JP2022019511A - 保護キャップ、電子装置及び保護キャップの製造方法 - Google Patents

保護キャップ、電子装置及び保護キャップの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い気密性を維持できる保護キャップ及び電子装置を提供する。【解決手段】保護キャップ4は、枠部6と、枠部6の一端開口を覆う蓋部7と、枠部6と蓋部7とを接合する接合部8とを備えている。蓋部7は、石英ガラスからなり、枠部6は、30~380℃の温度範囲における熱膨張係数が30×10-7~100×10-7/℃であるガラス材からなる。【選択図】図1

Description

本発明は、保護キャップ、電子装置及び保護キャップの製造方法に関する。
LEDなどの電子部品を備えた電子装置は、長寿命や省エネルギーなどの理由から、照明や通信などの種々の分野で利用されるに至っている。
この種の電子装置では、電子部品を保護するために、電子部品が搭載された基材に、電子部品が内部に収容されるように保護キャップを被せる場合がある。
例えば特許文献1に開示されているように、保護キャップは、電子部品の周囲を取り囲む枠部(同文献では第2の部材)と、枠部の一端開口を覆う蓋部(同文献ではカバー部材)とを備えている。
国際公開第2015/190242号
ところで、石英ガラスは、紫外域の波長の光を吸収しにくい特性を有する。このため、電子部品が紫外線LEDの場合などには、保護キャップの紫外線透過性を向上させる観点から、枠部及び蓋部のそれぞれを石英ガラスから構成することが考えられる。
しかしながら、基材は、金属、金属酸化物セラミックス、LTCC又は金属窒化物セラミックスから構成される場合が多く、一般的に高膨張係数材料となる。一方、枠部は、石英ガラスから構成されるため、低膨張係数材料となる。このため、例えばろう材を用いて枠部を基材に接合しようとすると、基材及び枠部の膨張係数差が大きいため、ろう材の熱膨張係数を、基材及び枠部のそれぞれの熱膨張係数に整合させることが難しい。つまり、ろう材の熱膨張係数を基材の熱膨張係数に整合させると、枠部及びろう材の熱膨張係数差が大きくなり、ろう材の熱膨張係数を枠部に整合させると、基材及びろう材の熱膨張係数差が大きくなる。この結果、基材と枠部との接合部又はその近傍に残留応力が発生して破損(例えばクラックなどの割れ)が生じやすくなる。このように接合部又はその近傍が破損すると、電子部品の収容空間の気密性が低下し、電子部品が劣化するおそれがある。
本発明は、高い気密性を維持できる保護キャップ及び電子装置を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために創案された本発明に係る保護キャップは、枠部と、枠部の一端開口を覆う蓋部と、枠部と蓋部とを接合する接合部とを備え、蓋部が、石英ガラスからなり、枠部が、30~380℃の温度範囲における熱膨張係数が30×10-7~100×10-7/℃であるガラス材からなることを特徴とする。このようにすれば、蓋部を石英ガラスから構成しても、枠部の熱膨張係数が、蓋部のみならず、金属、金属酸化物セラミックス、LTCC又は金属窒化物セラミックスから構成される基材の熱膨張係数とも整合する。この結果、例えばろう材などを用いて保護キャップを基材に接合しても、接合部又はその近傍に破損が生じにくくなるため、高い気密性を維持できる。ここで、「石英ガラス」とは、合成石英、溶融石英等を含み、SiOを90質量%以上含む非結晶体を指す。「30~380℃の温度範囲における熱膨張係数」は、例えば、市販のディラトメーターを用いて測定可能である。
上記の構成において、接合部は、枠部と蓋部とが直接溶着されて形成されていることが好ましい。このようにすれば、枠部と蓋部との間にろう材などの他部材が介在しないことから、枠部の熱膨張係数と蓋部の熱膨張係数との差がある程度大きくても、枠部と蓋部とを確実に接合できる。
上記の構成において、枠部のガラス材が、光路長0.7mm、波長200nmにおける透過率が10%以上であることが好ましい。このようにすれば、高い紫外線の透過性を有する石英ガラスから構成される蓋部に加えて、枠部も紫外線の透過性を有するため、保護キャップ全体として高い紫外線の透過性を実現できる。ここで、「光路長0.7mm、波長200nmにおける透過率」は、厚み0.7mmの測定試料を作製した上で測定に供してもよく、ガラス材の厚み方向で透過率を測定した後、光路長0.7mmに換算した値を採用してもよい。「波長200nmにおける透過率」は、市販の分光高度計(例えば、日立製作所製UV-3100)で測定可能である。
上記の構成において、枠部のガラス材の歪点が、430℃以上であることが好ましい。このようにすれば、例えば、保護キャップの枠部を基材にろう材を用いて接合する場合に、ろう付け時の加熱(リフロー)により、枠部に歪が生じるのを抑制できる。ここで、「歪点」は、ASTM C336の方法に基づいて測定した値を指す。
上記の構成において、枠部のガラス材の軟化点が、1000℃以下であることが好ましい。このようにすれば、例えば、レーザ接合などにより蓋部と枠部とを直接溶着する場合に、枠部が容易に軟化することから、蓋部及び枠部の接合時間を短くすることができる。ここで、「軟化点」は、ASTMC338の方法に基づいて測定した値を指す。
上記の構成において、枠部のガラス材が、組成として、質量%で、SiO 50~80%、Al+B 1~45%、LiO+NaO+KO 0~25%、MgO+CaO+SrO+BaO 0~25%を含有することが好ましい。ここで、「Al+B」は、Al及びBの合量である。「MgO+CaO+SrO+BaO」は、MgO、CaO、SrO及びBaOの合量である。
上記の構成において、枠部の内周面に、反射膜が形成されていることが好ましい。このようにすれば、保護キャップを用いて光を出射する電子装置を作製した場合に、光の取り出し効率が向上する。
上記の構成において、蓋部の表裏面の少なくとも一方に、反射防止膜が形成されていることが好ましい。このようにすれば、保護キャップを用いて光を出射する電子装置を作製した場合に、光の取り出し効率が向上する。
