JPH04273819A - 血圧上昇剤 - Google Patents

血圧上昇剤

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JPH04273819A
JPH04273819A JP3421291A JP3421291A JPH04273819A JP H04273819 A JPH04273819 A JP H04273819A JP 3421291 A JP3421291 A JP 3421291A JP 3421291 A JP3421291 A JP 3421291A JP H04273819 A JPH04273819 A JP H04273819A
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JP
Japan
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hemin
substance
activity
atpase
ouabain
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JP3421291A
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English (en)
Inventor
Tadashi Yasuhara
義 安原
Masaaki Mori
正明 森
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血圧上昇剤、特にヘミン
を主成分とする血圧上昇剤に関する。
【0002】
【従来の技術】強心配糖体ジギタリスが慢性心不全の治
療薬として用いられることは周知の事柄であるが、これ
は心筋の細胞膜にあるNaポンプの上にジギタリスの受
容体があり、ここにジギタリスが結合するとNaポンプ
の機能が抑制され、その結果Na,Ca交換反応により
細胞内Ca量が増加し、Caは収縮に関与する所から心
筋の収縮力が増加するという機構に基いている。そして
、更に植物由来の強心配糖体ジキタリスの受容体として
、心筋等の細胞膜にあるNaポンプと関連した酵素Na
+,K+−ATPaseが明らかにされており、ジギタ
リスを投与すると心筋内Ca量が増加して収縮力が増加
するが、血管内でも同様に収縮が起きて血圧の上昇が起
きるのではないかと考えられている。このように生体内
にジキタリス様物質が存在し、本態性高血圧症に於いて
はこの含量が増大していると言う仮説の基に多くの研究
者により本物質の探索が続けられて来た。多くの論文が
提出され、化合物としても、脂質、ステロイドそしてペ
プチドが候補化合物として発表されてきた。最近は水溶
性で、非ペプチド性の低分子化合物が内因性のジキタリ
ス様物質として追求されている。即ち、現在までに数多
くの内因性のジキタリス様物質と考えられる化合物が各
種の動物の血漿、尿、腎臓、脳、視床下部そして脳髄液
から精製されているが、その構造が明らかになった物は
少ない。最近、ペプチド性の化合物としてSPI−I、
II、IIIが荒木らによりブタ腸管より単離され、構
造が明らかにされた〔バイオケミカル・バイオフィジカ
ル・リサーチ・コミュニケーション(Biochem.
Biophys.Res.Commun.),164,
496−502(1989)〕。しかしながら本ペプチ
ドはNa+,K+−ATPase阻害様式が、ウワバイ
ンとは異なり内因性のジキタリス様物質とは異なるもの
と思われる。ウワバインはキョウチクトウ科ストロファ
ンタス  グラトゥス(Strophnthus gr
atus)から得られる代表的なジギタリス活性物質で
あり、生化学的にもNa+,K+−ATPaseの特異
的阻害剤としての活性が確認されているステロイド性強
心配糖体であり、ストロファンチンG、アコカンテリン
とも呼ばれている。現在、低分子、ペプチド、非ペプチ
ド、極性物質とその性質も種々の物がジギタリス様物質
の候補化合物として挙げられているが、分子量300〜
900ぐらいの非ペプチド性の化合物が有力な化合物と
なっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】内因性のジギタリス様
物質の単離、構造解析を行ない、その本体をつきとめて
本態性高血圧症の治療薬の開発への道を拓こうとするも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは内因性のジ
ギタリス様物質の単離、構造解析を行なうべく鋭意研究
を重ねた結果、Na+,K+−ATPase阻害活性お
よび[3H]−ウワバイン結合阻害活性物質をブタ赤血
球より単離した。この活性物質はHPLCの溶出位置、
吸収スペクトル、FABマススペクトル、NMRスペク
トルともに、プロトポルフィリン(IX)鉄(III)
