JP2022034301A - 止水剤吐出装置、止水剤吐出装置の使用方法 - Google Patents

止水剤吐出装置、止水剤吐出装置の使用方法 Download PDF

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【課題】ひび割れの止水を短時間で完了できる止水剤吐出装置を提供する。【解決手段】止水剤吐出装置1は、容器と、装置本体3とを有する。容器は、開口部6を有する容器本体7と、開口部6を閉塞可能な蓋とを備え、容器本体7に止水剤Sが貯留される。装置本体3は、容器本体7の開口部6が流入口5に接続された状態で、容器本体7に貯留する止水剤Sを、流入口5から吐出口4に向けて流して、吐出口4から吐出させることが可能である。止水剤Sは、イソシアネート基含有化合物と水酸基含有化合物と触媒からなり、イソシアネート基含有化合物の含有率(NCO%)が4%以上となるポリウレタン樹脂組成物である。【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート構造物のひび割れに注入する止水剤を吐出口から吐出する止水剤吐出装置、及び当該止水剤吐出装置の使用方法に関する。
従来、地下に埋設されるコンクリート構造物として、ボックスカルバート間にエラスタイト等からなる目地が配置されたコンクリート構造物や、シールドトンネルなどが構築されている。この種のコンクリート構造物では、コンクリートや不等沈下等により生じた目地のずれによるひび割れからの漏水や、コンクリート躯体から発生したひび割れからの漏水を止水するために、目地やコンクリートのひび割れに止水剤を注入することが行なわれており、上記の止水剤として、水との反応で発泡した状態で硬化するウレタン系発泡樹脂が使用されている(例えば特許文献1)。
上記の止水剤が使用される場合には、コンクリート構造物が構築された現場に、図14に示すような上端が開口するホッパーXが配置されて、ポンプを備える止水剤吐出装置を用いてホッパーX内に貯留させた止水剤Y(ウレタン系発泡樹脂)をポンプアップしてひび割れに注入することが行なわれている。
特開平1-17971号公報
ところで上記のホッパーXが使用される場合には、ホッパーXの上端が開口していることで、大気中の水分がホッパーX内の止水材剤Yに接触して、ホッパーX内の止水剤Yの一部が発泡及び硬化する現象が生じ得る(この現象の例として、止水剤Yの一部が発泡及び硬化した膜が発生する皮バリと称される現象がある)。そして上記の現象が生じた場合には、発泡体の皮バリ等が、止水剤吐出装置の流路に滞留して流路を閉塞することで、ひび割れに止水剤Yを円滑に注入できなくなる事態が生じ得る。このためホッパーXが使用される場合には、上記の現象を回避すべく、止水剤Yの発泡時間が遅くなるように止水剤Yの配合が設計されている(上記の止水剤Yの発泡時間が遅いとは、水分(大気中の水分等)との反応で止水剤が発泡する時間が遅いことを意味する。より具体的には、水分と接触してから所定時間経過後の止水剤Yの発泡倍率が低いことを意味する)。
しかしながら上記のように止水剤Yの発泡時間を遅くすると、ひび割れの止水のために、止水剤Yの注入を長時間継続しなければならなくなる。このため多量の止水剤Yが必要になるとともに、止水の効果確認のために、現場で長時間待機する手間や、現場に繰り返し立ち入る手間を要することになる。またひび割れに侵入する水(地下水など)の量が多い場合には、水と共に多量の止水剤Yがひび割れから漏洩して、当該多量に漏洩した止水剤Yの発泡体及び未発泡体を処理するために多大な手間及びコストを要する。
また上記のホッパーX内の止水剤Yをポンプアップしてひび割れに注入する場合には、ひび割れへの止水剤Yの注入を行なった後に、止水剤Yの流路を十分に洗浄する必要がある。この洗浄を怠った場合には、次回の注入の際に、流路に残留した止水剤Yが発泡することで流路が閉塞し、止水剤Yの流れが妨げられることで、ひび割れに止水剤Yを円滑に注入できなくなる事態が生じ得る。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、ひび割れの止水を短時間で完了できる止水剤吐出装置を提供することである。また本発明の他の目的は、止水剤吐出装置が止水剤を吐出する機能を安定して維持可能な止水剤吐出装置の使用方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は、次の項に記載の主題を包含する。
項1.開口部を有する前記容器本体と、前記開口部を閉塞可能な蓋とを備え、前記容器本体に前記止水剤が貯留される容器と、前記容器本体の開口部が流入口に接続された状態で、前記容器本体に貯留する前記止水剤を、前記流入口から吐出口に向けて流して、前記吐出口から吐出させることが可能な装置本体とを有し、前記止水剤は、イソシアネート基含有化合物と水酸基含有化合物と触媒からなり、イソシアネート基含有化合物の含有率(NCO%)が4%以上となるポリウレタン樹脂組成物である止水剤吐出装置。
項2.前記装置本体は、ポンプと、第一管状路と、第二管状路とを備え、
前記第一管状路の上流端の開口は、前記流入口を構成し、
前記第一管状路の下流端は、前記ポンプの入口に接続され、
前記第二管状路の上流端は、前記ポンプの出口に接続され、
前記第二管状路の下流端は、レバー及び弁体が設けられる管体によって構成され、
前記吐出口は前記管体の開口によって構成されており、前記レバーに対する操作によって、前記弁体によって前記管体の開口が閉塞された状態と、前記管体の開口が開放された状態とに切り替え可能であり、
前記容器本体の前記開口部が前記第一管状路の上流端の開口に接続された状態で、前記ポンプを作動させて、前記レバーの操作で前記管体の開口を開放することで、前記容器本体に貯留する前記止水剤を、前記第一管状路、前記ポンプ、及び前記第二管状路の順に流して、前記管体の開口から吐出させることが可能である項1に記載の止水剤吐出装置。
項3.前記容器本体は、可撓性を有する素材を用いて形成される項2に記載の止水剤吐出装置。
項4.前記容器本体は、可撓性を有する第一素材と、可撓性を有する第二素材とを用いて形成されたものであり、前記第一素材及び前記第二素材は、底面が開口する四角錐状を呈しており、前記第一素材の四角形の開口縁と前記第二素材の四角形の開口縁とが接合されることで、前記容器本体が形成されており、前記第一素材の一の斜面に前記開口部が形成されている項3に記載の止水剤吐出装置。
