JP2021510657A - ポーションパッケージを用いて飲料を製造する方法、およびポーションパッケージ - Google Patents

ポーションパッケージを用いて飲料を製造する方法、およびポーションパッケージ Download PDF

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Abstract

内部に抽出材料が配置されているフィルタ材料製の容器(2)と、容器(2)を取り囲む支持体(3)とを有するポーションパッケージ(1)を用いて、飲料を製造する方法であって、以下のステップ、すなわち、フィルタ容器内に閉じられたポーションパッケージ(1)を挿入するステップと、ポーションパッケージの容器(2)を上側で開放し、容器(2)の内部容積を、閉鎖位置における内部容積と比較して少なくとも50%増大させるステップと、飲料調製のために抽出材料に水を供給するステップと、を含む方法。本発明に係るポーションパッケージ(1)は、支持体に少なくとも1つの折畳み縁部(8)を有しており、折畳み縁部(8)を中心にしてフラップ(7)が旋回可能であり、これによって開放時に、ポーションパッケージの内部容積を増大させることができる。

Description

本発明は、内部に抽出材料が配置されているフィルタ材料製の容器と、容器を取り囲む支持体とを有するポーションパッケージを用いて、飲料を製造するための方法、および、内部に抽出材料が配置されたフィルタ材料からなる容器と、容器を少なくとも部分的に包囲する支持体とを有しているポーションパッケージであって、容器は初期位置では閉じられた状態で形成されており、フィルタ材料の縁部の少なくとも一部が旋回することにより開かれるようになっている、ポーションパッケージに関する。
コーヒー調製用には、欧州特許第268847号明細書に記載の、容器に載置可能な、ボール紙から成る保持フレームと、フィルタペーパから成るフィルタバッグとを有するフィルタが存在する。これによりフィルタバッグを、保持フレームを介して所定の位置に保つことができるようになっており、ユーザは、コーヒーを抽出するためにフィルタバッグに供給してから抽出過程を実施する。確かにコーヒーの味は、調製時にフィルタペーパに個別に供給しかつ手動で抽出することによって個別に考慮され得るが、コーヒー粉を挽いてフィルタバッグに供給し、次いで手動で抽出することは、比較的手間がかかる。
独国特許出願公開第19520837号明細書に記載の、挽かれたコーヒーを含むポーションコーヒーフィルタバッグは、真空パックされて形成されていてよく、パッケージから取り出すとすぐに使用することができるようになっている。このようなポーションパッケージは多様な形態で知られており、コーヒー調製時の要求が不十分にしか考慮されないという欠点を有している。コーヒー抽出時にはコーヒー粉の体積が増大するので、高圧でエスプレッソを作る場合とは異なり、注水時にコーヒー粉が広がることができるようになっていることが望ましい。さらに、高価値のコーヒー飲料を作る際には、所定のコーヒーベッド幾何学形状や、コーヒー粉を均一に濡らすことが必要とされており、これらは、従来のポーションパッケージでは達成されないことが多い。
欧州特許第401951号明細書には、紙製のフィルタバッグと支持体とを備えたフィルタ装置が開示されており、支持体は、手動で湯通しするためにカップに設置可能である。
したがって、本発明の課題は、簡単な調製を可能にする、飲料を製造する方法およびそのためのポーションパッケージを提供することであり、ポーションパッケージの輸送体積は、閉じられた状態では小さいことが望ましく、これに対してポーションパッケージの体積が、調製を制限しないことが望ましい。
この課題は、請求項1記載の特徴を有する方法と、請求項6記載の特徴を有するポーションパッケージとによって解決される。
