JP2007294291A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な制御でシステム起動時におけるアノード側の水素置換を短時間で行い、燃料電池の触媒劣化を有効に抑制できるようにする。
【解決手段】複数のサブスタック11〜15から構成される燃料電池スタック10に対する水素ガスの供給経路を、複数のサブスタック11〜15に並行して水素ガスが供給される並列供給経路と、複数のサブスタックに順次水素ガスが供給される直列供給経路とで切り替えられるようにする。そして、燃料電池スタック10の起動時には、当該燃料電池スタック10に対する水素ガスの供給経路を直列供給経路として、個々のサブスタック11〜15に供給される水素ガスの流速を高め、サブスタック11〜15毎のアノード側の水素置換時間を短縮させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のサブスタックから構成される燃料電池スタックを備えた燃料電池システムに関する。
燃料電池システムは、燃料電池に水素ガスなどの燃料ガスと酸素を含む空気などの酸化剤ガスとを供給し、これら燃料ガスと酸化剤ガスとを燃料電池の電解質を介して電気化学的に反応させて、電解質両面に設けた電極間から電気エネルギを取り出すものである。燃料電池には、使用する電解質の違いなどで様々な種類のものが提案されているが、中でも、電解質に固体高分子膜を用いた固体高分子型燃料電池は、動作温度が低く、取り扱いが容易であるという特徴を有しており、電動車両用の電源としての用途が見込まれている。
一般に、固体高分子型燃料電池の構成単位である発電セルは、固体高分子電解質膜の両面に電極触媒層を形成した膜電極構造体(MEA:Membrane Electrode Assembly)が、一対のセパレータによって挟持された構造とされており、一方のセパレータの膜電極構造体と接する内面側には燃料ガスとしての水素ガスが流れる流路が形成され、他方のセパレータの膜電極構造体と接する内面側には酸化剤ガスとしての空気が流れる流路が形成されている。また、固体高分子電解質膜の両面に形成される電極触媒層は、通常、触媒に白金が用いられ、触媒担体として炭素が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。固体高分子型燃料電池の各発電セルでは、電極触媒層の一方がアノード(燃料極)、他方がカソード(酸化剤極)となり、アノードに燃料ガスとしての水素ガス、カソードに酸化剤ガスとしての空気が、それぞれセパレータに形成された流路から供給されることで、以下に示す電極反応が進行され、電力が発電される。
アノード(燃料極) :H→2H+2e
カソード(酸化剤極):2H++2e+(1/2)O→H
固体高分子型燃料電池は、通常、以上のような発電セルを多段に積層したスタック構造とされる。そして、特に、電動車両用の電源のように、高出力が要求される用途で使用する場合には、積層されるセル数が極めて多くなるため、所定数の発電セル毎にサブスタックと呼ばれる積層体を形成し、複数のサブスタックの組み合わせで燃料電池スタックが構成されるようにしている。
ところで、以上のような固体高分子型燃料電池を備える燃料電池システムでは、システム起動時に、カソード側で電解質膜上の炭素と水が反応して炭素被毒が起こり、電解質膜及び電極触媒の劣化を招くことがあるという問題が指摘されている。すなわち、システム起動直後は、システム停止期間中に水素が空気等に置換されたアノード側へ水素ガスが供給されることで、アノード側のガス組成が水素と酸素とが混在した状態となる。このとき、アノード側からカソード側へとプロトン(H)が移動し、移動したプロトンとカソード側の酸素が反応して水が生成される。この反応では電子(e)が必要とされるが、負荷が接続されていないため負荷電流は停止しており、アノード側からカソード側への電子の移動がない状態である。このため、カソード側に存在する水と電解質膜上の触媒担体である炭素とが反応して二酸化炭素とプロトンと電子が生成され、生成された電子がカソード側での水生成反応に使用されることになり、炭素被毒が発生して触媒劣化につながる。このような燃料電池の触媒劣化は、燃料電池出力のI−V特性に影響を及ぼして大きな発電電力を得ることが困難となるばかりか、燃料電池の寿命低下を招いて長期間の安定的な運転の妨げとなる。
以上のようなシステム起動時における燃料電池の触媒劣化への対策としては、例えば、システム起動直後に、燃料電池のアノード側に供給する水素ガスの圧力を通常運転時における供給圧よりも高く設定し、水素パージ弁を開放しながら、燃料電池のアノード側に高圧の水素ガスを供給することで、アノード側に残留している酸素を短時間で排出して均一な濃度の水素ガスに置換できるようにするという手法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2002−373674号公報 特開2004−139984号公報
しかしながら、前記特許文献2にて開示されている手法では、燃料電池のアノード側に高圧の水素を供給することでアノード側に残留している酸素を短時間で排出させるようにしているため、電解質膜を挟んで対峙するアノード側とカソード側との間に差圧が生じやすく、このアノードとカソード間の差圧により電解質膜がダメージを受けることが懸念される。また、このようなアノードとカソード間の差圧を電解質膜の許容圧力以下に抑えて電解質膜がダメージを受けないようにするために、カソード側に供給する空気の圧力をアノード側の水素ガス圧力に合わせて調整することも考えられるが、このような圧力制御は制御自体が煩雑であり、また、エアコンプレッサ等の空気加圧装置の稼動が必要となるため、エネルギロスにつながるという問題もある。
