JP2022028399A - 押出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】棚板の上に配置された物品を棚板の奥行方向の前方に安定して押し出すことができ、物品の大きさの変更や位置の変更に柔軟に対応することが可能な押出装置を提供する。【解決手段】棚板40の上に配置された物品を棚板40の奥行方向の前方(X軸正方向)に押し出す押出部10と、その押出部10を奥行方向の前方へ付勢する弾性部材20と、棚板40に着脱自在に取り付けられて奥行方向に延びる片側レール30とを備える押出装置1。押出部10は、棚板40の幅方向(Y軸方向)の一端が片側レール30に係合して奥行方向に移動可能に支持される。弾性部材20は、奥行方向の後方(X軸負方向)へ移動させた押出部10を奥行方向の前方へ付勢するように、奥行方向の前端部が片側レール30の前端部に固定され、奥行方向の後端部が押出部10に支持されている。【選択図】図1
Description
本開示は、押出装置に関する。
従来から店舗等で商品を陳列するための商品陳列スタンドと、当該商品陳列スタンドと陳列スペースを仕切るための仕切板とを備えた商品陳列ユニットに関する発明が知られている(下記特許文献1を参照)。
特許文献1に記載された商品陳列スタンドは、商品を陳列する陳列棚上において、陳列スペースを仕切るための仕切板の間に設置され、陳列商品の背面を受ける。この商品陳列スタンドは、仕切板と係合するための係合部材を備えており、係合部材によって仕切板と係合した状態で、当該仕切板に沿って移動可能である(同文献、要約、第0006段落、請求項1等)。
特許文献1に記載された商品陳列ユニットにおいて、商品陳列スタンドは、陳列棚に補助レールおよびばねが設けられている。この商品陳列スタンドは、両端に固定された一対の係合部材が商品陳列スタンドの両側の一対の仕切板と係合するか、片側の係合部材が片側の仕切板に係合する(同文献、図1、第0017段落-第0018段落等)。
また、奥行方向に物品が配列され、最前列の物品が棚上から取り去られると2列目にあった物品を最前列へと送る機能を有する物品前出し器具に関する考案が知られている(下記特許文献2を参照)。
特許文献2に記載された物品前出し器具は、載置物品を前方に付勢する可動部を有する物品前出しユニットが連結バーを介して複数連結されてなる。この物品前出し器具は、連結バーが、物品前出しユニットに設けられたガイド部に対し着脱可能に挿入されている(同文献、要約、第0007段落、請求項1等)。
特許文献2に記載された物品前出し器具において、物品前出しユニットの本体は、一対のレールと、物品前出しユニットの前端および後端に設けられたガイド部と、巻きばねを係止するための突起とを有している(同文献、第0014段落、図1等)。可動部は、レールに沿って移動可能に設けられ、レールの切欠きを通して物品前出しユニットの本体に装着される(同文献、第0019段落、図1~2等)。
上記特許文献1に記載のように、商品陳列スタンドの両端に固定された一対の係合部材が商品陳列スタンドの両側の一対の仕切板と係合する構成では、商品の幅の変更に柔軟に対応できない。また、商品陳列スタンドの片側の係合部材が片側の仕切板に係合する構成では、補助レールおよびばねが陳列棚上に設けられるため、商品陳列スタンドの位置の変更が困難である。
同様に、上記特許文献2に記載のように、載置物品を前方に付勢する可動部が物品前出しユニットの本体に設けられたレールの切欠きを通して本体に装着される構成では、可動部の位置の変更が困難であり、載置物品の大きさや位置の変更に柔軟に対応できない。
本開示は、棚板の上に配置された物品を棚板の奥行方向の前方に安定して押し出すことができ、物品の大きさの変更や位置の変更に柔軟に対応することが可能な押出装置を提供する。
本開示の一態様は、棚板の上に配置された物品を前記棚板の奥行方向の前方に押し出す押出部と、前記押出部を前記奥行方向の前方へ付勢する弾性部材と、を備えた押出装置であって、前記棚板に着脱自在に取り付けられて前記奥行方向に延びる片側レールを備え、前記押出部は、前記棚板の幅方向における一端が前記片側レールに係合して前記奥行方向に移動可能に支持され、前記弾性部材は、前記奥行方向の後方へ移動させた前記押出部を前記奥行方向の前方へ付勢するように、前記奥行方向の前端部が前記片側レールの前端部に固定され、前記奥行方向の後端部が前記押出部に支持されていることを特徴とする押出装置である。
この構成により、棚板の上に奥行方向に多くの物品が並べられると、それらの物品を奥行方向の前方に押し出す押出部は、棚板の幅方向における一端が片側レールに係合して支持された状態で、奥行方向の後端に配置された物品の後方に移動した状態になる。このとき、弾性部材は、奥行方向の前端部が、片側レールの前端部に固定されており、奥行方向の後端部が、片側レールの後方側へ移動した押出部に支持されている。
このように、押出部が片側レールの後方側へ移動することで、押出部が片側レールの前端部に位置しているときよりも、弾性部材の弾性変形量が増加する。これにより、弾性部材が押出部を奥行方向の前方へ付勢する付勢力は、押出部が片側レールの前端部に位置しているときよりも増大する。その結果、押出部は、棚板の奥行方向に並べられた多くの物品を、奥行方向の前方へ安定して押し出すことができる。
一方、棚板の上の奥行方向の前端に配置された物品が取り出されると、取り出された物品の後方に並んだ他の物品が押出部によって前方へ押し出され、奥行方向の前端まで移動する。これにより、たとえばコンビニエンスストアなどの店舗において、店員がおにぎりやサンドイッチなどの商品を前方へ移動させる前出し作業を、上記押出装置によって自動的に行うことができ、店舗における省力化が可能になる。
さらに、棚板の上の奥行方向の前端に配置された物品の取り出しを繰り返すことで、棚板の上の奥行方向に並んだ物品の数が減少していく。すると、弾性部材によって奥行方向の前方へ付勢された押出部は、棚板の幅方向における一端が奥行方向に延びる片側レールに支持された状態で、棚板の上の奥行方向に並んだ物品を前方へ押し出しながら、片側レールの前端へ向けて片側レールに沿って移動していく。
