JP2021510715A - 白血病治療のための併用療法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、三酸化ヒ素、鉄およびアルテスネートなどのアルテミシニンの3つの組み合わせを用いた白血病(例えば急性骨髄性白血病、AML)の治療に関する。【選択図】図8B

Description

発明の分野
本発明は、(i)三酸化ヒ素、(ii)鉄および(iii)アルテスネートなどのアルテミシニンの三つの組み合わせを使用する白血病(例えば、急性骨髄性白血病、AML)の治療に関する。
発明の背景
白血病は白血球のがんである。白血病の種類には、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)および有毛細胞白血病などが挙げられる。2015年には、白血病は世界で200万人以上に存在し、35万人以上の死亡原因になっていると報告されていた。小児の白血病事例の4分の3がALL型であり、小児のがんの中で最も多いがんである。しかしながら、白血病の約90%は成人で診断され、成人ではAMLとCLLが最も多い。
急性骨髄性白血病(AML)に対する現在の主力の療法は、例えば、骨髄抑制作用があり、正常細胞には顕著なバイスタンダー効果を示すダウノルビシンとシトシンアラビノシドの組み合わせである。
急性前骨髄球性白血病(AML−M3;APL)は、少なくともハイリスクでないサブセットにおいては、治療が従来の骨髄抑制療法が不要となるものへ進化しているAMLのサブタイプである。その代わりに、オールトランス型レチノイン酸(ATRA)と三酸化ヒ素(ATO)の併用療法が使用され、これらの併用療法は悪性細胞集団の分化を誘導するとともに、悪性細胞集団の比較的特異的なアポトーシスも誘導する。その結果、再発性血球減少症、脱毛症および粘膜炎などの従来の化学療法の副作用は見られない。この非骨髄抑制療法によるAPLの現在の予測される治癒率は、ほとんどの研究で90%を超える。それにもかかわらず、一部のAPL患者では、治療が薬剤耐性、例えばATO耐性によって混同されている。
さらに、APLとは対照的に、特に成人のAML患者の大多数は、治療後に疾患再発する運命にあり、これが死亡率の主な原因となっている。さらに、かなりの割合の高齢のAML患者や診断時に重大な合併症を有する患者は、関連する毒性のために標準的な集中化学療法を受けることができない。
白血病の再発率の研究と合理化の主な焦点は、第一に、化学療法に対するサブクローン内の耐性をもたらす後天的な体細胞遺伝的およびエピジェネティックな突然変異、第二に、化学療法に対して本質的に耐性があり、最小限の残存病変として持続する白血病開始コンパートメント(白血病幹細胞集団とも呼ばれる)の存在にある。しかしながら、従来の化学療法後の白血病の再発に寄与し得る追加の生物学的プロセスが存在することがますます認識されてきている。これらの新規耐性のメカニズムを認識し、研究することは、新規な治療上の標的の認識につながるかもしれない。
白血病(AMLなど)を治療するための新規治療戦略、特に、悪性細胞に対する特異性を伴う高い有効性と、低減された標的外への副作用を併せ持つ治療戦略を開発することが急務となっている。また、現在高い疾患再発を伴う白血病形態(例えばAML)の治療に適した治療戦略、ATO耐性白血病の治療に適した治療戦略、および/または従来の化学療法レジメンが実行可能でない患者の治療に適した治療戦略を開発することが望まれている。
発明の概要
現在では、(i)三酸化ヒ素、(ii)鉄、および(iii)アルテミシニンの組み合わせは、白血病の治療に使用することができることがわかっている。また、このような三つの併用療法は、それぞれの化合物単独または「ダブル」の組み合わせ(すなわち、上記の活性剤の任意の2つの組み合わせ)によってもたらされる効果と比較して、利益(例えば、相乗的利益)をもたらし得ることも見出されている。さらに、そのような三つの組み合わせは、臨床的に許容される毒性プロファイルを有することが見出されており、これは、細胞内鉄濃度を増加させるための薬剤としてのデルタアミノレブリン酸のような類似の活性薬剤を使用する併用療法と対照的であるかもしれない。
本発明は、以下を提供する:
[1]白血病(例、AML)の治療に使用するための、(a)三酸化ヒ素;(b)鉄;および(c)アルテミシニン(例、アルテスネート)を含む医薬組成物。
[2]鉄およびアルテミシニン(例、アルテスネート)と一緒に共投与することにより白血病(例、AML)の治療に使用するための三酸化ヒ素。
[3]三酸化ヒ素およびアルテミシニン(例、アルテスネート)と一緒に共投与することにより白血病(例、AML)の治療に使用するための鉄。
[4]三酸化ヒ素および鉄と一緒に共投与することにより白血病(例、AML)の治療に使用するためのアルテミシニン(例、アルテスネート)。
[5]三酸化ヒ素,鉄およびアルテミシニン(例、アルテスネート)を白血病(例、AML)に罹患している患者に共投与する工程を含む、該患者を治療する方法。
[6]白血病(例、AML)に罹患している患者の治療に、同時、併用、別々もしくは連続で使用するための併用製剤としての、(a)三酸化ヒ素、(b)鉄および(c)アルテミシニンを含む製品。
[7]鉄およびアルテミシニン(例、アルテスネート)と一緒に共投与することによる白血病(例、AML)治療用医薬の製造における、三酸化ヒ素の使用。
[8]三酸化ヒ素およびアルテミシニン(例、アルテスネート)と一緒に共投与することによる白血病(例、AML)治療用医薬の製造における、鉄の使用。
[9]三酸化ヒ素および鉄と一緒に共投与することによる白血病治療用医薬の製造における、アルテミシニン(例、アルテスネート)の使用。
[10](a)三酸化ヒ素;(b)鉄;および(c)アルテミシニン(例、アルテスネート)を含む医薬組成物。
[11](a)三酸化ヒ素;(b)鉄;および(c)アルテミシニン(例、アルテスネート)を含むパーツのキットであって、前記成分(a)、(b)および(c)がそれぞれ別々の医薬組成物中に配合されるか、または成分(a)、(b)および(c)のうちの任意の2つが第1の医薬組成物中に一緒に配合され、残りの成分が第2の医薬組成物中に配合される、パーツのキット。
本発明のさらなる態様を以下に詳細に概説する。
図1は、実施例1に記載された様々な細胞株のミトコンドリア膜電位の基底レベルを示す。Y軸は相対蛍光強度[RFU590nm/530nm]に対応し、X軸に沿ったバーは、左から右へ、ATO感受性NB4細胞株、NB4から生成されたATO耐性APL細胞株(「NB4−EVASR1」)、および先天的にATO耐性を有するUF1細胞株についての結果である。図は、ATO耐性細胞株のミトコンドリア膜電位の基底レベルが、NB4ナイーブ細胞(n=4)に比べて有意に低いことを示す。 図2は、実施例1に記載したように、様々な細胞株についてのグルコース取り込みの基底量を示す。Y軸は相対蛍光強度[RFU485nm/595nm]に対応し、X軸に沿ったバーは、左から右へ、ATO感受性NB4細胞株、NB4から生成されたATO耐性APL細胞株(「NB4−EVASR1」)、および先天的にATO耐性を有するUF1細胞株についての結果である。図は、ATO耐性細胞株のグルコース取り込み基底量が、NB4ナイーブ細胞(n=4)に比べて有意に低いことを示す。 図3は、実施例1に記載したように、種々の細胞株に対する解糖阻害剤、(i)2−DG、(ii)ATO、および(iii)2−DGとATOの組み合わせの効果を示す(n=4;期間=48時間)。Y軸は生存率の%に対応する。4つのグループのそれぞれ3本のバーがX軸に沿って示される。3つのバーの各グループについて、左端のバーは、NB4ナイーブ細胞についての結果を示し、中央のバーは、NB4から生成されたATO耐性APL細胞株(「NB4−EVAsR1」)についての結果を示し、右端のバーは、先天的にATO耐性を有するUF1細胞株についての結果を示す。左から右へ、各グループは、(i)未処理細胞(すなわちコントロール)、(ii)ATOのみによる処理、(iii)2−DGのみによる処理、および(iv)ATOと2−DGの組み合わせによる処理、にそれぞれ対応する。 図4は、実施例1に記載したように、種々の細胞株に対する、(i)OXPHOSアンカプラーFCCP、(ii)ATO、および(iii)FCCPおよびATOの組み合わせの効果を示す(n=4;期間=48時間)。