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みて創案されたものであって、簡便な制御でシステム起動時におけるアノード側の水素置換を短時間で行えるようにして、燃料電池の触媒劣化を有効に抑制できるようにした燃料電池システムを提供することを目的としている。
本発明に係る燃料電池システムは、複数のサブスタックから構成される燃料電池スタックに対する燃料ガスの供給経路を、複数のサブスタックに並行して燃料ガスが供給される並列供給経路と、複数のサブスタックに順次燃料ガスが供給される直列供給経路とで切り替える切替手段を備える。この燃料電池システムでは、燃料電池スタックの起動時に、当該燃料電池スタックに対する燃料ガスの供給経路を直列供給経路とすることで、燃料ガス供給経路上流側のサブスタックから下流側のサブスタックへと順番に燃料ガスが供給されることになる。したがって、燃料ガスの供給経路を並列供給経路とした場合と比べて、個々のサブスタックに供給される燃料ガスの流速を高めることができ、サブスタック毎のアノード側の水素置換時間を短縮することができる。
また、本発明に係る他の燃料電池システムは、複数のサブスタックから構成される燃料電池スタックに対する燃料ガスの供給経路を、複数のサブスタックに並行して燃料ガスが供給される並列供給経路と、複数のサブスタック毎に個別に燃料ガスが供給される個別供給経路とで切り替える切替手段を備える。この燃料電池システムでは、燃料電池スタックの起動時に、当該燃料電池スタックに対する燃料ガスの供給経路を個別供給経路とすることで、各サブスタックに対して他のサブスタックから独立して燃料ガスが供給されることになる。したがって、燃料ガスの供給経路を並列供給経路とした場合と比べて、個々のサブスタックに供給される燃料ガスの流速を高めることができ、サブスタック毎のアノード側の水素置換時間を短縮することができる。
本発明に係る燃料電池システムによれば、燃料電池スタックの起動時に、サブスタック毎に短時間でアノード側の水素置換が行われるので、アノード側のガス組成が不均一になることに起因する起動時の燃料電池スタックの触媒劣化を有効に抑制できる。また、起動時に供給する燃料ガスの圧力を高めることなく、燃料ガスの供給経路の切り替えによりサブスタック毎の燃料ガスの流速を高めることでアノード側の水素置換時間を短縮できるので、燃料電池スタック起動時における触媒劣化の抑制を簡便な制御で実現できる。
以下、本発明を適用した燃料電池システムの具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、燃料電池システムの概略構成について簡単に説明する。燃料電池システムは、発電を行う燃料電池スタックと、燃料電池スタックに燃料ガスとしての水素ガスを供給する水素供給系と、燃料電池スタックに酸化剤ガスとしての空気を供給する空気供給系とを主要な構成要素として備える。
燃料電池スタックとしては、例えば、電解質に固体高分子膜を用いた固体高分子型燃料電池が用いられる。固体高分子電解質膜は、例えばフッ素樹脂系イオン交換膜等、イオン(プロトン)伝導性の高分子膜からなるものであり、飽和含水することによりイオン伝導性電解質として機能する性質を持つ。固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質膜の両面に電極触媒層を形成した膜電極構造体を一対のセパレータで挟持してなる発電セルを1単位とし、この発電セルが多段に積層されたスタック構造を有する。そして、各発電セルのアノード側に水素供給系からの水素ガス、カソード側に空気供給系からの空気がそれぞれ供給されることで、各発電セルのアノードとカソード間での電極反応により電力が発電される。なお、各発電セルの電極触媒層には、例えば、白金微粒子などの触媒をカーボンブラックなどの触媒担体で担持したものが用いられる。
本実施形態の燃料電池システムは、電動車両用の電源としての用途で使用することを想定したものである。したがって、燃料電池スタックに対しては極めて高い出力が要求され、燃料電池スタックとして積層される発電セルのセル数が多数となる。このため、本実施形態の燃料電池システムでは、所定数の発電セル毎にサブスタックと呼ばれる積層体を形成して、このサブスタックを複数個組み合わせた構成の燃料電池スタックを用いている。
水素供給系は、例えば、高圧の水素ガスを貯蔵する高圧水素タンクを備え、この高圧水素タンクから取り出した水素ガスを減圧弁や水素調圧弁で所望の圧力に調整した上で、燃料電池スタックのアノード側に供給する構成となっている。ここで、特に本発明を適用した燃料電池システムでは、この水素供給系の燃料電池スタックに対する水素ガスの供給経路を、燃料電池スタックの起動時と通常発電時とで切り替えられるようにしているが、この水素ガスの供給経路の切り替えについては、詳細を後述する。なお、水素供給系の基本的な構成は以上の例に限定されるものではなく、この種の燃料電池システムにおいて従来公知の構成が何れも採用可能である。
また、空気供給系は、例えば、外気を吸入し、圧縮して吐出するエアコンプレッサを備え、このエアコンプレッサで圧縮した空気を、加湿装置などにより十分に加湿した上で、燃料電池スタックのカソード側に供給する構成となっている。なお、この空気供給系の構成についても以上の例に限定されるものではなく、この種の燃料電池システムにおいて従来公知の構成が何れも採用可能である。また、電動車両用の電源として使用される燃料電池システムには、以上の水素供給系や空気供給系のほか、燃料電池スタックを適正な動作温度に保つための冷却系なども適宜設けられるが、これら冷却系などの構成も、この種の燃料電池システムにおいて従来公知の構成が何れも採用可能である。