このように、押出部が片側レールの前端部へ移動することで、押出部が片側レールの後方側に位置しているときよりも、弾性部材の弾性変形量が減少する。これにより、弾性部材が押出部を奥行方向の前方へ付勢する付勢力は、押出部が片側レールの後方側に位置しているときよりも減少する。すなわち、押出部は、棚板の奥行方向に並んだ物品の数の減少とともに、弾性部材から受ける付勢力が減少する。その結果、押出部は、数が減少した物品を、その数に応じた付勢力で、奥行方向の前方へ安定して押し出すことができる。
また、押出部は、棚板の幅方向において、一方の端部だけが片側レールに嵌合し、その反対側の端部は解放されている。さらに、片側レールは、棚板に着脱自在に取り付けられる。そのため、上記押出装置は、両側にレールを有する場合や、棚板にレールが設けられている場合と比較して、棚板上の取り付け位置を、物品の大きさや物品のレイアウトの変更に応じて柔軟に変更することができる。また、上記押出装置は、複数の押出装置を棚板の幅方向に並べて取り付ける場合に、両側にレールを有する場合と比較して設置に必要なスペースを削減することができ、棚板の上の物品の配置スペースを拡大することができる。
上記態様の押出装置において、前記押出部は、前記一端に前記片側レールに沿って走行するランナーを備え、前記ランナーは、前記棚板の高さ方向および前記奥行方向に平行な状態で前記奥行方向へ移動可能に前記片側レールに係合する係合板を備えてもよい。
この構成により、押出部は、棚板の幅方向における一端に設けられたランナーの係合板を片側レールに係合させることで、棚板の高さ方向および奥行方向に平行な係合板を介して片側レールに支持される。これにより、押出部は、棚板の幅方向、奥行方向および高さ方向に対する傾きが防止される。
上記態様の押出装置において、前記片側レールは、前記棚板に着脱可能に取り付けられる脚部と、前記脚部の上に連結されて前記高さ方向に幅を有するレール部とを備え、前記レール部は、前記ランナーの前記係合板の上端部と下端部をそれぞれ係合させる上溝部と下溝部を有してもよい。
この構成により、片側レールは、脚部を介して棚板に取り付け、かつ棚板から取り外すことができる。これにより、棚板の上の物品の大きさ、数量、配置などの変更に応じて、棚板の上の片側レールの位置を変更して、片側レールを棚板の上の任意の位置に取り付けることができ、棚板の上の押出装置の配置の変更が容易になる。また、片側レールは、棚板に脚部を取り付けることで、脚部を介して棚板に支持される。これにより、棚板の上の片側レールを安定させ、片側レールに支持される押出部を安定させ、押出部によって物品をより安定して前方へ押し出すことができる。
また、上記の構成により、ランナーの係合板の上端部が、棚板の高さ方向に幅を有するレール部の上溝部に係合し、ランナーの係合板の下端部が、棚板の高さ方向に幅を有するレール部の下溝部に係合する。これにより、ランナーの係合板が、棚板の奥行方向に延びる片側レールのレール部に係合して、棚板の奥行方向および高さ方向に概ね平行な状態でレール部に支持される。
その結果、ランナーは、棚板の幅方向および高さ方向への移動が、片側レールのレール部によって規制されさる。さらに、ランナーは、棚板の幅方向、奥行方向および高さ方向に対する傾きが制限された状態で、レール部の上溝部および下溝部に沿って奥行方向へ移動可能に、片側レールに支持される。
これにより、棚板の幅方向における一端にランナーが設けられた押出部を、片側レールのレール部により、ランナーの係合板を介して、安定した状態で棚板の奥行方向に移動可能に支持することができる。したがって、片側レールによって押出部をより安定した状態で棚板の奥行方向へ移動可能に支持し、押出部によって物品をより安定して棚板の奥行方向の前方へ押し出すことができる。
上記態様の押出装置において、前記レール部は、前記高さ方向および前記奥行方向に平行に設けられて前記上溝部と前記下溝部とを連結する側壁部と、前記ランナーの前記係合板に対向する前記側壁部の内側面に前記係合板へ向けて突出させて設けられ前記奥行方向に延びるリブと、を有してもよい。
この構成により、片側レールのレール部と、押出部の一端に設けられたランナーの係合板との間に作用する摩擦力を低減させ、棚板の奥行方向へ延びる片側レールに沿って、押出部を滑らかに移動させることが可能になる。より詳細には、ランナーの係合板は、上端部と下端部がレール部の上溝部と下溝部に係合した状態で、棚板の幅方向においてレール部の側壁部の内側面に対向する。このレール部の側壁部の内側面にリブが設けられている。リブは、係合板へ向けて突出させて設けられ、棚板の奥行方向に延びている。
これにより、押出部を片側レールに沿って棚板の奥行方向へ移動させるときに、レール部の側壁部の内側面と、ランナーの係合板とが広い面積で接触することが防止される。換言すると、レール部の側壁部は、その側壁部の内側面よりも面積が小さいリブの先端面を介して、ランナーの係合板に接触する。その結果、押出部の一端に設けられたランナーの係合板と、片側レールのレール部の側壁部との間に作用する摩擦力を低減させ、棚板の奥行方向へ延びる片側レールに沿って、押出部を滑らかに移動させることが可能になる。
上記態様の押出装置において、前記ランナーは、前記係合板に連結されて前記レール部に隣接して配置される台車部と、前記台車部に支持された前記高さ方向に平行な回転軸と、前記レール部に接して前記回転軸を中心に回転する回転体と、を備えてもよい。
この構成により、棚板の幅方向においてレール部の側面に隣接して係合板に連結される台車部が、棚板の高さ方向に平行な回転軸を支持し、その回転軸を中心に回転する回転体が、レール部に接して回転する。これにより、片側レールとランナーとの間に作用する摩擦力を低減させ、ランナーを片側レールに沿って棚板の奥行方向へ滑らかに走行させることができる。その結果、押出部をより小さい付勢力で棚板の奥行方向の前方へ滑らかに移動させることができ、棚板の上に配置された物品を押出部によって棚板の奥行方向の前方へ押し出すことが容易になる。
上記態様の押出装置において、前記回転体は、前記回転軸を中心に回転する側部ローラであり、前記レール部は、前記上溝部と前記下溝部との間に設けられた開口部と、前記開口部の縁に前記側部ローラへ向けて突出させて設けられ前記奥行方向へ延びる円筒突起部と、を有してもよい。
この構成により、押出部が片側レールのレール部に沿って棚板の奥行方向の前後へ移動するときに、押出部の一端に設けられたランナーの台車部に支持された側部ローラが、レール部の開口部の上下の縁に設けられた円筒状突起に接して回転する。これにより、側部ローラとレール部との接触面積を減少させ、押出部と片側レールとの間に作用する摩擦力を低減させ、より小さい付勢力で押出部を片側レールに沿って棚板の奥行方向の前後へ移動させることができる。
