JP2022011841A - 化粧シート及び化粧部材 - Google Patents

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Takashi Tominaga
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Abstract

【課題】紫外線と酸化チタンとの光触媒反応の影響による層間剥離の発生を低減することが可能な化粧シート及びその化粧シートを備えた化粧部材を提供する。【解決手段】本発明の一態様に係る化粧シート20は、着色熱可塑性樹脂層1と、プライマー層3と、透明接着性樹脂層4と、透明熱可塑性樹脂層5とをこの順に備え、着色熱可塑性樹脂層1は、表面スキン層11と中間層12と裏面スキン層13と、を備え、中間層12は、酸化チタンを含み、表面スキン層11と裏面スキン層13の各層は、酸化チタンを含まず、表面スキン層11と中間層12と裏面スキン層13の各層厚の比(表面スキン層11/中間層12/裏面スキン層13)は、1/4/1から1/10/1の範囲内である。【選択図】図1

Description

本発明は、化粧シート及び化粧部材に関する。
酸化チタンを含んだ単層着色印刷原反を備えた印刷用フィルムを備えた化粧シートに関する技術としては、例えば、特許文献1に記載した技術がある。
酸化チタンを含んだ単層着色印刷原反においては、紫外線と単層着色印刷原反に含まれる酸化チタンとが光触媒反応を起こすことがある。そして、その影響により、酸化チタンを含んだ単層着色印刷原反を備えた印刷用フィルム自体が劣化したり、その印刷用フィルムを備えた化粧シートにおいては、印刷用フィルムに接する印刷インキ層やプライマー層の劣化が誘発されたりすることがある。また、その化粧シートを屋外で使用した場合に、透明接着性樹脂層と透明熱可塑性樹脂層とを含む透明フィルム層と、印刷用フィルムとが層間剥離することもある。つまり、従来技術の、酸化チタンを含んだ単層着色印刷原反を備えた化粧シート及びその化粧シートを備えた化粧部材には、耐候性が十分でないものがある。
特開2019-59180号公報
本発明は上述の問題点に対し、紫外線と酸化チタンとの光触媒反応の影響による層間剥離の発生を低減することが可能な化粧シート、即ち優れた耐候性を備えた化粧シート、及びその化粧シートを備えた化粧部材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る化粧シートは、基材と、プライマー層と、透明接着性樹脂層と、透明熱可塑性樹脂層とをこの順に備えた化粧シートであって、前記基材は、着色熱可塑性樹脂層と、前記着色熱可塑性樹脂層の一方の面に形成された第一の透明熱可塑性樹脂層と、前記着色熱可塑性樹脂層の他方の面に形成された第二の透明熱可塑性樹脂層と、を備え、前記着色熱可塑性樹脂層は、酸化チタンを含み、前記第一の透明熱可塑性樹脂層と前記第二の透明熱可塑性樹脂層の各層は、酸化チタンを含まず、前記第一の透明熱可塑性樹脂層と前記着色熱可塑性樹脂層と前記第二の透明熱可塑性樹脂層の各層厚の比(第一の透明熱可塑性樹脂層/着色熱可塑性樹脂層/第二の透明熱可塑性樹脂層)は、1/4/1から1/10/1の範囲内であることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、紫外線と酸化チタンとの光触媒反応の影響による層間剥離の発生を低減することが可能な化粧シート、即ち優れた耐候性を備えた化粧シート、及びその化粧シートを備えた化粧部材を提供することができる。
本発明の実施形態に係る化粧シート及び化粧部材の構成を示す断面概略図である。
以下、本発明のある実施形態に係る化粧シート及び化粧部材について、図面を参照しつつ説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識を基に設計の変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた形態も、本発明の範囲に含まれる。また、各図面は、理解を容易にするため適宜誇張して表現している場合がある。また、各図面において、「表面」とは、化粧シートの基材における一方の面(表面、おもて面)を基準として、同じ向きの面を各層の「表面」とし、各層の「表面」と反対側の面(他方の面)を「裏面」と称する。
(化粧シート)
図1に示すように、本発明の実施形態に係る化粧シート20は、着色熱可塑性樹脂層(基材)1と、絵柄層2と、プライマー層3と、透明接着性樹脂層4と、透明熱可塑性樹脂層5と、表面保護層6とがこの順で積層されている。具体的には、化粧シート20は、着色熱可塑性樹脂層1と、着色熱可塑性樹脂層1の表面1a側に設けられた絵柄層2と、絵柄層2の表面2a側に設けられたプライマー層3と、プライマー層3の表面3a側に設けられた透明接着性樹脂層4と、透明接着性樹脂層4の表面4a側に設けられた透明熱可塑性樹脂層5と、透明熱可塑性樹脂層5の表面5a側に設けられた表面保護層6とを備える。更に、化粧シート20は、着色熱可塑性樹脂層1の裏面1b側にプライマー層7が設けられている。化粧シート20の厚さは40μm以上300μm以下が好ましい。
また、透明熱可塑性樹脂層5の表面5aには、エンボス加工により形成された凹凸模様8が設けられている。凹凸模様8としては、例えば、絵柄層2の絵柄と同調した模様を用いてもよいし、絵柄と非同調の模様を用いてもよい。凹凸模様8の凹凸の深さは、耐汚染性能や触感性能等の面から、10μm以下が好ましい。
(着色熱可塑性樹脂層)
本実施形態に係る着色熱可塑性樹脂層1は、例えば、表面スキン層(第一の透明熱可塑性樹脂層)11、中間層(着色熱可塑性樹脂層)12、裏面スキン層(第二の透明熱可塑性樹脂層)13をこの順に積層したもの、所謂2種3層の積層体である。
以下、上述した各層の構成について詳しく説明する。
[中間層]
本実施形態に係る中間層12は、着色熱可塑性樹脂層1の基材となる層である。中間層12を構成する材料としては特に限定されるものではなく、例えば、オレフィン系熱可塑性樹脂を用いることができる。オレフィン系熱可塑性樹脂のなかでも、特にエチレン・メタクリル酸共重合体が好ましく、例えば、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体をZnの金属イオンで、部分的に中和(中和度 50モル%)した材料が好ましい。つまり、本実施形態に係る中間層12は、アイオノマー樹脂で形成されていてもよい。また、本実施形態に係る中間層12は、ポリプロピレン(PP)樹脂で形成されていてもよい。
中間層12は、着色顔料として酸化チタンを少なくとも含んでいればよい。中間層12に含まれる酸化チタンの含有量は、中間層12を構成する樹脂成分100質量部に対し、10質量部以上50質量部以下の範囲内であればよく、20質量部以上40質量部以下の範囲内であればより好ましく、25質量部以上35質量部以下の範囲内であればさらに好ましい。酸化チタンの含有量が10質量部に満たないと、中間層12における着色が十分でなく中間層12に十分な隠蔽性を付与することができない場合がある。また、酸化チタンの含有量が50質量部を超えると、中間層12を構成する樹脂成分の割合が相対的に低下するため、中間層12に印刷に必要な強度を付与することができない場合がある。
中間層12に含まれる酸化チタンの平均粒径(D50)は、10nm以上100nm以下の範囲内であれば好ましい。
中間層12の厚さは、表面スキン層11及び裏面スキン層13の各厚さに対して4倍以上10倍以下の範囲内であればよい。つまり、表面スキン層11と中間層12と裏面スキン層13の各層厚の比(表面スキン層11/中間層12/裏面スキン層13)は、1/4/1から1/10/1の範囲内であればよい。中間層12の厚さが上記数値範囲内であれば、着色熱可塑性樹脂層1(中間層12)自体に高い隠蔽性を付与することができる。
中間層12の厚さは、例えば、10μm以上250μm以下の範囲内であってもよく、30μm以上100μm以下の範囲内であればより好ましく、40μm以上60μm以下の範囲内であればさらに好ましい。中間層12の厚さが上記数値範囲内であれば、着色熱可塑性樹脂層1(中間層12)自体に高い隠蔽性を付与することができる。
また、中間層12は、紫外線吸収剤を含んでいてもよい。中間層12に含まれる紫外線吸収剤の含有量は、中間層12を構成する樹脂成分100質量部に対し、0.001質量部以上10質量部以下の範囲内であればよく、0.05質量部以上5質量部以下の範囲内であればより好ましく、0.5質量部以上3質量部以下の範囲内であればさらに好ましい。紫外線吸収剤の含有量が0.001質量部に満たないと、中間層12における紫外線の吸収性能が十分でなく中間層12に十分な耐久性を付与することができない場合がある。また、紫外線吸収剤の含有量が10質量部を超えると、中間層12を構成する樹脂成分の割合が相対的に低下するため、中間層12に粉拭き等が発生し、印刷に必要な強度を付与することができない場合、あるいは製膜自体ができない場合ある。
