JP2022035302A - 二次電池およびその作製方法、および車両 - Google Patents

二次電池およびその作製方法、および車両 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の一態様は、本発明の一態様は、充放電容量の大きい正極活物質を提供する。または、充放電電圧の高い正極活物質を提供する。または、劣化が少ない正極活物質を提供する。または、新規な正極活物質を提供する。【解決手段】固相反応法または沈殿法を用いて六方晶の層状構造を有する結晶を作製した後、加水分解法(ゾルゲル法、アルコキシド法などとも呼ばれる)を用いて結晶表面に金属酸化物を部分的または全体的に形成する。六方晶の層状構造を有する結晶は、第1の遷移金属、第2の遷移金属および第3の遷移金属の中から選ばれる一または複数を有する。具体的には、第1の遷移金属はニッケルであり、第2の遷移金属はコバルトであり、第3の遷移金属はマンガンである。【選択図】図1

Description

二次電池及びその作製方法に関する。または、二次電池を有する携帯情報端末、車両等に関する。
本発明の一様態は、物、又は、製造方法に関する。または、本発明は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、又は、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。本発明の一態様は、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、照明装置、電子機器、またはそれらの製造方法に関する。
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
なお、本明細書中において、蓄電装置とは、蓄電機能を有する素子及び装置全般を指すものである。例えば、リチウムイオン二次電池などの蓄電装置(二次電池ともいう)、リチウムイオンキャパシタ、及び電気二重層キャパシタなどを含む。
近年、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、空気電池等、種々の蓄電装置の開発が盛んに行われている。特に高出力、高エネルギー密度であるリチウムイオン二次電池は、携帯電話、スマートフォン、もしくはノート型コンピュータ等の携帯情報端末、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、医療機器、又は、ハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)、もしくはプラグインハイブリッド車(PHV)等の次世代クリーンエネルギー自動車など、半導体産業の発展と併せて急速にその需要が拡大し、繰り返し充電可能なエネルギーの供給源として現代の情報化社会に不可欠なものとなっている。
特許文献1では正極活物質の表層部にアルミニウムを含む被覆層と、マグネシウムを含む被覆層とを設ける技術が開示されている。
特開2020-64862号公報
本発明の一態様は、充放電容量の大きい正極活物質を提供することを課題の一とする。または、充放電電圧の高い正極活物質を提供することを課題の一とする。または、劣化しにくい正極活物質を提供することを課題とする。または、新規な正極活物質を提供することを課題とする。または、充放電容量の大きい二次電池を提供することを課題の一とする。または、充放電電圧の高い二次電池を提供することを課題の一とする。または、安全性または信頼性の高い二次電池を提供することを課題の一とする。または、劣化しにくい二次電池を提供することを課題の一とする。または、長寿命の二次電池を提供することを課題の一とする。または、新規な二次電池を提供することを課題の一とする。
また本発明の一態様は、新規な物質、活物質、蓄電装置、又はそれらの作製方法を提供することを課題の一とする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、明細書、図面、請求項の記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本明細書で開示する方法に関する発明の構成は、第1の加熱により、六方晶の層状構造を有する結晶を作製し、第2の加熱により、結晶の表面、表面近傍、または表層部にバリア膜を固着させる二次電池の作製方法である。
上記構成において、結晶は、リチウム、ニッケル、コバルト、及びマンガンを有する。
上記構成において、バリア膜は、コバルト酸化物、アルミニウム酸化物、またはマグネシウム酸化物である。
上記各構成において、さらに結晶は、アルミニウムを含む構成としてもよい。
上記各構成において、さらに結晶は、マグネシウムを含む構成としてもよい。
上記各構成において、さらに結晶は、ハロゲン元素、例えばフッ素(F)、塩素(Cl)、または臭素(Br)を含む構成としてもよい。
上記各構成において、バリア膜は、金属酸化膜であり、ゾルゲル法で得られることを特徴としている。また、上記各構成において、バリア膜は、前記結晶の一部または表面に形成される。
固相反応法または沈殿法を用いて六方晶の層状構造を有する結晶を作製した後、加水分解法(ゾルゲル法、アルコキシド法などとも呼ばれる)を用いて結晶表面に金属酸化物を部分的または全体的に形成する。
六方晶の層状構造を有する結晶は、単結晶(結晶子ともいう)に限らず、多結晶である場合はいくつかの結晶子が集まって一次粒子を形成する。一次粒子とは、SEM観察の際に一つの粒と認識される粒子のことを意味する。また、二次粒子とは一次粒子が凝集した塊を指す。一次粒子の凝集には、複数の一次粒子の間に働く結合力は問わない。共有結合、イオン結合、疎水性相互作用、ファンデルワールス力、その他の分子間相互作用のいずれであってもよいし、複数の結合力が働いていてもよい。
共沈法を用いる場合には、二次粒子が形成される場合がある。その場合には二次粒子に対してゾルゲル法を用いて二次粒子表面に金属酸化物を部分的または全体的に形成する。
ゾルゲル法は、金属アルコキシドを出発原料とし、アルコールなどの有機溶媒、加水分解のための水、さらに触媒として酸(例えばHClなど)またはアルカリ(例えばNHOHなど)を微量加えて、室温付近で加水分解・脱水縮合させてゾルとし、さらに反応を進ませてゲル化し、このゲルを加熱して金属酸化物または多結晶体を作製する方法である。
上記六方晶の層状構造を有する結晶は、第1の遷移金属、第2の遷移金属および第3の遷移金属の中から選ばれる一または複数を有する。具体的には、第1の遷移金属はニッケルであり、第2の遷移金属はコバルトであり、第3の遷移金属はマンガンであり、LiNiCoMn(x>0、y>0、0.8<x+y+z<1.2)で表されるNiCoMn系(NCMともいう)を用いることができる。具体的には例えば、0.1x<y<8xかつ0.1x<z<8xを満たすことが好ましい。一例として、x、yおよびzは、x:y:z=1:1:1またはその近傍の値を満たすことが好ましい。または一例として、x、yおよびzは、x:y:z=5:2:3またはその近傍の値を満たすことが好ましい。または一例として、x、yおよびzは、x:y:z=8:1:1またはその近傍の値を満たすことが好ましい。または一例として、x、yおよびzは、x:y:z=9:0.5:0.5またはその近傍の値を満たすことが好ましい。または一例として、x、yおよびzは、x:y:z=6:2:2またはその近傍の値を満たすことが好ましい。または一例として、x、yおよびzは、x:y:z=1:4:1またはその近傍の値を満たすことが好ましい。
また、上記六方晶の層状構造を有する結晶は、アルミニウムを含むNCM(NCMAともよぶ)としてもよく、NCMAが有するニッケル、コバルト、マンガンの総原子数を1とし、アルミニウムの原子数が0.005以上0.03以下となるように制御する。なお、NCMAの場合、リチウムの原子数が0.9以上1.3以下、代表的には1.01とし、ニッケル、コバルト、マンガン、アルミニウムの総原子数が1となるように組成を制御する。
また、上記六方晶の層状構造を有する結晶は、NCMに限定されず、リチウムコバルト酸化膜の結晶モデル(層状結晶構造)を有するLCO(LiCoO)であってもよい。また、リチウムコバルト酸化物に代表されるLiM(x>0かつy>0、より具体的には例えばy=2かつ0.8<x<1.2)で表されるリチウム複合酸化物に限定されず、本発明の一態様は、LiNiCo1-x(0<x<1)で表されるNiCo系、LiMで表されるリチウム複合酸化物として例えば、LiNiMn1-x(0<x<1)で表されるNiMn系、等に対しても応用することができる。
また、結晶表面に対して部分的または全体的に形成する金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化コバルト、酸化マグネシウム、及び酸化マンガンから選ばれる一または複数とする。結晶表面に対して部分的または全体的に形成する金属酸化物は、結晶構造を保護するためのバリア膜と呼ぶこともできる。
ゾルゲル法を適用する場合には、ゾルゲル法に用いる溶媒を準備する。酸化アルミニウムを結晶表面に対して部分的または全体的に形成する場合、金属アルコキシドとしてアルミニウムアルコキシドを用い、アルミニウムの場合は例えば、NCMが有するニッケル、コバルト、マンガンの総原子数を1とし、アルミニウムの原子数が0.005以上0.03以下となるように制御すればよい。なお、この場合、リチウムの原子数が0.9以上1.3以下、代表的には1.01とし、ニッケル、コバルト、マンガン、アルミニウムの総原子数が1となるように組成を制御する。
本発明の一態様により、劣化しにくい正極活物質粒子を提供することができる。また、本発明の一態様は、正極活物質の作製方法を提供することができる。また、本発明の一態様により、新規な正極活物質粒子を提供することができる。また、本発明の一態様によって新規な蓄電装置を提供することができる。
本発明の一態様を示すフローの一例を示す図である。 本発明の一態様を示すフローの一例を示す図である。 本発明の一態様を示すフローの一例を示す図である。 図4(A)はコイン型二次電池の分解斜視図であり、図4(B)はコイン型二次電池の斜視図であり、図4(C)はその断面斜視図である。 図5(A)は、円筒型の二次電池の例を示す。図5(B)は、円筒型の二次電池の例を示す。図5(C)は、複数の円筒型の二次電池の例を示す。図5(D)は、複数の円筒型の二次電池を有する蓄電システムの例を示す。 図6(A)及び図6(B)は二次電池の例を説明する図であり、図6(C)は二次電池の内部の様子を示す図である。 図7(A)乃至図7(C)は二次電池の例を説明する図である。 図8(A)、及び図8(B)は二次電池の外観を示す図である。 図9(A)乃至図9(C)は二次電池の作製方法を説明する図である。 図10(A)乃至図10(C)は、電池パックの構成例を示す図である。 図11(A)及び図11(B)は二次電池の例を説明する図である。 図12(A)乃至図12(C)は二次電池の例を説明する図である。 図13(A)及び図13(B)は二次電池の例を説明する図である。 図14(A)は本発明の一態様を示す電池パックの斜視図であり、図14(B)は電池パックのブロック図であり、図14(C)はモータを有する車両のブロック図である。 図15(A)乃至図15(D)は、輸送用車両の一例を説明する図である。 図16(A)及び図16(B)は、本発明の一態様に係る蓄電装置を説明する図である。 図17(A)は電動自転車を示す図であり、図17(B)は電動自転車の二次電池を示す図であり、図17(C)は電動バイクを説明する図である。 図18(A)乃至図18(D)は、電子機器の一例を説明する図である。
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
また、本明細書等において結晶面および方向の表記にはミラー指数を用いる。結晶面を示す個別面は( )で表す。結晶面、方向および空間群の表記は、結晶学上、数字に上付きのバーを付すが、本明細書等では出願表記の制約上、数字の上にバーを付す代わりに、数字の前に-(マイナス符号)を付して表現する場合がある。
また、本明細書等において、リチウムと遷移金属を含む複合酸化物が有する層状岩塩型の結晶構造とは、陽イオンと陰イオンが交互に配列する岩塩型のイオン配列を有し、遷移金属とリチウムが規則配列して二次元平面を形成するため、リチウムの二次元的拡散が可能である結晶構造をいう。なお陽イオンまたは陰イオンの欠損等の欠陥があってもよい。また、層状岩塩型結晶構造は、厳密に言えば、岩塩型結晶の格子が歪んだ構造となっている場合がある。
また、本明細書等において、岩塩型の結晶構造とは、陽イオンと陰イオンが交互に配列している構造をいう。なお陽イオンまたは陰イオンの欠損があってもよい。
また、本明細書等において、本発明の一態様の正極および正極活物質用いた二次電池として、対極にリチウム金属を用いる例を示す場合があるが、本発明の一態様の二次電池はこれに限らない。負極に他の材料、例えば黒鉛、チタン酸リチウム等を用いてもよい。本発明の一態様の正極および正極活物質の、充放電を繰り返しても結晶構造が崩れにくく、良好なサイクル特性を得られる等の性質は、負極の材料に影響されない。また本発明の一態様の二次電池について、対極リチウムで充電電圧4.6Vといった比較的高い電圧で充放電する例を示す場合があるが、より低い電圧で充放電をしてもよい。より低い電圧で充放電する場合は本明細書等で示すよりもさらにサイクル特性がよくなることが見込まれる。
また、本明細書等において、加熱を経て粒子同士が集まって固まることを固着するということとする。この粒子同士の結合はイオン結合またはファンデルワールス力によると推定されるが、加熱の温度、結晶の状態、元素の分布状態等を問わず、単に粒子同士が集まって固まっていれば固着ということとする。
(実施の形態1)
本実施の形態では、NCMにAlを添加した正極活物質100の作製方法の一例について図1に説明する。NCMは、リチウムとともに空間群R-3mに属する層状岩塩型の複合酸化物であり、充電深度0(放電状態)において、空間群R-3mの結晶構造を有する領域を有する。また充電深度0より大きく1以下のときは、空間群C2/mに帰属される層状構造を有する場合があり、R-3m相とC2/m相がそれぞれ相分離している場合がある。本実施の形態で結晶と呼んでいるのは結晶形成工程直後の結晶構造を指しているため、R-3m相を基本的には指しているが、一部または部分的にC2/m相またはその他の結晶相が含まれていても本明細書では、R-3m相の結晶と呼ぶ。