Y軸は生存率の%に対応する。5つのグループのそれぞれ4本のバーがX軸に沿って示される。4本のバーの各グループについて、各バーは、左から右へ、(i)未処理細胞(コントロール);(ii)ATOのみでの処理;(iii)FCCPのみでの処理;および(iv)ATOおよびFCCPの組み合わせでの処理;にそれぞれ対応する。グループは、左から右へ、i)NB4ナイーブ細胞株の結果、(ii)NB4から生成されたATO耐性APL細胞株(「NB4−EVAsR1」)の結果、(iii)UF1細胞株の結果、(iv)U937細胞株の結果、および(v)正常末梢血単核球(PBMNC)に対する効果;にそれぞれ対応する。 図5は、実施例1に記載したように、様々な細胞株に対する、(i)ATO、(ii)ART;および(iii)ATOおよびARTの組み合わせの効果を示す(n=8;期間=48時間)。Y軸は、アネキシンV/7AAD細胞の%に対応する。6つのグループのそれぞれ4本のバーがX軸に沿って示される。4本のバーの各グループについて、個々のバーは、左から右へ、(i)未処理細胞(コントロール)、(ii)2μM ATOのみでの処理、(iii)5μM ARTのみでの処理、および(iv)ATOとARTの組み合わせでの処理、にそれぞれ対応する。左から右へ、グループは、(i)ATO感受性NB4ナイーブ細胞株の結果;(ii)NB4から生成されたATO耐性APL細胞株(「NB4−EVAsR1」)の結果;(iii)ATO耐性U937細胞株の結果;(iv)ATO耐性THP−1細胞株の結果;(v)ATO感受性Kasumi細胞株の結果;および(vi)ATO耐性Jurkat細胞株の結果、にそれぞれ対応する。 図6は、実施例1に記載したように、2つの異なる濃度のATOおよび変化する濃度のARTを使用した、正常なPBMNCを対象としたインビトロ細胞毒性アッセイの結果を示す(n=3;期間=48時間)。Y軸は、MTT減少の%に対応する(コントロールに正規化)。X軸は、アルテスネートのlog濃度(μM)に対応する。ART単独の結果は丸で示され、グラフの右に向かって最適適合の線は、他の2本の最適適合の線の間にある。1μMのATOとARTで処理した結果は四角で示され、グラフの右に向かって最適適合の線が一番上の線である。2μMのATOとARTによる処理の結果は三角で示され、グラフの右に向かって最適適合の線が一番下の線である。 図7は、実施例1に記載したように、U937細胞を以下で処理した結果を示す(n=4;期間=48時間):i)無処理(コントロール);(ii)ATO(1μM);(iii)ART(5μM);(iv)ART(5μM)およびALA(1mM);(v)ATO(1μM)およびART(5μM);(vi)ATO(1μM)とART(5μM)とALA(1mM);(vii)ART(5μM)とALA(1mM)とDFO(20μM);およびATO(1μM)とART(5μM)とALA(1mM)とDFO(20μM)。また、(右から3番目のバー)は、NB4ナイーブ細胞をATO(2μM)で処理した結果を示す。Y軸は、アネキシンV/7AAD細胞の%に対応する。 図8は、実施例2に記載したように、U937細胞を処理した結果を示す(n=5;期間=48時間)。パネルAは、様々な組み合わせおよび様々な濃度でのATO、ARTおよび/またはヘミンとの処理の結果を示す。パネルBは、DFOとの共投与による効力の消失を示す(各バーのペアについて、左端のバーはDFOなしの結果を示し、右端のバーはDFO共投与の結果を示す)。両パネルのY軸は、アネキシンV/7AAD細胞の%に対応する。 図8は、実施例2に記載したように、U937細胞を処理した結果を示す(n=5;期間=48時間)。パネルAは、様々な組み合わせおよび様々な濃度でのATO、ARTおよび/またはヘミンとの処理の結果を示す。パネルBは、DFOとの共投与による効力の消失を示す(各バーのペアについて、左端のバーはDFOなしの結果を示し、右端のバーはDFO共投与の結果を示す)。両パネルのY軸は、アネキシンV/7AAD細胞の%に対応する。
詳細な説明
定義
本明細書で使用する場合、特に指定しない限り、用語「医薬上許容される塩」とは、限定されないが、本明細書に記載の化合物の酸性または塩基性部分の塩が挙げられる(限定されないが、アルテミシニン、アルテスネート、デルタアミノレブリン酸および鉄など)。塩基性部分は、様々な無機酸および有機酸と多種多様な塩を形成することができる。このような塩基性化合物の医薬上許容される酸付加塩を調製するために使用することができる酸は、非毒性の酸付加塩、例えば薬理学的に許容されるアニオンを含む塩を形成する酸である。適当な有機酸としては、限定されないが、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、桂皮酸、オレイン酸、タンニン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、グリコール酸、グルタミン酸、グルコン酸、グルカロン酸、糖酸、イソニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸もしくはパモ酸(例えば、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート))が挙げられる。適当な無機酸としては、限定されないが、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸が挙げられる。アミン部位を含む化合物は、上述の酸に加えて、様々なアミノ酸と医薬上許容される塩を形成することができる。本来酸性である化学的な部位は、様々な薬理学的に許容されるカチオンとの塩基性塩を形成することができる。そのような塩の例としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属との塩、特に、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、リチウム、亜鉛、カリウムまたは鉄との塩が挙げられる。
本明細書で使用されるように、また特に指定しない限り、用語「溶媒和物」は、非共有結合性分子間力によって結合された化学量論的または非化学量論的量の溶媒をさらに含む化合物を意味する。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物である。
本明細書で使用されるように、また特に指定しない限り、用語「立体異性体」は、本明細書で提供されるすべてのエナンチオマー的に/立体異性体的に純粋な化合物およびエナンチオマー的に/立体異性体的にエンリッチした化合物を包含する。
本明細書で使用されるように、また特に断りのない限り、用語「立体異性体的に純粋」は、化合物の1つの立体異性体を含み、その化合物の他の立体異性体を実質的に含まない組成物を意味する。例えば、1つのキラル中心を有する化合物の立体異性体的に純粋な組成物は、その化合物の反対側のエナンチオマーを実質的に含まない。2つのキラル中心を有する化合物の立体異性体的に純粋な組成物は、その化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まないであろう。典型的な立体異性体的に純粋な化合物は、化合物の1つの立体異性体を約80重量%超え化合物の他の立体異性体を約20重量%未満、化合物の1つの立体異性体を約90重量%超え化合物の他の立体異性体を約10重量%未満、化合物の1つの立体異性体を約95重量%超え化合物の他の立体異性体の約5重量%未満、化合物の1つの立体異性体を約97重量%超え化合物の他の立体異性体を約3重量%未満、化合物の1つの立体異性体を約98重量%超え化合物の他の立体異性体を約2重量%未満、または化合物の1つの立体異性体を約99重量%超え化合物の他の立体異性体を約1重量%未満含む。
本明細書で使用されるように、また特に断りのない限り、用語「立体異性体的にエンリッチ」は、化合物の1つの立体異性体の重量が約55重量%超え、化合物の1つの立体異性体の重量が約60重量%超え、化合物の1つの立体異性体の重量が約70重量%超え、または化合物の1つの立体異性体の重量が約80重量%超えて含まれる組成物を意味する。
