JP2022023353A - 食肉用または魚肉用の品質改良剤、品質改良用浸漬液、食肉または魚肉、および、食肉または魚肉の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水への溶解性が高く、味への影響が少なく、食肉または魚肉を軟化することができる、食肉用または魚肉用の品質改良剤、その品質改良剤を含む品質改良用浸漬液、食肉または魚肉、および、食肉または魚肉の製造方法を提供する。【解決手段】リン酸化オリゴ糖カルシウムを含有する、食肉用または魚肉用の品質改良剤である。【選択図】なし
Description
本発明は、食肉用または魚肉用の品質改良剤、その品質改良剤を含む品質改良用浸漬液、食肉または魚肉、および、食肉または魚肉の製造方法に関する。
食肉製品および魚肉製品は、食肉や魚肉自体、筋が多い等の理由から、噛み切りにくい食感になりやすい場合が多い上に、食肉や魚肉の加熱調理により、肉質が硬く締まり肉汁や脂肪等が流出する上、調理後に時間が経つにつれて、さらに硬い食感になってしまう。
これまでに様々な方法で食肉や魚肉の軟化が実用化されてきた。例えば、カルシウムイオンは筋肉中の筋原線維の構造を弱くすることで食肉等を軟化させると考えられている。そこでカルシウムを食肉等の軟化に活用する方法として、種々のカルシウム塩や貝殻焼成物、乳清ミネラル等を食肉等に添加することが提案されている。
例えば、特許文献1には、乳酸カルシウム、有機酸、アミノ酸および糖質が含有されている肉軟化改質剤が記載されている。特許文献2には、乳清ミネラルを有効成分とし、この乳清ミネラルを固形分として0.01~2質量%含有する食肉または魚肉製品の肉質改良用浸漬液であって、乳清ミネラルは、固形分中のカルシウム含量が2質量%未満であり、すりつぶしまたはミンチ加工していない状態の食肉または魚肉を加熱処理するために使用される、肉質改良用浸漬液が記載されている。
しかし、特許文献1に記載の乳酸カルシウムを軟化効果が発揮される濃度で食肉等に添加すると、苦味等のマイナスの味質が生じる場合がある。特許文献2に記載の乳清ミネラルは、水への溶解性が低いためにカルシウム含量を低くしているが、その結果、食肉等に対する軟化効果が小さくなってしまう。
このように、これまでに検討されてきたカルシウム塩等の食肉用または魚肉用の品質改良剤は、水への溶解性の低いものが多く、軟化効果が発揮される濃度で食肉等に添加すると苦味が生じてしまう。また、これまでに検討されてきた食肉用または魚肉用の品質改良剤は、食品添加物表示が必要となる成分が多い。
そこで、水への溶解性が高く、味への影響が少なく、食肉または魚肉を軟化することができる実用的な品質改良剤が求められている。
本発明の目的は、水への溶解性が高く、味への影響が少なく、食肉または魚肉を軟化することができる、食肉用または魚肉用の品質改良剤、その品質改良剤を含む品質改良用浸漬液、食肉または魚肉、および、食肉または魚肉の製造方法を提供することにある。
本発明は、リン酸化オリゴ糖カルシウムを含有する、食肉用または魚肉用の品質改良剤である。
前記品質改良剤において、さらにアルカリ剤を含有することが好ましい。
本発明は、リン酸化オリゴ糖カルシウムと、水と、を含有する、食肉用または魚肉用の品質改良用浸漬液である。
前記品質改良用浸漬液において、さらにアルカリ剤を含有することが好ましい。
本発明は、前記品質改良剤を含む、食肉または魚肉である。
前記食肉または魚肉において、前記食肉または前記魚肉に対する前記リン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量は、前記食肉または前記魚肉の質量に対して0.001質量%を超え、1質量%以下であることが好ましい。
本発明は、前記品質改良剤を用いて食肉または魚肉の品質改良を行う、食肉または魚肉の製造方法である。
前記食肉または魚肉の製造方法において、前記食肉または前記魚肉に対する前記リン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量は、前記食肉または前記魚肉の質量に対して0.001質量%を超え、1質量%以下であることが好ましい。
