JP2021514971A - 新規オピオイド化合物及びその使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式I:の新規オピオイド誘導体またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物に関し、そこにおいて、R1、R3、R4及びZは、本開示の本明細書で定義した通りである。本発明は、例えば疼痛などの治療または予防するためのこのような化合物の使用にも関するものである。【選択図】なし

Description

本発明は、医薬品化学の分野にある。特に本発明は、新規オピオイド化合物に関するものである。
関連分野
疼痛コントロールを行う主な位置は、中枢神経系(CNS)にある。オピオイド受容体の主な3つのタイプである、μ(ミュー)、κ(カッパ)及びδ(デルタ)は、CNSを介して分散される(Foss, J.F., The American Journal of Surgery 182 (Suppl. to November 2001): 19S−26S (2001))。疼痛コントロールに関与する主要受容体は、μオピオイド受容体である(Foss, J. F., ibid)。
オピオイドは、オピオイドアゴニストとして知られているが、上述したオピオイド受容体に結合する化合物の一群であり、アヘンまたはモルヒネ様の特性を示す。オピオイドは、種々の医療適用のために広く投与されているが、主に中等度から重度の鎮痛剤として使用されている。オピオイド化合物の例には、モルヒネ、オキシコドン、ヒドロモルフォン、オキシモルフォン、ヒドロコドン、レボルファノール、メサドン、メペリジン、フェンタニル、コデイン、プロポキシフェン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、ペンタゾシン及びナルブフィンが挙げられるがそれらに限定されない。
オピオイド化合物の使用については、乱用及び転用などの多くの副作用の可能性が報告されている。
オピオイドの乱用の可能性を低下させる試みがなされてきた。例えば、過剰に摂取した場合にオピオイドアゴニストの作用を遮断するための多様なオピオイド受容体のアンタゴニストが開発されている。また、乱用防止錠剤を作成する試みの中で、オピオイドアンタゴニストと併用するオピオイド受容体アゴニストを含むさまざまな製剤が開発されており、ここで、このアンタゴニストは、その錠剤を粉砕または開封する際に、実質的に生体利用可能になる。
オピオイドの乱用の可能性を低下させるためその他の代替療法には、オピオイドのプロドラッグの利用が含まれる。オピオイドのプロドラッグは、吸収、分散及び排出に関する特性などの、オピオイドよりもさまざまな薬理学的特性を示し得る。例えば、米国特許7,230,005号では、麻薬鎮痛剤を、その吸収が不十分なエステルプロドラッグまたはその他のプロドラッグ誘導体に変換することについて記述されている。米国特許出願2008/0318905号では、乱用を起こしやすい親化合物のアミン官能基に、プロドラッグ部分を共有結合させることが記述されている。米国特許出願2009/0192095号では、1〜5つの長さのアミノ酸のペプチドにカルバメート結合で共有結合されたオピオイド鎮痛剤を含むオピオイドのプロドラッグが記述されている。WO2011/002991A1では、プロドラッグとして、ヒドロコドンのエノールエステルコンジュゲートが記述されている。米国特許出願2017/095734号では、ヒドロコドン及びヒドロモルフォンのプロドラッグが記述されている。米国特許出願2017/015266号では、オキシコドンのプロドラッグが記述されている。さらに、米国特許出願2017/0151228号では、オキシモルフォンのプロドラッグが記述されている。
これらが必要だと明らかにされた患者に投与される場合に、乱用または有害な副作用の可能性を低減する一方で、有効な鎮痛を提供するオピオイドのプロドラッグが提供されるニーズは残っている。
一態様において、本開示は、下の式I、II、III、IV、V及びVIで示される化合物、それらの薬学的に受容可能な塩及びその溶媒和物を提供し、本明細書では、「本開示の化合物」と総称して示す(以下では、それぞれを独立して、「本開示の化合物」として示す)。
別の態様において、本開示は、1種または複数種のオピオイド受容体のモジュレーターとしての本開示の化合物の使用を提供する。具体的にいうと、本開示では、μ、δ、κ及び/またはORL−1オピオイド受容体のモジュレーターならびに特にμオピオイド受容体のモジュレーターとしての本開示の化合物の使用を提供する。
別の態様において、本開示は、患者において1種または複数種のオピオイド受容体の調節に反応する疾患を治療、寛解または予防する方法を提供し、本開示の化合物の有効量を投与することを含む。
別の態様において、本開示は、疼痛を治療、寛解または予防するための鎮痛剤としての本開示の化合物の使用を提供する。
さらに、本発明は、疼痛を治療、寛解または予防する方法を提供し、それが必要な患者に、治療上有効な量の本開示の化合物を投与することを含む。特定の実施形態においては、疼痛とは、急性疼痛、慢性疼痛(神経障害性疼痛、術後痛及び炎症性疼痛が含まれるが限定されない)及び外科手術後疼痛である。特定の実施形態においては、本開示の化合物は、慢性疼痛を治療または予防するために有用である。特定の実施形態において、投与は、経口経路による。一実施形態において、化合物は、固体経口剤形に製剤される。別の実施形態において、化合物は、液体経口剤形に製剤される。一実施形態では、剤形は、即放性になるように設計される。別の実施形態において、剤形は、放出制御するように設計される。
別の態様において、本開示は、本開示の化合物と1種または複数種の薬学的に受容可能な担体とを含む医薬組成物を提供する。このような組成物は、患者の疼痛を治療、寛解または予防するために有用である。特定の実施形態では、医薬組成物は経口投与剤形である。一実施形態では、医薬組成物は固体経口剤形である。別の態様では、医薬組成物は、液体経口剤形である。一実施形態では、剤形は、即放性になるように設計される。別の実施形態において、剤形は、放出制御するように設計される。
別の実施形態において、本発明は、疼痛を治療、寛解または予防する方法を対象とし、本発明の医薬組成物をその治療、寛解または予防が必要な患者に投与することを含む。特定の実施形態において、投与は、経口経路による。一実施形態において、化合物は、固体経口剤形である。別の実施形態において、化合物は、液体経口剤形である。一実施形態では、剤形は、即放性になるように設計される。別の実施形態において、剤形は、放出制御するように設計される。
別の態様において、本開示は、1種または複数種のオピオイド受容体の調節に反応する疾患を治療、寛解または予防する際に使用するための本開示の化合物を提供する。好ましくは、疾患は、μ−オピオイド受容体の調節に反応する。
別の態様において、本開示は、その調節が必要な患者の1種または複数種のオピオイド受容体を調節する方法を提供し、有効量である本開示の化合物をその患者に投与することを含む。
別の態様において、本開示は、その治療、寛解または予防が必要な患者の疼痛を治療、寛解または予防する際に使用するための本開示の化合物を提供する。
別の態様において、本開示は、急性疼痛、慢性疼痛(神経障害性疼痛、術後痛及び炎症性疼痛が含まれるが限定されない)または外科手術後疼痛などの、患者の疼痛を治療、寛解または予防する際に使用するための本開示の化合物を提供する。
別の態様において、本開示は、1種または複数種のオピオイド受容体の調節に反応する疾患を治療、寛解または予防するための薬物の製造における本開示の化合物の使用を提供する。
別の態様において、本開示は、患者において、1種または複数種のオピオイド受容体を調節するための薬物の製造における本開示の化合物の使用を提供する。好ましくは、μ−またはκ−オピオイド受容体が調節される。
別の態様において、本開示は、薬物として使用するための本開示の化合物を提供する。
別の態様において、本開示は、急性疼痛、慢性疼痛または外科手術後疼痛などの患者における疼痛を治療、寛解または予防するための薬物の製造における本開示の化合物の使用を提供する。
別の態様において、本開示は、1種または複数種のオピオイド受容体の調節に反応する疾患を治療、寛解または予防するための本開示の化合物を含む医薬組成物を提供する。
さらに本開示は、本開示の化合物と医薬組成物を形成するための薬学的に受容可能な担体とを混合することを含む医薬組成物の調製方法を提供する。
さらなる態様において、本発明は、本開示の化合物の有効量を含む無菌容器及び治療上使用するためのインストラクションを含むキットに関する。
さらなる態様において、本開示は、治療上有効量である本開示の化合物または、本開示の化合物の混合物を哺乳動物に経口投与することを含み、オピオイド療法が必要な哺乳動物において、オピオイドの作用発現を遅くする方法を提供する。本開示の本態様の一実施形態では、本開示の化合物は1種または複数種の別の治療薬と同時投与される。別の実施形態において、本方法は、オピオイドの鎮痛剤の作用発現を遅くすることを提供する。
本開示の追加の実施形態及び利点は、一部は下の説明に記載され、かつその説明に由来し、または本開示の実行によって学習され得るであろう。本開示の実施形態及び利点は、付属の請求項で特に指摘された要素及び組み合わせを用いて実現及び達成されるだろう。
上述の要約と以下の詳細な説明の両方は、模範的であり、例示的なものに過ぎず、主張する本発明を拘束するものではないことを理解されたい。
以下の図面は、実例として提示されるに過ぎず、決して本発明の範囲を限定するようには意図されていない。
実施例1で調製した6−アセチルオキシコドンのCOSY NMRスペクトルを示す。 実施例1で調製した6−アセチルオキシコドンのH NMRスペクトルの一部を示す。 実施例1で調製した6−アセチルオキシコドンのH NMRスペクトルを示す。 実施例1で調製した6−アセチルオキシコドンのHPLCクロマトグラムを示す。 実施例2で調製した6−PEGオキシコドンのH NMRスペクトルを示す。 実施例2で調製した6−PEGオキシコドンのHPLCクロマトグラムを示す。 実施例3で調製した6,14−ビス−ラウロイルオキシコドンのH NMRスペクトルを示す。 実施例3で調製した6,14−ビス−ラウロイルオキシコドンのHPLCクロマトグラムを示す。 実施例4で調製した6−ラウロイルオキシコドンのH NMRスペクトルを示す。 実施例4で調製した6−ラウロイルオキシコドンのHPLCクロマトグラムを示す。 実施例5で調製した6,14−ビス−バレロイルオキシコドンのH NMRスペクトルを示す。 実施例5で調製した6,14−ビス−バレロイルオキシコドンのHPLCクロマトグラムを示す。 実施例6で説明したさまざまな手段による6−アセチルオキシコドンの加水分解の結果を示す。 実施例7で調製した6,14−ビス−アセチルオキシコドンのH NMRスペクトルを示す。 実施例7で調製した6,14−ビス−アセチルオキシコドンのHPLCクロマトグラムを示す。 実施例9で説明したさまざまな手段による6−アセチルヒドロコドンの加水分解の結果を示す。 実施例11で説明したさまざまな手段による6,14−ビス−PEG−オキシコドンの加水分解の結果を示す。 実施例14で説明した6,14−ビス−ラウロイルオキシコドン及び14−ラウロイルオキシコドンの混合物から14−ラウロイルオキシコンを単離する際に得たRPフラッシュクロマトグラムを示す。 実施例14で説明した14−ラウロイルオキシコドン及びオキシコドンの混合物から精製した14−ラウロイルオキシコドンのRPフラッシュクロマトグラムを示す。[発明の詳細な説明]
本発明の1つの態様では、式Iで示す本開示の化合物I:
Figure 2021514971
及びその薬学的に受容可能な塩ならびにその溶媒和物を提供する。
は水素、またはそれぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された、1、2または3つの置換基で任意に置換されたアルキルまたは−PEG−R、または、アルキル、アリールアルキル、ヘテロシクロ、(ヘテロシクロ)アルキル、アシル、シリル及びカーボネートからなる群から選択されるヒドロキシル保護基PGであって、そのいずれかは任意に置換され、
Zは、C−ORまたはC(=O)であり、
Figure 2021514971
は、単結合または二重結合であるが、ZがC(=O)である場合は、
Figure 2021514971
は単結合であり、ZがC−ORである場合は、
Figure 2021514971
は二重結合であり、
は、−C(=O)Rまたは−PEG−Rであり、そこにおいて、
は、非置換のC1−12アルキル、非置換のC2−12アルケニル、非置換のC2−12アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−R、O−(CHCHO)−R、−NH−(CHCHO)−R、フェニル、ベンジル、フェネチル、ピリジル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、シクロアルケニル、(シクロアルケニル)アルキル、6員ヘテロ環及び(5員または6員のヘテロ環)アルキルからなる群から選択され、そこにおいて、このフェニル、ピリジル、シクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロ環の部分は、それぞれ独立してアルキル、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、さらにそこにおいて、この6員ヘテロ環基は、炭素原子を通じて、または窒素原子を通じてRのカルボニル炭素と結合しており、
は、水素、OH、−Y−PEG−Rまたは−OC(=O)Rであり、そこにおいて、
Yは、共有結合またはリンカーであり、
は、非置換のC1−12アルキル、非置換のC2−12アルケニル、非置換のC2−12アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−R、O−(CHCHO)−R、−NH(CHCHO)−R、フェニル、ベンジル、フェネチル、ピリジル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、シクロアルケニル、(シクロアルケニル)アルキル、6員ヘテロ環及び(5員または6員のヘテロ環)アルキルからなる群から選択され、そこにおいて、このフェニル、ピリジル、シクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロ環の部分は、それぞれ独立してアルキル、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、さらにそこにおいて、この6員ヘテロ環基は、炭素原子を通じて、または窒素原子を通じてカルボニル炭素と結合しており、
ただしZがC(=O)である場合、Rは、−OC(=O)Rであり、
は、水素、C1−6アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクロからなる群から選択され、そのいずれかは、任意に置換され、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及び(シクロアルキル)アルキルからなる群から選択され、そのいずれかが、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で置換され、
mは、1と9の間の整数であり、(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8及び9から選択されて)、さらに
n及びpは、それぞれ独立して1と20の間の整数であり、(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19及び20から選択されて)、さらに
ただし、少なくとも1つのR及びRが、それぞれ−C(=O)R及び−OC(=O)Rである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IIの化合物:
Figure 2021514971
及びその薬学的に受容可能な塩ならびにその溶媒和物であり、そこにおいて、R、R、R及びRは、式Iに対して上で定義した通りである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、以下の条件で式Iまたは式IIの化合物、その薬学的に受容可能な塩ならびにその溶媒和物である。
1)化合物が、
Figure 2021514971
ではない。
2)Rが非置換のアルキル、Rが水素、及びRが非置換のC1−6アルキルである場合、Rは、任意に置換されたフェニルもしくは任意に置換されたピリジル以外である、または
3)Rが非置換のアルキル、Rが非置換のC1−6アルキルかつRが−OC(=O)Rである場合、RとRの両方が、任意に置換されたピリジル以外である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、以下の条件で式Iの化合物、その薬学的に受容可能な塩ならびにその溶媒和物である。
4)化合物が、
Figure 2021514971
でない。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IIIで示す化合物:
Figure 2021514971
及びその薬学的に受容可能な塩ならびにその溶媒和物であり、そこにおいて、R、R、R及びRは、式Iに対して定義した通りである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IVで示す化合物:
Figure 2021514971
及びその薬学的に受容可能な塩ならびにその溶媒和物であり、そこにおいて、R31は水素またはOHであり、R、R及びRは、式Iに対して定義した通りである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、以下の条件で式IVの化合物、その薬学的に受容可能な塩ならびにその溶媒和物である。
1)化合物が、
Figure 2021514971
ではなく、あるいは
2)Rが非置換のアルキル、R31が水素、及びRが非置換のC1−6アルキルであり、さらにRは、任意に置換されたフェニルもしくは任意に置換されたピリジル以外である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式Iまたは式IIの化合物であり、そこにおいて、Rは−C(=O)R、Rは−OC(=O)R及びR及びRは、式Vで示す通り、
Figure 2021514971
及びその薬学的に受容可能な塩ならびにその溶媒和物であり、そこにおいて、R、R及びRは、式Iに対して定義した通りである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、以下の条件で式Vの化合物、その薬学的に受容可能な塩ならびにその溶媒和物である。
1)化合物が、
Figure 2021514971
ではない、または
2)Rが非置換のアルキル、Rが非置換のC1−6アルキルであり、さらにRは、任意に置換されたピリジル以外である。
さらに別の実施形態において、本開示の化合物は、式VIで示す化合物:
Figure 2021514971
及びその薬学的に受容可能な塩ならびにその溶媒和物であり、そこにおいて、Rは−OC(=O)R及びR、R及びRは、式Iに対して定義した通りである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、以下の条件で式VIの化合物、その薬学的に受容可能な塩ならびにその溶媒和物である。
4)化合物が、
Figure 2021514971
でない。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからVIの任意の1つの化合物であり、そこにおいて、Rは水素または、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換される。別の実施形態において、Rは水素、非置換のC1−10アルキルまたは、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−6)アルキル、アミノ、(C1−6アルキル)アミノ、ジ(C1−6)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−6アルコキシ及びC1−6アルコキシカルボニルからなる群から選択される1または2つの置換基で置換されたC1−10アルキルである。別の実施形態において、Rは水素、非置換のC1−6アルキルまたは、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、(C1−4アルキル)アミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択される1または2つの置換基で置換されたC1−6アルキルであり、好ましくは、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、カルボキシ、メトキシ、エトキシ、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルからなる群から選択される1または2つの置換基で任意に置換される。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからVIの任意の1つの化合物であり、そこにおいて、Rは、水素または、非置換のC1−6アルキルである。別の実施形態において、Rは水素である。別の実施形態において、Rは、非置換のC1−4アルキルである。別の実施形態において、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、イソ−ブチルまたはsec−ブチルである。別の実施形態において、Rは、非置換のメチルである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからVIの任意の1つの化合物であり、そこにおいて、Rは、−PEG−Rである。本明細書で使用する「PEG」は、1つのエチレンオキシドユニットまたは、2もしくはそれ以上のエチレンオキシドサブユニットのオリゴマーを指す。本明細書で使用する「オリゴマー」は、約2〜約50のモノマーを有する分子を指す。特定の実施形態において、PEGは、−(CHCHO)−であり、そこにおいて、qは、1から50に変動する。別の実施形態において、qは、1から10に変動する。別の実施形態において、qは、1から5に変動する。別の実施形態において、qは、1、2、3、4または5である。別の実施形態において、Rは、水素、メチル、エチルまたはベンジルである。別の実施形態において、Rは、メチルである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからVIの任意の1つの化合物であり、そこにおいて、Rは、アルキル、アリールアルキル、ヘテロシクロ、(ヘテロシクロ)アルキル、アシル、シリル及びカーボネートからなる群から選択されるヒドロキシル保護基PGであり、そのいずれかは、任意に置換される。
本開示の観点から当業者には、特定の群は、メチル、tert−ブチルなどのRに対する他の定義を伴うPGの重複部分の定義に含まれるため、ヒドロキシル保護基として作用する群を含むRを有する本開示の特定の化合物は、本明細書に記載されている通り、薬剤的に作用し得る。
別の実施形態において、ヒドロキシル保護基PGは、アルキル基であり、通常任意に置換されたC1−6アルキル基及び好適に非置換のメチルまたはtert−ブチルである。
別の実施形態において、ヒドロキシル保護基PGは、アリールアルキル基である。例えば、好適なアリールアルキル基には、非置換のベンジル基、p−メトキシベンジルなどの置換ベンジル基及びナフチルメチルが含まれる。
別の実施形態において、ヒドロキシル保護基PGは、非置換のテトラヒドロピラニルまたは任意に置換されたテトラヒドロピラニルなどのヘテロシクロ基である。
別の実施形態において、ヒドロキシル保護基PGは、(ヘテロシクロ)アルキル基である。例えば、好適な(ヘテロシクロ)アルキル基には、2−(4−モノフォリノフェニル)エチルなどの4−モノフォリノフェニル(C1−4)アルキル基が含まれる。
別の実施形態において、ヒドロキシル保護基PGは、シリル基である。本明細書で用いる用語「シリル」は、以下の構造:
Figure 2021514971
を有する基を指す。ここにおいて、R、R及びR10は、それぞれ独立して、アルキル、シクロアルキル、アリール、(シクロアルキル)アルキル、またはアリールアルキルからなる群から選択され、そのいずれかは任意に置換される。一実施形態では、シリル基は、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリルまたはトリ−イソプロピルシリルである。
別の実施形態において、ヒドロキシル保護基PGは、アシル基である。本明細書で用いる用語「アシル」は、以下の構造:
Figure 2021514971
を指し、そこにおいて、R11は、アルキル、シクロアルキル、アリール、(シクロアルキル)アルキル、またはアリールアルキルであり、そのいずれかは任意に置換される。例えば、アシル基は、C1−4アルキルカルボニル(例えばアセチルなど)、アリールカルボニル(例えば、ベンゾイルなど)、レブリノイルまたはピバロイルであり得る。別の実施形態において、アシル基はベンゾイルである。
別の実施形態において、ヒドロキシル保護基は、カーボネート基である。本明細書で用いる用語「カーボネート」は、以下の構造:
Figure 2021514971
を指す。そこにおいてR12は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、(シクロアルキル)アルキル、またはアリールアルキルであり、そのいずれかは任意に置換される。通常、R12は、C1−10アルキル(2,4−ジメチルペンタ−3−イルなど)、C2−6アルケニル(エテニルまたはプロパ−2−エニル、つまりアリルなど)、C12シクロアルキル(アダマンチル)、フェニルまたはベンジルである。一実施形態では、カーボネートはベンジルオキシカルボニルである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからVIの任意の1つの化合物であり、そこにおいて、Rは、PGであり、そこにおいて、そのPGは、メチル、tert−ブチル、任意に置換されたベンジル、任意に置換されたベンゾイル、アセチル、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル及びトリ−イソプロピルシリルからなる群から選択される。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからIIIのいずれか1つの化合物であり、そこにおいてRは水素であり、さらにRは−C(=O)Rであり、さらにそこにおいてRは、式Iで定義された通りである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからIIIのいずれか1つの化合物であり、そこにおいて、RはOHであり、さらにRは−C(=O)Rであり、さらにそこにおいてRは、式Iで定義された通りである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからIIIのいずれか1つの化合物であり、そこにおいて、RはY−PEG−Rであり、さらにRは−C(=O)Rであり、さらにそこにおいてR及びRは、上の式Iで定義された通りである。
一実施形態では、Yは、共有結合である。別の実施形態において、Yは、リンカーである。好適なリンカーには、エーテル、アミド、ウレタン、アミン、チオエーテル、尿素または炭素−炭素結合が含まれる。特定の実施形態において、リンカーYは、−O−、−O−CH−、−CH−O−、−NH−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)O−及び−OC(=O)−からなる群から選択される。特定の実施形態において、Yは、−O−、−O−CH−、−CH−O−及び−NH−からなる群から選択される。特定の実施形態において、Yは、−O−である。別の実施形態において、Rは、水素、メチル、エチルまたはベンジルである。別の実施形態において、Rはメチルである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからIII及びVIのいずれか1つの化合物であり、そこにおいて、Rは−OC(=O)Rであり、さらにそこにおいて、Rは、非置換のC1−12アルキル、非置換のC2−12アルケニル、非置換のC2−12アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−R、−O−(CHCHO)−R、−NH−(CHCHO)−R、フェニル、ベンジル、フェネチル、ピリジル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、シクロアルケニル、(シクロアルケニル)アルキル、6員ヘテロ環及び(5員または6員のヘテロ環)アルキルからなる群から選択され、そこにおいて、このフェニル、ピリジル、シクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロ環の部分は、それぞれ独立してアルキル、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、さらにそこにおいて、この6員ヘテロ環基は、炭素原子を通じて、または窒素原子を通じてカルボニル炭素と結合しており、Rは、水素、C1−6アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクロからなる群から選択され、これらのいずれかは、任意に置換され、mは、1と9の間の整数であり、さらにn及びpは、それぞれ独立して、1と20の間の整数である。特定の実施形態において、Rは、水素、メチル、エチルまたはベンジルである。別の実施形態において、Rは、メチルである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからIII及びVIのいずれか1つの化合物であり、そこにおいて、Rは−OC(=O)Rであり、さらにそこにおいて、Rは、非置換のC1−6アルキル、非置換のC7−12アルキル、非置換のC2−6アルケニル、非置換のC2−6アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−CH、−O−(CHCHO)−CH、−NH−(CHCHO)−CH、フェニル、ベンジル、フェネチル、ピリジル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、シクロアルケニル、(シクロアルケニル)アルキル、6員ヘテロ環及び(5員または6員のヘテロ環)アルキルからなる群から選択され、そこにおいて、このフェニル、ピリジル、シクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロ環の部分は、それぞれ独立してアルキル、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、さらにそこにおいて、mは、1、2、3、4または5であり、n及びpは、それぞれ独立して、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択され、さらにここにおいて、この6員ヘテロ環は、炭素原子を通じて、または窒素原子を通じてカルボニル炭素と結合する。別の実施形態において、Rは、非置換のC1−6アルキル、非置換のC7−12アルキル、非置換のC2−6アルケニル、非置換のC2−6アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−CH、−O−(CHCHO)−CH、−NH−(CHCHO)−CH、フェニル、ベンジル、フェネチル、ピリジル、C3−6シクロアルキル、(C3−6シクロアルキル)(C1−4)アルキル、C3−6シクロアルケニル、(C3−6シクロアルケニル)(C1−4)アルキル、6員ヘテロ環及び(5員または6員のヘテロ環)(C1−4)アルキルからなる群から選択され、そこにおいて、このフェニル、ピリジル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル及びヘテロ環の部分は、それぞれ独立してC1−4アルキル、ヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、さらにそこにおいて好ましくは、メチル、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、カルボキシ、メトキシ、エトキシ、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルからなる群から選択される1または2つの置換基で任意に置換され、mは、1、2または3であり、n及びpは、それぞれ独立して、1、2、3、4、5及び6からなる群から選択され、さらにそこにおいて、この6員ヘテロ環は、炭素原子によってカルボニル炭素と結合している。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからIII及びVIのいずれかの化合物であり、そこにおいて、Rは、−OC(=O)Rであり、Rは、非置換のC1−6アルキル、非置換のC2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルである。別の実施形態において、Rは、非置換のC1−4アルキルである。別の実施形態において、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、イソ−ブチルまたはsec−ブチルである。別の実施形態において、Rは、メチルである。別の実施形態において、Rは、エチル、プロピルまたはn−ブチルである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからIII及びVIのいずれかの化合物であり、そこにおいて、Rは、−OC(=O)Rであり、Rは、非置換のC7−12アルキルである。別の実施形態において、Rは、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルまたはドデシルである。別の実施形態において、Rは、ウンデシルである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからIII及びVIのいずれかの化合物であり、そこにおいて、Rは、−OC(=O)Rであり、Rは、−CH−O−CHCHO−CH、−CH−O−CHCHO−CHCHO−CH、−CH−O−(CHCHO)−CH3、−O−CHCHO−CH、−O−CHCHO−CHCHO−CHまたは−O−(CHCHO)−CHである。別の実施形態において、Rは、−CH−O−CHCHO−CHCHO−CHである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからVIの任意の1つの化合物であり、そこにおいて、Rは、水素である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからVIの任意の1つの化合物であり、そこにおいて、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及び(シクロアルキル)アルキルであり、そのいずれかは、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換される。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからVIの任意の1つの化合物であり、そこにおいて、Rは、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−6シクロアルキルまたは、C3−6(シクロアルキル)(C1−6)アルキルであり、そのいずれかは、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−6)アルキル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、ジ(C1−6)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−6アルコキシ及びC1−6アルコキシカルボニルからなる群から選択される1、2または3つの置換基で任意に置換されている。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからVIの任意の1つの化合物であり、そこにおいて、Rは、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキルまたは、C3−6シクロアルキル(C1−4)アルキルであり、そのいずれかは、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択される1、2または3つの置換基で任意に置換されている。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからVIの任意の1つの化合物であり、そこにおいて、Rは、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C3−6シクロアルキルまたは、C3−6シクロアルキル(C1−2)アルキルであり、そのいずれかは、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−2)アルキル、アミノ、C1−2アルキルアミノ、ジ(C1−2)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−2アルコキシ及びC1−2アルコキシカルボニルからなる群から選択される1または2つの置換基で任意に置換されており、好ましくはそれぞれ独立して、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、カルボキシ、メトキシ、エトキシ、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルからなる群から選択される1または2つの置換基で任意に置換される。