本明細書で使用されるように、また特に断りのない限り、用語「エナンチオマー的に純粋」は、1つのキラル中心を有する化合物の立体異性体的に純粋な組成物を意味する。同様に、用語「エナンチオマー的にエンリッチ」は、1つのキラル中心を有する化合物の立体異性体的にエンリッチした組成物を意味する。
アルテミシニン
アルテミシニンは、以下の構造を有する周知化合物である。
Figure 2021510715
アルテミシニンおよびその誘導体(本明細書では合わせて「アルテミシニン」と称する)は、マラリア治療の医薬として広く使用されている。
アルテミシニン自身および一般的なアルテミシニン類の活性代謝物はジヒドロアルテミシニン(DHA)であり、以下の一般式を有する。
Figure 2021510715
アルテミシニン類の非限定的例としては、アルテスネート、アルテミシニン、アルテメテル、アルテエーテル、アルテリン酸、アルテモチル、アルテミゾンおよびジヒドロアルテミシニンが挙げられる。したがって、本発明において、アルテミシニンは、例えば、アルテスネート、アルテミシニン、アルテメテル、アルテエーテル、アルテリン酸、アルテモチル、アルテミゾンおよびジヒドロアルテミシニンからなる群より選ばれる化合物であってもよい。
アルテスネートの化学構造は以下である。
Figure 2021510715
アルテスネートは、この化合物に実質的な水溶性および高い経口バイオアベイラビリティーを与えるヘミスクシネート基を有する。本発明において、アルテミシニンは、好ましくはアルテスネートである。
以前の研究では、アルテミシニン類(アルテスネートなど)が抗癌性を有する可能性があることが指摘されている。例えば、アルテスネートの抗白血病活性の前臨床研究は、Leukemia Research, 59, 2017, 124-135に記載されている。
アルテスネートなどのアルテミシニン類は、非経口的(例えば、筋肉内静脈内または直腸内)および経口などの様々な手段によって簡便に投与することができる。
アルテミシニンは、そのような形態で、または生理学的に許容される任意の物理的形態で投与することができる。例えば、アルテミシニンは、生理学的に許容される塩または溶媒和物の形態であり得る。この点において、本明細書で使用される用語「アルテミシニン」は、生理学的に許容される塩またはその溶媒和物を包含することが強調される(例えば、「アルテスネート」は、生理学的に許容される任意の塩またはその溶媒和物を包含する)。公知の薬物の塩およびその溶媒和物などの生理学的に許容される物理的形態の調製は、当技術分野ではルーティン事項であり、本出願は、そのような方法に関するプライマーではない。アルテスネートの1つの一般的な製剤は、そのナトリウム塩(すなわち、アルテサン酸ナトリウム)として存在する。
アルテミシニンはまた、任意のエナンチオマーの形態、例えばラセミ、エナンチオマー的/立体異性体的にエンリッチおよび/またはエナンチオマー的/立体異性体的に純粋であってもよい。
三酸化ヒ素
三酸化ヒ素Asは、公知の化学療法剤である。例えば、急性前骨髄球性白血病の治療のための薬剤トリセノックス(Trisenox)として市販されている。
三酸化ヒ素は、例えば、便利なことに、輸液用の溶液、例えば希釈およびその後の静脈内投与用の濃縮物として提供され得る。別の実施形態では、三酸化ヒ素は、経口投与用に製剤化されてもよい(例えば、Au et al. Ann Hematol(2013) 92: 417に記載されているように)。
デルタアミノレブリン酸
デルタアミノレブリン酸(5−アミノレブリン酸としても公知)は、以下の化学式を有する。
Figure 2021510715
デルタアミノレブリン酸は塩酸塩の形で、顔および頭皮の軽度から中等度の光線性角化症およびフィールド・キャンサライゼーションの治療用、アメルツ(Ameluz)として販売されている。
ヒトでは、デルタアミノレブリン酸はヘムの前駆体である。デルタアミノレブリン酸は、サイトゾル内で一連の変換を経て、最終的にミトコンドリア内でプロトポルフィリンIXに変換される。このプロトポルフィリン分子は、酵素フェロケラターゼの存在下で鉄とキレートし、ヘムを生成する。したがって、デルタアミノレブリン酸の投与は、細胞内ヘムレベルを増加させ、細胞内鉄濃度を増加させるために使用することができる。
デルタアミノレブリン酸は、そのような形態で、または生理学的に許容される任意の物理的形態で投与することができる。例えば、デルタアミノレブリン酸は、生理学的に許容される塩または溶媒和物の形態であり得る。この点で、本明細書で使用される用語「デルタアミノレブリン酸」は、生理学的に許容される塩またはその溶媒和物を包含することが強調される。公知の薬物の塩または溶媒和物などの生理学的に許容される物理的形態の調製は、当技術分野ではルーティン事項であり、本出願は、そのような方法に関するプライマーではない。上述したように、塩酸塩としてのデルタアミノレブリン酸の1つの一般的な製剤がある。
本発明の1つの驚くべき態様は、鉄の直接投与(例えば、ヘミンのような鉄複合体の形で)は、白血病の治療のための三酸化ヒ素およびアルテミシニンも含む三つの組み合わせの文脈において、鉄の代わりにデルタアミノレブリン酸が利用される対応する三つの組み合わせよりも、より低いバイスタンダー毒性/副作用など改善された転帰と関連しているかもしれないという知見である。

鉄は何百年も前から医学で使われ、特に貧血の治療に使われてきた。鉄は、WHOの必須医薬品リストに載っている。
疑いを避けるために記すと、本発明に従って鉄を活性剤として使用する場合、鉄は、それが投与されるべき個体の細胞内鉄濃度を増加させることができることを条件として、どのような物理的形態であってもよい。したがって、本明細書において「鉄」への参照は、元素鉄金属に限定されるものと解釈されるべきではない。例えば、「鉄」活性剤の非限定的な許容可能な形態としては、元素鉄および医薬上許容される鉄塩および鉄錯体が挙げられる。したがって、「鉄」活性剤は、もちろん、その化合物が投与後に対象に鉄を送達することができることを条件として、例えば、投与後に細胞内鉄濃度を増加させることができることを条件として、鉄を豊富に含む化合物の形態であってもよい。
硫酸鉄(II)は、医療用途としてよく知られており、商業的に入手可能な鉄の形態である。フマル酸鉄(II)もまた、一般的に使用され、医療用鉄の例示的な形態である。両方とも、本発明に従って使用するための鉄の例示的な形態を表す。
鉄のさらなる例示的な形態としては、ヘム鉄ポリペプチド(HIP)、グリシン硫酸第一鉄、カルボキシマルトース第二鉄、デキストラン鉄、スクロース鉄、およびイソマルトシド鉄が挙げられる。
本発明の好ましい態様において、鉄は、鉄錯体の形態である。このような錯体は、例えば、鉄(II)錯体または鉄(III)錯体であってもよい。鉄錯体の好ましいクラスは、鉄ポルフィリン錯体、例えば鉄(III)ポルフィリン錯体である。ポルフィリンの好ましいクラスは、プロトポルフィリンIXまたはその誘導体である。例えば、プロトポルフィリンIXの鉄錯体(例えば、鉄(III)錯体)は、本発明で使用するための鉄の好ましいタイプである。ヘミンおよびヘマチンは例示的なそのような種であり、錯形成アニオン(ヘミン中のCl;ヘマチン中のOH)が別の薬学的に許容されるアニオンで置換されている化合物も同様である。本発明の現在好ましい一実施形態では、鉄活性剤はヘミンを含む。このような鉄錯体は、驚くべきことに、本発明によって具現化される三つの併用療法において、低いバイスタンダー毒性/より許容可能な副作用プロファイルと関連していることが見出されている。
本発明に従って鉄を投与する場合、鉄は任意の好適な形態で調製され、任意の好適な手段によって投与されるように製剤化され得る。鉄を投与する一般的な手段としては、経口投与および非経口投与が挙げられる。
鉄の投与は、細胞内鉄レベルを直接増加させる。
活性成分の組み合わせ
本発明は、三酸化ヒ素、鉄およびアルテミシニンの三つの組み合わせの使用を含む。三酸化ヒ素、鉄およびアルテミシニンは、本明細書では「活性成分」または「活性剤」と呼ばれる。
1つの態様において、本発明は、以下:a)三酸化ヒ素;(b)鉄;および(c)アルテミシニン;を含む、白血病の治療に使用するための医薬組成物を提供する。本発明に記載の医薬組成物は、典型的には、1つ以上の医薬上許容される賦形剤または担体をさらに含む。
