JP2022021915A - 3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物及び1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物、並びに、これらを用いた5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物及び3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物の製造方法 - Google Patents

3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物及び1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物、並びに、これらを用いた5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物及び3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温反応設備を用いずに反応を実施でき、クリーンな方法で且つ収率のよい5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物及び3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物等の製造方法の提供。【解決手段】一般式(1)で表される化合物と塩基とを反応させてディークマン縮合することにより、一般式(2)で表される化合物を得る製造方法。JPEG2022021915000031.jpg38170(R1及びR2は夫々独立して、炭素数1~10の1価の炭化水素基;R3はH又はメチル基;波線は、E体、Z体又はそれらの混合を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物及び1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物に関する。また、本発明は、上述の3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物及び1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物を用いて、5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物及び3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物それぞれを製造する方法に関する。
5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物及び3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物は、5員環を有する生物活性物質及びフェロモン等の合成中間体として有用な化合物である。例えば、α-ネクロジル(α-necrodyl)化合物、すなわち、(3,4,5,5-テトラメチル-2-シクロペンテニル)メチル基を有する化合物群、及びγ-ネクロジル(γ-necrodyl)化合物、すなわち(2,2,3,4-テトラメチル-3-シクロペンテニル)メチル基を有する化合物群は、生物活性物質として天然に広く存在し、これらの化合物は3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物から誘導することが可能である。すなわち、グレープ=ミーリーバグ(学名:Pseudococcus maritimus)の性フェロモン(1RS,4RS)-(3,4,5,5-テトラメチル-2-シクロペンテニル)メチル=イソブチレート及びスフェリカル=ミーリーバグ(学名:Nipaecoccus viridis)の性フェロモン(2,2,3,4-テトラメチル-3-シクロペンテニル)メチル=イソブチレートの合成中間体として、上述の3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物は有用である(下記の非特許文献1及び2)。
5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物の製造方法としては、4,4-ジメチルシクロペント-2-エン-1-オンと塩基とを作用させてエノレートを調製した後、メチル=シアノホルメートと反応させることによって、メチル=5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレートを製造する方法が報告されている(下記の非特許文献3)。
J.G.Millar et al.,J.Agric.FoodChem.,2010,58,4977-4982. A.Levi-Zada et al.,J.Chem.Ecol.,2019,45,455-463. J.Richers et al.,Chem.Eur.J.,2017,23,3178-3183.
前述の通り、5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物の合成としては、非特許文献3に記載のRichersらの製法が知られている。しかしながら、非特許文献3では、4,4-ジメチル-2-シクロペンテン-1-オンに対してメトキシカルボニル化する反応を-78℃で行っているため、特殊な低温反応設備を必要とする。また、エノレートを調製した後にメチル=シアノホルメートと反応させる際、望むC-メトキシカルボニル化と望まないO-メトキシカルボニル化との反応が競争し、収率よく目的化合物が得られないこともある。さらに、メチル=シアノホルメートからは有害なシアン化物イオンが等量生成するため、反応の後処理にも注意が必要であり、安全性の観点からも好ましくない。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、低温反応設備を用いずに反応を実施でき、クリーンな方法で且つ収率よく、5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物及び3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物と塩基とを反応させてディークマン(Dieckmann)縮合することにより、高収率で、5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物を得ることができることを見出し、本発明を為すに至った。
また、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物と塩基とを反応させてディークマン(Dieckmann)縮合することにより、高収率で、3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物を得ることができることを見出し、本発明を為すに至った。
本発明の一つの態様によれば、下記一般式(1)
Figure 2022021915000001
(式中、R及びRはそれぞれ独立して、炭素数1~10の1価の炭化水素基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表し、かつ波線は、E体、Z体又はそれらの混合を表す。)
で表される化合物を、塩基の存在下、ディークマン(Dieckmann)縮合により、下記一般式(2)
Figure 2022021915000002
(式中、R及びRは、上記で定義した通りである。)
で表される化合物を得る工程
を少なくとも含む、上記化合物(2)の製造方法が提供される。
また、本発明の他の様態によれば、下記一般式(3)
Figure 2022021915000003
(式中、R及びRは、上記で定義した通りであり、かつRは炭素数1~10の1価の炭化水素基又はハロゲン化アルキル基を表す。)
で表されるホスホネート化合物から調製されるホスホネートアニオンと、下記一般式(4)
Figure 2022021915000004
(式中、Rは、上記で定義した通りである。)
で表されるアルデヒド化合物とのホーナー・ワズワース・エモンズ(Horner-Wadsworth-Emmons)反応により、上記化合物(1)を得る工程
をさらに含む、上記化合物(2)の製造方法が提供される。
さらに、本発明の別の様態によれば、下記一般式(5)
Figure 2022021915000005
(式中、R、R及び波線は、上記で定義した通りである。)
で表される1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物が提供される。