本発明に係る方法では、閉じられたポーションパッケージが、フィルタ容器内に挿入され、ポーションパッケージの挿入前または挿入後に、ポーションパッケージの容器が上側において開放され、このとき容器の内部容積が、閉鎖位置における内部容積と比較して少なくとも50%増大する。容器の閉鎖位置における内部容積は、容器の、フィルタ材料によって取り囲まれている内室によって画成され、これに対して開放位置における内部容積は、開放位置において上縁部を有しているフィルタ材料によって画成される。上縁部は水平な平面を形成しており、これによって内部容積の上限部を成している。上縁部が異形成形されていること、または突出部および切欠きを備えていることが望ましい場合には、鉛直方向高さに関する上縁部の平均値が形成され、この平均値を内部容積の計算のために考慮することができる。開放位置における、このように形成された内部容積は、好ましくは、閉鎖位置における内部容積と比較して少なくとも50%大きいので、抽出材料に水を供給することによる飲料の調製時に、抽出材料が圧縮されず、空間的に制限されることなしに、脱気して膨れ上がることができる。これによって抽出材料、特にコーヒー粉の均一な完全な湿潤時に、品質的に価値の高いコーヒーを湯通しすることができる。
支持体は、少なくとも1つの折畳み縁部を有しており、この折畳み縁部を中心にして、フィルタ材料製の上側の部分が固定されているフラップが旋回可能である。これによって支持体の、1つまたは複数のフラップを介して、開放過程を実現することができる。開放のために、ポーションパッケージを折畳み縁部の領域において湿潤させることができ、これによってポーションパッケージの開放を自動的に行うことができる。
支持体は、好適には閉鎖位置で容器の上面に、折畳み縁部を介して容器の側壁部分と結合された複数のフラップを有している。折畳み縁部への給湿によって、容器の上面に設けられたフラップの変形および上方旋回を生じさせる膨張過程が開始されてよい。支持体は、好適には閉鎖位置において容器の上縁部に環状に設けられているので、ポーションパッケージの上面を水で湿らせることによって、任意には閉鎖手段を外すことができると共に、特にフラップの上方旋回をもたらす変形過程が導入される。支持体は、好適にはボール紙または厚紙等の、水によって膨張可能な材料から成っているため、折畳み縁部における膨張過程は、相応する、フラップの旋回運動をもたらす。
本発明に係るポーションパッケージでは、支持体は、好ましくは少なくとも1つの折畳み縁部を有しており、この折畳み縁部を中心にしてフラップが旋回可能であり、これによって開放時における容器の内部容積を、少なくとも50%増大させることができる。この場合、環状の折畳み縁部に沿って、開放時に旋回する複数のフラップが設けられていてよい。
効率的な製造のために、支持体を備えた容器は、閉鎖位置で上から見ると角張った形状、特に五角〜八角の形状、例えば六角形を有している。これにより、容器の個々の角隅部の間に各1つの折畳み縁部が設けられていてよく、折畳み縁部には各1つのフラップが旋回可能に支承されている。
容器は下側に、支持体によって被覆されていない、好適にはフィルタ材料から成る尖端部を有している。これにより、下部域には、飲料調製時に通流可能なフィルタ材料のみが設けられていることになり、支持体が飲料調製過程を妨げることはない。この場合、尖端部は載頭円錐状または角錐状に形成されていてよく、支持体によって被覆されていない領域は、調製位置におけるポーションパッケージの高さの少なくとも30%を占めている。この高さは、ポーションパッケージの尖端部が下を向いた使用位置で、鉛直方向に計測する。
有効フィルタ面を拡大するために、複数のスペーサ、例えばリブ、成形部、スタンピングまたは切抜き部が支持体に付け加えられていてよい。これにより、スペーサを介して、フィルタ容器内に正確に支持体を位置決めすることができる。この場合、フィルタ材料は下部域において、フィルタ容器から離れて保持されていてよい。
