JP2022031427A - 化粧シート、化粧板及び加飾樹脂成形品 - Google Patents

化粧シート、化粧板及び加飾樹脂成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】高い意匠性を有するとともに優れた触感を示す化粧シートを提供すること。【解決手段】基材シート上に、艶消し剤を含有する第1樹脂層、前記第1樹脂層上に部分的に設けられた第2樹脂層、並びに前記第2樹脂層上に設けられた樹脂及び有機粒子を含む凸部をこの順に有する化粧シート。【選択図】図1

Description

本発明は、化粧シート、化粧板及び加飾樹脂成形品に関する。
従来、様々な物品の表面には、意匠性を付与するために、化粧シートが積層されている
。例えば、建築物の壁面に用いられる壁装材、床面に用いられる床用化粧材、家具等の表
面には、化粧シートが積層されて用いられている。
上述のような物品の表面に積層される化粧シートには、立体的な意匠性を示すことが要
求される。このような立体的な意匠性を示す化粧シートとして、基材上に絵柄印刷層を設
け、その上に艶消し剤を含む樹脂層を全面に設け、さらにその上に樹脂層を絵柄印刷層と
同調するように部分的に設けた化粧シートが提案されている(例えば、特許文献1参照)
。このような化粧シートは、高艶(グロス)部分と低艶(マット)部分とのコントラスト
によって視覚的に立体感を得られる、意匠性に優れたものであるが、表面はほぼ平坦であ
るため、手で触った場合においても立体感を得られるものではなかった。
他方、手で触った場合に立体感を得られる、すなわち優れた触感を示す化粧シートとし
て、基材上に絵柄印刷層、透明樹脂層、及び厚盛り印刷による凸部が設けられ、凸部が絵
柄印刷層に同調している化粧材が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
厚盛り印刷により凸部を形成する場合、凸部を形成するインキにシリカ、炭酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム等に代表される無機粒子を添加し、インキにチキソトロピック性
を付与することで、インキの転移性を上げるとともに、転移後のインキの変性を抑制し、
再現性よく繊細な形状の凸部を形成することが一般的に行われている。しかしながら、従
来の化粧シートの場合、チキソトロピック性を付与するために添加された無機粒子の影響
により、凸部が白化して透明性を失い、意匠感が損なわれるという問題があった。特に凸
部が絵柄模様層と同調した構成の化粧材の場合、白化した凸部によって下部に位置する絵
柄が濁って見えてしまい、絵柄模様層が本来有する意匠を大きく損なうという問題があっ
た。
特開平9-174795号公報 特開平10-86313号公報 特開2013-123863号公報
本発明の課題は、高い意匠性を有するとともに優れた触感を示す化粧シート、当該化粧
シートを被着材に貼着してなる化粧板、及び当該化粧シートを成形樹脂層上に積層してな
る加飾樹脂成形品を提供することである。
本発明者らは、高い意匠性を有するとともに優れた触感を示す化粧シートを開発すべく
鋭意検討した結果、基材シート上に、艶の低い樹脂層を積層し、その上に部分的に透明樹
脂層を積層し、該透明樹脂層の上に樹脂及び有機粒子を含む凸部を形成することにより、
上記課題を解決できることを見出した。本発明は、このような知見に基づき完成されたも
のである。
すなわち、本発明は、下記の化粧シート、化粧板及び加飾樹脂成形品に係る。
1. 基材シート上に、艶消し剤を含有する第1樹脂層、前記第1樹脂層上に部分的に設
けられた第2樹脂層、並びに前記第2樹脂層上に設けられた樹脂及び有機粒子を含む凸部
をこの順に有する化粧シート。
2. 前記有機粒子の含有量が、前記凸部を形成する樹脂組成物の固形分の50質量%以
下である、上記項1に記載の化粧シート。
3. 前記有機粒子の含有量が、前記凸部を形成する樹脂組成物の固形分の2質量%以上
である、上記項1又は2に記載の化粧シート。
4. 前記有機粒子の平均粒子径が15~50μmである、上記項1~3のいずれかに記
載の化粧シート。
5. 前記凸部が設けられた面積が、前記第2樹脂層の面積の5~80%である、上記項
1~4のいずれかに記載の化粧シート。
6. 前記第2樹脂層が前記第1樹脂層よりも高い艶を有する、上記項1~5のいずれか
に記載の化粧シート。
7. 前記第2樹脂層が艶消し剤を含む、上記項1~6のいずれかに記載の化粧シート。
8. 前記第2樹脂層を形成する樹脂組成物の固形分の単位質量当たりに含まれる艶消し
剤の質量が、前記第1樹脂層を形成する樹脂組成物の固形分の単位質量当たりに含まれる
艶消し剤の質量より小さい、上記項7に記載の化粧シート。
9. 前記基材シートと前記第1樹脂層との間に絵柄模様層を有する、上記項1~8のい
ずれかに記載の化粧シート。
10. 前記絵柄模様層の絵柄に対して第2樹脂層が同調して設けられている、上記項9
に記載の化粧シート。
11. 前記絵柄模様層が木目柄であり、前記木目柄の冬目模様及び/又は導管模様以外
の部分の上に前記第2樹脂層が設けられている、上記項9又は10に記載の化粧シート。
12. 被着材上に上記項1~11のいずれかに記載の化粧シートを有する化粧板。
13. 成形樹脂層上に上記項1~11のいずれかに記載の化粧シートを有する加飾樹脂
成形品。
本発明の化粧シートは、艶消し剤を含有する第1樹脂層の上に部分的に該第1樹脂層よ
り高艶の第2樹脂層が積層されており、第2樹脂層の上に樹脂及び有機粒子を含む凸部が
積層されている構成とすることにより、高い意匠性を有するとともに優れた触感を示すこ
とができる。
本発明の化粧シートの層構成一例を示す断面模式図である。
以下、本発明の化粧シート、化粧板及び加飾樹脂成形品について詳細に説明する。
1.化粧シート
本発明の化粧シートは、基材シート上に、艶消し剤を含有する第1樹脂層、該第1樹脂
層上に部分的に設けられた第2樹脂層、並びに該第2樹脂層上に設けられた樹脂及び有機
粒子を含む凸部をこの順に有することを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の化粧シートは、艶消し剤を含有する第1樹脂層の上に部分的
に第2樹脂層が積層されており、第2樹脂層が積層された領域と積層されていない領域と
の間で艶の差が生じ、高い意匠性(グロスマット表現)を有する。さらに、上記特徴を有
する本発明の化粧シートは、第2樹脂層の上に樹脂及び有機粒子を含む凸部が積層されて
いることにより、上記したグロスマット表現を損なうことなく優れた触感を示すことがで
きる。
本発明の化粧シートは、基材シート上に、第1樹脂層、第2樹脂層及び凸部を順に有し
ており、第1樹脂層の上に第2樹脂層、及び第2樹脂層の上に凸部が形成されていれば、
その具体的な構成(層構成)については限定されない。例えば、基材シートと第1樹脂層
との間に絵柄模様層を有することができる。具体的には、基材シート上に絵柄模様層が積
層されており、絵柄模様層の上に、第1樹脂層、第2樹脂層及び凸部がこの順に形成され
ている化粧シートである。図1は、本発明の化粧シートの層構成の上記一例を示すもので
ある。図1において、本発明の化粧シート1は、基材シート2上に、絵柄模様層3、第1