本発明によれば、5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物及び3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物のそれぞれの製造における合成中間体として有用である、3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物及び1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物を提供できる。また、本発明によれば、低温反応設備を用いることなく、かつ有害な副生物を生じることなく、高収率で、5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物及び3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物を収率よく製造することができる。驚くべきことに、(E)-3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物及び(E)-1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物からも目的化合物が収束的に得られ、その結果、高収率で5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物及び3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物を製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、本明細書中の中間体、試薬及び目的化合物の化学式において、構造上、エナンチオ異性体(Enantiomer)が存在し得るものがあるが、特に記載がない限り、各化学式はこれらの異性体のすべてを表すものとする。また、これらの異性体は、単独であってもよく、混合物であってもよい。
A.まず、本発明に従う製造方法により製造される、5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物及び3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物について、以下に説明する。
5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物及び3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物はまとめて、下記一般式(2)で表される。なお、以下において、5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物及び3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物を、単に「化合物(2)」とも云う。
Figure 2022021915000006
上記一般式(2)におけるRは、炭素数1~10、好ましくは炭素数1~4の1価の炭化水素基を表す。
の1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基及びn-デシル基等の直鎖状の飽和炭化水素基;イソプロピル基、2-メチルブチル基及びt-ブチル基等の分岐状の飽和炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロペンチルメチル基等の環状の飽和炭化水素基;ビニル基、アリル基及びエチニル基等の直鎖状の不飽和炭化水素基;イソプロペニル基及び2-メチル-2-プロペニル基等の分岐状の不飽和炭化水素基;並びに、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、ベンジル基及びフェネチル基等の環状の不飽和炭化水素基等が挙げられ、これらと異性体の関係にある炭化水素基でもよい。また、これらの炭化水素基の水素原子の一部が、炭素数1~9の一価の炭化水素基で置換されていてもよい。
上記一般式(2)におけるRは、水素原子又はメチル基を表す。Rが水素原子の場合に、上記一般式(2)は、上述の5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物を表し、Rがメチル基の場合に、上記一般式(2)は、上述の3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物を表す。
化合物(2)の具体例としては、メチル=5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート、エチル=5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート、t-ブチル=5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート及びフェニル=5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート等の5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物等;並びに、メチル=3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート、エチル=3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート、t-ブチル=3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート及びフェニル=3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート等の3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物が挙げられる。
B.次に、上述の化合物(2)の本発明に従う製造方法について、以下に説明する。
本発明者らは、以下に説明するように、化合物(2)の合成計画を考察した。
Figure 2022021915000007
上記の逆合成解析の反応式中、白抜き矢印は逆合成解析(Retrosynthetic analysis)におけるトランスフォームを表す。なお、本明細書において、特に断りの無い限り、化学構造式中の波線は、E体、Z体又はそれらの混合を表す。
(工程B’) 本発明の目的化合物である化合物(2)、すなわち5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物及び3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物、は、上記の化学式で表される化合物(1)、すなわち3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物及び1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物を、塩基の存在下、ディークマン(Dieckmann)縮合することにより合成できると考えられる。なお、以下において、5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物及び3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物を、単に「化合物(1)」とも云う。ここで、化合物(1)の幾何異性体としては、環形成のための配置が適切であることから、すなわち環形成の際に結合される2つの炭素原子が二重結合の同じ側に存在することから、Z体が好ましいと考えられる。
Figure 2022021915000008
式中、両矢印は新たに結合する2つの炭素原子の位置を表す。
(工程A’) 目的化合物である化合物(1)は、上記反応式中の一般式(3)で表されるホスホネート化合物から調製されるホスホネートアニオンと、上記反応式中の一般式(4)で表されるアルデヒド化合物とのホーナー・ワズワース・エモンズ(Horner-Wadsworth-Emmons)反応(以下、「HWE反応」ともいう。)により、合成できると考えられる。
そして、上記逆合成解析の反応式を考慮すると、本発明の1つの実施態様に従う化学反応式は、下記の通りに示される。
Figure 2022021915000009
以下に本発明の実施の形態としての上記工程A及びBを詳細に説明する。
まず、本発明の目的化合物である化合物(2)を合成する工程B、そして該工程Bの出発物質を合成する工程Aの順に説明する。なお、該工程Aでは、化合物(1)のRがメチル基であり、下記一般式(5)で表される1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物を得る方法についても併せて説明する。
Figure 2022021915000010
[1]工程B
