JPWO2018025727A1 - 無アルカリガラス基板、積層基板、およびガラス基板の製造方法 - Google Patents

無アルカリガラス基板、積層基板、およびガラス基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、シリコン基板とガラス基板を貼り合わせる熱処理工程において、シリコン基板に発生する残留歪が小さいガラス基板およびガラス基板の製造方法を提供する。本発明は、酸化物基準のモル百分率表示で、ZnOを0.1%〜10%含有し、50℃〜100℃での平均熱膨張係数、200℃〜300℃での平均熱膨張係数、200℃〜300℃の平均熱膨張係数を50℃〜100℃の平均熱膨張係数で除した値が特定範囲である無アルカリガラス基板に関する。

Description

本発明は、無アルカリガラス基板、積層基板、およびガラス基板の製造方法に関する。
チップサイズパッケージ(CSP)等のイメージセンサは、シリコン基板上にガラス基板を貼り付けて保護する方式が知られており、熱膨張による伸び率をガラスと接合されるシリコン基板の熱膨張による伸び率に近づけたシリコン台座用ガラスが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、これまでの半導体組立工程では、ウェハ状態のシリコン基板とガラス基板とをそれぞれ切断した後に、シリコン基板とガラス基板とを貼り合わせて、ダイボンディング、ワイヤーボンディング、およびモールディングなどの一連の組立工程を行っている。近年、原寸のウェハ状態でシリコン基板とガラス基板とを貼り合わせて組立工程を行った後に切断を行うウェハレベルパッケージ技術が次世代CSP技術として脚光を浴びている。
シリコン基板とガラス基板とを貼り合わせるには、熱処理工程を必要とする。熱処理工程では、例えば、200℃〜400℃の温度でシリコン基板とガラス基板を貼り合わせた積層基板を室温まで降温させる。このとき、シリコン基板とガラス基板の熱膨張係数に差があると、熱膨張係数の違いによりシリコン基板に大きな残留歪(残留変形)が発生する原因となる。
ウェハレベルパッケージ技術では、ウェハ状態でシリコン基板とガラス基板を貼り合わせるため、従来では問題にならなかったような熱膨張係数の差でも、シリコン基板に残留歪が発生しやすい。
日本国特許第3153710号公報
特許文献1には、ガラスの熱膨張による伸び率αと、ガラスと接合されるシリコン基材の熱膨張による伸び率αとの比率α/αが0.8〜1.2の範囲の値であることを特徴とするシリコン台座用ガラスが提案されている。しかし、特許文献1で開示されている実施例のガラスでは、シリコン基板との熱膨張係数の一致性は不十分であり、ウェハレベルパッケージ技術ではシリコン基板に残留歪が発生しやすい。
そこで、本発明の一態様は、シリコン基板とガラス基板を貼り合わせる熱処理工程において、シリコン基板に発生する残留歪が小さいガラス基板およびガラス基板の製造方法を提供する。または、本発明の一態様は、当該ガラス基板を用いた積層基板を提供する。
本発明者らは、ガラスの組成及び熱膨張係数、並びにガラス基板の熱膨張係数と単結晶シリコンの熱膨張係数との差の絶対値を特定範囲とすることにより、シリコン基板との熱膨張係数がマッチングしているガラス基板が得られることを見出し、本発明の一態様を完成させた。
本発明の一態様のガラス基板は、酸化物基準のモル百分率表示で、ZnOを0.1%〜10%含有し、
50℃〜100℃での平均熱膨張係数α50/100が2.70ppm/℃〜3.20ppm/℃であり、
200℃〜300℃での平均熱膨張係数α200/300が3.45ppm/℃〜3.95ppm/℃であり、
200℃〜300℃の平均熱膨張係数α200/300を50℃〜100℃の平均熱膨張係数α50/100で除した値α200/300/α50/100が、1.20〜1.30である無アルカリガラス基板であることを特徴とする。
本発明の一態様の積層基板は、上記のガラス基板と、シリコン基板とが積層されたことを特徴とする。
本発明の一態様の無アルカリガラス基板の製造方法は、
ガラス原料を加熱して溶融ガラスを得る溶解工程と、
前記溶融ガラスを板状にしてガラスリボンを得る成形工程と、
前記ガラスリボンを室温状態まで徐冷する徐冷工程と、を含み、
酸化物基準のモル百分率表示で、得られるガラス基板の組成が下記の組成であり、
SiO :50%〜75%、
Al :6%〜16%、
:0%〜15%、
MgO :0%〜15%、
CaO :0%〜13%、
SrO :0%〜11%、
BaO :0%〜9.5%、
ZnO :0.1%〜10%
前記得られるガラス基板の組成と、前記徐冷工程における前記ガラスリボンの粘度が1013dPa・sとなる温度から1014.5dPa・sとなる温度になるまでの平均冷却速度R(単位:℃/分)とが、次の条件(1)、条件(2)、条件(3)および条件(4)を満たす無アルカリガラス基板の製造方法。
条件(1):
0.0177×(SiOの含有量)−0.0173×(Alの含有量)+0.0377×(Bの含有量)+0.0771×(MgOの含有量)+0.1543×(CaOの含有量)+0.1808×(SrOの含有量)+0.2082×(BaOの含有量)+0.0396×(ZnOの含有量)+0.0344×log10Rが2.70〜3.20
条件(2):
0.0181×(SiOの含有量)+0.0004×(Alの含有量)+0.0387×(Bの含有量)+0.0913×(MgOの含有量)+0.1621×(CaOの含有量)+0.1900×(SrOの含有量)+0.2180×(BaOの含有量)+0.0424×(ZnOの含有量)+0.0391×log10Rが3.13〜3.63
条件(3):
0.0177×(SiOの含有量)+0.0195×(Alの含有量)+0.0323×(Bの含有量)+0.1015×(MgOの含有量)+0.1686×(CaOの含有量)+0.1990×(SrOの含有量)+0.2179×(BaOの含有量)+0.0493×(ZnOの含有量)+0.0312×log10Rが3.45〜3.95
条件(4):
0.0111×(SiOの含有量)+0.0250×(Alの含有量)+0.0078×(Bの含有量)+0.0144×(MgOの含有量)+0.0053×(CaOの含有量)+0.0052×(SrOの含有量)+0.0013×(BaOの含有量)+0.0121×(ZnOの含有量)−0.0041×log10Rが1.20〜1.30
[条件(1)〜(4)において、SiO、Al、B、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの含有量は、得られたガラスに含有される酸化物基準のモル百分率表示で表した含有量である。]
本発明の一態様は、ガラス基板とシリコン基板との熱膨張係数がマッチングしていることにより、シリコン基板とガラス基板を貼り合わせる熱処理工程において、シリコン基板に発生する残留歪が小さく、製造特性に優れたガラス基板およびガラス基板の製造方法が提供できる。または、本発明の一態様は、当該ガラス基板を用いた積層基板が提供できる。
