JP2014514339A - 金属触媒n−脱メチル化/官能基化および分子内基移動によるモルヒネ類似体の調製のための方法 - Google Patents

金属触媒n−脱メチル化/官能基化および分子内基移動によるモルヒネ類似体の調製のための方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014514339A
JP2014514339A JP2014508659A JP2014508659A JP2014514339A JP 2014514339 A JP2014514339 A JP 2014514339A JP 2014508659 A JP2014508659 A JP 2014508659A JP 2014508659 A JP2014508659 A JP 2014508659A JP 2014514339 A JP2014514339 A JP 2014514339A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
compound
aryl
alkyl
cycloalkyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014508659A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6121988B2 (ja
Inventor
トーマス ハドリッキー
アレシュ マチャラ
Original Assignee
ブロック ユニバーシティ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ブロック ユニバーシティ filed Critical ブロック ユニバーシティ
Publication of JP2014514339A publication Critical patent/JP2014514339A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6121988B2 publication Critical patent/JP6121988B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D489/00Heterocyclic compounds containing 4aH-8, 9 c- Iminoethano-phenanthro [4, 5-b, c, d] furan ring systems, e.g. derivatives of [4, 5-epoxy]-morphinan of the formula:
    • C07D489/02Heterocyclic compounds containing 4aH-8, 9 c- Iminoethano-phenanthro [4, 5-b, c, d] furan ring systems, e.g. derivatives of [4, 5-epoxy]-morphinan of the formula: with oxygen atoms attached in positions 3 and 6, e.g. morphine, morphinone
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/435Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom
    • A61K31/47Quinolines; Isoquinolines
    • A61K31/485Morphinan derivatives, e.g. morphine, codeine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/04Centrally acting analgesics, e.g. opioids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D489/00Heterocyclic compounds containing 4aH-8, 9 c- Iminoethano-phenanthro [4, 5-b, c, d] furan ring systems, e.g. derivatives of [4, 5-epoxy]-morphinan of the formula:
    • C07D489/06Heterocyclic compounds containing 4aH-8, 9 c- Iminoethano-phenanthro [4, 5-b, c, d] furan ring systems, e.g. derivatives of [4, 5-epoxy]-morphinan of the formula: with a hetero atom directly attached in position 14
    • C07D489/08Oxygen atom

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Emergency Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

