JP2022026958A - ボールペン - Google Patents

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Abstract

【課題】筆圧を掛けた際に適切な量のインキをチップ先端に供給可能なボールペンを提供すること。【解決手段】前端縁部30aを有するチップ30と、前端縁部30aの後方に配置され、少なくとも一部がチップ内30に収容された筒状体70と、チップ30内に配設されたボール受け座70aと、筒状体の内部に抱持されたボール40と、を備え、筒状体70は、軸方向に貫通するインキ通路80と、弾性変形部70dと、を有し、筆記時において、筒状体70の弾性変形部70dが弾性変形することでインキ通路80の前部が拡口する。【選択図】 図3

Description

本発明は、ボールペンに関する。
特許文献1には、筆圧の大小に関わらず、適正なインク吐出量が得られると共に、筆圧の大小により筆跡幅の異なる抑揚のある筆跡が得られるボールペンが開示されている。
特許文献1に開示されたボールペンでは、筒体の前端に形成された前端縁部と、筒体内に前後方向に移動可能に収容され且つ前端にボール受け座を有する受け座部材と、前端縁部と前記受け座部材との間で回転可能に抱持されたボールと、受け座部材の後端を支持する弾性変形可能な支持部材と、を備え、支持部材は受け座部材より軟質の材料からなる筒状体であり、受け座部材の後端と支持部材の前端とが当接され、受け座部材の内孔と支持部材の内孔が連通されてなり、筆記時の筆圧で、支持部材が圧縮された際に受け座部材を後退可能に構成することで筆圧の大小でボールの後退量が変化する。このため、特許文献1のボールペンは、筆圧によりボールと前端縁部との間の隙間が変化し、筆圧が低い時にはインキの吐出量が減少し細い線幅での筆記ができると共に、筆圧が高い時にはインキの吐出量が増加し太い線幅での筆記が可能となっている。
特開2019-10843号
しかしながら、特許文献1のボールペンの構造では、筆圧を低い状態から高い状態に変化させてもボールやボールと前端縁部との隙間に供給されるインキ供給量に変化がなく、基本的に高い筆圧で筆記した際、ボールと前端縁部との隙間が大きくなりインキ吐出量が増加した状態でも必要なインキをボールやボールと前端縁部との隙間に供給するよう構成されている。つまり、低い筆圧で筆記する場合や非筆記時(保管時など)では必要以上にインキが筆記先端部に供給される構造になっている。このため、保管時にボールが意図せず何かに接触してボールが後退してしまうと、インキ漏れやその漏れ量が通常のボールペンに比べて大きくなる虞があった。
本件発明者は、鋭意の検討に基づく様々な試作と評価を繰り返す中で、ボールやボールと前端縁部との隙間にインキを供給する量を筆圧に応じて変化させることが、インキ漏れの発生を防止させることに効果的であることを知見した。
本発明は、以上の背景をもとになされたものであり、その目的とするところは、筆圧を掛けた際に適切な量のインキをチップ先端に供給可能なボールペンを提供することである。
本発明は、内向きの前端縁部を前端に有する筒状のチップと、前記前端縁部の後方に配置され、少なくとも一部が前記チップ内に収容された筒状体と、前記チップ内に配設されたボール受け座と、前記前端縁部と前記ボール受け座との間で回転可能に抱持されたボールと、を備え、前記筒状体は、軸方向に貫通するインキ通路と、前部に形成された弾性変形部と、を有し、筆記時において、前記筒状体の弾性変形部が弾性変形することで前記インキ通路の前部が拡口することを特徴とするボールペンである。
尚、本発明では、チップの前端縁部がある側を前方と表現し、その反対方向を後方と表現する。また、筒状体のインキ通路のある軸心側を内方と表現し、その反対方向を外方と表現する。