以下に、化合物(2)を得る工程Bについて説明する。化合物(2)は、下記の化学反応式に示されている通り、化合物(1)を、塩基の存在下、ディークマン(Dieckmann)縮合することにより得られる。
Figure 2022021915000011
上記一般式(1)におけるR及びRは、上記一般式(2)で定義したR及びRと同じである。また、上記一般式(1)におけるRは、炭素数1~10、好ましくは1~4の1価の炭化水素基を表す。
化合物(1)の具体例としては、(E)-ジエチル=3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート、(E)-t-ブチル=5-エトキシカルボニル-4,4-ジメチル-2-ペンテノエート及び(E)-エチル=4,4-ジメチル-5-フェノキシカルボニル-2-ペンテノエート等の(E)-3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物;(Z)-ジエチル=3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート、(Z)-t-ブチル=5-エトキシカルボニル-4,4-ジメチル-2-ペンテノエート及び(Z)-エチル=4,4-トリメチル-5-フェノキシカルボニル-2-ペンテノエート等の(Z)-3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物;(E)-ジエチル=1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート、(E)-t-ブチル=5-エトキシカルボニル-2,4,4-トリメチル-2-ペンテノエート及び(E)-エチル=2,4,4-トリメチル-5-フェノキシカルボニル-2-ペンテノエート等の(E)-1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物;並びに(Z)-ジエチル=1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート、(Z)-t-ブチル=5-エトキシカルボニル-2,4,4-トリメチル-2-ペンテノエート及び(Z)-エチル=2,4,4-トリメチル-5-フェノキシカルボニル-2-ペンテノエート等の(Z)-1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物等が挙げられる。
グレープ=ミーリーバグ及びスフェリカル=ミーリーバグの性フェロモンの合成中間体として有用な3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物製造の観点から、(Z)-ジエチル=1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート、(E)-ジエチル=1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート等の、化合物(1)のRがメチル基の場合であり、上述の一般式(5)で表される1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物が好ましい。
1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物(5)の具体例として、1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート(5)は、下記一般式(Z)-(5)で表される(Z)-1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物、下記一般式(E)-(5)で表される(E)-1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物、及びその両方が挙げられる。
Figure 2022021915000012
1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物(5)は、後述のHWE反応により合成できる。
化合物(2)は、化合物(1)を溶媒中、塩基と反応させることによって得ることができる。
化合物(2)の製造に用いる塩基としては、ナトリウム=t-ブトキシド、カリウム=t-ブトキシド、ナトリウム=メトキシド、カリウム=メトキシド及びナトリウム=エトキシド、カリウム=エトキシド等の金属アルコキシド;n-ブチルリチウム及びt-ブチルリチウム等のアルキルリチウム;水素化リチウム、水素化ナトリウム及び水素化カリウム等の金属の水素化物;リチウムアセチリド及びナトリウムアセチリド等の金属アセチリド;リチウム=ジイソプロピルアミド及びナトリウム=ビス(トリメチルシリル)アミド等の金属アミド;並びに、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン及び1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]-5-ノネン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン等のアミン等が挙げられる。反応性の観点から、ナトリウム=t-ブトキシド、カリウム=t-ブトキシド、ナトリウム=メトキシド及びナトリウム=エトキシド等の金属アルコキシドが好ましい。
該塩基の使用量は、化合物(1)1molに対して、反応性の観点から、好ましくは1.0~5.0mol、より好ましくは1.0~3.0molである。
化合物(2)の製造に用いる溶媒としては、テトラヒドロフラン、4-メチルテトラヒドロピラン、ジエチル=エーテル及びt-ブチル=メチル=エーテル等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン及びヘキサン等の炭化水素系溶媒;並びに、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン及びクロロホルム等の極性溶媒が挙げられ、反応性の観点から、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、及びトルエン等の炭化水素系溶媒が好ましい。
該溶媒は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよい。反応性と溶解性の観点からテトラヒドロフランとトルエンの混合溶媒が好ましい。該溶媒は、市販のものを用いることができる。
該溶媒の使用量は、反応スケールにより異なるが、化合物(1)1molに対して、反応速度の観点から、好ましくは200~4000gである。
化合物(2)の製造時における反応温度は、用いる溶媒によって異なるが、反応性と異性化速度の観点から、好ましくは0~150℃、より好ましくは30~80℃である。
化合物(2)の製造時における反応時間は、用いる溶媒及び/又は反応スケールにより異なるが、好ましくは0.1~20時間である。
化合物(2)の製造の一つの実施態様として、化合物(2)のRがメチル基であり、下記一般式(6)で表される3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物は、下記の化学反応式に示されている通り、化合物(1)のRがメチル基であり、下記一般式(5)で表される1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物(5)(Z/E=94:6)を、塩基の存在下、ディークマン(Dieckmann)縮合反応に付すことにより製造することができる。なお、1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物(5)は、後述のZ選択的なHWE反応により得られる。
Figure 2022021915000013
上記の縮合反応において、当初、E体である(E)-1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物((E)-(5))からはディークマン(Dieckmann)縮合が進行しないかに思われたが、驚くべきことに該E体も反応し、目的化合物である3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物(6)に収束することが明らかになった。この現象の検証として、出発原料としてE体リッチな1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物(5)(Z/E=33:67)に対して同様に縮合反応を行ったところ、やはりE体からも目的化合物である3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物(6)に収束していることが判明した。この発見により、HWE反応をZ選択的に行う必要がなくなり、より効率的に3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物(6)を得ることが可能になった。