フィルタ材料は、好適には支持体と共に上面において展開可能であり、このために支持体とフィルタ材料とは互いに接着されているか、または互いに機械的に固定されている。フィルタ材料は、初期位置では容器の上面において折り畳まれており、つまり少なくとも部分的に多層に配置されており、支持体および/または閉鎖手段によって保持され得る。閉鎖手段が外れた後に、フィルタ材料は支持体のフラップと共に旋回することができるようになっているので、初期位置でポーションパッケージの上部カバーを形成するフィルタ材料の領域が、開いて旋回した後に側壁を形成し、これに相応して、ポーションパッケージ内の抽出材料が調製時に膨張することができる。
本発明による方法では、まずポーションパッケージを飲料調製装置に挿入し、次いでポーションパッケージに給水し、ポーションパッケージに設けられた閉鎖手段を水で湿らせることによって外す。閉鎖手段を外すことによって、ポーションパッケージを開き、ポーションパッケージの支持体を展開させることができる。次いで、容器内に配置された飲料調製用の抽出材料に給水し、飲料調製をポーションパッケージの開放位置で行い、これに相応して抽出材料を膨張させることができる。
好適には、閉鎖手段を外すためには熱湯、例えば70°〜100°の熱さの水が用いられる。この熱湯は、水の吸収によって局所的な膨張過程が導入されることで、閉鎖手段を外すことにも、支持体の展開にも用いられてよく、これにより展開が生じる。閉鎖手段を外してポーションパッケージを開けるためには、例えば5ml〜100ml、特に10ml〜50mlの範囲の、第1の水の量が用いられる。この水は、特にコーヒーを調製する場合には、事前給湿、膨張およびガス抜き用に、追加的に使用することができる。これは、プレブリューイング(蒸らし)とも呼ばれる。開放後には、飲料調製用の第2の水、特に熱湯の量が供給される。この場合、第2の水の量は、調製する飲料の量に応じて、例えば100ml〜500ml、特に150ml〜250mlの範囲であってよい。
ポーションパッケージを開ける際には、好適には容器の上面に設けられた支持体のフラップが90°〜180°、特に110°〜150°旋回し、この結果、抽出材料に上方から自由にアプローチすることができ、相応して抽出材料も上方に向かって膨張することができる。フラップが開くことによって追加的に生じる容積は、閉じられたポーションパッケージの元の容積と比べ、少なくとも全く同じ大きさであり、典型的にはそれどころか2倍超の大きさである。追加的な容積は、溶媒によっても利用することができる。コーヒーを調製する場合には、例えばコーヒー粉と水とから成る分散物が生じる。
好適な構成では、旋回可能なフラップは、少なくとも閉鎖手段の領域において、ポーションパッケージの閉鎖位置で、少なくとも2つの平面において互いに上下に配置されており、これによってポーションパッケージの閉鎖部を特に安定的に形成することができる。
以下に、添付の図面を参照して複数の実施例に基づき本発明をより詳細に説明する。
1つのポーションパッケージをそれぞれ異なる位置で示す図である。 1つのポーションパッケージをそれぞれ異なる位置で示す図である。 1つのポーションパッケージをそれぞれ異なる位置で示す図である。 ポーションパッケージを、閉じた初期位置で示す概略図である。 開放過程の際の、図4に示したポーションパッケージを示す概略図である。 飲料調製時の、図4に示したポーションパッケージを示す概略図である。 ポーションパッケージ用のフィルタ材料の裁断片を示す図である。 ポーションパッケージ用の支持体の裁断片を示す図である。 閉鎖部材が一体化されて変更された、ポーションパッケージ用の支持体を示す図である。 別の実施例によるポーションパッケージを開放位置で示す斜視図である。 ポーションパッケージを閉鎖位置で示す斜視図である。 開放過程の際の、図11に示したポーションパッケージを示す図である。 開放過程の際の、図11に示したポーションパッケージを示す図である。 開放過程の際の、図11に示したポーションパッケージを示す図である。 開放過程の際の、図11に示したポーションパッケージを示す図である。 開放過程の際の、図11に示したポーションパッケージを示す図である。 図12〜図16に示したポーションパッケージ用の支持体の裁断片を示す図である。
