JP4799953B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、水素を含む燃料ガス及び酸化剤ガスによって発電する燃料電池システムに関し、特に、燃料電池システムにおける燃料ガス及び酸化剤ガスの供給システムに関する。
一般的な固体高分子型燃料電池は、燃料電池の基本構成単位である電極構造体をセパレータで挟んだものを単セルとし、これを数十個から数百個組み合せてなるスタックとして用いられる。スタックの基本構成単位である電極構造体は、アノード電極(燃料極)及びカソード電極(空気極)の二つの電極と、これら電極に挟持される高分子電解質膜とから形成される。通常、これらの両電極は、高分子電解質膜に接して酸化・還元反応を行う触媒層と、この触媒層に接するガス拡散層とから形成される。
このような構成からなる固体高分子型燃料電池は、アノード電極側に水素を含む燃料を供給し、カソード電極側に酸素又は空気を供給することで発電する。アノード電極に供給された燃料ガスは、電極触媒上で水素がイオン化され、電解質膜を介してカソード電極側へと移動し、その間に生じた電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギーとして利用されている。
ところで、上述した固体高分子型燃料電池は、燃料ガスとしての水素ガスと酸素を含む空気の電気化学的な反応により発電すると共に、発電時に燃料電池の内部で水が生成される。このため、ガスの流れの下流領域においては、発電反応により生成した水が溜まり易い傾向がある。
この生成水は、通常、流路内を流れるガスによって吹き飛ばされるが、低負荷時などの流路内のガス流速が低下した場合には内部の水が完全に排出されずに流路を閉塞してしまうおそれがある。さらには、この生成水は、フラッティングと呼ばれる現象を引き起こすおそれがある。フラッティング現象は、燃料電池の発電安定性を損ねたり、前回の発電時に生成して残留した水が氷点下で凍結することにより燃料電池のセルを劣化させたり、ガス流路を閉塞して発電不能にさせる等の不具合の原因となっていた。
また、近年、燃料電池システムにおいて燃料の消費を抑え、システム効率を向上させるため、燃料電池から排出される未反応燃料ガスを再度循環させる方式が広く採用されている。しかしながら、このような再循環方式は再循環されるガスに水蒸気が含まれるため、よりフラッティングが発生し易いという問題があった。
さらに、固体高分子型燃料電池では電解質膜を介して微小ながら両極間にガスのクロスリークが生じる。特にカソード側酸化剤ガスとしての空気及びアノード側燃料ガスとしての水素を使用し燃料の再循環を続けた場合には、アノード循環流路内で窒素等の不純物ガスの濃度が上昇してしまい、燃料ガス内の燃料分圧が低下して燃料電池の発電状態が不安定になるという問題もあった。
このような問題に対して、特許文献1では、燃料ガスの循環流量、および圧力を調整する調整手段を有し、燃料電池の発電状態を検知してフラッティング等が発生して発電状態が悪化した場合には循環流速、あるいは圧力を増加させるように制御して解消する技術が提案されている。
また、特許文献2では、燃料ガス経路内に除湿器を設けて、排出ガスから水分を除去し、フラッティングが起きない湿度を調整する技術が提案されている。
さらに、特許文献3では、燃料ガス循環ガスから不純物ガスを分離排出する手段を有し、循環ガス内の燃料分圧の低下を防止する技術が提案されている。
特開2002−343397号公報 特開2003−157873号公報 特開2004−206948号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、燃料電池流路内の循環流速や圧力を増加させることにより、速やかにフラッティングや燃料分圧不足を解消できるが、これらは強制的に作動させるものであるため、消費エネルギーの増大をまねいていた。また、フラッティングや燃料分圧不足の原因となる水蒸気量過多、不純物ガス過多の状態自体は解決しきれないため、循環流速や圧力の増加を頻繁に行なう必要もあった。これにより、システム全体の効率が悪化するおそれがあった。
