JP2022020973A - 照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】照明装置における配光パターンの明るさを向上させる。【解決手段】ランプユニット1a、1bは、光源10a、リフレクタ11a、液晶素子12及び偏光板13a、13bによって構成される第1像を生成する第1像生成部と、光源10b、リフレクタ11b、液晶素子12及び偏光板13a、13bによって構成される第2像を生成する第2像生成部と、第1像生成部により生成される第1像と第2像生成部により生成される第2像を、第1像生成部と第2像生成部の各々から離れた位置において互いに重なるように合成する像合成部(仮想鉛直スクリーン20)と、少なくとも第1像生成部及び第2像生成部を共に収容するハウジング15と、第1像生成部及び第2像生成部と接続されており、当該第1像生成部及び第2像生成部の動作を制御するコントローラと、を含む。【選択図】図2
Description
本開示は、照明装置に関する。
特開2005-183327号公報(特許文献1)には、発光部から照射される光の一部を液晶素子等により遮断して、車両前照灯用の配光パターンに適したカットオフを形成する車両用前照灯が開示されている。しかし、上記のような構成の車両前照灯では、配光パターンをより明るくすることが難しい場合がある。同様の構成を有する照明装置一般においても同様の課題を生じ得る。
本開示に係る具体的態様は、照明装置における配光パターンの明るさを向上させることを目的の1つとする。
本開示に係る一態様の照明装置は、(a)第1像を生成する第1像生成部と、(b)第2像を生成する第2像生成部と、(c)前記第1像生成部により生成される前記第1像と前記第2像生成部により生成される前記第2像を、前記第1像生成部と前記第2像生成部の各々から離れた位置において互いに重なるように合成する像合成部と、(d)少なくとも前記第1像生成部及び前記第2像生成部を共に収容するハウジングと、(e)前記第1像生成部及び前記第2像生成部と接続されており、当該第1像生成部及び第2像生成部の動作を制御するコントローラと、を含む、照明装置である。
上記構成によれば、照明装置における配光パターンの明るさを向上させることができる。
図1は、一実施形態の車両用前照灯システムの構成を示す図である。図1に示す車両用灯具システムは、一対のランプユニット(車両用前照灯)1a、1bと、コントローラ2と、カメラ3を含んで構成されている。この車両用前照灯システムは、カメラ3によって撮影される画像に基づいて自車両の周囲に存在する前方車両や歩行者の顔等の位置を検出し、前方車両等の位置を含む一定範囲を非照射範囲(減光領域)に設定し、それ以外の範囲を光照射範囲に設定して選択的な光照射を行うためのものである。
ランプユニット1a、1bは、車両前部の左右それぞれの所定位置に配置されており、車両前方を照明するための照射光を形成する。
コントローラ2は、車両用灯具の全体動作、具体的には後述する図2に示す各光源10a、10bおよび液晶素子12の動作制御を行うものである。このコントローラ2は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有するコンピュータシステムを用い、このコンピュータシステムにおいて所定の動作プログラムを実行させることによって実現される。本実施形態のコントローラ2は、カメラ3によって検出される前方車両(対向車両、先行車両)、歩行者、道路標識、路上白線などの対象体に応じた光照射範囲、減光範囲(あるいは遮光範囲)を有する配光パターンを設定し、この配光パターンに対応する像を形成するための制御信号を液晶素子12へ供給する。
カメラ3は、自車両の前方空間を撮影して画像を生成し、この画像に対して所定の画像認識処理を行って上記した前方車両等の対象体の位置、範囲、大きさ、種別などを検出する。画像認識処理による検出結果は、カメラ3と接続されているコントローラ2へ供給される。カメラ3は、自車両の車室内の所定位置(例えば、フロントガラス上部)に設置されるか、または自車両の車室外の所定位置(例えば、フロントバンパー内)に設置される。なお、他の用途(例えば、自動ブレーキシステム等)のためのカメラが車両に備わっている場合にはそのカメラを共用してもよい。
なお、カメラ3における画像認識処理の機能をコントローラ2にて代替してもよい。その場合には、カメラ3は、生成した画像をコントローラ2へ出力、この画像に基づいてコントローラ2側で画像認識処理が行われる。あるいは、カメラ3から画像とそれに基づく画像認処理の結果の双方がコントローラ2へ供給されてもよい。その場合に、コントローラ2は、カメラ3から得た画像を用いてさらに独自の画像認識処理を行ってもよい。