上記態様の押出装置において、前記押出部は、前記台車部に連結され前記高さ方向および前記幅方向に平行に設けられた押板と、前記押板に取り付けられて前記物品に接する緩衝部と、を備えてもよい。
この構成により、押出部は、棚板の幅方向の一端に設けられたランナーに作用する棚板の奥行方向の前方への付勢力を、押板と緩衝部とを介して棚の上に配置された物品に作用させることができる。このとき、緩衝部を物品と接触させることで、押板を物品に接触させる場合よりも、物品に作用する力を分散させて低減することができ、物品の変形や損傷を防止することができる。
また、棚板の奥行方向の前端に配置された物品が取り出され、その後方の物品が押出部によって棚板の奥行方向の前端まで押し出された後に、取り出された物品が棚板の上に戻される場合がある。この場合、棚板の上の物品を奥行方向の後方へ押し込んで、物品を介して押出部を奥行方向の後方へ移動させる。このとき、緩衝部を物品と接触させることで、押板を物品に接触させる場合よりも、物品に作用する力を分散させて低減することができ、物品の変形や損傷を防止することができる。
上記態様の押出装置において、前記押板は、前記緩衝部と反対側に補強リブを有し、前記補強リブは、前記幅方向に延びる横リブと、前記高さ方向に延びる縦リブとを有してもよい。
この構成により、押板が補強リブによって補強され、押板が物品から受ける反力によってたわむことを防止できる。また、たとえば、横リブを押板の下端よりも上方に設け、縦リブを横リブから押板の下端まで延ばすことで、補強リブと棚板との接触面積を最小限にしつつ、補強リブによって押板を支持することができ、押板が棚板の上で奥行方向の後方へ傾くのを防止することができる。
上記態様の押出装置において、前記緩衝部は、前記押板に係合するフレーム部と、前記フレーム部から前記前方へ向けて延びる複数の弾性ビーム部と、前記高さ方向および前記幅方向に延びて複数の前記弾性ビーム部の前端を連結して前記物品に接する当接部と、を有してもよい。
この構成により、緩衝部の当接部が物品に接し、物品から棚板の奥行方向の後方へ向けて力を受けると、この当接部に連結され、フレーム部から奥行方向の前方へ向けて延びる複数の弾性ビーム部が、弾性変形してたわむ。これにより、物品から当接部へ作用する力が弾性ビーム部の弾性変形によって分散され、物品に局所的な力が作用することを防止できる。また、当接部がビーム状の当接ビーム部である場合、弾性ビーム部と当接ビーム部とによって、緩衝部をネット状またはかご状に形成することができ、緩衝部の緩衝性を確保しつつ軽量化を図ることができる。
本開示の上記態様によれば、棚板の上に配置された物品を棚板の奥行方向の前方に安定して押し出すことができ、物品の大きさの変更や位置の変更に柔軟に対応することが可能な押出装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本開示に係る押出装置を説明する。図1は、本開示に係る押出装置の一実施形態を示す斜視図である。図2は、図1の押出装置1の分解斜視図である。
本実施形態の押出装置1は、棚板40の上に配置された物品を棚板40の奥行方向の前方に押し出す装置である。より具体的には押出装置1は、たとえば、コンビニエンスストアなどの店舗において、おにぎりやサンドイッチなどの商品を陳列する棚板40に設置される什器として使用され、棚板40の上の商品を棚板40の前端に揃えて並べる前出し作業を自動化する。なお、本実施形態の押出装置1の用途や対象とする物品は特に限定されず、様々な用途で様々な物品を対象として使用することができる。
本実施形態の押出装置1は、たとえば、押出部10と、弾性部材20と、片側レール30と、を備えている。また、押出装置1は、さらに、棚板40を備えてもよい。押出装置1の各部の素材は、各部の特性に応じて、たとえば、アルミニウム合金やステンレス鋼などの金属材料、または、エンジニアリングプラスチックなどの合成樹脂を、適宜選択することができる。
各図において、棚板40の奥行方向に平行なX軸と、棚板40の幅方向に平行なY軸と、棚板40の高さ方向に平行なZ軸とにより構成される3次元の直交座標系を示す。以下では、この直交座標系を用いて押出装置1の各部を説明する場合がある。また、棚板40の奥行方向、棚板40の幅方向、および棚板40の高さ方向を、それぞれ単に、奥行方向(X軸方向)、幅方向(Y軸方向)、および高さ方向(Z軸方向)という場合がある。
押出部10は、弾性部材20によって棚板40の奥行方向の前方(X軸正方向)に付勢され、棚板40の上に配置された物品を、奥行方向の前方に押し出すように構成されている。押出部10は、棚板40の幅方向(Y軸方向)における一端が片側レール30に係合して、奥行方向(X軸方向)に移動可能に支持されている。
弾性部材20は、押出部10を奥行方向の前方へ付勢する。弾性部材20は、たとえば、渦巻きばね、ぜんまいばね、または、定荷重ばねによって構成することができる。なお、弾性部材20は、たとえば、コイルばねや弾性ゴムなどによって構成することも可能である。弾性部材20は、奥行方向の後方へ移動させた押出部10を奥行方向の前方へ付勢するように、奥行方向の前端部が片側レール30の前端部に固定され、奥行方向の後端部が押出部10に支持されている。
片側レール30は、棚板40に着脱自在に取り付けられて、奥行方向に延びている。片側レール30は、棚板40に着脱可能に取り付けられる脚部31と、脚部31の上に連結されて高さ方向に幅を有するレール部32とを有している。また、片側レール30は、たとえば、奥行方向の両端に係合される一対のキャップ部33を備えている。片側レール30は、たとえば、奥行方向に延びるレール部32の前端部と後端部に、それぞれ、複数の脚部31を有している。
片側レール30の脚部31は、たとえば、棚板40の幅方向(Y軸方向)に厚みを有し、レール部32の下端から下方(Z軸負方向)へ突出する舌片状または板状に設けられている。各々の脚部31は、たとえば、後述する棚板40の係合孔42にぴったりと嵌合する寸法および形状を有している。脚部31は、棚板40の係合孔42に係合することで、片側レール30のレール部32を、棚板40の上にぐらつきのない安定した状態で支持する。