ポーションパッケージ1は、フィルタ材料から成る、下側の尖端部4を有する容器2を有しており、下側の尖端部4からは、複数の側壁が上向きに広がるように延在している。図1に示す閉じた位置では、容器2の上縁部に、容器2を環状に包囲する支持体3が位置している。このとき、支持体3は、ポーションパッケージ1の上縁部の領域にのみ設けられている一方で、下向きに突出した尖端部は、支持体3によって覆われてはいない。
容器2は、角錐状に形成されており、尖端部4を起点として広がる複数の側面を有しており、これらの側面は、側縁5を介して互いに結合されている。支持体3は、これらの側面の領域において環状に形成されかつ側面を少なくとも上部域において被覆する複数の区間6を有しており、上部域は、好適には閉じられたポーションパッケージの全高の50%未満、特に25〜40%のポーションパッケージ1の高さに対して形成されている。ここで、高さ方向は、使用位置では好適には鉛直方向を向いている。これらの区間6は、折畳み縁部8を介してフラップ7に結合されており、フラップ7は、初期位置ではポーションパッケージ1の上面に実質的に水平方向に配置されている。フラップ7は、任意には水平方向に対して傾斜して方向付けられていてもよい。少なくとも、ポーションパッケージ1は初期位置では閉じられており、このために、保持手段として形成され各フラップ7を中心領域でまとめる閉鎖手段10が設けられている。このために、閉鎖手段は、例えば、好適には食品調製用に認可された接着剤によってフラップ7の先端と接着された面状部材として形成されていてよい。別の実施形態では、閉鎖手段は、図9に図示すると共に以下で説明するように、支持体の幾何学形状に組み込まれていてよい機械的な係止手段として形成されていてもよい。
図2には、ポーションパッケージ1の開放中間位置が示されている。閉鎖手段10を外すことにより、支持体のフラップ7が折畳み縁部8を中心として旋回可能になり、ここで、フラップ7には容器2のフィルタ材料の上側部分が固定されている。フィルタ材料は、閉鎖位置では上部域が折り畳まれるように形成されており、次いでフラップ7の旋回によって展開することができる。
図3では、ポーションパッケージ1が開放位置で示されており、開放位置ではフラップ7は約130°だけ、つまり110°〜150°の間で旋回しており、これにより、少なくとも部分的にフラップ7に固定されたフィルタ材料の上側部分9も、同様に旋回している。この開放位置では、ポーションパッケージ1内に配置された抽出材料に上方からアプローチ可能であり、例えば熱湯を注ぐことができる。
図4には、ポーションパッケージ1が、飲料調製過程を表すために略示されている。ポーションパッケージ1内には、抽出材料11、特にコーヒー粉が位置している。フィルタ材料から成る容器2は、断面図で見て実質的に三角形に形成されており、下側の尖端部4と、実質的に水平方向を向いた上側部分9とを有している。液滴14によって略示するような、第1の、例えば10ml〜50mlの水、特に熱湯の量により、ポーションパッケージ1の上面に配置された閉鎖手段10を外すことができる。水で湿らせることで、接着剤を剥がすか、閉鎖手段の材料を、機能しなくなるまで弱めるか、または差込み結合部の剛性を低下させることができ、この結果、閉鎖手段によって保持力を形成することがもはやできなくなる。
第1の水の量は、好適にはポーションパッケージ1の上面において液体が分散可能であり、したがって支持体3も少なくとも部分的に水を十分に吸収し得る程度の量である。支持体3は、好適にはボール紙または厚紙から成っている。
図5に示すように、支持体の上側の1つの折畳み縁部8では、水で濡らすことにより局所的な膨張過程が生じてよく、この局所的な膨張過程によって折畳み縁部の内面が膨張し、その結果、フラップ7が区間6に対して旋回する。膨張は、折畳み縁部の内面において支持体3の材料が圧縮されており、水を吸収することで体積増大が起こることにより達成される。
