JP2021532802A - リアルタイムpcrを実施する方法 - Google Patents

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Abstract

核酸を増幅するプロセスを実施する方法(10)において、試料核酸および参照核酸は、別々の反応バッチ中で増幅される。その際、増幅信号はリアルタイムで観察される。増幅サイクルの数および/または増幅プロセスの持続時間は、増幅信号に応じて動的に調整される。

Description

本発明は、試料核酸および参照核酸を増幅するPCRサイクルが実施されるリアルタイムPCRを実施する方法に関する。さらに、本発明は、この方法を実施するように設定されたコンピュータプログラムに関する。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、特定の遺伝子断片または一般に核酸配列を検出する高感度生体分析法である。ここでは、特定のDNA配列が、周期的複製により複製または増幅される。複製には、酵素であるDNAポリメラーゼが必要である。その際、複製サイクルの産物が、開始材料としてまたは次の複製サイクルの鋳型(テンプレート)として機能する。PCRの既知の実施形態は、いわゆるリアルタイムPCRであり、このリアルタイムPCRにおいて、反応の過程を、特に蛍光プローブにより追跡することができる。リアルタイムPCRにより、増幅前に反応混合物中に存在していたDNAの初期量を定量化することができる。定量化は、各反応において並行して個別の反応バッチ中で一緒に処理されて測定される参照測定物に基づいて実施される。
ポリメラーゼ連鎖反応は、複数の増幅サイクルで進行する。まず、元のDNAが変性させられ、ここで、それらの個別鎖に分離される(溶解)。この状態にて、プライマーは、次のステップで個別鎖に結合(アニーリング)することができる。続くステップで、DNAポリメラーゼが結合し、結合したプライマーから始めて、DNAの各対向鎖を一方向に合成する(伸長)。この第1の増幅サイクルの後に、プライマーは再び変性させられて結合し、続いて対向鎖がさらに合成される。したがって、反応バッチ中には、鋳型としてのDNA分子と、プライマーと、ヌクレオチドと、酵素であるDNAポリメラーゼとが存在している必要がある。変性、プライマーハイブリダイゼーション、および伸長は、温度を調整することにより制御される。したがって、PCRプロセスは、通常、サーマルサイクラー内で実施され、その際、通常、約20〜50回の増幅サイクルが意図されており、各増幅サイクル数は、事前に設定される。
独国特許出願公開第102010052524号明細書には、例えば、フルオロフォアで標識されたDNAプローブが用いられる、核酸配列をリアルタイムで定性的および定量的に検出するPCR法が記載されている。標識されたプライマーが結合した二本鎖の混合物は、ハイブリダイゼーション条件下でプライマーにより生成される。エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼを添加することにより、標識されたDNAプローブが切断され、消光が止められ、それにより、測定可能な蛍光信号が生成される。
発明の開示
発明の利点
本発明は、試料核酸および参照核酸を好ましくは別々の反応バッチ中で増幅する、核酸の増幅プロセスを実施する方法を提供する。本発明によると、増幅信号をリアルタイムで観察し、増幅サイクルの数および/または増幅プロセスの持続時間を増幅信号に応じて動的に調整する。増幅信号を観察するために、それ自体が既知の方法で信号を検知することができ、その際、核酸の生じた増幅を検知可能にするために、蛍光プローブを使用することが好ましい。ここで、このシステムを、増幅された産物の量に比例して蛍光が増加するように設定することができ、その際、さまざまな蛍光色素を使用することができる。例えば、シアニン色素(例えば、SYBR(登録商標)GreenまたはPicoGreen(登録商標))などのDNA色素が使用され得て、これらは、二本鎖DNAに埋め込まれる。別の可能性としては、ドナー蛍光色素がアクセプター蛍光色素と相互作用する、いわゆるFRETプローブ(Foerster共鳴エネルギー伝達:Foerster-Resonanzenergietransfer)がある。検知および評価された増幅信号が対照と比べられ、これに基づいて、増幅サイクルの数および/または増幅プロセスの持続時間が、増幅信号に応じて動的に調整される。すなわち、本発明の本質は、試料および参照または対照の増幅信号を、リアルタイムまたはプロセスの過程におけるいくつかの時点で検知および評価し、これに基づいて、特に増幅サイクルの数および/または増幅プロセスの持続時間を動的に調整することにより、予め定義された動作を実施することにある。
