JP2006175382A - 二液型塗布剤塗布装置 - Google Patents

二液型塗布剤塗布装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 作業者が携帯して手軽に手動操作可能で、液垂れや周囲への飛散を発生させることなく容易に二液型接着剤や二液型塗料等の二液型塗布剤を塗布することができ、しかもメンテナンス性の良い二液型塗布剤塗布装置を提供する。
【解決手段】 プランジャ9a,9bとシリンダ11a,11bで構成される2台のポンプ部1,2にそれぞれ二液型塗布剤の薬液を収納した薬液容器14a,14bを接続し、各薬液容器14a,14bから各シリンダ11a,11b内に薬液を小出しにし、手で操作することができる引き金5に連動して、両ポンプ部1,2のプランジャ9a,9bを同時に前進させて、各シリンダ11a,11b内の薬液を高圧で押し出し、混合部27で合流混合させた後、ノズル22から適宜の大きさの液滴として飛び出させることができる二液型塗布剤塗布装置とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば二液型接着剤や二液型塗料等の二液型塗布剤を、周囲への飛散や液垂れを最小限の抑えながら、ノズルから適度な径の液滴状にして空気中へ飛ばして対象物に付着させることが可能で、しかも携帯に便利で手動操作可能な二液接着剤塗布装置に関する。
コンクリート等の構造物は径年にともなう材料自体の劣化・構造物のゆがみ・地震や車両の振動等によって、大小のクラック(ひび、割れ目)が発生してしまうことは避けられないことから、定期的なチェックやメンテナンスが不可欠である。鉄道や道路のトンネルにおいては、クラックによるコンクリート破片の落下は重大な事故に結びつくために、重要なメンテナンス項目となっている。特に、新幹線をはじめとする鉄道用のトンネルにおいては、高速で走行する車両による振動はもちろん、進入時の加圧と通過後の負圧が加わるために、クラックの発生と進行が大であり、コンクリート破片の落下対策が重要課題となっている。
一般に、コンクリート壁面に発生したクラックの補修には、刷毛によって接着剤を塗布することや、高圧ポンプで接着剤を噴霧して吹き付けることが行われているので、これを鉄道用のトンネルのメインテナンスに利用することが考えられる。
また、携帯に便利な二液型接着剤塗布装置として、手持ち式のガンタイプで、引き金を引くことによって、二液接着剤を別々に収納した2つのシリンダーやチューブからそれぞれ薬液を押し出し、合流させてノズルを介して押し出せるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1および2参照)。
特開平7−163925号公報 特開平10−216593号公報
しかしながら、刷毛を用いて接着剤を塗布する方法では、トンネルの天井部を塗る場合に、接着剤が刷毛あるいは塗った個所から垂れてしまって、作業者に垂れ落ちて作業者の健康上好ましくない問題や、線路上に垂れ落ちてしまって線路の保安上に支障が起きてしまう等の問題が発生することから、採用することはできない。また、二液型接着剤の塗布に際しては、二液を作業の直前に混合するが、混合した液は時間の経過とともに硬化が進行してしまうため、短時間で使い切ってしまわなければならない問題や、道具類の洗浄やメンテナンスに多大の時間・手間がかかる問題もある。
また、接着剤を高圧ポンプで噴霧して吹き付ける方法は、比較的広い面に接着剤を塗布する方法として一般的に利用されるが、噴霧された接着剤の30〜50%前後はコンクリート壁面に付着しないで飛散してしまう。その結果、トンネル内の他の設備や機器類に悪影響を及ぼしたり、作業者が接着剤の噴霧微粒子や接着剤成分のガスを吸い込んで健康上に好ましくない問題があり、この方法も採用することはできない。また、特に鉄道用のトンネルでは、メンテナンスが可能な時間は運行が停止する深夜の数時間に限られると共に、暗く足場も悪いため、高圧ポンプや周辺機材の搬入および撤去の作業が困難で、動力源の確保もしにくい問題もある。
一方、上記従来の二液型接着剤塗布装置は、いずれも、引き金を引くことによってピストンを前進させたりチューブを押圧して、シリンダーやチューブ内の二種類の薬液を押し出し、このシリンダーやチューブからの押し出し力で、両者を混合した後にノズルから吐出させるもので、比較的粘度の高い接着剤をノズルからひも状に押し出すことを主眼に置いたものとなっている。このため、ノズル先端をクラックに押し当てて塗布を行わなければならず、無数に発生している大小のクラックの個々に接着剤を塗布したり流し込むには非能率な作業となる問題がある。