本発明では、水への溶解性が高く、味への影響が少なく、食肉または魚肉を軟化することができる、食肉用または魚肉用の品質改良剤、その品質改良剤を含む品質改良用浸漬液、食肉または魚肉、および、食肉または魚肉の製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<品質改良剤>
本発明の実施の形態に係る品質改良剤は、リン酸化オリゴ糖カルシウムを含有する。
本発明の実施の形態に係る品質改良剤は、リン酸化オリゴ糖カルシウムを含有する。
リン酸化オリゴ糖カルシウムを用いることにより、水への溶解性が高く、味への影響が少なく、食肉または魚肉を軟化することができる食肉用または魚肉用の品質改良剤が得られる。本実施形態に係る品質改良剤により、食肉または魚肉の本来のジューシーさ等の食感をほとんど損なうことなく、食肉または魚肉を軟化することができる。また、苦味等のマイナスの味質がほとんど生じることなく、食肉または魚肉を軟化することができる。品質改良剤の水への溶解性が高いと、食肉または魚肉の内部にまで品質改良剤が浸透しやすくなり、品質改良効果が高まる。
リン酸化オリゴ糖カルシウムは、ブドウ糖が3~7個つながったオリゴ糖にリン酸が結合し、そのリン酸基がカルシウム塩になっている物質である。リン酸化オリゴ糖カルシウムは、水への高い水溶性(例えば、70質量%以上)を有し、かつ味への影響が少ない。水溶性のカルシウム素材であるリン酸化オリゴ糖カルシウムを使用することによって、味への影響が少なく、食肉および魚肉を軟化することができる。また、リン酸化オリゴ糖カルシウムは、食品添加物表示が必要となる成分ではない。
本実施形態に係る品質改良剤は、さらにアルカリ剤を含むことが好ましい。アルカリ剤としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩、重炭酸ナトリウム等の重炭酸塩、クエン酸三ナトリウム等のクエン酸塩、d-酒石酸ナトリウム等の酒石酸塩、リン酸水素二ナトリウム等のリン酸塩、海藻カルシウム等が挙げられ、軟化効果等の点から、重炭酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、海藻カルシウムが好ましい。アルカリ剤は、上記アルカリ剤のうち1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リン酸化オリゴ糖カルシウムとアルカリ剤との併用により、食肉または魚肉を軟化することができる上に、アルカリ剤を併用しない場合に比べてジューシーさが増す。
本実施形態に係る品質改良剤におけるアルカリ剤の含有量は、例えば、リン酸化オリゴ糖カルシウムの質量に対して1~100倍の範囲であり、2~10倍の範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る品質改良剤において、アルカリ剤の他に、食塩、調味料、酵母等の他の成分を含んでもよい。
他の成分の含有量は、例えば、リン酸化オリゴ糖カルシウムの質量に対して1~500倍の範囲であり、10~100倍の範囲であることが好ましい。
食肉としては、食用に供される肉であればよく、特に限定されないが、例えば、牛、豚、鶏、馬、羊、アヒル、七面鳥等の畜肉、猪、鹿、熊等の獣肉、クジラ、海豚等の海産動物、カモ、ガチョウ、ダチョウ、カンガルー、ワニ等の精肉、およびこれらの加工品等が挙げられる。食肉の部位としては、特に限定されず、特に効果が大きい点で、脛、肩、ネック、タン、ホホ、モモ、スネ、テール、足等の硬質のタンパク質を多く含む部位が好ましい。食肉の形態は、特に制限されず、例えば、ブロック、サイコロ、ぶつ切り、スライス、挽いたもの等のいずれの形態であってもよい。
魚肉としては、食用に供される魚肉であればよく、特に限定されないが、例えば、鮭、鰆、鰤、鱈、およびこれらの加工品等が挙げられる。魚肉の形態は、特に制限されず、例えば、切り身、柵等のいずれの形態であってもよい。
食肉または魚肉としては、例えば、硬い部位がある食肉または魚肉である。