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからVIの化合物であり、Rは、非置換のC1−6アルキルであり、有利には非置換のC1−4アルキル(メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチルまたはtert−ブチルなど)である。別の実施形態において、Rは、メチルまたはエチルである。別の実施形態において、Rは、メチルである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからVIの化合物であり、そこにおいてRは、シクロプロピル(C1−4)アルキル、シクロブチル(C1−4)アルキル、シクロペンチル(C1−4)アルキルまたはシクロヘキシル(C1−4)アルキルなどのC3−6(シクロアルキル)(C1−4)アルキルであり、それぞれ独立して、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、好ましくは、それぞれ独立して、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、カルボキシ、メトキシ、エトキシ、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルからなる群から選択される1または2つの置換基で任意に置換される。別の実施形態において、Rは、非置換のシクロプロピル(C1−4)アルキルである。別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからVIの任意の1つの化合物であり、そこにおいて、Rは、非置換の(シクロプロピル)メチル、2−(シクロプロピル)エチルまたは3−(シクロプロピル)プロピルである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからVIの任意の1つの化合物であり、そこにおいて、Rは、C1−6アルキルであり、好ましくは、それぞれ独立してハロ(フルオロなど)及びハロ(C1−4)アルキル(例えばトリフルオロ(C1−2)アルキルなど)からなる群から選択される1、2または3つの置換基で置換されたC1−4アルキルである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからVIの任意の1つの化合物であり、そこにおいて、Rは、非置換または、それぞれ独立して、ハロ(フルオロなど)及びハロ(C1−4)アルキル(例えばトリフルオロ(C1−2)アルキルなど)からなる群から選択される1、2または3つの置換基で置換されたC2−6アルケニル(C2−4アルケニルなど)である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからIIIのいずれか1つの化合物であり、そこにおいて、Rは−C(=O)Rであり、さらにRは、非置換のC1−6アルキル、非置換のC7−12アルキル、非置換のC2−6アルケニル、非置換のC2−6アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−R、−O−(CHCHO)−R、−NH−(CHCHO)−R、フェニル、ベンジル、フェネチル、ピリジル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、シクロアルケニル、(シクロアルケニル)アルキル、6員ヘテロ環及び(5員または6員のヘテロ環)アルキルからなる群から選択され、そこにおいて、このフェニル、ピリジル、シクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロ環の部分は、それぞれ独立してアルキル、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、さらにそこにおいて、この6員ヘテロ環基は、炭素原子を通じて、または窒素原子を通じてカルボニル炭素と結合しており、Rは、水素、C1−6アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクロからなる群から選択され、これらのいずれかは、任意に置換され、mは、1と9の間の整数であり、さらにn及びpは、それぞれ独立して、1と20の間の整数である。特定の実施形態において、Rは、水素、メチル、エチルまたはベンジルである。別の実施形態において、Rは、メチルである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからIIIのいずれか1つの化合物であり、そこにおいて、Rは−C(=O)Rであり、さらにそこにおいて、Rは、非置換のC1−6アルキル、非置換のC7−12アルキル、非置換のC2−6アルケニル、非置換のC2−6アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−CH、−O−(CHCHO)−CH、−NH−(CHCHO)−CH、フェニル、ベンジル、フェネチル、ピリジル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、シクロアルケニル、(シクロアルケニル)アルキル、6員ヘテロ環及び(5員または6員のヘテロ環)アルキルからなる群から選択され、そこにおいて、このフェニル、ピリジル、シクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロ環の部分は、それぞれ独立してアルキル、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、さらにそこにおいて、mは、1、2、3、4または5であり、n及びpは、それぞれ独立して、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択され、さらにここにおいて、この6員ヘテロ環は、炭素原子を通じて、または窒素原子を通じてカルボニル炭素と結合する。別の実施形態において、Rは、非置換のC1−6アルキル、非置換のC7−12アルキル、非置換のC2−6アルケニル、非置換のC2−6アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−CH、−O−(CHCHO)−CH、−NH−(CHCHO)−CH、フェニル、ベンジル、フェネチル、ピリジル、C3−6シクロアルキル、(C3−6シクロアルキル)(C1−4)アルキル、C3−6シクロアルケニル、(C3−6シクロアルケニル)(C1−4)アルキル、6員ヘテロ環及び(5員または6員のヘテロ環)(C1−4)アルキルからなる群から選択され、そこにおいて、このフェニル、ピリジル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル及びヘテロ環の部分は、それぞれ独立してC1−4アルキル、ヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、さらにそこにおいて好ましくは、メチル、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、カルボキシ、メトキシ、エトキシ、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルからなる群から選択される1または2つの置換基で任意に置換され、mは、1、2または3であり、n及びpは、それぞれ独立して、1、2、3、5、5及び6からなる群から選択され、さらにそこにおいて、この6員ヘテロ環は、炭素原子を通じて、または窒素原子を通じてカルボニル炭素と結合している。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからIIIのいずれかの化合物であり、そこにおいて、Rは、−C(=O)Rであり、Rは、非置換のC1−6アルキル、非置換のC2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルである。別の実施形態では、Rは、非置換C1−4アルキルである。別の実施形態において、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、イソ−ブチルまたはsec−ブチルである。別の実施形態では、Rは、非置換C1−4アルキルである。別の実施形態では、Rは、メチルである。別の実施形態において、Rは、エチル、プロピルまたはn−ブチルである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからIIIのいずれかの化合物であり、そこにおいて、Rは、−OC(=O)Rであり、Rは、非置換のC7−12アルキルである。別の実施形態において、Rは、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルまたはドデシルである。別の実施形態において、Rは、ウンデシルである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからIIIのいずれかの化合物であり、そこにおいて、Rは、−C(=O)Rであり、Rは−CH−O−CHCHO−CH、−CH−O−CHCHO−CHCHO−CH、−CH−O−(CHCHO)−CH3、−O−CHCHO−CH、−O−CHCHO−CHCHO−CHまたは−O−(CHCHO)−CHである。別の実施形態において、Rは、−CH−O−CHCHO−CHCHO−CHである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IVの化合物であり、そこにおいて、Rは、非置換のC1−6アルキル、非置換のC7−12アルキル、非置換のC2−6アルケニル、非置換のC2−6アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−R、−O−(CHCHO)−R、−NH−(CHCHO)−R、フェニル、ベンジル、フェネチル、ピリジル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、シクロアルケニル、(シクロアルケニル)アルキル、6員ヘテロ環及び(5員または6員のヘテロ環)アルキルからなる群から選択され、そこにおいて、このフェニル、ピリジル、シクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロ環の部分は、それぞれ独立してアルキル、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、さらにそこにおいて、この6員ヘテロ環基は、炭素原子を通じて、または窒素原子を通じてカルボニル炭素と結合しており、Rは、水素、C1−6アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクロからなる群から選択され、これらのいずれかは、任意に置換され、mは、1と9の間の整数であり、さらにn及びpは、それぞれ独立して、1と20の間の整数である。特定の実施形態において、Rは、水素、メチル、エチルまたはベンジルである。別の実施形態において、Rは、メチルである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IVの化合物であり、そこにおいて、Rは、非置換のC1−6アルキル、非置換のC7−12アルキル、非置換のC2−6アルケニル、非置換のC2−6アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−CH、−O−(CHCHO)−CH、−NH−(CHCHO)−CH、フェニル、ベンジル、フェネチル、ピリジル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、シクロアルケニル、(シクロアルケニル)アルキル、6員ヘテロ環及び(5員または6員のヘテロ環)アルキルからなる群から選択され、そこにおいて、このフェニル、ピリジル、シクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロ環の部分は、それぞれ独立してアルキル、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、さらにそこにおいて、mは、1、2、3、4または5であり、n及びpは、それぞれ独立して、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択され、さらにここにおいて、この6員ヘテロ環は、炭素原子を通じて、または窒素原子を通じてカルボニル炭素と結合する。別の実施形態において、Rは、非置換のC1−6アルキル、非置換のC7−12アルキル、非置換のC2−6アルケニル、非置換のC2−6アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−CH、−O−(CHCHO)−CH、−NH−(CHCHO)−CH、フェニル、ベンジル、フェネチル、ピリジル、C3−6シクロアルキル、(C3−6シクロアルキル)(C1−4)アルキル、C3−6シクロアルケニル、(C3−6シクロアルケニル)(C1−4)アルキル、6員ヘテロ環及び(5員または6員のヘテロ環)(C1−4)アルキルからなる群から選択され、そこにおいて、このフェニル、ピリジル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル及びヘテロ環の部分は、それぞれ独立してC1−4アルキル、ヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、さらにそこにおいて好ましくは、メチル、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、カルボキシ、メトキシ、エトキシ、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルからなる群から選択される1または2つの置換基で任意に置換され、mは、1、2または3であり、n及びpは、それぞれ独立して、1、2、3、5、5及び6からなる群から選択され、さらにそこにおいて、この6員ヘテロ環は、炭素原子を通じて、または窒素原子を通じてカルボニル炭素と結合している。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IVの化合物であり、そこにおいて、Rは、非置換のC1−6アルキル、非置換のC2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルである。別の実施形態では、Rは、非置換C1−4アルキルである。別の実施形態において、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、イソ−ブチルまたはsec−ブチルである。別の実施形態では、Rは、非置換C1−4アルキルである。別の実施形態では、Rは、メチルである。別の実施形態において、Rは、エチル、プロピルまたはn−ブチルである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IVの化合物であり、そこにおいて、Rは、非置換のC7−12アルキルである。別の実施形態において、Rは、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルまたはドデシルである。別の実施形態において、Rは、ウンデシルである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IVの化合物であり、そこにおいて、Rは−CH−O−CHCHO−CH、−CH−O−CHCHO−CHCHO−CH、−CH−O−(CHCHO)−CH3、−O−CHCHO−CH、−O−CHCHO−CHCHO−CHまたは−O−(CHCHO)−CHである。別の実施形態において、Rは、−CH−O−CHCHO−CHCHO−CHである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからIIIのいずれか1つの化合物であり、そこにおいて、Rは−C(=O)Rであり、さらにRは−OC(=O)Rであり、さらにそこにおいてR及びRも同様、つまり式Vの化合物であり、そこにおいてRは、上で定義された通りであり、ただしこの化合物は、
Figure 2021514971
ではない。別の実施形態において、式Vの化合物において、Rはそれぞれブチルまたはウンデシルである。別の実施形態において、Rは、それぞれ−CH−O−CHCHO−CHCHO−CHである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IからIIIのいずれかの化合物であり、そこにおいて、Rは、−OC(=O)Rであり、R及びRは、異なる。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IIまたは式IIIの化合物であり、そこにおいて、
は、水素または非置換C1−6アルキルであり、
は、−C(O)(C1−6)アルキルであり、
は、水素またはOHであり、
は、非置換C1−6アルキルであるが、
この化合物は、
Figure 2021514971
ではない。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IIまたは式IIIの化合物であり、オキシコドンエノールエステル及びその薬学的に受容可能な塩ならびにその溶媒和物であり、そこにおいて、Rはメチルであり、さらにRはOHであり、Rはメチルであり、及びRは−C(=O)Rであり、そこにおいてRは、上の式IIで定義された通りである。別の実施形態において、本開示の化合物は、それぞれ以下の構造、式IIまたは式IIIの化合物であり、
Figure 2021514971
、ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、及び水和物である。あるいは、これらのオキシコドンエノールエステル及びその薬学的に受容可能な塩ならびにその溶媒和物は、式IVの化合物であり、そこにおいて、Rはメチルであり、R31はOHであり、Rはメチルであり、Rは−C(=O)Rであり、そこにおいてRは、上の式IIで定義された通りである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IIまたは式IIIの化合物であり、オキシモルフォンエノールエステル及びその薬学的に受容可能な塩ならびにその溶媒和物であり、そこにおいて、Rは水素であり、さらにRはOHであり、Rはメチルであり、及びRは−C(=O)Rであり、そこにおいてRは、上の式IIで定義された通りである。あるいは、これらのオキシモルフォンエノールエステル及びその薬学的に受容可能な塩ならびにその溶媒和物は、式IVの化合物であり、そこにおいて、Rは水素であり、R31はOHであり、Rはメチルであり、Rは上の式IIで定義された通りである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IIから式IVのいずれか1つの化合物、ヒドロコドンエノールエステル及びその薬学的に受容可能な塩ならびにその溶媒和物であり、そこにおいて、Rはメチルであり、さらにR/R31はHであり、Rはメチルであり、及びRは−C(=O)Rであり、そこにおいてRは、上の式IIで定義された通りであるが、この化合物は、
Figure 2021514971
ではない。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式IIから式IVのいずれか1つの化合物、ヒドロモルフォンエノールエステル及びその薬学的に受容可能な塩ならびにその溶媒和物であり、そこにおいて、Rは水素であり、さらにR/R31はHであり、Rはメチルであり、及びRは−C(=O)Rであり、Rは、上の式IIで定義された通りであるが、この化合物は、
Figure 2021514971
ではない。
別の実施形態において、本開示の化合物には、
Figure 2021514971
ならびにその薬学的に受容可能な塩及びその溶媒和物が含まれる。
別の実施形態において、本開示の化合物には、
Figure 2021514971
ならびにその薬学的に受容可能な塩及びその溶媒和物が含まれる。
アリール、フェニル及びヘテロアリール環に結合する任意の置換基は、それぞれそのアリール、フェニル及びヘテロアリール環上の任意の位置に別に存在している水素原子に代わる。
有用なハロまたはハロゲン基には、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が含まれる。
有用なアルキル基は、直鎖及び分岐鎖のC1−12アルキル基から選択される。典型的なC1−12アルキル基には、中でも、メチル(Me)、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソ−ブチル、イソ−ペンチル、ネオペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、3−エチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、1,2−ジメチルペンチル、1,3−ジメチルペンチル、1,2−ジメチルヘキシル、1,3−ジメチルヘキシル、3,3−ジメチルヘキシル、1,2−ジメチルヘプチル、1,3−ジメチルヘプチル及び3,3−ジメチルヘプチルが含まれる。一実施形態において、有用なC1−12アルキル基は、直鎖C1−12アルキル基である。一実施形態において、有用なアルキル基は、直鎖及び分岐鎖のC1−10アルキル基、すなわち直鎖のC1−10アルキル基及び分岐鎖のC3−10アルキル基である。一実施形態において、有用なアルキル基は、直鎖及び分岐鎖のC1−6アルキル基、すなわち直鎖のC1−6アルキル基及び分岐鎖のC3−6アルキル基である。典型的なC1−6アルキル基には、中でもメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、ペンチル、3−ペンチル、ヘキシルが含まれる。一実施形態において、有用なアルキル基は、直鎖及び分岐鎖のC1−4アルキル基、すなわち直鎖のC1−4アルキル基及び分岐鎖のC3−4アルキル基である。典型的なC1−4アルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル及びイソブチルが含まれる。典型的なC1−2アルキル基には、メチル及びエチルが含まれる。この出願において、C1−6アルキル基とは、このパラグラフで上に定義した通り、直鎖及び分岐鎖C1−6アルキル基のことを指し、C1−4アルキル基とは、直鎖及び分岐鎖C1−4アルキル基を指す。別の実施形態において、有用なアルキル基は、直鎖及び分岐鎖のC7−12アルキル基から選択される。
有用なアルケニル基は、直鎖及び分岐鎖のC2−12アルケニル基から選択される。本明細書で使用する用語「C2−12アルケニル」は、そのもので用いられる、または別の基の一部として、2〜12の炭素原子を有し、かつ少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む直鎖及び分鎖の非環状炭化水素を指す。代表的に、典型的なC2−12アルケニル基には、ビニル、アリル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソブチレニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニルなどが含まれる。一実施形態において、有用なC2−12アルケニル基は、2−10アルケニル基である。別の実施形態において、有用なC2−12アルケニル基は、2−6アルケニル基である。典型的なC2−6アルケニル基には、エテニル(すなわちビニル)、アリル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソブチレニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル及び3−ヘキセニルが含まれる。典型的なC2−4アルケニル基には、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル及びsec−ブテニルが含まれる。
有用なアルキニル基は、直鎖及び分岐鎖のC2−12アルキニル基から選択される。本明細書で使用する用語「C2−12アルキニル」は、そのもので用いられる、または別の基の一部として、2〜12の炭素原子を有し、かつ少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む直鎖及び分鎖の非環状炭化水素を指す。代表的な直鎖及び分岐鎖のC2−12アルキニル基には、アセチレニル、プロピニル、ブチン−1−イル、ブチン−2−イル、ペンチン−1−イル、ペンチン−2−イル、3−メチルブチン−1−イル、ペンチン−4−イル、ヘキシン−1−イル、ヘキシン−2−イル、ヘキシン−3−イルなどが含まれる。一実施形態において、C2−12アルキニル基は、C2−10アルキニル基である。別の実施形態において、C2−12アルキニル基は、C2−6アルキニル基である。典型的なC2−6アルキニル基には、アセチレニル(つまりエチニル)、プロピニル、ブチン−1−イル、ブチン−2−イル、ペンチン−1−イル、ペンチン−2−イル、3−メチルブチン−1−イル、ペンチン−4−イル、ヘキシン−1−イル基が含まれる。別の実施形態において、C2−10アルキニル基は、C2−4アルキニル基である。典型的なC2−4アルキニル基には、エチニル、プロピニル、ブチン−1−イル及びブチン−2−イル基が含まれる。
有用なハロアルキル基には、1つまたはそれ以上のフッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子で置換された(例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル及びトリクロロメチル基)、上述したC1−12アルキル基、好ましくは、上述したいずれかのC1−6アルキル基ならびに、好ましくは上述したいずれかのC1−4アルキル基が含まれる。
有用なシクロアルキル基は、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の炭素原子(すなわち、C12シクロアルキル)または示した炭素数を有する、1、2または3つの環を含む飽和環状炭化水素基から選択される。一実施形態において、シクロアルキルは、1または2つの環を有する。模範的なシクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ノルボルニル、デカリン及びアダマンチルが含まれる。別の実施形態において、シクロアルキルは、C3−6シクロアルキルである。模範的な3−6シクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが含まれる。
有用なシクロアルケニル基は、4、5、6、7、8、9、10、11または12の炭素原子(すなわち、C12シクロアルケニル)または示した炭素数を有する、1、2または3つの環を含む、部分的に不飽和(すなわち、1または2つの二重結合を含む)飽和環状炭化水素基から選択される。一実施形態において、シクロアルケニルは、1または2つの環を有する。別の実施形態において、シクロアルケニルは、C3−8シクロアルケニルである。別の実施形態において、シクロアルケニルは、C3−7シクロアルケニルである。別の実施形態において、シクロアルケニルは、C3−6シクロアルケニルである。一実施形態において、シクロアルケニル基は、1つの二重結合を含む。1つの二重結合を含む模範的なシクロアルケニル基には、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロネニル及びシクロデセニルが含まれる。別の実施形態において、シクロアルケニル基は、2つの二重結合を含む。好ましくは、2つの二重結合を含むシクロアルケニル基は、5、6、7、8、9、10、11または12の炭素原子(すなわち、C−C12シクロアルカジエニル)を有する。模範的な2つの二重結合を有するシクロアルケニル基には、シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタジエニル、シクロオクタジエニル、シクロノナジエニル及びシクロデカジエニルが含まれる。
有用なアルコキシ基には、上述したC1−12アルキル基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ及びドデシルオキシ)の1つによって、好ましくは、C1−6アルキル基の1つによって、さらにより好ましくはC1−4アルキル基の1つによって置換された酸素が含まれる。
有用なハロ(C1−6)アルコキシ基には、上述したハロ(C1−6)アルキル基(例えばフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及び2,2,2−トリフルオロエトキシ)の1つによって置換された酸素が含まれる。
有用な(シクロアルキル)アルキル基には、上述したいずれかのシクロアルキル基(例えば、(シクロプロピル)メチル、2−(シクロプロピル)エチル、(シクロプロピル)プロピル、(シクロブチル)メチル、(シクロペンチル)メチル及び(シクロヘキシル)メチル)で置換された、上述したいずれかのC1−12アルキル基と、好ましくは上述したいずれかのC1−6アルキル基とが含まれる。
有用な(シクロアルケニル)アルキル基には、上述したいずれかのシクロアルケニル基(例えば、(シクロブテニル)メチル、2−(シクロブテニル)エチル、(シクロブテニル)プロピル、(シクロペンテニル)メチル、(シクロヘキセニル)メチル及び(シクロペンタジエニル)メチル)で置換された、上述したいずれかのC1−12アルキル基と、好ましくは上述したいずれかのC1−6アルキル基とが含まれる。
有用なアリール基には、C6−14アリール、特にC6−10アリールである。典型的なC6−14アリール基には、フェニル(Ph)、ナフチル、フェナントリル、アントラシル、インデニル、アズレニル、ビフェニル、ビフェニレニル及びフルオレニル基、より好ましくはフェニル、ナフチル及びビフェニル基が含まれる。
有用なアリールアルキル基には、上述したいずれかのアリール基(例えば、ベンジル及びフェネチル)で置換された、上述したいずれかのC1−12アルキル基と、好ましくは上述したいずれかのC1−6アルキル基とが含まれる。
有用なアリールアルケニル基には、上述したいずれかのアリール基(例えば、フェニルエテニル)で置換された、上述したいずれかのC2−6アルケニル基が含まれる。
有用なアリールアルキニル基には、上述したいずれかのアリール基(例えば、フェニルエチニル)で置換された、上述したいずれかのC2−6アルキニル基が含まれる。
有用なアリールオキシ基には、上述したアリール基(例えばフェノキシ)の1つによって置換された酸素が含まれる。
有用なアラルキルオキシ基またはアリールアルコキシ基には、上述したアリールアルキル基(例えばベンジルオキシ)の1つによって置換された酸素が含まれる。
有用な(アリールアルコキシ)カルボニル基は、上述したいずれかのアリールアルコキシ基(例えば、(ベンジルオキシ)カルボニル)で置換されたカルボニル基を含む。
本明細書で用いる用語「ヘテロ環」及び「ヘテロシクロ」は、飽和または部分的に不飽和3〜7員の単環または、7〜10員の二環の環系を意味し、独立して炭素原子と、O、N及びSからなる群から選択される1〜4のヘテロ原子とからなり、そこにおいて、窒素及び硫黄のヘテロ原子は、任意で酸化され、窒素は、任意で四級化され、任意の二環式基を含み、そこにおいて、さらに上で定義された複素環は、ベンゼン環と結合し、さらにそこにおいて、複素環は、得られる化合物が安定である場合、炭素原子または窒素原子上に置換され得る。一実施形態では、3から7員の単環の複素環は、飽和のか不飽和どちらかの非芳香環である。3員のヘテロシクロは、1つのヘテロ原子を含み、4員のヘテロシクロは、最大2ヘテロ原子を含むことができ、5員のヘテロシクロは最大4つのヘテロ原子を含むことができ、6員のヘテロシクロは最大4つのヘテロ原子を含むことができ、7員のヘテロシクロは最大5つのヘテロ原子を含むことができる。各ヘテロ原子は、独立して窒素(四級化され得る)と、酸素と、スルホキシド及びスルホンなどの硫黄とから選択される。3から7員のヘテロシクロは、窒素または炭素原子を介して結合され得る。7から10員の二環のヘテロシクロは、独立して窒素(四級化され得る)と、酸素と、スルホキシド及びスルホンなどの硫黄とから選択された1から4のヘテロ原子を含む。7から10員の二環のヘテロシクロは、窒素または炭素原子を介して結合され得る。複素環の例には、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モノフォリノフェニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、オキサゾリジニル、2−オキソオキサゾリジニル、テトラヒドロチエニル、イミダゾリジニル、ヘキサヒドロピリミジニル及びベンゾジアゼピンが含まれるが、これらに限定されない。一実施形態において、5員または6員のヘテロ環である。典型的な5員のヘテロ環基には、ピロリジニル、イミダゾリニル、テトラヒドロフラニル、オキサゾリジニル、2−オキサオキサゾリジニル、テトラヒドロチエニル及びイミダゾリジニルが含まれる。典型的な6員のヘテロ環基には、ピペリジニル、ピペラジニル、モノフォリノフェニル、ピラゾリジニル及びヘキサヒドロピリミジニルが含まれる。
有用な(ヘテロシクロ)アルキルまたは(ヘテロ環)アルキル基には、上述したいずれかのヘテロシクロまたはヘテロ環基(例えば、(ピロリジン−2−イル)メチル、(ピロリジン−1−イル)メチル、(ピペリジン−1−イル)メチル、(モルフォリン−4−イル)メチル、(2−オキソオキサゾリジン−4−イル)メチル、2−(2−オキソオキサゾリジン−4−イル)エチル、(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)メチル、(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)エチル及び(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)プロピル)で置換された、上述したいずれかのC1−10アルキル基と、好ましくは上述したいずれかのC1−6アルキル基とが含まれる。
本明細書で使用される用語「ヘテロアリール」は、環状に整列して共有された6、10または14πの電子を伴う、5から14の環原子を有し、さらに炭素原子及び1、2または3つの酸素、窒素または硫黄のヘテロ原子または4つの窒素原子を含む基を示す。一実施形態では、ヘテロアリール基は、5から10員のヘテロアリール基である。一実施形態では、ヘテロアリール基は、独立してO、N及びSから選択された1、2または3つのヘテロ原子を有する5員または6員のヘテロアリールである。ヘテロアリール基の例には、チエニル、フリル、ピラニル、2H−ピロリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、ピリミジニル、チアゾリル、イソチアゾリル及びイソキサゾリルが含まれる。5員のヘテロアリールは、最大4つのヘテロ原子を含み得る。6員のヘテロアリールは、最大3つのヘテロ原子を含み得る。
本明細書で使用する用語「アミノ」または「アミノ基」は、−NHを指す。
有用なアミノアルキル基には、1つまたはそれ以上のアミノ基が置換した、上述したいずれかのC1−112アルキル基と、好ましくは上述したいずれかのC1−6アルキル基と、より好ましくは上述したいずれかのC1−4アルキル基とが含まれる。
有用なアルキルアミノ及びジアルキルアミノ基は、それぞれ−NHR13及び−NR1314であり、そこにおいて、R13及びR14は、それぞれ独立してC1−10アルキル基、好ましくはC1−6アルキル基、さらに好ましくはC1−4アルキル基から選択される。
本明細書で使用する用語「アミノカルボニル」は、−C(=O)NHを指す。
有用なアルキルカルボニル基は、カルボニル基、つまり、上述したいずれかのC1−10アルキル基で置換された−C(=O)−を含む。
有用なアリールカルボニル基には、上述したいずれかのアリール基(例えば、ベンゾイル)で置換されたカルボニル基が含まれる。
有用なアルキルカルボニルオキシまたはアシルオキシ基には、上述したアルキルカルボニル基の1つで置換された酸素が含まれる。
有用なアルキルカルボニルアミノまたはアシルアミノ基には、メチルカルボニルアミノなどのアミノ態窒素と結合した、上述したいずれかのアルキルカルボニル基が含まれる。
本明細書で使用する用語「カルボキシアミド」は、遊離基である式の−C(=O)NR1516であり、そこにおいて、R15及びR16は、それぞれ独立して水素、任意に置換されたC1−10アルキルまたは任意に置換されたアリールである。模範的なカルボキシアミド基には、−CONH、−CON(H)CH、−CON(CH及び−CON(H)Phが含まれる。
本明細書で使用する用語「スルホンアミド」は、遊離基である式の−SONR1718であり、そこにおいて、R17及びR18は、それぞれ独立して水素、任意に置換されたC1−10アルキルまたは任意に置換されたアリールである。模範的なスルホンアミド基には、−SONH、−SON(H)CH及び−SON(H)Phが含まれる。
本明細書で使用する用語「チオール」は、−SHを指す。
有用なメルカプトアルキル基には、−SH基で置換された、上述したいずれかのC1−12アルキル基と、好ましくは上述したいずれかのC1−6アルキル基とが含まれる。
本明細書で使用する用語「カルボキシ」は、−COOHを指す。
有用なカルボキシアルキル基には、−COOH基で置換された、上述したいずれかのC1−12アルキル基と、好ましくは上述したいずれかのC1−6アルキル基とが含まれる。
本明細書で使用する用語「ヒドロキシル」または「ヒドロキシ」は、−OHを指す。
有用なヒドロキシアルキル基には、1つまたはそれ以上のヒドロキシ基が置換した、上述したいずれかのC1−12アルキル基と、好ましくは上述したいずれかのC1−6アルキル基と、より好ましくは上述したいずれかのC1−4アルキル基とが含まれる。代表的なヒドロキシ(C1−6)アルキル基には、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル及び1,3−ジヒドロキシプロプ−2−イルが含まれる。
本明細書で使用する用語「シアノ」は、−CNを指す。
本明細書で使用する用語「ニトロ」は、−NOを指す。
本明細書で使用する用語「ウレイド」は、−NH−C(=O)−NHを指す。
本明細書で使用する用語「アジド」は、−Nを指す。
