JP2021510677A - がんを治療するための選択的parp1阻害剤 - Google Patents

がんを治療するための選択的parp1阻害剤 Download PDF

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Abstract

本開示は、がんの治療、改善、又は予防における使用のための、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ1(PARP1)へのDNA結合の選択的阻害剤又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和物を提供する。治療は、骨粗鬆症に罹患している若しくは骨粗鬆症のリスクのある被験者又は長期療法を必要とする被験者に施すことができる。【選択図】図6

Description

本発明は、がん、及び特にがんを治療、予防、又は改善するための新規の組成物、療法、及び方法に関する。
ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ1(PARP1)は、一本鎖DNA切断(SSB)の修復、並びに相同組換え(HR)及び非相同末端結合(NHEJ)の修復を含む、二本鎖切断(DSB)の修復の双方をするために、細胞核内で作用する。PARP1媒介DNA修復機構は、がん性細胞を死なせる機会をもたらすが、このがん性細胞は、BRCA遺伝子で自然に欠損しているか又はDNAに損傷性の抗腫瘍剤/電離放射線による影響を受けたかのいずれかである。その理由は、BRCA1及びBRCA2が重要なDNA修復機構に関与するタンパク質であるからである。BRCA1及びBRCA2のタンパク質のうちの双方又は一方が何らかの理由で欠損していると、細胞は、PARP媒介DNA修復経路にはるかに強く依存する。このような場合にPARP1阻害は、がん細胞にいわゆる「合成致死」を誘発する。「合成致死」の誘発は、PARP阻害剤である、オラパリブ(リンパルザ(LYNPARZA)(商標))、ルカパリブ(ルブラカ(RUBRACA)(商標))、ニラパリブ(ゼジュラ(ZEJULA)(商標))及びタラゾパリブ(タラゼンナ(TALZENNA)(商標))の医薬品承認の根拠である。
PARP1は、ジンクフィンガードメインを介して損傷したDNAと結合するが、これは、PARP1の触媒機能を著しく活性化させる、PARP1の構造の一連のアロステリック変化を引き起こす事象である。NAD+媒介PAR化プロセスは、PARP触媒ドメインで発現し、PARP1自身のポリ(ADP−リボシル化)(自己修飾反応)及びヒストンを含む他の種々の核タンパク質のポリ(ADP−リボシル化)(ヘテロ修飾反応)を触媒し(De Vosら、「The diverse roles and clinical relevance of PARPs in DNA damage repair: Current state of the art」、Biochemical Pharmacology 84巻(2012年)137〜146頁参照)、シグナルを修復タンパク質に送り、DNA傷害部位に誘引する。PARP1の自己PAR化は、PARP1の立体構造を変化させ、立体構造の変化によってその後DNA結合した部位からPARP1が放出される。PARP1が放出されると、他の分子は、次にPARP1からPAR化修飾を除去し、PARP1が別のDNA傷害部位に結合し、修復プロセスを繰り返すことができるようにする(Lordら、「PARP inhibitors: Synthetic lethality in the clinic」Science2017年3月17日:355巻、6330号)。
既存のPARP1阻害剤は、PARP1のジンクフィンガードメインを介してDNA傷害部位に結合して再構築されたPARP1の触媒ドメインを含む、PARP1の触媒ドメインと結合すると考えられている。阻害剤は、酵素の基質(β−NAD)との結合を阻害することによって、触媒ドメインで発現するPAR化を妨げる。SSB/DSB修復の場合、阻害剤の結合によってDNAに結合したPARP1がPAR化されないため、DNA修復に関与する他のタンパク質がSSB/DSB部位に誘引されることはなく、したがって修復は発現せず、PARP1がPAR化されなければ、PARP1はDNAから分離できないので、PARP1はDNA傷害部位に「捕捉される」(上記Lordら)。
PARP1は、DNA損傷に非依存性の役割を有する。例えば、細胞ストレス条件下のPARP1のアセチル化は、DNA不在であってもPARP1の酵素活性を活性化させる(「SIRT1 Promotes Cell Survival under Stress by Deacetylation−Dependent Deactivation of Poly(ADP−Ribose)Polymerase 1」Rajamohanら、Molec.Cell Biol.、2009年、29巻(15号):4116〜4129頁)。PARP1は、DNA損傷に非依存性の、非がん性細胞に関連する、酸化ストレスに対する細胞応答に関与しているという重要な証拠があり、例えば、「On PAR with PARP:cellular stress signaling through poly(ADP−ribose)and PARP−1」Luo及びKraus、Genes and Development、2012年、26巻:417〜432頁、で検討されている。さらに、PARP1は、同じく非がん性細胞に関連する、細胞の代謝制御及び代謝活性における役割を有する(「The role of PARP−1 and PARP−2 enzymes in metabolic regulation and disease」、Bai及びCant、Cell Metabolism、2012年、16巻(3号):290〜295頁;Brunyanszkiら、「Mitochondrial poly(ADP−ribose)polymerase:The Wizard of Oz at work.」Free Radical Biology and Medicine 100(2016年)257〜270頁)。PARP1の触媒ドメインに結合した阻害剤を有するPARP1は、非がん性細胞の機能に重要な前述の役割を含む他のいかなる役割も果たすことができない(Moralesら、「Review of Poly(ADP−ribose)Polymerase(PARP)Mechanisms of Action and Rationale for Targeting in Cancer and Other Diseases」Crit Rev Eukaryot Gene Expr.、2014年、24巻(1号):15〜28頁)。したがって、PARP1にPARP1の他の役割を継続させながら、PARP1のDNA修復機構を阻害することができれば、有利であろう。
