JP2021185258A - 水素精製システムとその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示は、カソードから排出される水素ガスの純度を維持しながら、電気化学デバイスの電解質膜−電極接合体に蓄積したアンモニアを除去し、電気化学デバイスの水素純化効率が低下するのを抑制できる水素精製システムとその運転方法を提供する。【解決手段】本開示における水素精製システム200は、電気化学デバイス10の電解質膜−電極接合体14に蓄積したアンモニアを、カソード13からアノード12へ電流を流してアノード12へ移動させ、アノード12に供給した水にアンモニアを水溶させてアノード12から排出する。そのため、アンモニアの排出をアノード側で完結できるので、カソード13から排出される水素ガスの純度を維持しながら、電気化学デバイス10の電解質膜−電極接合体14に蓄積したアンモニアを除去し、電気化学デバイス10の水素純化効率が低下するのを抑制することができる。【選択図】図1

Description

本開示は、水素精製システムとその運転方法に関する。
特許文献1は、電解質膜を挟んで配置されるアノードとカソードとを設けた積層セル構造(以下、電気化学デバイスという)のアノードに、水素と一酸化炭素を含む水素含有ガスを供給し、アノードとカソードとの間に直流電流を流すことで水素がカソードで発生し、精製された水素ガスを昇圧して水素タンクに貯留する方法が開示されている。
特開2015−117139号公報
本開示は、カソードから排出される水素ガスの純度を維持しながら、電気化学デバイスの電解質膜−電極接合体に蓄積したアンモニアを除去し、電気化学デバイスの水素純化効率が低下するのを抑制できる水素精製システムとその運転方法を提供する。
本開示における水素精製システムは、電解質膜と電解質膜を挟んで一方の面に配置されるアノードと他方の面に配置されるカソードとで構成される電解質膜−電極接合体を有し、アノードに、少なくともアンモニアを含む水素含有ガスを供給し、アノードからカソードへ電流を流すことで、カソードにおいて水素を精製する電気化学デバイスと、アノードに水素含有ガスを供給するガス供給手段と、アノードにガス供給手段から排出された水素含有ガスを供給するための水素含有ガス供給経路と、アノードに水を供給する水供給手段と、アノードに水供給手段から排出された水を供給するための水供給経路と、ガス供給手段から排出される水素含有ガス又は水供給手段から排出される水のどちらか一方がアノードに供給されるように水素含有ガス供給経路と水供給経路とを切り替える供給経路切替手段と、アノードとカソードとの間に正逆両方向の電流を流すことができる電源と、アノードに接続され、アノードからアノードオフガス及び水を排出するアノード排出経路と、制御器と、を備えた水素精製システムにおいて、制御器は、ガス供給手段からアノードへ水素含有ガスを供給するように供給経路切替手段を動作させ、電源をアノードから電解質膜を介してカソードへ電流を流すように動作させて、カソードで高純度水素を精製する水素精製モードと、電源を、カソードから電解質膜を介してアノードへ電流を流すように動作させた後に、水供給手段からアノードへ水を供給するように供給経路切替手段を動作させ、アノード排出経路からアンモニアと水を排出する排出モードと、の2つのモードを切り替えて行うことを特徴とするものである。
本開示における水素精製システムは、電気化学デバイスの電解質膜-電極接合体に蓄積したアンモニアを、カソードから電解質膜を介してアノードへ電流を流してアノードへ移動させ、さらに、供給した水に水溶させてアノードから排出する。これにより、アンモニアの排出をアノード側で完結できるので、カソードから排出される水素ガスの純度を維持しながら、電気化学デバイスの電解質膜-電極接合体に蓄積したアンモニアを除去し、電気化学デバイスの水素純化効率が低下するのを抑制することができる。
実施の形態1における水素精製システムのシステム構成図 実施の形態1における水素精製システムのシステム動作を示すフローチャート 実施の形態1における水素精製システムのシステム動作を示すフローチャート 実施の形態2における水素精製システムのシステム構成図 実施の形態2における水素精製システムのシステム動作を示すフローチャート 実施の形態2における水素精製システムのシステム動作を示すフローチャート 実施の形態3における水素精製システムのシステム構成図 実施の形態3における水素精製システムのシステム動作を示すフローチャート 実施の形態3における水素精製システムのシステム動作を示すフローチャート 実施の形態4における水素精製システムのシステム構成図 実施の形態4における水素精製システムのシステム動作を示すフローチャート 実施の形態4における水素精製システムのシステム動作を示すフローチャート
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、都市ガスなどの炭化水素系の燃料を、改質器によって水素純度の低い水素含有ガスに改質させ、この水素含有ガスから水素純度の高い高圧の水素を精製する技術があった。
この水素純度が高い高圧の水素を精製する技術は、電解質膜を挟んで配置されるアノードとカソードとの間に、電流を流すことにより、アノード側に供給される水素含有ガスから、カソード側に精製昇圧して水素を得るものであった。
一方で、窒素ガスを含む燃料を使用すると、改質器において窒素と水素とが反応し、副生成物としてアンモニアが生成され、アンモニアを含む水素含有ガスがアノードに供給される。
そして、アンモニアを含む水素含有ガスをアノードに供給しながら、長時間に渡って、水素を精製すると、電気化学デバイスの抵抗が上昇し、水素純化効率が低下する。