本出願は、C-14ヒドロキシル化モルヒネアルカロイドからナルトレキソン、ナロキソンおよびナルブホンなどの様々なモルヒネ類似体への効率的変換に関する。この方法の1つの特徴は、パラジウム触媒N-脱メチル化に続く、C-14ヒドロキシルからN-17窒素原子への分子内官能基移動である。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2011年5月6日出願の同時係属中の米国仮出願第61/483,264号の優先権の恩典を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
出願の分野
本出願は、特にナルトレキソン、ナロキソンおよびナルブホンなどの様々なモルヒネ類似体の調製のための、オキシモルホンなどのC-14ヒドロキシル化モルヒネアルカロイドの効率的なN-脱メチル化/官能基化/還元の順序に関する。
出願の背景
医学において現在使用されているすべてのオピエート由来鎮痛薬および様々なアンタゴニストまたは混合アゴニストの合成は、ケシ乳液から単離される天然アルカロイドを起源とする。スキーム1に示すモルヒネならびにその同属種コデイン、テバインおよびオリパビンが最も一般的に使用されている。
Figure 2014514339
やはりスキーム1に示すオキシコドン、オキシモルホン、ナルトレキソン、ナロキソンおよびナルブホンなどの広範に使用される医薬品の大規模製造には2つの主要な課題がある。
2つの課題のうちの第1であるC-14ヒドロキシルの導入は、これらすべての化合物の製造における重要な工程である。にもかかわらず、この問題は様々な酸化プロトコールによって適切に解決されており、テバインおよびオリパビンはC-14ヒドロキシル化類似体の特に好都合な出発原料として役立つ。したがって、C-H活性化または生物学的触媒作用を包含する完全に新規の方法を除いては、多くの改善を製造プロセスに組み入れることができるとは予測されないであろう。第2のそしてはるかに困難な課題は、天然オピエートのN-メチル基をナルトレキソン、ナロキソンおよびナルブホンにそれぞれ見られるN-シクロプロピルメチル、N-アリルまたはN-シクロブチルメチル官能基に形態的に交換することにある。
既に報告されたN-脱メチル化プロトコールとしては、臭化シアンを使用するフォンブラウン反応i、クロロホルメート試薬ii、光化学法iii、N-オキシドの脱メチル化iv、ならびに微生物法vおよび酵素法viが挙げられる。次に第二級アミンをアルキル化によって対応する生成物に変換する。また、N-アセチルヒドロコドンおよび他のアシル誘導体を与えるヒドロコドンおよびトロパンアルカロイドのN-脱メチル化/アシル化がパラジウム触媒によって達成されたvii
出願の概要
オリパビンまたはテバインからのオキシモルホンの合成が工業規模で効率的に進行する可能性が高いようであることから、本出願は、オキシモルホンなどのC-14ヒドロキシモルホンアルカロイドからナルトレキソン、ナロキソンおよびナルブホンなどの様々なモルヒネ類似体への直接的な効率的変換に関する。例えば、オキシモルホンを3つの化学的工程および全収率75%でナルトレキソンに変換した。この方法の特徴は、金属触媒N-脱メチル化に続くC-14ヒドロキシルから窒素原子への分子内アシル移動を包含する。本方法の一態様では、次にシクロプロピルカルボキサミドをC-3およびC-6におけるエステル保護基と共に還元した。
したがって、本出願は、式Iの化合物の調製のための方法であって:
Figure 2014514339
(a) 式IVの化合物を与える条件下で式IIの化合物と式IIIaまたはIIIbの化合物とを反応させる工程:
Figure 2014514339
;
(b) 式Vの化合物を与える条件下で式IVの化合物と金属触媒とを酸化剤の存在下で反応させる工程:
Figure 2014514339
; および
(c) 式Iの化合物を与える条件下で式Vの化合物を還元剤で処理する工程を含み、
各R1がC3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキルおよびC6〜10アリールより選択され、LGが脱離基であり;
式I、III、IVおよびVの化合物において、R1中の1個もしくは複数の利用可能な水素がFで置き換えられてもよく、かつ/またはR1中の1個もしくは複数の利用可能な原子が同位体標識で置き換えられてもよい、方法を含む。
本出願の方法はまた、他のモルヒネ類似体上でのC-14ヒドロキシル基からN-17への他の官能基の移動を含みうる。したがって、本出願はまた、式VIの化合物の調製のための方法であって:
Figure 2014514339
式中、
XはC(O)R2、S(O)R2、SO2R2、P(O)R2R2'、P(O)(OR2)R2'およびP(O)(OR2)(OR2')より選択され;
R2およびR2'はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C3〜10シクロアルケニル、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより独立して選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
Figure 2014514339
は単結合または二重結合を表すが、但し2個の二重結合は互いに隣接せず;
R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択されるが、但し
Figure 2014514339
が=Oを表す場合、R4は存在せず;
(a) 式IXの化合物を与える条件下で式VIIの化合物と式VIII(a)またはVIII(b)の化合物とを反応させる工程:
Figure 2014514339
式中、LG1は脱離基であり;
XはC(O)R2、S(O)R2、SO2R2、P(O)R2R2'、P(O)(OR2)R2'およびP(O)(OR2)(OR2')より選択され;
R2およびR2'はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C3〜10シクロアルケニル、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより独立して選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
Figure 2014514339
は単結合または二重結合を表すが、但し2個の二重結合は互いに隣接せず;
R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択されるが、但し
Figure 2014514339
が=Oを表す場合、R4は存在しない; ならびに
(b) 式VIの化合物を与える条件下で式IXの化合物と金属触媒とを酸化剤の存在下で反応させる工程を含み、
式VI、VII、VIIIおよびIXの化合物において、R2、R2'、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な水素がFで置き換えられてもよく、かつ/またはR2、R2'、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な原子が同位体標識で置き換えられてもよい、方法を含む。
一態様では、式VIの化合物は式VI(a)、VI(b)およびVI(c)の化合物より選択される:
Figure 2014514339
式中、
XはC(O)R2、S(O)R2、SO2R2、P(O)R2R2'、P(O)(OR2)R2'およびP(O)(OR2)(OR2')より選択され;
R2およびR2'はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C3〜10シクロアルケニル、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより独立して選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
Figure 2014514339
は単結合または二重結合を表し;
R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択され、
R2、R2'、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な水素はFで置き換えられてもよく、かつ/またはR2、R2'、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な原子は同位体標識で置き換えられてもよい。
式VIの化合物はモルヒネアルカロイドの調製における有用な中間体である。例えば、一態様では、酸加水分解または塩基加水分解によってN-17からX基を選択的に除去することで、式Xの対応する第二級アミンを得ることができる:
Figure 2014514339
式中、
Figure 2014514339
は単結合または二重結合を表すが、但し2個の二重結合は互いに隣接せず;
R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択されるが、但し
Figure 2014514339
が=Oを表す場合、R4は存在せず;
R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な水素はFで置き換えられてもよく、かつ/またはR3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な原子は同位体標識で置き換えられてもよい。次にN-17第二級アミンを任意の数のアルキル化試薬で選択的にアルキル化することで、この位置において種々の置換基を与えることができる。本方法は、この場所における異なる基の構造活性関係を調査するために特に有用である。一態様では、式Xの化合物のN-17第二級アミンをシクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基またはアリル基で選択的にアルキル化する。
別の態様では、Xが「-C(O)R2」である式VI(a)、VI(b)またはVI(c)の化合物を還元することで、式XI(a)、XI(b)またはXI(c)の対応する化合物をそれぞれ得ることができる:
Figure 2014514339
式中、
R2''はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C1〜10アルキル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
R3'およびR4'はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択され;
R2''、R3'およびR4'中の1個もしくは複数の利用可能な水素はFで置き換えられてもよく、かつ/またはR2''、R3'およびR4'中の1個もしくは複数の利用可能な原子は同位体標識で置き換えられてもよく、
PGが、還元剤によって除去される保護基である場合、R3'およびR4'はHであり、式XI(c)の化合物はケトン体に変換される。
本出願はまた、式Iの化合物の調製に有用な、式IVおよびVの化合物を含む。
本出願の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかし、本出願の真意および範囲内の各種の変更および修正がこの詳細な説明から当業者に明らかになることから、本出願の態様を示す詳細な説明および具体例が例示のみを目的として示されると理解すべきである。
出願の詳細な説明
I. 定義
当業者が理解するように、別途指示しない限り、この節および他の節に記載の定義および態様は、それらが好適である本明細書に記載の本出願のすべての態様および局面に適用可能であるように意図されている。
本出願において使用される単数形「a」、「an」および「the」は、内容上別途明らかな指示がない限り、複数の参照対象を含む。例えば、「還元剤」を含む態様は、1つの還元剤または2つ以上のさらなる化合物を伴う特定の局面を提示するものと理解すべきである。
「さらなる」または「第2の」成分、例えばさらなるまたは第2の還元剤を含む態様では、本明細書において使用される第2の成分は他の成分または第1の成分と化学的に異なる。「第3の」成分は、他の成分、第1の成分および第2の成分とは異なり、さらに列挙されるまたは「さらなる」成分も同様に異なる。
本明細書において使用される「好適な」という用語は、特定の化合物または条件の選択が、行うべき特定の合成操作、および変換すべき分子の独自性に依存するが、その選択が十分に当業者の技能の範囲内であるということを意味する。本明細書に記載のすべての方法(process/method)工程は、示される生成物を与えるために十分な条件下で行うべきである。当業者であれば、反応溶媒、反応時間、反応温度、反応圧力、反応物比、および反応を無水雰囲気または不活性雰囲気下で行うべきか否かを例えば含むすべての反応条件を変動させることで、所望の生成物の収率を最適化することができ、そうすることが彼らの技能の範囲内であるということを理解するであろう。
本出願の態様では、本明細書に記載の化合物は少なくとも1個の不斉中心を有する。化合物は、複数の不斉中心を有する場合、ジアステレオマーとして存在しうる。そのような異性体および任意の割合でのその混合物がいずれも本出願の範囲内に包含されると理解すべきである。化合物の立体化学配置が本明細書において列挙される任意の所与の化合物において示される通りでありうるが、そのような化合物が特定の量(例えば20%未満、好適には10%未満、より好適には5%未満)の代替立体化学配置を有する本出願の化合物も含有しうるということをさらに理解すべきである。
本開示の範囲を理解する上で、本明細書において使用される「含む(comprising)」という用語およびその派生語は、記述される特徴、要素、成分、群、整数および/または段階の存在を指定する開放的な用語であるように意図されているが、記述されない他の特徴、要素、成分、群、整数および/または段階の存在を排除しない。上記は、「含む(including)」、「有する」という用語およびそれらの派生語などの同様の意味を有する語にも当てはまる。本明細書において使用される「からなる」という用語およびその派生語は、記述される特徴、要素、成分、群、整数および/または段階の存在を指定する閉鎖的な用語であるように意図されているが、記述されない他の特徴、要素、成分、群、整数および/または段階の存在を排除する。本明細書において使用される「から本質的になる」という用語は、記述される特徴、要素、成分、群、整数および/または段階の存在、ならびに特徴、要素、成分、群、整数および/または段階の基本的特性および新規特性に実質的に影響しないものを指定するように意図されている。