フラップ7の旋回により、ポーションパッケージ1は上向きに開かれ、特にコーヒーまたはお茶を作るための抽出材料11に熱湯を供給することができる。抽出材料の膨張により、抽出材料の体積が増大し、これを追加体積12としての上部域によって図示する。特に高価値のコーヒーを調製する場合には、事前に湿らせるステップ、膨張ステップおよびガス抜きステップが重要である。
図6には、飲料を調製するための抽出過程が略示されている。液滴14で示す第2の水の量が上方からポーションパッケージ1に供給され、抽出材料11、特にコーヒー粉に注がれる。このとき、特にコーヒー粉の場合には抽出過程で生じるのと同様に、抽出材料は上方に向かって拡大し、追加的に溶媒と共に分散してよい。このことは図中、乾燥したコーヒー粉の体積を上回る追加体積13として示されている。側壁において濾過された飲料15が流出し、液滴で表したように下方で集合して、例えばカップに溜められてよい。ユーザは、飲料調製後にポーションパッケージのフラップ7を良好に把持して廃棄することができる。
図7には、フィルタ材料を容器2に仕立てる前の材料裁断片が示されている。フィルタ材料は、平らな位置では実質的に円弧形に形成されており、この場合、外周には丸みの付いた周に代えて直線的な縁部が設けられており、代替的には縁部に代えて円弧が設けられていてもよい。いずれにしろ、フィルタ材料から成る裁断片は、皿状、円錐状または角錐状の基本形状を得るために尖端部4において互いに重なり合いかつ例えば接着またはスタンピングによって結合される、2つの縁帯50および51を有している。フィルタ材料は、好適にはフィルタペーパから成っている。
図8には、支持体3の裁断片が平らな状態で示されている。支持体3は、開いた環状部分を有しており、環状部分には、外側に突出した複数のフラップ7が設けられている。フラップ7は、V字形または円錐形に形成されており、外側に向かって先細になっている。フラップ7は、つながっている部分6と折畳み縁部8を介して結合されており、この場合、一方の端部側の部分6に縁部分30が一体成形されており、縁部分30は、部分6の反対側の端部に、特に接着、シールまたはスタンピングにより結合されて、環状の支持体3が形成される。次いで、フラップ7は、ポーションパッケージ1を形成するように、少なくとも部分的にフィルタ材料の上側部分9に、やはり好適には接着、シールまたはスタンピングの各結合技術によって結合されてよい。
図9には、変更された支持体3’の材料裁断片が、それぞれ異なる位置および組立て状態で示されている。支持体3’は、初期位置では平らに形成されており、開いた輪を形成する内周につながっている部分6’を有している。部分6’から外側に向かって、V字形に形成されたフラップ7’が突出しており、各フラップには切抜き部31が形成されている。平らな裁断片には、支持体3’の形成用にまず折畳み縁部8が設けられ、これにより、フラップ7’は部分6’に旋回可能に支承されている。個々のフラップ7’には閉鎖手段として、フラップ7’の端部側に突出した突起10’が形成されている。支持体3’が縁部分30’を介して輪になるように形成されている場合、支持体3’は、抽出材料、特にコーヒー粉が充填される、フィルタ材料から成る容器2に配置される。次いで、フィルタ材料の部分9に少なくとも部分的に結合されていてよいフラップ7’が閉鎖位置に旋回される。この場合、閉鎖手段は、ポーションパッケージを機械的に係止する複数の突起10’により形成されている。このことは、追加的な要素および接着剤の使用を不要にすることができる。この実施例でも、ポーションパッケージの開放は、ポーションパッケージの上面に供給される熱湯を使用することによって行われ、したがって支持体3’の、特に折畳み縁部8の領域における膨張過程が、支持体に加えられた予荷重と部分的に組み合わされて、フラップ7’に、突起10’による保持力を克服させ、次いでフラップ7’を旋回させる。切抜き部31の変更により、開放過程に影響を及ぼすことができる。
開放速度を最適化するために、周方向に延在する折畳み縁部8のところで、20%〜50%が切り抜かれていてよい。折畳み縁部8のところに切抜き部18が全く設けられていないと、フラップ7および7’は確かに、切抜き部18が設けられている場合よりも低速で開放する。