そうした状況下において、発明者らは、アノードに供給されたアンモニアは、アノードに含まれる水に溶けて、電流に引っ張られてアノードから電解質膜、さらにカソードへと移動し、カソードに蓄積するということ見出し、カソードに蓄積したアンモニアを除去することで、電気化学デバイスの抵抗を低下させて、水素精製に必要な電気エネルギーを減らし、水素純化効率の低下を抑制するという着想を得た。
そして、発明者らは、その着想を実現するには、カソードからアンモニアを排出することでアンモニアを除去すると、除去後のカソードに残留するアンモニアにより、精製される水素の純度が低下するという課題を発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで、本開示は、電気化学デバイスの電解質膜―電極接合体に蓄積したアンモニアをアノードで除去することで、精製される水素の純度を維持しながら、電気化学デバイスの水素純化効率低下を抑制できる水素精製システムとその運転方法を提供する。
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面及び以下の説明は、当事者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
以下、図1および図2A、図2Bを用いて、実施の形態1を説明する。
[1−1.構成]
図1において、水素精製システム200は、電気化学デバイス10と、電源104と、水素含有ガス供給手段111と、水供給手段106と、制御器130と、を備える。
電気化学デバイス10は、電解質膜11と、電解質膜11を挟んで一方の面に配置されるアノード12と他方の面に配置されるカソード13とで構成される電解質膜−電極接合体14を一対のアノード側セパレータ15とカソード側セパレータ16によって挟持した構成となっている。
電解質膜11には、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系の高分子電解質膜を用い、アノード12とカソード13には、白金を担持したカーボン粒子を、カーボン製フェルト上に塗布形成したものを用いている。また、アノード側セパレータ15とカソード側セパレータ16は、ガス透過性のない導電性部材である圧縮カーボンによって構成されている。
電源104には直流電源が用いられ、電気化学デバイス10のアノード12とカソード13との間に正逆両方向の電流を流す。
水素含有ガス供給手段111は、都市ガス等から改質反応を利用して、水素含有ガスを生成して供給する燃料改質器であり、この水素含有ガスには微量のアンモニアと水蒸気が含まれる。
水供給手段106は、水の流量を制御して送り出すもので、冷却水循環装置を用いる。
制御器130は、電源104、水供給手段106、水素含有ガス供給手段111、供給流路切り替え弁114、高純度水素開閉弁116、カソードオフガス開閉弁121を制御する。
水素含有ガス供給手段111と、供給流路切り替え弁114は、水素含有ガス供給流路112で繋がっており、また、水供給手段106と、供給流路切り替え弁114は、水供給流路113で繋がっており、さらに、供給流路切り替え弁114と、アノード入口101は、供給流路117で繋がっている。
アノード側セパレータ15には、アノード入口101と、アノード出口102と、これに連通するアノードオフガス排出流路118が設けられている。
一方、カソード側セパレータ16には、カソード出口103と、これに連通する高純度水素供給流路115と、高純度水素供給流路115のカソード出口103近くに設けられた高純度水素開閉弁116が設けられ、また、高純度水素供給流路115のカソード出口103と高純度水素開閉弁116との間から分岐して、カソードオフガス排出流路120とカソードオフガス開閉弁121が備えられている。カソードオフガス開閉弁121は、カソード13を調圧する機能と逆流防止機能を備えている。
[1−2.動作]
以上のように構成された水素精製システム200において、図1および図2A、図2Bに基づいて、その動作、作用を以下に説明する。
水素精製システム200の動作は、水素精製モードと、排出モードの2つからなる。
まず、水素精製モードについて説明する。水素精製モード時に、制御器130は、カソードオフガス開閉弁121を開き、さらに、供給流路切り替え弁114を切り替えて、水素含有ガス供給流路112を開状態、水供給流路113を閉状態にする(S001)。
次に、水素含有ガス供給手段111から水素含有ガス供給流路112と供給流路117を経て、アノード入口101に水素含有ガスを所定流量供給する。本実施の形態では5L/minとする(S002)。
次に、電源104により、水素精製量に必要な電流40Aを、アノード12から電解質膜11を経由してカソード13に流す(S003)。
これにより、アノード12では、(化1)に示す、水素が水素イオン(H)と電子(e)に解離する酸化反応が起こり、カソード13では、(化2)に示す、水素イオン(H)と電子が結びついて水素が精製される還元反応が起こる。
Figure 2021185258
Figure 2021185258
(化1)と(化2)に示す電気化学反応により、アノード12に供給された水素含有ガスから、カソード13において水素が精製する。このとき、水素含有ガス中の水素がアノード12からカソード13へ移動するため、カソード13で高純度の水素を得ることができる。
次に、カソードオフガス開閉弁121を閉じ、高純度水素開閉弁116を開く(S004)。これにより、カソード13で精製した水素は、カソード出口103から、高純度水素供給流路115を通って、図示しない水素タンクや水素利用機器に供給される。
また、アノード12で消費されなかった残りのガスはアノード出口102から、アノードオフガス排出流路118を通って排出される。排出されたガスは十分安全な水素濃度まで希釈された後、大気に放出される。
次に、制御器130は、水素精製モード終了の指示が入ったか確認する(S005)。
