JP2022026897A - 積層体および積層体の製造方法 - Google Patents

積層体および積層体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022026897A
JP2022026897A JP2020130573A JP2020130573A JP2022026897A JP 2022026897 A JP2022026897 A JP 2022026897A JP 2020130573 A JP2020130573 A JP 2020130573A JP 2020130573 A JP2020130573 A JP 2020130573A JP 2022026897 A JP2022026897 A JP 2022026897A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solder alloy
weight
foil
laminate
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020130573A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6887184B1 (ja
Inventor
元 渡邉
Hajime Watanabe
祥平 上方
Shohei Kamigata
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Handa Co Ltd
Original Assignee
Nihon Handa Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Handa Co Ltd filed Critical Nihon Handa Co Ltd
Priority to JP2020130573A priority Critical patent/JP6887184B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6887184B1 publication Critical patent/JP6887184B1/ja
Publication of JP2022026897A publication Critical patent/JP2022026897A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Die Bonding (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)

Abstract

【課題】信頼性が向上したPbフリーの積層体、および積層体の製造方法を得る。【解決手段】Zn-Al系はんだ合金と、Al系母材とを有する積層体であって、Zn-Al系はんだ合金は、添加元素として、1重量%以上9重量%以下のAlと、Geとを含み、添加元素を除く残部が不可避不純物およびZnで構成されることを特徴とするものである。【選択図】図1

