JP2014514339A - 金属触媒n−脱メチル化/官能基化および分子内基移動によるモルヒネ類似体の調製のための方法 - Google Patents
金属触媒n−脱メチル化/官能基化および分子内基移動によるモルヒネ類似体の調製のための方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
本出願は、2011年5月6日出願の同時係属中の米国仮出願第61/483,264号の優先権の恩典を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
本出願は、特にナルトレキソン、ナロキソンおよびナルブホンなどの様々なモルヒネ類似体の調製のための、オキシモルホンなどのC-14ヒドロキシル化モルヒネアルカロイドの効率的なN-脱メチル化/官能基化/還元の順序に関する。
医学において現在使用されているすべてのオピエート由来鎮痛薬および様々なアンタゴニストまたは混合アゴニストの合成は、ケシ乳液から単離される天然アルカロイドを起源とする。スキーム1に示すモルヒネならびにその同属種コデイン、テバインおよびオリパビンが最も一般的に使用されている。
オリパビンまたはテバインからのオキシモルホンの合成が工業規模で効率的に進行する可能性が高いようであることから、本出願は、オキシモルホンなどのC-14ヒドロキシモルホンアルカロイドからナルトレキソン、ナロキソンおよびナルブホンなどの様々なモルヒネ類似体への直接的な効率的変換に関する。例えば、オキシモルホンを3つの化学的工程および全収率75%でナルトレキソンに変換した。この方法の特徴は、金属触媒N-脱メチル化に続くC-14ヒドロキシルから窒素原子への分子内アシル移動を包含する。本方法の一態様では、次にシクロプロピルカルボキサミドをC-3およびC-6におけるエステル保護基と共に還元した。
(a) 式IVの化合物を与える条件下で式IIの化合物と式IIIaまたはIIIbの化合物とを反応させる工程:
;
(b) 式Vの化合物を与える条件下で式IVの化合物と金属触媒とを酸化剤の存在下で反応させる工程:
; および
(c) 式Iの化合物を与える条件下で式Vの化合物を還元剤で処理する工程を含み、
各R1がC3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキルおよびC6〜10アリールより選択され、LGが脱離基であり;
式I、III、IVおよびVの化合物において、R1中の1個もしくは複数の利用可能な水素がFで置き換えられてもよく、かつ/またはR1中の1個もしくは複数の利用可能な原子が同位体標識で置き換えられてもよい、方法を含む。
式中、
XはC(O)R2、S(O)R2、SO2R2、P(O)R2R2'、P(O)(OR2)R2'およびP(O)(OR2)(OR2')より選択され;
R2およびR2'はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C3〜10シクロアルケニル、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより独立して選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
は単結合または二重結合を表すが、但し2個の二重結合は互いに隣接せず;
R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択されるが、但し
が=Oを表す場合、R4は存在せず;
(a) 式IXの化合物を与える条件下で式VIIの化合物と式VIII(a)またはVIII(b)の化合物とを反応させる工程:
式中、LG1は脱離基であり;
XはC(O)R2、S(O)R2、SO2R2、P(O)R2R2'、P(O)(OR2)R2'およびP(O)(OR2)(OR2')より選択され;
R2およびR2'はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C3〜10シクロアルケニル、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより独立して選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
は単結合または二重結合を表すが、但し2個の二重結合は互いに隣接せず;
R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択されるが、但し
が=Oを表す場合、R4は存在しない; ならびに
(b) 式VIの化合物を与える条件下で式IXの化合物と金属触媒とを酸化剤の存在下で反応させる工程を含み、
式VI、VII、VIIIおよびIXの化合物において、R2、R2'、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な水素がFで置き換えられてもよく、かつ/またはR2、R2'、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な原子が同位体標識で置き換えられてもよい、方法を含む。
式中、
XはC(O)R2、S(O)R2、SO2R2、P(O)R2R2'、P(O)(OR2)R2'およびP(O)(OR2)(OR2')より選択され;
R2およびR2'はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C3〜10シクロアルケニル、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより独立して選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
は単結合または二重結合を表し;
R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択され、
R2、R2'、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な水素はFで置き換えられてもよく、かつ/またはR2、R2'、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な原子は同位体標識で置き換えられてもよい。
式中、