また、特許文献2に開示の技術では、除湿器を作動させてから燃料電池内部でフラッティングが解消されるまでにある程度時間が必要なため、効果が現れるまで外部パージにより発電状態を安定化させる必要があり、その分システム全体の効率が悪化するおそれがあった。
さらに、特許文献3に開示の技術では、不純物ガス分離装置を作動させてから循環系内の燃料ガスの不純物ガス濃度が低下するまでにある程度の時間が必要なため、効果が現れるまで外部パージにより発電状態を安定させる必要があり、その分システム全体の効率が悪化するおそれがあった。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、燃料電池の発電状態に応じて発電状態の回復に対する即効性のある調整手段と遅効性のある調整手段を用い、これらを使い分けることにより、システム全体の効率を向上させた燃料電池システムを提供することを目的とする。
(1) 燃料ガス及び酸化剤ガスの化学反応により発電する燃料電池と、燃料供給手段から前記燃料電池に供給される前記燃料ガスを流通させる供給流路と、当該供給流路に接続され前記燃料電池の燃料極から排出される燃料ガスを前記燃料電池に循環させる循環流路と、を備える燃料電池システムであって、前記燃料電池の発電電力の低下を速やかに回復させる即効性調整手段と、前記燃料電池の発電電力の低下を緩やかに回復させる遅効性調整手段と、前記燃料電池の発電状態に基づいて前記即効性調整手段又は前記遅効性調整手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする燃料電池システム。
(1)の発明によれば、燃料電池の発電電力の低下を速やかに回復させる即効性調整手段と、前記燃料電池の発電電力の低下を緩やかに回復させる遅効性調整手段を配置する。これらの調整手段を制御手段により燃料電池の発電状態に応じて使い分ける。すなわち、発電状態回復の効果が現れるのに時間を要するが持続性の高い調整手段と、発電状態回復の効果が速やかに現れる調整手段の2種類の調整手段を燃料電池の発電状態に応じて使い分けて使用することにより、燃料電池システムの効率の最適化が可能になる。また、これらの調整手段は、組み合わせて使用してもよい。
(2) 前記即効性調整手段は、前記燃料ガスの圧力を調整する圧力調整手段、又は前記燃料ガスの流量を調整する流量調整手段であり、前記遅効性調整手段は、前記酸化剤ガス又は前記燃料ガスの湿度を調整する湿度調整手段、又は前記燃料ガスから不純物ガスを抽出するガス分離調整手段であり、前記制御手段は、前記燃料電池の発電状態に応じて、前記圧力調整手段、前記湿度調整手段、前記流速調整手段及び前記ガス分離調整手段の内、少なくとも一以上の調整手段を制御することを特徴とする(1)記載の燃料電池システム。
(2)の発明によれば、即効性調整手段として、例えば、燃料ガスの圧力を調整する圧力調整手段、又は排出ガスの流量を調整する流量調整手段を用いる。また、遅効性調整手段として、例えば、酸化剤ガス又は排出ガスの湿度を調整する湿度調整手段、又は排出ガスから不純物ガスを抽出するガス分離調整手段を用いる。
このように、燃料電池の発電状態に応じた上記調整手段を用いることにより、燃料電池システム全体の効率を向上することができる。また、発電状態回復の効果が速やかに現れる圧力調整手段及び流量調整手段は、エネルギーの消費が大きい。
なお、セル電圧の不安定領域とは、燃料電池の発電状態の低下により燃料電池の発電制限を設ける領域をいう。例えば、ある一定の出力指示に対し所定の出力制限を必要とする領域をいう。例えば、自動車においては、燃料電池のセル電圧が不安定領域に入ると乗員が操作するアクセル操作に対して、所定以上のアクセル操作に対しては、80%の出力しかしない等の出力制限を設ける領域である。