図1のステップS11として、まず、第1の金属M1源および第2の金属M2源を用意する。第1の金属M1源および第2の金属M2源としてはマンガン、コバルト、ニッケル、マグネシウム、アルミニウムのうち少なくとも一を用いることができる。本実施の形態では、さらに第3の金属M3源を用意し、それぞれM1をニッケル、M2をコバルト、M3をマンガンとし、共沈法を用いて、溶液に対して70℃程度の加熱を行い、前駆体を作製している。ステップS12の混合では、反応容器にいれた水溶液Aに対して、第1の金属M1源および第2の金属M2源および水溶液Bを滴下する、混合方法を用いることができる。混合物を一定の速度で滴下するとともに、反応容器内の混合溶液のpHを所定の範囲に保つために、水溶液Bを適宜滴下することが望ましい。ステップS12の混合において、反応容器内の溶液は撹拌翼またはスターラーで撹拌をおこなうことが望ましく、反応容器内の溶液、混合物、水溶液A、および水溶液Bは、Nバブリングによって溶存酸素を除去することが望ましい。ステップS12の混合において、反応容器内のpHとして、好ましくは9以上11以下、より好ましくは10.0以上10.5以下にするとよい。ステップS35の混合において、反応容器内の溶液の温度として、好ましくは40℃以上80℃以下、より好ましくは50℃以上70℃以下とするとよい。共沈法に用いる水溶液Aとして、アンモニウムイオンまたは、グリシン、オキシン、1-ニトロソ-2-ナフトールもしくは2-メルカプトベンゾチアゾールなどのキレート剤のうち、少なくとも一を有する水溶液を用いることができる。共沈法に用いる水溶液Bとして、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、または水酸化リチウムのうち少なくとも一を有する水溶液を用いることができる。必要があれば、さらに第4の金属M4源を用いてもよい。第3の金属M3源および第4の金属M4源としてはマンガン、コバルト、ニッケル、マグネシウムのうち少なくとも一を用いることができる。さらに第5の金属M5源としてアルミニウムを用いてもよい。ステップS12の混合にて、ニッケル、コバルト、及びマンガンの混合物を含有する溶液の共沈を得た後、乾燥させ、前駆体として均一な水酸化物を合成する。溶液の共沈を得た後、ろ過した後に水で洗浄してもよい。洗浄に用いる水は、好ましくは比抵抗が1MΩ・cm以上、より好ましくは比抵抗が10MΩ・cm以上、さらに好ましくは比抵抗が15MΩ・cm以上の、不純物が少ない純水であることが望ましい。不純物が少ない純水を洗浄に用いることで、遷移金属Mを有する水酸化物に含まれる不純物を除去することができ、高純度の遷移金属Mを有する水酸化物を、反応前駆体として得ることができる。
コバルトを含む水溶液としては、硫酸コバルト水溶液または硝酸コバルト水溶液、などを用いることができ、ニッケルを含む水溶液としては、硫酸ニッケル水溶液または硝酸ニッケル水溶液、などを用いることができ、マンガンを含む水溶液としては、硫酸マンガン水溶液または硝酸マンガン水溶液、などを用いることができる。
なお、合成の際に用いる第1の金属M1源および第2の金属M2源および第3の金属M3源としては、高純度の材料を用いると好ましい。具体的には、遷移金属Mを含む水溶液を用いる場合、水溶液を作成する際の、溶質材料の純度としては、2N(99%)以上、好ましくは3N(99.9%)以上、さらに好ましくは4N(99.99%)以上であり、水としては、好ましくは比抵抗が1MΩ・cm以上、より好ましくは比抵抗が10MΩ・cm以上、さらに好ましくは比抵抗が15MΩ・cm以上の、不純物が少ない純水であることが望ましい。高純度の材料を用いることで、二次電池の容量を高めること、および/または二次電池の信頼性を高めることができる。
本実施の形態では、ステップS13としてリチウム源と混合し、第1の加熱を行って十分に結晶化したLi[LiCo(MnNi1-Z1-X-Y]Oで示される混合された酸化物を得る。この混合された酸化物は、六方晶の層状構造を有する結晶である。ステップS14において結晶を得ることができる。また、ステップS12及びステップS13においては、共沈法に限定されず、固相反応を用いてもよい。また、ステップS13の第1の加熱処理では結晶化を促進するために行っているが、S12の工程で十分な結晶が得られている場合には、ステップS13の第1の加熱処理を省略してもよい。
そして、ステップS24として用意した添加元素源をステップS41で混合し、ステップS42にて混合物903を得る。ステップS24では、添加元素源としてアルミニウム源またはマグネシウム源またはチタン源またはジルコニウム源またはホウ素源を用意する。本実施の形態では、添加元素源としてアルミニウム源を用いる。ステップS41からステップS43までの工程は、ゾルゲル法を用いて行うことが好ましい。ゾルゲル法において、S41の混合は、溶媒に金属アルコキシドとS14で得られた結晶を加えて混合した後、微量の水を加えて、加水分解または重縮合反応を生じさせた後、ろ過または遠心分離などにより回収し、乾燥してステップS42の混合物903を得た後、ステップS43にて適切な温度、時間、雰囲気の条件を設定し、第2の加熱を行う。ゾルゲル法は、原料が液体であるため、原料の高純度化が容易である。また多成分系の場合、原料が分子レベルで混合できるため、製品の均質性を上げることができる。混合および解砕工程を湿式で行う場合は、溶媒を準備する。溶媒としてはアセトン等のケトン、エタノールおよびイソプロパノール等のアルコール、エーテル、ジオキサン、アセトニトリル、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)等を用いることができる。リチウムと反応が起こりにくい、非プロトン性溶媒を用いることがより好ましい。本実施の形態では、純度が99.5%以上の脱水アセトンを用いることとする。
そして、ステップS66として、六方晶の層状構造を有する結晶の表面に金属酸化物、具体的には酸化アルミニウムを固着させた正極活物質100、または表層部に酸化アルミニウムを拡散させた正極活物質100を作製している。
図1では、ステップS13にてリチウム源と混合する例を示したが、ステップS24の添加元素源と同じタイミングで混合してもよく、その場合には、加熱処理を1回とすることができる。なお、リチウム源としては、例えば炭酸リチウム、フッ化リチウム等を用いることができる。リチウム源としては、高純度の材料を用いると好ましい。具体的には、当該材料の純度としては、4N(99.99%)以上、好ましくは4N5UP(99.995%)以上、さらに好ましくは5N(99.999%)以上である。高純度の材料を用いることで、二次電池の容量を高めること、および/または二次電池の信頼性を高めることができる。
また、図1に示すフローに用いる第1の金属M1源および第2の金属M2源としては、高純度の材料を用いると好ましい。具体的には、当該材料の純度としては、4N(99.99%)以上、好ましくは4N5UP(99.995%)以上、さらに好ましくは5N(99.999%)以上である。高純度の材料を用いることで、二次電池の容量を高めること、および/または二次電池の信頼性を高めることができる。
また、ステップS14の結晶を得た段階において、結晶が一次粒子ではなく、結晶の集合体である二次粒子が形成される場合がある。その場合には二次粒子に対してゾルゲル法を用いて二次粒子表面に金属酸化物を部分的または全体的に形成する。特に、共沈法を用いる場合には、二次粒子が形成される場合があり、一次粒子と二次粒子の混合状態となる場合もある。
また、二次粒子を用いる一例を以下に示す。
図1に示すフローとは一部異なる例を図2に示す。図2は、図1と同一の部分は同じであるため、ここでは説明を省略する。図2では、S31の混合においてS14で得られた結晶(前駆体の場合もある)と、添加元素源と、リチウム源(Li源とも呼ぶ)を混合する例である。Li源としてフッ化リチウムを用いるため、フッ素源とも呼べる。混合は乾式または湿式で行うことができる。混合には例えばボールミル、ビーズミル等を用いることができる。ボールミルを用いる場合は、例えば粉砕メディアとしてジルコニアボールを用いることが好ましい。また、ボールミル、またはビーズミル等を用いる場合、メディアまたは材料からのコンタミネーションを抑制するために、周速を、100mm/s以上2000mm/s以下とすることが好ましい。なお、本実施の形態においては、周速838mm/s(回転数400rpm、ボールミルの直径40mm)として実施することとする。このようにして混合物904を得る(ステップS32)。
次にステップS33として、上記で混合した材料を加熱する。本工程は、後の加熱工程との区別のために、第2の加熱という場合がある。加熱温度は、第1の金属M1および第2の金属M2を有する前駆体の融点近くの温度とすることが好ましい。また、ステップS33の加熱において、ローラーハースキルンによる加熱をおこなってもよい。ローラーハースキルンにて加熱処理をする際、蓋を有する耐熱容器を用いて、加熱処理しても良い。
加熱時間は例えば1時間以上100時間以下行うことができ、2時間以上20時間以下とすることが好ましい。加熱は、酸素もしくは乾燥空気等の水が少ない酸素含有雰囲気(例えば露点が-50℃以下、より好ましくは露点が-80℃以下)で行うことが好ましい。なお、本実施の形態においては、露点-93℃の雰囲気にて、加熱を行うこととする。また、加熱は、CH、CO、CO、及びHの不純物濃度が、それぞれ5ppb(parts per billion)以下の雰囲気で行うと、材料中に混入しうる不純物が抑制できるため好適である。 なお、加熱の際に用いる、るつぼは不純物が混入しない材質であると好適である。本実施の形態においては、純度が99.9%のアルミナのるつぼを用いることとする。 また、加熱が終わった材料を回収する際に、るつぼから乳鉢へ移動させたのち、回収すると材料に不純物が混入しないため好適である。また、当該乳鉢についても、不純物が混入しない材質である好適である。具体的には、純度が90wt%以上、好ましくは純度が99%以上のアルミナの乳鉢を用いると好適である。
さらに混合物904を加熱する際、雰囲気中のフッ素またはフッ化物の分圧を適切な範囲に制御することが好ましい。具体的には混合物904を入れる容器に蓋をした状態で加熱することが好ましい。
図2で説明する作製方法では、一部の材料、例えばフッ素源であるLiFが融剤として機能する。この機能によりアニール温度を低温化でき、良好な特性の正極活物質を作製できる。
しかしLiFは酸素分子よりも軽いため、加熱によりLiFが揮発、散逸しうる。その場合、混合物904中のLiFが減少し、融剤としての機能が弱くなってしまう。よって、LiFの揮発を抑制しつつ、加熱する必要がある。なおフッ素源等としてLiFを用いなかったとしても、LiMO表面のLiとFが反応して、LiFが生じ、揮発する可能性もある。そのため、LiFより融点が高いフッ化物を用いたとしても、同じように揮発の抑制が必要である。
そこで、LiFを含む雰囲気で混合物904を加熱すること、すなわち、加熱炉内のLiFの分圧が高い状態で混合物904を加熱することが好ましい。このような加熱により混合物904中のLiFの揮発を抑制することができる。
次にステップS34において上記で加熱をした材料を回収し、一次粒子101を作製することができる。一次粒子101は、上記のような加熱条件でフッ化物が融剤として機能した結果、表面に凹凸面が少ないツヤツヤした粒子となっていることが好ましい。具体的にはラフネスの指標である粗さ(RMS:二乗平均平方根表面粗さ)が3nm未満、好ましくは1nm未満、さらに好ましくは0.5nm未満であることが好ましい。
RMSの算出方法としては、まず、一次粒子101のSEM像を撮影し、該SEM像に画像処理ソフトでノイズ処理を行う。たとえばガウスぼかし(σ=2)を行った後、二値化を行う。さらに画像処理ソフトで界面抽出を行う。さらに自動選択ツール等で保護膜等と一次粒子101との界面ラインを選択し、データを表計算ソフト等に抽出する。表計算ソフト等の機能を用いて、回帰曲線(二次回帰)から補正を行い、傾き補正後データからラフネス算出用パラメータを求め、標準偏差を算出した二乗平均平方根表面粗さ(RMS)を求める。また、この表面粗さは、一次粒子101は少なくとも粒子外周の400nmにおける表面粗さである。
また上記のような加熱条件でフッ化物が融剤として機能した結果、一次粒子101の表層部にフッ素を含む層が形成されることが好ましい。そのため一次粒子101の表層部と内部の結晶の配向が概略一致していることが好ましい。
このようにして形成された表層部が一次粒子101のバリア層として機能する。なお、当該バリア膜を、一次粒子101のコーティング層と言い換えてもよい。
次にステップS35として、一次粒子101を造粒して二次粒子を形成する。造粒の方法としては、乾式造粒及び湿式造粒のいずれか、または両方を適用することができる。より具体的には、転動造粒、流動層造粒、圧縮造粒、噴霧造粒等を用いることができる。特に湿式造粒は生産性がよく好ましい。またスプレードライ等の噴霧造粒は数μm以上数十μm以下の二次粒子を比較的簡便に形成することができる。
また、ステップS35の後に、ゾルゲル法を用いて二次粒子表面に金属酸化物(例えば酸化アルミニウム)を部分的または全体的に形成する工程としてもよい。
上記の工程で、正極活物質102を作製することができる。
また、本発明の一態様の正極活物質の材料に用いることができる材料の純度としては、LiCO及びCoOが、それぞれ3N(99.9%)以上、好ましくは4N(99.99%)以上、より好ましくは4N5(99.995%)以上、さらに好ましくは5N(99.999%)以上である。
また、本発明の一態様の正極活物質に添加可能な元素(添加元素X)として用いることができる材料の純度としては、LiF及びMgFが、それぞれ2N(99%)以上、好ましくは3N(99.9%)以上、より好ましくは4N(99.99%)以上である。また、Ni(OH)、及びAl(OH)が、それぞれ3N(99.9%)以上、好ましくは4N(99.99%)以上、より好ましくは4N5(99.995%)以上、さらに好ましくは5N(99.999%)以上である。
(実施の形態2)
本実施の形態は、実施の形態1とは異なる例を示す。実施の形態1では、リチウムを含む結晶に対して金属酸化物を部分的または全体的に形成する工程とする例を示したが、本実施の形態では、リチウムを低減または除去した結晶に対して金属酸化物を部分的または全体的に形成する。
図3は、図1と同一の部分の説明は図1の説明を参酌する。図3では、S12の混合において、Li源を混合する例である。
本実施の形態では、ステップS12及びステップS13においては、固相反応を用いる。ステップS14において得られる結晶はリチウムと、第1の金属M1と、第2の金属M2を有する。そして、ステップS14で得られた結晶からリチウムを低減または除去するリチウム脱離工程であるステップS15を行う。ステップS15としては、結晶からリチウムを脱離させ、低減する方法であれば特に限定されず、充電反応または、溶液を用いた化学反応を行えばよい。
そして、ステップS24として用意した添加元素源をステップS41で混合し、ステップS42にて混合物905を得る。ステップS24では、添加元素源としてアルミニウム源またはマグネシウム源またはチタン源またはジルコニウム源またはホウ素源を必要に応じて用意する。マグネシウム源を用意する場合には、MgFを用いることができる。また、ホウ素源を用意する場合はHBO、HB(OH)、Bなどを用いることができる。本実施の形態では、一例として、添加元素源としてアルミニウム源を用いる。ステップS41からステップS43までの工程は、ゾルゲル法を用いて行うことが好ましい。ゾルゲル法において、S41の混合は、溶媒に金属アルコキシドとS15で得られた結晶を加えて混合した後、微量の水を加えて、加水分解または重縮合反応を生じさせた後、ろ過または遠心分離などにより回収し、乾燥してステップS42の混合物905を得た後、ステップS43にて適切な温度、時間、雰囲気の条件を設定し、第2の加熱を行う。ステップS15で結晶からリチウムを半減させることによって局部的に劣化させた部分を設け、その部分にステップS41によるゾルゲル法でのコーティングを行うことが好ましい。
その後、ステップS43として第2の加熱を行う。そして、図3では、S51の混合において、Li源を混合する。十分に混合し、ステップS52で得られた混合物906をステップS53において第3の加熱を行って、結晶にリチウムを含有させる。また、リチウムを含有させる方法は、固相法に限定されず、リチウム金属を電極に用いて充放電させることで結晶内にリチウムを拡散させてもよい。
そして、ステップS66として、六方晶の層状構造を有する結晶の表面に金属酸化物、具体的には酸化アルミニウムを固着させた正極活物質103、または表層部に酸化アルミニウムを拡散させた正極活物質103を作製している。