項5.前記容器本体は、可撓性を有する素材を用いて形成されて、蛇腹状を呈しており、前記装置本体は、筒体と、バネと、ポンプと、管状のノズルとを備え、前記バネは、前記筒体の一端側の内部空間に配置され、前記ポンプは、前記筒体の他端に着脱自在に取り付けられるヘッドと、前記ヘッドに取り付けられるレバーと、前記レバーに取り付けられるピストンとを備え、前記ヘッドには、前記流入口を構成する入口ポートと、当該入口ポートに連通するシリンダ孔と、バルブの開閉によって前記シリンダ孔との連通及び遮断が切り替えられる出口ポートとが形成されており、前記バルブは、前記シリンダ孔内の圧力に応じて開閉動作を行なうものとされ、前記ピストンは、前記シリンダ孔の開口から前記シリンダ孔に挿入されており、前記レバーに対する操作で、前記ピストンを前記シリンダ孔の奥側に前進させることや、前記ピストンを前記シリンダ孔の開口側に後退させることが可能であり、前記出口ポートは、前記シリンダ孔の奥側に形成され、前記入口ポートは、前記出口ポートよりも、前記シリンダ孔の開口側に形成されており、前記ノズルの一端は、前記出口ポートに接続され、前記ノズルの他端の開口は、前記流出口を構成し、前記筒体の他端から前記ヘッドが取り外された状態で、前記開口部から前記蓋を取り外した前記容器本体を、前記筒体の他端側の内部空間に配置した後、前記筒体の他端に前記ヘッドを取り付けることで、前記容器本体の開口部が前記入口ポートに接続されて、前記バネによって前記容器本体が前記筒体の他端側に押圧された状態になり、前記容器本体の開口部が前記入口ポートに接続されて、前記バネによって前記容器本体が前記筒体の他端側に押圧された状態で、前記ピストンを後退させて、前記入口ポートを介して前記容器本体の内部と前記シリンダ孔とを連通させることで、前記容器本体に貯留する前記止水剤を、前記入口ポートを介して前記シリンダ孔に供給することが可能であり、前記ピストンを前進させて、前記シリンダ孔内の圧力を高めて前記バルブが開いた状態にすることで、前記シリンダ孔に供給された前記止水剤を、前記出口ポートを介して前記ノズルに供給して、前記ノズルの他端の開口から吐出させることが可能である項1に記載の止水剤吐出装置。
項6.項1乃至5に記載の止水剤吐出装置の使用方法であって、止水剤吐出工程と、前記止水剤吐出工程が実行された後に実行される充填液充填工程とを有し、前記止水剤吐出工程では、前記容器本体の開口部が前記流入口に接続された状態で、前記容器本体に貯留する前記止水剤を、前記流入口から前記吐出口に向けて流して、前記吐出口から吐出させることが行なわれ、前記充填液充填工程では、前記止水剤に相溶せず、前記止水剤の反応を阻害する充填液を貯留する充填液用容器の開口部が前記流入口に接続された状態で、前記充填液用容器に貯留する前記充填液を、前記流入口から前記吐出口に向けて流して、前記流入口から前記吐出口に至る前記装置本体の流路を前記充填液で充填することが行なわれる使用方法。
本発明の止水剤吐出装置によれば、容器本体に貯留される止水剤が、発泡時間が短い特徴(水分との反応で発泡する時間が短い特徴)を有している。そして容器本体の開口部を蓋で閉塞できることで、工場等で止水剤が製造された時から、現場でひび割れに止水剤を注入する作業が行なわれる直前まで、容器本体に貯留させた止水剤を、大気中の水分と接触させないようにすることができる。このためひび割れに止水剤を注入する作業を行なうまでの間、止水剤に発泡及び硬化が生じないようにすることができる。したがって、ひび割れに止水剤を注入する際に、止水剤の発泡物によって、止水剤の流れが妨げられることなく、発泡時間の短い止水剤を円滑にひび割れに注入できる。これにより、ひび割れの止水を短時間で完了できる。
本発明の止水剤吐出装置の使用方法によれば、止水剤吐出工程の後に充填液充填工程が実行されることで、装置本体の流路に残留する止水剤が充填液で被覆される。このため、装置本体の流路に残留する止水剤が水分と接触して発泡して硬化することを防止できる。したがって、次回の止水剤吐出工程が行なわれる際に、装置本体の流路を流れる止水剤によって、流路に残留していた止水剤を、充填液と共に押し流して、吐出口から排出することができる。このため次回の止水剤吐出工程で、止水剤の発泡体が、止水剤の流れの妨げになることを防止できる。したがって次回の止水剤吐出工程で、円滑に、止水剤を、装置本体の流路で流すことができるので、止水剤吐出装置が吐出口から止水剤を吐出する機能を安定して維持できる。
本発明の第一実施形態に係る止水剤吐出装置を示す概略図である。 (A)は、止水剤吐出装置が備える容器の側面図であり、(B)は、止水剤吐出装置が備える容器の下面図である。 容器本体の開口部が装置本体の流入口に接続された状態を示す斜視図である。 容器本体の開口部が装置本体の流入口に接続された状態を示す斜視図である。 コンクリート構造物のひび割れに止水剤を注入するために行なわれる作業を示す概略図である。 コンクリート構造物のひび割れに止水剤を注入するために行なわれる作業を示す概略図である。 コンクリート構造物のひび割れに止水剤を注入するために行なわれる作業を示す概略図である。 (A)は、止水剤吐出工程が実行されているときの状態を示す概略図であり、(B)は、充填液充填工程が実行されているときの状態を示す概略図である。 第二実施形態に係る止水剤吐出装置の側面図である。 第二実施形態に係る止水剤吐出装置の断面図である。 第二実施形態に係る止水剤吐出装置の断面図である。 第二実施形態に係る止水剤吐出装置が備える容器を示す斜視図である。 (A)は、止水剤吐出工程が実行されているときの状態を示す概略図であり、(B)は、充填液充填工程が実行されているときの状態を示す概略図である。 止水剤を貯留するために従来使用されていたホッパーを示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る止水剤吐出装置1を示す概略図である。
第一実施形態に係る止水剤吐出装置1は、吐出口4から止水剤Sを吐出することが可能である。吐出口4から吐出された止水剤Sは、コンクリート構造物Kのひび割れHに注入される(コンクリート構造物K及びひび割れHについては後述の図5~図7参照)。
「コンクリート構造物K」とは、コンクリートを用いて形成された構造物を意味する。「コンクリート構造物K」の例として、地下に埋設される中空のコンクリート構造物や、コンクリートから形成された水槽や土留壁等があげられる。上記の地下に埋設される中空のコンクリート構造物の例としては、コンクリートを用いて形成されたボックスカルバート同士の間にエラスタイト等からなる目地が配置された構造物や、コンクリートセグメントを用いて形成されたシールドトンネルがあげられる。
コンクリート構造物Kのひび割れHは、コンクリート或いは目地に生じるものである。ひび割れHが生じる要因として、コンクリートの乾燥収縮、気温変化、コンクリート構造物Kの不同沈下、地震、コンクリート構造物Kの施工不良、目地の経年劣化等があげられる。
図2(A)は、止水剤吐出装置1が備える容器2の側面図であり、図2(B)は、止水剤吐出装置1が備える容器2の下面図である。図3及び図4は、後述する容器本体7の開口部6が装置本体3の流入口に接続された状態を示す斜視図である。図3は、後述のポンプ20(図1)を作動させる前の容器本体7の状態を示し、図4は、ポンプ20を作動させた後の容器本体7の状態を示す。
第一実施形態に係る止水剤吐出装置1は、容器2(図2)と、装置本体3(図1)とを有する。
容器2は、開口部6を有する容器本体7(図2~図4)と、開口部6を閉塞可能な蓋8(図2)とを備えており、容器本体7の内部に止水剤Sが貯留される。開口部6を蓋8で閉塞した状態では、容器本体7の内部空間が密閉されることで、容器本体7内に貯留させた止水剤Sが、大気中の水分と接触することが防止される。これにより、容器本体7内に貯留させた止水剤Sが発泡及び硬化することを防止できる。また容器本体7の開口部6から蓋8を取り外すことで、容器本体7の開口部6を装置本体3の流入口5(図1)に接続することができる。なお容器本体7内の止水剤Sを確実に装置本体3の流入口5に流入させる観点から、図1に示すように、容器本体7の下側に開口部6が位置するように容器本体7の向きが調整された状態で、開口部6が流入口5(図1)に接続されることが好ましい。
