JP2019177524A - 化粧材 - Google Patents

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小笠原 健
Takeshi Ogasawara
健 小笠原
一葉 比嘉
Kazuha Higa
一葉 比嘉
祥太 西根
Shota Nishine
祥太 西根
紘己 藤井
Hiroki Fujii
紘己 藤井
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Abstract

【課題】線状絵柄を視覚及び触感の両方で認識できる、より立体的な意匠性を備えた化粧材を提供すること。【解決手段】化粧材1は、基材10と、基材10に積層され、少なくとも線状に形成された線状絵柄20aを含む絵柄模様層20と、当該化粧材を法線方向から見た平面視において、絵柄模様層20の線状絵柄20aにおける輪郭の少なくとも一部に沿って延在する触感付与層50と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、化粧材に関する。
従来、建築物の壁材、間仕切り、家具等の表面化粧に使用される建材として、例えば、天然の木材と同じ木目調の図柄が印刷された化粧材が用いられている。この種の化粧材には、平面的な意匠性だけでなく、立体的な意匠性も求められている。そのために、例えば、表面に高艶(グロス)部分と低艶(マット)部分とを形成して、コントラスト差による視覚的な立体感を得るようにした化粧材が知られている。また、化粧材の表面に部分的に盛上げ部を設けて、人が化粧材の表面に触れたときに、天然の木材に触れたような自然な触感を得るようにした化粧材が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2015−171810号公報 特開2015−171811号公報
上述した従来の化粧材は、表面に盛上げ部がランダムに配置されているため、例えば、木目の導管模様を凹部として視識することが難く、また導管模様と同調した自然な触感を再現することも難しいという課題があった。そのため、木目の導管模様のような線状絵柄を、視覚及び触感の両方で認識できる、より立体的な意匠性を備えた化粧材が求められている。
本発明の目的は、線状絵柄を視覚及び触感の両方で認識できる、より立体的な意匠性を備えた化粧材を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜に改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
第1の発明は、基材(10)と、前記基材に積層され、少なくとも線状に形成された線状絵柄(20a)を含む絵柄模様層(20)と、当該化粧材を法線方向から見た平面視において、前記絵柄模様層の前記線状絵柄における輪郭の少なくとも一部に沿って延在する触感付与層(50)と、を備える化粧材(1)に関する。
第2の発明は、第1の発明の化粧材であって、前記触感付与層は、当該化粧材を法線方向に平行な断面から見た断面視において、前記絵柄模様層よりも隆起している化粧材(1)に関する。
第3の発明は、第1又は第2の発明の化粧材であって、前記触感付与層は、樹脂(51)及び前記樹脂に練り込まれたフィラー(52)を備える化粧材(1)に関する。
第4の発明は、第1から第3までのいずれかの発明の化粧材であって、前記絵柄模様層の前記線状絵柄は、木目の導管を模した絵柄である化粧材に関する。
第5の発明は、第1から第4までのいずれかの発明の化粧材であって、前記絵柄模様層に積層され、当該化粧材を法線方向から見た平面視において、前記線状絵柄に対応する位置に設けられた透明な低艶の樹脂層(40)と、少なくとも前記触感付与層及び前記樹脂層の表面を覆う表面保護層(60)と、を備える化粧材(1)に関する。
第6の発明は、第1から第4までのいずれかの発明の化粧材であって、前記絵柄模様層に積層された透明な高艶の保護層(60)を備え、前記触感付与層は、前記保護層に積層されている化粧材(1A)に関する。
第7の発明は、第1から第4までのいずれかの発明の化粧材であって、前記絵柄模様層に積層された透明な低艶の第1保護層(70)と、前記第1保護層上において、前記絵柄模様層の前記線状絵柄に対応する領域以外の領域に設けられた透明な高艶の第2保護層(80)と、を備え、前記触感付与層は、前記第2保護層上に設けられている化粧材(1B)に関する。
本発明によれば、線状絵柄を視覚及び触感の両方で認識できる、より立体的な意匠性を備えた化粧材を提供することができる。
第1実施形態における化粧材1の一部を示す斜視図である。 第1実施形態における化粧材1のX−Z平面における断面図である。 第2実施形態における化粧材1Aの一部を示す斜視図である。 第2実施形態における化粧材1AのX−Z平面における断面図である。 第3実施形態における化粧材1Bの一部を示す斜視図である。 第3実施形態における化粧材1BのX−Z平面における断面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る化粧材の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、本発明に係る化粧材の構成を模式的に示した図である。そのため、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜に誇張している。
また、各図には、X−Y−Z又はX−Zの互いに直交する座標系を記載した。この座標系においては、化粧材1を図1の配置で見たときの一方の方向をX方向とし、このX方向と直交する他方の方向をY方向とする。また、化粧材1において、X−Y平面と直交する厚さ方向(法線方向)をZ方向とする。
なお、本明細書中に記載する数値、形状、材料等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜に選択して使用してもよい。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における化粧材1の一部を示す斜視図である。図2は、第1実施形態における化粧材1のX−Z平面における断面図である。
図1に示すように、第1実施形態の化粧材1は、基材10、絵柄模様層20、プライマー層30、低艶絵柄層40、触感付与層50及び表面保護層60を備える。
基材10は、化粧材1のベースとなる部材である。基材10としては、例えば、各種の紙材、プラスチックフィルム、プラスチックシート等を、用途に応じて適宜に選択できる。これらの材料は、それぞれ単独で使用してもよいが、紙同士の複合体、紙とプラスチックフィルムとの複合体等、任意の組合せによる積層体でもよい。
基材10として、特にプラスチックフィルム、プラスチックシートを用いる場合、基材10の上に設けられる層との密着性を高めるために、必要に応じて、片面又は両面に酸化法、凹凸化法等の物理的又は化学的な表面処理を施してもよい。
上記酸化法としては、例えば、コロナ放電処理法、クロム酸化処理法、火炎処理法、熱風処理法、オゾン及び紫外線処理法等が挙げられる。上記凹凸化法としては、例えば、サンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。
これらの表面処理は、基材10の種類に応じて適宜に選択されるが、一般的にはコロナ放電処理法が好ましく用いられる。また、基材10は、プライマー層を形成するための他の処理を施してもよいし、色彩を整えるための塗装、デザイン的な観点での模様等があらかじめ形成されていてもよい。
基材10として用いられる紙材としては、例えば、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙等が挙げられる。これらの紙材には、更にアクリル樹脂、スチレンブタジエンゴム、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等を添加(抄造後に樹脂含浸又は抄造時に内填)させてもよい。例えば、紙間強化紙、樹脂含浸紙等である。
これらのほか、リンター紙、板紙、石膏ボード用原紙、紙の表面に塩化ビニル樹脂層を設けたビニル壁紙原反等、建材分野で使われることの多い各種紙が挙げられる。更には、事務分野、通常の印刷、包装等に用いられるコート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙、和紙等を用いることもできる。また、これらの紙とは区別されるが、紙に似た外観と性状を持つ各種繊維の織布、不織布も基材10として使用できる。各種繊維としては、ガラス繊維、石綿繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭素繊維等の無機質繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維等の合成樹脂繊維が挙げられる。
基材10として用いられるプラスチックフィルム又はプラスチックシートとしては、各種の合成樹脂からなるものが挙げられる。合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリアクリル酸ブチル樹脂、ナイロン6又はナイロン66等に代表されるポリアミド樹脂、三酢酸セルロース樹脂、セロファン、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
基材10の厚さについては、特に制限されない。基材10として、プラスチックを素材とするフィルム又はシートを用いる場合、厚さは、例えば、20〜150μm程度、好ましくは30〜100μmの範囲である。また、基材10として、紙材を用いる場合には、坪量として、例えば、20〜150g/m程度、好ましくは30〜100g/m程度である。
絵柄模様層20は、基材10の一方の面(図1では、Z方向の上側の面)に形成された模様の層である。絵柄模様層20は、例えば、基材10の上に直接、印刷することにより形成できる。本実施形態において、絵柄模様層20は、木目を模した絵柄を有する。絵柄模様層20は、線状に形成された線状絵柄としての導管部20aを有する。導管部20aは、木目の導管を模した絵柄である。後述するように、化粧材1において、絵柄模様層20の導管部20aに対応する位置には、低艶を表現するための低艶絵柄層40が設けられる。
絵柄模様層20は、例えば、グラビア印刷法により着色層及び木目柄の絵柄層を塗工することにより形成される。その場合、着色層としては、アクリル系樹脂に着色剤が配合された混合物を使用できる。また、絵柄層には、アルキド系樹脂とニトロセルローズ系樹脂に着色剤が配合された混合物を使用できる。なお、絵柄模様層20は、印刷のほか、転写等により形成してもよい。
プライマー層30は、絵柄模様層20とその上に積層される低艶絵柄層40及び触感付与層50(後述)との密着性を高めるために設けられる層である。プライマー層30として用いられる樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の中でも、好ましくは、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記ウレタン樹脂としては、例えば、ポリオール(多価アルコール)を主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするポリウレタンを使用できる。ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であればよい。具体的には、ポリエステルポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。上記イソシアネートとしては、具体的には、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネート;4、4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(又は脂還族)イソシアネート等が挙げられる。
上記ウレタン樹脂の中でも、架橋後の密着性の向上等の観点から、好ましくは、ポリオールとしてアクリルポリオール、又は、ポリエステルポリオールと、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートとの組み合わせ;更に好ましくは、アクリルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートとの組み合わせ等が挙げられる。
上記アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体、又は、(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体等が挙げられる。(メタ)アクリル樹脂として、より具体的には、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらのアクリル樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂としては、例えば、アクリル−ウレタン(ポリエステルウレタン)ブロック共重合体系樹脂が挙げられる。また、硬化剤としては、前述した各種イソシアネートが用いられる。アクリル−ウレタン(ポリエステルウレタン)ブロック共重合体系樹脂におけるアクリルとウレタンとの比率は、例えば、アクリル/ウレタン比(質量比)として、9/1〜1/9の範囲、好ましくは8/2〜2/8の範囲が挙げられる。
プライマー層30の厚みは、例えば、0.1〜10μm程度、好ましくは1〜10μm程度が挙げられる。なお、プライマー層30は、絵柄模様層20と、後述する低艶絵柄層40及び触感付与層50との密着性を高くできる場合には省略してもよい。
低艶絵柄層40は、低艶を表現するための透明なマット(低艶)層である。低艶絵柄層40は、化粧材1を厚さ方向(Z方向)から見た平面視において、絵柄模様層20の導管部20aと対応する位置に設けられる。低艶絵柄層40を、絵柄模様層20の導管部20aと対応する位置に設けることにより、導管部20aが低艶化するため、より自然な導管模様の艶感が得られる。また、導管部20aが低艶化することにより、導管部20aが視覚的に凹部として認識されるため、より立体的な意匠性が得られる。なお、絵柄模様層20導管部20aには、対応する位置にすべて低艶絵柄層40が設けられることが望ましいが、対応する位置に低艶絵柄層40が設けられていない導管部20aがあってもよい。
低艶絵柄層40において、主剤となる樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂(2液硬化型ポリウレタン系樹脂を含む)、エポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン系樹脂、グアナミン系樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン系樹脂等が挙げられる。
上記樹脂に含める艶消し材としては、例えば、シリカ、アルミナ、カオリナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硝子等の無機系粒子、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、アミド系樹脂、尿素樹脂、珪素樹脂等の有機系粒子等が挙げられる。
触感付与層50は、化粧材1の表面に触感を付与して、より立体的な意匠性を持たせるための層である。触感付与層50は、図1に示すように、化粧材1を厚さ方向(法線方向)に平行な断面(X−Z面)から見た断面視において、絵柄模様層20よりも隆起している。また、図2に示すように、表面保護層60(後述)からの触感付与層50の高さhは、5μm以上であることが望ましい。高さhが5μm未満の場合、導管部20aが凹部であるような触感を付与しにくくなる。なお、高さhは、部分的に異なっていてもよい。
触感付与層50は、図1に示すように、化粧材1を厚さ方向(Z方向)から見た平面視において、導管部20a(絵柄模様層20)の輪郭に沿って延在するように形成されている。平面視において、導管部20aと触感付与層50との間隔s(図2参照)は、+/−0.5mm、好ましくは+/−0.2mmの範囲である。間隔sが+/−0.5mmを超えると、導管部20aと触感付与層50との同調性が損なわれるため、導管部20aが視覚的に凹部として認識し難くなる。また、間隔sが+/−0.2mmに満たないと、導管部20aが凹部であるような触感を付与しにくくなる。なお、間隔sは、部分的に異なっていてもよい。
触感付与層50は、図1に示すように、線状に形成された導管部20aの両側に形成されていてもよいし、導管部20aの一方の側に形成されていてもよい。また、触感付与層50は、導管部20aの輪郭の少なくとも一部に延在していればよく、触感付与層50が形成されていない導管部20aがあってもよい。触感付与層50の断面形状は、図1に示すような半楕円形に限らず、四角形等であってもよい。
触感付与層50は、バインダーとしての透明な樹脂51と、フィラー52とにより構成されている。
触感付与層50に含まれる樹脂51としては、例えば、熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂組成物等が挙げられる。これらのうち、特に、ベヒクル成分として、アクリル系、ポリエステル系、アクリルウレタン系、ウレタン系の樹脂で水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の官能基を有する樹脂に、硬化剤としてポリイソシアネートを添加した2液硬化型樹脂は、表面性能の維持及び製造コストの点から望ましい。
触感付与層50に含まれるフィラー52としては、例えば、アクリルビーズ等の有機粒子、水酸化アルミニウム、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、各種セラミックス等の無機粒子が挙げられる。フィラー52の平均粒径は、例えば、10〜30μm程度である。触感付与層50にフィラー52を含有させることにより、導管部20aに相当する部分の表面に、より自然な触感を付与できる。特に、フィラー52の粒径、形状を適宜に選択することにより、触感付与層50の艶を変更できる。
表面保護層60は、化粧材1の表面を保護するための透明なグロス(高艶)層である。表面保護層60は、プライマー層30、低艶絵柄層40及び触感付与層50の表面を覆っている。表面保護層60を形成する樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、水酸基官能性アクリル樹脂、カルボキシル官能性アクリル樹脂、アミド官能性共重合体、ウレタン樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート等のアクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリカードネート樹脂;塩化ビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂);アクリロニトリル−アクリル酸エステル樹脂等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂は、電子放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂である。具体的には、電離放射線硬化性樹脂は、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有する、プレポリマー、オリゴマー、モノマー等のうち、少なくとも1種を混合したものが挙げられる。なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合或いは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、一般的には紫外線、電子線等が用いられる。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるため、表面保護層60を形成するのに適している。
以上説明したように、第1実施形態の化粧材1は、導管部20a(絵柄模様層20)の輪郭に沿って触感付与層50が形成されているため、観察者には、導管部20aが視覚的に凹部として認識される。また、導管部20aの輪郭に沿って手を触れたときに、観察者には、その部分が凹部であるような触感が得られる。したがって、第1実施形態の化粧材1は、木目の導管模様のような線状絵柄を、視覚及び触感の両方で認識できる、より立体的な意匠性を備えている。
また、前述した従来の化粧材では、化粧材の表面に盛上げ部がランダムに配置されているため、立体的な意匠性に乏しいにも係わらず、樹脂の塗工量が多いという課題があった。しかし、第1実施形態の化粧材1は、導管部20aの輪郭に沿って触感付与層50が形成され、それ以外の領域に触感付与層50は形成されていない。そのため、第1実施形態の化粧材1は、より立体的な意匠性を備えつつ、触感付与層50を形成する樹脂の塗工量を削減できる。
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態における化粧材1Aの一部を示す斜視図である。図4は、第2実施形態における化粧材1AのX−Z平面における断面図である。
第2実施形態の化粧材1Aは、触感付与層50を含む層構成が第1実施形態と相違する。第2実施形態の化粧材1Aにおいて、その他の構成は、第1実施形態と同じである。そのため、第2実施形態の説明及び図面において、第1実施形態と同等の部材等には、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図3に示すように、第2実施形態の化粧材1Aは、基材10上に、絵柄模様層20、表面保護層60及び触感付与層50が、この順に積層されている。なお、「この順に積層」とは、直接積層のみならず、間接的な積層も含むことを意味する。本実施形態では、例えば、表面保護層60と触感付与層50との間に、他の層があっても許容することを意味する。
第2実施形態の触感付与層50は、図3に示すように、化粧材1を厚さ方向(法線方向)に平行な断面(X−Z面)から見た断面視において、絵柄模様層20(及び表面保護層60)よりも隆起している。図4に示すように、断面視において、表面保護層60からの触感付与層50の高さhは、第1実施形態と同じでよい。
また、触感付与層50は、化粧材1Aを厚さ方向(法線方向)から見た平面視において、導管部20a(絵柄模様層20)の輪郭に沿って延在するように形成されている。図4に示すように、平面視において、導管部20a(絵柄模様層20)と触感付与層50との間隔sは、第1実施形態と同じでよい。
第2実施形態の化粧材1Aにおいても、第1実施形態と同様に、木目の導管模様における、自然な触感を再現できる、より立体的な意匠性を備えている。第2実施形態の化粧材1Aは、表面保護層60の上に触感付与層50を形成するため、触感付与層50の盛り上げ感をより高めることができる。また、第2実施形態の化粧材1Aは、第1実施形態に比べて層構成が単純なため、製造コストを低減できる。
第2実施形態の化粧材1Aにおいて、金属等の接触により削られるのは、主に表層の触感付与層50となり、その下層に存在する表面保護層60は削られにくくなる。同様に、第2実施形態の化粧材1Aにおいて、汚れ等が付着するのは、主に表層の触感付与層50となり、その下層に存在する表面保護層60には付着しにくくなる。そのため、第2実施形態の化粧材1Aは、傷が付きにくく、また汚れも目立ちにくい。
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態における化粧材1Bの一部を示す斜視図である。図6は、第3実施形態における化粧材1BのX−Z平面における断面図である。
第3実施形態の化粧材1Bは、触感付与層50を含む層構成が第1実施形態と相違する。第3実施形態の化粧材1Bにおいて、その他の構成は、第1実施形態と同じである。そのため、第3実施形態の説明及び図面において、第1実施形態と同等の部材等には、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図5に示すように、第3実施形態の化粧材1Bは、基材10上に、絵柄模様層20、第1保護層70、第2保護層80、触感付与層50が、この順に積層配置されている。なお、先に述べたように、「この順に積層」とは、直接積層のみならず、間接的な積層も含むことを意味する。本実施形態では、例えば、第1保護層70と第2保護層80との間に、他の層があっても許容することを意味する。
第1保護層70は、低艶を表現するための透明なマット(低艶)層である。第1保護層70は、絵柄模様層20上の全面に形成される。第1保護層70を形成する樹脂は、例えば、第1実施形態の低艶絵柄層40を形成する樹脂と同じでよい。
第2保護層80は、高艶を表現するための透明なグロス(高艶)層である。第2保護層80は、図5に示すように、絵柄模様層20の導管部20aに対応する領域(以下、「抜き取り領域」ともいう)80aを除いて形成されている。すなわち、第2保護層80は、絵柄模様層20の導管部20a上には形成されておらず、代わりに抜き取り領域80aが開口している。化粧材1Bは、抜き取り領域80aにおいて導管部20aが露出することにより、表面に木目柄の一部が表現される。
第2保護層80を形成する樹脂は、例えば、第1実施形態の表面保護層60を形成する樹脂と同じでよい。
第3実施形態の触感付与層50は、図6に示すように、化粧材1を厚さ方向(法線方向)に平行な断面(X−Z面)から見た断面視において、絵柄模様層20(及び第2保護層80)よりも隆起している。図6に示すように、断面視において、第2保護層80からの触感付与層50の高さhは、第1実施形態と同じでよい。
また、触感付与層50は、化粧材1Bを厚さ方向(法線方向)から見た平面視において、導管部20a(絵柄模様層20)の輪郭に沿って延在するように形成されている。図6に示すように、平面視において、導管部20a(絵柄模様層20)と触感付与層50との間隔sは、第1実施形態と同じでよい。
第3実施形態の化粧材1Bにおいても、第1実施形態と同様に、木目の導管模様における、自然な触感を再現できる、より立体的な意匠性を備えている。第3実施形態の化粧材1Bは、第2保護層80の上に触感付与層50を形成するため、触感付与層50の盛り上げ感をより高めることができる。
第3実施形態の化粧材1Bにおいて、第2保護層80は、絵柄模様層20の導管部20aに対応する抜き取り領域80aを除いた領域に設けられている。すなわち、導管部20aに対応する抜き取り領域80aには、透明な低艶層である第1保護層70が露出している。これによれば、導管部20aは、第1保護層70により低艶化するため、化粧材1Bにおいて、より自然な導管模様の艶感を得ることができる。また、導管部20aが低艶化することにより、導管部20aが視覚的に凹部として認識されるため、化粧材1Bにおいて、より立体感のある意匠性を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内に含まれる。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述の実施形態及び後述する変形形態は、適宜に組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
実施形態では、触感付与層50を透明とする例について説明したが、これに限定されない。触感付与層50は、樹脂に顔料を混ぜる等の手法により、化粧材に必要な意匠に応じて着色してもよい。これにより、例えば、実際の木をペンキで補修したようなペイント調の意匠性を得ることもできる。
本実施形態では、線状模様として、木目の導管模様を例として説明したが、これに限定されない。線状模様は、例えば、タイル柄、レンガ柄、羽目板(ピーリング)柄、突付けの木貼り面等の目地、溝等であってもよい。
実施形態では、触感付与層50を樹脂51及びフィラー52により構成する例について説明したが、これに限定されない。樹脂51のみで触感付与層50の盛り上げ感を実現できる場合には、フィラー52を入れず、触感付与層50を樹脂51のみで形成してもよい。なお、触感付与層50にフィラー52を添加することにより、触感付与層50の盛り上げ(嵩上げ)がしやすくなるため、生産性を向上させることができる。
本発明に係る化粧材は、建築物の壁材(外装材、内装材)、床材、天井材、間仕切り等の建築物の部材、扉、扉枠、窓枠等の建具の表面化粧材、鴨居、敷居、腰壁、廻縁等の造作部材、机、食器棚、箪笥等の家具、室内装飾品等のほか、自動車、鉄道車両、船舶、航空機等の乗り物の室内用又は室外(外装)用カバー材、各種家電製品、事務機器等の表面化粧材、各種標識、屋外広告等のパネル材等にも適用できる。
1,1A,1B:化粧材、10:基材、20:絵柄模様層、20a:導管部、30:プライマー層、40:低艶絵柄層、50:触感付与層、51:樹脂、52:フィラー、60:表面保護層、70:第1保護層、80:第2保護層、80a:抜き取り領域

Claims (7)

  1. 基材と、
    前記基材に積層され、少なくとも線状に形成された線状絵柄を含む絵柄模様層と、
    当該化粧材を法線方向から見た平面視において、前記絵柄模様層の前記線状絵柄における輪郭の少なくとも一部に沿って延在する触感付与層と、
    を備える化粧材。
  2. 請求項1に記載の化粧材であって、
    前記触感付与層は、当該化粧材を法線方向に平行な断面から見た断面視において、前記絵柄模様層よりも隆起している、化粧材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の化粧材であって、
    前記触感付与層は、樹脂及び前記樹脂に練り込まれたフィラーを備える、化粧材。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の化粧材であって、
    前記絵柄模様層の前記線状絵柄は、木目の導管を模した絵柄である、化粧材。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の化粧材であって、
    前記絵柄模様層に積層され、当該化粧材を法線方向から見た平面視において、前記線状絵柄に対応する位置に設けられた透明な低艶の樹脂層と、
    少なくとも前記触感付与層及び前記樹脂層の表面を覆う表面保護層と、
    を備える、化粧材。
  6. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の化粧材であって、
    前記絵柄模様層に積層された透明な高艶の保護層を備え、
    前記触感付与層は、前記保護層に積層されている、化粧材。
  7. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の化粧材であって、
    前記絵柄模様層に積層された透明な低艶の第1保護層と、
    前記第1保護層上において、前記絵柄模様層の前記線状絵柄に対応する領域以外の領域に設けられた透明な高艶の第2保護層と、を備え、
    前記触感付与層は、前記第2保護層上に設けられている、化粧材。
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