このプロセスは、試料核酸および参照核酸を増幅するPCRサイクルが実施されるリアルタイムPCRであることが好ましい。この好ましい実施形態では、その数が動的に調整されるサイクルは、PCRサイクルである。増幅信号は、それぞれ実施されるPCRサイクルに対して定められることが好ましい。よって、例えば各PCRサイクルの後に、信号の検知および評価が行われ得る。したがって、このいわゆるPCR同時評価に基づいて、例えば各サイクルの後に、新しいサイクルが開始されるべきか、またはPCRプロセス全体が停止されるべきかを決定することができる。例えば、試料核酸を用いた試料および/または参照核酸を用いたバッチにおいて信号増加が確認されたら、PCRは停止され得る。したがって、増幅信号の指数関数的増加の開始を表すサイクル閾値(C値)の検知後にプロセスが終了可能なことにより、PCRプロセスの時間を短縮することができる。よって、定義された既知量のPCR産物が生成された時点でPCRを停止することがさらに可能である。
したがって、例えばDNA含有試料の性質が異なることによりPCR条件が変動するにもかかわらず、増幅中に常に同じ量の産物を生成することを達成することができる。
さらに、本発明による方法は、DNA合成酵素(増幅酵素)を使用する他の増幅プロセス、例えば、全ゲノム増幅(WGA)または他のDNA増幅法、特に増幅プロセスが実質的に一定の温度で進行する等温DNA増幅法にも適している。これらのプロセスでは、例えば、さまざまなポリメラーゼ、ヘリカーゼ、リガーゼ、またはDNA複製アンサンブル(Replikationsensembles)の酵素の組み合わせが使用され得る。これらの実施形態では、特に、増幅プロセスの持続時間は、増幅信号に応じて動的に調整される。
増幅信号をリアルタイムで観察することは、信号が必ずしも連続的に検知されるとは限らないが、例えば個々のPCRサイクルに割り当てられた特定の時間離散的な時点で、信号が例えばPCRサイクルの各結合ステップまたは各伸長ステップの後に検知され得ることと理解されるべきである。
この文脈において、核酸とは、特にDNAを意味すると理解されるべきであり、DNAは、増幅のための鋳型(テンプレート)として機能する。試料核酸と参照核酸または比較試料との双方が、別々の反応バッチで一緒に処理される。ここで、反応バッチは、テンプレートDNAとしての各核酸を含む。さらに、例えばPCRバッチのための通常の試薬、特に、相補的なヌクレオチド配列により特定の位置でDNAの一本鎖と相互作用してDNA合成の開始点を決定するプライマーが含まれる。さらに、熱安定性DNAポリメラーゼ、ならびにDNAポリメラーゼにより合成されるDNA鎖の構成要素としてのデオキシリボヌクレオシド三リン酸が含まれる。さらに、DNAポリメラーゼが機能するのに必要なイオンおよび適切な緩衝液が存在する。この方法が同様に有利に使用可能な他の増幅プロセス、特に等温増幅プロセスの場合、相応する同様にそれ自体が既知の成分が反応バッチ中に含まれる。
この方法では、予め設定可能な最小数の増幅サイクルおよび/または予め設定可能な最小持続時間の増幅プロセスが実施されたときに初めて、増幅信号の観察および/または評価をリアルタイムで開始することが意図され得る。例えば、この最小サイクル数は、このサイクル数または増幅の最小期間の経過前に信号が期待されないようにサイクル数が選択されるように、定義され得る。この構成には、関連する結果が期待されないフェーズの信号を観察および評価する容量を節約できるという利点がある。PCRサイクルの最小数は、例えば10以下の範囲にあり得る。例えば、これらの初期サイクル中に、後続の評価のために基本ベースラインが生成され得る。
この方法の好ましい構成では、試料核酸を用いたバッチにおける増幅の信号強度が、参照核酸を用いたバッチにおける増幅の信号強度に到達しかつ/またはこれを上回ったら、プロセスを終了する。この場合、試料核酸の量は、参照核酸の量またはそれらの濃度に相応すると想定される。方法をこのように構成することにより、特に試料核酸の初期濃度を特定し、続いてプロセスを終了することができる。予め設定可能な最大数の増幅サイクルに到達する前または予め設定可能な最大持続時間のプロセスの前にプロセスを停止することには、PCR反応の最後にサイクル数が多くなるときに特に生じ得る不所望な副産物(例えば、プライマーダイマーの形成)の発生が最小限に抑えられるという特別な利点がある。それにより、必要に応じて設けられる増幅産物のさらなる特性評価において、より詳細な分析が容易になる。
必要に応じて最大数の増幅サイクルおよび/または予め設定可能な最大持続時間のプロセスを実施したら、増幅プロセスを停止することができ、その際、試料核酸を用いたバッチにおける増幅信号の有意な増加は、この時点まで確認されなかった。この最大数は、例えば、従来のPCR実験で選択されるPCRサイクルの数、例えば50PCRサイクルであり得る。
全体として、通常の試薬および反応パラメータが増幅プロセスに使用されるので、ここに記載の方法に新たなアッセイ開発は必要ない。適用事例に応じて、プロセスを制御すること、特に、プロセス持続時間および例えばPCRサイクル数、ならびに場合によって対照の組成に動的に介入することのみが、新たにシステムに関連する。ここで、記載の方法により、試料採取とそれに続く増幅産物の精製とを必要とし得る定量化法を介在させる必要なく、アッセイワークフローの制御された完全な自動化が可能になる。