図3では、M1源、M2源を用いる例を示したが、さらにM3源、M4源、M5源を用いてもよい。
本実施の形態は実施の形態1と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の正極活物質を含むリチウムイオン二次電池について説明する。二次電池は、外装体、集電体、活物質(正極活物質、或いは負極活物質)、導電助剤、及びバインダを少なくとも有している。また、リチウム塩などを溶解させた液体状の電解質を有している。液体状の電解質を用いる二次電池の場合、正極と、負極と、正極と負極の間にセパレータとを設ける。
[正極]
正極は、正極活物質層および正極集電体を有する。正極活物質層は実施の形態1または実施の形態2で示した正極活物質を有することが好ましく、さらにバインダ、導電助剤等を有していてもよい。
集電体は金属箔であり、金属箔上にスラリーを塗布して乾燥させることによって正極を形成する。乾燥後、さらにプレスを加える場合もある。正極は、集電体上に活物質層を形成したものである。
スラリーとは、集電体上に活物質層を形成するために用いる材料液であり、少なくとも活物質とバインダと溶媒を少なくとも含有し、好ましくはさらに導電助剤を混合させたものを指している。スラリーは電極用スラリーまたは活物質スラリーと呼ばれることもあり、正極活物質層を形成する場合には正極用スラリーを用い、負極活物質層を形成する場合には負極用スラリーと呼ばれることもある。
導電助剤は、導電付与剤、導電材とも呼ばれ、炭素材料が用いられる。複数の活物質の間に導電助剤を付着させることで複数の活物質同士が電気的に接続され、導電性が高まる。なお、「付着」とは、活物質と導電助剤が物理的に密着していることのみを指しているのではなく、共有結合が生じる場合、ファンデルワールス力により結合する場合、活物質の表面の一部を導電助剤が覆う場合、活物質の表面凹凸に導電助剤がはまりこむ場合、互いに接していなくとも電気的に接続される場合などを含む概念とする。
導電助剤として用いられる炭素材料として代表的なものにカーボンブラック(ファーネスブラック、アセチレンブラック、黒鉛など)がある。
二次電池の正極として、金属箔などの集電体と、活物質と、を固着させるために、バインダ(樹脂)を混合している。バインダは結着剤とも呼ばれる。バインダは高分子材料であり、バインダを多く含ませると正極における活物質の割合が低下して、二次電池の放電容量が小さくなる。そこでバインダの量は最小限に混合させている。活物質の断面形状は楕円形、長方形、台形、錐形、角が丸まった四角形、非対称の形状であってもよい。
また、導電助剤として用いられる炭素材料として、グラフェンおよびグラフェン化合物を用いることができる。
グラフェンは電気的、機械的または化学的に驚異的な特性を有することから、グラフェンを利用した電界効果トランジスタおよび太陽電池等様々な分野の応用が期待される炭素材料である。
本明細書等においてグラフェン化合物とは、多層グラフェン、マルチグラフェン、酸化グラフェン、多層酸化グラフェン、マルチ酸化グラフェン、還元された酸化グラフェン、還元された多層酸化グラフェン、還元されたマルチ酸化グラフェン等を含む。グラフェン化合物とは、炭素を有し、平板状、シート状等の形状を有し、炭素6員環で形成された二次元的構造を有するものをいう。また屈曲した形状を有することが好ましい。炭素シートといってもよい。官能基を有することが好ましい。またグラフェン化合物は丸まってカーボンナノファイバーのようになっていてもよい。
グラフェンおよびグラフェン化合物は、高い導電性を有するという優れた電気特性と、高い柔軟性および高い機械的強度を有するという優れた物理特性と、を有する場合がある。また、グラフェンおよびグラフェン化合物はシート状の形状を有する。グラフェンおよびグラフェン化合物は、湾曲面を有する場合があり、接触抵抗の低い面接触を可能とする。また、薄くても導電性が非常に高い場合があり、少ない量で効率よく活物質層内で導電パスを形成することができる。そのため、グラフェンおよびグラフェン化合物を導電材として用いることにより、活物質と導電材との接触面積を増大させることができる。
なお、グラフェンおよびグラフェン化合物が、正極活物質中の二次粒子にまとわりつくように位置していると好ましい。または、グラフェンおよびグラフェン化合物が二次粒子の周囲を覆うように内包していると好ましい。または、グラフェンおよびグラフェン化合物は二次粒子を内包する袋状であると好ましい。または、グラフェンおよびグラフェン化合物は二次粒子の表面に沿って位置することが好ましい。
なお、グラフェンおよびグラフェン化合物、アセチレンブラックを混合し、電極スラリーを得る工程において、混合するカーボンブラックの重量はグラフェンの1.5倍以上20倍以下、好ましくは2倍以上9.5倍以下の重量とすることが好ましい。
また、グラフェンおよびグラフェン化合物とアセチレンブラックの混合を上記範囲とすると、スラリー調製時に、アセチレンブラックの分散安定性に優れ、凝集部が生じにくい。また、グラフェンおよびグラフェン化合物とアセチレンブラックの混合を上記範囲とすると、アセチレンブラックのみを導電助剤に用いる正極よりも高い電極密度とすることができる。電極密度を高くすることで、重量単位当たりの容量を大きくすることができる。具体的には、重量測定による正極活物質層の密度は、3.5g/ccより高くすることができる。また、実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を正極に用い、且つ、グラフェンおよびグラフェン化合物とアセチレンブラックの混合を上記範囲とすると、二次電池がより高容量となることについて相乗効果が期待でき好ましい。
また、グラフェンのみを導電助剤に用いる正極に比べると電極密度は低いが、第1の炭素材料(グラフェン)と第2の炭素材料(アセチレンブラック)の混合を上記範囲とすることで、急速充電に対応することができる。これは車載用の二次電池として有効である。
二次電池の数を増やして車両の重量が増加すると、移動させるエネルギーが増加するため、航続距離も短くなる。高密度の二次電池を用いることで同じ重量の二次電池を搭載する車両の総重量をほとんど変えることなく航続距離を維持できる。
また、車両の二次電池が高容量になると充電する電力が必要とされるため、短時間で充電を終了させることが望ましい。また、車両のブレーキをかけた時に一時的に発電させて、それを充電する、いわゆる回生充電において高レート充電条件での充電が行われるため、良好なレート特性が車両用二次電池に求められている。
実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を正極に用いることで、高エネルギー密度かつ良好な出力特性をもつ車載用の二次電池を得ることができる。
また、携帯情報端末においても本構成は有効であり、実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を正極に用いることで二次電池を小型化し、高容量とすることもできる。
また、上記構成は、液体状の電解質を用いる二次電池の例を示したが特に限定されない。
例えば、実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を用いて半固体電池または全固体電池を作製することもできる。
本明細書等において半固体電池とは、電解質層、正極、負極の少なくとも一に、半固体材料を有する電池をいう。ここでいう半固体とは、固体材料の比が50%であることは意味しない。半固体とは、体積変化が小さいといった固体の性質を有しつつも、柔軟性を有する等の液体に近い性質も一部持ち合わせることを意味する。これらの性質を満たせば、単一の材料でも、複数の材料であってもよい。たとえば液体の材料を、多孔質の固体材料に浸潤させた物であってもよい。
また本明細書等において、ポリマー電解質二次電池とは、正極と負極の間の電解質層にポリマーを有する二次電池をいう。ポリマー電解質二次電池は、ドライ(または真性)ポリマー電解質電池、およびポリマーゲル電解質電池を含む。またポリマー電解質二次電池を半固体電池と呼んでもよい。
実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を用いて半固体電池を作製した場合、半固体電池は、充放電容量の大きい二次電池となる。また、充放電電圧の高い半固体電池とすることができる。または、安全性または信頼性の高い半固体電池を実現することができる。
また実施の形態1または実施の形態2で説明した正極活物質と、他の正極活物質を混合して用いてもよい。
他の正極活物質としてはたとえばオリビン型の結晶構造、層状岩塩型の結晶構造、またはスピネル型の結晶構造を有する複合酸化物等がある。例えば、LiFePO、LiFeO、LiNiO、LiMn、V、Cr、MnO等の化合物があげられる。
また、他の正極活物質としてLiMn等のマンガンを含むスピネル型の結晶構造を有するリチウム含有材料に、ニッケル酸リチウム(LiNiOまたはLiNi1-x(0<x<1)(M=Co、Al等))を混合すると好ましい。該構成とすることによって、二次電池の特性を向上させることができる。
また、他の正極活物質として、組成式LiMnで表すことができるリチウムマンガン複合酸化物を用いることができる。ここで、元素Mは、リチウム、マンガン以外から選ばれた金属元素、またはシリコン、リンを用いることが好ましく、ニッケルであることがさらに好ましい。また、リチウムマンガン複合酸化物の粒子全体を測定する場合、放電時に0<a/(b+c)<2、かつc>0、かつ0.26≦(b+c)/d<0.5を満たすことが好ましい。なお、リチウムマンガン複合酸化物の粒子全体の金属、シリコン、リン等の組成は、例えばICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析計)を用いて測定することができる。またリチウムマンガン複合酸化物の粒子全体の酸素の組成は、例えばEDX(エネルギー分散型X線分析法)を用いて測定することが可能である。また、ICPMS分析と併用して、融解ガス分析、XAFS(X線吸収微細構造)分析の価数評価を用いることで求めることができる。なお、リチウムマンガン複合酸化物とは、少なくともリチウムとマンガンとを含む酸化物をいい、クロム、コバルト、アルミニウム、ニッケル、鉄、マグネシウム、モリブデン、亜鉛、インジウム、ガリウム、銅、チタン、ニオブ、シリコン、およびリンなどからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を含んでいてもよい。
<バインダ>
バインダとしては、例えば、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、スチレン-イソプレン-スチレンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体などのゴム材料を用いることが好ましい。またバインダとして、フッ素ゴムを用いることができる。
また、バインダとしては、例えば水溶性の高分子を用いることが好ましい。水溶性の高分子としては、例えば多糖類などを用いることができる。多糖類としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ジアセチルセルロース、再生セルロースなどのセルロース誘導体、および澱粉などを用いることができる。また、これらの水溶性の高分子を、前述のゴム材料と併用して用いると、さらに好ましい。
または、バインダとしては、ポリスチレン、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル(ポリメチルメタクリレート、PMMA)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、エチレンプロピレンジエンポリマー、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース等の材料を用いることが好ましい。
バインダは上記のうち複数を組み合わせて使用してもよい。
例えば粘度調整効果の特に優れた材料と、他の材料とを組み合わせて使用してもよい。例えばゴム材料等は接着力および弾性力に優れる反面、溶媒に混合した場合に粘度調整が難しい場合がある。このような場合には例えば、粘度調整効果の特に優れた材料と混合することが好ましい。粘度調整効果の特に優れた材料としては、例えば水溶性高分子を用いるとよい。また、粘度調整効果に特に優れた水溶性高分子としては、前述の多糖類、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびジアセチルセルロース、再生セルロースなどのセルロース誘導体、または澱粉を用いることができる。
なお、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体は、例えばカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩またはアンモニウム塩などの塩とすることにより溶解度が上がり、粘度調整剤としての効果を発揮しやすくなる。溶解度が高くなることにより電極のスラリーを作製する際に活物質および他の構成要素との分散性を高めることもできる。本明細書においては、電極のバインダとして使用するセルロースおよびセルロース誘導体としては、それらの塩も含むものとする。
水溶性高分子は水に溶解することにより粘度を安定化させ、また活物質、またはバインダとして組み合わせる他の材料、例えばスチレンブタジエンゴムなどを、水溶液中に安定して分散させることができる。また、官能基を有するために活物質表面に安定に吸着しやすいことが期待される。また、例えばカルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体は、例えば水酸基またはカルボキシル基などの官能基を有する材料が多く、官能基を有するために高分子同士が相互作用し、活物質表面を広く覆って存在することが期待される。
活物質表面を覆う、または表面に接するバインダが膜を形成する場合には、不動態膜としての役割を果たして液体状の電解質の分解を抑える効果も期待される。ここで、不動態膜とは、電気の伝導性のない膜、または電気伝導性の極めて低い膜であり、例えば活物質の表面に不動態膜が形成された場合には、電池反応電位において、液体状の電解質の分解を抑制することができる。また、不動態膜は、電気の伝導性を抑えるとともに、リチウムイオンは伝導できるとさらに望ましい。
<正極集電体>
集電体としては、ステンレス、金、白金、アルミニウム、チタン等の金属、及びこれらの合金など、導電性が高い材料をもちいることができる。また正極集電体に用いる材料は、正極の電位で溶出しないことが好ましい。また、シリコン、チタン、ネオジム、スカンジウム、モリブデンなどの耐熱性を向上させる元素が添加されたアルミニウム合金を用いることができる。また、シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素で形成してもよい。シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト、ニッケル等がある。集電体は、箔状、板状、シート状、網状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状等の形状を適宜用いることができる。集電体は、厚みが5μm以上30μm以下のものを用いるとよい。
[負極]
負極は、負極活物質層および負極集電体を有する。また、負極活物質層は負極活物質を有し、さらに導電助剤およびバインダを有していてもよい。