図2は、一実施形態のランプユニットの構成を示す図である。図示のランプユニット1aは、自車両の前方に存在する対向車両、先行車両などの対象体の位置に応じた減光範囲(または遮光範囲)を含む配光パターンの光を自車両の前方へ照射するためのものである。このランプユニット1aは、光源10a、10b、リフレクタ11a、11b、液晶素子12、偏光板13a、13b、投影レンズ14a、14bを含んで構成されている。これらの各要素は、例えば1つのハウジング(筐体)15に収容されて一体化されている。また、光源10a、10bと液晶素子12は、それぞれコントローラ2と接続されている。なお、ランプユニット1bもランプユニット1aと共通の構成を備えているので、ランプユニット1bについては図示および説明を省略する。
光源10a、10bは、それぞれ、コントローラ2による制御を受けて光を放出する。これらの光源10a、10bは、例えばいくつかの白色LED(Light Emitting Diode)などの発光素子と駆動回路を含んで構成される。なお、光源10a、10bの構成はこれに限定されない。例えば、なお、光源10a、10bとしては、レーザ素子、さらには電球や放電灯など車両用ランプユニットに一般的に使用されている光源が使用可能である。
リフレクタ11aは、光源10aに対応づけて配置されており、光源10aから放出される光を反射および集光して液晶素子12へ入射させる。同様に、リフレクタ11bは、光源10bに対応づけて配置されており、光源10bから放出される光を反射および集光して液晶素子12へ入射させる。これらのリフレクタ11a、11bは、例えば楕円面状の反射面を有する反射鏡である。この場合、各光源10a、10bは、各リフレクタ11a、11bの反射面の焦点付近に配置することができる。なお、リフレクタ11a、11bに変えて、集光部として集光レンズを用いてもよい。
液晶素子12は、各リフレクタ11a、11bにより反射および集光された光が入射し得る位置に配置されている。液晶素子12は、互いに独立に制御可能な複数の画素部(光変調部)を備えている。本実施形態では、液晶素子12は、各画素部に駆動電圧を与えるためのドライバ18(後述する図5参照)を有している。ドライバ18は、コントローラ2から供給される制御信号に基づいて、液晶素子12に対して、各画素部を個別に駆動するための駆動電圧を与える。
一対の偏光板13a、13bは、液晶素子12を挟んで対向配置されている。各偏光板13a、13bは、例えば互いの吸収軸が略直交するように配置されている。これら偏光板13a、13bと液晶素子12によって、自車両の前方へ照射する光の配光パターンに対応した像が形成される。
投影レンズ14aは、リフレクタ11aにより反射および集光され、液晶素子12および一対の偏光板13a、13bを透過した光が入射し得る位置に配置されており、この入射した光を上下および左右の各方向について反転し、かつ広げて自車両の前方へ投影する。同様に、投影レンズ14bは、リフレクタ11bにより反射および集光され、液晶素子12および一対の偏光板13a、13bを透過した光が入射し得る位置に配置されており、この入射した光を上下および左右の各方向について反転し、かつ広げて自車両の前方へ投影する。また、各投影レンズ14a、14bは、各々の焦点が液晶素子12の液晶層の位置に対応するように配置されている。投影レンズ14aにより投影された光と投影レンズ14bにより投影された光は、自車両前方の所定位置(例えば25m前方)に想定される仮想鉛直スクリーン20上において互いに重なり合う。すなわち、投影レンズ14aにより投影された光と投影レンズ14bにより投影された光は、各ランプユニット1a、1bから離れた遠方の位置において合成される。
図3(A)は、液晶素子によって形成される像を模式的に表した平面図である。ここでは、偏光板13bの出射面側での像が模式的に示されている。像100aは、光源10a、リフレクタ11a、液晶素子12および偏光板13a、13bによって構成される第1光学系(第1像生成部)を経た光によって形成される像である。この像100aは、液晶素子12の一部領域を用いて形成される像であり、相対的に明るい明領域101aと相対的に暗い暗領域102aを含んでいる。同様に、像100bは、光源10b、リフレクタ11b、液晶素子12および偏光板13a、13bによって構成される第2光学系(第2像生成部)を経た光によって形成される像である。この像100bは、液晶素子12の一部領域を用いて形成される像であり、相対的に明るい明領域101bと相対的に暗い暗領域102bを含んでいる。