Description

本発明は、不可避不純物の重量%以上のPb(鉛)を含まないはんだ合金を含む積層体、および積層体の製造方法に関する。
近年、半導体装置は、1つの半導体チップに種々の機能を持たせたり、処理速度を上げたりするなど高機能化が進んでいる。そのため、半導体チップ1個当たりに要求される機能が増大する傾向にある。一方、取り扱いの容易化または省電力化などのために半導体チップの小型化も進められている。そのため、半導体チップは、上述した高性能化の要求による大型化傾向と小型化傾向もあり、2極化が進んでいる。半導体チップの大型化に伴って、1個の半導体チップに流れる電流はますます大きくなってきており、数10[A/個]の大電流を流すパワーデバイスも開発されている。1個の半導体チップに流れる電流が増大すれば、当然、半導体チップの発熱量が多くなり放熱性の問題がより重要になってくる。
放熱性が悪いと半導体チップおよびその周辺の温度が上がり過ぎ、半導体チップの破損、周囲のモールド樹脂もしくは電極部等の破壊、または熱効率の悪化につながる。一般的に、この熱の大部分は半導体チップを接合しているはんだを通して基板へと放熱される。そのため、はんだ材料の放熱性能が半導体チップに流せる最大電流を決める重要な要因になっており、当然、放熱性の良いはんだ材料が求められている。
はんだに要求される特性として、放熱性の他に、応力緩和性が重要である。半導体装置を稼働させることで、半導体チップには断続的に電流が流れる。半導体チップに断続的に電流が流れることで、素子本体および素子の周囲の温度が上がったり下がったりする。この加熱および冷却の繰り返しによって、半導体チップ、はんだ、および、はんだを介して半導体チップを接合している基板などが膨張と収縮とを繰り返す。ところが、半導体チップの熱膨張係数と、一般的に基板として使用されるCuの熱膨張係数とは、約5倍も異なる。そのため、熱膨張係数が大きく異なる半導体チップおよび基板に対して、熱膨張と収縮とによって発生する応力を、はんだで吸収する必要がある。半導体チップに流れる電流が増大している近年の状況において、さらに熱応力の緩和性の大きいはんだが要求されるようになっている。
以上のことから、パワーデバイスなどの高信頼性が要求される半導体チップと基板との接合を満たすように、優れた放熱性および応力緩和性がはんだに求められている。
放熱性に優れる材料として、Zn系を主成分とするはんだ合金が挙げられる。例えば、ZnにAlを1~9重量%を添加し、その他にGe(ゲルマニウム)、Mg(マグネシウム)、Sn、またはIn(インジウム)を添加したZn-Al系はんだ合金の一例が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、放熱性および応力緩和性を解決する方法として、金属箔を重ね合わせて圧着したクラッド材で接合する技術がある。例えば、Zn-Al系はんだ合金とCu系母材とによって構成されるクラッド材の一例が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に開示されたクラッド材は、Cu系母材の表面にZn-Al系はんだ合金がクラッドされた構成である。特許文献2には、Zn-Al系合金はんだが、0.9質量%以上9.0質量%以下のAlを含有し、Ag、Cu、Ge、Mg、Sn、およびPのうちの1種以上を含有していてもよいことが記載されている。
別のクラッド材として、内層と内層を挟む2つの表面層とを備える積層はんだ材の一例が知られている(例えば、特許文献3参照)。この積層はんだ材において、内層は、Zn単独、または50質量%以上のZnを含み、残部がSnおよび不可避不純物からなるZn基合金により構成される。また、表面層は、Sn単独、または50質量%以上のSnを含み、残部がZnおよび不可避不純物からなるSn基合金により構成される。
さらに、別のクラッド材として、Al系合金層と、Al系合金層の最表面に設けられたZn系合金層とからなる接続材料が知られている(例えば、特許文献4)。
特許第3850135号公報 特許第6020391号公報 特開2009-142890号公報 特開2008-126272号公報
特許文献1に開示されたZn-Al系はんだ合金の組成は、熱伝導性に優れるZnを主成分としているため、放熱性は非常に優れると考えられる。具体的には、100℃におけるZnの熱伝導率は112[W/(m・K)]である。Pbについては、100℃における熱伝導率は34[W/(m・K)]である。しかし、特許文献1に開示されたZn-Al系はんだ合金はAlが酸化しやすいため、Alの含有率が高いと、Alが溶解したときにAl酸化被膜が表面に形成されやすくなり、接合時に十分なぬれ性が得られないおそれがある。そのため、特許文献1に開示されたはんだ合金をクラッド材に用いる場合、溶融はんだがぬれ広がらず半導体チップが傾き、はんだ接合層に厚い部分と薄い部分が発生し、クラッド材の厚み不均一となるおそれがある。この場合、熱伝導率が低下し、放熱性が悪化する。
また、Zn-Al系はんだ合金は硬い材料であり、引張強度は低くても80~100MPa以上ある。そのため、特許文献1のZn-Al系はんだ合金を大きなSiチップとの接合用のクラッド材にそのまま使用すると、Siチップ、はんだ合金および基板の線膨張率の違いによって発生する熱応力を緩和できない。その結果、チップ割れまたは基板にクラックが入ってしまうなどの不具合が発生する可能性が高くなる。
特許文献2に開示されたクラッド材の場合、母材であるCuとZn-Al系はんだ合金中のZnの反応性が高いため、接合後、温度変化によって母材とはんだ合金との間で金属間化合物が粗大化するおそれがある。この場合、クラッド部分にクラックが入りやすくなり、不具合が発生する可能性がある。その結果、信頼性が低下してしまう。
特許文献3に開示された積層はんだ材は、固相線温度が199℃であるZn-Sn系はんだ合金を用いるものであり、温度300℃~400℃での接合に用いられる高温はんだ合金に適さない。
特許文献4に開示された接続材料は、母材にAl系合金層を用いているため、熱応力が緩和されるが、接合後、温度変化によって母材とはんだ合金との間の接合性が低下し、信頼性が低下してしまうおそれがある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、信頼性が向上したPbフリーの積層体、および積層体の製造方法を得るものである。
本発明に係る積層体は、Zn-Al系はんだ合金と、Al系母材とを有する積層体であって、前記Zn-Al系はんだ合金は、添加元素として、1重量%以上9重量%以下のAlと、Geとを含み、前記添加元素を除く残部が不可避不純物およびZnで構成される、ことを特徴とするものである。
本発明に係る積層体の製造方法は、Zn-Al系はんだ合金にAl系母材を重ねるステップと、重ねられた前記Zn-Al系はんだ合金および前記Al系母材を圧着するステップと、を有し、前記Zn-Al系はんだ合金は、添加元素として、1重量%以上9重量%以下のAlと、Geとを含み、前記添加元素を除く残部が不可避不純物およびZnで構成される、ことを特徴とするものである。
本発明によれば、積層体に含まれるはんだ合金が、Znを主成分とし、1重量%以上9重量%以下のAlと、Geとを含有している。そのため、AlおよびGeによって融点を低下させるとともに、AlおよびGeによる固溶強化およびGeによるぬれ性の向上によってはんだ合金の接合強度が上昇する。そのため、はんだ合金とAl母材との接合性が向上し、接合体の接合界面の割れが抑制され、信頼性が向上する。
実施の形態1に係る積層体の一構成例を示す模式図である。 実施の形態1に係る積層体の製造方法の一例を示す図である。 実施の形態1に係る積層体の別の構成例の製造方法を示す図である。 実施の形態1において、比較例の半導体装置の一例を示す断面模式図である。 実施の形態1の積層体を用いた半導体装置の一例を示す断面模式図である。 実施の形態1に係る積層体に用いたはんだ合金箔の組成および比較例のはんだ合金箔の組成を示す表である。 実施の形態1に係る積層体および比較例のはんだ合金について、半導体チップの傾きおよびクラックの有無を評価した結果を示す表である。 実施の形態1に係る積層体に用いられるZn-Al系はんだ合金および比較例のはんだ合金について、融点および加工性を評価した結果を示す表である。 実施の形態1に係る積層体に用いられるZn-Al系はんだ合金と比較例のはんだ合金とについて、信頼性を評価した結果を示す表である。
実施の形態1.
本実施の形態1の積層体を説明する。本実施の形態1の積層体は、Zn-Al系はんだ合金とAl系母材とで構成される。積層体は、半導体チップと基板とを接合する接合材としての役目を果たす。積層体は、例えば、クラッド材である。
図1は、実施の形態1に係る積層体の一構成例を示す模式図である。図1に示すように、積層体1は、Zn-Al系はんだ合金2と、Al系母材3とを有する。図1に示す積層体1は、2層のZn-Al系はんだ合金2の間にAl系母材3が挟まれた構成である。
Zn系はんだ合金には、ぬれ性が悪いという欠点がある。「ぬれ性」は、接合体への液体の馴染みの良し悪しを意味する。具体的には、「ぬれ性が良い」とは接合体にはんだが付きやすいことを意味し、「ぬれ性が悪い」とは接合体にはんだがつきにくいことを意味する。Zn系はんだ合金のぬれ性は、金属の表面にある酸化膜(Zn系の場合はZnO)の状態または液体の広がりやすさの表面張力などに左右される。