上記の課題を解決するために創案された本発明に係る電子装置は、電子部品と、電子部品が搭載された基材と、電子部品を内部に収容するように、基材に接合された上記の構成の保護キャップとを備えていることを特徴とする。このようにすれば、既に説明した保護キャップの対応する構成と同様の作用効果を享受できる。
上記の構成において、保護キャップと基材とが、ろう材により接合されていることが好ましい。
上記の構成において、電子部品が、紫外線LEDであることが好ましい。このようにすれば、高い紫外線の取り出し効率を実現できる電子装置(発光装置)を提供できる。
上記の課題を解決するために創案された本発明に係る保護キャップの製造方法は、石英ガラスからなる蓋部と、30~380℃の温度範囲における熱膨張係数が30×10-7~100×10-7/℃であるガラス材からなる枠部とを準備する準備工程と、枠部の一端開口部を覆うように蓋部を枠部に接触させた状態で、蓋部及び枠部の接触部にレーザを照射することにより、蓋部と枠部とを直接溶着する接合工程とを備えていることを特徴とする。このようにすれば、既に説明した対応する保護キャップの構成と同様の作用効果を享受できる。
本発明によれば、高い気密性を維持できる保護キャップ及び電子装置を提供できる。
第一実施形態に係る電子装置を示す断面図である。 図1のA-A断面図である。 波長200~600nmにおけるBU-41及び石英ガラスの透過率曲線を示すグラフである。 第一実施形態に係る電子装置の製造工程を示す断面図である。 第一実施形態に係る電子装置の製造工程を示す断面図である。 第一実施形態に係る電子装置の製造工程を示す断面図である。 第一実施形態に係る電子装置の製造工程を示す断面図である。 第二実施形態に係る電子装置を示す断面図である。 第二実施形態に係る電子装置の製造工程を示す断面図である。 第二実施形態に係る電子装置の製造工程を示す断面図である。 第二実施形態に係る電子装置の製造工程を示す断面図である。 第二実施形態に係る電子装置の製造工程を示す平面図である。 第三実施形態に係る枠部を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。
(第一実施形態)
図1及び図2は、本発明の第一実施形態に係る電子装置1を例示している。
本実施形態に係る電子装置1は、電子部品2と、電子部品2が搭載された基材3と、電子部品2を内部に収容するように、基材3に配置された保護キャップ4と、基材3及び保護キャップ4を接合する接合部5とを備えている。なお、以下の説明では、便宜上、基材3側を下、保護キャップ4側を上として説明するが、上下方向はこれに限定されない。
電子部品2は、特に限定されるものではないが、例えば、レーザモジュール、LED、光センサ、撮像素子、光スイッチ等の光学デバイスが挙げられる。本実施形態では、電子部品2は紫外線LED(発光素子)であり、電子装置1は発光装置である。
基材3は、例えば、金属、金属酸化物セラミックス、LTCC又は金属窒化物セラミックスから構成される。金属としては、例えば銅、金属シリコンなどが挙げられる。金属酸化物セラミックスとしては、例えば酸化アルミニウムなどが挙げられる。LTCCとしては、例えば結晶性ガラスと耐火性フィラーを含む複合粉末を焼結させたものなどが挙げられる。金属窒化物セラミックスとしては、例えば窒化アルミニウムなどが挙げられる。本実施形態では、基材3は、窒化アルミニウムから構成されている。窒化アルミニウムの30~380℃の温度範囲における熱膨張係数は、例えば46×10-7/℃である。また、本実施形態では、基材3は、上面3a及び下面3bがともに平面から構成される板状体である。なお、基材3は、上面3aのうち、電子部品2が搭載される部分に凹部が設けられていてもよい。
保護キャップ4は、枠部6と、枠部6の一端開口を覆う蓋部7と、枠部6及び蓋部7を接合する接合部8とを備えている。なお、保護キャップ4の表面には各種機能膜を形成することが好ましく、例えば、光反射ロスを低減するために、蓋部7の上下面7a,7bの少なくとも一方に反射防止膜を形成することが好ましい。反射防止膜は、蓋部7の上下面7a,7bにそれぞれ形成することが好ましい。反射防止膜は、蓋部7の上下面7a,7bの少なくとも一方のうち、枠部6の貫通孔Hに対応する部分のみに形成されていてもよいし、全面に形成されていてもよい。反射防止膜としては、例えば、相対的に屈折率が低い低屈折率層と相対的に屈折率が高い高屈折率層とが交互に積層された誘電体多層膜が好ましい。これにより、各波長における反射率を制御し易くなる。反射防止膜は、例えば、スパッタリング法やCVD法などにより形成することができる。電子部品2から出射された光の波長帯(例えば、250~350nm)における反射防止膜の反射率は、例えば1%以下、0.5%以下、0.3%以下、特に0.1%以下であることが好ましい。
枠部6は、中心に厚み方向(上下方向)に延びる貫通孔Hを有する筒状体である。枠部6は、貫通孔Hに対応する空間に収容された電子部品2の周囲を取り囲む。図示例では、枠部6は、四角筒で構成されているが、円筒などの他の形状であってもよい。なお、枠部6の内壁面6cは、蓋部7を通じた紫外線の取り出し効率を向上させるために、枠部6の下端面6b側から上端面6a側に向かうに連れて内側から外側に移行する傾斜面で構成されている。内壁面6cは、非傾斜面(垂直面)であってもよい。貫通孔Hは、枠部6の元材に、エッチング加工、レーザ加工、サンドブラスト加工などを施すことにより形成することができる。
枠部6は、30~380℃の温度範囲における熱膨張係数が30×10-7~100×10-7/℃であるガラス材から構成されている。枠部6の熱膨張係数は、好ましくは40×10-7/℃以上、50×10-7/℃以上、60×10-7/℃以上、特に好ましくは70×10-7/℃以上である。また、枠部6の熱膨張係数は、好ましくは95×10-7/℃以下、特に好ましくは90×10-7/℃以下である。このようにすれば、枠部6の熱膨張係数が、金属、金属窒化物セラミックスなどから構成される基材3の熱膨張係数と整合する。この結果、例えばろう材などを用いて枠部6を基材3に接合しても、接合部8又はその近傍に破損が生じにくくなるため、高い気密性を維持できる。