本明細書で使用する用語「周囲温度」は、周辺の温度を指す。周囲温度の室内は、室温と同じであり、約20℃から約25℃である。
測定した量に関連して、本明細書で使用する用語「約」は、測定を行い、測定の目的及び測定装置の精度に見合ったレベルの注意を払う熟練者によって予測される、その測定された量の正常な変動を指す。典型的には、用語「約」には、列挙されている数の±10%が含まれる。つまり、「約10」は、9〜11を意味し、用語「任意に置換される」は、非置換であるまたは置換されても良い基のことを示す。
任意に置換された基上にある任意の置換基には、別に指示がない場合、1種または複数種の基、典型的には、独立して上述したハロ、ハロ(C1−6)アルキル、アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、アリール(C1−6)アルキル、アリール(C2−6)アルケニル、アリール(C2−6)アルキニル、シクロアルキル(C1−6)アルキル、ヘテロシクロ(C1−6)アルキル、ヒドロキシ(C1−6)アルキル、アミノ(C1−6)アルキル、カルボキシ(C1−6)アルキル、アルコキシ(C1−6)アルキル、ニトロ、アミノ、ウレイド、シアノ、アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシ、チオール、アルキルカルボニルオキシ、アリールオキシ、アリール(C1−6)アルキルオキシ、カルボキシアミド、スルホンアミド、アジド、C1−6アルコキシ、ハロ(C1−6)アルコキシ、カルボキシ、アミノカルボニル、(=O)及びメルカプト(C1−6)アルキル基からなる群から選択された、1、2または3の基が含まれる。好ましくは、任意の置換基には、ハロ、ハロ(C1−6)アルキル、ヒドロキシ(C1−6)アルキル、アミノ(C1−6)アルキル、ヒドロキシ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ(C1−6)アルコキシ及びアミノが含まれる。
本開示の化合物は、式IからVIの化合物の塩も包含する。本発明には、好ましくは、開示されている化合物の全ての非毒性の薬学的に受容可能な塩が含まれる。薬学的に受容可能な付加塩の例には、無機及び有機の酸付加塩及び塩基性塩が含まれる。「薬学的に受容可能な塩」には、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩などの金属塩と、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属と、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N′−ジベンジルエチレンジアミン塩などの有機アミン塩と、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩などの無機酸塩と、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、酢酸塩、ジクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、シュウ酸塩、ギ酸塩などの有機酸塩と、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などのスルホン酸塩と、アルギニン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩などのアミノ酸塩とが含まれるが、これらに限定されない。
酸付加塩は、本発明の特定の化合物の溶液を、塩酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、リン酸、シュウ酸、ジクロロ酢酸などの薬学的に受容可能な非毒性酸の溶液と混合することによって形成され得る。塩基性塩は、本開示の化合物の溶液を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化コリン、炭酸ナトリウムなどの薬学的に受容可能な非毒性塩基の溶液と混合することによって形成され得る。
本開示の化合物は、式IからVIのいずれかの化合物の溶媒和物も包含する。溶媒和物は、典型的に、化合物の生理活性または毒性を著しく変えず、そのようなものとして、薬学的同等物として機能し得る。本明細書で使用する用語「溶媒和物」は、本発明の化合物の、例えば、脱溶媒和物、一溶媒和物、または半溶媒和物などの溶媒分子との複合、物理的結合、及び/または溶媒和であり、溶媒分子対本開示の化合物の比は、それぞれ約2:1、約1:1、または約1:2である。この物理的結合には、水素結合を含む、さまざまな程度のイオン結合及び共有結合が含まれる。ある特定の例において、例えば、1種または複数種の溶媒分子が、結晶質の固体の結晶格子に組み込まれる場合、溶媒和物は単離され得る。そのため、「溶媒和物」は、溶液相と単離可能な溶媒和物の両方を包含する。本開示の化合物は、水、メタノール、エタノールなどの薬学的に受容可能な溶媒と溶媒和形態として存在することができ、本発明は、式IからVIのいずれかの化合物の溶媒和形態と非溶媒和形態の両方を含むことが意図される。ある種の溶媒和物は、水和物である。「水和物」は、溶媒分子が水である、溶媒和物の特定の下位群に関する。溶媒和物は、典型的に、薬学的同等物として機能し得る。溶媒和物の調製については、当技術分野で既知であり、例えば、M. Caira et al., J. Pharmaceut.Sci., 93(3):601−611 (2004)を参照のこと。これでは、フルコナゾールと酢酸エチルとの溶媒和物及びフルコナゾールと水との溶媒和物の調製を説明している。溶媒和物、半溶媒和物、水和物などの同様の調製については、E.C. van Tonder et al., AAPS Pharm. Sci. Tech., 5(1):Article 12 (2004)及びA.L. Bingham et al., Chem. Commun.: 603−604 (2001)で記述されている。典型的かつ非限定的な溶媒和物の調製方法は、式IからVIのいずれかの化合物を、所望の溶媒(有機物、水、またはそれらの混合物)中に、約20℃超〜約25℃の温度で溶解し、次いで、十分な速度で溶液を冷却して結晶を形成し、ろ過などの既知の方法によってこの結晶を単離することを含む。赤外線分光法などの分析技法を使用すれば、溶媒和物の結晶中の溶媒の存在を確認することが可能である。
本開示の化合物は、同位体標識(すなわち放射標識)され得る。開示される化合物に組み込まれ得る同位体の例には、例えば、それぞれH、H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F及び36Clなどの水素、炭素、窒素、酸素、リン酸、フッ素及び塩素の同位体が含まれ、好ましくはH、11C及び14Cである。本発明の同位体標識した化合物は、本開示の観点から当技術分野において公知の方法によって調製され得る。例えば、本開示のトリチウム標識した化合物は、トリチウムを用いた触媒的脱ハロゲン化によって、トリチウムを特定の化合物に導入することによって調製され得る。この方法には、塩基存在下のPd/Cなどの適切な触媒存在下で、トリチウムガスと、本開示の化合物の好適にハロゲン置換された前駆体を反応させることを含み得る。トリチウム標識した化合物を調製する別の好適な方法は、Filer, Isotopes in the Physical and Biomedical Sciences, Vol. 1, Labeled Compounds (Part A), Chapter 6 (1987)で確認できる。14C−標識された化合物は、14Cの炭素を有する出発物質を用いて調製され得る。
本開示の同位体標識された化合物は、その薬学的に受容可能な塩及びその溶媒和物も同様に、オピオイド受容体への化合物の結合を試験するために、放射性リガンドとして用いられ得る。例えば、本開示の放射標識した化合物は、受容体への試験化合物または候補化合物の特定の結合の特性を明らかにするために用いられ得る。このような放射標識した化合物を用いた結合アッセイによって、化学構造と活性の関係を評価するための動物実験に対するin vitroの代替法が提供され得る。例えば、受容体アッセイは、固定濃度の放射性標識された本開示の化合物で、さらに競合アッセイでは漸増濃度の試験化合物で行われ得る。限定しない実施形態において、本発明は、オピオイド受容体に結合する能力について、候補化合物をスクリーニングする方法を提供し、a)受容体に、放射標識した化合物が結合し、複合体を形成し得るような条件下で、受容体に固定濃度の本開示の放射標識した化合物を導入することと、b)候補化合物とその複合体の量を決めることと、c)この受容体と候補化合物を結合することとを含む。
本明細書に開示される化合物のいくつかは、1つまたはそれ以上の不斉中心を含んでもよく、そのため、エナンチオマー、ジアステレオマー及びエピマーなどの他の立体異性形態を生じ得る。本開示は、このような全ての可能な形態及びにそれらのラセミ形態及び分解形態ならびにこれらの混合物の使用を包含することを意味する。それぞれのエナンチオマーは、本開示の観点から、通常の当業者に既知の方法に従い分離され得る。本明細書に記載される化合物が、オレフィンの二重結合または他の幾何学的不斉中心を含む場合、特に指定のない限り、これらの化合物が、EとZの幾何異性体の両方を含むことが意図される。全ての互変異性体も同様に、本発明によって包含されることが意図される。
本明細書で使用する用語「立体異性体」は、空間におけるそれらの原子の配向のみが異なる個々の分子の全ての異性体に対する一般用語である。互いの鏡像でない1つ以上のキラル中心を有する化合物のエナンチオマー及び同位体が含まれる(ジアステレオマー)。
「キラル中心」という用語は、4つの異なる基が結合する炭素原子を指す。
「エピマー」という用語は、各分子全体に存在する2つまたはそれ以上の四面体のステレオジェン中心の1つのみにおいて、異なる立体配置を有するジアステレオマーを指す。
「ステレオジェン中心」という用語は、任意の2つの基の相互変換によって立体異性体に導かれる基を有する原子である。
「エナンチオマー」及び「エナンチオマーの」という用語は、その鏡像に重ねられないため、光学的に活性な分子を指し、ここでこのエナンチオマーは、ある方向に偏光の平面を回転し、その鏡像化合物は、反対方向に偏光の平面を回転する。
「ラセミ」という用語は、エナンチオマーの等しい部分の混合物を指し、この混合物は、光学的に不活性である。
「分解」という用語は、分子の2つのエナンチオマー形態のうちの1つの分離または凝集または枯渇を指す。
「a」及び「an」という用語は、1つまたはそれ以上を指す。
「治療する」または「治療」という用語は、疾患に関連する状態、症状またはパラメータを改善するため、または疾患の進行を防ぐために有効な、あるいは統計学的に有意な程度または当業者検出可能な程度どちらかまで量、方法または機序で、治療を行うことを指す。有効な量、方法または機序は、対象に依存して変化させることができ、対象に対して個別化され得る。
「include(含む)」、「including(含んだ)」、「contain(含有する)」、「containing(含有した)」などの非限定用語は、「comprising(含んだ)」を意味する。
本開示の化合物の「有効な量」または「治療上有効量」という用語は、指示通りに投与する親オピオイドを治療上有効な用量を送達することが可能である本開示の化合物の量を指す。
PGに対する好適なヒドロキシル保護基は、周知であるが、例えば、Wuts, P. G. M. & Greene, T. W., Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis, 4rd Ed., pp. 16−430 (J. Wiley & Sons, 2007)で開示されている任意の好適なヒドロキシル保護基が含まれるが、本明細書にその全てが参照によって組み込まれる。本明細書で使用される「ヒドロキシル保護基」という用語は、反応が、分子の他の官能基または一部で行われる一方で、ヒドロキシル官能性を封鎖する(つまり、保護する)基を指す。当業者は、保護基の選択、結合、開裂に精通しているであろうし、多くのさまざまな保護基が、当技術分野で知られており、1つの保護基または別の保護基の適合性は計画された特定の合成スキームに依存することは、理解されるであろう。概して好適なヒドロキシ保護基は、検体の化合物の他の部分に干渉することなく穏やかな反応条件を用いて、選択的に導入かつ除去されることが可能である。これらの保護基は、当技術分野で既知の方法を用いて簡便なステージで、導入または除去されることができる。このような基の化学特性と、これらの基を導入及び除去をする方法は、当技術分野で既知であり、例えば、上のGreene, T.W.及びWuts, P.G.M.で確認できる。さらにヒドロキシル保護基は、例えば、米国特許5,952,495号、米国特許出願2008/0312411号、WO2006/035195及びWO98/02033で確認でき、その全体が参照によって明細書に取り込まれる。好適なヒドロキシル保護基には、メトキシメチル、テトラヒドロピラニル、tert−ブチル、アリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、ベンジル(Bn)及びp−メトキシベンジル基が含まれる。
本明細書で使用する用語「作用発現を遅らせる」または「作用発現が遅れた」は、同様の投与経路を介して同じ期間で親化合物(例えば、意図した生物学的活性成分)の対応する量と比較すると、プロドラッグとして作用する場合、本開示の特定の化合物によって提供される投与後治療効果の作用発現する時間が増加することを指す。
本明細書に使用する用語、「乱用の可能性を低下する」、「低下された乱用の可能性」などは、親化合物と比較して、本開示の特定の化合物の不適切な非医療的及び/または娯楽的な投与の可能性を低下させることを指すが、そこにおいて化合物は、指示通り投与された場合には、所望の治療効果を送達することが可能である。
乱用の可能性または過剰摂取の可能性に関連する「decreased(減少し)、「reduced(低下し)」、「diminished(減少し)」または「lowered(低下し)」などの表現の使用は、当技術分野で既知である1種または複数種の標準的な手法によって測定された場合に、乱用の可能性または過剰摂取の可能性が、少なくとも約10%減少することを指し、乱用の可能性及び過剰摂取の可能性が低下する場合は、より大きく百分率が変化することが望ましい。例えば、この低下は、25%、35%、45%、55%、65%、75%、85%、95%、96%、97%、98%、または99%より大きくなり得る。
本明細書で使用する用語「オピオイド」は、オピオイド受容体に結合する化合物、特に、μ(ミュー)、κ(カッパ)、δ(デルタ)及びORL1受容体を指す。本願で使用するオピオイド化合物には、オキシコドン、ヒドロモルフォン、オキシモルフォン、ブプレノルフィン及びヒドロコドンなどのオピオイドアゴニスト、オピオイド部分アゴニスト及びオピオイドアンタゴニストのどちらも含まれる。一実施形態では、本願で用いるオピオイド化合物(または親化合物)は、オキシコドンまたはヒドロコドンである。別の実施形態において、オピオイド化合物(または親化合物)は、オキシコドンである。
本明細書において、受容体に結合し、内在性リガンドの調整効果を模倣する化合物を、「アゴニスト」として定義する。受容体に結合し、かつアゴニストとして部分的にのみ有効な化合物を、「部分アゴニスト」として定義する。受容体に結合するが、調整効果をもたらさずに受容体に対するリガンドの結合をブロックする化合物を、「アンタゴニスト」として定義する。(Ross and Kenakin, “Ch. 2: Pharmacodynamics: Mechanisms of Drug Action and the Relationship Between Drug Concentration and Effect”, pp. 31−32, in Goodman & Gilman’s the Pharmacological Basis of Therapeutics, 10th Ed. (J.G. Hardman, L.E. Limbird and A. Goodman−Gilman eds., 2001))。
本明細書で使用する用語「オピオイド療法」は、オピオイド化合物が、治療、寛解または予防に有効であると証明されている状態の治療または予防に対して、対象にオピオイドを投与することを指す。
特定の実施形態においては、オピオイド療法は、疼痛コントロール(例えば、疼痛の治療、寛解または予防)に対するものである。別の実施形態において、オピオイド療法は、多幸感、腸管機能不全(便秘、胃内容排出の低下、腹部疝痛、攣縮、腹部膨満、胃腸管通過の遅延など)、嘔気、嘔吐、傾眠、めまい、呼吸抑制、頭痛、ドライマウス、鎮静、発汗、無力症、低血圧、不快、せん妄、縮瞳、じんま疹、尿閉、痛覚過敏、アロディニア、身体依存及び寛容などのオピオイド誘発性の有害な薬力学的な反応を治療、予防または減弱させるためのものである。別の実施形態において、オピオイド療法は、下痢、咳、不安(例えば、息切れが原因のもの)及びオピオイド依存の治療のために用いられ得る。さらに別の実施形態において、オピオイド療法は、オピオイド離脱の治療、予防または減弱のために有用である。
本明細書で使用する用語「Oxy」は、オキシコドンを指す。
本開示の化合物の合成
本開示の化合物は、本開示の観点から当業者にとって、既知の方法を用いて、または以下のスキームで示した図示した方法によって調製され得る。例えば、本開示の化合物は、下のスキームA及びスキームBで示された通りに調製され得る。別の合成方法を、以下に示す実施例に記載かつ例示している。
スキームA
Figure 2021514971
31が水素またはOHであり、かつR、R及びRが式Iに対して上に定義した通りである式IVの化合物は、R31が水素またはOHでありかつR及びRが式Iで定義した通りである化合物Aと、約−70℃から約−80℃、好ましくは、約−78℃で、テトラヒドロフラン(THF)などの好適な非プロトン性極性溶媒中で、はじめにリチウムビス(トリメチルシリル)アミドと混合することで調製され得る。次に、反応混合物を室温まで温め、室温で、約30分から約1時間まで撹拌を継続する。この反応は、混合物であり、次に約−70℃から約−80℃まで、好ましくは約−78℃まで温度を再冷却し、式(RCO)Oの好適な酸無水物または、式RC(=O)Xの試薬をこの混合物に加えるが、そこにおいて、Rは、式Iについて上に定義した通りであり、Xは、Clなどの好適な脱離基である。
別の実施形態において、R31が水素である式IVの化合物は、スキームAの方法で調製される。別の実施形態において、R31がOHである式IVの化合物は、スキームAの方法で調製される。
別の実施形態において、スキームAの化合物Aは、オキシコドンである。別の実施形態において、工程2)の酸無水物は、6−アセチルオキシコドンを得るための無水酢酸である。
が−C(=O)Rであり、Rは−OC(=O)Rであり、さらにそこにおいて、R及びRも同様で、上の式Iで定義した通りである式Iの化合物は、下のスキームBで示す通りに調製することで、式Vを得られる。
スキームB
Figure 2021514971
スキームBにおいて、R、R及びRは、式Iに対して上で定義された通りである。したがって、式Vは、好適な酸無水物である式(RCO)Oまたは、XがClなどの好適な脱離基であるような、試薬の式RC(=O)Xと、化合物Bを反応させることで調製され得る。
PEGを含む置換基を含有する式I〜IIIのいずれか1つの化合物は、例えば、WO2011/088140で記載する通りに調製され得る。
いくつかの限定しない実施形態において、式IからVIの化合物は、当業者に共通して知られている技法を用いてその化合物の塩に変換される。他の実施形態において、その塩は、薬学的に受容可能な塩である。
本開示の化合物の投与
本開示の化合物は、プロドラッグとして作用し得るので、親オピオイド薬物を超えた1つまたはそれ以上の利点を示す。例えば、本開示の化合物が、不注意に処方された用量よりも多く経口投与された場合、遅発性の薬学活性を示すことで、偶発的な過剰摂取を防ぐために用いられ得る。いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、乱用者が用いがちな経口でない経路(非経口的な)によって投与された場合、プロドラッグとして化学的な形態を実質的に維持することによって乱用を妨げることが可能である。したがって、本開示の化合物は、違法な使用でしばしば用いられる非経口経路、特に静脈内、鼻腔内及び/または吸入の経路を介して投与された場合、水性媒体またはアルコール媒体における抽出性及び溶解性を低下させ、それによって活性オピオイド分子の有効性を低下させることで、乱用を妨げることが可能である。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、親オピオイドのものと比較して、μオピオイド受容体に対する親和性が低い、またはさまざまな親和性を有している。本開示の化合物は、胃の酸性条件下で、プロドラッグ形態から親オピオイドへ変換され得ない。代わりに、本開示の化合物は、酵素補助加水分解を介して、腸管中の条件下で、プロドラッグ形態から親オピオイドへ変換され得る。哺乳動物に経口投与した場合、本開示の化合物の親オピオイドへの漸進的な変換によって、親オピオイドの直接的な経口投与と比較して、親オピオイドへの全身曝露が漸進的にだが遅延するはずである。
親オピオイドへの漸進的に変換するオピオイドのプロドラッグは、急速な多幸感を与える薬物を探している、オピオイドの薬物乱用者または非医療的かつ娯楽的な使用者にとって、魅力的ではない。本開示の化合物から親オピオイドへの変換が遅くなり、多幸感の開始も同様に遅くなるため、本発明の化合物は、これらのような薬物の非医療的使用を試みる人にとって、あまり魅力的ではない。
多くの場合、経口経路によって乱用されるオピオイドには、即放性製剤または、剤形からのオピオイドの遊離及び吸収を遅らせるために用いられる放出制御物質を混入した薬剤が含まれる。概して、即放性オピオイドは、薬理学的に適切な血漿中濃度、治療効果の開始、さらに、娯楽的な薬物使用者の場合は多幸感の開始が、経口投与後約15から180分、約15から120分、または15から90分の間提供される。
オキシコドンの薬理学的に適切な血漿中濃度に到達する時間を遅らせることで(例えば、オピオイドの経口の即放性形態よりも、Cmaxは低く、及び/またはTmaxは遅くさせるなど)、胃腸管中の親オピオイドへの本発明の化合物の漸進的な変換により、オピオイドによって生じた多幸感の作用が遅れ、それにより低下する。したがって、いくつかの実施形態において、本発明の剤形は、乱用及び誤用の可能性が低くなるであろう。
特定の実施形態においては、本開示の化合物を含む医薬組成物は、薬学的活性成分(オピオイドの鎮痛性など)の徐放性の特性を達成することが可能である。例えば、経口投与した場合、本発明の化合物は、患者の胃腸管で親オピオイドにゆっくりと変換され得る。このような状況において、この医薬組成物は、徐放性製剤と考えられる。
徐放性製剤によって、薬学的作用の急速な開始が妨げられ、さらにより長期間にわたって薬学的活性成分を有用にするために上記のような方法で製剤化した。いくつかの実施形態において、本開示の化合物は親オピオイドへの変換が必要であるという事実に単純に基づき、本開示の化合物は徐放性の特性を達成することが可能である。つまり、一実施形態では、本開示の化合物は放出制御をする添加剤を使用することなく、経口投与によりオピオイドが徐放性を有し、製剤化され得る。
さらに徐放性製剤は、例えば持続放出性マトリックス、持続放出性コーティングまたはそれらのいくらかの異形を取り込むことによって製剤の特徴が含まれ、親オピオイド化合物の徐放性の特性の強化が達成される。放出制御の製剤技法は、当技術分野で既知であり、本発明と関連づけて使用することで、著しく所望の放出特性を得る。いくつかの実施形態において、親オピオイドと本開示の化合物(複数可)の両方は、単一の経口剤形に組み合わされることが可能であり、そこでそのオピオイドは、即放性放出特性を提供し、その本発明の化合物(複数可)は、オキシコドン即放性放出特性を有効に提供する。このような組み合わせの製剤は、持続放出性マトリックスもしくは持続放出性コーティングまたはそのいくらかの異形をさらに含んでもよい、または含まなくてもよい。
本開示は、それが必要であると明らかにされた、哺乳動物(ヒトの患者など)の疼痛を治療する方法をさらに提供し、この方法には、本開示の化合物の有効量を哺乳動物に投与することが含まれる。特定の実施形態においては、本開示の化合物は、哺乳動物に経口投与される。
一実施形態では、本開示は、オピオイド療法が必要な哺乳動物におけるオピオイドの乱用の可能性を低下する方法を提供し、この方法には、本開示の化合物の有効量を哺乳動物に経口投与することが含まれ、さらに親オピオイドと比較して、非経口(すなわち経口でない)のバイオアベイラビリティの低下を示す。
別の実施形態において、本開示は、オキシコドン療法を必要とする哺乳動物におけるオキシコドンの乱用の可能性を低減する方法を提供し、この方法は、式IIからVまたはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物のいずれか1つの化合物の有効量を哺乳動物に経口投与することを含み、そこにおいて、RはCHであり、R/R31はOHであり、RはCHであり、さらにRは−C(=O)Rであり、Rは、式IIについて上に定義した通りである。別の実施形態において、その方法は、
Figure 2021514971
、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物からなる群から選択された化合物を投与することを含む。別の実施形態において、6−アセチルオキシコドンまたはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物が投与される。
別の実施形態において、本開示は、オキシコドン療法を必要とする哺乳動物におけるオキシコドンの乱用の可能性を低下することで疼痛を治療する方法を提供し、この方法は、式VIの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量を哺乳動物に経口投与することを含み、そこにおいて、RはCHであり、RはCHであり、Rは−OC(=O)Rであり、Rは、式Iで上に定義した通りである。別の実施形態において、この方法は、化合物
Figure 2021514971
を投与することを含む。
別の実施形態において、本開示は、オキシモルフォン療法を必要とする哺乳動物におけるオキシモルフォンの乱用の可能性を低下することで疼痛を治療する方法を提供し、この方法は、式IIまたは式IIIの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量を哺乳動物に経口投与することを含み、そこで、式IIまたは式IIIの化合物において、Rは水素であり、RはOHであり、RはCHであり、Rは−C(=O)Rであり、Rは、式IIで上に定義した通りである。別の方法としては、式IVの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量を投与し、そこにおいて、Rは水素であり、R31はOHであり、Rはメチルであり、Rは上の式IIで定義された通りである。
一実施形態において、本開示は、ヒドロコドン療法を必要とする哺乳動物におけるヒドロコドンの乱用の可能性を低下することで疼痛を治療する方法を提供し、この方法は、式IIからIVのいずれかの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量を哺乳動物に経口投与することを含み、そこにおいて、RはCHであり、R/R31はHであり、RはCHであり、Rは−C(=O)Rであり、Rは、式IIで上に定義した通りであるが、この化合物は、
Figure 2021514971
ではない。
一実施形態において、本開示は、ヒドロモルフォン療法を必要とする哺乳動物におけるヒドロモルフォンの乱用の可能性を低下することで疼痛を治療する方法を提供し、この方法は、式IIからIVのいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量を哺乳動物に経口投与することを含み、そこにおいて、RはHであり、RまたはR31はHであり、RはCHであり、Rは−C(=O)Rであり、Rは、式IIで上に定義した通りであるが、この化合物は、
Figure 2021514971
ではない。
一実施形態において、本開示は、親オピオイド化合物の乱用の可能性を低下する方法を提供し、この方法は、式IからVIのいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量を哺乳動物に経口投与することを含むが、1)この化合物は、
Figure 2021514971
ではなく、
2)Rが非置換のアルキル、Rが水素、及びRが非置換のC1−6アルキルである場合、Rは、任意に置換されたフェニルもしくは任意に置換されたピリジル以外である、または
3)Rが非置換のアルキル、Rが非置換のC1−6アルキルかつRが−OC(=O)Rである場合、RとRの両方が、任意に置換されたピリジル以外である。一実施形態において、本開示は、親オピオイド化合物の乱用の可能性を低下する方法を提供し、この方法は、式IからVIのいずれか1つの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量を哺乳動物に経口投与することを含むが、この化合物は、
Figure 2021514971
ではない。
一実施形態では、本発明は、このような治療(疼痛の治療のためなど)が必要な哺乳動物におけるオピオイド療法を達成する方法であり、いずれか1つの式IからVIの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の治療上有効量を哺乳動物に経口投与することを含み、そこにおいて、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%または、少なくとも約100%の式IからVIのいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物は、パンクレアチンの存在下、pH6.8、37℃の腸液中で約2時間以内に親オピオイドに加水分解される。
一実施形態では、本発明は、このような治療が必要な哺乳動物におけるオキシコドン療法を達成する方法であり、いずれか1つの式IIからIVの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の治療上有効量を哺乳動物に経口投与することを含み、そこで、式IIからIVの化合物において、RはCHであり、R/R31はOHであり、RはCHであり、さらにRは−C(=O)Rであり、Rは、式IIについて上に定義した通りであり、そこにおいて、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%または少なくとも約50%の式IIからIVのいずれか1つの化合物またはその塩もしくはその溶媒和物は、パンクレアチンの存在下、pH6.8、37℃の腸液中で約2時間以内にオキシコドンに加水分解される。
特定の実施形態において、その方法は、いずれか1つの式IIからIVの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の治療上有効量を哺乳動物に経口投与することを含み、そこで式IIからIVの化合物において、RはCHであり、R/R31はOHであり、RはCHであり、さらにRは−C(=O)Rであり、Rは、式IIについて上に定義した通りであり、そこにおいて、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%または少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約90%または少なくとも約100%の式IIからIVのいずれか1つの化合物またはその塩もしくはその溶媒和物は、パンクレアチンの存在下、pH6.8、37℃の腸液中で約2時間以内にオキシコドンに加水分解される。
一実施形態において、その方法は、6−アセチルオキシコドンまたはその薬学的に受容可能な塩を経口投与することを含み、そこにおいて、約80%、約90%、約95%または、約100%の6−アセチルオキシコドンまたはその塩は、パンクレアチンの存在下、pH6.8、37℃の腸液中で約2時間以内にオキシコドンに加水分解される。
別の実施形態において、本発明は、オキシコドン療法を必要とする哺乳動物におけるオキシコドンの乱用の可能性を低下する方法を提供し、この方法には、式VIの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量を哺乳動物に経口投与することを含み、そこで、RはCHであり、RはCHであり、さらにRは−OC(=O)Rであり、Rは、式Iについて上に定義した通りであり、そこにおいて、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%または少なくとも約50%の式VIの化合物またはその塩もしくはその溶媒和物は、パンクレアチンの存在下、pH6.8、37℃の腸液中で約2時間以内にオキシコドンに加水分解される。
いくつかの実施形態において、式IからVIのいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物は、同様の経路で投与した親オピオイドのバイオアベイラビリティについて、約70%未満、約50%未満、約30%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満または約1%の、任意の非経口経路による親オピオイドのバイオアベイラビリティを提供する。
他の実施形態においては、本開示は、徐放性製剤のオキシコドンを提供し、有効量の
Figure 2021514971
、その薬学的に受容可能な塩または溶媒和物を、1種または複数種の薬学的に受容可能な賦形剤またはその担体とともに含む。徐放性製剤のオキシコドンは、オキシコドンまたはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物を、即放性形態か徐放性形態どちらかで、またはその両方でさらに含んでもよい。本開示は、疼痛を治療する方法またはオピオイド療法が必要な哺乳動物におけるオピオイドの乱用の可能性を低下する方法などの、オキシコドンの徐放性製剤のこのような使用方法もさらに提供する。
本開示の化合物は、比較的高い安定性の値を示し、すなわち、潜在的な乱用者によって使用され得る「キッチンケミストリー」にさらされた場合に、加水分解に対する耐性を示す。
6−置換エノールエステル及びその使用、プロドラッグ
本発明者らは、上に定義した通り、式IVの6−置換エノールエステルが、μ−オピオイド受容体のアゴニストであり、プロドラッグとしても使用され得る、すなわちその親オピオイド化合物として同様の目的のために用いられ得る。したがって、例えば経皮的、皮下、筋内、静脈内または非経口的剤形などの剤形から生体利用可能に作成する場合、これらの化合物は、鎮痛性化合物である。6−置換エノールエステルが患者に経口投与される場合、この化合物は、その患者の消化管の一部で、オキシコドンなどの親オピオイドに変換される。つまり、経口投与後の一定時間内に、特定の6−置換エノールエステルを含む製剤は、式IVと親オピオイドの両方からμ−オピオイドアゴニストを提供し得る。
本発明のこの態様において、本開示は、以下の特定の実施形態を提供する。
{Ia}。式IVの化合物:
Figure 2021514971
またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であり、ここにおいて、
、R及びRは、式Iまたは式IIに対して上で定義した通りであり、R31は、水素またはOHである。
{IIa}。{Ia}の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であり、ここにおいて、
は水素、またはそれぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換されたC1−6アルキル、またはPEG−Rであり、
は、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル及び(C3−6シクロアルキル)(C1−4)アルキルからなる群から選択され、そのいずれかは、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択される1、2または3つの置換基で任意に置換され、
は、非置換のC1−12アルキル、非置換のC2−12アルケニル、非置換のC2−12アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−R、O−(CHCHO)−R及び−NH−(CHCHO)−Rからなる群から選択され、
は、水素及びC1−6アルキルからなる群から選択され、
mは、1と9の間の整数であり、
n及びpは、それぞれ独立して1と20の間の整数であり、
PEGは、1つのエチレンオキシドユニットまたは、2から約10のエチレンオキシドサブユニットのオリゴマーであるが、この化合物は、
Figure 2021514971
ではない。
{IIIa}。RがHまたは非置換のC1−6アルキルであり、さらにRが非置換のC1−6アルキルである、請求項{IIa}の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{IVa}。RがOHである、請求項{IIa}もしくは{IIIa}の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
{Va}。R及びRがメチルである、{IIa}から{IVa}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{VIa}。Rが非置換のC1−6アルキルである、{IIa}から{Va}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
{VIIa}。Rがメチルである、{IIa}から{VIa}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
{VIIIa}。Rが非置換のC7−12アルキルである、{IIa}から{Va}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
