと判定した場合は、S008に移行する。
ここで、第1時間は、アノード12aに滞留する水素含有ガスの水素純度が所定の純度
99.97%に達する時間(カソード13aから電解質膜11aを介してアノード12aへと流れる方向の電流を電気化学デバイス1aに流す直前にアノード12aに滞留していた水素含有ガスを水素含有ガス経路52aから共用水素含有ガス経路51に排出する、パージ動作に要する時間)として実験的に取得した時間であり、本実施の形態では第1時間を10分としている。
S007で第1時間経過したと判定すると、制御器70は、電源40aからの電気化学デバイス1aへの電流を停止し、温度調節器30aによる電気化学デバイス1aの温度調節(温度調節器30aの熱交換器への冷却水の流入)を停止し、電源40aからの電気化学デバイス1aへの電流を停止する。さらに、水素含有ガス経路開閉弁56aとカソードガス排出経路開閉弁58aとを閉塞して(S008)、動作を終了する。
このとき、水素生成動作を継続している電気化学デバイス1b,1cに対応する水素含有ガス経路開閉弁56b,56cと、アノードガス排出経路開閉弁57b,57cと、カソードガス排出経路開閉弁58b,58cは、それぞれ開状態を維持している。
そして、電気化学デバイス1aの内部と、アノードガス排出経路開閉弁57a、水素含有ガス経路開閉弁56aおよびカソードガス排出経路開閉弁58aの各開閉弁と電気化学デバイス1aとの間の経路内は、それぞれ精製水素ガスで満たされた状態で密封される。
そのため、次に電気化学デバイス1aで水素生成動作を行うときは、電気化学デバイス1aで水素生成動作を行う動作を開始したとき(カソードガス排出経路開閉弁58aを開放したとき)から、電気化学デバイス1aの水素純度が高い精製水素ガスを供給することができる。
以上のように、本実施の形態においては、電気化学デバイス1aの水素生成動作を終了させるための動作において、電源40aから電気化学デバイス1aに水素生成動作時とは逆方向に電流を流すことによって、水素純度の高い精製水素ガスをカソード13aからアノード12aへ供給する。
この逆方向の電流を10分間(第1時間が経過するまで)電気化学デバイス1aに流すことにより、カソード13aに存在する精製水素ガス中の水素をアノード12aに移動させて、アノード12aに滞留する二酸化炭素やメタンを含む水素含有ガスを、アノード側入口18aから水素含有ガス経路52aを介して共用水素含有ガス経路51に(少なくとも、水素含有ガス経路52aにおける水素含有ガス経路開閉弁56aよりも上流側の経路に)排出することができる。
そして、電気化学デバイス1aから共用水素含有ガス経路51に排出された水素含有ガスは、水素生成動作を行っている電気化学デバイス1b,1cのアノード12b,12cに供給されることになる。
これにより、水素生成動作終了後の電気化学デバイス1aのアノード12aは水素純度の高い水素含有ガスが存在しており、水素生成動作終了後の待機状態に、二酸化炭素やメタンがアノード12aからカソード13aに透過するのを抑制できる。
以上のことから、次回の電気化学デバイス1aの水素生成動作開始直後のカソード13aの水素純度の低下を抑制することができる。
これに加えて、電気化学デバイス1aのアノード12aから排出された水素含有ガスを再度、電気化学デバイス1b,1cの水素生成動作に用いることができる。そのため、水
素生成システム100から水素利用機器に供給する水素含有ガス量がパージ動作によって減少することを無くすことができる。
以上説明したように本実施の形態の水素生成システム100は、アノード12とカソード13との間に電解質膜11を有し、アノード12に水素含有ガスを供給するとともに、アノード12から電解質膜11を介してカソード13に電流を流すことで、カソード13において精製水素ガスを生成する電解質膜−電極接合体21から成る3台の電気化学デバイス1と、水素含有ガスを共用水素含有ガス経路51に供給するガス供給手段50と、3台の電気化学デバイス1のそれぞれに個別に設けられ、アノード12とカソード13との間に正逆両方向に直流電流を流すことが可能に構成された3つの電源40と、共用水素含有ガス経路51の水素含有ガスを3台の電気化学デバイス1のアノード12に分配する3つの水素含有ガス経路52と、3台の電気化学デバイス1のそれぞれのアノード12に個別に設けられ、アノード12から未利用の水素含有ガスを排出する3つのアノードガス排出経路53と、3台の電気化学デバイス1のそれぞれのカソード13に個別に設けられ、カソード13において生成した精製水素ガスを共用カソードガス排出経路55に排出する3つのカソードガス排出経路54と、3つの水素含有ガス経路52のそれぞれに個別に水素含有ガス経路52を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイス1が水素生成動作をしているときに開放している3つの水素含有ガス経路開閉弁56と、3つのアノードガス排出経路53のそれぞれに個別にアノードガス排出経路53を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイス1が水素生成動作をしているときに開放している3つのアノードガス排出経路開閉弁57と、3つのカソードガス排出経路54のそれぞれに個別にカソードガス排出経路54を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイス1が水素生成動作をしているときに開放している3つのカソードガス排出経路開閉弁58と、制御器70とを備えている。
そして、制御器70が、電気化学デバイス1aの水素生成動作を終了させる場合は、電気化学デバイス1aに対応する電源40aに対してアノード12aから電解質膜11aを介してカソード13aに流す電流を止めさせるとともに、電気化学デバイス1aに対応するアノードガス排出経路開閉弁57aを閉塞させ、電気化学デバイス1aのカソード13aから電解質膜11aを介してアノード12aに透過する精製水素ガスによって、電気化学デバイス1aのアノード12a(アノード流路16aを含む)に滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路51に排出してから、電気化学デバイス1aに対応する水素含有ガス経路開閉弁56aとカソードガス排出経路開閉弁58aを閉塞させるのである。
この水素生成システム100は、水素生成動作を終了させる電気化学デバイス1aにおいて、アノードガス排出経路開閉弁57aを閉塞(アノードガス排出経路開閉弁57aによってアノードガス排出経路53aを閉塞)させて、カソード13a(カソード流路17aを含む)の精製水素ガスを、電解質膜11aを介してアノード12a(アノード流路16aを含む)に移動させて、アノード12a(アノード流路16aを含む)に滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路51に排出してから、水素含有ガス経路開閉弁56aおよびカソードガス排出経路開閉弁58aを閉塞(水素含有ガス経路開閉弁56aおよびカソードガス排出経路開閉弁58aによって水素含有ガス経路52aおよびカソードガス排出経路54aを閉塞)するので、電気化学デバイス1aの内部と、アノードガス排出経路開閉弁57a、水素含有ガス経路開閉弁56aおよびカソードガス排出経路開閉弁58aの各開閉弁と電気化学デバイス1aとの間の経路内は、精製水素ガスで満たされた状態で、密封される。
その結果、次回の電気化学デバイス1aの水素生成動作開始まで、アノード12a(アノード流路16aを含む)に滞留するガスを、カソード13a(カソード流路17aを含む)と同じ精製水素ガスにでき、アノード12a(アノード流路16aを含む)とカソー
ド13a(カソード流路17aを含む)とにそれぞれ滞留する水素含有ガスを構成する各成分ガスが、電解質膜11aの両側の各成分ガスの分圧の差によって、電解質膜11aを透過する現象は起こらない。
したがって、水素生成動作終了後の待機状態の電気化学デバイス1aにおいて、カソード13a(カソード流路17aを含む)に滞留する精製水素ガスの水素純度が低下していくのを抑制して、次回の電気化学デバイス1aの水素生成動作開始直後から高純度の精製水素ガスをカソード13a(カソード流路17aを含む)から排出することができることになる。
また、共用水素含有ガス経路51に排出された水素含有ガスとアノード12a(アノード流路16aを含む)に移動させた精製水素ガスとは、次回の電気化学デバイス1aの水素生成または水素生成動作中の他の電気化学デバイス1b,1cの水素生成に用いることができるので、アノード12a(アノード流路16aを含む)から排出した水素含有ガスと、アノード12a(アノード流路16aを含む)から水素含有ガスを排出するために用いた精製水素ガスとを無駄なく再利用できる。