この方法は、例えば、それぞれ実施される増幅サイクル対して増幅信号が観察されるように実施され得る。信号が有意に増加する場合、各サイクルは「増幅」と分類される。各サイクルについての試料核酸を用いたバッチと参照核酸を用いたバッチとの間のこの分類結果の比較は、評価の際に用いられる。個々の増幅サイクルの代わりに(またはそれに加えて)、プロセス中の設定可能な時点に対して信号を設定してもよく、その際、これらの設定可能な時点で信号が検出される。例えば、信号を1秒〜1分の速度で拾う、すなわち、例えば、(例えば蛍光画像を撮影することにより)信号を1秒または30秒または1分刻みで検出して、例えば上記のように評価することができる。適用に応じて、観察時間範囲は、例えば、1秒〜10分、好ましくは30秒〜5分であり得る。この方法の特に好ましい構成では、増幅プロセスの結果は、指標ベクトル表記として評価される。これに関して、「増幅」と分類された増幅サイクルまたは時点は、例えば指標値「1」に割り当てられ、他のサイクルまたは時点は、指標値「0」に割り当てられ得る。
この方法により、試料核酸の初期量を特に有利な手法で特定および/または制御することができる。この目的のために、好ましくは少なくとも2つの比較試料を、定義された、すなわち既知かつ所定の参照核酸初期量で、並行して一緒に処理することが好ましい。例えば、最小初期量または最小初期濃度を有する比較試料と、最大初期量または最大初期濃度を有する少なくとも1つの比較試料とが使用され得る。その際、最大初期量(最大標準濃度)および最小初期量(最小標準濃度)により、検出範囲を調整することができる。この範囲内の濃度を有するさらなる比較試料により、試料の初期濃度についての間隔割り当てを可能にし、かつ例えば品質管理に利用することが可能な複数の部分間隔を作ることができる。比較試料または標準試料の異なる濃度は、例えば10倍異なる可能性がある。試料中で増幅信号が確認可能(指標値「1」)になったらすぐに、増幅プロセスを停止し、標準濃度を有するバッチのその時点までに到達した各指標値と比較して、試料における初期濃度または濃度間隔を推定することができる。ここでの特別な利点は、プロセスを実施する時間が短縮可能であることである。従来の方法で処理する必要のある最大サイクル数または最大プロセス持続時間を実施して増幅およびその量を検出する必要はなく、プロセスは、増幅信号の指数関数的増加の開始を表すサイクル閾値(C値)の検知後に停止されてもよい。これに関連する時間の節約は、ポイントオブケア(PoC)用途で使用される場合に特に有利である。
この方法のさらなる好ましい構成では、この方法は、感染症検出として使用される。ここでは、検出下限を表す濃度の検出すべき核酸を有する少なくとも1つの比較試料(例えば、病原体の特徴的な遺伝子断片)が一緒に処理される。この検出限界は、増幅反応の最新の停止基準であり得る。試料核酸を用いたバッチにおいて早期に信号が検出された場合、特に「増幅」信号が検知された場合、試験は陽性と評価され得る。ここで、検出すべき核酸の濃度が異なるさらなる比較試料を一緒に処理することができ、その際、有効な試験において、比較試料における増幅信号の出現の時系列は、濃度の並びに相応するはずである。
この方法のさらなる構成では、この方法は、変異体検出として使用される。この目的のために、検出すべき変異体100%の割合を有する定義された濃度の相応する核酸を有する比較試料と、好ましくは、検出すべき変異体0%の割合を含む定義された濃度の核酸(野生型)を有するさらなる比較試料とが一緒に処理される。これら2つの限界値の間で、突然変異核酸および野生型核酸の複数の混合比が選択および使用され得る。
この方法のさらなる構成では、この方法は、全ゲノム増幅(WGA)に使用され得る。ここでの特別な利点は、既知の濃度の核酸濃度を有する相応する比較反応物を一緒に処理することにより、生成される増幅産物量が制御可能であることである。特に全ゲノム増幅の場合、不所望な副産物の問題が、特にサイクル数が多い場合に、または比較的長い増幅期間の後に、すなわちWGAプロセスの最後に生じる可能性がある。それとは対照的に、ここに記載の方法には、特定の産物量または産物濃度に達するとすぐにプロセスを停止できるという利点があり、それにより、不所望な副産物が形成されなくなるか、または不所望な副産物の形成が最小限に抑えられる。
全ゲノム増幅のための方法を使用する場合、参照ゲノムの定義された濃度の核酸(DNA)を含む少なくとも1つの比較試料が一緒に処理されることが好ましい。この第1の比較試料は、それぞれの種について特異的であることが好ましい。例えば、ヒトのゲノムが増幅されるべき場合、他のヒトのDNAまたは好ましくは多数の異なるヒトからの混合物を参照ゲノムとして使用し、それにより遺伝的多様性を考慮することができる。参照ゲノムの定義された濃度または量は、全ゲノム増幅システムでのDNAの最大使用可能量に相応することが好ましい。さらに、増幅すべき核酸を含まない(テンプレート対照なし)第2の比較試料が用意されることが好ましい。さらに、参照ゲノムの定義された量の核酸を含む第3の比較試料として、いわゆる量参照が設けられていることが好ましく、この定義された量は、全ゲノム増幅における産物の所望の目標量に相応する。ここで、第3の比較試料のこのバッチは、増幅酵素を含んでいない。すなわち、この第3の比較試料において、プロセス中に増幅は起こらない。この第3の比較試料の場合、二本鎖DNAに埋め込まれている、すなわち生じる増幅とは無関係である蛍光色素を使用することにより、すでに存在する二本鎖DNAに蛍光色素が埋め込まれるので、これから生じる蛍光信号は、全ゲノム増幅における本来の試料のプロセスにより達成されるべき信号に対応する。この試料における信号と比較した比較試料における増幅信号の発生は、制御されかつ自動化可能な方法でプロセスを実施可能にするさまざまなチェックポイントを定義する。