樹脂層4、及び第2樹脂層5がこの順に積層されており、第2樹脂層5上に、凸部6が形
成されている。
以下、図1を参照しつつ、化粧シートを構成する各層について説明する。なお、本発明
において、基材シートからみて凸部が形成されている方向を「上」又は「おもて面」と称
し、基材シートからみて凸部が形成されている方向とは逆側を「下」又は「裏面」と称す
る。また、以下の記載において、「~」で表される数値範囲の下限上限は「以上以下」を
意味する(例えば、α~βならば、α以上β以下である)。
基材シート
基材シートとしては限定されず、繊維質シート、プラスチック基材、金属基材、木質系
基材等を用いることができる。
繊維質シートとしては、薄紙、紙間強化紙、含浸紙、チタン紙、コート紙、段ボール紙
、リンター紙、クラフト紙、上質紙等の公知の繊維質シート等を利用することができる。
具体的には、壁紙用一般紙(パルプ主体のシートを既知のサイズ剤でサイズ処理したもの
);難燃紙(パルプ主体のシートにスルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン等の難
燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む
無機質紙;上質紙;薄用紙;合成繊維混抄紙(パルプと合成繊維とを混合して抄紙したも
の)等が挙げられる。なお、本発明に使用される繊維質シートには、分類上、不織布に該
当しているものも包含される。
プラスチック基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、
ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネート等の各種のプラスチックシート、フィルム
等を使用することができる。金属基材としては、鋼板、アルミニウム、ステンレス等の上
に、着色剤のアンダーコートを行ったものを基材として製品化することができる。木質系
基材としては、合板、パーティクルボード、中密度ファイバーボード等が挙げられる。
基材シートの坪量は限定的ではなく、20~300g/m程度が好ましく、50~3
00g/m程度がより好ましく、50~130g/m程度がさらに好ましい。
なお、本発明の化粧シートを射出成形又は真空成形用途に使用する場合、基材シートと
しては三次元成形性を考慮してプラスチック基材を用いることが好ましく、ABS、アク
リル、ポリカーボネート等のプラスチックシート、フィルム等を用いることが特に好まし
い。また、三次元成形性を考慮し、基材シートの厚みは50~800μm程度とすること
が好ましく、100~600μm程度とすることがさらに好ましい。
絵柄模様層
本発明の化粧シートは、必要に応じて絵柄模様層を形成してもよい。絵柄模様層は通常
、基材シートのおもて面側に設けられるが、透明性を有する基材シートを用いる場合は、
基材シートの裏面側に設けてもよい。なお、本発明の化粧シートにおいては、絵柄模様層
と、第2樹脂層とが同調している構成とすることにより、より意匠性に優れた化粧シート
となる。具体的には、図1に示されるように、絵柄模様層の絵柄が形成されていない部分
に第2樹脂層が同調した構成であってもよいし、逆に絵柄模様層の絵柄が形成されている
部分に第2樹脂層が同調した構成であってもよい。
絵柄模様層は、化粧シートに意匠を付与する。絵柄模様としては、例えば、木目模様、
レザー模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、幾何学図形、
文字、記号、抽象模様、草花模様等が挙げられ、目的に応じて選択することができる。
絵柄模様層は、例えば、絵柄模様を印刷することにより形成することができる。印刷手
法として、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、シルクスクリーン印刷法、フレ
キソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。印刷インキとしては、
公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は
分散)して得られるインキを使用することができる。
インキに使用する着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁
柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料
、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等
の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩
化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、
単独で又は2種以上を混合して使用することができる。これらの着色剤は、シリカ等のフ
ィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等とともに用いてもよい。着色剤
の含有量は、樹脂成分100質量部に対して10~100質量部程度が好ましく、15~
50質量部程度がより好ましい。
結着材樹脂は、基材シートの種類に応じて設定することができる。結着材樹脂としては
、親水性処理されたポリエステル系ウレタン樹脂のほか、ポリエステル、ポリアクリレー
ト、ポリビニルアセテート、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリスチレン、ポリスチレン-アクリレート共重合体、ロジン誘導体、ス
チレン-無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物、セルロース系樹脂、カゼイン樹脂
なども併用できる。より具体的には、例えば、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリ(メタ)
アクリル酸系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN-ビニルピロリドン系樹脂、水
溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂、水溶性アミノ系樹脂、水溶性フェノ
ール系樹脂、その他の水溶性合成樹脂;ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類等の水
溶性天然高分子;等も使用することができる。また、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリ
酢酸ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン-ポ
リアクリル系樹脂等が変性したものないし前記天然ゴム等の混合物、その他の樹脂を使用
することができる。上記結着材樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることが
できる。なお、「(メタ)アクリル」とはアクリル又はメタクリルを意味するものとし、