ぬれ性の良し悪しは、接合相手の材料によって変化するので、接合相手を限定することで解決できる。本実施の形態1の積層体1は、Zn-Al系はんだ合金2にとってぬれ性のよい母材を組み合わせるともに、Zn-Al系はんだ合金2にぬれ性を向上させる元素を添加したものである。以下に、本実施の形態1の積層体1の構成を詳しく説明する。
(Zn-Al系はんだ合金)
本実施の形態1の積層体1に用いられるZn-Al系はんだ合金2は、添加元素として、1重量%以上9重量%以下のAlと、Geとを含み、添加元素を除く残部が不可避不純物およびZnで構成される。具体例として、Zn-Al系はんだ合金2は、Alを1.0質量%以上9.0質量%以下含有し、Geを0.5質量%以上2.0質量%以下含有し、残部がZnおよび不可避不純物で構成される。また、Zn-Al系はんだ合金2は、添加元素として、AlおよびGeの他に、Ni(ニッケル)またはCo(コバルト)を含有していてもよい。Zn-Al系はんだ合金2が、NiまたはCoを含有する場合、NiまたはCoを0.005質量%以上1.0質量%未満含有する。さらに、Zn-Al系はんだ合金2は、AlおよびGeの他に、NiおよびCoの両方を含有してもよく、この場合、NiおよびCoの組成の合計は0.005重量%以上1.0重量%未満である。
原料として、99.99質量%以上のZn、Al、Ge、NiおよびCoを準備する。これらの原料を原料毎に所定量秤量し、グラファイト製のるつぼに入れ電気炉にて溶解させる。原料が十分溶融したら撹拌棒にて溶けた原料を撹拌する。攪拌後鋳型に流し、十分冷却させてから、所定の形状にする。
用意した材料を、圧延機を用いて所定の厚さまで圧延して、Zn-Al系はんだ合金箔を製造する。圧延機は冷間圧延、温間圧延、または熱間圧延のうち、いずれの方法で圧延してもよい。Alの圧延と同様に、温間圧延および熱間圧延をする場合、表面酸化に注意して行う。
(Al系母材)
本実施の形態1の積層体1に用いられるAl系母材3は、特に限定されない。一般的に市場で入手できるものでよい。Al系母材3の組成はAlを主成分としており、熱伝導性を大きく下げたり、加工性を著しく損なったりすることが無い範囲で、目的に合わせて他の各種元素を含有していてもよい。
Al系母材3を圧延機にて所定の厚さまで圧延してAl箔を製造する。圧延機は冷間圧延、温間圧延、または熱間圧延のうち、いずれの方法で圧延してもよい。温間圧延および熱間圧延を行う場合は、表面酸化に十分注意して行う。
なお、本実施の形態1の積層体1におけるZn-Al系はんだ合金およびAl系母材の原料は、特に限定されず、一般的に市場で入手できる原料でよい。入手した原料を基に箔状のZn-Al系はんだ合金と箔状のAl系母材とを準備し、これらの箔の表面の粗さを調整し、その後、これらの箔を重ねる。以下に、Al系母材にZn-Al系はんだ合金を積層するクラッド方法について説明する。
(クラッド方法)
本実施の形態1の積層体1の製造方法を説明する。ここでは、積層体1の一例として積層体10の製造方法を説明する。図2は、実施の形態1に係る積層体の製造方法の一例を示す図である。
上述したように、Al系母材3を圧延機にて所定の厚さまで圧延したAl箔13を準備する(図2(a))。図2(b)に示すように、Al箔13の両面のうち、一方の面にZn-Al系はんだ合金箔12を重ねる。また、Al箔13の両面のうち、他方の面にZn-Al系はんだ合金箔12を重ねる。このようにして、図2(c)に示すように、2層のZn-Al系はんだ合金箔12の間にAl箔13が挟まれた構成である積層体10を製造する。
なお、図2(c)において、2層のZn-Al系はんだ合金箔12でAl箔13を挟んだ積層体を、圧延機に通して圧延してもよい。また、Al箔13に重ねるZn-Al系はんだ合金箔12の枚数は、Al箔13の片面側の1枚であってもよい。また、Al箔13の面にZn-Al系はんだ合金箔12を被覆するクラッド方法は特に限定されない。
図2(b)に示す工程において、2層のZn-Al系はんだ合金箔12の各はんだ合金箔の表面状態には十分注意を要する。表面に不純物や異物が付着していたり、酸化膜が厚く存在していたりすると、Al箔とはんだ合金箔との密着性が悪くなり、良好な接合性を得ることが困難になってしまうからである。金属表面を不純物等のない状態にするため、各箔の表面を削ったり、酸洗浄したりしてもよい。各はんだ合金箔の表面加工は両面でも、片面でもよい。
また、図2(b)に示す工程において、重ねる前、各箔は、重ね合わされる表面の粗さが0.05μm以上であってよい。箔の表面を粗らすことで、適度な凹凸が生じ、アンカー効果が発生し、互いの金属表面に凹凸が深く噛み合い、高い接合強度を得ることができる。サンドペーパーまたは金属製ブラシなどの器具を用いて、金属表面の粗さを生じさせることができる。これらの器具を用いて表面の粗さを調整してもよい。
Al箔13およびZn-Al系はんだ合金箔12は、最終製品の厚みを考慮し、クラッドする際の厚さが予め決められている。AlとZn-Al系はんだ合金とを比較すると、同じ応力で圧延しても圧下率が異なる。そのため、各箔の圧下率を事前に考慮し、各箔の厚さを決めて準備する。
次に、Al箔13とZn-Al系はんだ合金箔12とを合わせてロール圧延機で圧延する場合について説明する。まず、各箔を重ね、重ね合わせた箔に対して、圧延油をたらしながら圧延を行う。その際、接合面に圧延油が入らないように、ロールに当たる面だけに圧延油をかける。そして、クラックおよびバリが発生していないことを確認しながら圧下率を下げ、目的の厚さより10%程度厚めの状態まで圧延していく。その後、最終圧延として圧下率が0に近いような状態で厚さを測りながら少しずつ圧延していく。
なお、図2を参照して、2層のZn-Al系はんだ合金箔12の間にAl箔13が挟まれた積層体10の製造方法を説明したが、積層体10は、2層のZn-Al系はんだ合金箔12とAl箔13とが積層された構成であってもよい。
本実施の形態1の積層体1の別の構成例を説明する。図3は、実施の形態1に係る積層体の別の構成例の製造方法を示す図である。Zn-Al系はんだ合金層として、Zn-Al系はんだ合金箔22aおよび22bを準備する。Zn-Al系はんだ合金箔22aおよび22bの各箔の厚みは、例えば、50μmである。そして、図3(a)に示すように、Zn-Al系はんだ合金箔22aおよび22bを重ね合わせる。続いて、図3(b)に示すように、積層されたZn-Al系はんだ合金箔22aおよび22bの上にAl系母材としてAl系箔13が重ねられ、積層体20が形成される。Al系箔13の膜厚が50μmである場合、積層体20の厚みは150μmである。その後、積層体20は、圧延機によって圧延され、Zn-Al系はんだ合金箔22aおよび22bとAl系箔13とが圧着される。
このようにして、箔の厚みが薄い2層のZn-Al系はんだ合金層を積層したものにAl系母材を圧着させることで、クラッド後にAl系母材とZn-Al系はんだ合金との密着性が良くなり、Al系母材からZn-Al系はんだ合金が剥がれにくくなる。なお、積層するZn-Al系はんだ合金層は2層に限らず、3層以上であってもよい。さらに、Al系母材は1層に限らず、2層以上のAl層で構成されてもよい。Al系母材を2層以上にする場合、1層のAl層の箔の厚みを薄くすることで、Zn-Al系はんだ合金との密着性が向上する。
また、図2(c)に示す積層体10において、Al箔13を挟む2層のZn-Al系はんだ合金箔12の各Zn-Al系はんだ合金箔12が図3(a)に示すZn-Al系はんだ合金箔22aおよび22bで構成されてもよい。つまり、積層体は、Al箔13の下面側にZn-Al系はんだ合金箔22aおよび22bが積層され、Al箔13の上面側にZn-Al系はんだ合金箔22aおよび22bが積層された5層構造であってもよい。この場合、クラッド後にAl系母材とZn-Al系はんだ合金との密着性がさらに向上する。
次に、本実施の形態1の積層体の効果を説明する。背景技術で述べたように、パワーデバイスなどの高信頼性が要求される半導体チップと基板との接合を満たすように、優れた放熱性および応力緩和性がクラッド材に求められている。つまり、半導体チップと基板とを接合するはんだ材料を含むクラッド材に、「高放熱化」および「高耐熱化」が求められている。本実施の形態1の積層体は、Pbフリーであって、これらの要求を満たすクラッド材として、パワーデバイス分野におけるパワーモジュールなどの製造において、半導体チップと表面層がCuまたはNiで被覆された絶縁基板との接合に使用されるものである。
(高放熱化の対策)
大電流が半導体チップに流れることで発生した熱は、クラッド材→基板→ヒートシンクの経路で放熱される。このとき、放熱性が悪いと、半導体チップ本体およびその周辺の温度が上がりすぎ、半導体チップまたはクラッド材を破壊してしまう。放熱性を悪化させる原因は不均一な接合層の厚さに関係がある。
図4は、実施の形態1において、比較例の半導体装置の一例を示す断面模式図である。基板7の表面側に積層体16を介して半導体チップ5が設けられている。基板7の裏面側には、放熱用のヒートシンク8が設けられている。図4に示す比較例においては、積層体16の厚みが不均一になっているため、半導体チップ5が傾いている。そのため、熱伝導にムラができ、放熱性が悪くなる。