また、化合物(2)の製造の別の実施態様として、化合物(2)のRが水素原子であり、下記一般式(9)で表される5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物は、下記の化学反応式に示されている通り、化合物(1)のRが水素原子であり、下記一般式(8)で表される4,4-ジメチル-2-ヘキセンジカルボキシレート化合物を、塩基の存在下、ディークマン(Dieckmann)縮合反応に付すことにより製造することができる。
Figure 2022021915000014
上記の縮合反応において、目的化合物である5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物だけでなく、目的化合物でない、下記一般式(11)で表される3,3-ジメチル-5-オキソ-1-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物も生成することもある。
Figure 2022021915000015
その原因として、以下のスキームで示すような反応が進行したためだと推察される。
Figure 2022021915000016
上記スキーム中、右向き銛型矢印の上の左向き銛型矢印(Rightwards harpoon over leftwards harpoon)は可逆平衡を表し、R及びRは、化合物(1)で定義したR及びRと同じであり、Rはアルキル基を表し、かつMはカチオン部を表す。
上記スキームにおいて、塩基ROが、3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物(8)の共役二重結合に付加脱離することによって二重結合が異性化し、Z体からディークマン(Dieckmann)縮合が進行することにより、目的化合物である5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物(9)が生成したと推察される(経路a)。
一方、塩基ROが、3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物(8)の共役二重結合に付加し、その後、生じたエノレートから経路bに示される通り、カルボニル炭素への攻撃が起こることにより、シクロペンタノン化合物が生じる。さらにこのシクロペンテノン化合物のOR基が脱離することにより、目的化合物でない3,3-ジメチル-5-オキソ-1-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物(11)が生成したと推察される。
一般式(1)におけるRが水素原子である場合(すなわち、3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物(8))は、経路aに示す反応に加えて、経路bに示す副反応が生じる。
一方、一般式(1)におけるRがメチル基である場合(すなわち、1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物(5))は、ケトンとエステルのカルボニル炭素とに挟まれた炭素上に水素が存在せず、従ってOR基の脱離が起こらないため、上記スキームに示されている平衡Zが存在しない。そのため、一般式(1)におけるRがメチル基の場合は、経路aの反応で得られる化合物に反応が収束すると考えられる。
したがって、本発明は、一般式(1)におけるRがメチル基である場合(すなわち、1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物(5))に特に良い製造方法である。なお、目的化合物でない上述の3,3-ジメチル-5-オキソ-1-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物(11)は、3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物(8)のE体の割合が多いと多量に副生され、E体の割合が少ないと抑制できることから、一般式(1)におけるRが水素原子である場合には、Z体の割合が多い3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物(8)を用いることが好ましい。
[2]工程A
次に、化合物(1)を得る工程Aについて説明する。化合物(1)は、下記の化学反応式に示されている通り、上述のホスホネート化合物(3)から調製されるホスホネートアニオンとアルデヒド化合物(4)とのHWE反応により得られる。
Figure 2022021915000017
上記一般式(3)におけるRは、上記一般式(1)で定義したRと同じである。
上記一般式(3)におけるRは、上記一般式(2)で定義したRと同じである。
上記一般式(3)におけるRは、炭素数1~10、好ましくは1~6の1価の炭化水素基又は1価のハロゲン化アルキル基を表す。
の1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基及びn-デシル基等の直鎖状の飽和炭化水素基;イソプロピル基、2-メチルブチル基及びt-ブチル基等の分岐状の飽和炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロペンチルメチル基等の環状の飽和炭化水素基;ビニル基、アリル基及びエチニル基等の直鎖状の不飽和炭化水素基;イソプロペニル基及び2-メチル-2-プロペニル基等の分岐状の不飽和炭化水素基;並びに、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、ベンジル基及びフェネチル基等の環状の不飽和炭化水素基等が挙げられ、これらと異性体の関係にある炭化水素基でもよい。また、これらの炭化水素基の水素原子の一部が、炭素数1~9の一価の炭化水素基で置換されていてもよい。
の1価のハロゲン化アルキル基としては、HWE反応をZ選択的に行うことができるスティル-ゲンナリ(Still-Gennari)法等で用いられるトリフルオロエチル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられる。
ホスホネート化合物(3)としては、トリエチル=2-ホスホノプロピオネート及びエチル=2-(ジフェニルホスホノ)プロピオネート等の2-ホスホノプロピオネート化合物;トリエチル=ホスホノアセテート及びエチル=ジフェニルホスホノアセテート等のホスホノアセテート化合物;並びに、ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)=(メトキシカルボニルメチル)ホスホネート等のスティル-ゲンナリ(Still-Gennari)法で用いられるホスホネート化合物等が挙げられる。
ホスホネート化合物(3)は、市販されているものであってもよく、又は独自に合成したものであってもよい。合成方法としては、例えばハロゲン化アルキルと亜リン酸エステルとをアルブゾフ(Arbuzov)反応に付す方法を用いることができる。
アルデヒド化合物(4)におけるRは、一般式(1)で定義されるRと同じである。
アルデヒド化合物(4)としては、メチル=3,3-ジメチル-4-オキソブチレート、エチル=3,3-ジメチル-4-オキソブチレート、t-ブチル=3,3-ジメチル-4-オキソブチレート及びフェニル=3,3-ジメチル-4-オキソブチレート等の3,3-ジメチル-4-オキソブチレート化合物が挙げられる。
アルデヒド化合物(4)は市販されているものであってもよく、又は独自に合成したものであってもよい。合成方法としては、既知の方法で合成してもよいし、又はイソブチルアルデヒドから誘導したエナミンとハロ酢酸エステルとを反応させる方法を用いることができる。
化合物(1)は、ホスホネート化合物(3)を、溶媒中、塩基と反応させて、ホスホネートアニオンを調製し、その後、該得られたホスホネートアニオンと、アルデヒド化合物(4)とのホーナー・ワズワース・エモンズ(Horner-Wadsworth-Emmons)反応により得ることができる。
ホスホネートアニオンの調製における塩基としては、ナトリウム=t-ブトキシド、カリウム=t-ブトキシド、ナトリウム=メトキシド、カリウム=メトキシド、ナトリウム=エトキシド及びカリウム=エトキシド等の金属アルコキシド;n-ブチルリチウム及びt-ブチルリチウム等のアルキルリチウム;水素化リチウム、水素化ナトリウム及び水素化カリウム等の金属の水素化物;リチウム=アセチリド及びナトリウム=アセチリド等の金属アセチリド;リチウム=ジイソプロピルアミド及びナトリウム=ビス(トリメチルシリル)アミド等の金属アミド;並びに、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]-5-ノネン及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン等のアミン等が挙げられる。副生物抑制の観点から、水素化ナトリウム等の金属の水素化物;並びに、リチウム=アセチリド及びナトリウム=アセチリド等の金属アセチリドが好ましい。