<負極活物質>
負極活物質としては、例えば合金系材料または炭素系材料、およびこれらの混合物等を用いることができる。
負極活物質として、リチウムとの合金化・脱合金化反応により充放電反応を行うことが可能な元素を用いることができる。例えば、シリコン、スズ、ガリウム、アルミニウム、ゲルマニウム、鉛、アンチモン、ビスマス、銀、亜鉛、カドミウム、インジウム等のうち少なくとも一つを含む材料を用いることができる。このような元素は炭素と比べて容量が大きく、特にシリコンは理論容量が4200mAh/gと高い。このため、負極活物質にシリコンを用いることが好ましい。また、これらの元素を有する化合物を用いてもよい。例えば、SiO、MgSi、MgGe、SnO、SnO、MgSn、SnS、VSn、FeSn、CoSn、NiSn、CuSn、AgSn、AgSb、NiMnSb、CeSb、LaSn、LaCoSn、CoSb、InSb、SbSn等がある。ここで、リチウムとの合金化・脱合金化反応により充放電反応を行うことが可能な元素、および該元素を有する化合物等を合金系材料と呼ぶ場合がある。
本明細書等において、SiOは例えば一酸化シリコンを指す。あるいはSiOは、SiOと表すこともできる。ここでxは1または1近傍の値を有することが好ましい。例えばxは、0.2以上1.5以下が好ましく、0.3以上1.2以下が好ましい。
炭素系材料としては、黒鉛、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンブラック等を用いればよい。
黒鉛としては、人造黒鉛、および天然黒鉛等が挙げられる。人造黒鉛としては例えば、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、コークス系人造黒鉛、ピッチ系人造黒鉛等が挙げられる。ここで人造黒鉛として、球状の形状を有する球状黒鉛を用いることができる。例えば、MCMBは球状の形状を有する場合があり、好ましい。また、MCMBはその表面積を小さくすることが比較的容易であり、好ましい場合がある。天然黒鉛としては例えば、鱗片状黒鉛、球状化天然黒鉛等が挙げられる。
黒鉛はリチウムイオンが黒鉛に挿入されたとき(リチウム-黒鉛層間化合物の生成時)にリチウム金属と同程度に低い電位を示す(0.05V以上0.3V以下 vs.Li/Li)。これにより、黒鉛を用いたリチウムイオン二次電池は高い作動電圧を示すことができる。さらに、黒鉛は、単位体積当たりの容量が比較的高い、体積膨張が比較的小さい、安価である、リチウム金属に比べて安全性が高い等の利点を有するため、好ましい。
また、負極活物質として、二酸化チタン(TiO)、リチウムチタン酸化物(LiTi12)、リチウム-黒鉛層間化合物(Li)、五酸化ニオブ(Nb)、酸化タングステン(WO)、酸化モリブデン(MoO)等の酸化物を用いることができる。
また、負極活物質として、リチウムと遷移金属の複窒化物である、LiN型構造をもつLi3-xN(M=Co、Ni、Cu)を用いることができる。例えば、Li2.6Co0.4は大きな充放電容量(900mAh/g、1890mAh/cm)を示し好ましい。
リチウムと遷移金属の複窒化物を用いると、負極活物質中にリチウムイオンを含むため、正極活物質としてリチウムイオンを含まないV、Cr等の材料と組み合わせることができ好ましい。なお、正極活物質にリチウムイオンを含む材料を用いる場合でも、あらかじめ正極活物質に含まれるリチウムイオンを脱離させることで、負極活物質としてリチウムと遷移金属の複窒化物を用いることができる。
また、コンバージョン反応が生じる材料を負極活物質として用いることもできる。例えば、酸化コバルト(CoO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化鉄(FeO)等の、リチウムとの合金を作らない遷移金属酸化物を負極活物質に用いてもよい。コンバージョン反応が生じる材料としては、さらに、Fe、CuO、CuO、RuO、Cr等の酸化物、CoS0.89、NiS、CuS等の硫化物、Zn、CuN、Ge等の窒化物、NiP、FeP、CoP等のリン化物、FeF、BiF等のフッ化物でも起こる。
負極活物質層が有することのできる導電助剤およびバインダとしては、正極活物質層が有することのできる導電助剤およびバインダと同様の材料を用いることができる。
<負極集電体>
負極集電体には、正極集電体と同様の材料に加え、銅なども用いることができる。なお負極集電体は、リチウム等のキャリアイオンと合金化しない材料を用いることが好ましい。
[セパレータ]
正極と負極の間にセパレータを配置する。セパレータとしては、例えば、紙をはじめとするセルロースを有する繊維、不織布、ガラス繊維、セラミックス、或いはナイロン(ポリアミド)、ビニロン(ポリビニルアルコール系繊維)、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン、ポリウレタンを用いた合成繊維等で形成されたものを用いることができる。セパレータは袋状に加工し、正極または負極のいずれか一方を包むように配置することが好ましい。
セパレータは多層構造であってもよい。例えばポリプロピレン、ポリエチレン等の有機材料フィルムに、セラミック系材料、フッ素系材料、ポリアミド系材料、またはこれらを混合したもの等をコートすることができる。セラミック系材料としては、例えば酸化アルミニウム粒子、酸化シリコン粒子等を用いることができる。フッ素系材料としては、例えばPVDF、ポリテトラフルオロエチレン等を用いることができる。ポリアミド系材料としては、例えばナイロン、アラミド(メタ系アラミド、パラ系アラミド)等を用いることができる。
セラミック系材料をコートすると耐酸化性が向上するため、高電圧充放電の際のセパレータの劣化を抑制し、二次電池の信頼性を向上させることができる。またフッ素系材料をコートするとセパレータと電極が密着しやすくなり、出力特性を向上させることができる。ポリアミド系材料、特にアラミドをコートすると、耐熱性が向上するため、二次電池の安全性を向上させることができる。
例えばポリプロピレンのフィルムの両面に酸化アルミニウムとアラミドの混合材料をコートしてもよい。また、ポリプロピレンのフィルムの、正極と接する面に酸化アルミニウムとアラミドの混合材料をコートし、負極と接する面にフッ素系材料をコートしてもよい。
多層構造のセパレータを用いると、セパレータ全体の厚さが薄くても二次電池の安全性を保つことができるため、二次電池の体積あたりの容量を大きくすることができる。
[液体状の電解質]
液体状の電解質は、溶媒と電解質を有する。液体状の電解質の溶媒としては、非プロトン性有機溶媒が好ましく、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、酪酸メチル、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、メチルジグライム、アセトニトリル、ベンゾニトリル、テトラヒドロフラン、スルホラン、スルトン等の1種、又はこれらのうちの2種以上を任意の組み合わせおよび比率で用いることができる。
また、液体状の電解質の溶媒として、難燃性および難揮発性であるイオン液体(常温溶融塩)を一つ又は複数用いることで、蓄電装置の内部短絡または、過充電等によって内部温度が上昇しても、蓄電装置の破裂および発火などを防ぐことができる。イオン液体は、カチオンとアニオンからなり、有機カチオンとアニオンとを含む。液体状の電解質に用いる有機カチオンとして、四級アンモニウムカチオン、三級スルホニウムカチオン、および四級ホスホニウムカチオン等の脂肪族オニウムカチオン、イミダゾリウムカチオンおよびピリジニウムカチオン等の芳香族カチオンが挙げられる。また、液体状の電解質に用いるアニオンとして、1価のアミド系アニオン、1価のメチド系アニオン、フルオロスルホン酸アニオン、パーフルオロアルキルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレートアニオン、パーフルオロアルキルボレートアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、またはパーフルオロアルキルホスフェートアニオン等が挙げられる。
また、上記の溶媒に溶解させる電解質としては、例えばLiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiAlCl、LiSCN、LiBr、LiI、LiSO、Li10Cl10、Li12Cl12、LiCFSO、LiCSO、LiC(CFSO、LiC(CSO、LiN(CFSO、LiN(CSO)(CFSO)、LiN(CSO、リチウムビス(オキサレート)ボレート(Li(C、LiBOB)等のリチウム塩を一種、又はこれらのうちの二種以上を任意の組み合わせおよび比率で用いることができる。
蓄電装置に用いる液体状の電解質は、粒状のごみまたは液体状の電解質の構成元素以外の元素(以下、単に「不純物」ともいう。)の含有量が少ない高純度化された液体状の電解質を用いることが好ましい。具体的には、液体状の電解質に対する不純物の重量比を1%以下、好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.01%以下とすることが好ましい。
また、液体状の電解質にビニレンカーボネート、プロパンスルトン(PS)、tert-ブチルベンゼン(TBB)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、リチウムビス(オキサレート)ボレート(LiBOB)、またスクシノニトリル、アジポニトリル等のジニトリル化合物などの添加剤を添加してもよい。添加剤の濃度は、例えば溶媒全体に対して0.1wt%以上5wt%以下とすればよい。
また、ポリマーを液体状の電解質で膨潤させたポリマーゲル電解質を用いてもよい。
ポリマーゲル電解質を用いることで、漏液性等に対する安全性が高まる。また、二次電池の薄型化および軽量化が可能である。
ゲル化されるポリマーとして、シリコーンゲル、アクリルゲル、アクリロニトリルゲル、ポリエチレンオキサイド系ゲル、ポリプロピレンオキサイド系ゲル、フッ素系ポリマーのゲル等を用いることができる。例えばポリエチレンオキシド(PEO)などのポリアルキレンオキシド構造を有するポリマー、PVDF、およびポリアクリロニトリル、およびそれらを含む共重合体等を用いることができる。例えばPVDFとヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体であるPVDF-HFPを用いることができる。また、形成されるポリマーは、多孔質形状を有してもよい。
また、液体状の電解質の代わりに、硫化物系または酸化物系等の無機物材料を有する固体電解質、またはPEO(ポリエチレンオキシド)系等の高分子材料を有する固体電解質を用いることができる。固体電解質を用いる場合には、セパレータまたはスペーサの設置が不要となる。また、電池全体を固体化できるため、漏液のおそれがなくなり安全性が飛躍的に向上する。
よって、実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103は全固体電池にも応用が可能である。全固体電池に該正極スラリーまたは電極を応用することによって、安全性が高く、特性が良好な全固体電池を得ることができる。
[外装体]
二次電池が有する外装体としては、例えばアルミニウムなどの金属材料または樹脂材料を用いることができる。また、フィルム状の外装体を用いることもできる。フィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アイオノマー、ポリアミド等の材料からなる膜上に、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル等の可撓性に優れた金属薄膜を設け、さらに該金属薄膜上に外装体の外面としてポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の絶縁性合成樹脂膜を設けた三層構造のフィルムを用いることができる。
本実施の形態の内容は、他の実施の形態の内容と適宜、組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、先の実施の形態で説明した作製方法によって作製された正極または負極を有する二次電池の複数種類の形状の例について説明する。
[コイン型二次電池]
コイン型の二次電池の一例について説明する。図4(A)はコイン型(単層偏平型)の二次電池の分解斜視図であり、図4(B)は、外観図であり、図4(C)は、その断面図である。コイン型の二次電池は主に小型の電子機器に用いられる。本明細書等において、コイン型電池は、ボタン型電池を含む。
図4(A)では、わかりやすくするために部材の重なり(上下関係、及び位置関係)がわかるように模式図としている。従って図4(A)と図4(B)は完全に一致する対応図とはしていない。
図4(A)では、正極304、セパレータ310、負極307、スペーサ322、ワッシャー312を重ねている。これらを負極缶302と正極缶301で封止している。なお、図4(A)において、封止のためのガスケットは図示していない。スペーサ322、ワッシャー312は、正極缶301と負極缶302を圧着する際に、内部を保護または缶内の位置を固定するために用いられている。スペーサ322、ワッシャー312はステンレスまたは絶縁材料を用いる。
正極集電体305上に正極活物質層306が形成された積層構造を正極304としている。
正極と負極の短絡を防ぐため、セパレータ310と、リング状絶縁体313を正極304の側面及び上面を覆うようにそれぞれ配置する。セパレータ310は、正極304よりも広い平面面積を有している。
図4(B)は、完成したコイン型の二次電池の斜視図である。
コイン型の二次電池300は、正極端子を兼ねた正極缶301と負極端子を兼ねた負極缶302とが、ポリプロピレン等で形成されたガスケット303で絶縁シールされている。正極304は、正極集電体305と、これと接するように設けられた正極活物質層306により形成される。また、負極307は、負極集電体308と、これに接するように設けられた負極活物質層309により形成される。また、負極307は、積層構造に限定されず、リチウム金属箔またはリチウムとアルミニウムの合金箔を用いてもよい。
なお、コイン型の二次電池300に用いる正極304および負極307は、それぞれ活物質層は片面のみに形成すればよい。
正極缶301、負極缶302には、液体状の電解質に対して耐食性のあるニッケル、アルミニウム、チタン等の金属、又はこれらの合金、およびこれらと他の金属との合金(例えばステンレス鋼等)を用いることができる。また、液体状の電解質などによる腐食を防ぐため、ニッケルおよびアルミニウム等を被覆することが好ましい。正極缶301は正極304と、負極缶302は負極307とそれぞれ電気的に接続する。
これら負極307、正極304およびセパレータ310を液体状の電解質に浸し、図4(C)に示すように、正極缶301を下にして正極304、セパレータ310、負極307、負極缶302をこの順で積層し、正極缶301と負極缶302とをガスケット303を介して圧着してコイン形の二次電池300を製造する。
二次電池とすることで、高容量、且つ、充放電容量が高く、且つ、サイクル特性に優れたコイン型の二次電池300とすることができる。なお、負極307、正極304の間に二次電池とする場合にはセパレータ310を不要とすることもできる。
[円筒型二次電池]