{IXa}。Rが非置換のヘプチル、オクチルまたはノニルである、{IIa}から{Va}及び{VIIIa}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
{Xa}。Rが非置換のデシル、ウンデシルまたはドデシルである、{IIa}から{Va}及び{VIIIa}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
{XIa}。Rがウンデシルである、{Xa}の化合物またはその薬学的に受容可能な溶媒和物。
{XIIa}。{IIa}から{Va}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩であって、そこにおいて、
は、−CH−O−(CHCHO)−R、O−(CHCHO)−R及び−NH−(CHCHO)−Rからなる群から選択され、
は、水素またはC1−4アルキルであり、
mは、1、2、3、4または5であり、
n及びpは、それぞれ独立して1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択される、化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
{XIIIa}。Rが水素またはメチルである、{IIa}から{Va}及び{XIIa}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
{XIVa}。Rが−CH−O−(CHCHO)−Rである、{IIa}から{Va}及び{XIIa}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
{XVa}。mが1、2または3である、{IIa}から{Va}及び{XIIa}から{XIVa}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
{XVIa}。mが2である、{XVa}の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
{XVIIa}。Rがメチルである、{XIVa}から{XVIa}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{XVIIIa}。{Ia}及び{IIa}から{VIIa}のいずれか1つの化合物であって、
Figure 2021514971
である化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{XIXa}。{XVIIIa}の化合物であって、
Figure 2021514971
である化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{XXa}。{IIa}の化合物であって、
Figure 2021514971
、である化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{XXIa}。{Ia}から{XXa}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩と、1種または複数種の薬学的に受容可能な担体を含む医薬組成物。
{XXIIa}。{Ia}から{XXa}の1つまたはそれ以上の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物と、少なくとも1つの親オピオイドとを含む組成物。
{XXIIIa}。約0.1〜約30wt%の少なくとも1つの親オピオイドを含む、{XXIIa}の組成物。
{XXIVa}。約1〜約20wt%の少なくとも1つの親オピオイドを含む、{XXIIa}または{XXIIIa}の組成物。
{XXVa}。少なくとも1つの親オピオイドがオキシコドンである、{XXIIa}から{XXIVa}の組成物。
{XXVIa}。治療上有効量の{XXIIa}から{XXVa}のいずれか1つの組成物を含む、経口製剤。
{XXVIIa}。患者において1種または複数種のオピオイド受容体の調節に反応する疾患を治療または予防し、{Ia}から{XXa}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量を、このような治療または予防が必要な患者に投与することを含む方法。
{XXVIIIa}。この疾患が疼痛である、{XXVIIa}の方法。
{XXIXa}。患者の疼痛を治療、寛解または予防し、{Ia}から{XXa}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量を、そのような治療、寛解または予防が必要なその患者に投与することを含む、方法。
{XXXa}。この方法が疼痛を治療する{XXIXa}の方法。
{XXXIa}。この疼痛が急性疼痛、慢性疼痛または外科手術後疼痛である、{XXXa}の方法。
{XXXIIa}。この疼痛が慢性疼痛である{XXXIa}の方法。
{XXXIIIa}。この慢性疼痛が、神経障害性疼痛、術後痛、または炎症性疼痛である{XXXIIa}の方法。
{XXXIVa}。オピオイド療法が必要な哺乳動物において、オピオイドの作用発現を遅らせ、治療上有効量である、{Ia}から{XXa}のいずれか1つの化合物または、{Ia}から{XXa}のいずれか1つの化合物の混合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物をこの哺乳動物に経口投与することを含む方法。
{XXXVa}。オピオイド活性の発現作用を遅らせた、オピオイド療法が必要な哺乳動物において、1種または複数種のオピオイド受容体の調節に反応する疾患を治療し、治療上有効量の{Ia}から{XXa}のいずれか1つの化合物または{Ia}から{XXa}のいずれか1つの化合物の混合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物をこの哺乳動物に経口投与することを含む。特定の実施形態において、この方法は、1種または複数種の親オピオイド化合物をさらに含み、そこにおいて、本開示の化合物及び親オピオイド化合物の総量は、治療上有効量を示す。
{XXXVIa}。1種または複数種の別の治療薬を同時投与することもさらに含む{XXXIVa}または{XXXVa}の方法。
{XXXVIIa}。この1種または複数種の他の治療薬が、1種または複数種の非ステロイド性の抗炎症性剤である、{XXXVIa}の方法。
{XXXVIIIa}。この1種または複数種の治療薬が、1種または複数種のオピオイドアゴニストである{XXXVIa}の方法。
{XXXIXa}。この1種または複数種の他の治療薬が、1種または複数種のオピオイドアンタゴニストである、{XXXVIa}の方法。
短鎖14−置換エノールエステル及びプロドラッグとしてのその使用
本発明者らは、14位に短鎖の置換基を有する式VIの特定の14−置換エノールエステルが、μ−オピオイド受容体アゴニストとして作用し、さらにプロドラッグとして使用され得ることを見出した。したがって、例えば経皮的、皮下、筋内、静脈内または非経口的剤形などの剤形から、生体利用可能に作成する場合、これらの化合物は、鎮痛性化合物である。このプロドラッグが、患者に経口で送達され、その患者の消化管の下部でのみ生体利用可能になる場合、式VIのプロドラッグと親オピオイドの両方からμ−オピオイドアゴニストの機能が適用される一定時間中で、このプロドラッグは、オキシコドンなどの親オピオイドに変換される。
本発明のこの態様において、本開示は、以下の特定の実施形態を提供する。
{Ib}。式VIの化合物:
Figure 2021514971
またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、
は水素、またはそれぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換されたC1−6アルキル、または−PEG−Rであり、
は、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル及び(C3−6シクロアルキル)(C1−4)アルキルからなる群から選択され、そのいずれかは、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択される1、2または3つの置換基で任意に置換され、
は、−OC(=O)Rであり、そこにおいて、Rは、非置換のC1−4アルキル、非置換のC2−4アルケニル、非置換のC2−4アルキニルまたは−CH−O−(CHCHO)−Rからなる群から選択され、
mが1であり、
は、水素及びC1−6アルキルからなる群から選択され、
PEGは、1つのエチレンオキシドユニットまたは、2から約10のエチレンオキシドサブユニットのオリゴマーであるが、
この化合物は、
Figure 2021514971
ではない。
{IIb}。Rが非置換のメチル、エチル、プロピルまたはブチルであるような、{Ib}の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{IIIb}。Rが、非置換のC2−4アルケニル、非置換のC2−4アルキニル、または−CH−O−CHCHO−Rであり、Rが、水素またはメチルからなる群から選択される、{Ib}の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
(IVb)。Rが、Hまたは非置換のC1−6アルキル及びRは、C1−6アルキルである、{Ib}から{IIIb}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{Vb}。R及びRがメチルである、{Ib}から{IVb}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{VIb}。Rが非置換のエチル、プロピルまたはブチルであるような、{Vb}の化合物。
{VIIb}。式VIを有する化合物を含む医薬組成物:
Figure 2021514971
またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、
は水素、またはそれぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換されたC1−6アルキル、または−PEG−Rであり、
は、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル及び(C3−6シクロアルキル)(C1−4)アルキルからなる群から選択され、そのいずれかは、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択される1、2または3つの置換基で任意に置換され、
は、−OC(=O)Rであり、そこにおいて、Rは、非置換のC1−4アルキル、非置換のC2−4アルケニル、非置換のC2−4アルキニルまたは−CH−O−(CHCHO)−Rからなる群から選択され、
mが1であり、
は、水素及びC1−6アルキルからなる群から選択され、
PEGは、1つのエチレンオキシドユニットまたは、2から約10のエチレンオキシドサブユニットのオリゴマーである、化合物
及び1種または複数種の薬学的に受容可能な担体。
{VIIIb}。{Ib}から{VIb}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を含む{VIIb}の医薬組成物。
{IXb}。{VIIb}の医薬組成物であって、
Figure 2021514971
またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物を含む組成物。
{Xb}。少なくとも1つの親オピオイドをさらに含む、{VIIb}から{IXb}のいずれか1つの医薬組成物。
{XIb}。約0.1〜約30wt%の少なくとも1つの親オピオイドを含む、{Xb}の医薬組成物。
{XIIb}。約1〜約20wt%の少なくとも1つの親オピオイドを含む、{Xb}または{XIb}の医薬組成物。
{XIIIb}。少なくとも1つの親オピオイドがオキシコドンである、{Xb}から{XIIb}のいずれか1つの医薬組成物。
{XIVb}。組成物を経口剤形に製剤化する、{VIIb}から{XIIIb}のいずれか1つの医薬組成物。
{XVb}。{Ib}から{VIb}の1つまたはそれ以上の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物と、少なくとも1つの親オピオイドとを含む組成物。
{XVIb}。約0.1〜約30wt%の少なくとも1つの親オピオイドを含む、{XVb}の組成物。
{XVIIb}。約1〜約20wt%の少なくとも1つの親オピオイドを含む、{XVb}または{XVIb}の組成物。
{XVIIIb}。少なくとも1つの親オピオイドがオキシコドンである、{XVb}から{XVIIb}のいずれか1つの組成物。
{XIXb}。治療上有効量の{XVb}から{XVIIIb}のいずれか1つの組成物を含む、経口製剤。
{XXb}。患者において1種または複数種のオピオイド受容体の調節に反応する疾患を治療または予防し、式VI:
Figure 2021514971
またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物を有する化合物の有効量を、このような治療または予防が必要な患者に投与することを含む方法であって、そこにおいて、
は水素、またはそれぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換されたC1−6アルキル、または−PEG−Rであり、
は、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル及び(C3−6シクロアルキル)(C1−4)アルキルからなる群から選択され、そのいずれかは、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択される1、2または3つの置換基で任意に置換され、
は、−OC(=O)Rであり、そこにおいて、Rは、非置換のC1−4アルキル、非置換のC2−4アルケニル、非置換のC2−4アルキニルまたは−CH−O−(CHCHO)−Rからなる群から選択され、
mが1であり、
は、水素及びC1−6アルキルからなる群から選択され、
PEGが、1つのエチレンオキシドユニットまたは、2から約10のエチレンオキシドサブユニットのオリゴマーである、方法。
{XXIb}。{Ib}から{VIb}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物が投与される、{XXb}の方法。
{XXIIb}。{XXb}の方法であって、そこにおいて化合物が、
Figure 2021514971
である、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物である、方法。
{XXIIIb}。疾患が疼痛である、{XXb}から{XXIIb}のいずれか1つの方法。
{XXIVb}。患者の疼痛を治療、寛解または予防し、式VI:
Figure 2021514971
を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量を、このような治療または予防が必要な患者に投与することを含む方法であって、そこにおいて、
は水素、またはそれぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換されたC1−6アルキル、またはPEG−Rであり、
は、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル及び(C3−6シクロアルキル)(C1−4)アルキルからなる群から選択され、そのいずれかは、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択される1、2または3つの置換基で任意に置換され、
は、−OC(=O)Rであり、そこにおいて、Rは、非置換のC1−4アルキル、非置換のC2−4アルケニル、非置換のC2−4アルキニルまたは−CH−O−(CHCHO)−Rからなる群から選択され、
mが1であり、
は、水素及びC1−6アルキルからなる群から選択され、
PEGが、1つのエチレンオキシドユニットまたは、2から約10のエチレンオキシドサブユニットのオリゴマーである、方法。
{XXVb}。{Ib}から{VIb}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物が、このような治療、寛解または予防が必要な患者に投与される、{XXIVb}の方法。
{XXVIb}。{XXIVb}の方法であって、そこにおいて、この化合物は、
Figure 2021514971
である、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物である、方法。
{XXVIIb}。この方法が、疼痛を治療するためのものである{XXIVb}から{XXVIb}のいずれか1つの方法。
{XXVIIIb}。この疼痛が急性疼痛、慢性疼痛または外科手術後疼痛である、{XXVIIb}の方法。
{XXIXb}。この疼痛が慢性疼痛である、{XXVIIIb}の方法。
{XXXb}。この慢性疼痛が、神経障害性疼痛、術後痛、または炎症性疼痛である{XXIXb}の方法。
{XXXIb}。オピオイド療法が必要な哺乳動物において、オピオイドの作用発現を遅らせ、治療上有効量である、{Ib}から{VIIIc}のいずれか1つの化合物または、{Ib}から{VIIIc}のいずれか1つの化合物の混合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物をその哺乳動物に経口投与することを含む方法。
{XXXIIb}。オピオイド活性の発現作用を遅らせた、オピオイド療法が必要な哺乳動物において、1種または複数種のオピオイド受容体の調節に反応する疾患を治療する方法であって、治療上有効量の{Ib}から{VIIIb}のいずれか1つの化合物または{Ib}から{VIIIb}のいずれか1つの化合物の混合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物をこの哺乳動物に経口投与することを含む、方法。特定の実施形態において、この方法は、1種または複数種の親オピオイド化合物をさらに含み、そこにおいて、本開示の化合物及び親オピオイド化合物の総量は、治療上有効量を示す。
{XXXIIIb}。1種または複数種の別の治療薬を同時投与することもさらに含む{XXXIb}または{XXXIIb}の方法。
{XXXIVb}。この1種または複数種の他の治療薬が、1種または複数種の非ステロイド性の抗炎症性剤である、{XXXIIIb}の方法。
{XXXVb}。この1種または複数種の治療薬が、1種または複数種のオピオイドアゴニストである{XXXIIIb}の方法。
{XXXVIb}。この1種または複数種の治療薬が、1種または複数種のオピオイドアンタゴニストである{XXXIIIb}の方法。
中鎖6,14−ビス置換エノールエステル及びプロドラッグとしてのその使用
本発明者らは、6位と14位の両方に置換基として中鎖を有する、式IIの特定の6,14−ビス−置換エノールエステルが、μ−オピオイド受容体アゴニストとして作用し、さらにプロドラッグとして使用され得ることを見出した。したがって、例えば経皮的、皮下、筋内、静脈内または非経口的剤形などの剤形から、生体利用可能に作成する場合、これらの化合物は、鎮痛性化合物である。このプロドラッグが、患者の消化管の下部でのみ生体利用可能になる場合、そのプロドラッグがオキシコドンなどの親オピオイドに変換されて、一定時間中に、式IIのプロドラッグとその親オピオイドの両方からμ−オピオイドアゴニストの機能が提供される。
本発明のこの態様において、本開示は、以下の特定の実施形態を提供する。
{Ic}。式IIの化合物:
Figure 2021514971
またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、
は水素、またはそれぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換されたC1−6アルキル、またはPEG−Rであり、
は、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル及び(C3−6シクロアルキル)(C1−4)アルキルからなる群から選択され、そのいずれかは、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択される1、2または3つの置換基で任意に置換され、
は、−C(=O)Rであり、Rは、−OC(=O)Rであり、そこにおいて、
及びRは、同じであるまたは異なり、直鎖の非置換C7−9アルキル、直鎖の非置換C7−9アルケニル、直鎖の非置換のC7−9アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−R、−O−(CHCHO)−R及び−NH−(CHCHO)−Rからなる群から選択され、
は、水素及びC1−6アルキルからなる群から選択され、
mは2または3であり、
n及びpは、それぞれ独立して2、3または4であり、さらに
PEGは、1つのエチレンオキシドユニットまたは、2から約10のエチレンオキシドサブユニットのオリゴマーである、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{IIc}。{Ic}の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、R及びRは、それぞれ独立してヘプチル、オクチル、ノニル、−CH−O−(CHCHO)−R、−O−(CHCHO)−R及び−NH−(CHCHO)−Rからなる群から選択され、そこにおいて、Rは、水素またはC1−4アルキルであるような化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{IIIc}。{Ic}または{IIc}の化合物であって、そこにおいて、R及びRは、同じであり、式V:
Figure 2021514971
を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{IVc}。Rは−CH−O−(CHCHO)−Rであり、そこにおいて、Rは水素またはメチルである、{IIIc}の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{Vc}。RとRが異なる、{Ic}もしくは{IIc}の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{VIc}。Rが、Hまたは非置換のC1−6アルキル及びRは、C1−6アルキルである、{Ic}から{Vc}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{VIIc}。R及びRがメチルである、{Ic}から{VIc}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{VIIIc}。{Ic}または{IIIc}の化合物であって、
Figure 2021514971
である化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{IXc}。{Ic}から{VIIIc}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩と、1種または複数種の薬学的に受容可能な担体とを含む医薬組成物。
{Xc}。{Ic}から{VIIIc}の1つまたはそれ以上の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物と、少なくとも1つの親オピオイドとを含む組成物。
{XIc}。約0.1〜約30wt%の少なくとも1つの親オピオイドを含む、{Xc}の組成物。
{XIIc}。約1〜約20wt%の少なくとも1つの親オピオイドを含む、{Xc}または{XIc}の組成物。
{XIIIc}。少なくとも1つの親オピオイドがオキシコドンである、{Xc}から{XIIc}のいずれか1つの組成物。
{XIVc}。治療上有効量の{Xc}から{XIVc}のいずれか1つの組成物を含む、経口製剤。
{XVc}。患者において1種または複数種のオピオイド受容体の調節に反応する疾患を治療または予防し、{Ic}から{VIIIc}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量を、このような治療または予防が必要な患者に投与することを含む方法。
{XVIc}。この疾患が疼痛である{XVc}の方法。
{XVIIc}。患者の疼痛を治療、寛解または予防し、{Ic}から{VIIIc}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量を、そのような治療、寛解または予防が必要なその患者に投与することを含む、方法。
{XVIIIc}。この方法が疼痛を治療する{XVIIc}の方法。
{XIXc}。この疼痛が急性疼痛、慢性疼痛または外科手術後疼痛である、{XVIIIc}の方法。
{XXc}。この疼痛が慢性疼痛である、{XIXc}の方法。
{XXIc}。この慢性疼痛が、神経障害性疼痛、術後痛、または炎症性疼痛である{XXc}の方法。
{XXIIc}。オピオイド療法が必要な哺乳動物において、オピオイドの作用発現を遅らせ、治療上有効量である、{Ic}から{VIIIc}のいずれか1つの化合物または、{Ic}から{VIIIc}のいずれか1つの化合物の混合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物を哺乳動物に経口投与することを含む方法。
{XXIIIc}。オピオイド活性の発現作用を遅らせた、オピオイド療法が必要な哺乳動物において、1種または複数種のオピオイド受容体の調節に反応する疾患を治療し、治療上有効量の{Ic}から{VIIIc}のいずれか1つの化合物または{Ic}から{VIIIc}のいずれか1つの化合物の混合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物をこの哺乳動物に経口投与することを含む。特定の実施形態において、この方法は、1種または複数種の親オピオイド化合物をさらに含み、そこにおいて、本開示の化合物及び親オピオイド化合物の総量は、治療上有効量を示す。
{XXIVc}。1種または複数種の別の治療薬を同時投与することもさらに含む{XXIIc}または{XXIIIc}の方法。
{XXVc}。この1種または複数種の他の治療薬が、1種または複数種の非ステロイド性の抗炎症性剤である、{XXIVc}の方法。
{XXVIc}。この1種または複数種の治療薬が、1種または複数種のオピオイドアゴニストである{XXIVc}の方法。
{XXVIIc}。この1種または複数種の治療薬が、1種または複数種のオピオイドアンタゴニストである{XXIVc}の方法。
長鎖6,14−ビス置換エノールエステルと、乱用防止プロドラッグとしてのその使用
本発明者らは、6位と14位の両方に置換基として長鎖を有する、式IIの特定の6,14−ビス−置換エノールエステルが、腸管の下部で対応する6−置換化合物及び親オピオイドに変換される場合にのみ、μ−オピオイド受容体アゴニストとして機能することを見出した。具体的には、本発明者らは、6,14−ビス−ラウロイルオキシコドンが患者の腸管の下部において6−ラウロイルオキシコドン及びオキシコドンへ変換する場合、μ−オピオイドアゴニストの機能を果たすことを見出した。つまり、RとRの両方が長く、上で定義した通りの式IIの化合物は、乱用防止オピオイドプロドラッグとして用いられ得る。これらのプロドラッグが、患者の消化管の下部でのみ生体利用可能になる場合、エノールエステルの14位は、6−置換エノールエステル化合物に加水分解され、さらにオキシコドンなどの親オピオイドに、一定時間内に上で述べた式IVの6−置換エノールエステルプロドラッグと親オピオイドの両方からμ−オピオイドアゴニストの機能を提供する。
本発明のこの態様において、本開示は、以下の特定の実施形態を提供する。
{Id}。式IIの化合物:
Figure 2021514971
またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、
は水素、またはそれぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換されたC1−6アルキル、またはPEG−Rであり、
は、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル及び(C3−6シクロアルキル)(C1−4)アルキルからなる群から選択され、そのいずれかは、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択される1、2または3つの置換基で任意に置換され、
は、−C(=O)Rであり、Rは、−OC(=O)Rであり、そこにおいて、
及びRは、同じであるまたは異なり、直鎖の非置換C10−12アルキル、直鎖の非置換C10−12アルケニル、直鎖の非置換のC10−12アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−R、−O−(CHCHO)−R及び−NH−(CHCHO)−Rからなる群から選択され、
は、水素及びC1−6アルキルからなる群から選択され、
mは、4と9の間の整数であり、
n及びpは、それぞれ独立して4と20の間の整数であり、
PEGは、1つのエチレンオキシドユニットまたは、2から約10のエチレンオキシドサブユニットのオリゴマーである、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{IId}。RとRが、それぞれ独立してデシル、ウンデシル及びドデシルからなる群から選択される{Id}の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{IIId}。{Id}または{IId}の化合物であって、そこにおいて、R及びRは、同じであり、式V:
Figure 2021514971
を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{IVd}。Rがウンデシルである、{IIId}の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{Vd}。RとRが異なる、{Id}もしくは{IId}の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{VId}。Rが、Hまたは非置換のC1−6アルキル及びRは、C1−6アルキルである、{Id}から{Vd}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{VIId}。R及びRがメチルである、{Id}から{VId}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{VIIId}。{Id}または{IIId}の化合物であって、
Figure 2021514971
である化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{IXd}。{Id}から{VIIId}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩と、1種または複数種の薬学的に受容可能な担体とを含む医薬組成物。
{Xd}。{Id}から{VIIId}の1つまたはそれ以上の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物と、少なくとも1つの親オピオイドとを含む組成物。
{XId}。約0.1〜約30wt%の少なくとも1つの親オピオイドを含む、{Xd}の組成物。
{XIId}。約1〜約20wt%の少なくとも1つの親オピオイドを含む、{Xd}または{XId}の組成物。
{XIIId}。少なくとも1つの親オピオイドがオキシコドンである、{Xd}から{XIId}のいずれか1つの組成物。
{XIVd}。治療上有効量の{Xd}から{XIVd}のいずれか1つの組成物を含む、経口製剤。
{XVd}。患者において1種または複数種のオピオイド受容体の調節に反応する疾患を治療または予防し、{Id}から{VIIId}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量を、このような治療または予防が必要な患者に投与することを含む方法。
{XVId}。この疾患が疼痛である{XVd}の方法。
{XVIId}。患者の疼痛を治療、寛解または予防し、{Id}から{VIId}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量を、そのような治療、寛解または予防が必要なその患者に投与することを含む方法。
{XVIIId}。この方法が疼痛を治療するための{XVIId}の方法。
{XIXd}。この疼痛が急性疼痛、慢性疼痛または外科手術後疼痛である、{XVIIId}の方法。
{XXd}。この疼痛が慢性疼痛である、{XIXd}の方法。
{XXId}。この慢性疼痛が、神経障害性疼痛、術後痛、または炎症性疼痛である{XXd}の方法。
{XXIId}。活性の作用発現を遅らせるオピオイド療法が必要であると明らかにされた哺乳動物において、疼痛を治療または予防する方法であって、治療上有効量である{Id}から{VIIId}のいずれか1つの化合物または、{Id}から{VIIId}のいずれか1つの化合物の混合物またはその薬学的に受容可能な塩またはその溶媒和物を、その哺乳動物に経口投与することを含む、方法。特定の実施形態において、この方法は、1種または複数種の親オピオイド化合物をさらに含み、そこにおいて、本開示の化合物及び親オピオイド化合物の総量は、治療上有効量を示す。
{XXIIId}。オピオイド活性の発現作用を遅らせた、オピオイド療法が必要な哺乳動物において、1種または複数種のオピオイド受容体の調節に反応する疾患を治療し、治療上有効量の{Id}から{VIIId}のいずれか1つの化合物または{Id}から{VIIId}のいずれか1つの化合物の混合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物をその哺乳動物に経口投与することを含む。
{XXIVd}。式V:
Figure 2021514971
を有する化合物または式Vを有する化合物の混合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物を経口投与することを含む、{XXIId}または{XXIIId}の方法であって、ここにおいて、
は、水素または非置換C1−6アルキルであり、
は、非置換C1−6アルキルであり、
が、デシル、ウンデシルまたはドデシルである、方法。
{XXVd}。Rは、水素またはメチルであり、さらにRがメチルである、{XXIVd}の方法。
{XXVId}。Rは、ウンデシルであり、{XXIVd}または{XXVd}の方法。
{XXVIId}。1種または複数種の別の治療薬を同時投与することもさらに含む{XXIId}から{XXVId}のいずれか1つの方法。
{XXVIIId}。この1種または複数種の他の治療薬が、1種または複数種の非ステロイド性の抗炎症性剤である、{XXVIId}の方法。
{XXIXd}。この1種または複数種の治療薬が、1種または複数種のオピオイドアゴニストである{XXVIId}の方法。
{XXXd}。この1種または複数種の治療薬が、1種または複数種のオピオイドアンタゴニストである{XXVIId}の方法。
{XXXId}。{XXIVd}から{XXVId}のいずれか1つの方法であって、化合物または化合物の混合物が、有効量の親オピオイドもさらに含む単一の剤形で投与される、方法。
長鎖14−置換エノールエステルならびに部分アゴニスト及び部分アンタゴニストとしてのその使用
本発明者らは、14位に長鎖の置換基を有する式VIの特定の14−置換エノールエステルが、16−ラウロイルオキシコドンなどの、部分μ−オピオイド受容体アゴニスト及び部分μ−オピオイド受容体アンタゴニストとして作用することを見出した。したがって、これらの長鎖置換エノールエステルは、他のオピオイドを投与することによって誘発されるオピオイド誘発性の有害な薬力学的反応を治療または予防する方法において有用であり得る。このオピオイド誘発性の有害な薬力学的反応とは、例えば、腸管機能不全、嘔気、嘔吐、傾眠、めまい、呼吸抑制、頭痛、ドライマウス、鎮静、発汗、無力症、低血圧、不快、せん妄、縮瞳、そう痒症、じんま疹、尿閉、痛覚過敏、アロディニア、身体依存及び耐性が含まれる。一実施形態では、オピオイド誘発性の有害な薬力学的反応は、便秘、下痢、アルコール依存からの離脱及び薬物依存からの離脱からなる群から選択される。
本発明のこの態様において、本開示は、以下の特定の実施形態を提供する。
{Ie}。式VIの化合物:
Figure 2021514971
またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、
は水素、またはそれぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換されたC1−6アルキル、またはPEG−Rであり、
は、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル及び(C3−6シクロアルキル)(C1−4)アルキルからなる群から選択され、そのいずれかは、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択される1、2または3つの置換基で任意に置換され、
は、−OC(=O)Rであって、そこにおいて、Rは、直鎖の非置換C10−12アルキル、直鎖の非置換C10−12アルケニル、直鎖の非置換のC10−12アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−R、−O−(CHCHO)−R及び−NH−(CHCHO)−Rからなる群から選択され、
は、水素及びC1−6アルキルからなる群から選択され、
mは、4と9の間の整数であり、
n及びpは、それぞれ独立して4と20の間の整数であり、