この方法のさらなる構成では、この方法は、例えば入れ子PCRの領域において、狙いを定めたまたは制御された前増幅のために使用される。ここで、増幅された核酸またはPCR産物の量は、相応する標準を一緒に処理することにより制御および調節される。ここに記載の方法は、第1のマルチプレックスPCRおよび少なくとも1つの第2のシングルプレックスPCRによる入れ子PCRにも使用することが可能であり、その際、この方法により、特に第1のマルチプレックスPCRにおいて増幅される核酸の量を制御することができる。一般に、入れ子PCRの場合、複数の予め定義された遺伝子断片が第1のマルチプレックスPCRで増幅される。その後、1つ(または複数)の第2のシングルプレックスPCRにおいて、第1のPCR産物に基づいて、個々の遺伝子または遺伝子断片が特異的に検出される。例えば、この方法は、変異体検出に利用可能であり、その際、検出すべき変異体(複数可)が潜在的に位置する遺伝子断片が複製される。その後、第2の反応において初めて、個々の変異体が特異的に検出される。ここで、特にこれらの第2の反応は、多くの場合、限られた理想的な作用領域しか有しない。これは、第1のPCRからの投入物質が少なすぎたり多すぎたりすると、反応の効率に悪影響を与える可能性があることを意味する。ここに記載の方法により、第1のPCRで試料の出発物質がどれほど存在していたかを測定することができる。さらに、特定の目標値に達した時点で反応を停止することにより、第1の反応の生成される増幅産物またはPCR産物の量を制御することができる。その後、前増幅におけるPCR産物の検出可能かつ制御可能な濃度に基づいて、第1のPCR産物の相応する希釈を調整し、それにより、第2の反応においてテンプレートDNAとして使用される第1の反応からのPCR産物を、後続の検出反応に最適な濃度に調整することができる。
記載の方法は、例えばラボオンチップシステムとしてのマイクロ流体システムにおける実施に特に適しており、その際、非常に少ない試料量しか必要とされないことが有利である。ここで、記載のシステムの利点は、自動化の可能性との関連でも特に発揮される。
記載の方法を実施するためのさまざまな成分は、例えばキットとしてユーザに提供され得る。ここで、このキットは、特に、各プロセスに必要な比較試料、試薬、酵素、および緩衝剤を含み得る。
この方法は、この方法を実施するように設定されたコンピュータプログラムとして実現され得る。このコンピュータプログラムは、機械で読み取り可能なデータキャリアに保存すること、および/または増幅プロセスを実施するための相応する制御装置に実装することが可能である。
本発明のさらなる特徴および利点は、図面と併せた実施例の以下の説明から明らかとなる。ここで、個々の特徴は、それぞれ個別に実現されていても、または互いに組み合わせて実現されていてもよい。
本発明による方法を実装したリアルタイムPCRのステップの概略図である。 本発明による方法の範囲内のPCRプロセスにおける蛍光信号の評価の図である。 試料の初期濃度を決定する本発明による方法による増幅プロセスの実施の図である。 指標ベクトル表記を用いた、感染症検出の実施における本発明による方法による増幅プロセスの評価である。 指標ベクトル表記を用いた、変異体検出の実施における本発明による方法による増幅プロセスの評価である。 全ゲノム増幅における、本発明による方法のフロー図である。 本発明による方法によるリアルタイムPCRを実施するために必要な装置構成要素の概略図である。
実施例の説明
図1は、本発明による方法によるリアルタイムPCR10のフローを概略的に示す。PCRプロセスの開始11後に、PCRサイクルが開始され、その際、これらの個々のステップは、サーマルサイクラー内の温度を制御することにより行われる。一定の間隔で、特にPCRサイクル内の定義された時点(または等温増幅プロセスにおける特定の時点に応じて)に、増幅信号が検出され、例えば蛍光画像として撮影されて評価される。それぞれの適切な時点の選択は、例えば、それぞれ使用されるプローブに依存し得る。ここに示される例では、例えば各結合ステップの後に測定が行われる。しかしながら、ほとんどの場合、各伸長ステップの後に測定が行われる。各PCRサイクルは、テンプレートDNAを変性させるステップ12を含む。テンプレートDNAとしては、別々の反応バッチにおいて、試料核酸および参照核酸が使用される。変性ステップ12の後に、各プライマーはステップ13で結合(アニーリング)される。続いて、この例では、増幅信号がステップ14で測定される。測定された信号は、ステップ15で評価され、その際、測定された信号が「増幅」と分類されるかどうかについて特に調べられる。その後、特に参照試料と比較して、さらなるPCRサイクルが実施されるかどうかが決定される。例えば、ステップ15において、測定された信号がバックグラウンドとして分類されること、すなわち「増幅」として分類されないことが確認されたら、PCRサイクルは、伸長ステップ16から続行される。続いて、新しいPCRサイクルが、変性ステップ12から再開される。しかしながら、ステップ15において、測定された信号がバックグラウンド信号として評価されずに、「増幅」と分類されることが確認されたら、PCRプロセスを停止することができ、その際、必要に応じて、形成されたPCR産物のさらなる分析および評価が行われ得る(ステップ17)。