図1(A)および図1(B)は、シリコン基板と貼り合わせる本発明の一実施形態に係るガラス基板を表し、図1(A)は貼り合わせ前の断面図、図1(B)は貼り合わせ後の断面図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
なお、本明細書において、特に明記しない限りは、ガラス基板およびその製造方法における各成分の含有量は酸化物基準のモル百分率で表す。
また、本明細書において、特段の定めがない限り、数値範囲を示す「〜」とは、その前後に記載された数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
図1(A)および図1(B)は、シリコン基板と貼り合わせる本発明の一実施形態に係るガラス基板を表す。図1(A)に表される本発明により得られるガラス基板G1は、シリコン基板10と、樹脂20を間に挟み、例えば、200℃〜400℃の温度で貼り合わされ、図1(B)に表される積層基板30が得られる。シリコン基板10として、例えば、原寸のウェハ(例えば、シリコンウェハなどシリコンを成分として含むウェハ)が用いられる。シリコン基板10は、素子が形成されたウェハ、ウェハから素子が切り出されたチップ(例えばシリコンチップ)が樹脂にモールドされた基板等であってもよい。樹脂20は、200℃〜400℃の温度に耐えられるものであれば何でもよい。
本発明のガラス基板は、50℃〜100℃での平均熱膨張係数α50/100が、2.70ppm/℃以上であり、2.80ppm/℃以上が好ましく、2.90ppm/℃以上がより好ましく、2.91ppm/℃以上がさらに好ましく、2.92ppm/℃以上が特に好ましい。また、α50/100は、3.20ppm/℃以下であり、3.10ppm/℃以下が好ましく、3.00ppm/℃以下がより好ましく、2.96ppm/℃以下がさらに好ましく、2.94ppm/℃以下が特に好ましい。α50/100が上記範囲であれば、シリコン基板との熱膨張係数の差を低減できる。
ここで、50℃〜100℃の平均熱膨張係数α50/100とは、JIS R3102(1995年)で規定されている方法で測定した、熱膨張係数を測定する温度範囲が50℃〜100℃である平均熱膨張係数である。
本発明のガラス基板は、100℃〜200℃での平均熱膨張係数α100/200が3.13ppm/℃以上が好ましく、3.23ppm/℃以上がより好ましく、3.33ppm/℃以上がさらに好ましく、3.34ppm/℃以上が特に好ましく、3.35ppm/℃以上が最も好ましい。また、α100/200は、3.63ppm/℃以下が好ましく、3.53ppm/℃以下がより好ましく、3.43ppm/℃以下がさらに好ましく、3.41ppm/℃以下が特に好ましく、3.38ppm/℃以下が最も好ましい。α100/200が上記範囲であれば、シリコン基板との熱膨張係数の差を低減できる。
ここで、100℃〜200℃の平均熱膨張係数α100/200とは、JIS R3102(1995年)で規定されている方法で測定した、熱膨張係数を測定する温度範囲が100℃〜200℃である平均熱膨張係数である。
本発明のガラス基板は、200℃〜300℃での平均熱膨張係数α200/300が3.45ppm/℃以上であり、3.55ppm/℃以上が好ましく、3.65ppm/℃以上がより好ましく、3.66ppm/℃以上が特に好ましく、3.68ppm/℃以上が最も好ましい。またα200/300は3.95ppm/℃以下であり、3.85ppm/℃以下が好ましく、3.75ppm/℃以下がより好ましく、3.73ppm/℃以下が特に好ましく、3.71ppm/℃以下が最も好ましい。
α200/300が上記範囲であれば、シリコン基板との熱膨張係数の差を低減できる。また、α200/300が3.55ppm/℃〜3.85ppm/℃であれば、シリコン基板との熱膨張係数の差が十分に小さくなるため、熱膨張係数の差に起因する不良をより抑制することができる。
ここで、200℃〜300℃の平均熱膨張係数α200/300とは、JIS R3102(1995年)で規定されている方法で測定した、熱膨張係数を測定する温度範囲が200℃〜300℃である平均熱膨張係数である。
本発明のガラス基板は、200℃〜300℃での平均熱膨張係数α200/300を50℃〜100℃での平均熱膨張係数α50/100で除した値α200/300/α50/100が1.20以上であり、1.22以上が好ましく、1.24以上がより好ましい。また、α200/300/α50/1001.30以下であり、1.27以下が好ましく、1.26以下がより好ましい。α200/300/α50/100が上記範囲であれば、シリコン基板との熱膨張係数の差を小さくすることができる。
本発明のガラス基板は、50〜100℃における上記ガラス基板の平均熱膨張係数α50/100と単結晶シリコンの平均熱膨張係数との差の絶対値|Δα50/100|、100〜200℃における上記ガラス基板の平均熱膨張係数α100/200と単結晶シリコンの平均熱膨張係数との差の絶対値|Δα100/200|、および200〜300℃における上記ガラス基板の平均熱膨張係数α200/300と単結晶シリコンの平均熱膨張係数との差の絶対値|Δα200/300|が0.16ppm/℃以下が好ましく、0.15ppm/℃以下がより好ましく、0.12ppm/℃以下がさらに好ましい。
|Δα50/100|、|Δα100/200|および|Δα200/300|が0.16ppm/℃以下であることにより、シリコン基板との熱膨張係数の差を小さくすることができる。
本発明の一態様のガラス基板は、無アルカリガラス基板である。無アルカリガラス基板は、アルカリ金属酸化物の含有量が0%〜0.1%が好ましい。アルカリ金属酸化物の含有量は、0.05%以下がより好ましく、0.02%以下がさらに好ましく、実質的に含まないことが特に好ましい。アルカリ金属酸化物の含有量が0.1%以下であれば、シリコン基板とガラス基板を貼り合わせる熱処理工程において、アルカリイオンがシリコン基板に拡散しにくい。
ここで、アルカリ金属酸化物を実質的に含まないとは、アルカリ金属酸化物を全く含まないこと、またはアルカリ金属酸化物を製造上不可避的に混入した不純物として含んでいてもよいことを意味する。アルカリ金属酸化物としては、例えば、LiO、NaOおよびKOなどが挙げられる。
本発明の一態様のガラス基板のZnOの含有量は、酸化物基準のモル百分率表示で、0.1%以上であり、好ましくは0.5%以上であり、より好ましくは1%以上であり、最も好ましくは2%以上である。シリコン基板との熱膨張係数の差を少なくするためには、ガラス中に含まれるMgO、CaO、SrO、BaO、ZnOといった網目修飾酸化物(Network Modifier,NWM)の割合を減らすことが好ましい。
一方で、ガラス溶解時の粘性を低くしつつ、失透温度を下げて設備負荷を低減し製造特性を向上するためには、ガラス中に含まれる網目修飾酸化物の割合を増やすことが好ましい。本発明者らは鋭意検討の結果、ZnOは網目修飾酸化物のなかでもシリコン基板との熱膨張係数の差を大きくすることなく、製造特性を向上させることができる成分であることを見出した。ZnOの含有量が0.1%以上であれば、上記効果を十分に得ることができる。