枠部6のガラス材は、紫外線透過ガラスであることが好ましい。詳細には、枠部6のガラス材において、光路長0.7mm、波長200nmにおける透過率は、好ましくは10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、特に好ましくは80%以上である。また、枠部6のガラス材において、光路長0.7mm、波長250nmにおける透過率は、好ましくは50%以上、60%以上、70%以上、特に好ましくは80%以上である。さらに、枠部6のガラス材において、光路長0.7mm、波長250nmにおける透過率をT250とし、光路長0.7mm、波長300nmにおける透過率をT300としたときに、T250/T300の値は、好ましくは0.3以上、0.4以上、0.5以上、0.6以上、0.7以上、0.8以上、0.85以上、特に好ましくは0.9以上である。このようにすれば、石英ガラスに比べて、紫外線の透過率が劣るものの、紫外線LEDからなる電子部品2から出射される光を問題なく透過させることができ、紫外線の取り出し効率を高いレベルで維持できる。
枠部6のガラス材において、歪点は、好ましくは430℃以上、460℃以上、480℃以上、500℃以上、520℃以上、530℃以上、特に好ましくは550℃以上である。このようにすれば、枠部6を基材3にろう材を用いて接合する場合に、ろう付け時の加熱(例えば300℃程度)により、枠部6に歪が生じることを抑制できる。
枠部6のガラス材において、軟化点は、好ましくは1000℃以下、950℃以下、900℃以下、850℃以下、特に好ましくは800℃以下である。このようにすれば、枠部6及び蓋部7をレーザ接合などにより直接溶着する場合に、枠部6が容易に軟化するため、接合時間を短くすることができる。
枠部6のガラス材において、102.5dPa・sにおける温度は、好ましくは1580℃以下、1550℃以下、1520℃以下、1500℃以下、1480℃以下、特に好ましくは1470℃以下である。102.5dPa・sにおける温度が高すぎると、溶融性が低下して、ガラスの製造コストが高騰しやすくなる。ここで、「102.5dPa・sにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。なお、102.5dPa・sにおける温度は、溶融温度に相当し、この温度が低いほど溶融性が向上する。
枠部6のガラス材の液相温度は、好ましくは1150℃未満、1120℃以下、1100℃以下、1080℃以下、1050℃以下、1030℃以下、980℃以下、960℃以下、950℃以下、特に好ましくは940℃以下である。また、枠部6のガラス材の液相粘度は、好ましくは104.0dPa・s以上、104.3dPa・s以上、104.5dPa・s以上、104.8dPa・s以上、105.1dPa・s以上、105.3dPa・s以上、特に好ましくは105.5dPa・s以上である。このようにすれば、耐失透性が向上する。ここで、「液相温度」は、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れて、温度勾配炉中に24時間保持した後、結晶が析出する温度を顕微鏡観察にて測定した値である。「液相粘度」は、液相温度におけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値である。
枠部6のガラス材のヤング率は、好ましくは55GPa以上、60GPa以上、65GPa以上、特に好ましくは70GPa以上である。ヤング率が低すぎると、枠部6の変形、反り、破損が発生しやすくなる。ここで、「ヤング率」は、共振法により測定した値を指す。
枠部6のガラス材は、ガラス組成として、質量%で、SiO 50~80%、Al+B 1~45%、LiO+NaO+KO 0~25%、MgO+CaO+SrO+BaO 0~25%であることが好ましい。上記のように各成分の含有量を限定した理由を以下に示す。なお、各成分の含有量の説明において、%表示は、特に断りがある場合を除き、質量%を表す。
SiOは、ガラスの骨格を形成する主成分である。SiOの含有量は、好ましくは50~80%、55~75%、58~70%、特に好ましくは60~68%である。SiOの含有量が少なすぎると、ヤング率、耐酸性が低下しやすくなる。一方、SiOの含有量が多すぎると、高温粘度が高くなり、溶融性が低下しやすくなることに加えて、クリストバライト等の失透結晶が析出しやすくなって、液相温度が上昇しやすくなる。
AlとBは、耐失透性を高める成分である。Al+Bの含有量は、好ましくは1~40%、5~35%、10~30%、特に好ましくは15~25%である。Al+Bの含有量が少なすぎると、ガラスが失透しやすくなる。一方、Al+Bの含有量が多すぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透しやすくなる。
Alは、ヤング率を高める成分であるとともに、分相、失透を抑制する成分である。Alの含有量は、好ましくは1~20%、3~18%、特に好ましくは5~16%である。Alの含有量が少なすぎると、ヤング率が低下しやすくなり、またガラスが分相、失透しやすくなる。一方、Alの含有量が多すぎると、高温粘度が高くなり、溶融性が低下しやすくなる。
は、溶融性、耐失透性を高める成分であり、また傷の付きやすさを改善して、強度を高める成分である。Bの含有量は、好ましくは3~25%、5~22%、7~19%、特に好ましくは9~16%である。Bの含有量が少なすぎると、溶融性、耐失透性が低下しやすくなり、またフッ酸系の薬液に対する耐性が低下しやすくなる。一方、Bの含有量が多すぎると、ヤング率、耐酸性が低下しやすくなる。