は単結合または二重結合を表すが、但し2個の二重結合は互いに隣接せず;
R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択されるが、但し
が=Oを表す場合、R4は存在せず;
R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な水素はFで置き換えられてもよく、かつ/またはR3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な原子は同位体標識で置き換えられてもよい。次にN-17第二級アミンを任意の数のアルキル化試薬で選択的にアルキル化することで、この位置において種々の置換基を与えることができる。本方法は、この場所における異なる基の構造活性関係を調査するために特に有用である。一態様では、式Xの化合物のN-17第二級アミンをシクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基またはアリル基で選択的にアルキル化する。
式中、
R2''はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C1〜10アルキル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
R3'およびR4'はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択され;
R2''、R3'およびR4'中の1個もしくは複数の利用可能な水素はFで置き換えられてもよく、かつ/またはR2''、R3'およびR4'中の1個もしくは複数の利用可能な原子は同位体標識で置き換えられてもよく、
PGが、還元剤によって除去される保護基である場合、R3'およびR4'はHであり、式XI(c)の化合物はケトン体に変換される。
I. 定義
当業者が理解するように、別途指示しない限り、この節および他の節に記載の定義および態様は、それらが好適である本明細書に記載の本出願のすべての態様および局面に適用可能であるように意図されている。
本出願は、式Iの化合物の調製のための方法であって:
(a) 式IVの化合物を与える条件下で式IIの化合物と式IIIaまたはIIIbの化合物とを反応させる工程:
;
(b) 式Vの化合物を与える条件下で式IVの化合物と金属触媒とを空気中および/または酸化剤の存在下で反応させる工程:
; ならびに
(c) 式Iの化合物を与える条件下で式Vの化合物を還元剤で処理する工程を含み、
各R1がC3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキルおよびC6〜10アリールより選択され、各LGが脱離基であり;
式I、III、IVおよびVの化合物において、R1中の1個もしくは複数の利用可能な水素がFで置き換えられてもよく、かつ/またはR1中の1個もしくは複数の利用可能な原子が同位体標識で置き換えられてもよい、方法を含む。
式中、
XはC(O)R2、S(O)R2、SO2R2、P(O)R2R2'、P(O)(OR2)R2'およびP(O)(OR2)(OR2')より選択され;
R2およびR2'はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C3〜10シクロアルケニル、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより独立して選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
は単結合または二重結合を表すが、但し2個の二重結合は互いに隣接せず;
R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択されるが、但し
が=Oを表す場合、R4は存在せず;
(a) 式IXの化合物を与える条件下で式VIIの化合物と式VIII(a)またはVIII(b)の化合物とを反応させる工程:
式中、LG1は脱離基であり;
XはC(O)R2、S(O)R2、SO2R2、P(O)R2R2'、P(O)(OR2)R2'およびP(O)(OR2)(OR2')より選択され;
R2およびR2'はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C3〜10シクロアルケニル、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより独立して選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
は単結合または二重結合を表すが、但し2個の二重結合は互いに隣接せず;
R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択されるが、但し
が=Oを表す場合、R4は存在しない; ならびに
(b) 式VIの化合物を与える条件下で式IXの化合物と金属触媒とを酸化剤の存在下で反応させる工程を含み、
式VI、VII、VIIIおよびIXの化合物において、R2、R2'、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な水素がFで置き換えられてもよく、かつ/またはR2、R2'、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な原子が同位体標識で置き換えられてもよい、方法を含む。
が=Oを表す場合、R4は存在しない。一態様では、PGは、それを式VIの化合物の調製の間には除去または改変しないが本方法の完了時点で式VIの化合物から除去することができる反応条件に適合する基である。好適なPGの例としてはアシル、アルコキシカルボニル、Bn、メトキシメチル(MOM)、アルキルカーボネートおよびアリールカーボネートが挙げられるがそれに限定されない。
式中、
XはC(O)R2、S(O)R2、SO2R2、P(O)R2R2'、P(O)(OR2)R2'およびP(O)(OR2)(OR2')より選択され;
R2およびR2'はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C3〜10シクロアルケニル、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより独立して選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