以下同様である。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、
トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油
系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸-2-メトキシエチル、酢酸-2-エトキシ
エチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルア
ルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリク
ロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等の無機溶剤等が挙げられ
る。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができ
る。
絵柄模様層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できる。例えば、塗工
時の層厚は1~200μm程度、乾燥後の層厚は0.1~20μm程度である。
第1樹脂層
本発明の化粧シートは、基材シート又は絵柄模様層の上には、艶調整等を目的として、
艶消し剤を含む第1樹脂層を有する。第1樹脂層は、基材シート又は絵柄模様層の上に全
面ベタ印刷層として形成される。前記第1樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、フェ
ノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン-
尿素共縮合体、珪素樹脂、ポリシロキサン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共
重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、アイ
オノマー、ポリメチルペンテン、アクリル酸エステル、メタクリルサンエステル、ポリカ
ーボネート、セルローストリアセテート等を挙げることができる。また、電離放射線硬化
型樹脂を用いて第1樹脂層を形成してもよい。電離放射線硬化型樹脂は、電離放射線の照
射により架橋重合反応を生じ、3次元の高分子構造に変化する樹脂であれば限定されない
。例えば、電離放射線の照射により架橋可能な重合性不飽和結合又はエポキシ基を分子中
に有するプレポリマー、オリゴマー及びモノマーの1種以上を使用することができる。例
えば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のア
クリレート樹脂;シロキサン等のケイ素樹脂;ポリエステル樹脂;エポキシ樹脂などが挙
げられる。これらの樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
電離放射線としては、可視光線、紫外線(近紫外線、真空紫外線等)、X線、電子線、
イオン線等があるが、この中でも、紫外線及び/又は電子線が望ましい。
紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラ
ックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長としては
、190~380nm程度である。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器
型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使
用できる。電子線のエネルギーとしては、100~1000keV程度が好ましく、10
0~300keV程度がより好ましい。電子線の照射量は、1~15Mrad程度が好ま
しく、1~10Mrad程度がより好ましく、3~5Mrad程度がさらに好ましくい。
電離放射線硬化型樹脂は電子線を照射すれば十分に硬化するが、紫外線を照射して硬化
させる場合には、光重合開始剤(増感剤)を添加することが好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合の光重合開始剤は、例えば、アセトフェ
ノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル
、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジフェニルサルファイド、ジベン
ジルジサルファイド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソプロピル
-N,N-ジメチルアミノベンゾエート等の少なくとも1種を使用することができる。ま
た、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳
香族スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキ
シスルホキソニウムジアリルヨードシル塩等の少なくとも1種を使用することができる。
光重合開始剤の添加量は特に限定されないが、一般に電離放射線硬化型樹脂100質量
部に対して0.1~10質量部程度である。
第1樹脂層は、艶消し剤を含んでいる。艶消し剤としては特に限定はなく、公知のもの
を広く用いることができる。艶消し剤として、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、アルミノシリケート、硫酸バリウム等の無機物粒子;アクリルビ
ーズ、ポリエチレン、ウレタン樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド(ナイロン)等の樹
脂(有機物)粒子等が挙げられる。粒子の平均粒径は、好ましくは0.5~20μmであ
り、より好ましくは0.5~10μmである。艶消し剤の添加量は、第1樹脂層を形成す
る樹脂組成物基準(溶剤を除く)で好ましくは2~40質量%、より好ましくは5~30
質量%である。なお、粒子の形状は、多面体、球形、鱗片状等である。上記の無機粒子及
び有機粒子のうち、シリカが好ましい。
第1樹脂層の厚みは、通常は0.5~10μm程度であるが、化粧シートの用途等に応
じて上記範囲を超えてもよい。
なお、本発明の化粧シートを射出成形又は真空成形用途に使用する場合、化粧シートの
耐傷性を高めつつ三次元成形性を良好とする観点から、第1樹脂層を構成する電離放射線
硬化型樹脂としては、ポリカーボネート(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、か
つ末端あるいは側鎖に(メタ)アクリレートを2個以上有するものであれば、特に制限さ
れず、例えば、ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートなどであっ
てもよい。また、当該ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、架橋及び硬化を良好に
するという観点から、1分子当たり、2~6個の官能基を有することが好ましい。このよ
うなポリカーボネート(メタ)アクリレートは、1種類単独で使用してもよいし、2種類