容器本体7は、可撓性を有する第一素材9と、可撓性を有する第二素材10とを用いて形成されたものである、第一素材9及び第二素材10は、いずれも、底面が開口する四角錐状を呈しており、第一素材9の四角形の開口縁と第二素材10の四角形の開口縁とが接合されることで六面体状の容器本体7が形成される(図2(A),図3,図4に示す符号12は、第一素材9の開口縁と第二素材10の開口縁との接合線を示す)。容器本体7の開口部6は、第一素材9の一の斜面13に形成される。上記の第一素材9及び第二素材10として、例えば、低密度ポリエチレンとバリア層としてのナイロンとが積層された素材等を使用でき、開口部6や蓋8の材料として、例えば高密度ポリエチレン等を使用できる。また、アルミを蒸着させた耐湿性を有した袋で容器本体7を梱包することが好ましい。このようにすれば、容器本体7が無梱包品とされる場合に比して、より長期間、容器本体7内で止水剤Sを発泡させることなく保管できる。
装置本体3(図1)は、容器本体7の開口部6が流入口5に接続された状態で、容器本体7に貯留する止水剤Sを、流入口5から吐出口4に向けて流して、吐出口4から吐出させることが可能なものである。以下、装置本体3が備える構成の詳細を説明する。
装置本体3は、電動式のポンプ20と、第一管状路21と、第二管状路22とを備える。
第一管状路21の上流端21aの開口は、上記の流入口5を構成する(以下、第一管状路21の上流端21aの開口の符号として、流入口5の符号5を使用する)。第一管状路21の下流端21bは、ポンプ20の入口20aに接続される。
第二管状路22の上流端22aは、ポンプ20の出口20bに接続される。第二管状路22の下流端22bは、レバー23及び弁体(図示せず)が設けられる管体によって構成されており、当該管体の開口は、吐出口4を構成する(以下、上記の管体の符号として、第二管状路22の下流端22bの符号22bを使用し、上記の管体22bの開口の符号として、吐出口4の符号4を使用する)。
管体22bは、レバー23を操作することで、弁体によって開口4が閉塞された状態と、開口4が開放された状態とに切り替え可能なものである。
ポンプ20は、例えば、入口20a側に負圧を発生させることで、容器本体7に貯留する止水剤Sを、開口5(流入口)を介して第一管状路21へ流して、入口20aから吸引し、当該吸引した止水剤Sを、出口20bから吐出して、第二管状路22へ流すことが可能なものである。
上記のポンプ20として、例えばローラー及びチューブを備えるチューブポンプを使用できる。この場合、ポンプ20(チューブポンプ)は、ローラーがチューブを押し潰しながら回転することで入口20a側に負圧を発生させて、容器本体7内の止水剤Sを開口5(流入口)を介して第一管状路21へ流して入口20aから吸引するとともに、上記のローラーの回転動作によって、入口20aから吸引した止水剤Sを出口20bから吐出して第二管状路22へ流すものとされる。
なお上記のポンプ20として使用可能なポンプは、チューブポンプに限定されない。マグネットポンプ、ピストンポンプ、ギアポンプ、ダイアフラムポンプ、或いはスクリューポンプ等が、ポンプ20として使用されてもよい。
上記構成を有する装置本体3は、容器本体7の開口部6が第一管状路21の上流端21aの開口5(流入口)に接続された状態で、ポンプ20を作動させて、レバー23の操作で管体22bの開口4(吐出口)を開放することで、容器本体7に貯留する止水剤Sを、第一管状路21、ポンプ20、及び第二管状路22の順に流して、開口4(吐出口)から吐出させることができる。
ポンプ20が作動して開口4(吐出口)から止水剤Sが吐出される間では、容器本体7を構成する第一素材9及び第二素材10が可撓性を有することで、容器本体7の接合線12を折り目として、開口部6の形成された第一素材9側に第二素材10が徐々に折り返される現象が生じる(図4は、第一素材9に接するまで第二素材10が折り返された状態を示す)。上記の現象は、ポンプ20の作動による開口5(流入口)からの吸引作用で、容器本体7の内部が負圧状態になることで生じる。ポンプ20が作動して開口4(吐出口)から止水剤Sが吐出される間では、上記の現象によって容器本体7の容積が徐々に減少していくことで、容器本体7内の止水剤Sをとめどなく開口5(流入口)から第一管状路21へ流出させることができるので、止水剤Sを、とめどなく、第一管状路21、ポンプ20、第二管状路22に流して、開口4(吐出口)から吐出させることができる。なお、容器本体7を形成するために第一素材9及び第二素材10を用いることは必須ではなく、素材9,10以外の可撓性を有する素材を用いて容器本体7が形成されてもよい(例えば、箱状の可撓性素材を用いて容器本体7が形成されてもよい)。この場合でも、ポンプ20の吸引力によって容器本体7の容積が減少する変形を生じさせることができるので、容器本体7内の止水剤Sを、とめどなく、第一管状路21、ポンプ20、第二管状路22に流して、開口4(吐出口)から吐出させることができる。
止水剤Sは、イソシアネート基含有化合物と水酸基含有化合物と触媒からなり、イソシアネート基含有化合物の含有率(NCO%)が4%以上となるポリウレタン樹脂組成物である。
上記のポリウレタン樹脂組成物(止水剤S)は、水酸基含有化合物とイソシアネート基含有化合物とが反応してなるウレタン結合を含むポリウレタン樹脂である。またこのポリウレタン樹脂は、アミノ基含有化合物とイソシアネート基含有化合物とが反応してなるウレア結合を含有してもよい。
イソシアネート基含有化合物としては、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環族ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物、芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2-メチルペンタン-1,5-ジイソシアネート、3-メチルペンタン-1,5-ジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’-ジベンジルジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
上記ポリイソシアネート化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