PEGは、1つのエチレンオキシドユニットまたは、2から約10のエチレンオキシドサブユニットのオリゴマーである、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{IIe}。Rが、デシル、ウンデシルまたはドデシルである、{Ie}の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{IIIe}。RがHまたは非置換のC1−6アルキルであり、さらにRが非置換のC1−6アルキルである、{Ie}もしくは{IIe}の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{IVe}。Rがウンデシルである、{Ie}から{IIIe}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{Ve}。R及びRがメチルである、{Ie}から{IVe}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{VIe}。{Ie}の化合物であって、
Figure 2021514971
である化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
{VIIe}。{Ie}から{VIe}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩と、1種または複数種の薬学的に受容可能な担体とを含む医薬組成物。
{VIIIe}。{Ie}から{VIe}の1つまたはそれ以上の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物と、少なくとも1つの親オピオイドとを含む組成物。
{IXe}。約0.1〜約30wt%の少なくとも1つの親オピオイドを含む、{VIIIe}の組成物。
{Xe}。約1〜約20wt%の少なくとも1つの親オピオイドを含む、{VIIIe}または{IXe}の組成物。
{XIe}。少なくとも1つの親オピオイドがオキシコドンである、{VIIIe}から{Xe}のいずれか1つの組成物。
{XIIe}。{VIIIe}から{XIe}のいずれか1つの組成物の治療上有効量を含む、経口製剤。
{XIIIe}。患者において1種または複数種のオピオイド受容体の調節に反応する疾患を治療または予防し、{Ie}から{VIe}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量を、このような治療または予防が必要な患者に投与することを含む方法。
{XIVe}。この疾患が、便秘、下痢、アルコール依存からの離脱、または薬物依存からの離脱である{XIIIe}の方法。
{XVe}。オピオイド誘発性の有害な薬力学的反応を治療または予防し、有効量の{Ie}から{VIe}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物をそれが必要な患者に投与することを含み、他のオピオイドを投与することで誘発される有害な薬力学的な作用を治療または予防する方法。
{XVIe}。患者の便秘、下痢、アルコール依存からの離脱または薬物依存からの離脱を治療、寛解または予防し、{Ie}から{VIe}のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量をそのような治療または予防が必要なその患者に投与することを含む方法。
医薬組成物
本発明は、少なくとも1つの本開示の化合物及び薬学的に受容可能な担体について治療上有効量を含む医薬組成物にも関する。本発明の医薬組成物は、必要に応じて、1種または複数種の相溶性の薬剤的活性剤を含み得る。
本発明の範囲内の医薬組成物には、本開示の化合物が有効な量で存在し(親オピオイドへの変換を介して)、意図する目的を達成する全ての組成物が含まれる。個々のニーズは異なり得るが、各化合物の有効量の最適な範囲の決定は、本開示の観点から、当技術分野の範囲内にある。いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、哺乳動物に投与され得る。いくつかの実施形態において、この哺乳動物は、ヒトであり、好ましくは、疼痛などのオピオイドで治療され得る症状を治療される患者である。本開示から明らかであるように、本開示の化合物及びその混合物は、好ましくは経口投与される。いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、治療する哺乳動物の体重に対して、0.1から5mg/kgの用量、またはその薬学的に受容可能な塩のモル当量を投与される。
いくつかの実施形態において、経口用量の単位には、本開示の化合物またはその混合物の、5mgと640mgの間、5mgと320mgの間、5mgと200mgの間、5mgと160mgの間、5mgと100mgの間、5mgと50mgの間、5mgと25mgの間、5mgと20mgの間及び5mgと10mgの間が含まれる。いくつかの実施形態において、経口用量の単位は、遊離の本開示の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩のモル当量の5mg、10mg、20mg、25mg、50mg、60mg、80mg、100mg、120mg、160mg、320mg、または640mgである。
いくつかの実施形態において、経口用量の剤形の単位は、4時間ごと、6時間ごと、8時間ごと、12時間ごと、または24時間ごとに投与される。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物またはその混合物は、医薬組成物の一部として投与され得る。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物は、既知の添加剤及び補助剤から選択された1種または複数種の好適な薬学的に受容可能な担体を含むことで、医薬剤形への化合物の加工を促進及び/または剤形の溶解を促進またはそれ以外の制御を行う。特定の実施形態において、本開示の医薬組成物は、経口投与され得る剤形である。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、パウダー、細粒、錠剤、ペレット、多粒、糖衣錠またはカプセルなどの固体経口剤形の形態である。他の実施形態において、医薬組成物は、経口用液剤、経口用懸濁液または経口用エマルジョンなどの液体経口剤形の形態である。
いくつかの実施形態において、経口用剤形は、本開示の化合物またはその混合物を、1種または複数種の添加剤とともに、0.01から99重量パーセント、0.01から90重量パーセント、0.01から85重量パーセント、0.01から80重量パーセント、または0.01から75重量パーセントを含む。
本開示の経口投与される医薬組成物には、1種または複数種の添加剤を含み得る。好適な賦形剤には、糖類(例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、サッカリンナトリウムまたはソルビトール)、炭酸マグネシウム、セルロース調製物及び/またはリン酸カルシウム(例えば、リン酸三カルシウムまたはリン酸水素カルシウム)などの充填剤、ならびにデンプンペースト(例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプンを使用する)、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/またはポリビニルピロリドンなどの結合剤が含まれる。必要に応じて、上述のデンプン及びカルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、アガー、またはアルギン酸もしくはその塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)などの崩壊剤が添加され得る。補助剤は、とりわけ、流動性調節剤及び潤滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸またはステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウムなどのその塩、及び/またはポリエチレングリコール、フルクトース、アスパルテームまたはサッカリンなどの甘味料、ペパーミント、ウインターグリーン油またはサクランボなどの芳香剤、着色剤及び保存料であり、美味な医薬品を提供するためのものである。さらに、染料またはピグメントは、例えば、識別のため、または活性化合物用量の組み合わせを特徴付けるために、錠剤または糖衣錠コーティングに添加され得る。好適な医薬品添加物の他の例はRemington’s Pharmaceutical Sciences pp. 1447−1676 (Alfonso R. Gennaro ed., 19th ed. 1995)で述べられており、参照することにより本明細書に取り込まれる。一実施形態では、添加剤は、医薬品グレードのものである。
いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物は、例えば、従来の混合、造粒、糖衣錠作製、溶解、または凍結乾燥工程などの本開示を考慮して既知である方法で製造される。
本開示の医薬組成物は、その意図される目的を達成するための任意の手段によって投与され得る。好ましくは、投与は、経口経路による。投与される用量及び投薬頻度は、中でも、レシピエントの年齢、健康、性別、病状及び体重、もしあれば任意の併用療法、処理の頻度及び所望の効果の性質に依存するであろう。
本開示の化合物またはその混合物は、即放性系、徐放性系または持続性系で送達され得る。徐放性または持続性の系についてのさらに詳細な説明については、例えば、米国特許5,672,360号、5,968,551号、6,294,195号、7,270,831号及び7,514,100号を参照のこと。徐放性または持続性の系は、当技術分野において公知の方法によっても調製され得る(例えばGoodson, in Medical Applications of Controlled Release, vol. 2, pp. 115−138 (1984)を参照のこと)。Langer, Science 249:1527−1533 (1990)によるレビューの中で述べられている徐放性または持続性の系も同様に用いられ得る。
本開示の化合物またはその混合物は、送達を管理するために、胃または消化管の上部で保持される胃内滞留性ドラッグデリバリーシステムとして調製され得る。胃内滞留性ドラッグデリバリーシステムのさらに詳細な説明については、例えば、米国特許5,232,704号、7,157,100号、7,838,028号及び米国特許出願2006/0013876号を参照のこと。胃内滞留性ドラッグデリバリーシステムは、当技術分野において公知の方法によっても調製され得る(例えばSharma, N., et al., International Journal of Research in Pharmaceutical and Biomedical Sciences 2:428−441 (2011)を参照のこと)。
米国特許4,167,558号及び6,090,411号で開示されている錠剤及び細粒の製造も使用され得る。米国特許4,140,755号で開示されている2層錠の調製も用いられ得る。
活性薬剤、親水コロイド、pH依存性ポリマー及び結合剤を含み、カプセル中にこれら全てとともに入れられるパウダーが、米国特許5,169,638号で開示されている。この文献で開示された形態が、本発明の化合物の送達に好適である。
米国特許6,635,279号では、ポリ酢酸ビニル及びポリビニルピロリドンならびに添加剤の混合物について開示されている。これらの形態は、単一工程で調製されて、特別な力学的強度を示し得る。この文献で開示された形態は、本開示の化合物または複数の化合物を送達するために好適である。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、1種または複数種の別の治療薬と同時投与される。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、1種または複数種の非オピオイド鎮痛薬と同時投与され得る。有用な非オピオイド鎮痛薬には、アスピリン、イブプロフェン、ジクロフェナク、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フルブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピロプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラモプロフェン、ムロプロフェン、トリオキサプロフェン、スプロフェン、アミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、ブクロキシ酸、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラク、チオピナク、ジドメタシン、アセメタシン、フェンチアザク、クリダナク、オキシピナク、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルミン酸、トルフェナミン酸、ジフルリサール、フルフェニサール、ピロキシカム、スドキシカム、イソキシカム、その薬学的に受容可能な塩及びそれらの混合物から選択された非ステロイド系抗炎症薬が含まれるが、限定されない。他の好適な非オピオイド鎮痛薬には、サリチル酸ナトリウム、トリサリチル酸コリンマグネシウム、サルサラート、ジフルニサール、サリチルサリチル酸、スルファサラジン及びアルサラジンを含むサリチル酸誘導体と、アセトアミノフェンを含むが限定されないパラアミノフェノール誘導体と、インドメタシン、スリンダク及びエトドラクを含むが限定されないインドール及びインデン酢酸と、トルメチン、ジクロフェナク及びケトロラクを含むヘテロアリール酢酸と、メフェナム酸及びメクロフェナム酸を含むアントラニル酸(フェナメート)と、オキシカム(ピロキシカム及びテノキシカム)及びピラゾリジンジオン(フェニルブタゾン及びオキシフェンタルタゾン)を含むが限定されないエノール酸と、ナブメトンを含むが限定されないアルカノンとが含まれるが、限定されない。本開示の化合物と同時投与され得る非オピオイド鎮痛薬のさらに詳細な説明については、Paul A. Insel, Analgesic−Antipyretic and Antiinflammatory Agents and Drugs Employed in The Treatment of Gout in Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics, 617−657 (Perry B. Molinhoff and Raymond W. Ruddon, eds., 9th ed. 1996)及びGlen R. Hanson, Analgesic, Antipyretic and Anti−Inflammatory Drugs in Remington: The Science and Practice of Pharmacy, vol. II, 1196−1221 (A. R. Ge1maro, ed. 19th ed. 1995)を参照のこと。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、1種または複数種のオピオイドアゴニストと同時投与され得る。有用なオピオイドアゴニストには、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアムプロミド、ジアモルホン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメサドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メサドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメサドン、ナロルフィン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、トラマドール、それらの薬学的に受容可能な塩、及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、1種または複数種の抗片頭痛薬と同時投与され得る。有用な抗片頭痛薬には、アルピロプリド、ジヒドロエルゴタミン、ドラセトロン、エルゴコルニン、エルゴコルニニン、エルゴクリプチン、麦角、エルゴタミン、フルメドロキソン、ジメトチアジン、リスリド、ロメリジン、メチセルジドオキセトロン、ピゾチリン及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、1種または複数種の制吐薬と同時投与され得る。好適な制吐薬には、メトクロプラミド、ドンペリドン、プロクロルペラジン、プロメタジン、クロルプロマジン、トリメトベンズアミド、オンダンセトロン、グラニセトロン、ヒドロキシジンアセチルロイシンモノエタノールアミン、アリザプリド、アザセトロン、ベンズキナミド、ビエタナウチン、ブロモプリド、ブクリジン、クレボプリド、シクリジン、ジメンヒドリナート、ジフェニドール、ドラセトロン、メクリジン、メタラタール、メトピマジン、ナビロン、オキシペルンジル、ピパマジン、スコポラミン、スルピリド、テトラヒドロカンナビノール、チエチルペラジン、チオプロペラジン、トロピセトロン及びそれらの混合物が含まれるが限定されない。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、1種または複数種のβアドレナリン受容体遮断薬と同時投与され得る。好適なβアドレナリン受容体遮断薬には、アセブトロール、アルプレノロール、アモスラボール、アロチノロール、アテノロール、ベフノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、ブクモロール、ブフェトロール、ブフラロール、ブニトロロール、ブプラノロール、塩酸ブチドリン、ブトフィロロール、カラゾロール、カルテオロール、カルベジロール、セリプロロール、セタモロール、クロラノロール、ジレバロール、エパノロール、エスモロール、インデノロール、ラベタロール、レボブノロール、メピンドロール、メチプラノロール、メトプロロール、モプロロール、ナドロール、ナドキソロール、ネビバロール、ニフェナロール、ニプラジロール、オキシプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プラクトロール、プロネタロール、プロプラノロール、ソタロール、スルフィナロール、タリノロール、テルタトロール、チリソロール、チモロール、トリプロ−ル、キシベノロール及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、1種または複数種の抗けいれん薬と同時投与され得る。好適な抗けいれん薬には、アセチルフェネツリド、アルブトイン、アロキシドン、アミノグルテチミド、4−アミノ−3−ヒドロキシブチル酸、アトロラクタミド、ベクラミド、ブラマート、臭化カルシウム、カルバマゼピン、シンロミド、クロメチアゾール、クロナゼパム、デシメミド、ジエタジオン、ジメタジオン、ドキセニトロイン、エテロバルブ、エタンジオン、エトスクシミド、エトトイン、フェルバマート、フルオレソン、ガバペンチン、5−ヒドロキシトリプトファン、ラモトリジン、臭化マグネシウム、硫酸マグネシウム、メフェニトイン、メフォバルビタール、メタルビタール、メテトイン、メトスクシミド、5−メチル−5−(3−フェナントリル)−ヒダントイン、3−メチル−5−フェニルヒダントイン、ナルコバルビタール、ニメタゼパム、ニトラゼパム、オキシカルバゼピン、パラメタジオン、フェナセミド、フェネタルビタール、フェネツリド、フェノバルビタール、フェンスクシミド、フェニルメチルバルビツル酸、フェニトイン、フェテニラートナトリウム、臭化カリウム、プレガバリン、ピリミドン、プロガビド、臭化ナトリウム、ソラナム、臭化ストロンチウム、スクロフェニド、スルチアム、テトラントイン、チアガビン、トピラマート、トリメタンジオン、バルプロ酸、バルプロミド、ビガバトリン、ゾニサミド及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、1種または複数種の抗うつ剤と同時投与され得る。有用な抗うつ剤の例には、ビネダリン、カロキサゾン、シタロプラム、ジメタザン、フェンカミン、インダルピン、塩酸インデロキサジン、ネフォパム、ノミフェンシン、オキシトリプタン、オキシペルチン、パロキセチン、セルトラリン、チアゼシム、トラゾドン、ベンモキシン、イプロクロジド、イプロニアジド、イソカルボキサジド、ニアラミド、オクタモキシン、フェネルジン、コチニン、ロリシプリン、ロリプラム、マプロチリン、メトラリンドール、ミアンセリン、ミルタゼピン、アジナゾラム、アミトリプチリン、アミトリプチリノキシド、アモキサピン、ブトリプチリン、クロミプラミン、デメキシプチリン、デシプラミン、ジベンゼピン、ジメタクリン、ドチエピン、ドキセピン、フルアシジン、イミプラミン、イミプラミンN−オキシド、イプリンドール、ロフェプラミン、メリトラセン、メタプラミン、ノルトリプチリン、ノキシプチリン、オピプラモール、ピゾチリン、プロピゼピン、プロトリプチリン、キヌプラミン、チアネプチン、トリミプラミン、アドラフィニル、ベナクチジン、ブプロピロン、ブタセチン、ジオキサドロール、ズロキセチン、エトペリドン、フェバルバマート、フェモキセチン、フェンペンタジオール、フルオキセチン、フルボキサミン、ヘマトポルフィリン、ヒペリシン、レボファセトペラン、メジフォキサミン、ミルナシプラン、ミナプリン、モクロベミド、ネファゾドン、オキサフロザン、ピベラリン、プロリンタン、ピリスクシデアノール、リタンセリン、ロキシンドール、塩化ルビジウム、スルピリド、タンドスピロン、トザリノン、トフェナシン、トロキサトン、トラニルシプロミン、L−トリプトファン、ベンラファキシン、ビロキサジン、ジメルジン及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、1種または複数種のCa2+チャネル拮抗薬と同時投与され得る。好適なCa2+チャネル拮抗薬には、ベプリジル、クレンチアゼム、ジルチアゼム、フェンジリン、ガロパミル、ミベフラジル、プレニルアミン、セモチアジル、テロジリン、ベラパミル、アムロジピン、アラニジピン、バルニジピン、ベニジピン、シルニジピン、エホニジピン、エルゴジピン、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン、マニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、シンナリジン、フルナリジン、リドフラジン、ロルメリジン、ベンシクラン、エタフェノン、ファントファロン、ペルヘキシリン及びそれらの混合物が含まれるが限定されない。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、ナルトレキソン、ナロキソン、ナルメフェン、ナロルフィン、ナルブフィン、ナロキソンアジネン、メチルナルトレキソン、ケチルシクラゾシン、ノルビナルトフィミン、ナルトリンドール、6−β−ナロキソール、6−β−ナルトレキソール、アルビモパン、シプロジム、ジプレノルフィン、ゲマゾシン、5’−グアニジノナルトリンドール、JDTic((3R)−7−ヒドロキシ−N−[(2S)−1−[(3R,4R)−4−(3−ヒドロキシフェニル)−3,4−ジメチルピペリジン−1−イル]−3−メチルブタン−2−イル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボキサミド)、レバロルファン、ナルデメジン、ナルメキソン、ナロルフィン、ジニコチネート、ナロキサゾン、ナロキセゴール、ナロキソール、ナロキソナジン、ナルトリベン、オキシロルファン、クァダゾシン、サミドルファン及びそれらの混合物などのオピオイドアンタゴニストとともに、合剤されてもよく、または同時投与されてもよく、これは、国際特許出願WO03/084520号による。
特定の本開示の化合物は、プロドラッグとして作用し得るので、これらは、その親化合物として同様の目的のために用いられ得る。いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、炎症性疼痛及び外科手術後疼痛などの疼痛を治療、寛解または予防するために有用である。別の実施形態において、本開示の化合物には、オピオイド誘発性の有害な薬力学的反応を治療、寛解または予防するために有用である。
本開示の化合物は、急性、慢性疼痛(神経障害性疼痛、術後痛及び炎症性疼痛が含まれるが限定されない)及び外科手術後疼痛を治療または予防するために用いられ得る。本発明の化合物を用いて治療または予防され得る疼痛の例としては、がん疼痛、神経障害性疼痛、陣痛、心筋梗塞痛、膵臓痛、疝痛、術後痛、頭痛、筋肉痛、関節炎痛、ならびに、歯肉炎及び歯周炎などの歯周病に関連する疼痛が挙げられるが、これらに限定されない。
急性疼痛には、手術前後の疼痛、術後痛、外傷後の疼痛、急性疾患に関連する疼痛と、診断法、整形外科的操作及び心筋梗塞に関連する疼痛とが含まれるが限定されない。手術前後の状況における急性疼痛には、基礎疾患による疼痛、関連するドレーン、腰部もしくは経鼻胃チューブなど外科手技による疼痛、または疾患関連の原因及び手順関連の原因の組み合わせが含まれる。
慢性疼痛には、炎症性疼痛、術後痛、がん疼痛、転移性がんに関連する変形性関節症の疼痛、三叉神経痛、帯状疱疹及び帯状疱疹後の神経痛、糖尿病性神経障害、灼熱痛、頸神経根の引き抜き損傷、後頭神経痛、反射性交感神経性ジストロフィー、線維筋痛症、痛風、幻肢痛、熱傷の疼痛ならびに、神経痛、神経性及び特発性疼痛疾患の別の形態が含まれるが限定されない。
本開示の化合物は、患者の炎症または炎症性疾患に関連する疼痛を治療または予防するために使用され得る。そのような疼痛は、局所炎症反応または全身性炎症であり得る身体組織の炎症が存在する場合に生じ得る。例えば、本発明の化合物は、臓器移植拒絶反応を含むが限定されない炎症性疾患と、心臓、肺、肝臓または腎臓の移植を含むが限定されない臓器移植(Grupp et al., J. Mol, Cell Cardiol. 31:297−303 (1999)を参照のこと)による再酸素化障害と、関節炎、関節リウマチ、変形性関節症及び骨吸収の増加に関連する骨疾患などの関節の慢性炎症性疾患と、回腸炎、潰瘍性大腸炎、バレット症候群及びクローン病などの炎症性腸疾患と、喘息、成人性呼吸窮迫症候群及び閉塞性気道疾患などの炎症性肺疾患と、角膜ジストロフィー、トラコーマ、オンコセルカ症、ぶどう膜炎、交感性眼炎及び眼内炎を含む、眼の炎症性疾患と、歯肉炎及び歯周炎などの歯肉の慢性炎症性疾患と、結核と、ハンセン病と、尿毒症性合併症、糸球体腎炎及びネフローゼなどの腎臓の炎症性疾患と、硬化性皮膚炎、乾癬及び湿疹などの皮膚の炎症性疾患と、神経系の慢性脱髄性疾患、多発性硬化症、AIDS関連の神経変性及びアルツハイマー病、感染性髄膜炎、脳脊髄炎、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症及びウイルス性または自己免疫性脳炎などの中枢神経系の炎症性疾患と、真性糖尿病I型及びII型などの自己免疫疾患と、糖尿病性白内障、緑内障、網膜症、腎臓病(微量アルブミン尿及び進行性糖尿病性腎症など)、足部の壊疽、アテローム硬化性冠状動脈疾患、末梢動脈疾患、非ケトン性高血糖性高浸透圧性昏睡、足部潰瘍、関節障害及び皮膚または粘膜の合併症(感染症、脛斑点、カンジダ感染症または糖尿病性リポイド類壊死症など)、免疫複合体性血管炎及び全身性エリテマトーデス(SLE)などを含むがこれらに限定されない糖尿病合併症と、心筋症、虚血性心疾患高コレステロール血症及びアテローム性動脈硬化などの心臓の炎症性疾患と、子癇前症、慢性肝不全、脳及び脊髄の外傷及びがんなどの著しい炎症性要素を有し得るさまざまな他の疾患とに関連する疼痛を治療または予防するために用いられ得る。本開示の化合物は、例えば、グラム陽性ショック、グラム陰性ショック、出血性ショック、アナフィラキシー性ショック、または炎症促進性サイトカインに反応してがんの化学療法によって誘発されるショックによって例示される身体の全身性炎症であり得る炎症性疾患に関連する疼痛を治療または予防するためにも用いられ得る。このようなショックは、例えば、がんを治療するために投与される化学療法薬によって誘発され得る。
本開示の化合物は、神経損傷に関連する疼痛(すなわち、神経障害性疼痛)を治療または予防するために使用され得る。慢性神経障害性疼痛は、病因不明の異質な疾患状態である。慢性疼痛において、疼痛は、複数の機序によって媒介され得る。概して、この種類の疼痛は、末梢神経または中枢神経の組織の損傷から生じる。その症候群には、脊髄損傷に関連する疼痛、多発性硬化症、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、幻肢痛、灼熱痛、ならびに反射性交感神経性ジストロフィー及び腰痛が含まれる。慢性疼痛は、慢性神経障害性疼痛の患者にとって、異常な疼痛の感覚が、自発痛、連続的な表層性灼熱感及び/または疼く深部痛として説明され得るという点で、急性疼痛と異なる。この疼痛は、熱的痛覚過敏、冷的痛覚過敏及び機械的痛覚過敏によって、または熱的アロディニア、冷的アロディニア、もしくは機械的アロディニアによって誘起され得る。
慢性神経障害性疼痛は、末梢感覚神経の損傷または感染症によって引き起こされる場合がある。これには、末梢神経の外傷、ヘルペスウイルス感染症、真性糖尿病、灼熱痛、神経引き抜き損傷、神経腫、肢切断及び血管炎による疼痛が含まれるが、限定されない。神経障害性疼痛は、慢性アルコール中毒、ヒト免疫不全ウイルス感染症、甲状腺機能低下症、尿毒症またはビタミン欠乏症による神経損傷によっても引き起こされ得る。卒中(脊髄または脳)及び脊髄損傷も、神経障害性疼痛を誘発し得る。がんに関連する神経障害性疼痛は、隣接した神経、脳、または脊髄の腫瘍成長による圧迫から生じる。さらに、化学療法及び放射線療法を含むがん治療が、神経損傷を引き起こし得る。神経障害性疼痛には、例えば糖尿病患者が患う疼痛などの神経損傷により引き起こされる疼痛が含まれるが、限定されない。
本開示の化合物は、前兆のない片頭痛(「一般的な片頭痛」)、前兆のある片頭痛(「典型的片頭痛」)、頭痛のない片頭痛、脳底動脈型片頭痛、家族性片麻痺性片頭痛、片頭痛性脳梗塞及び長期にわたる前兆がある片頭痛が含まれるが限定されない片頭痛に関連する疼痛を治療または予防するために用いられ得る。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、鎮咳薬として、さらに呼吸困難、下痢及び赤痢を治療または寛解するために有用である。
これらの例それぞれにおいて、本発明の方法は、式IからVIのいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物またはそれらの混合物の有効量を、これらの治療が必要な哺乳動物に投与することが必要である。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、以下のin vitro結合アッセイにより、その化合物のμ−、κ−、δ−またはORL−1のオピオイド受容体の結合活性及び、μ−、κ−、δ−またはORL−1のオピオイド受容体に対するその化合物の機能特性について試験される。
In vitroアッセイのプロトコル
μ−オピオイド受容体結合アッセイプロトコル: μ−オピオイド受容体に対する放射性リガンド線量変化結合アッセイでは、最終量が500μlの結合バッファー(10mM MgCl、1mM EDTA、5%DMSO、50mM HEPES、pH7.4)中で5mgの膜タンパク質/ウェルを用いて、0.3nM[H]−ジプレノルフィン(Perkin Elmer、Shelton、CT)を用い得る。反応は、漸増濃度の非標識ナロキソンの非存在下または存在下で行われる。全ての反応は、室温で2時間96ディープウェルのポリプロピレンプレートで行う。結合反応を、96ウェルユニフィルターGF/Cフィルタープレート(Perkin Elmer、Shelton、CT)で素早くろ過をして終了させ、96ウェル組織ハーベスター(Perkin Elmer、Shelton、CT)を用いて0.5%のポリエチレンイミンで予浸し、続いて500μlの氷冷の結合バッファーで、3回ろ過をすることで洗浄する。次にフィルタープレートを50℃で2〜3時間乾燥させる。BetaScintシンチレーションカクテル(Perkin Elmer、Shelton、CT)を加えて(50μl/ウェル)、プレートを1分/ウェルでPackardのTop−Countを用いてカウントする。データは、GraphPad PRISM(商標)v.3.0またはそれ以上(San Diego、Calif.)によるワンサイト競合曲線フィッティング関数またはワンサイト競合曲線フィッティングに対する社内の関数を用いて分析する。データを平均±S.E.Mで示す。その結果を阻害定数、K値(最大阻害の半分が生じる化合物の濃度)として表す。
μ−オピオイド受容体機能アッセイ手順: [35S]GTPγS機能アッセイは、HEK−293、CHOまたはU−2 OS細胞のバックグラウンドで、遺伝子組換えμオピオイド受容体を発現する細胞株から社内で調製した、または市販の供給源から購入した(Perkin Elmer、Shelton、CTまたはDiscovRx、Fremont、CA)、解凍してまもないμ−受容体膜を用いて行う。アッセイ反応は、以下の試薬:膜タンパク質(0.026mg/mL)、サポニン(10mg/mL)、GDP(3mM)及び[35S]GTPγS(0.20nM、Perkin Elmer、Shelton、CT)(最終濃度を示す)を、氷上で結合バッファー(100mM NaCl、10mM MgCl、20mM HEPES、pH7.4)に連続して加えることで調製する。ジメチルスルホキシド(DMSO)中で調製したアゴニスト[D−アラニン、N−メチル−フェニルアラニングリシンオール]−エンケファリン(DAMGO)を20倍濃縮した保存液を10μl含む96シャローウェルポリプロピレンプレートに、調製した膜溶液(190μl/ウェル)を移す。プレートは、30分間約25℃で振動させつつインキュベートする。反応を、96ウェル組織ハーベスター(Perkin Elmer、Shelton、CT)を用いて、96ウェルユニフィルターGF/Bフィルタープレート(Perkin Elmer、Shelton、CT)で素早くろ過をして終了させ、続いて200μlの氷冷の洗浄バッファー(10mM NaHPO、10mM NaHPO、pH7.4)で、3回ろ過することで洗浄する。次にフィルタープレートを50℃で2〜3時間乾燥させる。BetaScintシンチレーションカクテル(Perkin Elmer、Shelton、CT)を加えて(50μl/ウェル)、プレートを1分/ウェルでPackardのTop−Countを用いてカウントする。データについては、GraphPad PRISM v.3.0で、シグモイド型用量反応曲線フィッティング関数または非線形用量反応曲線フィッティングの社内の関数を用いて分析する。データを平均±S.E.Mで示す。機能アッセイから得られる結果を、EC50値(最大反応の50%の値が生じる化合物の有効な濃度)として示す。
35S]GTPγS機能アッセイは、CHO−K1細胞のバックグラウンドにおいて、遺伝子組換えμオピオイド受容体を発現する細胞株から調製した解凍してまもないμ−受容体膜を用いて行う。
κ−オピオイド受容体結合アッセイ手順: 遺伝子組換えヒトカッパオピオイド受容体(κ)を発現するHEK−293、CHOまたはU−2 OS細胞から得た膜を、氷冷の低浸透圧バッファー(2.5mM MgCl、50mM HEPES、pH7.4)(10mL/10cmディッシュ)中に細胞を溶解させ、続いて組織グラインダー/テフロン(登録商標)乳棒を用いてホモジナイズする。カッパオピオイド受容体を自然に発現する細胞株から得られた膜も用いられ得る。膜を、30,000xg、4℃で15分間遠心分離をすることで回収し、ペレットを低浸透圧バッファーに再懸濁することで最終濃度を1〜3mg/mLとする。標準液であるウシ血清アルブミンとともにBioRadタンパク質アッセイ試薬を用いてタンパク質濃度を測定する。κ受容体膜のアリコートは、−80℃で保管する。
放射性リガンド線量変化アッセイは、最終量が200μlの結合バッファー(5%DMSO、50mMトリズマ塩基、pH7.4)で、0.4nM[H]−U69,593(GE Healthcare、Piscataway、NJ、40Ci/mmole)を、15μgの膜タンパク質(HEK 293細胞中で発現させた遺伝子組換えκオピオイド受容体、社内調製)とともに、用いられ得る。10μM非標識ナロキソンまたはU69,593存在下で、非特異的結合を決定する。全ての反応を、96ウェルのポリプロピレンプレート内で、約25℃の温度で1時間行う。結合反応を、0.5%のポリエチレンイミン(Sigma)で予浸した96ウェルユニフィルターGF/Cフィルタープレート(Perkin Elmer、Shelton、CT)で素早くろ過をして終了させる。回収は、96ウェル組織ハーベスター(Perkin Elmer、Shelton、CT)を用いて行い、200μlの氷冷の結合バッファーで5回ろ過をして洗浄する。次にフィルタープレートを50℃で1〜2時間乾燥させる。50μl/ウェルのシンチレーションカクテル(Perkin Elmer、Shelton、CT)を加えて、プレートをPackardのTop−Countで1分/ウェルでカウントする。データは、GraphPad PRISM(商標)v.3.0またはそれ以上(San Diego、Calif.)によるワンサイト競合曲線フィッティング関数またはワンサイト競合曲線フィッティングに対する社内の関数を用いて分析する。データを平均±S.E.Mで示す。その結果を阻害定数、K値(最大阻害の半分が生じる化合物の濃度)として表す。