(3) 前記制御手段は、前記燃料電池の発電状態が第1の閾値よりも低下した場合、前記遅効性調整手段を制御し、前記燃料電池の発電状態が第2の閾値よりも低下した場合、前記即効性調整手段を制御することを特徴とする(1)又は(2)に記載の燃料電池システム。
(3)の発明によれば、燃料電池の発電状態に基づく任意の閾値を設定する。例えば、正常の発電状態に比べて発電性能が低下し始めたときを第1の閾値とする。また、セル電圧が不安定状態に入ったときには、これを第2の閾値とする。
すなわち、第1の閾値においては、直ちに発電性能の低下による影響が生じるわけではないため、発電状態回復の効果が現れるのに時間を要するが持続性の高い遅効性調整手段を用いる。例えば、湿度調整手段又はガス分離手段を用いる。また、第1の閾値より低い第2の閾値においては、早期に燃料電池の発電状態を回復させる必要があるため、発電状態回復の効果が速やかに現れる即効性調整手段を用いる。例えば、圧力調整手段又は流量調整手段を用いる。
このように、燃料電池の発電状態に基づく閾値に応じた調整手段を用いることにより、燃料電池システム効率の最適化を図ることができる。
なお、第1の閾値における調整手段は、湿度調整手段又はガス分離手段のどちらか一方を用いてもよく、両方の調整手段を用いてもよい。また、第2の閾値における調整手段は、圧力調整手段又は流量調整手段のどちらか一方を用いてもよく、両方の調整手段を用いてもよい。さらに、第2の閾値においては、第1の閾値における調整手段で用いられる湿度調整手段又はガス分離手段と、第2の閾値における調整手段で用いられる圧力調整手段又は流量調整手段と組み合わせて用いてもよい。このように、第2の閾値においては、湿度調整手段又はガス分離手段と湿度調整手段又は流量調整手段は、どの組合せを選択してもよい。
本発明によれば、燃料電池の発電状態に応じて発電状態の回復に対する即効性のある調整手段と遅効性のある調整手段を選択し、使用することにより、システムの効率の最適化を図ることが可能な燃料電池システムを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
本実施形態に係る燃料電池システム100は、例えば、燃料電池車両に駆動用電源として搭載される。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池システムを示す構成図である。図1に示すように、本発明の実施形態に係る燃料電池システム100は、燃料電池1と、燃料供給装置2とレギュレータ3とが配置された燃料供給流路50と、湿度調整装置4と燃料循環ポンプ5とが配置された循環流路51と、排出ガス回収ポンプ6aとガス分離装置6とが配置された燃料循環ポンプ5を迂回するバイパス流路52と、酸化剤ガス等の空気をカソード電極1bに供給する空気供給流路53と、制御装置(ECU)7を備えて構成されている。また、燃料電池1には、制御装置7に接続された電圧センサー8が設けられている。
燃料電池1は、例えば、固体高分子型燃料電池であり、以下の構成からなる。まず、陽イオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜を、アノード触媒およびガス拡散層からなるアノード電極1aと、カソード触媒およびガス拡散層からなるカソード電極1bとで挟持し、これを電極構造体とする。この電極構造体を更に一対のセパレータで挟持したものを単セルとし、燃料電池1は、この単セルを多数積層して構成されている。そして、電極構造体と対向する各セパレータの表面上には凹溝が形成されており、各凹溝と電極構造体とによってアノード流路およびカソード流路が形成されている。