また、ZnOの含有量は10%以下であることが好ましく、より好ましくは9%以下であり、さらに好ましくは8%以下である。ZnOの含有量を10%以下とすることにより、ZnOが起因となる結晶化を抑制することができる。
本発明の一態様のガラス基板は、酸化物基準のモル百分率表示で下記の組成であることが好ましい。
SiO :50%〜75%、
Al :6%〜16%、
:0%〜15%、
MgO :0%〜15%、
CaO :0%〜13%、
SrO :0%〜11%、
BaO :0%〜9.5%
SiOはガラスの骨格を形成する成分である。SiOの含有量は、50%以上が好ましく、55%以上がより好ましく、60%以上がさらに好ましく、65%以上が特に好ましい。SiOの含有量が50%以上であれば、耐熱性、化学的耐久性および耐候性が良好となる。またSiOの含有量は、75%以下が好ましく、72%以下がより好ましく、70%以下がさらに好ましく、67%以下が特に好ましい。SiOの含有量が75%以下であれば、ガラス溶解時の粘性が高くなり過ぎずに溶融性が良好となり、密度が大きくなる。
Alの含有量は、6%以上であることが好ましく、8%以上がより好ましく、11%以上がさらに好ましい。Alの含有量が6%以上であれば、シリコン基板との熱膨張係数の差が小さくなり、耐候性、耐熱性および化学的耐久性が良好となる。また、Alの含有量は16%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、14%以下がさらに好ましく、13%以下が特に好ましい。Alの含有量が16%以下であれば、ガラス溶解時の粘性が高くなり過ぎずに溶融性が良好となり、失透しにくくなり、ヤング率を低下することができる。
は必須成分ではないが、含有することによりガラス溶解時の粘性が高くなり過ぎずに溶融性が良好となり、失透しにくくなる。また、Bを含有する場合、その含有量は、3%以上が好ましく、4%以上がより好ましい。Bの含有量は、15%以下が好ましく、12%以下がより好ましく、6%以下がさらに好ましい。Bの含有量が15%以下であれば、ガラス転移温度を高くすることができ、ヤング率が高くなる。
MgOは必須成分ではないが、含有することによりガラス溶解時の粘性が高くなり過ぎずに溶融性が良好となり、耐候性が向上し、ヤング率が高くなる。MgOを含有する場合、その含有量は、2%以上が好ましく、3%以上がより好ましく、4%以上がさらに好ましい。MgOの含有量は、15%以下が好ましく、9.5%以下がより好ましく、9%以下がさらに好ましい。MgOの含有量が、15%以下であれば、失透しにくくなる。
CaOは必須成分ではないが、含有することによりガラス溶解時の粘性が高くなり過ぎずに溶融性が良好となり、耐候性が向上する。CaOを含有する場合、その含有量は、0.5%以上が好ましく、1%以上がより好ましく、3%以上がさらに好ましい。また、CaOの含有量は13%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、9%以下がさらに好ましく、8%以下が特に好ましい。CaOの含有量が13%以下であれば、失透しにくくなり、ヤング率を低下することができる。
SrOは必須成分ではないが、含有することによりガラス溶解時の粘性が高くなり過ぎずに溶融性が良好となり、耐候性が向上する。SrOを含有する場合、その含有量は、0.5%以上が好ましく、1%以上がより好ましい。また、SrOの含有量は、11%以下が好ましく、9%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましい。SrOの含有量が11%以下であれば、失透しにくくなる。
BaOは必須成分ではないが、含有することによりガラス溶解時の粘性が高くなり過ぎずに溶融性が良好となり、耐候性が向上し、密度を大きくすることができる。BaOを含有する場合、その含有量は0.5%以上が好ましく、1%以上がより好ましい。BaOの含有量は、9.5%以下が好ましく、8%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましい。BaOの含有量が9.5%以下であれば、失透しにくくなる。
本発明の一態様のガラス基板は、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量(RO)が10%以上であることが好ましく、12%以上がより好ましく、14%以上がさらに好ましく、15%以上が特に好ましい。
ROが10%以上であることにより、ガラス溶解時の粘性を低くしつつ、失透温度を下げて設備負荷を低減し製造特性を向上することができる。また、ROは23%以下であることが好ましく、21%以下であることがより好ましく、19%以下であることがさらに好ましい。ROが23%以下であれば、ガラス基板とシリコン基板との平均熱膨張係数を合わせやすい。
本発明の一態様のガラス基板の組成は、蛍光X線分析装置(XRF)、電子顕微鏡付属のエネルギー分散型X線分析装置(SEM−EDX)、電子線マイクロアナライザ(EPMA)など、一般的な組成分析装置で測定することができる。
本発明の一態様のガラス基板は、(Alの含有量)≧(MgOの含有量)が好ましい。(Alの含有量)≧(MgOの含有量)であれば、ガラス基板の平均熱膨張係数をシリコン基板の平均熱膨張係数に合わせやすく、シリコン基板とガラス基板を貼り合わせる熱処理工程で、シリコン基板に発生する残留歪が小さい。本発明の一態様のガラス基板は、ROが10%以上であり、かつ(Alの含有量)≧(MgOの含有量)であることが好ましい。
本発明の一態様のガラス基板は、CMOSセンサーのカバーガラスとして用いる場合に可視光を吸収しにくくするためには、酸化物基準の質量百万分率表示で、Feの含有量が、200ppm以下が好ましく、150ppm以下がより好ましく、100ppm以下がさらに好ましく、50ppm以下が特に好ましい。
本発明の一態様のガラス基板は、熱伝導率を高くし、溶融性を良好とするためには、酸化物基準の質量百万分率表示で、Feを、200ppmを超えて1000ppm以下含有することが好ましい。Feの含有量が200ppmを超えていれば、ガラス基板の熱伝導率を高くし、溶融性を良好とすることができる。Feの含有量が1000ppm以下であれば、可視光の吸収が強くなり過ぎない。
Feの含有量は300ppm以上がより好ましく、400ppm以上がさらに好ましく、500ppm以上が特に好ましい。Feの含有量は800ppm以下がより好ましく、700ppm以下がさらに好ましく、600ppm以下が特に好ましい。
本発明の一態様のガラス基板は、清澄剤として、例えば、SnO、SO、Cl、およびFなどを含有させてもよい。
本発明の一態様のガラス基板は、耐候性、溶解性、失透性、紫外線遮蔽、赤外線遮蔽、紫外線透過、赤外線透過等の改善のために、例えば、LiO、WO、Nb、V、Bi、MoO、P、Ga、I、InおよびGe等を含有させてもよい。