本明細書において使用される「実質的に」、「約(about)」および「約(approximately)」などの程度に関する用語は、最終結果が著しく変化することがない、修飾された用語の妥当な偏差量を意味する。程度に関するこれらの用語は、修飾された用語の少なくとも±5%の偏差を、この偏差が修飾する語の意味をそれが否定しない場合に含むものと解釈すべきである。
本明細書において使用される「アルキル」という用語は、単独で使用される場合であれ、別の基の一部として使用される場合であれ、直鎖または分岐鎖の飽和アルキル基を意味する。C1〜6アルキルという用語は、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。本出願の一態様では、アルキル基において、すべてを含む1個もしくは複数の水素原子がFまたは2Hで置き換えられてもよく、したがって例えばトリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどが挙げられる。
本明細書において使用される「アルキレン」という用語は、単独であれ他の基の一部としてであれ、二価の、すなわち2つの末端が別の基で置換されたアルキル基を意味する。C1〜10アルキレンという用語は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有するアルキレン基を意味する。本出願の一態様では、アルキレン基において、すべてを含む1個もしくは複数の水素原子がFまたは2Hで置き換えられてもよい。
本明細書において使用される「アルケニル」という用語は、単独で使用される場合であれ、別の基の一部として使用される場合であれ、直鎖または分岐鎖の不飽和アルケニル基を意味する。C2〜6アルケニルという用語は、2、3、4、5または6個の炭素原子および少なくとも1個の二重結合を有するアルケニル基を意味する。本出願の一態様では、アルケニル基において、すべてを含む1個もしくは複数の水素原子がFまたは2Hで置き換えられてもよく、したがって例えばトリフルオロエテニル、ペンタフルオロプロペニルなどが挙げられる。
本明細書において使用される「シクロアルキル」という用語は、単独で使用される場合であれ、別の基の一部として使用される場合であれ、環状の飽和アルキル基を意味する。C3〜10シクロアルキルという用語は、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する。本出願の一態様では、シクロアルキル基において、すべてを含む1個もしくは複数の水素原子がFまたは2Hで置き換えられてもよい。
本明細書において使用される「シクロアルケニル」という用語は、単独で使用される場合であれ、別の基の一部として使用される場合であれ、環状の不飽和アルキル基を意味する。C3〜10シクロアルケニルという用語は、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子および少なくとも1個の二重結合を有するシクロアルケニル基を意味する。本出願の一態様では、シクロアルケニル基において、すべてを含む1個もしくは複数の水素原子がFまたは2Hで置き換えられてもよい。
本明細書において使用される「ヘテロシクロアルキル」という用語は、単独で使用される場合であれ、別の基の一部として使用される場合であれ、少なくとも1個のN、Oおよび/またはSなどのヘテロ原子を含有する環状の飽和アルキル基を意味する。C3〜10ヘテロシクロアルキルという用語は、少なくとも1個の炭素原子がN、Oおよび/またはSなどのヘテロ原子で置き換えられた、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有するヘテロシクロアルキル基を意味する。本出願の一態様では、ヘテロシクロアルキル基において、すべてを含む1個もしくは複数の水素原子がFまたは2Hで置き換えられてもよい。
本明細書において使用される「アリール」という用語は、少なくとも1個の芳香環を含有する環状基を意味する。本出願の一態様では、フェニル、ナフチルまたはインダニルなどのアリール基は6、9または10個の原子を含有する。本出願の一態様では、アリール基において、すべてを含む1個もしくは複数の水素原子がFまたは2Hで置き換えられてもよく、したがって例えばペンタフルオロフェニルなどが挙げられる。
本明細書において使用される「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1個の芳香環ならびに少なくとも1個のN、Oおよび/またはSなどのヘテロ原子を含有する環状基を意味する。C5〜10ヘテロアリールという用語は、少なくとも1個の原子がN、Oおよび/またはSなどのヘテロ原子である、5、6、7、8、9または10個の原子を有するアリール基を意味する。本出願の一態様では、ヘテロアリール基において、すべてを含む1個もしくは複数の水素原子がFまたは2Hで置き換えられてもよく、したがって例えばテトラフルオロピリジルなどが挙げられる。
本明細書において使用される「還元剤」という用語は、所望の官能基を還元する任意の化合物または化合物組み合わせを意味する。還元剤は官能基への電子、または有機化学反応の場合では水素原子の全体的付加を生じさせる。
本明細書において使用される「酸化剤」という用語は、本出願の金属触媒反応に関与する酸素種を与える試薬を意味する。一態様では、酸素源はO2ガス、空気、または無機もしくは有機過酸化物(すなわち「O-O」官能基を含む化合物)である。
「利用可能な水素原子」または「利用可能な原子」における「利用可能な」という用語は、当技術分野において公知の方法を使用してフッ素原子(水素原子の場合)または同位体標識(全原子の場合)により置き換え可能であることが当業者に知られている原子を意味する。
本明細書において使用される「不活性溶媒」という用語は、反応に干渉することまたは反応を他のやり方で阻害することがない溶媒を意味する。したがって、不活性溶媒の独自性は、行われる反応に応じて変動する。不活性溶媒の選択は当業者の技能の範囲内である。不活性溶媒の例としてはベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、C1〜6アルキルOH(例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、2-プロパノール、n-ブタノール、ブタン-2-オールおよび2-メチル-1-プロパノール)、炭酸ジエチル、ヘキサンならびにジメチルスルホキシド(DMSO)が挙げられるがそれに限定されない。さらなる例としては、そのような溶媒が反応に干渉しないという条件で、水溶液、例えば水ならびに希酸および希塩基、ならびにイオン性液体を挙げることができる。
「溶媒」という用語は、単一の溶媒、および2つ以上の溶媒を含む混合物の両方を含む。
本明細書において使用される「ハロ」という用語はハロゲン原子を意味し、F、Cl、BrおよびIを含む。
本明細書において使用されるt-Bocとはt-ブチルオキシカルボニル基を意味する。
本明細書において使用されるAcとはアセチル基を意味する。
本明細書において使用されるTs(トシル)とはp-トルエンスルホニル基を意味する。
本明細書において使用されるMsとはメタンスルホニル基を意味する。
本明細書において使用されるTBDMSとはt-ブチルジメチルシリル基を意味する。
本明細書において使用されるTBDPSとはt-ブチルジフェニルシリル基を意味する。
本明細書において使用されるTMSとはトリメチルシリル基を意味する。
本明細書において使用されるTfとはトリフルオロメタンスルホニル基を意味する。
本明細書において使用されるNsとはナフタレンスルホニル基を意味する。
本明細書において使用されるBnとはベンジル基を意味する。
本明細書において使用されるFmocとはフルオレニルメトキシカルボニル基を意味する。
本明細書において使用される「脱離基」または「LG」という用語は、例えば求核置換反応条件下で求核剤によって容易に置き換え可能な基を意味する。好適な脱離基の例としてはハロ、Ms、Ts、Ns、Tf、C1〜6アシルなどが挙げられるがそれに限定されない。
本明細書において使用される「保護基(protective group)」または「保護基(protecting group)」または「PG」などの用語は、分子の異なる部分を操作しているまたは反応させている間に該分子のある反応性部分における副反応を防止するために、該分子のその反応性部分を保護または遮蔽する、化学的部分を意味する。操作または反応が完了した後、保護基を、分子の残りの部分を分解または崩壊させない条件下で除去する。好適な保護基の選択は当業者が行うことができる。"Protective Groups in Organic Chemistry" McOmie, J.F.W. Ed., Plenum Press, 1973、Greene, T.W. and Wuts, P.G.M., "Protective Groups in Organic Synthesis", John Wiley & Sons, 3rd Edition, 1999およびKocienski, P. Protecting Groups, 3rd Edition, 2003, Georg Thieme Verlag (The Americas)に例えば記載の多くの従来の保護基が当技術分野において公知である。好適な保護基の例としてはt-Boc、Ac、Ts、Ms、TMS、TBDMS、TBDPSなどのシリルエーテル、Tf、Ns、Bn、Fmoc、ジメトキシトリチル、メトキシエトキシメチルエーテル、メトキシメチルエーテル、ピバロイル、p-メトキシベンジルエーテル、テトラヒドロピラニル、トリチル、エトキシエチルエーテル、カルボベンジルオキシ、ベンゾイルなどが挙げられるがそれに限定されない。
本明細書に開示される反応または方法工程に関して本明細書において使用される「十分な程度に進行する」という表現は、反応または方法工程が、出発原料または基質から生成物への変換が最大化される程度に進行するということを意味する。約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100%を超える出発原料または基質が生成物に変換される場合に、変換は最大化されうる。
II. 本出願の方法
本出願は、式Iの化合物の調製のための方法であって:
Figure 2014514339
(a) 式IVの化合物を与える条件下で式IIの化合物と式IIIaまたはIIIbの化合物とを反応させる工程:
Figure 2014514339
;
(b) 式Vの化合物を与える条件下で式IVの化合物と金属触媒とを空気中および/または酸化剤の存在下で反応させる工程:
Figure 2014514339
; ならびに
(c) 式Iの化合物を与える条件下で式Vの化合物を還元剤で処理する工程を含み、
各R1がC3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキルおよびC6〜10アリールより選択され、各LGが脱離基であり;
式I、III、IVおよびVの化合物において、R1中の1個もしくは複数の利用可能な水素がFで置き換えられてもよく、かつ/またはR1中の1個もしくは複数の利用可能な原子が同位体標識で置き換えられてもよい、方法を含む。
本出願の一態様では、R1はC3〜6シクロアルキル、C1〜6アルキルおよびフェニルより選択される。別の態様では、R1はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチルおよびフェニルより選択される。別の態様では、R1はシクロプロピルおよびシクロブチルより選択され、式Iの化合物はそれぞれナルトレキソンまたはナルブホンである。
本出願の一態様では、LGは任意の好適な脱離基である。さらなる態様では、LGはまた、求核剤との反応のために隣接するカルボニル基を求電子的に活性化する。さらなる態様では、LGはCl、Br、CN、CCl3、イミダゾール、ペンタフルオロフェニル、アシル、OC(O)R1、Ts、Ns、Ms、またはカルボン酸用の任意の活性化基、例えばペプチド合成において使用される活性化基である。特定の態様では、LGはハロまたはOC(O)R1である。
本出願の一態様では、式IVの化合物を与える条件は、式IIの化合物と式IIIaまたはIIIbの化合物とを不活性溶媒中、非求核性塩基の存在下で、および式IIの化合物と式IIIaまたはIIIbの化合物との反応用の温度で化合させることで式IVの化合物を与えることを含む。非限定的な反応温度の例は約0℃〜約400℃、約30℃〜約200℃、または約50℃〜約110℃である。非限定的な反応時間の例は約0.5時間〜約48時間、または約1時間〜約24時間である。好適な塩基の例としては、相間移動条件(すなわちショッテン・バウマン反応)下での、トリエチルアミン、ピリジンおよび1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)などの有機アミン、ならびに水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩などの無機塩基が挙げられるがそれに限定されない。
式IVの化合物から式Vの化合物への変換は、17位窒素の金属触媒脱メチル化と、それに続くC-14における酸素から17位窒素へのアシル基の分子内移動とを包含する。意義深いことに、この変換はR1C(O)-O-C(O)-R1などのアシル化試薬の添加の非存在下で生じる。したがって、一態様では、式IVの化合物と金属触媒および酸素源から本質的になるまたはそれらからなる試薬とを反応させる。