κ−オピオイド受容体機能アッセイ手順: 機能[35S]GTPγS結合アッセイは、以下の通り行うことが可能である。κオピオイド受容体膜溶液を、最終濃度が0.026μg/μl κ膜タンパク質(社内のもの)、10μg/mLサポニン、3μM GDP及び0.20nM [35S]GTPγSを氷上で結合バッファー(100mM NaCl、10mM MgCl、20mM HEPES、pH7.4)に連続して加えることで調製する。DMSO中に調製したアゴニストを20倍濃縮した保存液を10μl含む96シャローウェルポリプロピレンプレートに、調製した膜溶液(190μl/ウェル)を移す。プレートは、30分間約25℃の温度で振動させつつインキュベートする。反応を、96ウェル組織ハーベスター(Packard)を用いて、96ウェルユニフィルターGF/Bフィルタープレート(Perkin Elmer、Shelton、CT)で素早くろ過をして終了させ、続いて200μlの氷冷の結合バッファー(10mM NaHPO、10mM NaHPO、pH7.4)で、3回ろ過することで洗浄する。次にフィルタープレートを50℃で2〜3時間乾燥させる。50μl/ウェルのシンチレーションカクテル(Perkin Elmer、Shelton、CT)を加えて、プレートをPackardのTop−Countで1分/ウェルでカウントした。データは、GraphPad PRISM(商標)v.3.0またはそれ以上(San Diego、Calif.)によるワンサイト競合曲線フィッティング関数またはワンサイト競合曲線フィッティングに対する社内の関数を用いて分析する。データを平均±S.E.Mで示す。機能アッセイから得られる結果を、EC50値(最大反応の50%の値が生じる化合物の有効な濃度)として示す。
δ−オピオイド受容体結合アッセイ手順: δ−オピオイド受容体結合アッセイ手順を以下の通り行う。放射性リガンド線量変化アッセイは、最終量が、500μlの結合バッファー(5mM MgCl、5%DMSO、50mMトリズマ塩基、pH7.4)で、0.3nM[H]−ナルトリンドール(Perkin Elmer、Shelton、CT、33.0Ci/mmole)を、5μgの膜タンパク質(Perkin Elmer、Shelton、CT))とともに、用いられ得る。25μM非標識ナロキソン存在下で、非特異的結合を決定した。全ての反応を、96ディープウェルのポリプロピレンプレート内で、約25℃の温度で1時間行う。結合反応を、0.5%のポリエチレンイミン(Sigma)で予浸した96ウェルユニフィルターGF/Cフィルタープレート(Perkin Elmer、Shelton、CT)で素早くろ過をして終了させる。回収は、96ウェル組織ハーベスター(Perkin Elmer、Shelton、CT)を用いて行い、500μlの氷冷の結合バッファーで5回ろ過をして洗浄する。次にフィルタープレートを50℃で1〜2時間乾燥させる。50μl/ウェルのシンチレーションカクテル(Perkin Elmer、Shelton、CT)を加えて、プレートをPackardのTop−Countで1分/ウェルでカウントする。データは、GraphPad PRISM(商標)v.3.0またはそれ以上(San Diego、Calif.)によるワンサイト競合曲線フィッティング関数またはワンサイト競合曲線フィッティングに対する社内の関数を用いて分析した。データを平均±S.E.Mで示す。その結果を阻害定数、K値(最大阻害の半分が生じる化合物の濃度)として表す。
δ−オピオイド受容体機能アッセイ手順: 機能[35S]GTPγS結合アッセイは、以下の通り行う。δオピオイド受容体膜溶液を、最終濃度が0.026μg/μl δ膜タンパク質(Perkin Elmer、Shelton、CT)、10μg/mLサポニン、3μM GDP及び0.20nM[35S]GTPγSを氷上で結合バッファー(100mM NaCl、10mM MgCl、20mM HEPES、pH7.4)に連続して加えて調製する。DMSO中に調製したアゴニストを20倍濃縮した保存液を10μl含む96シャローウェルポリプロピレンプレートに、調製した膜溶液(190μl/ウェル)を移す。プレートは、30分間約25℃の温度で振動させつつインキュベートする。反応を、96ウェル組織ハーベスター(Packard)を用いて、96ウェルユニフィルターGF/Bフィルタープレート(Perkin Elmer、Shelton、CT)で素早くろ過をして終了させ、続いて200μlの氷冷の結合バッファー(10mM NaHPO、10mM NaHPO、pH7.4)で、3回ろ過することで洗浄する。次にフィルタープレートを50℃で1〜2時間乾燥させる。50μl/ウェルのシンチレーションカクテル(Perkin Elmer、Shelton、CT)を加えて、プレートをPackardのTop−countで1分/ウェルでカウントする。データは、GraphPad PRISM(商標)v.3.0またはそれ以上(San Diego、Calif.)によるワンサイト競合曲線フィッティング関数またはワンサイト競合曲線フィッティングに対する社内の関数を用いて分析した。データを平均±S.E.Mで示す。機能アッセイから得られる結果を、EC50値(最大反応の50%の値が生じる化合物の有効な濃度)として示す。
ORL−1受容体結合アッセイ手順: ヒトオピオイド受容体様受容体(ORL−1)(Perkin Elmer、Shelton、CT)を発現する遺伝子組換えHEK−293細胞から得た膜を、氷冷の低浸透圧バッファー(2.5mM MgCl、50mM HEPES、pH7.4)(10mL/10cmディッシュ)中に細胞を溶解させ、続いて組織グラインダー/テフロン(登録商標)乳棒を用いてホモジナイズすることで調製され得る。膜を、30,000xg、4℃で15分間遠心分離をすることで回収し、ペレットを低浸透圧バッファーに再懸濁することで最終濃度を1〜3mg/mlにした。標準液であるウシ血清アルブミンとともにBioRadタンパク質アッセイ試薬を用いてタンパク質濃度を測定する。ORL−1受容体膜のアリコートは、−80℃で保管する。
放射性リガンド結合アッセイ(スクリーニング及び線量変化)では、最終量が500μlの結合バッファー(10mM MgCl、1mM EDTA、5%DMSO、50mM HEPES、pH7.4)中の12μg膜タンパク質とともに、0.1nM[H]−ノシセプチン(Perkin Elmer、Shelton、CT、87.7Ci/mmole)を用いる。10nM非標識ノシセプチン(American Peptide Company)存在下で、非特異的結合を決定する。全ての反応を、96ディープウェルのポリプロピレンプレート内で、室温で1時間行う。結合反応を、0.5%のポリエチレンイミン(Sigma)で予浸した96ウェルユニフィルターGF/Cフィルタープレート(Perkin Elmer、Shelton、CT)で素早くろ過をして終了させる。回収は、96ウェル組織ハーベスター(Perkin Elmer、Shelton、CT)を用いて行い、500μlの氷冷の結合バッファーで3回ろ過をして洗浄する。次にフィルタープレートを50℃で2〜3時間乾燥させる。50μl/ウェルのシンチレーションカクテル(Perkin Elmer、Shelton、CT)を加えて、プレートをPackardのTop−Countで1分/ウェルでカウントする。スクリーニング及び線量変化の実験から得たデータを、Microsoft Excel及びGraphPad PRISM(商標)v.3.0またはそれ以上による曲線フィッティング関数またはワンサイト競合曲線フィッティングに対する社内の関数をそれぞれ用いて分析する。データを平均±S.E.Mで示す。その結果を阻害定数、K値(最大阻害の半分が生じる化合物の濃度)として表す。
ORL−1受容体機能アッセイ手順: ヒトオピオイド受容体様(ORL−1)(Perkin Elmer、Shelton、CT)を発現する遺伝子組換えHEK−293細胞から得た膜を、氷冷の低浸透圧バッファー(2.5mM MgCl、50mM HEPES、pH7.4)(10mL/10cmディッシュ)中に細胞を溶解させ、続いて組織グラインダー/テフロン(登録商標)乳棒を用いてホモジナイズすることで調製され得る。膜を、30,000xg、4℃で15分間遠心分離をすることで回収し、ペレットを低浸透圧バッファーに再懸濁することで最終濃度を1〜3mg/mlにした。標準液であるウシ血清アルブミンとともにBioRadタンパク質アッセイ試薬を用いてタンパク質濃度を測定する。ORL−1受容体膜のアリコートは、−80℃で保管する。
機能[35S]GTPγS結合アッセイは以下の通りに行う。ORL−1膜溶液を、最終濃度が0.026μg/μl ORL−1膜タンパク質、10μg/mlサポニン、3μM GDP及び0.20nM[35S]GTPγSを氷上で結合バッファー(100mM NaCl、10mM MgCl、20mM HEPES、pH7.4)に連続して加えることで調製する。DMSO中で調製したアゴニスト/ノシセプチンを20倍濃縮した保存液を10μl含む96シャローウェルポリプロピレンプレートに、調製した膜溶液(190μl/ウェル)を移す。プレートを、撹拌しながら室温にて30分間インキュベートする。反応を、96ウェル組織ハーベスター(Packard)を用いて、96ウェルユニフィルターGF/Bフィルタープレート(Perkin Elmer、Shelton、CT)で素早くろ過をして終了させ、続いて200μlの氷冷の結合バッファー(10mM NaHPO、10mM NaHPO、pH7.4)で、3回ろ過することで洗浄する。次にフィルタープレートを50℃で2〜3時間乾燥させる。50μl/ウェルのシンチレーションカクテル(Perkin Elmer、Shelton、CT)を加えて、プレートをPackardのTop−Countで1分/ウェルでカウントする。データについては、GraphPad PRISM v.3.0またはそれ以上で、シグモイド型用量反応曲線フィッティング関数または非線形用量反応曲線フィッティングの社内の関数を用いて分析する。機能アッセイから得られる結果を、EC50値(最大反応の50%の値が生じる化合物の有効な濃度)として示す。
In vivo薬理学
脳への分布: 本開示の化合物を例えば、以下の試験を用いた経口投与後の脳へのin vivoでの分布について試験することが可能である。スプラーグドーリーラットに、試験する化合物ともに10mg/kg経口で投与する。投与する溶液は、25%の2−ヒドロキシプロピルベータ―シクロデキストリン(HPBCD)溶液であり、投与量は5mL/kgである。投与後1時間で、できる限り最も多い血液の量を心臓穿刺で採取する。血漿を遠心分離で全血から分離し、分析に回す。出血後、全脳を回収し、低温の生理食塩水で簡単に洗浄した後に液体窒素で瞬間凍結させる。分析前の血漿と脳の両方のサンプルは、−70℃で保管する。
血漿サンプルを分析するために、市販の対照のラットの血漿に、既知量の分析対象物質を加えることで検量線を準備する。200μLの標準サンプル及び試験サンプルのアリコートに、800μLの内部標準物質(オキシコドン)の水溶液を加えて、以下の手順に従って、C18固相のカートリッジ(96ウェルフォーマット、3M)で抽出する。このカートリッジは、500μLのメタノール、続いて500μLの水を加えることで活性化させる。次にサンプルを加えて、カートリッジを500μlの水で洗浄して、500μlの1%のギ酸のメタノール溶液で2回、その次に2%のアンモニアのメタノール溶液500μlで2回溶出する。蒸発及び再構成させて、サンプルをLC/MS/MSで分析する。脳のサンプルを分析するため、試験サンプル及び対照の脳サンプルを、体積あたりの重量の比が1:10で、水とホモジナイズする。対照である脳のホモジネートに、既知量の分析対象物質を加えることで検量線を準備する。500μLの標準サンプル及び試験サンプルのアリコートに、500μLの内部標準物質(オキシコドン)の水溶液を加えて、血漿サンプルについて前に述べた手順に従って、C18固相のカートリッジ(96ウェルフォーマット、3M)で抽出する。蒸発及び再構成させて、サンプルをLC/MS/MSで分析する。
分析対象物質及び内部標準物質を、Zorbax Extended C18カラム(4.6x150mm、3.5ミクロンの粒子径)、水―アセトニトリルのグラジエント条件(各分析対象物質に対して特定のグラジエント)で、当技術分野で既知の手順を用いて、クロマトグラムする。その溶出液をMS/MSで分析する。分析対象物質を、装置の第2の四重極上で分析対象物質の分子イオンの「娘」イオンとして登録する。MS/MSの条件は、各別々の分析対象物質に対して最適化することで、最大値の選択性及び感度を達成する。
対応する検量線のパラメータに基づいて、既知サンプルの濃度を算出した。「組織のgあたりのng」と表現する脳の濃度は、係数10(ホモジェネーション工程中の希釈係数)を対応するホモジネート濃度に掛けることで得る。脳対血液の比は、各別々の動物に対して、対応する脳(ng/g)及び血漿(ng/mL)の濃度の比として算出され、3つのグループについて、その平均及び標準偏差も算出される。
マウスの抗侵害受容性活性の研究: 本発明の化合物を、Hunskaar, S., O. B. Fasmer, and K. Hole, J. Neurosci. Methods 14: 69−76 (1985)で記載する通り、ホルマリンモデルでその抗侵害受容性活性について試験され得る。全ての実験で、雄のスイスウェブスターNIHマウス(20〜30g、Harlan、San Diego、CA)を用いる。実験当日の食料は与えない。マウスは、少なくとも1時間プレキシガラスの広口瓶に入れて置いておき、その環境に適応させる。この適応期間の後に、マウスを秤量して、溶媒中の目的の化合物を経口投与、または適切な量の溶媒を与える(10%ツイン−80)。経口投与した30分後、マウスの右後肢の背側に、ホルマリン(20μLの5%ホルムアルデヒドの生理食塩水溶液)を注入する。マウスをプレキシガラスの広口瓶に移して、注入された肢をなめるまたは噛み付くまでにかかった時間を監視する。ホルマリンの注入後、1時間なめたり噛み付いたりする周期を5分間隔で記録する。全ての実験を光サイクル中、盲検方式で行う。ホルマリン反応の初期段階について、0分と5分の間のなめ/噛み付きとして測定し、後期については、15〜50分まで測定する。溶媒と薬の試験群の間の差異について、一元配置分散分析(ANOVA)で分析する。P値≦0.05を有意であると見なす。ホルマリンで誘発された肢のなめる動きの急性期及び第2段階をブロックする活性を有する化合物は、急性疼痛及び慢性疼痛に対して有効であると見なす。
試験動物としてラットを用いた疼痛についてのIn Vivoアッセイ
試験動物: 各実験では、実験開始時の体重が200と260gの間であるラットを用いる。ラットには、投与前に約16時間食料を与えない場合に本開示の化合物を経口投与する前を除いて、室内にいる群と、常時食料及び水を自由に利用できる群がある。対照群は、本開示の化合物で治療するラットとの比較として機能する。この対照群には、本開示の化合物に対して担体を投与する。対照群に投与する担体量は、試験群に投与する担体及び本開示の化合物の量と同量である。
急性疼痛: 急性疼痛を治療または予防する本開示の化合物の作用を評価するために、ラットのテールフリックが用いられ得る。ラットを手で優しく拘束して、そのテールをテールフリック装置(Model7360、イタリアのUgo Basileの市販品)を用いて、先端から5cmの位置で放射熱の焦点ビームに曝露する。テールフリックの潜時を、熱的刺激の開始とテールのフリックの間の間隔として定義する。20秒以内に反応しない動物をテールフリック装置から取り出し、20秒の逃避の潜時を与える。本開示の化合物を投与する直前(治療前)と、1時間後、3時間後及び5時間後にテールフリックの潜時を測定する。データをテールフリックの潜時として示し、最大可能効果%(%MPE)すなわち20秒を以下の通り算出する。
Figure 2021514971
ラットのテールフリック試験は、F.E. D’Amour et al., “A Method for Determining Loss of Pain Sensation,” J. Pharmacol.Exp.Ther. 72:74−79 (1941)で記述されている。
急性疼痛を治療または予防する本開示の化合物の作用を評価するために、ラットのホットプレート試験も用いられ得る。ラットを48〜52℃の温度に維持した加熱金属床部とともに透明のプレキシガラスのシリンダーからなるホットプレート装置(Model7280、イタリアのUgo Basileの市販品)を用いて試験する。ホットプレート装置のシリンダーの上に、最大30秒または侵害防御機構の行動(行動上のエンドポイント)を示すまでラットを置き、その行動を示した時点でホットプレートから取り除き、その反応潜時を記録する。本発明の化合物を投与した直前(治療前)と、1時間後、3時間後及び5時間後にホットプレート潜時を測定する。侵害防御機構の行動のエンドポイントを、以下:1)振動させるもしくはなめるかいずれかとともに持続的に持ち上げるような肢の逃避、2)交互に肢を持ち上げる、3)試験装置からの逃走もしくは逃走を試みる、または、4)啼鳴のいずれかと定義する。データを反応潜時として示し、テールフリック試験の最大可能効果の割合を上述のように算出する。ホットプレート試験は、G. Woolfe and A.D. MacDonald, J. Pharmacol.Exp.Ther. 80:300−307 (1944)で説明されている。
炎症性疼痛: 炎症性疼痛を治療または予防する本開示の化合物の作用を評価するために、炎症性疼痛についてフロイント完全アジュバント(「FCA」)のモデルが用いられ得る。ラットの後肢のFCA誘発型炎症は、持続的な炎症性の機械的痛覚過敏の発展に関連し、臨床的に有用な鎮痛剤の抗痛覚過敏行動の信頼できる予測を提供するものである(L. Bartho et al., “Involvement of Capsaicin−sensitive Neurones in Hyperalgesia and Enhanced Opioid Antinociception in Inflammation,” Naunyn−Schmiedeberg’s Archives of Pharmacol. 342:666−670 (1990))。各動物の左後肢に、50μLの50%FCAを足底内注射する。FCAの注射前(ベースライン)及び注射後24時間に、下に記述する通り、その動物についてPWTを測定することで、侵害性の機械的刺激への反応を評価する。次にラットは、本発明の化合物、セレブレックス、インドメタシンまたはナプロキセンから選択された対照薬を30mg/kg、あるいは担体のいずれかを1、3または10mg/kgで単回投与する。侵害性の機械的刺激に対する反応を投与から1時間後、3時間後、5時間後及び24時間後に測定する。各動物に対する痛覚過敏の復元率は、以下の通り定義する。
Figure 2021514971
神経性疼痛: 神経性疼痛を治療または予防する本開示の化合物の作用を評価するために、SeltzerモデルかChungモデルどちらかが用いられ得る。
Seltzerのモデルにおいて、神経性疼痛の坐骨神経部分損傷モデルは、ラットの痛覚過敏を生じさせるために用いられる(Z. Seltzer et al., “A Novel Behavioral Model of Neuropathic Pain Disorders Produced in Rats by Partial Sciatic Nerve Injury,” Pain 43:205−218 (1990))。左坐骨神経の部分損傷は、イソフルラン/O吸入麻酔下で行う。麻酔薬を導入した後、ラットの左大腿を剪毛し、小さく切開して、坐骨神経を高レベルで露出させ、後部二頭筋半腱様筋神経が一般的な坐骨神経から分岐しているポイントの遠位にある転子付近の部位にある周辺の結合組織を注意深く離す。7−0絹縫合糸を、3/8カーブのリバースカッティングミニニードルで神経に挿入し、神経の厚みの背部の1/3から1/2が、結紮内に保持されるように強く結紮する。1つの筋肉縫合(4−0ナイロン(Vicryl))及びvetbondの組織接着ボンドで、傷を閉じる。手術後、傷部に抗生物質粉末を振りかける。偽処理ラットには、坐骨神経は処置しないことを除いて、同じ外科的処置を行った。手術後、動物を秤量して、麻酔から回復するまでウォームパッド上に置く。次に、行動試験を開始するまで、動物をホームゲージに戻す。手術前(ベースライン)、薬剤投与直前、1、3、及び5時間後、PWTを測定することで、侵害性の機械的刺激への反応について動物を評価する。神経障害性痛覚過敏の復元率は、以下のように決定される。
Figure 2021514971
Chungモデルでは、神経性疼痛の脊髄神経結紮を、ラットに機械的痛覚過敏、熱的痛覚過敏及び接触性アロディニアを生じさせるために用いる。手術は、イソフルラン/O吸入麻酔下で行う。麻酔を導入した後、3cm切開して、左側傍脊柱筋をL〜Sレベルにある棘突起から剥離する。L横突起を一対の小骨鉗子で注意深く切除し、L〜Lの脊髄神経を目視で特定する。左のL(またはL及びL)脊髄神経(複数可)を取り出し、絹糸で強く結紮する。完全に止血されていることを確認し、傷をナイロン糸またはステンレス鋼ステープルなどの非吸収性縫合糸を用いて縫合する。偽処理ラットには、脊髄神経は処置しないことを除いて、同じ外科的処置を行った。手術後、動物を秤量して、生理食塩水または乳酸リンゲル液を皮下(s.c.)注射して、傷部に抗生物質粉末を振りかけて、麻酔から回復するまでウォームパッド上に置く。次に、行動試験を開始するまで、動物をホームゲージに戻す。手術前(ベースライン)、本発明の化合物を投与する直前、1、3、及び5時間後、以下に記載のように、PWTを測定することで、侵害性の機械的刺激への反応について動物を評価する。以下に記載のように、動物の侵害性の熱的刺激または接触性アロディニアに対する反応も評価し得る。神経性疼痛のChungモデルは、S.H. Kim, “An Experimental Model for Peripheral Neuropathy Produced by Segmental Spinal Nerve Ligation in the Rat,” Pain 50(3):355−363 (1992)で記述されている。
機械的痛覚過敏の評価としての機械的刺激に対する反応: 肢圧力(paw pressure)アッセイは、機械的痛覚過敏を評価するために用いられ得る。本アッセイでは、C. Stein, “Unilateral Inflammation of the Hindpaw in Rats as a Model of Prolonged Noxious Stimulation: Alterations in Behavior and Nociceptive Thresholds,” Pharmacol.Biochem. and Behavior 31:451−455 (1988)で記載する通り、鎮痛効果測定装置(Model7200、イタリアのUgo Basileの市販品)を用いて、侵害性の機械的刺激に対する後肢の逃避のしきい値(PWT)を測定する。ラットを優しく拘束して、その後肢を小型の円形プラットフォーム上に置き、その後肢の背側の表面に点状圧迫を段階的に加える。後肢にかかる最大重量を250gに設定し、エンドポイントを肢が完全に逃避できることに決める。各時分で各ラットにつきPWTを1回測定し、患部(同側性、傷と同じ側)の肢後部のみを試験する、または同側性と対側性の両方(傷のない、傷と反対側)の肢後部のどちらかを試験する。
熱的痛覚過敏の評価としての熱的刺激に対する反応: プランターテストは、熱的痛覚過敏を評価するために用いられ得る。本テストでは、K. Hargreaves et al., “A New and Sensitive Method for Measuring Thermal Nociception in Cutaneous Hyperalgesia,” Pain 32(1):77−88 (1988)に記述した技術に従い、後肢の足底表面にかかる侵害性の熱的刺激に対する後肢の退避の潜時を、プランターテスト装置(イタリアのUgo Basileの市販品)を用いて測定する。組織損傷を避けるために、最大の曝露時間を32秒に設定し、熱源からの任意の定方向の肢の逃避をエンドポイントと決める。3つの潜時を各時分で測定し、平均化する。患部(同側性)の肢のみを試験する、または同側性と対側性(傷のない)の両方の肢どちらかを試験する。
接触性アロディニアの評価: 接触性アロディニアを評価するために、ラットを、ワイヤーメッシュ床を備えた透明なプレキシガラスのコンパートメントに置き、少なくとも15分間で慣れさせる。慣れさせた後に、一連のvon Freyモノフィラメントを各ラットの患部(同側性)の肢の足底表面に置く。一連のvon Freyモノフィラメントは、直径を増加させる6つのモノフィラメントからなり、初めに最小直径の繊維をあてる。5回のトライアルを、約2分間隔で各フィラメントを用いて実施する。各症状は、4〜8秒間または痛覚退避行動が見られるまで続く。肢の振り回し、肢の退避または肢をなめることは、痛覚行動上の反応と考えられる。
呼吸抑制の評価: 呼吸抑制を評価するために、血液サンプルの採取を介して、太腿の動脈にカニューレを埋め込むことで準備され得る。血液サンプルを薬物投与前、処置後1時間、3時間、5時間及び24時間に採取する。血液サンプルを動脈血ガス分析装置(例えば、呼吸/血液ガステストのカートリッジを備えたIDEXX VetStat)を用いて処理する。同等の装置は、血液ガス分析用の標準的な器具(例えば、D. Torbati et al., Intensive Care Med. (26): 585−591 (2000))である。
胃運動評価: 動物は、溶媒、リファレンス用化合物またはテスト物質を10mL/kgの量で強制経口投与によって処理する。投与から1時間後、全ての動物をチャコールミール液(5%非活性チャコール粉末の1%カルボキシメチルセルロース水溶液)の10mL/kgの量で処理する。投与から2時間後、(チャコール液投与から1時間後)、二酸化炭素吸入またはイソフルランの過剰摂取により動物を屠殺し、チャコールミールの動きを明らかにした。胃及び小腸を慎重に取り出し、それぞれを生理食塩水に浸漬した吸収剤表面に置いた。幽門とチャコールミールが最も遠く進んだところの間の距離を測定して、幽門と回盲接合部との間の距離と比較する。チャコールミールの動きは、小腸の長さの割合として表される。
本開示の組成物は、本開示の化合物を薬学的に受容可能な担体または賦形剤と混合することを含む方法によって調製される。混合は、化合物(または誘導体)を薬学的に受容可能な担体または賦形剤と混合するための既知の方法を用いて行われ得る。一実施形態では、本開示の化合物は、有効量において組成物中に存在する。
本開示は、本開示の化合物の有効量を含む無菌容器及び治療上使用するためのインストラクションを含むキットにも関する。
以下の実施例は説明的なものであり、本開示の化合物、組成物及び方法を限定するものではない。多様な条件及びパラメータの好適な修正及び適応は、通常、臨床治療において認められ、本開示を考慮して、本発明の趣旨及び範囲内であることは、当業者には明らかである。
「HPLC」は、高速液体クロマトグラフィーを意味する。
「CDCl」は、重水素化クロロホルムを意味する。
「DCM」は、ジクロロメタンを意味する。
「THF」は、テトラヒドロフランを意味する。
「RT」は、室温を意味する。
H NMRスペクトルは、Varian Mercury Plus 400MHz NMR装置でCDClを用いて記録した。
HPLCスペクトルは、Agilent1100シリーズLC/MS装置で、MeOH/HO混合物を用いて記録した。
「COSY NMR」は、2次元核磁気共鳴分光法(2D NMR)の一種である相関分光法NMRを意味する。COSY NMRスペクトルは、Varian Mercury Plus 400 MHz NMR装置で、CDClを用いて記録した。
「FTIR」は、フーリエ変換赤外分光分析を意味する。FTIRは、Thermo Scientific Nicolet 6700 FTIR装置で固体の形態として記録した。
「HATR」は、水平型内部多重反射測定装置を意味する。
「HRMS」は、高分解能質量分析を意味する。HRMSは、Thermo Scientific Q exactive LC/MS装置でMeOH/HO混合物を用いて記録した。
化合物のLCMS分析は、以下の方法で行った。
カラムタイプ: Phenomenex Luna C18カラム、5マイクロメーター、2x50mm、
装置: Agilent 1100シリーズLC/MS装置、
検出器の波長: 250nm、
移動相: 90% 2.8nMのギ酸アンモニウム水溶液、10%MeOH、pH10、NHOH及びMeOH。
実施例1
6−アセチルオキシコドンの調製
Figure 2021514971
オキシコドン遊離塩基(0.316g、1mmol)を、30分間−78℃で、無水THF(10mL)中のLiN(TMS)(3mmol)と混合させて、室温で1時間撹拌を続けた。反応混合物を再び−78℃まで冷却して、無水酢酸(0.47mL、5mmol)をこの反応混合物に加えた。反応を室温で一晩撹拌した後、減圧下で濃縮した。残渣を飽和NaHCOで中和して、DCM(15mLで3回)で抽出した後に、MgSOで乾燥させ、ろ過及び濃縮することにより、未精製の生成物として、琥珀色のオイルを得た。
以下の条件及びパラメータで予備HPLCを用いて未精製の生成物の一部を精製した。
カラムタイプ: Gemini 5μm NX−C18 110Å(供給元: Phenomenex part#00F−4454−N0)、サイズ: 150x10mm
HPLC法:
装置: Agilent1100シリーズLC/MS装置
カラム温度:25℃
検出器の波長:250nm
濃度: 10mg/mLで、1:1 MeOH:HO溶液
流速:2.5mL/分
移動相:
溶媒B: 90% 2.8mMギ酸アンモニウム水溶液、10%メタノール、pH10、NHOH
溶媒C: メタノール
グラジエント条件:
Figure 2021514971
11.0分のピークを回収して、質量分析法で特定して、減圧下で濃縮した。HPLCクロマトグラムは、図1Dに示す。40mgの90〜95%純粋な表題の生成物を、白色粉末として得た。
表題の生成物のサンプルをCDClに溶解させ、ろ過し、H NMR及びCOSY NMRで分析した。H NMRスペクトルを図1Cに示す。COSY NMR及びH NMRスペクトルの一部で、図1A及び図1Bにそれぞれ示す通り、二重線の重複(弱いカップリングからプロトンの5まで広幅化している)として、5.59ppmで7のプロトンが明確に示されている。
FTIR (HATR, cm−1): 2933, 2838, 1754, 1601, 1503, 1446, 1368, 1210, 1144, 1111, 1044, 910及び796。
HRMS計算値 C2024NO (M + H): 358.1654;実測値: 358.1644
実施例2
6−PEGオキシコドンの調製
Figure 2021514971
オキシコドン遊離塩基(0.316g、1mmol)を、30分間−78℃で、無水THF(20mL)中のLiN(TMS)(3mmol)と混合させて、室温で30分撹拌した。溶液を−78℃まで再冷却し、3当量の塩化オキサリルと2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(30mg、3mmol)を反応させることで作製した塩化アセチル誘導体の溶液をこの反応混合物に加えた。反応物を終夜撹拌させて、室温までゆっくりと加熱した。LCMSに基づくと、表題の化合物への変換は、約44%であった。反応混合物をロータリーエバポレーターにかけて、20mlのDCMに再溶解させた。水層が中和されるまで、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加えた。この混合物をDCMで抽出(20mLx3回)した後に、合わせた有機層をMgSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、琥珀色のオイル0.85gを得た。残渣の一部を予備HPLCで精製して、85%純粋な表題の生成物及び不純物として、15%のオキシコドンを得た。
図2A及び図2Bでは、表題の化合物のH NMRスペクトル及びHPLCクロマトグラムをそれぞれ示す。
実施例3
6,14−ビス−ラウロイルオキシコドンの調製
Figure 2021514971
オキシコドン(0.3415g)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.3475g)及びラウロイルクロリド(7mL)を窒素雰囲気下で撹拌し、3日間で80℃まで加熱した。その後、反応混合物を冷却し、水(100mL)中に注いだ。2時間撹拌した後に、混合物を濃縮した水酸化アンモニウム(2mL)で中和して、クロロホルム(50mL、軽微な撹拌)で優しく抽出した。水層を飽和NaHCO溶液(25mL)で希釈して、クロロホルム(25mL、エマルジョンを形成)で抽出した。終夜静置した後に、有機層を分離し、MgSOで乾燥させて、ろ過して減圧下で濃縮することで、表題の生成物として0.39gの琥珀色のオイルを得た。収率: 53%。
図3A及び図3Bでは、表題の化合物のH NMRスペクトル及びHPLCクロマトグラムをそれぞれ示す。
実施例4
6−ラウロイルオキシコドンの調製
Figure 2021514971
オキシコドン(312mg、1mmol)を無水THF(10mL)中のLiN(TMS)(すなわちLiHDMS)(3mmol)と−78℃で30分間、その後室温で30分間混合させた。溶液を再び−78℃まで冷却して、この反応混合物にドデカノイルクロリド(0.65mL、5mmol)を加えた。反応を3日間室温で撹拌した。水層をクロロホルムの抽出で後処理して、MgSOで乾燥し、ろ過及び濃縮して、琥珀色のオイルを得た。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製によって、生成物として琥珀色の固体を0.289g得た。収率: 59%。
図4A及び図4Bでは、表題の化合物のH NMRスペクトル及びHPLCクロマトグラムをそれぞれ示す。
実施例5
6,14−ビス−バレロイルオキシコドンの調製
Figure 2021514971
オキシコドン(0.3257g)及び吉草酸無水物(4mL)を窒素雰囲気下で撹拌し、21時間170℃で加熱した。その後、混合物を冷却させ、水(100mL)中に注いだ。2時間撹拌した後に、混合物を30%の水酸化アンモニウムで塩基性にして、DCM(30mLで2回)で抽出した。抽出物をブライン溶液で洗浄した後に、MgSOで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。
サンプルを、kugelrohr still(50℃、0.05torr)で乾燥して、0.56gの暗色物質を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(10g)、0.75%メタノール、0.075%濃度の水酸化アンモニウムクロロホルム液で精製した。4mL(10)を回収して、8mL画分にした。画分10から21をLCMSで分析して、合わせたら、減圧下で濃縮して、暗色オイル(0.3698g)を得た。収率74%。
図5A及び図5Bでは、表題の化合物のH NMRスペクトル及びHPLCクロマトグラムをそれぞれ示す。
実施例6
6−アセチルオキシコドンの加水分解研究
Figure 2021514971
血漿は、血小板を含み、凝固を防ぐために安定していなければならないが、化学安定剤は、酵素活性に干渉する可能性があるなどの理由により、血漿よりも血清をこの試験に用いた。血清は、新鮮な血液を凝固させて(約30分)、さらに遠心分離をすることで調製されるが、血小板を取り除くので、化学安定剤は必要ではない。ヒトの血清(pH7.7)は、配達されたその日に用いた。
人工胃液(pH≒1)及び人工腸液(pH≒6.8)を新たに調製した。文献の通りにさまざまなpH(4、7、9、10、11)でバッファー液を作製した。次に、バッファー液をEtOHと混合して、1:1溶液(溶解度を向上させるため)を作製した。
6−アセチルオキシコドン(「6−OAc−Oxy」)の加水分解研究を、上に示した媒体で実行した。結果は、図6に示し、以下の表にもまとめている(注: 「Oxy」は、オキシコドン遊離塩基を表す)。
表1 37℃で、ヒトの血清中の6−OAc−Oxyの加水分解
Figure 2021514971
表2 37℃で、人工腸液中の6−OAc−Oxyの加水分解
Figure 2021514971
表3 37℃で、人工胃液中の6−OAc−Oxyの加水分解
Figure 2021514971
表4 pH=11のバッファー(1:1 EtOH:HO)中の6−OAc−Oxyの加水分解
Figure 2021514971
表5 pH=10のバッファー(1:1 EtOH:HO)中の6−OAc−Oxyの加水分解
Figure 2021514971
表6 pH=9バッファー(1:1 EtOH:HO)中の6−OAc−Oxyの加水分解
Figure 2021514971
表7 pH=8のバッファー(1:1 EtOH:HO)中の6−OAc−Oxyの加水分解
Figure 2021514971
表8 pH=7のバッファー(1:1 EtOH:HO)中の6−OAc−Oxyの加水分解
Figure 2021514971
表9 0.1N HCl溶液中の6−OAc−Oxyの加水分解
Figure 2021514971
表10 1N HCl溶液中の6−OAc−Oxyの加水分解
Figure 2021514971
上の結果によると、6−アセチルオキシコドンは、ヒトの血清(37℃)で、素早く加水分解する。6−アセチルオキシコドンは、5分間でオキシコドンにほとんど加水分解した。
実施例7
6,14−ビス−アセチルオキシコドンの調製
Figure 2021514971
オキシコドンの遊離塩基(0.4711g、1.49mmol)を、AcONa(0.1g、1.22mmol)の無水酢酸(5mL)溶液とともに、2.5時間160〜170℃で還流した。過剰な無水酢酸を減圧下で取り除き、生成物を希釈したアンモニア溶液で沈殿させた。ろ過した固体を、EtOH中で再結晶化させ、460mgの表題の生成物を白色固体として得た。収率: 78%。
図7A及び図7Bでは、表題の化合物のH NMRスペクトル及びHPLCクロマトグラムをそれぞれ示す。
実施例8
オキシコドン、6−アセチルオキシコドン(「6−アセチル」)、14−アセチルオキシコドン(「14−アセチル」)及び6,14−ビス−アセチルオキシコドン(「6,14−ビス−アセチル」)の混合物を、人工腸液(37℃、pH6.8、パンクレアチン)中で加水分解させ、加水分解したオキシコドン及びエノールエステルをLCMSで分析した。加水分解の結果を表11に示す。
表11: 6−アセチル、14−アセチル及び6,14−ジアセチルの混合物の加水分解
Figure 2021514971
結果によると、6−アセチルオキシコドンが、2時間未満でオキシコドンを放出する腸管において素早く加水分解している。6,14−ジアセチルオキシコドンは加水分解して、さらに6−アセチルオキシコドン及び14−アセチルオキシコドンを生成する。
14−アセチルオキシコドンは、例えば、米国特許4,322,426号で記載する通り、オキシコドン遊離塩基を無水酢酸と反応させることで調製され得る。
実施例9
6−OAc−ヒドロコドンの加水分解研究