円筒型の二次電池の例について図5(A)を参照して説明する。円筒型の二次電池616は、図5(A)に示すように、上面に正極キャップ(電池蓋)601を有し、側面及び底面に電池缶(外装缶)602を有している。これら正極キャップ601と電池缶(外装缶)602とは、ガスケット(絶縁パッキン)610によって絶縁されている。
図5(B)は、円筒型の二次電池の断面を模式的に示した図である。図5(B)に示す円筒型の二次電池は、上面に正極キャップ(電池蓋)601を有し、側面および底面に電池缶(外装缶)602を有している。これら正極キャップと電池缶(外装缶)602とは、ガスケット(絶縁パッキン)610によって絶縁されている。
中空円柱状の電池缶602の内側には、帯状の正極604と負極606とがセパレータ605を間に挟んで捲回された電池素子が設けられている。図示しないが、電池素子は中心軸を中心に捲回されている。電池缶602は、一端が閉じられ、他端が開いている。電池缶602には、液体状の電解質に対して耐腐食性のあるニッケル、アルミニウム、チタン等の金属、又はこれらの合金、およびこれらと他の金属との合金(例えば、ステンレス鋼等)を用いることができる。また、液体状の電解質による腐食を防ぐため、ニッケルおよびアルミニウム等を電池缶602に被覆することが好ましい。電池缶602の内側において、正極、負極およびセパレータが捲回された電池素子は、対向する一対の絶縁板608、609により挟まれている。また、電池素子が設けられた電池缶602の内部は、非水電解液(図示せず)が注入されている。非水電解液は、コイン型の二次電池と同様のものを用いることができる。
円筒型の蓄電池に用いる正極および負極は捲回するため、集電体の両面に活物質を形成することが好ましい。なお図5(A)乃至図5(D)では円筒の直径よりも円筒の高さの方が大きい二次電池616を図示したが、これに限らない。円筒の直径が、円筒の高さよりも大きい二次電池としてもよい。このような構成により、たとえば二次電池の小型化を図ることができる。
実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を正極604に用いることで、高容量、且つ、充放電容量が高く、且つ、サイクル特性に優れた円筒型の二次電池616とすることができる。
正極604には正極端子(正極集電リード)603が接続され、負極606には負極端子(負極集電リード)607が接続される。正極端子603および負極端子607は、ともにアルミニウムなどの金属材料を用いることができる。正極端子603は安全弁機構613に、負極端子607は電池缶602の底にそれぞれ抵抗溶接される。安全弁機構613は、PTC素子(Positive Temperature Coefficient)611を介して正極キャップ601と電気的に接続されている。安全弁機構613は電池の内圧の上昇が所定の閾値を超えた場合に、正極キャップ601と正極604との電気的な接続を切断するものである。また、PTC素子611は温度が上昇した場合に抵抗が増大する熱感抵抗素子であり、抵抗の増大により電流量を制限して異常発熱を防止するものである。PTC素子には、チタン酸バリウム(BaTiO)系半導体セラミックス等を用いることができる。
図5(C)は蓄電システム615の一例を示す。蓄電システム615は複数の二次電池616を有する。それぞれの二次電池の正極は、絶縁体625で分離された導電体624に接触し、電気的に接続されている。導電体624は配線623を介して、制御回路620に電気的に接続されている。また、それぞれの二次電池の負極は、配線626を介して制御回路620に電気的に接続されている。制御回路620として、過充電または過放電を防止する保護回路等を適用することができる。
図5(D)は、蓄電システム615の一例を示す。蓄電システム615は複数の二次電池616を有し、複数の二次電池616は、導電板628及び導電板614の間に挟まれている。複数の二次電池616は、配線627により導電板628及び導電板614と電気的に接続される。複数の二次電池616は、並列接続されていてもよいし、直列接続されていてもよいし、並列に接続された後さらに直列に接続されていてもよい。複数の二次電池616を有する蓄電システム615を構成することで、大きな電力を取り出すことができる。
複数の二次電池616が、並列に接続された後、さらに直列に接続されてもよい。
複数の二次電池616の間に温度制御装置を有していてもよい。二次電池616が過熱されたときは、温度制御装置により冷却し、二次電池616が冷えすぎているときは温度制御装置により加熱することができる。そのため蓄電システム615の性能が外気温に影響されにくくなる。
また、図5(D)において、蓄電システム615は制御回路620に配線621及び配線622を介して電気的に接続されている。配線621は導電板628を介して複数の二次電池600の正極に、配線622は導電板614を介して複数の二次電池600の負極に、それぞれ電気的に接続される。
[二次電池の他の構造例]
二次電池の構造例について図6及び図7を用いて説明する。
図6(A)に示す二次電池913は、筐体930の内部に端子951と端子952が設けられた捲回体950を有する。捲回体950は、筐体930の内部で液体状の電解質中に浸される。端子952は、筐体930に接し、端子951は、絶縁材などを用いることにより筐体930に接していない。なお、図6(A)では、便宜のため、筐体930を分離して図示しているが、実際は、捲回体950が筐体930に覆われ、端子951及び端子952が筐体930の外に延在している。筐体930としては、金属材料(例えばアルミニウムなど)又は樹脂材料を用いることができる。
なお、図6(B)に示すように、図6(A)に示す筐体930を複数の材料によって形成してもよい。例えば、図6(B)に示す二次電池913は、筐体930aと筐体930bが貼り合わされており、筐体930a及び筐体930bで囲まれた領域に捲回体950が設けられている。
筐体930aとしては、有機樹脂など、絶縁材料を用いることができる。特に、アンテナが形成される面に有機樹脂などの材料を用いることにより、二次電池913による電界の遮蔽を抑制できる。なお、筐体930aによる電界の遮蔽が小さければ、筐体930aの内部にアンテナを設けてもよい。筐体930bとしては、例えば金属材料を用いることができる。
さらに、捲回体950の構造について図6(C)に示す。捲回体950は、負極931と、正極932と、セパレータ933と、を有する。捲回体950は、セパレータ933を挟んで負極931と、正極932が重なり合って積層され、該積層シートを捲回させた捲回体である。なお、負極931と、正極932と、セパレータ933と、の積層を、さらに複数重ねてもよい。
また、図7(A)乃至図7(C)に示すような捲回体950aを有する二次電池913としてもよい。図7(A)に示す捲回体950aは、負極931と、正極932と、セパレータ933と、を有する。負極931は負極活物質層931aを有する。正極932は正極活物質層932aを有する。
実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を正極932に用いることで、高容量、且つ、充放電容量が高く、且つ、サイクル特性に優れた二次電池913とすることができる。
セパレータ933は、負極活物質層931aおよび正極活物質層932aよりも広い幅を有し、負極活物質層931aおよび正極活物質層932aと重畳するように捲回されている。また正極活物質層932aよりも負極活物質層931aの幅が広いことが安全性の点で好ましい。またこのような形状の捲回体950aは安全性および生産性がよく好ましい。
図7(B)に示すように、負極931は端子951と電気的に接続される。端子951は端子911aと電気的に接続される。また正極932は端子952と電気的に接続される。端子952は端子911bと電気的に接続される。
図7(C)に示すように、筐体930により捲回体950aおよび液体状の電解質が覆われ、二次電池913となる。筐体930には安全弁、過電流保護素子等を設けることが好ましい。安全弁は、電池破裂を防止するため、筐体930の内部が所定の内圧で開放する弁である。
図7(B)に示すように二次電池913は複数の捲回体950aを有していてもよい。複数の捲回体950aを用いることで、より充放電容量の大きい二次電池913とすることができる。図7(A)および(B)に示す二次電池913の他の要素は、図6(A)乃至(C)に示す二次電池913の記載を参酌することができる。
<ラミネート型二次電池>
次に、ラミネート型の二次電池の例について、外観図の一例を図8(A)及び図8(B)に示す。図8(A)及び図8(B)は、正極503、負極506、セパレータ507、外装体509、正極リード電極510及び負極リード電極511を有する。
図9(A)は正極503及び負極506の外観図を示す。正極503は正極集電体501を有し、正極活物質層502は正極集電体501の表面に形成されている。また、正極503は正極集電体501が一部露出する領域(以下、タブ領域という)を有する。負極506は負極集電体504を有し、負極活物質層505は負極集電体504の表面に形成されている。また、負極506は負極集電体504が一部露出する領域、すなわちタブ領域を有する。正極及び負極が有するタブ領域の面積および形状は、図9(A)に示す例に限られない。
<ラミネート型二次電池の作製方法>
ここで、図8(A)に外観図を示すラミネート型二次電池の作製方法の一例について、図9(B)及び図9(C)を用いて説明する。
まず、負極506、セパレータ507及び正極503を積層する。図9(B)に積層された負極506、セパレータ507及び正極503を示す。ここでは負極を5組、正極を4組使用する例を示す。負極とセパレータと正極からなる積層体とも呼べる。次に、正極503のタブ領域同士の接合と、最表面の正極のタブ領域への正極リード電極510の接合を行う。接合には、例えば超音波溶接等を用いればよい。同様に、負極506のタブ領域同士の接合と、最表面の負極のタブ領域への負極リード電極511の接合を行う。
次に外装体509上に、負極506、セパレータ507及び正極503を配置する。
次に、図9(C)に示すように、外装体509を破線で示した部分で折り曲げる。その後、外装体509の外周部を接合する。接合には例えば熱圧着等を用いればよい。この時、後に液体状の電解質508を入れることができるように、外装体509の一部(または一辺)に接合されない領域(以下、導入口という)を設ける。
次に、外装体509に設けられた導入口から、液体状の電解質508(図示しない。)を外装体509の内側へ導入する。液体状の電解質508の導入は、減圧雰囲気下、或いは不活性雰囲気下で行うことが好ましい。そして最後に、導入口を接合する。このようにして、ラミネート型の二次電池500を作製することができる。
実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を正極503に用いることで、高容量、且つ、充放電容量が高く、且つ、サイクル特性に優れた二次電池500とすることができる。
[電池パックの例]
アンテナを用いて無線充電が可能な本発明の一態様の二次電池パックの例について、図10(A)乃至図10(C)を用いて説明する。
図10(A)は、二次電池パック531の外観を示す図であり、厚さの薄い直方体形状(厚さのある平板形状とも呼べる)である。図10(B)は二次電池パック531の構成を説明する図である。二次電池パック531は、回路基板540と、二次電池513と、を有する。二次電池513には、ラベル529が貼られている。回路基板540は、シール515により固定されている。また、二次電池パック531は、アンテナ517を有する。
二次電池513の内部は、捲回体を有する構造にしてもよいし、積層体を有する構造にしてもよい。
二次電池パック531において例えば、図10(B)に示すように、回路基板540上に、制御回路590を有する。また、回路基板540は、端子514と電気的に接続されている。また回路基板540は、アンテナ517、二次電池513の正極リード及び負極リードの一方551、正極リード及び負極リードの他方552と電気的に接続される。
あるいは、図10(C)に示すように、回路基板540上に設けられる回路システム590aと、端子514を介して回路基板540に電気的に接続される回路システム590bと、を有してもよい。
なお、アンテナ517はコイル状に限定されず、例えば線状、板状であってもよい。また、平面アンテナ、開口面アンテナ、進行波アンテナ、EHアンテナ、磁界アンテナ、誘電体アンテナ等のアンテナを用いてもよい。又は、アンテナ517は、平板状の導体でもよい。この平板状の導体は、電界結合用の導体の一つとして機能することができる。つまり、コンデンサの有する2つの導体のうちの一つの導体として、アンテナ517を機能させてもよい。これにより、電磁界、磁界だけでなく、電界で電力のやり取りを行うこともできる。
二次電池パック531は、アンテナ517と、二次電池513との間に層519を有する。層519は、例えば二次電池513による電磁界を遮蔽することができる機能を有する。層519としては、例えば磁性体を用いることができる。
本実施の形態の内容は、他の実施の形態の内容と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を用いて全固体電池を作製する例を示す。
図11(A)に示すように、本発明の一態様の二次電池400は、正極410、固体電解質層420および負極430を有する。
正極410は正極集電体413および正極活物質層414を有する。正極活物質層414は正極活物質411および固体電解質421を有する。正極活物質411には、実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を用いている。また正極活物質層414は、導電助剤およびバインダを有していてもよい。
固体電解質層420は固体電解質421を有する。固体電解質層420は、正極410と負極430の間に位置し、正極活物質411および負極活物質431のいずれも有さない領域である。
負極430は負極集電体433および負極活物質層434を有する。負極活物質層434は負極活物質431および固体電解質421を有する。また負極活物質層434は、導電助剤およびバインダを有していてもよい。なお、負極活物質431として金属リチウムを用いる場合は粒子にする必要がないため、図11(B)のように、固体電解質421を有さない負極430とすることができる。また、図11(B)では、負極活物質431をスパッタ法などを用いた成膜とする例を示している。負極430に金属リチウムを用いると、二次電池400のエネルギー密度を向上させることができ好ましい。
固体電解質層420が有する固体電解質421としては、例えば硫化物系固体電解質、酸化物系固体電解質、ハロゲン化物系固体電解質等を用いることができる。
硫化物系固体電解質には、チオシリコン系(Li10GeP12、Li3.25Ge0.250.75等)、硫化物ガラス(70LiS・30P、30LiS・26B・44LiI、63LiS・38SiS・1LiPO、57LiS・38SiS・5LiSiO、50LiS・50GeS等)、硫化物結晶化ガラス(Li11、Li3.250.95等)が含まれる。硫化物系固体電解質は、高い伝導度を有する材料がある、低い温度で合成可能、また比較的やわらかいため充放電を経ても導電経路が保たれやすい等の利点がある。
酸化物系固体電解質には、ペロブスカイト型結晶構造を有する材料(La2/3-xLi3xTiO等)、NASICON型結晶構造を有する材料(Li1-YAlTi2-Y(PO等)、ガーネット型結晶構造を有する材料(LiLaZr12等)、LISICON型結晶構造を有する材料(Li14ZnGe16等)、LLZO(LiLaZr12)、酸化物ガラス(LiPO-LiSiO、50LiSiO・50LiBO等)、酸化物結晶化ガラス(Li1.07Al0.69Ti1.46(PO、Li1.5Al0.5Ge1.5(PO等)が含まれる。酸化物系固体電解質は、大気中で安定であるといった利点がある。