金属触媒は任意の好適な金属触媒である。一態様では、触媒は遷移金属触媒である。触媒として使用可能な錯体/化合物の例としては、パラジウム錯体、白金錯体(例えばPtCl2およびK2PtCl4)、ルテニウム錯体(例えばRu/C、RuCl3xH2O、RuCl2(PPh3)3、RuO2および過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム)、鉄錯体(例えばFeCl2、FeSO4、およびFe2(CO)9のような鉄カルボニル)、タングステン錯体(例えばNa2WO4)、バナジウム錯体(例えばVO(acac)2)、イリジウム錯体、銅錯体、金錯体ならびに銀錯体を含む触媒が挙げられるがそれに限定されない。一態様では、触媒は例えばPd(OAc)2、Pd(acac)2、Pdブラックまたはパラジウム-ペロブスカイトであるがそれに限定されないPd(0)もしくはPd(II)触媒、あるいは任意の種類の固体支持体(例えば木炭、硫酸塩、炭酸塩、アルミナ)上のまたは封入形態のPd(0)もしくはPd(II)触媒である。
別の態様では、触媒は約0.1mol%〜約20mol%、約1mol%〜約15mol%、または約5mol%〜約10mol%の量で使用される。
式IVの化合物から式Vの化合物への変換は、添加O2ガスもしくは酸化剤の使用を通じての、または単に空気雰囲気中で反応を行うことによる、酸化剤の存在下で好適に行われる。好適な酸化剤の例としてはt-ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジブチルペルオキシド、ラウリルペルオキシド、過酸化水素、過ホウ酸塩およびK2S2O8などの有機および無機過酸化物が挙げられるがそれに限定されない。
また、式IVの化合物から式Vの化合物への変換は、ジオキサン、トルエンもしくはベンゼン、DMF、C1〜6アルキルOH、アセトニトリル、炭酸ジエチル、イオン性液体、水、希酸水溶液および希塩基水溶液などであるがそれに限定されない水溶液または不活性溶媒もしくは溶媒混合物中、ならびに変換が十分な程度に進行するために十分な温度および時間で好適に行われる。さらなる態様では、溶媒または溶媒混合物はC1〜4アルコール、特にメタノール、エタノール、n-プロパノール、2-プロパノール、n-ブタノール、ブタン-2-オールもしくは2-メチル-1-プロパノールからなるか、それから本質的になるか、またはそれを含む。好適な温度の非限定的な例は約10℃〜約400℃、約50℃〜約200℃、または約75℃〜約125℃である。非限定的な反応時間の例は約0.5時間〜約64時間、約1時間〜約48時間、または約5時間〜約30時間である。本出願のさらなる態様では、式IVの化合物から式Vの化合物への変換は助触媒の存在下で行われる。助触媒の例としては、酢酸銅および塩化銅などの銅塩、ならびにすべてのオキソフィリックな金属およびそれらの錯体、例えばセリウム塩が挙げられるがそれに限定されない。
式Vの化合物から式Iの化合物への還元は、17位カルボニルをCH2基に還元しかつ3位および6位ヒドロキシル基上のアシル基を除去すると同時にエノールをケト体に転位させるために好適な任意の還元剤を使用して行われる。そのような還元剤の例としては、水素化アルミニウムリチウムおよび水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムを含む金属水素化物還元剤、ヒドロシリル化試薬、ならびにヒドロホウ素化試薬が挙げられるがそれに限定されない。一態様では、還元は、不活性溶媒または溶媒混合物中、還元が十分な程度に進行するために十分な温度および時間で、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムを使用して行われる。代表的で非限定的な例として、式Vの化合物から式Iの化合物への還元用の温度は約0℃〜約400℃、約20℃〜約200℃、または約50℃〜約100℃であり、非限定的な反応時間の例は約1分〜約24時間、約10分〜約12時間、または約15分〜約1時間である。
本出願の一態様では、式IIの化合物は、オリパビンまたはテバインから工業規模で例えば容易に入手可能なオキシモルホンであるviii。式IIIaおよびIIIbの化合物は市販されており、または当技術分野において公知の方法を使用して調製することができる。例えば、非極性溶媒系中でのカルボン酸、対応する塩化アシル、およびトリエチルアミンなどの塩基の反応によってカルボン酸無水物を調製することができる。析出した塩基塩酸塩を濾去することができ、濾液の濃縮後に生成物を減圧蒸留することまたは他の公知の方法を使用して精製することができる。この手順はマルチグラム調製に好適である。
本出願の方法の代表例として、脱メチル化の間の分子内アシル移動を包含するオキシモルホンからナルトレキソンへの好都合な経路を実行した。したがって、オキシモルホンをシクロプロピルカルボン酸無水物、またはそれよりもはるかに安価な対応する塩化アシルで過アシル化し、完全アシル化生成物に変換した。この材料を無水物なしのN-脱メチル化条件に曝すことで、N-アシルジアステレオ異性体の混合物として単離される優れた収率のN-アシルアミドを得て、これをVitride(商標)(水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム)で還元してナルトレキソンを収率93%で得た。N-脱メチル化/アシル化プロトコールをさらに詳細な調査に供した。隣接するC-14エステルからの分子内アシル移動を利用して、反応をさらなるシクロプロピルカルボン酸無水物の非存在下で行った。Pd(C)をジオキサン中、空気の存在下にて100℃で使用した際に、収率92%のN-アシルアミドが得られた。DMF-水混合物(5:1)および触媒としてのPd(OAC)2中で、N-アシルアミドの収率は100℃で23時間後に95%であった。Pd(C)をDMF-水混合物中で使用した際にはいくらか低い収率(85%、出発原料7〜8回収%)が得られた。Vitride(商標)によるN-アシルアミドからナルトレキソンへの完全還元はコメントに値する。まず第一に、Vitride(商標)は非常に好都合かつ安価な還元剤であり、その工業規模での使用は、水素化アルミニウムリチウムなどの他の比較的安全でない還元剤に比べて最適である。第二に、おそらくはC-14ヒドロキシルの隣接基補助、およびキレート化を通じた試薬送達を部分的に理由として、還元が非常に高速である。
オキシモルホンからナルトレキソンへの3工程変換は全収率約75%で進行した。おそらくはこれをさらに最適化し、場合によっては単離または精製なしのワンポット手順にさらに減少させることができる。
本出願の方法を他のC-14ヒドロキシモルヒネ類似体、および他の官能基の分子内移動に広げることができる。したがって、本出願はまた、式VIの化合物の調製のための方法であって:
Figure 2014514339
式中、
XはC(O)R2、S(O)R2、SO2R2、P(O)R2R2'、P(O)(OR2)R2'およびP(O)(OR2)(OR2')より選択され;
R2およびR2'はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C3〜10シクロアルケニル、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより独立して選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
Figure 2014514339
は単結合または二重結合を表すが、但し2個の二重結合は互いに隣接せず;
R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択されるが、但し
Figure 2014514339
が=Oを表す場合、R4は存在せず;
(a) 式IXの化合物を与える条件下で式VIIの化合物と式VIII(a)またはVIII(b)の化合物とを反応させる工程:
Figure 2014514339
式中、LG1は脱離基であり;
XはC(O)R2、S(O)R2、SO2R2、P(O)R2R2'、P(O)(OR2)R2'およびP(O)(OR2)(OR2')より選択され;
R2およびR2'はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C3〜10シクロアルケニル、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより独立して選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
Figure 2014514339
は単結合または二重結合を表すが、但し2個の二重結合は互いに隣接せず;
R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択されるが、但し
Figure 2014514339
が=Oを表す場合、R4は存在しない; ならびに
(b) 式VIの化合物を与える条件下で式IXの化合物と金属触媒とを酸化剤の存在下で反応させる工程を含み、
式VI、VII、VIIIおよびIXの化合物において、R2、R2'、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な水素がFで置き換えられてもよく、かつ/またはR2、R2'、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な原子が同位体標識で置き換えられてもよい、方法を含む。
本出願の一態様では、R2およびR2'はC3〜6シクロアルキル、C1〜6アルキルおよびフェニルより独立して選択される。別の態様では、R2およびR2'はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチルおよびフェニルより独立して選択される。別の態様では、R2およびR2'はシクロプロピルおよびシクロブチルより独立して選択される。
本出願の一態様では、LG1は任意の好適な脱離基である。さらなる態様では、LG1はまた、求核剤との反応のために隣接する基を求電子的に活性化する。さらなる態様では、LG1はCl、Br、CN、CCl3、イミダゾール、ペンタフルオロフェニル、アシル、O-X、Ts、Ns、Ms、または任意の活性化基、例えばペプチド合成において使用される活性化基である。特定の態様では、LGはClまたはO-Xである。
一態様では、XはC(O)R2である。
一態様では、R3およびR4はC1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、C1〜6アルキレンC6〜10アリール、C1〜6アルキレンC3〜6シクロアルキルおよびPGより独立して選択されるが、但し
Figure 2014514339
が=Oを表す場合、R4は存在しない。一態様では、PGは、それを式VIの化合物の調製の間には除去または改変しないが本方法の完了時点で式VIの化合物から除去することができる反応条件に適合する基である。好適なPGの例としてはアシル、アルコキシカルボニル、Bn、メトキシメチル(MOM)、アルキルカーボネートおよびアリールカーボネートが挙げられるがそれに限定されない。
一態様では、式VIの化合物は式VI(a)、VI(b)およびVI(c)の化合物より選択される:
Figure 2014514339
式中、
XはC(O)R2、S(O)R2、SO2R2、P(O)R2R2'、P(O)(OR2)R2'およびP(O)(OR2)(OR2')より選択され;
R2およびR2'はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C3〜10シクロアルケニル、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより独立して選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
Figure 2014514339
は単結合または二重結合を表し;
R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択され、
R2、R2'、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な水素はFで置き換えられてもよく、かつ/またはR2、R2'、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な原子は同位体標識で置き換えられてもよい。
別の態様では、式VIの化合物は、
Figure 2014514339
が単結合を表す式VI(a)またはVI(b)の化合物である。
本出願の一態様では、式IXの化合物を与える条件は、式VIIの化合物と式VIII(a)またはVIII(b)の化合物とを不活性溶媒中、非求核性塩基の存在下で、および式VIIの化合物と式VIII(a)またはVIII(b)の化合物との反応用の温度で化合させることで式IXの化合物を与えることを含む。非限定的な反応温度の例は約0℃〜約400℃、約30℃〜約200℃、または約50℃〜約110℃である。非限定的な反応時間の例は約0.5時間〜約48時間、または約1時間〜約24時間である。好適な塩基の例としては、相間移動条件(すなわちショッテン・バウマン反応)下での、トリエチルアミン、ピリジンおよび1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)などの有機アミン、ならびに水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩などの無機塩基が挙げられるがそれに限定されない。
式IXの化合物から式VIの化合物への変換は、17位窒素の金属触媒脱メチル化と、それに続くC-14における酸素から17位窒素への「-X」基の分子内移動とを包含する。意義深いことに、この変換はR2C(O)-O-C(O)-R2、R2-S(O)-O-S(O)-R2、R2-SO2-O-SO2-R2、Cl-P(O)R2R2'、Cl-P(O)(OR2)R2'およびCl-P(O)(OR2)(OR2')などの試薬の添加の非存在下で生じる。したがって、一態様では、式IXの化合物と金属触媒および酸化剤から本質的になるまたはそれらからなる試薬とを反応させる。