以上の構成を有する燃料電池システムにおいて、システム内の各部の動作はコントロールユニットによって統括的に制御される。すなわち、コントロールユニットは、システム内に設けられた各種センサ(圧力センサや流量センサ、温度センサ、電圧センサなど)の検出値をモニタリングしてシステムの動作状況を把握するとともに、車両の運転状況などに応じて燃料電池システムに要求される発電量を把握し、燃料電池スタックから要求発電量に見合う出力が得られるように、水素供給系の動作や空気供給系の動作などを統括的に制御する。また、特に本実施形態の燃料電池システムでは、上述したように水素供給系における燃料電池スタックへの水素ガスの供給経路を燃料電池スタックの起動時と通常発電時とで切り替えられるようにしているが、この水素ガスの供給経路の切り替えも、コントロールユニットにより制御される。
燃料電池システムでは、燃料電池スタックの起動時に水素供給系から燃料電池スタックへの水素ガスの供給が開始されるが、起動開始直後は、燃料電池スタックのアノード内は空気が残存した状態であり、ここに水素ガスが供給されることで、アノード側のガス組成が水素と酸素とが混在した状態となる。このような燃料電池スタックのアノード側におけるガス組成の不均一状態は、カソード側での触媒劣化につながるため、起動開始直後に燃料電池スタックのアノード側の空気を素早く水素ガスで置換して、アノード側を均一な水素ガスで満たした状態とすることが重要となる。
燃料電池スタックのアノード側の水素置換を素早く行うためには、燃料電池スタックの起動時にアノード側に供給する水素ガスの流速を高めることが有効であることが、実験により確認されている。ただし、本実施形態の燃料電池システムのように、電動車両用の電源として車両に搭載されるシステムにおいては、一度に流せる水素ガスの流量は限られるため、流量の増加により水素ガスの流速を高めるには限界がある。そこで、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタックの起動時に、通常の発電時とは異なる供給経路で燃料電池スタックに対する水素ガスの供給を行うことにより、燃料電池スタックを構成する個々のサブスタックに供給される水素ガスの流速を高めて、サブスタック毎のアノード側の水素置換を短時間で行えるようにし、アノード側のガス組成が不均一になることに起因する燃料電池スタックの触媒劣化を抑制できるようにしている。
以下、本実施形態の燃料電池システムにおいて特徴的な水素ガス供給経路の切り替えについて、3つの具体例(第1実施例〜第3実施例)を例示して説明する。
[第1実施例]
図1は、第1実施例の燃料電池スタック周辺の構造を示す模式図である。この第1実施例では、燃料電池スタック10が、第1乃至第5の5つのサブスタック11〜15の組み合わせで構成されている。これら燃料電池スタック10を構成する各サブスタック11〜15への水素ガスの供給は、水素供給配管を通じて行われる。すなわち、水素供給源となる高圧水素タンク(図示せず)と燃料電池スタック10を構成する各サブスタック11〜15は水素供給配管により接続されており、この水素供給配管が燃料電池スタック10に対する水素ガスの供給経路を形成する。
第1実施例の水素供給配管は、図1に示すように、各サブスタック11〜15が並ぶ方向に沿って延びる一対の合流配管(第1合流配管16及び第2合流配管17)を有し、これら第1合流配管16と第2合流配管17とから、各サブスタック11〜15毎に分岐配管16a〜16e,17a〜17eがそれぞれ分岐して、分岐配管16a,17aが第1サブスタック11に接続され、分岐配管16b,17bが第2サブスタック12に接続され、分岐配管16c,17cが第3サブスタック13に接続され、分岐配管16d,17dが第4サブスタック14に接続され、分岐配管16e,17eが第5サブスタック15に接続された配管構造となっている。
また、第1実施例では、第1合流配管16における分岐配管16aの分岐位置と分岐配管16bの分岐位置との間に第1開閉弁18が設けられ、第2合流配管17における分岐配管17bの分岐位置と分岐配管17cの分岐位置との間に第2開閉弁19が設けられ、第1合流配管16における分岐配管16cの分岐位置と分岐配管16dの分岐位置との間に第3開閉弁20が設けられ、第2合流配管17における分岐配管17dの分岐位置と分岐配管17eの分岐位置との間に第4開閉弁21が設けられている。すなわち、第1実施例では、第1乃至第4の4つの開閉弁18〜21が、第1合流配管16と第2合流配管17とに千鳥状に配置されている。
また、第1実施例では、燃料電池スタック10を構成する第1乃至第5のサブスタック11〜15のうち、水素供給配管の水素ガス出口側に最も近い位置の第5サブスタック15に、当該サブスタックの電圧を検出する電圧センサ22が設けられている。
以上の構造を前提として、第1実施例では、燃料電池スタック10の通常発電時においては、システム全体を統括的に制御するコントロールユニット(図示せず)が、第1乃至第4の開閉弁18〜21を全て開いた状態で、燃料電池スタック10に対する水素ガスの供給を行う。これにより、燃料電池スタック10に対する水素ガスの供給経路は、図2(a)に示すように、燃料電池スタック10を構成する第1乃至第5のサブスタック11〜15のそれぞれに並行して水素ガスが供給される並列供給経路とされる。すなわち、燃料電池スタック10の通常発電時には、水素供給系の高圧水素タンクから取り出された水素ガスが、減圧弁や水素調圧弁により所望の圧力に調整された上で、第1合流配管16から分岐配管16a〜16eを介して第1乃至第5のサブスタック11〜15にほぼ同時に供給される。そして、第1乃至第5のサブスタック11〜15から排出される排ガスが、分岐配管17a〜17eを介して第2合流配管17で合流し、例えば後段の排ガス処理装置などに導かれる。