片側レール30のレール部32は、脚部31の上端に連結されている。レール部32は、棚板40の奥行方向(X軸方向)に長さを有し、棚板40の幅方向(Y軸方向)に厚みを有し、棚板40の高さ方向(Z軸方向)に幅を有する細長い板状の部材である。レール部32は、上端部が下方へ向けて折り返されるように屈曲され、下端部が上方へ向けて折り返されるように屈曲されている。これにより、レール部32は、奥行方向に垂直な断面が縦長のC字型の形状を有し、上端部に上溝部321が形成され、下端部に下溝部322が形成されている。
片側レール30のキャップ部33は、レール部32の長手方向の端部に挿入されて上溝部321と下溝部322の内側に係合する挿入部331と、レール部32の長手方向における端面に当接する当接部332とを有している。詳細については後述するが、奥行方向におけるレール部32の前端部に係合するキャップ部33は、弾性部材20の前端部を係止する係止部333(図4参照)を備えている。
棚板40は、たとえば、矩形枠状のフレーム部41と、このフレーム部41に設けられた複数の係合孔42と、フレーム部41に回転自在に支持された複数のローラ43と、を備えている。フレーム部41は、奥行方向の前端部と後端部に配置され、ローラ43が設けられていないデッキ部411と、複数のローラ43を支持する格子状のローラ支持部412とを有している。
複数の係合孔42は、たとえば、フレーム部41のデッキ部411に設けられている。係合孔42は、たとえば、片側レール30の脚部31に対応する位置に、片側レール30の脚部31の形状および寸法に対応する形状および寸法で設けられている。複数の係合孔42は、たとえば、奥行方向および幅方向に少しずつずれた位置に規則的なパターンで配置され、任意の係合孔42に片側レール30の脚部31を係合させることができるようになっている。
複数のローラ43は、それぞれ、フレーム部41の格子状のローラ支持部412の開口部に、奥行方向(X軸方向)および幅方向(Y軸方向)に並べて配置されている。各々の円筒状または円柱状のローラ43は、ローラ支持部412によって、幅方向に平行な回転軸を中心に、回転自在に支持されている。複数のローラ43は、棚板40の上に配置された物品を奥行方向の前後へ移動させるときに、物品の底部に接して回転することで、物品の移動を容易にする。
図3は、図1の押出装置1の押出部10と弾性部材20の上面図である。図4は、図3の押出部10と弾性部材20を奥行方向の斜め後方から見た斜視図である。図5は、図1の押出装置1の押出部10と片側レール30との係合状態を示す拡大正面図である。
押出部10は、たとえば、棚板40の幅方向(Y軸方向)における一端に、片側レール30に沿って走行するランナー11を備えている。ランナー11は、棚板40の高さ方向(Z軸方向)および奥行方向(X軸方向)に概ね平行な状態で奥行方向へ移動可能に片側レール30に係合する係合板111を備える。
係合板111は、たとえば、奥行方向に平行な長辺と、高さ方向に平行な短辺とを有し、幅方向に厚みを有する長方形の板状に形成されている。図5に示すように、係合板111の上端部の長辺部分は、レール部32の上溝部321に係合し、係合板111の下端部の長辺部分は、レール部32の下溝部322に係合する。換言すると、片側レール30のレール部32は、ランナー11の係合板111の上端部と下端部をそれぞれ係合させる上溝部321と下溝部322とを有している。
また、レール部32は、高さ方向(Z軸方向)および奥行方向(X軸方向)に概ね平行に設けられて上溝部321と下溝部322とを連結する側壁部323を有している。さらに、レール部32は、ランナー11の係合板111に対向する側壁部323の内側面に、係合板111へ向けて突出させて設けられ、奥行方向に延びるリブ324を有している。レール部32は、たとえば、高さ方向に間隔をあけて複数のリブ324を有している。
また、ランナー11は、係合板111に連結されてレール部32に隣接して配置される台車部112と、この台車部112に支持された高さ方向に平行な回転軸113と、レール部32に接して回転軸113を中心に回転する回転体と、を備える。この回転体としては、たとえば、円筒状または円柱状の側部ローラ114を用いることができる。なお、回転体は、側部ローラ114に限定されず、たとえば、ベアリングのような球体であってもよい。台車部112は、たとえば、奥行方向の一端と他端に一対の回転軸113および側部ローラ114を備えている。
また、レール部32は、図5に示すように、上溝部321と下溝部322との間に設けられた開口部325を有している。また、レール部32は、その開口部325の縁に側部ローラ114へ向けて突出させて設けられ、奥行方向へ延びる円筒突起部326を有している。図5に示す例において、レール部32は、開口部325の上側と下側のそれぞれの縁に沿って、一対の円筒突起部326を有している。
また、図5に示す例において、側部ローラ114に隣接して開口部325の上端の縁まで下方へ延びる上溝部321の側壁部は、下方側ほど側部ローラ114に近づくように、上溝部321の幅方向(Y軸方向)における外側へ向けて傾斜している。これにより、レール部32の開口部325の上側の縁に設けられた円筒突起部326は、レール部32の開口部325の下側の縁に設けられた円筒突起部326よりも、側部ローラ114へ向けて突出した位置に配置されている。
また、図3および図4に示すように、押出部10は、たとえば、ランナー11に連結されて、高さ方向および幅方向に平行に設けられた押板12を備えている。また、押出部10は、たとえば、押板12に取り付けられて棚板40の上に配置される物品に接する緩衝部13を備えている。押板12は、たとえば、緩衝部13と反対側に補強リブ14を有している。
補強リブ14は、たとえば、幅方向に延びる横リブ141と、高さ方向に延びる縦リブ142とを有している。横リブ141および縦リブ142は、それぞれ、奥行方向において、押板12の後方側の裏面から後方へ向けて突出する長方形の板状に設けられている。
横リブ141は、たとえば、棚板40の幅方向(Y軸方向)において、押板12の一端で台車部112に連結され、押板12の一端から他端まで延びている。横リブ141は、幅方向(Y軸方向)を長手方向、奥行方向(X軸方向)を短手方向とする長方形の板状に設けられている。図4に示す例において、押板12は、高さ方向(Z軸方向)間隔をあけて設けられた二つの横リブ141を有している。なお、横リブ141の数は、二つに限定されず、単数または三つ以上の複数であってもよい。