金属触媒は任意の好適な金属触媒である。一態様では、触媒は遷移金属触媒である。触媒として使用可能な錯体/化合物の例としては、パラジウム錯体、白金錯体(例えばPtCl2およびK2PtCl4)、ルテニウム錯体(例えばRu/C、RuCl3xH2O、RuCl2(PPh3)3、RuO2および過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム)、鉄錯体(例えばFeCl2、FeSO4、およびFe2(CO)9のような鉄カルボニル)、タングステン錯体(例えばNa2WO4)、バナジウム錯体(例えばVO(acac)2)、イリジウム錯体、銅錯体、金錯体ならびに銀錯体を含む触媒が挙げられるがそれに限定されない。一態様では、触媒は例えばPd(OAc)2、Pd(acac)2、Pdブラックまたはパラジウム-ペロブスカイトであるがそれに限定されないPd(0)もしくはPd(II)触媒、あるいは任意の種類の固体支持体(例えば木炭、硫酸塩、炭酸塩、アルミナ)上のまたは封入形態のPd(0)もしくはPd(II)触媒である。
別の態様では、触媒は約0.1mol%〜約20mol%、約1mol%〜約15mol%、または約5mol%〜約10mol%の量で使用される。
式IXの化合物から式VIの化合物への変換は、添加O2ガスもしくは酸化剤の使用を通じての、または単に空気雰囲気中で反応を行うことによる、酸化剤の存在下で好適に行われる。好適な酸化剤の例としてはt-ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジブチルペルオキシド、ラウリルペルオキシド、過酸化水素、過ホウ酸塩およびK2S2O8などの有機および無機過酸化物が挙げられるがそれに限定されない。
また、式IXの化合物から式VIの化合物への変換は、ジオキサン、トルエンもしくはベンゼン、DMF、C1〜6アルキルOH、アセトニトリル、炭酸ジエチル、イオン性液体、水、希酸水溶液および希塩基水溶液などであるがそれに限定されない水溶液または不活性溶媒もしくは溶媒混合物中、ならびに変換が十分な程度に進行するために十分な温度および時間で好適に行われる。さらなる態様では、溶媒または溶媒混合物はC1〜4アルコール、特にメタノール、エタノール、n-プロパノール、2-プロパノール、n-ブタノール、ブタン-2-オールもしくは2-メチル-1-プロパノールからなるか、それから本質的になるか、またはそれを含む。好適な温度の非限定的な例は約10℃〜約400℃、約50℃〜約200℃、または約75℃〜約125℃である。非限定的な反応時間の例は約0.5時間〜約64時間、約1時間〜約48時間、または約5時間〜約30時間である。本出願のさらなる態様では、式IXの化合物から式VIの化合物への変換は助触媒の存在下で行われる。助触媒の例としては、酢酸銅および塩化銅などの銅塩、ならびにすべてのオキソフィリックな金属およびそれらの錯体、例えばセリウム塩が挙げられるがそれに限定されない。
式VIの化合物はモルヒネアルカロイドの調製における有用な中間体である。例えば、一態様では、酸加水分解または塩基加水分解によってN-17から「-X」基を選択的に除去することで、式Xの対応する第二級アミンを得ることができる:
Figure 2014514339
式中、
Figure 2014514339
は単結合または二重結合を表すが、但し2個の二重結合は互いに隣接せず;
R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択されるが、但し
Figure 2014514339
が=Oを表す場合、R4は存在せず;
R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な水素はFで置き換えられてもよく、かつ/またはR3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な原子は同位体標識で置き換えられてもよい。次にN-17第二級アミンを任意の数のアルキル化試薬で選択的にアルキル化することで、この位置において種々の置換基を与えることができる。本方法は、この場所における異なる基の構造活性関係を調査するために特に有用である。一態様では、式Xの化合物のN-17第二級アミンをシクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基またはアリル基で選択的にアルキル化する。
別の態様では、Xが「-C(O)R2」である式VI(a)、VI(b)またはVI(c)の化合物を還元することで、式XI(a)、XI(b)またはXI(c)の対応する化合物をそれぞれ得ることができる:
Figure 2014514339
式中、
R2''はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C1〜10アルキル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
R3'およびR4'はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択され;
R2''、R3'およびR4'中の1個もしくは複数の利用可能な水素はFで置き換えられてもよく、かつ/またはR2''、R3'およびR4'中の1個もしくは複数の利用可能な原子は同位体標識で置き換えられてもよく、
PGが、還元剤によって除去される保護基である場合、R3'およびR4'はHであり、式XI(c)の化合物はケトン体に変換される。
本出願の別の態様では、R3'およびR4'の一方または両方がPGである場合、本出願の方法は、保護基を除去して遊離「-OH」化合物を得る工程をさらに含む。
本出願の方法は連続プロセスまたはバッチプロセスを使用して行うことができる。商業規模の調製には連続プロセスが好適である。連続モードまたはバッチモードで化学プロセスを行う方法は当技術分野において公知である。連続プロセスを使用する場合、反応温度および/または圧力はバッチプロセスにおいて使用されるそれらよりも高くてもよい。
III. 本出願の化合物
本出願はまた、式Iの化合物の調製に有用な、式IVおよびVの化合物を含む。
したがって、本出願は式IVまたはVの化合物を含む:
Figure 2014514339
式中、R1はC3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキルおよびC6〜10アリールより独立して選択される。
本出願の一態様では、式IVまたはVの化合物中のR1はC3〜6シクロアルキル、C1〜6アルキルおよびフェニルより独立して選択される。別の態様では、式IVまたはVの化合物中のR1はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチルおよびフェニルより独立して選択される。別の態様では、式IVまたはVの化合物中のR1はシクロプロピルおよびシクロブチルより独立して選択される。
以下の非限定的な実施例は本出願を例示するものである。
実施例1
3,14-ジアセチルオキシモルホン
Figure 2014514339
予備加熱した油浴にオキシモルホン(3.20g; 10.63mmol)、無水酢酸(8.68g; 85.04mmol)およびトルエン(30mL)の懸濁液を80℃で入れた。15分攪拌後にすべての固体が溶解し、淡黄色溶液を80℃で1時間攪拌した後、室温で終夜攪拌した。過剰の無水物をトルエンとの共沸蒸留で除去し、混合物を濃厚スラリーに濃縮し、ジクロロメタンに溶解させた。この溶液を飽和NaHCO3(10mL)で洗浄し、水層をジクロロメタン(3x5mL)で抽出した。一緒にした有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。EtOH(12mL)およびMeOH(3mL)からの結晶化により生成物3.48gを得た。母液を濃縮し、クロマトグラフィーにかけた(溶離液EtOAc+10% MeOH)。収集した材料の結晶化によりさらなる生成物0.27gを得て、標記化合物の全収率は91%となった。
融点218〜220℃(EtOH); Rf 0.53(酢酸エチル+20%メタノール);
Figure 2014514339
実施例2
3,17-ジアセチル-ノルオキシモルホン
Figure 2014514339
3,14-ジアセチルオキシモルホン(実施例1、1.0g; 2.594mmol)、Pd(OAc)2(0.011g; 0.052mmol)およびジオキサン(10mL)の混合物を酸素雰囲気下80℃で2日間攪拌した。TLC分析が出発原料の消失を示した時点で、混合物を濃厚油状物に濃縮し、クロマトグラフィーカラム上に添加した。クロマトグラフィー(溶離液EtOAc+10% MeOH)により白色固体0.89g(92%)を標記化合物の1:4混合物として得た。融点235℃超(EtOH); Rf 0.32(酢酸エチル+10%メタノール;
Figure 2014514339
主要異性体:
Figure 2014514339
微量異性体:
Figure 2014514339
Figure 2014514339
実施例3
3,6,14-トリス(シクロプロピルカルボキシ)オキシモルホン
Figure 2014514339
オキシモルホン(1.56g; 5.19mmol)、シクロプロピルカルボン酸無水物(4.0g; 25.95mmol)およびトルエン(20mL)の懸濁液を80℃で160分間攪拌した。次にDABCOを1回で加え(1.16g; 10.38mmol)、得られた混合物を80℃で15時間攪拌した。この時間の後、変換は未完了であり、さらなる量の無水物(1.60g; 10.38mmol)を加え、混合物を80℃で5時間攪拌した。次に反応混合物を冷却し、減圧濃縮し、過剰の無水物を高真空除去した。混合物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、飽和NaHCO3(5mL)で洗浄し、水層をジクロロメタン(3x5mL)で抽出した。一緒にした有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(溶離液EtOAc→EtOAc+10% MeOH)により標記化合物2.37g(90%)を白色固体として得た。
また、この反応を溶媒としての酢酸エチル中、80℃でシクロプロピルカルボン酸クロリド(比較的安価)およびトリエチルアミンを使用して行うことで92%の標記化合物を得ることができた。
融点158〜160℃(EtOH); Rf 0.40(酢酸エチル:ヘキサン/1:1);
Figure 2014514339
実施例4
3,6,17-トリス(シクロプロピルカルボキシ)オキシモルホン
Figure 2014514339
3,6,14-トリス(シクロプロピルカルボキシ)オキシモルホン(1.0g; 1.98mmol)、Pd(OAc)2(0.009g; 0.004mmol)およびジオキサン(10mL)の混合物を酸素雰囲気下100℃で24時間攪拌した。5分攪拌後、濃厚Pdブラック析出物が観察された。出発原料が消失した時点で(TLC参照)、混合物を濃縮し、カラム上に添加した。カラムクロマトグラフィー(溶離液EtOAc)により標記化合物0.85g(87%)を、結晶化が容易なアミド異性体の混合物(1:4)として得た。融点130〜133℃(MeOH); Rf 0.46(酢酸エチル);
Figure 2014514339
N-脱メチル化/アシル化プロトコールをさらに詳細な調査に供した。隣接するC-14エステルからの分子内アシル移動を利用して、反応をさらなるシクロプロピルカルボン酸無水物の非存在下で行った。Pd(C)をジオキサン中、空気の存在下にて100℃で使用した際に、収率92%の標記化合物が得られた。DMF-水混合物(5:1)および触媒としてのPd(OAC)2中で、標記化合物の収率は100℃で23時間後に95%であった。Pd(C)をDMF-水混合物中で使用した際にはいくらか低い収率(85%、出発原料7〜8回収%)が得られた。
主要異性体:
Figure 2014514339
微量異性体:
Figure 2014514339
実施例5
ナルトレキソン
Figure 2014514339
窒素で徹底的に掃流した火炎乾燥フラスコにVitride(商標)(トルエン中65%溶液0.76g; 2.44mmol)を装入した。アミド3,6,17-トリス(シクロプロピルカルボキシ)オキシモルホン(0.20g; 0.407mmol)のTHF(2mL)溶液を30秒かけて加えた。発泡が停止した時点で、予備加熱した油浴に混合物を80℃で入れた。30分間還流後、混合物を冷却し、ロッシェル塩の冷溶液(2mL)、水(2mL)で反応停止させ、ジクロロメタン(3mL)で希釈した。有機層の抽出および分離後、飽和NH4Cl(0.5mL)を水層に加え、生成物をジクロロメタンで抽出した。NH4Cl溶液(0.5mL)の添加および抽出を3回繰り返した。一緒にした有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(溶離液EtOAc+20% MeOH)によりナルトレキソン0.13g(93%)を白色固体として得た。
Vitride(商標)は非常に好都合かつ安価な還元剤であり、その工業規模での使用は、水素化アルミニウムリチウムなどの他の比較的安全でない還元剤に比べて最適である。おそらくはC-14ヒドロキシルの隣接基補助、およびキレート化を通じた試薬送達を部分的に理由として、還元が非常に高速である。
融点159〜161℃(MeOH)、[文献融点174〜176℃(アセトン)]ix; Rf 0.42(酢酸エチル+20% MeOH);
Figure 2014514339
好ましい例であると本出願において考えられるものを参照して本出願を説明してきたが、開示される例に本出願が限定されないと理解すべきである。逆に、本出願は、添付の特許請求の範囲の真意および範囲内に含まれる様々な修正および等価な構成を包含するように意図されている。
すべての刊行物、特許および特許出願は、個々の刊行物、特許または特許出願が参照によりその全体が組み入れられるように具体的かつ個々に指示される場合と同程度に、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。本出願におけるある用語が、参照により本明細書に組み入れられるある文献において異なって定義されることがわかる場合、本明細書に示される定義がその用語の定義としての役割を果たすものとする。
本出願において言及される文献の完全な引用
Figure 2014514339