第1実施例では、燃料電池スタック10の通常発電時に、燃料電池スタック10に対する水素ガスの供給経路を図2(a)のような並列供給経路とし、第1乃至第5のサブスタック11〜15に水素ガスをほぼ同時に供給することで、例えば車両の急加速時など、燃料電池スタック10に要求される発電量が急激に増加した場合でも、燃料電池スタック10に局所的或いは全体的な水素ガスの供給不足を生じさせることなく、燃料電池スタック10からの電力の取り出しを適切に行えるようにしている。
また、第1実施例では、燃料電池スタック10の起動時においては、コントロールユニットが、第1乃至第4の開閉弁18〜21を全て閉じた状態で、燃料電池スタック10に対する水素ガスの供給を行う。これにより、燃料電池スタック10に対する水素ガスの供給経路は、図2(b)に示すように、燃料電池スタック10を構成する第1乃至第5のサブスタック11〜15に順次水素ガスが供給される直列供給経路とされる。すなわち、燃料電池スタック10の起動時には、水素供給系の高圧水素タンクから取り出された水素ガスが、減圧弁や水素調圧弁により所望の圧力に調整された上で、第1合流配管16から分岐配管16aを介して第1サブスタック11に供給される。そして、第1サブスタック11を通過した水素ガスが、分岐配管17aから第2合流配管17に導かれた後、分岐配管17bを介して第2サブスタック12に供給される。さらに、第2サブスタック12を通過した水素ガスが、分岐配管16bから第1合流配管16に導かれた後、分岐配管16cを介して第3サブスタック13に供給され、第3サブスタック13を通過した水素ガスが、分岐配管17cから第2合流配管17に導かれた後、分岐配管17dを介して第4サブスタック14に供給される。そして、第4サブスタック14を通過した水素ガスが、分岐配管16dから第1合流配管16に導かれた後、分岐配管16eを介して第5サブスタック15に供給されて、最後に、第5サブスタック15を通過した水素ガスが、分岐配管17eから第2合流配管17に導かれた後、例えば後段の排ガス処理装置などに導かれる。
第1実施例では、燃料電池スタック10の起動時には、燃料電池スタック10に対する水素ガスの供給経路を図2(b)のような直列供給経路とし、第1乃至第5のサブスタック11〜15に水素ガスを順次供給することで、第1乃至第5のサブスタック11〜15に供給される水素ガスの流速を高めて、各サブスタック11〜15毎のアノード側の水素置換を短時間で行えるようにしている。すなわち、燃料電池スタック10に対する水素ガスの供給経路を図2(b)のような直列供給経路とした場合、個々のサブスタックに供給される水素ガスの流速は、図2(a)のような並列供給経路と比べて高められることになる。また、第2乃至第5のサブスタック12〜15は、前段のサブスタック11〜14におけるアノード側の水素置換が終了してから、流速が高められた水素ガスが供給されることになるので、個々のサブスタック毎に見ると、アノード側の水素置換が極めて短時間で行われることになる。このように、第1実施例では、燃料電池スタック10の起動時に、コントロールユニットの制御により燃料電池スタック10に対する水素ガスの供給経路を図2(b)に示すような直列供給経路とすることで、燃料電池スタック10を構成する第1乃至第5のサブスタック11〜15毎のアノード側の水素置換を短時間で行えるようにして、アノード側のガス組成が不均一になることに起因する燃料電池スタック10の触媒劣化を抑制できるようにしている。
また、第1実施例では、コントロールユニットが、第5サブスタック15に設けられた電圧センサ22の検出値をモニタリングして、図3に示すように、当該電圧センサ22の検出値が予め定めた所定の閾値電圧Vd以上となったときに、燃料電池スタック10の起動が終了したと判定する。そして、コントロールユニットは、燃料電池スタック10の起動終了を判定すると、起動時に閉じておいた第1乃至第4の開閉弁18〜21を全て開放して、燃料電池スタック10に対する水素ガスの供給経路を、図2(b)に示した直列供給経路から図2(a)に示した並列供給経路へと切り替える。なお、燃料電池スタック10の起動時において、第5サブスタック15への水素ガスの供給が開始されてから電圧センサ22の検出値が閾値電圧Vd以上となるまでの時間t1は、概ね1秒未満となる。
図4は、コントロールユニットによる水素ガス供給経路の切り替え制御の概要を示すフローチャートである。
燃料電池システムの電源が投入され、燃料電池スタック10の起動が開始されると、コントロールユニットは、まず、ステップS1において、第1乃至第4の開閉弁18〜21を全て閉じた状態で、燃料電池スタック10に対する水素ガスの供給を開始させる。これにより、水素ガスの供給経路は直列供給経路となり、燃料電池スタック10を構成する第1乃至第5のサブスタック11〜15に水素ガスが順次供給される。コントロールユニットは、直列供給経路による水素ガスの供給を行っている間、第5サブスタック15に設けられた電圧センサ22の検出値を随時読み込み(ステップS2)、電圧センサ22の検出値が所定の閾値電圧以上となったときに(ステップS3)、燃料電池スタック10の起動が終了したと判定する。そして、コントロールユニットは、ステップS4において、第1乃至第4の開閉弁18〜21を全て開放し、燃料電池スタック10に対する水素ガスの供給経路を直列供給経路から並列供給経路へと切り替える。そして、ステップS5において、燃料電池システムの通常運転を開始して、燃料電池スタック10に所望の電力を発電させる。
[第2実施例]