図示の実施例では、コーヒー調製用のポーションパッケージが想定されている。もちろん、別の飲料、特にお茶またはコーヒー混合飲料を作ることも可能であり、この場合、飲料調製に問題が生じること無しに、ポーションパッケージの開放に基づき、用いられる抽出材料が拡大しかつ膨張することができる。さらに、完全に可溶性の抽出材料も使用可能であり、例えばココア飲料を作る際にはフィルタ部材が、飲料中に不溶塊が一切流入しないことを保証する。
図10には、別の実施例によるポーションパッケージが開放位置で示されている。ポーションパッケージ1は、先行実施例の場合と同様に、液体透過性のフィルタ材料、特にフィルタペーパから成る容器2を有しており、容器2を包囲して支持体3が環状に配置されている。容器2は、使用位置で下側に配置される尖端部4を備えて実質的に角錐状に形成されており、尖端部4からは、側縁5を介して互いに結合された、フィルタ材料から成る複数の側壁が、上向きに拡開するように配置されている。
支持体3は、ボール紙または比較的厚い紙から製造されていてよく、側縁のところで容器2のフィルタ材料と例えば接着によって結合されていてよい側方の区間6を有している。この場合、側方の区間は帯状に形成され、側壁の上部域にのみ配置されているため、尖端部4に隣接するフィルタ材料は、区間6によって被覆されてはいない。別の構成では、容器2はフラップ7’’のところでのみ、支持体と結合されている。
支持体3は側方の区間6に、それぞれ折畳み縁部8を介して側方の区間6に結合された旋回可能なアームまたはフラップ7’’を有している。図示の実施例では、実質的に三角形に形成されており、容器2の内部空間を六角形状に包囲する6つのフラップ7’’が設けられている。フラップ7’’には、フィルタ材料から成る部分が例えば接着によって固定されているため、フラップ7’’が動くと、フィルタ材料も旋回する。各フラップ7’’には、開放を容易にするために、切抜き部18が設けられている。フラップ7’’の領域において切抜き部18を省くことも可能である。
各フラップ7’’には端部側に閉鎖手段10’’が設けられており、閉鎖手段10’’は、ガイド縁部16と係止突起17とを有している。各閉鎖手段10’’が互いに重なり合うように折り畳まれることにより、2つ、3つまたは4つのフラップ7’’の閉鎖手段10’’を互いに係止することができる。
容器2内には、抽出材料、特にコーヒー粉または茶葉が位置している。
図11には、角錐状に形成されたポーションパッケージ1が閉鎖位置で示されている。この状態で、ポーションパッケージ1を所定の機械に挿入して、抽出飲料を調製することができる。図10と比べ、切抜き部19が折畳み縁部8までは延びておらず、やや小さく形成されており、その他の点では、この実施例は図10に相当する。所望の機能に応じて、切抜き部19は様々な幾何学形状を有していてよい、または切抜き部19は省かれてもよい。
図12〜図16を参照して、開放過程をより詳細に説明する。ポーションパッケージ1を開けるために、フラップ7’’の開放を選択的に手動で、または液体、特に熱湯の供給を介して行うことができ、これが、折畳み縁部8の領域の支持体3に膨張過程をもたらすと共に、自動的な開放を引き起こす。
図12では3つのフラップ7’’がやや開かれており、これら3つのフラップ7’’は、閉鎖手段10’’の領域において互いにオーバラップしていると共に、各折畳み縁部8を中心として共に旋回可能である。その際に閉鎖手段10’’は係止解除され、ガイド縁部16に沿って滑動する。別の3つのフラップ7’’は、図12ではまだ係止された閉鎖位置にあるため、この位置では3つの閉じられたフラップ7’’により、コーヒー粉の流出が防止される。開放過程を容易にするために、図12〜図16ではフラップ7’’の領域においてフィルタ材料の上側部分9が省かれている。