該塩基は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよい。また、該塩基は、市販のものを用いることができる。
該塩基の使用量は、ホスホネート化合物(3)1molに対して、反応性と副生物抑制との観点から、好ましくは0.8~1.3molである。
また、ホスホネートアニオンの調製において、必要に応じて塩化リチウム及びヨウ化ナトリウム等のハロゲン化アルカリ金属を加えてもよい。
ハロゲン化アルカリ金属の使用量は、ホスホネート化合物(3)1molに対して、反応性及び経済性の観点から、好ましくは0.01~1.3molである。
ホスホネートアニオンの調製における溶媒としては、テトラヒドロフラン、4-メチルテトラヒドロピラン、ジエチル=エーテル及びt-ブチル=メチル=エーテル等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン及びヘキサン等の炭化水素系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン及びクロロホルム等の極性溶媒が挙げられ、特には、HWE反応において汎用されているテトラヒドロフラン、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド及びN,N-ジメチルアセトアミドが好ましく、また塩基として用いるナトリウムアセチリドがキシレン溶液に溶解されていることから、炭化水素系溶媒がまた、好ましい。
該溶媒は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよい。反応性及び溶解性の観点からテトラヒドロフランとキシレンの混合溶媒が好ましい。該溶媒は、市販のものを用いることができる。
該溶媒の使用量は、反応スケールにより異なるが、ホスホネート化合物(3)1molに対して、反応速度の観点から、好ましくは200~4000gである。
ホスホネートアニオンの調製における反応温度は、用いる溶媒による異なるが、反応性及び副生物抑制の観点から、好ましくは-78~150℃、より好ましくは0~80℃である。
ホスホネートアニオンの調製における反応時間は、用いる溶媒及び/又は反応スケールにより異なるが、好ましくは0.1~20時間である。
HWE反応で用いるアルデヒド化合物(4)の使用量は、ホスホネート化合物(3)1molに対して、反応性及び経済性の観点から、好ましくは0.7mol~1.3molである。
HWE反応における溶媒及び溶媒の使用量は、ホスホネートアニオンの調製における溶媒及び溶媒の使用量と同じであってよいし、又は異なっていてもよい。
HWE反応における反応温度は、用いる溶媒による異なるが、反応性と副生物抑制の観点から、好ましくは-78~150℃、より好ましくは0~80℃である。
HWE反応における反応時間は、用いる溶媒及び/又は反応スケールにより異なるが、好ましくは0.1~20時間である。
HWE反応の生成物と、原料であるホスホネート化合物(3)又はアルデヒド化合物(4)との極性が近い又は沸点が近い等により精製が困難な場合には、過剰の原料を消費させるために、反応に使用するものとは別のホスホネート化合物及び/又はアルデヒド化合物をそれぞれ追加してもよい。
過剰の原料を消費させるために用いるホスホネート化合物としては、トリエチル=2-ホスホノプロピオネート及びトリエチル=ホスホノアセテート等のホスホノアセテートが挙げられる。過剰の原料を消費させるために用いるアルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオニルアルデヒド、ブチルアルデヒド及びイソブチルアルデヒド等の低級アルデヒド;並びに、デカナール、ウンデカナール及びドデカナール等の高級アルデヒドが挙げられる。
ホスホネート化合物及びアルデヒド化合物の使用量は、ホスホネート化合物(3)1molに対して、反応性と経済性の観点から、好ましくは0.01mol~0.5molである。
Z選択的なHWE反応の具体例としては、下記の化学反応式に示されている通り、一般式(3)においてRがエチル基であり、Rがメチル基であり、かつRがフェニル基である出発原料と、一般式(4)においてRがエチル基である基質とを用いる方法が挙げられる。
Figure 2022021915000018
Z体とE体の混合物を得るHWE反応の具体例としては、下記の化学反応式に示されている通り、上記一般式(3)においてR及びRがエチル基であり、かつRがメチル基である出発原料と、一般式(4)においてRがエチル基である基質とを用いる方法が挙げられる。
Figure 2022021915000019
また、化合物(1)の中でも、3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物製造の観点で有用な1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物(5)は、例えば、2-ホスホノプロピオネート化合物から調製されるホスホネートアニオンと3,3-ジメチル-4-オキソブチレート化合物とのHWE反応により合成できる。
以上のようにして、有用な合成中間体である、3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物及び1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物と、5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物及び3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物とを収率よく製造する方法が提供される。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
なお、以下において、「純度」は、特に明記しない限り、ガスクロマトグラフィー(以下、「GC」ともいう。)分析によって得られた面積百分率を示し、「生成比」はGC分析によって得られた面積百分率の相対比を示す。
また「収率」はGC分析によって得られた面積百分率を基に算出した収率を示す。
収率は、出発原料及び生成物の純度(%GC)を考慮して、以下の式に従い計算した。
収率(%)={[(反応によって得られた生成物の重量×%GC)/生成物の分子量]
÷[(反応における出発原料の重量×%GC)/出発原料の分子量]}×100
なお、「粗収率」とは精製せずに算出した収率をいう。
各実施例において、反応のモニタリング及び収率の算出は、次のGC条件に従って行った。
GC条件:GC:島津製作所 キャピラリガスクロマトグラフ GC-2014,カラム:DB-5,0.25mm×0.25mmφ×30m,キャリアーガス:He(1.55mL/分)、検出器:FID,カラム温度:100℃ 10℃/分昇温 230℃。
実施例1
<ジエチル=1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート(5:R=R=Et;1:R=R=Et,R=Me)の製造>
Figure 2022021915000020
(式中、Phはフェニル基を表し、かつEtはエチル基を表す。)
反応器に、エチル=2-(ジフェノキシホスフィニル)プロパノエート(139g,0.415mol)(3:R=Et;R=Me;R=Ph)及びテトラヒドロフラン(THF)(1452g)を加え、撹拌しながら4~6℃に冷却した。その後、ヨウ化ナトリウム(NaI)(99.5g,0.664mol)を加え、続けて1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)(94.8g,0.622mol)を4~9℃にて滴下した。滴下終了後、4~9℃にて30分間撹拌し、そしてエチル=3,3-ジメチル-4-オキソブチレート(4:R=Et)(140g,0.887mol)を4~9℃にて滴下した。滴下終了後、57~62℃にて8時間撹拌し、4~6℃に冷却した。その後、反応液に、塩化アンモニウム水溶液(804g:塩化アンモニウム(78g)及び水(726g)から調製)を加えて反応を停止し、さらに酢酸エチル(871g)を加えた。得られた反応液を分液し、その後、有機層を食塩水(1260g:食塩(60g)及び水(1200g)から調製)で洗浄した。得られた有機層を減圧下濃縮し、そして残渣を減圧蒸留することにより、ジエチル=1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート(5:R=R=Et)(70.5g,0.291mol;Z/E=94:6)が収率70.2%で得られた。