以下、燃料電池1に供給される燃料ガスの供給について説明する。燃料供給流路50は、上流側に燃料供給装置2が設けられている。燃料供給装置2は、遮断弁を備えた高圧の燃料タンクと、レギュレータ3とを備えて構成される。レギュレータ3は、例えば、高圧タンク又はエアコンプレッサ等から供給される空気の圧力を信号圧として所定圧力の燃料ガスを排出する空気式の比例圧力制御弁等でよい。
燃料供給流路50の下流側は、燃料電池1のアノード電極1a入口側に接続されている。このように、燃料供給装置2から供給される燃料ガスは、レギュレータ3で所定圧力に減圧された後、燃料電池1のアノード電極1aへ供給される。燃料電池1のアノード電極1aに供給された燃料ガスは、発電に使用された後、生成水と共に排出ガスとして排出され、循環流路51に供給される。
循環流路51は、排出ガスを燃料循環ポンプ5を用いて燃料供給流路50に合流させる流路であり、上流側に湿度調整装置4が設けられている。したがって、燃料電池1のアノード電極1aから排出された排出ガス及び生成水は、まず、湿度調整装置4に供給される。
湿度調整装置4は、ガスの透過を阻止し水蒸気の透過だけを許可する非多孔質な透過膜(例えば、イオン水和型透過膜あるいは溶解拡散型透過膜)を挟んで、第1流路4aと第2流路4bを備えている。透過膜は、透過膜の両面に接する流体間で水分量の多い流体から水分量の多い流体に水分を移動させる性質を有している。透過膜としては、例えば、ペルフルオロスルホン酸ポリマーであればよい。したがって、第1流路4aに供給された排出ガス及び生成水は、ここで透過膜を介して水分が第2流路4bに移動し、除湿される。
なお、湿度調整装置4の透過膜は、ガスの透過を阻止するため第1流路4aと排出ガス中の燃料ガスが第2流路に透過することはなく、第2流路4bの酸化剤ガス中の酸素が第1流路4aに透過することもない。
循環流路51は、湿度調整装置4の第1流路4aに接続されており、排出ガスは第1流路4aで除湿された後、燃料循環ポンプ5で加圧されて燃料供給装置2から供給される燃料ガスと合流して、再び燃料電池1に供給される。
また、循環流路51には、燃料循環ポンプ5を迂回するバイパス流路52が設けられている。バイパス流路52には、上流側に排出ガス回収ポンプ6aが設けられ、下流側にガス分離装置6が設けられている。
ガス分離装置6は、水素を選択的に透過させる水素透過膜を両側から挟みこむようにして配置されたガス導入室と水素分離室とを備えている。水素透過膜は、ガス導入室から導入された排出ガスに含まれる水素のみを選択的に分離して排出させる。水素透過膜としては、例えば、パラジウムの薄膜や芳香族ポリイミド等の高分子膜であればよい。
排出ガスは、排出ガス回収ポンプ6aにより回収され、ガス分離装置6のガス導入室に供給された後、水素のみが水素透過膜を介して水素分離室に移動し、循環流路51で流通する排出ガス又は燃料供給装置2から供給される燃料ガスと合流する。一方、水素以外の不純物(例えば、窒素等)はガス導入室に残留し、排出ガス回収ポンプ6aにより濃縮される。ガス導入室には、このような水素以外の不純物を外部に排出するパージ弁6bが設けられており、不純物はここから排出される。
ここで、レギュレータ3と、燃料循環ポンプ5と、排出ガス回収ポンプ6aは、制御装置7に接続されている。制御装置7は、電圧センサー8からの電圧信号を検知し、燃料電池1の発電状態を判断することにより、燃料電池1の目標圧力、目標流量及び目標不純物ガス分圧を補正し、上記調整装置を作動させる。
次に、燃料電池1に供給される空気等の酸化剤ガスの供給について説明する。空気供給流路53は、上流側にエアクリーナ及びエアコンプレッサ9が設けられ、大気からエアクリーナを介して取り入れられた酸化剤ガスがエアコンプレッサ9により加圧される。
空気供給流路53は、エアコンプレッサ9の下流側で分岐されており、一方は湿度調整装置4の第2流路4bへ接続されている。また、他方は、カソード加湿器10の加湿側に接続されている。