図5は、第2実施例の燃料電池スタック周辺の構造を示す模式図である。この第2実施例は第1実施例の変形例であり、燃料電池スタックが偶数個のサブスタックの組み合わせで構成される場合の例である。すなわち、第1実施例では図1に示したように燃料電池スタック10が5つ(奇数個)のサブスタック11〜15の組み合わせで構成されていたが、第2実施例では、図5に示すように、燃料電池スタック30が、第1乃至第4の4つ(偶数個)のサブスタック31〜34の組み合わせで構成されている。
また、第2実施例の水素供給配管は、図5に示すように、各サブスタック31〜34が並ぶ方向に沿って延びる第1合流配管35及び第2合流配管36から、各サブスタック31〜34毎の分岐配管35a〜35d,36a〜36dがそれぞれ分岐し、さらに、第4サブスタック34の下流側において、第1合流配管35と第2合流配管36とが連通配管37を介して連通された配管構造となっている。
また、第2実施例では、第1合流配管35における分岐配管35aの分岐位置と分岐配管35bの分岐位置との間に第1開閉弁38が設けられ、第2合流配管36における分岐配管36bの分岐位置と分岐配管36cの分岐位置との間に第2開閉弁39が設けられ、第1合流配管35における分岐配管35cの分岐位置と分岐配管35dの分岐位置との間に第3開閉弁40が設けられ、第2合流配管36における分岐配管36dの分岐位置と連通配管37との接続位置との間に第4開閉弁41が設けられ、さらに、連通配管37に第5開閉弁42が設けられている。
また、第2実施例では、燃料電池スタック30を構成する第1乃至第4のサブスタック31〜34のうち、水素供給配管の水素ガス出口側に最も近い位置の第4サブスタック134に、当該サブスタックの電圧を検出する電圧センサ43が設けられている。
以上の構造を前提として、第2実施例では、燃料電池スタック10の通常発電時においては、コントロールユニットが、第1乃至第4の開閉弁38〜41を開放するとともに第5開閉弁42を閉じた状態として、燃料電池スタック30に対する水素ガスの供給を行う。これにより、燃料電池スタック30に対する水素ガスの供給経路は、図6(a)に示すように、燃料電池スタック30を構成する第1乃至第4のサブスタック31〜34のそれぞれに並行して水素ガスが供給される並列供給経路とされ、第1乃至第4のサブスタック31〜34にほぼ同時に水素ガスが供給されることになる。
また、燃料電池スタック30の起動時においては、コントロールユニットが、第1乃至第4の開閉弁38〜41を閉じた状態とするとともに第5開閉弁42を開放して、燃料電池スタック30に対する水素ガスの供給を行う。これにより、燃料電池スタック30に対する水素ガスの供給経路は、図6(b)に示すように、燃料電池スタック30を構成する第1乃至第4のサブスタック31〜34に順次水素ガスが供給される直列供給経路とされる。そして、コントロールユニットは、直列供給経路による水素ガスの供給を行っている間、第4サブスタック15に設けられた電圧センサ43の検出値をモニタリングして、当該電圧センサ43の検出値が予め定めた所定の閾値電圧以上となったときに、燃料電池スタック30の起動が終了したと判定し、起動時に閉じておいた第1乃至第4の開閉弁38〜41を開放するとともに、起動時に開放していた第5開閉弁42を閉じて、燃料電池スタック30に対する水素ガスの供給経路を、図6(b)に示した直列供給経路から図6(a)に示した並列供給経路へと切り替える。
以上のように、第2実施例においても、第1実施例と同様に、燃料電池スタック30の通常発電時には燃料電池スタック30に対する水素ガスの供給経路を並列供給経路として、燃料電池スタック30に要求される発電量が急激に増加した場合でも、燃料電池スタック30に局所的或いは全体的な水素ガスの供給不足を生じさせることなく、燃料電池スタック30からの電力の取り出しを適切に行えるようにするとともに、燃料電池スタック30の起動時には燃料電池スタック30に対する水素ガスの供給経路を直列供給経路として、第1乃至第4のサブスタック31〜34に供給される水素ガスの流速を高めて、各サブスタック31〜34毎のアノード側の水素置換を短時間で行えるようにし、燃料電池スタック30の触媒劣化を有効に抑制できるようにしている。
[第3実施例]
図7は、第3実施例の燃料電池スタック周辺の構造を示す模式図である。この第3実施例では、図7に示すように、燃料電池スタック50が、第1乃至第3の3つのサブスタック51〜53の組み合わせで構成されている。また、第3実施例の水素供給配管は、図7に示すように、各サブスタック51〜53が並ぶ方向に沿って延びる第1合流配管54及び第2合流配管55から、各サブスタック51〜53毎の分岐配管54a〜54c,55a〜55cがそれぞれ分岐して、分岐配管54a,55aが第1サブスタック51に接続され、分岐配管54b,55bが第2サブスタック52に接続され、分岐配管54c,55cが第3サブスタック53に接続された配管構造となっている。
また、第3実施例では、第1サブスタック51に接続される分岐配管54a,55aに第1開閉弁56と第2開閉弁57とが各々設けられ、第2サブスタック52に接続される分岐配管54b,55bに第3開閉弁58と第4開閉弁59とが各々設けられ、第3サブスタック53に接続される分岐配管54c,55cに第5開閉弁60と第6開閉弁61とが各々設けられている。
また、第3実施例では、燃料電池スタック50を構成する第1乃至第3のサブスタック51〜53のそれぞれに、各サブスタック51〜53の電圧を検出する電圧センサ62〜64がそれぞれ設けられている。