本発明の一態様のガラス基板は、ガラスの化学的耐久性向上のため、ガラス中にZrO、Y、La、TiOおよびSnOを合量で2%以下含有させてもよく、好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下で含有させる。これらのうちY、LaおよびTiOは、ガラスのヤング率向上にも寄与する。
本発明の一態様のガラス基板は、環境負荷を考慮すると、AsおよびSbを実質的に含有しないことが好ましい。
本発明の一態様のガラス基板は、ヤング率が、76GPa以上が好ましく、78GPa以上がより好ましく、80GPa以上がさらに好ましく、82GPa以上が特に好ましい。ヤング率が76GPa以上であれば、ガラス基板を製造する際の徐冷工程において発生するガラス基板の反りや割れを抑制することができる。また、シリコン基板や周辺部材等との接触による破損を抑制することができる。
また、ヤング率は、100GPa以下が好ましく、90GPa以下がより好ましく、87GPa以下がさらに好ましい。ヤング率が100GPa以下であれば、ガラスが脆くなる事を抑制し、ガラス基板の切削、ダイシング時の欠けを抑えることができる。
本発明の一態様のガラス基板は、厚さが、1.0mm以下が好ましく、0.8mm以下がより好ましく、0.7mm以下がさらに好ましく、0.5mm以下が特に好ましい。厚さが1.0mm以下であれば、イメージセンサを小型にすることができる。
また、厚さは、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましく、0.3mm以上がさらに好ましい。厚さが0.1mm以上であれば、シリコン基板や周辺部材等との接触による破損を抑制することができる。また、ガラス基板の自重たわみを抑えることができる。
本発明の一態様のガラス基板は、一の主表面の面積が、0.03m以上が好ましく、0.04m以上がより好ましく、0.05m以上がさらに好ましい。一の主表面の面積が0.03m以上であれば、大面積のシリコン基板を用いることができ、一枚の積層基板から多数のイメージセンサを製造することができる。
また、一の主表面の面積は、0.1m以下が好ましい。一の主表面の面積が0.1m以下であればガラス基板の取り扱いが容易になり、シリコン基板や周辺部材等との接触による破損を抑制することができる。一の主表面の面積は、0.08m以下がより好ましく、0.06m以下がさらに好ましい。
本発明の一態様のガラス基板は、ガラス基板に含まれる欠点の密度が1個/cm以下が好ましく、0.1個/cm以下がより好ましく、0.01個/cm以下がさらに好ましい。ガラス基板に含まれる欠点とは、ガラス基板の表面や内部に存在する泡、キズ、白金等の金属異物、および未溶融原料などであり、大きさが1mm以下、0.5μm以上のものを指す。欠点が1mmより大きければ、目視で容易に判別でき、欠点を有する基板の除外は容易である。欠点が0.5μmより小さければ、欠点が十分に小さいため、CMOSセンサーやLCOSのカバーガラスとして適用した場合でも素子の特性に影響を及ぼす恐れが無い。
従来の半導体組立工程では、ガラス基板を切断した後に組立工程を行っていたため、ガラス基板に欠点があった場合、組立工程の初期で欠点がある基板を除外できた。一方でウェハレベルパッケージでは、組立工程の最後に積層基板の個片化を行うため、ガラス基板に欠点があった場合、欠点があるガラス基板を除外できるのは組立工程の最後となる。このようにウェハレベルパッケージでは、ガラス基板の欠点の密度が増加した場合のコスト増加が大きくなるため、高品質の欠点管理が求められる。
本発明の一態様のガラス基板の形状は特に限定されず、円形であっても楕円形であっても矩形であってもよい。貼り合わせるシリコン基板の形に合わせるために、ガラス基板の端にノッチやオリフラがあってもよい。ガラス基板が円形の場合、ガラス基板の外周の一部が直線であってもよい。
本発明の一態様のガラス基板は、下記式(1)で表される値が、2.70以上が好ましく、2.80以上がより好ましく、2.90以上がさらに好ましく、2.91以上が特に好ましく、2.92以上が最も好ましい。また、下記式(1)で表される値が3.20以下であることが好ましく、3.10以下がより好ましく、3.00以下がさらに好ましく、2.96以下が特に好ましく、2.94以下が最も好ましい。
式(1):
0.0177×(SiOの含有量)−0.0173×(Alの含有量)+0.0377×(Bの含有量)+0.0771×(MgOの含有量)+0.1543×(CaOの含有量)+0.1808×(SrOの含有量)+0.2082×(BaOの含有量)+0.0396×(ZnOの含有量)+0.0344×(12.3+log1060−log10η)
本発明の一態様のガラス基板は、下記式(2)で表される値が、3.13以上であることが好ましく、3.23以上がより好ましく、3.33以上がさらに好ましく、3.34以上が特に好ましく、3.35以上が最も好ましい。また、下記式(2)で表される値が3.63以下が好ましく、3.53以下がより好ましく、3.43以下がさらに好ましく、3.41以下が特に好ましく、3.38以下が最も好ましい。
式(2):
0.0181×(SiOの含有量)+0.0004×(Alの含有量)+0.0387×(Bの含有量)+0.0913×(MgOの含有量)+0.1621×(CaOの含有量)+0.1900×(SrOの含有量)+0.2180×(BaOの含有量)+0.0424×(ZnOの含有量)+0.0391×(12.3+log1060−log10η)
本発明の一態様のガラス基板は、下記式(3)で表される値が、3.45以上であることが好ましく、3.55以上がより好ましく、3.65以上がさらに好ましく、3.66以上が特に好ましく、3.68以上が最も好ましい。また、下記式(3)で表される値が、3.95以下であることが好ましく、3.85以下がより好ましく、3.73以下がさらに好ましく、3.65以下が特に好ましく、3.71以下が最も好ましい。
式(3):
0.0177×(SiOの含有量)+0.0195×(Alの含有量)+0.0323×(Bの含有量)+0.1015×(MgOの含有量)+0.1686×(CaOの含有量)+0.1990×(SrOの含有量)+0.2179×(BaOの含有量)+0.0493×(ZnOの含有量)+0.0312×(12.3+log1060−log10η)
本発明の一態様のガラス基板は、下記式(4)で表される値が1.20以上であることが好ましく、1.24以上がさらに好ましい。また、下記式(4)で表される値が、1.30以下であることが好ましく、1.27以下がより好ましく、1.26以下がさらに好ましい。
式(4):
0.0111×(SiOの含有量)+0.0250×(Alの含有量)+0.0078×(Bの含有量)+0.0144×(MgOの含有量)+0.0053×(CaOの含有量)+0.0052×(SrOの含有量)+0.0013×(BaOの含有量)+0.0121×(ZnOの含有量)−0.0041×(12.3+log1060−log10η)
本発明の一態様のガラス基板は、上記式(1)で表される値が2.70〜3.20であり、上記式(2)で表される値が3.13〜3.63であり、上記式(3)で表される値が3.45〜3.95であり、上記式(4)で表される値が1.20〜1.30であることが好ましい。