LiO、NaO及びKOは、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高めるとともに、ガラス原料の初期の溶融に寄与する成分である。LiO+NaO+KOの含有量は、好ましくは0~25%、1~20%、4~15%、特に好ましくは7~13%である。LiO+NaO+KOの含有量が少なすぎると、溶融性が低下しやすくなる。一方、NaOの含有量が多すぎると、熱膨張係数が不当に高くなるおそれがある。
LiOは、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高めるとともに、ガラス原料の初期の溶融に寄与する成分である。LiOの含有量は、好ましくは0~5%、0~3%、0~1%、特に好ましくは0~0.1%である。LiOの含有量が少なすぎると、溶融性が低下しやすくなることに加えて、熱膨張係数が不当に低くなるおそれがある。一方、LiOの含有量が多すぎると、ガラスが分相しやすくなる。
NaOは、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高めるとともに、ガラス原料の初期の溶融に寄与する成分である。また熱膨張係数を調整するための成分である。NaOの含有量は、好ましくは0~25%、1~20%、3~18%、5~15%、特に好ましくは7~13%である。NaOの含有量が少なすぎると、溶融性が低下しやすくなることに加えて、熱膨張係数が不当に低くなるおそれがある。一方、NaOの含有量が多すぎると、熱膨張係数が不当に高くなるおそれがある。
Oは、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高めるとともに、ガラス原料の初期の溶融に寄与する成分である。また熱膨張係数を調整するための成分である。KOの含有量は、好ましくは0~15%、0.1~10%、特に好ましくは1~5%である。KOの含有量が多すぎると、熱膨張係数が不当に高くなるおそれがある。
MgO、CaO、SrO及びBaOは、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分である。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量は、好ましくは0~25%、0~15%、0.1~12%、1~5%である。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が多すぎると、ガラスが失透しやすくなる。
MgOは、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であり、アルカリ土類金属酸化物の中では、ヤング率を顕著に高める成分である。MgOの含有量は、好ましくは0~10%、0~8%、0~5%、特に好ましくは0~1%である。MgOの含有量が多すぎると、耐失透性が低下しやすくなる。
CaOは、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高める成分である。またアルカリ土類金属酸化物の中では、導入原料が比較的安価であるため、原料コストを低廉化する成分である。CaOの含有量は、好ましくは0~15%、0.5~10%、特に好ましくは1~5%である。CaOの含有量が多すぎると、ガラスが失透しやすくなる。なお、CaOの含有量が少なすぎると、上記効果を享受し難くなる。
SrOは、耐失透性を高める成分である。SrOの含有量は、好ましくは0~7%、0~5%、0~3%、特に好ましくは0~1%未満である。SrOの含有量が多すぎると、ガラスが失透しやすくなる。
BaOは、耐失透性を高める成分である。BaOの含有量は、好ましくは0~7%、0~5%、0~3%、0~1%未満である。BaOの含有量が多すぎると、ガラスが失透しやすくなる。
上記成分以外にも、任意成分として、他の成分を導入してもよい。なお、上記成分以外の他の成分の含有量は、本発明の効果を的確に享受する観点から、合量で10%以下、5%以下、特に3%以下が好ましい。
ZnOは、溶融性を高める成分であるが、ガラス組成中に多量に含有させると、ガラスが失透しやすくなる。よって、ZnOの含有量は、好ましくは0~5%、0~3%、0~1%、0~1%未満、特に好ましくは0~0.1%である。
ZrOは、耐酸性を高める成分であるが、ガラス組成中に多量に含有させると、ガラスが失透しやすくなる。よって、ZrOの含有量は、好ましくは0~5%、0~3%、0~1%、0~0.5%、特に好ましくは0.001~0.2%である。
FeとTiOは、深紫外域での透過率を低下させる成分である。Fe+TiOの含有量は、好ましくは100ppm以下、80ppm以下、60ppm以下、0.1~40ppm以下、特に好ましくは1~20ppmである。Fe+TiOの含有量が多すぎると、ガラスが着色して、深紫外域での透過率が低下しやすくなる。なお、Fe+TiOの含有量が少なすぎると、高純度のガラス原料を使用しなければならず、バッチコストの高騰を招く。
Feは、深紫外域での透過率を低下させる成分である。Feの含有量は、好ましくは100ppm以下、80ppm以下、60ppm以下、40ppm以下、20ppm以下、10ppm以下、特に好ましくは1~8ppmである。Feの含有量が多すぎると、ガラスが着色して、深紫外域での透過率が低下しやすくなる。なお、Feの含有量が少なすぎると、高純度のガラス原料を使用しなければならず、バッチコストの高騰を招く。
酸化鉄中のFeイオンは、Fe2+又はFe3+の状態で存在する。Fe2+の割合が少なすぎると、深紫外線での透過率が低下しやすくなる。よって、酸化鉄中のFe2+/(Fe2++Fe3+)の質量割合は、好ましくは0.1以上、0.2以上、0.3以上、0.4以上、特に好ましくは0.5以上である。
TiOは、深紫外域での透過率を低下させる成分である。TiOの含有量は、好ましくは100ppm以下、80ppm以下、60ppm以下、40ppm以下、20ppm以下、10ppm以下、特に好ましくは0.5~5ppmである。TiOの含有量が多すぎると、ガラスが着色して、深紫外域での透過率が低下しやすくなる。なお、TiOの含有量が少なすぎると、高純度のガラス原料を使用しなければならず、バッチコストの高騰を招く。