縦リブ142は、たとえば、棚板40の高さ方向(Z軸方向)における一端が横リブ141に連結され、高さ方向(Z軸方向)に延びている。縦リブ142と横リブ141とは、たとえば、棚板40の奥行方向(X軸方向)における寸法すなわち突出高さが等しくなっている。図4に示す例において、補強リブ14は、上側の横リブ141から上方に延びる複数の縦リブ142と、下側の横リブ141から下方に延びる複数の縦リブ142とを有している。なお、縦リブ142の数は、特に限定されない。
また、図4に示す例において、下側の横リブ141から下方に延びる複数の縦リブ142は、たとえば、押板12の下端よりも上方、すなわち、押板12の周縁部の内側まで延びている。なお、これらの縦リブ142は、たとえば、押板12の下端まで延び、押板12の下端から棚板40の奥行方向における後方(X軸負方向)へ延びて、棚板40上で押板12を自立可能に支持してもよい。
また、図3および図4に示すように、押出部10は、補強リブ14の上側と下側の一対の横リブ141とランナー11の台車部112との間に、弾性部材20の後端部を支持する凹状の支持部15が形成されている。本実施形態において、弾性部材20は、たとえば、渦巻きばね、ぜんまいばね、または、定荷重ばねであり、後端部に帯状の板ばねが巻回された巻回部21を有している。支持部15は、この巻回部21の少なくとも一部を収容し、弾性部材20の帯板状の前端部の巻き出しまたは巻き戻しが可能な状態で、弾性部材20の後端部の巻回部21を支持している。
また、図4に示すように、弾性部材20の前端部は、片側レール30の前端に取り付けられるキャップ部33に固定されている。弾性部材20の前端部は、貫通孔22を有している。キャップ部33は、弾性部材20の貫通孔22を貫通して弾性部材20の前端部を係止する係止部333と、弾性部材20の前端部を棚板40の奥行方向に貫通させるスリット状の貫通孔334とを有している。
このように、キャップ部33の貫通孔334に弾性部材20の前端部を挿通させ、弾性部材20の前端部の貫通孔22にキャップ部33の係止部333を貫通させた状態で、図1に示すように、キャップ部33をレール部32の前端部に取り付ける。これにより、弾性部材20は、棚板40の奥行方向の前端部が片側レール30の前端部に固定される。
図6は、図4の押出部10から取り外した緩衝部13の斜視図である。緩衝部13は、たとえば、押板12の周縁部に係合するフレーム部131を有している。また、緩衝部13は、たとえば、フレーム部131から奥行方向の前方へ向けて延びる複数の弾性ビーム部132と、高さ方向および幅方向に延びて複数の弾性ビーム部132の前端を連結して棚板40の上の物品に接する当接部133と、を有している。また、緩衝部13は、たとえば、フレーム部131の下端から、棚板40の奥行方向における前方(X軸正方向)へ延びる摺動支持部134を有している。
フレーム部131は、たとえば、押板12の前面の周縁部に当接する枠状に設けられている。フレーム部131は、押板12にランナー11が連結される棚板40の幅方向における一端を除く部分が、押板12の背面側で、押板12の外側から内側へ延び、押板12の周縁部に係合するように設けられている。
複数の弾性ビーム部132の一部は、たとえば、棚板40の幅方向(Y軸方向)におけるフレーム部131の両側の側縁部から、棚板40の奥行方向の前方(X軸正方向)へ延びている。これらの弾性ビーム部132は、棚板40の奥行方向の後方側よりも前方側が棚板40の幅方向の内側に位置するように、棚板40の奥行方向に対して傾斜している。
また、複数の弾性ビーム部132の他の一部は、たとえば、フレーム部131の上縁部から、棚板40の奥行方向の前方(X軸正方向)へ延びている。これらの弾性ビーム部132は、棚板40の奥行方向の後方側よりも前方側が、棚板40の高さ方向(Z軸方向)における下方側に位置するように、棚板40の奥行方向に対して傾斜している。
当接部133は、たとえば、棚板40の高さ方向(Z軸方向)に延びる縦方向のビーム状部分と、棚板40の幅方向に延びる横方向のビーム状部分とを有している。当接部133の縦方向のビーム状部分は、フレーム部131の上縁部から前方に延びる弾性ビーム部132の先端部と、摺動支持部134の先端部とを連結している。
当接部133の横方向のビーム状部分の一部は、フレーム部131の側縁部から前方に延びる弾性ビーム部132の先端部と、当接部133の縦方向のビーム状部分とを連結している。また、当接部133の横方向のビーム状部分の他の一部は、棚板40の高さ方向(Z軸方向)における緩衝部13の中央部で棚板40の幅方向(Y軸方向)に延び、棚板40の幅方向に並んだすべての縦方向のビーム状部分を連結している。
摺動支持部134は、たとえば、棚板40の奥行方向において、フレーム部131の下縁部の前端から前方へ延びる平板状の基端支持部と、その基端支持部の前端から前方へ延びて次第に幅が減少する三角形または台形の板状の先端摺動部とを有している。摺動支持部134の先端摺動部の先端は、たとえば、当接部133の縦方向のビーム状部分の下端に連結されている。摺動支持部134は、全体として、棚板40の幅方向(Y軸方向)および奥行方向(X軸方向)に対して概ね平行になっている。
緩衝部13は、緩衝性を向上させ、軽量化を図る観点から、たとえば、プラスチックなどの合成樹脂によって製作することができる。なお、緩衝部13は、本実施形態のような複数のビーム状の部分によって構成されるネット状またはかご状の構成に限定されない。本実施形態の緩衝部13に替えて、たとえば、発泡プラスチックや気泡緩衝材などの緩衝材を緩衝部として使用してもよい。
以下、本実施形態の押出装置1の作用を説明する。
本実施形態の押出装置1は、前述のように、棚板40の上に配置された物品を棚板40奥行方向の前方に押し出す押出部10と、その押出部10を奥行方向の前方へ付勢する弾性部材20と、を備えている。また、押出装置1は、さらに、棚板40に着脱自在に取り付けられて奥行方向に延びる片側レール30を備えている。押出部10は、棚板40の幅方向の一端が片側レール30に係合して奥行方向に移動可能に支持されている。弾性部材20は、奥行方向の後方へ移動させた押出部10を奥行方向の前方へ付勢するように、奥行方向の前端部が片側レール30の前端部に固定され、奥行方向の後端部が押出部10に支持されている。