(ヘマチン)が塩素イオンと結合して生成する塩である
ヘミン(クロロプロトヘミン(IX))に一致した。ま
た、その活性はNa+,K+−ATPase阻害活性で
はウワバインとほぼ同等の用量活性曲線を描いたが、[
3H]−ウワバイン結合阻害活性では1/100の活性
を示した。本発明者らはこの活性物質ヘミンがジギタリ
スと同様の強心作用を有すると共に血圧上昇作用を有す
ることを確認し、これらの知見に基いて本発明を完成し
たものである。すなわち本発明はヘミンを主成分とする
血圧上昇剤に関するものである。この活性物ヘミンが、
従来、多くの研究者により追求されている内因性のジキ
タリス様物質本体であるかは今後の研究によるが、ヘム
−ヘミンの変換により生体内のNaポンプの制御に関わ
り合っているものと推定される。また、ヘミンは脳出血
後の神経損傷にも重要な関わりを持っているものと推定
される。本発明におけるヘミンは、プロトポルフィリン
の他、スピログラフィスポルフィリン、コプロポルフィ
リン、ジューテロポルフィリン、ヘマトポルフィリン、
メソポルフィリン、ウロポルフィリン、フリアポルフィ
リン、クリプトポルフィリン、サイトジューテロポルフ
ィリン、ポルフィリンa(サイトポルフィリン)、ポル
フィリンc、エチオポルフィリン及びピロポルフィリン
などの天然型ポルフィリン化合物、及びその及びそのポ
ルフィリン環上の置換基に関する非天然型位置異性体あ
るいはポルフィリン環上の置換基中のカルボキシル基の
メチルあるいはエチルエステルの鉄(III)錯体と任
意の酸との塩を包含するものである。なお、本発明の実
施例で得られたものは、前述のようにプロトポルフィリ
ン(IX)鉄(III)錯体の塩化物であった。
【0005】本発明の血圧上昇剤は経口的もしくは非経
口的に投与することができるが、静注投与が好ましい。 投与量は0.01μg〜1mg/kg、好ましくは0.
1μg〜100μg/kgであり、体重に応じた投与量
を1〜10mlの生理的食塩水中に溶解して用いる。
【0006】本発明の剤は、主成分としてのヘミンおよ
び副成分を含む乳剤、水和剤、錠剤、水溶剤、粉剤、粒
剤、カプセル剤、丸剤などの種々の形態に製剤化したも
のとして使用できる。副成分としては、薬理的に許容さ
れ得る賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、分散剤、可塑
剤、充填剤、担体などが用いられる。これらの副成分の
例としては、賦形剤としては乳糖、ぶどう糖、白糖など
が、崩壊剤としては澱粉、アルギン酸ナトリウム、寒天
末、カルボキシメチルセルローズカルシウムなどが、滑
沢剤としてはステアリン酸マグネシウム、タルク、流動
パラフィンなどが、結合剤としては単シロップ、ゼラチ
ン溶液、エタノール、ポリビニルアルコールなどが、分
散剤としてはメチルセルロース、エチルセルロース、セ
ラックなどが、可塑剤としてはグリセリン、澱粉などが
挙げられる。
【0007】作用・効果 このたびブタ赤血球より単離されたジギタリス様物質は
ヘミンと同定され、このものは血圧上昇作用を有し、低
血圧治療剤として利用することができるのみならず、本
態性高血圧症のメカニズムの解析や降圧剤の開発の手掛
かりを与えるものである。本発明明細書および図面にお
いて、用いられている略号は当該分野における慣用略号
に基づくものであり、その例を下記する。
【0008】TFA  :トリフルオロ酢酸ATP  
:アデノシン三リン酸 ADP  :アデノシン二リン酸 EDTA:エチレンジアミン四酢酸 IC50  :50%阻害濃度 TCA  :トリクロロ酢酸 FAB  :ファストアトムボンバードメントHPLC
:高速液体クロマトグラフィーCH3CN:アセトニト
リル NMR  :核磁気共鳴 Na+,K+−ATPase:ナトリウム、カリウム−
アデノシン三リン酸加水分解酵素 ODS  :オクタデシルシリル
【0009】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0010】
【実施例1】(1)血球画分よりNa+,K+−ATP
ase阻害活性物質の精製 ブタ血液を2,000×g、30分、4℃で遠心分離を
行って得た血球画分1リットルに2リットルのミリQH
2O(ミリポア社の純水製造装置MilliQによって
作成した純水)を加え、溶血させた。つぎに10分間煮
沸した後10,000rpm、30分遠心分離した。沈
澱画分に70%CH3CN  0.1%TFA700m
lを加え、4℃、24時間抽出を行った。抽出物は10
,000rpm、30分遠心し、上清を分離した。上清
はミリQH2O 1リットルを加えてCH3CN濃度を
30%とし、そのままODSカラム(イナートシルOD
S  20×50mmガスクロ工業)にポンプで10m
l/分で添加した。ついで40%CH3CN  0.0
5%TFA  100ml、50%CH3CN  0.