本発明によれば、筆記時に弾性変形部が弾性変形することでインキ通路の前部が拡口するよう構成していることから、筆記時にはインキ通路を通ってチップ先端であるボールやチップの前端縁部とボールとの間の隙間(以降、インキ吐出隙間と呼称する)に供給されるインキが増大する。このため、筆記時の筆跡のカスレを防止できる。また、筆記時以外ではインキ通路の前部が拡口することがないため比較的少量のインキがインキ吐出隙間に供給される。このため、保管時にインキ吐出隙間からインキが漏れることを防止できる。
尚、本発明の弾性変形部は、筒状体の一部に一体的に形成されていてもよく、別体で形成したものを組み合わせることで弾性変形部が形成されてもよい。
また、筒状体は、前端に前記ボール受け座を有し、筒状体の後方に、当該該筒状体の後方への移動を規制する規制部を備えていてもよく、この場合、筆記時においてボールを介して筆圧を受けた筒状体が規制部により後方への移動が規制されると、ボールにより押圧された筒状体の弾性変形部が弾性変形するよう構成することで、ボールによりインキ通路の前部を拡口することができる。また、弾性変形部が弾性変形した際に筒状体の前部が拡口することでボールがチップに対して後退するため、筆圧を上げることでインキ吐出隙間が大きくなることから筆記面へのインキ吐出量が増え、これにより、比較的太い筆跡での筆記が可能である。尚、筆圧が弾性変形部の弾発力より低い状態で筆記する際は、筒状体の前部は拡口することはない。このため、ボールの後退量は、筆圧によりボールを介して押された筒状体が規制部に当接するまでの長さに限定されるため、インキ吐出隙間は比較的小さい状態となり、筆記面へのインキの吐出量が減るため比較的細い筆跡で筆記ができる。つまり、筆記時の筆圧を変化させることで、インキの吐出量を増減させ筆跡の太さを変えることができるとともに、適正なインキをインキ吐出隙間に供給することができる。
本発明における規制部は、筒状体の一部が当接することで当該筒状体の後方へ移動を規制してもよく、筒状体の後方に配置したコイルバネなど弾性部材の弾発力が一定以上に上がることで規制してもよい。
また、弾性変形部は、ボール受け座から後方へ向かって延びるスリット状に形成された複数のインキ連絡口を有していてもよく、この場合、スリット状のインキ連絡口により弾性変形部が弾性変形し易くなるとともに筒状体内部に形成されるインキ通路からインキがボールやインキ吐出隙間に供給されることから、チップ前部へのインキ供給がよりスムーズとなる。さらに、筆圧が高くなることで弾性変形部が弾性変形しインキ通路の前部が拡口した際、インキ連絡口が同時に拡口するよう構成してもよく、この場合、ボールやインキ吐出隙間に供給するインキ量を筆圧に応じて適切に調整し易くなるため好適である。
さらにまた、ボールを介して筆圧を受けた筒状体の弾性変形部が弾性変形した際、ボールと当該ボールに当接するボール受け座との当接位置が筆圧の変化により前記ボール受け座内で移動するよう構成してもよく、この場合、ボール受け座におけるボールとの当接位置の摩耗を抑制することができる。
また、筒状体は、少なくとも一部がチップの内部に当該チップの軸方向に沿って前後動可能に収容され、筒状体の後方に、筒状体を前方に付勢する弾発部材が配置されていてもよく、この場合、筒状体を介してボールも前方に付勢されるため、保管時においてボールとチップの前端縁部との隙間がしっかりシールされるため、インキ漏れを効果的に防止することができる。
本発明によれば、筆圧を掛けた際に適切な量のインキをチップ先端に供給可能なボールペンを提供することができた。
