JP2021154629A - 化粧シート、化粧部材、及び化粧シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、これらの場合、一般的なポリオレフィンシート若しくは軟質ポリオレフィンシートを使用しているため耐傷付き性や耐候性も悪く、従来の塩化ビニルの化粧シートの表面傷つき性と比較すると格段に劣っていた。このため表面傷付き性向上のために、結晶化が高く、アイソタクティシチィの高いものを使用すると、耐候性劣化が激しい場合もあった。
以下に、本発明の実施形態に係る化粧シート及び化粧部材について、図面に基づいて詳細に説明するが、本発明の範囲内にあるものであれば、必ずしもこの順に積層してある必要はない。またこの図面に記載されていない層が付加されていても良い。
図1に本実施形態に係る化粧シート及び化粧部材の一実施例の断面構造を示す。
本実施形態に係る化粧シート10は、着色熱可塑性樹脂層1、絵柄層2、接着性樹脂層3、透明熱可塑性樹脂層(オレフィン樹脂層)4、表面保護層5をこの順に積層したものである。透明熱可塑性樹脂層4の表面には凹凸模様が形成されており、その凹凸模様を構成する凹部(凹陥部)8には、表面保護層5を構成する樹脂が埋め込まれている。また、凹部8を構成する全ての面は、表面保護層5を構成する樹脂で覆われていてもよい。
本実施形態に係る化粧部材11は、基材7、接着剤層6、化粧シート10をこの順に積層したものである。
以下、上述した各層の構成について詳しく説明する。
本実施形態に係る表面保護層5は、シクロヘキシル(メタ)アクリレートをモノマー成分として含有するアクリル系樹脂組成物を主成分としている。なお、本実施形態において、シクロヘキシル(メタ)アクリレートとは、シクロヘキシルアクリレート又はシクロヘキシルメタクリレートを意味する。シクロヘキシル(メタ)アクリレートをモノマー成分として含有させることで、水に対する親和性を低下させることができ、加水分解などによる劣化を抑制することができる。
シクロヘキシル(メタ)アクリレートの含有量としては、全てのアクリル系樹脂組成物のモノマー成分のうち、即ち表面保護層5の主成分となるアクリル系樹脂組成物のモノマー成分のうち、シクロヘキシル(メタ)アクリレートが5質量%以上50質量%以下の範囲内となることが望ましい。シクロヘキシル(メタ)アクリレートの含有量を5質量%以上とすることで、充分な劣化抑制効果を得ることができる。また、シクロヘキシル(メタ)アクリレートの含有量を50質量%以下とすることで、表面硬度維持向上や耐汚染性向上や表面の艶調節という化粧シートの表面保護層5の諸性能を大きく変えることなく、経時の高耐候性を付与することが可能になる。ここで、上述した「主成分」とは、表面保護層5を構成するアクリル系樹脂組成物の含有量が、表面保護層5全体の質量に対して、50質量%以上であることを意味する。
表面保護層5を形成するための塗液の硬化方法としては、例えば、1液硬化タイプ、硬化剤を用いる2液硬化タイプ、あるいは紫外線や電離放射線等を照射して硬化する活性エネルギー線硬化タイプのいずれも使用可能であるが、耐候性を考慮すると2液硬化タイプ若しくは活性エネルギー線硬化タイプが好ましく、各種基材に貼り合わされて化粧部材となった後の後加工性を考慮するならば、イソシアネート硬化によって架橋される2液硬化タイプが望ましい。
化粧シート10の耐候性をより向上させるため、表面保護層5には紫外線吸収剤やラジカル捕捉剤等の耐候剤の添加が一般的に用いられる。紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、ヒドロキシフェニルトリアジン系、ベンゾフェノン系など公知のものが使用できる。それらのなかでもヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤を選定すれば、トリアジン骨格がブリードを抑制すること、またトリアジン骨格がベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤やベンゾフェノン系の紫外線吸収剤の骨格と比較して化学的に安定であることなどにより、長期に亘る紫外線吸収性能を保持することが可能となる。
また、表面保護層5に添加する紫外線吸収剤として、上述した式(1)に示す構造を有するヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤を用いた場合には、その添加量は、アクリル系樹脂組成物100質量部に対して1質量部以上20質量部以下の範囲内であることが好ましく、5質量部以上15質量部以下の範囲内であることがより好ましく、8質量部以上12質量部以下の範囲内であることがさらに好ましくい。式(1)に示す構造を有するヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤の添加量を1質量部以上とすることで、耐候性向上効果が発揮され、20質量部以下とすることで表面保護層5の耐候性以外の物性への影響を実用上問題ないレベルに抑えることができる。