止水剤Sであるポリウレタン樹脂組成物において、用いられる水酸基含有化合物としては、特に限定されず、ポリウレタン樹脂組成物において従来ポリオール成分として用いられているものを各種使用することが可能である。上記ポリオール成分としては、例えば、ポリブタジエンポリオール、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、2-メチルプロパン-1、2,3-トリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、ペンタエリスリット、ポリラクトンジオール、ポリラクトントリオール、エステルグリコール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、シリコーンポリオール、フッ素ポリオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトンポリオール、水酸基含有液状ポリイソプレンの水素化物、水酸基含有液状ポリブタジエンの水素化物等が挙げられる。なお、本発明は、止水剤Sを構成する水酸基含有化合物(上記の水酸基含有化合物)として、アミノ基を含有しない水酸基含有化合物を使用するものであり、後述するように、アミノ基を含有する水酸基含有化合物は、止水剤Sを構成する触媒として使用される。
可塑剤は、必要に応じて添加することができる。例えば、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジウンデシルフタレート等のフタル酸エステル、ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート等のアジピン酸エステル、メチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、アセチル化リシノール酸トリグリセリド、アセチル化ポリリシノール酸トリグリセリド等のひまし油系エステル、トリオクチルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテート等のトリメリット酸エステル、テトラオクチルピロメリテート、テトライソノニルピロメリテート等のピロメリット酸エステル等が挙げられる。本発明のポリウレタン樹脂組成物において、用いられる可塑剤の量は、ポリウレタン樹脂組成物を100重量%として、0.1~55重量%が好ましく、25~45重量%がより好ましい。可塑剤の含有量が多過ぎると発泡倍率が低くなり止水効果が悪くなるおそれがあり、少な過ぎるとポリウレタン樹脂組成物の粘度が高くなり、作業性が悪くなるおそれがある。
触媒は、特に限定されないが、ウレタン樹脂組成物に用いられる従来公知の触媒を用いることができる。上記触媒としては、例えば、有機錫触媒、有機鉛触媒、有機ビスマス触媒等の金属触媒、アミン触媒、アミノ基を含有する水酸基含有化合物などが挙げられる。有機錫触媒としては、例えば、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジアセテート等が挙げられる。有機鉛触媒としては、例えば、オクチル酸鉛、オクテン酸鉛、ナフテン酸鉛等が挙げられる。有機ビスマス触媒としては、例えば、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス等が挙げられる。アミン触媒としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N′,N′テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N″,N″-ペンタメチルジエチレントリアミン、トリメチレンジアミン、ジメチルアミノエタノ-ル、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エ-テル等が挙げられる。アミノ基を含有する水酸基含有化合物としては、芳香族アミンポリオール、脂肪族アミンポリオールがあげられる。芳香族アミンポリオールとしては、アニリン、トルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4'-ジアミノ-3、3'-ジエチルジフェニルメタン等の芳香族アミンに公知のアルキレンオキシドを付加したもの、およびマンニッヒ系ポリオール等を挙げることができるが、特に限定されない。脂肪族アミンポリオールとしては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の脂肪族アミンに公知のアルキレンオキシドを付加したものを挙げることができるが、特に限定されない。これら芳香族アミンポリオールまたは脂肪族アミンポリオールにおいても、アルキレンオキシドの種類およびその付加数、並びに、付加方法は特に限定されない。また、上記触媒としては、有機金属化合物、金属錯体化合物等を用いてもよい。触媒は少なすぎると発泡体形成までの時間が長く止水効果が悪くなり、多すぎると発泡体形成までの時間が短く作業性が悪くなる。
また止水剤Sであるポリウレタン樹脂組成物には、酸化防止剤、吸湿剤、充填剤、 防黴剤、シランカップリング剤等、必要に応じて各種の添加剤を添加することができる。
コンクリート構造物Kのひび割れHに止水剤Sを注入する際には、コンクリート構造物Kが構築された現場に装置本体3が配置される。また工場にて容器本体7に止水剤Sを貯留させて容器本体7の開口部6を蓋8で閉塞することが行なわれた容器2が、工場から出荷されて、現場に運ばれる。例えばコンクリート構造物Kが地下に埋設される中空の構造物である場合には、コンクリート構造物Kの空洞に装置本体3が配置されるとともに、工場から出荷された容器2がコンクリート構造物Kの空洞に運ばれる。
そして図5に示すように、ひび割れHと連通する注入孔Jをコンクリート構造物Kに形成することが行なわれる。この際には、ハンドドリルD等を用いて注入孔Jが形成された後、注入孔Jの内部にたまった粉塵を、ブロワーで除去することが行なわれる。なお、コンクリート構造物Kのコンクリートにひび割れHが生じている場合には、コンクリートに注入孔Jを形成することが行なわれる。またコンクリート構造物Kの目地にひび割れHが生じている場合には、目地に注入孔Jを形成することが行なわれる。
そして第二管状路22の下流端を構成する管体22bにパッキン等を介して接続される注入プラグNを、注入孔Jに挿入することが行なわれる(図6)。この際には、レンチ等で管体22bを締め付けることで、管体22bをコンクリート構造物Kに密着及び固定することが行なわれる。注入プラグNは、一端側Naを回転させる操作を行うことで、他端側Nbに設けられたゴムRを膨張させることが可能なものであり、当該膨張したゴムRが注入孔Jの壁面に密着することで、注入プラグNはコンクリート構造物Kに固定される。また注入プラグNの他端側Nbには逆止弁(図示せず)が設けられる。
そして容器本体7の開口部6から蓋8(図2)を取り外して、図1に示すように容器本体7の開口部6を口5(流入口)に接続した状態で、ポンプ20を作動させて、レバー23の操作で開口4(吐出口)を開放することで、容器本体7に貯留する止水剤Sを、開口4(吐出口)から吐出させて、当該吐出された止水剤Sを、注入プラグN及び注入孔J(図6)を介してひび割れHに注入することが行われる。この際、ひび割れHに注入された止水剤Sが、ひび割れHに侵入する水W(図6)と反応して発泡するとともに、当該発泡物が硬化する現象が生じる。上記ひび割れHへの止水剤Sの注入は、硬化した発泡物Sa(図7)によって、ひび割れHが止水されるまで行なわれる。
そしてひび割れHの止水が確認された後では、図7に示すように、注入プラグNの他端側Naをハンマー等で叩き折ることで、注入プラグNの他端側Naを注入孔Jから撤去するとともに、この撤去によって生じた注入孔Jの空隙にモルタル・有機系補修剤等の材料Cを充填することが行なわれる。