本発明の一実施形態におけるボールペンの縦断面図である。 図1のボールペンのレフィルが前進した状態を示す縦断面図である。 図2のボールペンの前方部を示す拡大縦断面図である。 図1のボールペンの筒状体を示す拡大縦断面図である。 図2のボールペンにおいて、比較的低い筆圧で筆記した時の状態を示す前方部の拡大縦断面図である。 図5のボール近傍の拡大図である。 図2のボールペンにおいて、比較的高い筆圧で筆記した時の状態を示す前方部の拡大縦断面図である。 図7のボール近傍の拡大図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態におけるボールペン1の縦断面図であり、図2は、図1のボールペン1のレフィル3が前進した状態を示す縦断面図であり、図3は、図2のボールペン1の前方部を示す拡大縦断面図であり、図4は、図1のボールペンの筒状体を示す拡大縦断面図である。
図1に示す本実施形態のボールペン1は、出没式のボールペンであり、前端に前部開口を有する軸筒2を備えている。軸筒2の内部には、軸筒2の軸方向に移動可能なレフィル3が収容されている。レフィル3は、図1に示すように、後方側にインキ収容筒20を有しており、当該インキ収容筒20の前方側にチップホルダー10を介してチップ30が固定されている。チップ30の前部は、レフィル3の移動に伴って、軸筒2の前部開口から出没可能となっている。
本実施形態の出没機構(不図示)は、回転カム機構を用いた後端ノック式出没機構である。当該出没機構は、軸筒2の後部内面に形成されたカム部と、該カム部に係合し且つレフィル3の後端に当接する回転部材と、該回転部材に係合し且つ軸筒2の後部開口から突出する操作部4と、軸筒2内に収容され且つレフィル3を後方に付勢するコイルバネ5(例えば圧縮コイルスプリング)と、からなる。
また、本実施形態の出没機構は、ペン先突出操作及びペン先没入操作のいずれもが操作部4を前方に押圧操作するダブルノック式である。具体的には、レフィル3が軸筒2内に没入している図1の状態で操作体4が前方に押圧されると、レフィル3が前方側に移動され、チップホルダー10の前方部に接続されたチップ30が軸筒2の前部開口から突出する図2の状態となる。そして、当該突出状態が、不図示のカム部と回転部材との係止作用によって維持される。チップ30が突出している状態(図2の状態)で操作体4が前方に押圧されると、カム部と回転部材との係止状態が解除される。これにより、コイルバネ5の作用により、レフィル3が後方側に戻され、チップ30が軸筒2の前部開口から退没する。
続いて、図3に示すように、チップ30は、前端部において、ボール40の前方側の一部に対して環状に当接可能かつ内方に縮径している前端縁部30aを有している。これにより、チップ30は、ボール40を保持するホルダーとして機能するようになっている。前端縁部30aのサイズ及び形状は、ボール40のサイズに合わせて選択され、本実施形態では、ボール40の直径が0.50mmであるため、前端縁部30aの先端内径(最狭径)は0.49mmとなっている。そして、筆記時にインキ収容筒20内のインキがボール40を介して筆記面に吐出される筆記部が形成されている。
また、ボール40の後方側に当接する筒状体70が、チップ30の軸心に沿って延びており、筒状体70は、図4に示すように筒状の中空管71と中空管71の後部に圧入装着された筒状の連結筒72とで構成されている。
筒状体70の前端にはボール40と当接して支持するボール受け座70aを有しており、ボール受け座70aは前方側が外方へ向かって徐々に拡径するように略傾斜面状に形成され、筒状体70の中心部には軸方向に沿って延び前後に貫通することでインキ収容筒20内と連通するインキ通路80が形成されている。また、筒状体70の後部には外方に向かって突出するフランジ部70bが形成されている。さらに、筒状体70は、前端から軸方向後方へ向かって延び周方向に均等配置された複数のスリット部70c(インキ連絡口)を形成することで、筆記時にボール40に筆圧が掛かった際、筒状体70の前部が放射状に広がるように弾性変形する弾性変形部70dが形成されている。また、筆記時において、インキ通路80内を進んできたインキはスリット部70c(インキ連絡口)により、ボール40とチップ30の前部に広く供給されると共に、筆圧が掛かって筒状体70の前部が放射状に広がると、それに伴いインキ通路80の前部が拡口され、同時に各々のスリット部70c(インキ連絡口)もそれぞれ拡口(図8参照)されるため、一時的にボール40及びチップの前部に供給されるインキ量を増加させることができる。尚、筒状体70を構成する部品の内、少なくとも中空管71は弾性変形する金属または樹脂材料で形成することが好ましく、ボール40を支持する受け座にもなることから摩耗を考慮すると、金属材料で形成することがより好ましい。具体的に、本実施形態では、オーステナイト系ステンレス鋼等を用いることが好適である。