なお、カソード13a(カソード流路17aを含む)の精製水素ガスを、電解質膜11aを介してアノード12a(アノード流路16aを含む)に移動させる方法としては、水素生成動作を行わせる電源40aからの電流を停止すると、カソード13a(カソード流路17aを含む)の精製水素ガスが、アノード12a(アノード流路16aを含む)とカソード13a(カソード流路17aを含む)の圧力差によって、電解質膜11aを透過してアノード12a(アノード流路16aを含む)に移動する現象も利用できる。
また、水素生成動作を行わせるアノード12aから電解質膜11aを介してカソード13aへと流れる正方向の電流を停止して、水素生成動作時とは逆方向のカソード13aから電解質膜11aを介してアノード12aへと流れる電流を電源40aによって流せば、電解質膜11aのガス透過の特性に頼らずに、確実に、精製水素ガスをカソード13a(カソード流路17aを含む)からアノード12a(アノード流路16aを含む)へ移動させることができ、逆方向の電流を流さない場合よりも、精製水素ガスのカソード13a(カソード流路17aを含む)からアノード12a(アノード流路16aを含む)へ移動する流量を多くでき、逆方向の電流の大きさを調節することによって、精製水素ガスのカソード13a(カソード流路17aを含む)からアノード12a(アノード流路16aを含む)へ移動する流量を調節できる。
また、カソードガス排出経路開閉弁58a(カソードガス排出経路54a)は、アノード12a(アノード流路16aを含む)に滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路51に排出してから、閉塞するので、カソードガス排出経路54aにおけるカソードガス排出経路開閉弁58aよりも下流側の精製水素ガスと、水素生成動作を行っている他の電気化学デバイス1b,1cのカソード13b,13cにおいて生成された精製水素ガスの両方の精製水素ガスを、カソード13a(カソード流路17aを含む)の精製水素ガスをアノード12a(アノード流路16aを含む)に移動させるのに利用できる。
また、本実施の形態の水素生成システム100は、制御器70が、水素生成動作を終了させる電気化学デバイス1aにおいて、精製水素ガスによって、アノード12a(アノード流路16aを含む)に滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路51に排出す(パージ動作をする)ときに、電気化学デバイス1aに対応する電源40aに対してカソード13aから電解質膜11aを介してアノード12aへと流れる水素生成動作時とは逆方向の電流を流させ、電気化学デバイス1aに対応する水素含有ガス経路開閉弁56aおよびカソードガス排出経路開閉弁58aを閉塞(水素含有ガス経路開閉弁56aおよびカソー
ドガス排出経路開閉弁58aによって水素含有ガス経路52aおよびカソードガス排出経路54aを閉塞)させるときに、電気化学デバイス1aに対応する電源40aに対して電流を流すのを止めさせるものである。
これによって、新規なデバイスや経路を追加することなく、水素生成動作時とは逆方向の電流を流すことにより、確実に、精製水素ガスをカソード13a(カソード流路17aを含む)からアノード12a(アノード流路16aを含む)へ移動させることができ、逆方向の電流の大きさを調節することによって、精製水素ガスのカソード13a(カソード流路17aを含む)からアノード12a(アノード流路16aを含む)へ移動する流量を調節できる。また、新規なデバイスや経路を追加する必要が無いので、水素生成システム100の大型化、高コスト化を防ぐことが可能となる。
また、本実施の形態の水素生成システム100の制御器70は、電気化学デバイス1aが、水素生成動作の終了動作を開始してから終了動作を完了するまでの間は、他の2台の電気化学デバイス1b,1cに水素生成動作を行わせているので、水素生成動作を終了させる電気化学デバイス1aから共用水素含有ガス経路51に排出された、アノード12a(アノード流路16aを含む)の水素含有ガス及びカソード13a(カソード流路17aを含む)の精製水素ガスを、水素生成動作をしている他の電気化学デバイス1b,1cのアノード12b,12cに供給して、電気化学デバイス1b,1cの水素生成に有効利用できる。
なお、本実施の形態の水素生成システム100の電気化学デバイス1の台数は、3台であったが、これに限定されるものではなく、電気化学デバイス1の台数は、2台以上であれば良い。
なお、本実施の形態では、3台の電気化学デバイス1のうちの1台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせたが、これに限定されるものではなく、3台の電気化学デバイス1のうちの1台の電気化学デバイス1が水素生成動作を行っている間に、他の2台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせても構わない。
また、本実施の形態では、3台の電気化学デバイス1のうちの2台の電気化学デバイス1が水素生成動作を行っている間に、残りの1台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせたが、3台の電気化学デバイス1のうちの1台の電気化学デバイス1が水素生成動作を行っている間に、他の2台のうちの1台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせ、残りの1台の電気化学デバイス1を休止させても構わない。
水素生成システム100の電気化学デバイス1の台数が2台の場合は、1台の電気化学デバイス1が水素生成動作を行っている間に、残りの1台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせる。
水素生成システム100の電気化学デバイス1の台数が4台の場合は、3台の電気化学デバイス1が水素生成動作を行っている間に、残りの1台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせる、または、2台の電気化学デバイス1が水素生成動作を行っている間に、残りの2台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせる、または、1台の電気化学デバイス1が水素生成動作を行っている間に、残りの3台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせる、2台の電気化学デバイス1が水素生成動作を行っている間に、他の2台のうちの1台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせ、残りの1台の電気化学デバイス1を休止させる、1台の電気化学デバイス1が水素生成動作を行っている間に、他の3台のうちの2台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせ、残りの1台の電気化学デバイス1を休止させる、1台の電気化学デバイス1が水素生成動作を行っている間に、他の3台
のうちの1台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせ、残りの2台の電気化学デバイス1を休止させる、のいずれかを行うことができる。
なお、本実施の形態では、1台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせたが、少なくとも1台以上の電気化学デバイス1に水素生成動作を行わせている間は、同時にパージ動作をさせる電気化学デバイス1の台数は、これに限定されるものではない。
なお、本実施の形態では、水素生成システム100に備えられた全て電気化学デバイス1に水素生成動作を同時に行わせたが、水素生成動作を同時に行わせる電気化学デバイス1が少なくとも2台以上であれば、これに限定されるものではない。
なお、本実施の形態では、電気化学デバイス1aに対して、水素生成動作を行わせた後にパージ動作を行わせたが、パージ動作が終了した後の電気化学デバイス1aに対して再び水素生成動作を行わせてもよい。
なお、本実施の形態では、S007の第1時間の10分を、予め実験的に取得し決定したが、水素含有ガス経路52に設置した流量計で、通過した水素含有ガスの積算流量をモニタリングして設定してもよい。
また、本実施の形態では、アノード12とカソード13との間に正逆両方向に直流電流を流すことが可能に構成された電源40を用いたが、電源40のプラス側端子とマイナス側端子を電源40側で切り替えずに、電源40と電気化学デバイス1との間に、電源40のプラス側端子をアノード12とカソード13のどちらか一方に選択的に接続するとともに、電源40のマイナス側端子をアノード12とカソード13のどちらか他方に選択的に接続する切換器を設けて、電流の向きを変えるときに制御器70が切換器を制御するようにしても構わない。