湿度調整装置4の第2流路4bに供給された酸化剤ガスは、ここで、アノード電極1aから排出された排出ガスの水分を透過膜を介して受け取り、加湿される。なお、第2流路4bに供給される酸化剤ガスは、空気供給流路53と湿度調整装置4の第2流路4bの接続部に設けられた流量制御弁4cに接続された制御装置7により、供給量が制御されている。このように、湿度調整装置4の第2流路4bに供給された酸化剤ガスの供給量を調整することにより、第1流路4aに供給される排出ガスの湿度を調整することができる。また、加湿された酸化剤ガスは、圧力制御弁10aを介して外部へ排出される。
一方、カソード加湿器10の加湿側に供給された酸化剤ガスは、カソード加湿器10で加湿された後、カソード電極1bに供給される。カソード加湿器10は、水透過膜を介して生成水を含む高湿度の排気から水蒸気のみが吸気内に移動することにより加湿されるものであり、吸気のバイパス割合を変えることで燃料電池に供給される酸化剤ガスの湿度を調整可能とするものである。なお、酸化剤ガスを加湿するのは、燃料電池1内部の固体高分子電解質膜の湿潤状態を変えることにより、固体高分子電解質膜を生成水逆拡散反応によりアノード側に移動する水分量を調整することによって、間接的にアノードガスの湿度を調節するためである。したがって、カソード加湿器10に限られず、例えば、湿度調整装置を用いてもよい。なお、湿度調整装置を用いる場合には、湿度調整装置を迂回するバイパス流路を設け、流量制御弁を用いてもよい。また、流量制御弁は、制御装置7により制御されるものでよい。
燃料電池1のカソード電極1bに供給された酸化剤ガスは、発電に使用された後、生成水と共に排出空気として排出される。空気供給流路53は、カソード電極1b出口側で分岐されており、一方はカソード加湿器10の除湿側に接続され、他方は、湿度調整装置4の第2流路4bに接続される。カソード加湿器10の除湿側に供給された酸化時ガスは、ここで除湿され、圧力制御弁10aを介して外部へ排出される。
一方、湿度調整装置4の第2流路4bに接続された酸化剤ガスは、第2流路4bにおいて第1流路4aに流通されている排出ガスから水分を受取り、加湿される。湿度調整装置4の第2流路4bは、空気供給流路53の下流側に接続されており、第2流路4bで加湿されて酸化剤ガスは空気供給流路53を介して圧力制御弁10aから排出される。なお、湿度調整装置4の第2流路4bの流量制御弁4cは、制御装置7に接続されており、制御装置7は、電圧センサー8からの電圧信号を検知し、燃料電池1の発電状態を判断することにより、燃料電池1の目標水蒸気分圧を補正し、酸化剤ガスの供給量を制御する。
このように、本実施形態に係る燃料電池システム100においては、燃料電池1へ供給する燃料ガスの圧力は、燃料供給流路50の上流に設置されたレギュレータ3にて調整される。燃料電池1へ供給する燃料ガスの流量は、循環流路51内に設置された燃料循環ポンプ5により調整される。燃料ガス中の水蒸気分圧は、循環流路51内に設置された水透過膜を介したガスの水蒸気分圧の異なるガスを切り替えることにより透過水蒸気量を変える湿度調整装置4により調整される。燃料ガス中の不純物ガス分圧は循環流路を迂回する水素透過膜にて不純物ガスを濃縮して排出するガス分離装置6により調整される。
また、燃料電池1の発電状態の検出手段として電圧センサー8を用い、セル毎の電圧信号を計測する。制御装置7は、この電圧信号に基いて発電安定状態を判断し、燃料ガスの目標圧力、目標流量、目標水蒸気分圧、目標不純物ガス分圧を補正し、各調整装置を作動させる。
次に、上記構成の燃料電池システム100の作用を図2及び図3を用いて説明する。図2は、時間経過に伴うセル電圧の変化に対する閾値を示す図である。