ステップ14における信号の検知は、さまざまなそれ自体が既知の手法により、例えば、DNA合成における組み込みにより、またはDNAへの結合または埋め込みにより、起こる増幅を検出可能にする蛍光プローブに基づく。その後、この新しいデータポイントが、すでにそれまでのPCRサイクルにおいて測定されたデータポイントによりバックグラウンドと分類され得るかどうか、または信号がそれまでに決定されたバックグラウンドから有意に逸脱して「増幅」と称され得るかどうかが、特に統計的に試験される。
PCRプロセスの場合、最小および最大のPCRサイクル数が境界条件として予め与えられていることが都合がよい。最小サイクル数により、いつ以降に最も早く信号が期待されるかが定義される。これらのデータポイントは、自動的にバックグラウンドに割り当てられ、増幅については試験されない。この最小サイクル数は、例えば10以下に設定することができる。これらの初期サイクル中に基本ベースラインを生成することができる。試料において増幅が検知できない場合、最大サイクル数が停止基準をなす場合がある。この数は、従来のPCRプロセスにも予め与えられているサイクル数である。
図2は、検知された蛍光信号の評価(図1のステップ15)を図示している。これらの蛍光信号は、個々のPCRサイクルに対して検出され得るか、または増幅プロセス中の、特に等温増幅プロセスの場合(例えば、全ゲノム増幅の場合)の特定の時点に対しても検出され得る。部分図Aは、バックグラウンド(BG)を示すか、または特に早期のPCRサイクルで測定されて増幅が想定されていない個々のデータポイント(白丸)により形成されるベースラインを示す。個々のデータポイントの周りの枠線は、特定の許容値を有する推定バックグラウンドを表す。そのように定義されたこのバックグラウンドは、続くPCRサイクルまたは続く増幅プロセスで測定される蛍光信号に基づく後続のデータポイントの試験のベースとなる。部分図Bは、後続のPCRサイクルまたは後続のプロセスにおけるさらなる蛍光信号に基づいた、バックグラウンドの枠線内に存在する、後に測定されるデータポイントを黒丸として示す。十字で示される最新のデータポイントは、現在の測定値を表しており、これも同様にバックグラウンドの枠線内に存在する。ここでは、増幅が起こらなかったと想定される。よって、まずこれまでのサイクルからのデータポイントに基づいて古いバックグラウンドが計算される。すなわち、現在の測定値(BG1)を除くすべてのポイントについてのバックグラウンドが特定される。現在のデータポイントが存在する場合、第2のバックグラウンドBG2が計算され、その際、現在のデータポイントが算入される。これで、可能性のある2つのバックグラウンドBG1およびBG2が有意に異なるかどうかを統計的に試験することができる。統計的評価は、以下の規定に従って行われ得る:
仮説H1:BG1=BG2
仮説H0:BG1≠BG2
部分図Bのように、P(H1)>P(H0)の場合、有意差は存在せず、増幅は起こらなかった。増幅プロセスは続行される。それに対して、現在のデータポイントによりバックグラウンドが有意に変化する場合(P(H1)<P(H0))、部分図Cに図示されるように増幅が想定される。この情報は、増幅プロセスにおけるさらなる過程の基礎であり、プロセスを終了することができる。
図3は、試料DNAの初期濃度を決定する増幅プロセスの実施を図示している。この例は、PCRプロセスを用いて説明される。この例および後続の例は、例えば等温増幅プロセスにも適用することが可能であり、その際、観察された増幅信号は、個々のPCRサイクルではなく、増幅プロセスの個別の時点に割り当てられる。試料31と並行して、標準32、33、34、および35を有するさまざまな反応バッチが比較試料として一緒に処理される。ここで、標準35は最大標準濃度Sを表し、標準32は最小標準濃度Sを表す。原則的に、最大標準濃度と最小標準濃度との間で、標準濃度の多くの中間レベルを任意に選択することができる。この例では、2つの濃度SおよびSがある。S〜Sまでのさまざまな標準濃度の数により、濃度測定の分解能が決まる。PCRプロセスの開始30の後に、すべてのバッチが並行して運ばれ、個々のPCRサイクルの間に、増幅信号がステップ36で検出される。ステップ37では、増幅があったかどうかが評価される。これは、特に、図2に関連して記載された方法を用いて行われ得る。領域38に示される数字1および0は、増幅(「1」)または増幅なし(「0」)としての分類を表す。試料31に増幅が確認されたら、PCRプロセスを停止することができる。その後、標準試料32〜35における増幅結果と比較して、試料31におけるDNAの初期濃度がどのような濃度間隔にあったかを導き出すことができる。試料31では増幅が確認されなかったが、すでに最小標準濃度35で増幅が生じた場合、試料31の初期濃度が最小標準濃度35により定義された検出限界を下回っているので、PCRプロセスを同様に停止することができる。この手順は、試料31と、比較試料32または最小濃度を有する標準との間に、2つのバッチのうちのいずれかで増幅が確認されたかどうかを調べることで、クエリ39により実現される。