は単結合または二重結合を表し;
R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択され、
R2、R2'、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な水素はFで置き換えられてもよく、かつ/またはR2、R2'、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な原子は同位体標識で置き換えられてもよい。
式中、
は単結合または二重結合を表すが、但し2個の二重結合は互いに隣接せず;
R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択されるが、但し
が=Oを表す場合、R4は存在せず;
R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な水素はFで置き換えられてもよく、かつ/またはR3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な原子は同位体標識で置き換えられてもよい。次にN-17第二級アミンを任意の数のアルキル化試薬で選択的にアルキル化することで、この位置において種々の置換基を与えることができる。本方法は、この場所における異なる基の構造活性関係を調査するために特に有用である。一態様では、式Xの化合物のN-17第二級アミンをシクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基またはアリル基で選択的にアルキル化する。
式中、
R2''はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C1〜10アルキル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
R3'およびR4'はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択され;
R2''、R3'およびR4'中の1個もしくは複数の利用可能な水素はFで置き換えられてもよく、かつ/またはR2''、R3'およびR4'中の1個もしくは複数の利用可能な原子は同位体標識で置き換えられてもよく、
PGが、還元剤によって除去される保護基である場合、R3'およびR4'はHであり、式XI(c)の化合物はケトン体に変換される。
本出願はまた、式Iの化合物の調製に有用な、式IVおよびVの化合物を含む。
3,14-ジアセチルオキシモルホン
予備加熱した油浴にオキシモルホン(3.20g; 10.63mmol)、無水酢酸(8.68g; 85.04mmol)およびトルエン(30mL)の懸濁液を80℃で入れた。15分攪拌後にすべての固体が溶解し、淡黄色溶液を80℃で1時間攪拌した後、室温で終夜攪拌した。過剰の無水物をトルエンとの共沸蒸留で除去し、混合物を濃厚スラリーに濃縮し、ジクロロメタンに溶解させた。この溶液を飽和NaHCO3(10mL)で洗浄し、水層をジクロロメタン(3x5mL)で抽出した。一緒にした有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。EtOH(12mL)およびMeOH(3mL)からの結晶化により生成物3.48gを得た。母液を濃縮し、クロマトグラフィーにかけた(溶離液EtOAc+10% MeOH)。収集した材料の結晶化によりさらなる生成物0.27gを得て、標記化合物の全収率は91%となった。
融点218〜220℃(EtOH); Rf 0.53(酢酸エチル+20%メタノール);
3,17-ジアセチル-ノルオキシモルホン
3,14-ジアセチルオキシモルホン(実施例1、1.0g; 2.594mmol)、Pd(OAc)2(0.011g; 0.052mmol)およびジオキサン(10mL)の混合物を酸素雰囲気下80℃で2日間攪拌した。TLC分析が出発原料の消失を示した時点で、混合物を濃厚油状物に濃縮し、クロマトグラフィーカラム上に添加した。クロマトグラフィー(溶離液EtOAc+10% MeOH)により白色固体0.89g(92%)を標記化合物の1:4混合物として得た。融点235℃超(EtOH); Rf 0.32(酢酸エチル+10%メタノール;
主要異性体:
微量異性体:
3,6,14-トリス(シクロプロピルカルボキシ)オキシモルホン
オキシモルホン(1.56g; 5.19mmol)、シクロプロピルカルボン酸無水物(4.0g; 25.95mmol)およびトルエン(20mL)の懸濁液を80℃で160分間攪拌した。次にDABCOを1回で加え(1.16g; 10.38mmol)、得られた混合物を80℃で15時間攪拌した。この時間の後、変換は未完了であり、さらなる量の無水物(1.60g; 10.38mmol)を加え、混合物を80℃で5時間攪拌した。次に反応混合物を冷却し、減圧濃縮し、過剰の無水物を高真空除去した。混合物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、飽和NaHCO3(5mL)で洗浄し、水層をジクロロメタン(3x5mL)で抽出した。一緒にした有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(溶離液EtOAc→EtOAc+10% MeOH)により標記化合物2.37g(90%)を白色固体として得た。
融点158〜160℃(EtOH); Rf 0.40(酢酸エチル:ヘキサン/1:1);
3,6,17-トリス(シクロプロピルカルボキシ)オキシモルホン
3,6,14-トリス(シクロプロピルカルボキシ)オキシモルホン(1.0g; 1.98mmol)、Pd(OAc)2(0.009g; 0.004mmol)およびジオキサン(10mL)の混合物を酸素雰囲気下100℃で24時間攪拌した。5分攪拌後、濃厚Pdブラック析出物が観察された。出発原料が消失した時点で(TLC参照)、混合物を濃縮し、カラム上に添加した。カラムクロマトグラフィー(溶離液EtOAc)により標記化合物0.85g(87%)を、結晶化が容易なアミド異性体の混合物(1:4)として得た。融点130〜133℃(MeOH); Rf 0.46(酢酸エチル);