Sbは、清澄剤として作用する成分である。Sbの含有量は、好ましくは1000ppm以下、800ppm以下、600ppm以下、400ppm以下、200ppm以下、100ppm以下、特に好ましくは50ppm未満である。Sbの含有量が多すぎると、深紫外域での透過率が低下しやすくなる。
SnOは、清澄剤として作用する成分である。SnOの含有量は、好ましくは2000ppm以下、1700ppm以下、1400ppm以下、1100ppm以下、800ppm以下、500ppm以下、200ppm以下、特に好ましくは100ppm以下である。SnOの含有量が多すぎると、深紫外域での透過率が低下しやすくなる。
、Cl及びSOは、清澄剤として作用する成分である。F+Cl+SOの含有量は10~10000ppmであることが好ましい。F+Cl+SOの好適な下限範囲は10ppm以上、20ppm以上、50ppm以上、100ppm以上、300ppm以上、特に500ppm以上であり、好適な上限範囲は3000ppm以下、2000ppm以下、1000ppm以下、特に800ppm以下である。また、F、Cl、SOの各々の好適な下限範囲は10ppm以上、20ppm以上、50ppm以上、100ppm以上、300ppm以上、特に500ppm以上であり、好適な上限範囲は3000ppm以下、2000ppm以下、1000ppm以下、特に800ppm以下である。これらの成分の含有量が少なすぎると、清澄効果を発揮し難くなる。一方、これらの成分の含有量が多すぎると、清澄ガスがガラス中に泡として残存するおそれがある。
枠部6のガラス材は、例えば、各種ガラス原料を調合して、ガラスバッチを得た上で、このガラスバッチを溶融し、得られた溶融ガラスを清澄、均質化し、所定形状に成形することで作製することができる。
枠部6のガラス材の製造工程において、ガラス原料の一部として、還元剤を用いることが好ましい。このようにすれば、ガラス中に含まれるFe3+が還元されて、深紫外線での透過率が向上する。還元剤として、木粉、カーボン粉末、金属アルミニウム、金属シリコン、フッ化アルミニウム等の材料が使用可能であるが、その中でも金属シリコン、フッ化アルミニウムが好ましい。
枠部6のガラス材の製造工程において、ガラス原料の一部として、金属シリコンを用いることが好ましく、その添加量は、ガラスバッチの全質量に対して0.001~3質量%、0.005~2質量%、0.01~1質量%、特に0.03~0.1質量%が好ましい。金属シリコンの添加量が少なすぎると、ガラス中に含まれるFe3+が還元されず、深紫外線での透過率が低下しやすくなる。一方、金属シリコンの添加量が多すぎると、ガラスが茶色に着色する傾向がある。
ガラス原料の一部として、フッ化アルミニウム(AlF)を用いることも好ましく、その添加量は、ガラスバッチの全質量に対して、F換算で0.01~5質量%、0.05~4質量%、0.1~3質量%、0.2~2質量%、0.3~1質量%が好ましい。一方、フッ化アルミニウムの添加量が多すぎると、Fガスがガラス中に泡として残存するおそれがある。フッ化アルミニウムの添加量が少なすぎると、ガラス中に含まれるFe3+が還元されず、深紫外線での透過率が低下しやすくなる。
枠部6のガラス材の製造工程において、ダウンドロー法、特にオーバーフローダウンドロー法で平板形状に成形することが好ましい。オーバーフローダウンドロー法は、耐熱性の樋状構造物の両側から溶融ガラスを溢れさせて、溢れた溶融ガラスを樋状構造物の下頂端で合流させながら、下方に延伸成形してガラス板を成形する方法である。オーバーフローダウンドロー法では、ガラス板の表面となるべき面は樋状耐火物に接触せず、自由表面の状態で成形される。このため、薄型のガラス板を作製しやすくなるとともに、表面を研磨しなくても、板厚ばらつきを低減することができる。結果として、ガラス板の製造コストを低廉化することができる。なお、樋状構造物の構造や材質は、所望の寸法や表面精度を実現できるものであれば、特に限定されない。また、下方への延伸成形を行う際に、力を印加する方法も特に限定されない。例えば、充分に大きい幅を有する耐熱性ロールをガラスに接触させた状態で回転させて延伸する方法を採用してもよいし、複数の対になった耐熱性ロールをガラスの端面近傍のみに接触させて延伸する方法を採用してもよい。
枠部6のガラス材の成形方法として、オーバーフローダウンドロー法以外にも、例えば、スロットダウン法、リドロー法、フロート法等を採択することもできる。
枠部6のガラス材としては、具体的には、例えば、日本電気硝子株式会社製のBU-41を使用できる。BU-41の30~380℃の温度範囲における熱膨張係数は、例えば42×10-7/℃である。
枠部6の厚み(上下方向寸法)は、電子部品2よりも大きいことが好ましく、電子部品2よりも0.01~1mm大きいことが好ましく、0.05~0.5mm大きいことがより好ましく、0.1~0.2mm大きいことが最も好ましい。
蓋部7は、石英ガラスから構成される。石英ガラスには、溶融石英と合成石英とが含まれる。溶融石英ガラスの30~380℃の温度範囲における熱膨張係数は例えば6.3×10-7/℃であり、合成石英ガラスの30~380℃の温度範囲における熱膨張係数は例えば4.0×10-7/℃である。また、本実施形態では、蓋部7は、上面7a及び下面7bがともに平面から構成される板状体である。
蓋部7の厚み(上下方向寸法)は、0.1~1.0mmであることが好ましく、0.2~0.8mmであることがより好ましく、0.3~0.6mmであることが最も好ましい。
図2に示すように、本実施形態では、枠部6及び蓋部7を接合する接合部8は、枠部6と蓋部7とが直接溶着された溶着部9から形成されている。溶着部9は、レーザ接合により形成される。詳細には、溶着部9は、レーザの照射領域において、枠部6及び蓋部7の少なくとも一方を溶融した後に、その溶融部を固化させることにより形成される。つまり、溶着部9は、例えば、枠部6及び蓋部7の少なくとも一方の材料から構成され、枠部6及び蓋部7以外の材料を実質的に含まないことが好ましい。