また、ボール受け座70aにおけるボール40との当接位置は、筒状体70の前部が筆圧を受けて放射状に広がった際にボール受け座70a内を移動するよう構成することが好ましく、これにより、筆記時にボール受け座70aが摩耗することを効果的に抑制することができる。
尚、ボール受け座70aにおけるボール40と当接する接触面積は、筒状体70の前部が筆圧を受けて放射状に広がる前より、放射状に広がった後の方が大きくなるようにボール受け座70aを成型することが好ましい。その理由は後述する。
チップホルダー10は、図3に示すように、前後に貫通する内孔を有した略筒状に形成され、前部内孔には内段部10aを有しており、チップホルダー10の前部にはチップ30が圧入装着され、チップホルダー10の後部にはインキ収容筒20が圧入装着されている。そして、内段部10aと筒状体70のフランジ部70bとの間には軸方向に延びるコイルバネ60(弾発部材の一例)が収容されていて、筒状体70と常に当接している。これにより、ボール40は筒状体70を介して、コイルバネ60の弾発力により常に前方に付勢されていることから、チップ30の前端縁部30aとボール40との間のシール性が向上し、チップ30先端部のインクの乾燥を防止することができると共にインキ漏れを防止できる。また、チップホルダー10の前端は、筒状体70のフランジ部70bが当接するよう形成されていることから筒状体70の後退を制限する規制部10bとして機能している。尚、ボール40に筆圧などの後方への力が掛かっていない状態では、筒状体70のフランジ部70bとチップホルダー10の前端である規制部10bとの間にはクリアランスが残存されている。そして、具体的に図3の状態では、そのクリアランスは0.03mmである。このクリアランスは、筆記時の筆圧によって筒状体70(中空管71及び連結筒72)が後退することで消滅する(図5参照)。
ここで、コイルバネ60の弾発力は、筒状体70の後退量が制限されているため、その弾発力は一定以上に上がることはなく、コイルバネ60が最大に収縮した状態(筒状体70とチップホルダー10の規制部10bとが当接状態)における最大弾発力をX、筒状体70の弾性変形部70dが筆圧を受けて収縮し始める最小弾発力をYとしてとき、X<Yの関係を満たすようにしてある。
具体的に、本実施形態では、コイルバネ60は、例えば、線径φ0.16mm、コイル平均径φ1.92mm、コイル長さ10mmである。中空管71は、例えば、外径φ0.45mm、内径φ0.27mm、長さ12mmであり、中空管71の材料は、例えばオーステナイト系ステンレス鋼である。連結筒72は、例えば、外径φ1.3mm(フランジ部70bを除く)、内径φ0.5mm、長さ2.9mmであり、連結筒72の材料は、例えば黄銅である。中空管71と連結筒72とは、長さ2.0mmだけ互いに嵌合されている。
次に、図5から図8を用い本実施形態のボールペン1の作用について説明する。図5は、図2のボールペンにおいて、比較的低い筆圧で筆記した時の状態を示す前方部の拡大縦断面図であり、図6は、図5のボール近傍の拡大図であり、図7は、図2のボールペンにおいて、比較的高い筆圧で筆記した時の状態を示す前方部の拡大縦断面図であり、図8は、図7のボール近傍の拡大図である。