ところで、コンクリート壁面に発生したクラック部に対して効果的な接着剤としては、日本道路公団「コンクリート剥落防止マニュアル」の「ひび割れ含侵材料」品質規格に適合する二液型接着剤がある。このタイプの接着剤の一例としては、電気化学工業製のコンクリートひび割れ含侵注入材/型番DK550−003が知られている。この接着剤は、二液タイプのアクリル系含侵注入材料で、基材液(主剤)と硬化促進を主とする液(硬化剤)を1:1で混合し、粘度250mPa・sで用いられる。この二液型接着剤は、コンクリート壁面に発生したクラック部に塗布されると、直ちにクラック部に含侵した後に硬化するので、効率の良い作業が行える。
上記のような低粘度で塗布される二液型接着剤の場合、刷毛塗りや噴霧による塗布が適しているが、前述のように、鉄道用のトンネルについてはこれらの手法は採用することができない。また、前記従来の二液接着剤塗布装置は、前述したように、比較的粘度の高い接着剤をひも状に吐出することを主眼に置いたものであることから、上記のような低粘度の二液型接着剤について用いると、ノズルから混合された接着剤が連続的に流れ出る状態となってしまい、目的の箇所に塗布しにくく、しかも多量の液垂れを生じてしまうことになる。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、作業者が携帯して手軽に手動操作可能で、液垂れや周囲への飛散を発生させることなく容易に二液型接着剤や二液型塗料等の二液型塗布剤を塗布することができ、しかもメンテナンス性の良い二液型塗布剤塗布装置を提供することを目的とする。また、本発明は、二液型接着剤を、トンネル内のコンクリート壁面に無数に発生している大小のクラック部に手軽に効率よく付着させることができるようにし、もってトンネルメインテナンスの作業性を大幅に向上させることができるようにすることをも目的とする。
本発明は、携帯しやすい手動操作可能な小型の装置にて、二液型塗布剤を噴出直前に混合し、適宜の径の液滴として飛ばして目標箇所に付着させることができるようにすることによって上記目的を達成するもので、
それぞれプランジャとシリンダを備え、各プランジャが同時に進退される2台のポンプ部と、
二液型塗布剤の一方の薬液を収納して一方のポンプ部のシリンダに接続され、プランジャの後退時に、収納した一方の薬液を該シリンダに小出しする薬液容器と、
二液型塗布剤の他方の薬液を収納して他方のポンプ部のシリンダに接続され、プランジャの後退時に、収納した他方の薬液を該シリンダに小出しするもう一つの薬液容器と、
プランジャの前進時に両ポンプ部のシリンダからそれぞれ押し出される両薬液を、当該両薬剤を合流させる混合部を介して吐出するノズルとを備えていることを特徴とする二液型塗布剤塗布装置を提供するものである。
また、上記本発明は、前記両薬液容器が、各薬液容器内の薬液に押し出し圧力が加えられた状態で、それぞれ薬液容器への逆流を防止する逆止弁を介して各シリンダに接続されていること、
前記両薬液容器が、各薬液容器内の薬液に押し出し圧力が加えられた状態で、それぞれ、プランジャの後退時に開放され、前進時に閉鎖される薬液供給路を介して各シリンダに接続されていること、
前記両薬液容器が押し潰し可能な容器で、この押し潰し可能な容器を押し潰し方向に押圧する加圧機構により、前記各薬液容器内の薬液に押し出し圧力が加えられていること、
前記可撓性容器が蛇腹容器であること、
前記各シリンダーと混合部との間に、それぞれ、各薬液容器内の薬液に加えられた押し出し圧力を超える圧力となった時に薬液を流過させるリリーフ弁が介在されていること、
複数のノズルを備えていること、
両プランジャを手動で前進させるための引き金またはレバーを備えていること、
両プランジャを前進させるための電動駆動装置または空気圧駆動装置を備えていること、
をその好ましい態様として含むものである。
本発明の二液型塗布剤塗布装置は、薬液容器に収納された薬液を、一旦シリンダ内に小出しにした後、この少量の小出しされた薬液をプランジャで加圧して噴出させるものであることから、大きな力を加えることなく薬液をノズルから勢いよく飛び出させることができる。従って、シリンダに小出しする薬液の量を調整することにより、薬液を適宜の大きさの液滴として飛び出させることができ、離れた位置(例えば0.2〜1.5m離れた位置)から薬液の液滴を飛ばすことで、狙った箇所に付着させることができる。また、適宜の大きさの液滴として、目標めがけて飛ばして付着させることができるので、液垂れを生じたり、周囲に薬液を飛散させてしまうことがなく、薬液の無駄な消費がないと共に、作業環境を悪化させたり周囲の設備や機器類などへの付着も防止することができる。