同様に、DNA修復に関連する他のPARP酵素、すなわちPARP2及びPARP3も、DNA修復以外の役割、例えば代謝機能及び細胞ストレス応答(「Identification of candidate substrates for poly(ADP−ribose) polymerase−2(PARP2)in the absence of DNA damage using high−density protein microarrays」、Troianiら、FEBS J.2011年、278巻(19号):3676〜3687頁、「A systematic analysis of the PARP protein family identifies new functions critical for cell physiology」、Vyasら、Nature Comm.2013年、4巻:2240号、「TRPM2 channel opening in response to oxidative stress is dependent on activation of poly(ADP−ribose) polymerase」、British J. Pharmacol.2004年、143巻(1号):186〜192頁、「Biology of Poly(ADP−Ribose) Polymerases、The Factotums of Cell Maintenance」、Bai、Molec.Cell、2015年、58巻(6号):947〜958頁、「A fast signal−induced activation of poly(ADP−ribose) polymerase:A novel downstream target of phospholipase C」、Homburgら、J.Cell Biol.、2000年、150巻(2号):293〜307頁)、及びミトコンドリアの機能を有している(「Poly(ADP−ribose)polymerases as modulators of mitochondrial activity」、Baiら、Trends Endocrin.Metabol.、2015年、26巻(2号):75〜83頁)。PARP1が関与しなければ、PARP2もPARP3も、DNA修復ができないため、「合成致死」というBRCAコンセプトにおいて、PARP2及びPARP3の阻害は、不要である。さらに、PARP2及びPARP3の阻害は、上記に挙げた他の本質的な細胞の機能にとって障害となることがある。特に、PARP2は、細胞の代謝制御と代謝活性、カルシウムシグナリングと石灰化、及びアポトーシスに関与している。発明者らは、PARP2を阻害することがどのように骨芽細胞の機能消失を引き起こすかを記載する。したがって、PARP2を阻害することは、乳がん及び前立腺がんを含む数種類のがんの周知の合併症であり、長期の使用、例えば、維持療法の状況下で起こりやすい合併症である、骨粗鬆症の重大な危険因子である。
したがって、非がん性細胞で正常でおそらく保護的なPARP活性を妨げないように、DNA依存性のPARP1活性を選択的に阻害することは、PARP阻害を使用するがん治療において重要となり得る。或いは又はさらに、がんが、PARP酵素の触媒部位を標的とするPARP阻害剤に対して薬剤耐性を獲得した場合、治療プロトコルで異なる作用機構を有する第2のPARP阻害剤が、有利となり得る。このような耐性機構は、c−MetによるPARP1のリン酸化、ABCB1(MDR1)薬剤排出ポンプの発現の上昇、S6リン酸化を介するmTOR経路の活性化、及び今後発見されることになる他の耐性機構を含むことがあるが、その耐性にPARP1の捕捉障害を含まない(「Reverse the resistance to PARP inhibitiors」、Kimら、Int.J.Biol.Sci.、2017年;13巻(2号):198〜208頁において検討されている)。
本発明は、先行技術に関連する課題を克服しようとする発明者らの研究から生まれた。
本発明の第1の態様によると、骨粗鬆症に罹患している若しくは骨粗鬆症のリスクのある被験者又は長期療法を必要とする被験者のがんの治療、改善、又は予防における使用のための、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ1(PARP1)へのDNA結合の選択的阻害剤又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和物が提供される。
第2の態様において、被験者のがんを治療、予防、又は改善する方法であって、そのような治療を必要とする被験者に治療有効量の、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ1(PARP1)へのDNA結合の選択的阻害剤又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和物を投与するステップを含み、被験者が骨粗鬆症に罹患している若しくは骨粗鬆症のリスクのある、又は長期療法を必要とする、方法が提供される。
有利なことに、PARP1へのDNA結合の選択的阻害は、SSBが修復されることを妨げる。したがって、がん細胞を死なせることを狙う合成致死機構は、維持される。しかしながら、PARP1を、身体のがん細胞以外にある非がん性細胞でPARP1へのDNA結合を必要としない、PARP1の他の本質的な細胞の役割を果たすことに利用できるであろう。