本実施形態で使用可能な紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシフェニルトリアジン系、ベンゾフェノン系などが使用できる。
ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ第三ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾ-ル、2-(2’-ヒドロキシ-3’-第三ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾ-ル、2-(2’-ヒドロキシ-5’-第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2,2’-メチレンビス(4-第三オクチル-6-(ベンゾトリアゾリル)フェノール)、2-(2’-ヒドロキシ-3’-第三ブチル-5’-カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられるが、これに限るものではない。
また、中間層12に添加する紫外線吸収剤として、ヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤を選定すれば、トリアジン骨格がブリードを抑制すること、またトリアジン骨格がベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤やベンゾフェノン系の紫外線吸収剤の骨格と比較して化学的に安定であることなどにより、長期に亘る紫外線吸収性能を保持することが可能となる。
ヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤としては、例えば、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、2-(2ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]-フェノール、2-〔4-[(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル〕-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-エチル-ヘキサノイックアシッド、2-[4-(4,6-ジフェニル-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-3-ヒドロキシ-フェノキシ]-エチルエステル、オクタノイックアシッド、2-[4-(4,6-ジフェニル-[1,3,5]トリアジン-2-イル)-3-ヒドロキシ-フェノキシ]-エチルエステル、2,4,6-トリス{2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)}-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-ブチルオキシフェニル)-6-(2,4-ビス-ブチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-イソ-オクチルオキシフェニル)-s-トリアジン、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-ブチルオキシフェニル)-6-(2,4-ビス-ブチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。本実施形態においては、中間層12に、2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジンを含有させてもよい。
さらに、紫外線吸収剤として、ヒドロキシフェニルトリアジン系とベンゾトリアゾール系のものを併用することで、その相互作用により、更に優れた耐候性能を付与することができる。これは、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤が、ヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤よりも、更に長波長側に吸収のピークを持つため、併用により紫外線を吸収する波長領域を更に広くするためである。ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤の添加量としては、中間層12を構成する樹脂成分100質量部に対して、0.001質量部以上10質量部以下の範囲内が好適であり、0.001質量部以上添加することで、所望の効果を得ることができ、10質量部以下とすることで、紫外線吸収剤のブリードアウトを抑制することができる。但し、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤は、長波長側に吸収ピークがあるために、黄色味を帯びている場合があり、色相に注意を必要とする場合には、添加量を抑制するとよい。
ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤としては、例えば、オクタベンゾンや変性物、重合物、誘導体等を用いることができる。
また、中間層12は、ヒンダードアミン系のラジカル捕捉剤等の光安定剤を含んでいてもよい。中間層12に含まれる光安定剤の含有量は、中間層12を構成する樹脂成分100質量部に対し、0.001質量部以上10質量部以下の範囲内であればよく、0.05質量部以上5質量部以下の範囲内であればより好ましく、0.5質量部以上3質量部以下の範囲内であればさらに好ましい。光安定剤の含有量が0.001質量部に満たないと、中間層12における紫外線に対する安定性が十分でなく中間層12に十分な耐久性を付与することができない場合がある。また、光安定剤の含有量が10質量部を超えると、中間層12を構成する樹脂成分の割合が相対的に低下するため、中間層12に粉拭き等が発生し、印刷に必要な強度を付与することができない場合、あるいは製膜自体ができない場合ある。
本実施形態で使用可能なヒンダードアミン系のラジカル捕捉剤としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケート、1-オキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジン、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルステアレート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)・ジ(トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)・ジ(トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4-ペンタメチル-4-ピペリジル)-2-ブチル-2-(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノ-ル/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4-ジクロロ-6-モルホリノ-s-トリアジン重縮合物、1,6-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4-ジクロロ-6-第三オクチルアミノ-s-トリアジン重縮合物、1,5,8,12-テトラキス〔2,4-ビス(N-ブチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ)-s-トリアジン-6-イル〕-1,5,8,12-テトラアザドデカン、1,5,8,12-テトラキス〔2,4-ビス(N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ)-s-トリアジン-6-イル〕-1,5,8-12-テトラアザドデカン、1,6,11-トリス〔2,4-ビス(N-ブチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ)-s-トリアジン-6-イル〕アミノウンデカン、1,6,11-トリス〔2,4-ビス(N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ)-s-トリアジン-6-イル〕アミノウンデカン、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートシクロヘキサンと過酸化N-ブチル2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミン-2,4,6-トリクロロ1,3,5-トリアジンとの反応生成物と2-アミノエタノールとの反応生成物などが挙げられるが、これに限るものではない。