以上を組み合わせて使用してもよい。また、前記ポリカーボネート骨格を有するウレタン
(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネートポリオールと、多価イソシアネート
化合物と、ヒドロキシ(メタ)アクリレートとを反応させることにより得ることができる
また、本発明の化粧シートを射出成形又は真空成形用途に使用する場合、化粧シートの
耐傷性を高めつつ三次元成形性を良好とする観点から、第1樹脂層を電離放射線硬化型樹
脂と熱可塑性樹脂との混合物により構成することも好ましい。熱可塑性樹脂としてはアク
リル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂等が挙げられ、アクリル樹脂が特に好ましい。
電離放射線硬化型樹脂と熱可塑性樹脂との混合比としては、質量比で10:90~75:
25程度が好ましく、25:75~50:50程度がより好ましい。
第2樹脂層
本発明の化粧シートは、艶調整等を目的として第2樹脂層を有する。第2樹脂層は、第
1樹脂層の上に部分的に設けられ、艶消し剤を含む第1樹脂層が露出した領域と露出して
いない領域とを形成することにより、各領域の間で艶差を生じさせることによって、本発
明の化粧シートに高い意匠性を与える。より優れた意匠性を得る観点からは、第2樹脂層
は第1樹脂層よりも高い艶を有することが好ましい。第2樹脂層は、透明性を有する樹脂
層であることが好ましい。第2樹脂層は、透明性のものであれば特に限定されず、無色透
明、着色透明、半透明等のいずれも含む。前記第2樹脂層を構成する樹脂としては、例え
ば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メ
ラミン-尿素共縮合体、珪素樹脂、ポリシロキサン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸
ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合
体、アイオノマー、ポリメチルペンテン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、
ポリカーボネート、セルローストリアセテート等を挙げることができる。また、上述の電
離放射線硬化型樹脂を用いてもよい。これらの樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせ
て用いることができる。
第2樹脂層は、艶調整のために艶消し剤を含むことができる。第2樹脂層が艶消し剤を
含む場合、第2樹脂層の艶消し剤の含有量は、前記第1樹脂層の艶消し剤の含有量より少
ないことが好ましい。第2樹脂層の艶消し剤の含有量を前記第1樹脂層の艶消し剤の含有
量より少なくすることで、第2樹脂層の艶を第1樹脂層の艶より高くし、優れた意匠性を
得ることが容易となる。第2樹脂層に用いられる艶消し剤としては、第1樹脂層で挙げた
ものと同様のものを使用することができる。艶消し剤の添加量は、第2樹脂層を形成する
樹脂組成物基準(溶剤を除く)で好ましくは0.5~20質量%、より好ましくは1~1
5質量%である。なお、第2樹脂層の艶消し剤の含有量が前記第1樹脂層の艶消し剤の含
有量より少ないとは、第2樹脂層を形成する樹脂組成物の固形分の単位質量当たりに含ま
れる艶消し剤の質量が、第1樹脂層を形成する樹脂組成物の固形分の単位質量当たりに含
まれる艶消し剤の質量より小さいことをいう。
絵柄模様層が存在する場合には、絵柄模様層の絵柄に対して第2樹脂層が同調して設け
られていることが好ましい。絵柄模様層と、第2樹脂層とが同調している構成とすること
により、より意匠性に優れた化粧シートとすることができる。具体的には、図1に示され
るように、絵柄模様層の絵柄が形成されていない部分に第2樹脂層が同調した構成であっ
てもよいし、逆に絵柄模様層の絵柄が形成されている部分に第2樹脂層が同調した構成で
あってもよい。
本発明の化粧シートでは、前記絵柄模様層が木目柄であり、木目の冬目模様及び/又は
導管模様以外の部分の上に、第1樹脂層より高い艶を有する第2樹脂層が設けられている
ことが好ましい。これにより、木目の冬目模様及び/又は導管模様部分の艶が低くなるた
め、天然木に近似した優れた意匠性を得ることができる。上記のような第2樹脂層を形成
するには、前記絵柄模様層と同じ木目の冬目模様及び/又は導管模様を反転させた状態(
つまりネガ状態)の版を使用し、公知の印刷方法を用いて印刷することが好ましい。印刷
方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等が好ましい。
なお、第2樹脂層は、透明性を有する限り着色されていてもよいが、特に着色剤を配合
しないほうが望ましい。
第2樹脂層の厚みは、通常は0.5~10μm程度であるが、化粧シートの用途等に応
じて上記範囲を超えてもよい。
なお、本発明の化粧シートを射出成形又は真空成形用途に使用する場合、化粧シートの
耐傷性を高めつつ三次元成形性を良好とする観点から、第2樹脂層を構成する電離放射線
硬化型樹脂としては、ポリカーボネート(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、第1樹脂層の項で説明したものと同様のもの
を使用することができる。
また、本発明の化粧シートを射出成形又は真空成形用途に使用する場合、化粧シートの
耐傷性を高めつつ三次元成形性を良好とする観点から、第2樹脂層を電離放射線硬化型樹
脂と熱可塑性樹脂との混合物により構成することも好ましい。熱可塑性樹脂の種類、及び
電離放射線硬化型樹脂と熱可塑性樹脂との好ましい混合比としては、第1樹脂層の項で説
明したものと同様のものが挙げられる。
凸部
本発明の化粧シートでは、第2樹脂層の上に樹脂及び有機粒子を含む凸部が形成されて
いる。本発明における凸部は、いわゆる盛上げ印刷層として、所望の意匠を表現するよう
に盛上げ印刷によって形成されることが好ましい。なお、本発明において、凸部とは、図
1に示すような断面模式図において凸形状で示される形態であり、例えば、化粧シート表
面において円錐状又は円柱状の突起が形成されている形態だけでなく、導管模様のような
、突起が線状に伸びて形成されている形態も含む。
本発明の化粧シートの凸部の高さは、優れた触感を発現させる観点から、好ましくは5
μm以上、より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは15μm以上、特に好ましく
は20μm以上である。また、凸部の高さの好ましい上限は50μmであり、より好まし
い上限は40μmである。凸部の高さの上限を上記範囲とすることにより、本発明の化粧
シートは優れた触感を示し、且つ、その触感を安定させることができる。なお、本明細書
において、凸部の高さは、化粧シートの断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、1
0点の測定値の平均値として算出した値である。
凸部を形成する樹脂は、凸部の変形を抑制し、所望の形状とする観点から、熱硬化型樹
脂、電離放射線硬化型樹脂(例えば、電子線硬化型樹脂)等の硬化型樹脂が好ましい。特
に電離放射線硬化型樹脂は、高い表面硬度、生産性等の観点から好ましい。
熱硬化型樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬
化型ポリウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿
素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン-尿素共縮
合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
上記樹脂には、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤を添加することができる。
例えば、硬化剤としてはイソシアネート、有機スルホン酸塩等を不飽和ポリエステル樹脂
、ポリウレタン樹脂等に添加することができ、有機アミン等をエポキシ樹脂に添加するこ
とができる。メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、及びアゾイソブチルニト
リル等のラジカル開始剤は、不飽和ポリエステル樹脂に添加することができる。
熱硬化型樹脂で凸部を形成する方法として、例えば、熱硬化型樹脂の溶液をロールコー
ト法、グラビアコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の塗布法で塗布し
、乾燥及び硬化させる方法が挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂は、電離放射線の照射により架橋重合反応を生じ、三次元の高分
子構造に変化する樹脂であれば限定されない。例えば、電離放射線の照射により架橋可能
な重合性不飽和結合又はエポキシ基を分子中に有するプレポリマー、オリゴマー及びモノ
マーの1種以上を使用することができる。このような電離放射線硬化型樹脂として、例え
ば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のアク
リレート樹脂;シロキサン等のケイ素樹脂;ポリエステル樹脂;エポキシ樹脂などが挙げ
られる。
電離放射線としては、可視光線、紫外線(近紫外線、真空紫外線等)、X線、電子線、
イオン線等があるが、この中でも、紫外線及び/又は電子線が望ましい。
紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラ
ックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長としては
、190~380nm程度である。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器
型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使
用できる。電子線のエネルギーとしては、100~1000keV程度が好ましく、10
0~300keV程度がより好ましい。電子線の照射量は、1~15Mrad程度が好ま
しく、1~10Mrad程度がより好ましく、3~5Mrad程度がさらに好ましくい。
電離放射線硬化型樹脂は電子線を照射すれば十分に硬化するが、紫外線を照射して硬化
させる場合には、光重合開始剤(増感剤)を添加することが好ましい。
電離放射線硬化型樹脂がラジカル重合性不飽和基を有する樹脂である場合には、光重合
開始剤として、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベン
ゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン
、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジエチルオキサイト、トリフェ
ニルビイミダゾール、イソプロピル-N,N-ジメチルアミノベンゾエート等の少なくと
も1種を使用することができる。また、電離放射線硬化型樹脂がカチオン重合性官能基を
有する樹脂である場合は、光重合開始剤として、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族
スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシス
ルホキソニウムジアリルヨードシル塩等の少なくとも1種を使用することができる。
光重合開始剤の添加量は特に限定されず、一般に電離放射線硬化型樹脂100質量部に
対して0.1~10質量部程度である。
電離放射線硬化型樹脂で凸部を形成する方法として、例えば、電離放射線硬化型樹脂の
溶液をロールコート法、グラビアコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等
の塗布法で塗布し、必要により乾燥させた後、電離放射線の照射により硬化させる方法が
挙げられる。
凸部は、平均粒子径が15~50μmの有機粒子を、凸部を形成する樹脂組成物の固形
分中50質量%以下の割合で含有することが好ましく、40質量%以下の割合で含有する
ことがさらに好ましい。上記有機粒子の含有量が50質量%以下である場合には、塗膜(
凸部)に有機粒子が均一に分布するため、触感が安定する。上記有機粒子の含有量が50
質量%を超えると、有機粒子が凝集し、凸部の高さが安定しないおそれがあり、凸部の透
明感が損なわれるため、意匠性が低下するおそれがある。上記有機粒子の含有量は、2質
量%であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。上記有機粒子の
含有量が2質量%未満であると触感が不十分となるほかに、凸部を形成する樹脂組成物の
チキソトロピック性が不十分となり、厚盛り印刷による凸部の形成が難しくなるおそれが
ある。
有機粒子としては特に限定されず、通常樹脂ビーズが用いられる。樹脂ビーズとしては
、例えば、アクリルビーズ、ウレタンビーズ、ナイロンビーズ、スチレンビーズ等が挙げ
られる。これらの中でも、凸部の白化の抑制、優れた触感の付与のほか、凸部の耐傷性を
高める観点からは、アクリルビーズ又はウレタンビーズを用いることが好ましく、アクリ
ルビーズを用いることが特に好ましい。また、優れた触感の付与、凸部の耐傷性を高める
観点からは、架橋型の樹脂ビーズを用いることが好ましい。架橋型の樹脂ビーズとして、
具体的には、架橋型アクリルビーズ、架橋型ウレタンビーズ等が挙げられる。
凸部が含有する上記有機粒子は、平均粒子径が15~50μmであることが好ましい。
上記有機粒子の平均粒子径は、20~35μmがより好ましい。有機粒子の平均粒子径が
15μm未満であると、優れた触感が得られないおそれがある。また、有機粒子の平均粒
子径が50μmを超えると、生産安定性が低下し、再現性よく所望の形状の凸部を形成す
ることが難しくなるおそれがある。本発明では、有機樹脂が均一に分布していることから
、凸部の高さが上記有機粒子の平均粒子径と近似している。凸部は、また、盛上げ印刷に
よって凸部を形成する場合、インキの転移安定性の観点から、上記有機粒子の平均粒子径
は版深の1/2以下とすることが好ましい。なお、本発明において、平均粒子径は、レー