本実施形態に係る品質改良剤は、食肉または魚肉を軟化するために利用することができる。食肉または魚肉の軟化としては、食肉または魚肉の筋原線維の軟化等が挙げられる。本実施形態に係る品質改良剤は、食肉または魚肉の筋原線維の軟化に好適に用いることができる。
本実施形態に係る品質改良剤の形態は特に制限されず、例えば、液体状、ペースト状、顆粒状、粉末状、固形状等のいずれの形態であってもよい。
本実施形態に係る品質改良剤は、粉末添加、浸漬、インジェクション、タンブリング等の処理方法で、食肉または魚肉の軟化に用いることができる。
<食肉用または魚肉用の品質改良用浸漬液>
本実施形態に係る食肉用または魚肉用の品質改良用浸漬液は、リン酸化オリゴ糖カルシウムと、水と、を含有する。本実施形態に係る品質改良用浸漬液は、アルカリ剤をさらに含有してもよい。本実施形態に係る品質改良用浸漬液には、ピックル液も含まれる。
本実施形態に係る食肉用または魚肉用の品質改良用浸漬液は、リン酸化オリゴ糖カルシウムと、水と、を含有する。本実施形態に係る品質改良用浸漬液は、アルカリ剤をさらに含有してもよい。本実施形態に係る品質改良用浸漬液には、ピックル液も含まれる。
品質改良用浸漬液のpHは、6.0~11.0の範囲であることが好ましく、7.0~9.0の範囲であることがより好ましい。品質改良用浸漬液のpHが6.0未満であると、効果が不十分となる場合があり、11.0を超えると、アルカリ剤特有の味が生じる場合がある。
品質改良用浸漬液におけるリン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量は、0.006~6質量%の範囲であることが好ましく、0.6~3質量%の範囲であることがより好ましい。品質改良用浸漬液におけるリン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量が0.006質量%未満であると、軟化作用が不十分となる場合があり、6質量%を超えると、軟化作用が過剰となる場合がある。
品質改良用浸漬液におけるアルカリ剤の含有量は、0.01~10質量%の範囲であることが好ましく、0.1~1質量%の範囲であることがより好ましい。品質改良用浸漬液におけるアルカリ剤の含有量が0.01質量%未満であると、効果が不十分となる場合があり、10質量%を超えると、アルカリ剤特有の味が生じる場合がある。
水としては、特に制限はないが、水道水、純水等が挙げられる。水の他に、食塩、調味料、酵母等を含んでもよい。
<食肉または魚肉>
本実施形態に係る食肉または魚肉は、上記品質改良剤を含む食肉または魚肉であり、食肉および魚肉としては、上記で述べた食肉および魚肉が挙げられる。
本実施形態に係る食肉または魚肉は、上記品質改良剤を含む食肉または魚肉であり、食肉および魚肉としては、上記で述べた食肉および魚肉が挙げられる。
食肉および魚肉に対するリン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量は、食肉および魚肉の質量に対して、0.001質量%を超え、1質量%以下であることが好ましく、0.01~1質量%の範囲であることがより好ましく、0.1~1質量%の範囲であることがさらに好ましく、0.5~1質量%の範囲であることが特に好ましい。食肉および魚肉の総質量に対してリン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量が0.001質量%以下であると、軟化作用が不十分となる場合があり、1質量%を超えると、軟化作用が過剰となる場合がある。
<食肉または魚肉の製造方法>
本実施形態に係る食肉または魚肉の製造方法は、上記品質改良剤を用いて食肉または魚肉の品質改良を行う方法であり、例えば、リン酸化オリゴ糖カルシウムと水とを含む品質改良用浸漬液、またはリン酸化オリゴ糖カルシウムと上記アルカリ剤と水とを含む品質改良用浸漬液に、食肉または魚肉を予め定めた温度で、予め定めた時間、浸漬する方法である。その他に、リン酸化オリゴ糖カルシウムを含む品質改良剤を食肉または魚肉に直接振りかける方法、リン酸化オリゴ糖カルシウムを含む水溶液を食肉または魚肉にインジェクションする方法、リン酸化オリゴ糖カルシウムを含む水溶液を食肉または魚肉とともにタンブリングする方法であってもよい。