図5に示すように、ボール40が筆記時の筆圧を受けると、これに応じて、コイルバネ60の弾発力に抗してボール40が筒状体70を後退させ、筒状体70のフランジ部70bとチップホルダー10の規制部10bとが当接してボール40の後退が止まる。
ここで、ボール40が後退することにより、ボール40はチップ30の前端縁部30aに対して、一定の位置にまで入り込む。これにより、図6に示すように、ボール40と前端縁部30aとの間にインキ吐出隙間S1が形成され、この状態で筆記することで比較的細い線幅での筆記がなされる。
尚、前述したように、コイルバネ60が最大に収縮した状態における最大弾発力Xと筒状体70の弾性変形部70dが筆圧を受けて収縮し始める最小弾発力Yとの関係は、X<Yであることから、筆圧がコイルバネ60の最大弾発力Xを超え、筒状体70の弾性変形部70dの最小弾発力Yを超えない限りにおいては、筒状体70の弾性変形部70dが弾性変形することがないため、本実施形態のボールペン1は安定した細い線幅での筆記を継続することができる。このため、コイルバネ60の最大弾発力Xと弾性変形部70dの最小弾発力Yとの差が大きい方が安定した線幅での筆記がし易くなる。本実施形態では、コイルバネ60の最大弾発力Xを0.2N、筒状体の弾性変形部70dの最小弾発力Yを2Nに設定してあるため、数値に十分な開きがあることから、安定した線幅での筆記を容易に実行できる。
続いて、筆圧を筒状体70の最小弾発力Yより増加させると、筒状体70は、フランジ部70bがチップホルダー10の規制部10bに当接することで後退が制限されていることから、スリット部70cにより複数に分断された弾性変形部70dがボール40に押されることで変形して放射状に広がる図7の状態となる。この際、筆圧を受けているボール40と筒状体70のボール受け座70aとの当接位置は、図6に示すボール受け座70aの外方側から図8に示すようにボール受け座70aの内方側に移動する。そして、ボール受け座70aは前端から後方に向かって内方側に傾斜しているため、内方側に当接しているボール40の軸方向の位置は相対的に後方へ下がり、ボール40と前端縁部30aとの間のインキ吐出隙間は図8のインキ吐出隙間S2の状態まで広がる。このため、インキ吐出隙間がS2の状態まで広がることで筆記面Pに吐出されるインキ量が増加するため、筆跡の幅が太くなる。尚、筆圧の増加による筒状体70の弾性変形部70dは、筒状体70の前部の外周面がチップの内周面に当接するまで広がるため、その間はインキ吐出隙間が広がり続け筆跡は徐々に太くなる。このため、筆圧に応じて線幅が異なる抑揚のある筆跡で筆記することが可能である。
また、同時に筒状体70の外周面がチップ30の内周面に当接することで弾性変形部70dの広がりが規制されるため、ボール40の後退もそこで止まる。このため、筆記時にボール40が沈み込みすぎて、筆記面Pにチップ30の前端縁部30aが当接して筆記感が低下することを防止できる。
また、本実施形態では、筆圧を上げることによりボール受け座70aにおけるボール40との当接位置が外方側から内方側に移動するため、ボール受け座70aにおけるボール40との当接箇所が筆記時のボール40の回転により摩耗することを効果的に抑制することができ、使用を継続しても摩耗によるボール40の沈み込み量の変化が小さい。このため、筆圧が同じであれば安定した線幅での筆記が可能となった。また、ボール受け座70aにおけるボール40との当接位置が移動するのと同時に、本実施形態ではボール受け座70aにおけるボール40との接触面積も変化するよう構成してあり、図6に示す筆圧が低い状態に比べて筆圧が高い図8に示す状態の方が、接触面積が増加するよう構成してある。このため、筆圧が低く、ボール受け座70aへ掛かる面圧が比較的低い状態においては、接触面積が小さいため、筆記時におけるボール40の回転抵抗が減ることで、ボール40が滑らかに回転することから、良質な筆記感が得られる。また、筆圧が高く、ボール受け座70aに掛かる面圧が比較的高い状態においては、接触面積が増加するため、ボール受け座70aにおけるボール40から掛かる圧力が分散されることで、ボール受け座70aの摩耗を効果的に抑制することができる。また、高い筆圧での筆記時においては、ボール40とボール受け座70aとの接触面積が大きくなるため、ボール受け座70aがボール40をしっかり支えることができる。これにより、筆記時においてボール40が軸方向と直交する方向に微小に動くことで発生する筆跡のブレの発生を軽減することができ、より安定した筆跡が得られるものとなった。