本発明は、上述した活性成分が共投与される状況にも及ぶ。活性成分が共投与される場合、活性成分は、単一の医薬組成物中に存在してもよいし、同一の投与方式または異なる投与方式のいずれかのために最適化された別々の医薬組成物中など別々の医薬組成物中に存在してもよい。例えば、単一の医薬組成物中の、またはより好ましくは、別々の医薬組成物中の活性成分を、両方とも経口投与してもよい。
疑いを避けるために記すと、(a)三酸化ヒ素、(b)鉄および(c)アルテミシニンを含む製品において、同時、併用、別々、または連続使用のための複合製剤として、該製品は以下のいずれかを含んでもよい:
(i)(a)、(b)および(c)のすべてを含む単一の医薬組成物。
(ii)(a)、(b)および(c)のいずれか2つが第1の医薬組成物中に一緒に配合され、残りの成分が第2の医薬組成物中に配合される、2つの(別々の)医薬組成物;または
(iii)(a)は第1の医薬組成物に配合、(b)は第2の医薬組成物に配合、および(c)は第3の医薬組成物に配合される、3つの(別々の)医薬組成物。
本発明に記載の有効成分の共投与としては、同時、別々および連続投与が挙げられる。
一般に、本発明で使用される医薬組成物は、当技術で公知の任意の投与方式、例えば、経口、粘膜(例えば、鼻腔、舌下、膣内、バッカルまたは直腸)、非経口(例えば、皮下、静脈内、ボーラス注射、筋肉内、または動脈内)、局所(例えば、点眼剤または他の眼科用製剤)、経皮、または経皮的投与に適しているかもしれない。
経口投与のために、本発明の医薬組成物は、例えば、結合剤(例えば、アルファー化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、ラクトース、微結晶セルロースまたはリン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ);崩壊剤(例えば、馬鈴薯デンプンまたはグリコール酸ナトリウム);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの医薬上許容される賦形剤を用いて、慣用的手段によって調製された錠剤、ロゼンジまたはカプセルの形態をとることができる。錠剤は、当技術で周知の方法でコーティングされていてもよい。経口投与のための液体製剤は、例えば、溶液、シロップまたは懸濁液の形態をとってもよく、または使用前に水または他の適切なビヒクルで構成するための乾燥物として提示されてもよい。そのような液体製剤は、懸濁化剤、乳化剤、非水性ビヒクルまたは保存剤などの医薬上許容される添加剤を用いて、従来の手段によって調製されてもよい。このような製剤はまた、適宜、緩衝塩、香料、着色剤または甘味料を含んでいてもよい。
眼科投与のために、本発明の医薬組成物は、殺菌剤または殺真菌剤(例えば、硝酸フェニル水銀、塩化ベンジルアルコニウムまたは酢酸クロルヘキシジン)などの保存剤の有無にかかわらず、等張性でpH調整された滅菌生理食塩水中にミクロン化された懸濁剤として簡便に製剤化されてもよい。あるいは、眼科投与のために、化合物は、ワセリンなどの軟膏に製剤化されてもよい。
直腸投与のために、本発明の医薬組成物は、坐剤として簡便に製剤化することができる。これらは、室温では固体であるが直腸温度では液体であり、したがって直腸内で溶融して活性成分を放出するであろう適切な非刺激性賦形剤と活性成分を混合することによって調製することができる。このような材料としては、例えば、ココアバター、ミツロウ、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
局所投与のために、本発明の医薬組成物は、局所投与のために通常使用される任意の剤形、特に溶液、ローション、液状濃度のエマルション、半液状濃度のエマルション、半固形状濃度のエマルション、固形状濃度のエマルション、クリーム、ゲルまたは軟膏の形態をとることができる。エマルションは、油相を水中(O/W)または水相を油中(W/O)に分散させることにより得られる。例えば、局所投与のためのいくつかの医薬組成物は、油相を含む。そのような医薬組成物は、例えば、油中水型エマルション(すなわち、水が分散相であり、油が分散溶媒であるエマルション)であってもよいし、実質的に非水性であってもよい。
また本発明に記載の局所的に使用するための組成物は、1種以上のエモリエント剤、乳化剤、増粘剤および/または保存剤を含んでもよい。エモリエント剤は、典型的には、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびセテアリルアルコールなどの長鎖アルコール;ワセリンおよび軽質鉱物油などの炭化水素;またはアセチル化ラノリンである。製剤中のエモリエントの総量は、製剤の総重量に基づいて、好ましくは約5%〜約30%、より好ましくは約5%〜約10%である。乳化剤は、典型的には、非イオン性の界面活性剤、例えば、ポリソルベート60(Sigma Aldrichから入手可能)、ソルビタンモノステアレート、ポリグリセリル−4オレエートおよびポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルまたは3価のカチオンである。一般に、乳化剤の総量は、製剤の総重量に基づいて、好ましくは約2%〜約14%、より好ましくは約2%〜約6%である。医薬上許容される増粘剤、例えばVeegum.TM.K(R.T.Vanderbilt Company,Inc.から入手可能)、および長鎖アルコール(すなわち、セチルアルコール、ステアリルアルコールまたはセテアリルアルコール)を使用することができる。存在する増粘剤の総量は、製剤の総重量に基づいて、好ましくは約3重量%〜約12重量%である。メチルパラベン、プロピルパラベンおよびベンジルアルコールなどの保存剤を製剤中に存在させることができる。
任意に、ベンジルアルコール、乳酸、酢酸、ステアリン酸または塩酸などの追加の可溶化剤を製剤中に含めることができる。追加の可溶化剤が使用される場合、その存在量は、好ましくは、クリームの総重量に基づいて、約1重量%〜約12重量%である。
任意に、製剤は、グリセリンなどの湿潤剤およびブチルステアレ−トなどの皮膚浸透促進剤を含むことができる。
単一の成分が組成物中で1つ以上の機能を果たすことができること、すなわち、セチルアルコールがエモリエント剤としておよび増粘剤としての両方の役割を果たすことができることは、当業者には知られている。
本発明の医薬組成物は、任意に油相を含んでもよい。この場合、典型的には、組成物中の油の量は、組成物の総重量に基づいて、少なくとも10wt%、好ましくは少なくとも30wt%、より好ましくは少なくとも50wt%、より好ましくは少なくとも80wt%である。本明細書で使用されるように、油相は、典型的には、水と実質的に非混和性の液体または固相である。より典型的には、本明細書で使用されるような油相は、25℃における水に対する溶解度が1mg/L以下、好ましくは0.1mg/L未満である。
エマルション中の油相は、通常、局所投与用のエマルションに使用される任意の油相であってもよい。このような油相には、例えば、ハードパラフィン、ソフトパラフィン、セレシンおよびマイクロクリスタリンワックスなどの炭化水素基剤、ラノリンおよびミツロウなどの吸収基剤、乳化ワックスおよびセトリミドなどの乳化基剤、オリーブ油、ヤシ油、ゴマ油、アーモンド油およびピーナッツ油などの植物油などが挙げられる。本発明に記載の有用な他の油相は、鉱物油、液体石油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、ベンジルアルコールおよび2オクチルドデカノールである。
当業者は、エマルション中の油に対する水の比率を変化させることにより、油の割合の増加の順に、ローション、クリームまたは軟膏とみなすことができるという結果を理解するだろう。油相と水相の類似した割合を有するエマルションは通常クリームとみなされ、軟膏は一般的に水相に比べて油相の割合が実質的に高く、例えば、油相と水相の総重量に基づいて、60重量%超え、好ましくは70重量%超え、より好ましくは80重量%超えの油相を含む。ローションは、一般に、油相の割合はクリームよりも低く、例えば、油相と水相の総重量に基づいて、25重量%未満、20重量%未満、15重量%未満、10重量%未満、または5重量%未満の油相を含む。