本実施形態に係る食肉または魚肉の製造方法は、上記品質改良剤を用いて食肉または魚肉の品質改良を行う方法であり、例えば、リン酸化オリゴ糖カルシウムと水とを含む品質改良用浸漬液、またはリン酸化オリゴ糖カルシウムと上記アルカリ剤と水とを含む品質改良用浸漬液に、食肉または魚肉を予め定めた温度で、予め定めた時間、浸漬する方法である。その他に、リン酸化オリゴ糖カルシウムを含む品質改良剤を食肉または魚肉に直接振りかける方法、リン酸化オリゴ糖カルシウムを含む水溶液を食肉または魚肉にインジェクションする方法、リン酸化オリゴ糖カルシウムを含む水溶液を食肉または魚肉とともにタンブリングする方法であってもよい。
浸漬温度は、例えば、4℃~40℃の範囲であり、4℃~10℃の範囲であることが好ましい。
浸漬時間は、例えば、30分間~24時間の範囲であり、2時間~24時間の範囲であることが好ましい。
浸漬液に対する食肉または魚肉の量は、例えば、品質改良用浸漬液の質量に対して1~10倍量の範囲である。
本実施形態に係る食肉または魚肉の製造方法で得られる食肉および魚肉に対するリン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量は、食肉および魚肉の質量に対して、0.001質量%を超え、1質量%以下であることが好ましく、0.01~1質量%の範囲であることがより好ましく、0.1~1質量%の範囲であることがさらに好ましく、0.5~1質量%の範囲であることが特に好ましい。食肉および魚肉の総質量に対してリン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量が0.001質量%以下であると、軟化作用が不十分となる場合があり、1質量%を超えると、軟化作用が過剰となる場合がある。
本発明の実施形態に係る品質改良剤、品質改良用浸漬液、食肉または魚肉、および食肉または魚肉の製造方法により、硬い部位がある食肉または魚肉を軟化することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1、比較例1~4>
[単品での効果]
浸漬液の総質量に対して1質量%となるように表1に示すカルシウム素材を室温(20℃)で水に溶解または懸濁させて、浸漬液を調製した。浸漬液の組成および浸漬液中のカルシウム含有率(質量%)は表1の通りである。
[単品での効果]
浸漬液の総質量に対して1質量%となるように表1に示すカルシウム素材を室温(20℃)で水に溶解または懸濁させて、浸漬液を調製した。浸漬液の組成および浸漬液中のカルシウム含有率(質量%)は表1の通りである。
(処理工程)
ポリ袋に豚ロース肉(カナダ産)と浸漬液(肉に対して浸漬液50質量%量)を入れた。冷蔵庫(4℃)で一晩(18時間)静置した。ポリ袋から肉を取出し、水気を切り、スチームコンベクションオーブンで、220℃で15分間焼成した。
ポリ袋に豚ロース肉(カナダ産)と浸漬液(肉に対して浸漬液50質量%量)を入れた。冷蔵庫(4℃)で一晩(18時間)静置した。ポリ袋から肉を取出し、水気を切り、スチームコンベクションオーブンで、220℃で15分間焼成した。
(溶解性評価)
浸漬液をスターラーで10分間撹拌した際の溶解性(○:溶解、×:不溶)を評価した。結果を表2に示す。
浸漬液をスターラーで10分間撹拌した際の溶解性(○:溶解、×:不溶)を評価した。結果を表2に示す。
(せん断測定)
クリープメーター(山電製、RE2-33005C)を用いて、プランジャー:くさび型、圧縮速度:50mm/分の条件でせん断を測定した。結果を表2に示す。
クリープメーター(山電製、RE2-33005C)を用いて、プランジャー:くさび型、圧縮速度:50mm/分の条件でせん断を測定した。結果を表2に示す。
(官能評価)
5人の評価者が試食し、味および食感(硬さ、ジューシーさ)を以下の基準で評価し、平均点(小数点以下第2位を四捨五入)を算出した。結果を表2に示す。
5人の評価者が試食し、味および食感(硬さ、ジューシーさ)を以下の基準で評価し、平均点(小数点以下第2位を四捨五入)を算出した。結果を表2に示す。
硬さ
4:容易に噛み切ることができる
3:通常の力で噛み切ることができる
2:意識して力を入れて噛み切ることができる
1:噛み切ることができない
味
4:好ましい
3:やや好ましい
2:やや好ましくない
1:好ましくない
ジューシーさ
4:非常にジューシーに感じる
3:ややジューシーに感じる
2:ややパサつきを感じる
1:非常にパサつきを感じる
4:容易に噛み切ることができる
3:通常の力で噛み切ることができる
2:意識して力を入れて噛み切ることができる
1:噛み切ることができない
味
4:好ましい
3:やや好ましい
2:やや好ましくない
1:好ましくない
ジューシーさ
4:非常にジューシーに感じる
3:ややジューシーに感じる
2:ややパサつきを感じる
1:非常にパサつきを感じる
(結果)
実施例1のリン酸化オリゴ糖カルシウムは、比較例2の炭酸カルシウム、比較例4の乳清カルシウムに比べて、水への溶解性が高かった。また、実施例1のリン酸化オリゴ糖カルシウムは、比較例1の塩化カルシウムに比べて、味に優れており、比較例2の炭酸カルシウム、比較例3の乳酸カルシウム、比較例4の乳清カルシウムに比べて、味および食感に優れていた。
実施例1のリン酸化オリゴ糖カルシウムは、比較例2の炭酸カルシウム、比較例4の乳清カルシウムに比べて、水への溶解性が高かった。また、実施例1のリン酸化オリゴ糖カルシウムは、比較例1の塩化カルシウムに比べて、味に優れており、比較例2の炭酸カルシウム、比較例3の乳酸カルシウム、比較例4の乳清カルシウムに比べて、味および食感に優れていた。
<実施例2,3、比較例5,6>
[アルカリ剤との併用]
リン酸化オリゴ糖カルシウムとアルカリ剤との併用を検討した。ピックル液の組成は表3の通りである。
[アルカリ剤との併用]
リン酸化オリゴ糖カルシウムとアルカリ剤との併用を検討した。ピックル液の組成は表3の通りである。
(処理工程)
ポリ袋に鶏もも肉(ブラジル産)とピックル液(肉に対して浸漬液20質量%量)を入れた。タンブラーを入れ、4℃で1時間タンブリングを行った。肉を取出し、水気を切り、170℃で4分間フライした。
ポリ袋に鶏もも肉(ブラジル産)とピックル液(肉に対して浸漬液20質量%量)を入れた。タンブラーを入れ、4℃で1時間タンブリングを行った。肉を取出し、水気を切り、170℃で4分間フライした。
(官能評価)
5人の評価者が試食し、食感(硬さ、ジューシーさ)を評価し、平均点(小数点以下第2位を四捨五入)を算出した。結果を表4に示す。
5人の評価者が試食し、食感(硬さ、ジューシーさ)を評価し、平均点(小数点以下第2位を四捨五入)を算出した。結果を表4に示す。
(結果)
リン酸化オリゴ糖カルシウムとアルカリ剤として重炭酸ナトリウムおよびクエン酸三ナトリウムを併用した実施例2、リン酸化オリゴ糖カルシウムとアルカリ剤として海藻カルシウムを併用した実施例3は、リン酸化オリゴ糖カルシウムを添加しない比較例5、比較例6のそれぞれに比べて、食感に優れていた。
リン酸化オリゴ糖カルシウムとアルカリ剤として重炭酸ナトリウムおよびクエン酸三ナトリウムを併用した実施例2、リン酸化オリゴ糖カルシウムとアルカリ剤として海藻カルシウムを併用した実施例3は、リン酸化オリゴ糖カルシウムを添加しない比較例5、比較例6のそれぞれに比べて、食感に優れていた。
<実施例4>
[リン酸化オリゴ糖カルシウムの濃度検討]
リン酸化オリゴ糖カルシウムの添加濃度を検討した。ピックル液の組成は表5の通りである。
[リン酸化オリゴ糖カルシウムの濃度検討]
リン酸化オリゴ糖カルシウムの添加濃度を検討した。ピックル液の組成は表5の通りである。
(処理工程)
ポリ袋に鶏もも肉(ブラジル産)とピックル液(肉に対して浸漬液20質量%量)を入れた。タンブラーを入れ、4℃で1時間タンブリングを行った。肉を取出し、水気を切り、170℃で4分間フライした。
ポリ袋に鶏もも肉(ブラジル産)とピックル液(肉に対して浸漬液20質量%量)を入れた。タンブラーを入れ、4℃で1時間タンブリングを行った。肉を取出し、水気を切り、170℃で4分間フライした。
(官能評価)
5人の評価者が試食し、食感(硬さ、ジューシーさ)を評価し、平均点(小数点以下第2位を四捨五入)を算出した。結果を表6に示す。
5人の評価者が試食し、食感(硬さ、ジューシーさ)を評価し、平均点(小数点以下第2位を四捨五入)を算出した。結果を表6に示す。
(結果)
食肉および魚肉に対するリン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量は、食肉および魚肉の質量に対して、0.001質量%を超えることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましく、0.5質量%以上であることが特に好ましいことがわかる。
食肉および魚肉に対するリン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量は、食肉および魚肉の質量に対して、0.001質量%を超えることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましく、0.5質量%以上であることが特に好ましいことがわかる。
<実施例5>
[魚肉での効果]
魚肉での効果を検討した。浸漬液の組成は表7の通りである。
[魚肉での効果]
魚肉での効果を検討した。浸漬液の組成は表7の通りである。
(処理工程)
ポリ袋に鮭(ノルウェー産)と浸漬液(魚肉に対して浸漬液50質量%量)を入れた。冷蔵庫(4℃)で一晩(18時間)静置した。ポリ袋から魚肉を取出し、水気を切り、スチームコンベクションオーブンで、220℃で8分間焼成した。
ポリ袋に鮭(ノルウェー産)と浸漬液(魚肉に対して浸漬液50質量%量)を入れた。冷蔵庫(4℃)で一晩(18時間)静置した。ポリ袋から魚肉を取出し、水気を切り、スチームコンベクションオーブンで、220℃で8分間焼成した。
(官能評価)
5人の評価者が試食し、味および食感(ジューシーさ)を評価し、平均点(小数点以下第2位を四捨五入)を算出した。結果を表8に示す。
5人の評価者が試食し、味および食感(ジューシーさ)を評価し、平均点(小数点以下第2位を四捨五入)を算出した。結果を表8に示す。
(結果)
魚肉に対してもリン酸化オリゴ糖カルシウムを添加することによって、味への影響が少なく、食感を改良することができた。
魚肉に対してもリン酸化オリゴ糖カルシウムを添加することによって、味への影響が少なく、食感を改良することができた。
このように、水への溶解性が高く、味への影響が少なく、食肉または魚肉を軟化することができる実用的な品質改良剤が得られた。
Claims (8)
- リン酸化オリゴ糖カルシウムを含有することを特徴とする食肉用または魚肉用の品質改良剤。
- 請求項1に記載の品質改良剤であって、
さらにアルカリ剤を含有することを特徴とする品質改良剤。 - リン酸化オリゴ糖カルシウムと、
水と、
を含有することを特徴とする食肉用または魚肉用の品質改良用浸漬液。 - 請求項3に記載の品質改良用浸漬液であって、
さらにアルカリ剤を含有することを特徴とする品質改良用浸漬液。 - 請求項1または2に記載の品質改良剤を含むことを特徴とする食肉または魚肉。
- 請求項5に記載の食肉または魚肉であって、
前記食肉または前記魚肉に対する前記リン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量は、前記食肉または前記魚肉の質量に対して0.001質量%を超え、1質量%以下であることを特徴とする食肉または魚肉。 - 請求項1または2に記載の品質改良剤を用いて食肉または魚肉の品質改良を行うことを特徴とする食肉または魚肉の製造方法。
- 請求項7に記載の食肉または魚肉の製造方法であって、
前記食肉または前記魚肉に対する前記リン酸化オリゴ糖カルシウムの含有量は、前記食肉または前記魚肉の質量に対して0.001質量%を超え、1質量%以下であることを特徴とする食肉または魚肉の製造方法。
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