水素含有ガス経路開閉弁56は、水素含有ガス経路52における共用水素含有ガス経路51に近接した位置に設けると、水素含有ガス経路52におけるアノード側入口18に近接した位置に設ける場合よりも、バージ動作で移動させたガスを水素生成動作中の他の電気化学デバイス1の水素生成に有効利用できるとともに、次回の電気化学デバイス1の水素生成動作開始直後から高純度の精製水素ガスをカソード13から排出するのに都合が良い。
また、アノードガス排出経路開閉弁57とアノード側出口19との間のアノードガス排出経路53に存在する水素含有ガスは、アノード12(アノード流路16を含む)に存在する水素含有ガスよりも、パージ動作で水素含有ガス経路52(共用水素含有ガス経路51)に排出し難いので、アノードガス排出経路開閉弁57は、アノードガス排出経路53におけるアノード側出口19に近接した位置に設ける方が、アノードガス排出経路53におけるアノード側出口19から離れた位置に設ける場合よりも、アノードガス排出経路開閉弁57とアノード側出口19との間のアノードガス排出経路53に存在する水素含有ガスの影響を少なくできるので好ましい。
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2における水素生成システムの概略構成図である。図3は本実施の形態2における水素生成システムの動作を示すフローチャートである。
なお、図3に示す実施の形態2の水素生成システム200において、図1に示す実施の形態1の水素生成システム100と同一構成については、同一符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。
本発明の実施の形態2の水素生成システム200は、図1に示す実施の形態の水素生成システム100において、アノードガス排出経路53におけるアノードガス排出経路開閉弁57とアノード側出口19との間の経路と、カソードガス排出経路54におけるカソードガス排出経路開閉弁58とカソード側出口20との間の経路を連通させる還流経路59と、制御器70に制御されて、対応する電気化学デバイス1が水素生成動作中は還流経路59を閉塞し、対応する電気化学デバイス1がパージ動作中は還流経路59を開放する還流経路開閉弁60と、を追加して、パージ動作中の電気化学デバイス1に逆方向の電流を流さないようにしたものに相当する。
以下、本実施の形態の水素生成システムについて、その構成を、図3を参照しながら具体的に説明する。
図3に示すように、本実施の形態における水素生成システム200は、3台の電気化学デバイス1a,1b,1cと、3つの温度調節器30a,30b,30cと、3台の電源40a,40b,40cと、ガス供給手段50と、共用水素含有ガス経路51と、3つの水素含有ガス経路52a,52b,52cと、3つのアノードガス排出経路53a,53b,53cと、3つのカソードガス排出経路54a,54b,54cと、共用カソードガス排出経路55と、3つの水素含有ガス経路開閉弁56a,56b,56cと、3つのアノードガス排出経路開閉弁57a,57b,57cと、3つのカソードガス排出経路開閉弁58a,58b,58cと、還流経路59a,59b,59cと、還流経路開閉弁60a,60b,60cと、制御器70と、を備える。
還流経路59aは、アノードガス排出経路53aにおけるアノードガス排出経路開閉弁57aとアノード側出口19aとの間の経路と、カソードガス排出経路54aにおけるカソードガス排出経路開閉弁58aとカソード側出口20aとの間の経路と、を連通させる経路である。
還流経路59aは、カソードガス排出経路54aの精製水素ガスをアノード側出口19aからアノード12a(アノード流路16aを含む)に流すための経路であり、カソードガス排出経路54aにおけるカソードガス排出経路開閉弁58aとカソード側出口20aとの間の経路から分岐し、アノードガス排出経路53aにおけるアノードガス排出経路開閉弁57aとアノード側出口19aとの間の経路に合流する経路である。
還流経路59aは、一端がアノードガス排出経路53aにおけるアノードガス排出経路開閉弁57aとアノード側出口19aとの間の経路に接続され、他端がカソードガス排出経路54aにおけるカソードガス排出経路開閉弁58aとカソード側出口20aとの間の経路に接続され、経路の途中に還流経路59aを開閉する還流経路開閉弁60aを備えている。
還流経路開閉弁60aは、制御器70によって制御され、電気化学デバイス1aが水素生成動作をしているときは還流経路59aを閉塞しており、電気化学デバイス1aのパージ動作をするときに、アノードガス排出経路開閉弁57aの閉塞後に、還流経路59aを開放し、電気化学デバイス1aのパージ動作中は開状態を維持し、電気化学デバイス1aのパージ動作を終了させるときに、還流経路59aを閉塞する。
還流経路59bは、アノードガス排出経路53bにおけるアノードガス排出経路開閉弁57bとアノード側出口19bとの間の経路と、カソードガス排出経路54bにおけるカソードガス排出経路開閉弁58bとカソード側出口20bとの間の経路と、を連通させる経路である。
還流経路59bは、カソードガス排出経路54bの精製水素ガスをアノード側出口19bからアノード12b(アノード流路16bを含む)に流すための経路であり、カソードガス排出経路54bにおけるカソードガス排出経路開閉弁58bとカソード側出口20bとの間の経路から分岐し、アノードガス排出経路53bにおけるアノードガス排出経路開閉弁57bとアノード側出口19bとの間の経路に合流する経路である。
還流経路59bは、一端がアノードガス排出経路53bにおけるアノードガス排出経路開閉弁57bとアノード側出口19bとの間の経路に接続され、他端がカソードガス排出経路54bにおけるカソードガス排出経路開閉弁58bとカソード側出口20bとの間の経路に接続され、経路の途中に還流経路59bを開閉する還流経路開閉弁60bを備えている。
還流経路開閉弁60bは、制御器70によって制御され、電気化学デバイス1bが水素生成動作をしているときは還流経路59bを閉塞しており、電気化学デバイス1bのパージ動作をするときに、アノードガス排出経路開閉弁57bの閉塞後に、還流経路59bを開放し、電気化学デバイス1bのパージ動作中は開状態を維持し、電気化学デバイス1bのパージ動作を終了させるときに、還流経路59bを閉塞する。
還流経路59cは、アノードガス排出経路53cにおけるアノードガス排出経路開閉弁57cとアノード側出口19cとの間の経路と、カソードガス排出経路54cにおけるカソードガス排出経路開閉弁58cとカソード側出口20cとの間の経路と、を連通させる経路である。
還流経路59cは、カソードガス排出経路54cの精製水素ガスをアノード側出口19cからアノード12c(アノード流路16cを含む)に流すための経路であり、カソードガス排出経路54cにおけるカソードガス排出経路開閉弁58cとカソード側出口20cとの間の経路から分岐し、アノードガス排出経路53cにおけるアノードガス排出経路開閉弁57cとアノード側出口19cとの間の経路に合流する経路である。
還流経路59cは、一端がアノードガス排出経路53cにおけるアノードガス排出経路開閉弁57cとアノード側出口19cとの間の経路に接続され、他端がカソードガス排出経路54cにおけるカソードガス排出経路開閉弁58cとカソード側出口20cとの間の経路に接続され、経路の途中に還流経路59cを開閉する還流経路開閉弁60cを備えている。
還流経路開閉弁60cは、制御器70によって制御され、電気化学デバイス1cが水素生成動作をしているときは還流経路59cを閉塞しており、電気化学デバイス1cのパージ動作をするときに、アノードガス排出経路開閉弁57cの閉塞後に、還流経路59cを開放し、電気化学デバイス1cのパージ動作中は開状態を維持し、電気化学デバイス1cのパージ動作を終了させるときに、還流経路59cを閉塞する。
電源40aは、アノード12aとカソード13aとの間に、アノード12aから電解質膜11aを介してカソード13aへと流れる、直流電流を流す直流電源であり、プラス側端子がアノード12aに接続されているとともに、マイナス側端子がカソード13aに接続されている。
また、電源40aは、制御器70によって制御され、電気化学デバイス1aが水素生成動作をしているときには、アノード12aから電解質膜11aを介してカソード13aに直流電流を流しており、電気化学デバイス1aが水素生成動作をしていないときには、ア
ノード12aとカソード13aとの間に直流電流を流していない。
電源40bは、アノード12bとカソード13bとの間に、アノード12bから電解質膜11bを介してカソード13bへと流れる、直流電流を流す直流電源であり、プラス側端子がアノード12bに接続されているとともに、マイナス側端子がカソード13bに接続されている。