05%TFA  100ml、そして95%CH3CN
  0.05%TFA  100mlで溶出し、10m
lづつ分取し、後述の(3)記載の方法でNa+,K+
−ATPaseに対する阻害活性を測定した。阻害活性
は主に50%CH3CN溶出画分に認められた。活性画
分は合して濃縮乾固し、35%CH3CN 0.05%
TFA10mlに溶解し、分取用ODSカラム(YMC
−S−150ODS  20×250mm  山村化学
研究所) を用いて35%CH3CN  0.05%T
FAから95%CH3CN  0.05%TFAの濃度
勾配法で分画した。活性画分は濃縮乾固後、1mlの5
5%CH3CN  0.05%TFAに溶解し、ODS
カラム(TSKgel  ODS−80TM  4.6
×250mm  東ソー)を用いて55%CH3CN、
0.05%TFAの単一溶媒溶出法で100ulづつ、
10回に分けて精製を行った。
【0011】(2)Na+,K+−ATPase阻害物
質の化学的性状 本物質の分子量は最終精製の分画を用いて日本電子JM
S−HX110を用いてFABマススペクトルを測定し
て求めた。紫外・可視吸収スペクトルはTSKgel 
 ODS−80TMカラムを用い55%CH3CN、0
.05%TFAを溶媒としてクロマトグラフィを行い、
検出器に島津SPD−M6A(島津製作所製)を使用し
て測定し、ヘミン(和光純薬)の溶出位置及びスペクト
ルと比較した。NMRスペクトルはDMSOに溶解し、
BRUKER  AM−500を用いて測定した。
【0012】(3)Na+,K+−ATPase阻害活
性の測定 試料10ulを遠心チューブ(1.5ml)にとり、3
2mMトリス緩衝液pH7.4(3mM  MgCl2
、100mM  NaCl、10mM KCl、6mM
EDTAを含有)70ulを加え、37℃に10分間保
ち、トリス・マンニトール緩衝液pH7.4(250m
Mマンニトール、20mMトリス塩酸、1mM  ED
TA)に溶かしたNa+,K+−ATPase(シグマ
社製)10ul(0.002ユニット)を加え8分間3
7℃に加温後、10mM  ATP(オリエンタル酵母
製)10ulを加え30分間反応させた。つぎにTCA
(和光純薬)55%水溶液10ulを加え、氷冷して反
応を停止した。次に10,000rpm5分間遠心し、
上清をHPLCでADP、ATPを定量した。HPLC
はカラムにTSKgel  DEAE−5PW(7×7
0mm  東ソー)を用い、0.28Mリン酸緩衝液(
20%CH3CN含有)pH7.0、流速1ml/分、
40℃でATPとADPを分離定量しADPの生成阻害
率を求めた。検出は254nmの吸収強度で測定した。
【0013】(4)Na+,K+−ATPaseに対す
る[3H]−ウワバインの結合阻害活性の測定試料10
ulを遠心チューブにとり、10nM[3H]−ウワバ
イン10ul、Na+,K+−ATPase10ul(
0.004ユニット)、500mMトリス・HCl緩衝
液pH7.7(50mM  MgCl2、1M  Na
Cl、50mM  KCl含有)70ulそして10m
M  ATP10ulを加え、37℃で2時間反応を行
いワットマンGF/B濾紙を用いて吸引濾過法で反応を
停止し、濾紙をバイアル瓶に移し、ユニバーサル液体シ
ンチレーションカクテルAQUASOL−2(Du  
Pont社)を加え、ベックマンLS5801型で放射
能を測定した。試料の代わりにH2O、1mMウワバイ
ンを用いて100%及び0%の値を求めた。
【0014】(5)ラット血圧に対する作用ペントバル
ビタール麻酔下250gのウイスターラット(♂)の大
腿静脈より生食に溶かした試料250ulを注入し、大
腿動脈の血圧を測定した。
【0015】(6)溶解性の検討 1mgの試料を1.5mlの遠心チューブに採り1ml
の各種溶媒を加え、ボルテックスミキサーで良く撹拌し
た後、目視した。
【0016】(7)結果 上記(1)〜(6)の方法の項で述べた方法により精製
した結果、図1に示すように分取用カラムを用い、CH
3CN、0.05%TFAの濃度勾配法により主な阻害
活性はFr21−24に溶出された。この活性画分を乾