また、高い筆圧での筆記時に筒状体70の前部である弾性変形部70dが放射状に広がる際、図8に示すように、筒状体70のスリット部70c(インキ連絡口)が前方に向かって広くなるため、スリット部70c(インキ連絡口)を通ってボール40やインキ吐出隙間S2に供給されるインキ量が一時的に増加する。このため、インキ吐出隙間が図8のS2の状態まで広がり筆記面Pへのインキ吐出量が増加してもインキの供給不足による筆跡のカスレを防止することができる。尚、インキ吐出隙間が比較的小さい低筆圧時の状態や保管時においてはボール40およびチップ30の前端縁部30aに供給されるインキ量が減少するため、インキ吐出隙間から吐出されボール40とチップ30の前端縁部30aとの間に不必要に溜まったインキが筆記面に転写されることで筆跡にムラが発生する現象や保管時にチップ30前端部のインキの乾燥やインキ漏れが発生する現象を効果的に防止することができる。
1 ボールペン
2 軸筒
3 レフィル
4 操作部
5 コイルバネ
10 チップホルダー
10a 内段部
10b 規制部
20 インキ収容筒
30 チップ
30a 前端縁部
40 ボール
60 コイルバネ(弾発部材)
70 筒状体
70a ボール受け座
70b フランジ部
70c スリット部(インキ連絡口)
70d 弾性変形部
71 中空筒
72 連結筒
80 インキ通路
P 筆記面
S1 インキ吐出隙間
S2 インキ吐出隙間。

Claims (5)

  1. 内向きの前端縁部を前端に有する筒状のチップと、
    前記前端縁部の後方に配置され、少なくとも一部が前記チップ内に収容された筒状体と、
    前記チップ内に配設されたボール受け座と、
    前記前端縁部と前記ボール受け座との間で回転可能に抱持されたボールと、を備え、
    前記筒状体は、軸方向に貫通するインキ通路と、前部に形成された弾性変形部と、を有し、
    筆記時において、前記筒状体の弾性変形部が弾性変形することで前記インキ通路の前部が拡口することを特徴とするボールペン。
  2. 前記筒状体は、前端に前記ボール受け座を有し、
    前記筒状体の後方に、当該筒状体の後方への移動を規制する規制部を備え、
    筆記時において、前記ボールを介して筆圧を受けた前記弾性変形部が弾性変形することで、前記ボールが前記チップに対して後退することを特徴とする請求項1に記載のボールペン。
  3. 前記弾性変形部は、前記ボール受け座から後方へ向かって延びるスリット状に形成された複数のインキ連絡口を有することを特徴とする請求項2に記載のボールペン。
  4. 筆記時において、前記ボールを介して筆圧を受けた前記筒状体の弾性変形部が弾性変形した際、前記ボールと当該ボールに当接する前記ボール受け座との当接位置が筆圧の変化により前記ボール受け座内で移動することを特徴とする請求項1ないし3の何れか一項に記載のボールペン。
  5. 前記筒状体は、少なくとも一部が前記チップの内部に当該チップの軸方向に沿って前後動可能に収容され、
    前記筒状体の後方に、当該筒状体を前方に付勢する弾発部材が配置されたことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載のボールペン。
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