また、電源40bは、制御器70によって制御され、電気化学デバイス1bが水素生成動作をしているときには、アノード12bから電解質膜11bを介してカソード13bに直流電流を流しており、電気化学デバイス1bが水素生成動作をしていないときには、アノード12bとカソード13bとの間に直流電流を流していない。
電源40cは、アノード12cとカソード13cとの間に、アノード12cから電解質膜11cを介してカソード13cへと流れる、直流電流を流す直流電源であり、プラス側端子がアノード12cに接続されているとともに、マイナス側端子がカソード13cに接続されている。
また、電源40cは、制御器70によって制御され、電気化学デバイス1cが水素生成動作をしているときには、アノード12cから電解質膜11cを介してカソード13cに直流電流を流しており、電気化学デバイス1cが水素生成動作をしていないときには、アノード12cとカソード13cとの間に直流電流を流していない。
制御器70は、温度調節器30と、電源40と、ガス供給手段50と、水素含有ガス経路開閉弁56と、アノードガス排出経路開閉弁57と、カソードガス排出経路開閉弁58と、還流経路開閉弁60と、を制御可能に構成されている。
以上のように構成された本実施の形態の水素生成システム200について、以下、全ての電気化学デバイス1に水素生成動作を行わせてから、電気化学デバイス1b,1cの水素生成動作を終了させて、電気化学デバイス1aは、水素生成動作を継続する場合の動作を、図3と図4とを用いて、具体的に説明する。
以下の動作は、制御器70が、水素生成システム200の温度調節器30と、電源40と、ガス供給手段50と、水素含有ガス経路開閉弁56と、アノードガス排出経路開閉弁57と、カソードガス排出経路開閉弁58と、還流経路開閉弁60とを制御することによって行われる。
水素生成システム200が水素生成動作を開始する前(図4のフローチャートのスタートの時点)は、全ての電気化学デバイス1に対応する、水素含有ガス経路開閉弁56とアノードガス排出経路開閉弁57とカソードガス排出経路開閉弁58と還流経路開閉弁60は全て閉状態であり、電源40は電流を流しておらず、ガス供給手段50はガスを供給していない。
そして、全ての電気化学デバイス1に水素生成動作の開始命令が入ると、まず、制御器70は、還流経路開閉弁60は閉状態を維持させたままで、全ての電気化学デバイス1に対応する、水素含有ガス経路開閉弁56とアノードガス排出経路開閉弁57とカソードガス排出経路開閉弁58を、それぞれ開放(閉状態から開状態に)する(S011)。
次に、制御器70は、ガス供給手段50に、加湿された水素含有ガス(二酸化炭素の含有比率が30%で水素の含有比率が70%のガス)を、共用水素含有ガス経路51と水素含有ガス経路52を介して、アノード12に供給させる供給動作を開始させ、全ての電気
化学デバイス1の温度が70℃となるように、温度調節器30の熱交換器の冷却水の流量を制御する(S012)。
次に、全ての電気化学デバイス1に対応する電源40に対して、アノード12から電解質膜11を介してカソード13へと流れる方向の電流の供給動作を開始させて、全ての電気化学デバイス1の水素生成動作を開始させる(S013)。
これにより、全ての電気化学デバイス1では、アノード12に存在する水素含有ガスの水素が水素イオンと電子に解離し、電解質膜11を透過してカソード13に移動した水素イオンと、電源40を経由してカソード13に移動した電子とが、結びついて、カソード13で、水素が生成される。
なお、電解質膜11が、わずかにガスを透過する高分子で構成されるために、わずかではあるが、アノード12に存在する水素含有ガスに含まれる二酸化炭素が、電解質膜11を透過して、カソード13へ移動する。
このため、カソード13で生成された水素に微量の二酸化炭素が含まれた水素純度が99.97%の精製水素ガス(水素含有ガス)が、カソードガス排出経路54と、共用カソードガス排出経路55とを介して、水素利用機器へ供給される。
次に、外部から制御器70の信号入力部に、電気化学デバイス1b,1cに対して水素生成動作の終了命令が入ったか否かを判定する(S014)。このとき、終了命令が入っていないと判定すれば、終了命令が入るまでS014の判定を繰り返し、S014で終了命令が入ったと判定すればS015へ移行する。
S014で終了命令が入ったと判定すれば、制御器70は、電気化学デバイス1b,1cに対して、以下の水素生成動作を終了させるための動作を行わせる。
まず、制御器70は、電源40b,40cに電気化学デバイス1b,1cへの電流を停止させ、カソードガス排出経路開閉弁58b,58cと水素含有ガス経路開閉弁56b,56cとは開状態を維持させたままで、アノードガス排出経路開閉弁57b,57cを閉塞する(S015)。
このとき、電気化学デバイス1b,1cが終了動作を始めた後も水素生成動作を継続する電気化学デバイス1aに対応する水素含有ガス経路開閉弁56aとアノードガス排出経路開閉弁57aとカソードガス排出経路開閉弁58aの開状態は、維持される。
次に、制御器70は、温度調節器30b,30cによる電気化学デバイス1b,1cの温度調節(温度調節器30b,30cの熱交換器への冷却水の流入)を停止し、還流経路開閉弁60b,60cを開放する(S016)。
終了命令が入って電源40b,40cが電気化学デバイス1b,1cへの電流を停止するまで、電気化学デバイス1b,1cが水素生成動作をしていたことにより、カソード13b,13c(カソード流路17b,17cを含む)側の精製水素ガスの圧力がアノード12b,12c(アノード流路16b,16cを含む)側の水素含有ガスの圧力よりも高圧になっているために、還流経路開閉弁60b,60cを開放すると、カソード13b,13c(カソード流路17b,17cを含む)の精製水素ガスと共用カソードガス排出経路55の精製水素ガスが、カソードガス排出経路54b,54cから、還流経路59b,59cを通って、アノードガス排出経路53b,53cに流入し、さらに、アノード側出口19b,19cからアノード12b,12c(アノード流路16b,16cを含む)に
流入する。
そして、アノード側出口19b,19cからアノード12b,12c(アノード流路16b,16cを含む)に流入する精製水素ガスによって、アノード12b,12c(アノード流路16b,16cを含む)に滞留していた水素含有ガスは、共用水素含有ガス経路51に排出され、アノード12b,12c(アノード流路16b,16cを含む)のガスの水素純度が上昇する。
そして、共用水素含有ガス経路51に排出された水素含有ガスは、共用水素含有ガス経路51から水素含有ガス経路52aを通って、水素生成動作を継続している電気化学デバイス1aに対応するアノード12aへ供給される。
次に、還流経路開閉弁60b,60cを開放した時刻から第2時間経過したか否か判定する(S017)。S017の判定で第2時間経過していない場合は、第2時間経過するまでS017の判定を繰り返し実行する。S017で第2時間経過したと判定した場合には、S018に移行する。
ここで、第2時間は、アノード12b,12cに滞留する水素含有ガスの水素純度が所定の純度99.97%に達する時間(還流経路開閉弁60b,60cを開放する直前にアノード12b,12c(アノード流路16b,16cを含む)に滞留していた水素含有ガスを水素含有ガス経路52b,52cから共用水素含有ガス経路51に排出する、パージ動作に要する時間)として実験的に取得した時間であり、本実施の形態では第2時間を3分としている。
そして、S017で第2時間経過したと判定すると、制御器70は、還流経路開閉弁60b,60cと、水素含有ガス経路開閉弁56b,56cと、カソードガス排出経路開閉弁58b,58cとを、それぞれ閉塞して(S018)、動作を終了する。
このとき、水素生成動作を継続している電気化学デバイス1aに対応する水素含有ガス経路開閉弁56aと、アノードガス排出経路開閉弁57aと、カソードガス排出経路開閉弁58aは、それぞれ開状態を維持し、還流経路開閉弁60aは閉状態を維持している。
そして、電気化学デバイス1b,1cの内部と、アノードガス排出経路開閉弁57b,57c、水素含有ガス経路開閉弁56b,56cおよびカソードガス排出経路開閉弁58b,58caの各開閉弁と電気化学デバイス1b,1cとの間の経路内は、それぞれ精製水素ガスで満たされた状態で密封される。
そのため、次に電気化学デバイス1b,1cで水素生成動作を行うときは、電気化学デバイス1b,1cで水素生成動作を行う動作を開始したとき(カソードガス排出経路開閉弁58b,58cを開放したとき)から、電気化学デバイス1b,1cの水素純度が高い精製水素ガスを供給することができる。