像100a、100における明領域101a、101bは、配光パターンにおける光照射領域に対応しており、暗領域102a、102bは、配光パターンにおける減光領域(または遮光領域)に対応している。暗領域102a、102bは、例えば前方車両の存在する位置、範囲に応じた大きさに設定される。ここでは、像100a、100bのそれぞれにおいて2つずつの暗領域102aを例示しているが、暗領域102aの数や大きさ、範囲には限定がない。これらの明領域101a、101b、暗領域102a、102bは、液晶素子12の各画素部における光変調により実現される。
図3(B)は、2つの像が投影されて自車両前方に形成される光を模式的に表した平面図である。上記した図3(A)に示した2つの像100a、100bは、それぞれ投影レンズ14a、14bによって自車両前方に対して反転投影されて重なり合い、図3(B)に示すような1つの照射光200となる。この照射光200において、明領域201は、2つの像100a、100bにおける明領域101a、101bが反転投影されて重なり合い形成される、また、照射光200において、暗明領域202は、2つの像100a、100bにおける暗領域102a、102bが反転投影されて重なり合い形成される。これにより、前方車両等の位置や範囲に応じて設定された配光パターンに対応する照射光200が得られる。本実施形態では、2つの光学系による光の像を重ねて照射光200を得ているので、照射光の明るさを向上させることができる。
なお、上記では説明を簡素化するために、暗領域202の明るさについては特に言及していなかったが、完全に遮光された領域と、明領域202よりは明るさを落として減光した領域とを併存させてもよい。その場合には、液晶素子12の各画素部での光変調を適宜制御し、透過光の透過率を増減すればよい。
図4(A)、図4(B)は、2つの投影レンズの構成例を模式的に表した平面図である。各投影レンズ14a、14bは、図4(A)に示すようにそれぞれ別体に設けられていてもよいし、図4(B)に示すように中間部材14cを介して一体化して設けられていてもよい。ここで、本実施形態では2つの光学系による光の像を重ねて照射光を得ているので、理論上、1つの光学系による光で形成される照射光に比べて2倍の明るさの照射光を得ることができる。これを別の観点からみると、2つの光学系の各々による光の明るさを低くしても、1つの光学系による光の明るさと同等の明るさの照射光を得ることもできることになる。
例えば、図4(C)に例示する1つの光学系による場合の投影レンズ114の高さをh2とする。また、2つの光学系による場合の投影レンズ14a、14bの高さをh1とする。この場合、h1をh2よりも小さくしてレンズの光取り込み効率を下げても、照射光として同等の明るさを確保できる。一例として、投影レンズ114の高さh2が50mm、であるとすると、これと同等の明るさを確保するための投影レンズ14a、14bの高さh1は35mmで足りる。この利点は、例えば、対向車両等へのグレア抑制のために自車両の姿勢に応じて前照灯の光の光軸を上下に調整するレベリング機能を搭載した前照灯において有益である。高さ寸法が小さくなることで前照灯の光軸を上下に傾けるために確保すべきスペースを低減できるからである。
図5(A)は、液晶素子の構成を模式的に表した平面図である。液晶素子12は、概略的にいうと、2つの透光性の基板とこれら基板間に配置される液晶層を備える。本実施形態では、上記のドライバ18は、公知のCOG(Chip On Glass)技術を用いて一方の基板端部の所定位置に搭載されており、基板上の配線と接続されている。また、本実施形態の液晶素子12は、上記した第1光学系に対応する像形成領域120aと、第2光学系に対応する像形成領域120bを備える。
像形成領域120aは、光源10aから放出されてリフレクタ11aにより反射、集光されて偏光板13aを透過した光(偏光)が入射し得る位置に配置されている。像形成領域120bは、光源10bから放出されてリフレクタ11bにより反射、集光されて偏光板13bを透過した光(偏光)が入射し得る位置に配置されている。これらの像形成領域120a、120bは、それぞれ上記した画素部を複数備えている。本実施形態では、像形成領域120a、120bでは共通の像が形成される(図3(A)参照)。
なお、図示の例では、像形成領域120aと像形成領域120bの間には空白部が設けられている。この空白部には基本的に画素部を設ける必要はないが、設計上の都合などに応じて画素部が設けられていてもよい。