本実施形態においては、上述した式(1)に示す構造を有するヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤の添加量を、上述した式(2)に示す構造を有するヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤100質量部に対して、10質量部以上200質量部以下の範囲内とすることが好ましく、20質量部以上100質量部以下の範囲内とすることがより好ましく、40質量部以上80質量部以下の範囲内とすることがさらに好ましい。式(1)に示す構造を有するヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤の添加量を上記数値範囲内とすることで、さらに優れた耐候性を付与することができる。
以上、表面保護層5に添加可能なヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤について説明したが、本実施形態において使用可能なヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤はこれらに限定されるものではない。本実施形態に係る表面保護層5は、例えば、下記一般式(3)で表される構造を有するヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤を含有していてもよい。また、表面保護層5は、下記一般式(4)で表される構造を有する紫外線吸収剤を含有していてもよい。具体的には、下記式(5)に示す、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル)]−6−(4−メトキシフェニル)−s−トリアジンを含有していてもよいし、下記式(6)に示すヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤を含有していてもよい。
更にヒンダードアミン系のラジカル捕捉剤を併用することで、化粧シート10の耐候性能は更に向上させることができる。本実施形態で使用可能なヒンダードアミン系のラジカル捕捉剤としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、1−オキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノ−ル/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8−12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートシクロヘキサンと過酸化N−ブチル2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミン−2,4,6−トリクロロ1,3,5−トリアジンとの反応生成物と2−アミノエタノールとの反応生成物などが挙げられるが、これに限るものではない。
透明熱可塑性樹脂層(オレフィン樹脂層)4は、絵柄層2を保護するために必要に応じて設けることができ、絵柄を活かせるものであれば透明でも半透明でもよい。あるいは適宜艶消し模様やエンボス付与により表面凹凸(凹凸模様)を設けたものであっても良い。あるいはこの凹凸模様に着色剤を充填したものであってもよい。
本実施形態では、この凹凸模様を構成する凹部8に上述した表面保護層5が埋め込まれている。以下、この点について説明する。
透明熱可塑性樹脂層4の表面に設けられた凹凸模様の形状は、特に制限されるものではないが、凹凸模様を構成する凹部8の形状は、透明熱可塑性樹脂層4の裏面側(接着性樹脂層3)から表面側(表面保護層5)に向かって開口径が大きくなるような形状であることが好ましい。このような形状であれば、表面保護層組成物(塗液)をワイピングによって凹部8に埋め込む際に、その埋め込みが容易となる。
また、凹部8を形成する側面の全ては、表面保護層5で覆われていてもよい。
また、凹部8の深さは、透明熱可塑性樹脂層4の厚さ方向に対して、1μm以上100μm以下の範囲内が好ましく、10μm以上50μm以下の範囲内がより好ましく、20μm以上40μm以下の範囲内がさらに好ましい。凹部8の深さが上記数値範囲であれば、表面保護層組成物(塗液)をワイピングによって凹部8に埋め込む際にその埋め込みが容易となり、且つ表面保護層の剥落を防止することができる。
また、凹部8の幅は、1μm以上10μm以下の範囲内が好ましく、2μm以上8μm以下の範囲内がより好ましく、4μm以上6μm以下の範囲内がさらに好ましい。凹部8の幅が上記数値範囲であれば、表面保護層組成物(塗液)をワイピングによって凹部8に埋め込む際にその埋め込みが容易となり、且つ凹部8内に埋め込まれた表面保護層の剥落を防止することができる。
また、凹部8の容積に対する表面保護層5の充填率を100%にすることで、凹部8に充填された表面保護層5の表面と、凹部8を備えない領域の透明熱可塑性樹脂層4の表面とを、所謂面一にしてもよい。
なお、上述したベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤であれば、その含有量は、アクリル系樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上50質量部以下の範囲内が好ましく、より好ましくは、1質量部以上30質量部以下の範囲内である。