S005で、終了の指示が入った場合、制御器130は、電源104からの電流を停止し、また、水素含有ガス供給手段111を停止し、さらに、高純度水素開閉弁116を閉じて(S014)、水素精製運転を終了する。
また、S005で、終了の指示が入っていない場合、所定時間(1分間)水素精製運転をそのまま継続(S006)した後、排出モードへ移行の指示が入ったか確認する(S007)。
S007で、排出モードへ移行の指示がない場合、S005に戻る。また、排出モードへ移行の指示があった場合、排出モードに移行する。
次に、排出モードについて説明する。排出モードでは、制御器130は、まず、電源104により、カソード13から電解質膜11を経由してアノード12に電流を10A流す(S008)。これにより、カソード13に蓄積していたアンモニアを、アノード12に移動させる。電流は、制御器130により電源104を停止するまで継続して流される。
次に、制御器130は、水素含有ガス供給手段111を停止し、さらに、供給流路切り替え弁114を切り替えて、水素含有ガス供給流路112を閉状態、水供給流路113を開状態にする(S009)。
次に、水供給手段106から水供給流路113と供給流路117を経て、電気化学デバイス10のアノード入口101に水を所定流量供給する。本実施の形態では2L/minとする(S010)。
これによって、電解質膜−電極接合体14のアノード12に移動したアンモニアを水に溶かして、アノード出口102から排出する。
これを15秒継続(S011)した後、水素精製モードへ移行の指示があるか確認する(S012)。水素精製モードへ移行の指示がない場合、再度S011に戻り、排出モードを継続する。
次に、水素精製モードへ移行の指示があった場合、制御器130は、電源104を停止し、また、水供給手段106を停止し、さらに高純度水素開閉弁116を閉じて(S013)、水素精製モードのS001に戻り、水素精製運転を行う。
[1−3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、水素精製システム200は、電解質膜11と電解質膜11を挟んで一方の面に配置されるアノード12と他方の面に配置されるカソード13とで構成される電解質膜−電極接合体14を有する。
また、アノード入口101に少なくともアンモニアを含む水素含有ガスを供給し、アノード12からカソード13へ電流を流すことで、カソード13において水素を精製する電気化学デバイス10と、電気化学デバイス10に少なくともアンモニアを含む水素含有ガスを供給する水素含有ガス供給手段111とを有する。
また、アノード12に水素含有ガス供給手段111から排出された水素含有ガスを供給するための水素含有ガス供給流路112と、アノード12に水を供給する水供給手段106と、アノード12に水供給手段106から排出された水を供給するための水供給流路113と、水素含有ガス供給流路112と水供給流路113を切り替えて供給流路117に繋げる供給流路切り替え弁114を有する。
また、アノード12とカソード13との間に正逆両方向の電流を流すことができる電源104と、アノード12からアノードオフガス及び水を排出するアノードオフガス排出流路118と、制御器130とを備える。
さらに、アノード12へ水素含有ガスを供給するように、供給流路切り替え弁114で、水素含有ガス供給流路112を開状態、水供給流路113を閉状態にし、電源104をアノード12から電解質膜11を介してカソード13へ電流を流すように動作させて、カソード13で高純度水素を精製する水素精製モードと、電源104を、カソード13から電解質膜11を介してアノード12へ電流を流すように動作させた後に、水供給手段106からアノード12へ水を供給するように、供給流路切り替え弁114で、水素含有ガス供給流路112を閉状態、水供給流路113を開状態にし、アノードオフガス排出流路118からアンモニアと水を排出する排出モードの2つのモードを有する。
これにより、再度、水素精製運転するときの水素精製に必要な電気エネルギーが小さくなり、電気化学デバイス10の水素純化効率を回復させることができる。
さらに、アンモニアの排出をアノード側で完結できるので、カソード側の水素純度に影響を及ぼすことなく、水素精製を行うことができる。
(実施の形態2)
以下、図3および図4A、図4Bを用いて、実施の形態2を説明する。
[2−1.構成]
図3において、水素精製システム210は、電圧計105と、加湿器140と、加湿水素含有ガス供給流路141と、制御器130Aとが設けられている。
電圧計105は、電源104の電圧を測定するものであり、電源104と並列に設けられる。
加湿器140は、水素含有ガス供給流路112を通った水素含有ガスを、水に潜らせて加湿するバブラーである。加湿された水素含有ガスは、加湿水素含有ガス供給流路141から、供給流路切り替え弁114を介して供給流路117を通って、電気化学デバイス10のアノード入口101に供給される。
制御器130Aは、電源104、電圧計105、水供給手段106、水素含有ガス供給手段111、供給流路切り替え弁114、高純度水素開閉弁116、カソードオフガス開閉弁121を制御する。
その他の構成は、実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
[2−2.動作]
以上のように構成された水素精製システム210において、図3および図4A、図4Bに基づいて、その動作、作用を以下に説明する。
水素精製システム210の動作は、水素精製モードと、排出モードの2つからなる。
まず、水素精製モードについて説明する。水素精製モード時に、制御器130Aは、カソードオフガス開閉弁121を開き、さらに、供給流路切り替え弁114を切り替えて、加湿水素含有ガス供給流路141を開状態、水供給流路113を閉状態にする(S101)。