ここで、SiOの含有量、Alの含有量、Bの含有量、MgOの含有量、CaOの含有量、SrOの含有量、BaOおよびZnOの含有量は、得られたガラスに含有される各成分の含有量、ηは仮想粘度(単位:dPa・s)である。
ガラスの仮想粘度(η)は下記(式)[G.W.Scherer,Relaxation in Glass and Composites,Wiley,New York(1986),p.159]にて算出することができる。
log10η=12.3−log10|q|
ここで、ηの単位はdPa・s、qは想定冷却速度で単位は℃/sである。想定冷却速度qは、次の方法によりガラス基板から求められる。厚さ1mm以下の一枚のガラス基板から複数のガラス板個片を切り出す。たとえばガラス板個片として1センチメートル角の個片を切り出す。切り出した複数のガラス板個片を、それぞれ、様々な冷却速度Vにて熱処理、冷却し、それぞれのガラス板個片の物性値を測定する。冷却開始温度は冷却速度の影響を受けない十分高い温度が好ましい。典型的にはTg+50℃〜+150℃程度が好ましい。
測定を実施する物性値は、特に制限はないが、密度や、密度と密接な関係にある物性値(例えば屈折率)などが好ましい。x軸に冷却速度(log10V)をとって、y軸にそれぞれの熱処理を施したガラス板個片の物性値をとり検量線Aを作成する。熱処理を実施していないガラス板個片の物性値から、作成した検量線Aにより、そのガラス基板の想定冷却速度qが求められる。
本発明の一態様のガラス基板は、フッ酸水溶液(HF)に対する重量減少量(以下、HF重量減少量とも記す)が0.05(mg/cm)/分以上が好ましく、0.07(mg/cm)/分以上がより好ましく、0.09(mg/cm)/分以上がさらに好ましく、0.11(mg/cm)/分以上が特に好ましい。また、HF重量減少量は、0.20(mg/cm)/分以下が好ましく、0.18(mg/cm)/分以下がより好ましく、0.16(mg/cm)/分以下がさらに好ましく、0.14(mg/cm)/分以下が特に好ましい。ここで、HF重量減少量とは、ガラス基板を25℃、5質量%フッ酸水溶液に浸漬した際の、単位面積および単位時間当たりの減少量[(mg/cm)/分]である。
本発明の一態様のガラス基板は、シリコン基板と貼り合わせた後、そのままデバイスの一部として組み込まれる場合がある。例えば、ガラス基板は、カバーガラスとしてデバイスの中に組み込まれる。このような場合、デバイスを小型化するために、ガラス基板をスリミングすることが好ましい。そのため、本発明の一態様のガラス基板は、スリミングレートが高い方が好ましい。ガラス基板のスリミングレートの指標として、HF重量減少量を用いることができる。
HF重量減少量が0.05(mg/cm)/分以上であれば、スリミング工程の生産性が良好になり好ましい。HF重量減少量が0.20(mg/cm)/分以下であれば、スリミング工程でガラス基板に生じる、エッチング深さが不均一となってガラス基板表面の平滑性が損なわれるなどの不良を防止できるため好ましい。
また、本発明の一態様のガラス基板は、プロジェクション用途のディスプレイデバイス、例えばLCOSのカバーガラスとして適用できる。このような場合に、ガラス基板の光弾性定数が高いと、デバイスのパッケージング工程やデバイス使用時に発生する応力によってガラス基板が複屈折性を有してしまう。その結果、デバイスに入射した光に色変化が生じ、色ムラなどの画質不良が生じる恐れがある。
このような画質不良を防ぐため、本発明の一態様のガラス基板は、光弾性定数が31nm/(MPa・cm)以下が好ましく、30.5nm/(MPa・cm)以下がより好ましく、30nm/(MPa・cm)以下がさらに好ましく、29.5nm/(MPa・cm)以下が特に好ましい。
また、本発明の一態様のガラス基板のα線放出量は、0.5C/cm・h以下が好ましく、0.3C/cm・h以下がより好ましく、0.1C/cm・h以下が特に好ましく、0.05C/cm・h以下が最も好ましい。なお、単位のCはカウント数の意味である。
例えば、本発明の一態様のガラス基板をイメージセンサなどの素子のカバーガラスに適用する。この場合、ガラス基板から発生するα線がイメージセンサなどの素子に入射すると、α線のエネルギーによって正孔−電子対が誘起され、これが原因となって瞬間的に画像に輝点や白点が生じるソフトエラーが起こるおそれがある。
そこで、α線放出量の少ないガラス基板を用いることで、このような不具合を防止しやすくなる。なお、ガラス基板の原料として、放射性同位元素の含有量が少なく、α線放出量の少ない高純度原料を使用すれば、α線放出量を低減することができる。
また、ガラスの溶解・清澄工程において、放射性同位元素がガラス製造設備の炉材などから溶融ガラス中に混入しないようにすれば、α線放出量を効果的に低減することができる。「α線放出量」は、ガスフロー比例計数管測定装置等で測定することができる。
本発明の一態様の積層基板は、上記したガラス基板と、シリコン基板とが積層されて形成される。シリコン基板とガラス基板との熱膨張係数の差が小さいため、シリコン基板とガラス基板を貼り合わせる熱処理工程で、シリコン基板に発生する残留歪が小さい。また、積層基板は、例えば樹脂を間に挟んで、ガラス基板とシリコン基板を貼り合わせることで得られる。
このとき、樹脂の厚さや樹脂の熱膨張係数、貼り合わせ時の熱処理温度などが積層基板全体の反りに影響し得る。本発明の一態様の積層基板は、上述したような本発明の一態様のガラス基板のように熱膨張係数をコントロールすることで積層基板全体の反りを低減できるため、樹脂の厚さや樹脂の熱膨張係数、貼り合わせ時の熱処理温度などのプロセスマージンを広げることができる。本発明の一態様の積層基板には、上述した本発明のガラス基板を適用できる。
次に、本発明の一態様のガラス基板の製造方法について説明する。本発明の一態様のガラス基板を製造する場合、ガラス原料を加熱して溶融ガラスを得る溶解工程、溶融ガラスから泡を除く清澄工程、溶融ガラスを板状にしてガラスリボンを得る成形工程、およびガラスリボンを室温状態まで徐冷する徐冷工程を経る。
溶解工程は、得られるガラス板の組成となるように原料を調製し、原料を溶解炉に連続的に投入し、好ましくは1450℃〜1650℃程度に加熱して溶融ガラスを得る。
原料には酸化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、塩化物などのハロゲン化物なども使用できる。溶解や清澄工程で溶融ガラスが白金と接触する工程がある場合、微小な白金粒子が溶融ガラス中に溶出し、得られるガラス板中に異物として混入してしまう場合があるが、硝酸塩原料の使用はこの白金異物の溶出を防止する効果がある。