中間層12には、酸化防止剤を添加してもよい。酸化防止剤には、フェノール系のものが好適に用いられる。本実施形態では、例えば、2,6-ジ第三ブチル-p-クレゾール、2,6-ジフェニル-4-オクタデシロキシフェノール、ジステアリル(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1,6-ヘキサメチレンビス〔(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’-チオビス(6-第三ブチル-m-クレゾール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-第三ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-第三ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(6-第三ブチル-m-クレゾール)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ第三ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(4-第二ブチル-6-第三ブチルフェノール)、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5-トリス(2,6-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、2-第三ブチル-4-メチル-6-(2-アクリロイルオキシ-3-第三ブチル-5-メチルベンジル)フェノール、ステアリル(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔3-(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル〕メタン、チオジエチレングリコールビス〔(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6-ヘキサメチレンビス〔(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ビス〔3,3-ビス(4-ヒドロキシ-3-第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、ビス〔2-第三ブチル-4-メチル-6-(2-ヒドロキシ-3-第三ブチル-5-メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5-トリス〔(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、3,9-ビス〔1,1-ジメチル-2-{(3-第三ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3-第三ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート〕などが挙げられる。また、上述した酸化防止剤の含有量は、中間層12を構成する樹脂成分100質量部に対して、0.001質量部以上10質量部以下の範囲内が好ましく、より好ましくは、0.05質量部以上5質量部以下の範囲内である。
中間層12には、加工安定剤を添加してもよい。加工安定剤には、リン系のものが好適に用いられる。本実施形態では、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス〔2-第三ブチル-4-(3-第三ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニルチオ)-5-メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ第三ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)-4,4’-n-ブチリデンビス(2-第三ブチル-5-メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)-1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10-ジハイドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキサイド、2,2’-メチレンビス(4,6-第三ブチルフェニル)-2-エチルヘキシルホスファイト、2,2’-メチレンビス(4,6-第三ブチルフェニル)-オクタデシルホスファイト、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2-〔(2,4,8,10-テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン-6-イル)オキシ〕エチル)アミン、2-エチル-2-ブチルプロピレングリコールと2,4,6-トリ第三ブチルフェノールのホスファイトなどが挙げられる。また、上述した加工安定剤の含有量は、中間層12を構成する樹脂成分100質量部に対して、0.001質量部以上10質量部以下の範囲内が好ましく、より好ましくは、0.05質量部以上5質量部以下の範囲内である。
[表面スキン層及び裏面スキン層]
本実施形態に係る表面スキン層11は、中間層12の一方の面上に接するようにして形成された層である。また、本実施形態に係る裏面スキン層13は、中間層12の他方の面上に接するようにして形成された層である。
表面スキン層11と裏面スキン層13の各層は、酸化チタン等の着色顔料を含んでいない。
表面スキン層11と裏面スキン層13の各層は、上述した中間層12を構成する熱可塑性樹脂と同じ熱可塑性樹脂で構成されていてもよい。つまり、表面スキン層11と裏面スキン層13の各層を構成する材料としては特に限定されるものではなく、例えば、中間層12と同様にオレフィン系熱可塑性樹脂を用いることができる。オレフィン系樹脂のなかでも、特にエチレン・メタクリル酸共重合体が好ましく、例えば、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体をZnの金属イオンで、部分的に中和(中和度 50モル%)した材料が好ましい。つまり、本実施形態に係る表面スキン層11と裏面スキン層13の少なくとも一方は、アイオノマー樹脂で形成されていてもよい。また、本実施形態に係る表面スキン層11と裏面スキン層13の少なくとも一方は、ポリプロピレン(PP)樹脂で形成されていてもよい。
表面スキン層11と裏面スキン層13の各層の厚さは、例えば、1μm以上20μm以下の範囲内であってもよく、4μm以上10μm以下の範囲内であればより好ましく、5μm以上8μm以下の範囲内であればさらに好ましい。表面スキン層11と裏面スキン層13の各層の厚さが上記数値範囲内であれば、着色熱可塑性樹脂層1自体に高い隠蔽性を付与することができる。
また、表面スキン層11の厚さと裏面スキン層13の厚さとは、同じ厚さであってもよい。
表面スキン層11と裏面スキン層13の各層は、上述した中間層12に添加可能な紫外線吸収剤を含んでいてもよい。表面スキン層11と裏面スキン層13の各層に紫外線吸収剤を添加することで、着色熱可塑性樹脂層1自体の耐久性(耐候性)を改善することできる。
また、表面スキン層11と裏面スキン層13の各層に含まれる紫外線吸収剤の含有量は、上述した中間層12に含まれる紫外線吸収剤の含有量と同じであってもよい。また、表面スキン層11と裏面スキン層13の各層に含まれる紫外線吸収剤の種類は、上述した中間層12に含まれる紫外線吸収剤の種類と同じであってもよい。
また、表面スキン層11と裏面スキン層13の各層は、上述した中間層12に添加可能な光安定剤を含んでいてもよい。表面スキン層11と裏面スキン層13の各層に光安定剤を添加することで、着色熱可塑性樹脂層1自体のクラックやチョーキングを改善することできる。また、表面スキン層11と裏面スキン層13の各層に光安定剤を添加することで、表面スキン層11または裏面スキン層13に接する絵柄層、プライマー層、または必要に応じて設けられたコーティング層の劣化を抑制することができる。
また、表面スキン層11と裏面スキン層13の各層に含まれる光安定剤の含有量は、上述した中間層12に含まれる光安定剤の含有量と同じであってもよい。また、表面スキン層11と裏面スキン層13の各層に含まれる光安定剤の種類は、上述した中間層12に含まれる光安定剤の種類と同じであってもよい。
また、表面スキン層11と裏面スキン層13の各層は、上述した中間層12に添加可能な酸化防止剤を含んでいてもよい。また、表面スキン層11と裏面スキン層13の各層に含まれる酸化防止剤の含有量は、上述した中間層12に含まれる酸化防止剤の含有量と同じであってもよい。また、表面スキン層11と裏面スキン層13の各層に含まれる酸化防止剤の種類は、上述した中間層12に含まれる酸化防止剤の種類と同じであってもよい。