ここで、液晶素子12は、透過光を自在に変調して所望の像を形成し得る限りにおいて、内部構造や駆動方法について特に限定がない。例えば、液晶素子12として、各画素に対して薄膜トランジスタを対応づけて構成されるアクティブマトリクス型の液晶素子が用いられてもよいし、複数のストライプ状の透明電極を対向配置してそれら透明電極同士の重なる各領域を画素部として用いる単純マトリクス型の液晶素子が用いられてもよい。さらに、液晶素子12としては、一方基板に設けられた任意形状の複数の画素電極と、他方基板に設けられた1つ(または複数)の対向電極を有するセグメント表示型の液晶素子を用いてもよく、その場合の駆動方法についてはマルチプレックス駆動を採用してもよいし、スタティック駆動を採用してもよい。
液晶素子12としてアクティブマトリクス型あるいは単純マトリクス型のものを用いる場合には、像形成領域120a、120bそれぞれに対してドライバ18から必要な駆動電圧を与えて、共通の像、または互いに異なる像を形成することができる。なお、像形成領域120a、120bのそれぞれに対応づけた2つのドライバを設けてもよい。
また、液晶素子12としてセグメント表示型のものを用いる場合であって、共通の像を形成する場合には、像形成領域120aと像形成領域120bのそれぞれに対してドライバ18から共通の駆動電圧を供給することができる。それにより、装置構成の簡素化が図られる。この場合において、ドライバ18から像形成領域120a、120bのそれぞれに至る配線については、一部、交差する部分が生じ得る。これについては、例えば基板上に二層の配線を設けることで交差する配線を実現し得る。具体的には、例えば図5(B)に示すように、液晶素子12の片側基板である第2基板52の1層目に像形成領域120aに対応する複数のドライバ配線58aを設け、図5(C)に示すように第2基板52の2層目に像形成領域120bに対応する複数のドライバ配線58bを設けることができる。このとき、各ドライバ配線58aと各ドライバ配線58bとの間には絶縁層が設けられる。
本実施形態の液晶素子12は、像形成領域120aと像形成領域120bのそれぞれに対応する部分を別体とせずに一体化しているので、取り付け時の位置ズレによる照射光の配光パターンの投影ズレを低減できる。さらに、この液晶素子12と、一体化された投影レンズ14a、14b(図4(B)参照)を組み合わせることで、液晶素子12に対して各投影レンズ14a、14bが個別に位置ズレを生じることも少なくなるので、照射光の配光パターンの投影ズレをより低減できる。
図6(A)は、液晶素子の構成を示す模式的な断面図である。図6(A)は、図5(A)に示すa-a線での断面に対応している。図示の液晶素子12は、対向配置された第1基板51および第2基板52、複数の配線53、共通電極(対向電極)54、絶縁層(絶縁膜)55、複数の画素電極56、液晶層57を含んで構成されている。
第1基板51および第2基板52は、それぞれ、例えば平面視において矩形状の基板であり、互いに対向して配置されている。各基板としては、例えばガラス基板、プラスチック基板等の透光性基板を用いることができる。第1基板51と第2基板52の間には、例えば樹脂膜などからなる球状スペーサー(図示省略)が分散配置されており、それら球状スペーサーによって基板間隙が所望の大きさ(例えば数μm程度)に保たれている。なお、球状スペーサーに代えて、樹脂等からなる柱状体を第1基板51側若しくは第2基板52側に設け、それらをスペーサーとして用いてもよい。
複数の配線53は、第2基板52の一面側において絶縁層55の下層側に設けられている。これらの配線部53は、例えばインジウム錫酸化物(ITO)などの透明導電膜を適宜パターニングすることによって構成されている。各配線53は、ドライバ18から各画素電極56に対して電圧を与えるためのものである。
共通電極54は、第1基板51の一面側に設けられている。この共通電極54は、第2基板52の各画素電極56と対向するようにして一体に設けられている。共通電極54は、例えばインジウム錫酸化物(ITO)などの透明導電膜を適宜パターニングすることによって構成されている。
絶縁層55は、第2基板52の一面側において各配線53の上側にこれらを覆うようにして設けられている。本実施形態では、絶縁層55は、第2基板52の一面側において略全体を覆うように設けられている。この絶縁層55は、例えばSiO2膜、SiON膜であり、スパッタ法などの気相プロセスあるいは溶液プロセスにより形成することができる。なお、この絶縁層55としては有機絶縁膜を用いてもよい。絶縁層55の層厚は、例えば1μm程度である。