図13には、図12に示したポーションパッケージ1が平面図で示されている。ポーションパッケージ1が、矢印によって象徴的に示された衝突荷重または圧縮荷重に晒されると、場合により、閉鎖手段10’’が閉鎖位置では下側の3つのフラップ7’’の閉鎖手段10’’の上側に配置されている上側の3つのフラップ7’’が、開くことがある。それにもかかわらず、ポーションパッケージ1は閉じられたままである。なぜなら、下側の3つのフラップ7’’の閉鎖手段10’’が係止し続けるからである。剪断荷重によるねじれの場合には、方向に応じて、各フラップ7’’から形成された下側または上側の3つのスポークが閉鎖部を安定させる。なぜなら、ガイド縁部16と係止突起17とが、それぞれ交互に一方または他方の方向を向いているからである。
図14では、3つのフラップ7’’が90°を越えて旋回した一方で、下側の3つのフラップ7’’は、閉鎖手段10’’により未だ係止されている。下側の3つのフラップ7’’は、容器2を未だ実質的に閉鎖していることが認められ、このとき、フィルタ材料が下側のフラップ7’’の領域において追加的に、ポーションパッケージ1の開口を封止している。
図15には、下側のフラップ7’’がやや開かれた位置で示されており、この位置で閉鎖手段10’’が係止解除される。図16には、ポーションパッケージ1が完全に開かれた位置で示されており、この場合は開放機構をより良好に見ることができるようにするために、フラップ7’’の領域にフィルタ材料は一切図示されていない。さらに、ポーションパッケージ1には抽出材料も充填されていない。
ポーションパッケージ1が液体による膨張過程を介して開かれる場合には、6つのフラップ7’’が実質的に同時に開かれ、この場合、下側のフラップ7’’の閉鎖手段10’’の上側に配置された上側の閉鎖手段10’’を備えたフラップ7’’が、ごく短時間で順次外される。膨張過程を介して、各フラップ7’’は実質的に同時に旋回する。
図17には、支持体3が裁断片で示されている。支持体3は、ボール紙から成る一体の構成部材として製造されており、それぞれ折畳み縁部8を介して側方の区間6に結合された6つのアームまたはフラップ7’’を有している。側方の区間6は、折畳み縁部33に沿って環状に折り畳まれてよく、一方の端部側の区間6には、反対側の側方の区間6と例えば接着によって結合可能な結合ウェブ34が一体成形されている。結合ウェブ34には切欠き31が設けられており、切欠き31は、接着時に一方の端部側の側方の区間6に設けられた切欠き32と整合して、支持体3を位置調整することができる。フィルタ材料から成る裁断片も、やはり一体に製造されていてよく、袋状の容器2を形成するために、結合部分に沿って接着されてまたはスタンピングによって互いに結合されていてよい。支持体3は、好適にはフィルタ材料の外側に取り付けられるが、任意にはフィルタ材料の内面に設けられてもよい。さらに、フラップ7’’の数も可変であってよい。
1 ポーションパッケージ
2 容器
3,3’ 支持体
4 尖端部
5 側縁
6,6’ 区間
7,7’,7’’ フラップ
8 折畳み縁部
9 部分
10,10’’ 閉鎖手段
10’ 突起
11 抽出材料
12 追加体積
13 追加体積
14 液滴
15 飲料
16 ガイド縁部
17 係止突起
18 切抜き部
19 切抜き部
30,30’ 縁部分
31 切欠き
32 切欠き
33 折畳み縁部
34 結合ウェブ
50 縁帯
51 縁帯

Claims (13)

  1. 内部に抽出材料が配置されているフィルタ材料製の容器(2)と、該容器(2)を取り囲む支持体(3)とを有するポーションパッケージ(1)を用いて、飲料を製造する方法であって、以下のステップ、すなわち、
    フィルタ容器内に、閉じられた前記ポーションパッケージ(1)を挿入するステップと、
    前記ポーションパッケージの前記容器(2)を上側で開放し、前記容器(2)の内部容積を、閉鎖位置における内部容積と比較して少なくとも50%増大させるステップと、
    飲料調製のために前記抽出材料に水を供給するステップと、
    を含む方法において、