主要異性体:
微量異性体:
ナルトレキソン
窒素で徹底的に掃流した火炎乾燥フラスコにVitride(商標)(トルエン中65%溶液0.76g; 2.44mmol)を装入した。アミド3,6,17-トリス(シクロプロピルカルボキシ)オキシモルホン(0.20g; 0.407mmol)のTHF(2mL)溶液を30秒かけて加えた。発泡が停止した時点で、予備加熱した油浴に混合物を80℃で入れた。30分間還流後、混合物を冷却し、ロッシェル塩の冷溶液(2mL)、水(2mL)で反応停止させ、ジクロロメタン(3mL)で希釈した。有機層の抽出および分離後、飽和NH4Cl(0.5mL)を水層に加え、生成物をジクロロメタンで抽出した。NH4Cl溶液(0.5mL)の添加および抽出を3回繰り返した。一緒にした有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(溶離液EtOAc+20% MeOH)によりナルトレキソン0.13g(93%)を白色固体として得た。
融点159〜161℃(MeOH)、[文献融点174〜176℃(アセトン)]ix; Rf 0.42(酢酸エチル+20% MeOH);
Claims (26)
- 以下の式Iの化合物の調製のための方法であって:
(a) 以下の式IVの化合物を与える条件下で以下の式IIの化合物と以下の式IIIaまたはIIIbの化合物とを反応させる工程:
;
(b) 以下の式Vの化合物を与える条件下で式IVの化合物と金属触媒とを酸化剤の存在下で反応させる工程:
; および
(c) 式Iの化合物を与える条件下で式Vの化合物を還元剤で処理する工程
を含み、
式中、各R1がC3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキルおよびC6〜10アリールより選択され、かつ各LGが脱離基であり;
式I、III、IVおよびVの化合物において、R1中の1個もしくは複数の利用可能な水素がFで置き換えられてもよく、かつ/またはR1中の1個もしくは複数の利用可能な原子が同位体標識で置き換えられてもよい、方法。 - R1がC3〜6シクロアルキル、C1〜6アルキルおよびフェニルより選択される、請求項1記載の方法。
- R1がシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチルおよびフェニルより選択される、請求項2記載の方法。
- R1がシクロプロピルおよびシクロブチルより選択され、かつ式Iの化合物がそれぞれナルトレキソンまたはナルブホンである、請求項3記載の方法。
- LGがハロまたはO-C(O)R1である、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
- 式IVの化合物を与える条件が、式IIの化合物と式IIIの化合物とを不活性溶媒中、非求核性塩基の存在下、約0℃〜約400℃、約30℃〜約200℃、または約50℃〜約110℃の温度で、および約0.5時間〜約48時間、または約1時間〜約24時間の反応時間、化合させることを含む、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
- 金属触媒が、パラジウム錯体、白金錯体(例えばPtCl2およびK2PtCl4)、ルテニウム錯体(例えばRu/C、RuCl3xH2O、RuCl2(PPh3)3、RuO2および過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム)、鉄錯体(例えばFeCl2、FeSO4、およびFe2(CO)9のような鉄カルボニル)、タングステン錯体(例えばNa2WO4)、バナジウム錯体(例えばVO(acac)2)、銅錯体、金錯体ならびに銀錯体を含む触媒である、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
- パラジウム触媒がPd(0)もしくはPd(II)触媒である、請求項7記載の方法。
- Pd(0)もしくはPd(II)触媒がPd(OAc)2、Pd(acac)2、PdブラックまたはPd-ペロブスカイトであり、かつ前記Pd触媒が固体支持体に担持されていても封入形態であってもよい、請求項8記載の方法。
- 金属触媒が約0.1mol%〜約20mol%、約1mol%〜約15mol%、または約5mol%〜約10mol%の量で使用される、請求項7〜9のいずれか一項記載の方法。
- 酸化剤が空気またはO2ガスである、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
- 酸化剤が有機もしくは無機過酸化物である、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
- 式Vの化合物を与える条件が、不活性溶媒、溶媒および/または水溶液の混合物; 約10℃〜約400℃、約50℃〜約200℃、または約75℃〜約125℃の温度; ならびに約0.5時間〜約64時間、約1時間〜約48時間、または約5時間〜約30時間の反応時間を含む、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
- (b)が助触媒の存在下で行われる、請求項1〜13のいずれか一項記載の方法。
- 助触媒が銅塩またはセリウム塩である、請求項14記載の方法。
- 還元剤が金属水素化物還元剤である、請求項1〜15のいずれか一項記載の方法。
- 金属水素化物還元剤が水素化アルミニウムリチウムまたは水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである、請求項16記載の方法。
- 式Iの化合物を与える条件が、約0℃〜約400℃、約20℃〜約200℃、または約50℃〜約100℃の温度で、および約1分〜約24時間、約10分〜約12時間、または約15分〜約1時間の時間の不活性溶媒または溶媒混合物を含む、請求項16または17記載の方法。
- 式IVまたはVの化合物中のR1がC3〜6シクロアルキル、C1〜6アルキルおよびフェニルより独立して選択される、請求項19記載の化合物。
- 式IVまたはVの化合物中のR1がシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチルおよびフェニルより独立して選択される、請求項20記載の化合物。