一般に、本発明に記載の使用のためのクリームは、エマルションを形成するため一緒に混合された油相と水相を含む。好ましくは、本発明のクリーム中に存在する水の量は、クリームの総重量に基づいて、約45重量%〜約85重量%、より好ましくは約45重量%〜約65重量%であり、さらに好ましくは約45重量%〜約55重量%である。
組成物が軟膏である場合、医薬上許容される軟膏基剤が使用される。軟膏基剤の例としては、ハードパラフィン、ソフトパラフィン、セレシンおよびマイクロクリスタリンワックスなどの炭化水素基剤、ラノリンおよびミツロウなどの吸収性基剤、ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール200、300、400、3350、4000、6000)、プロピレングリコールおよびポリプロピレングリコールなどの水溶性基剤、乳化ワックスおよびセトリミドなどの乳化基剤、オリーブ油、ココナッツ油、ゴマ油、アーモンド油、ピーナッツ油などの植物油などが挙げられる。もちろん軟膏基剤の混合物を使用することができる。本発明の軟膏中に存在する軟膏基剤の量は、軟膏の総重量に基づいて、好ましくは約60重量%〜約95重量%であり、より好ましくは約70重量%〜約90重量%であり、さらに好ましくは約75重量%〜約85重量%である。
また本発明に記載の使用のための医薬組成物は、1つ以上の医薬上許容される担体に懸濁または溶解された活性成分を含むローションであってもよい。特定の担体としては、例えば、鉱物油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、ベンジルアルコール、2−オクチルドデカノール、および水が挙げられる。
患者への非経口投与は、限定されないが、皮下投与、静脈内投与(ボーラス注射を含む)、筋肉内投与および動脈内投与など様々な経路によってされ得る。それらの投与は、典型的には汚染物質に対する患者の自然な防御を迂回するので、非経口投与のための医薬組成物は、好ましくは、患者への投与前に滅菌されているか、または滅菌することが可能である。そのような医薬組成物の例としては、注射用に準備された溶液、注射用に医薬上許容されるビヒクルに溶解または懸濁する準備ができた乾燥物、注射用に準備された懸濁液、およびエマルションが挙げられるが、これらに限定されない。
非経口投与用の医薬組成物を提供するために使用することができるいくつかの好適なビヒクルとしては:注射用水USP;限定されないが、塩化ナトリウム注射、リンゲル注射、デキストロース注射、デキストロースおよび塩化ナトリウム注射および乳化リンゲル注射などの水性ビヒクル;限定されないが、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコールなどの水混和性ビヒクル;および限定されないが、コーン油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、エチルオレエート、イソプロピルミリストレートおよび安息香酸ベンジルなどの非水性ビヒクル、が挙げられるが、これらに限定されない。
活性成分の適切な投与量は、熟練した医療従事者によって決定されてもよい。活性成分の実際の投与量レベルは、特定の患者、組成物、および投与方式に対して所望の治療反応を達成するのに有効な活性成分の量を、患者に毒性を与えることなく得るように変化させてもよい。したがって、投与量は、典型的には、効果的または治療上有効な投与量である。
選択される投与量レベルは、採用される本発明の特定の組成物の活性、投与経路、投与時間、採用される特定の化合物の排泄速度、治療の持続時間、採用される特定の組成物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物および/または材料、治療される患者の年齢、性別、体重、状態、一般的な健康状態および以前の病歴などの様々な薬物動態学的要因、および医学分野で周知の要因に依存するだろう。
投与レジメンは、最適な所望の応答を提供するように調整されてもよい。例えば、単回用量を投与してもよく(例えば、1日1回の単回用量)、いくつかの分割用量を時間をかけて投与してもよく、または治療状況の必要性によって示されるように、用量を比例的に減少または増加させてもよい。本明細書で使用される投与単位形態は、治療されるべき被験体のための単位用量として適した物理的に分離した単位を意味し、各単位は、必要とされる医薬担体と関連して所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の活性化合物を含む。
本発明に記載の組成物および製品において、有効成分は、それぞれ、例えば、組成物または製品の総重量に対して、0.001〜20重量%の間、好ましくは0.01〜10重量%の間、より好ましくは0.02〜5重量%の間、さらに好ましくは1〜4重量%の間の濃度で存在してもよい。特定の実施形態では、3つの有効成分の各々は、1重量%〜3重量%の間の濃度で存在する。
現在好ましい1つの態様において、アルテミシニン(例えば、アルテスネート)は、1日50〜500mg(より好ましくは、約200mgなどの約100〜300mg)の投与用に製剤化される(約70kgの体重に基づいて;投与量は、体重によって比例して調整され得る)。好ましくは、アルテミシニン(例えば、アルテスネート)は、経口または非経口投与用に製剤化される。好ましくは、アルテミシニン(例えば、アルテスネート)は、3〜30日間、より好ましくは10〜20日間、例えば約14日間投与される。この期間は、複数のかかる治療サイクル(例えば、少なくとも2サイクル、3サイクル、4サイクル、5サイクル、6サイクル、またはそれ以上のサイクル、例えば、所望の治療結果が達成されるまでそのようなサイクルが継続される)を含む投与レジメンにおける治療サイクルに対応していてもよい。治療の各サイクルは、アルテミシニン(例えば、アルテスネート)投与の中断によって分離されてもよい;そのような中断は、例えば、骨髄の回復を可能にすることができる。投与の中断は、3〜14日間、より好ましくは5〜10日間、例えば約7日間、アルテミシニン(例えば、アルテスネート)を投与しないことを含んでもよい。
そのような1つの例示的な態様では、アルテミシニン(例えば、アルテスネート)は、2週間の治療サイクルに対して、毎日約200mgの量で投与され、各サイクルの後には1週間の休息を伴う。
現在の好ましい態様では、三酸化ヒ素は、毎日1〜30mg(より好ましくは5〜20mg、例えば約10mg)で投与するために製剤化される(約70kgの体重に基づいて;投与量は体重によって比例して調整され得る)。好ましくは、三酸化ヒ素は、非経口または経口投与用に製剤化され、最も好ましくは非経口投与用、例えば点滴用に製剤化される。好ましくは、三酸化ヒ素は、3〜60日間、より好ましくは20〜40日間、例えば約30日間投与される。この期間は、複数のかかる治療サイクル(例えば、少なくとも2サイクル、3サイクル、4サイクル、5サイクル、6サイクル、またはそれ以上のサイクル、例えば、所望の治療結果が達成されるまでそのようなサイクルが継続される)を含む投与レジメンにおける治療サイクルに対応していてもよい。各治療サイクルは、三酸化ヒ素投与の中断によって分離されてもよい;そのような中断は、例えば、骨髄の回復を可能にすることができる。投与の中断は、3〜14日間、より好ましくは5〜10日間、例えば約7日間、三酸化ヒ素を投与しないことを含んでもよい。
そのような1つの例示的な態様では、三酸化ヒ素は、30日の治療サイクルに対して、毎日約10mgの量で投与され、各サイクルの後には1週間の休息を伴う。