このような構成により、棚板40の上の奥行方向一杯に物品が並べられると、それらを奥行方向の前方に押し出す押出部10は、棚板40の幅方向における一端が片側レール30に係合して支持された状態で、奥行方向の後端の物品の後方に移動した状態になる。この状態で、弾性部材20は、奥行方向の前端部が、片側レール30の前端部に固定されており、奥行方向の後端部が、片側レール30の後方側へ移動した押出部10に支持されている。
このように、押出部10が片側レールの後方側へ移動することで、押出部が片側レールの前端に位置しているときよりも、弾性部材20の弾性変形量が増加する。これにより、弾性部材20が押出部を奥行方向の前方へ付勢する付勢力は、押出部10が片側レールの前端に位置しているときよりも増大する。その結果、押出部10は、棚板40の奥行方向に並べられた多くの物品を、奥行方向の前方へ安定して押し出すことができる。
また、棚板40の上の奥行方向の前端に配置された物品が取り出されると、取り出された物品の後方に並んだ他の物品が、押出部10によって前方へ押し出され、奥行方向の前端まで移動する。これにより、たとえば、コンビニエンスストアなどの店舗において、店員がおにぎりやサンドイッチなどの商品を前方へ移動させる前出し作業を、押出装置1によって自動化することができ、店舗における省力化が可能になる。
さらに、棚板40の上の奥行方向に並んだ物品は、前端に配置された物品の取り出しを繰り返すことで、前方に押し出されて数が減少していく。すると、弾性部材20によって奥行方向の前方へ付勢された押出部10は、棚板40の幅方向における一端が奥行方向に延びる片側レール30に支持された状態で、棚板40の上に並んだ物品を前方へ押し出しながら片側レール30に沿って前方へ移動する。
このように、押出部10が片側レール30の前方へ移動することで、押出部10が片側レールの後端部に位置しているときよりも、弾性部材20の弾性変形量が減少する。これにより、弾性部材20が押出部10を奥行方向の前方へ付勢する付勢力は、押出部10が片側レール30の後端部に位置しているときよりも減少する。すなわち、押出部10は、棚板40の奥行方向に並んだ物品の数の減少とともに、弾性部材20から受ける付勢力が徐々に減少する。その結果、押出部10は、数が減少した物品を、その数に応じた付勢力で、奥行方向の前方へ安定して押し出すことができる。
また、押出部10は、棚板40の幅方向において、一方の端部だけが片側レール30に係合し、その反対側の端部は解放されている。さらに、片側レール30は、棚板40に着脱自在に取り付けられる。そのため、押出装置1は、両側にレールを有する場合や、棚板40にレールが設けられている場合と比較して、棚板40の上における取り付け位置を、物品の大きさや物品のレイアウトの変更に応じて柔軟に変更することができる。また、押出装置1は、複数の押出装置1を棚板40の幅方向に並べて取り付ける場合に、両側にレールを有する場合と比較して設置に必要なスペースを削減することができ、棚板40の上の物品の配置スペースを拡大することができる。
また、本実施形態の押出装置1において、押出部10は、棚板40の幅方向における一端に片側レール30に沿って走行するランナー11を備えている。ランナー11は、棚板40の高さ方向および奥行方向に平行な状態で、奥行方向へ移動可能に片側レール30に係合する係合板111を備えている。
この構成により、押出部10は、棚板40の幅方向における一端に設けられたランナー11の係合板111を片側レール30に係合させることで、棚板40の高さ方向および奥行方向に平行な係合板111を介して片側レール30に支持される。これにより、押出部10は、棚板40の幅方向、奥行方向および高さ方向に対する傾きが防止される。
また、本実施形態の押出装置1において、片側レール30は、棚板40に着脱可能に取り付けられる脚部31と、その脚部31の上に連結されて棚板40の高さ方向に幅を有するレール部32とを備えている。レール部32は、ランナー11の係合板111の上端部と下端部をそれぞれ係合させる上溝部321と下溝部322とを有している。
この構成により、片側レール30は、脚部31を介して棚板40に取り付け、かつ棚板40から取り外すことができる。これにより、棚板40の上の物品の大きさ、数量、配置などの変更に応じて、棚板40の上の片側レール30の位置を変更して、片側レール30を棚板40の上の任意の位置に取り付けることができ、棚板40の上の押出装置1の配置の変更が容易になる。また、片側レール30は、棚板40に脚部31を取り付けることで、脚部31を介して棚板40に支持される。これにより、棚板40の上の片側レール30を安定させ、片側レール30に支持される押出部10を安定させ、押出部10によって物品をより安定して前方へ押し出すことができる。
また、上記の構成により、ランナー11の係合板111の上端部が、棚板40の高さ方向に幅を有するレール部32の上溝部321に係合し、ランナー11の係合板111の下端部が、棚板40の高さ方向に幅を有するレール部32の下溝部322に係合する。これにより、ランナー11の係合板111が、棚板40の奥行方向に延びる片側レール30のレール部32に係合して、棚板40の奥行方向および高さ方向におおむね平行な状態でレール部32に支持される。
その結果、ランナー11は、棚板40の幅方向および高さ方向への移動が、片側レール30のレール部32によって規制されさる。さらに、ランナー11は、棚板40の幅方向、奥行方向および高さ方向に対する傾きが制限された状態で、レール部32の上溝部321および下溝部322に沿って奥行方向へ移動可能に、片側レール30に支持される。
これにより、棚板40の幅方向における一端にランナー11が設けられた押出部10を、片側レール30のレール部32により、ランナー11の係合板111を介して、安定した状態で棚板40の奥行方向に移動可能に支持することができる。したがって、片側レール30によって押出部10をより安定した状態で棚板40の奥行方向へ移動可能に支持し、押出部10によって物品をより安定して棚板40の奥行方向の前方へ押し出すことができる。