この場合、PCRプロセスを終了する(ステップ40)。試料31でも最小濃度32を有する標準S4でも増幅が確認できない場合、次のPCRサイクルがステップ41で実施される。この方法により、濃度間隔を明確に割り当てることができる。ここで、濃度間隔は、標準の数により定義される。ここで、標準S〜Sは、PCRプロセスの進行に応じて、最大濃度から最小濃度まで連続して増幅信号を送ると期待される。試料31で増幅が確認され、同時に標準S〜S(i<n)で増幅が確認される場合、試料31の初期濃度は[S、Si+1]の間隔にある。標準における増幅の確認がその濃度順序と一致しない場合、有効な試験は存在しない。すなわち、より小さい標準濃度を有するバッチがPCRサイクルで増幅を示し、より大きい濃度を有する標準が依然として増幅を示さない場合、反応が同じ効率でないか、または同等でない。例えば、標準濃度は、これらがそれぞれ互いに10倍異なるように選択され得る。これは、従来のリアルタイムPCRの意味合いでの定量化に相応する。
図4は、感染症検出のための指標ベクトル表記を用いた方法を図示している。本来の試料51に加えて、3つの標準52、53、54が一緒に処理され、その際、標準52は、最小濃度の検出すべきDNAを有する標準Sであり、標準53は、中程度の濃度の検出すべきDNAを有する標準Sであり、標準54は、最大量の検出すべきDNAを有する標準Sである。標準Sは、検出限界を表す。この検出限界は、反応の最新の停止基準である。試料51において増幅が早期に確認され、かつ標準における増幅の生じる順序がそれらの濃度順序に相応している場合、試験は陽性と評価される。図4は、特定のPCRサイクルにおける反応が増幅と評価されるべきかどうかについての評価を、指標ベクトルにおいて要約している。このベクトルにおいて、各反応容器または各PCRバッチ(試料および標準)は、各サイクル後に新たに評価される入力を有する。バックグラウンドを上回る信号が検知できる場合、反応は「増幅」と評価される。指標ベクトルにおいて、これには指標値1(真)が割り当てられる。増幅が確認できない場合、反応の指標は0(偽)に設定される。この例では、標準Sが最大の標準であり、検出上限として左側に記載されている。量的に最大標準と最小標準との間にある第2の標準Sが次に続く。検出限界を表す最小標準Sが第3の位置に続く。状態ベクトルにおける最後の入力としては、本来の試料51が続く。実験は/=[0,0,0,0]で初期化される。図4では、有効な試験を表す4つのベクトルが示されている。他の12のあり得るケースはすべて許容されておらず、試験は無効と報告される必要がある。/=[1,1,1,0]の場合、信号は検出限界の範囲内にある。この場合、反応効率のノイズを理由に、個々の反応容器間に存在し得る小さな違いが試験判定にエラーを引き起こすことがないように、必要に応じて1つ以上のサイクルを追加することができる。図の最後の列には、各ベクトルについて、試験結果が正(+)または負(−)で示されている。これらのベクトルのうちの1つが存在したらすぐに、反応を停止することができる。
図5には、同様に指標ベクトル表記として、変異体検出の用途の方法の実施が図示されている。変異体検出の場合、予め定義された量の試料DNAが、検査すべき試料61において使用されることが一般的である。この量は予め定義されているので、標準62、63、および64には、常に同じ量の標準DNAまたは参照DNAが使用される。標準S64は、100%が検出すべき変異体(M)を有する予め挿入されたテンプレートDNAを含む。この標準Sは、最初に増幅が検知されるべき上限をなす。下限、ひいては反応の最後の停止基準は、100%の野生型テンプレート(W)を含む標準S62である。ここで、これら2つの限界値の間で、変異体DNAおよび野生型DNAの複数の混合比が選択され得る。この例では、50%の変異体(M=50%)を含む別の標準S63が設けられている。変異体DNAおよび野生型DNAの混合比を調整することにより、ヒストグラムと同様に、試料を割合ビン(Anteilsbins)に分割することができる。ここで選択されたM=50%の標準Sにより、変異体の割合を50%超および50%未満で分類することができる。よって、このバッチでは、例えば、遺伝子の倍数性を決定することができる。さらなる標準を加えて効率を数値的に推定することにより、より細かい細分化が実現される。図4を用いて先の例で説明したように、反応は、状態ベクトルを介して制御され、それに応じて試験判定がなされる。
図6は、全ゲノム増幅に関連する方法を図示している。全ゲノム増幅では、試料において生じるすべての配列が増幅され、すなわち、プライマーを介してアドレッシングされた(adressierte)定義済みのDNA配列だけが増幅されるわけではない。従来の全ゲノム増幅では、通常のリアルタイムPCRの場合のように蛍光プローブは使用されないが、生成された増幅産物は、特殊な色素を使用して視覚化および定量化される。これらの特殊な色素(例えば、PicoGreen(登録商標)、SYBR(登録商標)Green)は、二本鎖DNAに埋め込まれるとより強く発光するので、蛍光の増加は、増幅が起こったことを示唆している。すなわち、蛍光信号が検知できる場合、これは、二本鎖DNAが存在していることを示唆しているので、これにより増幅を評価することができる。