ハロゲン化物系固体電解質には、LiAlCl、LiInBr、LiF、LiCl、LiBr、LiI等が含まれる。また、これらハロゲン化物系固体電解質を、ポーラス酸化アルミニウムまたはポーラスシリカの細孔に充填したコンポジット材料も固体電解質として用いることができる。
また、異なる固体電解質を混合して用いてもよい。
中でも、NASICON型結晶構造を有するLi1+xAlTi2-x(PO(0〔x〔1)(以下、LATP)は、アルミニウムとチタンという、本発明の一態様の二次電池400に用いる正極活物質が有してもよい元素を含むため、サイクル特性の向上について相乗効果が期待でき好ましい。また、工程の削減による生産性の向上も期待できる。なお本明細書等において、NASICON型結晶構造とは、M(XO(M:遷移金属、X:S、P、As、Mo、W等)で表される化合物であり、MO八面体とXO四面体が頂点を共有して3次元的に配列した構造を有するものをいう。
〔外装体と二次電池の形状〕
本発明の一態様の二次電池400の外装体には、様々な材料および形状のものを用いることができるが、正極、固体電解質層および負極を加圧する機能を有することが好ましい。
例えば図12は、全固体電池の材料を評価するセルの一例である。
図12(A)は評価セルの断面模式図であり、評価セルは、下部部材761と、上部部材762と、それらを固定する固定ねじまたは蝶ナット764を有し、押さえ込みねじ763を回転させることで電極用プレート753を押して評価材料を固定している。ステンレス材料で構成された下部部材761と、上部部材762との間には絶縁体766が設けられている。また上部部材762と、押さえ込みねじ763の間には密閉するためのOリング765が設けられている。
評価材料は、電極用プレート751に載せられ、周りを絶縁管752で囲み、上方から電極用プレート753で押されている状態となっている。この評価材料周辺を拡大した斜視図が図12(B)である。
評価材料としては、正極750a、固体電解質層750b、負極750cの積層の例を示しており、断面図を図12(C)に示す。なお、図12(A)乃至(C)において同じ箇所には同じ符号を用いる。
正極750aと電気的に接続される電極用プレート751および下部部材761は、正極端子に相当するということができる。負極750cと電気的に接続される電極用プレート753および上部部材762は、負極端子に相当するということができる。電極用プレート751および電極用プレート753を介して評価材料に押圧をかけながら電気抵抗などを測定することができる。
また、本発明の一態様の二次電池の外装体には、気密性に優れたパッケージを使用することが好ましい。例えばセラミックパッケージまたは樹脂パッケージを用いることができる。また、外装体を封止する際には、外気を遮断し、密閉した雰囲気下、例えばグローブボックス内で行うことが好ましい。
図13(A)に、図12と異なる外装体および形状を有する本発明の一態様の二次電池の斜視図を示す。図13(A)の二次電池は、外部電極771、772を有し、複数のパッケージ部材を有する外装体で封止されている。
図13(A)中の一点破線で切断した断面の一例を図13(B)に示す。正極750a、固体電解質層750bおよび負極750cを有する積層体は、平板に電極層773aが設けられたパッケージ部材770aと、枠状のパッケージ部材770bと、平板に電極層773bが設けられたパッケージ部材770cと、で囲まれて封止された構造となっている。パッケージ部材770a、770b、770cには、絶縁材料、例えば樹脂材料およびセラミックを用いることができる。
外部電極771は、電極層773aを介して電気的に正極750aと電気的に接続され、正極端子として機能する。また、外部電極772は、電極層773bを介して電気的に負極750cと電気的に接続され、負極端子として機能する。
実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を用いることで、高エネルギー密度かつ良好な出力特性をもつ全固体二次電池を実現することができる。
本実施の形態の内容は、他の実施の形態の内容と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、円筒型の二次電池である図5(D)とは異なる例である。図14(C)を用いて電気自動車(EV)に適用する例を示す。
電気自動車には、メインの駆動用の二次電池として第1のバッテリ1301a、1301bと、モータ1304を始動させるインバータ1312に電力を供給する第2のバッテリ1311が設置されている。第2のバッテリ1311はクランキングバッテリー(スターターバッテリーとも呼ばれる)とも呼ばれる。第2のバッテリ1311は高出力できればよく、大容量はそれほど必要とされず、第2のバッテリ1311の容量は第1のバッテリ1301a、1301bと比較して小さい。
第1のバッテリ1301aの内部構造は、図6(A)または図7(C)に示した巻回型であってもよいし、図8(A)または図8(B)に示した積層型であってもよい。また、第1のバッテリ1301aは、実施の形態5の全固体電池を用いてもよい。第1のバッテリ1301aに実施の形態5の全固体電池を用いることで高容量とすることができ、安全性が向上し、小型化、軽量化することができる。
本実施の形態では、第1のバッテリ1301a、1301bを2つ並列に接続させている例を示しているが3つ以上並列に接続させてもよい。また、第1のバッテリ1301aで十分な電力を貯蔵できるのであれば、第1のバッテリ1301bはなくてもよい。複数の二次電池を有する電池パックを構成することで、大きな電力を取り出すことができる。複数の二次電池は、並列接続されていてもよいし、直列接続されていてもよいし、並列に接続された後、さらに直列に接続されていてもよい。複数の二次電池を組電池とも呼ぶ。
また、車載用の二次電池において、複数の二次電池からの電力を遮断するため、工具を使わずに高電圧を遮断できるサービスプラグまたはサーキットブレーカを有しており、第1のバッテリ1301aに設けられる。
また、第1のバッテリ1301a、1301bの電力は、主にモータ1304を回転させることに使用されるが、DCDC回路1306を介して42V系の車載部品(電動パワステ1307、ヒーター1308、デフォッガ1309など)に電力を供給する。後輪にリアモータ1317を有している場合にも、第1のバッテリ1301aがリアモータ1317を回転させることに使用される。
また、第2のバッテリ1311は、DCDC回路1310を介して14V系の車載部品(オーディオ1313、パワーウィンドウ1314、ランプ類1315など)に電力を供給する。
また、第1のバッテリ1301aについて、図14(A)を用いて説明する。
図14(A)では9個の角型二次電池1300を一つの電池パック1415としている例を示している。また、9個の角型二次電池1300を直列接続し、一方の電極を絶縁体からなる固定部1413で固定し、もう一方の電極を絶縁体からなる固定部1414で固定している。本実施の形態では固定部1413、1414で固定する例を示しているが電池収容ボックス(筐体とも呼ぶ)に収納させる構成としてもよい。車両は外部(路面など)から振動または揺れが加えられることを想定されているため、固定部1413、1414および電池収容ボックスなどで複数の二次電池を固定することが好ましい。また、一方の電極は配線1421によって制御回路部1320に電気的に接続されている。またもう一方の電極は配線1422によって制御回路部1320に電気的に接続されている。
また、制御回路部1320は、酸化物半導体を用いたトランジスタを含むメモリ回路を用いてもよい。酸化物半導体を用いたトランジスタを含むメモリ回路を有する充電制御回路、又は電池制御システムを、BTOS(Battery operating system、又はBattery oxide semiconductor)と呼称する場合がある。
酸化物半導体として機能する金属酸化物を用いることが好ましい。例えば、酸化物として、In-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムから選ばれた一種、又は複数種)等の金属酸化物を用いるとよい。特に、酸化物として適用できるIn-M-Zn酸化物は、CAAC-OS(C-Axls Aligned Crystal Oxide Semiconductor)、CAC-OS(Cloud-Aligned Composite Oxide Semiconductor)であることが好ましい。また、酸化物として、In-Ga酸化物、In-Zn酸化物を用いてもよい。CAAC-OSは、複数の結晶領域を有し、当該複数の結晶領域はc軸が特定の方向に配向している酸化物半導体である。なお、特定の方向とは、CAAC-OS膜の厚さ方向、CAAC-OS膜の被形成面の法線方向、またはCAAC-OS膜の表面の法線方向である。また、結晶領域とは、原子配列に周期性を有する領域である。なお、原子配列を格子配列とみなすと、結晶領域とは、格子配列の揃った領域でもある。さらに、CAAC-OSは、a-b面方向において複数の結晶領域が連結する領域を有し、当該領域は歪みを有する場合がある。なお、歪みとは、複数の結晶領域が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。つまり、CAAC-OSは、c軸配向し、a-b面方向には明らかな配向をしていない酸化物半導体である。また、CAC-OSとは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上3nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つまたは複数の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上3nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
さらに、CAC-OSとは、第1の領域と、第2の領域と、に材料が分離することでモザイク状となり、当該第1の領域が、膜中に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。つまり、CAC-OSは、当該第1の領域と、当該第2の領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。
ここで、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSを構成する金属元素に対するIn、Ga、およびZnの原子数比のそれぞれを、[In]、[Ga]、および[Zn]と表記する。例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSにおいて、第1の領域は、[In]が、CAC-OS膜の組成における[In]よりも大きい領域である。また、第2の領域は、[Ga]が、CAC-OS膜の組成における[Ga]よりも大きい領域である。または、例えば、第1の領域は、[In]が、第2の領域における[In]よりも大きく、且つ、[Ga]が、第2の領域における[Ga]よりも小さい領域である。また、第2の領域は、[Ga]が、第1の領域における[Ga]よりも大きく、且つ、[In]が、第1の領域における[In]よりも小さい領域である。
具体的には、上記第1の領域は、インジウム酸化物、インジウム亜鉛酸化物などが主成分である領域である。また、上記第2の領域は、ガリウム酸化物、ガリウム亜鉛酸化物などが主成分である領域である。つまり、上記第1の領域を、Inを主成分とする領域と言い換えることができる。また、上記第2の領域を、Gaを主成分とする領域と言い換えることができる。
なお、上記第1の領域と、上記第2の領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、Inを主成分とする領域(第1の領域)と、Gaを主成分とする領域(第2の領域)とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC-OSをトランジスタに用いる場合、第1の領域に起因する導電性と、第2の領域に起因する絶縁性とが、相補的に作用することにより、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC-OSに付与することができる。つまり、CAC-OSとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。導電性の機能と絶縁性の機能とを分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。よって、CAC-OSをトランジスタに用いることで、高いオン電流(Ion)、高い電界効果移動度(μ)、および良好なスイッチング動作を実現することができる。
酸化物半導体は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a-like OS、CAC-OS、nc-OS、CAAC-OSのうち、二種以上を有していてもよい。
また、高温環境下で使用可能であるため、制御回路部1320は酸化物半導体を用いるトランジスタを用いることが好ましい。プロセスを簡略なものとするため、制御回路部1320は単極性のトランジスタを用いて形成してもよい。半導体層に酸化物半導体を用いるトランジスタは、動作周囲温度が単結晶Siよりも広く-40℃以上150℃以下であり、二次電池が加熱しても特性変化が単結晶に比べて小さい。酸化物半導体を用いるトランジスタのオフ電流は、150℃であっても温度によらず測定下限以下であるが、単結晶Siトランジスタのオフ電流特性は、温度依存性が大きい。例えば、150℃では、単結晶Siトランジスタはオフ電流が上昇し、電流オン/オフ比が十分に大きくならない。制御回路部1320は、安全性を向上することができる。また、実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を正極に用いた二次電池と組み合わせることで安全性についての相乗効果が得られる。
酸化物半導体を用いたトランジスタを含むメモリ回路を用いた制御回路部1320は、マイクロショート等の10項目の不安定性の原因に対し、二次電池の自動制御装置として機能させることもできる。10項目の不安定性の原因を解消する機能としては、過充電の防止、過電流の防止、充電時過熱制御、組電池でのセルバランス、過放電の防止、残量計、温度に応じた充電電圧及び電流量自動制御、劣化度に応じた充電電流量制御、マイクロショート異常挙動検知、マイクロショートに関する異常予測などが挙げられ、そのうちの少なくとも一つの機能を制御回路部1320が有する。また、二次電池の自動制御装置の超小型化が可能である。
また、マイクロショートとは、二次電池の内部の微小な短絡のことを指しており、二次電池の正極と負極が短絡して充放電不可能の状態になるというほどではなく、微小な短絡部でわずかに短絡電流が流れてしまう現象を指している。比較的短時間、且つ、わずかな箇所であっても大きな電圧変化が生じるため、その異常な電圧値がその後の推定に影響を与える恐れがある。
マイクロショートの原因の一つは、充放電が複数回行われることによって、正極活物質の不均一な分布により、正極の一部と負極の一部で局所的な電流の集中が生じ、セパレータの一部が機能しなくなる箇所が発生、または副反応による副反応物の発生によりミクロな短絡が生じていると言われている。