また、上記のように、本発明の二液型塗布剤塗布装置におけるプランジャは、シリンダに小出しにした薬液を加圧して飛び出させるものであって、薬液を液滴として噴出させるために多量の薬液を加圧する必要がない。このため、作動にさほど大きな力を要せず、手動でも容易にプランジャを操作できるので、携帯に便利な小型の装置とすることができる。また、プランジャを電動駆動装置または空気圧駆動装置によって作動させる場合にも、小型の駆動装置で作動させることが可能であるので、やはり携帯しやすい小型化が可能である。従って、大型の装置の搬入が困難な鉄道用のトンネルなどのメインテナンスに最適な装置とすることができる。
更に、本発明の二液型塗布剤塗布装置は、2種類の薬液をノズルから飛び出させる直前で混合部で合流混合することができる。このため、薬液容器内の薬液が残留した状態で使用を中断する場合でも、混合部より薬液容器側では硬化を生じないので、中断時に混合部とノズル部内の薬液を取り除いておくか、混合部とノズル部を取り外して付け替えることで再使用が可能となり、装置自体のメインテナンスも容易である。
(第1の例)
図1〜図3に基づいて、本発明の第1の例に係る二液型塗布剤塗布装置を説明する。
図1は本発明の第1の例に係る二液型塗布剤塗布装置の外観図で、(a)は平面図、(b)は側面図、図2は混合部とノズル部分の拡大横断面図、図3は一部を省略した図1のX−X拡大部分断面図である。
図1に示されるように、ポンプ部1とポンプ部2の中間部の下には一体にハンドル3が取付けられていて、ハンドル3には、支持軸4を支点として前後に揺動可能で、先端が前方に突き出る方向にバネ8によって押圧された引き金5が取り付けられている。引き金5には、引き金5の操作に連動して上下する連結軸6が連結されていると共に、連結軸6の上部にはプレート7が取付けられている。連結軸6の周りには、ポンプ部1,2の上面とプレート7間に挟まれたコイル状のバネ25が差し込まれている。従って、ハンドル3を握って引き金5をバネ8,25に抗して引くと、連結軸6が下方に引かれ、プレート7も下方に下がる。また、引き金5を引く力を緩めると、バネ8,25によって引き金5が復帰すると共に、プレート7も元の位置に復帰するものとなっている。バネ8とバネ25は、引き金5と連結軸6が連動する構造としておけば、いずれか一方のみでもよい。
次に、内部構造を図3に基づいて説明する。尚、図3は、ポンプ部1側の拡大部分断面図であるが、ポンプ部2側も同じ構造であることから、部材の符号としては、ポンプ部1側の部材を示す符号に「a」を付記し、ポンプ部2側の部材を示す符号に「b」を付記して並記する。
図3に示されるように、ポンプ本体10a,10bには、シリンダ11a,11bに精度良く嵌合させたプランジャ9a,9bが差し込まれていて、プレート7の動きとともにプランジャ9a,9bは上肢点Hと下肢点L間を上下するものとなっている。ポンプ本体10a,10bの後部には、容器保護筒15a,15bが取り外し可能に取り付られている。容器保護筒15a,15b内には、二液型塗布剤の一方(他方)の薬剤を収納した薬液容器14a,14bが納められている。
本例における薬液容器14a,14bは、軸方向に伸縮可能なジャバラ容器で、その口部がポンプ本体10a,10bの接続部13a,13bに着脱可能に接続されている。接続部13a,13bの内部には、シリンダ11a,11bの中間部上肢点H寄りに通じる薬液供給路12a,12bが形成されており、薬液容器14a,14b内がこの薬液供給路12a,12bを介してシリンダ11a,11bに連通している。
容器保護筒15a,15bの後部には、薬液容器14a,14bの底部を前方に押圧し、薬液容器14a,14b内の薬液に押し出し圧力を加え、薬液を薬液供給路12a,12bを介してシリンダ11a,11bへ送り込むための加圧機構として、加圧バネ16a,16bと加圧板17a,17bが取付けられている。この加圧板17a,17bには引き紐24a,24bが取付けられていて、新しい薬液容器14a,14bを接続部13a,13b取り付けた場合、引き紐24a,24bを引いて加圧バネ16a,16bを圧縮し、保護筒15a,15bの後部内に縮めた状態にしてから、保護筒15a,15bをポンプ本体10a,10bに取り付け、取り付け完了後に引き紐24a,24bを緩めることで、加圧バネ16a,16bで薬液容器14a,14bを加圧することができるようになっている。