以上のように、本実施の形態においては、電気化学デバイス1b,1cの水素生成動作を終了させるための動作において、還流経路開閉弁60b,60cを開放して、還流経路59b,59cによって、アノードガス排出経路開閉弁57b,57cとアノード側出口19b,19cとの間のアノードガス排出経路53b,53cと、カソードガス排出経路開閉弁58b,58cとカソード側出口20b,20cとの間のカソードガス排出経路54b,54cとを連通させて、水素純度の高い精製水素ガスを、カソード13b,13c側からアノード12b,12c側へ供給する。
この還流経路59b,59cを用いたカソード13b,13c側からアノード12b,12c側への精製水素ガスの供給を3分間(第2時間が経過するまで)継続することにより、カソード13b,13cに存在する精製水素ガスを、アノード側出口19b,19c側からアノード12b,12cに供給して、アノード12b,12cに滞留する二酸化炭素やメタンを含む水素含有ガスを、アノード側入口18b,18cから水素含有ガス経路52b,52cを介して共用水素含有ガス経路51に(少なくとも、水素含有ガス経路52b,52cにおける水素含有ガス経路開閉弁56b,56cよりも上流側の経路に)排出することができる。
そして、電気化学デバイス1b,1cから共用水素含有ガス経路51に排出された水素含有ガスは、水素生成動作を行っている電気化学デバイス1aのアノード12aに供給されることになる。
これにより、水素生成動作終了後の電気化学デバイス1b,1cのアノード12b,12cは水素純度の高い水素含有ガスが存在しており、水素生成動作終了後の待機状態に、二酸化炭素やメタンがアノード12b,12cからカソード13b,13cに透過するのを抑制できる。
以上のことから、次回の電気化学デバイス1b,1cの水素生成動作開始直後のカソード13b,13cの水素純度の低下を抑制することができる。
これに加えて、電気化学デバイス1b,1cのアノード12b,12cから排出された水素含有ガスを再度、電気化学デバイス1aの水素生成動作に用いることができる。そのため、水素生成システム200から水素利用機器に供給する水素含有ガス量がパージ動作によって減少することを無くすことができる。
以上説明したように本実施の形態の水素生成システム200は、アノード12とカソード13との間に電解質膜11を有し、アノード12に水素含有ガスを供給するとともに、アノード12から電解質膜11を介してカソード13に電流を流すことで、カソード13において精製水素ガスを生成する電解質膜−電極接合体21から成る3台の電気化学デバイス1と、水素含有ガスを共用水素含有ガス経路51に供給するガス供給手段50と、3台の電気化学デバイス1のそれぞれに個別に設けられ、アノード12とカソード13との間に正逆両方向に直流電流を流すことが可能に構成された3つの電源40と、共用水素含有ガス経路51の水素含有ガスを3台の電気化学デバイス1のアノード12に分配する3つの水素含有ガス経路52と、3台の電気化学デバイス1のそれぞれのアノード12に個別に設けられ、アノード12から未利用の水素含有ガスを排出する3つのアノードガス排出経路53と、3台の電気化学デバイス1のそれぞれのカソード13に個別に設けられ、カソード13において生成した精製水素ガスを共用カソードガス排出経路55に排出する3つのカソードガス排出経路54と、3つの水素含有ガス経路52のそれぞれに個別に水素含有ガス経路52を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイス1が水素生成動作をしているときに開放している3つの水素含有ガス経路開閉弁56と、3つのアノードガス排出経路53のそれぞれに個別にアノードガス排出経路53を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイス1が水素生成動作をしているときに開放している3つのアノードガス排出経路開閉弁57と、3つのカソードガス排出経路54のそれぞれに個別にカソードガス排出経路54を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイス1が水素生成動作をしているときに開放している3つのカソードガス排出経路開閉弁58と、3台の電気化学デバイス1のそれぞれに個別に設けられ、対応するアノードガス排出経路53におけるアノードガス排出経路開閉弁57とアノード12との間の経路と、対応するカソードガス排出経路54におけるカソードガス排出経路開閉弁58とカソード13との間の経路を連通させる3つの還流経路59と、3つの還流経路59のそれぞれに個別に、還流経路59
を開閉可能に設けられ、対応する電気化学デバイス1が水素生成動作をしているときに閉塞している3つの還流経路開閉弁60と、制御器70とを備えている。
そして、制御器70が、電気化学デバイス1b,1cの水素生成動作を終了させる場合は、電気化学デバイス1b,1cに対応する電源40b,40cに対して、アノード12b,12cから電解質膜11b,11cを介してカソード13b,13cへ電流を流すのを止めさせるとともに、電気化学デバイス1b,1cに対応するアノードガス排出経路開閉弁57b,57cを閉塞させた後に、電気化学デバイス1b,1cに対応する還流経路開閉弁60b,60cを開放させて、電気化学デバイス1b,1cの還流経路59b,59cとアノードガス排出経路53b,53cを通って(アノード側出口19b,19cから)アノード12b,12c(アノード流路16b,16cを含む)に逆流する精製水素ガスによって、電気化学デバイス1b,1cのアノード12b,12c(アノード流路16b,16cを含む)に滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路51に排出してから、電気化学デバイス1b,1cに対応する還流経路開閉弁60b,60c、水素含有ガス経路開閉弁56b,56cおよびカソードガス排出経路開閉弁58b,58cを閉塞させるのである。
この水素生成システム200は、水素生成動作を終了させる電気化学デバイス1b,1cにおいて、アノードガス排出経路開閉弁57b,57cを閉塞(アノードガス排出経路開閉弁57b,57cによって、アノードガス排出経路53b,53cを閉塞)させた後に、還流経路開閉弁60b,60cを開放させることによって、カソード13b,13c(カソード流路17b,17cを含む)の精製水素ガスを、還流経路59b,59cを利用して、アノードガス排出経路53b,53cからアノード12b,12c(アノード流路16b,16cを含む)に流入させることができる。
そして、アノードガス排出経路53b,53c(アノード側出口19b,19c)からアノード12b,12c(アノード流路16b,16cを含む)に流入するカソード13b,13c(カソード流路17b,17cを含む)の精製水素ガスによって、アノード12b,12c(アノード流路16b,16cを含む)に滞留する水素含有ガスを、共用水素含有ガス経路51に排出してから、還流経路開閉弁60b,60c、水素含有ガス経路開閉弁56b,56cおよびカソードガス排出経路開閉弁58b,58cを閉塞(還流経路開閉弁60b,60c、水素含有ガス経路開閉弁56b,56cおよびカソードガス排出経路開閉弁58b,58cによって、還流経路59b,59c、水素含有ガス経路52b,52cおよびカソードガス排出経路54b,54cを閉塞)するので、電気化学デバイス1b,1cの内部と、アノードガス排出経路開閉弁57b,57c、還流経路開閉弁60b,60c、水素含有ガス経路開閉弁56b,56cおよびカソードガス排出経路開閉弁58b,58cの各開閉弁と電気化学デバイス1b,1cとの間の経路内は、精製水素ガスで満たされた状態で、密封される。
その結果、次回の電気化学デバイス1b,1cの水素生成動作開始まで、アノード12b,12c(アノード流路16b,16cを含む)に滞留するガスを、カソード13b,13c(カソード流路17b,17cを含む)と同じ精製水素ガスにできる。
そのため、アノード12b,12c(アノード流路16b,16cを含む)とカソード13b,13c(カソード流路17b,17cを含む)にそれぞれ滞留する水素含有ガスを構成する各成分ガスが、電解質膜11b,11cの両側の各成分ガスの分圧の差によって、電解質膜11b,11cを透過する現象は起こらない。
したがって、水素生成動作終了後の待機状態の電気化学デバイス1b,1cにおいて、カソード13b,13c(カソード流路17b,17cを含む)に滞留する精製水素ガス
の水素純度が低下していくのを抑制して、次回の電気化学デバイス1b,1cの水素生成動作開始直後から高純度の精製水素ガスを、カソード13b,13c(カソード流路17b,17cを含む)から排出することができることになる。