硝酸塩としては、硝酸ストロンチウム、硝酸バリウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウムなどを使用できる。硝酸ストロンチウムを使用することがより好ましい。原料粒度も溶け残りが生じない程度の数百ミクロンの大きな粒径の原料から、原料搬送時の飛散が生じない、二次粒子として凝集しない程度の数ミクロン程度の小さな粒径の原料まで適宜使用できる。造粒体の使用も可能である。原料の飛散を防ぐために原料含水量も適宜調整可能である。β−OH、Feの酸化還元度またはレドックス[Fe2+/(Fe2++Fe3+)]などの溶解条件も適宜調整、使用できる。
次に、清澄工程は、上記溶解工程で得られた溶融ガラスから泡を除く工程である。清澄工程としては、減圧による脱泡法を適用してもよい。また、本発明におけるガラス基板は、清澄剤としてSOやSnOを用いることができる。SO源としては、Al、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素の硫酸塩が好ましく、アルカリ土類金属の硫酸塩がより好ましく、中でも、CaSO・2HO、SrSO、およびBaSOが、泡を大きくする作用が著しく、特に好ましい。
減圧による脱泡法における清澄剤としてはClやFなどのハロゲンを使用するのが好ましい。Cl源としては、Al、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素の塩化物が好ましく、アルカリ土類金属の塩化物がより好ましく、中でも、SrCl・6HO、およびBaCl・2HOが、泡を大きくする作用が著しく、かつ潮解性が小さいため、特に好ましい。F源としては、Al、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれた少なくとも1種の元素のフッ化物が好ましく、アルカリ土類金属のフッ化物がより好ましく、中でも、CaFがガラス原料の溶解性を大きくする作用が著しく、より好ましい。
次に、成形工程は、上記清澄工程で泡を除いた溶融ガラスを板状にしてガラスリボンを得る工程である。成形工程としては、例えば、溶融ガラスを溶融金属上に流して板状にしてガラスリボンを得るフロート法が適用される。
次に、徐冷工程は、上記成形工程で得られたガラスリボンを室温状態まで徐冷する工程である。徐冷工程としては、ガラスリボンを、粘度が1013dPa・sとなる温度から1014.5dPa・sとなる温度になるまでの平均冷却速度がRとなるように室温状態まで徐冷する。徐冷したガラスリボンを切断後、ガラス基板を得る。
本発明の一態様のガラス基板の製造方法では、得られるガラス基板の組成は、酸化物基準のモル百分率表示で、下記の組成である。
SiO :50%〜75%、
Al :6%〜16%、
:0%〜15%、
MgO :0%〜15%、
CaO :0%〜13%、
SrO :0%〜11%、
BaO :0%〜9.5%、
ZnO :0.1%〜10%
また、本発明の一態様のガラス基板の製造方法では、得られるガラス基板の組成と、徐冷工程におけるガラスリボンの粘度が1013dPa・sとなる温度から1014.5dPa・sとなる温度になるまでの平均冷却速度R(単位:℃/分)とが、次の条件(1)〜条件(4)を満たす。
条件(1):
0.0177×(SiOの含有量)−0.0173×(Alの含有量)+0.0377×(Bの含有量)+0.0771×(MgOの含有量)+0.1543×(CaOの含有量)+0.1808×(SrOの含有量)+0.2082×(BaOの含有量)+0.0396×(ZnOの含有量)+0.0344×log10Rが2.70〜3.20
条件(2):
0.0181×(SiOの含有量)+0.0004×(Alの含有量)+0.0387×(Bの含有量)+0.0913×(MgOの含有量)+0.1621×(CaOの含有量)+0.1900×(SrOの含有量)+0.2180×(BaOの含有量)+0.0424×(ZnOの含有量)+0.0391×log10Rが3.13〜3.63
条件(3):
0.0177×(SiOの含有量)+0.0195×(Alの含有量)+0.0323×(Bの含有量)+0.1015×(MgOの含有量)+0.1686×(CaOの含有量)+0.1990×(SrOの含有量)+0.2179×(BaOの含有量)+0.0493×(ZnOの含有量)+0.0312×log10Rが3.45〜3.95
条件(4)
0.0111×(SiOの含有量)+0.0250×(Alの含有量)+0.0078×(Bの含有量)+0.0144×(MgOの含有量)+0.0053×(CaOの含有量)+0.0052×(SrOの含有量)+0.0013×(BaOの含有量)+0.0121×(ZnOの含有量)−0.0041×log10Rが1.20〜1.30
上記条件(1)で表される値は2.80以上がより好ましく、2.90以上がさらに好ましい。また、上記条件(1)で表される値は、3.10以下がより好ましく、3.00以下がさらに好ましい。
上記条件(2)で表される値は3.23以上がより好ましく、3.33以上がさらに好ましい。また、上記条件(2)で表される値は3.53以下がより好ましく、3.43以下がさらに好ましい。
上記条件(3)で表される値は3.55以上がより好ましく、3.65以上がさらに好ましい。また、上記条件(3)で表される値は3.85以下がより好ましく、3.75以下がさらに好ましい。
上記条件(4)で表される値は1.22以上がより好ましく、1.24以上がさらに好ましい。また、上記条件(4)で表される値は1.27以下がより好ましく、1.26以下がさらに好ましい。
上記条件(1)〜条件(4)で表される値を上記範囲とすることで、シリコン基板との熱膨張係数の差が小さいガラス基板を製造することができる。
本発明は上記実施形態に限定されない。本発明の目的を達成できる範囲での変形や改良等は本発明に含まれる。
例えば、本発明の一態様のガラス基板を製造する場合、成形工程で、フュージョン法やプレス成形法などを適用して溶融ガラスを板状にしてもよい。
また、本発明の一態様のガラス基板を製造する場合、白金坩堝を用いてもよい。白金坩堝を用いた場合、溶解工程は、得られるガラス基板の組成となるように原料を調製し、原料を入れた白金坩堝を電気炉に投入し、好ましくは1450℃〜1650℃程度に加熱して白金スターラーを挿入し1時間〜3時間撹拌し溶融ガラスを得る。
成形工程は、溶融ガラスを例えばカーボン板上に流し出し板状にする。徐冷工程は、板状のガラスを室温状態まで徐冷し、切断後、ガラス基板を得る。
また、切断して得られたガラス基板を、例えばTg+50℃程度となるように加熱した後、室温状態まで徐冷してもよい。このようにすることで、仮想粘度ηを調節することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。
表1に示すガラス組成となるように珪砂等の各種のガラス原料を調合し、該目標組成の原料100%に対し、酸化物基準の質量百分率表示で、硫酸塩をSO換算で0.1%〜1%、Fを0.16%、Clを1%添加し、白金坩堝を用いて1550℃〜1650℃の温度で3時間加熱し溶融した。溶融にあたっては、白金スターラーを挿入し1時間攪拌しガラスの均質化を行った。次いで溶融ガラスを流し出し、板状に成形後、板状のガラスをTg+50℃程度の温度の電気炉に入れ、冷却速度R(℃/分)で電気炉を降温させ、ガラスが室温になるまで冷却した。