シリンダ11a,11bの下肢点L側の端部には、シリンダ11a,11bから押し出される薬液を、ポンプ本体10a,10bの前方に設けられたパイプ20a,20bへと導く薬液流出路18a,18bが接続されている。この薬液流出路18a,18bには、バネ26a,26bで閉鎖荷重が加えられた弁構造を有し、薬液容器14a,14b内の薬液に加えられた押し出し圧力を超える圧力となった時に流路を開放するリリーフ弁19a,19bが介在されており、上記押し出し圧力により、引き金5の操作に関係なく薬液流出路18a,18bから流れ出ることを防止している。また、パイプ20a,20bは、薬液容器14a,14bから、薬液供給路12a,12b、シリンダ11a,11b、薬液流出路18a,18bおよびパイプ20a,20bを介して送られてくる両薬液を合流させて混合する混合部27に接続されている。
混合部27は、図3に示されるように、前面部に単一または複数のノズル22が接続され、内部が混合室21となった小型の箱形をなし、パイプ20a,20bが相対向する位置に接続されている。ノズル22としては、細管を用いることができる。また、混合部27は、パイプ20a,20bに介在するジョイント部23a,23bにより、着脱可能となっている。混合部27は、内部で混合された二液型塗布剤が時間の経過と共に硬化するため、適時交換する必要があるが、このジョイント部23a,23bによって新しい混合部27に容易に交換が可能であって、取り外した混合部7は溶剤に漬けること等によって洗浄すれば再使用が可能である。
以上のような構成によって、引き金5が作業者の手によって引かれると、支点4に近い位置で引き金5に連結されている連結軸6が下方に引かれてプレート7が下がり、プランジャ9a,9bを押し下げる。プランジャ9a,9bの下降によって、薬液容器14a,14bから押し出されてシリンダ11a,11b内に溜められていた薬液が加圧され、リリーフ弁19a,19bを押し開いて、薬液流出路18,18bおよびパイプ20a,20bを介して混合部27に流れ込む。パイプ20a,20bから混合部27へ流入した両薬液は激しくぶつかり合って混合され、混合部27の前方に接続されているノズル22から適度な粒径と吐出スピードで放出される。引き金5の引き絞りを緩めると、バネ8,25によって引き金5が復帰すると共に、プレート7も元の位置に復帰し、これに伴ってプランジャ9a,9bが上昇して、シリンダ11a,11b内に再び薬液が押し出されて次の操作に備える。
上述のように、本例の二液型塗布剤塗布装置は、手でハンドル3を持って引き金5を引くと、二種類の薬液用のポンプ部(プランジャポンプ)1,2が同時に作動して、各々のポンプ部1,2に接続した薬液容器14a,14bから押し出された薬液を高圧に加圧する。そして、加圧された各薬液が対向位置から混合部27に流れ込んで混合され、混合部27の前面に設けられたノズル22から空気中へ放出される。また、混合部27は、ジョイント部23a,23bによってポンプ部1,2から取り外しが容易で、混合した二液型塗布剤が硬化する前に簡単に交換ができるものとなっている。
本例の二液型塗布剤塗布装置においては、引き金5と連結軸6の取り付け位置が支点4に近く、「てこの作用」が働く関係となっていて、手で加えた力が増幅されてプランジャ9a,9bへ伝わるため、例えば粘度250mPa・sの薬液を使用した場合、プランジャ9a,9bの加圧によってシリンダ11内の圧力は20〜50MPa近くまで上昇させることが可能である。ノズル22と塗布面の距離は、圧力20MPaでは0.2〜1.0m、圧力50MPaでは0.5〜1.5mが目安となる。従って、プランジャ9a,9bの1ストロークによって適宜の量(例えば1ミリリットル前後)の薬液を吐出するように設定しておけば、上記のように手で引き金5を握るだけで、薬剤を各々20〜50MPa近くの圧力まで容易に上昇させ、両者を混合してノズル22から0.2〜1.5mもの距離を液滴として飛ばすことが可能である。
ノズル22の形態や寸法については、ノズルメーカーや塗布機械メーカー等の各種ノズルでテストしたが、最終的には内径が0.3〜2.0mm、長さが10〜50mmの細いステンレスパイプを用いると、混合された薬液を適度な粒経と吐出スピードで放出しやすく、ノズル22の先端から放出後に薬液が霧化や飛散あるいは液滴落下してしまうことを最小限としながら、0.2〜1.5m離れたコンクリート壁面のクラック部を狙って付着させることができるので好ましい。また、ノズル22の本数は二液型塗布剤を放出する距離や塗布しようとする箇所(例えばクラック部)の広さによって、1〜5本程度に設定することが可能である。