溶着部9は、貫通孔Hに沿って同心環状に複数(図例では二つ)形成されるが、一つであってもよい。複数の溶着部9は、互いに半径方向に離間しているが、半径方向で重なっていてもよい。各溶着部9は、平面視で四角環状に構成されるが、これに限らず、円環状その他の環形状に構成され得る。
溶着部9は、厚み方向において、枠部6と蓋部7とに連続して跨って形成されている。なお、本実施形態では、溶着部9の内部において、枠部6と蓋部7との間には界面がない。もちろん、溶着部9の内部において、枠部6と蓋部7との間に界面が残っていてもよい。
溶着部9の幅S1は、10~200μmであることが好ましく、10~100μmであることがより好ましく、10~50μmであることが最も好ましい。溶着部9の厚みS2は、10~200μmであることが好ましく、10~150μmであることがより好ましく、10~100μmであることが最も好ましい。
溶着部9の平面方向の残留応力の最大値は、10MPa以下であることが好ましく、7MPa以下であることがより好ましく、5MPa以下であることが最も好ましい。平面方向の残留応力の最大値は、10mm×10mm以上の寸法を有するガラス板において、ユニオプト社製複屈折測定機:ABR-10Aを用いて、接合部付近の複屈折(単位:nm)を計測し、平面方向の残留応力に換算した場合の最大値である。また、光学的な複屈折の測定、すなわち直交する直線偏光波の光路差の測定により、ガラス板中の残留応力値を見積ることが可能であり、残留応力により発生する偏差応力F(MPa)は、F=D/CWの式で表記される。「D」は光路差(nm)であり、「W」は偏光波が通過した距離(cm)であり、「C」は光弾性定数(比例定数)であり、通常、20~40(nm/cm)/(MPa)の値になる。なお、平面方向の残留応力には、引張応力と圧縮応力が存在するが、上記では、両者の絶対値を評価するものとする。
枠部6及び基材3を接合する接合部5は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、枠部6の下端面6b側から順に、メタライズ層10と、はんだ層11とを備えている。メタライズ層10は、蒸着やスパッタなどにより、保護キャップ4の枠部6の下端面6bに形成された金属膜であり、はんだ層11との密着性を向上させる役割を有する。メタライズ層10としては、例えばCr、Ti、Ni、Pt、Au、Co及びこれらを含む合金層、或いはこれら金属、合金の多層膜等が使用できる。はんだ層(ろう材)11としては、例えばAu、Sn、Ag、Pb、及びこれら金属を含む合金、すなわち、Au-Sn系はんだ、Sn-Ag系はんだ、Pb系はんだ等の層が使用できる。Au-Sn系はんだの30~380℃の温度範囲における熱膨張係数は、例えば175×10-7/℃である。
図3は、波長200~600nmにおけるBU-41(日本電気硝子株式会社製)及び石英ガラスの透過率曲線を示す。同図に示すように、石英ガラスは、深紫外域(例えば、波長域200~350nm)において、厚みの増加に伴う透過率の低下はなく、90%以上の透過率を有する。一方、BU-41は、深紫外域において、厚み0.2mmで84%以上の透過率を有し、厚み0.5mmで70%以上の透過率を有する。つまり、BU-41は、深紫外域において、石英ガラスよりも僅かに劣るものの良好な透過率を有している。電子装置(発光装置)1の状態では、具体的には、蓋部7及び枠部6をともに厚み0.6mmの石英ガラスから構成した場合の紫外線の取り出し効率(電子部品(紫外線LED)2の出力倍率)は平均89%であり、蓋部7を厚み0.6mmの石英ガラスから構成し、枠部6を厚み0.6mmのBU-41から構成した場合の紫外線の取り出し効率は平均88%であった。したがって、蓋部7を石英ガラスから構成し、枠部6を石英ガラス以外の紫外線透過性を有するガラス材(例えば、BU-41)から構成しても、紫外域の光の取り出し効率を高いレベルで維持できる。また、この場合、枠部6の熱膨張係数と基材3の熱膨張係数が整合するため、ろう材などを用いて枠部6を基材3に接合しても、接合部5又はその近傍に破損が生じにくく高い気密性を維持できる。
図4~図7は、本発明の第一実施形態に係る電子装置1の製造方法を例示している。
本実施形態に係る電子装置1の製造方法は、保護キャップ4を得るために、蓋部7と枠部6とを接合する第一接合工程と、電子部品2が搭載された基材3と保護キャップ4とを接合する第二接合工程とを備えている。
第一接合工程では、まず、図4に示すように、蓋部7と、メタライズ層10及びはんだ層11が形成された枠部6とを準備する。次に、蓋部7の下面7bと枠部6の上端面6aとを直接接触させる。この状態で、図5に示すように、レーザ照射装置12により、蓋部7と枠部6との接触部に対してレーザLを集光して照射する。レーザLは、蓋部7及び枠部6の少なくとも一方側から照射される。本実施形態では、レーザLは、蓋部7側から照射される。これにより、接触部を溶着して溶着部9を形成するとともに、溶着部9により枠部6と蓋部7とを接合する。
蓋部7の下面7b及び枠部6の上端面6aのそれぞれの算術平均粗さRaは、2.0nm以下であることが好ましく、1.0nm以下であることがより好ましく、0.5nm以下であることが更に好ましく、0.2nm以下であることが最も好ましい。算術平均粗さRaは、JIS B0601:2001に準拠した方法で測定した値を意味する。このようすれば、蓋部7及び枠部6が互いに接合面間の分子間力(オプティカルコンタクト)により密着するため、レーザ接合前のハンドリング性が向上する。
レーザLとしては、ピコ秒オーダーやフェムト秒オーダーのパルス幅を有する超短パルスレーザが好適に使用される。
レーザLの波長は、ガラス部材を透過する波長であれば特に限定されるものではないが、例えば、400~1600nmであることが好ましく、500~1300nmであることがより好ましい。レーザLのパルス幅は、10ps以下であることが好ましく、5ps以下であることがより好ましく、200fs~3psであることが最も好ましい。レーザLの集光径は、50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることが好ましい。