次に、少なくともアンモニアを含む水素含有ガスを、水素含有ガス供給手段111から、水素含有ガス供給流路112を経て、加湿器140の水に潜らせて加湿し、加湿水素含有ガス供給流路141と供給流路117を経て、アノード入口101に水素含有ガスを所定流量供給する。本実施の形態では5L/minとする(S102)。
次に、電源104により、水素精製量に必要な電流40Aを、アノード12から電解質膜11を経由してカソード13に流す(S103)。
これにより、アノード12では、(化1)に示す、水素が水素イオン(H)と電子(e)に解離する酸化反応が起こり、カソード13では、(化2)に示す、水素イオン(H)と電子が結びついて水素が精製される還元反応が起こる。
(化1)と(化2)に示す電気化学反応により、アノード12に供給された水素含有ガスから、カソード13において水素が精製する。このとき、水素含有ガス中の水素がアノード12からカソード13へ移動するため、カソード13で高純度の水素を得ることができる。
次に、カソードオフガス開閉弁121を閉じ、高純度水素開閉弁116を開く(S104)。これにより、カソード13で精製した水素は、カソード出口103から、高純度水素供給流路115を通って、図示しない水素タンクや水素利用機器に供給される。
また、アノード12で消費されなかった残りのガスはアノード出口102から、アノードオフガス排出流路118を通って排出される。排出されたガスは十分安全な水素濃度まで希釈された後、大気に放出される。
次に、制御器130Aは、水素精製モード終了の指示が入ったか確認する(S105)。
S105で、終了の指示が入った場合、制御器130Aは、電源104からの電流を停止し、また、水素含有ガス供給手段111を停止し、さらに、高純度水素開閉弁116を閉じて(S116)、水素精製運転を終了する。
また、S105で、終了の指示が入っていない場合、電圧計105で電気化学デバイス10の過電圧を測定する(S106)。ここで、最初に測定した過電圧を初期値とする。
次に、電圧計105によって、電気化学デバイス10の過電圧を測定し、過電圧が初期値から3倍以上に上昇したか確認する(S107)。
S107で、過電圧が3倍以上上昇していない場合、所定時間(1分間)水素精製運転をそのまま継続(S108)した後、S105にもどる。
また、S107で、過電圧が3倍以上に上昇した場合、電解質膜−電極接合体14にアンモニアが蓄積したと判断し、排出モードに移行する。
次に、排出モードについて説明する。排出モードでは、制御器130Aは、まず、電源104により、カソード13から電解質膜11を経由してアノード12に電流を10A流す(S109)。電流は、制御器130Aにより電源104を停止するまで継続して流される。これにより、カソード13に蓄積していたアンモニアを、アノード12に移動させる。
次に、制御器130Aは、水素含有ガス供給手段111を停止し、さらに、供給流路切り替え弁114を切り替えて、加湿水素含有ガス供給流路141を閉状態、水供給流路113を開状態にする(S110)。
次に、水供給手段106から水供給流路113と供給流路117を経て、電気化学デバイス10のアノード入口101に水を所定流量供給する。本実施の形態では2L/minとする(S111)。
これによって、電解質膜−電極接合体14のアノード12に移動したアンモニアを水に溶かして、アノード出口102から排出する。
これを15秒継続(S112)した後、電圧計105によって、電気化学デバイス10の過電圧を測定(S113)し、過電圧の初期値からの上昇が5%未満まで低下したかを確認する(S114)
過電圧の初期値からの上昇値が5%以上の場合、S112に戻り、更に15秒間継続した後、再度、電圧計105で、電気化学デバイス10の過電圧を測定し、初期値からの上昇が5%未満まで低下したか確認する。
次に、過電圧の初期値からの上昇が5%未満まで低下した場合、制御器130Aは、電源104を停止し、また、水供給手段106を停止し、さらに高純度水素開閉弁116を閉じて(S115)、水素精製モードのS101に戻り、水素精製運転を行う。
[2−3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、水素精製システム210は、電解質膜11と電解質膜11を挟んで一方の面に配置されるアノード12と他方の面に配置されるカソード13とで構成される電解質膜−電極接合体14を有する。
また、アンモニアを含む水素含有ガスを加湿器140にくぐらせて、アノード入口101に、少なくともアンモニアと水蒸気を含む水素含有ガスを供給し、アノード12からカソード13へ電流を流すことで、カソード13において水素を精製する電気化学デバイス10と、電気化学デバイス10に少なくともアンモニアを含む水素含有ガスを供給する水素含有ガス供給手段111とを有する。
また、アノード12に水素含有ガス供給手段111から排出された水素含有ガスを供給するための水素含有ガス供給流路112と、アノード12に水を供給するための水供給手段106と、アノード12に水供給手段106から排出された水を供給するための水供給流路113と、加湿水素含有ガス供給流路141と水供給流路113を切り替えて供給流路117に繋げる供給流路切り替え弁114を有する。
また、アノード12とカソード13との間に正逆両方向の電流を流すことができる電源104と、電気化学デバイス10の過電圧を測定する電圧計105と、アノード12からアノードオフガス及び水を排出するアノードオフガス排出流路118と、制御器130Aとを備える。