得られたガラスについて、下記式(1)〜(4)から求められる値、平均熱膨張係数(単位:ppm/℃)、密度(単位:g/cm)、ヤング率(単位:GPa)、および失透温度(単位:℃)を測定した。結果を表1に示す。表1において、括弧内の数値は計算値であり、空欄は未測定であることを示す。
式(1):0.0177×(SiOの含有量)−0.0173×(Alの含有量)+0.0377×(Bの含有量)+0.0771×(MgOの含有量)+0.1543×(CaOの含有量)+0.1808×(SrOの含有量)+0.2082×(BaOの含有量)+0.0396×(ZnOの含有量)+0.0344×(12.3+log1060−log10η)
式(2):0.0181×(SiOの含有量)+0.0004×(Alの含有量)+0.0387×(Bの含有量)+0.0913×(MgOの含有量)+0.1621×(CaOの含有量)+0.1900×(SrOの含有量)+0.2180×(BaOの含有量)+0.0424×(ZnOの含有量)+0.0391×(12.3+log1060−log10η)
式(3):0.0177×(SiOの含有量)+0.0195×(Alの含有量)+0.0323×(Bの含有量)+0.1015×(MgOの含有量)+0.1686×(CaOの含有量)+0.1990×(SrOの含有量)+0.2179×(BaOの含有量)+0.0493×(ZnOの含有量)+0.0312×(12.3+log1060−log10η)
式(4):0.0111×(SiOの含有量)+0.0250×(Alの含有量)+0.0078×(Bの含有量)+0.0144×(MgOの含有量)+0.0053×(CaOの含有量)+0.0052×(SrOの含有量)+0.0013×(BaOの含有量)+0.0121×(ZnOの含有量)−0.0041×(12.3+log1060−log10η)
なお、表中のかっこ書きした値は、計算により求めたものである。ガラス中のFe残存量は酸化物基準の質量百万分率表示で50ppm〜200ppm、SO残存量は酸化物基準の質量百万分率表示で10ppm〜100ppmであった。以下に各物性の測定方法を示す。
(平均熱膨張係数)
JIS R3102(1995年)に規定されている方法に従い、示差熱膨張計(TMA)を用いて測定した。α50/100は測定温度範囲が50℃〜100℃、α100/200は100℃〜200℃、およびα200/300は200℃〜300℃である。
ここで、単結晶シリコンの平均熱膨張係数は、50〜100℃においては2.94ppm/℃、100〜200℃においては3.37ppm/℃、200〜300℃においては3.69ppm/℃であった。
(密度)
泡を含まない約20gのガラス塊をアルキメデス法によって測定した。
(ヤング率)
厚さ0.5mm〜10mmのガラスについて、超音波パルス法により測定した。
(失透温度)
ガラスの失透温度は、白金製皿に粉砕されたガラス粒子を入れ、一定温度に制御された電気炉中で17時間熱処理を行い、熱処理後の光学顕微鏡観察によって、ガラスの内部に結晶が析出する最高温度と結晶が析出しない最低温度との平均値である。
Figure 2018025727
例1〜6、10は実施例であり、例7〜9は比較例である。実施例である例1〜6、10の本発明のガラス基板は、酸化物基準のモル百分率表示で、ZnOを0.1%〜10%含有し、50℃〜100℃での平均熱膨張係数α50/100が2.70ppm/℃〜3.20ppm/℃であり、200℃〜300℃での平均熱膨張係数α200/300が3.45ppm/℃〜3.95ppm/℃であり、200℃〜300℃の平均熱膨張係数α200/300を50℃〜100℃の平均熱膨張係数α50/100で除した値α200/300/α50/100が、1.20〜1.30であるため、シリコン基板とガラス基板を貼り合せる熱処理工程において、シリコン基板に発生する残留歪が小さくなりやすい。
例7〜9のガラス基板は、ZnOの含有量、α50/100、α200/300、α200/300/α50/100のいずれか一の範囲が本発明のガラス基板に関する範囲を逸脱する。そのため、シリコン基板とガラス基板を貼り合せる熱処理工程において、シリコン基板に発生する残留歪が大きくなりやすい。
本発明を特定の態様を参照して詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を離れることなく様々な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。なお、本出願は、2016年8月5日付けで出願された日本特許出願(特願2016−154683)に基づいており、その全体が引用により援用される。また、ここに引用されるすべての参照は全体として取り込まれる。
本発明の一態様のガラス基板は、シリコン基板との熱膨張係数の差が小さいため、シリコン基板と貼り合わせる熱処理工程やその後の熱処理工程において、熱膨張係数の差に起因する残留歪の発生を抑制することができる。そのため、ウェハレベルパッケージによる素子の小型化が有効なMEMS、CMOSまたはCIS等のイメージセンサ用のガラス基板として好適である。
また、プロジェクション用途のディスプレイデバイス用のカバーガラス、例えばLCOSのカバーガラスとして好適である。例えば、LCOSやイメージセンサでは、シリコン基板上に電子回路を形成した後、接着材として樹脂やガラスフリットを用いて、シリコン基板にカバーガラスが接着される。発明に係るガラス基板はシリコン基板とカバーガラスの熱膨張係数の差が小さいので、デバイス製造時や使用時に温度が変化した際に接着界面に生じる応力が低減される。これにより、光弾性変形に起因する色ムラの低減や、長期信頼性の向上が期待できる。
さらに、本発明の一態様のガラス基板は、ガラスインターポーザ(GIP)の穴開け基板や、半導体バックグラインド用のサポートガラスとして好適である。また、本発明の一態様のガラス基板は、シリコン基板と貼り合わせて使うガラス基板用途であれば好適に使用できる。
10 シリコン基板
20 樹脂
30 積層基板
G1 ガラス基板

Claims (15)

  1. 酸化物基準のモル百分率表示で、ZnOを0.1%〜10%含有し、
    50℃〜100℃での平均熱膨張係数α50/100が2.70ppm/℃〜3.20ppm/℃であり、
    200℃〜300℃での平均熱膨張係数α200/300が3.45ppm/℃〜3.95ppm/℃であり、
    200℃〜300℃の平均熱膨張係数α200/300を50℃〜100℃の平均熱膨張係数α50/100で除した値α200/300/α50/100が、1.20〜1.30であるガラス基板である無アルカリガラス基板。
  2. 200℃〜300℃での平均熱膨張係数α200/300が3.55ppm/℃〜3.85ppm/℃である請求項1に記載の無アルカリガラス基板。
  3. 酸化物基準のモル百分率表示で、下記の組成である請求項1または2に記載の無アルカリガラス基板。
    SiO :50%〜75%、
    Al :6%〜16%、
    :0%〜15%、