図5は、実施の形態1の積層体を用いた半導体装置の一例を示す断面模式図である。基板7の表面側に積層体1を介して半導体チップ5が設けられている。基板7の裏面側には、放熱用のヒートシンク8が設けられている。図5に示す積層体1は、Alの金属箔の両面のそれぞれにZnAlGe合金が設けられ、2枚の合金でAlの金属箔を挟んで圧延したものである。ZnAlGe合金は、図1を参照して説明したZn-Al系はんだ合金2に相当する。ZnAlGe合金は、例えば、Znを主成分とし、4重量%以上7重量%以下のAlと、0.5重量%以上2重量%以下のGeとを含むはんだ合金である。上述したように、ZnAlGe合金は、NiまたはCoが添加された合金であってもよい。
このような積層体1では、積層体1の中心に位置するAlの金属箔は、加熱温度が積層体1の溶融温度(380℃)より低い温度であれば、溶解せずに残る。Alの金属箔がスペーサの役目を果たすため、接合厚みを均一にできる。そのため、図5に示すように、積層体1の厚さが均一になっている。その結果、熱伝導が均一に行われ、放熱性が向上する。
なお、図2を参照して、2層のZn-Al系はんだ合金箔12の間に挟まれるAl系母材としてAl箔13が1層の場合を説明したが、Al系母材が2層のAl箔13などのAl板が積層された構成であってもよい。
(高耐熱化の対策)
半導体チップに流れる電流は、一般的に半導体チップが搭載される電気部品のスイッチのオンおよびオフを繰り返すことにより断続的に流れる。そのため、半導体チップおよび基板は、温度が上がったり下がったりと、加熱と冷却とを繰り返す。この現象によって、半導体チップおよび基板が膨張と収縮とを繰り返し、クラッド材に熱応力の負荷が加わる。クラッド材がこの熱応力を緩和できないと、クラッド材が最終的に破壊され、部品が壊れる原因となる。これに対して、本実施の形態1の積層体1では、Alは柔らかい金属なので、熱応力を緩和する効果がある。
このように、本実施の形態1の積層体1は、パワーモジュールで使用されるクラッド材として要求される「高放熱化」および「高耐熱化」の両方の特性を備えた接合材である。
(信頼性の対策)
上述したように、本実施の形態1の積層体1が、「高放熱化」および「高耐熱化」の両方の特性を備えていることを説明したが、以下に、本実施の形態1の積層体1の信頼性について説明する。
本実施の形態1の積層体1は、Zn系はんだ合金として、Zn-Al系はんだ合金2を有する。Zn系はんだ合金には、融点が高すぎるという欠点がある。従来、使用されていたPbの融点が約328℃に対して、Znの融点が約420℃であり、Znの融点はPbの融点よりも約100℃も高い。はんだは、金属を溶かし液体にして接合させる物であるため、融点が高すぎると接合させるための部品が壊れてしまうことがある。本実施の形態1の積層体1に用いられるZn-Al系はんだ合金2が、この問題を解決することを説明する。
(Alの添加)
Zn-Al系はんだ合金2は、1重量%以上9重量%以下のAlを含有する。ZnにAlを添加することにより融点を低下させ、さらに、はんだ合金の接合強度を上昇させることができる。このように、Zn系はんだ合金2は、Alが添加されたZn-Al系はんだ合金である。
ZnにAlを添加することで、ZnAl共晶反応によって固相線温度および液相線温度を380℃に低下させることができる。Alが4重量%未満だと、合金状態図では融点が390℃より高くなり、融点低下の効果が低減してしまう。一方、Alが7重量%を超えると、合金状態図では融点が400℃より高くなり、実用的な温度ではなくなる。また、Alの添加量が7重量%を超えると、はんだ合金が硬くなりすぎてしまい、その後のはんだ合金の加工が困難となってしまう。よって、Alの重量%は、4重量%以上7重量%以下であることが望ましい。
また、ZnにAlを添加することは、固溶強化により機械的強度を増加させ、はんだ合金の亀裂の発生および亀裂の進展を抑える役割も果たす。
(Geの添加)
Zn-Al系はんだ合金2は、Geを含有する。Alが添加されたZnにGeを添加することにより融点をさらに低下させ、さらにGeによる固溶強化により、はんだ合金の接合強度を上昇させることができる。また、Zn-Al系はんだ合金にGeを添加することにより、はんだ合金の濡れ性が向上する。Geの組成は、例えば、0.5重量%以上2重量%以下である。
また、Alが添加されたZnに1重量%を超えるGeを添加することで、ZnAlGeの三元共晶反応によって固相線温度を約350℃に低下させることができる。固相線温度を下げることによって、はんだが液体になる時間が相対的に長くなり、接合体への密着時間が増え接合が行われやすくなる。
また、Geの量が少ないと、ZnAlGeの三元共晶の吸熱反応が小さくなり、はんだが液体に変化しにくくなることにより、母材と接合しにくくなるのでGeの添加量は1重量%を超えることが望ましい。
一方、Geの添加量が2重量%を超えると、Geの固溶強化により合金が硬くなりすぎてしまい、Ge添加後の加工が困難となってしまう。
Zn-Al系はんだ合金2は、固相線温度および液相線温度が300℃~400℃の範囲に収まることを条件に、1重量%以上9重量%以下のAlと、Geとを含み、残部がZnおよび不可避不純物からなる。そのため、ZnAlGeによる三元共晶により融点を低下させるとともに、AlおよびGeによる固溶強化およびおGeによるぬれ性の向上によってAl系母材との接合強度が上昇し、Al母材との接合性が向上する。その結果、接合体の接合界面の割れが抑制され、信頼性が向上する。
(変形例1)
(Ni(ニッケル)の添加)
本変形例1のZn-Al系はんだ合金2は、1重量%以上9重量%以下のAlと、0.5重量%以上2重量%以下のGeと、0.005重量%以上1.0重量%未満のNiとを含み、残部がZnおよび不可避不純物からなるものである。さらに、Geの添加量を1重量%以上2重量%以下にしてもよい。これにより、はんだ合金の固相線温度を約350℃に低下させるだけでなく、はんだ合金が母材と接合されやすくなる。
本変形例1の効果を説明する。Zn-Al系はんだ合金に限らず、はんだ合金全般に関する懸念事項は、融点の他にもある。その他の懸念事項の1つは、熱が加わったときに接合界面の金属間化合物(IMC(InterMetallic Compound))が成長することである。金属間化合物とは、はんだを接合させる際、400℃以上のリフローにより液体となったはんだ合金が接合相手に相互拡散し化合物を形成することによって、異なる金属同士を接合させる役割を果すものをいう。
例えば、Snと接合体であるCu(銅)基板とを接合させると、SnとCuとの界面にCuSnのような化合物が形成され、この化合物が異種金属を接合させる役割を果たす。しかし、金属間化合物は、硬い性質があるが、その反面、脆い性質もある。金属間化合物は、上記の役割を果たすが、何度も加熱されると、はんだまたは接合体の母材から金属元素を引き込んで成長し、粗大化してしまう。金属間化合物は、粗大化すると、脆い性質が顕著に現れ、熱変形によって割れる。その結果、接合界面が割れてしまうことになる。よって、粗大化した金属間化合物は、電気的不良などを起こす原因となる。
高温はんだは、高温の環境で使用されることが多く、上述したように、金属間化合物が成長し粗大化することが懸念される。これに対して、本変形例1のZn-Al系はんだ合金2は、融点を下げるだけでなく、温度-55℃と温度150℃とを繰り返すヒートサイクルのような温度変化に対して、金属間化合物の成長および粗大化を抑制できる。
(変形例2)
(Co(コバルト)の添加)
本変形例2のZn-Al系はんだ合金2は、1重量%以上9重量%以下のAlと、0.5重量%以上2重量%以下のGeと、0.005重量%以上1.0重量%未満のCoとを含み、残部がZnおよび不可避不純物からなるものである。さらに、Geの添加量を1重量%以上2重量%以下にしてもよい。これにより、はんだ合金の固相線温度を約350℃に低下させるだけでなく、はんだ合金が母材と接合されやすくなる。
本変形例2のZn-Al系はんだ合金2についても、温度-55℃と温度150℃とを繰り返すヒートサイクルのような温度変化に対して、金属間化合物の成長を抑制できる。
(変形例3)
(NiおよびCoの添加)
本変形例3のZn-Al系はんだ合金2は、1重量%以上9重量%以下のAlと、0.5重量%以上2重量%以下のGeと、それぞれの組成の合計が0.005重量%以上1.0重量%未満となるNiおよびCoとを含み、残部がZnおよび不可避不純物からなるものである。さらに、Geの添加量を1重量%以上2重量%以下にしてもよい。これにより、はんだ合金の固相線温度を約350℃に低下させるだけでなく、はんだ合金が母材と接合されやすくなる。
Zn-Al系はんだ合金2を含む積層体1を、Agメッキが施されている電子部品の接合材に使用する場合、変形例1~3のようにNiまたはCoまたはその両方がはんだ合金に添加されている。そのため、積層体1の接合時にNiまたはCoが電子部品の電極と積層体1との接合部の界面付近に移動して、微細なNiAgZn、CoAgZnまたは(NiCo)AgZnが形成される。そのため、電子部品の電極と積層体1との接合部の界面付近おける、NiAgZn層、CoAgZnおよび(NiCo)AgZn層の成長が抑制される。これにより、電子部品の電極と積層体1との接合部の界面付近の亀裂の発生を抑制し、亀裂の進展を抑制させることができる。