図2に示すように、本実施形態に係る制御装置7は、燃料電池1のセル電圧が第1の閾値(V)を低下すると(T)、排出ガスの除湿を開始する。この排出ガスの除湿により、セル電圧が回復した場合には(T)、除湿を停止する。続いて、再度、セル電圧が低下し第1の閾値(V)を低下した場合には(T)、同様に排出ガスの除湿を開始する。さらに、セル電圧が低下し第2の閾値(V)を低下した場合には(T)、排出ガスの除湿に加え、燃料循環ポンプ5の回転数を増加させ、循環流量を増加させる。排出ガスの除湿及び燃料循環ポンプ5の回転数の増加により、セル電圧が回復し第2の閾値(V)を超えた場合には(T)、燃料循環ポンプ5の回転数を通常の回転数に戻す。さらに、第1の閾値(V)をも超えた場合には、排出ガスの除湿も停止し、処理を終了する。
なお、第1の閾値は、燃料電池1の通常の発電状態が低下し始めたときの値とし、第2の閾値は、燃料電池1の不安定領域とした。このように、閾値は、任意に定めることができる。
また、本実施形態においては、遅効性調整手段として除湿動作、すなわち湿度調整装置4による調整を行ったが、これに限られることなく他の調整手段を用いてもよい。例えば、ガス分離装置6を用いて不純物を除去することにより調整してもよい。さらに、即効性調整手段として燃料循環ポンプ5の回転数の増量による調整を行ったが、これに限られることなく他の調整手段を用いてもよい。例えば、燃料ガスの供給圧力を増大することにより調整してもよい。
図3は、燃料電池のセル電圧に基づく制御装置7の制御を示すフローチャート図である。図3に示すように、本実施形態に係る制御装置7は、燃料電池1に設けられた電圧センサー8より電圧信号を検知し、セル電圧を計測する(ST210)。そして、セル電圧が第1の閾値(ここではV)より低いか否かを判定する(ST220)。なお、第1の閾値は、任意に設定できる値であり、ここでは、通常状態の発電量を低下したときの値とした。
セル電圧がVよりも低下していると判断した場合(例えば、T又はT)、すなわち、通常状態よりも発電状態が低下し始めた場合には、目標水蒸気分圧又は目標不純物ガス分圧を補正し、除湿動作若しくは不純物除去のいずれか一方を行う。具体的には、湿度調整装置4若しくはガス分離装置6のいずれか一方を作動させる(ST230)。つまり、湿度調整装置4の流量制御弁4cを制御することにより、目標水蒸気分圧に基づき湿度調整装置4の第2流路4bに酸化剤ガス(乾燥空気)を供給し、湿度調整装置4の第1流路4aの排出ガスを除湿する。若しくは、ガス分離装置6を用い、目標不純物ガス分圧に基づき再循環される排出ガスから不純物を除去し水素量を増加させる。
ST230において、湿度調整装置若しくはガス分離装置を作動させることによりセル電圧が回復し、Vを回復した場合には(ST240、例えばT)、湿度調整装置4若しくはガス分離装置6の作動を停止する(ST241)。
次に、セル電圧が回復しない場合には、さらにセル電圧が第2の閾値(ここではV)を低下したか否かを判断する(ST250)。ST250において、セル電圧がVを低下してしまった場合には(例えばT)、目標流量又は目標圧力を補正し、循環流量若しくは供給圧力のいずれか一方の調整を行う。具体的には、燃料循環ポンプ5の回転数の増量若しくは燃料ガスの供給圧力の増大を行う(ST260)。つまり、燃料循環ポンプ5を用いて循環流量を増加することにより、燃料電池1内から水分を排出する。若しくは、レギュレータ3を用いて燃料ガスの供給圧力を増加することにより、同様に燃料電池1内から水分を排出する。
ST260において、燃料循環ポンプ5の回転数の増量若しくは燃料ガスの供給圧力を増大させることによりセル電圧が回復し、Vを回復した場合には(ST270、例えばT)、燃料循環ポンプ5の回転数又は燃料ガスの供給圧力を元に戻す(ST280)。一方、セル電圧がVを回復しない場合には、処理を終了する。