さらに、アノード12へ水素含有ガスを供給するように、供給流路切り替え弁114で、加湿水素含有ガス供給流路141を開状態、水供給流路113を閉状態とし、電源104をアノード12から電解質膜11を介してカソード13へ電流を流すように動作させて、カソード13で高純度水素を精製する水素精製モードと、電源104を、カソード13から電解質膜11を介してアノード12へ電流を流すように動作させた後に、水供給手段106からアノード12へ水を供給するように供給流路切り替え弁114で、加湿水素含有ガス供給流路141を閉状態、水供給流路113を開状態とし、アノードオフガス排出流路118からアンモニアと水を排出する排出モードの2つのモードを有する。
これにより、電解質膜−電極接合体14の抵抗を確実に下げて、一旦上昇した過電圧を下げることができ、所定の水素を得るために必要な電気エネルギーが小さくなるので、電気化学デバイス10の水素純化効率が低下するのを確実に抑制することができる。
さらに、アンモニアの排出をアノード側で完結できるので、カソード側の水素純度に影響を及ぼすことなく、水素精製を行うことができる。
(実施の形態3)
以下、図5および図6A、図6Bを用いて、実施の形態3を説明する。
[3−1.構成]
図5において、水素精製システム220は、加湿器140と、加湿水素含有ガス供給流路141と、制御器130Bとが設けられている。
図3と同様に、加湿器140は、水素含有ガス供給流路112を通った水素含有ガスを、水に潜らせて加湿するバブラーである。加湿された水素含有ガスは、加湿水素含有ガス供給流路141から、供給流路切り替え弁114を介して供給流路117を通って、電気化学デバイス10のアノード入口101に供給される。
その他の構成は、実施の形態2と同様であり、その説明を省略する。
[3−2.動作]
以上のように構成された水素精製システム220において、図5および図6A、図6Bに基づいて、その動作、作用を以下に説明する。
水素精製システム220の動作は、水素精製モードと、排出モードの2つからなる。
まず、水素精製モードについて説明する。水素精製モード時に、制御器130Bは、カソードオフガス開閉弁121を開き、さらに、供給流路切り替え弁114を切り替えて、加湿水素含有ガス供給流路141を開状態、水供給流路113を閉状態にする(S201)。
次に、少なくともアンモニアを含む水素含有ガスを、水素含有ガス供給手段111から、水素含有ガス供給流路112を経て、加湿器140の水に潜らせて加湿し、加湿水素含有ガス供給流路141と供給流路117を経て、アノード入口101に水素含有ガスを所定流量供給する。本実施の形態では5L/minとする(S202)。
次に、電源104により、水素精製量に必要な電流40Aを、アノード12から電解質膜11を経由してカソード13に流す(S203)。
これにより、アノード12では、(化1)に示す、水素が水素イオン(H)と電子(e)に解離する酸化反応が起こり、カソード13では、(化2)に示す、水素イオン(H)と電子が結びついて水素が精製される還元反応が起こる。
(化1)と(化2)に示す電気化学反応により、アノード12に供給された水素含有ガスから、カソード13において水素が精製する。このとき、水素含有ガス中の水素のみがアノード12からカソード13へ移動するため、カソード13で高純度の水素を得ることができる。
次に、カソードオフガス開閉弁121を閉じ、高純度水素開閉弁116を開く(S204)。これにより、カソード13で精製した水素は、カソード出口103から、高純度水素供給流路115を通って、図示しない水素タンクや水素利用機器に供給される。
また、アノード12で消費されなかった残りのガスはアノード出口102から、アノードオフガス排出流路118を通って排出される。排出されたガスは十分安全な水素濃度まで希釈された後、大気に放出される。
次に、制御器130Bは、水素精製モード終了の指示が入ったか確認する(S205)。
S205で、終了の指示が入った場合、制御器130Bは、電源104からの電流を停止し、また、水素含有ガス供給手段111を停止し、さらに、高純度水素開閉弁116を閉じて(S214)、水素精製運転を終了する。
また、S205で、終了の指示が入っていない場合、水素精製モードの運転時間を測定する(S206)。ここで、最初に計測した時間を始点とする。
水素精製モードの運転時間の積算値が10時間以上になったか確認する(S207)。
S207で、水素精製モードの運転時間の積算値が、10時間以上になっていない場合、所定時間(1分間)水素精製運転をそのまま継続(S208)した後、S205にもどる。
また、S207で、水素精製モードの運転時間の積算値が10時間以上になった場合、電解質膜−電極接合体14にアンモニアが蓄積したと判断し、排出モードに移行する。
次に、排出モードについて説明する。排出モードでは、制御器130Bは、まず、電源104により、カソード13から電解質膜11を経由してアノード12に電流を10A流す(S209)。電流は、制御器130Aにより電源104を停止するまで継続して流される。これにより、カソード13に蓄積していたアンモニアを、アノード12に移動させる。
次に、制御器130Bは、水素含有ガス供給手段111を停止し、さらに、供給流路切り替え弁114を切り替えて、加湿水素含有ガス供給流路141を閉状態、水供給流路113を開状態にする(S210)。
次に、水供給手段106から水供給流路113と供給流路117を経て、電気化学デバイス10のアノード入口101に水を所定流量供給する。本実施の形態では2L/minとする(S211)。
これによって、電解質膜−電極接合体14のアノード12に移動したアンモニアを水に溶かして、アノード出口102から排出する。
これを30分継続(S212)した後、制御器130Bは、電源104を停止し、また、水供給手段106を停止し、さらに高純度水素開閉弁116を閉じて(S213)、水素精製モードのS201に戻り、水素精製運転を行う。
[3−3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、水素精製システム220は、電解質膜11と電解質膜11を挟んで一方の面に配置されるアノード12と他方の面に配置されるカソード13とで構成される電解質膜−電極接合体14を有する。