Claims (26)

  1. 以下の式Iの化合物の調製のための方法であって:
    Figure 2014514339
    (a) 以下の式IVの化合物を与える条件下で以下の式IIの化合物と以下の式IIIaまたはIIIbの化合物とを反応させる工程:
    Figure 2014514339
    ;
    (b) 以下の式Vの化合物を与える条件下で式IVの化合物と金属触媒とを酸化剤の存在下で反応させる工程:
    Figure 2014514339
    ; および
    (c) 式Iの化合物を与える条件下で式Vの化合物を還元剤で処理する工程
    を含み、
    式中、各R1がC3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキルおよびC6〜10アリールより選択され、かつ各LGが脱離基であり;
    式I、III、IVおよびVの化合物において、R1中の1個もしくは複数の利用可能な水素がFで置き換えられてもよく、かつ/またはR1中の1個もしくは複数の利用可能な原子が同位体標識で置き換えられてもよい、方法。
  2. R1がC3〜6シクロアルキル、C1〜6アルキルおよびフェニルより選択される、請求項1記載の方法。
  3. R1がシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチルおよびフェニルより選択される、請求項2記載の方法。
  4. R1がシクロプロピルおよびシクロブチルより選択され、かつ式Iの化合物がそれぞれナルトレキソンまたはナルブホンである、請求項3記載の方法。
  5. LGがハロまたはO-C(O)R1である、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  6. 式IVの化合物を与える条件が、式IIの化合物と式IIIの化合物とを不活性溶媒中、非求核性塩基の存在下、約0℃〜約400℃、約30℃〜約200℃、または約50℃〜約110℃の温度で、および約0.5時間〜約48時間、または約1時間〜約24時間の反応時間、化合させることを含む、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
  7. 金属触媒が、パラジウム錯体、白金錯体(例えばPtCl2およびK2PtCl4)、ルテニウム錯体(例えばRu/C、RuCl3xH2O、RuCl2(PPh3)3、RuO2および過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム)、鉄錯体(例えばFeCl2、FeSO4、およびFe2(CO)9のような鉄カルボニル)、タングステン錯体(例えばNa2WO4)、バナジウム錯体(例えばVO(acac)2)、銅錯体、金錯体ならびに銀錯体を含む触媒である、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. パラジウム触媒がPd(0)もしくはPd(II)触媒である、請求項7記載の方法。
  9. Pd(0)もしくはPd(II)触媒がPd(OAc)2、Pd(acac)2、PdブラックまたはPd-ペロブスカイトであり、かつ前記Pd触媒が固体支持体に担持されていても封入形態であってもよい、請求項8記載の方法。
  10. 金属触媒が約0.1mol%〜約20mol%、約1mol%〜約15mol%、または約5mol%〜約10mol%の量で使用される、請求項7〜9のいずれか一項記載の方法。
  11. 酸化剤が空気またはO2ガスである、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
  12. 酸化剤が有機もしくは無機過酸化物である、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
  13. 式Vの化合物を与える条件が、不活性溶媒、溶媒および/または水溶液の混合物; 約10℃〜約400℃、約50℃〜約200℃、または約75℃〜約125℃の温度; ならびに約0.5時間〜約64時間、約1時間〜約48時間、または約5時間〜約30時間の反応時間を含む、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
  14. (b)が助触媒の存在下で行われる、請求項1〜13のいずれか一項記載の方法。
  15. 助触媒が銅塩またはセリウム塩である、請求項14記載の方法。
  16. 還元剤が金属水素化物還元剤である、請求項1〜15のいずれか一項記載の方法。
  17. 金属水素化物還元剤が水素化アルミニウムリチウムまたは水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである、請求項16記載の方法。
  18. 式Iの化合物を与える条件が、約0℃〜約400℃、約20℃〜約200℃、または約50℃〜約100℃の温度で、および約1分〜約24時間、約10分〜約12時間、または約15分〜約1時間の時間の不活性溶媒または溶媒混合物を含む、請求項16または17記載の方法。
  19. 以下の式IVまたはVの化合物:
    Figure 2014514339
    式中、R1はC3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキルおよびC6〜10アリールより独立して選択される。
  20. 式IVまたはVの化合物中のR1がC3〜6シクロアルキル、C1〜6アルキルおよびフェニルより独立して選択される、請求項19記載の化合物。
  21. 式IVまたはVの化合物中のR1がシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチルおよびフェニルより独立して選択される、請求項20記載の化合物。
  22. 式IVまたはVの化合物中のR1がシクロプロピルおよびシクロブチルより独立して選択される、請求項21記載の化合物。
  23. 以下の式VIの化合物の調製のための方法であって:
    Figure 2014514339
    式中、
    XはC(O)R2、S(O)R2、SO2R2、P(O)R2R2'、P(O)(OR2)R2'およびP(O)(OR2)(OR2')より選択され;
    R2およびR2'はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C3〜10シクロアルケニル、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより独立して選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
    Figure 2014514339
    は単結合または二重結合を表すが、但し2個の二重結合は互いに隣接せず;かつ
    R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択されるが、但し
    Figure 2014514339
    が=Oを表す場合、R4は存在せず;
    (a) 式IXの化合物を与える条件下で式VIIの化合物と式VIII(a)またはVIII(b)の化合物とを反応させる工程:
    Figure 2014514339
    式中、LG1は脱離基であり;
    XはC(O)R2、S(O)R2、SO2R2、P(O)R2R2'、P(O)(OR2)R2'およびP(O)(OR2)(OR2')より選択され;
    R2およびR2'はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C3〜10シクロアルケニル、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより独立して選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
    Figure 2014514339
    は単結合または二重結合を表すが、但し2個の二重結合は互いに隣接せず;かつ
    R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択されるが、但し
    Figure 2014514339
    が=Oを表す場合、R4は存在しない; ならびに
    (b) 式VIの化合物を与える条件下で式IXの化合物と金属触媒とを酸化剤の存在下で反応させる工程
    を含み、
    式VI、VII、VIIIおよびIXの化合物において、R2、R2'、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な水素がFで置き換えられてもよく、かつ/またはR2、R2'、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な原子が同位体標識で置き換えられてもよい、方法。
  24. 以下の式Xの化合物の調製のための方法であって:
    Figure 2014514339
    式中、
    Figure 2014514339
    は単結合または二重結合を表すが、但し2個の二重結合は互いに隣接せず;
    R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択されるが、但し
    Figure 2014514339
    が=Oを表す場合、R4は存在せず;かつ
    R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な水素はFで置き換えられてもよく、かつ/またはR3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な原子は同位体標識で置き換えられてもよく、
    請求項23に記載の式VIの化合物のN-17からC(O)R2基を酸加水分解または塩基加水分解によって除去する工程を含む、方法。
  25. 請求項24に記載の式Xの化合物のN-アルキル化類似体の調製のための方法であって、N-17第二級アミンをアルキル化試薬でアルキル化する工程を含む、方法。
  26. 以下の式XI(a)、XI(b)またはXI(c)の化合物の調製のための方法であって:
    Figure 2014514339
    式中、
    R2''はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C1〜10アルキル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
    R3'およびR4'はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択され;かつ
    R2''、R3'およびR4'中の1個もしくは複数の利用可能な水素はFで置き換えられてもよく、かつ/またはR2''、R3'およびR4'中の1個もしくは複数の利用可能な原子は同位体標識で置き換えられてもよく、
    式XI(a)、XI(b)またはXI(c)の化合物を与える条件下で以下の式VI(a)、VI(b)またはVI(c)の化合物をそれぞれ還元剤で処理する工程を含み:
    Figure 2014514339
    式中、
    XはC(O)R2であり、
    R2はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C3〜10シクロアルケニル、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
    Figure 2014514339
    は単結合または二重結合を表し;
    R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択され、かつ
    R2、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な水素はFで置き換えられてもよく、かつ/またはR2、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な原子は同位体標識で置き換えられてもよく、
    ここで、PGが、還元剤によって除去される保護基である場合、R3およびR4がHであり、かつ式XI(c)の化合物がケトン体に変換される、方法。
JP2014508659A 2011-05-06 2012-05-04 金属触媒n−脱メチル化/官能基化および分子内基移動によるモルヒネ類似体の調製のための方法 Expired - Fee Related JP6121988B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201161483264P 2011-05-06 2011-05-06
US61/483,264 2011-05-06
PCT/CA2012/000424 WO2012151669A1 (en) 2011-05-06 2012-05-04 Process for the preparation of morphine analogs via metal catalyzed n-demethylation/functionalization and intramolecular group transfer