現在の好ましい態様では、鉄は、毎日50〜500mg(より好ましくは 100〜250mg、例えば約150mg)で投与するために製剤化される。好ましくは、鉄は経口または非経口投与用に製剤化される。好ましくは、鉄は、3〜30日間、より好ましくは10〜20日間、例えば約14日間投与される。この期間は、複数のかかる治療サイクル(例えば、少なくとも2サイクル、3サイクル、4サイクル、5サイクル、6サイクル、またはそれ以上のサイクル、例えば、所望の治療結果が達成されるまでそのようなサイクルが継続される)を含む投与レジメンにおける治療サイクルに対応していてもよい。各治療サイクルは、鉄投与の中断によって分離されてもよい;そのような中断は、例えば、骨髄の回復を可能にすることができる。投与の中断は、3〜14日間、より好ましくは5〜10日間、例えば約7日間、鉄を投与しないことを含んでもよい。そのような1つの例示的な態様では、鉄は、2週間の治療サイクルに対して、毎日約200mgの量で投与され、各サイクルの後には1週間の休息を伴う。
本明細書で他の場所で議論されるように、本発明の一実施形態では、鉄は、ヘミンのような鉄リッチ複合体の形態で提供される。現在好ましい態様では、ヘミンは、スケジュールに基づいて3〜14日間、1〜4mg/kg/日を10〜15分かけて点滴静注して投与するように製剤化される。好ましくは、ヘミンは、3〜25日間、より好ましくは10〜20日間、例えば約14日間投与される。この期間は、複数のかかる治療サイクル(例えば、少なくとも2サイクル、3サイクル、4サイクル、5サイクル、6サイクル、またはそれ以上のサイクル、例えば、所望の治療結果が達成されるまでそのようなサイクルが継続される)を含む投与レジメンにおける治療サイクルに対応していてもよい。各治療サイクルは、ヘミン投与の中断によって分離されてもよい;そのような中断は、例えば、骨髄の回復を可能にすることができる。投与の中断は、3〜14日間、より好ましくは5〜10日間、例えば約7日間、ヘミンを投与しないことを含んでもよい。
追加の活性剤
任意に、三酸化ヒ素、鉄およびアルテミシニンに加えて、1つ以上の追加の活性剤を投与することができる。したがって、本発明の製品、医薬組成物およびキットには、1つ以上の追加の活性剤が存在し得る。そのような追加の活性剤の例としては、シタラビン(シトシンアラビノシド、またはアラ−C)、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ダウノマイシン、イダルビシンおよびミトキサントロンなどのアントラサイクリン系薬剤、ヒドロキシ尿素(ヒドラ(登録商標))、デシタビン(ダコゲン(登録商標))、クラドリビン(ロイスタチン(登録商標)、2−CdA)、フルダラビン(フルダラ(登録商標))、トポテカン、エトポシド(VP−16)および6−チオグアニン(6−TG)などの他の化学療法剤、プレドニゾンまたはデキサメタゾン(デカドロン(登録商標))などの副腎皮質ステロイド剤、メトトレキサート(MTX)、6−メルカプトプリン(6−MP)またはアザシチジン(ビダザ(登録商標))、ならびにオールトランス型レチノイン酸(ATRA)、トレチノインまたはベサノイド(登録商標)などのその他の薬剤が挙げられる。
例えば、本明細書で定義されるような医薬組成物は、さらに、1つ以上の追加の活性剤を含んでいてもよい。さらに、a)共投与による白血病の治療に使用するための三酸化ヒ素;(b)共投与による白血病の治療に使用するための鉄、;および(c)共投与による白血病の治療に使用するためのアルテミシニン;のそれぞれは、さらに、1つ以上の追加の活性剤との共投与を含んでいてもよい。さらに、白血病に罹患している患者を治療する方法は、前記患者に1つ以上の追加の活性剤を共投与することを含んでいてもよい。さらに、(a)三酸化ヒ素、(b)鉄、および(c)アルテミシニンを含む製品は、白血病に罹患している患者の治療における同時、併用、別々または連続で使用するための複合製剤として、1つ以上の追加の活性剤をさらに含んでもよい。さらに、本発明の用途は、1つ以上の追加の活性剤と一緒に共投与することによる白血病の治療用医薬の製造を含んでもよい。さらに、パーツのキットは、1つ以上の追加の活性剤を含んでいてもよい。
白血病の治療
典型的には、治療される患者は哺乳類である。好ましくは、患者はヒトである。
一般に、本発明に記載の治療に敏感な白血病のタイプの形態は、特に限定されない。例えば、白血病は、急性骨髄性白血病(AML)であってもよい。白血病は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)であってもよい。白血病は、慢性骨髄性白血病(CML)であってもよい。白血病は、慢性リンパ性白血病(CLL)であってもよい。白血病は、有毛細胞白血病であってもよい。
1つの好ましい実施形態では、白血病は、AMLおよびALLから選択される。別の好ましい実施形態では、白血病は、AMLおよびCMLから選択される。特に好ましくは、白血病はAMLである。
急性骨髄性白血病の治療
本発明は、AMLのすべてのサブタイプの治療に及ぶ。例えば、AMLのWHO分類には、以下のサブタイプが挙げられている:
t(8;21)(q22;q22)、(AML1/ETO)を伴う急性骨髄性白血病
異常な骨髄好酸球およびinv(16)(p13q22)またはt(16;16)(p13;q22)、(CBFβ/MYH11)を伴う急性骨髄性白血病
t(15;17)(q22;q12)、(PML/RARα)および変異体(すなわち、APL)を伴う急性前骨髄球性白血病
11q23(MLL)異常を伴う急性骨髄性白血病
多系列異形成を伴う急性骨髄性白血病
以下のMDSまたはMDS/MPD
先行するMDSまたはMDS/MPDがないが、2以上の骨髄系において少なくとも50%の細胞中に異形成を伴う
急性骨髄性白血病および骨髄異形成症候群、療法関連
アルキル化剤/放射線関連型
トポイソメラーゼII阻害薬関連型(いくつかはリンパ球の可能性)
急性骨髄性白血病、他の分類に該当しない
急性骨髄性白血病、最未分化型
成熟を伴わない急性骨髄性白血病
成熟を伴う急性骨髄性白血病
急性骨髄単球性白血病
急性単芽球性/急性単球性白血病
急性赤血球性白血病(赤血球性/骨髄性および純粋赤白血病)
急性巨核芽球性白血病
急性好塩基球性白血病
骨髄線維症を伴う急性汎骨髄症
骨髄肉腫。
一実施形態では、AMLは、APL以外のAMLの形態(AML−M3)である。すなわち、AMLはAPLではない。別の実施形態では、AMLはAPLである。
AMLは、難治性AMLであってもよい。例えば、難治性AMLは、以前の治療後に完全寛解を達成できなかったか、または不完全な血液回復を伴う完全寛解を含んでもよい。難治性AMLは、ATOに対して難治性APL(本明細書ではATO耐性APLとしても知られている)であってもよく、例えば、ATOによる以前の治療の後に完全寛解を達成しなかったか、不完全な血液回復を伴う完全寛解である。そのようなATOによる以前の治療は、例えば、(i)単一の活性剤としてのATOによる治療、および/または(ii)ARTとの二つの組み合わせにおけるATO、および/または(iii)ART、ATOおよび鉄の三つの組み合わせ以外の任意の組み合わせにおけるATO、を含むことができる。ATO耐性は、先天的なものと後天的なもの(すなわち、ATOによる早期治療の結果として生じるもの)がある。難治性AMLがAPLでない場合は、内在的にATOに対する耐性を有しているだろう。
用語「完全寛解」は、形態学的に白血病のない状態(すなわち、形態学的基準による骨髄の芽球が5%未満であり、アウエル小体がなく、髄外白血病の証拠がない状態)であり、絶対好中球数が1,000/μL、血小板数が100,000/μLを超えるものであってもよい。用語「不完全な血液の回復を伴う完全寛解」とは、形態学的には白血病のない状態(すなわち、形態学的基準による骨髄の芽球が5%未満であり、アウエル小体がなく、髄外白血病の証拠がない状態)であり、血液中の好中球数が1,000/μL未満、または血小板数が100,000/μL未満であってもよい。
AMLは、再発AMLであってもよい。再発AMLは、他の原因に帰することのできない完全寛解後に血液中に白血病性芽球の再出現、または骨髄中に5%を超える芽球の再出現を伴うかもしれない。
治療される患者は、確立されたAML療法が実行可能でない患者であってもよい(例えば、ダウノルビシンおよび/またはシトシンアラビノシドなどを使用する骨髄抑制療法)。例えば、一実施形態では、治療される患者は、65歳以上、好ましくは72歳以上、例えば80歳以上、最も好ましくは85歳以上の年齢の患者である。代替的または追加的に、治療される患者は、ダウノルビシンおよび/またはシトシンアラビノシドの使用などの骨髄抑制療法を妨げる併存疾患に罹患していてもよい。そのような患者は、さらに、難治性AML(例えば、化学療法耐性AMLまたはATO耐性AML)および/または再発AMLを有していてもよい。