Figure 2021514971
ヒトの血清(pH7.7)、人工胃液(pH≒1)、人工腸液(pH≒6.8)及びバッファー液を、さまざまなpH(4、7、9、10、11)で、実施例6で説明した通りの同様の方法で作製した。
6−アセチルヒドロコドン(「6−OAc−ヒドロコドン」)の加水分解研究を、上に示した媒体で実行した。結果を図8に示す。
結果によると、6−アセチルオキシコドンは、ヒトの血清(37℃)で素早く加水分解し、6−アセチルオキシコドンは、5分間でオキシコドンに70%加水分解し、30分で99%加水分解した。
実施例10
6,14−ビス−PEG−オキシコドン(PEG酸塩として)の調製及び単離
Figure 2021514971
上の反応後、未精製の生成物をさらに80gのシリカゲルカートリッジ及び5%MeOHのEtOAc液を用いたフラッシュカラムで精製した。2バッチの生成物を単離した。
より純度の高い画分には、82mgの88%純度の6,14−ビス−PEG−オキシコドン2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸塩及び12%モノ−PEG−オキシコドンが含まれ、オキシコドンを含んでいない。純度の低い画分には、約251mgの81%純度の約6,14−ビス−PEG−オキシコドン2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸塩、18%のモノ−PEG−オキシコドン及び不純物として1%のオキシコドンを含んでいる。
実施例11
6,14−ビス−PEG−オキシコドンの加水分解研究
Figure 2021514971
6,14−ビス−PEG−オキシコドンの加水分解研究は、86%純度の6,14−ビス−PEG−オキシコドン及び14%純度のモノ−ビス−PEG−オキシコドン混合物から出発した。人工胃液(pH=1.2)及び人工腸液(pH=6.8)を新たに調製した。ヒトの血清(pH7.7)は、配達されたその日に用いた。文献の通りにさまざまなpH(4、7、9、10、11)でバッファー液を作製した。次に、バッファー液をEtOHと混合して、1:1溶液(溶解度を向上させるため)を作製した。結果を図9に示す。
さらに、37℃のヒトの血清中での出発物質である混合物の加水分解結果は表12にまとめており、37℃の人工胃液中での出発物質である混合物の加水分解結果は表13にまとめており、さらに37℃の人工腸液中での出発物質である混合物の加水分解結果は表14にまとめている。
表12 ヒトの血清中での加水分解
Figure 2021514971
表13 人工胃液中での加水分解
Figure 2021514971
表14 人工腸液中での加水分解
Figure 2021514971
実施例12
6−ラウロイル−オキシコドンの加水分解研究
Figure 2021514971
6−ラウロイル−オキシコドンの加水分解研究は、99%純度の6−ラウロイル−オキシコドンから出発した。加水分解研究に用いたpH11及びpH9のバッファーには、6−ラウロイル−オキシコドンの溶解度を上げるために75%のEtOHが含まれる。加水分解に用いる人工腸液は、新たに調製した。0.5%ポリソルベート80を乳化剤としてこの腸液に加えて、6−ラウロイル−オキシコドンが一様に分配されるようにした。
37℃でpH11及びpH9のバッファー中と、0.5%ポリソルベート80を含んだ人工腸液中での6−ラウロイル−オキシコドンの加水分解結果を、表15〜17に示す。
表15 pH11のバッファー中
Figure 2021514971
表16 pH9のバッファー中
Figure 2021514971
表17 人工腸液中
Figure 2021514971
実施例13
6,14−ビス−ラウロイル−オキシコドンの加水分解研究
Figure 2021514971
6,14−ビス−ラウロイル−オキシコドンの加水分解研究は、99%純度の生成物から出発した。加水分解研究で用いるpH11、pH9、pH7のバッファー液及び1.0N HCl溶液は、6,14−ビス−ラウロイル−オキシコドンの溶解度を上げるために75%EtOHを含む。
バッファー液及び1.0N HCl溶液中で行った加水分解結果を表18〜21に示す。
表18 pH11のバッファー中
Figure 2021514971
表19 pH9のバッファー中
Figure 2021514971
表20 pH7のバッファー中
Figure 2021514971
表21 1.0N HCl中
Figure 2021514971
モノ−ラウロイル−オキシコドン(6−ラウロイル−オキシコドンなど)は、以下のHPLC方法でさらに精製され得る。
カラム: Biotage C18HS 12M 0667−1(10グラム)
水性バッファー: 0.14gのギ酸アンモニウム及び2滴の水酸化アンモニウムの水溶液(1L)
条件: 1:1 バッファー/メタノール、4つの12−mL画分
1:3 バッファー メタノール、8つの12−mL画分
メタノール、残りの画分
画分をLCMSで分析した(均一濃度のメタノール、3分、ラン)。
実施例14
14−ラウロイルオキシコドンの単離及び精製
14−ラウロイルオキシコドンの単離: 約10%の14−ラウロイルオキシコドンと6,14−ビス−ラウロイルオキシコドンの200mgのサンプルを用いて、逆相フラッシュクロマトグラフィーで14−ラウロイルオキシコドンのサンプルを単離した。
カラム: Biotage C18HS 12M 0667−1(10グラム)、
水性バッファー: 0.14gのギ酸アンモニウム及び2滴の水酸化アンモニウムの水溶液(1L)、
条件
1:1 バッファー/メタノール、8つの12−mL画分、
1:3 バッファー メタノール、8つの12−mL画分、
メタノール、残りの画分。
画分をLCMS(均一濃度のメタノール)で分析した。画分18と19を合わせて、減圧下(0.4torr)で濃縮して、純粋な14−ラウロイルオキシコドン(9.1mg)を得た。LCMS分析では、不純物は見られなかった、[M+H]=498。図10では、この方法のRPフラッシュクロマトグラムを示しており、「モノ」は、14−ラウロイルオキシコドンを指し、「ジ」は、6,14−ビス−ラウロイルオキシコドンを指す。
14−ラウロイルオキシコドンの精製
上の方法を用いて14−ラウロイルオキシコドン及びオキシコドンの混合物を200mg分離した。画分18と19を合わせて、減圧下(0.4torr)で濃縮して、14−ラウロイルオキシコドン(47.3mg)を得た。図11では、この方法のRPフラッシュクロマトグラムを示しており、「モノ」は、14−ラウロイルオキシコドンを指し、「ジ」は、6,14−ビス−ラウロイルオキシコドン及び「オキシ」は、オキシコドンを指す。
実施例15
μ−オピオイド受容体結合アッセイ
表22に示した化合物のμ−オピオイド受容体結合活性は、上のパラグラフ[0414]で述べた放射性リガンド結合アッセイに従って試験した。[訳者注: WO2019/165298では、パラグラフ[0414]にあり、本明細書では、[0403]に該当]。
表22
Figure 2021514971
Figure 2021514971
この結合アッセイの結果によると、6−アセチルオキシコドン、6−PEGオキシコドン及び6−ラウロイルオキシコドンなどの6−置換エノールエステルの結合定数(K)は、その親オピオイドであるオキシコドンで得られるK0.030に匹敵している。中鎖6,14−ビス−置換エノールエステル、6,14−ビス−PEGオキシコドンのKは、オキシコドンの値に匹敵している。模範的な14−アセチルオキシコドンなどの式VIの化合物の短鎖14−置換エノールエステルのKは、オキシコドンの値より低い。上述した化合物と似た置換パターンを有する化合物が、消化管の下部でのみ生体利用可能になる場合、それらは、一定の時間中にオキシコドンに変換し、エノールエステルのプロドラッグと親オキシコドンの両方からμ−オピオイドアゴニストの機能を提供する。
14−ラウロイルオキシコドン、すなわち式VIの化合物の長鎖モノ14−置換エノールエステルの模範的な化合物のKは、オキシコドンの値よりも高い。
6,14−ビス−ラウロイルオキシコドン、すなわち式Vの化合物の長鎖6,14−ビス−置換エノールエステルの模範的な化合物のKは、オキシコドンの値よりも著しく高い。したがって、これらの種類の化合物は、親オピオイド化合物へ腸管中で加水分解する前に、μ−オピオイド受容体に上手く結合しない。
実施例16
μ−オピオイド受容体機能アッセイ
実施例15の表22で示した化合物は、6,14−ビス−ラウロイルオキシコドンを除いて、[35S]GTPγS機能アッセイで試験して、その試験をした化合物がμ−受容体を刺激するか拮抗するかどうかを評価した。機能試験は、上のパラグラフ[0416]で説明した通り、遺伝子組換えアッセイは、CHO−K1細胞のバックグラウンドにおいて、遺伝子組換えμオピオイド受容体を発現する細胞株から調製した解凍してすぐのμ−受容体膜を用いて行った[訳者注: WO2019/165298では、パラグラフ[0416]にあり、本明細書では、[0405]に該当]。この機能アッセイの結果は、表23で示す。
表23
Figure 2021514971
NA=該当なし、ND=不検出
実施例15で示す通り、6,14−ビス−ラウロイルオキシコドンは、μ−オピオイド受容体と上手く結合しない。それゆえに、検討した濃度範囲におけるEC50値は、機能アッセイでこの化合物について測定できなかった。
表23の結果から結論付けられることは、6−置換エノールエステルが、μ−オピオイド受容体のアゴニストである。14−アセチルオキシコドン及び6,14−ビス−PEGオキシコドンも、オキシコドンと同様に有効なμ−受容体アゴニストである。14−ラウロイルオキシコドンは、オキシコドンよりもやや弱いアゴニストであり、ナルトレキソンよりも非常に弱いアンタゴニストであるにもかかわらず、μ−オピオイド受容体の部分アゴニスト及び部分アンタゴニストである(IC50=15.2nM)。14−ラウロイルオキシコドンのアンタゴニスト活性を評価する際に、ナルトレキソンを陽性対照として用いた。
本開示は、以下の特定の実施形態にも関連する。
実施形態1。式Iの化合物:
Figure 2021514971
及びその薬学的に受容可能な塩またはその溶媒和物であって、そこにおいて、
は水素、またはそれぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された、1、2または3つの置換基で任意に置換されたアルキル、または−PEG−R、またはアルキル、アリールアルキル、ヘテロシクロ、(ヘテロシクロ)アルキル、アシル、シリル及びカーボネートからなる群から選択されるヒドロキシル保護基PGであって、そのいずれかは任意に置換され、
Zは、C−ORまたはC(=O)であり、
Figure 2021514971
は、単結合または二重結合であるが、ZがC(=O)である場合は、
Figure 2021514971
は単結合であり、ZがC−ORである場合は、
Figure 2021514971
は二重結合であり、
は、−C(=O)Rまたは−PEG−Rであり、そこにおいて、
は、非置換のC1−12アルキル、非置換のC2−12アルケニル、非置換のC2−12アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−R、O−(CHCHO)−R、−NH−(CHCHO)−R、フェニル、ベンジル、フェネチル、ピリジル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、シクロアルケニル、(シクロアルケニル)アルキル、6員ヘテロ環及び(5員または6員のヘテロ環)アルキルからなる群から選択され、そこにおいて、このフェニル、ピリジル、シクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロ環の部分は、それぞれ独立してアルキル、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、さらにそこにおいて、この6員ヘテロ環基は、炭素原子を通じて、または窒素原子を通じてRのカルボニル炭素と結合しており、
は、水素、OH、−Y−PEG−Rまたは−OC(=O)Rであり、そこにおいて、
Yは、共有結合またはリンカーであり、
は、非置換のC1−12アルキル、非置換のC2−12アルケニル、非置換のC2−12アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−R、O−(CHCHO)−R、−NH(CHCHO)−R、フェニル、ベンジル、フェネチル、ピリジル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、シクロアルケニル、(シクロアルケニル)アルキル、6員ヘテロ環及び(5員または6員のヘテロ環)アルキルからなる群から選択され、そこにおいて、このフェニル、ピリジル、シクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロ環の部分は、それぞれ独立してアルキル、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、さらにそこにおいて、この6員ヘテロ環基は、炭素原子を通じて、または窒素原子を通じてカルボニル炭素と結合しており、
ただしZがC(=O)である場合、Rは、−OC(=O)Rであり、
PEGは、1つのエチレンオキシドユニットまたは、2もしくはそれ以上のエチレンオキシドサブユニットのオリゴマーであり、
は、水素、C1−6アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクロからなる群から選択され、そのいずれかは、任意に置換され、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及び(シクロアルキル)アルキルからなる群から選択され、そのいずれかが、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で置換され、
mは、1と9の間の整数であり、
n及びpは、それぞれ独立して1と20の間の整数であり、
ただし、少なくとも1つのR及びRが、それぞれ−C(=O)R及び−OC(=O)Rであり、以下の条件
1)化合物が、
Figure 2021514971
2)Rが非置換のアルキル、Rが水素、及びRが非置換のアルキルである場合、Rは、任意に置換されたフェニルもしくは任意に置換されたピリジル以外である、または
3)Rが非置換のアルキル、Rが非置換のアルキルかつRが−OC(=O)Rである場合、さらにRとRの両方が、任意に置換されたピリジル以外である、を満たす、化合物及びその薬学的に受容可能な塩またはその溶媒和物。
実施形態2。実施形態1の化合物であって、式II:
Figure 2021514971
を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態3。実施形態1または2の化合物であって、式III:
Figure 2021514971
を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であり、そこにおいて、R、R、R及びRは、実施形態1で定義した通りである、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態4。実施形態1または2の化合物であって、式IV:
Figure 2021514971
を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であり、そこにおいて、R、R及びRは、実施形態1で定義した通りであり、R31は、水素またはOHである、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態5。実施形態1または2の化合物であって、式V:
Figure 2021514971
を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であり、そこにおいて、R、R及びRは、実施形態1で定義した通りである、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態6。実施形態1の化合物であって、式VI:
Figure 2021514971
を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であり、そこにおいて、R及びRは、請求項1で定義した通りであり、Rは、−OC(=O)Rであり、そこにおいて、Rは、実施形態1で定義した通りである、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態7。実施形態1〜6のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは、水素または、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換されたアルキルである、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態8。実施形態7の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rが水素または非置換のC1−6アルキルである、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態9。実施形態1〜6のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは、−PEG−Rであり、そこでRは、請求項1に定義した通りであり、PEGは−(CHCHO)−であり、そこでqが1〜50で変化する、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態10。実施形態1〜6のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、Rは、PGであり、前記PGは、メチル、tert−ブチル、任意に置換されたベンジル、任意に置換されたベンゾイル、アセチル、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル及びトリ−イソプロピルシリルからなる群から選択される、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態11。実施形態1〜3及び7〜10のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは、水素である、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態12。実施形態1〜3及び7〜10のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは、OHである、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態13。実施形態1〜3及び7〜10のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩であって、そこにおいて、Rは、−Y−PEG−Rであり、さらにRは−C(=O)Rであり、そこにおいて、Y、PEG、R及びRは、実施形態1で定義した通りである、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態14。実施形態1〜3及び7〜10のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rが、−OC(=O)Rであり、そこでRは、実施形態1で定義した通りである、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態15。実施形態1〜14のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは、非置換のC1−6アルキルである、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態16。実施形態1〜15のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは、メチルである、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態17。実施形態6及び14〜16のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは、非置換のC1−6アルキルであるが、この化合物は、
Figure 2021514971
でない。
実施形態18。実施形態6または17の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rはメチルである、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態19。実施形態6及び14〜16のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは、非置換のC7−12アルキルである、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態20。実施形態1〜5及び7〜19のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは、非置換のC1−6アルキルである、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態21。実施形態1〜5及び7〜19のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは、非置換のC7−12アルキルである、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態22。実施形態1〜5及び7〜19のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは−CH−O−(CHCHO)−CHであり、そこでmは1、2または3である、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態23。実施形態1〜3、6〜10及び14〜16のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは−CH−O−(CHCHO)−CHであり、そこでmは1、2または3である、化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態24。R31がOHである、実施形態4の化合物。
実施形態25。実施形態2の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であってそこにおいて、
は、水素または非置換C1−6アルキルであり、
は−C(O)(C1−6)アルキルであり、
は水素またはOHであり、さらに
は、非置換C1−6アルキルであるが、
この化合物は、
Figure 2021514971
でない。
実施形態26。実施形態2の化合物であって、
Figure 2021514971
、である化合物または、その薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態27。実施形態26の化合物であって、
Figure 2021514971
、である化合物または、その薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態28。実施形態1の化合物であって、
Figure 2021514971
からなる群から選択される化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態29。実施形態1〜28のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物と、1種または複数種の薬学的に受容可能な担体とを含む医薬組成物。
実施形態30。患者において1種または複数種のオピオイド受容体の調節に反応する疾患を治療または予防し、実施形態1〜28のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量を、このような治療または予防が必要な患者に投与することを含む方法。
実施形態31。この疾患が疼痛である、実施形態30の方法。
実施形態32。患者の疼痛、便秘、下痢、アルコール依存からの離脱または薬物依存からの離脱を治療、寛解または予防し、実施形態1〜28のいずれか1つの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量をそのような治療または予防が必要なその患者に投与することを含む方法。
実施形態33。この方法が疼痛を治療するための方法である、実施形態32の方法。
実施形態34。前記疼痛が、急性疼痛、慢性疼痛または外科手術後疼痛である実施形態33の方法。
実施形態35。前記疼痛が慢性疼痛である、実施形態34の方法。
実施形態36。前記慢性疼痛が、神経障害性疼痛、術後痛、または炎症性疼痛である実施形態35の方法。
実施形態37。1種または複数種のオピオイド受容体の調節に反応する疾患を治療する際に使用するための、実施形態1〜28のいずれか1つで請求した通りの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物を含む医薬組成物。
実施形態38。1種または複数種のオピオイド受容体の調節に反応する疾患を治療する際に使用するための、実施形態1〜28のいずれか1つで請求した通りの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
実施形態39。実施形態1〜28のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物を、薬学的に受容可能な担体と混合することを含む、医薬組成物を調製する方法。
実施形態40。実施形態1〜28のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物について有効量を含む容器ならびに、治療上使用するためのインストラクションを含むキット。
実施形態41。オピオイド療法が必要な哺乳動物において、オピオイドの作用発現を遅らせ、治療上有効量である、実施形態1〜28のいずれか1つによる化合物または、実施形態1〜28のいずれか1つによる化合物の混合物、その薬学的に受容可能な塩またはその溶媒和物をその哺乳動物に経口投与することを含む方法。
実施形態42。1種または複数種の別の治療薬を同時投与することもさらに含む実施形態41による方法。
実施形態43。前記1種または複数種の他の治療薬が、1種または複数種の非ステロイド性の抗炎症性剤である、実施形態42による方法。
実施形態44。こ前記1種または複数種の他の治療薬が、1種または複数種のオピオイドアゴニストである、実施形態42による方法。
実施形態45。前記1種または複数種の他の治療薬が、1種または複数種のオピオイドアンタゴニストである、実施形態42による方法。
本発明を十分に説明してきたが、本発明の範囲またはその任意の実施形態に影響することなく、条件、製剤及びその他のパラメータの広範囲かつ同等の範囲内において、同様のことが通常の当業者によって実施され得ることは理解されよう。
本発明の他の実施形態は、本明細書の考慮及び本明細書に開示される実践から、当業者に明らかとなろう。本明細書及び実施例は例示的なものに過ぎず、本発明の真の範囲及び精神は、次の特許請求の範囲によって示されることが意図される。
本明細書に引用する全ての特許及び刊行物は、参照することによりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。

Claims (110)

  1. 式Iの化合物:
    Figure 2021514971
    またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、
    は水素、またはそれぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換されたアルキル、または−PEG−R、またはアルキル、アリールアルキル、ヘテロシクロ、(ヘテロシクロ)アルキル、アシル、シリル及びカーボネートからなる群から選択されるヒドロキシル保護基PGであって、そのいずれかは任意に置換され、
    Zは、C−ORまたはC(=O)であり、
    Figure 2021514971
    は、単結合または二重結合であるが、ZがC(=O)である場合は、
    Figure 2021514971
    は単結合であり、ZがC−ORである場合は、
    Figure 2021514971
    は二重結合であり、
    は、−C(=O)Rまたは−PEG−Rであり、そこにおいて、
    は、非置換のC1−12アルキル、非置換のC2−12アルケニル、非置換のC2−12アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−R、O−(CHCHO)−R、−NH−(CHCHO)−R、フェニル、ベンジル、フェネチル、ピリジル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、シクロアルケニル、(シクロアルケニル)アルキル、6員ヘテロ環及び(5員または6員のヘテロ環)アルキルからなる群から選択され、そこにおいて、前記フェニル、ピリジル、シクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロ環の部分は、それぞれ独立してアルキル、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、さらにそこにおいて、前記6員ヘテロ環基は、炭素原子を通じて、または窒素原子を通じてRのカルボニル炭素と結合しており、
    は、水素、OH、−Y−PEG−Rまたは−OC(=O)Rであり、そこにおいて、
    Yは、共有結合またはリンカーであり、
    は、非置換のC1−12アルキル、非置換のC2−12アルケニル、非置換のC2−12アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−R、O−(CHCHO)−R、−NH(CHCHO)−R、フェニル、ベンジル、フェネチル、ピリジル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、シクロアルケニル、(シクロアルケニル)アルキル、6員ヘテロ環及び(5員または6員のヘテロ環)アルキルからなる群から選択され、そこにおいて、前記フェニル、ピリジル、シクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロ環の部分は、それぞれ独立してアルキル、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、さらにそこにおいて、前記6員ヘテロ環基は、炭素原子を通じて、または窒素原子を通じて前記カルボニル炭素と結合しており、
    ただしZがC(=O)である場合、Rは、−OC(=O)Rであり、
    PEGは、1つのエチレンオキシドユニットまたは、2もしくはそれ以上のエチレンオキシドサブユニットのオリゴマーであり、
    は、水素、C1−6アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクロからなる群から選択され、そのいずれかが、任意に置換され、
    は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及び(シクロアルキル)アルキルからなる群から選択され、そのいずれかが、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、
    mは、1と9の間の整数であり、
    n及びpは、それぞれ独立して1と20の間の整数であり、
    ただし、少なくとも1つのR及びRが、それぞれ−C(=O)R及び−OC(=O)Rであり、以下の条件
    1)前記化合物が、
    Figure 2021514971
    ではなく、
    2)Rが非置換のアルキル、Rが水素かつRが非置換のアルキルである場合、Rは、任意に置換されたフェニルもしくは任意に置換されたピリジル以外である、または
    3)Rが非置換のアルキル、Rが非置換のアルキルかつRが−OC(=O)Rである場合、さらにRとRの両方は、任意に置換されたピリジル以外である、または
    4)化合物が、
    Figure 2021514971
    でないことを満たす、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  2. 式II:
    Figure 2021514971
    を有する請求項1の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  3. 式III:
    Figure 2021514971
    を有する請求項1もしくは2の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、R、R、R及びRは、請求項1で定義した通りである、前記化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  4. 式IV:
    Figure 2021514971
    を有する請求項1もしくは2の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であり、そこにおいて、R、R及びRは、請求項1で定義した通りであり、R31が水素またはOHである、前記化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  5. 式V:
    Figure 2021514971
    を有する請求項1もしくは2の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であり、そこにおいて、R、R及びRは、請求項1で定義した通りである、前記化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  6. 式VI:
    Figure 2021514971
    を有する請求項1の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であり、そこにおいて、R及びRは、請求項1で定義した通りであり、Rは、−OC(=O)Rであり、そこにおいて、Rは、請求項1で定義した通りである、前記化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは、水素または、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換されたアルキルである、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  8. 請求項7の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rが水素または非置換のC1−6アルキルである、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  9. 請求項1〜6のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは、−PEG−Rであり、そこでRは、請求項1に定義した通りであり、PEGは−(CHCHO)−であり、そこでqが1〜50で変化する、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  10. 請求項1〜6のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、Rは、PGであり、前記PGは、メチル、tert−ブチル、任意に置換されたベンジル、任意に置換されたベンゾイル、アセチル、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル及びトリ−イソプロピルシリルからなる群から選択される、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  11. 請求項1〜3及び7〜10のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは、水素である、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  12. 請求項1〜3及び7〜10のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは、OHである、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  13. 請求項1〜3及び7〜10のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩であって、そこにおいて、Rは、−Y−PEG−Rであり、さらにRは−C(=O)Rであり、そこにおいて、Y、PEG、R及びRは、請求項1で定義した通りである、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  14. 請求項1〜3及び7〜10のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rが、−OC(=O)Rであり、そこでRは、請求項1で定義した通りである、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  15. 請求項1〜14のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは、非置換のC1−6アルキルである、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  16. 請求項1〜15のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rはメチルである、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  17. 請求項6及び14〜16のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは、非置換のC1−6アルキルであるが、前記化合物が、
    Figure 2021514971
    でない、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  18. 請求項6または17の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であってそこにおいて、Rは、メチルであるが、前記化合物が
    Figure 2021514971
    でない、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  19. 請求項6及び14〜16のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは、非置換のC7−12アルキルである、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  20. 請求項1〜5及び7〜19のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは、非置換のC1−6アルキルである、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  21. 請求項1〜5及び7〜19のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは、非置換のC7−12アルキルである、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  22. 請求項1〜5及び7〜19のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは−CH−O−(CHCHO)−CHであり、そこでmは1、2または3である、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  23. 請求項1〜3、6〜10及び14〜16のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、Rは−CH−O−(CHCHO)−CHであり、そこでmは1、2または3である、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  24. 31がOHである、請求項4の化合物。
  25. 請求項2の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であってそこにおいて、
    は、水素または非置換C1−6アルキルであり、
    は−C(O)(C1−6)アルキルであり、
    は水素またはOHであり、さらに
    は、非置換C1−6アルキルであるが、
    前記化合物が、
    Figure 2021514971
    でない、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  26. 式IV:
    Figure 2021514971
    を有する請求項4の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、
    は水素、またはそれぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換されたC1−6アルキル、またはPEG−Rであり、
    31は、水素またはOHであり、
    は、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル及び(C3−6シクロアルキル)(C1−4)アルキルからなる群から選択され、そのいずれかは、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択される1、2または3つの置換基で任意に置換され、
    は、非置換のC1−12アルキル、非置換のC2−12アルケニル、非置換のC2−12アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−R、O−(CHCHO)−R及び−NH−(CHCHO)−Rからなる群から選択され、
    は、水素及びC1−6アルキルからなる群から選択され、
    mは、1と9の間の整数であり、
    n及びpは、それぞれ独立して1と20の間の整数であり、
    PEGは、1つのエチレンオキシドユニットまたは、2から約10のエチレンオキシドサブユニットのオリゴマーであるが、前記化合物は、
    Figure 2021514971
    でない、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  27. がHまたは非置換のC1−6アルキルであり、さらにRが非置換のC1−6アルキルである、請求項26の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  28. 31がOHである、請求項26もしくは27の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  29. 及びRがメチルである、請求項26〜28のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  30. が非置換のC1−6アルキルである、請求項26〜29のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
  31. はメチルである、請求項26〜30のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
  32. が非置換のC7−12アルキルである、請求項26〜29のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
  33. が非置換のヘプチル、オクチルまたはノニルである、請求項26〜29及び32のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
  34. が非置換のデシル、ウンデシルまたはドデシルである、請求項26〜29及び32のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
  35. がウンデシルである、請求項34の化合物またはその薬学的に受容可能な溶媒和物。
  36. 請求項26〜29のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩であって、そこにおいて、
    は、−CH−O−(CHCHO)−R、O−(CHCHO)−R及び−NH−(CHCHO)−Rからなる群から選択され、
    は、水素またはC1−4アルキルであり、
    mは、1、2、3、4または5であり、
    n及びpは、それぞれ独立して1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択される、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
  37. が水素またはメチルである、請求項26〜29及び36のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
  38. が−CH−O−(CHCHO)−Rである、請求項26〜29及び36のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
  39. mが、1、2または3である、請求項26〜29及び36〜38のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
  40. mが2である、請求項39の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
  41. がメチルである、請求項38〜40のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  42. 請求項2及び26〜31のいずれか1つの化合物であって、
    Figure 2021514971
    、である前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  43. 請求項42の化合物であって、
    Figure 2021514971
    、である前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  44. 請求項26の化合物であって、
    Figure 2021514971
    、である前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  45. 式VI:
    Figure 2021514971
    を有する請求項6の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、
    は水素、またはそれぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換されたC1−6アルキル、またはPEG−Rであり、
    は、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル及び(C3−6シクロアルキル)(C1−4)アルキルからなる群から選択され、そのいずれかは、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択される1、2または3つの置換基で任意に置換され、
    は、−OC(=O)Rであり、そこにおいて、Rは、非置換のC1−4アルキル、非置換のC2−4アルケニル、非置換のC2−4アルキニルまたは−CH−O−(CHCHO)−Rからなる群から選択され、
    mが1であり、
    は、水素及びC1−6アルキルからなる群から選択され、
    PEGは、1つのエチレンオキシドユニットまたは、2から約10のエチレンオキシドサブユニットのオリゴマーであり、
    ただし前記化合物が、
    Figure 2021514971
    ではない、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  46. 請求項45の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であってそこにおいて、Rはメチルまたはエチルである、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  47. がHまたは非置換のC1−6アルキルであり、さらにRが非置換のC1−6アルキルである、請求項45もしくは請求項46の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  48. 及びRがメチルである、請求項45〜47のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  49. 請求項2の化合物であって、式II:
    Figure 2021514971
    を有する前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、
    は水素、またはそれぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換されたC1−6アルキル、またはPEG−Rであり、
    は、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル及び(C3−6シクロアルキル)(C1−4)アルキルからなる群から選択され、そのいずれかは、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択される1、2または3つの置換基で任意に置換され、
    は、−C(=O)Rであり、Rは、−OC(=O)Rであり、そこにおいて、
    及びRは、同じであるまたは異なり、直鎖の非置換C7−9アルキル、直鎖の非置換C7−9アルケニル、直鎖の非置換のC7−9アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−R、−O−(CHCHO)−R及び−NH−(CHCHO)−Rからなる群から選択され、
    は、水素及びC1−6アルキルからなる群から選択され、
    mは2または3であり、
    n及びpは、それぞれ独立して2、3または4であり、さらに
    PEGは、1つのエチレンオキシドユニットまたは、2から約10のエチレンオキシドサブユニットのオリゴマーである、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  50. 請求項49の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、R及びRは、それぞれ独立してヘプチル、オクチル、ノニル、−CH−O−(CHCHO)−R、−O−(CHCHO)−R及び−NH−(CHCHO)−Rからなる群から選択され、そこにおいて、Rは、水素またはC1−4アルキルである、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  51. 及びRが同じである請求項49または50の化合物であって、そこにおいて、式V:
    Figure 2021514971
    を有する前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  52. は−CH−O−(CHCHO)−Rであり、そこにおいて、Rは水素またはメチルである、請求項51の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  53. とRが異なる、請求項49もしくは請求項50の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  54. がHまたは非置換のC1−6アルキル、かつRはC1−6アルキルである、請求項49〜53のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  55. 及びRがメチルである、請求項49〜54のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  56. 請求項49または51の化合物であって、
    Figure 2021514971
    、である前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  57. 請求項2の化合物であって、式II:
    Figure 2021514971
    を有する前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、
    は水素、またはそれぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換されたC1−6アルキル、またはPEG−Rであり、
    は、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル及び(C3−6シクロアルキル)(C1−4)アルキルからなる群から選択され、そのいずれかは、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択される1、2または3つの置換基で任意に置換され、
    は、−C(=O)Rであり、Rは、−OC(=O)Rであり、そこにおいて、
    及びRは、同じであるまたは異なり、直鎖の非置換C10−12アルキル、直鎖の非置換C10−12アルケニル、直鎖の非置換のC10−12アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−R、−O−(CHCHO)−R及び−NH−(CHCHO)−Rからなる群から選択され、
    は、水素及びC1−6アルキルからなる群から選択され、
    mは、4と9の間の整数であり、
    n及びpは、それぞれ独立して4と20の間の整数であり、
    PEGは、1つのエチレンオキシドユニットまたは、2から約10のエチレンオキシドサブユニットのオリゴマーである、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  58. とRが、それぞれ独立してデシル、ウンデシル及びドデシルからなる群から選択される請求項57の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  59. 及びRが同じである請求項57または58の化合物であって、そこにおいて、式V:
    Figure 2021514971
    を有する前記化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  60. 請求項59の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であってそこにおいて、Rはウンデシルである、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  61. とRが異なる、請求項57もしくは請求項58の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  62. が、Hまたは非置換のC1−6アルキル及びRは、C1−6アルキルである、請求項57〜61のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  63. 及びRがメチルである、請求項57〜62のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  64. 請求項57または59の化合物であって、
    Figure 2021514971
    、である前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  65. 請求項6の化合物であって、式VI:
    Figure 2021514971
    を有する前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物であって、そこにおいて、
    は水素、またはそれぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換されたC1−6アルキル、またはPEG−Rであり、
    は、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル及び(C3−6シクロアルキル)(C1−4)アルキルからなる群から選択され、そのいずれかは、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシ及びC1−4アルコキシカルボニルからなる群から選択される1、2または3つの置換基で任意に置換され、
    は、−OC(=O)Rであって、そこにおいて、Rは、直鎖の非置換C10−12アルキル、直鎖の非置換C10−12アルケニル、直鎖の非置換のC10−12アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−R、−O−(CHCHO)−R及び−NH−(CHCHO)−Rからなる群から選択され、
    は、水素及びC1−6アルキルからなる群から選択され、
    mは、4と9の間の整数であり、
    n及びpは、それぞれ独立して4と20の間の整数であり、
    PEGは、1つのエチレンオキシドユニットまたは、2から約10のエチレンオキシドサブユニットのオリゴマーである、前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  66. は、デシル、ウンデシルまたはドデシルである請求項65の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  67. がHまたは非置換のC1−6アルキルであり、さらにRが非置換のC1−6アルキルである、請求項65もしくは請求項66の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  68. がウンデシルである、請求項65〜67のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  69. 及びRがメチルである、請求項65〜68のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  70. 請求項65の化合物であって、
    Figure 2021514971
    、である前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  71. 請求項1の化合物であって、
    Figure 2021514971
    である前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  72. 式I:
    Figure 2021514971
    の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物を含む医薬組成物であって、そこにおいて、
    は水素、またはそれぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された、1、2または3つの置換基で任意に置換されたアルキル、または−PEG−R、またはアルキル、アリールアルキル、ヘテロシクロ、(ヘテロシクロ)アルキル、アシル、シリル及びカーボネートからなる群から選択されるヒドロキシル保護基PGであって、そのいずれかは任意に置換され、
    Zは、C−ORまたはC(=O)であり、
    Figure 2021514971
    は、単結合または二重結合であるが、ZがC(=O)である場合は、
    Figure 2021514971
    は単結合であり、ZがC−ORである場合は、
    Figure 2021514971
    は二重結合であり、
    は、−C(=O)Rまたは−PEG−Rであり、そこにおいて、
    は、非置換のC1−12アルキル、非置換のC2−12アルケニル、非置換のC2−12アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−R、O−(CHCHO)−R、−NH−(CHCHO)−R、フェニル、ベンジル、フェネチル、ピリジル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、シクロアルケニル、(シクロアルケニル)アルキル、6員ヘテロ環及び(5員または6員のヘテロ環)アルキルからなる群から選択され、そこにおいて、前記フェニル、ピリジル、シクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロ環の部分は、それぞれ独立してアルキル、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、さらにそこにおいて、前記6員ヘテロ環基は、炭素原子を通じて、または窒素原子を通じてRのカルボニル炭素と結合しており、
    は、水素、OH、−Y−PEG−Rまたは−OC(=O)Rであり、そこにおいて、
    Yは、共有結合またはリンカーであり、
    は、非置換のC1−12アルキル、非置換のC2−12アルケニル、非置換のC2−12アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−R、O−(CHCHO)−R、−NH(CHCHO)−R、フェニル、ベンジル、フェネチル、ピリジル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、シクロアルケニル、(シクロアルケニル)アルキル、6員ヘテロ環及び(5員または6員のヘテロ環)アルキルからなる群から選択され、そこにおいて、前記フェニル、ピリジル、シクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロ環の部分は、それぞれ独立してアルキル、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、さらにそこにおいて、前記6員ヘテロ環基は、炭素原子を通じて、または窒素原子を通じて前記カルボニル炭素と結合しており、
    ただしZがC(=O)である場合、Rは、−OC(=O)Rであり、
    PEGは、1つのエチレンオキシドユニットまたは、2もしくはそれ以上のエチレンオキシドサブユニットのオリゴマーであり、
    は、水素、C1−6アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクロからなる群から選択され、そのいずれかは、任意に置換され、
    は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及び(シクロアルキル)アルキルからなる群から選択され、そのいずれかが、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、
    mは、1と9の間の整数であり、
    n及びpは、それぞれ独立して1と20の間の整数であり、
    ただし、少なくとも1つのR及びRが、それぞれ−C(=O)R及び−OC(=O)Rであり、以下の条件
    1)前記化合物が、
    Figure 2021514971
    ではなく、
    2)Rが非置換のアルキル、Rが水素、及びRが非置換のアルキルである場合、Rは、任意に置換されたフェニルもしくは任意に置換されたピリジル以外である、または
    3)Rが非置換のアルキル、Rが非置換のアルキルかつRが−OC(=O)Rである場合、さらにRとRの両方が、任意に置換されたピリジル以外であり、
    4)前記化合物が、
    Figure 2021514971
    、及び1種または複数種の薬学的に受容可能な担体ではないという条件を満たす、前記医薬組成物。
  73. 少なくとも1つの親オピオイドをさらに含む、請求項72の医薬組成物。
  74. 約0.1〜約30wt%の前記少なくとも1つの親オピオイドを含む、請求項73の医薬組成物。
  75. 前記組成物が、経口投与剤形として製剤化される、請求項72〜74のいずれか1つの医薬組成物。
  76. 請求項1〜71のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物と、1種または複数種の薬学的に受容可能な担体とを含む、請求項72の医薬組成物。
  77. 請求項1〜71のいずれか1つの1種または複数種の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物と、少なくとも1つの親オピオイドとを含む組成物。
  78. 約0.1〜約30wt%の前記少なくとも1つの親オピオイドを含む、請求項77の組成物。
  79. 約1〜約20wt%の前記少なくとも1つの親オピオイドを含む、請求項77または78の組成物。
  80. 前記少なくとも1つの親オピオイドがオキシコドンである、請求項77〜79のいずれか1つの組成物。
  81. 請求項77〜80のいずれか1つの組成物の治療上有効量を含む、経口製剤。
  82. 請求項26〜56のいずれか1つの1種または複数種の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物と、少なくとも1つの親オピオイドとを含む組成物。
  83. 約0.1〜約30wt%の前記少なくとも1つの親オピオイドを含む、請求項82の組成物。
  84. 約1〜約20wt%の前記少なくとも1つの親オピオイドを含む、請求項82または83の組成物。
  85. 前記少なくとも1つの親オピオイドがオキシコドンである、請求項82〜84のいずれか1つの組成物。
  86. 請求項82〜85のいずれか1つの組成物の治療上有効量を含む、経口製剤。
  87. 患者において1種または複数種のオピオイド受容体の調節に反応する疾患を治療または予防し、式I:
    Figure 2021514971
    の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量をそのような治療または予防が必要な前記患者に投与することを含む方法であって、そこにおいて、
    は水素、またはそれぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換されたアルキル、または−PEG−R、またはアルキル、アリールアルキル、ヘテロシクロ、(ヘテロシクロ)アルキル、アシル、シリル及びカーボネートからなる群から選択されるヒドロキシル保護基PGであって、そのいずれかは任意に置換され、
    Zは、C−ORまたはC(=O)であり、
    Figure 2021514971
    は、単結合または二重結合であるが、ZがC(=O)である場合は、
    Figure 2021514971
    は単結合であり、ZがC−ORである場合は、
    Figure 2021514971
    は二重結合であり、
    は、−C(=O)Rまたは−PEG−Rであり、そこにおいて、
    は、非置換のC1−12アルキル、非置換のC2−12アルケニル、非置換のC2−12アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−R、O−(CHCHO)−R、−NH−(CHCHO)−R、フェニル、ベンジル、フェネチル、ピリジル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、シクロアルケニル、(シクロアルケニル)アルキル、6員ヘテロ環及び(5員または6員のヘテロ環)アルキルからなる群から選択され、そこにおいて、前記フェニル、ピリジル、シクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロ環の部分は、それぞれ独立してアルキル、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、さらにそこにおいて、前記6員ヘテロ環基は、炭素原子を通じて、または窒素原子を通じてRのカルボニル炭素と結合しており、
    は、水素、OH、−Y−PEG−Rまたは−OC(=O)Rであり、そこにおいて、
    Yは、共有結合またはリンカーであり、
    は、非置換のC1−12アルキル、非置換のC2−12アルケニル、非置換のC2−12アルキニル、−CH−O−(CHCHO)−R、O−(CHCHO)−R、−NH(CHCHO)−R、フェニル、ベンジル、フェネチル、ピリジル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、シクロアルケニル、(シクロアルケニル)アルキル、6員ヘテロ環及び(5員または6員のヘテロ環)アルキルからなる群から選択され、そこにおいて、前記フェニル、ピリジル、シクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロ環の部分は、それぞれ独立してアルキル、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、さらにそこにおいて、前記6員ヘテロ環基は、炭素原子を通じて、または窒素原子を通じて前記カルボニル炭素と結合しており、
    ただしZがC(=O)である場合、Rは、−OC(=O)Rであり、
    PEGは、1つのエチレンオキシドユニットまたは、2もしくはそれ以上のエチレンオキシドサブユニットのオリゴマーであり、
    は、水素、C1−6アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクロからなる群から選択され、そのいずれかは、任意に置換され、
    は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及び(シクロアルキル)アルキルからなる群から選択され、そのいずれかが、それぞれ独立してヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、アルコキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から選択された1、2または3つの置換基で任意に置換され、
    mは、1と9の間の整数であり、
    n及びpは、それぞれ独立して1と20の間の整数であり、
    ただし、少なくとも1つのR及びRが、それぞれ−C(=O)R及び−OC(=O)Rであり、以下の条件
    1)前記化合物が、
    Figure 2021514971
    ではなく、
    2)Rが非置換のアルキル、Rが水素、及びRが非置換のアルキルである場合、Rは、任意に置換されたフェニルもしくは任意に置換されたピリジル以外である、または
    3)Rが非置換のアルキル、Rが非置換のアルキルかつRが−OC(=O)Rである場合、さらにRとRの両方が、任意に置換されたピリジル以外であり、
    4)前記化合物が、
    Figure 2021514971
    ではないことを満たす、前記方法。
  88. 請求項1〜71のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量を、そのような治療または予防が必要な前記患者に投与することを含む、請求項87の方法。
  89. 前記疾患が疼痛である、請求項87または88の方法。
  90. 前記疾患が、便秘、下痢、アルコール依存からの離脱、または薬物依存からの離脱である請求項87または88の方法。
  91. 患者の疼痛、便秘、下痢、アルコール依存からの離脱または薬物依存からの離脱を治療、寛解または予防し、請求項1〜71のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量を、そのような治療または予防が必要な前記患者に投与することを含む方法。
  92. 前記方法が疼痛を治療する方法である、請求項91の方法。
  93. 前記疼痛が急性疼痛、慢性疼痛または外科手術後疼痛である、請求項92の方法。
  94. 前記疼痛が慢性疼痛である、請求項93の方法。
  95. 前記慢性疼痛が、神経障害性疼痛、術後痛、または炎症性疼痛である請求項94の方法。
  96. 1種または複数種のオピオイド受容体の調節に反応する疾患を治療する際に使用するための、請求項1〜71のいずれか1つで請求した通りの前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物を含む医薬組成物。
  97. 1種または複数種のオピオイド受容体の調節に反応する疾患を治療する際に使用するための、請求項1〜71のいずれか1つで請求した通りの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
  98. 請求項1〜71のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物を、薬学的に受容可能な担体と混合することを含む、医薬組成物を調製する方法。
  99. 請求項1〜71のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物について有効量を含む容器ならびに、治療上使用するためのインストラクションを含むキット。
  100. オピオイド療法が必要な哺乳動物において、オピオイドの作用発現を遅らせ、治療上有効量である、請求項1〜71のいずれか1つによる化合物または、請求項1〜71のいずれか1つによる化合物の混合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物を前記哺乳動物に経口投与することを含む方法。
  101. 式V:
    Figure 2021514971
    を有する化合物または式Vを有する化合物の混合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物を経口投与することを含む、請求項100の方法であって、
    が水素または非置換C1−6アルキルであり、
    は、非置換C1−6アルキルであり、
    が、デシル、ウンデシルまたはドデシルである、前記方法。
  102. が水素またはメチルであり、さらにRがメチルである請求項101の方法。
  103. がウンデシルであり、請求項101または請求項102の方法。
  104. 1種または複数種の別の治療薬を同時投与することもさらに含む請求項101〜103のいずれか1つの方法。
  105. 前記1種または複数種の他の治療薬が、1種または複数種の非ステロイド性の抗炎症性剤である、請求項104の方法。
  106. 前記1種または複数種の他の治療薬が、1種または複数種のオピオイドアゴニストである、請求項104の方法。
  107. 前記1種または複数種の他の治療薬が、1種または複数種のオピオイドアンタゴニストである、請求項104の方法。
  108. 請求項101〜103のいずれか1つの方法であって、前記化合物または化合物の混合物が、有効量の前記親オピオイドもさらに含む単一の剤形で投与される、前記方法。
  109. 患者の便秘、下痢、アルコール依存からの離脱または薬物依存からの離脱を治療、寛解または予防し、請求項65〜70のいずれか1つの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物の有効量を、そのような治療または予防が必要な前記患者に投与することを含む方法。
  110. 便秘、下痢、アルコール依存からの離脱または薬物依存からの離脱を治療、寛解または予防する際に用いるための請求項65〜70のいずれか1つに定義した化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物。
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