また、アンモニアを含む水素含有ガスを加湿器140にくぐらせて、アノード入口101に、少なくともアンモニアと水蒸気を含む水素含有ガスを供給し、アノード12からカソード13へ電流を流すことで、カソード13において水素を精製する電気化学デバイス10と、電気化学デバイス10に少なくともアンモニアを含む水素含有ガスを供給する水素含有ガス供給手段111とを有する。
また、アノード12に水素含有ガス供給手段111から排出された水素含有ガスを供給するための水素含有ガス供給流路112と、アノード12に水を供給する水供給手段106と、アノード12に水供給手段106から排出された水を供給するための水供給流路113と、加湿水素含有ガス供給流路141と水供給流路113を切り替えて供給流路117に繋げる供給流路切り替え弁114を有する。
また、アノード12とカソード13との間に正逆両方向の電流を流すことができる電源104と、アノード12からアノードオフガス及び水を排出するアノードオフガス排出流路118と、制御器130Bとを備える。
さらに、アノード12へ水素含有ガスを供給するように、供給流路切り替え弁114で、加湿水素含有ガス供給流路141を開状態、水供給流路113を閉状態とし、電源104をアノード12から電解質膜11を介してカソード13へ電流を流すように動作させて、カソード13で高純度水素を精製する水素精製モードと、電源104を、カソード13から電解質膜11を介してアノード12へ電流を流すように動作させた後に、水供給手段106からアノード12へ水を供給するように、供給流路切り替え弁114で、加湿水素含有ガス供給流路141を閉状態、水供給流路113を開状態とし、アノードオフガス排出流路118からアンモニアと水を排出する排出モードの2つのモードを有する。
これにより、水素精製モードの運転時間の積算値と排出モード時の冷却水の供給時間を設定することで、電解質膜−電極接合体14の抵抗を下げて、一旦上昇した過電圧を下げることができ、所定の水素を得るために必要な電気エネルギーが小さくなるので、水素精製システム220の簡素化をしながら、電気化学デバイス10の水素純化効率が低下するのを抑制することができる。
さらに、アンモニアの排出をアノード側で完結できるので、カソード側の水素純度に影響を及ぼすことなく、水素精製を行うことができる。
(実施の形態4)
以下、図7および図8A、図8Bを用いて、実施の形態4を説明する。
[4−1.構成]
図5において、水素精製システム230は、溶液供給手段107と、溶液供給流路151と、制御器130Cとが設けられている。
溶液供給手段107は、炭酸水の流量を制御して送り出すもので、冷却水循環装置に炭酸水を入れて用いる。
溶液供給手段107と、供給流路切り替え弁114は、溶液供給流路151で繋がっている。その他の構成は、実施の形態3と同様であり、その説明を省略する。
[4−2.動作]
以上のように構成された水素精製システム230において、図7および図8A、図8Bに基づいて、その動作、作用を以下に説明する。
水素精製システム230の動作は、水素精製モードと、排出モードの2つからなる。
まず、水素精製モードについて説明する。水素精製モード時に、制御器130Cは、カソードオフガス開閉弁121を開き、さらに、供給流路切り替え弁114を切り替えて、加湿水素含有ガス供給流路141を開状態、溶液供給流路151を閉状態にする(S301)。
次に、少なくともアンモニアを含む水素含有ガスを、水素含有ガス供給手段111から、水素含有ガス供給流路112を経て、加湿器140の水に潜らせて加湿し、加湿水素含有ガス供給流路141と供給流路117を経て、アノード入口101に水素含有ガスを所定流量供給する。本実施の形態では5L/minとする(S302)。
次に、電源104により、水素精製量に必要な電流40Aを、アノード12から電解質膜11を経由してカソード13に流す(S303)。
これにより、アノード12では、(化1)に示す、水素が水素イオン(H)と電子(e)に解離する酸化反応が起こり、カソード13では、(化2)に示す、水素イオン(H)と電子が結びついて水素が精製される還元反応が起こる。
(化1)と(化2)に示す電気化学反応により、アノード12に供給された水素含有ガスから、カソード13において水素が精製する。このとき、水素含有ガス中の水素のみがアノード12からカソード13へ移動するため、カソード13で高純度の水素を得ることができる。
次に、カソードオフガス開閉弁121を閉じ、高純度水素開閉弁116を開く(S304)。これにより、カソード13で精製した水素は、カソード出口103から、高純度水素供給流路115を通って、図示しない水素タンクや水素利用機器に供給される。
また、アノード12で消費されなかった残りのガスはアノード出口102から、アノードオフガス排出流路118を通って排出される。排出されたガスは十分安全な水素濃度まで希釈された後、大気に放出される。
次に、制御器130Cは、水素精製モード終了の指示が入ったか確認する(S305)。
S305で、終了の指示が入った場合、制御器130Cは、電源104からの電流を停止し、また、水素含有ガス供給手段111を停止し、さらに、高純度水素開閉弁116を閉じて(S314)、水素精製運転を終了する。
また、S305で、終了の指示が入っていない場合、水素精製モードの運転時間を測定する(S306)。ここで、最初に計測した時間を始点とする。
水素精製モードの運転時間の積算値が10時間以上になったか確認する(S307)。
S307で、水素精製モードの運転時間の積算値が、10時間以上になっていない場合、所定時間(1分間)水素精製運転をそのまま継続(S308)した後、S305にもどる。
また、S307で、水素精製モードの運転時間の積算値が10時間以上になった場合、電解質膜−電極接合体14にアンモニアが蓄積したと判断し、排出モードに移行する。