PARP1及びPARP2の活性がDNA依存性とDNA非依存性の反応間でどのように分割されるかを示すグラフである。 オーラノフィン及び金チオリンゴ酸塩の異なる濃度に対するPARP1の阻害百分率を示すグラフである。 金チオリンゴ酸塩の異なる濃度に対するPARP1及びPARP2の阻害百分率を示すグラフである。 金チオグルコースの異なる濃度に対するPARP1及びPARP2の阻害百分率を示すグラフである。 PARPアミノ酸配列アラインメントを示す図である。 ミノサイクリンの異なる濃度に対するPARP1及びPARP2の阻害百分率を示すグラフである。 ラットに(a)無処置(b)慢性腎臓疾患(CKD)を引き起こす高アデニン/低タンパク食の摂食、又は(c)CKDを引き起こす高アデニン/低タンパク食の摂食及びミノサイクリンの投与、を行い、ラットから得た肢長骨の断面図の走査型電子顕微鏡(SEM)及び透過型電子顕微鏡(TEM)の画像である。 ラットの肢長骨の骨密度の分析を示す図である。
PARP1へのDNA結合の選択的阻害剤が、DNA結合以外のPARP1の他の機能を阻害しないことは、理解されるであろう。PARP1の他の機能は、DNA損傷に非依存性の酸化ストレスに対する細胞応答におけるPARP1の役割並びに/又は細胞の代謝制御と代謝活性、カルシウムシグナリングと石灰化、及びアポトーシスにおけるPARP1の役割を含むことがある。阻害剤は、PARP1のNAD+結合部位を阻害も遮断もしないであろう。好ましくは、阻害剤は、PARP1のジンクフィンガーの阻害剤である。
被験者が、閉経後の女性、45歳までに子宮摘出をしている女性、過度の運動若しくは過度の食事制限の結果6ヵ月間より長く無月経である女性、又は性腺機能低下症に罹患している男性である場合、被験者は骨粗鬆症のリスクがあると考えられる。閉経後の女性は、早期閉経、すなわち45歳までに閉経している可能性がある。
或いは又はさらに、被験者がリューマチ性関節炎に罹患している場合、被験者は、骨粗鬆症のリスクがあると考えることができる。
がんは、固形腫瘍又は固形がんでもよい。がんは、血液がん、腸がん、脳がん、乳がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、胃がん、肝臓がん、肺がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、又は皮膚がんでもよい。血液がんは、骨髄腫でもよい。腸がんは、結腸がん又は直腸がんでもよい。脳がんは、グリオーマ又はグリオブラストーマでもよい。乳がんは、BRCA陽性乳がんでもよい。乳がんは、HER2陽性乳がん又はHER2陰性乳がんでもよい。肝臓がんは、肝細胞がんでもよい。肺がんは、非小細胞肺がん又は小細胞肺がんでもよい。皮膚がんは、メラノーマでもよい。
数種のがんは、骨粗鬆症のリスクを増大させる。したがって、がんが乳がん、前立腺がん、骨髄腫、又は子宮頸がんである場合、被験者は、骨粗鬆症のリスクがあると考えることができる。
長期療法は、維持療法であってもよい。したがって、被験者は、寛解期のがんを有してもよい。
PARP1のジンクフィンガードメインがDNA結合に関与しているため、PARP1がDNAに結合する能力を阻害剤が予防、低減、又は阻害することは、認識し得る。図5に示される通り、発明者らは、PARP1のみが、構造にジンクフィンガードメインを有しているが、DNA修復に関与していると考えられる他のPARP酵素、PARP2及びPARP3は、ジンクフィンガードメインを有していないことを認識した。PARP2及びPARP3は、非がん性細胞で他の多くの細胞の役割も有し、DNA修復に関与しない。したがって、阻害剤がPARP2及び/又はPARP3の阻害剤ではないことが好ましい。
好ましくは、阻害剤は、金錯体であり、さらに好ましくは、金(I)錯体である。好ましくは、阻害剤は、水溶性高分子錯体である。好ましくは、阻害剤は、式I、式II、式III、式IV、若しくは式V
Figure 2021510677

の化合物又はその薬学的に許容できる塩及び/若しくは溶媒和物である。上記の化合物の原子は、その同位体に置換されてもよく、その化合物が依然として式の範囲内にあることは認識し得る。例えば、上記の構造のうちの1つにある水素は、重水素に置換されてもよく、そのような化合物は、適切な式の範囲内にあるであろう。
したがって、阻害剤は、金チオリンゴ酸塩、金チオグルコース、金チオプロパノールスルホン酸塩、金チオ硫酸塩、若しくは金4−アミノ−2−メルカプト安息香酸、又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和物を含んでもよい。
さらに好ましくは、化合物は、式I又は式IIの化合物である。好ましくは、式IIの化合物は、式IIa
Figure 2021510677

の化合物又はその薬学的に許容できる塩及び/若しくは溶媒和物である。
したがって、阻害剤は、金チオリンゴ酸塩、金チオグルコース、又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和物であってもよい。
薬学的に許容できる塩は、PARP1の生物学的特性を保持し、毒性がないかそれとも医薬としての使用に不所望でない、本明細書で提供されるPARP1へのDNA結合の選択的阻害剤の任意の塩を含む。薬学的に許容できる塩は、当技術分野では公知の、多様な、有機及び無機の対イオン由来であってもよい。
薬学的に許容できる塩は、有機酸又は無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、スルファミン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンチルプロピオン酸、グリコール酸、グルタル酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、ソルビン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ピクリン酸、ケイ皮酸、マンデル酸、フタル酸、ラウリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、ショウノウ酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2,2,2]−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、酢酸tert−ブチル、ラウリル硫酸、グルコン酸、安息香酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、キナ酸、ムコン酸等の酸を伴って形成された酸付加塩を含んでもよい。或いは、薬学的に許容できる塩は、親化合物に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、アルミニウムイオン、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム、水酸化亜鉛、及び水酸化バリウムによって置換されるか、又は有機塩基、例えば脂肪族有機アミン、脂環式有機アミン、若しくは芳香族有機アミン、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、リシン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N−ベンジルフェネチルアミン、N−メチルグルカミンピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン、テトラメチルアンモニウムの水酸化物等と配位するかのいずれかの場合に、形成された塩基付加塩を含んでもよい。
したがって、塩は、第1族又は第2族の金属塩、すなわちアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を含んでもよい。したがって、塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ベリリウム塩、マグネシウム塩、又はカルシウム塩を含んでもよい。
したがって、金チオリンゴ酸塩は、金チオリンゴ酸ナトリウム、金チオリンゴ酸カリウム、又は金チオリンゴ酸カルシウムを含んでもよい。好ましくは、金チオリンゴ酸塩は、金チオリンゴ酸ナトリウムを含む。
したがって、阻害剤は、式Ia
Figure 2021510677

の化合物又はその薬学的に許容できる溶媒和物であってもよい。
薬学的に許容できる溶媒和物とは、非共有結合性分子間力により結合された、化学量論的又は非化学量論的な量の溶媒をさらに含む、PARP1へのDNA結合の選択的阻害剤又はその塩を指す。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物である。
本明細書に記載の阻害剤、又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和物が、がんを治療、改善、又は予防するための単剤療法に使用され得る(すなわち阻害剤単独の使用)薬物に使用されてもよいことは、認識されるであろう。或いは、阻害剤又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和物は、がんを治療、改善、又は予防するための既知の療法の補助として、或いはその療法と組み合わせて使用され得る。例えば、阻害剤は、DNAを損傷する薬剤と組み合わせて使用され得る。したがって、阻害剤は、毛細血管拡張性失調症変異及びrad3関連プロテインキナーゼ(ATR)阻害剤、チェックポイント阻害剤、血管内皮増殖因子(VEGF)阻害剤、又はwee1阻害剤と組み合わせて使用され得る。チェックポイント阻害剤は、プログラム細胞死タンパク質1(PD−1)阻害剤、プログラム細胞死リガンド1(PD−L1)阻害剤、又は細胞障害性T−リンパ球関連タンパク質4(CTLA−4)阻害剤であってもよい。
或いは又はさらに、阻害剤は、DNAを損傷する電離放射線と組み合わせて使用され得る。
阻害剤は、特に、組成物を使用する方法に応じて、幾つもの異なる形態を有する組成物に組み合わせ得る。したがって、例えば、組成物は、散剤、錠剤、カプセル剤、液剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル、ハイドロゲル、エアロゾル、噴霧剤、ミセル溶液、経皮パッチ、リポソーム懸濁液、又は治療を必要とするヒト若しくは動物に投与されてもよい、他の任意の適切な形態であってもよい。本発明による薬物の賦形剤は、賦形剤を与えられる被験者によって十分に耐容される賦形剤であるべきことは、認識されるであろう。
本明細書に記載の阻害剤を含む薬物は、ある数の方法で使用され得る。本発明の阻害剤を含む組成物は、吸入(例えば鼻腔内に)によって投与されてもよい。組成物は、外用としても製剤化されることができる。例えば、クリーム剤や軟膏剤は皮膚に塗布されてもよい。
本発明による阻害剤は、徐放性の又は遅延放出性の装置にも組み込まれてもよい。そのような装置は、例えば、皮膚上又は皮膚下に挿入され、薬物は、数週間又はさらに数ヵ月間かけて放出されてもよい。装置は、少なくとも治療部位の近傍に置かれてもよい。このような装置は、通常、頻繁な投与(例えば、少なくとも1日1回の注射)が必要になるであると考えられ、本発明により使用される阻害剤による長期治療が必要な場合、特に有利となり得る。
本発明による、阻害剤及び組成物は、血流に注射することにより又は治療を必要とする部位、例えばがん性腫瘍若しくはがん性腫瘍の近傍の血流に直接注射することにより、被験者に投与され得る。注射は、静脈内注射(ボーラス若しくは点滴)又は皮下注射(ボーラス若しくは点滴)、皮内注射(ボーラス若しくは点滴)又は筋肉内注射(ボーラス若しくは点滴)であってもよい。
好ましい一実施形態では、阻害剤は、経口投与される。したがって、阻害剤は、例えば、錠剤、カプセル剤、又は液剤の形態で経口摂取され得る組成物中に含有され得る。
必要な阻害剤の量は、阻害剤の生物活性及び生物学的利用能によって決定され、次に阻害剤の量は、阻害剤の投与方式、物理化学特性、及び単剤療法として又は併用療法で使用されるかどうかに依存することは、認識されるであろう。投与頻度は、治療を受けている被験者の体内での阻害剤の半減期にも影響を受けるであろう。投与される最適投用量は、当業者によって決定されてもよく、使用される特定の阻害剤、医薬組成物の強度、投与方式、及びがんの進行により変化する。被験者の年齢、体重、性差、食餌、及び投与回数を含む、治療中の特定の被験者に応じた追加要因によって、投用量を調整する必要が生じるであろう。
阻害剤は、治療されるがんの発症前、発症中、又は発症後に投与されてもよい。1日用量を、単回投与として与えられてもよい。しかしながら、好ましくは、阻害剤は、1日に2回以上最も好ましくは1日に2回与えられる。
一般に、本発明による阻害剤の0.01μg/kg体重〜500mg/kg体重の間の1日用量が、がんを治療、改善又は予防するために使用され得る。さらに好ましくは、1日用量は、0.01mg/kg体重〜400mg/kg体重の間、さらに好ましくは、0.1mg/kg〜200mg/kg体重の間、最も好ましくは約1mg/kg〜100mg/kg体重の間である。
治療を受ける患者は、第1の用量を起床時に、次いで第2の用量を夕方に(2回用量計画の場合)又は第1の用量後の3若しくは4時間おきに服用することができる。或いは、本発明による阻害剤の最適用量を反復投与する必要なく患者に提供するために、徐放性装置が使用され得る。
既知の手順、例えば薬学業界によって従来使用されている手順(例えばin vivo実験、臨床試験等)が、本発明による阻害剤を含む特定の製剤及び詳細な治療計画(例えば阻害剤の1日用量及び投与頻度)を作製するために使用され得る。発明者らは、彼らが本発明の阻害剤の使用に基づいてがんを治療するための医薬組成物を最初に記載したと考えている。
したがって、本発明の第3の態様において、骨粗鬆症に罹患している若しくは骨粗鬆症のリスクのある被験者又は長期療法を必要とする被験者のがんを治療するための医薬組成物であって、第1の態様の阻害剤又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和物、及び薬学的に許容できる賦形剤を含む、医薬組成物が提供される。
医薬組成物は、がんの被験者の治療改善、予防、又は治療に使用されてもよい。
医薬組成物は、DNAを損傷する薬剤をさらに含んでもよい。DNA損傷性の薬剤は、毛細血管拡張性失調症変異及びrad3関連プロテインキナーゼ(ATR)阻害剤、チェックポイント阻害剤、血管内皮増殖因子(VEGF)阻害剤、又はwee1阻害剤であってもよい。チェックポイント阻害剤は、プログラム細胞死タンパク質1(PD−1)阻害剤、プログラム細胞死リガンド1(PD−L1)阻害剤、又は細胞障害性T−リンパ球関連タンパク質4(CTLA−4)阻害剤であってもよい。
第4の態様において、本発明はまた、第3の態様による組成物を製造する方法であって、第1の態様の阻害剤又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和物の治療有効量、及び薬学的に許容できる賦形剤を接触させるステップを含む、方法を提供する。
「被験者」は、脊椎動物、哺乳動物、又は家畜であってもよい。したがって、本発明による阻害剤、組成物、及び薬物は、任意の哺乳動物、例えば家畜(例えば、ウマ)、ペットの治療又は他の獣医学の応用に使用されてもよい。しかしながら、最も好ましくは、被験者はヒトである。
阻害剤の「治療有効量」は、被験者に投与された場合、がんを治療するために必要な薬剤の量である、任意の量である。
例えば、使用される阻害剤の治療有効量は、約0.01mg〜約800mg、好ましくは、約0.01mg〜約500mgであってもよい。阻害剤の量は、約0.1mg〜約250mgの量であることが好ましく、最も好ましくは、約0.1mg〜約20mgである。
本明細書において称される「薬学的に許容できる賦形剤」は、医薬組成物を製剤化する際に有用であることが当業者に公知である、任意の既知の化合物又は既知の化合物の組合せである。
一実施形態において、薬学的に許容できる賦形剤は固体であってもよく、組成物は散剤又は錠剤の形態であってもよい。固体の薬学的に許容できる賦形剤は、着香剤、滑沢剤、溶解補助剤、懸濁剤、色素、増量剤、流動化剤、圧縮補助剤、不活性結合剤、甘味剤、保存剤、色素、コーティング剤、又は錠剤崩壊剤としても作用し得る、1種又は複数の物質を含んでもよい。賦形剤はまた、カプセル化材料であってもよい。散剤においては、賦形剤は、微細に分割された本発明による活性剤(すなわち阻害剤)と混合された、微細に分割された固体である。錠剤においては、阻害剤は、必要な圧縮特性を有する賦形剤と適切な割合で混合され、所望の形状及び大きさに成形され得る。散剤及び錠剤は、好ましくは、最大99%の阻害剤を含有する。適切な固体の賦形剤は、例えば、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、ポリビニルピロリジン、低融点ワックス、及びイオン交換樹脂を含む。別の実施形態においては、医薬用賦形剤は、ゲルであってもよく、組成物は、クリーム剤等の形態であってもよい。
しかしながら、医薬用賦形剤は、液状であってもよく、医薬組成物は、溶液の形態である。液状賦形剤は、溶液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤及び加圧組成物を調製する際に使用される。本発明による阻害剤は、薬学的に許容できる液状賦形剤、例えば、水、有機溶媒、双方の混合物、又は薬学的に許容できる油類若しくは脂肪類に、溶解又は懸濁されてもよい。液状賦形剤は、他の適切な医薬添加剤、例えば、溶解補助剤、乳化剤、緩衝剤、保存剤、甘味剤、着香剤、懸濁剤、粘稠化剤、着色剤、粘度調整剤、安定剤、又は浸透圧調整剤を含有することがある。経口及び非経口の投与のための液状賦形剤の適切な例には、水(一部上記の添加剤、例えば、セルロース誘導体、好ましくはカルボキシメチルセルロースナトリウム溶液を含有する)、アルコール(一価アルコール及び多価アルコール、例えばグリコールを含む)及びその誘導体、並びに油類(例えば、分留されたヤシ油及びラッカセイ油)が挙げられる。非経口投与には、賦形剤は、油性のエステル例えばオレイン酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルであってもよい。滅菌液状賦形剤は、非経口投与のための滅菌液状形態の組成物に有用である。加圧組成物のための液状賦形剤は、ハロゲン化炭化水素又は他の薬学的に許容できる噴霧剤であってもよい。
液状医薬組成物は、滅菌溶液又は懸濁液であり、例えば、筋肉内注射、髄腔内注射、硬膜外注射、腹腔内注射、静脈内注射、及び特に皮下注射によって利用されてもよい。阻害剤は、滅菌水、生理食塩液、又は他の適切な注入可能な滅菌媒体を使用して投与時に溶解又は懸濁され得る滅菌固体組成物として調製されてもよい。
本発明の阻害剤及び組成物は、他の溶質又は懸濁剤(例えば、溶液を等張にするために十分な生理食塩液又はグルコース)、胆汁酸塩、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビタンモノオレエート、ポリソルベート80(ソルビトール及び無水ソルビトールのオレイン酸エステルが酸化エチレンで共重合された)等を含有する滅菌溶液又は懸濁液の形態で投与されてもよい。本発明により使用される阻害剤は、液状又は固体、いずれかの組成物の形態で経口投与されてもよい。経口投与に適切な組成物は、固体形態、例えば、丸薬、カプセル剤、顆粒剤、錠剤、及び散剤並びに液状形態、例えば、溶液、シロップ剤、エリキシル剤、及び懸濁剤を含む。非経口投与に有用な形態は、滅菌溶液、乳液、及び懸濁液を含む。
本発明のさらにもう1つの態様によると、がんの治療、改善、又は予防における使用のための、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ1(PARP1)へのDNA結合の選択的阻害剤又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和物が、提供される。
さらにもう1つの態様では、被験者のがんを治療、予防、又は改善する方法であって、そのような治療を必要とする被験者に、治療有効量の、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ1(PARP1)へのDNA結合の選択的阻害剤又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和物を投与するステップを含む方法が、提供される。
本明細書(付随する任意の、請求項、要約及び図面を含む)に記載されるすべての特徴及び/又は本明細書で公開される任意の方法若しくはプロセスのステップのうちのすべては、そのような特徴及び/又はステップのうちの少なくともいくつかが相互に排除的である組合せを除き、任意の組合せにおいて上記の態様のうちのいずれとも組み合わせることができる。
本発明をより良く理解し、本発明の実施形態がどのように実施され得るかを示すために、例示を通して付随する図をこれから参照する。
実施例1−DNA依存性及びDNA非依存性のPARP1活性並びに阻害剤の用量反応のアッセイ
PARP阻害剤アッセイは、直接蛍光法に基づく反応生成物形成の濃度測定である。アッセイ試薬は、市販キットとして販売されている(http://www.merckmillipore.com/GB/en/product/PARP1−Enzyme−Activity−Assay、MM_NF−17−10149参照)。PARP阻害を測定するためには、すべての種類の阻害剤(競合的な、不競合的な、及び非競合的な(アロステリック)(後者は、ジンクフィンガー阻害剤の作用方式を示す))の特定、阻害能(Ki)の直接計算、及びin vivoモデリングが可能となるように、NAD+基質濃度をKm(ミカエリス定数)に設定するべきである(Michael G.Acker、Douglas S.Auld.、Considerations for the design and reporting of enzyme assays in high−throughput screening applications、Perspectives in Science (2014年)1巻、56〜73頁及びその中で引用されている文献を参照)。文献で報告されている他のすべてのPARP阻害剤アッセイ(及び市販で入手可能なPARP阻害剤アッセイを含む)は、測定用にNAD+を大幅に変換してNAD+を標識するか、又は(仮に含んでいたとしても)極めて低い濃度のNAD+を含むだけであり、競合的な動態が典型的にならないようにする。
ヒト全長活性のPARP1(CS207770、Merck)、PARP2(ab198766、Abcam)及びPARP3(ab79638、Abcam)のタンパク質について、PARPの活性及び阻害を測定した。異なる濃度(1、10、及び100nM、1、10、及び100μM最終)の阻害化合物(金チオリンゴ酸ナトリウム及び金チオグルコース、シグマアルドリッチ(Sigma−Aldrich)並びにオーラノフィン、バイオテクネ(Bio−Techne))を反応緩衝液に添加し、50mMのTris−HCl、100mMのNaCl、5mMのMgCl、0.05%Tween−20、pH8.0のMerckキット緩衝液、シグマ(Sigma))の1:1の混合物として調合し、PARP1(2.5ng/μL最終)、PARP2(2.2ng/μL最終)、又はPARP3(55ng/μL最終)とともに室温で30分間インキュベートした。
さらに、活性化したDNA(2ng/μL最終)、β−NAD(PARP1/2及びPARP3についてそれぞれ60及び400μM最終)及びニコチンアミダーゼ(200ng/μL最終)を添加し、37℃で45分間インキュベートした。総反応量は25μLであった。
コントロールを下記の通り実施した。
1.0%阻害のコントロールは、阻害剤のない反応試料を含有し、
2.PARP1/2/3活性の100%阻害のコントロールは、β−NADのない反応試料を含有し、且つ
3.DNA依存の活性の100%阻害のコントロールは、DNAのない反応試料を含有した。
室温までプレートを冷却した後、Merck専用試薬25μLを反応混合物に添加し、弱振盪で45分間インキュベートした。フルオスターオメガマイクロプレートリーダー(BMG Labtech)の410nmの励起波長及び460nmの励起放出で蛍光測定を行った。
PARP1/2/3活性の算出
PARP1/2/3総活性を、コントロール(1)とコントロール(2)間の差として算出した。DNA非依存性の活性を、コントロール(1)とコントロール(3)間の差として算出した。DNA依存性の活性を、PARP1/2/3総活性とDNA非依存性の活性の差として算出した。図1に示される通り、約80%のPARP1活性は、DNA依存性である。しかしながら、潜在的に、PARP1活性の最大30%がDNA非依存性となり得る。
PARP阻害の算出
コントロールにしたがって阻害値を百分率に変換した。DNA依存性の活性の阻害のみがみとめられたので、コントロール(1)及びコントロール(3)を、PARP1のケースに使用し、結果を図2に示している。PARP2/3総活性の阻害(DNA依存性及びDNA非依存性の反応の双方)がみとめられたので、コントロール(1)及びコントロール(2)をPARP2/3のケースに使用した。図3及び図4は、それぞれ金チオリンゴ酸塩及び金チオグルコースの異なる濃度に対するPARP1及びPARP2の阻害百分率を示す。
IC50値を50%阻害における阻害剤濃度として決定し、表1に示す。
Figure 2021510677
図2及び表1に示される通り、金チオ化合物とホスフィン化合物の混合群としてのオーラノフィンは、極めて高い濃度でのみPARP1及びPARP2を阻害する。したがって、この高濃度の用量が安全であるかどうかが不明であるので、オーラノフィンは薬剤候補として適切ではない。
しかしながら、金チオリンゴ酸ナトリウム及び金チオグルコース、すなわち純粋の金チオ化合物は、オーラノフィンに比べて30倍〜10倍強力なPARP1のIC50を有するので双方とも許容できる安全投用量である。さらに、図3及び図4並びに表1に示される通り、金チオリンゴ酸塩及び金チオグルコースはいずれも、PARP2もPARP3も阻害しないので、PARP1の選択的阻害剤と考えることができる。
実施例2−骨密度に対するPARP2阻害の影響
PARP2を阻害することが骨粗鬆症の重大な危険因子であることを証明するために、実施例1に記載のPARP阻害剤アッセイを使用してPARP2特異的阻害剤を最初に特定した。PARP阻害剤アッセイを使用して、ミノサイクリンが特異的PARP2阻害剤であり、PARP2を2.8μMのIC50で阻害し、PARP1を204.5μMのIC50で阻害することを発明者らは見出した、図6参照。ミノサイクリンに対するPARP2の選択要因がPARP1と比べて70倍を超えていることに注目されるであろう。
骨の石灰化プロセスに与えるミノサイクリンの影響を、in vivoラットモデルで評価した。慢性腎臓疾患(CKD)及び随伴性の高リン酸血症、並びに血管中膜石灰化を発症させるために、ラットに高アデニン/低タンパク食を摂食させた。骨代謝率の上昇をもたらすことも予想され、発明者らは、骨のリモデリング中のPARP2の酵素活性の阻害が石灰化に影響したかどうかを、調査することができた。
高アデニン/低タンパク食のラットのうちの14匹を、6週間、50mg/kg/日のミノサイクリンで処置をした。試験期間の終了時に、走査型電子顕微鏡(SEM)及び透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して肢長骨の断面図を分析した、図7を参照されたい、SEM及びTEMの画像から骨の断面図の皮質面積における中実骨の面積率を定量した、図8を参照されたい。統計学的有意性をマン・ホイットニーの検定によって決定した。
図8bに示される通り、コントロール及び高アデニン/低タンパク食を摂食させたがミノサイクリンで処置されなかったラットの双方と比べると、ミノサイクリンで処置されたラットには、中実骨の面積率に25%の低下が認められた。
結論
金チオリンゴ酸ナトリウム及び金チオグルコースがPARP1を阻害するがPARP2/3を阻害しない理由は、DNA修復のPARP1の活性化に必須のステップである、PARP1の1種又は複数のジンクフィンガードメインとDNAとの結合を、金チオリンゴ酸ナトリウム及び金チオグルコースが阻害するからであると発明者らは考えている。Zn2+イオンが放出され、Auイオンに置換されると、立体構造の変化があると考えられる。結果として得られる「ゴールドフィンガー」ドメインは、DNAに結合しないため、SSBは修復されない。したがって、がん細胞を死なせることを目的とする合成致死機構は、維持される。
発明者らは、PARP1がDNA非依存性の活性を有していることを示している。DNA非依存性の活性は、金チオリンゴ酸ナトリウム及び金チオグルコースの存在下で維持される。したがって、身体のがん細胞以外にある非がん性細胞で他の本質的な細胞の、DNA非依存性の役割を果たすために、PARP1を利用することができる。
発明者らは、PARP2阻害が骨芽細胞の機能に影響することを示している。このような阻害は、骨粗鬆症に罹患している又は骨粗鬆症のリスクが増大している患者、例えば乳がん又は前立腺がんに罹患する患者には、特に問題になるであろう。長期治療を必要とする患者、例えば維持療法を受ける患者にも、骨芽細胞機能の阻害は、問題であり、骨粗鬆症のリスクを顕著に増大させるであろう。
さらに、PARP2/3活性は、金チオリンゴ酸塩及び金チオグルコースに阻害されず、したがって、酵素は双方とも、本質的な細胞の役割を果たすために維持され、骨芽細胞機能は影響を受けないであろう。したがって、発明者らは、金チオ化合物、例えば、金チオリンゴ酸塩及び金チオグルコースががん療法のための高度に選択的なオンコロジー薬剤及び/又はPARP酵素の触媒部位を標的とする他のPARP阻害剤に対する薬剤耐性を軽減させるための治療の第二選択薬として、使用することができることを示している。これは、骨粗鬆症に罹患している又は骨粗鬆症のリスクのある患者にとっては、特に有益であろう。金チオ化合物が、PARP1及びPARP2の双方を阻害する認可済薬剤、例えばオラパリブ(リンパルザ(商標))に比べて重要な優位性を提供することに注目されるであろう。

Claims (25)

  1. 骨粗鬆症に罹患している若しくは骨粗鬆症のリスクのある被験者又は長期療法を必要とする被験者のがんの治療、改善、又は予防における使用のための、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ1(PARP1)へのDNA結合の選択的阻害剤又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和物。
  2. DNA結合以外のPARP1の他の機能を阻害しない、請求項1に記載の使用のための選択的阻害剤。
  3. PARP1の他の機能が,DNA損傷に非依存性の酸化ストレスに対する細胞応答におけるPARP1の役割,並びに/又は細胞の代謝制御と代謝活性、カルシウムシグナリングと石灰化、及びアポトーシスにおけるPARP1の役割を含む、請求項2に記載の使用のための選択的阻害剤。
  4. PARP1のNAD+結合部位を阻害も遮断もしない、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用のための選択的阻害剤。
  5. PARP1のジンクフィンガーの阻害剤である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用のための選択的阻害剤。
  6. 被験者が、閉経後の女性、45歳までに子宮摘出をしている女性、過度の運動若しくは過度の食事制限の結果6ヵ月間より長く無月経である女性、又は性腺機能低下症に罹患している男性である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用のための選択的阻害剤。
  7. 被験者がリューマチ性関節炎に罹患している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用のための選択的阻害剤。
  8. がんが固形腫瘍又は固形がんである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用のための選択的阻害剤。
  9. がんが、血液がん、腸がん、脳がん、乳がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、胃がん、肝臓がん、肺がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、又は皮膚がんである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用のための選択的阻害剤。
  10. がんが、乳がん、前立腺がん、骨髄腫、又は子宮頸がんである、請求項9に記載の使用のための選択的阻害剤。
  11. 長期療法が維持療法である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用のための選択的阻害剤。
  12. PARP2及び/又はPARP3の阻害剤ではない、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用のための選択的阻害剤。
  13. 金錯体である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の使用のための選択的阻害剤。
  14. 金(I)錯体である、請求項13に記載の使用のための選択的阻害剤。
  15. 水溶性高分子錯体である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の使用のための選択的阻害剤。
  16. 式I、式II、式III、式IV、若しくは式V
    Figure 2021510677

    の化合物又はその薬学的に許容できる塩及び/若しくは溶媒和物である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の使用のための選択的阻害剤。
  17. 前記化合物が式I又は式IIの化合物である、請求項16に記載の使用のための選択的阻害剤。
  18. 前記化合物が式IIa
    Figure 2021510677

    の化合物又はその薬学的に許容できる塩及び/若しくは溶媒和物である、請求項17に記載の使用のための選択的阻害剤。
  19. 金チオリンゴ酸ナトリウム、金チオリンゴ酸カリウム、又は金チオリンゴ酸カルシウムである、請求項17に記載の使用のための選択的阻害剤。
  20. 式Ia
    Figure 2021510677

    の化合物又はその薬学的に許容できる溶媒和物である、請求項19に記載の使用のための選択的阻害剤。
  21. DNAを損傷する薬剤と組み合わせて使用される、請求項1〜20のいずれか一項に記載の使用のための選択的阻害剤。
  22. 毛細血管拡張性失調症変異及びrad3関連プロテインキナーゼ(ATR)阻害剤、チェックポイント阻害剤、血管内皮増殖因子(VEGF)阻害剤、又はwee1阻害剤と組み合わせて使用される、請求項21に記載の使用のための選択的阻害剤。
  23. 前記チェックポイント阻害剤が、プログラム細胞死タンパク質1(PD−1)阻害剤、プログラム細胞死リガンド1(PD−L1)阻害剤、又は細胞障害性T−リンパ球関連タンパク質4(CTLA−4)阻害剤である、請求項22に記載の使用のための選択的阻害剤。
  24. 骨粗鬆症に罹患している若しくは骨粗鬆症のリスクのある被験者又は長期療法を必要とする被験者のがんを治療するための医薬組成物であって、請求項1〜19のいずれか一項に定義された、PARP1へのDNA結合の選択的阻害剤又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和物、及び薬学的に許容できる賦形剤を含む、医薬組成物。
  25. 請求項24に記載の前記組成物を製造する方法であって、請求項1〜19のいずれか一項に定義された、PARP1へのDNA結合の選択的阻害剤又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和物の治療有効量、及び薬学的に許容できる賦形剤を接触させるステップを含む、方法。
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