また、共用水素含有ガス経路51に排出された水素含有ガスと、還流経路59b,59cを利用してアノードガス排出経路53b,53c(アノード側出口19b,19c)からアノード12b,12c(アノード流路16b,16cを含む)に流入させた精製水素ガスとは、次回の電気化学デバイス1b,1cの水素生成または水素生成動作中の他の電気化学デバイス1aの水素生成に用いることができる。
そのため、アノード12b,12c(アノード流路16b,16cを含む)から排出した水素含有ガスと、アノード12b,12c(アノード流路16b,16cを含む)から水素含有ガスを排出するために用いた精製水素ガスと、を無駄なく再利用できる。
また、還流経路59b,59cを用いて、精製水素ガスで、アノード12b,12c(アノード流路16b,16cを含む)に滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路51に排出すので、電解質膜11b,11cのガス透過の特性に頼らずに、確実に、精製水素ガスをカソード13b,13c(カソード流路17b,17cを含む)からアノード12b,12c(アノード流路16b,16cを含む)へ移動させることができる。
また、還流経路開閉弁60b,60cを開状態にする(還流経路開閉弁60b,60cの開状態を維持する)ための消費電力が、精製水素ガスをカソード13b,13c(カソード流路17b,17cを含む)からアノード12b,12c(アノード流路16b,16cを含む)へ移動させるために逆方向の電流を流す場合の消費電力よりも小さい場合には、実施の形態1のように逆方向の電流を流す場合よりも、省エネになる。
また、カソードガス排出経路開閉弁58b,58cは、アノード12b,12c(アノード流路16b,16cを含む)に滞留する水素含有ガスを共用水素含有ガス経路51に排出してから、閉塞するので、カソードガス排出経路54b,54cにおけるカソードガス排出経路開閉弁58b,58cよりも下流側の精製水素ガスと、水素生成動作を行っている他の電気化学デバイス1aのカソード13aにおいて生成された精製水素ガスの両方の精製水素ガスを、カソード13b,13c(カソード流路17b,17cを含む)の精製水素ガスをアノード12b,12c(アノード流路16b,16cを含む)に移動させるのに利用できる。
本実施の形態の水素生成システム200の制御器70は、電気化学デバイス1b,1cが、水素生成動作の終了動作を開始してから終了動作を完了するまでの間は、他の電気化学デバイス1aに水素生成動作を行わせているので、水素生成動作を終了させる電気化学デバイス1b,1cから共用水素含有ガス経路51に排出された、アノード12b,12c(アノード流路16b,16cを含む)の水素含有ガス及びカソード13b,13c(カソード流路17b,17cを含む)の精製水素ガスを、水素生成動作をしている他の電気化学デバイス1aのアノード12aに供給して、電気化学デバイス1aの水素生成に有効利用できる。
なお、本実施の形態の水素生成システム200の電気化学デバイス1の台数は、3台であったが、これに限定されるものではなく、電気化学デバイス1の台数は、2台以上であれば良い。
なお、本実施の形態では、3台の電気化学デバイス1のうちの2台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせたが、これに限定されるものではなく、3台の電気化学デバイス
1のうちの2台の電気化学デバイス1が水素生成動作を行っている間に、他の1台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせても構わない。
また、本実施の形態では、3台の電気化学デバイス1のうちの1台の電気化学デバイス1が水素生成動作を行っている間に、残りの2台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせたが、3台の電気化学デバイス1のうちの1台の電気化学デバイス1が水素生成動作を行っている間に、他の2台のうちの1台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせ、残りの1台の電気化学デバイス1を休止させても構わない。
水素生成システム200の電気化学デバイス1の台数が2台の場合は、1台の電気化学デバイス1が水素生成動作を行っている間に、残りの1台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせる。
水素生成システム100の電気化学デバイス1の台数が4台の場合は、3台の電気化学デバイス1が水素生成動作を行っている間に、残りの1台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせる、または、2台の電気化学デバイス1が水素生成動作を行っている間に、残りの2台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせる、または、1台の電気化学デバイス1が水素生成動作を行っている間に、残りの3台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせる、2台の電気化学デバイス1が水素生成動作を行っている間に、他の2台のうちの1台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせ、残りの1台の電気化学デバイス1を休止させる、1台の電気化学デバイス1が水素生成動作を行っている間に、他の3台のうちの2台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせ、残りの1台の電気化学デバイス1を休止させる、1台の電気化学デバイス1が水素生成動作を行っている間に、他の3台のうちの1台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせ、残りの2台の電気化学デバイス1を休止させる、のいずれかを行うことができる。
なお、本実施の形態では、2台の電気化学デバイス1にパージ動作を行わせたが、少なくとも1台以上の電気化学デバイス1に水素生成動作を行わせている間は、同時にパージ動作をさせる電気化学デバイス1の台数は、これに限定されるものではない。
なお、本実施の形態では、水素生成システム200に備えられた全て電気化学デバイス1に水素生成動作を同時に行わせたが、水素生成動作を同時に行わせる電気化学デバイス1が少なくとも2台以上であれば、これに限定されるものではない。
なお、本実施の形態では、電気化学デバイス1b,1cに対して、水素生成動作を行わせた後にパージ動作を行わせたが、パージ動作が終了した後の電気化学デバイス1b,1cに対して再び水素生成動作を行わせてもよい。
なお、本実施の形態では、S017の第2時間の3分を、予め実験的に取得し決定したが、水素含有ガス経路52または還流経路59に設置した流量計で、通過した水素含有ガスの積算流量をモニタリングして設定してもよい。
水素含有ガス経路開閉弁56は、水素含有ガス経路52における共用水素含有ガス経路51に近接した位置に設けると、水素含有ガス経路52におけるアノード側入口18に近接した位置に設ける場合よりも、バージ動作で移動させたガスを水素生成動作中の他の電気化学デバイス1の水素生成に有効利用できるとともに、次回の電気化学デバイス1の水素生成動作開始直後から高純度の精製水素ガスをカソード13から排出するのに都合が良い。
また、還流経路59がアノードガス排出経路53に合流する合流点(還流経路59がア
ノードガス排出経路53に接続される接続点)とアノードガス排出経路開閉弁57との間のアノードガス排出経路53に存在する水素含有ガスは、還流経路59がアノードガス排出経路53に合流する合流点(還流経路59がアノードガス排出経路53に接続される接続点)とアノード側出口19との間のアノードガス排出経路53に存在する水素含有ガスよりも、パージ動作で水素含有ガス経路52(共用水素含有ガス経路51)に排出し難いので、アノードガス排出経路開閉弁57は、アノードガス排出経路53における還流経路59がアノードガス排出経路53に合流する合流点(還流経路59がアノードガス排出経路53に接続される接続点)に近接した位置に設ける方が、アノードガス排出経路53における還流経路59がアノードガス排出経路53に合流する合流点(還流経路59がアノードガス排出経路53に接続される接続点)から離れた位置に設ける場合よりも、還流経路59がアノードガス排出経路53に合流する合流点(還流経路59がアノードガス排出経路53に接続される接続点)とアノードガス排出経路開閉弁57との間のアノードガス排出経路53に存在する水素含有ガスの影響を少なくできるので好ましい。