複数の画素電極56は、第2基板52の一面側において絶縁層55の上側に設けられている。これらの画素電極56は、例えばインジウム錫酸化物(ITO)などの透明導電膜を適宜パターニングすることによって構成されている。各画素電極56は、絶縁層55に設けられるスルーホールを介していずれかの配線53と物理的および電気的に接続されている。このように、各画素電極56と各配線53を異なる層に設けることで、画素電極56の相互間に配線を設ける必要がないことから画素電極56の相互間の隙間を少なくして開口率を向上し、透過光量を増加させることができる。また、各配線53についてもレイアウトの自由度が高まる。
液晶層57は、第1基板51と第2基板52の間に設けられている。液晶層57は、例えば、流動性を有するネマティック液晶材料を用いて構成される。液晶層57の配向モード(動作モード)については特に限定がなく、垂直配向モード、ねじれネマティックモード、インプレーンスイッチングモードなど種々の配向モードを採用し得る。
なお、ここでは図示を省略するが、第1基板51、第2基板52のそれぞれの一面側には、液晶層57の配向状態を規制するための配向膜が適宜設けられる。各配向膜は、例えばラビング処理等の一軸配向処理が施されており、その方向に沿って液晶層57の液晶分子の配向を規定する一軸配向規制力を有している。各配向膜への配向処理の方向は、例えば互い違い(アンチパラレル)となるように設定される。
図6(B)は、液晶素子の第2基板の構成を示す模式的な断面図である。図6(B)は、図5(A)に示すb-b線での断面に対応している。図示のように、各ドライバ配線58bは、上記の画素電極56と同様に絶縁層55の上側に設けられる。各ドライバ配線58bは、ドライバ18の近傍から第2基板52上の所定位置(好ましくは、第1基板51と重なる領域)まで設けられ、その位置において図示のように絶縁層55に設けられるスルーホールを介していずれかの配線53と物理的および電気的に接続されている。これにより、像形成領域120bに対応する各配線53とドライバ18とがドライバ配線58bを介して相互に接続される。
図6(C)は、液晶素子の第2基板の構成を示す模式的な断面図である。図6(C)は、図5(A)に示すc-c線での断面に対応している。図示のように、各ドライバ配線58aは、上記の各配線53と同様に絶縁層55の下側に設けられている。各ドライバ配線58aは、像形成領域120aに対応する各配線53と相互に接続されている。例えば、各ドライバ配線58aと各配線53は、第2基板52の一面側において一体に形成される。また、各ドライバ配線58aは、例えば図示のようにドライバ18近傍の位置において、絶縁層55に設けられるスルーホールを介して上層側の各ドライバ配線58bと互いに物理的および電気的に接続されている。これにより、像形成領域120a、120bのそれぞれに対して共通の駆動信号をドライバ18から供給し、共通の像を形成させることができる。
図7(A)~図7(C)は、配光パターンの一例を示す模式的な平面図である。図7(A)は、液晶素子12の像形成領域120a(すなわち第1光学系)を用いて形成される配光パターンの一例である。図示の配光パターン200aには、図中上下方向に長手方向を有しており図中左右方向に配列された6つの矩形状パターン121aが含まれている。図中ではそのうち2つのみ符号を付して示している。これらの矩形状パターン121aは、互いに独立に光照射/減光/遮光を切り替え得るものである。図示の例では、中央2つの矩形状パターン121aが減光(または遮光)の状態とされ、左右各2つずつの矩形状パターン121aが光照射の状態とされている。
図7(B)は、液晶素子12の像形成領域120b(すなわち第2光学系)を用いて形成される配光パターンの一例である。図示の配光パターン200bには、図中上下方向に長手方向を有しており図中左右方向に配列された6つの矩形状パターン121bが含まれている。図中ではそのうち2つのみ符号を付して示している。これらの矩形状パターン121bは、互いに独立に光照射/減光/遮光を切り替え得るものである。図示の例では、中央左寄りの1つの矩形状パターン121bが減光(または遮光)の状態とされ、それ以外の矩形状パターン121bが光照射の状態とされている。すなわち、ここで示す実施形態の配光パターンでは、第1光学系と第2光学系で互いに異なる配光パターンが形成されている。
図7(C)は、図7(A)と図7(B)に示した各配光パターンを重ね合わせて得られる配光パターンの一例である。投影レンズ14a、14bによる投影位置を適宜設定することにより、第1光学系と第2光学系の各配光パターン200a、200bについて、互いの矩形状パターン121aと121bの図中左右方向の位置を所定幅L(例えば、各矩形状パターン121a、121bの各々の配置ピッチの1/2)だけずらして配置することができる。それにより、各配光パターン100a、100bの重ね合わせで得られる配光パターン200は、各矩形状パターン121a、121bの幅よりも狭い幅(図示の例では1/2幅)で光照射/減光/遮光の各状態を得ることができる。具体的には、矩形状パターン121a、121bの一方が光照射状態で他方が遮光状態である部分は減光領域122となり、矩形状パターン121a、121bのいずれも遮光状態である部分は遮光領域123となり、矩形状パターン121a、121bのいずれも光照射状態である部分は光照射領域124となる。つまり、液晶素子12の画素部の数を増やすことなく、より高い分解能で配光パターンを生成することができるとともに、ドライバ18が階調制御機能を持たないものであっても3段階に光量を変化させることができる。
図8(A)~図8(C)は、配光パターンの一例を示す模式的な平面図である。図8(A)は、液晶素子12の像形成領域120a(すなわち第1光学系)を用いて形成される配光パターンの一例である。図示の配光パターン200aには、図中上下方向に長手方向を有しており図中左右方向に配列された8つの矩形状パターン131aが含まれている。図中ではそのうち2つのみ符号を付して示している。これらの矩形状パターン131aは、互いに独立に光照射/減光/遮光を切り替え得るものである。図示の例では、中央左寄りの2つの矩形状パターン131aが減光(または遮光)の状態とされ、それ以外の矩形状パターン131aが光照射の状態とされている。
図8(B)は、液晶素子12の像形成領域120b(すなわち第2光学系)を用いて形成される配光パターンの一例である。図示の配光パターン200bには、マトリクス状に配列された12個の矩形状パターン131bが含まれている。図中ではそのうち2つのみ符号を付して示している。これらの矩形状パターン131bは、互いに独立に光照射/減光/遮光を切り替え得るものである。図示の例では、下側左寄りの1つの矩形状パターン131bが減光(または遮光)の状態とされ、それ以外の矩形状パターン131bが光照射の状態とされている。すなわち、ここで示す実施形態の配光パターンでは、第1光学系と第2光学系で互いに異なる配光パターンが形成されている。
図8(C)は、図8(A)と図8(B)に示した各配光パターンを重ね合わせて得られる配光パターンの一例である。ここでは、2つの矩形状パターン131aの幅と1つの矩形状パターン131bの幅とが略等しく設定されており、それらが幅方向において互いにずれることなく重なり合っている。それにより、各配光パターン100a、100bの重ね合わせで得られる配光パターン200は、左右方向については矩形状パターン131aの幅と同じ幅、上下方向については矩形状パターン131bと同じ高さで区切られて各領域で光照射/減光/遮光の各状態を得ることができる。具体的には、矩形状パターン131a、131bの一方が光照射状態で他方が遮光状態である部分は減光領域132となり、矩形状パターン131a、131bのいずれも遮光状態である部分は遮光領域133となり、矩形状パターン131a、131bのいずれも光照射状態である部分は光照射領域134となる。つまり、液晶素子12の画素部の数を増やすことなく、より高い分解能で配光パターンを生成することができるとともに、ドライバ18が階調制御機能を持たないものであっても3段階に光量を変化させることができる。
以上のような実施形態によれば、車両用灯具システムにおける配光パターンの明るさを向上させることを目的の1つとする。
なお、本開示は上記した実施形態の内容に限定されるものではなく、本開示の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上記した実施形態では一対の前照灯を有する車両における適用例を示していたが、1つの前照灯を有する車両(二輪車両等)においても本開示に係る技術を適用することができる。その場合には、上記した一対のランプユニットのうち1つだけを用いればよい。また、上記した実施形態では一例として車両用灯具システムへの適用例を説明していたが、本開示に係る技術は車両用途に限らず照明装置一般に対して適用することができる。
また、上記した実施形態では、液晶素子については2つの光学系に共有されるように一体化されていたが、別々の液晶素子を用いてもよい。同様に、投影レンズについても光学系ごとに別体としてもよいし、偏光板についても光学系ごとに別体としてもよい。
また、上記した実施形態では各光学系として液晶素子を用いたランプユニットの構成例を説明していたが、光学系の構成はこれに限定されない。例えば、蛍光体をレーザ光によって走査してその出射光を投影することで配光パターンを形成するランプユニットを用いてもよいし、一方向または二方向に配列された複数の発光素子を選択的に点灯/消灯させてそれらの光を投影することで配光パターンを形成するランプユニットを用いてもよい。前者の構成例を図9(A)に示し、後者の構成例を図9(B)、図9(C)に示す。なお、いずれも1つの光学系のみ示すが、実際にはこれらを2つ組み合わせて用いられる。
図9(A)に示すランプユニットは、レーザ素子800と、レーザ素子800から放出される光を一方向または二方向に走査する走査素子801と、レーザ素子800および走査素子801を駆動するドライバ802と、レーザ光の照射された位置において蛍光を発する蛍光体803と、蛍光体803から発せられる光を反転投影する投影レンズ804を含んで構成されている。
図9(B)に示すランプユニットは、複数の発光素子900aを有する光源900と、光源900を駆動するドライバ901と、光源900の各発光素子900aから放出される光を反転投影する投影レンズ903を含んで構成されている。図9(C)に示すように、光源900の複数の発光素子900aは、例えば二方向に沿ってマトリクス状に配列されており、各々個別に点灯/消灯を制御できる。
1a、1b:ランプユニット、2:コントローラ、3:カメラ、10a、10b:光源、11a、11b:リフレクタ、12:液晶素子、13a、13b:偏光板、14a、14b:投影レンズ、15:ハウジング、18:ドライバ
Claims (9)
- 第1像を生成する第1像生成部と、
第2像を生成する第2像生成部と、
前記第1像生成部により生成される前記第1像と前記第2像生成部により生成される前記第2像を、前記第1像生成部と前記第2像生成部の各々から離れた位置において互いに重なるように合成する像合成部と、
少なくとも前記第1像生成部及び前記第2像生成部を共に収容するハウジングと、
前記第1像生成部及び前記第2像生成部と接続されており、当該第1像生成部及び第2像生成部の動作を制御するコントローラと、
を含む、照明装置。 - 前記第1像生成部と前記第2像生成部の各々は、
光源と、
前記光源から放出される光を集光する集光部と、
前記集光部により集光された光の入射する位置に配置される液晶素子と、
前記液晶素子を挟んで対向配置される一対の偏光板と、
を含む、請求項1に記載の照明装置。 - 前記第1像生成部の前記液晶素子と前記第2像生成部の前記液晶素子とが一体化されている、
請求項2に記載の照明装置。 - 前記集光部は、リフレクタ又は集光レンズである、
請求項2に記載の照明装置。 - 前記像合成部は、
前記第1像を投影する第1投影レンズと、
前記第2像を投影する第2投影レンズと、
を含む、請求項1に記載の照明装置。 - 前記第1投影レンズと前記第2投影レンズとが一体化されている、
請求項5に記載の照明装置。 - 前記第1像と前記第2像とが同一の配光パターンを有する、
請求項1に記載の照明装置。 - 前記第1像と前記第2像とが互いに異なる配光パターンを有する、
請求項1に記載の照明装置。 - 前記像合成部は、前記第1像と前記第2像とを少なくとも一方向において一定距離だけずらして合成する、
請求項1に記載の照明装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020124286A JP2022020973A (ja) | 2020-07-21 | 2020-07-21 | 照明装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2020124286A JP2022020973A (ja) | 2020-07-21 | 2020-07-21 | 照明装置 |
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ID=80220124
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2022020973A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023243294A1 (ja) * | 2022-06-13 | 2023-12-21 | スタンレー電気株式会社 | 照明装置、車両用前照灯システム |
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2020
- 2020-07-21 JP JP2020124286A patent/JP2022020973A/ja active Pending
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