実際の電子部品においては、AgまたはCuとはんだ合金のZnとによって金属間化合物が形成される。例えば、温度-55℃と温度150℃とを繰り返すヒートサイクルによって金属間化合物の成長が起きる。このような温度変化の繰り返しに対して、本実施の形態1の積層体1によれば、金属間化合物の成長を抑制できる。
なお、Zn-Al系はんだ合金2において、NiもしくはCoの添加量が0.005重量%未満である場合、またはその両方を合わせた添加量が0.005重量%未満である場合、はんだ接合部付近の亀裂抑制の効果が得られなくなる。また、Zn-Al系はんだ合金2において、NiもしくはCo添加量が1.0重量%以上である場合、またはその両方を合わせた添加量が1.0重量%以上である場合、融点の上昇、合金が硬くなりすぎることによる加工性の低下、または金属間化合物の粗大化につながり、接合信頼性を阻害するおそれがある。
(実施例)
本実施の形態1の積層体について詳細に説明する。
(Al箔)
原料として、99.99質量%以上のAlを準備する。準備した原料を所定量秤量し、グラファイト製のるつぼに入れ溶解させる。原料が十分溶融したら、撹拌棒にて溶けた原料を撹拌する。攪拌後、原料を鋳型に流し、十分冷却させてから、Alを所定の形状にする。このようにして準備したAl系母材を、圧延機を用いて冷間圧延を行い、所定の厚さに加工した。圧延の際、圧延油を使用し、Al系母材表面に塗布しながら圧延を行った。続いて、Al系母材を所定の厚さまで繰り返し圧延した後、自動洗浄機を用いて圧延油を除去し、その後、乾燥させてAl箔を作製した。
クラッドの前に、ワイヤーブラシを用いてAl箔の接合面を粗らした。その後、粗らした際に発生した削りカスおよび汚れを除去するために、自動洗浄機でAl箔の表面を洗浄した。洗浄後、Al箔を乾燥させて表面粗さを調整したAl箔を得た。
(Zn-Al系はんだ合金)
原料として、99.99質量%以上のZn、Al、Ge、NiおよびCoを準備した。これらの原料を原料毎に所定量秤量し、グラファイト製のるつぼに入れ、電気炉内にセットした。700℃まで温度を上げて原料を溶解し、その温度で暫く保持した。原料が十分に溶融したことを確認した後、原料を鋳型に流した。原料を十分に冷却させた後、所定の形状に切断し、積層体用のはんだ合金母材を得た。このようにして準備したはんだ合金母材を、圧延機を用いて冷間圧延を行い、所定の厚さに加工した。圧延の際、圧延油を使用し、はんだ合金母材表面に塗布しながら圧延を行った。はんだ合金母材を所定の厚さまで繰り返し圧延した後、自動洗浄機を用いて圧延油を除去し、その後、乾燥させてはんだ合金箔を作製した。
クラッドの前に、ワイヤーブラシを用いてはんだ合金箔の接合面を粗らした。その後、粗らした際に発生した削りカスおよび汚れを除去するために、自動洗浄機ではんだ合金箔の表面を洗浄した。洗浄後、はんだ合金箔を乾燥させて表面粗さを調整したはんだ合金箔を得た。
(クラッド方法)
準備したAl箔とはんだ合金箔を合わせ、圧延する方法でクラッドを行った。Al箔を2枚のはんだ合金箔で挟み、それぞれの箔がズレないように注意しながら圧延機のロールに挿入し圧延を行った。圧下率10%~30%の割合で薄く圧延していき、約150μmの厚さまで圧延した。このようにして、厚さ150±1.5μmの積層体を得た。
上述の製造方法によって、複数の積層体の試料を作製した。図6は、実施の形態1に係る積層体に用いたはんだ合金箔の組成および比較例のはんだ合金箔の組成を示す表である。図6に示す表において、試料1~20のうち、*が付された試料19および20は比較例である。
図6に示す試料1~18のそれぞれを用いた積層体、および試料19および20のそれぞれのはんだ合金について、2つの評価を行った。1つ目の評価は、半導体チップとCu基板の接合体を作り、半導体チップの傾きを評価するものである。2つ目の評価は、ヒートサイクル試験を行って応力緩和性を評価するものである。以下に、各評価の結果を説明する。
(半導体チップの傾き)
評価対象の試料1~18について、図6に示した各組成のはんだ合金を用いた積層体と、2.5mm×2.5mmのSi系の半導体チップとをCu基板に接合したものを使用した。評価対象の試料のうち、比較例の試料19および20について、図6に示した各組成のはんだ合金と、2.5mm×2.5mmのSi系の半導体チップとをCu基板に接合したものを使用した。接合条件について、Zn-Al系はんだ合金の液相線温度よりも50℃高い温度をリフローの設定温度とした。水素雰囲気において、試料を設定温度まで加熱し、設定温度に到達した後、3分保持するリフロー処理を行った。その後、各試料の接合体を樹脂で覆い、樹脂で覆われた接合体に対して断面研磨を行った。そして、SEM(Scanning Electron Microscope)(日本電子株式会社製JCM-5700)を用いて接合面における半導体チップの傾きを確認した。
半導体チップの傾きの評価結果を図7に示す。図7は、実施の形態1に係る積層体および比較例のはんだ合金について、半導体チップの傾きおよびクラックの有無を評価した結果を示す表である。図7において、半導体チップが傾いていた場合に「×」を示し、半導体チップが傾いた状態でない場合に「○」を示す。
図7において、試料1は、はんだ合金箔(Al:5重量%、Ge:0.05重量%、残部:Zn)とAl箔とが重なった積層体である。試料5は、はんだ合金箔(Al:5重量%、Ge:2.5重量%、残部:Zn)とAl箔とが重なった積層体である。試料2~4は、はんだ合金箔のAlの組成(5重量%)を変えずに、Geの組成を0.05重量%より大きく2.5重量%未満の範囲で変えたものである。試料6は、はんだ合金箔(Al:3.5重量%、Ge:1重量%、残部:Zn)とAl箔とが重なった積層体である。試料7は、はんだ合金箔(Al:7.5重量%、Ge:1重量%、残部:Zn)とAl箔とが重なった積層体である。
試料8は、はんだ合金箔(Al:5重量%、Ge:1重量%、Ni:0.005重量%、残部:Zn)とAl箔とが重なった積層体である。試料12は、はんだ合金箔(Al:5重量%、Ge:1重量%、Ni:1重量%、残部:Zn)とAl箔とが重なった積層体である。試料9~11は、はんだ合金箔のAlの組成(5重量%)およびGeの組成(1重量%)を変えずに、Niの組成を0.005重量%より大きく1重量%未満の範囲で変えたものである。
試料13は、はんだ合金箔(Al:5重量%、Ge:1重量%、Co:0.005重量%、残部:Zn)とAl箔とが重なった積層体である。試料16は、はんだ合金箔(Al:5重量%、Ge:1重量%、Co:1重量%、残部:Zn)とAl箔とが重なった積層体である。試料14および15は、はんだ合金箔のAlの組成(5重量%)およびGeの組成(1重量%)を変えずに、Coの組成を0.005重量%より大きく1重量%未満の範囲で変えたものである。試料17は、はんだ合金箔(Al:5重量%、Ge:1重量%、Ni:0.005重量%、Co:0.005重量%、残部:Zn)とAl箔とが重なった積層体である。試料18は、はんだ合金箔(Al:5重量%、Ge:1重量%、Ni:0.05重量%、Co:0.05重量%、残部:Zn)とAl箔とが重なった積層体である。
一方、比較例の試料19は、5重量%のAlを含有し、残部がZnおよび不可避不純物で構成されるZn系はんだ合金である。比較例の試料20は、Pb-5重量%Snはんだ合金である。図7に示すように、試料1~11、13~15、17および18は半導体チップが傾いていないが、比較例の試料19および試料20は半導体チップが傾いていた。試料12および16は、製造不可であったため、評価できなかった。
(応力緩和性)
次に、積層体の応力緩和性について評価するために行ったヒートサイクル試験と、その評価結果とを説明する。評価対象の試料として、半導体チップの傾きの確認のために用いたものと同様の接合体を試作した。ヒートサイクル試験は、-55℃の冷却と150℃の加熱とを1サイクルとし、このサイクルを500回行うものである。ヒートサイクル試験後、各試料の接合体を樹脂で覆い、樹脂で覆われた接合体に対して断面研磨を行った。そして、SEM(日本電子株式会社製JCM-5700)を用いて接合面の観察を行った。
各試料の接合面の評価結果を図7に示す。図7において、接合面にはがれが生じている、またははんだにクラックが入っているなどの不良がある場合に「×」を示し、そのような不良がなく、初期状態と同様の接合面を保っていた場合に「○」を示す。図7に示すように、試料1~11、13~15、17および18は、比較例の試料20と同様に、はんだにクラック等の不良がなく、良好な状態であった。これに対して、比較例の試料19では、接合面にはがれが生じている、またははんだにクラックが入っているなどの不良の発生が見られた。試料12および16は、製造不可であったため、評価できなかった。