以上のように、本発明にかかる水素生成システムは、水素生成動作終了後の待機状態の電気化学デバイスにおいて、カソードに滞留する精製水素ガスの水素純度が低下していくのを抑制して、次回の電気化学デバイスの水素生成動作開始直後から高純度の精製水素ガスをカソードから排出することができるので、並列に接続された複数台の電気化学デバイスを用いて水素純度が高い精製水素ガスを生成する水素生成システム、または、その応用システムに適用できる。
1,1a,1b,1c 電気化学デバイス
11,11a,11b,11c 電解質膜
12,12a,12b,12c アノード
13,13a,13b,13c カソード
14,14a,14b,14c アノードセパレータ
15,15a,15b,15c カソードセパレータ
16,16a,16b,16c アノード流路
17,17a,17b,17c カソード流路
18,18a,18b,18c アノード側入口
19,19a,19b,19c アノード側出口
20,20a,20b,20c カソード側出口
21,21a,21b,21c 電解質膜−電極接合体
30,30a,30b,30c 温度調節器
40,40a,40b,40c 電源
50 ガス供給手段
51 共用水素含有ガス経路
52,52a,52b,52c 水素含有ガス経路
53,53a,53b,53c アノードガス排出経路
54,54a,54b,54c カソードガス排出経路
55 共用カソードガス排出経路
56,56a,56b,56c 水素含有ガス経路開閉弁
57,57a,57b,57c アノードガス排出経路開閉弁
58,58a,58b,58c カソードガス排出経路開閉弁
59,59a,59b,59c 還流経路
60,60a,60b,60c 還流経路開閉弁
70 制御器
100,200 水素生成システム

Claims (6)

  1. アノードとカソードとの間に電解質膜を有し、前記アノードに水素含有ガスを供給するとともに、前記アノードから前記電解質膜を介して前記カソードに電流を流すことで、前記カソードにおいて精製水素ガスを生成する複数の電気化学デバイスと、
    前記水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に供給するガス供給手段と、
    複数の前記電気化学デバイスのそれぞれに個別に設けられ、前記アノードと前記カソードとの間に電流を流す複数の電源と、
    前記共用水素含有ガス経路の前記水素含有ガスを、複数の前記電気化学デバイスの前記アノードに分配する複数の水素含有ガス経路と、
    複数の前記電気化学デバイスのそれぞれの前記アノードに個別に設けられ、前記アノードから未利用の前記水素含有ガスを排出する複数のアノードガス排出経路と、
    複数の前記電気化学デバイスのそれぞれの前記カソードに個別に設けられ、前記カソードにおいて生成した精製水素ガスを共用カソードガス排出経路に排出する複数のカソードガス排出経路と、
    複数の前記水素含有ガス経路のそれぞれに個別に、前記水素含有ガス経路を開閉可能に設けられ、対応する前記電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数の水素含有ガス経路開閉弁と、
    複数の前記アノードガス排出経路のそれぞれに個別に、前記アノードガス排出経路を開閉可能に設けられ、対応する前記電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数のアノードガス排出経路開閉弁と、
    複数の前記カソードガス排出経路のそれぞれに個別に、前記カソードガス排出経路を開閉可能に設けられ、対応する前記電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数のカソードガス排出経路開閉弁と、
    制御器と、を備え、
    前記制御器は、少なくとも1台の前記電気化学デバイスの水素生成動作を終了させる場合は、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスに対応する前記電源に対して前記アノードから前記電解質膜を介して前記カソードに流す電流を止めさせるとともに、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスに対応する前記アノードガス排出経路開閉弁を閉塞させ、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスの前記カソードから前記電解質膜を介して前記アノードに透過する前記精製水素ガスによって、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスの前記アノードに滞留する前記水素含有ガスを前記共用水素含有ガス経路に排出してから、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスに対応する前記水素含有ガス経路開閉弁および前記カソードガス排出経路開閉弁を閉塞させることを特徴とする水素生成システム。
  2. 前記制御器は、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスにおいて、前記精製水素ガスによって、前記アノードに滞留する前記水素含有ガスを前記共用水素含有ガス経路に排出するときに、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスに対応する前記電源に対して前記カソードから前記電解質膜を介して前記アノードに電流を流させ、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスに対応する前記水素含有ガス経路開閉弁および前記カソードガス排出経路開閉弁を閉塞させるときに、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスに対応する前記電源に対して電流を流すのを止めさせることを特徴とする請求項1に記載の水素生成システム。
  3. アノードとカソードとの間に電解質膜を有し、前記アノードに水素含有ガスを供給するとともに、前記アノードから前記電解質膜を介して前記カソードに電流を流すことで、前記カソードにおいて精製水素ガスを生成する複数の電気化学デバイスと、
    前記水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に供給するガス供給手段と、
    複数の前記電気化学デバイスのそれぞれに個別に設けられ、前記アノードと前記カソー
    ドとの間に電流を流す複数の電源と、
    前記共用水素含有ガス経路の前記水素含有ガスを、複数の前記電気化学デバイスの前記アノードに分配する複数の水素含有ガス経路と、
    複数の前記電気化学デバイスのそれぞれの前記アノードに個別に設けられ、前記アノードから未利用の前記水素含有ガスを排出する複数のアノードガス排出経路と、
    複数の前記電気化学デバイスのそれぞれの前記カソードに個別に設けられ、前記カソードにおいて生成した精製水素ガスを共用カソードガス排出経路に排出する複数のカソードガス排出経路と、
    複数の前記水素含有ガス経路のそれぞれに個別に、前記水素含有ガス経路を開閉可能に設けられ、対応する前記電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数の水素含有ガス経路開閉弁と、
    複数の前記アノードガス排出経路のそれぞれに個別に、前記アノードガス排出経路を開閉可能に設けられ、対応する前記電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数のアノードガス排出経路開閉弁と、
    複数の前記カソードガス排出経路のそれぞれに個別に、前記カソードガス排出経路を開閉可能に設けられ、対応する前記電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数のカソードガス排出経路開閉弁と、
    複数の前記電気化学デバイスのそれぞれに個別に設けられ、対応する前記アノードガス排出経路における前記アノードガス排出経路開閉弁と前記アノードとの間の経路と、対応する前記カソードガス排出経路における前記カソードガス排出経路開閉弁と前記カソードとの間の経路を連通させる複数の還流経路と、
    複数の前記還流経路のそれぞれに個別に、前記還流経路を開閉可能に設けられ、対応する前記電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに閉塞している複数の還流経路開閉弁と、
    制御器と、を備え、