また、表面スキン層11と裏面スキン層13の各層は、上述した中間層12に添加可能な加工安定剤を含んでいてもよい。また、表面スキン層11と裏面スキン層13の各層に含まれる加工安定剤の含有量は、上述した中間層12に含まれる加工安定剤の含有量と同じであってもよい。また、表面スキン層11と裏面スキン層13の各層に含まれる加工安定剤の種類は、上述した中間層12に含まれる加工安定剤の種類と同じであってもよい。
(変形例)
本実施形態では、表面スキン層11の厚さと裏面スキン層13の厚さとを同じ厚さにした場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、一方のスキン層(例えば表面スキン層11)の厚さを他方のスキン層(例えば裏面スキン層13)の厚さの1倍以上3倍以下の範囲内にしてもよい。一方のスキン層の厚さを上記数値範囲内とすることで、スキン層の厚さの違いを視認することができるため、着色熱可塑性樹脂層1の表面裏面を識別するためのマーカーを中間層12に印刷することなく、着色熱可塑性樹脂層1の表面裏面を識別することができる。
また、本実施形態では、表面スキン層11と裏面スキン層13の各層に紫外線吸収剤及び光安定剤を添加した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、一方のスキン層(例えば表面スキン層11)のみに紫外線吸収剤及び光安定剤を添加してもよし、一方のスキン層(例えば表面スキン層11)のみに紫外線吸収剤及び光安定剤の少なくとも一方を添加してもよい。
また、本実施形態では、着色熱可塑性樹脂層1として、表面スキン層11、中間層12、裏面スキン層13をこの順に積層したもの、所謂2種3層の積層体を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施形態では、着色熱可塑性樹脂層1として、ランダムまたはホモ系ポリプロピレン樹脂、あるいはポリエチレン樹脂に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、紫外線吸収剤、及びヒンダードアミン系光安定剤の少なくとも一種を添加したものに、着色顔料として、酸化鉄、カーボンブラック、酸化チタン、フタロシアニンブルー、及びイソインドリノンの少なくとも一つを添加したものを用いてもよい。また、上述した樹脂以外に、共重合ポリエステル樹脂、発泡タイプのポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂等を使用してもよい。着色熱可塑性樹脂層1が上記構成であれば、着色熱可塑性樹脂層1自体に高い隠蔽性を付与することができる。また、着色熱可塑性樹脂層1が上記構成であれば、紫外線と着色顔料との光反応による劣化を抑制する効果が得られ、経時による化粧シート20または化粧部材30の層間剥離を防ぐことができる。
また、着色熱可塑性樹脂層1の厚さは、25μm以上200μm以下の範囲内であれば好ましい。着色熱可塑性樹脂層1の厚さが上記数値範囲内であれば、着色熱可塑性樹脂層1自体にさらに高い隠蔽性を付与することができる。
また、本実施形態では、中間層12として、上述した、ランダムまたはホモ系ポリプロピレン樹脂、あるいはポリエチレン樹脂に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、紫外線吸収剤、及びヒンダードアミン系光安定剤の少なくとも一種を添加したものに、着色顔料として、酸化鉄、カーボンブラック、酸化チタン、フタロシアニンブルー、及びイソインドリノンの少なくとも一つを添加したものを用いてもよい。また、上述した樹脂以外に、共重合ポリエステル樹脂、発泡タイプのポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂等を使用してもよい。中間層12が上記構成であれば、本実施形態における化粧シート20及び化粧部材30と同等の効果を得ることができる。
(着色熱可塑性樹脂層の製造方法)
以下、本実施形態に係る着色熱可塑性樹脂層1の製造方法の一例について、簡単に説明する。
上述した表面スキン層11、中間層12及び裏面スキン層13をこの順に共押出し製法により製膜する。こうして、本実施形態に係る、2種3層の着色熱可塑性樹脂層1を形成する。
(絵柄層)
絵柄層2は、隠蔽性あるいは意匠性を付与するための層であり、着色熱可塑性樹脂層1上に全面ベタあるいは部分的に絵柄インキを印刷することで設けることができる。
絵柄インキのバインダーとしては、例えば、硝化綿、セルロース、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル系等の単独もしくは各変成物の中から適宜選択すればよい。これらは水性や溶剤系、あるいはエマルジョン系でも問題はなく、且つ硬化方法も1液タイプでも、硬化剤を利用した2液タイプでも任意での選択が可能である。さらに、紫外線や電子線等の活性エネルギー線照射によりインキを硬化させることも可能である。
絵柄インキの顔料としては、例えば、縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等のパール顔料等、公知の各種顔料を使用することができる。これらのインキ材料については、絵柄層2の下の着色熱可塑性樹脂層1や絵柄層2の上に積層される樹脂との接着性も考慮して選定する必要がある。
絵柄層2には、必要に応じて、例えば、上述した紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、分散剤などの各種添加剤を添加してもよい。絵柄層2を設ける方法としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、シルク印刷、静電印刷、インクジェット印刷等の公知の印刷技法により、着色熱可塑性樹脂層1に直接施すことができる。なお、インキの塗布とは別に各種金属の蒸着やスパッタリングで金属調の意匠性を施すことも可能である。
(透明接着性樹脂層)
透明接着性樹脂層4は、着色熱可塑性樹脂層1(下台)と透明熱可塑性樹脂層5(上台)とを接着させるための層である。本実施形態において、絵柄層2を積層した着色熱可塑性樹脂層1と透明熱可塑性樹脂層5とは、透明接着性樹脂層4を介して接合されていればよく、接合手法は、熱ラミネート、押出ラミネート、ドライラミネート、サンドラミネートなどの各種ラミネート手法を用いることができる。ここで、本実施形態による化粧シート20の諸性能を考慮すると、接合手法はドライラミネート手法が好ましい。このため、透明接着性樹脂層4は、ドライラミネート接着剤を用いたドライラミネート接着剤層であることが好ましい。また、透明接着性樹脂層4は、例えば、グラビアコート、マイクログラビアコート、コンマコート、ナイフコート、ダイコートなど通常の塗布方法を用いて形成される。
また、透明接着性樹脂層4は、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂で形成されていることが好ましく、例えば、マレイン酸変性ランダムポリプロピレン樹脂及びエチレン-プロピレン共重合樹脂の少なくとも一方を含むことが好ましい。透明接着性樹脂層4がマレイン酸変性ランダムポリプロピレン樹脂及びエチレン-プロピレン共重合樹脂の両方を含む場合には、マレイン酸変性ランダムポリプロピレン樹脂の含有量をエチレン-プロピレン共重合樹脂の含有量よりも多くすることが好ましい。具体的には、マレイン酸変性ランダムポリプロピレン樹脂の含有量をエチレン-プロピレン共重合樹脂の含有量に比べて、質量比で1.1倍以上10倍以下の範囲内とすることが好ましい。マレイン酸変性ランダムポリプロピレン樹脂の含有量が上記数値範囲内であれば、着色熱可塑性樹脂層1と透明熱可塑性樹脂層5との接着力を高めることができる。
透明接着性樹脂層4は、上述のポリオレフィン樹脂に紫外線吸収剤と光安定剤とを添加した組成物を用いて形成されたものであってもよい。
透明接着性樹脂層4に含有される紫外線吸収剤は、着色熱可塑性樹脂層1に添加可能な紫外線吸収剤として挙げた紫外線吸収剤であってもよい。また、透明接着性樹脂層4に含有される紫外線吸収剤の含有量は、着色熱可塑性樹脂層1に含有される紫外線吸収剤の含有量と同じであってもよい。
また、透明接着性樹脂層4に含有される光安定剤は、着色熱可塑性樹脂層1に添加可能な光安定剤として挙げた光安定剤であってもよい。また、透明接着性樹脂層4に含有される光安定剤の含有量は、着色熱可塑性樹脂層1に含有される光安定剤の含有量と同じであってもよい。
(プライマー層)
プライマー層3は、絵柄層2と透明接着性樹脂層4との密着性を向上させることにより、着色熱可塑性樹脂層1と透明熱可塑性樹脂層5との密着性を向上させるための層である。例えば本実施形態では、ポリオールとポリイソシアネートとの付加重合反応により合成されたウレタン樹脂を用いる。ポリオールとしては、例えば、ウレタン変性ポリエステルポリオールが挙げられる。また、ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートが挙げられる。本実施形態では、ポリイソシアネートとして、ヘキサメチレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートとを組み合わせて用いることが好ましい。