図7は、本実施の形態1の積層体が比較例のはんだ合金と比較して優れた特性を有することを示している。比較例のはんだ合金は接合体の半導体チップが傾いてしまうが、本実施の形態1の積層体では半導体チップの傾きがなく接合されていた。また、ヒートサイクル試験についても、本実施の形態1の積層体は、温度-55℃と温度+150℃とを繰り返す非常に厳しい条件において応力緩和性により、ヒートサイクルが500回までクラック等の不良の発生は見られなかった。
このように、本実施の形態1の積層体は、Znを主成分とし、1重量%以上9重量%以下のAlと、Geとを含むZn-Al系はんだ合金にAl系母材を用いることで、応力緩和性などに優れた材料である。本実施の形態1の積層体は、産業上、非常に有用であり、かつ、実用性に富む技術であることがわかる。
(はんだ合金の融点および加工性)
次に、積層体に用いられるZn-Al系はんだ合金および比較例のはんだ合金について、融点を測定した。融点について、日立ハイテクサイエンス社製の高感度型示査操作熱量計(DSC7000X)を用いて、2[℃/分]の昇温速度で測定した。また、加工性の評価として、各試料について、厚さ3[mm]の棒はんだを冷間圧延した。
図6に示した試料1~16のうち、試料3、4、9~12、15および16については、各積層体に含まれるZn-Al系はんだ合金2を用いて評価試料を作製した。比較例の試料19および20として、図6に示した試料19および20のそれぞれの比較例のはんだ合金を用いて評価試料を作製した。
図8は、実施の形態1に係る積層体に用いられるZn-Al系はんだ合金および比較例のはんだ合金について、融点および加工性を評価した結果を示す表である。図8に示す表において、偏析などの影響で規定の組成量にできなかった合金組成を「製造不可」と表記している。また、図8において、厚さ0.15mmまで圧延が問題無く可能だった場合を「○」とし、ひび割れが入るなどして圧延が困難だが0.15mmまで圧延可能だった場合を「△」とし、ひび割れが多数あり、途中でバラバラになってしまうことにより0.15mmまで圧延できなかった場合を「×」としている。
試料12(Al:5重量%、Ge:1重量%、Ni:1重量%、残部:Zn)および試料16(Al:5重量%、Ge:1重量%、Co:1重量%、残部:Zn)は、偏析などによる影響で狙いの組成がつくれず「製造不可」であった。これに対して、試料3(Al:5重量%、Ge:1重量%、残部:Zn)は、固相線温度および液相線温度が300℃~400℃の範囲にあり、固相線温度が356℃と比較例1よりも低く、加工性も「○」判定であった。また、試料9および10(Al:5重量%、Ge:1重量%、Ni:0.01~0.1重量%、残部:Zn)は、固相線温度および液相線温度が300℃~400℃の範囲にあり、固相線温度が355℃と試料19よりも低く、加工性も「○」判定であった。
(信頼性)
次に、積層体に用いられるZn-Al系はんだ合金および比較例のはんだ合金について、信頼性を評価するために行ったヒートサイクル試験と、その評価結果とを説明する。
図6に示した試料1~18のうち、試料3、4、9~12、15および16については、各積層体に含まれるZn-Al系はんだ合金2を用いて評価試料を作成した。具体的には、試料3、4、9~12、15および16として、Cu基板の上にZn-Al系はんだ合金2およびAgダミーチップが搭載され、AgダミーチップがZn-Al系はんだ合金2を介してCu基板に接合された試料を作製した。比較例の試料19および20として、図6に示した試料19および20のそれぞれの比較例のはんだ合金を介して、AgダミーチップをCu基板に接合させた試料を作製した。
ヒートサイクル試験は、-55℃の冷却と150℃の加熱とを1サイクルとし、このサイクルを500回ずつ、合計3000回行うものである。ヒートサイクル試験後、各試料の接合体を樹脂で覆い、樹脂で覆われた接合体に対して断面研磨を行った。そして、SEM(日本電子株式会社製JCM-5700)を用いて接合面の断面を観察し、接合面に金属間化合物ができているか否かを確認した。
図9は、実施の形態1に係る積層体に用いられるZn-Al系はんだ合金と比較例のはんだ合金とについて、信頼性を評価した結果を示す表である。図9は、ヒートサイクルの回数が500回ごとに各試料の接合面を観察した結果を示す。図9に示す表において、AgダミーチップとZn-Al系はんだ合金2との金属間化合物にクラックが入っている場合に「×」を示し、クラックが入っていない場合に「○」を示す。クラックが入っていない場合、接合性は良好と判断する。
図9に示すように、試料3、4、9~11および15のいずれもが、比較例の試料20と同様に、ヒートサイクルが1500回まで、接合性が良好であり、Pb-Sn系はんだ合金と同等の信頼性が得られていることがわかる。さらに、試料10、11および15は、ヒートサイクルが2000回の場合でも接合性が良好であり、Pb-Sn系はんだ合金よりも信頼性が向上している。
試料10、11および15がPb-Sn系はんだ合金よりも信頼性が向上する理由として、過度な金属間化合物の生成を抑える働きがあると考えられる。接合時にAl層がZn-Al合金層に拡散することで、金属間化合物が生成される。Zn-Al系はんだ合金にNiまたはCoが添加されていない場合、生成された金属間化合物の成長を抑制することができず合金層が厚くなってしまう。この金属間化合物は硬くて脆いため、柔らかいAl層を残しても応力を吸収しきれずクラックが入ってしまうことがある。これに対して、Zn-Al系はんだ合金にNiまたはCoが添加されている場合、NiおよびCoが金属間化合物の成長を抑え、クラックが入ることを抑制する働きがあると考えられる。さらに、Zn-Al系はんだ合金にNiが含有されることで、はんだ自体が柔らかくなり、応力緩和の効果が向上する効果もあると考えられる。
本実施の形態1の積層体は、Zn-Al系はんだ合金と、Al系母材とを有し、Zn-Al系はんだ合金は、添加元素として、1重量%以上9重量%以下のAlと、Geとを含み、添加元素を除く残部が不可避不純物およびZnで構成される。積層体の母材に柔らかいAlが用いられているので、応力緩和性に優れている。また、接合時にAl系母材が溶融しないため、基板と接合される半導体チップが傾くことを抑制できる。その結果、積層体の厚みが均一な状態で維持され、半導体チップに発生する熱がより均等に基板に伝達し、基板から放熱される。よって、熱伝導性も優れている。また、Zn-Al系はんだ合金がZnを主成分とし、1重量%以上9重量%以下のAlと、Geとを含むため、AlおよびGeによって融点を低下させるとともに、AlおよびGeによる固溶強化およびGeによるぬれ性の向上によって、はんだ合金とAl系母材との接合強度が上昇する。そのため、はんだ合金とAl母材との接合性が向上し、接合体の接合界面の割れが抑制され、信頼性が向上する。さらに、Zn-Al系はんだ合金は、添加元素として、NiもしくはCo、またはNiおよびCoの両方を含んでいてもよい。この場合、ヒートサイクルのような温度変化に対して金属間化合物の成長および粗大化を抑制できる。
また、本実施の形態1の積層体の製造方法は、Zn-Al系はんだ合金にAl系母材を重ねるステップと、重ねられたZn-Al系はんだ合金およびAl系母材を圧着するステップと、を有するものである。本実施の形態1の積層体の製造方法において、Al系母材は、2層以上のAl層が重なった構成であってもよい。この場合、Al系母材を2層以上にする場合、1層のAl層の箔の厚みを薄くすることで、Zn-Al系はんだ合金との密着性が向上する。また、Zn-Al系はんだ合金とAl系母材とを重ねるステップは、2層のZn-Al系はんだ合金層を重ねるステップと、積層された2層のZn-Al系はんだ合金層にAl系母材を重ねるステップとを有していてもよい。この場合、クラッド後にAl系母材とZn-Al系はんだ合金との密着性が良くなり、A系母材からZn-Al系はんだ合金が剥がれにくくなる。
また、本実施の形態1の積層体の製造方法において、Zn-Al系はんだ合金およびAl系母材のそれぞれは、重ね合わされる表面の粗さが0.05μm以上であってもよい。この場合、各材料の表面に適度な凹凸が生じ、アンカー効果が発生し、互いの金属表面に凹凸が深く噛み合い、高い接合強度を得ることができる。
1 積層体、2 Zn-Al系はんだ合金、3 Al系母材、5 半導体チップ、7 基板、8 ヒートシンク、10 積層体、12、22a、22b Zn-Al系はんだ合金箔、13 Al箔、16、20 積層体。
本発明に係る積層体は、Zn-Al系はんだ合金と、Al系母材とを有する積層体であって、前記Zn-Al系はんだ合金は、添加元素として、1質量%以上9質量%以下のAlと、0.5質量%以上2質量%以下のGeと、0.005質量%以上1.0質量%未満のNiまたはCoと、を含み、前記添加元素を除く残部が不可避不純物およびZnで構成される、ことを特徴とするものである。
本発明に係る積層体の製造方法は、Zn-Al系はんだ合金にAl系母材を重ねるステップと、重ねられた前記Zn-Al系はんだ合金および前記Al系母材を圧着するステップと、を有し、前記Zn-Al系はんだ合金は、添加元素として、1質量%以上9質量%以下のAlと、0.5質量%以上2質量%以下のGeと、0.005質量%以上1.0質量%未満のNiまたはCoと、を含み、前記添加元素を除く残部が不可避不純物およびZnで構成される、ことを特徴とするものである。

Claims (14)

  1. Zn-Al系はんだ合金と、Al系母材とを有する積層体であって、
    前記Zn-Al系はんだ合金は、添加元素として、1重量%以上9重量%以下のAlと、Geとを含み、前記添加元素を除く残部が不可避不純物およびZnで構成される、ことを特徴とする、
    積層体。
  2. 前記Zn-Al系はんだ合金は、前記添加元素として、
    0.5重量%以上2重量%以下のGeを含む、ことを特徴とする、
    請求項1に記載の積層体。
  3. 前記Zn-Al系はんだ合金は、前記添加元素として、
    0.5重量%以上2重量%以下のGeと、
    0.005重量%以上1.0重量%未満のNiまたはCoと、を含む、ことを特徴とする、
    請求項1に記載の積層体。
  4. 前記Zn-Al系はんだ合金は、前記添加元素として、
    0.5重量%以上2重量%以下のGeと、
    それぞれの組成の合計が0.005重量%以上1.0重量%未満となるNiおよびCoと、を含む、ことを特徴とする、
    請求項1に記載の積層体。
  5. 前記Zn-Al系はんだ合金が2層以上である、ことを特徴とする、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 前記Zn-Al系はんだ合金の間に、前記Al系母材が挟まれた構成である、ことを特徴とする、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 前記Al系母材は、2層以上のAl層が重なった構成である、ことを特徴とする、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. Zn-Al系はんだ合金にAl系母材を重ねるステップと、
    重ねられた前記Zn-Al系はんだ合金および前記Al系母材を圧着するステップと、
    を有し、
    前記Zn-Al系はんだ合金は、添加元素として、1重量%以上9重量%以下のAlと、Geとを含み、前記添加元素を除く残部が不可避不純物およびZnで構成される、ことを特徴とする、
    積層体の製造方法。
  9. 前記Zn-Al系はんだ合金は、2層以上のZn-Al系はんだ合金層を有する、ことを特徴とする、
    請求項8に記載の積層体の製造方法。
  10. 前記Zn-Al系はんだ合金と前記Al系母材とを重ねるステップは、
    2層の前記Zn-Al系はんだ合金層のうち、一方の前記Zn-Al系はんだ合金層の上に前記Al系母材を重ねるステップと、
    前記Al系母材の上に前記2層のZn-Al系はんだ合金層のうち、他方の前記Zn-Al系はんだ合金層を重ねるステップと、を有する、ことを特徴とする、
    請求項9に記載の積層体の製造方法。
  11. 前記Al系母材は、2層以上のAl層が重なった構成である、ことを特徴とする、
    請求項8~10のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
  12. 前記Zn-Al系はんだ合金は、前記添加元素として、
    0.5重量%以上2重量%以下のGeを含む、ことを特徴とする、
    請求項8~11のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
  13. 前記Zn-Al系はんだ合金は、前記添加元素として、
    0.5重量%以上2重量%以下のGeと、
    0.005重量%以上1.0重量%未満のNiまたはCoと、を含む、ことを特徴とする、
    請求項8~11のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
  14. 前記Zn-Al系はんだ合金は、前記添加元素として、
    0.5重量%以上2重量%以下のGeと、
    それぞれの組成の合計が0.005重量%以上1.0重量%未満となるNiおよびCoと、を含む、ことを特徴とする、
    請求項8~11のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
JP2020130573A 2020-07-31 2020-07-31 積層体および積層体の製造方法 Active JP6887184B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020130573A JP6887184B1 (ja) 2020-07-31 2020-07-31 積層体および積層体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020130573A JP6887184B1 (ja) 2020-07-31 2020-07-31 積層体および積層体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6887184B1 JP6887184B1 (ja) 2021-06-16
JP2022026897A true JP2022026897A (ja) 2022-02-10

