JP2022023663A - 半導体記憶装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層体に加わる応力を緩和すること。【解決手段】実施形態の半導体記憶装置10は、複数の第1の導電層WLが第1の絶縁層OLを介して積層され、複数の第1の導電層WLの端部が階段状となって終端した階段領域SR、及び複数のメモリセルMCが配置されるメモリ領域MRを有する積層体LMa,LMbと、階段領域SRを覆い、少なくともメモリ領域MRにおける積層体LMa,LMbの上面の高さまで達する第2の絶縁層51と、階段領域SRの昇降方向と交差する第1の方向に長手方向を有するとともに、第2の絶縁層51内を積層体LMa,LMbの積層方向に延び、第2の絶縁層51の階段領域SR上での広がりを昇降方向について遮る第1の構造BSsと、を備える。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
3次元不揮発性メモリでは、積層された複数の導電層に対してメモリセルが3次元に配置される。このような構成においては、積層体とその周辺部との材質の違いにより生じる応力を緩和することが望ましい。
特開2018-157096号公報
1つの実施形態は、積層体に加わる応力を緩和することが可能な半導体記憶装置を提供することを目的とする。
実施形態の半導体記憶装置は、複数の第1の導電層が第1の絶縁層を介して積層され、前記複数の第1の導電層の端部が階段状となって終端した階段領域、及び複数のメモリセルが配置されるメモリ領域を有する積層体と、前記階段領域を覆い、少なくとも前記メモリ領域における前記積層体の上面の高さまで達する第2の絶縁層と、前記階段領域の昇降方向と交差する第1の方向に長手方向を有するとともに、前記第2の絶縁層内を前記積層体の積層方向に延び、前記第2の絶縁層の前記階段領域上での広がりを前記昇降方向について遮る第1の構造と、を備える。
図1は、実施形態1にかかる半導体記憶装置の構成例を示す模式図である。 図2は、実施形態1にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。 図3は、実施形態1にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。 図4は、実施形態1にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。 図5は、実施形態1にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。 図6は、実施形態1にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。 図7は、実施形態1にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。 図8は、実施形態2にかかる半導体記憶装置の構成例を示す模式図である。 図9は、実施形態2にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。 図10は、実施形態2にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。 図11は、実施形態2にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。 図12は、実施形態2にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。 図13は、実施形態2にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。 図14は、実施形態2にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。 図15は、実施形態2にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。 図16は、実施形態3にかかる半導体記憶装置の構成例を示す模式図である。 図17は、実施形態4にかかる半導体記憶装置の構成例を示すX方向に沿う断面図である。 図18は、実施形態4にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。 図19は、実施形態4にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。 図20は、実施形態4にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。 図21は、実施形態4にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。
以下に、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により、本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
以下、図面を参照して実施形態1について詳細に説明する。
(半導体記憶装置の構成例)
図1は、実施形態1にかかる半導体記憶装置10の構成例を示す模式図である。図1(a)は半導体記憶装置10のX方向に沿う断面図であり、図1(b)は半導体記憶装置10の平面図であり、図1(c)は半導体記憶装置10のピラーPLのX方向に沿う拡大断面図であり、図1(d)は半導体記憶装置10の分割帯BSsのX方向に沿う拡大断面図であり、図1(e)は半導体記憶装置10の分割帯BPsのX方向に沿う拡大断面図であり、図1(f)は半導体記憶装置10のコンタクトLIのY方向に沿う拡大断面図である。ただし、図1(a)~(f)においては、ピラーPL及びコンタクトCC,LIの上層配線等が省略されている。
図1に示すように、半導体記憶装置10は、シリコン基板等の基板SB上に、第1の導電層としてのワード線WLと、第1の絶縁層としての絶縁層OLとが交互に複数積層された積層体LMaを備える。また、半導体記憶装置10は、積層体LMa上に、第1の導電層としてのワード線WLと、第1の絶縁層としての絶縁層OLとが交互に複数積層された積層体LMbを備える。ワード線WLは、例えばタングステン層またはモリブデン層等である。絶縁層OLは例えばSiO層等である。
なお、図1の例では、積層体LMa,LMbはそれぞれ4層のワード線WLを有するが、ワード線WLの層数は任意である。また、積層体LMaは最下層のワード線WLの下方に選択ゲート線(不図示)を配置して構成されてもよく、積層体LMbは最上層のワード線WLの上方に選択ゲート線(不図示)を配置して構成されてもよい。
積層体LMa,LMbは、積層体LMa,LMbの中央付近に、メモリセルMCが3次元に複数配置されたメモリ領域MRを有する。積層体LMa,LMbは、積層体LMa,LMbのX方向の端部付近に、異なる階層のワード線WLを個々に引き出すためワード線WLが階段状に終端した階段領域SRを有する。なお、本明細書においては、階段領域SRの各段のテラス面が向いた方向を上方向と規定する。
階段領域SRのX方向外側、つまり、メモリ領域MRの反対側は、SiO層等の第2の絶縁層としての絶縁層51が厚く堆積された周辺領域PRとなっている。絶縁層51は、階段領域SRを覆いつつ周辺領域PRにまで広がり、例えばメモリ領域MRにおける積層体LMbの上面の高さまで達している。
周辺領域PRには、例えばメモリセルMCの動作に寄与する図示しない周辺回路が配置されている。周辺回路は、例えば基板SB上に配置された図示しないトランジスタを有する。
積層体LMa,LMbは、X方向に延びる分割部としてのコンタクトLIでY方向に分割されている。つまり、コンタクトLIはX方向に長手方向を有する。コンタクトLIにより、メモリ領域MRと階段領域SRとは、ブロックBLKと呼ばれる複数の領域に区画される。
メモリ領域MRの積層体LMa,LMbには、破線で示す絶縁部材SHEが、X方向に帯状に延びている。絶縁部材SHEは、コンタクトLIとY方向に交互に配置され、例えば最上層のワード線WLより上方の導電層を選択ゲート線(不図示)のパターンに区画している。
2つのコンタクトLIに挟まれた階段領域SRの上方には、Y方向に延び、絶縁層51の階段領域SR上での広がりをX方向について遮る第1の構造としての分割帯BSsが配置されている。つまり、分割帯BSsはY方向に長手方向を有する。ただし、分割帯BSsは絶縁層51を完全には貫通しておらず、分割帯BSsの底面は階段領域SRの積層体LMa,LMbに接していない。すなわち、分割帯BSsの下端は、階段領域SRの積層体LMa,LMbの上面より上方に位置する。
分割帯BSsは、階段領域SR内に少なくとも1つ配置されることができる。分割帯BSsは、階段領域SR内に複数配置されていてもよい。その場合、複数の分割帯BSsは例えば互いに略等間隔で配置されていてよい。複数の分割帯BSsの間隔は、例えば140μm以下とすることができる。
分割帯BSsは、分割帯BSsの側壁を覆う絶縁層53を有する。絶縁層53の内側には、例えば引っ張り応力を有する材料等が充填された充填層21が配置されている。絶縁層53は例えばSiO層等である。充填層21は、例えばタングステン層等である。
なお、絶縁層51の分割帯BSsに面した端面と絶縁層53との間には、図示しない金属元素含有ブロック層が介在されていてもよい。金属元素含有ブロック層は例えばAl層等である。
階段領域SRの外側であって、コンタクトLIのX方向の終端部近傍には、Y方向に延び、絶縁層51を貫通して基板SBに到達する分割帯BPsが配置されている。つまり、分割帯BPsはY方向に長手方向を有し、絶縁層51の広がりをX方向について遮る第2の構造として、階段領域SRの外側の周辺領域PRに広がった絶縁層51の領域に配置される。また、図1(a)(b)では簡略化して示してあるが、分割帯BPsのX方向の幅は、例えば分割帯BSsのX方向の幅より広い。