アクリルポリオールとイソシアネートとの比率は、密着力を考慮した場合、アクリルポリオール:イソシアネートの比率が、8~12:1が好ましい。特に、アクリルポリオール:イソシアネートの比率が、9~11:1がより好ましい。
(透明熱可塑性樹脂層)
透明熱可塑性樹脂層5は、化粧シート20の耐候性を向上させるための層である。透明熱可塑性樹脂層5は、例えば、ポリオレフィン樹脂を用いて形成される。ポリオレフィン樹脂としては、特に制限はなく、従来の化粧シートで透明熱可塑性樹脂層に使用されているポリオレフィン樹脂と同様のものを使用できる。例えば、透明熱可塑性樹脂層5を構成するポリオレフィン樹脂として、立体規則性の低いホモポリプロピレン樹脂を用いることができる。また、透明熱可塑性樹脂層5を構成するポリオレフィン樹脂の種類は、1種類であってもよいし、複数の種類であってもよい。そして、このポリプロピレン樹脂には、紫外線吸収剤と光安定剤とが添加されていてもよい。つまり、透明熱可塑性樹脂層5は、紫外線吸収剤と光安定剤とを含有するポリプロピレン樹脂組成物(ポリオレフィン樹脂組成物)で形成されていてもよい。
透明熱可塑性樹脂層5に含有される紫外線吸収剤は、着色熱可塑性樹脂層1に添加可能な紫外線吸収剤として挙げた紫外線吸収剤、好ましくはベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤であってもよい。
また、透明熱可塑性樹脂層5における紫外線吸収剤の含有量は、ポリプロピレン樹脂(樹脂成分)100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下の範囲内が好ましい。透明熱可塑性樹脂層5における紫外線吸収剤の含有量が、0.1質量部未満の場合には、十分な耐候性が得られない場合がある。また、透明熱可塑性樹脂層5における紫外線吸収剤の含有量が、10質量部を超える場合には、ポリプロピレン樹脂(樹脂成分)の含有率が相対的に低くなるため、透明熱可塑性樹脂層5の形成時に問題が発生する場合がある。
透明熱可塑性樹脂層5に含有される光安定剤は、着色熱可塑性樹脂層1に添加可能な光安定剤として挙げた光安定剤、即ちヒンダードアミン系のラジカル捕捉剤等であってもよい。
また、透明熱可塑性樹脂層5における光安定剤の含有量は、ポリプロピレン樹脂(樹脂成分)100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下の範囲内が好ましい。透明熱可塑性樹脂層5における光安定剤の含有量が、0.1質量部未満の場合には、十分な耐候性が得られない場合がある。また、透明熱可塑性樹脂層5における光安定剤の含有量が、10質量部を超える場合には、ポリプロピレン樹脂(樹脂成分)の含有率が相対的に低くなるため、透明熱可塑性樹脂層5の形成時に問題が発生する場合がある。
また、透明熱可塑性樹脂層5の厚さは、1μm以上10μm以下の範囲内が好ましい。透明熱可塑性樹脂層5の厚さが上記数値範囲内であれば、十分な耐候性が確実に得られる。
(変形例)
本実施形態では、透明熱可塑性樹脂層5にポリオレフィン系樹脂を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。透明熱可塑性樹脂層5は、例えば、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、アクリル等の合成樹脂、あるいはこれら合成樹脂の発泡体、エチレン-プロピレン共重合ゴム、エチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴム、スチレン-ブタジエン共重合ゴム、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合ゴム、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合ゴム、ポリウレタン等のゴムであってもよい。また、これらの樹脂中に、必要に応じて、上述した、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、酸化防止剤、加工安定剤、などの各種添加剤を添加してもよい。
なお、透明熱可塑性樹脂層5に添加可能な紫外線吸収剤としては、着色熱可塑性樹脂層1に添加可能な紫外線吸収剤として挙げた紫外線吸収剤である、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、5,5’-メチレンビス(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)等の2-ヒドロキシベンゾフェノン類以外に、例えば、ベンゾエート類、置換オキザニリド類、シアノアクリレート類やトリアリールトリアジン類等が使用可能である。
ベンゾエート類としては、例えば、フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4-ジ第三ブチルフェニル-3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、2,4-ジ第三アミルフェニル-3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル-3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート等を用いることができる。
また、置換オキザニリド類としては、例えば、2-エチル-2’-エトキシオキザニリド、2-エトキシ-4’-ドデシルオキザニリド等を用いることができる。
また、シアノアクリレート類としては、例えば、エチル-α-シアノ-β、β-ジフェニルアクリレート、メチル-2-シアノ-3-メチル-3-(p-メトキシフェニル)アクリレート等を用いることができる。
また、トリアリールトリアジン類としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-4-オクトキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジ第三ブチルフェニル)-s-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-4,6-ジフェニル-s-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-プロポキシ-5-メチルフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジ第三ブチルフェニル)-s-トリアジン等を用いることができる。
(表面保護層)
表面保護層6は、化粧シート20の耐候性を向上させるための層である。表面保護層6は、例えば、アクリル系樹脂を用いて形成される。アクリル系樹脂としては、特に制限はなく、従来の化粧シートで表面保護層に使用されているアクリル系樹脂と同様のものを使用できる。例えば、表面保護層6を構成するアクリル系樹脂として、メチルメタクリレートモノマーとシクロヘキシルメタクリレートの混合物からなるアクリル系樹脂を用いることができる。また、表面保護層6を構成するアクリル系樹脂の種類は、1種類であってもよいし、複数の種類であってもよい。以下、本実施形態の表面保護層6で使用可能なアクリル系樹脂について具体的に説明する。
本実施形態における表面保護層6は、シクロヘキシル(メタ)アクリレートをモノマー成分として含有するアクリル系樹脂組成物を主成分としてもよい。なお、本実施形態において、シクロヘキシル(メタ)アクリレートとは、シクロヘキシルアクリレート又はシクロヘキシルメタクリレートを意味する。シクロヘキシル(メタ)アクリレートをモノマー成分として含有させることで、水に対する親和性を低下させることができ、加水分解などによる劣化を抑制することができる。シクロヘキシル(メタ)アクリレートの含有量としては、全てのアクリル系樹脂組成物のモノマー成分のうち、シクロヘキシル(メタ)アクリレートが5質量%以上50質量%以下の範囲内となることが望ましい。シクロヘキシル(メタ)アクリレートの含有量を5質量%以上とすることで、充分な劣化抑制効果を得ることができ、またその含有量を50質量%以下とすることで、表面硬度維持向上や耐汚染性向上や表面の艶調節という表面保護層6の諸性能を大きく変えることなく経時の高耐候性を付与することが可能になる。