    前記制御器は、少なくとも1台の前記電気化学デバイスの水素生成動作を終了させる場合は、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスに対応する前記電源に対して前記アノードから前記電解質膜を介して前記カソードに電流を流すのを止めさせるとともに、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスに対応する前記アノードガス排出経路開閉弁を閉塞させた後に、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスに対応する前記還流経路開閉弁を開放させ、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスの前記還流経路と前記アノードガス排出経路を通って前記アノードに逆流する前記精製水素ガスによって、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスの前記アノードに滞留する前記水素含有ガスを前記共用水素含有ガス経路に排出してから、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスに対応する前記還流経路開閉弁、前記水素含有ガス経路開閉弁および前記カソードガス排出経路開閉弁を閉塞させることを特徴とする水素生成システム。
  4. 前記制御器は、少なくとも1台の前記電気化学デバイスが、水素生成動作の終了動作を開始してから前記終了動作を完了するまでの間は、他の少なくとも1台の前記電気化学デバイスに前記水素生成動作を行わせることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の水素生成システム。
  5. アノードとカソードとの間に電解質膜を有し、前記アノードに水素含有ガスを供給するとともに、前記アノードから前記電解質膜を介して前記カソードに電流を流すことで、前記カソードにおいて精製水素ガスを生成する複数の電気化学デバイスと、
    前記水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に供給するガス供給手段と、
    複数の前記電気化学デバイスのそれぞれに個別に設けられ、前記アノードと前記カソードとの間に電流を流す複数の電源と、
    前記共用水素含有ガス経路の前記水素含有ガスを、複数の前記電気化学デバイスの前記アノードに分配する複数の水素含有ガス経路と、
    複数の前記電気化学デバイスのそれぞれの前記アノードに個別に設けられ、前記アノードから未利用の前記水素含有ガスを排出する複数のアノードガス排出経路と、
    複数の前記電気化学デバイスのそれぞれの前記カソードに個別に設けられ、前記カソードにおいて生成した精製水素ガスを共用カソードガス排出経路に排出する複数のカソードガス排出経路と、
    複数の前記水素含有ガス経路のそれぞれに個別に、前記水素含有ガス経路を開閉可能に設けられ、対応する前記電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数の水素含有ガス経路開閉弁と、
    複数の前記アノードガス排出経路のそれぞれに個別に、前記アノードガス排出経路を開閉可能に設けられ、対応する前記電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数のアノードガス排出経路開閉弁と、
    複数の前記カソードガス排出経路のそれぞれに個別に、前記カソードガス排出経路を開閉可能に設けられ、対応する前記電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数のカソードガス排出経路開閉弁と、
    を備えた水素生成システムにおいて、少なくとも1台の前記電気化学デバイスの水素生成動作を終了させる場合の運転方法であって、
    水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスの前記アノードから前記電解質膜を介して前記カソードに流れる電流を止めるとともに、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスに対応する前記アノードガス排出経路開閉弁を閉塞し、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスの前記カソードから前記電解質膜を介して前記アノードに透過する前記精製水素ガスによって、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスの前記アノードに滞留する前記水素含有ガスを前記共用水素含有ガス経路に排出してから、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスに対応する前記水素含有ガス経路開閉弁および前記カソードガス排出経路開閉弁を閉塞することを特徴とする水素生成システムの運転方法。
  6. アノードとカソードとの間に電解質膜を有し、前記アノードに水素含有ガスを供給するとともに、前記アノードから前記電解質膜を介して前記カソードに電流を流すことで、前記カソードにおいて精製水素ガスを生成する複数の電気化学デバイスと、
    前記水素含有ガスを共用水素含有ガス経路に供給するガス供給手段と、
    複数の前記電気化学デバイスのそれぞれに個別に設けられ、前記アノードと前記カソードとの間に電流を流す複数の電源と、
    前記共用水素含有ガス経路の前記水素含有ガスを、複数の前記電気化学デバイスの前記アノードに分配する複数の水素含有ガス経路と、
    複数の前記電気化学デバイスのそれぞれの前記アノードに個別に設けられ、前記アノードから未利用の前記水素含有ガスを排出する複数のアノードガス排出経路と、
    複数の前記電気化学デバイスのそれぞれの前記カソードに個別に設けられ、前記カソードにおいて生成した精製水素ガスを共用カソードガス排出経路に排出する複数のカソードガス排出経路と、
    複数の前記水素含有ガス経路のそれぞれに個別に、前記水素含有ガス経路を開閉可能に設けられ、対応する前記電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数の水素含有ガス経路開閉弁と、
    複数の前記アノードガス排出経路のそれぞれに個別に、前記アノードガス排出経路を開閉可能に設けられ、対応する前記電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数のアノードガス排出経路開閉弁と、
    複数の前記カソードガス排出経路のそれぞれに個別に、前記カソードガス排出経路を開閉可能に設けられ、対応する前記電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに開放している複数のカソードガス排出経路開閉弁と、
    複数の前記電気化学デバイスのそれぞれに個別に設けられ、対応する前記アノードガス排出経路における前記アノードガス排出経路開閉弁と前記アノードとの間の経路と、対応
    する前記カソードガス排出経路における前記カソードガス排出経路開閉弁と前記カソードとの間の経路を連通させる複数の還流経路と、
    複数の前記還流経路のそれぞれに個別に、前記還流経路を開閉可能に設けられ、対応する前記電気化学デバイスが水素生成動作をしているときに閉塞している複数の還流経路開閉弁と、
    を備えた水素生成システムにおいて、少なくとも1台の前記電気化学デバイスの水素生成動作を終了させる場合の運転方法であって、
    水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスの前記アノードから前記電解質膜を介して前記カソードに流れる電流を止めるとともに、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスに対応する前記アノードガス排出経路開閉弁を閉塞した後に、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスに対応する前記還流経路開閉弁を開放し、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスの前記還流経路と前記アノードガス排出経路を通って前記アノードに逆流する前記精製水素ガスによって、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスの前記アノードに滞留する前記水素含有ガスを前記共用水素含有ガス経路に排出してから、水素生成動作を終了させる前記電気化学デバイスに対応する前記還流経路開閉弁、前記水素含有ガス経路開閉弁および前記カソードガス排出経路開閉弁を閉塞することを特徴とする水素生成システムの運転方法。
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