分割帯BPs内は、例えば分割帯BSsと同様の構成となっている。すなわち、分割帯BPsは、上記の絶縁層53と同様、分割帯BPsの側壁を覆うSiO層等の絶縁層53を有する。絶縁層53の内側には、上記の充填層21と同様、タングステン等の引っ張り応力を有する材料が充填された充填層21が配置されている。
なお、分割帯BSsの場合と同様に、絶縁層51の分割帯BPsに面した端面と、分割帯BPsの絶縁層53との間には、Al層等である金属元素含有ブロック層が介在されていてもよい。
コンタクトLIは、積層体LMa,LMbを貫通して基板SBに到達する。コンタクトLIのY方向の幅は、例えば分割帯BSsのX方向の幅より広い。
コンタクトLI内は、例えば分割帯BSsと同様の構成となっている。すなわち、コンタクトLIは、上記の絶縁層53と同様、コンタクトLIの側壁を覆うSiO層等の絶縁層53を有する。絶縁層53の内側には、上記の充填層21と同一の材料であるタングステン等が充填された充填層21が配置されている。
なお、階段領域SR及び階段領域SRの外側領域において、分割帯BSsの場合と同様に、絶縁層51のコンタクトLIに面した端面と、コンタクトLIの絶縁層53との間には、Al層等である金属元素含有ブロック層が介在されていてもよい。また、メモリ領域MR内のコンタクトLIにおいては、絶縁層OLのコンタクトLIに面した端部と、コンタクトLIの絶縁層53との間に、Al層等である金属元素含有ブロック層が介在されていてもよい。
コンタクトLI内に配置される充填層21は、上述のように例えば導電性を有し、図示しない上層配線と接続される。上層配線に接続する導電性の充填層21を有するコンタクトLIが、基板SB上に配置されることで、コンタクトLIは例えばソース線コンタクトとして機能する。
メモリ領域MR内には、積層体LMa,LMbを貫通して基板SBに到達する複数のピラーPLが、マトリクス状に配置されている。
個々のピラーPLは、外周側から順に、メモリ層ME、チャネル層CN、及びコア層CRを有する。チャネル層CNはピラーPLの底部にも配置される。メモリ層MEは、例えばピラーPLの外周側から順に、ブロック絶縁層BK、電荷蓄積層CT、及びトンネル絶縁層TNが積層された層である。
チャネル層CNは、例えばアモルファスシリコン層またはポリシリコン層等である。コア層CR、ブロック絶縁層BK、及びトンネル絶縁層TNは例えばSiO層等である。電荷蓄積層CTは例えばSiN層等である。
ピラーPLの底部の基板SBは、例えば表層部にnウェル11を有し、nウェル11内にpウェル12を有する。基板SBのpウェル12は、ピラーPL底部のチャネル層CNと接続される。
ピラーPLのチャネル層CNは、また、図示しないビット線等の上層配線と接続される。個々のピラーPLが、トンネル絶縁層TN及びブロック絶縁層BKによって電荷蓄積層CTが囲まれたメモリ層MEと、ビット線等に接続するチャネル層CNとを有することにより、ピラーPLとワード線WLとのそれぞれの交差部には複数のメモリセルMCが形成される。
上述の絶縁部材SHEは、Y方向に並ぶコンタクトLI間のピラーPLのうち、例えば中央のピラーPLの上部に、そのピラーPLと交差するように形成される。これにより、絶縁部材SHEは、2つのコンタクトLI間において、積層体LMa,LMbの最上層のワード線WLの更に上方に配置された導電層(不図示)を、Y方向に隣接する2つの選択ゲート線に分割している。
以上のように、メモリ領域MRには複数のメモリセルMCが3次元に配置され、半導体記憶装置10は例えば3次元不揮発性メモリとして構成される。
階段領域SRは、X方向においてメモリ領域MRと隣接し、メモリ領域MRへと向かって昇段していく複数列の階段状の構造である階段領域SRa,SRbを有する。階段領域SRaでは、例えば最下層のワード線WLから1層目、3層目、5層目というように、奇数層にあたるワード線WLが引き出されている。階段領域SRbでは、例えば最下層のワード線WLから2層目、4層目、6層目というように、偶数層にあたるワード線WLが引き出されている。ただし、階段領域SRが備える階段状の列は1列であってもよく、3列以上であってもよい。
階段領域SRには、階段領域SR上を覆う絶縁層51、及び積層体LMa,LMbを貫通し、基板SBに到達する複数の柱状体HRが、マトリクス状に配置されている。ただし、分割帯BSsの位置に重なって柱状体HRが配置されている場合、その柱状体HRの上部は分割帯BSsにより消失している。そして、これらの柱状体HRの下部は、階段領域SR上方の絶縁層51内に配置される分割帯BSsの底面から、絶縁層51及び階段領域SRの積層体LMa,LMbを貫通し、基板SBに到達する。しかし、分割帯BSsの下方に、必ずしも柱状体HRが配置されている必要はない。
個々の柱状体HRは例えばピラーPLと略等しいサイズを有する。個々の柱状体HRには例えばSiO層等の絶縁層52が充填されている。柱状体HRは、後述する半導体記憶装置10の製造工程において、製造途中の半導体記憶装置10が備える積層構造を支持する。したがって、可能な限り多くの柱状体HRが、可能な限り高密度に配置されることが好ましい。
階段領域SRの各段には、複数のコンタクトCCが配置されている。個々のコンタクトCCは、絶縁層51の上面から下方の階段部SRへと延び、自身が配置される段のテラス面を構成する絶縁層OLを貫通して、絶縁層OLの下層のワード線WLに到達する。これにより、複数のコンタクトCCは、それぞれ階層の異なるワード線WLに電気的に接続される。
(半導体記憶装置の製造方法)
次に、図2~図7を用いて、実施形態1の半導体記憶装置10の製造方法の例について説明する。
図2~図7は、実施形態1にかかる半導体記憶装置10の製造方法の手順の一例を示す図である。図2~図7の同一図番(A)(B)において、小文字で示される(a)及び(b)は、同じ処理工程中のそれぞれ断面及び平面を示す。図2~図7の小文字の(a)は図1(a)の断面に相当し、小文字の(b)は図1(b)の平面に相当する。
図2(Aa)(Ab)に示すように、基板SB上に、犠牲層NLと絶縁層OLとが交互に複数積層された積層体LMasを形成する。犠牲層NLは、例えばSiN層等の絶縁層であり、後に導電材料と置き換えられてワード線WLとなる層である。
図2(Ba)(Bb)に示すように、積層体LMasに階段領域SRasを形成する。階段領域SRasは、後に形成される階段領域SRの下層部分にあたる。
階段領域SRasは、例えばレジスト膜のスリミング等により形成することができる。すなわち、積層体LMas上に形成したレジスト膜等をOプラズマ等によりスリミングしつつ、積層体LMasの上層から所定数の犠牲層NLと絶縁層OLとを順次、除去していくことで、階段領域SRasが形成される。
階段領域SRasを形成後、例えば未加工部分の積層体LMasの上面の高さまで、階段領域SRasを絶縁層51で覆う。
図3(Aa)(Ab)に示すように、階段領域SRasを含む積層体LMasの端部付近に、複数のホールHLaを形成する。つまり、複数のホールHLaは、積層体LMasの端部付近の領域であって、階段領域SRの下層部分にあたる階段領域SRasの配置領域と、階段領域SRasを覆う絶縁層51の領域とに形成される。
図3(Ba)(Bb)に示すように、個々のホールHLa内に犠牲層を充填して、複数の柱状体HRsを形成する。犠牲層は、後に柱状体HRの充填材となる絶縁材料と置き換えられる層であり、例えばアモルファスシリコン層等である。
図4(Aa)(Ab)に示すように、積層体LMasの上面および絶縁層51の上面に、犠牲層NLと絶縁層OLとが交互に複数積層された積層体LMbsを形成する。
図4(Ba)(Bb)に示すように、積層体LMbsに、後に形成される階段領域SRの上層部分にあたる階段領域SRbsを形成する。階段領域SRbsも、階段領域SRasと同様、例えばレジスト膜のスリミング等により形成することができる。
これにより、階段領域SRas,SRbsを含み、後に階段領域SRとなる階段領域SRsが形成される。また、階段領域SRsの全体および階段領域SRsの外側の領域には、絶縁層51が積み増しされて、例えば未加工部分の積層体LMbsの上面高さと略等しい高さとなる。このような厚膜の絶縁層51は例えば圧縮応力を生じさせ、積層体LMas,LMbは例えば内側に向かう外力を受ける。
図5(Aa)(Ab)に示すように、未加工部分の積層体LMbsの上面または階段領域SRsを覆う絶縁層51の上面から、積層体LMbsの底面と接する積層体LMasの上面の高さ位置まで到達する複数のホールHLbを、個々の柱状体HRsの上方に形成する。
これにより、複数のホールHLbのうち、一部のホールHLbは、階段領域SRsの積層体LMbsを貫通して下方の柱状体HRsに連結される。また、一部のホールHLbは、階段領域SRs上の絶縁層51及び積層体LMbsを貫通して下方の柱状体HRsに連結される。また、一部のホールHLbは、階段領域SRs上の絶縁層51を貫通して下方の柱状体HRsに連結される。
図5(Ba)(Bb)に示すように、個々の柱状体HRsの上端に連結されたホールHLbを介して、柱状体HRsに充填されたアモルファスシリコン層等の犠牲層を除去する。これにより、未加工部分の積層体LMbsの上面の高さ位置から基板SBに到達する複数のホールHLが形成される。
図6(Aa)(Ab)に示すように、個々のホールHL内に例えばSiO層等の絶縁層52(図1(d)参照)を充填して、未加工部分の積層体LMbsの上面の高さ位置から基板SBに到達する複数の柱状体HRを形成する。
なお、ここまでの処理において、メモリ領域MRには複数のピラーPLが形成される。ピラーPLは、例えば柱状体HRと類似の手順で形成することができる。