表面保護層6に用いることができるアクリル系樹脂組成物のモノマー成分としては、上述したシクロヘキシル(メタ)アクリレートの他に、例えば、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルブチル(メタ)アクリレート、ジメチルシクロヘキサンモノ(メタ)アクリレート、ジメチルシクロヘキサンジ(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキサンモノ(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキサンジ(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキサントリ(メタ)アクリレート、テトラメチルシクロヘキサンモノ(メタ)アクリレート、テトラメチルシクロヘキサンジ(メタ)アクリレート、テトラメチルシクロヘキサントリ(メタ)アクリレート、テトラメチルシクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、ジシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、フェノキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、メトキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの内、異性体を含むものは、各異性体を単独で用いてもよいし、各異性体の混合物として用いてもよい。
また、表面保護層6を形成する方法としては、例えば、上述したシクロヘキシル(メタ)アクリレートをモノマー成分として含有するアクリル系樹脂組成物からなる塗液を、透明熱可塑性樹脂層5上に塗工する方法がある。また、塗液の種類としては、例えば、1液硬化タイプ、硬化剤を用いる2液硬化タイプ、あるいは紫外線や電離放射線等を照射して硬化する活性エネルギー線硬化タイプのいずれも使用可能であるが、耐候性を考慮すると2液硬化タイプ若しくは活性エネルギー線硬化タイプが好ましく、各種基材に貼り合わされて化粧部材となった後の後加工性を考慮するならば、イソシアネート硬化によって架橋される2液硬化タイプが望ましい。
上述した2液硬化タイプのアクリル系樹脂組成物としては、例えば、水酸基、アミノ基およびカルボキシル基から選ばれる1種以上の官能基を一分子内に2個以上有するアクリル系樹脂と、その官能基と反応し得るイソシアネート基を一分子内に2個以上有するポリイソシアネート化合物とを含有する組成物が好ましい。特に好ましくは、水酸基を一分子内に2個以上有するアクリルポリオールと、ポリイソシアネート化合物を含有する組成物である。
水酸基を一分子内に2個以上有するアクリルポリオールとしては、例えば、上述したシクロヘキシル(メタ)アクリレートに加えて、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートをモノマー成分として含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体が利用できる。一方、イソシアネート基を一分子内に2個以上有するポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)およびこれらの水添化合物、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)や、これらから選ばれる1種類以上の化合物を公知の技術により合成した3量体タイプ、TMPアダクトタイプ、ビュレットタイプ等が挙げられる。また、これらの異なるタイプのポリイソシアネートから選ばれる1種類以上を混合した組成物を使用することができる。なかでも、HDI、もしくはHDIの3量体タイプ、TMPアダクトタイプ、ビュレットタイプが耐候性の観点からも好ましい。上述した樹脂成分に対するイソシアネート化合物の含有量は任意に設定できるが、水酸基/イソシアネート基の当量比が1/1~1/3程度となるように設定することが望ましい。特に水酸基の当量がイソシアネート基の当量よりも多くなると、架橋が充分に進まずに表面保護層6に所望の性能が付加されず、好ましくない。
また、活性エネルギー線硬化タイプのアクリル系樹脂組成物としては、例えば、公知の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー、オリゴマー等が使用でき、これらのモノマー、オリゴマーに加えて、上述したシクロヘキシル(メタ)アクリレートを配合すればよい。
上述したアクリル系樹脂には、紫外線吸収剤と光安定剤とが添加されていてもよい。つまり、表面保護層6は、紫外線吸収剤と光安定剤とを含有するアクリル系樹脂組成物で形成されていてもよい。
表面保護層6に含有される紫外線吸収剤は、着色熱可塑性樹脂層1に添加可能な紫外線吸収剤として挙げた紫外線吸収剤、好ましくはベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤であってもよい。
また、表面保護層6における紫外線吸収剤の含有量は、アクリル系樹脂(樹脂成分)100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲内が好ましい。表面保護層6における紫外線吸収剤の含有量が、1質量部未満の場合には、十分な耐候性が得られない場合がある。また、表面保護層6における紫外線吸収剤の含有量が、30質量部を超える場合には、紫外線吸収剤のブリードアウトが発生する場合がある。また、アクリル系樹脂(樹脂成分)の含有率が相対的に低くなるため、表面保護層6の形成時に問題が発生する場合がある。
表面保護層6に含有される光安定剤は、着色熱可塑性樹脂層1に添加可能な光安定剤として挙げた光安定剤、即ちヒンダードアミン系のラジカル捕捉剤等であってもよい。
また、表面保護層6における光安定剤の含有量は、アクリル系樹脂(樹脂成分)100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲内が好ましい。表面保護層6における光安定剤の含有量が、1質量部未満の場合には、十分な耐候性が得られない場合がある。また、表面保護層6における光安定剤の含有量が、30質量部を超える場合には、アクリル系樹脂(樹脂成分)の含有率が相対的に低くなるため、表面保護層6の形成時に問題が発生する場合がある。また、30質量部を超える場合には、光安定剤のブリードアウトが発生する場合がある。
なお、表面保護層6における紫外線吸収剤の含有量は、透明熱可塑性樹脂層5における紫外線吸収剤の含有量よりも多くてもよい。また、表面保護層6における光安定剤の含有量は、透明熱可塑性樹脂層5における光安定剤の含有量よりも多くてもよい。
また、表面保護層6の厚さは、1μm以上20μm以下の範囲内が好ましい。表面保護層6の厚さが上記数値範囲内であれば、十分な耐候性が確実に得られ、且つ表面保護層6に柔軟性が付与されるために表面保護層6におけるクラックの発生を低減することができる。
また、表面保護層6を設ける方法としては、例えば、グラビアコート、リバースコート、グラビアリバースコート、ダイコート、フローコートなど、公知の各種コート方式が利用可能である。さらに、表面保護層6には、必要に応じて、減摩剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤などの各種添加剤を加えてもよい。
また、表面保護層6は、凹凸模様8が形成されている領域に形成されていてもよいし、形成されていなくてもよい。なお、表面保護層6が、凹凸模様8が形成されている領域に形成されていれば、形成されていない場合と比較して、耐久性(耐候性)が向上するため、好ましい。
(変形例)
本実施形態では、表面保護層6に含有される紫外線吸収剤の好適な例として、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤を挙げたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、表面保護層6には、着色熱可塑性樹脂層1に添加可能な紫外線吸収剤として挙げたヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤、好ましく2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノールを添加してもよい。以下、この点について具体的に説明する。
表面保護層6は、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール(下記式(1)に相当)の構造を持つものを少なくとも1種含有していてもよい。これは、式(1)に示すヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤が、紫外線の中でも相対的に高エネルギーである低波長領域の紫外線吸収能力が高く、且つ、ほぼ同等の波長領域を吸収する他の紫外線吸収剤と比較して化学的に安定なため、長期に亘る紫外線吸収性能が持続するからである。
Figure 2022011841000002