この色素は、定義された量でプロセスのバッチの反応混合物に添加される。全ゲノム増幅プロセスでは、本来の試料71(S)に加えて、さらに3つの比較試料72、73、および74が一緒に処理される。比較試料72は、いわゆるテンプレートなし対照(NTC)としてテンプレートDNAを含まない。増幅すべきDNAがないので、この試料では増幅は確認できないはずである。さらなる比較試料73としては、参照ゲノム(RG)のDNAが一緒に処理される。この参照ゲノムは、種に特異的であることが都合がよい。例えば、ヒトのゲノム全体が増幅されるべき場合、参照ゲノムとしては、他の1人以上のヒトのゲノムが使用される。参照ゲノムの使用量は、例えば、適切な全ゲノム増幅システムでの使用可能な最大量に相応する。したがって、比較試料73のこの参照ゲノムは、まず増幅信号を送るはずである。開始70の後に、参照ゲノム73および試料71が状態ベクトルについて正(状態75)になるまで、反応を実施して増幅について試験する。すなわち、状態75では、参照ゲノム73および試料71の双方が増幅を示し、NTC対照72は反応または増幅を示さない。この状態においてのみ十分なDNAが試料中に存在し、対照72を用いて示されたように、この状態まで非特異的なプライマー増幅(プライマーダイマーの形成)は起こらなかった。この状態は、第1のチェックポイントを示す。第1のチェックポイントの条件が満たされたら、反応が続行されるが、そこで新たな停止基準76について試験される。新たな試験基準76は、試料71および量参照74における増幅強度の比較である。この量参照74は、所望量の参照ゲノムを含み、その際、これは全ゲノム増幅における所望量の産物に相応する。ここで、量参照74は、増幅酵素を除いて、他のバッチのようにWGAバッチ中にすべての成分を含む。結果として、反応中に量参照74において増幅は起こらず、すなわち、DNA合成は起こらない。予め挿入された蛍光色素による参照蛍光信号しか送られない。ここで、増幅された試料71および量参照74が同じ蛍光強度を有する場合、原則的に同じ量の二本鎖DNAが双方のバッチに存在すると想定することができるので、反応をステップ77で停止することができる。さらなる停止基準としては、NTC対照72が増幅信号を示すことが意図され得る。
この方法は、狙いを定めた特定の前増幅にも適用することが可能であり、その際、前増幅において合成されるDNAの量が制御される。ここで、ゲノム全体の代わりに、特定のプライマーが使用され、それにより特定の遺伝子断片が相応して高度にコピーされる。ここでプローブとしては、二本鎖DNAに埋め込まれる色素の代わりに、合成されるDNAに応じて蛍光信号を生成する特定の蛍光標識プローブ、例えば、フルオロフォアおよびクエンチャーを有するTaqMan(登録商標)プローブも使用され得る。量参照は、所望の目標量の増幅物、相応量の切断されたプローブ、すなわち同量の遊離フルオロフォアおよびクエンチャー、ならびに補完的な残量のプローブを含む。これは、TaqMan(登録商標)プローブシステムにおけるリアルタイムPCRバッチでは、プローブの定義された初期量(N=cV)が予め与えられているということに基づく。増幅が開始すると、プローブが切断される。プローブおよび遊離フルオロフォアの量は、生じたコピー数Nアンプリコンに依存する。残りのプローブNは、N=N−Nアンプリコンで計算することができる。NTC対照の代わりに、増幅の検出限界(LoA−増幅限界)を見つけることを可能にするさらなる参照が停止基準として一緒に処理される。ここでは、最小限に使用すべきゲノム希釈物が使用される。よって、ここでの第1のチェックポイントとは、アッセイ固有の予め定義されたゲノム希釈物、すなわち参照LoAが増幅された増幅時点である。
図6の説明に従った全体ゲノム増幅の方法および図5の説明に従った変異体検出は、互いに組み合わされてもよく、変異体検出のための制御されたワークフローとして構成され得る。ここでは、マイクロ流体システムおよび/またはピペッティングロボットが使用され得る。このような完全自動ワークフローは、特に、例えばポイントオブケア用途で使用され得るマイクロ流体システムとの関連で、本発明による方法の非常に有利な使用可能性を提供することができる。
図7は、記載のリアルタイムPCRプロセスに使用可能な装置構成要素を図示している。ここでは、蛍光信号を用いて個々の試料またはPCR反応における増幅を観察できるようにするために、光流体リアルタイムPCRを可能にする、すなわち光信号の信号読み取りを可能にする装置が基礎となっている。そのような装置は、さまざまなPCR反応バッチ102と相互作用する加熱および冷却システム101(サーマルサイクラー)を備える。さらに、この装置は、増幅信号を読み取る光学ユニット103を有する。さらに、流体処理のための装置104、例えば、ロボットシステムまたは相応するマイクロ流体システムが設けられていてもよい。全体として、そのようなシステムはマイクロ流体システムとして構成されることが有利である。というのも、マイクロ流体システムは、非常に少量の試料で操作可能であり、部分的または完全な自動化を可能にするからである。さらに、このシステムには、光学データをその場評価する反応制御ユニット105が備えられている。本発明のフィードバック式リアルタイムPCRシステムを実現するために、反応制御ユニット105は、システムのすべてのユニットと相互作用することができるように構成されている。反応制御ユニット105は、特に、観察された増幅信号に応じてPCRサイクルの数が動的に調整されるように制御することができる。