上記で得られた(Z)-ジエチル=1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート(5:R=R=Et)のスペクトルデータを以下に示す。
〔核磁気共鳴スペクトル〕H-NMR(500MHz,CDCl):δ1.19(s,6H),1.23(t,J=7.3Hz,3H),1.30(t,J=7.3Hz,3H),1.90(d,J=1.5Hz,3H),2.46(s,2H),4.10(q,J=7.3Hz,2H),4.19(q,J=7.3Hz,2H),5.62(q,J=1.5Hz,1H);13C-NMR(75.6MHz,CDCl):δ14.07,14.24,22.58,27.73(2C),35.37,47.02,59.98,60.52,127.43,141.39,170.33,171.74
〔マススペクトル〕EI-マススペクトル(70eV):m/z 242(M),227,196,181,168,155,139,127,109,95,81,67,55,41,29
〔赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 2980,1731,1452,1369,1342,1322,1246,1204,1100,1036,919,866,775
上記で得られた(E)-ジエチル=1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレートのスペクトルデータを以下に示す。
〔核磁気共鳴スペクトル〕H-NMR(500MHz,CDCl):δ1.21(t,J=7.3Hz,3H),1.27(t,J=7.3Hz,3H),1.28(s,6H),1.94(d,J=1.5Hz,3H),2.45(s,2H),4.09(q,J=7.3Hz,2H),4.16(q,J=7.3Hz,2H),6.83(q,J=1.5Hz,1H);13C-NMR(75.6MHz,CDCl):δ13.44,14.21(2C),27.93(2C),35.26,46.93,60.11,60.62,127.42,148.29,168.88,171.27
〔マススペクトル〕EI-マススペクトル(70eV):m/z 242(M),227,196,181,168,155,139,127,109,95,81,67,55,41,29
〔赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 2980,1731,1452,1369,1342,1322,1246,1204,1100,1036,919,866,775
実施例2
<ジエチル=1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート(5:R=R=Et;1:R=R=Et,R=Me)の製造>
Figure 2022021915000021
(式中、Etは上記で定義した通りである。)
反応器に、0.00476重量モル濃度のナトリウム=アセチリド(mol/g)のキシレン溶液(214g,1.02mol)及びTHF(1325g)を加え、撹拌しながら4~6℃に冷却した。その後、トリエチル=2-ホスホノプロピオネート(3:R=R=Et;R=Me)(242g,1.02mol)を4~9℃にて滴下した。滴下終了後、62~67℃まで昇温し、続いて、エチル=3,3-ジメチル-4-オキソブチレート(4:R=Et)(140g,0.887mol)を62~67℃にて滴下した。滴下終了後、62~67℃にて1.5時間撹拌した。その後、37~42℃まで冷却し、イソブチルアルデヒド(25.5g,0.353mol)、ヨウ化ナトリウム(66.2g,0.441mol)及び1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(53.8g,0.353mol)を順次加え、37~42℃にて1.5時間撹拌した。その後、4~6℃に冷却し、反応液に塩化アンモニウム水溶液(939g:塩化アンモニウム(85g)及び水(854g)から調製)を加えて反応を停止し、さらにヘキサン(887g)を加えた。得られた反応液を分液し、その後、有機層を塩化アンモニウム水溶液(1450g:塩化アンモニウム(85g)、食塩(33g)及び水(1332g)から調製)で洗浄し、続いて食塩水(1399g:食塩(67g)及び水(1332g)から調製)で洗浄した。得られた有機層を減圧下濃縮し、そして残渣を減圧蒸留することにより、ジエチル=1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート(5:R=R=Et)(177g,0.731mol;Z/E=39:61)が収率82.4%で得られた。
上記で得られたジエチル=1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート(5:R=R=Et)の各種スペクトルデータは、実施例1で得られた各種スペクトルデータと同じであった。
実施例3
<ジエチル=3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート(8:R=R=Et;1:R=R=Et,R=H)の製造>
Figure 2022021915000022
(式中、Ph及びEtは上記で定義した通りである。)
反応器に、エチル=ジフェニルホスホノアセテート(3:R=Et;R=H;R=Ph)(52.1g,0.163mol)及びTHF(455g)を加え、撹拌しながら4~6℃に冷却した。その後、ヨウ化ナトリウム(39.0g,0.260mol)を加え、続けて1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(37.1g,0.244mol)を4~9℃にて滴下した。滴下終了後、4~9℃にて30分間撹拌し、その後、エチル=3,3-ジメチル-4-オキソブチレート(4:R=Et)(28.3g,0.179mol)を4~9℃にて滴下した。滴下終了後、室温にて4時間撹拌し、4~6℃に冷却した。その後、反応液に塩化アンモニウム水溶液(358g:塩化アンモニウム(31g)、水(327g)から調製)を加えて反応を停止し、さらにヘキサン(365g)を加えた。得られた反応液を分液し、その後、有機層を食塩水(414g:食塩(20g)及び水(394g)から調製)で洗浄した。得られた有機層を減圧下濃縮し、そして残渣を減圧蒸留することにより、ジエチル=3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート(8:R=R=Et)(31.9g,0.140mol;Z/E=78:22)が収率86.0%で得られた。
上記で得られた(Z)-ジエチル=3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート(8:R=R=Et)のスペクトルデータを以下に示す。
〔核磁気共鳴スペクトル〕H-NMR(500MHz,CDCl):δ1.23(t,J=7.3Hz,3H),1.28(t,J=7.3Hz,3H),1.30(s,6H),2.72(s,2H),4.09(q,J=7.3Hz,2H),4.15(q,J=7.3Hz,2H),5.71(d,J=13.0Hz,1H),6.16(d,J=13.0Hz,1H);13C-NMR(75.6MHz,CDCl):δ14.13,14.21,27.89(2C),35.60,46.01,60.00,60.16,119.41,154.29,166.23,171.97
〔マススペクトル〕EI-マススペクトル(70eV):m/z 228(M),213,199,183,167,154,141,126,109,95,81,67,55,41,29
〔赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 2980,2875,1731,1650,1466,1368,1305,1178,1035,982,864,722
上記で得られた(E)-ジエチル=3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレートのスペクトルデータを以下に示す。
〔核磁気共鳴スペクトル〕H-NMR(500MHz,CDCl):δ1.18(s,6H),1.23(t,J=7.3Hz,3H),1.28(t,J=7.3Hz,3H),2.35(s,2H),4.10(q,J=7.3Hz,2H),4.18(q,J=7.3Hz,2H),5.76(d,J=16.1Hz,1H),7.00(d,J=16.1Hz,1H);13C-NMR(75.6MHz,CDCl):δ14.19,14.21,26.53(2C),35.99,46.17,60.23,60.29,118.11,156.06,166.89,170.95
〔マススペクトル〕EI-マススペクトル(70eV):m/z 228(M),213,199,183,167,154,141,126,109,95,81,67,55,41,29