本実施形態においては、式(1)の構造を持つものを含めた全てのヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤の添加量が、アクリル系樹脂(樹脂組成物)100質量部に対して1質量部以上30質量部以下の範囲内であることが好ましい。紫外線吸収剤の添加量を1質量部以上とすることで、耐候性向上効果が発揮され、30質量部以下とすることで表面保護層6の耐候性以外の物性への影響を実用上問題ないレベルに抑えることができる。
また、式(1)に示す構造を有しているヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が、表面保護層6に含有されている全てのヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤のうちの30質量%以上95質量%以下を占めていてもよい。
また、本実施形態においては、表面保護層6中のヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤として、式(1)の構造を有するものと、2-(2ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン、(下記式(2)に相当)の構造を有するものを併用することで、更に優れた耐候性能が付与される。これは、式(2)の構造を持つ紫外線吸収剤が化学的に安定しており、長期に亘る紫外線吸収性能が持続するという特徴を持ち、且つ式(1)の構造を有するものよりも長波長側に光吸収のピークを有しているため、併用により紫外線を吸収する波長領域が広くなるからである。
Figure 2022011841000003
(プライマー層)
プライマー層7は、化粧シート20を所定の基板21に貼り合わせて化粧部材30を形成する際に、基板21への接着に用いられる接着剤9と化粧シート20との密着性を向上させるために、必要に応じて施される層である。例えば、基板21が木質系材料や、アルミ基材や鋼板基材等の金属系材料、好ましくは金属系材料で形成されている場合には、接着剤9として、酢酸ビニルエマルジョン系、2液硬化型ウレタン系等の接着剤が使用されるため、プライマー層7は、これらの接着剤に合わせた樹脂設計とすることが望ましい。例えば、プライマー層7には、ウレタン系、アクリル系、エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系、ポリエステル系等を採用することができる。特に、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの配合による2液硬化型ウレタン系のプライマー剤等が好ましい。また、これらの材料にシリカや硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機質粉末を添加してプライマー層7を形成すると、巻取保存時のブロッキングの防止や、投錨効果による接着力の向上に有効である。
(凹凸模様)
凹凸模様8は、化粧シート20の表面に立体的な意匠感を付与するためのものである。凹凸模様8としては、任意の凹凸形状を用いることができる。例えば、木目導管状、石目状、布目状、抽象柄状、和紙状、スウェード状、皮革状、梨地状、砂目状、ヘアーライン状、平行直線群、或いはこれらの組み合わせ等を用いることができる。また、凹凸模様8の形成方法としては、例えば、着色熱可塑性樹脂層1の表面1aに対する透明熱可塑性樹脂層5の積層前、積層後又は積層と同時に行われる、ダブリングエンボス法、押出ラミネート同時エンボス法等を採用することができる。
(本実施形態の効果)
以上のように、本実施形態に係る化粧シート20は、着色熱可塑性樹脂層1と、プライマー層3と、透明接着性樹脂層4と、透明熱可塑性樹脂層5とをこの順に備えている。また、着色熱可塑性樹脂層1は、表面スキン層11と中間層12と裏面スキン層13とを備えている。また、中間層12は酸化チタンを含み、表面スキン層11と裏面スキン層13の各層は酸化チタンを含んでいない。
このような構成であれば、紫外線と酸化チタンとの光触媒反応による劣化を抑制する効果が得られ、経時による化粧シート20の層間剥離、特に着色熱可塑性樹脂層1と透明熱可塑性樹脂層5との間で発生する層間剥離を防ぐことができる。つまり、中間層12の両面に酸化チタンを含まない層を設けることによって、着色熱可塑性樹脂層1に接する絵柄層2やプライマー層3の、紫外線と酸化チタンとの光触媒反応による劣化を防止することができるため、経時による化粧シート20の層間剥離を防ぐことができる。
また、本実施形態に係る化粧シート20は、表面スキン層11と中間層12と裏面スキン層13の各層厚の比(表面スキン層11/中間層12/裏面スキン層13)は、1/4/1から1/10/1の範囲内である。
このような構成であれば、化粧シート20及び化粧部材30に高い隠蔽性を付与することができる。
また、本実施形態に係る化粧シート20は、表面スキン層11と裏面スキン層13の各層は、紫外線吸収剤を含んでいてもよい。
このような構成であれば、化粧シート20及び化粧部材30に高い耐候性を付与することができる。
また、本実施形態に係る化粧シート20は、透明熱可塑性樹脂層5と表面保護層6の各層は、紫外線吸収剤とヒンダードアミン系のラジカル捕捉剤とを含んでいてもよい。
このような構成であれば、化粧シート20及び化粧部材30にさらに高い耐候性を付与することができる。
また、本実施形態に係る化粧部材30は、金属系材料により形成された基板21と、基板21の一方の面側に設けられた化粧シート20とを備え、基板21と化粧シート20とは、基板21側に位置する接着剤9と、化粧シート20側に位置するプライマー層7とを介して貼り合わされている。
このような構成であれば、化粧部材を、高い耐候性が付与された化粧部材とすることができる。つまり、このような構成であれば、中間層12の両面に酸化チタンを含まない層が設けられているため、着色熱可塑性樹脂層1に接する絵柄層2やプライマー層3、あるいは着色熱可塑性樹脂層1に接するプライマー層7や接着剤9の、紫外線と酸化チタンとの光触媒反応による劣化を防止することができるため、経時による化粧シート20及び化粧部材30の層間剥離、特に着色熱可塑性樹脂層1と透明熱可塑性樹脂層5との間、及び着色熱可塑性樹脂層1と基板21との間で発生する層間剥離を防ぐことができる。
[実施例]
(実施例1)
・化粧シート20の形成
着色熱可塑性樹脂層1の透明熱可塑性樹脂をポリプロピレン樹脂100質量部に対し、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(BASF(株)チヌビン326)を、0.5質量部、ヒンダードアミン系光安定剤(BASF(株)キマソーブ2020)を0.5質量部添加した混合樹脂とし、着色熱可塑性樹脂層1の着色熱可塑性樹脂を、上述した透明熱可塑性樹脂100質量部に対し、酸化チタンを40質量部添加した混合樹脂とした。
その後、着色熱可塑性樹脂層1として、Tダイ押し出し機にて、上述した着色熱可塑性樹脂を中間層12とし、上述した透明熱可塑性樹脂を両サイドスキン層(表面スキン層11及び裏面スキン層13)として、透明熱可塑性樹脂(表面スキン層11)/着色熱可塑性樹脂(中間層12)/透明熱可塑性樹脂(裏面スキン層13)の厚み比率が、1/8/1となるように総厚60μmのフィルムを製膜した。
その後、着色熱可塑性樹脂層1に、グラビア印刷法により絵柄層2として淡色木質柄模様(東洋インキ製造(株)製「ラミスター」)を約1μmの厚みで形成した。
その後、プライマー層3として、ウレタン変性ポリエステルポリオール80質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート10質量部、イソホロンジイソシアネート10質量部で混合してなる2液硬化型のアンカーコート剤(プライマー層形成用塗工液)を用い、グラビアコート法を用いて、厚み1μmとなるように絵柄層2の表面に塗布して設けた。こうして、絵柄層2上にプライマー層3を形成した。
透明接着性樹脂層4に用いる樹脂として、マレイン酸変性ランダムポリプロピレン樹脂69.5質量部に対してエチレン-プロピレン共重合樹脂30.5質量部添加したものを用意した。
また、透明熱可塑性樹脂層5に用いる樹脂として、立体規則性の低いホモポリプロピレン「TPO」((株)プライムポリマー製、MFR4.5g/10min)を用い、これにベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(BASF(株)チヌビン326)0.5質量部と、ヒンダードアミン系光安定剤(BASF(株)キマソーブ2020)0.5質量部添加したものを用意した。
上記用意した各樹脂を、透明熱可塑性樹脂層5の厚みが60μm、透明接着性樹脂層4の厚みが10μmとなるよう、共押出しラミネーション法を用いて積層体を形成し、その積層体の透明接着性樹脂層4側に濃度20g/m、流量3.0m/時間の量でオゾンガスを吹き付けながら、上記積層体をアンカーコート層(プライマー層)3上にラミネートした。