例えば、0.2〜1.0m離れたクラック部を狙う場合は、ノズル22として、20mmの長さのステンレスパイプを3本または4本使用すると好ましい結果が得られる。また、0.5〜1.5m離れたクラック部を狙う場合は、ノズル22として、25mmの長さのステンレスパイプを4本または5本使用すると好ましい結果が得られる。
本例の二液型塗布剤塗布装置の混合部27においては、二種類の薬液が各々20〜50MPa近くの圧力となって、直径5mm前後の小スペースの混合室27に、その対向位置に接続されたパイプ20aとパイプ20bから瞬間的に高速で流れ込むため、両薬液が激しくぶつかり合って十分均一に混合が行われる。この結果、従来の装置に用いられている、長く複雑な構造の混合装置が不要となり、装置の小型化、製造コストの低減およびメンテナンスの手間軽減に大きく寄与している。また、プランジャ9a,9bとシリンダ11a,11bとの間は、加圧する薬剤に適度な粘度があることによって、特にシール部材を配置する必要もないことが確認されており、この点も装置のコンパクトさやコストダウンに大きく寄与している。
本例の二液型塗布剤塗布装置においては、プランジャ9a,9bの上昇時に薬液供給路12a,12bが開放されて薬液がシリンダ11a,11b内に供給され、プランジャ9a,9bの降下時に薬液供給路12a,12bが閉鎖されてシリンダ11a,11b内の薬液を加圧できるよう、薬液供給路12a,12bは上肢点H寄りのシリンダ11a,11bの側壁に開口している。この代わりに、薬液供給路12a,12bに、シリンダ11a,11bから薬液容器14a,14bへの薬液の逆流を防止する逆止弁(図示されていない)を設けておくこともできる。
薬液容器14a,14bに押し出し圧力を加える機構としては、本例の押し潰し可能なジャバラ容器の薬剤容器14a,14bと、加圧バネ16a,16bおよび加圧板17a,17bによる加圧機構との組み合わせの他、円筒状の薬剤容器14a、14bと、該円筒の内周に嵌合するピストンおよび該ピストンを押すバネによる加圧機構との組み合わせや、押し潰し可能なチューブ状等の可撓性を有する薬剤容器14a,14bと、密閉された容器保護筒15a,15bおよび該容器保護筒15a,15bへの圧縮ガス供給機構による加圧機構との組み合わせ等を用いることができる。
(第2の例)
図4に基づいて、本発明の第2の例に係る二液型塗布剤塗布装置を説明する。
図4は本発明の第2の例に係る二液型塗布剤塗布装置の側面図で、図1〜図3と同じ符号は同様の部材を示す。
図4に示されるように、本例の装置も、第1の例で説明した内部構造のポンプ部1,2、容器保護筒15a,15b、パイプ20a,20b、混合部27およびノズル22を備えたものとなっている。
ポンプ本体10a,10bの下側には、後方に伸びるハンドル50が取付けられている。一方、ポンプ本体10a,10bの上側前方には支持軸52が設けられ、この支持軸52にはポンプ本体10a,10bの後方に伸びる上下に揺動可能なレバー51が取り付けられており、レバー51を図中一点鎖線で示される位置まで押し下げることで、プランジャ9a,9bを上方へ押圧しているバネ53a,53bに抗してプランジャ9a,9bを同時に押し下げることができるようになっている。プランジャ9a,9bを押し下げると、第1の例と同様にして、混合部27で混合された薬液がノズル22から放出されることになる。
本例では、プランジャ9a,9bにはより大きな荷重あるいはストロークを与えることが可能なため、プランジャ9a,9bの直径やストロークを大きくして、1回の操作で多量の二液型塗布液を放出することや、より離れた目標位置に二液型塗布液を付着させることが可能となる。
(第3の例)
図5に基づいて、本発明の第3の例に係る二液型塗布剤塗布装置を説明する。
図5は本発明の第3の例に係る二液型塗布剤塗布装置の側面図で、図1〜図3と同じ符号は同様の部材を示す。
図5に示されるように、本例の二液型塗布剤塗布置は、第1の例に係る二液型塗布剤塗布装置における引き金5の代わりに、携帯性に支障の無い大きさと重さの小型駆動装置60をハンドル3に組み込んだものである。小型駆動装置60は、電池によって作動する電動駆動装置又は圧縮空気によって作動する空気圧駆動装置を用いることができ、スイッチ61を引くと、電池あるいは圧縮空気によって駆動される小形モータあるいは小形シリンダ等の駆動装置によって連結軸6の軸端62が下方に引かれて、プランジャ9a,9bを作動させるように構成されており、図1の実施例の引き金5の代わりに手で小型駆動装置60のスイッチ61を操作することによって、第1の例に係る二液型塗布剤塗布装置と同等の機能・性能を発揮できるものとなっている。