すなわち、基板SB上に形成された積層体LMasを貫通する複数のメモリホールを形成し、個々のメモリホール内にアモルファスシリコン層等の犠牲層を充填して下部ピラーを形成する。ここまでの処理は、例えば柱状体HRsの形成処理、つまり、図3(Aa)(Ab)乃至図3(Ba)(Bb)に示す処理と並行して実施することができる。
また、積層体LMas上に形成された積層体LMbsを貫通し、個々の下部ピラーに連結する複数のメモリホールを形成し、これらのメモリホールを介して下部ピラーの犠牲層を除去した後、積層体LMas,LMbs全体を貫通することとなった個々のメモリホール内に、メモリホールの側壁側から順に、メモリ層ME、チャネル層CN、及びコア層CRを形成する。このとき、チャネル層CNは、基板SBが露出したメモリホールの底部にも形成される。
以上の処理のうち、メモリホールの形成および下部ピラーの犠牲層の除去については、例えばホールHLの形成および柱状体HRsの犠牲層の除去、つまり、図5(Aa)(Ab)乃至図5(Ba)(Bb)に示す処理と並行して実施することができる。また、ピラーPLの形成は、例えば柱状体HRの形成処理の前、つまり、図6(Aa)(Ab)に示す処理の前に実施することができる。あるいは、ピラーPLの形成は、例えば柱状体HRの形成処理の後、つまり、図6(Aa)(Ab)に示す処理の後に実施することができる。
以上により、積層体LMas,LMbsを貫通し、基板SBに接続される複数のピラーPLが形成される。
図6(Ba)(Bb)に示すように、スリットST,SSs,SPsを例えば一括形成する。スリットSTは、後にコンタクトLIとなる部位でありX方向に延びる。スリットSSsは、後に分割帯BSsとなる部位でありY方向に延びる。スリットSPsは、後に分割帯BPsとなる部位でありY方向に延びる。スリットSSsは階段領域SRs内に少なくとも1つ、あるいは複数形成されてもよい。
これらのスリットST,SSs,SPsは、例えばドライエッチング処理等により形成される。このとき、スリットSTは、積層体LMas,LMbsを貫通して基板SBに到達する。スリットSPsは、絶縁層51を貫通して基板SBに到達する。スリットSSsは絶縁層51中を下方へと延びる。スリットSSsの位置に重なって柱状体HRが配置されている場合には、スリットSSsが形成されることにより、この柱状体HRの上部は消失する。
ここで、スリットSSsのX方向の幅は、例えばスリットSPsのX方向の幅およびスリットSTのY方向の幅より狭い。また、スリットSSsのアスペクト比は、スリットSPs,STのアスペクト比よりも高い。
このため、これらのスリットST,SSs,SPsを一括で形成した場合、スリットST,SPsに比べて、スリットSSsのエッチングレートが抑制される。したがって、スリットST,SPsの底部が基板SBに到達してスリットST,SPsのエッチング処理が終了したとき、スリットSSsの底部が階段領域SRsの所定段のテラス面に到達することなく、スリットSSsのエッチング処理が終了する。
このように、階段領域SRsの外側にスリットSPsが形成されることで、スリットSPsによって、階段領域SRsの外側の絶縁層51が階段領域SRsを含む積層体LMas,LMbsから切り離される。これにより、絶縁層51から積層体LMas,LMbsへの圧縮応力が緩和される。
一方で、階段領域SRsの外側にスリットSPsが形成されることで、例えば積層体LMas,LMbsにスリットSPs側へと膨張する応力が生じる。階段領域SRsの上方に形成されたスリットSSsは、積層体LMas,LMbsのスリットSPs側へと向かう応力を吸収して緩和させる。これにより、例えば階段領域SRsに形成された柱状体HRが、積層体LMas,LMbsの外側へ向かって傾いてしまうことが抑制される。
図7(Aa)(Ab)に示すように、積層体LMas,LMbsを分断するスリットSTを介して、積層体LMas,LMbsの犠牲層NLを除去する。これにより、各々の絶縁層OLの間にギャップを有する積層体LMag,LMbgが形成される。
このとき、柱状体HRによって、ギャップを有することとなった脆弱な階段領域SRgが支持される。また、メモリ領域MRのピラーPL(図1参照)によって、脆弱な積層体LMas,LMbsが支持される。
しかしながら、積層体LMag,LMbgの階段領域SRgの上方および外側には、上述のように、例えば積層体LMbgの上面高さまで形成された厚膜の絶縁層51が存在する。積層体LMag,LMbgは、この絶縁層51から圧縮応力、つまり、積層体LMag,LMbgの内側へと向かって押し潰されるような外力を受ける。
ここで、階段領域SRgの外側にはスリットSPsが形成され、階段領域SRg上の絶縁層51と、階段領域SRg外側の絶縁層51とを分断している。このため、階段領域SRg外側の絶縁層51から積層体LMag,LMbgへの圧縮応力が抑制される。
また、階段領域SRgの上方にはスリットSSsが形成され、階段領域SRg上の絶縁層51を所定サイズの複数ブロックに分断している。このため、階段領域SRg上の絶縁層51から階段領域SRgへの圧縮応力が抑制される。また、積層体LMag,LMbgのスリットSPs側へと膨張する応力が抑制される。よって、積層体LMag,LMbgの絶縁層OLの撓み、及び柱状体HRの積層体LMag,LMbg側、または逆側への傾きが抑制される。
このとき、階段領域SRg上の絶縁層51は、圧縮応力を充分に抑制することが可能なサイズに分断され、ブロック化されていることが好ましい。このため、スリットSSsは必要に応じて複数形成されてよい。
スリットSSsの形成箇所、数、及び間隔等は、例えば応力シミュレーション等に基づいて決定することができる。そのような応力シミュレーションの一例として、複数のスリットSSsの間隔を例えば140μm以下とすることで、階段領域SRg上の絶縁層51の圧縮応力を充分に抑制することができる。
図7(Ba)(Bb)に示すように、積層体LMag,LMbgの絶縁層OL間のギャップに、タングステンまたはモリブデン等の導電材料を充填する。これにより、個々の絶縁層OL間に積層されるワード線WLを有する積層体LMa,LMbが形成される。
なお、絶縁層OL間のギャップに導電材料を充填する前に、Al層等の金属元素含有ブロック層、及びTiN層等のバリアメタル層が、絶縁層OLの上下面に、絶縁層OLに近い順に形成されてもよい。このとき、金属元素含有ブロック層およびバリアメタル層は、絶縁層OLのスリットSTに面した端部にも形成される。また、金属元素含有ブロック層およびバリアメタル層は、絶縁層51の各々のスリットST,SSs,SPsに面した端面にも形成されてよい。これらの金属元素含有ブロック層およびバリアメタル層のうち、バリアメタル層は、ワード線WLの形成時に、スリットST,SSs,SPs内からは除去される。金属元素含有ブロック層は、これ以降の処理を経た後もスリットST,SSs,SPs内に残っていてよい。
図7(Aa)(Ab)及び(Ba)(Bb)に示す処理は、ワード線WLのリプレース処理等と称されることがある。
ワード線WLの形成後、各々のスリットST,SSs,SPsの側壁には絶縁層53(図1(d)参照)等が一括して形成され、絶縁層53内には例えばタングステン層等の充填層21(図1(d)参照)等が一括して充填される。これにより、各々のスリットST,SSs,SPsから、それぞれコンタクトLI、及び分割帯BSs,BPsが形成される。
ここで、タングステン層等の充填層21は引っ張り応力を有する。このため、充填層21等を有する分割帯BSs,BPsが形成されることで、これらの周辺の構成が分割帯BSs,BPsへ向かって引っ張られる。よって、例えば階段領域SRの上方および外側の絶縁層51からの圧縮応力が更に緩和される。
また、リプレース処理後の積層体LMa,LMbの内側方向には、タングステン層等であるワード線WLによる引っ張り応力が生じている。分割帯BSs,BPsは、ワード線WLによる引っ張り応力に対抗して、積層体LMa,LMbを外側へと引っ張る応力を生じさせる。
これにより、例えば階段領域SRに形成された柱状体HRが、絶縁層51からの圧縮応力およびワード線WLによる引っ張り応力によって、積層体LMa,LMbの内側へと傾いてしまうことが抑制される。
この後、階段領域SR上方の絶縁層51及び階段領域SRの各段のテラス面の絶縁層OLを貫通して下層のワード線WLに到達するコンタクトCC(図1(b)参照)が形成される。このとき、分割帯BSs,BPsの応力緩和によって柱状体HRの傾きが抑制されているので、柱状体HRとコンタクトCCとの接触が抑制される。
また、メモリ領域MRの積層体LMa,LMbに、最上層のワード線WLより上方の導電層を分割する絶縁部材SHEが形成される。また、コンタクトCC,LI、及びピラーPLのチャネル層CN等に接続される上層配線を形成する。
以上により、実施形態1の半導体記憶装置10が製造される。
3次元不揮発性メモリは、例えば複数の導電層が絶縁層を介して積層される積層体に3次元にメモリセルを配置することで形成される。一方、積層体の外側には厚膜の絶縁層が配置され、積層構造をとる積層体とは構成材料が大きく異なっている。
このため、厚膜の絶縁層から積層体の内側へと向かう圧縮応力が発生する場合がある。リプレース時、積層体は多数のギャップを含む脆弱な構成を取るため、絶縁層からの圧縮応力によって、積層体の積層構造に撓みが生じたり、階段領域の柱状体がメモリ領域側へ傾いたりしてしまうことがある。
そこで、積層体と積層体外側の絶縁層とを分断する溝を、積層体の外側に形成するなどして、このような圧縮応力を緩和することが考えられる。また、例えばメモリセルが配置されない階段領域に、積層体を支持する複数の柱状体を高密度に配置することが考えられる。