- 式IVまたはVの化合物中のR1がシクロプロピルおよびシクロブチルより独立して選択される、請求項21記載の化合物。
- 以下の式VIの化合物の調製のための方法であって:
式中、
XはC(O)R2、S(O)R2、SO2R2、P(O)R2R2'、P(O)(OR2)R2'およびP(O)(OR2)(OR2')より選択され;
R2およびR2'はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C3〜10シクロアルケニル、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより独立して選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
は単結合または二重結合を表すが、但し2個の二重結合は互いに隣接せず;かつ
R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択されるが、但し
が=Oを表す場合、R4は存在せず;
(a) 式IXの化合物を与える条件下で式VIIの化合物と式VIII(a)またはVIII(b)の化合物とを反応させる工程:
式中、LG1は脱離基であり;
XはC(O)R2、S(O)R2、SO2R2、P(O)R2R2'、P(O)(OR2)R2'およびP(O)(OR2)(OR2')より選択され;
R2およびR2'はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C3〜10シクロアルケニル、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより独立して選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
は単結合または二重結合を表すが、但し2個の二重結合は互いに隣接せず;かつ
R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択されるが、但し
が=Oを表す場合、R4は存在しない; ならびに
(b) 式VIの化合物を与える条件下で式IXの化合物と金属触媒とを酸化剤の存在下で反応させる工程
を含み、
式VI、VII、VIIIおよびIXの化合物において、R2、R2'、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な水素がFで置き換えられてもよく、かつ/またはR2、R2'、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な原子が同位体標識で置き換えられてもよい、方法。 - 以下の式Xの化合物の調製のための方法であって:
式中、
は単結合または二重結合を表すが、但し2個の二重結合は互いに隣接せず;
R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択されるが、但し
が=Oを表す場合、R4は存在せず;かつ
R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な水素はFで置き換えられてもよく、かつ/またはR3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な原子は同位体標識で置き換えられてもよく、
請求項23に記載の式VIの化合物のN-17からC(O)R2基を酸加水分解または塩基加水分解によって除去する工程を含む、方法。 - 請求項24に記載の式Xの化合物のN-アルキル化類似体の調製のための方法であって、N-17第二級アミンをアルキル化試薬でアルキル化する工程を含む、方法。
- 以下の式XI(a)、XI(b)またはXI(c)の化合物の調製のための方法であって:
式中、
R2''はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C1〜10アルキル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
R3'およびR4'はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択され;かつ
R2''、R3'およびR4'中の1個もしくは複数の利用可能な水素はFで置き換えられてもよく、かつ/またはR2''、R3'およびR4'中の1個もしくは複数の利用可能な原子は同位体標識で置き換えられてもよく、
式XI(a)、XI(b)またはXI(c)の化合物を与える条件下で以下の式VI(a)、VI(b)またはVI(c)の化合物をそれぞれ還元剤で処理する工程を含み:
式中、
XはC(O)R2であり、
R2はC3〜10シクロアルキル、C3〜10ヘテロシクロアルキル、C3〜10シクロアルケニル、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C6〜10アリールおよびC5〜10ヘテロアリールより選択され、後者の基はそれぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、OC1〜4アルキル、ハロ、CN、NO2、C6〜10アリールおよびOC6〜10アリールより独立して選択される1個もしくは複数の置換基で置換され;
は単結合または二重結合を表し;
R3およびR4はC1〜10アルキル、C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、C1〜10アルキレンC6〜10アリール、C1〜10アルキレンC3〜10シクロアルキルおよびPGより独立して選択され、かつ
R2、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な水素はFで置き換えられてもよく、かつ/またはR2、R3およびR4中の1個もしくは複数の利用可能な原子は同位体標識で置き換えられてもよく、
ここで、PGが、還元剤によって除去される保護基である場合、R3およびR4がHであり、かつ式XI(c)の化合物がケトン体に変換される、方法。
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