〔赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 2980,2875,1731,1650,1466,1368,1305,1178,1035,982,864,722
実施例4
<(E)-t-ブチル=5-エトキシカルボニル-4,4-ジメチル-2-ペンテノエート(8:R=Et,RBu;1:R=Et,R=tBu,R=H)の製造>
Figure 2022021915000023
(式中、Buはt-ブチル基を表し、かつEtは上記で定義した通りである。)
反応器に、0.00476重量モル濃度のナトリウム=アセチリド(mol/g)のキシレン溶液(43.5g,0.207mol)及びTHF(270g)を加え、撹拌しながら4~6℃に冷却した。その後、t-ブチル=ジエチルホスホノアセテート(3:RBu;R=H;R=Et)(46.4g,0.207mol)を4~9℃にて滴下した。滴下終了後、62~67℃まで昇温し、続いて、エチル=3,3-ジメチル-4-オキソブチレート(4:R=Et)(28.5g,0.180mol)を62~67℃にて滴下した。滴下終了後、62~67℃にて5時間撹拌した。その後、4~6℃に冷却し反応液に塩化アンモニウム水溶液(190g:塩化アンモニウム(17g)及び水(173g)から調製)を加え反応を停止し、さらにヘキサン(202g)を加えた。得られた反応液を分液したのち、有機層を塩化アンモニウム水溶液(294g:塩化アンモニウム(17g)、食塩(7g)及び水(270g)から調製)で洗浄し、続いて食塩水(284g:食塩(14g)及び水(270g)から調製)で洗浄した。得られた有機層を減圧下濃縮し、そして残渣を減圧蒸留することにより(E)-t-ブチル=5-エトキシカルボニル-4,4-ジメチル-2-ペンテノエート(8:R=Et;RBu)(29.4g,0.115mol)が収率63.7%で得られた。
上記で得られた(E)-t-ブチル=5-エトキシカルボニル-4,4-ジメチル-2-ペンテノエート(8:R=Et;RBu)のスペクトルデータを以下に示す。
〔核磁気共鳴スペクトル〕H-NMR(500MHz,CDCl):δ1.16(s,6H),1.21(t,J=7.3Hz,3H),1.46(s,9H),2.32(s,2H),4.08(q,J=7.3Hz,2H),5.66(d,J=15.7Hz,1H),6.87(d,J=15.7Hz,1H);13C-NMR(75.6MHz,CDCl):δ14.17,26.55(2C),28.09(3C),35.83,46.17,60.14,80.14,119.72,154.82,166.19,170.97
〔マススペクトル〕EI-マススペクトル(70eV):m/z 256(M),200,183,169,154,137,113,95,81,57,41,27
〔赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 2977,1734,1715,1651,1466,1392,1368,1318,1152,1036,977,865,768,723
実施例5
<エチル=3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート(6:R=Et;2:R=Et,R=Me)の製造>
Figure 2022021915000024
(式中、Etはエチル基を表す。)
反応器に、カリウム=t-ブトキシド(231g,2.00mol)、トルエン(1000g)及びTHF(500g)を加え、室温で20分間撹拌し、次に、実施例2に従って得られたジエチル=1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート(5:R=R=Et)(242g,1.00mol;Z/E=33:67)を40℃以下にて滴下した。滴下終了後、65~70℃にて2時間撹拌し、そして4~10℃に冷却した。その後、反応液に3.34重量%の塩酸(2296g)を加えて反応を停止し、得られた反応液を分液し、その後、有機層を水(2000g)により二回洗浄した。さらに、得られた有機層を食塩水(2200g:食塩(200g)及び水(2000g)から調製)で洗浄した。得られた有機層を減圧下濃縮し、そして、残渣を減圧蒸留することにより、エチル=3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート(6:R=Et)(171g,0.871mol)が収率87.1%で得られた。
上記で得られたエチル=3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート(6:R=Et)のスペクトルデータを以下に示す。
〔核磁気共鳴スペクトル〕H-NMR(500MHz,CDCl):δ1.15(s,3H),1.27(t,J=7.3Hz,3H),1.31(s,3H),1.76(d,J=1.6Hz,3H),3.14(s,1H),4.19(q,J=7.3Hz,2H),7.04(q,J=1.6Hz,1H);13C-NMR(75.6MHz,CDCl):δ9.86,14.22,23.90,29.15,42.44,60.93,62.67,138.34,166.33,169.22,203.61
〔マススペクトル〕EI-マススペクトル(70eV):m/z 196(M),181,168,151,135,123,109,95,79,67,55,39,29
〔赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 2965,2928,2872,1741,1708,1644,1563,1465,1447,1367,1312,1149,1030,997,953,898,641,529
実施例6
<エチル=5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート(9:R=Et;2:R=Et,R=H)の製造>
Figure 2022021915000025
(式中、Etは上記で定義した通りである。)
反応器に、カリウム=t-ブトキシド(18.2g,0.162mol)、トルエン(80.9g)及びTHF(40.5g)を加え、室温で10分間撹拌し、次に、実施例3に従って得られたジエチル=3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレートの一部をさらに蒸留して得られたジエチル=3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート(8:R=R=Et)(18.5g,0.0809mol;Z/E=81:19)を35℃以下にて滴下した。滴下終了後、室温にて30分間撹拌し、そして4~10℃に冷却した。その後、反応液に3.34重量%の塩酸(186g)を加えて反応を停止し、得られた反応液を分液し、その後、有機層を水(150g)により二回洗浄した。さらに、得られた有機層を飽和食塩水(150mL)で洗浄した。得られた有機層を減圧下濃縮し、そして、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=20:1~4:1のグラジエントで溶出)を用いて残渣を精製することにより、目的化合物であるエチル=5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート(9:R=Et)(10.4g,0.0573mol)が収率70.8%で得られ、かつ副生成物である、エチル=3,3-ジメチル-5-オキソ-1-シクロペンテン-1-カルボキシレート(11:R=Et)(1.27g,0.00698mol)が収率8.6%で得られた。
上記で得られたエチル=5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート(9:R=Et)のスペクトルデータを以下に示す。
〔核磁気共鳴スペクトル〕H-NMR(500MHz,CDCl):δ1.19(s,3H),1.26(t,J=7.3Hz,3H),1.35(s,3H),3.12(s,1H),4.19(q,J=7.3Hz,2H),6.05(d,J=5.8Hz,1H),7.43(d,J=5.8Hz,1H);13C-NMR(75.6MHz,CDCl):δ14.17,23.59,28.86,45.03,61.04,62.48,130.37,168.89,172.50,203.65
上記NMRスペクトルにおいて、エチル=5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレートのケトエノール互変異性体であるエノールのピークも一部確認された。上記で記載している核磁気共鳴スペクトルはケトフォーム(keto form)のスペクトルデータである。
〔マススペクトル〕EI-マススペクトル(70eV):m/z 182(M),167,154,137,121,109,95,81,65,53,39,29