レーザLの繰り返し周波数は、連続的な熱蓄積を生じさせる程度であることが必要であり、具体的には100kHz以上であることが好ましく、200kHz以上であることがより好ましく、500kHz以上であることが更に好ましい。
また、1パルスを複数に分配させ、パルス間隔を更に短くして照射する手法(バーストモード)を利用することが好ましい。これにより、熱蓄積が生じやすくなり、接合部8を安定して形成することができる。
図6に示すように、レーザLは、貫通孔Hの外側で、貫通孔Hに沿った環状軌道Tを描くように走査される。この場合において、レーザLは、その照射領域Rが環状軌道T上で重なりながら環状軌道Tを一周するように走査される。あるいは、レーザLは、その環状軌道Tを複数回にわたって周回するように走査される。なお、溶着部9を同心環状に複数形成する場合には、レーザLを走査する環状軌道Tも同心環状に複数設定される。
また、貫通孔Hを囲むように4本の直線を井桁状に交差させることにより、枠状に接合部を形成してもよい。これにより、複数の保護キャップ4を一度に作製し得るため、電子装置1の製造効率を高めることができる。
なお、上記の第一接合工程では、メタライズ層10及びはんだ層11が、枠部6に予め形成された場合を説明したが、第一接合工程の後(蓋部7及び枠部6を接合した後)に、これらの層10,11が枠部6に形成されてもよい。
第二接合工程では、まず、図7に示すように、第一接合工程で得られた保護キャップ4と、電子部品2が搭載された基材3とを準備する。次に、枠部6の下端面6bと基材3の上面3aとを、メタライズ層10及びはんだ層11を介して接触させる。この状態で加熱することにより、はんだ層11を軟化流動(リフロー)させ、はんだ層11により枠部6と基材3とを接合する。なお、はんだ層11は、加熱炉を用いて加熱してもよいし、レーザを用いて加熱してもよい。
(第二実施形態)
図8は、本発明の第二実施形態に係る電子装置1を例示している。第二実施形態では、枠部6及び基材3を接合する接合部5の構成が、第一実施形態と相違する。
本実施形態では、接合部5は、枠部6と基材3とが直接溶着された溶着部21から形成されている。溶着部21は、レーザ接合により形成される。詳細には、溶着部21は、レーザの照射領域において、枠部6及び基材3の少なくとも一方を溶融した後に、その溶融部を固化させることにより形成される。つまり、溶着部21は、例えば、枠部6及び基材3の少なくとも一方の材料から構成され、枠部6及び基材3以外の材料を実質的に含まないことが好ましい。
溶着部21のその他の構成については、第一実施形態で説明した溶着部9と同様であるので、詳しい説明は省略する。
図9~図12は、本発明の第二実施形態に係る電子装置1の製造方法を例示している。
本実施形態に係る電子装置1の製造方法は、保護キャップ4を得るために、蓋部7と枠部6とを接合する第一接合工程と、電子部品2が搭載された基材3と保護キャップ4とを接合する第二接合工程とを備えている。
図9及び図10に示すように、第一接合工程は、第一実施形態で説明した第一接合工程と同様であり、レーザ照射装置12から出射されるレーザLを用いて、蓋部7と枠部6を直接溶着する工程である。なお、枠部6には、メタライズ層10及びはんだ層11が形成されておらず、枠部6の下端面6bは露出している。
図11及び図12に示すように、第二接合工程では、まず、第一接合工程で得られた保護キャップ4の枠部6の下端面6bと、基材3の上面3aとを直接接触させる。この状態で、レーザ照射装置12により、枠部6と基材3との接触部に対してレーザLを集光して照射する。レーザLは、枠部6及び基材3のうち、レーザLを透過する枠部6側から照射される。これにより、接触部を溶着して溶着部21を形成するとともに、溶着部21により枠部6と基材3とを接合する。
枠部6の下端面6b及び基材3の上面3aのそれぞれの算術平均粗さRaは、2.0nm以下であることが好ましく、1.0nm以下であることがより好ましく、0.5nm以下であることが更に好ましく、0.2nm以下であることが最も好ましい。このようすれば、枠部6及び基材3が互いに接合面間の分子間力により密着するため、レーザ接合前のハンドリング性が向上する。
第二接合工程で使用するレーザLの種類、波長、走査方法などの諸条件については、第一実施形態で説明した第一接合工程と同様の条件が適用できる。
なお、本発明は、上記の実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態では、枠部6と蓋部7とを直接溶着する場合を説明したが、枠部6と蓋部7との接合方法はこれに限定されない。例えば、枠部6と蓋部7とは接着層(例えば、ガラス接着材)を介して接着されていてもよい。
上記の実施形態において、枠部6と基材3とを接合した後に、枠部6に蓋部7を接合してもよい。この場合、枠部6と基材3とを接合した後に基材3に電子部品2を搭載し、その後に、枠部6に蓋部7を接合してもよい。ただし、作業性を考慮した場合、枠部6と基材3とを接合する前に、基材3に電子部品2を搭載することが好ましい。
(第三実施形態)
図13は、本発明の第三実施形態に係る枠部6を例示している。本実施形態では、光の取り出し効率を向上させるために、枠部6の内周面6cに反射膜31を形成している。
反射膜31は、電子部品2から出射された光を反射する層である。反射膜31は、例えばアルミニウム、金などの金属や、アルミナ、ジルコニア、チタニアなどのセラミックスを含有させた樹脂塗料やガラスペーストなどから構成されることが好ましい。
反射膜31の厚みは、例えば0.1~100μmであることが好ましい。
電子部品2から出射された光の波長帯(例えば、250~350nm)における反射膜31の反射率は、好ましくは10%、20%、30%、40%、50%、60%以上であることが好ましく、特に好ましいのは70%以上である。ここで、反射率は、日立ハイテクサイエンス製UH-4150を用いて250~350nmの波長範囲の各波長における透過率を測定することにより、算出できる。