しかしながら、上記のような溝の効果が及ぶのは所定範囲内に限られ、局所的にみると、例えば階段領域に働く外力が充分に抑制されない場合がある。また、積層体の全域的にみると、上記の溝が形成されることで、積層体が溝側へと引っ張られる引っ張り応力が発生してしまう場合がある。また、階段領域の面積には限りがあり、柱状体を配置できる数にも限界がある。
実施形態1の半導体記憶装置10によれば、階段領域SRの昇降方向と交差するY方向および積層体LMa,LMbの積層方向に延び、階段領域SR上の絶縁層51を分割する分割帯BSsを備える。これにより、リプレース処理において犠牲層NLが除去された際、階段領域SRg上の絶縁層51から階段領域SRgへの圧縮応力が抑制される。
よって、階段領域SRgにおいて上下に隣接する絶縁層OLが撓んで接触し、その部分でワード線WLが寸断されてオープンとなってしまうのを抑制することができる。また、絶縁層OLに望まれる強度が下がり、絶縁層OLを薄くすることができるので、半導体記憶装置10の嵩を減らすことができる。
また、階段領域SRgの柱状体HRの積層体LMag,LMbg内側への傾きが抑制され、例えばコンタクトCCが形成される際、コンタクトCCと柱状体HRとが接触してしまうのを抑制することができる。
実施形態1の半導体記憶装置10によれば、Y方向および絶縁層51の厚さ方向に延び、階段領域SRの外側の絶縁層51を貫通する分割帯BPsを備える。このように、分割帯BSs,BPsの両方を備えることで、リプレース処理において犠牲層NLが除去された際、積層体LMag,LMbgがスリットSPs側へと引っ張られてしまうのを抑制することができる。
よって、階段領域SRgの柱状体HRがスリットSPs側へと傾くことが抑制され、例えばコンタクトCCが形成される際に、コンタクトCCと柱状体HRとが接触してしまうのを抑制することができる。
実施形態1の半導体記憶装置10によれば、分割帯BSsは、引っ張り応力を有するタングステン等を内部に含む。これにより、ワード線WLのリプレース処理後、階段領域SR上の絶縁層51から階段領域SRへの圧縮応力を緩和することができる。また、リプレース処理後の積層体LMa,LMbに、ワード線WLによる引っ張り応力が発生しても、この引っ張り応力を相殺して抑制することができる。
よって、リプレース処理後の階段領域SRの柱状体HRが、積層体LMa,LMbの内側へと傾くことが抑制され、例えばコンタクトCCが形成される際に、コンタクトCCと柱状体HRとが接触してしまうのを抑制することができる。
実施形態1の半導体記憶装置10によれば、複数の分割帯BSsが階段領域SRに配置され、階段領域SR上の絶縁層51をさらに多数のブロックに分割してもよい。これにより、リプレース処理において犠牲層NLが除去された際、階段領域SRg上の絶縁層51から階段領域SRgへの圧縮応力を、よりいっそう緩和することができる。
実施形態1の半導体記憶装置10によれば、分割帯BPsのX方向の幅は、分割帯BSsのX方向の幅よりも広い。また、分割帯BSsのアスペクト比は、分割帯BPsのアスペクト比よりも高い。これにより、後に分割帯BSsとなるスリットSSsを、階段領域SRのテラス面に到達させることなく、後に分割帯BPsとなるスリットSPsと共に一括形成することができる。
よって、例えば導電性の充填層21を有する分割帯BSsと階段領域SRのワード線WLとが接触してしまうことが抑制される。ただし、分割帯BSsは例えば上層配線等には接続されず、他の構成と導通していない。したがって、万が一、スリットSSsが積層体LMas,LMbsの表層のワード線WLの1つに接触したとしても、半導体記憶装置10に対する影響は全くないか、限定的であると考えられる。
なお、上述の実施形態1では、階段領域SRの外側に例えば1つの分割帯BPsを配置することとした。しかし、階段領域SRの外側に複数の分割帯BPsが配置されてもよい。
また、階段領域SRに分割帯BSsを配置する際にも、1箇所あたりに1つの分割帯BSsを配置するのではなく、複数の分割帯BSsを近接させて配置することができる。1箇所あたりに配置する分割帯BSsの数を調整することで、絶縁層51の圧縮応力、ワード線WL及び分割帯BPsによる引っ張り応力等の応力バランスを所望の値に調整することができ、階段領域SRへの応力の影響をよりいっそう低減することができる。
また、上述の実施形態1では、スリットSTにタングステン層等を充填することとした。しかし、タングステン層に替えて、あるいは加えて、スリットSTにポリシリコン層等の導電層を充填してもよい。
また、上述の実施形態1では、スリットSTに導電層を充填し、例えばソース線コンタクトとして機能させることとした。しかし、スリットSTを専らワード線WLのリプレース処理に用い、その後は例えばSiO層等の絶縁層を充填し、半導体記憶装置1の機能に寄与させないこととしてもよい。
上記の場合、スリットSSs,SPs内にも、スリットSTと同様の導電層または絶縁層が充填されてよい。この場合であっても、少なくともリプレース処理において犠牲層NLが除去された際、スリットSSs,SPsによる応力抑制効果が得られる。
なお、スリットSTと同様、分割帯BSs,BPsに、例えば絶縁層が充填された場合、半導体記憶装置10内における分割帯BSs,BPsの存在は、例えば分割帯BSs,BPsと絶縁層51との間に介在されるAl層等の金属元素含有ブロック層が検出されるか否かによって判別することができる。
[実施形態2]
以下、図面を参照して実施形態2について詳細に説明する。実施形態2においては、半導体記憶装置の製造手順が上述の実施形態1とは異なる。
(半導体記憶装置の構成例)
図8は、実施形態2にかかる半導体記憶装置20の構成例を示す模式図である。図8(a)は半導体記憶装置20のX方向に沿う断面図であり、図8(b)は半導体記憶装置20の平面図であり、図8(c)は半導体記憶装置20の分割帯BHsのX方向に沿う拡大断面図である。ただし、図8(a)~(c)においては、ピラーPL及びコンタクトCC,LIの上層配線等が省略されている。
図8に示すように、実施形態2の半導体記憶装置20は、階段領域SRの外側に、上述の実施形態1の分割帯BPsとは異なる構成の分割帯BHsを備える。以下、半導体記憶装置20の上述の実施形態1とは異なる構成について詳述する。
第2の構造としての分割帯BHsは、階段領域SRの外側であって、コンタクトLIのX方向の終端部近傍に配置される。分割帯BHsは、Y方向に延び、絶縁層51を貫通して基板SBに到達する。分割帯BHsのX方向の幅は、例えば分割帯BSsのX方向の幅と略等しく、あるいは、図8(a)(b)の例に依らず、分割帯BHsのX方向の幅は、例えば分割帯BSsのX方向の幅より広い。
分割帯BHsは、上部分割帯BHstと、上部分割帯BHstの下方の下部分割帯BHsbとを含む。上部分割帯BHstは、例えば絶縁層51の上面から絶縁層51の下方に延び、下部分割帯BHsbに連結される。下部分割帯BHsbは、上部分割帯BHstとの連結部分の高さ位置から絶縁層51の下方に延び、基板SBに到達する。上部分割帯BHstと下部分割帯BHsbとの連結部分は、例えば積層体LMbの底面と接する積層体LMaの上面の高さ位置付近に配置される。
ただし、上部分割帯BHstと下部分割帯BHsbとの上下端は、互いに充分近接していれば連結されていなくともよい。上部分割帯BHstと下部分割帯BHsbとが連結されない状態には、例えば上部分割帯BHstの下端が積層体LMaの上面の高さ位置より浅い位置にあることにより、絶縁層51の厚さ方向において、上部分割帯BHstと下部分割帯BHsbとの上下端に間隙が生じている場合があり得る。または、上部分割帯BHstのX方向位置が下部分割帯BHsbのX方向位置とずれていることにより、X方向において、上部分割帯BHstと下部分割帯BHsbとの上下端に間隙が生じている場合があり得る。
これらの場合であっても、上部分割帯BHstと下部分割帯BHsbとの上下端の間隙が充分に小さく、上部分割帯BHstと下部分割帯BHsbとが絶縁層51を略貫通した状態となっていれば、後述するように、絶縁層51の応力を緩和する分割帯BHsの機能が得られる。
上部分割帯BHst内は、例えば分割帯BSsと同様の構成となっている。すなわち、上部分割帯BHstは、上部分割帯BHstの側壁を覆うSiO層等の絶縁層53を有する。絶縁層53の内側には、例えば引っ張り応力を有する第1の材料としてのタングステン等が充填された充填層21が配置されている。
このように、上部分割帯BHst内の絶縁層53は、例えば分割帯BSsの側壁を覆う絶縁層53と同一の材料で構成される。上部分割帯BHst内の充填層21は、例えば分割帯BSs内に配置される充填層21と同一の材料で構成される。
なお、分割帯BSsの場合と同様に、絶縁層51の上部分割帯BHstに面した端面と、上部分割帯BHstの絶縁層53との間には、Al層等である図示しない金属元素含有ブロック層が介在されていてもよい。
下部分割帯BHsb内には、例えば引っ張り応力を有する第2の材料としてのアモルファスシリコン等が充填された充填層22が配置されている。充填層22の引っ張り応力は、例えば上記の充填層21の引っ張り応力よりも大きい。下部分割帯BHsb内の充填層22は、例えば後述するホールHLa内に充填される犠牲層と同一の材料で構成される。
(半導体記憶装置の製造方法)
次に、図9~図15を用いて、実施形態2の半導体記憶装置20の製造方法の例について説明する。
図9~図15は、実施形態2にかかる半導体記憶装置20の製造方法の手順の一例を示す図である。図9~図15の同一図番(A)(B)において、小文字で示される(a)及び(b)は、同じ処理工程中のそれぞれ断面および平面を示す。図9~図15の小文字の(a)は図8(a)の断面に相当し、小文字の(b)は図8(b)の平面に相当する。
図9(Aa)(Ab)及び図9(Ba)(Bb)に示す処理は、上述の実施形態1の図2(Aa)(Ab)及び図2(Ba)(Bb)に示す処理と同様である。すなわち、図9(Aa)(Ab)に示すように、基板SB上に積層体LMasを形成し、図9(Ba)(Bb)に示すように、積層体LMasに階段領域SRasを形成して絶縁層51で覆う。