以上説明した本発明の二液型塗布剤塗布装置は、プランジャの直径やノズルの径・本数を変更して、混合された二液型塗布剤をノズル先端から勢い良く放出することなく、ノズルを深い大きなクラック部に差し込んで、二液型塗布剤(二液型接着剤)をラック内部に充填するといった用途にも適用できるものである。
図1は本発明の第1の例に係る二液型塗布剤塗布装置の外観図で、(a)は平面図、(b)は側面図である。 混合部とノズル部分の拡大横断面図である。 一部を省略した図1のX−X拡大部分断面図である。 本発明の第2の例に係る二液型塗布剤塗布装置の側面図である。 本発明の第3の例に係る二液型塗布剤塗布装置の側面図である。
符号の説明
1,2 ポンプ部
3 ハンドル
4 支持軸
5 引き金
6 連結軸
7 プレート
8 バネ
9a,9b プランジャ
10a,10b ポンプ本体
11a,11b シリンダ
12a,12b 薬液供給路
13a,13b 接続部
14a,14b 薬液容器
15a,15b 容器保護筒
16a,16b 加圧バネ
17a,17b 加圧板
18a,18b 薬液流出路
19a,19b リリーフ弁
20a,20b パイプ
21 混合室
22 ノズル
23a,23b ジョイント部
24a,24b 引き紐
25 バネ
26a,26b バネ
27 混合部
50 ハンドル
51 レバー
52 支持軸
53a,53b バネ
60 小型駆動装置
61 スイッチ
62 軸端

Claims (9)

  1. それぞれプランジャとシリンダを備え、各プランジャが同時に進退される2台のポンプ部と、
    二液型塗布剤の一方の薬液を収納して一方のポンプ部のシリンダに接続され、プランジャの後退時に、収納した一方の薬液を該シリンダに小出しする薬液容器と、
    二液型塗布剤の他方の薬液を収納して他方のポンプ部のシリンダに接続され、プランジャの後退時に、収納した他方の薬液を該シリンダに小出しするもう一つの薬液容器と、
    プランジャの前進時に両ポンプ部のシリンダからそれぞれ押し出される両薬液を、当該両薬剤を合流させる混合部を介して吐出するノズルとを備えていることを特徴とする二液型塗布剤塗布装置。
  2. 前記両薬液容器が、各薬液容器内の薬液に押し出し圧力が加えられた状態で、それぞれ薬液容器への逆流を防止する逆止弁を介して各シリンダに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の二液型塗布剤塗布装置。
  3. 前記両薬液容器が、各薬液容器内の薬液に押し出し圧力が加えられた状態で、それぞれ、プランジャの後退時に開放され、前進時に閉鎖される薬液供給路を介して各シリンダに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の二液型塗布剤塗布装置。
  4. 前記両薬液容器が押し潰し可能な容器で、この押し潰し可能な容器を押し潰し方向に押圧する加圧機構により、前記各薬液容器内の薬液に押し出し圧力が加えられていることを特徴とする請求項3に記載の二液型塗布剤塗布装置。
  5. 前記可撓性容器がジャバラ容器であることを特徴とする請求項4に記載の二液型塗布剤塗布装置。
  6. 前記各シリンダーと混合部との間に、それぞれ、各薬液容器内の薬液に加えられた押し出し圧力を超える圧力となった時に薬液を流過させるリリーフ弁が介在されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の二液型塗布剤塗布装置。
  7. 複数のノズルを備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の二液型塗布剤塗布装置。
  8. 両プランジャを手動で前進させるための引き金またはレバーを備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の二液型塗布剤塗布装置。
  9. 両プランジャを前進させるための電動駆動装置または空気圧駆動装置を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の二液型塗布剤塗布装置。
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