    前記支持体(3)は、旋回可能なフラップ(7)に結合されている少なくとも1つの折畳み縁部(8)を有しており、前記ポーションパッケージを、フィルタ材料製の上側の部分が固定されている少なくとも1つの前記フラップ(7)の旋回によって開放することを特徴とする、方法。
  2. 開放のために、前記ポーションパッケージ(1)を前記折畳み縁部(8)の領域において、膨張プロセスのために湿潤させ、これによって前記ポーションパッケージ(1)の開放を自動的に行う、請求項1記載の方法。
  3. 前記ポーションパッケージ(1)の前記容器(2)の開放を、湯を供給することによって行い、前記支持体(3)における少なくとも1つの前記折畳み縁部(8)を湿潤させる、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記容器(2)の上側における前記支持体(3,3’)の前記フラップ(7,7’)は、開放時に90°〜180°、特に110°〜150°旋回する、請求項2または3記載の方法。
  5. 前記ポーションパッケージを開放するために、5mm〜100mm、特に10mm〜50mmの量の水を、前記ポーションパッケージ(1)に供給し、次いで、前記ポーションパッケージの開放後に、前記ポーションパッケージ(1)の前記抽出材料に湯を供給する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 飲料、特にコーヒーを作るためのポーションパッケージ(1)であって、内部に抽出材料が配置された、フィルタ材料からなる容器(2)と、該容器(2)を少なくとも部分的に包囲している支持体(3,3’)とを有しており、前記容器(2)は、初期位置では閉じられた状態で形成されており、前記フィルタ材料の縁部の少なくとも一部が旋回することにより開かれるようになっている、ポーションパッケージ(1)において、
    前記支持体(3)は、少なくとも1つの折畳み縁部(8)を有しており、該折畳み縁部(8)を中心にしてフラップ(7)が旋回可能であり、前記フィルタ材料の上側の部分が、少なくとも1つの前記フラップ(7)に固定されており、前記容器(2)の内部容積は、当該ポーションパッケージ(1)の開放位置において、閉鎖位置における当該ポーションパッケージの内部容積よりも少なくとも50%大きいことを特徴とする、ポーションパッケージ(1)。
  7. 前記折畳み縁部(8)を中心にして前記支持体(3,3’)の1つのフラップ(7)を旋回させることを目的として、前記折畳み縁部(8)は前記容器(2)の開放のために湿潤させることができる、請求項6記載のポーションパッケージ。
  8. 前記支持体(3,3’)は、少なくとも部分的にボール紙から製造されている、請求項6または7記載のポーションパッケージ。
  9. 前記折畳み縁部(8)は環状に形成されており、部分的に少なくとも1つの切欠き(18)によって中断されている、請求項6から8までのいずれか1項記載のポーションパッケージ。
  10. 環状の前記折畳み縁部(8)の長さに関連して、前記切欠きの長さは、前記折畳み縁部(8)の長さの20%〜50%である、請求項9記載のポーションパッケージ。
  11. 少なくとも1つのフラップ(7,7’’)が、前記折畳み縁部(8)に対して間隔を有する面に切欠き(19)を有している、請求項6記載のポーションパッケージ。
  12. 少なくとも4つのフラップ(7)、好ましくは5つ〜8つのフラップ(7)が設けられており、該フラップ(7)は、前記折畳み縁部(8)に旋回可能に支持されている、請求項6から11までのいずれか1項記載のポーションパッケージ。
  13. 旋回可能なフラップ(7,7’’)は、少なくとも閉鎖手段(10,10’’)の領域において、当該ポーションパッケージ(1)の閉鎖位置で、少なくとも2つの平面において互いに上下に配置されている、請求項6から12までのいずれか1項記載のポーションパッケージ。
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