    MgO :0%〜15%、
    CaO :0%〜13%、
    SrO :0%〜11%、
    BaO :0%〜9.5%
  4. 酸化物基準のモル百分率表示で、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量が10%以上、かつ(Alの含有量)≧(MgOの含有量)である請求項1〜3のいずれか1項に記載の無アルカリガラス基板。
  5. 100℃〜200℃での平均熱膨張係数α100/200が3.13ppm/℃〜3.63ppm/℃である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の無アルカリガラス基板。
  6. 酸化物基準の質量百万分率表示で、Feの含有量が200ppm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の無アルカリガラス基板。
  7. ヤング率が76GPa以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の無アルカリガラス基板。
  8. 半導体製造プロセス用支持基板およびカバーガラスの少なくとも一方に用いられる請求項1〜7のいずれか1項に記載の無アルカリガラス基板。
  9. 厚さが1.0mm以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載の無アルカリガラス基板。
  10. 一の主表面の面積が0.03m以上である請求項1〜9のいずれか1項に記載の無アルカリガラス基板。
  11. ガラス基板に含まれる0.5μm以上1mm以下の欠点の密度が、1個/cm以下である請求項1〜10のいずれか1項に記載の無アルカリガラス基板。
  12. 0.0177×(SiOの含有量)−0.0173×(Alの含有量)+0.0377×(Bの含有量)+0.0771×(MgOの含有量)+0.1543×(CaOの含有量)+0.1808×(SrOの含有量)+0.2082×(BaOの含有量)+0.0396×(ZnOの含有量)+0.0344×(12.3+log1060−log10η)が2.70〜3.20、
    0.0181×(SiOの含有量)+0.0004×(Alの含有量)+0.0387×(Bの含有量)+0.0913×(MgOの含有量)+0.1621×(CaOの含有量)+0.1900×(SrOの含有量)+0.2180×(BaOの含有量)+0.0424×(ZnOの含有量)+0.0391×(12.3+log1060−log10η)が3.13〜3.63、
    0.0177×(SiOの含有量)+0.0195×(Alの含有量)+0.0323×(Bの含有量)+0.1015×(MgOの含有量)+0.1686×(CaOの含有量)+0.1990×(SrOの含有量)+0.2179×(BaOの含有量)+0.0493×(ZnOの含有量)+0.0312×(12.3+log1060−log10η)が3.45〜3.95、および
    0.0111×(SiOの含有量)+0.0250×(Alの含有量)+0.0078×(Bの含有量)+0.0144×(MgOの含有量)+0.0053×(CaOの含有量)+0.0052×(SrOの含有量)+0.0013×(BaOの含有量)+0.0121×(ZnOの含有量)−0.0041×(12.3+log1060−log10η)が1.20〜1.30を満たす請求項1〜11のいずれか1項に記載の無アルカリガラス基板。
    [ここで、SiO、Al、B、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの含有量は、得られたガラスに含有される酸化物基準のモル百分率表示で表した含有量、ηは仮想粘度(単位:dPa・s)である。]
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の無アルカリガラス基板と、シリコン基板とが積層された積層基板。
  14. ガラス原料を加熱して溶融ガラスを得る溶解工程と、
    前記溶融ガラスを板状にしてガラスリボンを得る成形工程と、
    前記ガラスリボンを室温状態まで徐冷する徐冷工程と、を含み、
    酸化物基準のモル百分率表示で、得られるガラス基板の組成が下記の組成であり、
    SiO :50%〜75%、
    Al :6%〜16%、
    :0%〜15%、
    MgO :0%〜15%、
    CaO :0%〜13%、
    SrO :0%〜11%、
    BaO :0%〜9.5%、
    ZnO :0.1%〜10%
    前記得られるガラス基板の組成と、前記徐冷工程における前記ガラスリボンの粘度が1013dPa・sとなる温度から1014.5dPa・sとなる温度になるまでの平均冷却速度R(単位:℃/分)とが、次の条件(1)、条件(2)、条件(3)および条件(4)を満たす無アルカリガラス基板の製造方法。
    条件(1):
    0.0177×(SiOの含有量)−0.0173×(Alの含有量)+0.0377×(Bの含有量)+0.0771×(MgOの含有量)+0.1543×(CaOの含有量)+0.1808×(SrOの含有量)+0.2082×(BaOの含有量)+0.0396×(ZnOの含有量)+0.0344×log10Rが2.70〜3.20
    条件(2):
    0.0181×(SiOの含有量)+0.0004×(Alの含有量)+0.0387×(Bの含有量)+0.0913×(MgOの含有量)+0.1621×(CaOの含有量)+0.1900×(SrOの含有量)+0.2180×(BaOの含有量)+0.0424×(ZnOの含有量)+0.0391×log10Rが3.13〜3.63
    条件(3):
    0.0177×(SiOの含有量)+0.0195×(Alの含有量)+0.0323×(Bの含有量)+0.1015×(MgOの含有量)+0.1686×(CaOの含有量)+0.1990×(SrOの含有量)+0.2179×(BaOの含有量)+0.0493×(ZnOの含有量)+0.0312×log10Rが3.45〜3.95
    条件(4):
    0.0111×(SiOの含有量)+0.0250×(Alの含有量)+0.0078×(Bの含有量)+0.0144×(MgOの含有量)+0.0053×(CaOの含有量)+0.0052×(SrOの含有量)+0.0013×(BaOの含有量)+0.0121×(ZnOの含有量)−0.0041×log10Rが1.20〜1.30
    [条件(1)〜(4)において、SiO、Al、B、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの含有量は、得られたガラスに含有される酸化物基準のモル百分率表示で表した含有量である。]
  15. 前記成形工程において、フュージョン法またはプレス成形法で前記溶融ガラスを板状ガラスにする請求項14に記載の無アルカリガラス基板の製造方法。
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