Family

ID=76313313

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020130573A Active JP6887184B1 (ja) 2020-07-31 2020-07-31 積層体および積層体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6887184B1 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP6887184B1 (ja) 2021-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5285079B2 (ja) はんだ合金および半導体装置
JP4197718B2 (ja) 酸化膜密着性に優れた高強度銅合金板
WO2017217145A1 (ja) はんだ接合部
JPS6252464B2 (ja)
JP6355092B1 (ja) はんだ合金およびそれを用いた接合構造体
US9656351B2 (en) Solder material and connected structure
KR102133765B1 (ko) 납땜 이음 및 납땜 이음의 형성 방법
JP4959539B2 (ja) 積層はんだ材およびそれを用いたはんだ付方法ならびにはんだ接合部
JP5672132B2 (ja) Znを主成分とするPbフリーはんだ合金およびその製造方法
JP6887184B1 (ja) 積層体および積層体の製造方法
JP6355091B1 (ja) はんだ合金およびそれを用いた接合構造体
JP2013146764A (ja) 接続材料及びそれを用いたはんだ付け製品
JP6887183B1 (ja) はんだ合金および成形はんだ
JP6020391B2 (ja) PbフリーZn−Al系合金はんだとCu系母材の半導体素子接合用クラッド材
JP2017136628A (ja) In系クラッド材
JP2017147285A (ja) PbフリーZn−Al系合金はんだと金属母材とのクラッド材によって接合された接合体
JP5526997B2 (ja) Bi系はんだ接合用の電子部品と基板及び電子部品実装基板
JP2014024109A (ja) Bi−Sb系Pbフリーはんだ合金
KR102579479B1 (ko) 접속핀
TWI795778B (zh) 無鉛焊料合金、焊料球、焊膏及半導體裝置
KR102579478B1 (ko) 전기접속용 금속핀
JP6579551B2 (ja) 合金接合材による接合層構造及びその形成方法、並びに該接合層構造を有する半導体装置及びその製造方法
JP2017124426A (ja) Cu系基材とZn−Al系合金はんだとのクラッド材によって接合された接合体
JP2006000925A (ja) 無鉛はんだ合金およびその製造方法
TW202414632A (zh) 導電連接的金屬柱及其製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200731

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200731

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200814

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210427

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210511

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6887184

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250