ザー回折・散乱法により測定される値である。
本発明の化粧シートにおいては、前記第2樹脂層と前記凸部との艶(60°グロス値)
の差が5以下であることが好ましい。第2樹脂層と凸部との艶を近似させることで凸部を
目立ちにくくすることができ、これにより、第1樹脂層及び第2樹脂層によるグロスマッ
ト表現を損なうことなく凸部による触感を付与することが可能となる。
前記第2樹脂層と前記凸部との艶(60°グロス値)の差は、5を超えてもよい。第2
樹脂層と凸部との艶差をわずかにずらすことで、擬似的な3段階の諧調グロスマット表現
を作成することが可能となる。
前記凸部が設けられた面積が、前記第2樹脂層の面積の5~80%であることが好まし
く、7~50%であることがより好ましい。上記範囲で凸部を設けることで、より触感が
優れた化粧シートを得ることができる。ここで、凸部の断面が台形(図1参照)、円錐状
等のように凸部の上側の面と下側の面とで面積が異なる場合、凸部が設けられた面積は、
凸部において第2樹脂層と接触している面の面積のことをいう。
凸部は、第2樹脂層の上に形成されるが、凸部の少なくとも一部が第2樹脂層の上に形
成されていればよく、本発明の効果を阻害しない範囲で凸部の一部が第1樹脂層の上に直
接存在していてもよい。すなわち、凸部の一部は、第2樹脂層が設けられていない領域に
設けられていてもよい。また、凸部は第2樹脂層の模様に対して同調して設けられていて
もよく、第2樹脂層の模様と無関係に設けられていてもよい。視覚的な意匠感と触感との
組み合わせによって立体感をさらに高める観点から、凸部は第2樹脂層の模様に対して同
調して設けられていることが好ましい。
なお、本発明の化粧シートを射出成形又は真空成形用途に使用する場合、凸部の変形を
抑制し、所望の形状としつつ、三次元成形性を良好とする観点から、凸部を構成する電離
放射線硬化型樹脂としては、ポリカーボネート(メタ)アクリレートを用いることが好ま
しい。ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、第1樹脂層の項で説明したものと同様
のものを使用することができる。
また、本発明の化粧シートを射出成形又は真空成形用途に使用する場合、化粧シートの
耐傷性を高めつつ三次元成形性を良好とする観点から、凸部を電離放射線硬化型樹脂と熱
可塑性樹脂との混合物により構成することも好ましい。熱可塑性樹脂の種類、及び電離放
射線硬化型樹脂と熱可塑性樹脂との好ましい混合比としては、第1樹脂層の項で説明した
ものと同様のものが挙げられる。
着色隠蔽層
基材シート上には、必要に応じて着色隠蔽層を形成してもよい。着色隠蔽層は、基材シ
ート上に全面ベタ印刷層として形成される。着色隠蔽層は、例えば、顔料及び結着材樹脂
を含む層とすることができる。この着色隠蔽層は、例えば、着色剤、結着材樹脂及び溶剤
を含む印刷インキを使用し、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフ
セット印刷等の既知の印刷法により形成することができる。これらのインキは公知又は市
販のものを使用してもよい。
着色剤、結着材樹脂及び溶剤は、上述の絵柄模様層に用いられるものを使用することが
できる。また、着色隠蔽層の厚みは、1~10μm程度が好ましい。
プライマー層
基材シート、着色隠蔽層、絵柄模様層、第1樹脂層又は第2樹脂層の上には、密着性を
向上させること等を目的として、必要に応じてプライマー層を形成してもよい。
プライマー層に含有される樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビ
ニル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレ
ン等を使用することができる。特に、アクリル樹脂、塩素化ポリプロピレン等が好ましい
アクリル樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリ
ル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ
)アクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル-
(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸メチル共重合体、ス
チレン-(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルの単独重合
体又は前記(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体からなるアクリル樹脂が挙げられ
る。
ポリウレタンとは、ポリオール(多価アルコール)を主剤とし、イソシアネートを架橋
剤(硬化剤)とする組成物である。
ポリオールは、分子中に2個以上の水酸基を有するものである。ポリオールとして、例
えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリ
エステルポリオール、ポリエ-テルポリオール等が用いられる。
イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシア
ネートが用いられる。イソシアネートとして、例えば、2,4-トリレンジイソシアネー
ト、キシレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香
族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水
素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪
族(又は脂環族)イソシアネート等が用いられる。
プライマー層の厚みは限定的ではなく、0.1~10μm程度が好ましく、0.1~5
μm程度がより好ましい。
裏面プライマー層
基材シートの裏面(凸部が形成される面とは反対側の面)には、必要に応じて、裏面プ
ライマー層を設けてもよい。裏面プライマー層は、本発明の化粧シートと被着材とを積層
して化粧板を作製する際に効果的である。
裏面プライマー層は、公知のプライマー剤を基材シートに塗布することにより形成する
ことができる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂(アクリルウ
レタン系樹脂)等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、ウレタン-セルロース系樹脂(
例えば、ウレタンと硝化綿との混合物にヘキサメチレンジイソシアネートを添加してなる
樹脂)からなるプライマー剤、アクリルとウレタンとのブロック共重合体からなる樹脂系
プライマー剤等が挙げられる。プライマー剤には、必要に応じて、添加剤を配合してもよ
い。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム
等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が挙げられる。添加
剤の配合量は、製品特性に応じて適宜設定することができる。