以上の構造を前提として、第3実施例では、燃料電池スタック50の通常発電時においては、コントロールユニットが、第1乃至第6の開閉弁56〜61を全て開いた状態で、燃料電池スタック10に対する水素ガスの供給を行う。これにより、燃料電池スタック50に対する水素ガスの供給経路は、図8(a)に示すように、燃料電池スタック50を構成する第1乃至第3のサブスタック51〜53のそれぞれに並行して水素ガスが供給される並列供給経路とされ、第1乃至第3のサブスタック51〜53にほぼ同時に水素ガスが供給されることになる。
このように第3実施例においても、第1実施例及び第2実施例と同様に、燃料電池スタック50の通常発電時には、燃料電池スタック50に対する水素ガスの供給経路を並列供給経路とし、第1乃至第3のサブスタック51〜53に水素ガスをほぼ同時に供給することで、例えば車両の急加速時など、燃料電池スタック50に要求される発電量が急激に増加した場合でも、燃料電池スタック50に局所的或いは全体的な水素ガスの供給不足を生じさせることなく、燃料電池スタック50からの電力の取り出しを適切に行えるようにしている。
また、燃料電池スタック50の起動時においては、コントロールユニットが、第1開閉弁56及び第2開閉弁57、第3開閉弁58及び第4開閉弁59、第5開閉弁60及び代6開閉弁61の開閉状態を順次切り替えながら、燃料電池スタック50を構成する各サブスタック51〜53毎に個別に水素ガスが供給される個別供給経路にて、燃料電池スタック50に対する水素ガスの供給を行う。すなわち、燃料電池スタック50の起動開始直後は、コントロールユニットは、まず、第3乃至第6の開閉弁58〜61は閉じた状態としながら、第1開閉弁56及び第2開閉弁57を開放して、燃料電池スタック50に対する水素ガスの供給を行う。これにより、図8(b)に示すように、第1サブスタック51にのみ水素ガスが供給されることになり、第1サブスタック51のみの独立した起動が行われる。そして、第1サブスタック51の起動が終了すると、コントロールユニットは、次に、第1開閉弁56及び第2開閉弁57を開から閉に切り替えるとともに、第3開閉弁58及び第4開閉弁59を閉から開に切り替え、第5開閉弁60及び第6開閉弁61は閉じた状態のままで、燃料電池スタック50に対する水素ガスの供給を行う。これにより、図8(c)に示すように、第2サブスタック52にのみ水素ガスが供給されることになり、第2サブスタック52のみの独立した起動が行われる。そして、第2サブスタック52の起動が終了すると、コントロールユニットは、次に、第3開閉弁58及び第4開閉弁59を開から閉に切り替えるとともに、第5開閉弁60及び第6開閉弁61を閉から開に切り替え、第1開閉弁56及び第2開閉弁57は閉じた状態のままで、燃料電池スタック50に対する水素ガスの供給を行う。これにより、図8(d)に示すように、第3サブスタック53にのみ水素ガスが供給されることになり、第3サブスタック53のみの独立した起動が行われる。そして、第3サブスタック53の起動終了、すなわち、燃料電池スタック50を構成する全てのサブスタック51〜53の起動が終了すると、コントロールユニットは、第1乃至第6の開閉弁56〜61を全て開いた状態とし、燃料電池スタック50に対する水素ガスの供給経路を、個別供給経路から並列供給経路へと切り替える。
なお、燃料電池スタック50を構成する各サブスタック51〜53毎の起動終了は、各サブスタック51〜53に設けられた電圧センサ62〜64の検出値に基づいて行われる。すなわち、コントロールユニットは、図8(b)に示す個別供給経路により第1サブスタック51に対する水素ガスの供給を行っている間、第1サブスタック51に設けられた電圧センサ62の検出値をモニタリングして、当該電圧センサ62の検出値が予め定めた所定の閾値電圧以上となったときに、第1サブスタック51の起動が終了したと判定する。また、コントロールユニットは、図8(c)に示す個別供給経路により第2サブスタック52に対する水素ガスの供給を行っている間、第2サブスタック52に設けられた電圧センサ63の検出値をモニタリングして、当該電圧センサ63の検出値が予め定めた所定の閾値電圧以上となったときに、第2サブスタック52の起動が終了したと判定する。また、コントロールユニットは、図8(d)に示す個別供給経路により第3サブスタック53に対する水素ガスの供給を行っている間、第3サブスタック53に設けられた電圧センサ64の検出値をモニタリングして、当該電圧センサ64の検出値が予め定めた所定の閾値電圧以上となったときに、第3サブスタック53の起動終了、すなわち、燃料電池スタック50を構成する全てのサブスタック51〜53の起動が終了したと判定する。
以上のように、第3実施例では、燃料電池スタック50の起動時には、燃料電池スタック50に対する水素ガスの供給経路を図8(b)乃至図8(d)のような個別供給経路とし、第1乃至第3のサブスタック51〜53毎に個別に水素ガスを供給することで、第1乃至第3のサブスタック51〜53に供給される水素ガスの流速を高めて、各サブスタック51〜53毎のアノード側の水素置換を短時間で行えるようにしている。すなわち、燃料電池スタック50に対する水素ガスの供給経路を図8(b)のような個別供給経路とした場合、第1サブスタック51に供給される水素ガスの流速は、図8(a)のような並列供給経路と比べて高められることになる。同様に、燃料電池スタック50に対する水素ガスの供給経路を図8(c)のような個別供給経路とした場合、第2サブスタック52に供給される水素ガスの流速は、図8(a)のような並列供給経路と比べて高められることになる。同様に、燃料電池スタック50に対する水素ガスの供給経路を図8(d)のような個別供給経路とした場合、第3サブスタック53に供給される水素ガスの流速は、図8(a)のような並列供給経路と比べて高められることになる。また、各サブスタック51〜53におけるアノード側の水素置換は他のサブスタックから独立して個別に行われるので、個々のサブスタック毎に見ると、アノード側の水素置換が極めて短時間で行われることになる。このように、第3実施例では、燃料電池スタック50の起動時に、コントロールユニットの制御により燃料電池スタック50に対する水素ガスの供給経路を図8(b)乃至図8(d)に示すような個別供給経路とすることで、燃料電池スタック50を構成する第1乃至第3のサブスタック51〜53毎のアノード側の水素置換を短時間で行えるようにして、アノード側のガス組成が不均一になることに起因する燃料電池スタック50の触媒劣化を抑制できるようにしている。