以下に本発明を実施例を参照してより詳細に説明するが、これらは限定的なものとして解釈されるものではない。
実施例1(レファレンス)
イントロダクション
癌細胞の代謝リプログラミングは癌の特徴の1つであり、癌細胞の代謝可塑性が固形癌の薬剤耐性を促進することを示唆する証拠が増えている。悪性細胞は、細胞の生存と増殖のために解糖系に依存していることが報告されているが、これはミトコンドリア呼吸に比べてエネルギー産生の少ない経路である。この癌細胞の挙動は、ワールブルク効果:癌細胞が十分な量の酸素の存在下でも解糖系を受ける好気性解糖として知られている。
従来の薬剤に耐性のある悪性細胞は、生存のためにミトコンドリア呼吸を利用している可能性があり、この代謝適応を崩壊させる薬剤は、従来の薬剤と組み合わせることで耐性を克服することが報告されている。例えば、三酸化ヒ素(ATO)で治療した悪性細胞の包括的なプロテオミクスおよび代謝研究により、解糖系が有意に標的とされる重要な経路の1つであり、ATOの抗癌効果の作用機序の1つでありうることが明らかになっている。
以前からATO耐性細胞は別々の代謝特性を有することが報告されている(Alex et al., Blood 2014 124(21) 3605)。現在、ATO耐性細胞株は生存のためにミトコンドリア呼吸に依存しているという仮説が立てられている(非M3 AML細胞など)。
本明細書に記載されているのは、ATOと酸化代謝阻害剤との組み合わせがATO耐性を克服し得ること、および本発明の組み合わせが非APL AML細胞に対しても有効であることを実証する実験である。特に、以下の実験は、インハウスで生成されたATO耐性APL細胞株、およびAML細胞株および初代AML細胞に対するこれらの治療剤の組み合わせの有効性を評価することを含む。
結果
i)ATO感受性前骨髄球細胞株NB4から生成された耐性細胞株とUF−1細胞株は、活性酸素種(ROS)レベルの低下、ミトコンドリア膜電位(MMP)の低下(図1)、グルコース取り込みの低下(図2)、増殖率の低下、グルタチオンレベルの上昇など、NB4ナイーブ細胞株と比較して有意に区別される代謝特性を有していることが観察された。
ii)NB4ナイーブ細胞株が解糖阻害剤2−デオキシ−D−グルコース(2−DOG、グルコースの類縁体)に対して感受性であることを考慮して、これらの耐性細胞株の解糖阻害剤に対する感受性も測定した。ナイーブNB4細胞とは異なり、ATO耐性細胞株は2−DOGに対して耐性であることが観察された(図3を参照)。耐性細胞株の生存率は、2−DOGをATOと組み合わせた場合には、有意な影響を受けなかった。データは、ATO耐性細胞株がその増殖および生存のために解糖系に依存していないことを示唆している。
iii)その後、これらの細胞株に対するミトコンドリア酸化的リン酸化(OXPHOS)阻害剤の効果をさらに評価した。当初、FCCP(カルボニルシアニド−4−(トリフルオロメトキシ)フェニルヒドラゾン;OXPHOSのアンカプラー)により、耐性細胞株の生存率が有意に影響されると予想されていた。しかしながら、FCCPを単剤として使用した場合、耐性細胞株の生存率は影響を受けないままであったのに対し、FCCPとATOの組み合わせは耐性細胞株の生存率を有意に低下させ、ナイーブNB4細胞には有意な相加的効果がないことが観察された(図4)。該組み合わせは、ATO耐性前骨髄球細胞の生存を低下させるだけでなく、U937(図4)、THP−1およびJurkat E6.1(データは示されていない)のような先天的ATO耐性の骨髄系およびリンパ系白血病細胞の生存も低下させた。しかし、この組み合わせの悪性細胞に対する効果は特異的ではなく、正常末梢血単核細胞(PBMNC;図4)に対して有意なバイスタンダー効果があることも指摘された。これらの観察から、ナイーブなATO感受性細胞は、生存のために解糖経路に依存しているのに対し、ATO耐性細胞株は、一方が阻害されると、2つのエネルギー産生経路を効率的に切り替える能力を持っていることが示唆された。まとめると、これらの観察結果は、感受性の高いNB4ナイーブ細胞とは対照的に、ATO耐性(後天的および先天的)白血病細胞は、ミトコンドリアの酸化的代謝への依存度が高いことを示唆している(逆ワールブルク効果)。
iv)その組合せは、正常細胞に対しては、悪性細胞と比較して有意なバイスタンダー効果を示すことから、より広い治療指標を持つ代謝適応を標的/破壊すると報告されている分子のスクリーニングを行った。特に、メトホルミン、ジクロロアセテート(DCA)、アルテスネート(ART)と三酸化ヒ素と組み合わせて効果を評価した。これらの薬剤はいずれも単独の薬剤としては、悪性細胞に対して有意な効果は認められなかった。しかしながら、三酸化ヒ素とARTの組み合わせでは、悪性細胞に対して有意な効果が認められた(図5)が、メトホルミンとの併用では有意差は認められなかった。また、三酸化ヒ素とARTを併用した場合には、DCA(データは示していない)と比較して、ARTの方が悪性細胞に対して有意により重大な効果を示した。
v)また、ATOとARTの組み合わせが正常末梢血単核細胞に影響を及ぼすかどうかを評価したところ、非特異的OXPHOSアンカプラーであるFCCPとは異なり、該細胞には有意なバイスタンダー効果は観察されなかった(図6)。
vi)マラリアでは、鉄/ヘムがARTの抗寄生活性を高めることで重要な役割を果たしていることが報告されている。デルタアミノレブリン酸(ALA;ヘムにつながるポルフィリン合成経路の最初の化合物である非タンパク性アミノ酸)にARTと低濃度のATO(1μM)を組み合わせて細胞を処理することにより、細胞内のヘムレベルを増加させるという実験を行った。ALAとの組み合わせにより、ARTはAML細胞の生存率を有意に低下させることが観察された。このことは、細胞内のヘムレベルがARTの活性に重要な役割を果たしていることを示唆している。ATOとの三つの組み合わせでは、さらに生存率が有意に低下した(図7)。アポトーシス活性は、鉄キレート剤(デフェロキサミン;「DFO」)によって阻害されることが判明した。ALAとDFOは、単独の活性剤としては、このATO耐性細胞株の生存率に有意な影響を与えなかった(データは図7には示されていない)。
方法
i)インビトロ細胞毒性アッセイ:10細胞/ウエルを96ウェルプレートに播種し、アルテスネートと三酸化ヒ素の濃度を増加させて処理し、48時間インキュベートした。48時間後にMTTを添加し、次にSDSを添加して生細胞が形成したフォルマザン結晶を可溶化した。吸光度はELISAプレートリーダーSpectraMaxM4(Molecular Devices社製)を用いて、試験波長570nm、基準波長630nmで測定し、光学濃度を測定した。得られた比色信号は生細胞数に比例するものとする。有意な細胞毒性が検出された場合、IC−50値を生成した。半数阻害濃度(IC−50)値は、Grap Pad Prism5ソフトウェア(La Jollla,CA,USA)を用いて作成した。
ii)アポトーシスアッセイ:白血病細胞株を24ウェルプレートに添加し(2×10細胞/ウエル)、適切なコントロールと一緒に、白血病細胞の代謝適応を破壊すると報告されている異なる薬剤を処理した。37℃のCOインキュベーターで48時間インキュベートした後、白血病細胞の生存率を、アネキシンV/7−アミノアクチノマイシンD(7AAD)アポトーシスアッセイキット(BD Pharmingen, San Diego, CA, USA)を用いて、製造業者のプロトコルに従って測定した。フローサイトメトリーデータは、Cell Quest pro ソフトウェア(BD Biosciences, San Jose, CA, USA)を用いて分析した。
iii)グルコース取り込みの測定:5×10細胞を2−NBDG(2−デオキシグルコースの蛍光アナログ)で10分間染色し、洗浄し、Spectramax M4を用いて485nm/595nmで蛍光を測定した。色素の強度は相対蛍光強度として表した。