Claims (15)

  1. 試料核酸(31;51;61;71)および参照核酸(32〜35;52〜54;62〜64、72〜73)を別々の反応バッチ中で増幅する、核酸(10)の増幅プロセスを実施する方法において、増幅信号をリアルタイムで観察し、増幅サイクルの数および/または前記増幅プロセスの持続時間を前記増幅信号に応じて動的に調整することを特徴とする、方法。
  2. 核酸の前記増幅をリアルタイムPCRの領域で実施し、前記増幅サイクルがPCRサイクルであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 予め設定可能な最小数の前記増幅サイクルおよび/または予め設定可能な最小持続時間の前記増幅プロセスが実施されたら前記増幅信号の観察および/または評価をリアルタイムで開始することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記試料核酸の前記増幅の信号強度が前記参照核酸の前記増幅の信号強度に到達しかつ/またはこれを上回ったら前記プロセスを終了することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 予め設定可能な最大数の前記増幅サイクルおよび/または予め設定可能な最大持続時間の前記増幅プロセスが実施されたら前記プロセスを停止することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 前記増幅信号を、それぞれ実施される前記増幅サイクルに対して、および/または設定可能な時点に対して観察し、前記信号が有意に増加した場合、各サイクルまたは各時点を「増幅」と分類し、評価に際して、前記試料核酸および前記参照核酸の間の分類比較を用いることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 前記増幅プロセスの結果を指標ベクトル表記として評価し、その際、「増幅」と分類されたサイクルまたは時点が指標値「1」に割り当てられ、他のサイクルまたは時点が指標値「0」に割り当てられることを特徴とする、請求項6記載の方法。
  8. 前記方法により、前記試料核酸(31)の初期量を特定および/または制御し、その際、少なくとも2つの比較試料(32〜35)を、定義された初期量の前記参照核酸と並行して一緒に処理することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 前記方法を感染症検出として使用し、その際、感染症検出の検出下限を表す濃度の検出すべき核酸を有する少なくとも1つの比較試料(52)を並行して一緒に処理することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 前記方法を変異体検出として使用し、その際、検出すべき変異体100%の割合を含む定義された濃度の核酸を有する比較試料(64)と、検出すべき変異体0%の割合を含む定義された濃度の核酸を有する比較試料(62)とを一緒に処理することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
  11. 前記方法を全ゲノム増幅に使用し、その際、参照ゲノムの核酸濃度が定義された少なくとも1つの第1の比較試料(73)を一緒に処理することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 増幅すべき核酸なしの第2の比較試料(72)および/または参照ゲノムの核酸量が定義された第3の比較試料(74)を追加的に一緒に処理し、その際、前記第3の比較試料の定義された量が、前記全ゲノム増幅における増幅産物の所望の目標量に相応し、前記第3の比較試料の反応バッチが、増幅酵素を含まず、かつ前記増幅信号が、二本鎖DNAに埋め込まれる蛍光色素の使用に基づくことを特徴とする、請求項11記載の方法。
  13. 前記方法を前増幅の制御のために使用することを特徴とする、請求項11または12記載の方法。
  14. 前記増幅プロセスが、第1のマルチプレックスPCRおよび少なくとも1つの第2のシングルプレックスPCRによる入れ子PCRであり、その際、前記方法により、前記第1のマルチプレックスPCRにおいて増幅される核酸の量を制御することを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
  15. 核酸の増幅プロセスを制御するコンピュータプログラムにおいて、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法を実施するように設定されていることを特徴とする、コンピュータプログラム。
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A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

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