図9は、本実施例のコントロールユニットによる水素ガス供給経路の切り替え制御の概要を示すフローチャートである。
燃料電池システムの電源が投入され、燃料電池スタック50の起動が開始されると、コントロールユニットは、まず、ステップS11において、第3乃至第6の開閉弁58〜61は閉じた状態とするとともに、第1開閉弁56及び第2開閉弁57を開放して、燃料電池スタック50に対する水素ガスの供給を開始させる。これにより、水素ガスの供給経路は図8(b)のような個別供給経路となり、第1サブスタック51に対してのみ水素ガスが供給されることになる。
コントロールユニットは、個別供給経路での第1サブスタック51に対する水素ガスの供給を行っている間、第1サブスタック51に設けられた電圧センサ62の検出値V1を随時読み込み(ステップS12)、電圧センサ62の検出値V1が所定の閾値電圧以上となったときに(ステップS13)、第1サブスタック51の起動が終了したと判定する。そして、コントロールユニットは、ステップS14において、第1開閉弁56及び第2開閉弁57を開から閉に切り替えるとともに、第3開閉弁58及び第4開閉弁59を閉から開に切り替えて、水素ガスの供給経路を図8(b)のような個別供給経路から図8(c)のような個別供給経路に切り替える。これにより、第2サブスタック52に対してのみ水素ガスが供給されることになる。
コントロールユニットは、個別供給経路での第2サブスタック52に対する水素ガスの供給を行っている間、第2サブスタック52に設けられた電圧センサ63の検出値V2を随時読み込み(ステップS15)、電圧センサ63の検出値V2が所定の閾値電圧以上となったときに(ステップS16)、第2サブスタック52の起動が終了したと判定する。そして、コントロールユニットは、ステップS17において、第3開閉弁58及び第4開閉弁59を開から閉に切り替えるとともに、第5開閉弁60及び第6開閉弁61を閉から開に切り替えて、水素ガスの供給経路を図8(c)のような個別供給経路から図8(d)のような個別供給経路に切り替える。これにより、第3サブスタック53に対してのみ水素ガスが供給されることになる。
コントロールユニットは、個別供給経路での第3サブスタック53に対する水素ガスの供給を行っている間、第3サブスタック53に設けられた電圧センサ64の検出値V3を随時読み込み(ステップS18)、電圧センサ64の検出値V3が所定の閾値電圧以上となったときに(ステップS19)、第3サブスタック53の起動が終了したと判定する。そして、コントロールユニットは、ステップS20において、第1乃至第4の開閉弁56〜59を閉から開に切り替えて、第1乃至第6の開閉弁56〜61を全て開放し、燃料電池スタック50に対する水素ガスの供給経路を個別供給経路から並列供給経路へと切り替える。そして、ステップS21において、燃料電池システムの通常運転を開始して、燃料電池スタック50に所望の電力を発電させる。
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施形態の燃料電池システムによれば、燃料電池スタック10,30,50の起動時に、サブスタック11〜15,31〜34,51〜53毎に短時間でアノード側の水素置換が行われるので、アノード側のガス組成が不均一になることに起因する起動時の燃料電池スタック10,30,50の触媒劣化を有効に抑制できる。また、起動時に供給する水素ガスの圧力を高めることなく、水素ガスの供給経路の切り替えによりサブスタック毎の水素ガスの流速を高めることでアノード側の水素置換時間を短縮できるので、起動時における触媒劣化の抑制を簡便な制御で実現できる。
なお、以上の実施形態は本発明の一適用例を例示したものであり、本発明の技術的範囲は、以上の実施形態の説明で開示した内容に限定されるものではなく、これらの開示から容易に導き得る様々な代替技術も含まれることは勿論である。
本発明を適用した燃料電池システムの要部構成を示す図であり、第1実施例における燃料電池スタック周辺の構造を示す模式図である。 燃料電池スタックに対する水素ガスの供給経路を説明する図であり、(a)は並列供給経路を示す模式図、(b)は直列供給経路を示す模式図である。 燃料電池スタックの起動終了を判定する手法を説明する図であり、起動時における電圧センサ検出値の変化の様子を示す特性図である。 第1実施例のコントロールユニットによる水素ガス供給経路の切り替え制御の概要を示すフローチャートである。 本発明を適用した燃料電池システムの要部構成を示す図であり、第2実施例における燃料電池スタック周辺の構造を示す模式図である。 燃料電池スタックに対する水素ガスの供給経路を説明する図であり、(a)は並列供給経路を示す模式図、(b)は直列供給経路を示す模式図である。 本発明を適用した燃料電池システムの要部構成を示す図であり、第3実施例における燃料電池スタック周辺の構造を示す模式図である。 燃料電池スタックに対する水素ガスの供給経路を説明する図であり、(a)は並列供給経路を示す模式図、(b)は第1サブスタックにのみ水素ガスが供給される個別供給経路を示す模式図、(c)は第2サブスタックにのみ水素ガスが供給される個別供給経路を示す模式図、(d)は第3サブスタックにのみ水素ガスが供給される個別供給経路を示す模式図である。 第3実施例のコントロールユニットによる水素ガス供給経路の切り替え制御の概要を示すフローチャートである。