また、本実施形態の押出装置1において、レール部32は、棚板40の高さ方向および奥行方向に平行に設けられて上溝部321と下溝部322とを連結する側壁部323を有している。また、レール部32は、ランナー11の係合板111に対向する側壁部323の内側面に、係合板111へ向けて突出させて設けられ、棚板40の奥行方向に延びるリブ324を有している。
この構成により、片側レール30のレール部32と、押出部10の一端に設けられたランナー11の係合板111との間に作用する摩擦力を低減し、棚板40の奥行方向へ延びる片側レール30に沿って、押出部10を滑らかに移動させることが可能になる。より詳細には、ランナー11の係合板111は、上端部と下端部がレール部32の上溝部321と下溝部322に係合した状態で、棚板40の幅方向においてレール部32の側壁部323の内側面に対向する。このレール部32の側壁部323の内側面にリブ324が設けられている。リブ324は、ランナー11の係合板111へ向けて突出させて設けられ、棚板40の奥行方向に延びている。
これにより、押出部10を片側レール30に沿って棚板40の奥行方向へ移動させるときに、レール部32の側壁部323の内側面と、ランナー11の係合板111とが広い面積で接触することが防止される。換言すると、レール部32の側壁部323は、側壁部323の内側面よりも面積が小さいリブ324の先端面を介して、ランナー11の係合板111に接触する。その結果、押出部10の一端に設けられたランナー11の係合板と、片側レール30のレール部32の側壁部323との間に作用する摩擦力を低減し、棚板40の奥行方向へ延びる片側レール30に沿って、押出部10を滑らかに移動させることが可能になる。
また、本実施形態の押出装置1において、ランナー11は、係合板111に連結されてレール部32に隣接して配置される台車部112と、その台車部112に支持されて棚板40の高さ方向に平行な回転軸113と、レール部32に接して回転軸113を中心に回転する回転体と、を備えている。
この構成により、棚板40の幅方向においてレール部32の側面に隣接して係合板111に連結される台車部112が、棚板40の高さ方向に平行な回転軸113を支持し、その回転軸113を中心に回転する回転体が、レール部32に接して回転する。これにより、片側レール30とランナー11との間に作用する摩擦力を低減させ、ランナー11を片側レール30に沿って棚板40の奥行方向へ滑らかに走行させることができる。その結果、押出部10をより小さい付勢力で棚板40の奥行方向の前方へ滑らかに移動させることができ、棚板40の上に配置された物品を押出部10によって棚板40の奥行方向の前方へ押し出すことが容易になる。
また、本実施形態の押出装置1において、上記の回転体は、回転軸113を中心に回転する側部ローラ114であり、レール部32は、上溝部321と下溝部322との間に設けられた開口部325を有している。また、レール部32は、その開口部325の縁に、ランナー11の側部ローラ114へ向けて突出させて設けられ、棚板40の奥行方向へ延びる円筒突起部326と、を有している。
この構成により、押出部10が片側レール30のレール部32に沿って棚板40の奥行方向の前後へ移動するときに、押出部10の一端に設けられたランナー11の台車部112に支持された側部ローラ114が、レール部32の開口部325の上下の縁に設けられた円筒突起部326に接して回転する。これにより、側部ローラ114とレール部32との接触面積を減少させ、押出部10と片側レール30との間に作用する摩擦力を低減させ、より小さい付勢力で押出部10を片側レール30に沿って棚板40の奥行方向の前後へ移動させることができる。
また、本実施形態の押出装置1において、押出部10は、台車部112に連結され、棚板40の高さ方向および幅方向に平行に設けられた押板12と、その押板12に取り付けられて棚板40の上の物品に接する緩衝部13と、を備えている。
この構成により、押出部10は、棚板40の幅方向の一端に設けられたランナー11に作用する棚板40の奥行方向の前方への付勢力を、押板12と緩衝部13とを介して棚板40の上に配置された物品に作用させることができる。このとき、緩衝部13を物品と接触させることで、押板12を物品に接触させる場合よりも、物品に作用する力を分散させて低減することができ、物品の変形や損傷を防止することができる。
また、棚板40の奥行方向の前端に配置された物品が取り出され、その後方の物品が押出部10によって棚板40の奥行方向の前端まで押し出された後に、取り出された物品が棚板40の上に戻される場合がある。この場合、棚板40の上の物品を奥行方向の後方へ押し込んで、物品を介して押出部10を奥行方向の後方へ移動させる。このとき、緩衝部13を物品と接触させることで、押板12を物品に接触させる場合よりも、物品に作用する力を分散させて低減することができ、物品の変形や損傷を防止することができる。
また、本実施形態の押出装置1において、押板12は、緩衝部13と反対側に補強リブ14を有し、補強リブ14は、棚板40の幅方向に延びる横リブ141と、棚板40の高さ方向に延びる縦リブ142とを有している。
この構成により、押板12が補強リブ14によって補強され、押板12が物品から受ける反力によってたわむことを防止できる。また、たとえば、横リブ141を押板12の下端よりも上方に設け、縦リブ142を横リブ141から押板12の下端まで延ばすことで、補強リブ14と棚板40との接触面積を最小限にしつつ、補強リブ14によって押板12を支持することができる。これにより、押板12が棚板40の上で奥行方向の後方へ傾くのを防止することができる。
また、本実施形態の押出装置1において、緩衝部13は、押板12に係合するフレーム部131と、そのフレーム部131から棚板40の奥行方向の前方へ向けて延びる複数の弾性ビーム部132と、棚板40の高さ方向および幅方向に延びて複数の弾性ビーム部132の前端を連結して物品に接する当接部133と、を有している。
この構成により、緩衝部13の当接部133が物品に接し、物品から棚板40の奥行方向の後方へ向けて力を受けると、この当接部133に連結され、フレーム部131から奥行方向の前方へ向けて延びる弾性ビーム部132が、弾性変形してたわむ。これにより、物品から当接部133へ作用する力が弾性ビーム部132の弾性変形によって分散され、物品に局所的な力が作用することを防止できる。また、当接部133がビーム状である場合、弾性ビーム部132とビーム状の当接部133とによって、緩衝部13をネット状またはかご状に形成することができ、緩衝部13の緩衝性を確保しつつ軽量化を図ることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、棚板40の上に配置された物品を棚板40の奥行方向の前方に安定して押し出すことができ、物品の大きさの変更や位置の変更に柔軟に対応することが可能な押出装置1を提供することができる。なお、本開示に係る押出装置は、前述の実施形態に限定されない。