プライマー剤の塗布量は特に限定されず、通常0.1~100g/m程度、好ましく
は0.1~50g/m程度である。また、裏面プライマー層の厚みは特に限定されず、
通常0.01~10μm程度であり、好ましくは0.1~1μm程度である。
2.化粧板
上記化粧シートを被着材上に貼着することにより、化粧板とすることができる。被着材
は限定的ではなく、公知の化粧板に用いられるものと同様のものを用いることができる。
上記被着材としては、例えば、木質材、金属、セラミックス、プラスチックス、ガラス等
が挙げられる。特に、上記化粧シートは、木質材に好適に使用することができる。木質材
としては、具体的には、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、メラピー等の各種素材から作
られた突板、木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)、チッ
プボード、又はチップボードが積層された複合基材等が挙げられる。上記木質材としては
、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)等を用いることが好ましい。
化粧シートを被着材上に貼着する方法は限定的でなく、被着材上に接着剤を介して化粧
シートを積層した後、加圧する方法等が通常採用される。接着剤は、被着材の種類等に応
じて公知の接着剤から適宜選択すればよい。例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、
塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、アイオノマー等のほ
か、ブタジエン-アクリロニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等が挙げられる。こ
れらの接着剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようにして製造された化粧板は、例えば、壁、天井、床等の建築物の内装材;バル
コニー、ベランダ等の外装材;窓枠、扉、手すり等の建具の表面化粧板又は家具;弱電、
OA機器等のキャビネットの表面化粧板等に用いることができる。
3.加飾樹脂成形品
本発明の化粧シートに成形樹脂を一体化させることにより、加飾樹脂成形品とすること
ができる。すなわち、本発明の加飾樹脂成形品は、成形樹脂層上に本発明の化粧シートが
積層された構成を有する。
本発明の加飾樹脂成形品は、本発明の化粧シートを用いて、例えば、インサート成形法
、射出成形同時加飾法、ブロー成形法、ガスインジェクション成形法等の各種射出成形法
により作製される。これらの射出成形法の中でも、インサート成形法及び射出成形同時加
飾法が好ましい。また、本発明の加飾樹脂成形品は、真空圧着法等の、予め用意された立
体的な樹脂成形体(成形樹脂層)上に、本発明の化粧シートを貼着する加飾方法によって
も作製することができる。
本発明の加飾樹脂成形品において、成形樹脂層は、用途に応じた樹脂を選択して形成す
ればよい。成形樹脂層を形成する成形樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよく、また熱硬化
性樹脂であってもよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂
、アクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独
で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、熱硬化性樹脂と
しては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は
、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
4.化粧シートの製造方法
化粧シートの製造方法としては、例えば、基材シートの上に絵柄模様層、第1樹脂層及
び第2樹脂層をこの順に形成し、第2樹脂層の上に樹脂を含む凸部を形成する製造方法が
挙げられる。
例えば、基材シートの上に、絵柄模様層を形成するための樹脂組成物を、グラビア印刷
、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等の既知の印刷法により塗布し
て模様を印刷した後、第1樹脂層を形成するための樹脂組成物を、グラビア印刷、フレキ
ソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等の既知の印刷法により塗布して第1樹
脂層を形成し、第1樹脂層の上にグラビア印刷、スクリーン印刷等の既知の印刷法により
パターン印刷して第2樹脂層を形成し、第2樹脂層の上に凸部を形成する方法が挙げられ
る。熱硬化型樹脂で凸部を形成する方法は、例えば、熱硬化型樹脂の溶液をロールコート
法、グラビアコート法等の塗布法で塗布し、乾燥及び硬化させる方法が挙げられる。また
、電離放射線硬化型樹脂で凸部を形成する方法として、例えば、電離放射線硬化型樹脂の
溶液をグラビアコート法、ロールコート法等の塗布法で塗布し、電離放射線を照射する方
法が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に
限定されない。
実施例1
基材シートとして、建材用着色薄紙原紙(王子エフテックス株式会社製 U-FLEX
30)を用意し、その片面に、アクリル系樹脂に着色剤が配合されたインキを用いてグラ
ビア印刷法で厚み7μmの着色層を塗工し、その上にアルキッド系樹脂及びニトロセルロ
ース系樹脂に着色剤が配合されたインキを用いてグラビア印刷法で厚み4μmの木目柄の
絵柄模様層を塗工した。なお、木目柄は冬目部分が濃色となるようパターンを形成した。
次いで、アクリルポリオール樹脂71質量%及び艶消し剤としてシリカ粒子(平均粒径
2μm)29質量%を含む主剤と、硬化剤であるヘキサメチレンジイソシアネートとから
なる2液硬化型アクリルウレタン樹脂組成物(昭和インク工業株式会社製「TSU」)を
用い、絵柄模様層の全面にグラビア印刷して厚み5μmの第1樹脂層を形成した。なお、
第1樹脂層は艶が1.0(60°グロス)となるよう設定した。
次いで、艶消し剤であるシリカ粒子(平均粒径2μm)6質量%、アクリルポリオール
樹脂94質量%を含む主剤と、硬化剤であるヘキサメチレンジイソシアネートとからなる
2液硬化型アクリルウレタン樹脂組成物(昭和インク工業株式会社製「FW-NT」)を
用い、絵柄模様層の木目柄の冬目部分を除いたパターンにて木目柄と同調するようにグラ
ビア印刷して厚み5μmの第2樹脂層を形成した。なお、第2樹脂層は、艶が後述の凸部
の艶値に対して+3.1(60°グロス)となるよう設定した。
次いで、アクリルポリオール樹脂と硬化剤であるヘキサメチレンジイソシアネートとを
主成分とする2液型アクリルウレタン樹脂を75質量%、及び有機粒子としてアクリルビ
ーズ(平均粒径20μm、粒度分布10~80μm)を25質量%含むインキを使用し、
版深90μmのパターン版を用いた盛上げ印刷により塗工して凸部を形成した。盛上げパ
ターンは前述の第2樹脂層が塗工されたパターン上に対し、面積比として25%となるよ