図10(Aa)(Ab)に示すように、階段領域SRasを含む積層体LMasの端部付近に、複数のホールHLaを形成する。また、これと並行して、積層体LMasの階段領域SRasの外側にスリットSHbを形成する。スリットSHbは、後に分割帯BHsの下部分割帯BHsbとなる部位であり、Y方向に延びるとともに、絶縁層51を貫通して基板SBに到達する。
なお、スリットSHbを形成する際には、スリットSHbとホールHLaとが略等しいエッチングレートとなり、両者が略同時に基板SBに到達するよう、スリットSHbのX方向の幅等を調整してアスペクト比を整合させることが望ましい。
図10(Ba)(Bb)に示すように、個々のホールHLa内にアモルファスシリコン層等の犠牲層を充填し、柱状体HRsを形成する。このとき、スリットSHb内にもアモルファスシリコン層等が充填され、充填層22(図8(c)参照)を内部に有する下部分割帯BHsbが形成される。
ここで、アモルファスシリコン層等は、例えばタングステン層よりも大きな引っ張り応力を有する。このため、この時点で、下部分割帯BHsbの充填層22によって積層体LMasが外側へと引っ張られ、階段領域SRasの外側の絶縁層51から積層体LMaへの圧縮応力を緩和する作用が働き始める。
図11(Aa)(Ab)に示すように、積層体LMas及び絶縁層51の上面に積層体LMbsを形成する。
図11(Ba)(Bb)に示すように、積層体LMbsに階段領域SRbsを形成し、階段領域SRas,SRbsを含む階段領域SRsを形成する。
図12(Aa)(Ab)に示すように、未加工部分の積層体LMbsの上面または絶縁層51の上面から、積層体LMbsの底面と接する積層体LMasの上面の高さ位置まで到達する複数のホールHLbを、個々の柱状体HRsの上方に形成する。これにより、個々のホールHLbと柱状体HRsとが連結される。
図12(Ba)(Bb)に示すように、ホールHLbを介して、柱状体HRsに充填された犠牲層を除去し、未加工部分の積層体LMbsの上面の高さ位置から基板SBに到達する複数のホールHLを形成する。
図13(Aa)(Ab)に示すように、個々のホールHL内に絶縁層を充填して複数の柱状体HRを形成する。
なお、実施形態2の半導体記憶装置20でも上述の実施形態1の場合と同様、ここまでの処理において、メモリ領域MRには複数のピラーPLが形成される。
図13(Ba)(Bb)に示すように、スリットSSs,SHtを例えば一括形成する。スリットSSsは階段領域SRs内に少なくとも1つ、あるいは複数形成されてもよい。スリットSHtは、後に上部分割帯BHstとなる部位でありY方向に延びる。
スリットSSs,SHtは、絶縁層51におけるエッチング深さが、それぞれ所望の深さになるよう、それぞれのX方向の幅等を調整して互いのアスペクト比が整合していることが好ましい。このとき、スリットSSsのアスペクト比が、スリットSHtのアスペクト比以上となっていてもよい。
これにより、階段領域SRsの所定段のテラス面に到達することなくスリットSSsのエッチング処理を終え、また、より確実に下部分割帯BHsbに連結させてスリットSHtのエッチング処理を終えることができる。
ただし、スリットSHtが所望のエッチング深さより浅く加工されることにより、スリットSHtが下部分割帯BHsbに連結されない場合もあり得る。または、スリットSHtのX方向位置が下部分割帯BHsbのX方向位置とずれて形成されることにより、スリットSHtが下部分割帯BHsbに連結されない場合もあり得る。これらの場合であっても、スリットSHtの下端部と下部分割帯BHsbの上端部との距離が充分に近接していれば、絶縁層51の応力緩和が可能な程度に、後に形成される分割帯BHsによって絶縁層51のX方向の広がりを遮ることができる。
図14(Aa)(Ab)に示すように、X方向に延び、積層体LMas,LMbsを貫通して基板SBに到達するスリットSTを形成する。このとき、所望のエッチングレートが得られるよう、スリットSTのY方向の幅等に基づいてアスペクト比が調整されていてよい。例えば、スリットSTのアスペクト比は、スリットSSs,SHtのアスペクト比以下であり、好ましくは、スリットSSs,SHtのアスペクト比より低い。
図14(Ba)(Bb)に示すように、スリットSTを介して積層体LMas,LMbsの犠牲層NLを除去し、絶縁層OL間にギャップを有する積層体LMag,LMbgを形成する。このとき、絶縁層51を分断するスリットSSs,SHtが形成されているので、絶縁層51から積層体LMag,LMbg及び階段領域SRgへの圧縮応力が緩和される。
また、下部分割帯BHsbに充填されるアモルファスシリコン等は、例えばタングステン等よりも引っ張り応力の大きい材料である。したがって、下部分割帯BHsbにより絶縁層51の圧縮応力がよりいっそう緩和される。
図15(Aa)(Ab)に示すように、スリットSTを介して積層体LMag,LMbgの絶縁層OL間に導電材料を充填し、ワード線WLを形成する。積層体LMa,LMbには、例えばワード線WLによる引っ張り応力が生じる。しかし、アモルファスシリコン等が充填された下部分割帯BHsbによって、より大きな引っ張り応力が積層体LMa,LMbの外側に向かって働くので、ワード線WLによる引っ張り応力が抑制される。
なお、ワード線WLを形成する前に、Al層等の金属元素含有ブロック層、及びTiN層等のバリアメタル層が、絶縁層OLの上下面、及びスリットST側の端部に、絶縁層OLに近い順に形成されてもよい。これらの金属元素含有ブロック層およびバリアメタル層は、絶縁層51のスリットST,SSs,SHtに面した端面に形成されてもよい。金属元素含有ブロック層およびバリアメタル層のうち、バリアメタル層は、ワード線WLの形成時に、スリットST,SSs,SHt内からは除去される。
ワード線WLの形成後、各々のスリットST,SSs,SHtの側壁には絶縁層53等が一括して形成され、絶縁層53内には例えばタングステン層等の充填層21等が一括して充填される。これにより、各々のスリットST,SSs,SHtから、それぞれコンタクトLI、分割帯BSs、及び上部分割帯BHstが形成される。また、上部分割帯BHst及び下部分割帯BHsbを含む分割帯BHsが形成される。
この後、階段領域SR上方の絶縁層51及び階段領域SRの各段のテラス面の絶縁層OLを貫通して下層のワード線WLに到達するコンタクトCCが形成される。このとき、分割帯BSs,BHsによって、絶縁層51からの圧縮応力およびワード線WLによる引っ張り応力が抑制されているので、柱状体HRの傾きが抑制され、柱状体HRとコンタクトCCとの接触が抑制される。
また、積層体LMa,LMbのメモリ領域MRに、最上層のワード線WLより上方の導電層を分割する絶縁部材SHEが形成される。また、コンタクトCC,LI、及びピラーPLのチャネル層CN等に接続される上層配線を形成する。
以上により、実施形態2の半導体記憶装置20が製造される。
実施形態2の半導体記憶装置20によれば、階段領域SR上の絶縁層51を分割する分割帯BSsと、階段領域SRの外側の絶縁層51を貫通する分割帯BHsを備える。これにより、上述の実施形態1の半導体記憶装置10と同様の効果を奏する。
実施形態2の半導体記憶装置20によれば、分割帯BHsの上部分割帯BHstはタングステン等を含み、分割帯BHsの下部分割帯BHsbは、引っ張り応力を有するアモルファスシリコン等を含む。これにより、リプレース処理において犠牲層NLが除去された際、積層体LMag,LMbgの外側の絶縁層51から積層体LMag,LMbgへの圧縮応力を緩和することができる。
実施形態2の半導体記憶装置20によれば、分割帯BSsのアスペクト比は、上部分割帯BHstのアスペクト比以上である。これにより、後に分割帯BSsとなるスリットSSsを、階段領域SRのテラス面に到達させることなく、後に上部分割帯BHstとなるスリットSHtと共に一括形成することができる。よって、例えば導電性の充填層21を有する分割帯BSsと階段領域SRのワード線WLとが接触してしまうことが抑制される。
なお、実施形態2においても、階段領域SRの外側に、例えば複数の分割帯BHsを配置してもよい。また、階段領域SRに分割帯BSsを配置する際にも、1箇所あたりに複数の分割帯BSsを近接させて配置してもよい。
また、実施形態2においても、第1の材料としてのタングステンに替えて、あるいは加えて、第1の材料としてのポリシリコン等の導電材料をスリットST内に充填してもよい。また、導電材料に替えて、例えば第1の材料としてのSiO等の絶縁材料をスリットST内に充填してもよい。
これに伴って、スリットSSs,SHt内にも、スリットSTと同様の導電材料または絶縁材料が充填されてよい。この場合、階段領域SR外側の分割帯BHsは、例えば第1の材料としてのポリシリコン層等の導電材料が充填された上部分割帯BHstと、第2の材料としてのアモルファスシリコン等が充填された下部分割帯BHsbとを有することとなる。あるいは、分割帯BHsは、例えば第1の材料としてのSiO等の絶縁材料が充填された上部分割帯BHstと、第2の材料としてのアモルファスシリコン等が充填された下部分割帯BHsbとを有することとなる。
このように、上部分割帯BHstは、必ずしも引っ張り応力を有する材料を有していなくともよい。この場合であっても、少なくともリプレース処理において犠牲層NLが除去された際、スリットSSs,SHtによる応力抑制効果が得られる。また、下部分割帯BHsbによる応力抑制効果が得られる。
なお、スリットSTと同様、分割帯BSs及び上部分割帯BHstに、例えば絶縁層が充填された場合、半導体記憶装置20内における分割帯BSs及び上部分割帯BHstの存在は、例えば分割帯BSs及び上部分割帯BHstと絶縁層51との間に介在されるAl層等の金属元素含有ブロック層が検出されるか否かによって判別することができる。
[実施形態3]
以下、図面を参照して実施形態3について詳細に説明する。実施形態3においては、半導体記憶装置が備える分割帯の構成が上述の実施形態1,2とは異なる。
図16は、実施形態3にかかる半導体記憶装置31,32の構成例を示す模式図である。図16(a)は半導体記憶装置31のX方向に沿う断面図であり、図16(b)は半導体記憶装置32のX方向に沿う断面図であり、図16(c)は半導体記憶装置31,32の平面図である。ただし、図16(a)~(c)においては、ピラーPL及びコンタクトCC,LIの上層配線等が省略されている。
図16(a)(c)に示すように、実施形態3の半導体記憶装置31は、上述の実施形態1の分割帯BSs,BPsとは異なる構成の分割帯BSp,BPpを備える。以下、半導体記憶装置31の上述の実施形態1とは異なる構成について詳述する。
第1の構造としての分割帯BSpは、2つのコンタクトLIに挟まれた階段領域SRの上方に配置される。分割帯BSpは、Y方向に配列され、階段領域SR上の絶縁層51中に延びる複数の柱状部BSeを含む。分割帯BSpにおいては、これらの個々の柱状部BSeが、絶縁層51の階段領域SR上での広がりをX方向について遮っている。ただし、個々の柱状部BSeは絶縁層51を完全には貫通しておらず、個々の柱状部BSeの底面は階段領域SRの積層体LMa,LMbに接していない。すなわち、個々の柱状部BSeの下端は、階段領域SRの積層体LMa,LMbの上面より上方に位置する。
分割帯BSpは、階段領域SR内に少なくとも1つ配置されることができる。分割帯BSpが、階段領域SR内に複数配置されていてもよい。その場合、複数の分割帯BSpは例えば互いに略等間隔で配置されていてよい。複数の分割帯BSpの間隔は、例えば140μm以下とすることができる。
分割帯BSpの個々の柱状部BSe内は、例えば上述の実施形態1の分割帯BSsと同様の構成となっている。すなわち、柱状部BSeは、上述の絶縁層53と同様、柱状部BSeの側壁を覆うSiO層等の絶縁層を有する。絶縁層の内側には、上述の充填層21と同様、タングステン等の引っ張り応力を有する材料が充填された充填層が配置されている。
なお、上述の実施形態1の分割帯BSsの場合と同様に、絶縁層51の柱状部BSeに面した端面と、柱状部BSeの絶縁層との間には、Al層等である金属元素含有ブロック層が介在されていてもよい。
また、複数の柱状部BSeの配列内におけるピッチ、つまり、Y方向のピッチは、例えば柱状体HRのY方向のピッチより小さい。例えば、柱状部BSeのピッチを調整することで、絶縁層51の圧縮応力、ワード線WL及び分割帯BPpによる引っ張り応力等の応力バランスを所望の値に調整することができ、階段領域SRへの応力の影響を低減することができる。
このように、柱状部BSeのピッチは例えば柱状体HRのピッチとは異なるため、柱状部BSeの下方に必ずしも柱状体HRが配置されなくともよい。柱状部BSeの配置箇所が柱状体HRの配置箇所と一致していた場合、柱状部BSeにより柱状体HRの上部は消失する。
第2の構造としての分割帯BPpは、階段領域SRの外側であって、コンタクトLIのX方向の終端部近傍に配置される。分割帯BPpは、Y方向に配列され、絶縁層51を貫通して基板SBに到達する複数の柱状部BPeを含む。分割帯BPpにおいては、これらの個々の柱状部BPeが、階段領域SRの外側の絶縁層51の広がりをX方向について遮っている。
分割帯BPpの個々の柱状部BPe内は、例えば上述の実施形態1の分割帯BPsと同様の構成となっている。すなわち、柱状部BPeは、上述の絶縁層53と同様、柱状部BPeの側壁を覆うSiO層等の絶縁層を有する。絶縁層の内側には、上述の充填層21と同様、タングステン等の引っ張り応力を有する材料が充填された充填層が配置されている。
なお、上述の実施形態1の分割帯BPsの場合と同様に、絶縁層51の柱状部BPeに面した端面と、柱状部BPeの絶縁層との間には、Al層等である金属元素含有ブロック層が介在されていてもよい。
また、複数の柱状部BPeの配列内におけるピッチ、つまり、Y方向のピッチは、例えば柱状体HRのY方向のピッチより小さいことが好ましく、例えば上述の柱状部BSeのピッチと略等しくともよい。例えば、柱状部BPeのピッチを調整することで、絶縁層51の圧縮応力、及びワード線WLによる引っ張り応力等の応力バランスを所望の値に調整することができ、階段領域SRへの応力の影響を低減することができる。
また、個々の柱状部BPeの径は、例えば分割帯BSpの柱状部BSeの径よりも大きい。この場合、図16(a)(c)では簡略化して示してあるが、個々の柱状部BPeのX方向の幅は、例えば分割帯BSpの柱状部BSeのX方向の幅より広くともよい。これにより、後に柱状部BPeとなるホールのアスペクト比は、後に柱状部BSeとなるホールのアスペクト比よりも低いこととなり、到達点の深さがそれぞれ異なる柱状部BPe,BSeを例えば一括形成することができる。
なお、これらの柱状部BSe,BPeの横断面の形状は、略真円の円形、楕円形、または小判型(オーバル型)等のように、任意に選択することができる。柱状部BSe,BPeが互いに異なる横断面形状を有していてもよい。
図16(b)(c)に示すように、実施形態3の半導体記憶装置32は、上述の実施形態2の分割帯BSs,BHsとは異なる構成の分割帯BSp,BHpを備える。これらの分割帯BSp,BHpのうち、分割帯BSpは、上述の実施形態3の半導体記憶装置31の分割帯BSpと同様の構成を備える。
以下、半導体記憶装置32の上述の実施形態2と異なる分割帯BHpの構成について詳述する。
第2の構造としての分割帯BHpは、階段領域SRの外側であって、コンタクトLIのX方向の終端部近傍に配置される。分割帯BHpは、Y方向に配列され、絶縁層51を貫通して基板SBに到達する複数の柱状部BHeを含む。分割帯BHpにおいては、これらの個々の柱状部BHeが、階段領域SRの外側の絶縁層51の広がりをX方向について遮っている。
個々の柱状部BHeは、上部柱状部BHetと、上部柱状部BHetの下方の下部柱状部BHebとを含む。上部柱状部BHetは、例えば絶縁層51の上面から絶縁層51の下方に延び、下部柱状部BHebに連結される。下部柱状部BHebは、上部柱状部BHetとの連結部分の高さ位置から絶縁層51の下方に延び、基板SBに到達する。
ただし、上部柱状部BHetと下部柱状部BHebとの上下端は、互いに充分近接していれば連結されていなくともよい。上部柱状部BHetと下部柱状部BHebとが連結されない状態には、上部柱状部BHetの下端が下部柱状部BHebの上端より浅い位置にある場合、上部柱状部BHetと下部柱状部BHebとが互いにX方向にずれている場合のほか、上部柱状部BHetと下部柱状部BHebとが互いにY方向にずれていることにより、Y方向において、上部柱状部BHetと下部柱状部BHebとの上下端に間隙が生じている場合があり得る。
これらの場合であっても、上部柱状部BHetと下部柱状部BHebとの上下端の間隙が充分に小さく、上部柱状部BHetと下部柱状部BHebとが絶縁層51を略貫通した状態となっていれば、絶縁層51の応力緩和が可能な程度に、上部柱状部BHetと下部柱状部BHebとで絶縁層51のX方向の広がりを遮ることができる。
なお、複数の上部柱状部BHetが集合した上部柱状部BHetの配列を実施形態3の上部分割帯と称し、複数の下部柱状部BHebが集合した下部柱状部BHebの配列を実施形態3の下部分割帯と称することもできる。
分割帯BHpの個々の上部柱状部BHet内は、例えば上述の実施形態2の上部分割帯BHstと同様の構成となっている。すなわち、上部柱状部BHetは、上述の絶縁層53と同様、上部柱状部BHetの側壁を覆うSiO層等の絶縁層を有する。絶縁層の内側には、上述の充填層21と同様、引っ張り応力を有する第1の材料としてのタングステン等が充填された充填層が配置されている。
なお、上述の実施形態2の上部分割帯BHstの場合と同様に、絶縁層51の上部柱状部BHetに面した端面と、上部柱状部BHetの絶縁層との間には、Al層等である金属元素含有ブロック層が介在されていてもよい。
分割帯BHpの個々の下部柱状部BHeb内は、例えば上述の実施形態2の下部分割帯BHsbと同様の構成となっている。すなわち、下部柱状部BHebは、上述の充填層22と同様、引っ張り応力を有する第2の材料としてのアモルファスシリコン等が充填された充填層を有する。
また、複数の柱状部BHeの配列内におけるピッチ、つまり、Y方向のピッチは、例えば柱状体HRのY方向のピッチより小さいことが好ましく、例えば上述の柱状部BSeのピッチと略等しくともよい。例えば、柱状部BHeのピッチを調整することで、絶縁層51の圧縮応力、及びワード線WLによる引っ張り応力等の応力バランスを所望の値に調整することができ、階段領域SRへの応力の影響を低減することができる。
また、個々の柱状部BHeの径は、例えば分割帯BSpの柱状部BSeの径と略等しく、あるいは、図16(b)(c)の例に依らず、個々の柱状部BHeの径は、例えば柱状部BSeの径よりも大きい。この場合、個々の柱状部BHeのX方向の幅は、例えば分割帯BSpの柱状部BSeのX方向の幅より広くともよい。これにより、後に上部柱状部BHetとなるホールのアスペクト比と、後に柱状部BSeとなるホールのアスペクト比とを整合させて、例えばこれらのホールを所望のエッチングレートで一括形成することができる。
なお、これらの柱状部BSe,BHeの横断面の形状は、略真円の円形、楕円形、または小判型(オーバル型)等のように、任意に選択することができる。柱状部BSe,BHeが互いに異なる横断面形状を有していてもよい。
実施形態3の半導体記憶装置31は、上述の実施形態1の半導体記憶装置10の製造方法と同様の手順で製造することができる。実施形態3の半導体記憶装置32は、上述の実施形態2の半導体記憶装置20の製造方法と同様の手順で製造することができる。
実施形態3の半導体記憶装置31,32によれば、分割帯BSpが、Y方向に配列される複数の柱状部BSeを含む。また、実施形態3の半導体記憶装置31によれば、分割帯BPpが、Y方向に配列される複数の柱状部BPeを含む。また、実施形態3の半導体記憶装置32によれば、分割帯BHpが、Y方向に配列される複数の柱状部BHeを含む。
これにより、上述の実施形態1,2の半導体記憶装置10,20と同様の効果を奏する。
また、それぞれの柱状部BSe,BPe,BHeのピッチを調整することによっても、積層体LMa,LMb及び階段領域SRに働く種々の応力バランスを調整することができ、積層体LMa,LMb及び階段領域SRへの応力の影響をよりいっそう低減しやすくなる。
また、それぞれの柱状部BSe,BPe,BHeを形成する際に、柱状部BSe,BPe,BHeとなるそれぞれのホールのアスペクト比を整合させることが容易となる。よって、柱状部BSe,BPe,BHeの少なくとも一部を一括形成することがいっそう容易となる。
なお、実施形態3においても、階段領域SRの外側に例えば複数の分割帯BPpまたは複数の分割帯BHpを配置してもよい。また、階段領域SRに分割帯BSpを配置する際にも、1箇所あたりに複数の分割帯BSpを近接させて配置してもよい。つまり、1か所あたりに柱状部BSeの配列が複数近接して配置されてよい。
また、実施形態3においても、第1の材料としてのタングステンに替えて、あるいは加えて、コンタクトLIとなるスリット内に第1の材料としてのポリシリコン等の導電材料を充填してもよい。また、導電材料に替えて、上記のスリットに例えば第1の材料としてのSiO等の絶縁材料を充填してもよい。
これに伴って、後にそれぞれ柱状部BSe,BPe及び上部柱状部BHetとなるホール内にも、上記スリットと同様の導電材料または絶縁材料が充填されてよい。この場合、半導体記憶装置32において、階段領域SR外側の柱状部BHeは、例えば第1の材料としてのポリシリコン等の導電材料が充填された上部柱状部BHetと、第2の材料としてのアモルファスシリコン等が充填された下部柱状部BHebとを有することとなる。あるいは、柱状部BHeは、例えば第1の材料としてのSiO等の絶縁材料が充填された上部柱状部BHetと、第2の材料としてのアモルファスシリコン等が充填された下部柱状部BHebとを有することとなる。
このように、上部柱状部BHetは、必ずしも引っ張り応力を有する材料を有していなくともよい。この場合であっても、少なくともリプレース処理において犠牲層NLが除去された際、後にそれぞれ柱状部BSe,BPe,BHeとなる複数ホールの配列による応力抑制効果が得られる。また、下部柱状部BHebによる応力抑制効果が得られる。
なお、スリットSTと同様、分割帯BSp,BPp及び分割帯BHpの上部に、例えば絶縁層が充填された場合、半導体記憶装置31,32内における分割帯BSp,BPp及び分割帯BHpの上部構造である上部柱状部BHetの存在は、例えば分割帯BSp,BPp及び分割帯BHpの上部構造と絶縁層51との間に介在されるAl層等の金属元素含有ブロック層が検出されるか否かによって判別することができる。
[実施形態4]
以下、図面を参照して実施形態4について詳細に説明する。実施形態4においては、ピラー、柱状体、及び分割帯が並行して形成される点が上述の実施形態1とは異なる。
(半導体記憶装置の構成例)
図17は、実施形態4にかかる半導体記憶装置40の構成例を示すX方向に沿う断面図である。ただし、図17においては、ピラーPL及びコンタクトCCの上層配線等が省略されている。
図17に示すように、実施形態4の半導体記憶装置40は、上述の実施形態1の柱状体HRとは異なる構成の柱状体HRmを備える。また、分割帯BSmの位置には柱状体HRmが配置されない。以下、半導体記憶装置40の上述の実施形態1とは異なる構成について詳述する。
複数の柱状体HRmは、上述の実施形態1の柱状体HRとは異なる充填材を有する他は、例えば上述の実施形態1の柱状体HRと同様の構成を備える。
個々の柱状体HRmは例えばピラーPLと略等しいサイズを有し、個々の柱状体HRm内にはピラーPLと同様の材料が充填されている。すなわち、個々の柱状体HRmは、外周側から順に、例えばメモリ層MEの構成材と同様のSiO層/SiN層/SiO層、チャネル層CNの構成材と同様のアモルファスシリコン層またはポリシリコン層、及びコア層CRの構成材と同様のSiO層を有する。
第1の構造としての分割帯BSmと重なる位置には柱状体HRmが配置されない。この点を除き、分割帯BSmは、例えば上述の実施形態1の分割帯BSsと同様の構成を備える。
第2の構造としての分割帯BPmは、上述の実施形態1の分割帯BPsとは異なる手順で形成される他は、例えば上述の実施形態1の分割帯BPsと同様の構成を備える。
(半導体記憶装置の製造方法)
次に、上述の実施形態2の図9~図11を援用するとともに、図18~図21を用いて、実施形態4の半導体記憶装置40の製造方法の例について説明する。
図18~図21は、実施形態4にかかる半導体記憶装置40の製造方法の手順の一例を示す図である。図18~図21の同一図番(A)(B)において、小文字で示される(a)及び(b)は、同じ処理工程中のそれぞれ断面および平面を示す。図18~図21の小文字の(a)は図17の断面に相当し、小文字の(b)は加工処理中の半導体記憶装置40の平面図である。
援用する図9(Aa)(Ab)に示すように、基板SB上に積層体LMasを形成し、図9(Ba)(Bb)に示すように、積層体LMasに階段領域SRasを形成して絶縁層51で覆う。
図10(Aa)(Ab)に示すように、階段領域SRasを含む積層体LMasの端部付近に、複数のホールHLaを形成する。このとき、後に分割帯BSmが形成されることとなる位置にはホールHLaを形成しない。また、これと並行して、積層体LMasの階段領域SRasの外側にスリットSHbを形成し、図示しないメモリ領域MRには図示しないメモリホールを形成する。
実施形態4において、スリットSHbは、後に分割帯BPmの一部となる部位であり、Y方向に延びるとともに、絶縁層51を貫通して基板SBに到達する。また、実施形態4においても、スリットSHbとホールHLaとが略同時に基板SBに到達するよう、これらのアスペクト比を整合させることが好ましい。
図10(Ba)(Bb)に示すように、ホールHLa内にアモルファスシリコン層等の犠牲層を充填して柱状体HRsを形成する。このとき、スリットSHb内および図示しないメモリホールにもアモルファスシリコン層等が充填される。
上記のように、アモルファスシリコン層等の犠牲層が充填されたスリットSHbによって、階段領域SRasの外側の絶縁層51から積層体LMaへの圧縮応力を緩和する作用が得られる。
図11(Aa)(Ab)に示すように、積層体LMas及び絶縁層51の上面に積層体LMbsを形成する。
図11(Ba)(Bb)に示すように、積層体LMbsに階段領域SRbsを形成し、階段領域SRas,SRbsを含む階段領域SRsを形成し、階段領域SRsを覆う絶縁層51を形成する。
図18(Aa)(Ab)に示すように、未加工部分の積層体LMbsの上面または絶縁層51の上面から、積層体LMbsの底面と接する積層体LMasの上面の高さ位置まで到達する複数のホールHLbを、個々の柱状体HRsの上方に形成する。
また、これと並行して、絶縁層51の上面から、積層体LMbsの底面と接する積層体LMasの上面の高さ位置まで到達するスリットSPmtを、分割帯BPmsの上方に形成する。分割帯BPmsは、上述のスリットSHbにアモルファスシリコン層等の犠牲層が充填された構造物である。
また、ホールHLbの形成と並行して、階段領域SRsの所定段のテラス面に到達することなく、絶縁層51中を下方へと延びるスリットSSmを形成する。スリットSSmは、後に分割帯BSmとなる部位であり、階段領域SRs内に少なくとも1つ、あるいは複数形成される。
また、ホールHLbの形成と並行して、図示しないメモリ領域MRにおいて、積層体LMbsの上面から積層体LMasの上面の高さ位置まで到達する複数のメモリホールを、積層体LMasに形成され、アモルファスシリコン層等の犠牲層が充填された個々のメモリホールの上方に形成する。
図18(Ba)(Bb)に示すように、個々のホールHLbを介して、柱状体HRsに充填された犠牲層を除去し、未加工部分の積層体LMbsの上面の高さ位置から基板SBに到達する複数のホールHLを形成する。
また、これと並行して、スリットSPmtを介して、分割帯BPmsに充填された犠牲層を除去し、絶縁層51の上面から基板SBに到達するスリットSPmを形成する。これにより、積層体LMas,LMbsの外側の絶縁層51が積層体LMas,LMbsから切り離され、絶縁層51から積層体LMas,LMbsへの圧縮応力が緩和される。
また、柱状体HRsの犠牲層除去と並行して、図示しないメモリ領域MRでは、積層体LMbsに形成されたメモリホールを介して、積層体LMasに形成されたメモリホール内の犠牲層を除去する。これにより、積層体LMas,LMbsを貫通して基板SBに到達するメモリホールが形成される。
図19(Aa)(Ab)に示すように、スリットSSm,SPm上に、スリットSSm,SPmを覆うようにレジスト膜等をパターニングしたマスクパターン60を形成する。
図19(Ba)(Bb)に示すように、個々のホールHL内に、ホールHLの側壁側から順に、例えばメモリ層MEの構成材と同様のSiO層/SiN層/SiO層、チャネル層CNの構成材と同様のアモルファスシリコン層またはポリシリコン層、及びコア層CRの構成材と同様のSiO層を形成する。
このとき、チャネル層CNの構成材と同様のアモルファスシリコン層またはポリシリコン層は、ホールHLの底部にも形成されてよく、さらにメモリ層MEの構成材と同様のSiO層/SiN層/SiO層も、ホールHLの底部に形成されてもよい。
ホールHL内へのこれらの材料の充填は、図示しないメモリ領域MRにおけるメモリホールへの同様の材料の充填と並行して行われる。すなわち、個々のメモリホール内には、メモリホールの側壁側から順に、ブロック絶縁層、電荷蓄積層、及びトンネル絶縁層を含むメモリ層ME、チャネル層CN、並びにコア層CRが形成される。このとき、チャネル層CNは、メモリホールの底部にも形成される。
上記により、階段領域SRsに複数の柱状体HRmが形成される。また、図示しないメモリ領域MRに、図示しない複数のピラーPLが形成される。
なお、マスクパターン60で覆われたスリットSSm,SPm内には、これらの材料は充填されない。また、スリットSSmの下方にはホールHLaは配置されていないため、スリットSSmがマスクパターン60で覆われていても、上記の材料が未充填のホールHLaまたはホールHLが生じてしまうことが抑制される。
図20(Aa)(Ab)に示すように、スリットSSm,SPm上のマスクパターン60を除去する。
図20(Ba)(Bb)に示すように、X方向に延び、積層体LMa,LMbを貫通して基板SBに到達するスリットSTを形成する。
図21(Aa)(Ab)に示すように、スリットSTを介して積層体LMas,LMbsの犠牲層NLを除去し、絶縁層OL間にギャップを有する積層体LMag,LMbgを形成する。
このとき、階段領域SRgでは上記各層が充填された柱状体HRmが積層体LMag,LMbgを支持し、図示しないメモリ領域MRではピラーPLが積層体LMag,LMbgを支持する。また、スリットSSm,SPmにより、絶縁層51から積層体LMag,LMbg及び階段領域SRgへの圧縮応力が緩和される。
図21(Ba)(Bb)に示すように、スリットSTを介して積層体LMag,LMbgの絶縁層OL間に導電材料を充填し、ワード線WLを形成する。
なお、ワード線WLを形成する前に、Al層等の金属元素含有ブロック層、及びTiN層等のバリアメタル層が、絶縁層OLの上下面、及びスリットST側の端部に、絶縁層OLに近い順に形成されてもよい。これらの金属元素含有ブロック層およびバリアメタル層が、絶縁層51のスリットST,SSm,SPm側の端面に形成されてもよい。金属元素含有ブロック層およびバリアメタル層のうち、バリアメタル層は、ワード線WLの形成時に、スリットST,SSm,SPm内からは除去される。
ワード線WLの形成後、各々のスリットST,SSm,SPmの側壁には絶縁層が一括して形成され、絶縁層内には例えばタングステン層等の充填層が一括して充填される。これにより、コンタクトLI、分割帯BSm,BPmがそれぞれ形成される。
この後、階段領域SR上方の絶縁層51及び階段領域SRの各段のテラス面の絶縁層OLを貫通して下層のワード線WLに到達するコンタクトCCが形成される。このとき、分割帯BSm,BPmの応力抑制効果によって柱状体HRの傾きが抑制され、柱状体HRとコンタクトCCとの接触が抑制される。
また、メモリ領域MRの積層体LMa,LMbに、最上層のワード線WLより上方の導電層を分割する絶縁部材SHEが形成される。また、コンタクトCC,LI、及びピラーPLのチャネル層CN等に接続される上層配線を形成する。
以上により、実施形態4の半導体記憶装置40が製造される。
実施形態4の半導体記憶装置40によれば、ピラーPL、柱状体HRm、及び分割帯BSm,BPmが並行して形成される。
つまり、積層体LMasに対してメモリホール、ホールHLa、及びスリットSHb(図10からの援用)が一括形成され、また、これらへアモルファスシリコン層等の犠牲層が一括して充填される。
また、積層体LMbsに対してメモリホール、ホールHLb、及びスリットSSm,SPmtが一括形成され、また、これらを介して、積層体LMasのメモリホール、柱状体HRs、及び分割帯BPmsから犠牲層が一括して除去される。
また、積層体LMas,LMbsのメモリホール及びホールHLへの各層の形成が一括して行われ、ピラーPL及び柱状体HRmがそれぞれ形成される。
これらにより、半導体記憶装置40の製造工程を削減することができ、コストを低減することができる。
なお、実施形態4においても、階段領域SRの外側に例えば複数の分割帯BPmを配置してもよい。また、階段領域SRに分割帯BSmを配置する際にも、1箇所あたりに複数の分割帯BSmを近接させて配置してもよい。
また、実施形態4においても、タングステン層に替えて、あるいは加えて、スリットSTにポリシリコン層等の導電層を充填してもよい。また、導電層に替えて、スリットSTに例えばSiO層等の絶縁層を充填してもよい。
これに伴って、スリットSSm,SPm内にも、スリットSTと同様の導電層または絶縁層が充填されてよい。
また、上述の実施形態4では、スリットSSm,SPmを形成し、スリットSSm,SPm内に充填層を形成して、例えば帯状に繋がった分割帯BSm,BPmを形成することとした。しかし、スリットSSm,SPmの代わりにY方向に配列された複数のホールを形成し、これらのホール内に充填層を形成して、例えば複数の柱状部を備える分割帯BSm,BPmを形成してもよい。
この場合、複数のホールはメモリホールと近い形状を有するため、これらのホール及びメモリホールの一括形成がより容易となる。ただし、スリットSSm,SPm及び帯状に繋がった分割帯BSm,BPmは応力調整機能を有していればよく、これらの構成に要求される加工精度はそれほど高くはない。
[その他の実施形態]
上述の実施形態1~4では、分割帯BPs,BHs,BPp,BHp,BPmは、コンタクトLIのX方向の終端部近傍に配置されることとした。しかし、分割帯BPs,BHs,BPp,BHp,BPmは、階段領域SRの外側であって、2つのコンタクトLIに挟まれた領域に配置されてもよい。
上述の実施形態1~4では、半導体記憶装置において、積層体LMa,LMbがシリコン基板等の基板SB上に配置され、積層体LMa,LMbの外側に周辺回路が配置されることとした。しかし、積層体LMa,LMbは、例えば周辺回路の上方に、ソース線等を介して配置されていてもよい。または、積層体LMa,LMbの上方に周辺回路が配置されてもよい。このような構成は、例えば周辺回路が配置された基板に、積層体LMa,LMbを反転させて貼り合わせることで得られる。
上述の実施形態1~4では、半導体記憶装置は、2段に積まれた積層体LMa,LMbを有する2Tier構造を備えることとした。しかし、半導体記憶装置は、1段の積層体を有する1Tier構造であってもよく、または、3段以上の積層体を有する3Tier以上の構造を備えていてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10,20,31,32,40…半導体記憶装置、51…絶縁層、BHp,BHs,BPm,BPp,BPs,BSm,BSp,BSs…分割帯、CC…コンタクト、HR…柱状体、LI…コンタクト、LMa,LMb…積層体、MC…メモリセル、MR…メモリ領域、OL…絶縁層、PL…ピラー、WL…ワード線。

Claims (5)

  1. 複数の第1の導電層が第1の絶縁層を介して積層され、前記複数の第1の導電層の端部が階段状となって終端した階段領域、及び複数のメモリセルが配置されるメモリ領域を有する積層体と、
    前記階段領域を覆い、少なくとも前記メモリ領域における前記積層体の上面の高さまで達する第2の絶縁層と、
    前記階段領域の昇降方向と交差する第1の方向に長手方向を有するとともに、前記第2の絶縁層内を前記積層体の積層方向に延び、前記第2の絶縁層の前記階段領域上での広がりを前記昇降方向について遮る第1の構造と、を備える、
    半導体記憶装置。
  2. 前記第2の絶縁層は、前記階段領域の外側にも広がっており、
    前記第1の方向に長手方向を有するとともに、前記第2の絶縁層の厚さ方向に延び、前記階段領域の外側の前記第2の絶縁層を略貫通する第2の構造と、を備える、
    請求項1に記載の半導体記憶装置。
  3. 前記第2の構造の前記昇降方向における幅は、前記第1の構造の前記昇降方向における幅よりも広い、
    請求項2に記載の半導体記憶装置。
  4. 前記第1の構造は、
    それぞれの下端が前記階段領域における前記積層体の上面より上方に位置し、前記第1の方向に配列された複数の柱状部を含む、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
  5. 複数の第1の導電層が第1の絶縁層を介して積層され、前記複数の第1の導電層の端部が階段状となって終端した階段領域、及び複数のメモリセルが配置されるメモリ領域を有する積層体と、
    前記階段領域を覆いつつ前記階段領域の外側へ向かって広がり、少なくとも前記メモリ領域における前記積層体の上面の高さまで達する第2の絶縁層と、
    前記階段領域の昇降方向と交差する第1の方向に長手方向を有するとともに、前記第2の絶縁層の厚さ方向に延び、前記第2の絶縁層の前記階段領域の外側における広がりを前記昇降方向について遮る構造部と、
    前記階段領域の昇降方向に沿う第2の方向に長手方向を有するとともに、前記積層体の積層方向に延び、前記積層体を前記第1の方向に分割する分割部と、を備え、
    前記分割部は、第1の材料を含み、
    前記構造部は、
    上部に、前記第1の材料を含み、
    下部に、引っ張り応力を有し、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、
    半導体記憶装置。
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