さらに、セル電圧がVを回復したか否かを判断し(ST290)、回復していれば湿度調整装置4若しくはガス分離装置6の作動を停止し(ST241)、処理を終了する。セル電圧がVを回復していなければ、ST250に戻り、判定を繰り返す。
[他の実施形態]
本発明の実施形態においては、循環流路に除湿調整装置を用いたが、気液分離装置を用いることにより、排出ガスから水分を除去してもよい。気液分離装置を用いる場合には、循環流路の上流側に当該気液分離装置を配置し、逆止弁及び燃料循環ポンプを介して下流側の循環流路と接続する。気液分離装置にはパージ弁及びドレン弁を配置し、気液分離装置により分離された水分は、ドレン弁により排出される。
このように、パージ弁を有する気液分離装置を用いることにより、パージ弁を開いている間は、循環流路51の下流に逆止弁があるために、燃料ガスは燃料電池1のアノード流路を通って下流側へ流れ、その燃料ガス流れによって燃料電池1のアノード流路内の水が排出ガスと共に外部に排出される。排出ガス及び水は燃料電池1に接続された気液分離容器によって分離され、ドレン弁により外部へ排出される。したがって、パージ弁を開くことにより、流速を早め、且つ排出ガスの水分を分離する構成としてもよい。
このように、本実施形態にかかる燃料電池システム100は、燃料電池1の発電電力の低下を速やかに回復させる即効性調整手段と、燃料電池1の発電電力の低下を緩やかに回復させる遅効性調整手段を燃料電池1の発電状態に応じて使用することにより、燃料電池システム全体の最適化を図ることができる。また、消費エネルギーの大きい即効性調整手段の使用を燃料電池の不安定領域でのみ使用することにより、燃料電池システム100全体の消費エネルギーの軽減を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る燃料電池システムを示す構成図である。 時間経過に伴うセル電圧の変化に対する閾値を示す図である。 燃料電池のセル電圧に基づく制御装置の制御を示すフローチャート図である。
符号の説明
1 燃料電池
2 燃料供給装置
3 レギュレータ
4 湿度調整装置
5 燃料循環ポンプ
6 ガス分離装置
7 制御装置
8 電圧センサー
9 エアコンプレッサ
50 燃料供給流路
51 循環流路
53 空気供給流路
100 燃料電池システム

Claims (1)

  1. 燃料ガス及び酸化剤ガスの化学反応により発電する燃料電池と、燃料供給手段から前記燃料電池に供給される前記燃料ガスを流通させる供給流路と、当該供給流路に接続され前記燃料電池の燃料極から排出される燃料ガスを前記燃料電池に循環させる循環流路と、を備える燃料電池システムであって、
    前記燃料ガスの圧力を調整する圧力調整手段、又は前記燃料ガスの流量を調整する流量調整手段で構成され、前記燃料電池の発電電力の低下を速やかに回復させる即効性調整手段と、
    前記燃料極から排出され前記循環流路により循環される排出ガスを除湿することで、前記燃料電池に供給される燃料ガスの湿度を調整する湿度調整手段、又は前記燃料極から排出され前記循環流路により循環される排出ガスから不純物ガスを抽出するガス分離調整手段で構成され、前記燃料電池の発電電力の低下を緩やかに回復させる遅効性調整手段と、
    前記燃料電池の発電状態に応じて、前記圧力調整手段、前記流量調整手段、前記湿度調整手段及び前記ガス分離調整手段の内、少なくとも一以上の調整手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記燃料電池の発電状態が第1の閾値よりも低下した場合、前記遅効性調整手段を制御し、
    前記燃料電池の発電状態が、前記第1の閾値より低い第2の閾値よりも低下した場合、前記即効性調整手段を制御することを特徴とする燃料電池システム。
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