うに形成した。
最後に、70℃で24時間の養生を行い、化粧シートを得た。
実施例2~6及び比較例1
第2樹脂層及び凸部を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして実施例2~
6及び比較例1の化粧シートを得た。
第2樹脂層は、艶消し剤であるシリカ粒子の量を下記表1に記載の濃度とし、残量がア
クリルポリオールからなる樹脂を主剤とし、ヘキサメチレンジイソシアネートを硬化剤と
した2液硬化型アクリルウレタン樹脂組成物を用い、絵柄模様層の木目柄の冬目部分を除
いたパターンにて木目柄と同調するようにグラビア印刷して厚み5μmの第2樹脂層を形
成した。なお、第2樹脂層は、艶が後述の凸部の艶値に対し、約+5以下となるようにシ
リカ粒子の量を調整した。
凸部は、アクリルポリオール樹脂と硬化剤であるヘキサメチレンジイソシアネートとを
主成分とする2液型アクリルウレタン樹脂を用い、下記表1に記載の粒子を含むインキを
使用し、版深90μmのパターン版を用いた盛上げ印刷により塗工して凸部を形成した。
盛上げパターンは前述の第2樹脂層が塗工されたパターンに対し、面積比として25%と
なるように形成した。
比較例2
凸部を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして比較例2の化粧シートを得た。
上記実施例1~6及び比較例1~2の化粧シートについて、下記の評価を行った。
凸部高さ
優れた触感を得られる構成になっていることを確認するため、化粧シートの断面を走査
型電子顕微鏡(SEM)で観察して、凸部の垂直高さを測定した。10点測定して、その
平均値を算出した。なお、触感が得られる凸部の垂直高さの目安は5μm程度である。
粒子転移状態
化粧シートの表面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、凸部に含まれる粒子の
転移状態を以下の基準で判定した。
○:粒子がほぼ1つ1つ独立して転移している状態である。
△:粒子が密集して転移している状態である。
×:粒子が凝集している状態である。
白濁感
蛍光灯(パナソニック株式会社製 演色AA昼光色、D6500K)の光源下にて、盛
上げウレタン塗工部を目視て確認し、下記の基準に従い評価した。
◎:白濁感を感じないもの
○:わずかに白濁感があるが、全体意匠に対して違和感を感じないもの
△:白濁感があり、全体意匠に対してやや違和感を感じるもの
×:強い白濁感を感じるもの

凸部を形成するインキ、又は第2樹脂層を形成するインキを別々に、実施例1と同様に
して基材シート上に、絵柄模様層及び第1樹脂層がこの順に形成された積層体の第1樹脂
層の上に塗工し、村上色彩技術研究所製 携帯用光沢計を使用して各層の光沢値を測定し
た。なお、塗工厚みは、前述の盛上げ層及び第2樹脂層と同様に設定した。
意匠効果
蛍光灯(パナソニック株式会社製 演色AA昼光色、D6500K)の光源下にて、シ
ート全体を目視で確認し、下記の基準に従い評価した。
◎:導管部のグロスマット効果が十分に確認され、かつグロス部分における盛上げ塗工層
に違和感がないもの
○:導管部のグロスマット効果が確認され、かつグロス部分における盛上げ塗工層に違和
感が少ないもの
△:導管部のグロスマット効果が確認され、かつグロス部分における盛上げ塗工層にやや
違和感が感じられるもの
×:導管部のグロスマット効果が弱く、かつグロス部分における盛上げ塗工層に強い違和
感があるもの
Figure 2022031427000002
実施例7
基材層としてのABS樹脂フィルム(厚み400μmm)上に、塩化ビニル-酢酸ビニ
ル-アクリル系共重合体樹脂を含むインキを用いて、グラビア印刷により木目柄の絵柄模
様層(厚み5μm)を形成した。なお、木目柄は冬目部分が濃色となるようパターンを形
成した。
次に、絵柄模様層の上に後述の樹脂組成物を用いて、グラビア印刷により第1樹脂層(
厚み3μm)を全面に形成した。次に、第1樹脂層の上に、後述の樹脂組成物を用いて、
絵柄模様層の木目柄の冬目部分を除いたパターンにて木目柄と同調するようにグラビア印
刷して第2樹脂層(厚み3μm)をパターン状に形成した。次に、第2樹脂層の上に、後
述の樹脂組成物を用いて、版深90μmのパターン版を用いた盛上げ印刷により塗工して
凸部を形成した。
最後に、凸部側から電子線を照射(加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mr
ad))して、第1樹脂層、第2樹脂層及び凸部を硬化して化粧シートを得た。
(第1樹脂層を形成する樹脂組成物)
・2官能ポリカーボネートウレタンアクリレート(重量平均分子量10,000) 73
質量%
・4官能ウレタンアクリレート(重量平均分子量6,000) 4質量%
・シリカ粒子(平均粒子径1.3μm) 23質量%
(第2樹脂層を形成する樹脂組成物)
・2官能ポリカーボネートウレタンアクリレート(重量平均分子量10,000) 86
質量%
・4官能ウレタンアクリレート(重量平均分子量6,000) 5質量%
・ウレタンビーズ(平均粒子径3μm) 9質量%
(凸部を形成する樹脂組成物)
・2官能ポリカーボネートウレタンアクリレート(重量平均分子量10,000) 76
質量%
・4官能ウレタンアクリレート(重量平均分子量6,000) 4質量%
・ウレタンビーズ(平均粒径25μm、粒度分布10~100μm) 20質量%
実施例8~10
凸部を形成する樹脂組成物に含まれる粒子の種類、平均粒径及び粒度分布、並びに粒子
濃度を表2のように変更した以外は実施例7と同様にして化粧シートを得た。
上記実施例7~10の化粧シート、又は下記のようにして製造した加飾樹脂成形品につ
いて、下記の評価を行った。
加飾樹脂成形品の製造
化粧シートを180℃に加熱し、真空成形型を用いて真空成形(予備成形)を行い、成
形シートを得た。得られた成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を型締めし、基
材層側から流動状態のABS樹脂を型内に射出し、そのまま冷却して固化させることによ
り、表面に化粧シートが一体化された加飾樹脂成形品を得た。
表面粗さ
各化粧シート及び加飾樹脂成形品の表面の十点平均粗さRzjis(JIS B0601:2001)を、
接触式表面粗さ計(株式会社東京精密製 ハンディサーフE-35A)を用いて測定した。な
お、触感が得られる十点平均粗さの目安は5μm程度である。
粒子転移状態及び白濁感
各化粧シートについて、実施例1~6及び比較例1~2の場合と同様に評価を行った。
意匠効果
各加飾樹脂成形品について、実施例1~6及び比較例1~2の場合と同様に評価を行っ
た。
Figure 2022031427000003
1.化粧シート
2.基材シート
3.絵柄模様層
4.第1樹脂層
5.第2樹脂層
6.凸部

Claims (1)

  1. 基材シート上に、艶消し剤を含有する第1樹脂層、前記第1樹脂層上に部分的に設けら
    れた第2樹脂層、並びに前記第2樹脂層上に設けられた樹脂及び有機粒子を含む凸部をこ
    の順に有する化粧シート。
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