反射膜31を枠部6の内周面6cに形成する方法としては、スプレーコート法を用いることが望ましい。スプレーコート法を用いる場合、枠部6の上下端面6a,6bの平坦部をマスクで保護した状態で枠部6の内周面にスプレーコート液(反射膜となる液)を塗布し、その後、マスクを剥がすことで、枠部6の内周面6cに反射膜31を簡単に形成できる。なお、反射膜31の形成方法は、これに限定されず、例えばディップコート法なども用いることができる。ディップコート法を用いる場合、貫通孔Hを有する枠部6をディップコート液(反射膜31となる液)に浸漬し、その後、枠部6の表面の不要部分(上下端面6a,6bなど)に形成された反射膜31を研磨などにより除去することで、枠部6の内周面6cに反射膜31を形成できる。この場合、不要部分の反射膜31を除去する際に、枠部6の上端面6aを研磨することで、蓋部7との接合時の面精度を整えることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(1)保護キャップA、Bについて
石英ガラスから構成された蓋部と、石英ガラスから構成された枠部とを、ろう材(金錫はんだ:熱膨張係数176×10-7/℃)により接合することで、比較例としての保護キャップAを作製した。また、石英ガラスから構成された蓋部と、BU-41(熱膨張係数42×10-7/℃)から構成された枠部とを、レーザ照射により直接溶着することで、実施例としての保護キャップBを作製した。
得られた保護キャップA、Bに対して、基材との接合部分にCr、Ni、Auのメタライズ成膜を順次行い、その上からAu-Sn系はんだで構成されるはんだ層をそれぞれ形成した。
はんだ層を形成した保護キャップA、Bを用いて、窒化アルミニウム基材への加熱実装を行って電子装置を作製し、このときの保護キャップのクラック発生率を測定した。その結果、実装後の保護キャップAには、約4%のクラックが発生したが、実装後の保護キャップBには、クラックが発生しなかった。
(2)保護キャップC、Dについて
石英ガラスから構成された蓋部の両面に紫外線の反射防止膜を形成したものと、BU-41から構成された枠部とを、レーザ照射により溶着することで、実施例としての保護キャップCを作製した。また、石英ガラスから構成された蓋部の両面に紫外線の反射防止膜を形成したものと、BU-41から構成された枠部の内周面に紫外線の反射膜を形成したものとを、レーザ照射により溶着することで、実施例としての保護キャップDを作製した。
得られた保護キャップC、Dに対して、基材との接合部分にCr、Ni、Auのメタライズ成膜を順次行い、その上からAu-Sn系はんだで構成されるはんだ層をそれぞれ形成した。
はんだ層を形成した保護キャップC、Dを用いて、窒化アルミニウム基材への加熱実装を行って電子装置を作製し、その光取り出し効率を測定した。その結果、保護キャップDを用いた電子装置は、保護キャップCを用いた電子装置に比べて光取り出し効率が3%向上した。
上記の実施例では、枠部にBU-41を用いた例を使って、本発明を説明したが、BU-41以外にも表1に示す試料No.1~3のガラスを使用することができる。なお、下表において、Psは歪点、Taは徐冷点、Tsは軟化点、αは熱膨張係数、Eはヤング率、TLは液相温度、Logη at TLは液相粘度を示している。
Figure 2022019511000002
1 電子装置
2 電子部品
3 基材
4 保護キャップ
5 接合部
6 枠部
7 蓋部
8 接合部
9 溶着部
10 メタライズ層
11 はんだ層
21 溶着部

Claims (12)

  1. 電子部品を保護するための保護キャップであって、
    枠部と、前記枠部の一端開口を覆う蓋部と、前記枠部と前記蓋部とを接合する接合部とを備え、
    前記蓋部が、石英ガラスからなり、
    前記枠部が、30~380℃の温度範囲における熱膨張係数が30×10-7~100×10-7/℃であるガラス材からなることを特徴とする保護キャップ。
  2. 前記接合部が、前記枠部と前記蓋部とが直接溶着されて形成されている請求項1に記載の保護キャップ。
  3. 前記枠部のガラス材が、厚み0.7mm、波長200nmにおける透過率が10%以上である請求項1又は2に記載の保護キャップ。
  4. 前記枠部のガラス材の歪点が、430℃以上である請求項1~3のいずれか1項に記載の保護キャップ。
  5. 前記枠部のガラス材の軟化点が、1000℃以下である請求項1~4のいずれか1項に記載の保護キャップ。
  6. 前記枠部のガラス材が、組成として、質量%で、SiO 50~80%、Al+B 1~45%、LiO+NaO+KO 0~25%、MgO+CaO+SrO+BaO 0~25%を含有する請求項1~5のいずれ1項に記載の保護キャップ。
  7. 前記枠部の内周面に、反射膜が形成されている請求項1~6のいずれか1項に記載の保護キャップ。
  8. 前記蓋部の表裏面の少なくとも一方に、反射防止膜が形成されている請求項1~7のいずれか1項に記載の保護キャップ。
  9. 電子部品と、前記電子部品が搭載された基材と、前記電子部品を内部に収容するように、前記基材に接合された請求項1~8のいずれか1項に記載の保護キャップとを備えていることを特徴とする電子装置。
  10. 前記保護キャップと前記基材とが、ろう材により接合されている請求項9に記載の電子装置。
  11. 前記電子部品が、紫外線LEDである請求項9又は10に記載の電子装置。
  12. 電子部品を保護するための保護キャップの製造方法であって、
    石英ガラスからなる蓋部と、30~380℃の温度範囲における熱膨張係数が30×10-7~100×10-7/℃であるガラス材からなる枠部とを準備する準備工程と、
    前記枠部の一端開口部を覆うように前記蓋部を前記枠部に接触させた状態で、前記蓋部及び前記枠部の接触部にレーザを照射することにより、前記蓋部と前記枠部とを直接溶着する接合工程とを備えていることを特徴とする保護キャップの製造方法。
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