最後に、ラミネートした透明熱可塑性樹脂層5の表面にコロナ処理を施した後に、表面保護層6を形成した。表面保護層6は、メチルメタクリレートモノマー80質量部とシクロヘキシルメタクリレート20質量部の混合物からなるアクリル系樹脂組成物を主成分とし、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(BASF(株)チヌビン329)6質量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(BASF(株)チヌビン1130)6質量部、ヒンダードアミン系光安定剤(BASF株)チヌビン292)5質量部、及び、固形分調整用に酢酸エチル溶剤を添加した固形分量33質量部の主剤溶液と、固形分調整用に酢酸エチル溶剤を添加した固形分量75質量部のヘキサメチレンジイソシアネート型硬化剤溶液とを、主溶剤液と硬化剤溶液の比率が10:1(この時の主剤溶液中の水酸基数と硬化剤溶液中のイソシアネート基数の比率は約1:2)となるように混合し、更に溶剤成分として酢酸エチルを添加して固形分量を20質量部に調整した塗工液を、溶剤揮発後の厚さで9μmとなるように透明熱可塑性樹脂層5上に塗工して形成した。
こうして、実施例1の化粧シート20を形成した。
・金属化粧部材の形成
金属基板(基板)21として、厚さ1mmのアルミ板に、接着剤9として2液硬化型ウレタン系接着剤(乾燥状態での塗布量:25g/m)を介して、上述した化粧シート20を貼り合わせて金属化粧部材(化粧部材)30を作成した。金属基板21及び化粧シート20は、アルミ板と化粧シート20の着色熱可塑性樹脂層1(裏面スキン層13)とが対向するようにして貼り合わせた。
こうして、実施例1の化粧部材30を形成した。
(実施例2)
着色熱可塑性樹脂層1の透明熱可塑性樹脂の紫外線吸収剤を無添加とした以外は実施例1と同様にして、実施例2の化粧シート20及び化粧部材30を製造した。
(実施例3)
着色熱可塑性樹脂層1の厚み比率を1/10/1とした以外は実施例1と同様にして、実施例3の化粧シート20及び化粧部材30を製造した。
(実施例4)
着色熱可塑性樹脂層1の厚み比率を1/4/1とした以外は実施例1と同様にして、実施例4の化粧シート20及び化粧部材30を製造した。
(比較例1)
着色熱可塑性樹脂層1を中間層12のみの単層熱可塑性樹脂層(厚み60μm)とした以外は実施例1と同様にして、比較例1の化粧シート20及び化粧部材30を製造した。
(比較例2)
着色熱可塑性樹脂層1の厚み比率を1/58/1とした以外は実施例1と同様にして、比較例2の化粧シート20及び化粧部材30を製造した。
(比較例3)
着色熱可塑性樹脂層1の厚み比率を1/1/1とした以外は実施例1と同様にして、比較例3の化粧シート20及び化粧部材30を製造した。
<評価方法及び評価基準>
上記実施例及び上記比較例の化粧シート及び化粧部材に対してサンシャインウェザーにて耐候性試験を実施し、各実施例及び各比較例の化粧シート及び化粧部材の耐久性を評価した。
また、各実施例及び各比較例の化粧シートの隠蔽性を目視評価した。
・耐候性試験(サンシャインウェザー)
本耐候性試験は、JIS K7350-4 プラスチック 実験室光源による暴露試験方法に準じた。
また、本耐候性試験では、サンシャインウェザーメーターを用いて暴露時間が4000時間後における層間剥離の発生の有無を確認した。評価基準を以下に示す。
○(合格) :化粧シート及び化粧部材に層間剥離は確認されなかった
×(不合格):化粧シート及び化粧部材に層間剥離が確認された
・隠蔽性評価
本隠蔽性評価は、上述した金属基板(基板)に貼り合せる前後における化粧シートの色変化を、化粧シートの隠蔽性として目視評価した。評価基準を以下に示す。
○(合格) :印刷部分に著しい色変化は確認されなかった
×(不合格):印刷部分に著しい色変化が確認された
上記実施例及び上記比較例で得られた化粧シート及び化粧部材についての各評価結果を下記表1に示す。
Figure 2022011841000004
表1に示したとおり、実施例1~4の化粧シート及び化粧部材は、中間層が酸化チタンを含んでおり、各スキン層が酸化チタンを含んでいないため、各スキン層において紫外線と酸化チタンとによる光触媒反応が起こらず、化粧シート及び化粧部材における層間剥離の発生を低減することができた。
また、実施例1~4の化粧シート及び化粧部材は、透明樹脂層(表面スキン層)と着色樹脂層(中間層)と透明樹脂層(裏面スキン層)の各層厚の比(表面スキン層/中間層/裏面スキン層)が1/4/1から1/10/1の範囲内であるため、十分な隠蔽性を得ることができた。
本発明の化粧シート及び化粧部材は、建築内装用および外装用、建具の表面や枠材、家電製品の表面材、床材等々の建築用資材に用いられる化粧シート及び化粧部材として利用可能である。
1 基材(着色熱可塑性樹脂層)
1a、2a、3a、4a、5a 表面
1b 裏面
2 絵柄層
3 プライマー層
4 透明接着性樹脂層
5 透明熱可塑性樹脂層
6 表面保護層
7 プライマー層
8 凹凸模様
9 接着剤
11 透明熱可塑性樹脂層(表面スキン層)
12 着色熱可塑性樹脂層(中間層)
13 透明熱可塑性樹脂層(裏面スキン層)
20 化粧シート
21 基板(金属基板)
30 化粧部材

Claims (9)

  1. 基材と、プライマー層と、透明接着性樹脂層と、透明熱可塑性樹脂層とをこの順に備えた化粧シートであって、
    前記基材は、着色熱可塑性樹脂層と、前記着色熱可塑性樹脂層の一方の面に形成された第一の透明熱可塑性樹脂層と、前記着色熱可塑性樹脂層の他方の面に形成された第二の透明熱可塑性樹脂層と、を備え、
    前記着色熱可塑性樹脂層は、酸化チタンを含み、
    前記第一の透明熱可塑性樹脂層と前記第二の透明熱可塑性樹脂層の各層は、酸化チタンを含まず、
    前記第一の透明熱可塑性樹脂層と前記着色熱可塑性樹脂層と前記第二の透明熱可塑性樹脂層の各層厚の比(第一の透明熱可塑性樹脂層/着色熱可塑性樹脂層/第二の透明熱可塑性樹脂層)は、1/4/1から1/10/1の範囲内であることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記第一の透明熱可塑性樹脂層と前記着色熱可塑性樹脂層と前記第二の透明熱可塑性樹脂層の各層を構成する樹脂は、オレフィン系熱可塑性樹脂であり、
    前記第一の透明熱可塑性樹脂層と前記着色熱可塑性樹脂層と前記第二の透明熱可塑性樹脂層の各層は、ヒンダードアミン系のラジカル捕捉剤を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記第一の透明熱可塑性樹脂層と前記着色熱可塑性樹脂層と前記第二の透明熱可塑性樹脂層の各層を構成する樹脂は、互いに同じ熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の化粧シート。
  4. 前記第一の透明熱可塑性樹脂層と前記着色熱可塑性樹脂層と前記第二の透明熱可塑性樹脂層の各層を構成する樹脂は、ポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の化粧シート。
  5. 前記第一の透明熱可塑性樹脂層と前記着色熱可塑性樹脂層と前記第二の透明熱可塑性樹脂層の各層を構成する樹脂は、互いに同じアイオノマー樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の化粧シート。
  6. 前記第一の透明熱可塑性樹脂層と前記第二の透明熱可塑性樹脂層の各層は、紫外線吸収剤を含んでいることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の化粧シート。
  7. 前記透明接着性樹脂層と前記透明熱可塑性樹脂層の各層を構成する樹脂は、オレフィン系熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の化粧シート。
  8. 前記透明熱可塑性樹脂層上に形成された表面保護層をさらに備え、
    前記透明熱可塑性樹脂層と前記表面保護層の各層は、紫外線吸収剤と、ヒンダードアミン系のラジカル捕捉剤とを含んでいることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の化粧シート。
  9. 金属系材料により形成された基板と、前記基板の一方の面側に設けられた請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の化粧シートとを備え、
    前記基板と前記化粧シートとは、前記基板側に位置する接着剤と、前記化粧シート側に位置するプライマー層とを介して貼り合わされていることを特徴とする化粧部材。
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