符号の説明
10 燃料電池スタック
11〜15 サブスタック
16,17 合流配管
16a〜16e,17a〜17e 分岐配管
18〜21 開閉弁
22 電圧センサ
30 燃料電池スタック
31〜34 サブスタック
35,36 合流配管
35a〜35d,36a〜36d 分岐配管
37 連通配管
38〜43 開閉弁
43 電圧センサ
50 燃料電池スタック
51〜53 サブスタック
54,55 合流配管
54a〜54c,55a〜55c 分岐配管
56〜61 開閉弁
62〜64 電圧センサ

Claims (12)

  1. 複数のサブスタックから構成され、燃料ガス及び酸化剤ガスの供給により発電する燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックに対する燃料ガスの供給経路を、前記複数のサブスタックに並行して燃料ガスが供給される並列供給経路と、前記複数のサブスタックに順次燃料ガスが供給される直列供給経路とで切り替える切替手段とを備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記切替手段は、前記燃料電池スタックの起動時には前記直列供給経路となり、前記燃料電池スタックの通常発電時には前記並列供給経路となるように、前記燃料ガスの供給経路を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池スタックの起動終了を判定する判定手段を備え、
    前記切替手段は、前記判定手段により前記燃料電池スタックの起動が終了したと判定されたときに、前記燃料ガスの供給経路を前記直列供給経路から前記並列供給経路へと切り替えることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料ガスの供給経路を前記直列供給経路としたときに最下流に位置するサブスタックの電圧を検出する電圧検出手段を備え、
    前記判定手段は、前記電圧検出手段の検出値が所定の閾値以上となったときに、前記燃料電池スタックの起動が終了したと判定することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記切替手段は、前記燃料ガスの供給経路となる配管に設けられた複数の開閉弁の開閉状態を制御することにより、前記燃料ガスの供給経路の切り替えを行うことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料ガスの供給経路となる配管は、前記複数のサブスタックの各々に接続される各サブスタック毎の2つの分岐配管と、各サブスタック毎の2つの分岐配管のうちの一方がそれぞれ接続される第1合流配管と、各サブスタック毎の2つの分岐配管のうちの他方がそれぞれ接続される第2合流配管とを有し、
    前記複数の開閉弁は、前記第1合流配管と前記第2合流配管とに千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 複数のサブスタックから構成され、燃料ガス及び酸化剤ガスの供給により発電する燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックに対する燃料ガスの供給経路を、前記複数のサブスタックに並行して燃料ガスが供給される並列供給経路と、前記複数のサブスタック毎に個別に燃料ガスが供給される個別供給経路とで切り替える切替手段とを備えることを特徴とする燃料電池システム。
  8. 前記切替手段は、前記燃料電池スタックの起動時には前記個別供給経路となり、前記燃料電池スタックの通常発電時には前記並列供給経路となるように、前記燃料ガスの供給経路を切り替えることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 前記複数のサブスタック毎の起動終了を判定する判定手段を備え、
    前記切替手段は、前記燃料電池スタックの起動時に、前記個別供給経路により燃料ガスが供給されているサブスタックの起動終了が前記判定手段により判定される毎に、前記個別供給経路により燃料ガスが供給されるサブスタックを切り替えるとともに、前記複数のサブスタック全ての起動終了が前記判定手段により判定されたときに、前記燃料ガスの供給経路を前記個別供給経路から前記並列供給経路へと切り替えることを特徴とする請求項8に記載の燃料電池システム。
  10. 前記複数のサブスタックの電圧を各々検出する複数の電圧検出手段を備え、
    前記判定手段は、前記各電圧検出手段の検出値が所定の閾値以上となったときに、当該電圧検出手段に対応するサブスタックの起動が終了したと判定することを特徴とする請求項9に記載の燃料電池システム。
  11. 前記切替手段は、前記燃料ガスの供給経路となる配管に設けられた複数の開閉弁の開閉状態を制御することにより、前記燃料ガスの供給経路の切り替えを行うことを特徴とする請求項7乃至10の何れかに記載の燃料電池システム。
  12. 前記燃料ガスの供給経路となる配管は、前記複数のサブスタックの各々に接続される各サブスタック毎の2つの分岐配管と、各サブスタック毎の2つの分岐配管のうちの一方がそれぞれ接続される第1合流配管と、各サブスタック毎の2つの分岐配管のうちの他方がそれぞれ接続される第2合流配管とを有し、
    前記複数の開閉弁は、前記各サブスタック毎の2つの分岐配管のそれぞれに配置されていることを特徴とする請求項11に記載の燃料電池システム。
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