接着性樹脂層3は、絵柄層2を設けた着色熱可塑性樹脂層1と透明熱可塑性樹脂層4とを貼り合わせるため、必要に応じて設けられる。接着性樹脂層3が無くとも目標とする接着強度が得られる場合、あるいは透明熱可塑性樹脂層4を設けない場合等には、存在の必要が無いこともある。
接着性樹脂層3の構成材料としては、任意の樹脂系どうしの接着強度向上に寄与するものであるならば、特に限定は無く、例えば、アクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系等種々の材料が使用できる。なお、接着性樹脂層3の構成材料としては、一般的には、塗膜凝集力の高い2液硬化型のポリウレタン系接着剤を用いることが多い。また、塗工方法も塗液粘度等によって適宜選択できる。接着性樹脂層3の層厚は、0.5μm〜6μm程度が好適である。
着色熱可塑性樹脂層1は、絵柄層2をグラビア印刷などで設けることが可能なものであることが好ましい。着色熱可塑性樹脂層1としては、例えば、薄葉紙、チタン紙、樹脂含浸紙等の紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、アクリル等の合成樹脂、あるいはこれら合成樹脂の発泡体、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴム、ポリウレタン等のゴム、有機系もしくは無機系の不織布、合成紙、アルミニウム、鉄、金、銀等の金属箔等から任意で選定可能である。
絵柄層2は、隠蔽性あるいは意匠性を付与するための層であり、着色熱可塑性樹脂層1上に全面ベタあるいは部分的に絵柄インキを印刷することで設けることができる。
絵柄インキのバインダーとしては、例えば、硝化綿、セルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル系等の単独もしくは各変成物の中から適宜選択すればよい。これらは水性や溶剤系、あるいはエマルジョン系でも問題はなく、且つ硬化方法も1液タイプでも、硬化剤を利用した2液タイプでも任意での選択が可能である。さらに、紫外線や電子線等の活性エネルギー線照射によりインキを硬化させることも可能である。
絵柄層2には、必要に応じて、例えば、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、分散剤などの各種添加剤を添加しても良い。絵柄層2を設ける方法としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、シルク印刷、静電印刷、インクジェット印刷等の公知の印刷技法により、着色熱可塑性樹脂層1に直接施すことができる。なお、インキの塗布とは別に各種金属の蒸着やスパッタリングで金属調の意匠性を施すことも可能である。
本実施形態では、上述した化粧シート10を基材7に貼り合せて、化粧部材11としてもよい。具体的には、化粧シート10を、鋼板・アルミ板などの金属系基材、MDFなどの木質系基材、またはPETなどの樹脂系基材上に貼り合わせることにより、高い耐候性能を有する化粧部材11を得ることができ、屋外用途などに使用した場合でも、経時での意匠性低下が殆ど見られない。
接着剤層6は、接着剤で構成された層であり、基材7と着色熱可塑性樹脂層1とを貼り合せるための層である。
接着剤層6を構成する接着剤としては、例えば、ウレタン系、アクリル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系、ポリエステル系等を採用することができる。特に、本実施形態においては、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの配合による2液硬化型ウレタン系の接着剤等が好ましい。また、これらの材料にシリカや硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機質粉末を添加して接着剤層6を形成すると、巻取保存時のブロッキングの防止や、投錨効果による接着力の向上に有効である。
接着剤層6の層厚は、0.5μm〜6μm程度が好適である。
なお、接着剤層6の構成材料として、上述した接着性樹脂層3の構成材料と同じものを用いてもよい。
以下、本実施形態に係る化粧シート10の製造方法の一例について、簡単に説明する。
上述した着色熱可塑性樹脂層1、絵柄層2及び接着性樹脂層3をこの順に積層する。
次に、接着性樹脂層3上に透明熱可塑性樹脂層4を形成すると同時に、透明熱可塑性樹脂層4の表面にエンボス加工により凹凸模様を形成する。
次に、凹凸模様を形成した透明熱可塑性樹脂層4の表面に表面保護層5を形成するための塗液を塗布する。
最後に、この塗液を、凹凸模様を構成する凹部8に埋め込むようにワイピングし、塗液を硬化させることで、透明熱可塑性樹脂層4上に表面保護層5を形成する。
こうして、本実施形態に係る化粧シート10を形成する。
上述した化粧シート10と基材7とを、上述した接着剤層6を介して貼り合せる。
最後に、接着剤層6を硬化させて化粧部材11を形成する。
(実施例1)
隠蔽性のあるポリエチレン原反(厚さ70μm)上に2液型ウレタンインキ(V180:東洋インキ(株)製)を用いて木目柄をグラビア印刷し絵柄層(厚さ3μm)を設けた。
次に、絵柄層を備えたポリエチレン原反上に、ドライラミネート用接着剤(タケラックA540:三井化学(株)製)(厚み2μm)を介して、下記透明熱可塑性樹脂層組成物を厚み80μmで押し出しラミネートし、透明熱可塑性樹脂層を形成すると同時にその表面に木目模様(導管部)の凹凸エンボスを施した。
次に、透明熱可塑性樹脂層の最表面に、下記表面保護層組成物をグラビアコートで塗布乾燥させた。この際、透明熱可塑性樹脂層の凹部に、表面保護層組成物をワイピングして埋め込み、25℃で3日間養生することで実施例1の化粧シートを得た。
・透明ホモポリプロピレン樹脂(プライムPP;(株)プライムポリマー製)
・・・99質量部
・紫外線吸収剤(チヌビン326;BASFジャパン(株)製)・・・0.5質量部
・光安定剤(チヌビンXT55;BASFジャパン(株)製) ・・・0.5質量部
・主剤(メチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート=80/20)
・・・90質量部
・紫外線吸収剤(チヌビン479);BASFジャパン(株)製) ・・・9質量部
・光安定剤(チヌビン123;BASFジャパン(株)製) ・・・1質量部
・硬化剤(タケネートD170;三井化学(株)) ・・・10質量部
・溶剤(酢酸エチル) ・・・240質量部
下記式(7)に「チヌビン479」の分子構造を示す。
実施例1の表面保護層に添加する紫外線吸収剤をチヌビン400にしたこと以外は実施例1と同様の方法で比較例1の化粧シートを得た。
下記式(8)に「チヌビン400」の分子構造を示す。
実施例1の表面保護層に添加する紫外線吸収剤をアデカスタブLA−F70にしたこと以外は実施例1と同様の方法で比較例2の化粧シートを得た。
下記式(9)に「アデカスタブLA−F70」の分子構造を示す。
透明熱可塑性樹脂層の凹部に表面保護層組成物を埋め込む工程を除いたこと以外は実施例1と同様の方法で比較例3の化粧シートを得た。
上記実施例および比較例で得られた化粧シートについて、以下の方法で意匠性と耐候性を評価した。評価結果を下記表1に示す。
化粧シートの外観を以下の基準により目視評価した。ただし、基準シートは実施例1において紫外線吸収剤を含まないシートを別途作製したものである。
◎:目視観察にて、基準シートに対し外観の差異が全く認められない。
○:目視観察にて、基準シートに対し外観の差異が極わずか認められる。
×:目視観察にて、基準シートに対し白濁感が認められる。
なお、意匠性の評価が「◎」、「○」であれば使用上問題がないため、合格とした。
化粧シートの耐候促進試験後の絵柄の変色を目視観察し、絵柄の変色・白化・亀裂(破断)の発生が早い順に3、2、1と評価した。耐候促進試験はダイプラ・ウィンテス(株)製・メタルウェザー試験機(KU−R5DCI−A)を用い、ブラックパネル温度63℃、照度65mW/cm2(UV照射20時間+結露4時間)を1サイクルとし30サイクル実施した。
絵柄の変色の有無については、木目模様が形成された領域(導管部)と、木目模様が形成されていない領域(平面部)とに分けて目視観察した。
なお、耐候性の評価が「1」であれば使用上問題がないため、合格とした。
2 ・・・絵柄層
3 ・・・接着性樹脂層
4 ・・・透明熱可塑性樹脂層
5 ・・・表面保護層
6 ・・・接着剤層
7 ・・・基材
8 ・・・凹部
10・・・化粧シート
11・・・化粧部材
Claims (7)
- 前記表面保護層は、前記ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤を、前記アクリル系樹脂組成物100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下の範囲内で含有することを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
- 前記凹部を構成する全ての面は、前記表面保護層を構成する樹脂で覆われていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の化粧シート。
- 基材と、前記基材の少なくとも一方の面側に設けられた、請求項1から請求項4のいずれかに1項に記載の化粧シートと、を備え、
前記基材は、金属系基材、木質系基材、または樹脂系基材であることを特徴とする化粧部材。 - 請求項1から請求項4のいずれかに1項に記載の化粧シートの製造方法であって、
前記オレフィン樹脂層の表面にエンボス加工により前記凹凸模様を形成する工程と、
前記凹凸模様を形成した前記オレフィン樹脂層の表面に前記表面保護層を形成する工程と、を有し、
前記表面保護層を形成する工程では、前記オレフィン樹脂層の前記凹凸模様を構成する前記凹部に、前記表面保護層を埋め込むことを特徴とする化粧シートの製造方法。 - 前記表面保護層を形成する工程では、前記オレフィン樹脂層の前記凹凸模様を構成する前記凹部に、前記表面保護層をワイピングによって埋め込むことを特徴とする請求項6に記載の化粧シートの製造方法。
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