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014514339A true JP2014514339A (ja) 2014-06-19
JP6121988B2 JP6121988B2 (ja) 2017-04-26

Family

ID=47090667

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014508659A Expired - Fee Related JP6121988B2 (ja) 2011-05-06 2012-05-04 金属触媒n−脱メチル化/官能基化および分子内基移動によるモルヒネ類似体の調製のための方法

Country Status (11)

Country Link
US (3) US8946214B2 (ja)
EP (1) EP2705040B1 (ja)
JP (1) JP6121988B2 (ja)
KR (1) KR20140047609A (ja)
CN (1) CN103619847A (ja)
AU (1) AU2012253188B2 (ja)
BR (1) BR112013028467A2 (ja)
CA (1) CA2833282C (ja)
ES (1) ES2613403T3 (ja)
WO (1) WO2012151669A1 (ja)
ZA (1) ZA201309209B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021514971A (ja) * 2018-02-23 2021-06-17 ロデス テクノロジーズ 新規オピオイド化合物及びその使用

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2613403T3 (es) 2011-05-06 2017-05-24 Brock University Proceso de preparación de análogos de la morfina mediante N-desmetilación/funcionalización catalizada por metal y transferencia de grupo intramolecular
WO2017184979A1 (en) 2016-04-22 2017-10-26 Noramco, Inc. N-demethylation of morphinan alkaloids
ES2701855T3 (es) * 2016-05-31 2019-02-26 Alcaliber Investig Desarrollo E Innovacion Slu Proceso para la obtención de 3,14-diacetiloximorfona a partir de oripavina

Citations (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB975601A (en) * 1961-11-28 1964-11-18 Edinburgh Pharmaceutical Ind L Derivatives of 14-hydroxynorcodeine and their production
CA913077A (en) * 1972-10-24 J. Pachter Irwin Process of preparing n-substituted 14-hydroxydihydronormorphines
US3872127A (en) * 1972-08-07 1975-03-18 Boehringer Sohn Ingelheim N-(furyl- or thienyl-methyl)-14-oxy-7,8-dihydro-normorphinones and -norcodeinones and salts thereof
JPS549300A (en) * 1977-06-21 1979-01-24 Warner Lambert Co Method of preparing hydroxynormorphin compound
US4161597A (en) * 1976-12-20 1979-07-17 Research Corporation N-alkyl-14-hydroxymorphinans and derivatives
US4472253A (en) * 1981-08-17 1984-09-18 The Florida Board Of Regents On Behalf Of The Florida State University Process for the preparation of an N-substituted 3-O-alkyl-14-hydroxynormorphinone derivative
EP0164290A1 (fr) * 1984-05-25 1985-12-11 Sanofi S.A. Procédé de déalkylation d'alcaloides et intermédiaires
JPH04504861A (ja) * 1989-10-16 1992-08-27 アメリカ合衆国 N―ノル中間体を介するノルテバイン、ノルモルフィン、ノルオキシモルフォン鏡像異性体の全合成
WO2007137785A2 (en) * 2006-05-25 2007-12-06 Alpharma (Bermuda) Investments Ltd Process useful in the preparation of morphinan antagonists
US20090156820A1 (en) * 2007-12-17 2009-06-18 Wang Peter X Processes for the production of (+)- "NAL" morphinan compounds
JP2010531814A (ja) * 2007-06-29 2010-09-30 ブロック ユニバーシティ モルヒネ及びトロパンアルカロイドのn−脱メチル化方法
JP2010531812A (ja) * 2007-06-29 2010-09-30 ブロック ユニバーシティ モルヒネ及びトロパンアルカロイドのワンポットn−脱メチル化及びn−アシル化のための方法
WO2010121369A1 (en) * 2009-04-24 2010-10-28 Brock University Processes for the preparation of morphinane and morphinone compounds
CN101955484A (zh) * 2010-06-26 2011-01-26 甘肃普安制药有限公司 一种纳洛酮或者纳曲酮的合成方法
WO2011032214A1 (en) * 2009-09-16 2011-03-24 Monash University A method for the n-demethylation of n-methyl heterocycles