次に、排出モードについて説明する。排出モードでは、制御器130Cは、まず、電源104により、カソード13から電解質膜11を経由してアノード12に電流を10A流す(S309)。これにより、カソード13に蓄積していたアンモニアを、アノード12に移動させる。
次に、制御器130Cは、水素含有ガス供給手段111を停止し、さらに、供給流路切り替え弁114を切り替えて、加湿水素含有ガス供給流路141を閉状態、溶液供給流路151を開状態にする(S310)。
次に、溶液供給手段107から溶液供給流路151と供給流路117を経て、電気化学デバイス10のアノード入口101に炭酸水を所定流量供給する。本実施の形態では2L/minとする(S311)。
これによって、電解質膜−電極接合体14のアノード12に移動したアンモニアを炭酸水に確実に溶かして、アノード出口102から排出する。
これを20分継続(S312)した後、制御器130Cは、電源104を停止し、また、溶液供給手段107を停止し、さらに高純度水素開閉弁116を閉じて(S313)、水素精製モードのS301に戻り、水素精製運転を行う。
[4−3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、水素精製システム230は、電解質膜11と電解質膜11を挟んで一方の面に配置されるアノード12と他方の面に配置されるカソード13とで構成される電解質膜−電極接合体14を有する。
また、アンモニアを含む水素含有ガスを加湿器140にくぐらせて、アノード入口101に、少なくともアンモニアと水蒸気を含む水素含有ガスを供給し、アノード12からカソード13へ電流を流すことで、カソード13において水素を精製する電気化学デバイス10と、電気化学デバイス10に少なくともアンモニアを含む水素含有ガスを供給する水素含有ガス供給手段111とを有する。
また、アノード12に水素含有ガス供給手段111から排出された水素含有ガスを供給するための水素含有ガス供給流路112と、アノード12に炭酸水を供給するための溶液供給手段107と、アノード12に溶液供給手段107から排出された炭酸水を供給するための溶液供給流路151と、加湿水素含有ガス供給流路141と溶液供給流路151を切り替えて供給流路117に繋げる供給流路切り替え弁114を有する。
また、アノード12とカソード13との間に正逆両方向の電流を流すことができる電源104と、アノード12からアノードオフガス及び水を排出するアノードオフガス排出流路118と、制御器130Cとを備える。
さらに、アノード12へ水素含有ガスを供給するように、供給流路切り替え弁114で、加湿水素含有ガス供給流路141を開状態、溶液供給流路151を閉状態とし、電源104をアノード12から電解質膜11を介してカソード13へ電流を流すように動作させて、カソード13で高純度水素を精製する水素精製モードと、電源104を、カソード13から電解質膜11を介してアノード12へ電流を流すように動作させた後に、溶液供給手段107からアノード12へ炭酸水を供給するように、供給流路切り替え弁114で、加湿水素含有ガス供給流路141を閉状態、溶液供給流路151を開状態とし、アノードオフガス排出流路118からアンモニアと、炭酸水と、アンモニア及び二酸化酸素の化合物を、排出する排出モードの2つのモードを有する。
これにより、アノード12のアンモニアと炭酸水が反応して化合物を生成するため、アンモニアが溶液中で飽和しにくくなり、短時間で確実にアンモニアをアノード12から除去できるため、電解質膜−電極接合体14の抵抗を下げて、一旦上昇した過電圧を下げることができ、所定の水素を得るために必要な電気エネルギーが小さくなる。
よって、電気化学デバイス10の水素純化効率が低下するのを抑制することができると共に、排出モードの稼働時間を短くして水素精製モードの稼働時間を増やすことができる。
さらに、アンモニアの排出をアノード側で完結できるので、カソード側の水素純度に影響を及ぼすことなく、水素精製を行うことができる。
(その他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1、2、3および4を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1、2、3および4で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
例えば、実施の形態2において、図3の水素含有ガス供給手段111に、水添脱硫の機能があれば、供給される水素改質ガスには少なくとも水蒸気を含むので加湿器140を削除できる可能性もある。
また、実施の形態3において、実施の形態2と同様に、電源104の電圧を測定する電圧計105を追加すれば、水素精製モードの運転時間の積算値と、電気化学デバイス10の過電圧の上昇値とをハイブリッドで判定することにより、水素精製システム220の信頼性を高めることができる。
また、実施の形態4において、排出モード時に溶液供給手段107から炭酸水をアノード12に供給したが、炭酸水に限定されるものではなく、電解質膜−電極接合体14やアノード側セパレータ15への影響を加味しながら、その他のph7未満の溶液を選択できる。
本開示は、電気化学式水素精製システムに適用可能である。具体的には、電気化学デバイスを用いて水素を純化する水素精製システムなどに適用可能である。
10 電気化学デバイス
11 電解質膜
12 アノード
13 カソード
14 電解質膜−電極接合体
15 アノード側セパレータ
16 カソード側セパレータ
101 アノード入口
102 アノード出口
103 カソード出口
104 電源
105 電圧計
106 水供給手段
107 溶液供給手段
111 水素含有ガス供給手段
112 水素含有ガス供給流路
113 水供給流路
114 供給流路切り替え弁