また、マイクロショートの検知だけでなく、制御回路部1320は、二次電池の端子電圧を検知し、二次電池の充放電状態を管理するとも言える。例えば、過充電を防ぐために充電回路の出力トランジスタと遮断用スイッチの両方をほぼ同時にオフ状態とすることができる。
また、図14(A)に示す電池パック1415のブロック図の一例を図14(B)に示す。
制御回路部1320は、少なくとも過充電を防止するスイッチと、過放電を防止するスイッチを含むスイッチ部1324と、スイッチ部1324を制御する制御回路1322と、第1のバッテリ1301aの電圧測定部と、を有する。制御回路部1320は、使用する二次電池の上限電圧と下限電圧が設定されており、外部からの電流上限、および外部への出力電流の上限などを制限している。二次電池の下限電圧以上上限電圧以下の範囲内は、使用が推奨されている電圧範囲内であり、その範囲外となるとスイッチ部1324が作動し、保護回路として機能する。また、制御回路部1320は、スイッチ部1324を制御して過放電および過充電を防止するため、保護回路とも呼べる。例えば、過充電となりそうな電圧を制御回路1322で検知した場合にスイッチ部1324のスイッチをオフ状態とすることで電流を遮断する。さらに充放電経路中にPTC素子を設けて温度の上昇に応じて電流を遮断する機能を設けてもよい。また、制御回路部1320は、外部端子1325(+IN)と、外部端子1326(-IN)とを有している。
スイッチ部1324は、nチャネル型のトランジスタおよびpチャネル型のトランジスタを組み合わせて構成することができる。スイッチ部1324は、単結晶シリコンを用いるSiトランジスタを有するスイッチに限定されず、例えば、Ge(ゲルマニウム)、SiGe(シリコンゲルマニウム)、GaAs(ガリウムヒ素)、GaAlAs(ガリウムアルミニウムヒ素)、InP(リン化インジウム)、SiC(シリコンカーバイド)、ZnSe(セレン化亜鉛)、GaN(窒化ガリウム)、GaO(酸化ガリウム;xは0より大きい実数)などを有するパワートランジスタでスイッチ部1324を形成してもよい。また、OSトランジスタを用いた記憶素子は、Siトランジスタを用いた回路上などに積層することで自由に配置可能であるため、集積化を容易に行うことができる。またOSトランジスタは、Siトランジスタと同様の製造装置を用いて作製することが可能であるため、低コストで作製可能である。即ち、スイッチ部1324上にOSトランジスタを用いた制御回路部1320を積層し、集積化することで1チップとすることもできる。制御回路部1320の占有体積を小さくすることができるため、小型化が可能となる。
第1のバッテリ1301a、1301bは、主に42V系(高電圧系)の車載機器に電力を供給し、第2のバッテリ1311は14V系(低電圧系)の車載機器に電力を供給する。第2のバッテリ1311は鉛蓄電池がコスト上有利のため採用されることが多い。鉛蓄電池はリチウムイオン二次電池と比べて自己放電が大きく、サルフェーションとよばれる現象により劣化しやすい欠点がある。第2のバッテリ1311をリチウムイオン二次電池とすることでメンテナンスフリーとするメリットがあるが、長期間の使用、例えば3年以上となると、製造時には判別できない異常発生が生じる恐れがある。特にインバータを起動する第2のバッテリ1311が動作不能となると、第1のバッテリ1301a、1301bに残容量があってもモータを起動させることができなくなることを防ぐため、第2のバッテリ1311が鉛蓄電池の場合は、第1のバッテリから第2のバッテリに電力を供給し、常に満充電状態を維持するように充電されている。
本実施の形態では、第1のバッテリ1301aと第2のバッテリ1311の両方にリチウムイオン二次電池を用いる一例を示す。第2のバッテリ1311は鉛蓄電池、全固体電池、または電気二重層キャパシタを用いてもよい。例えば、実施の形態5の全固体電池を用いてもよい。第2のバッテリ1311に実施の形態5の全固体電池を用いることで高容量とすることができ、小型化、軽量化することができる。
また、タイヤ1316の回転による回生エネルギーは、ギア1305を介してモータ1304に送られ、モータコントローラ1303およびバッテリーコントローラ1302から制御回路部1321を介して第2のバッテリ1311に充電される。またはバッテリーコントローラ1302から制御回路部1320を介して第1のバッテリ1301aに充電される。またはバッテリーコントローラ1302から制御回路部1320を介して第1のバッテリ1301bに充電される。回生エネルギーを効率よく充電するためには、第1のバッテリ1301a、1301bが急速充電可能であることが望ましい。
バッテリーコントローラ1302は第1のバッテリ1301a、1301bの充電電圧及び充電電流などを設定することができる。バッテリーコントローラ1302は、用いる二次電池の充電特性に合わせて充電条件を設定し、急速充電することができる。
また、図示していないが、外部の充電器と接続させる場合、充電器のコンセントまたは充電器の接続ケーブルは、バッテリーコントローラ1302に電気的に接続される。外部の充電器から供給された電力はバッテリーコントローラ1302を介して第1のバッテリ1301a、1301bに充電する。また、充電器によっては、制御回路が設けられており、バッテリーコントローラ1302の機能を用いない場合もあるが、過充電を防ぐため制御回路部1320を介して第1のバッテリ1301a、1301bを充電することが好ましい。また、接続ケーブルまたは充電器の接続ケーブルに制御回路を備えている場合もある。制御回路部1320は、ECU(Electronic Control Unit)と呼ばれることもある。ECUは、電動車両に設けられたCAN(Controller Area Network)に接続される。CANは、車内LANとして用いられるシリアル通信規格の一つである。また、ECUは、マイクロコンピュータを含む。また、ECUは、CPUまたはGPUを用いる。
充電スタンドなどに設置されている外部の充電器は、100Vコンセント、200Vコンセント、3相200V且つ50kWなどがある。また、非接触給電方式等により外部の充電設備から電力供給を受けて、充電することもできる。
急速充電を行う場合、短時間での充電を行うためには、高電圧での充電に耐えうる二次電池が望まれている。
また、上述した本実施の形態の二次電池は、実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を用いている。さらに、導電助剤としてグラフェンを用い、電極層を厚くして担持量を高くしても容量低下を抑え、高容量を維持することが相乗効果として大幅に電気特性が向上された二次電池を実現できる。特に車両に用いる二次電池に有効であり、車両全重量に対する二次電池の重量の割合を増加させることなく、航続距離が長い、具体的には一充電走行距離が500km以上の車両を提供することができる。
特に上述した本実施の形態の二次電池は、実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を用いることで二次電池の動作電圧を高くすることができ、充電電圧の増加に伴い、使用できる容量を増加させることができる。また、実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を正極に用いることでサイクル特性に優れた車両用の二次電池を提供することができる。
次に、本発明の一態様である二次電池を車両、代表的には輸送用車両に実装する例について説明する。
また、図5(D)、図7(C)、図14(A)のいずれか一に示した二次電池を車両に搭載すると、ハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)、又はプラグインハイブリッド車(PHV)等の次世代クリーンエネルギー自動車を実現できる。また、農業機械、電動アシスト自転車を含む原動機付自転車、自動二輪車、電動車椅子、電動カート、小型又は大型船舶、潜水艦、固定翼機および回転翼機等の航空機、ロケット、人工衛星、宇宙探査機、惑星探査機、宇宙船などの輸送用車両に二次電池を搭載することもできる。本発明の一態様の二次電池は高容量の二次電池とすることができる。そのため本発明の一態様の二次電池は、小型化、軽量化に適しており、輸送用車両に好適に用いることができる。
図15(A)乃至(D)において、本発明の一態様を用いた輸送用車両を例示する。図15(A)に示す自動車2001は、走行のための動力源として電気モータを用いる電気自動車である。または、走行のための動力源として電気モータとエンジンを適宜選択して用いることが可能なハイブリッド自動車である。二次電池を車両に搭載する場合、実施の形態4で示した二次電池の一例を一箇所または複数個所に設置する。図15(A)に示す自動車2001は、電池パック2200を有し、電池パックは、複数の二次電池を接続させた二次電池モジュールを有する。さらに二次電池モジュールに電気的に接続する充電制御装置を有すると好ましい。
また、自動車2001は、自動車2001が有する二次電池にプラグイン方式および非接触給電方式等により外部の充電設備から電力供給を受けて、充電することができる。充電に際しては、充電方法およびコネクタの規格等はCHAdeMO(登録商標)またはコンボ等の所定の方式で適宜行えばよい。二次電池は、商用施設に設けられた充電ステーションでもよく、また家庭の電源であってもよい。例えば、プラグイン技術によって、外部からの電力供給により自動車2001に搭載された蓄電装置を充電することができる。充電は、ACDCコンバータ等の変換装置を介して、交流電力を直流電力に変換して行うことができる。
また、図示しないが、受電装置を車両に搭載し、地上の送電装置から電力を非接触で供給して充電することもできる。この非接触給電方式の場合には、道路または外壁に送電装置を組み込むことで、停車中に限らず走行中に充電を行うこともできる。また、この非接触給電の方式を利用して、2台の車両どうしで電力の送受電を行ってもよい。さらに、車両の外装部に太陽電池を設け、停車時および走行時に二次電池の充電を行ってもよい。このような非接触での電力の供給には、電磁誘導方式または磁界共鳴方式を用いることができる。
図15(B)は、輸送用車両の一例として電気により制御するモータを有した大型の輸送車2002を示している。輸送車2002の二次電池モジュールは、例えば公称電圧3.0V以上5.0V以下の二次電池を4個セルユニットとし、48セルを直列に接続した170Vの最大電圧とする。電池パック2201の二次電池モジュールを構成する二次電池の数などが違う以外は、図15(A)と同様な機能を備えているので説明は省略する。
図15(C)は、一例として電気により制御するモータを有した大型の輸送車両2003を示している。輸送車両2003の二次電池モジュールは、例えば公称電圧3.0V以上5.0V以下の二次電池を百個以上直列に接続した600Vの最大電圧とする。実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を正極用いた二次電池を用いることで、レート特性および充放電サイクル特性の良好な二次電池を製造することができ、輸送車両2003の高性能化および長寿命化に寄与することができる。また、電池パック2202の二次電池モジュールを構成する二次電池の数などが違う以外は、図15(A)と同様な機能を備えているので説明は省略する。
図15(D)は、一例として燃料を燃焼するエンジンを有した航空機2004を示している。図15(D)に示す航空機2004は、離着陸用の車輪を有しているため、輸送車両の一部とも言え、複数の二次電池を接続させて二次電池モジュールを構成し、二次電池モジュールと充電制御装置とを含む電池パック2203を有している。
航空機2004の二次電池モジュールは、例えば4Vの二次電池を8個直列に接続した32Vの最大電圧とする。電池パック2203の二次電池モジュールを構成する二次電池の数などが違う以外は、図15(A)と同様な機能を備えているので説明は省略する。
本実施の形態の内容は、他の実施の形態の内容と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様である二次電池を建築物に実装する例について図16(A)および図16(B)を用いて説明する。
図16(A)に示す住宅は、本発明の一態様である二次電池を有する蓄電装置2612と、ソーラーパネル2610を有する。蓄電装置2612は、ソーラーパネル2610と配線2611等を介して電気的に接続されている。また蓄電装置2612と地上設置型の充電装置2604が電気的に接続されていてもよい。ソーラーパネル2610で得た電力は、蓄電装置2612に充電することができる。また蓄電装置2612に蓄えられた電力は、充電装置2604を介して車両2603が有する二次電池に充電することができる。蓄電装置2612は、床下空間部に設置されることが好ましい。床下空間部に設置することにより、床上の空間を有効的に利用することができる。あるいは、蓄電装置2612は床上に設置されてもよい。
蓄電装置2612に蓄えられた電力は、住宅内の他の電子機器にも電力を供給することができる。よって、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る蓄電装置2612を無停電電源として用いることで、電子機器の利用が可能となる。
図16(B)に、本発明の一態様に係る蓄電装置700の一例を示す。図16(B)に示すように、建物799の床下空間部796には、本発明の一態様に係る蓄電装置791が設置されている。また、蓄電装置791に実施の形態6に説明した制御回路を設けてもよく、実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を正極に用いた二次電池を蓄電装置791に用いることで長寿命な蓄電装置791とすることができる。
蓄電装置791には、制御装置790が設置されており、制御装置790は、配線によって、分電盤703と、蓄電コントローラ705(制御装置ともいう)と、表示器706と、ルータ709と、に電気的に接続されている。
商業用電源701から、引込線取付部710を介して、電力が分電盤703に送られる。また、分電盤703には、蓄電装置791と、商業用電源701と、から電力が送られ、分電盤703は、送られた電力を、コンセント(図示せず)を介して、一般負荷707及び蓄電系負荷708に供給する。
一般負荷707は、例えば、テレビおよびパーソナルコンピュータなどの電気機器であり、蓄電系負荷708は、例えば、電子レンジ、冷蔵庫、空調機などの電気機器である。
蓄電コントローラ705は、計測部711と、予測部712と、計画部713と、を有する。計測部711は、一日(例えば、0時から24時)の間に、一般負荷707、蓄電系負荷708で消費された電力量を計測する機能を有する。また、計測部711は、蓄電装置791の電力量と、商業用電源701から供給された電力量と、を計測する機能を有していてもよい。また、予測部712は、一日の間に一般負荷707及び蓄電系負荷708で消費された電力量に基づいて、次の一日の間に一般負荷707及び蓄電系負荷708で消費される需要電力量を予測する機能を有する。また、計画部713は、予測部712が予測した需要電力量に基づいて、蓄電装置791の充放電の計画を立てる機能を有する。
計測部711によって計測された一般負荷707及び蓄電系負荷708で消費された電力量は、表示器706によって確認することができる。また、ルータ709を介して、テレビおよびパーソナルコンピュータなどの電気機器において、確認することもできる。さらに、ルータ709を介して、スマートフォンおよびタブレットなどの携帯電子端末によっても確認することができる。また、表示器706、電気機器、携帯電子端末によって、予測部712が予測した時間帯ごと(または一時間ごと)の需要電力量なども確認することができる。
本実施の形態の内容は、他の実施の形態の内容と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、二輪車、自転車に本発明の一態様である蓄電装置を搭載する例を示す。
また、図17(A)は、本発明の一態様の蓄電装置を用いた電動自転車の一例である。図17(A)に示す電動自転車8700に、本発明の一態様の蓄電装置を適用することができる。本発明の一態様の蓄電装置は例えば、複数の蓄電池と、保護回路と、を有する。
電動自転車8700は、蓄電装置8702を備える。蓄電装置8702は、運転者をアシストするモータに電気を供給することができる。また、蓄電装置8702は、持ち運びができ、図17(B)に自転車から取り外した状態を示している。また、蓄電装置8702は、本発明の一態様の蓄電装置が有する蓄電池8701が複数内蔵されており、そのバッテリ残量などを表示部8703で表示できるようにしている。また蓄電装置8702は、実施の形態6に一例を示した二次電池の充電制御または異常検知が可能な制御回路8704を有する。制御回路8704は、蓄電池8701の正極及び負極と電気的に接続されている。また、制御回路8704に図13(A)及び図13(B)で示した小型の固体二次電池を設けてもよい。図13(A)及び図13(B)で示した小型の固体二次電池を制御回路8704に設けることで制御回路8704の有するメモリ回路のデータを長時間保持することに電力を供給することもできる。また、実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を正極に用いた二次電池と組み合わせることで安全性についての相乗効果が得られる。実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を正極に用いた二次電池及び制御回路8704は、二次電池による火災等の事故撲滅に大きく寄与することができる。
また、図17(C)は、本発明の一態様の蓄電装置を用いた二輪車の一例である。図17(C)に示すスクータ8600は、蓄電装置8602、サイドミラー8601、方向指示灯8603を備える。蓄電装置8602は、方向指示灯8603に電気を供給することができる。また、実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を正極に用いた二次電池を複数収納された蓄電装置8602は高容量とすることができ、小型化に寄与することができる。
また、図17(C)に示すスクータ8600は、座席下収納8604に、蓄電装置8602を収納することができる。蓄電装置8602は、座席下収納8604が小型であっても、座席下収納8604に収納することができる。
本実施の形態の内容は、他の実施の形態の内容と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態9)
本実施の形態では、本発明の一態様である二次電池を電子機器に実装する例について説明する。二次電池を実装する電子機器として、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。携帯情報端末としてはノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型端末、電子書籍端末、携帯電話機などがある。
図18(A)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機2100は、筐体2101に組み込まれた表示部2102の他、操作ボタン2103、外部接続ポート2104、スピーカ2105、マイク2106などを備えている。なお、携帯電話機2100は、二次電池2107を有している。実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を正極に用いた二次電池2107を備えることで高容量とすることができ、筐体の小型化に伴う省スペース化に対応できる構成を実現することができる。
携帯電話機2100は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
操作ボタン2103は、時刻設定のほか、電源のオン、オフ動作、無線通信のオン、オフ動作、マナーモードの実行及び解除、省電力モードの実行及び解除など、様々な機能を持たせることができる。例えば、携帯電話機2100に組み込まれたオペレーティングシステムにより、操作ボタン2103の機能を自由に設定することもできる。
また、携帯電話機2100は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。
また、携帯電話機2100は外部接続ポート2104を備え、他の情報端末とコネクタを介して直接データのやりとりを行うことができる。また外部接続ポート2104を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は外部接続ポート2104を介さずに無線給電により行ってもよい。
携帯電話機2100はセンサを有することが好ましい。センサとして例えば、指紋センサ、脈拍センサ、体温センサ等の人体センサ、タッチセンサ、加圧センサ、加速度センサ、等が搭載されることが好ましい。
図18(B)は複数のローター2302を有する無人航空機2300である。無人航空機2300はドローンと呼ばれることもある。無人航空機2300は、本発明の一態様である二次電池2301と、カメラ2303と、アンテナ(図示しない)を有する。無人航空機2300はアンテナを介して遠隔操作することができる。実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を正極に用いた二次電池は高エネルギー密度であり、安全性が高いため、長期間に渡って長時間の安全な使用ができ、無人航空機2300に搭載する二次電池として好適である。
図18(C)は、ロボットの一例を示している。図18(C)に示すロボット6400は、二次電池6409、照度センサ6401、マイクロフォン6402、上部カメラ6403、スピーカ6404、表示部6405、下部カメラ6406および障害物センサ6407、移動機構6408、演算装置等を備える。
マイクロフォン6402は、使用者の話し声及び環境音等を検知する機能を有する。また、スピーカ6404は、音声を発する機能を有する。ロボット6400は、マイクロフォン6402およびスピーカ6404を用いて、使用者とコミュニケーションをとることが可能である。
表示部6405は、種々の情報の表示を行う機能を有する。ロボット6400は、使用者の望みの情報を表示部6405に表示することが可能である。表示部6405は、タッチパネルを搭載していてもよい。また、表示部6405は取り外しのできる情報端末であっても良く、ロボット6400の定位置に設置することで、充電およびデータの受け渡しを可能とする。
上部カメラ6403および下部カメラ6406は、ロボット6400の周囲を撮像する機能を有する。また、障害物センサ6407は、移動機構6408を用いてロボット6400が前進する際の進行方向における障害物の有無を察知することができる。ロボット6400は、上部カメラ6403、下部カメラ6406および障害物センサ6407を用いて、周囲の環境を認識し、安全に移動することが可能である。
ロボット6400は、その内部領域に本発明の一態様に係る二次電池6409と、半導体装置または電子部品を備える。実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を正極に用いた二次電池は高エネルギー密度であり、安全性が高いため、長期間に渡って長時間の安全な使用ができ、ロボット6400に搭載する二次電池6409として好適である。
図18(D)は、掃除ロボットの一例を示している。掃除ロボット6300は、筐体6301上面に配置された表示部6302、側面に配置された複数のカメラ6303、ブラシ6304、操作ボタン6305、二次電池6306、各種センサなどを有する。図示されていないが、掃除ロボット6300には、タイヤ、吸い込み口等が備えられている。掃除ロボット6300は自走し、ゴミ6310を検知し、下面に設けられた吸い込み口からゴミを吸引することができる。
例えば、掃除ロボット6300は、カメラ6303が撮影した画像を解析し、壁、家具または段差などの障害物の有無を判断することができる。また、画像解析により、配線などブラシ6304に絡まりそうな物体を検知した場合は、ブラシ6304の回転を止めることができる。掃除ロボット6300は、その内部領域に本発明の一態様に係る二次電池6306と、半導体装置または電子部品を備える。実施の形態1で示した正極活物質100、101または実施の形態2で示した正極活物質103を正極に用いた二次電池は高エネルギー密度であり、安全性が高いため、長期間に渡って長時間の安全な使用ができ、掃除ロボット6300に搭載する二次電池6306として好適である。
本実施の形態の内容は、他の実施の形態の内容と適宜組み合わせることが可能である。
M1 第1の金属
M2 第2の金属
M3 第3の金属
100 正極活物質
101 一次粒子
102 正極活物質
103 正極活物質
300 二次電池
301 正極缶
302 負極缶
303 ガスケット
304 正極
305 正極集電体
306 正極活物質層
307 負極
308 負極集電体
309 負極活物質層
310 セパレータ
312 ワッシャー
313 リング状絶縁体
322 スペーサ
400 二次電池
410 正極
411 正極活物質
413 正極集電体
414 正極活物質層
420 固体電解質層
421 固体電解質
430 負極
431 負極活物質
433 負極集電体
434 負極活物質層
500 二次電池
501 正極集電体
502 正極活物質層
503 正極
504 負極集電体
505 負極活物質層
506 負極
507 セパレータ
508 液体状の電解質
509 外装体
510 正極リード電極
511 負極リード電極
513 二次電池
514 端子
515 シール
517 アンテナ
519 層
529 ラベル
531 二次電池パック
540 回路基板
551 一方
552 他方
590 制御回路
590a 回路システム
590b 回路システム
600 二次電池
601 正極キャップ
602 電池缶
603 正極端子
604 正極
605 セパレータ
606 負極
607 負極端子
608 絶縁板
609 絶縁板
611 PTC素子
613 安全弁機構
614 導電板
615 蓄電システム
616 二次電池
620 制御回路
621 配線
622 配線
623 配線
624 導電体
625 絶縁体
626 配線
627 配線
628 導電板
700 蓄電装置
701 商業用電源
703 分電盤
705 蓄電コントローラ
706 表示器
707 一般負荷
708 蓄電系負荷
709 ルータ
710 引込線取付部
711 計測部
712 予測部
713 計画部
750a 正極
750b 固体電解質層
750c 負極
751 電極用プレート
752 絶縁管
753 電極用プレート
761 下部部材
762 上部部材
764 蝶ナット
765 Oリング
766 絶縁体
770a パッケージ部材
770b パッケージ部材
770c パッケージ部材
771 外部電極
772 外部電極
773a 電極層
773b 電極層
790 制御装置
791 蓄電装置
796 床下空間部
799 建物
903 混合物
904 混合物
905 混合物
906 混合物
911a 端子
911b 端子
913 二次電池
930 筐体
930a 筐体
930b 筐体
931 負極
931a 負極活物質層
932 正極
932a 正極活物質層
933 セパレータ
950 捲回体
950a 捲回体
951 端子
952 端子
1300 角型二次電池
1301a バッテリ
1301b バッテリ
1302 バッテリーコントローラ
1303 モータコントローラ
1304 モータ
1305 ギア
1306 DCDC回路
1307 電動パワステ
1308 ヒーター
1309 デフォッガ
1310 DCDC回路
1311 バッテリ
1312 インバータ
1313 オーディオ
1314 パワーウィンドウ
1315 ランプ類
1316 タイヤ
1317 リアモータ
1320 制御回路部
1321 制御回路部
1322 制御回路
1324 スイッチ部
1325 外部端子
1326 外部端子
1413 固定部
1414 固定部
1415 電池パック
1421 配線
1422 配線
2001 自動車
2002 輸送車
2003 輸送車両
2004 航空機
2100 携帯電話機
2101 筐体
2102 表示部
2103 操作ボタン
2104 外部接続ポート
2105 スピーカ
2106 マイク
2107 二次電池
2200 電池パック
2201 電池パック
2202 電池パック
2203 電池パック
2300 無人航空機
2301 二次電池
2302 ローター
2303 カメラ
2603 車両
2604 充電装置
2610 ソーラーパネル
2611 配線
2612 蓄電装置
6300 掃除ロボット
6301 筐体
6302 表示部
6303 カメラ
6304 ブラシ
6305 操作ボタン
6306 二次電池
6310 ゴミ
6400 ロボット
6401 照度センサ
6402 マイクロフォン
6403 上部カメラ
6404 スピーカ
6405 表示部
6406 下部カメラ
6407 障害物センサ
6408 移動機構
6409 二次電池
8600 スクータ
8601 サイドミラー
8602 蓄電装置
8603 方向指示灯
8604 座席下収納
8700 電動自転車
8701 蓄電池
8702 蓄電装置
8703 表示部
8704 制御回路

Claims (8)

  1. 第1の加熱により、六方晶の層状構造を有する結晶を作製し、
    第2の加熱により、前記結晶の表面、表面近傍、または表層部にバリア膜を固着させる二次電池の作製方法。
  2. 請求項1において、前記結晶は、リチウム、ニッケル、コバルト、及びマンガンを有する二次電池の作製方法。
  3. 請求項1または請求項2において、前記バリア膜は、コバルト酸化物、アルミニウム酸化物、またはマグネシウム酸化物から選ばれる一または複数である二次電池の作製方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一において、さらに前記結晶は、アルミニウムを含む二次電池の作製方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一において、さらに前記結晶は、マグネシウムを含む二次電池の作製方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一において、さらに前記結晶は、フッ素を含む二次電池の作製方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一において、前記バリア膜は、金属酸化膜であり、ゾルゲル法で得られる二次電池の作製方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一において、前記バリア膜は、前記結晶の一部または表面に形成される二次電池の作製方法。
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