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4613668A (en) 1983-12-22 1986-09-23 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Short total synthesis or morphinan compounds which uses cyclization of a cycloalkylcarbonyl compound selected from cyclopropylcarbonyl and cyclobutylcarbonyl
US5668285A (en) 1986-10-31 1997-09-16 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Total synthesis of northebaine, normophine, noroxymorphone enantiomers and derivatives via N-Nor intermediates
GB9616253D0 (en) 1996-08-01 1996-09-11 Johnson Matthey Plc Preparation of narcotic analgesics
GB9622516D0 (en) 1996-10-29 1997-01-08 Univ Cambridge Tech Enzymic cofactor cycling
EP1100527A2 (en) 1998-06-01 2001-05-23 University Of Maryland Biotechnology Institute Receptor ligand antagonist complexes and their use in treating or preventing receptor mediated diseases
CA2674424C (en) 1999-11-09 2012-10-02 Abbott Laboratories Hydromorphinone and hydrocodeinone compositions and methods for their synthesis
AUPQ968300A0 (en) 2000-08-25 2000-09-21 Glaxo Wellcome Australia Ltd Chemical methods
JP2007528837A (ja) 2002-11-11 2007-10-18 マリンクロッド・インコーポレイテッド ヒドロコドンおよびヒドロモルフォンの触媒的製造方法
US7323565B2 (en) 2002-11-11 2008-01-29 Mallinckrodt Inc. Method for the catalytic production of hydrocodone and hydromorphone
HUE034668T2 (hu) 2003-09-22 2018-02-28 Glaxosmithkline Australia Pty Ltd Eljárás morfinán-származékok szintézisére és azok intermedierjei
JP2008538746A (ja) 2005-03-28 2008-11-06 マリンクロッド・インコーポレイテッド ヒドロコドン、ヒドロモルホンおよびその誘導体の触媒的製造方法
CA2674915C (en) 2006-10-17 2015-06-30 Penick Corporation Process for preparing oxymorphone
DK2073636T3 (da) 2006-10-17 2012-11-19 Penick Corp Fremgangsmåde til fremstilling af oxymorphon
US20080125592A1 (en) 2006-10-17 2008-05-29 Penick Corporation Process for preparing oxymorphone, naltrexone, and buprenorphine
GB0624880D0 (en) 2006-12-14 2007-01-24 Johnson Matthey Plc Improved method for making analgesics
EP2125824B2 (en) 2007-03-23 2023-11-15 Mallinckrodt LLC Improved preparation of oxymorphone from oripavine
US8962841B2 (en) 2007-06-29 2015-02-24 Brock University Methods for one-pot N-demethylation/N-functionalization of morphine and tropane alkaloids
ES2613403T3 (es) 2011-05-06 2017-05-24 Brock University Proceso de preparación de análogos de la morfina mediante N-desmetilación/funcionalización catalizada por metal y transferencia de grupo intramolecular

Patent Citations (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA913077A (en) * 1972-10-24 J. Pachter Irwin Process of preparing n-substituted 14-hydroxydihydronormorphines
GB975601A (en) * 1961-11-28 1964-11-18 Edinburgh Pharmaceutical Ind L Derivatives of 14-hydroxynorcodeine and their production
US3872127A (en) * 1972-08-07 1975-03-18 Boehringer Sohn Ingelheim N-(furyl- or thienyl-methyl)-14-oxy-7,8-dihydro-normorphinones and -norcodeinones and salts thereof
US4161597A (en) * 1976-12-20 1979-07-17 Research Corporation N-alkyl-14-hydroxymorphinans and derivatives
JPS549300A (en) * 1977-06-21 1979-01-24 Warner Lambert Co Method of preparing hydroxynormorphin compound
US4472253A (en) * 1981-08-17 1984-09-18 The Florida Board Of Regents On Behalf Of The Florida State University Process for the preparation of an N-substituted 3-O-alkyl-14-hydroxynormorphinone derivative
EP0164290A1 (fr) * 1984-05-25 1985-12-11 Sanofi S.A. Procédé de déalkylation d'alcaloides et intermédiaires
JPH04504861A (ja) * 1989-10-16 1992-08-27 アメリカ合衆国 N―ノル中間体を介するノルテバイン、ノルモルフィン、ノルオキシモルフォン鏡像異性体の全合成
WO2007137785A2 (en) * 2006-05-25 2007-12-06 Alpharma (Bermuda) Investments Ltd Process useful in the preparation of morphinan antagonists
JP2010531814A (ja) * 2007-06-29 2010-09-30 ブロック ユニバーシティ モルヒネ及びトロパンアルカロイドのn−脱メチル化方法
JP2010531812A (ja) * 2007-06-29 2010-09-30 ブロック ユニバーシティ モルヒネ及びトロパンアルカロイドのワンポットn−脱メチル化及びn−アシル化のための方法
US20090156820A1 (en) * 2007-12-17 2009-06-18 Wang Peter X Processes for the production of (+)- "NAL" morphinan compounds
WO2010121369A1 (en) * 2009-04-24 2010-10-28 Brock University Processes for the preparation of morphinane and morphinone compounds
WO2011032214A1 (en) * 2009-09-16 2011-03-24 Monash University A method for the n-demethylation of n-methyl heterocycles
CN101955484A (zh) * 2010-06-26 2011-01-26 甘肃普安制药有限公司 一种纳洛酮或者纳曲酮的合成方法

Non-Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
HELVETICA CHIMICA ACTA, vol. 76(6), JPN6015044379, 1993, pages 2274 - 2278, ISSN: 0003488058 *
HERMUT SCHMIDHAMMER ET AL: "5-methylnaioxone and 5-methylnaltrexone: synthesis and pharmacological evaluation", HELVETICA CHIMICA ACTA, vol. 73(7), JPN6015044370, 1990, pages 1986 - 1990, ISSN: 0003189052 *
HOSZTAFI S ET AL: "Morphine alkaloids, part 114. A stereohomogeneous synthesis of N-demethyl-N-substituted-14-hydroxydi", MONATSHEFTE FUR CHEMI, vol. 123(5), JPN6015044362, 1992, pages 435 - 441, ISSN: 0003189050 *
IN 2909/MUM/2009, JPN6015044367, ISSN: 0003189051 *
JOURNAL OF MEDICINAL CHEMISTRY, vol. 24(12), JPN6015044376, 1981, pages 1525 - 1528, ISSN: 0003488057 *
RIPPER, J. A. ET AL: "Photochemical N-demethylation of alkaloids", BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY LETTERS, vol. 11(4), JPN7015003068, 2001, pages 443 - 445, ISSN: 0003189053 *
SEKI, ISAO: "14-Hydroxydihydronormorphinone", 高峰研究所年報, vol. 12, JPN6015044359, 1960, pages 56 - 62, ISSN: 0003189049 *

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021514971A (ja) * 2018-02-23 2021-06-17 ロデス テクノロジーズ 新規オピオイド化合物及びその使用
JP7284764B2 (ja) 2018-02-23 2023-05-31 ロデス テクノロジーズ 新規オピオイド化合物及びその使用
US11845759B2 (en) 2018-02-23 2023-12-19 Rhodes Technologies Opioid compounds and uses thereof

Also Published As

Publication number Publication date
US9108967B2 (en) 2015-08-18
CA2833282C (en) 2020-06-30
CN103619847A (zh) 2014-03-05
ZA201309209B (en) 2014-10-29
EP2705040B1 (en) 2016-12-07
US20150094471A1 (en) 2015-04-02
AU2012253188A1 (en) 2013-12-05
US20150336971A1 (en) 2015-11-26
EP2705040A4 (en) 2015-03-11
EP2705040A1 (en) 2014-03-12
AU2012253188B2 (en) 2016-12-22
KR20140047609A (ko) 2014-04-22
US20120283444A1 (en) 2012-11-08
WO2012151669A1 (en) 2012-11-15
ES2613403T3 (es) 2017-05-24
BR112013028467A2 (pt) 2016-08-16
US9533993B2 (en) 2017-01-03
US8946214B2 (en) 2015-02-03
CA2833282A1 (en) 2012-11-15
JP6121988B2 (ja) 2017-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2152715B1 (en) Improved process for the preparation of 6-alpha-hydroxy-n-alkylated opiates
Tschaen et al. Asymmetric synthesis of MK-0499
White et al. Synthetic studies of the pyrroloquinoline nucleus of the makaluvamine alkaloids. Synthesis of the topoisomerase II inhibitor makaluvamine D
EP1866308B1 (en) Preparation of a high purity substituted quinoxaline
US8853401B2 (en) Processes for the preparation of morphinane and morphinone compounds
JP6046119B2 (ja) 脱水環化試薬を使用するn−オキシドのn−脱メチル化によるモルヒネ類似体の調製における方法および中間体
JP5370865B2 (ja) モルヒネ及びトロパンアルカロイドのn−脱メチル化方法
JP6121988B2 (ja) 金属触媒n−脱メチル化/官能基化および分子内基移動によるモルヒネ類似体の調製のための方法
US8236957B2 (en) Process for making morphinan-6α-ols
EP3024834B1 (en) Preparation of saturated ketone morphinan compounds by catalytic isomerisation
KR20040020457A (ko) 3-{2-[4-(6-플루오로벤조[d]이속사졸-3-일)피페리디노]에틸}-2-메틸-6,7,8,9-테트라하이드로-4H-피리도[1,2-a]피리미딘-4-온 또는 그 산부가염의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150225

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150317

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160728

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160923

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170201

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170302

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170330

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6121988

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees