JP2022002829A - 過酸化水素除去方法および過酸化水素除去装置並びに純水製造装置 - Google Patents

過酸化水素除去方法および過酸化水素除去装置並びに純水製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 幅広い濃度領域の被処理水中の過酸化水素を、迅速に安定して長期間処理することができる、過酸化水素除去方法、及び装置並びに純水製造装置を提供する。【解決手段】 過酸化水素を含む被処理水を過酸化水素除去装置に通水し、過酸化水素を除去する方法であって、前記過酸化水素除去装置は、陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室との間に少なくとも1つの過酸化水素除去室を備え、前記過酸化水素除去室は前記陽極側に位置する第1のイオン交換膜と前記陰極側に位置する第2のイオン交換膜とによって区画され、前記過酸化水素除去室内に過酸化水素分解能を有する金属触媒が充填されており、前記陽極と前記陰極の間に直流電流が印加されることを特徴とする過酸化水素の除去方法を用いる。【選択図】 図7

Description

本発明は、排水処理や純水・超純水製造工程において、水中の過酸化水素を除去するための方法および装置並びに純水製造装置に関する。
従来、電子部品の洗浄や表面処理に、酸やアルカリなどの薬液とともに酸化剤として過酸化水素が広く用いられている。過酸化水素は酸化力を有しているため、水処理システムを構成するイオン交換樹脂装置など、耐酸化性の低い装置に流入しない様に、適切に管理して除去する必要がある。例えば、超純水製造システムにおいて、被処理水中に過酸化水素が含まれると、イオン交換樹脂の一部が酸化分解を受け有機物の溶出を引き起こすことが知られている。また、過酸化水素はその酸化力により殺菌力も高いため、純水システムの系外の排水システムへと排出する際においても、生物処理設備に影響を与える可能性があることから、予め除去してから排出する必要性がある。また、純水・超純水製造システムにおいては、TOC成分の分解を目的とした紫外線酸化装置を用いる場合があり、紫外線酸化を行った後の処理水には微量の過酸化水素が含まれていることが知られている。
従来から、被処理水中の過酸化水素を低減する方法として、還元剤を添加する方法、活性炭と接触させる方法、金属を担持した樹脂と接触させる方法等がある。還元剤を添加する方法では、過酸化水素を含む被処理水に、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤を添加する。還元剤と過酸化水素との反応速度は非常に速く、確実に過酸化水素を分解除去することが可能であるが、還元剤の添加量を制御することが難しく、また、過酸化水素を確実に除去するためには過剰量の添加が必要であるため、還元剤が液中のイオン量を増加させ、水質悪化を招きかねない。
活性炭と接触させる方法では、通常、活性炭の充填塔を設置して通水するが、反応速度が遅いために、通水空間速度を高くすることができず、装置が大型化する問題がある。また、活性炭は、過酸化水素の分解に伴って、自身も酸化されて粒子の崩壊が起こる懸念がある。
金属を担持した樹脂と接触させる方法としては、例えば、パラジウムや白金触媒をイオン交換樹脂に担持させた触媒樹脂に、過酸化水素を含有する被処理水を接触させる方法が提案されている(特許文献1)。この方法によれば、過酸化水素は2H→2HO+Oの反応により分解される。
特開2007−185587号公報
本発明は、幅広い濃度領域の被処理水中の過酸化水素を、迅速に安定して長期間処理することができる、過酸化水素除去方法、及び装置、並びに当該装置を備える純水・超純水製造装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明では、陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室との間に少なくとも1つの過酸化水素除去室を備え、前記過酸化水素除去室は前記陽極側に位置する第1のイオン交換膜と前記陰極側に位置する第2のイオン交換膜とによって区画され、前記過酸化水素除去室内に過酸化水素分解能を有する金属触媒が充填されており、前記陽極と前記陰極の間に直流電流が印加される、過酸化水素除去装置を用いることとした。
特に、金属触媒として白金族金属触媒を用い、さらに、白金族金属触媒がイオン交換体に担持されている場合に有利である。本発明者らは、このような構成とすることで、触媒が担持されているイオン交換体の電気再生を連続的に行いながら運転することが可能になり、過酸化水素の分解除去性能を高いまま維持することができることを明らかにした。特に、アニオン負荷となる炭酸が存在する被処理水にて、金属触媒として白金族金属触媒を担持したアニオン交換体を用いる場合に、より優位性が発揮できる。そして、被処理水から該アニオン交換体に吸着した炭酸(アニオン成分)を、電気再生により脱離し、該陰極と該陽極間に印加されている電流により、陽極側の区画にアニオン交換膜を介して除去することで、水質の向上も可能になる。
また、本装置では、電流を連続して印加することで、白金族金属触媒が担持されているイオン交換体の再生状態が維持できるため、SVを100h−1以上に設定して運転することも可能である。なお、SVとは空間速度(Space Velocity)のことをいい、単位時間あたりに過酸化水素除去室内に充填された白金族金属触媒が担持されたイオン交換体の体積の何倍相当分の被処理水を処理しているかで表す。具体的には、被処理水の流量(L/h)を白金族金属触媒が担持されたイオン交換体の体積(L)で割ることで求められる。SVを通常の2倍、3倍で運用できるようになることは、使用する触媒樹脂(貴金属を担持しているため高価)の量を1/2、1/3と減らすことが可能になる点で有利である。
さらに、前記過酸化水素除去室と前記第2のイオン交換膜との間に、中間イオン交換膜が配置されており、前記中間イオン交換膜と前記第2のイオン交換膜の間にイオン交換体が充填された脱塩室を有し、前記過酸化水素除去室にて処理された処理水が、前記脱塩室に通水される、過酸化水素除去装置を用いることとした。
この構成により、前記過酸化水素除去室にて処理された処理水が、前記脱塩室に通水され、被処理水に存在する過酸化水素の除去と、イオン成分の脱塩の両方が達成できる。それにより、高い純度の純水ならびに超純水を製造することが可能になる。
幅広い濃度範囲の過酸化水素を長期間にわたり安定して除去できるようになることで、水処理設備全体の安定運用を行うことが可能になる(酸化剤による劣化は水処理設備に回復不可能な致命的なダメージを与え、特に電気再生式脱イオン水製造装置内のイオン交換樹脂は、酸化剤が存在すると劣化しやすいことが知られている。)。
本発明に係る過酸化水素除去装置の一例を示す模式図である。 実施例1〜7で用いた本発明の過酸化水素除去装置を示す模式図である。 図2において、被処理水、供給水、濃縮水、電極水、処理水の流れの一例を示す模式図である。 本発明に係る過酸化水素除去装置の他の一例を示す模式図である。 本発明に係る過酸化水素除去装置の他の一例を示す模式図である。 本発明に係る過酸化水素除去装置の他の一例を示す模式図である。 本発明に係る過酸化水素除去装置の他の一例を示す模式図である。 本発明に係る過酸化水素除去装置の他の一例を示す模式図である。 実施例8で用いた本発明の過酸化水素除去装置を示す模式図である。 本発明に係る過酸化水素除去装置の他の一例を示す模式図である。 本発明に係る過酸化水素除去装置の他の一例を示す模式図である。 本発明に係る過酸化水素除去装置の他の一例を示す模式図である。 比較例1、3、5、7、9、11に用いた装置の概略を示す模式図である。 比較例2、4、6、8、10、12、14に用いた装置の概略を示す模式図である。 比較例15に用いた装置の概略を示す模式図である。 従来技術の純水製造装置を示す模式図である。 本発明に係る純水製造装置の一例を示す模式図である。 本発明に係る超純水製造装置の一例を示す模式図である。 本発明に係る超純水製造装置の他の一例を示す模式図である。 本発明に係る超純水製造装置の他の一例を示す模式図である。
本発明に用いられる過酸化水素分解能を有する金属触媒としては、パラジウム、白金などの白金族金属触媒の他、鉄、マンガン、ニッケル、金、銀、銅、クロム、アルミニウム、ならびにその化合物などが挙げられる。その中でも、白金族金属触媒は、過酸化水素分解に対する触媒活性が高いため、より好適に用いられる。
以下、図面を参照して本発明を説明するが、本発明は図面に記載された態様に限定されるものではない。
図1において、本発明の過酸化水素除去装置100は、陽極11を備えた陽極室21と陰極12を備えた陰極室25との間に少なくとも1つの過酸化水素除去室23を備え、前記過酸化水素除去室23は前記陽極側に位置する第1のイオン交換膜と前記陰極側に位置する第2のイオン交換膜とによって区画され、前記過酸化水素除去室内に白金族金属触媒が担持されたイオン交換体が充填されている。図1においては、第1のイオン交換膜としてアニオン交換膜32を、第2のイオン交換膜としてカチオン交換膜33を備えている。具体的に図1において、本発明の過酸化水素除去装置100は、陽極11、陽極室21、第1の濃縮室22、過酸化水素除去室23、第2の濃縮室24、陰極室25、陰極12の順で配置されている。陽極室21と第1の濃縮室22はカチオン交換膜31で、第1の濃縮室22と過酸化水素除去室23はアニオン交換膜32で、過酸化水素除去室23と第2の濃縮室24はカチオン交換膜33で、第2の濃縮室24と陰極室25はアニオン交換膜34で、それぞれ仕切られている。ここで、陽極11と陰極12が対向し、過酸化水素除去室23はアニオン交換膜32およびカチオン交換膜33で区画されている。過酸化水素除去室23には、白金族金属触媒を担持したイオン交換体(Cat IER)が充填されている。また、陽極室21、第1の濃縮室22、第2の濃縮室24、陰極室25には、それぞれ白金族金属触媒を担持していないイオン交換体が充填されている。ここで、イオン交換体としては、アニオン交換体、カチオン交換体、あるいは、アニオン交換体とカチオン交換体の混床、複層床などを挙げることができる。
次に、図1において被処理水から過酸化水素を除去する作用について説明する。陽極室21、第1の濃縮室22、第2の濃縮室24、陰極室25にそれぞれ供給水を通水し、陽極11と陰極12との間に直流電流を印加した状態で、過酸化水素除去室23に被処理水を通水する。過酸化水素を含んだ被処理水を通水すると、被処理水中の過酸化水素は過酸化水素除去室23内のイオン交換体に担持された白金族金属触媒との間の触媒反応にて、過酸化水素が水と酸素に分解され、過酸化水素が除去された処理水が流出する。このとき、過酸化水素除去室23では、印加電流によって異種のイオン交換体(アニオン交換膜とカチオン交換体、もしくはカチオン交換膜とアニオン交換体、あるいはカチオン交換体とアニオン交換体)の界面で生じる電位差により、水の解離反応(HO→H+OH)が同時に起こり、水素イオンおよび水酸化物イオンが生成し、水素イオンと水酸化物イオンとによって、先に過酸化水素除去室23内のイオン交換体に吸着されていたイオン成分がイオン交換されてイオン交換体から脱離する。脱離したイオン成分のうちアニオンはアニオン交換膜32を介して陽極に近い方の第1の濃縮室22に移動し、この第1の濃縮室22から濃縮水として排出される。一方、カチオンは、カチオン交換膜33を介して陰極に近い方の第2の濃縮室24に移動し、この第2の濃縮室24から濃縮水として排出される。結局、過酸化水素除去室23に供給された被処理水中のイオン成分は、第1の濃縮室22、第2の濃縮室24に移行して排出され、同時に、過酸化水素除去室23のイオン交換体も再生される。なお、陽極室21および陰極室25からは電極水がそれぞれ排出される。
なお、直流電流の印加は被処理水の通水時に連続的に印加してもよいし、断続的に印加してもよい
なお、濃縮室、電極室に通水する供給水としては、特に制限はなく、それぞれ独立の供給水を用いることができ、また、同一の供給水を分岐して用いてもよい。さらに、被処理水や過酸化水素除去室23の処理水を通水してもよいし、過酸化水素を含まない別系統の供給水を通水してもよい。ここで、過酸化水素除去室23で過酸化水素が除去された処理水を濃縮室、電極室に通水する供給水として使用すると、濃縮室、電極室を酸化劣化させるおそれが低いため、より好ましい。この点については、図3の説明において後述する。
図1において、[濃縮室(C)|アニオン交換膜(AEM)|過酸化水素除去室(H)|カチオン交換膜(CEM)|濃縮室(C)]からなる基本構成が陽極と陰極の間に配置されている。この基本構成をセルセットと呼ぶ。実際には、電極間にこのようなセルセットを複数個(図1では「Nセット」)並置し、電気的には複数個のセルセットが一端を陽極とし、他端を陰極として直列接続されるようにして、処理能力の増大を図ることができる。この場合、隣接するセルセット間で隣り合う濃縮室を共有することができるので、本発明の過酸化水素除去装置の構成としては、[陽極室|CEM|C|AEM|H|CEM|C|AEM|H|CEM|C|AEM|H|CEM|・・・|C|AEM|陰極室]の構成とすることができる。このような直列構造において、陽極室に最も近い過酸化水素除去室については、陽極室との間に独立の濃縮室を介在させることなく濃縮室兼陽極室として機能させることができる。同様に、陰極室に最も近い過酸化水素除去室においては、陰極室との間に独立の濃縮室を介在させることなく濃縮室兼陰極室として機能させることができる。
図2は、図1において、陽極室21にカチオン交換樹脂(CER)を、濃縮室22、24、陰極室25にアニオン交換樹脂(AER)を、過酸化水素除去室23に白金族金属触媒担持アニオン交換樹脂(Cat AER)を充填した例を示している。
この図2の構成の過酸化水素除去装置を用いて、後述する実施例1〜7を行った。
図3は、図2において、陽極室21、第1の濃縮室22、第2の濃縮室24、陰極室25の供給水として、過酸化水素除去室23で過酸化水素が除去された処理水を用いる例を示している。過酸化水素除去室23から得られる処理水の一部を第1の濃縮室22、第2の濃縮室24に通水し、それぞれ濃縮水として、排出する。また、処理水の一部を陰極室25に通水し、排出された電極水をさらに陽極室21に通水している。過酸化水素が除去された処理水を濃縮室、電極室に通水する供給水として使用することにより、濃縮室、電極室を酸化劣化させるおそれが低くなる。
図4は、図2において、過酸化水素除去室23に、白金族金属触媒担持アニオン交換樹脂(Cat AER)に加え、カチオン交換樹脂(CER)を混合した混床(MB)を用いた例を示している。
図5は、図4において、白金族金属触媒担持アニオン交換樹脂(Cat AER)とカチオン交換樹脂(CER)を混合した混床(MB)に代えて、水の流れ方向に沿って白金族金属触媒担持アニオン交換樹脂(Cat AER)の層と、カチオン交換樹脂(CER)の層とが交互に配置した複層床構成のイオン交換体を過酸化水素除去室23に充填した例を示している。
図6は、図5において、水の流れ方向に沿って白金族金属触媒担持アニオン交換樹脂(Cat AER)の層と、アニオン交換樹脂(AER)の層とが交互に配置した複層床構成のイオン交換体を過酸化水素除去室23に充填した例を示している。
図7は、陽極11、濃縮兼陽極室26、アニオン交換膜32、過酸化水素除去室23、カチオン交換膜33、濃縮兼陰極室27、陰極12の順で配置された、本発明の過酸化水素除去装置の他の例を示している。ここで、濃縮兼陽極室26にはアニオン交換樹脂(AER)またはカチオン交換樹脂(CER)を、過酸化水素除去室23には白金族金属触媒担持アニオン交換樹脂(Cat AER)を、濃縮兼陰極室27にはアニオン交換樹脂(AER)またはカチオン交換樹脂(CER)を充填した例を示している。
図8は、図1において、第2のイオン交換膜に替えて、中間イオン交換膜36が配置されており、中間イオン交換膜36の陰極側にイオン交換体が充填された脱塩室28を備え、脱塩室28と陰極室25との間に第2のイオン交換膜を備え、過酸化水素除去室23にて処理された処理水が、脱塩室28に通水される、本発明の過酸化水素除去装置200の他の例を示している。すなわち、本態様では、陽極11、陽極室21、カチオン交換膜31、第1の濃縮室22、アニオン交換膜32、過酸化水素除去室23、中間イオン交換膜36、脱塩室28、カチオン交換膜33、第2の濃縮室24、アニオン交換膜34、陰極室25、陰極12の順で配置されている。ここで、中間イオン交換膜36としては、アニオン交換膜、カチオン交換膜、バイポーラ膜などの複合膜のいずれを用いてもよい。そして、過酸化水素除去室23から得られた処理水が脱塩室28に通水される。これにより、過酸化水素の除去と脱塩が同時に行われることとなり、高い純度の純水ならびに超純水を製造することが可能となる。
図9は、図8において、陽極室21、脱塩室28にカチオン交換樹脂(CER)を、第1の濃縮室22、第2の濃縮室24、陰極室25にアニオン交換樹脂(AER)を、過酸化水素除去室23に白金族金属触媒担持アニオン交換樹脂(Cat AER)を充填し、中間イオン交換膜としてカチオン交換膜35を用いた例を示している。
この図9の構成の過酸化水素除去装置を用いて、後述する実施例8を行った。
図10は、図9において、脱塩室28にカチオン交換樹脂を充填する代わりに、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の混床(MB)を用いた例を示している。
図11は、図9において、脱塩室28にカチオン交換樹脂を充填する代わりに、水の流れ方向に沿ってカチオン交換樹脂(CER)の層と、アニオン交換樹脂(AER)の層とが交互に配置した複層床構成のイオン交換体を充填した例を示している。
図12は、図11において、第2の濃縮室24と陰極室25との間に、副過酸化水素除去室29を配置した例を示している。副過酸化水素除去室29には、白金族金属触媒担持アニオン交換体(Cat AER)を充填し、副過酸化水素除去室29と、陰極室25との間には、アニオン交換樹膜38が配置されている。
この態様では、過酸化水素除去室を複数有するため、より効率的に過酸化水素の除去が行うことができる。
図13は、図2において、触媒を担持していないアニオン交換体を用いた構成を示している。この図13の構成の装置を用いて、後述する比較例1、3、5、7、9、11、13を行った。
図14は、白金族金属触媒を担持したアニオン交換体を充填したカラムの例を示している。この図14の構成の装置を用いて、後述する比較例2、4、6、8、10、12、14を行った。
図15は、図9において、触媒を担持していないアニオン交換体を用いた構成を示している。この図15の構成の装置を用いて、比較例15を行った。
本発明に用いられるアニオン交換体は特に限定しないが、モノリス状多孔質アニオン交換体やアニオン交換樹脂が好適に用いられる。また、アニオン交換膜としては、特に限定はないが、例えば、均質アニオン交換膜や不均質アニオン交換膜が好適に用いられる。また、カチオン交換体は特に限定しないが、モノリス状多孔質カチオン交換体やカチオン交換樹脂が好適に用いられる。また、カチオン交換膜としては、特に限定はないが、例えば、均質カチオン交換膜や不均質カチオン交換膜が好適に用いられる。加えて、中間イオン交換膜としては、特に限定はないが、例えば、均質アニオン交換膜や不均質アニオン交換膜、均質カチオン交換膜や不均質カチオン交換膜、バイポーラ膜などが好適に用いられる。
また、アニオン交換樹脂またはカチオン交換樹脂の母体となる樹脂としては、特に制限はないが、三次元的な網目構造を持った有機高分子を母体とするものが好ましく、例えば、母体となる有機高分子としては、スチレン−ジビニルベンゼンの共重合体(スチレン系)や、アクリル酸−ジビニルベンゼンの共重合体(アクリル系)などを挙げることができる。
さらに、アニオン交換体の種類としては、弱塩基性アニオン交換体、強塩基性アニオ
ン交換体等が挙げられる。カチオン交換体の種類としては、弱酸性カチオン交換体、強酸性カチオン交換体等が挙げられる。
本発明に用いられる白金族金属触媒を担持したイオン交換体は、上記のカチオン交換体、アニオン交換体に白金族金属触媒の粒子が担持されているものになる。
触媒として用いられる白金族金属としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金等を挙げることができ、これらを単独であるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのなかで、白金、パラジウム、白金/パラジウム合金は、触媒活性が高く、好適に用いられる。
本発明に用いられる白金族金属触媒を担持したイオン交換体の製造方法には特に制約はなく、公知の方法により、イオン交換体に、白金族金属の粒子を担持させることにより、白金族金属触媒を担持したイオン交換体を得ることができる。例えば、アニオン交換体を塩化パラジウムの塩酸水溶液に浸漬し、塩化パラジウム酸アニオンをイオン交換によりアニオン交換体に吸着させ、次いで、還元剤と接触させてパラジウム金属ナノ粒子をアニオン交換体に担持する方法や、アニオン交換体をカラムに充填し、塩化パラジウムの塩酸水溶液を通液して塩化パラジウム酸アニオンをイオン交換によりアニオン交換体に吸着させ、次いで、還元剤を通液してパラジウム金属ナノ粒子をアニオン交換体に担持する方法等が挙げられる。用いられる還元剤にも特に制約はなく、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコールや、ギ酸、シュウ酸、クエン酸、アスコルビン酸等のカルボン酸、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等のアルデヒド、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン等が挙げられる。
本発明に用いられる被処理水としては、過酸化水素を含んでいるものであれば特に限定はなく、過酸化水素の濃度としては、例えば、1μg/L以上、5μg/L以上、10μg/L以上、100μg/L以上、1000μg/L以上のものを挙げることができる。
また、被処理水には、炭酸成分を含んでいてもよい。ここで炭酸成分としては、HCO、HCO 、CO 2−のことを指す。本明細書において、これらの炭酸成分の総量を「全炭酸」といい、その濃度をCO換算濃度(as CO)として表す。本発明に用いられる被処理水の全炭酸の濃度としては、特に制限はないが、例えば、0.01mg/L(as CO)以上、0.1mg/L(as CO)以上、1.0mg/L(as CO)以上のものを挙げることができる。
本発明に用いられる被処理水の導電率としては、特に制限はないが、例えば、0.1μS/cm以上、1μS/cm以上のものを挙げることができる。
また、本発明に用いられる被処理水には、ナトリウム等の塩成分を含んでいてもよい。被処理水中に含まれるナトリウムの濃度としては、特に制限はないが、例えば、1μg/L以上、10μg/L以上、100μg/L以上等を挙げることができる。
本発明において、白金族金属触媒を担持したイオン交換体の充填体積に対する、被処理水の通水空間速度としては、過酸化水素が除去できるものであれば特に制限はないが、例えば、10h−1以上、100h−1以上、200h−1以上を挙げることができる。
本発明により被処理水から除去される過酸化水素の除去率としては、特に制限はないが、例えば、60%以上、80%以上、90%以上、95%以上を挙げることができる。
図16は、従来技術における純水製造装置の一例を示している。この純水製造装置は、原水を貯蔵する原水タンク41、第1の逆浸透膜装置51、第2の逆浸透膜装置52、逆浸透膜処理水タンク42、電気再生式脱イオン装置(EDI)54、EDI処理水タンク43、紫外線酸化装置(UV)55、非再生型イオン交換樹脂(CP)56、脱気膜(MD)58の順で配置され、この順で原水が処理され、最終的に純水が製造される。また、後段の設備が満水になると、系内にて循環運転を行うことになるが、紫外線酸化装置(UV)より発生する過酸化水素により、EDI54が酸化劣化するのを防止するため、製造された純水は、EDI処理水タンク43にて循環し、EDI54の処理水は、逆浸透膜処理水タンク42にて循環される。このため、循環のラインやEDI処理水タンクが必要となり、複雑な設備となる。
図17は、本発明の純水製造装置の例を示している。本態様の純水製造装置300は、原水タンク41、第1の逆浸透膜装置51、第2の逆浸透膜装置52、逆浸透膜処理水タンク42、紫外線酸化装置(UV)55、本発明の過酸化水素除去装置100、電気再生式脱イオン装置(EDI)54、脱気膜(MD)58の順で配置され、この順で原水が処理され、純水が製造される。そして、後段の設備が満水になると、製造された純水は、逆浸透膜処理水タンク42に循環される。すなわち、紫外線酸化装置(UV)の後段に本発明の過酸化水素除去装置100を配置することにより、紫外線酸化装置により発生する過酸化水素のEDIへの影響を回避することが可能となる。また、本発明の構成により、EDIを2段に配置した場合と同等な高純度の純水を得ることが可能となる。さらに、処理水の循環を1系統にすることで、図16の装置で必要とされた、EDI処理水タンクや、EDI処理水の循環ラインが不要になり、コストの低い純水製造装置とすることができる。
なお、図17では、脱気膜(MD)58の処理水の少なくとも1部を逆浸透膜処理水タンク42に循環しているが、過酸化水素除去装置100または電気再生式脱イオン装置(EDI)54の処理水を逆浸透膜処理水タンク42に循環してもよい。
また、図17では、本発明の過酸化水素除去装置100を例として用いているが、これに代えて、本発明の過酸化水素除去装置200を配置してもよい。
なお、過酸化水素除去装置の濃縮室、電極室に通水する供給水は、紫外線酸化装置(UV)をバイパスした水としてもよい(不図示)。そうすることで、過酸化水素除去装置の濃縮室と電極室に過酸化水素濃度が低い(または含まれない)水が供給されるので、過酸化水素除去装置の濃縮室と電極室の劣化を抑制できるので、より好ましい。
また、過酸化水素除去装置の前段に炭酸除去手段を設けてもよい。過酸化水除去装置に供給される被処理水中の炭酸が少なくなると、過酸化水素除去装置に印加する電流も低くすることが可能となり、消費電力を少なくできる。炭酸除去手段としては、逆浸透膜(RO)装置や、図17には図示しないが、膜脱気(MD)、脱炭酸塔、アニオン交換樹脂塔などが挙げられる。
図18は、本発明の超純水製造装置の例を示している。本態様の超純水製造装置400は、図17で示した純水製造装置300を一次純水システムとして用い、さらにサブシステムを配置して、超純水を製造するものである。
サブシステムとしては、純水タンク45、サブシステム紫外線酸化装置(UV)61、サブシステム非再生型イオン交換樹脂(CP)63、サブシステム脱気膜(MD)65、サブシステム限外濾過膜(UF)67の順で配置され、この順で純水が処理され、超純水が製造される。そして、製造された超純水の一部は、純水タンク45に循環される。また、サブシステム限外濾過膜に代えて精密濾過膜を用いてもよい。
図19は、図18において、一次純水システムとして、紫外線酸化装置(UV)55、本発明の過酸化水素除去装置100、電気再生式脱イオン装置(EDI)54の配置を、電気再生式脱イオン装置(EDI)54、紫外線酸化装置(UV)55、本発明の過酸化水素除去装置100の順に入れ替えた例を示している。
図20は、図19において、一次純水システムとして、電気再生式脱イオン装置(EDI)54に替えてホウ素選択性イオン交換樹脂(B IER)57やホウ素選択性吸着体などのホウ素除去装置を有する例を示している。
以下に示す装置を用い、表1〜4に示す条件1〜7の各条件で、被処理水中から過酸化水素を除去する試験を行った。通水後約100時間のH除去率、ならびに処理水の比抵抗の値をあわせて表1〜4に記載する。
なお、全炭酸の濃度は、TOC計(商品名:Sievers M9e、SUEZ社製)を用い、測定した無機炭素(IC)濃度より、次の方法により算出した。
全炭酸濃度[mg/L(as CO)]=無機炭素(IC)濃度[mg/L(as C)]×3.664
ここで、3.664は、下記式で算出される、炭素(C)の量を全炭酸(CO)相当量に換算する際の係数である。
COの分子量=44.01[g/mol]
Cの原子量 =12.01[g/mol]
44.01[g/mol]÷12.01[g/mol]=3.664
[実施例1〜7]
図2に示す過酸化水素除去装置を用いた。
陽極室21には、スチレン系、ゲル型の強酸性カチオン交換樹脂(デュポン社製:AMBERJET)を充填した。第1の濃縮室22、第2の濃縮室24および陰極室25には、スチレン系、ゲル型の強塩基性アニオン交換樹脂(デュポン社製:AMBERJET)を充填した。アニオン交換膜32、34としては、均質アニオン交換膜(株式会社アストム社製:NEOSEPTA)を使用し、カチオン交換膜31、33には、均質カチオン交換膜(株式会社アストム社製:NEOSEPTA)を使用した。
過酸化水素除去室23は、開口部面積が10cm×10cmで、厚さが1cmのセル枠体の中に、白金族金属触媒担持アニオン交換樹脂としてPd触媒担持アニオン交換樹脂100mLを充填した。なお、この場合の電極面積は1dmであるため、電流値(A)の値は、電流密度(A/dm)に換算しても、同じ値となる。
[実施例8]
過酸化水素除去室23を図9の構成とした以外は実施例1と同様に行った。
過酸化水素除去室23には、開口部面積が10cm×10cmで、厚さが1cmのセル枠体の中に白金族金属触媒担持アニオン交換樹脂としてPd触媒担持アニオン交換樹脂を100mL充填し、脱塩室28には、開口部面積が10cm×10cmで、厚さが1cmのセル枠体の中にスチレン系、ゲル型の強酸性カチオン交換樹脂(デュポン社製:AMBERJET)を100mL充填した。カチオン交換膜33、35としては、均質カチオン交換膜(株式会社アストム社製:NEOSEPTA)を使用した。
[比較例1、3、5、7、9、11、13]
過酸化水素除去室23を図13の構成とした以外は実施例1と同様に行った。
過酸化水素除去室23は、開口部面積が10cm×10cmで、厚さが1cmのセル枠体の中に、触媒を担持していないスチレン系、ゲル型の強塩基性アニオン交換樹脂(デュポン社製:AMBERJET)100mLを充填した。
[比較例2、4、6、8、10、12、14]
図14に示す構成の装置を用いた。カラムは内径5cmのものを用い、実施例1で用いたものと同一の白金族金属触媒担持アニオン交換樹脂100mLを充填した。
[比較例15]
過酸化水素除去室23を図15の構成とし、過酸化水素除室23に触媒を担持していないスチレン系、ゲル型の強塩基性アニオン交換樹脂(デュポン社製:AMBERJET)を充填した以外は実施例8と同様に行った。
<全炭酸の影響>
被処理水中の全炭素の影響について検討した。
Figure 2022002829
被処理水中の全炭酸の濃度が増加しても、実施例1、2では、過酸化水素の除去率はほぼ100%あり、被処理水中の比抵抗もそれぞれ18.1MΩ・cm、17.7MΩ・cmと高い値を示している。
これに対し、比較例1、2、3、4では、過酸化水素の除去率はそれぞれそれぞれ7%、99%、17%、58%となり、処理水の比抵抗はそれぞれ17.9MΩ・cm、16.8MΩ・cm、17.9MΩ・cm、0.6MΩ・cmとなっている。すなわち、比較例1、3は被処理水の全炭酸濃度が高くなると、若干過酸化水素の除去性能は良くなるが、それでも7%→17%の増加でしかなく、低い値である。
ここで、比較例2と4の結果より、被処理水の全炭酸濃度が高くなると、過酸化水素の除去率が著しく低下していることがわかる。これに対して、実施例1および2より、本発明においては、被処理水の全炭酸濃度が高くなっても、非常に良好な過酸化水素の除去率を示していることがわかる。
<過酸化水素の濃度依存性および印加電流依存性>
被処理水中の過酸化水素の濃度および印加電流依存性について検討した。
Figure 2022002829
被処理水中の過酸化水素濃度が変化しても、実施例2、3、4、5では、過酸化水素の除去率はほぼ100%である。
一方、比較例3〜10では、過酸化水素の除去率は大きく低下し、中には、比較例5のように全く除去できないものもあった。
これらの結果より、本発明の装置では、幅広い濃度範囲にて安定して、過酸化水素の除去が達成できることが確認できた。特に、低濃度の除去においてより優位性が発揮できることも確認できた。
また、比較例3と比較例9を見てみると、電流を0.1Aから1Aに引き上げることで、過酸化水素の除去率が17%から24%に上昇したが、未だ低い除去率であり、100%近い除去率を電流値の増大で達成するのは困難と考えられる。
<流量の影響>
被処理水の流量について検討した。
Figure 2022002829
実施例5、6では、被処理水の流量を変化させても、過酸化水素の除去率は100%であった。
これに対し、比較例9と10および11と12を比較しても、被処理水の流量を半分に低下させても、本発明のように過酸化水素の除去率を100%近くまで増加させることはできなかった。
<被処理水中のナトリウムの影響>
被処理水に、カチオン成分であるナトリウムを添加した場合を検討した。なお、ナトリウムはNaOHの溶液を用いて添加した。
Figure 2022002829
実施例7、8では、被処理水にナトリウムが含まれていても、過酸化水素の除去率がほぼ100%であった。さらに、実施例8は被処理水にナトリウムが含まれていても、15.1MΩ・cmと高い水質が得られた。
一方、比較例13〜15では、過酸化水素の除去率が低かった。
表1〜4より、本発明の過酸化水素除去装置および過酸化水素除去方法により、比抵抗が1MΩ・cm以上で、過酸化水素の除去率を90%以上にできることがわかる。
11 陽極
12 陰極
21 陽極室
22 第1の濃縮室
23 過酸化水素除去室
24 第2の濃縮室
25 陰極室
26 濃縮兼陽極室
27 濃縮兼陰極室
28 脱塩室
29 副過酸化水素除去室
31、33、35 カチオン交換膜(CEM)
32、34、37、38 アニオン交換膜(AEM)
36 中間イオン交換膜
41 原水タンク
42 逆浸透膜処理水タンク
43 EDI処理水タンク
45 純水タンク
51 第1の逆浸透膜装置
52 第2の逆浸透膜装置
54 電気再生式脱イオン装置(EDI)
55 紫外線酸化装置(UV)
56 非再生型イオン交換樹脂(CP)
57 ホウ素選択性イオン交換樹脂(B IER)
58 脱気膜(MD)
61 サブシステム紫外線酸化装置(UV)
63 サブシステム非再生型イオン交換樹脂(CP)
65 サブシステム脱気膜(MD)
67 サブシステム限外濾過膜(UF)
100、200 過酸化水素除去装置
300 純水製造装置
400 超純水製造装置

Claims (24)

  1. 過酸化水素を含む被処理水を過酸化水素除去装置に通水し、過酸化水素を除去する方法であって、
    前記過酸化水素除去装置は、陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室との間に少なくとも1つの過酸化水素除去室を備え、前記過酸化水素除去室は前記陽極側に位置する第1のイオン交換膜と前記陰極側に位置する第2のイオン交換膜とによって区画され、前記過酸化水素除去室内に過酸化水素分解能を有する金属触媒が充填されており、前記陽極と前記陰極の間に直流電流が印加される、
    ことを特徴とする過酸化水素の除去方法。
  2. 前記金属触媒が白金族金属触媒である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記白金族金属触媒がイオン交換体に担持されている、請求項2に記載の方法。
  4. 前記過酸化水素除去装置が、前記陽極室と前記第1のイオン交換膜との間に第1の濃縮室を、前記第2のイオン交換膜と前記陰極室との間に第2の濃縮室をそれぞれ有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記第1のイオン交換膜がアニオン交換膜であり、前記第2のイオン交換膜がカチオン交換膜である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記イオン交換体がアニオン交換体である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記被処理水の過酸化水素濃度が1μg/L以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記被処理水が炭酸成分を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記被処理水の炭酸成分の濃度が全炭酸で0.01mg/L(as CO)以上である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記被処理水の導電率が0.1μS/cm以上である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記イオン交換体の充填体積に対する、被処理水の通水空間速度が100h−1以上である、請求項3〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 被処理水に含まれる過酸化水素を除去する装置であって、
    陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室との間に少なくとも1つの過酸化水素除去室を備え、前記過酸化水素除去室は前記陽極側に位置する第1のイオン交換膜と前記陰極側に位置する第2のイオン交換膜とによって区画され、前記過酸化水素除去室内に過酸化水素分解能を有する金属触媒が充填されており、前記陽極と前記陰極の間に直流電流が印加される、過酸化水素除去装置。
  13. 前記金属触媒が白金族金属触媒である、請求項12に記載の過酸化水素除去装置。
  14. 前記白金族金属触媒がイオン交換体に担持されている、請求項13に記載の過酸化水素除去装置。
  15. 前記陽極室と前記第1のイオン交換膜との間に第1の濃縮室を、前記第2のイオン交換膜と前記陰極室との間に第2の濃縮室をそれぞれ有する、請求項12〜14のいずれか1項に記載の過酸化水素除去装置。
  16. 前記第1のイオン交換膜がアニオン交換膜であり、前記第2のイオン交換膜がカチオン交換膜である、請求項12〜15のいずれか1項に記載の過酸化水素除去装置。
  17. 前記イオン交換体がアニオン交換体である、請求項14〜16のいずれか1項に記載の過酸化水素除去装置。
  18. 前記第2のイオン交換膜に替えて、中間イオン交換膜が配置されており、前記中間イオン交換膜の陰極側にイオン交換体が充填された脱塩室を備え、前記脱塩室と前記陰極室との間に第2のイオン交換膜を備え、
    前記過酸化水素除去室にて処理された処理水が、前記脱塩室に通水される、請求項12〜17のいずれか1項に記載の過酸化水素除去装置。
  19. 請求項12〜18のいずれか1項に記載の過酸化水素除去装置の前段に、炭酸除去装置を有する、純水製造装置。
  20. 請求項12〜18のいずれか1項に記載の過酸化水素除去装置の前段に、紫外線酸化装置を有する、純水製造装置。
  21. 前記過酸化水素除去装置の処理水の少なくとも一部を前記紫外線酸化装置の被処理水として循環させる循環手段を有する、請求項20に記載の純水製造装置。
  22. 前記紫外線酸化装置の前段に、ホウ素除去装置が設置されている、請求項20または21に記載の純水製造装置。
  23. 請求項19〜22のいずれか1項に記載の純水製造装置を一次純水システムとして備え、サブシステムとして限外濾過膜または精密濾過膜を備える、超純水製造装置。
  24. 前記サブシステムにおいて、前記限外濾過膜または精密濾過膜の前段に、紫外線殺菌装置または紫外線酸化装置、並びに、非再生型イオン交換樹脂をさらに備える、請求項23に記載の超純水製造装置。
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