iv)ミトコンドリア膜電位:薬剤で処理した細胞のミトコンドリア膜電位(Δψm)をJC−1色素(Life Technologies, Carlsbad, CA, USA)を用いて測定した。蛍光強度は、Spectramax M4(Molecular Devices, Sunnyvale, CA, USA)を用いて測定した(緑色チャンネル:励起:485nm;発光:530nm;カットオフ515nm;赤色チャンネル:励起:485nm;発光:590nm;カットオフ570nm)。赤色蛍光と緑色蛍光の比(590/530)を計算し、処理した細胞のΔψmを未処理細胞と比較した。
実施例2(アルテスネート、三酸化ヒ素および鉄錯体(ヘミン)の三つの組み合わせ)
デルタアミノレブリン酸の代わりに鉄錯体ヘミンを使用して実施例1に記載された実験を繰り返した。
その結果を図8に示す。ヘミンと組み合わせたARTは、AML細胞の生存率を有意に低下させることが観察された。ATOとの三つの組み合わせでは、生存率はさらに有意に低下した。アポトーシス活性は、鉄キレート剤(デフェロキサミン;「DFO」)によって阻害されることが判明した。単一剤としてのヘミンとDFOは、このATO耐性細胞株の生存率に有意な影響を与えなかった。
実施例3(インビボ研究)
要約
インビトロでの作業により、三酸化ヒ素とアルテスネートの間には有意な相乗効果があることが示唆された。この組み合わせの効果は、アルファアミノレブリン酸(ALA)やヘミンなどの鉄強化剤を添加することでさらに増強された。このインビトロでの観察をさらに検証するために、急性前骨髄球性白血病のマウスモデルにおいてインビボ試験を実施した。アルファアミノレブリン酸(ALA)を用いた最初の実験では、マウスにおいて本剤とその製剤に関連した有意な毒性があることが示されたため、ヘミンとの組み合わせをさらに評価することが選択された。悪性腫瘍(癌)の治療におけるヘミンの使用に関する既存の文献がない中で、非悪性腫瘍研究からのヘミン投与スケジュール(Lu, X., J. Chen-Roetling, and R.F. Regan, Systemic hemin therapy attenuates blood-brain barrier disruption after intracerebral hemorrhage. Neurobiology of disease, 2014. 70: p. 245-251)をこれらのインビボ実験に適応した。
マウスモデルおよび薬物治療
FVB/Nマウスは、ジャクソン研究所(Bar Harbor, ME, USA)から入手した。生後6〜8週齢のマウスを実験に用いた。動物実験デザインおよび安楽死プロトコルは、施設動物倫理委員会によって承認された。MRP8−PML−RARトランスジェニックマウス(FVB/N)の脾臓から急性前骨髄球細胞を採取し、白血病発症のために凍結保存した。APL細胞(5×10細胞/マウス)を、遺伝的に適合したFVB/Nレシピエントに尾静脈を介して静脈内注射した。
薬物および投与ルート
1.悪性細胞注入後7日目からATOを5mg/kgの濃度でマウスに腹腔内投与し、28日間継続した。
2.悪性細胞注入後7日目からアルテスネートを50mg/kgの濃度でマウスに腹腔内投与し、28日間継続した。
3.ヘミン(PANHEMATIN)をマウスに26mg/kgの濃度で7日目のATOおよびArt処理の6時間前に腹腔内投与した。
注入期間後のマウスの白血病および生存率をモニターした。
ATOとARTの治療前後にヘミンを投与しても、組み合わせの活性に有意な効果を及ぼすことが観察された。標準治療(転帰が80%超えのAPL治療におけるATO)に加えて有意な改善は認められなかったが、ATO+ART/ATO+ART+ヘミンの組み合わせでは、プラセボに比べて有意な生存の利点があった。
結果
予備的な解析は、マウスの白血病の退行と生存にこの三つの組み合わせの有意な有益性があることを示唆している。

Claims (28)

  1. 白血病の治療に使用するための、
    (a)三酸化ヒ素;
    (b)鉄;および
    (c)アルテミシニン
    を含む医薬組成物。
  2. 鉄およびアルテミシニンと一緒に共投与することにより白血病の治療に使用するための、三酸化ヒ素。
  3. 前記アルテミシニンがアルテスネートである、請求項2に記載の使用のための三酸化ヒ素。
  4. 前記鉄が鉄錯体である、請求項2または3に記載の使用のための三酸化ヒ素。
  5. 前記鉄錯体がポルフィリン錯体である、請求項4に記載の使用のための三酸化ヒ素。
  6. 前記ポルフィリン錯体がヘミンである、請求項5に記載の使用のための三酸化ヒ素。
  7. 前記白血病が急性骨髄性白血病(AML)である、請求項2〜6のいずれか1項に記載の使用のための三酸化ヒ素。
  8. 三酸化ヒ素およびアルテミシニンと一緒に共投与することにより白血病の治療に使用するための鉄。
  9. 前記アルテミシニンがアルテスネートである、請求項8に記載の使用のための鉄。
  10. 前記鉄が鉄錯体である、請求項8または9に記載の使用のための鉄。
  11. 前記鉄錯体がポルフィリン錯体である、請求項10に記載の使用のための鉄。
  12. ポルフィリン錯体がヘミンである、請求項11に記載の使用のための鉄。
  13. 前記白血病が急性骨髄性白血病(AML)である、請求項8〜12のいずれか1項に記載の使用のための鉄。
  14. 三酸化ヒ素および鉄と一緒に共投与することにより白血病の治療に使用するためのアルテミシニン。
  15. 前記アルテミシニンがアルテスネートである、請求項14に記載の使用のためのアルテミシニン。
  16. 前記鉄が鉄錯体である、請求項14または15に記載の使用のためのアルテミシニン。
  17. 前記鉄錯体がポルフィリン錯体である、請求項16に記載の使用のためのアルテミシニン。
  18. ポルフィリン錯体がヘミンである、請求項17に記載の使用のためのアルテミシニン。
  19. 前記白血病が急性骨髄性白血病(AML)である、請求項14〜18のいずれか1項に記載の使用のためのアルテミシニン。
  20. 三酸化ヒ素、鉄およびアルテミシニンを白血病に罹患している患者に共投与する工程を含む、該患者を治療する方法。
  21. 白血病に罹患している患者の治療に、同時、併用、別々もしくは連続で使用するための併用製剤としての、(a)三酸化ヒ素、(b)鉄および(c)アルテミシニンを含む製品。
  22. 鉄およびアルテミシニンと一緒に共投与することによる白血病治療用医薬の製造における、三酸化ヒ素の使用。
  23. 三酸化ヒ素およびアルテミシニンと一緒に共投与することによる白血病治療用医薬の製造における、鉄の使用。
  24. 三酸化ヒ素および鉄と一緒に共投与することによる白血病治療用医薬の製造における、アルテミシニンの使用。
  25. (a)三酸化ヒ素;
    (b)鉄;および
    (c)アルテミシニン
    を含む医薬組成物。
  26. (a)三酸化ヒ素;
    (b)鉄;および
    (c)アルテミシニン
    を含むパーツのキットであって、前記成分(a)、(b)および(c)がそれぞれ別々の医薬組成物中に配合されるか、または成分(a)、(b)および(c)のうちの任意の2つが第1の医薬組成物中に一緒に配合され、残りの成分が第2の医薬組成物中に配合される、パーツのキット。
  27. 前記白血病が急性骨髄性白血病(AML)である、請求項1に記載の使用のための医薬組成物、請求項20に記載の方法、請求項21に記載の使用のための製品、請求項22〜24のいずれか1項に記載の使用、請求項25に記載の医薬組成物または請求項26に記載のパーツのキット。
  28. −前記アルテミシニンがアルテスネート;または
    −前記鉄が鉄錯体、好ましくは鉄ポルフィリン錯体、より好ましくはヘミン;または
    −前記アルテミシニンがアルテスネートならびに前記鉄が鉄錯体、好ましくは鉄ポルフィリン錯体、より好ましくはヘミンである、
    請求項1または27に記載の使用のための医薬組成物、請求項20または27に記載の方法、請求項21または21に記載の使用のための製品、請求項22〜24および27のいずれか1項に記載の使用、請求項25または27に記載の医薬組成物あるいは請求項26または27に記載のパーツのキット。
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