以下、図7および図8を参照して、前述の実施形態に係る押出装置1の変形例を説明する。図7は、図1に示す前述の実施形態の押出装置1の変形例に係る押出装置1Aを示す斜視図である。図8は、図7の押出装置1Aの側面図である。本変形例の押出装置1Aは、主に、押出部10の構成と、棚板40の構成が前述の実施形態に係る押出装置1と異なっている。本変形例の押出装置1Aのその他の部分は、前述の実施形態に係る押出装置1と同様であるため、同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図7および図8に示すように押出装置1Aの押出部10は、前後に緩衝部13を有し、押板12を有しない。また、押出装置1Aの押出部10において、ランナー11は側部ローラ114を有しておらず、後方側の緩衝部13に連結されている。また、棚板40は、ローラ43を有しない平板状に設けられ、押出装置1Aの押出部10は、下端に複数のローラ16を有している。これにより、押出装置1Aの押出部10は、棚板40の上を複数のローラ16によって、棚板40の奥行方向に走行可能に設けられている。
なお、図7および図8では図示を省略するが、押出装置1Aは、棚板40の奥行方向の後方へ移動させた押出部10を奥行方向の前方へ付勢するように、奥行方向の前端部が片側レール30の前端部に固定され、奥行方向の後端部が押出部10に支持された弾性部材20を有している。このような構成の押出装置1Aによっても、前述の実施形態で説明した押出装置1と同様の効果を奏することが可能である。
以上、図面を用いて本開示に係る押出装置の実施形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本開示に含まれるものである。
1 押出装置
10 押出部
11 ランナー
111 係合板
112 台車部
113 回転軸
114 側部ローラ(回転体)
12 押板
13 緩衝部
131 フレーム部
132 弾性ビーム部
133 当接部
14 補強リブ
141 横リブ
142 縦リブ
20 弾性部材
30 片側レール
31 脚部
32 レール部
321 上溝部
322 下溝部
323 側壁部
324 リブ
325 開口部
326 円筒突起部
40 棚板
10 押出部
11 ランナー
111 係合板
112 台車部
113 回転軸
114 側部ローラ(回転体)
12 押板
13 緩衝部
131 フレーム部
132 弾性ビーム部
133 当接部
14 補強リブ
141 横リブ
142 縦リブ
20 弾性部材
30 片側レール
31 脚部
32 レール部
321 上溝部
322 下溝部
323 側壁部
324 リブ
325 開口部
326 円筒突起部
40 棚板
Claims (9)
- 棚板の上に配置された物品を前記棚板の奥行方向の前方に押し出す押出部と、前記押出部を前記奥行方向の前方へ付勢する弾性部材と、を備えた押出装置であって、
前記棚板に着脱自在に取り付けられて前記奥行方向に延びる片側レールを備え、
前記押出部は、前記棚板の幅方向における一端が前記片側レールに係合して前記奥行方向に移動可能に支持され、
前記弾性部材は、前記奥行方向の後方へ移動させた前記押出部を前記奥行方向の前方へ付勢するように、前記奥行方向の前端部が前記片側レールの前端部に固定され、前記奥行方向の後端部が前記押出部に支持されていることを特徴とする押出装置。 - 前記押出部は、前記一端に前記片側レールに沿って走行するランナーを備え、
前記ランナーは、前記棚板の高さ方向および前記奥行方向に平行な状態で前記奥行方向へ移動可能に前記片側レールに係合する係合板を備えることを特徴とする請求項1に記載の押出装置。 - 前記片側レールは、前記棚板に着脱可能に取り付けられる脚部と、前記脚部の上に連結されて前記高さ方向に幅を有するレール部とを備え、
前記レール部は、前記ランナーの前記係合板の上端部と下端部をそれぞれ係合させる上溝部と下溝部を有することを特徴とする請求項2に記載の押出装置。 - 前記レール部は、前記高さ方向および前記奥行方向に平行に設けられて前記上溝部と前記下溝部とを連結する側壁部と、前記ランナーの前記係合板に対向する前記側壁部の内側面に前記係合板へ向けて突出させて設けられ前記奥行方向に延びるリブと、を有することを特徴とする請求項3に記載の押出装置。
- 前記ランナーは、前記係合板に連結されて前記レール部に隣接して配置される台車部と、前記台車部に支持された前記高さ方向に平行な回転軸と、前記レール部に接して前記回転軸を中心に回転する回転体と、を備えることを特徴とする請求項3に記載の押出装置。
- 前記回転体は、前記回転軸を中心に回転する側部ローラであり、
前記レール部は、前記上溝部と前記下溝部との間に設けられた開口部と、前記開口部の縁に前記側部ローラへ向けて突出させて設けられ前記奥行方向へ延びる円筒突起部と、を有することを特徴とする請求項5に記載の押出装置。 - 前記押出部は、前記台車部に連結され前記高さ方向および前記幅方向に平行に設けられた押板と、前記押板に取り付けられて前記物品に接する緩衝部と、を備えることを特徴とする請求項5に記載の押出装置。
- 前記押板は、前記緩衝部と反対側に補強リブを有し、
前記補強リブは、前記幅方向に延びる横リブと、前記高さ方向に延びる縦リブとを有することを特徴とする請求項7に記載の押出装置。 - 前記緩衝部は、前記押板に係合するフレーム部と、前記フレーム部から前記奥行方向の前方へ向けて延びる複数の弾性ビーム部と、前記高さ方向および前記幅方向に延びて複数の前記弾性ビーム部の前端を連結して前記物品に接する当接部と、を有することを特徴とする請求項7に記載の押出装置。
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-
2020
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