固後、DMSOに溶解しNMRスペクトルを測定したと
ころFeなどの常磁性の分子を含むことが示唆された。 次に、分析用カラムを用いて活性画分の精製を行った(
図2)。得られた活性画分を同様の条件で再クロマトグ
ラフィを行い単一ピークであることを確認すると共にS
PD−M6Aを用いてその吸収スペクトルを測定した。 その結果、ヘム関連化合物に特徴的な400nm付近に
大きな吸収を有していた。同様の条件でヘミンの吸収ス
ペクトルを測定したところ溶出位置及び吸収スペクトル
が完全に一致した(図3)。本活性化合物のFABマス
スペクトルを測定したところ図4に示すようにm/Z6
16が観測されヘミンの分子量616に一致した。また
、NMRスペクトルについてもヘミンに一致した(図5
)。ヘミンの溶解性をH2O、EtOH、MeOH、C
H3CNそしてDMSOについて検討したところ、DM
SOには良く溶けるが他の溶媒には難溶であった。しか
し、MeOHとCH3CNにはTFAを加えると可溶と
なった。また、H2Oにはアルカリ性にすると良く溶け
た。Na+,K+−ATPase阻害活性はヘミンとほ
ぼ同じ用量活性曲線を描き、ウワバインの用量活性曲線
ともほぼ平行の曲線が得られた(図6)。IC58は1
0 ̄6Mとウワバインに近い値であった。Na+,K+
、ATPaseへの[3H]−ウワバインの結合阻害活
性はウワバインの1/100の値でほぼ平行な用量活性
曲線が得られた(図7)。ラットに対する血圧作用はウ
ワバインは10 ̄6M、ヘミンは10 ̄5Mから同様な
持続的な血圧上昇がみられた(図8)。以上より、今回
、本発明者らが単離したNa+,K+−ATPase阻
害活性物質はHPLCの溶出位置、吸収スペクトル、F
ABマススペクトル量、NMRスペクトル、Na+,K
+−ATPase阻害活性およびNa+,K+−ATP
aseに対する[3H]ウワバイン結合阻害活性の結果
から、ヘミンと同定した。ヘミンはHPLCの溶出位置
が50〜55%CH3CNと疎水性物質であり、内因性
ジキタリス様物質としての基準の検討すべき点がまだ多
く残しているが、現在までに単離・構造が明らかにされ
た化合物の中では最も強いNa+,K+−ATPase
活性を有していた。またヘミンからFeの脱離したポル
フィリン類にも、Na+,K+−ATPaseの阻害活
性があること、及びヘミンよりも水溶性になることから
、ウロポルフィリンなどがそのHPLCの溶出位置にお
いて、多くの研究者により追求されている阻害物質の溶
出位置と近似している。 ヘミンのNa+,K+−ATPaseの阻害活性はウワ
バインとほぼ同じ強さの活性であり、用量−活性曲線も
ウワバインの阻害曲線の勾配と平行であることから、ヘ
ミンの活性は、Na+,K+−ATPaseを非可逆的
に破壊することによるものではなく、ウワバインと同様
、可逆的なものと推定される。[3H]ウワバイン結合
阻害活性は約1/100と弱い活性であるが、用量−活
性曲線はウワバインと同様な勾配を有しており、IC5
8  5x10 ̄6Mの値は、活性濃度としても弱いも
のではない。これは植物由来の毒性物質と内因性物質の
作用様式または結合部位の親和性の違いによるものと推
定される。ウワバインは培養動脈内皮細胞での結果では
、10 ̄9Mから細胞毒作用が現われるがヘミンは10
 ̄5Mでは細胞毒性用は示さなかった(データは示して
いない)。 赤血球の寿命は約120日であるからヘムの量として毎
日、約300mgが代謝分解を受けており、生体内各所
に存在することからヘミンは生体内の酸化・還元反応に
より、ヘムとヘミンの相互変換、またはポルフィリン類
や関連化合物として生体内各所でNa+,K+−ATP
aseの活性発現の一部を制御しているものと推定され
る。
【0017】また、Fe(II)やFe(II)化合物
はハイドロキシラジカルの生成や脂質の過酸化反応を触
媒する事から、Fe(II)と脳出血後の神経損傷との
関わりが注目されている。Richadら〔ニューロケ
ミカル  リサーチ(Neurochemical R
esearch) 14, 861−864(1989
)〕によるとヘムは30uMでは、Na+,K+−AT
Pase阻害活性は示さないが、ヘムオキシゲナーゼで
処理すると75%の阻害活性が生ずる。これはヘムから
遊離されるFe(II)によるものと推定している。3
0uMでの阻害活性の値は、本発明者らのヘミン関連化
合物の活性測定結果から、ヘムの分解過程に生成される
プロトポルフィリンやビリベルジンの活性を測定してい
るものと思われるがヘムは酸化されやすく、容易にヘミ
ンに変換されるので、一部ヘミンへ変換され、これらの
活性を測定していると思われる。また、Sadrzad
ehら〔ジャーナル・オブ・クリニックス・インベステ
ィゲーション(J. Clin. Invest.) 
79,662−664(1987)〕らによるヘモグロ
ビンによる阻害活性も同様の結果と考えられる。ヘミン
のNa+,K+−ATPase阻害活性はNa+,K+
−ATPaseとヘミンの反応液中のADPの生成と残
存するヘミンをHPLCで分析した結果、ADPの生成
は抑えてもヘミンは定量的に残っていた。このことから
この活性はヘミンの分解により生成するFe(II)イ
オンによるものではないことが明らかになった(データ
は示していない)。これらのことから、ヘミンは脳出血
後の神経損傷には、血中のヘムではなくむしろヘムから
由来するヘミンもしくはこれらの分解物質であるポルフ
ィリン化合物などが重要な関わりを持っているが示唆さ
れる。本発者らがここに得たNa+,K+−ATPas
e阻害活性物質としてのヘミンは内因性のジキタリス様
物質であると言うためにはまだ多くの検討が必要である
。しかし、内因性のジキタリス様物質の探索に際しては
生体のどこにでも存在するので、あらかじめポルフィリ
ン関連化合物かどうかを検討する必要があることを示唆
している。また、ポルフィリン骨格や配位している金属
イオンなどを変換することにより更に強力なアンタゴニ
ストやアゴニストの開発が可能と期待される。
【0018】
【発明の効果】ヘミンはラットの血圧作用において、ウ
ワバインと比較し同様な血圧上昇を有することが認めら
れ、低血圧症の治療薬として用い得る可能性があり、ま
た高血圧症の機構解明ひいては降圧剤の開発への道を拓
くものとして期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】血球画分よりNa+,K+−ATPase阻害
活性物質を分取用カラム(YMC−S−150  OD
S)で分離しているクロマトグラムである。
【図2】図2で得た活性画分を更にTSK  ODS 
 80TMカラムで精製しているクロマトグラムである
【図3】図2で得られた活性画分(B)とヘミン(A)
のHPLCスペクトルを比較して示した図である。
【図4】図2で得られた活性物質のFABマススペクト
ルである。
【図5】図2で得られた活性物質(A)と標品ヘミン(
B)のNMRスペクトルを比較して示した図である。
【図6】ウワバインおよびヘミン関連化合物のNa+,
K+−ATPase阻害活性の用量−活性曲線である。
【図7】Na+,K+−ATPaseに対する[3H]
ウワバイン結合阻害活性の用量−活性曲線である。
【図8】ヘミン(B)およびウワバイン(A)のラット
血圧に対する作用を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヘミンを主成分とする血圧上昇剤。
  2. 【請求項2】ヘミンが天然型のものである請求項1記載
    の血圧上昇剤。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021510715A (ja) * 2018-01-17 2021-04-30 セントジョージズ ホスピタル メディカル スクール 白血病治療のための併用療法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021510715A (ja) * 2018-01-17 2021-04-30 セントジョージズ ホスピタル メディカル スクール 白血病治療のための併用療法

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