〔赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 3400,2968,2938,2874,1742,1707,1594,1469,1368,1316,1252,1229,1145,1036,917,814,754,694,517
上記赤外吸収スペクトルにおいて、エチル=5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレートのケトエノール互変異性体であるエノールのヒドロキシ基の吸収も確認された。
上記で得られたエチル=3,3-ジメチル-5-オキソ-1-シクロペンテン-1-カルボキシレート(11:R=Et)のスペクトルデータを以下に示す。
〔核磁気共鳴スペクトル〕H-NMR(500MHz,CDCl):δ1.26(s,6H),1.32(t,J=7.3Hz,3H),2.39(s,2H),4.27(q,J=7.3Hz,2H),8.08(s,1H);13C-NMR(75.6MHz,CDCl):δ14.12,27.42(2C),38.82,51.12,60.94,134.03,161.87,179.68,202.47
〔マススペクトル〕EI-マススペクトル(70eV):m/z 182(M),167,154,136,121,110,95,80,69,53,41,29
〔赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 2963,2871,1751,1722,1621,1466,1411,1368,1333,1301,1232,1214,1192,1034,928,767,725,592
上記スキーム中、向き銛型矢印の上の向き銛型矢印(Rightwards harpoon over leftwards harpoon)は可逆平衡を表し、R及びRは、化合物(1)で定義したR及びRと同じであり、Rはアルキル基を表し、かつMはカチオン部を表す。
上記スキームにおいて、塩基ROが、3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物(8)の共役二重結合に付加脱離することによって二重結合が異性化し、Z体からディークマン(Dieckmann)縮合が進行することにより、目的化合物である5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物(9)が生成したと推察される(経路a)。
一方、塩基ROが、3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物(8)の共役二重結合に付加し、その後、生じたエノレートから経路bに示される通り、カルボニル炭素への攻撃が起こることにより、シクロペンタノン化合物が生じる。さらにこのシクロペンノン化合物のOR基が脱離することにより、目的化合物でない3,3-ジメチル-5-オキソ-1-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物(11)が生成したと推察される。
一般式(1)におけるRが水素原子である場合(すなわち、3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物(8))は、経路aに示す反応に加えて、経路bに示す副反応が生じる。
一方、一般式(1)におけるRがメチル基である場合(すなわち、1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物(5))は、ケトンとエステルのカルボニル炭素とに挟まれた炭素上に水素が存在せず、従ってOR基の脱離が起こらないため、上記スキームに示されている平衡Zが存在しない。そのため、一般式(1)におけるRがメチル基の場合は、経路aの反応で得られる化合物に反応が収束すると考えられる。
したがって、本発明は、一般式(1)におけるRがメチル基である場合(すなわち、1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物(5))に特に良い製造方法である。なお、目的化合物でない上述の3,3-ジメチル-5-オキソ-1-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物(11)は、3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物(8)のE体の割合が多いと多量に副生され、E体の割合が少ないと抑制できることから、一般式(1)におけるRが水素原子である場合には、Z体の割合が多い3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物(8)を用いることが好ましい。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
なお、以下において、「純度」は、特に明記しない限り、ガスクロマトグラフィー(以下、「GC」ともいう。)分析によって得られた面積百分率を示し、「生成比」はGC分析によって得られた面積百分率の相対比を示す。
また「収率」はGC分析によって得られた面積百分率を基に算出した収率を示す。
収率は、出発原料及び生成物の純度(%GC)を考慮して、以下の式に従い計算した。
収率(%)={[(反応によって得られた生成物の重量×%GC)/生成物の分子量]
÷[(反応における出発原料の重量×%GC)/出発原料の分子量]}×100
なお、「粗収率」とは精製せずに算出した収率をいう。
各実施例において、反応のモニタリング及び収率の算出は、次のGC条件に従って行った。
GC条件:GC:島津製作所 キャピラリガスクロマトグラフ GC-2014,カラム:DB-5,0.25μm×0.25mmφ×30m,キャリアーガス:He(1.55mL/分)、検出器:FID,カラム温度:100℃ 10℃/分昇温 230℃。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2022021915000026
    (式中、R及びRはそれぞれ独立して、炭素数1~10の1価の炭化水素基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表し、かつ波線は、E体、Z体又はそれらの混合を表す。)
    で表される化合物を、塩基の存在下、ディークマン(Dieckmann)縮合により、下記一般式(2)
    Figure 2022021915000027
    (式中、R及びRは、上記で定義した通りである。)
    で表される化合物を得る工程
    を少なくとも含む、前記化合物(2)の製造方法。
  2. 前記化合物(1)において、R及びRがエチル基であり、かつRがメチル基である、請求項1に記載の、前記化合物(2)の製造方法。
  3. 下記一般式(3)
    Figure 2022021915000028
    (式中、R及びRは、上記で定義した通りであり、かつRは炭素数1~10の1価の炭化水素基又はハロゲン化アルキル基を表す。)
    で表されるホスホネート化合物から調製されるホスホネートアニオンと、下記一般式(4)
    Figure 2022021915000029
    (式中、Rは、上記で定義した通りである。)
    で表されるアルデヒド化合物とのホーナー・ワズワース・エモンズ(Horner-Wadsworth-Emmons)反応により、前記化合物(1)を得る工程
    をさらに含む、請求項1に記載の、前記化合物(2)の製造方法。
  4. 前記ホスホネート化合物(3)において、R及びRがエチル基であり、かつRがメチル基である、請求項3に記載の、前記化合物(2)の製造方法。
  5. 下記一般式(5)
    Figure 2022021915000030
    (式中、R及びRはそれぞれ独立して、炭素数1~10の1価の炭化水素基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表し、かつ波線は、E体、Z体又はそれらの混合を表す。)
    で表される1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物。
JP2020125810A 2020-07-22 2020-07-22 3,3-ジメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物及び1,3,3-トリメチル-1-ブテン-1,4-ジカルボキシレート化合物、並びに、これらを用いた5,5-ジメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物及び3,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボキシレート化合物の製造方法 Active JP7250738B2 (ja)

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