本実施形態の止水剤吐出装置1によれば、容器本体7に貯留される止水剤Sが、イソシアネート基含有化合物と水酸基含有化合物と触媒からなり、イソシアネート基含有化合物の含有率(NCO%)が4%以上となるポリウレタン樹脂組成物であることから、発泡時間が短い特徴を有している。つまり、容器本体7に貯留される止水剤Sは、水分と接触してから所定時間経過後の発泡倍率が大きい特徴を有している。
そして本実施形態の止水剤吐出装置1によれば、容器本体7の開口部6を蓋8で閉塞できることで、工場等で止水剤Sが製造された時から、現場でひび割れに止水剤Sを注入する作業を行なう直前まで、容器本体7に貯留させた止水剤Sを、大気中の水分と接触させないようにすることができる。このため、ひび割れHに止水剤Sを注入する作業を行なうまでの間、止水剤Sに発泡及び硬化が生じないようにすることができる。したがって、ひび割れHに止水剤Sを注入する際に、止水剤Sの発泡物によって、止水剤Sの流れが妨げられることなく、発泡時間の短い止水剤Sを円滑にひび割れHに注入できる。これにより、ひび割れHの止水を短時間で完了できるので、ひび割れHに注入する止水剤Sの量を少なく抑えることができ、止水の効果確認のために要する手間を軽減できる。またひび割れHの止水を短時間で完了できるため、ひび割れHから漏洩する止水剤Sの量を少なく抑えることができる。したがって、ひび割れHから漏洩する止水剤Sを処理するための手間及びコストを軽減できる。
なお第一実施形態では、止水剤吐出装置1の使用方法として、止水剤Sをひび割れHに注入すること等を目的として下記の止水剤吐出工程が実行された後に、下記の充填液充填工程が実行されることが好ましい(図8(A)は、止水剤吐出工程が実行されているときの状態を示し、図8(B)は、充填液充填工程が実行されているときの状態を示す)。
止水剤吐出工程:容器本体7の開口部6が開口5(流入口)に接続された状態で、容器本体7に貯留する止水剤Sを、開口5(流入口)から開口4(吐出口)に向けて流して、開口4(吐出口)から吐出させる工程。
充填液充填工程:止水剤Sと相溶ぜず、止水剤Sの反応を阻害する充填液Zを貯留する充填液用容器25の開口部26が、開口5(流入口)に接続された状態で、充填液用容器25に貯留する充填液Zを、開口5(流入口)から開口4(吐出口)に向けて流して、開口5(流入口)から開口4(吐出口)に至る装置本体3の流路を充填液Zで充填する工程。
上記のように止水剤吐出工程の後に充填液充填工程が実行されれば、装置本体3の流路に残留する止水剤Sが充填液Zで被覆される。このため、装置本体3の流路に残留する止水剤Sが水分と接触して発泡して硬化することを防止できる(上記の流路は、、第一管状路21の空洞、ポンプ20の空洞、及び第二管状路22の空洞によって構成される流路である)。したがって、次回の止水剤吐出工程が行なわれる際に、装置本体3の流路を流れる止水剤Sによって、流路に残留した止水剤Sを、充填液Zと共に、押し流して、開口4(吐出口)から排出できる。このため次回の止水剤吐出工程で、止水剤Sの発泡体が、止水剤Sの流れの妨げになることを防止できる。したがって次回の止水剤吐出工程で、装置本体3の流路で止水剤Sを円滑に流すことができるので、止水剤吐出装置1が止水剤を吐出する機能を安定して維持できる。
なお上記の充填液Zとして、例えばリチウムグリス、 シリコングリス、 或いはワセリン等、止水剤Sと空気との接触を遮断できる充填液を使用できる。また充填液充填工程で、装置本体3の流路を充填液Zで充填することは、開口4(吐出口)から充填液Zが吐出されることが確認されるまで、ポンプ20を作動させて、装置本体3の流路に充填液Zを流すことで実現できる。また装置本体3の流路が充填液Zで充填された後では、開口4(吐出口)を蓋で閉塞することで、開口4(吐出口)から充填液Zが漏出しないようにしてもよい。また充填液Zの粘性が高いことで、開口4(吐出口)から充填液Zが漏出する虞がない場合には、開口4(吐出口)は蓋で閉塞されなくてもよい。
次に本発明の第二実施形態について説明する。
図9は、第二実施形態に係る止水剤吐出装置30を示す側面図であり、図10及び図11は、第二実施形態に係る止水剤吐出装置30の断面図である。図12は、止水剤吐出装置30が備える容器31を示す斜視図である。
第二実施形態に係る止水剤吐出装置30は、容器31(図12)と、装置本体32(図9~図11)とを有する。
容器31(図12)は、開口部33を有する容器本体34(図10~図12)と、開口部33を閉塞可能な蓋35(図12)とを備えており、第一実施形態で示した発泡時間の短い止水剤Sが容器本体34の内部に貯留される。
容器本体34は、可撓性を有する素材を使用して形成されるものであり、蛇腹状を呈する。開口部33を蓋35で閉塞した状態では、容器本体34の内部空間が密閉されることで、容器本体34内に貯留させた止水剤Sが、大気中の水分と接触することが防止される。これにより、容器本体34内に貯留させた止水剤Sが、発泡及び硬化することを防止できる。また容器本体34の開口部33から蓋35を取り外すことで、容器本体34の開口部33を装置本体3の流入口40(図10,図11)に接続することができる。容器本体34の素材として例えばポリエチレンを使用できる。また、アルミを蒸着させた耐湿性を有した袋で容器本体34を梱包することが好ましい。このようにすれば容器本体34が無梱包品とされる場合に比して、より長期間、容器本体34内で止水剤Sを発泡させることなく保管できる。
装置本体32(図9~図11)は、容器本体34の開口部33が流入口40に接続された状態で、容器本体34に貯留する止水剤Sを、流入口40から吐出口41に向けて流して、吐出口41から吐出させることが可能なものである。以下、装置本体32が備える構成の詳細を説明する。
装置本体32は、筒体42と、バネ43と、手動式のポンプ44と、管状のノズル45とを備える。
バネ43は、螺旋状を呈するものであり、筒体42の一端側の内部空間に配置される(以下、筒体42の一端側を「一端側」と適宜略記し、筒体42の他端側を「他端側」と適宜略記する)。バネ43の他端側の端部には板状体46が取り付けられており、板状体46には鎖47の他端側の端部が掛止される。鎖47は、バネ43の螺旋の内側を通過するものであり、鎖47の一端側の端部は、筒体42の一端に形成された開口部から突出しており、リング49が鎖47の一端側の端部に取り付けられる。
ポンプ44は、筒体42の他端に着脱自在に取り付けられるヘッド50と、ヘッド50に取り付けられるレバー51と、レバー51に取り付けられるピストン52とを備えており、レバー51を傾動させる操作を手動で行なうことができる。
ヘッド50には、上記の流入口40を構成する入口ポートと、当該入口ポート(流入口40)に連通するシリンダ孔53と、バルブ54の開閉によってシリンダ孔53との連通及び遮断が切り替えられる出口ポート55とが形成される(以下、入口ポートの符号として、流入口40の符号40を記す)。
シリンダ孔53は、筒体42の長さ方向と直交する方向に延びており、ヘッド50の外側面にはシリンダ孔53の開口53a(図10)が形成される。出口ポート55は、シリンダ孔53の奥側に形成され、入口ポート40は、出口ポート55よりも、開口53a側に形成される。
バルブ54は、シリンダ孔53内の圧力に応じて開閉動作を行なうものである。当該バルブ54として、例えばボール及びバネを備えるボールバルブを使用できる。当該ボールバルブは、バネがボールを筒体43の一端側に押圧することで出口ポート55とシリンダ孔53との連通を遮断するものであり、シリンダ孔53内の圧力が所定値を上回った際に、バネが圧縮されてボールが持ち上げられることで、シリンダ孔53と出口ポート55とが連通した状態となる。なおバルブ54としてボールバルブを使用することは必須ではなく、シリンダ孔53内の圧力に応じて開閉動作を行なうことの可能なボールバルブ以外のバルブを、バルブ54として使用できる。
ピストン52は、シリンダ孔53の開口53aからシリンダ孔53内に挿入されており、レバー51を操作することで、図11に示すようにピストン52をシリンダ孔53の奥側に前進させることや、図10に示すようにピストン52を開口53a側に後退させることが可能である。
ノズル45の一端45aは、出口ポート55に接続されており、ノズル45の他端45bの開口は、上記の吐出口41を構成する(以下、ノズル45の他端45bの開口の符号として、吐出口41の符号41を記す)。
上記の装置本体32では、筒体42の他端からヘッド50が取り外された状態で、開口部33から蓋35が取り外されている容器本体34を、筒体42の他端側の内部空間に配置することができる。またこの後、筒体42の他端にヘッド50を取り付けることで、容器本体34の開口部33が入口ポート40(流入口)に接続された状態にすることができる。
筒体42の他端側の内部空間に容器本体34を配置することは、筒体42の他端からヘッド50が取り外された状態で、リング49を把持して鎖47を引っ張ることで、板状体46を筒体42の一端側に移動させてバネ43を圧縮するとともに、この圧縮によって生じた筒体42内の空間に容器本体34を挿入することで行なわれる。この後、筒体42の他端にヘッド50を取り付けるとともに、鎖47の引っ張りを止めてバネ43の弾性力を板状物46を介して容器本体34に加えさせることで、容器本体34の開口部33が入口ポート40(流入口)に接続されて、バネ43によって容器本体34が筒体42の他端側に押圧された状態になる。
なお、リング49及び鎖47は、装置本体32に設けられなくてもよい。この場合には、容器本体34を筒体42内の空間に挿入する作業や、筒体42の他端にヘッド50を取り付ける作業を、バネ43の弾性力に抗しながら行なうことで、容器本体34の開口部33が入口ポート40(流入口)に接続されて、バネ43によって容器本体34が筒体42の他端側に押圧された状態になる。また板状体46も、装置本体32に設けられなくてもよい。この場合、バネ43の弾性力が直接容器本体34に加えられることで、容器本体34が筒体42の他端側に押圧された状態になる。
そして上記のように容器本体34の開口部33が入口ポート40(流入口)に接続されて、バネ43によって容器本体34が筒体42の他端側に押圧された状態で、レバー51の操作で図10に示すようにピストン52を後退させて、入口ポート40(流入口)を介して容器本体34の内部とシリンダ孔53とを連通させることで、容器本体34に貯留する止水剤Sを、入口ポート40(流入口)を介してシリンダ孔53に供給することができる。
そしてレバー51の操作で図11に示すようにピストン52を前進させて、シリンダ孔53内の圧力を高めてバルブ54が開いた状態にすることで、シリンダ孔53に供給された止水剤Sを、出口ポート55を介してノズル45の内部に供給して、ノズル45の他端の開口41(吐出口)から吐出させることができる。
コンクリート構造物Kのひび割れHに止水剤Sを注入する際には、コンクリート構造物Kが構築された現場に装置本体32が運ばれるとともに、工場にて容器本体34に止水剤Sを貯留させて容器本体34の開口部33を蓋35で閉塞することが行なわれた容器31が、工場から出荷されて、現場に運ばれる。
そして第一実施形態の図5に示す作業と同様、ひび割れHに連通する注入孔Jをコンクリート構造物Kに形成することが行なわれる。ひび割れHがコンクリートに生じている場合には、コンクリートに注入孔Jを形成することが行なわれる。ひび割れHが目地に生じている場合には、目地に注入孔Jを形成することが行なわれる。
そして開口部33から蓋35が取り外されている容器本体34が、筒体42の一端側の内部空間に配置されて、容器本体34の開口部33に入口ポート40(流入口)が接続された状態で、ノズル45の他端45bにパッキン等を介して接続される注入ノズルを、注入孔J(図5)に挿入することが行なわれる。この際には、レンチ等で注入ノズルを締め付けることで、注入ノズルをコンクリート構造物Kに固定することが行なわれる。上記の注入ノズルとして、第一実施形態で示した注入ノズルNと同様、一端側を回転させる操作で他端側に設けられたゴムを膨張させることでコンクリート構造物Kに固定することが可能であり、他端側に逆止弁が設けられるプラグを使用できる。
そしてピストン52を開口53a側に後退させるレバー51の操作(図10)と、ピストン52をシリンダ孔53の奥側に前進させるレバー51の操作(図11)とを行なうことで、容器本体7に貯留する止水剤Sをノズル45の開口41(吐出口)から吐出させて、当該吐出された止水剤Sを、注入ノズル及び注入孔J(図5参照)を介してひび割れHに注入することが行われる。この際、ひび割れHに注入された止水剤Sがひび割れHに侵入する水と反応して発泡するとともに、当該発泡物が硬化する現象が生じる。上述したレバー51の操作は、硬化した発泡物によってひび割れHが止水されるまで繰り返される。
ひび割れHの止水が確認された後では、注入プラグの他端側をハンマー等で叩き折ることで、注入プラグの他端側を注入孔Jから撤去するとともに、この撤去によって生じた注入孔Jの空隙にモルタル・有機系補修剤等の材料を充填することが行なわれる。
第二実施形態の止水剤吐出装置30によれば、容器本体34の開口部33を蓋35で閉塞できることで、工場等で止水剤Sが製造された時から、現場でひび割れHに止水剤Sを注入する作業が行なわれる直前まで、容器本体34に貯留させた止水剤Sを、大気中の水分と接触させないようにすることができる。このためひび割れHに止水剤Sを注入する作業を行なうまでの間、止水剤Sに発泡及び硬化が生じないようにすることができる。これにより、ひび割れHに止水剤Sを注入する際に、止水剤Sの発泡物によって、止水剤Sの流れが妨げられることなく、発泡時間の短い止水剤Sを円滑にひび割れHに注入できる。これにより、ひび割れHの止水を短時間で完了できる。
また第二実施形態では、止水剤Sをひび割れに注入すること等を目的として下記の止水剤吐出工程を実行した後に、下記の充填液充填工程を実行することが好ましい(図13(A)は、止水剤吐出工程が実行されているときの状態を示し、図13(B)は、充填液充填工程が実行されているときの状態を示す)。
止水剤吐出工程:容器本体34の開口部33が入口ポート40(流入口)に接続された状態で、容器本体34に貯留する止水剤Sを、入口ポート40(流入口)から開口41(吐出口)に向けて流して、開口41(吐出口)から吐出させる工程。
充填液充填工程:止水剤Sと相溶ぜず、止水剤Sの反応を阻害する充填液Zを貯留する充填液用容器60の開口部61が入口ポート40(流入口)に接続された状態で、充填液用容器60に貯留する充填液Zを、入口ポート40(流入口)から開口41(吐出口)に向けて流して、入口ポート40(流入口)から開口41(吐出口)に至る装置本体32の流路を充填液Zで充填する工程。
上記のように止水剤吐出工程の後に充填液充填工程が実行されれば、装置本体32の流路に残留する止水剤Sが充填液Zで被覆される。このため、装置本体32の流路に残留する止水剤Sが水分と接触して発泡して硬化することを防止できる(上記の流路は、入口ポート40(流入口)、シリンダ孔53、出口ポート55、ノズル45の空洞によって構成される流路である)。したがって、次回の止水剤吐出工程が行なわれる際に、装置本体32の流路を流れる止水剤Sによって、流路に残留した止水剤Sを、充填液Zと共に、押し流して、開口41(吐出口)から排出できる。このため次回の止水剤吐出工程で、止水剤Sの発泡体が、止水剤Sの流れの妨げになることを防止できる。したがって次回の止水剤吐出工程で、円滑に止水剤Sを吐出口から吐出させることができるので、止水剤吐出装置30が止水剤を吐出する機能を安定して維持できる。
なおなお上記の充填液Zとして、第一実施形態で示したリチウムグリス、 シリコングリス、 或いはワセリン等、止水剤Sと空気との接触を遮断できる充填液を使用できる。また充填液充填工程で、装置本体32の流路を充填液Zで充填することは、開口41(吐出口)から充填液Zが吐出されることが確認されるまで、ピストン52を後退及び前進させるレバー51の操作を行なって、流路に充填液Zを流すことで実現できる。また装置本体32の流路が充填液Zで充填された後では、開口41(吐出口)を蓋で閉塞することで、開口41(吐出口)から充填液Zが漏出しないようにしてもよい。また充填液Zの粘性が高いことで、開口41(吐出口)から充填液Zが漏出する虞がない場合には、開口41(吐出口)は蓋で閉塞されなくてもよい。
本発明は、上記実施形態に示したものに限定されず、種々改変できる。
例えば、本発明の止水剤吐出装置が備える装置本体も、上記実施形態に示した装置本体3,32に限定されず、容器本体の開口部が流入口に接続された状態で、容器本体に貯留する止水剤Sを、流入口から吐出口に向けて流して、吐出口から吐出させることが可能な様々な器具或いは複数の器具から構成されるシステムとされ得る。
また本発明の止水剤吐出装置が備える容器は、上記実施形態に示した容器2,31に限定されず、止水剤Sを貯留する容器本体の開口部を、蓋で閉塞可能な様々な容器とされ得る。
また上記実施形態では、注入プラグを用いて装置1,30から吐出される止水剤Sをひび割れHに注入する例を示したが、装置1,30の吐出口4,41を注入孔Jに挿入する等して、注入プラグが用いられることなく、装置1,30の吐出口4,41から吐出される止水剤Sがひび割れHに注入されてもよい。
また本発明の止水剤吐出装置が適用されるひび割れは、コンクリート構造体Kのひび割れHに限定されない、本発明の止水剤吐出装置は、止水が必要な様々なひび割れに適用され得る。
以下、実施例及び比較例を示して、本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
下記に示す原料を、表1に示す重量パーセントで配合して、加熱、冷却、減圧装置を備えた反応釜に投入し、釜内を窒素置換後に80℃で1時間かけて脱水し、プレポリマー化させることで、実施例1~6及び比較例1~6の止水剤(ポリウレタン樹脂組成物)を得た。
・イソシアネート基含有化合物:ポリイソシアネート 商品名;MR-200(東ソー(株)製)
・水酸基含有化合物:ポリエーテルポリオール 商品名;PP-2000(三洋化成工業(株)製)
・可塑剤1:フタル酸エステル系 商品名;DOA((株)ジェイ・プラス製)
・可塑剤2:フタル酸エステル系 商品名;DUP((株)ジェイ・プラス製)
・整泡剤:シリコーン系製泡剤 商品名;SF-2639F(東レ・ダウ(株)製)
・触媒1:アミン系触媒 DABCO33LV(エボニックジャパン(株)製)
・触媒2:アミン系触媒 POLYCAT8 (サンアプロ(株)製)
・触媒3 :錫系触媒 U-100(日東化成(株)製)
Figure 2022034301000002
上記のように調製した実施例1~6及び比較例1~6の止水剤(ポリウレタン樹脂組成物)を用いて下記の試験を行った結果、表1に示す試験結果が得られた。
工法1
第一実施形態で示した容器本体7内に基剤と触媒を所定の割合で混合させ、第一実施形態と同様の方法で止水剤吐出装置1(図1)及び注入プラグNを使用して漏水箇所に注入する。なお止水剤吐出装置1に設けられる管体22bとして株式会社ヤマダコーポレーション製の高圧グリースガン(HPG-G MODEL No.851985、No.852164)を使用し、止水剤吐出装置1に設けられるポンプ20として、アサダ株式会社製 電動テストポンプ EP470を使用し、注入プラグNとしてエレホン・化成工業株式会社製のショットプラグスリムを使用した。
○:発泡倍率が十分であり、漏水が止まる。
△:発泡倍率が○に比して低いものの、漏水が止まる。
×:漏水量がほぼ変わらず、漏水が止まらない。
工法2
第二実施形態で示した容器本体34内で基剤300gと所定の割合の触媒を混合させ、第二実施形態と同様の方法で止水剤吐出装置30(図9~図11)及び注入プラグを使用して漏水箇所に注入する(容器本体31の容積は400ccである)。注入プラグとしてエレホン・化成工業株式会社製のショットプラグスリムを使用した。
○:発泡倍率が十分であり、漏水が止まる。
△:発泡倍率が○に比して低いものの、漏水が止まる。
×:漏水量がほぼ変わらず、漏水が止まらない。
作業性
硬化前のポリウレタン樹脂組成物について、300ccPPカップに基剤150g、及びそれに対する触媒を添加し、30秒間素早く攪拌棒等で均一に攪拌する。B型粘度計を用いて粘度を測定し、下記評価基準に従って作業性を評価した。
○:粘度が1000mPa・s未満
△:粘度が1000~3000mPa・s
×:粘度が3000mPa・sを超える
硬化性
500ccPPカップに基剤20g、及びそれに対する触媒を添加し、10秒間素早く攪拌棒等で均一に攪拌する。その後基剤に対して10重量%の水を添加し、10秒間素早く攪拌棒等で均一に攪拌する。マッチの先端で発泡体の表面を10秒ごとに触れ、液体が付着しなくするまでの時間を確認する。
○:水を添加し、攪拌後10分以内にマッチの先端に液体が付着しなくなる
×:水を添加し、攪拌後マッチの先端に液体が付着しなくなるのに10分以上かかる。
発泡性1
500ccPPカップに基剤20g、及びそれに対する触媒を添加し、10秒間素早く攪拌棒等で均一に攪拌する。その後基剤に対して10重量%の水を添加し、10秒間素早く攪拌棒等で均一に攪拌する。攪拌終了30秒後の発泡倍率を確認する。
○:発泡倍率が3倍以上
×:発泡倍率が3倍未満
発泡性2
500ccPPカップに基剤20g、及びそれに対する触媒を添加し、10秒間素早く攪拌棒等で均一に攪拌する。その後基剤に対して10重量%の水を添加し、10秒間素早く攪拌棒等で均一に攪拌する。攪拌終了後、23℃環境下で24時間経過後の発泡倍率を確認する。