115 高純度水素供給流路
116 高純度水素開閉弁
117 供給流路
118 アノードオフガス排出流路
120 カソードオフガス排出流路
121 カソードオフガス開閉弁
130、130A、130B、130C 制御器
140 加湿器
141 加湿水素含有ガス供給流路
151 溶液供給流路
200、210、220、230 水素精製システム

Claims (5)

  1. 電解質膜と前記電解質膜を挟んで一方の面に配置されるアノードと他方の面に配置されるカソードとで構成される電解質膜−電極接合体を有し、前記アノードに、少なくともアンモニアを含む水素含有ガスを供給し、前記アノードから前記カソードへ電流を流すことで、前記カソードにおいて水素を精製する電気化学デバイスと、
    前記アノードに前記水素含有ガスを供給するガス供給手段と、
    前記アノードに前記ガス供給手段から排出された前記水素含有ガスを供給するための水素含有ガス供給経路と、
    前記アノードに水を供給する水供給手段と、
    前記アノードに前記水供給手段から排出された水を供給するための水供給経路と、
    前記ガス供給手段から排出される前記水素含有ガス又は前記水供給手段から排出される水のどちらか一方が前記アノードに供給されるように前記水素含有ガス供給経路と前記水供給経路とを切り替える供給経路切替手段と、
    前記カソードから精製された高純度の水素を排出する高純度水素供給経路と、
    前記アノードと前記カソードとの間に正逆両方向の電流を流すことができる電源と、
    前記アノードに接続され、前記アノードから、前記電解質膜を透過しなかったガスであるアノードオフガス及び水を排出するアノード排出経路と、
    制御器と、
    を備えた水素精製システムであって、
    前記制御器は、
    前記ガス供給手段から前記アノードへ前記水素含有ガスを供給するように前記供給経路切替手段を動作させ、前記電源を前記アノードから前記電解質膜を介して前記カソードへ電流を流すように動作させて、前記カソードで高純度水素を精製する水素精製モードと、
    前記電源を、前記カソードから前記電解質膜を介して前記アノードへ電流を流すように動作させた後に、前記水供給手段から前記アノードへ水を供給するように前記供給経路切替手段を動作させ、前記アノード排出経路から前記アンモニアと前記水を排出する排出モードと、
    の2つのモードを切り替えて行うことを特徴とする、水素精製システム。
  2. 前記アノードと前記カソードとの間の電圧を計測するための電圧計をさらに備え、
    前記制御器は、前記水素精製モード動作中に、前記電圧計で計測された電圧が所定値以上になった場合に、前記水素精製モードを停止させ、前記排出モードを行うことを特徴とする、
    請求項1に記載の水素精製システム。
  3. 前記制御器は、前記水素精製モードの運転時間の積算値が所定値以上になった場合に、前記水素精製モードを停止させ、排出モードを行うことを特徴とする、
    請求項1に記載の水素精製システム。
  4. 前記水供給手段の代わりに、前記アノードにphが7未満の溶液を供給する溶液供給手段と、
    前記水供給経路の代わりに、前記溶液供給手段から排出された前記溶液を前記アノードに供給する溶液供給経路と、を備え、
    前記制御器は、
    前記排出モードにおいて、前記電源を、前記カソードから前記電解質膜を介して前記アノードへ電流を流すように動作させた後に、前記溶液供給手段から前記アノードに前記溶液を供給するように前記供給経路切替手段を動作させ、前記アノード排出経路から前記アンモニアと前記溶液を排出する、
    請求項1〜3のいずれかに記載の水素精製システム。
  5. 電解質膜と前記電解質膜を挟んで一方の面に配置されるアノードと他方の面に配置されるカソードとで構成される電解質膜−電極接合体を有し、前記アノードに、少なくともアンモニアを含む水素含有ガスを供給し、前記アノードから前記カソードへ電流を流すことで、前記カソードにおいて水素を精製する電気化学デバイスと、
    前記アノードに前記水素含有ガスを供給するガス供給手段と、
    前記アノードに前記ガス供給手段から排出された前記水素含有ガスを供給するための水素含有ガス供給経路と、
    前記アノードに水を供給する水供給手段と、
    前記アノードに前記水供給手段から排出された水を供給するための水供給経路と、
    前記ガス供給手段から排出される前記水素含有ガス又は前記水供給手段から排出される水のどちらか一方が前記アノードに供給されるように前記水素含有ガス供給経路と前記水供給経路とを切り替える供給経路切替手段と、
    前記カソードから精製された高純度の水素を排出する高純度水素供給経路と、
    前記アノードと前記カソードとの間に正逆両方向の電流を流すことができる電源と、
    前記アノードに接続され、前記アノードから、前記電解質膜を透過しなかったガスであるアノードオフガス及び水を排出するアノード排出経路と、
    を備えた水素精製システムの運転方法であって、
    前記ガス供給手段から前記アノードへ前記水素含有ガスを供給するように前記供給経路切替手段を動作させ、前記電源を前記アノードから前記電解質膜を介して前記カソードへ電流を流すように動作させて、前記カソードで高純度水素を精製する水素精製モードの後に、
    前記電源を、前記カソードから前記アノードへ電流を流すように動作させた後に、前記水供給手段から前記アノードへ水を供給するように前記供給経路切替手段を動作させ、前記アノード排出経路から前記アンモニアと前記水を排出する排出モードを行い、
    その後2つのモードを交互に切り替えて行うことを特徴とする、水素精製システムの運転方法。
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