○:発泡倍率が10~35倍
△:発泡倍率が5~9倍
×:発泡倍率が1~4倍
泡の形状保持
発泡体作成後、1時間後に硬化物の形状が保持されているかを確認する。
○:形状が保持されている
△:硬化物が若干萎むが、形状が保持されている
×:形状が保持されていない
工法1、工法2、及び発泡性1,2の試験結果から、実施例1~6の止水剤は、比較例1~6の止水剤に比べて、水分と接触してから所定時間経過後の発泡倍率が高いこと(発泡時間が短いこと)が確認された。また工法1及び工法2の試験結果から、実施例1~6の止水剤を使用する場合には、比較例1~6の止水剤を使用する場合に比べて、漏水をより確実に止めることができることが確認された。また泡の形状保持の試験結果から、実施例1~6の止水剤を使用する場合には、比較例1~6の止水剤を使用する場合に比べて、発泡体によって止水された状態を安定して維持できることが確認された。
1,30 止水剤吐出装置、
2,31 容器、
3,32 装置本体、
4 吐出口(管体の開口)、
5 流入口(第一管状路の上流端の開口)
6,33 容器本体の開口部、
7,34 容器本体、
8,35 蓋、
9 第一素材、
10 第二素材、
20,44 ポンプ、
20a ポンプの入口、
20b ポンプの出口、
21 第一管状路、
21a 第一管状路の上流端、
21b 第一管状路の下流端、
22 第二管状路、
22a 第二管状路の上流端、
22b 第二管状路の下流端(管体)、
25,60 樹脂用容器、
40 流入口(入口ポート)、
41 吐出口(ノズルの他端の開口)、
42 筒体、
43 バネ、
45 ノズル、
45a ノズルの一端
45b ノズルの他端
50 ヘッド、
51 レバー、
52 ピストン、
53 シリンダ孔、
54 バルブ、
55 出口ポート、
S 止水剤
Z 充填液

Claims (6)

  1. 開口部を有する前記容器本体と、前記開口部を閉塞可能な蓋とを備え、前記容器本体に前記止水剤が貯留される容器と、
    前記容器本体の開口部が流入口に接続された状態で、前記容器本体に貯留する前記止水剤を、前記流入口から吐出口に向けて流して、前記吐出口から吐出させることが可能な装置本体とを有し、前記止水剤は、イソシアネート基含有化合物と水酸基含有化合物と触媒からなり、イソシアネート基含有化合物の含有率(NCO%)が4%以上となるポリウレタン樹脂組成物である止水剤吐出装置。
  2. 前記装置本体は、ポンプと、第一管状路と、第二管状路とを備え、
    前記第一管状路の上流端の開口は、前記流入口を構成し、
    前記第一管状路の下流端は、前記ポンプの入口に接続され、
    前記第二管状路の上流端は、前記ポンプの出口に接続され、
    前記第二管状路の下流端は、レバー及び弁体が設けられる管体によって構成され、
    前記吐出口は前記管体の開口によって構成されており、前記レバーに対する操作によって、前記弁体によって前記管体の開口が閉塞された状態と、前記管体の開口が開放された状態とに切り替え可能であり、
    前記容器本体の前記開口部が前記第一管状路の上流端の開口に接続された状態で、前記ポンプを作動させて、前記レバーの操作で前記管体の開口を開放することで、前記容器本体に貯留する前記止水剤を、前記第一管状路、前記ポンプ、及び前記第二管状路の順に流して、前記管体の開口から吐出させることが可能である請求項1に記載の止水剤吐出装置。
  3. 前記容器本体は、可撓性を有する素材を用いて形成される請求項2に記載の止水剤吐出装置。
  4. 前記容器本体は、可撓性を有する第一素材と、可撓性を有する第二素材とを用いて形成されたものであり、
    前記第一素材及び前記第二素材は、底面が開口する四角錐状を呈しており、前記第一素材の四角形の開口縁と前記第二素材の四角形の開口縁とが接合されることで、前記容器本体が形成されており、前記第一素材の一の斜面に前記開口部が形成されている請求項3に記載の止水剤吐出装置。
  5. 前記容器本体は、可撓性を有する素材を用いて形成されて、蛇腹状を呈しており、
    前記装置本体は、筒体と、バネと、ポンプと、管状のノズルとを備え、
    前記バネは、前記筒体の一端側の内部空間に配置され、前記ポンプは、前記筒体の他端に着脱自在に取り付けられるヘッドと、前記ヘッドに取り付けられるレバーと、前記レバーに取り付けられるピストンとを備え、前記ヘッドには、前記流入口を構成する入口ポートと、当該入口ポートに連通するシリンダ孔と、バルブの開閉によって前記シリンダ孔との連通及び遮断が切り替えられる出口ポートとが形成されており、前記バルブは、前記シリンダ孔内の圧力に応じて開閉動作を行なうものとされ、前記ピストンは、前記シリンダ孔の開口から前記シリンダ孔に挿入されており、前記レバーに対する操作で、前記ピストンを前記シリンダ孔の奥側に前進させることや、前記ピストンを前記シリンダ孔の開口側に後退させることが可能であり、前記出口ポートは、前記シリンダ孔の奥側に形成され、前記入口ポートは、前記出口ポートよりも、前記シリンダ孔の開口側に形成されており、前記ノズルの一端は、前記出口ポートに接続され、前記ノズルの他端の開口は、前記流出口を構成し、前記筒体の他端から前記ヘッドが取り外された状態で、前記開口部から前記蓋を取り外した前記容器本体を、前記筒体の他端側の内部空間に配置した後、前記筒体の他端に前記ヘッドを取り付けることで、前記容器本体の開口部が前記入口ポートに接続されて、前記バネによって前記容器本体が前記筒体の他端側に押圧された状態になり、前記容器本体の開口部が前記入口ポートに接続されて、前記バネによって前記容器本体が前記筒体の他端側に押圧された状態で、前記ピストンを後退させて、前記入口ポートを介して前記容器本体の内部と前記シリンダ孔とを連通させることで、前記容器本体に貯留する前記止水剤を、前記入口ポートを介して前記シリンダ孔に供給することが可能であり、前記ピストンを前進させて、前記シリンダ孔内の圧力を高めて前記バルブが開いた状態にすることで、前記シリンダ孔に供給された前記止水剤を、前記出口ポートを介して前記ノズルに供給して、前記ノズルの他端の開口から吐出させることが可能である請求項1に記載の止水剤吐出装置。
  6. 請求項1乃至5に記載の止水剤吐出装置の使用方法であって、
    止水剤吐出工程と、
    前記止水剤吐出工程が実行された後に実行される充填液充填工程とを有し、
    前記止水剤吐出工程では、前記容器本体の開口部が前記流入口に接続された状態で、前記容器本体に貯留する前記止水剤を、前記流入口から前記吐出口に向けて流して、前記吐出口から吐出させることが行なわれ、前記充填液充填工程では、前記止水剤よりも粘性が高くと相溶ぜず、前記止水剤や水との接触で硬化反応が生じない充填液を貯留する充填液用容器の開口部が前記流入口に接続された状態で、前記充填液用容器に貯留する前記充填液を、前記流入口から前記吐出口に向けて流して、前記流入口から前記吐出口に至る前記装置本体の流路を前記充填液で充填することが行なわれる使用方法。
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